以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.画像形成装置の構成]
図1に左側面図を示すように、第1の実施の形態による画像形成装置1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなり可撓性を有する用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷するようになっている。
画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。以下では、図1における右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
この画像形成装置1は、制御部3により全体を統括制御する。制御部3は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。また制御部3は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に当該カラー画像の印刷が指示されると、用紙Pの紙面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
筐体2内の最下部には、用紙Pを収容する給紙カセット4が設けられている。給紙カセット4は、例えば中空の直方体状に形成されており、上面が開放されている。この給紙カセット4の前上方には、用紙繰出部5が設けられている。用紙繰出部5は、複数のローラ等により構成されており、各ローラを適宜回転させることにより、給紙カセット4に収納されている用紙Pのうち最上面の1枚のみを他の用紙Pから分離し、前斜め上方へ繰り出す。
因みに画像形成装置1は、例えば最大でA3サイズ、最小でA6サイズの用紙Pに画像を印刷し得るようになっている。また画像形成装置1は、A3サイズの用紙Pに画像を印刷する場合、該用紙Pの長手方向を進行方向に合わせ、短手方向を左右方向に合わせた姿勢で、進行させるようになっている。
用紙繰出部5の前側ないし上側には、用紙Pを搬送する下搬送部6が設けられている。下搬送部6は、用紙Pを案内する搬送ガイドにより、用紙繰出部5から引き渡される用紙Pを前上方へ進行させ、やがて後方向へ折り返すような搬送路Wを形成している。また下搬送部6には、搬送路を挟んで対向する2個の搬送ローラでなる搬送ローラ対7が設けられている。この搬送ローラ対7は、図示しないモータから駆動力が供給されることにより所定方向へ回転し、搬送路Wに沿って用紙Pを上方へ搬送することにより、この用紙Pを中搬送部10へ引き渡す。
中搬送部10の前側には、筐体2の前側面から前方へ突出した位置に、多目的トレイ8が設けられている。多目的トレイ8は、板面を上下方向に向けた板状に形成されており、その上面に用紙Pが載置される。多目的トレイ8の後端近傍には、多目的繰出部9が設けられている。多目的繰出部9は、用紙繰出部5と同様に構成されており、多目的トレイ8に載置された用紙Pを1枚ずつに分離して繰り出し、後方の中搬送部10へ引き渡すようになっている。この多目的トレイ8は、例えば使用頻度の低い大きさや種類の用紙Pを給紙する場合に利用される。
中搬送部10は、複数の搬送ガイドや、複数の搬送ローラ対11及び12等により構成され、搬送路Wを概ね前後方向に沿った直線状に形成している。各搬送ガイドは、用紙Pを案内する案内面を搬送路Wに向けている。すなわち搬送路Wを上下から挟む位置に設けられた一対の搬送ガイドは、互いの案内面同士を対向させることにより、この案内面同士の間に隙間を形成しており、この隙間を搬送路Wとしている。この中搬送部10では、搬送路Wに沿って後方向へ向けて用紙Pを搬送する。以下では、説明の都合上、後方向を搬送方向とも呼び、またその反対方向である前方向を反搬送方向とも呼ぶ。
搬送部としての搬送ローラ対11及び12は、搬送路Wの上側及び下側に、すなわち該搬送路Wを上下から挟持する位置に、それぞれ搬送ローラを配置している。搬送ローラ対11及び12は、制御部3の制御に基づいて搬送モータ(図示せず)から駆動力が伝達されることにより適宜回転する。このとき搬送ローラ対11及び12は、各搬送ローラの間に用紙Pを挟持していれば、この用紙Pに駆動力を伝達し、搬送路Wに沿って後方へ進行させる。また中搬送部10では、制御部3の制御に基づいて搬送ローラ対11及び12における各ローラの回転速度を制御することにより、用紙Pの搬送速度を調整し得るようになっている。
中搬送部10における前後方向の中央よりもやや後側には、転写部13が設けられている。転写部13は、下側の2次転写ローラ14及び上側の2次転写バックアップローラ15により、搬送ローラ対11及び12と同様に、搬送路Wを上下から挟持するように配置されている。
さらに中搬送部10の搬送ローラ対12と転写部13との間には、検知ユニット16が設けられている。すなわち検知ユニット16は、中搬送部10における転写部13と、その直前に設けられた搬送ローラ対である搬送ローラ対12との間に配置されている。この検知ユニット16は、搬送路Wの上下両側にそれぞれ搬送ガイドが配置されると共に、用紙Pを検知する書込センサが設けられている(詳しくは後述する)。検知ユニット16は、この書込センサの位置に用紙Pの先端が到達したことを検知すると、検知信号を生成して制御部3へ供給するようになっている。
中搬送部10の上方には、画像形成部20が設けられている。画像形成部20は、主にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の画像を形成する4個のプロセスユニット21(21Y、21M、21C及び21K)により構成されている。このプロセスユニット21は、ドラムや複数のローラを有している。
画像形成部20と中搬送部10との間には、ベルト走行部22が設けられている。このベルト走行部22は、複数のローラの周囲に、幅広の無端ベルトでなる中間転写ベルト23を張架させ、走行させるようになっている。ベルト走行部22は、中間転写ベルト23の上側部分において、各プロセスユニット21のドラムやローラと該中間転写ベルト23とを当接させている。またベルト走行部22は、その下側部分において、転写部13の2次転写ローラ14及び2次転写バックアップローラ15の間に中間転写ベルト23を挟持させ、用紙Pの搬送路Wに当接させている。
画像形成部20の各プロセスユニット21は、それぞれ制御部3から画像データが供給されると、像担持体としてのトナーにより、この画像データに応じたトナー像を形成する。ベルト走行部22は、中間転写ベルト23を走行させることにより、各プロセスユニット21により形成された各色のトナー像を中間転写ベルト23に順次転写し、この転写されたトナー像を転写部13まで進行させる。
因みに制御部3は、画像データを供給した供給時点から、この画像データに応じたトナー像が中間転写ベルト23の走行により転写部13に到達する到達時点までの画像到達時間を予め記憶している。
制御部3は、検知ユニット16から検知信号が供給されるタイミングと、記憶している画像到達時間とを基に、ベルト走行部22における中間転写ベルト23の走行速度や中搬送部10における用紙Pの搬送速度を制御する。これにより転写部13は、中間転写ベルト23上の画像データと用紙Pとの相対的な位置を適切に合わせた状態で、該画像データを該中間転写ベルト23から該用紙Pに転写する。
中搬送部10は、トナー像が転写された用紙Pを後方へ搬送し、定着部17内へ進行させる。定着部17は、搬送路Wの上下に配置された一対のローラを所定方向へ回転させながら、用紙Pに熱及び圧力を加えることにより、トナー像を用紙Pに定着させ、この用紙Pをさらに後方へ進行させる。これにより用紙Pには、画像データに基づいた画像が形成される。
定着部17の後方ないし上方には、上搬送部18が設けられている。上搬送部18は、下搬送部6及び中搬送部10と同様に、用紙Pを案内する搬送ガイド及び複数の搬送ローラ対により構成されている。この上搬送部18は、下端において前側の定着部17から引き渡される用紙Pを上方へ進行させ、やがてその上端近傍で前方向へ送り出すように搬送路Wを形成している。また上搬送部18の上端における前側であって、筐体2の上面には、画像が形成された用紙Pを集積(スタック)するスタッカ部19が設けられている。この上搬送部18は、定着部17から引き渡される用紙Pを搬送路Wに沿って上方へ搬送し、前方へ放出することにより、当該用紙Pをスタッカ部19に集積させる。
このように画像形成装置1は、用紙Pを中搬送部10等により搬送路Wに沿って搬送すると共に検知ユニット16によりその先端を検知し、また画像形成部20により中間転写ベルト23上に形成したトナー像を、転写部13において用紙Pに転写し、さらに定着させることにより、当該用紙Pに画像を形成するようになっている。
[1−2.検知ユニットの構成]
次に、検知ユニット16の構成について、図2(A)及び(B)の斜視図、図3の側面図、及び図4の断面図を参照しながら説明する。検知ユニット16は、大きく分けて搬送路W(図1)の下側に配置され用紙Pの移動範囲を規制する基準搬送ガイド30、その上側に配置され用紙Pの移動範囲を規制する移動搬送ガイド40、及び書込センサ50により構成されている。
基準搬送ガイド30は、左右方向に長い直方体状の本体部31を中心に構成されている。本体部31は、所定の樹脂材料が成型されることにより、中空の直方体状に形成されており、且つその下面が開放されている。因みに本体部31は、下面を除いた各側面部分が十分な厚さを有しているため、全体として容易に変形しないような十分な剛性を有している。また本体部31の後面は、近接配置される転写部13の2次転写ローラ14との干渉を回避するために、左右方向から見てその一部が前方へ円弧状に凹んだ形状となっている。
本体部31の上面である基準搬送面31Cは、画像形成装置1において取り扱われる最大幅の用紙Pが通過する範囲、すなわちA3サイズにおける短手方向の長さに相当する最大幅範囲E1を含めて、ほぼ水平な平面状に形成されている。
基準搬送面31Cにおける左右方向及び前後方向の中央付近には、光を上下方向に透過させる光透過部32が設けられている。光透過部32は、基準搬送面31Cに形成された長方形状の孔部に対し、透明の樹脂材料でなる板状部材が嵌め込まれることにより構成されている。因みに光透過部32は、その上面を基準搬送面31Cと連続する平面状に形成している。
また基準搬送面31Cにおける最大幅範囲E1の左右両外側には、それぞれ軸保持部33が設けられている。軸保持部33は、全体として本体部31よりも格段に小さい2本の直方体を前後方向に間隔を空けて並べたような形状となっており、この小さな直方体同士の間に、上下方向に沿った保持溝33Dを形成している。これを換言すれば、軸保持部33は、左右方向から見て英文字の「U」に類似した形状となっている。
本体部31の内部であって、光透過部32のほぼ真下となる箇所には、センサ取付部34が形成されている。このセンサ取付部34には、書込センサ50が取り付けられる。書込センサ50は、所定の検知光L1を上方へ向けて発光する発光素子51と、上方からこの検知光L1を受光する受光素子52とが組み込まれている。また書込センサ50は、制御部3(図1)と電気的に接続されており、該制御部3の制御に従い、発光素子51を発光させると共に、受光素子52による受光結果に基づいて検知信号を生成し、これを該制御部3へ供給するようになっている。
移動搬送ガイド40は、左右方向に長い柱状の本体部41を中心に構成されている。本体部41は、所定の樹脂材料が成型されることにより、直方体における前下側、後上側及び後下側の各稜線近傍が斜めに切り落とされたような中空の立体状に形成されており、且つその上面が開放されている。因みに本体部41は、本体部31と同様、上面を除いた各側面部分が十分な厚さを有しているため、全体として容易に変形しないような十分な剛性を有している。また本体部41における左右方向の長さは、最大幅範囲E1よりも長くなっている。
本体部41の下面である移動搬送面41Cは、ほぼ水平な平面状に形成されている。この移動搬送面41Cにおける左右方向及び前後方向の中央付近には、光を反射させる光反射部42が設けられている。このため移動搬送面41Cでは、光反射部42の前側部分において、該光反射部42と連続した平面が形成されている。
また本体部41の左右両側面には、左右の外方へ向けて、短い円柱状の軸部43がそれぞれ設けられている。軸部43は、円柱の直径が軸保持部33における保持溝33Dの間隔よりも僅かに小さくなっている。
検知ユニット16は、その製造工程において、図3に示したように、基準搬送ガイド30の上側に移動搬送ガイド40が載置される。このとき検知ユニット16は、左右両側において移動搬送ガイド40の軸部43を基準搬送ガイド30における軸保持部33の保持溝33Dにそれぞれ入り込ませる。
移動搬送ガイド40は、重力の作用により重心点40Gにおいて下向きの力が発生するため、できるだけ下方へ、すなわち基準搬送ガイド30へ近接しようとする(以下、重心点40Gに作用する重力を近接力とも呼ぶ)。これにより移動搬送ガイド40は、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに当接させ、基準搬送ガイド30により下側から支持された状態となる。このとき検知ユニット16では、図4に示したように、光透過部32及び書込センサ50のほぼ真上に光反射部42を位置させることになる。
ここで軸保持部33の保持溝33Dは、上方に向けて開放されている。このため移動搬送ガイド40は、上方へ、すなわち基準搬送ガイド30から離隔する方向へ向かう力が加えられた場合、持ち上げられて上方へ移動し、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cから引き離すことになる。因みに移動搬送ガイド40は、この力が解放されると、再び重力(近接力)の作用により下方へ移動し、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに当接させた状態となる。
このように検知ユニット16は、基準搬送ガイド30に対し、移動搬送ガイド40を上下方向へ、すなわち近接又は離隔させる方向へ移動させることができ、且つ重力の作用により移動搬送ガイド40が下方向へ、すなわち基準搬送ガイド30に近接する方向へ付勢されている。説明の都合上、以下では軸保持部33及び軸部43をまとめて移動部60とも呼ぶ。また以下では、上下方向を離接方向とも呼び、左右方向を幅方向とも呼ぶ。
因みに検知ユニット16は、画像形成装置1(図1)の筐体2内に組み込まれる場合、基準搬送ガイド30が該筐体2に対し固定される一方、移動搬送ガイド40が該筐体2に対し特に固定されず、上下方向(すなわち離接方向)へ移動し得る状態となる。
検知ユニット16は、基準搬送ガイド30の上側に移動搬送ガイド40を載置した状態で、制御部3の制御に基づき、書込センサ50の発光素子51から検知光L1を発光させる。この検知光L1は、光透過部32を透過して光反射部42に到達し、該光反射部42において反射されると、再び光透過部32を透過し、受光素子52に到達する。すなわち書込センサ50は、この場合、受光素子52により検知光L1を受光できる。書込センサ50は、受光素子52による検知光L1の受光結果を基に、検知結果を表す検知信号を生成して制御部3(図1)へ送信する。
因みに実際の検知光L1は、発光素子51から発光される段階である程度の発散角を有しており、例えば平面に照射した場合の光強度がガウス分布となっている。このため検知ユニット16は、書込センサ50の基準搬送ガイド30に対する取付誤差や製造誤差等によって発光素子51の取付位置や取付角度等が設計値から多少外れた場合や、移動搬送ガイド40の移動搬送面41Cが水平方向に対し多少傾いた場合であっても、検知光L1におけるいずれかの部分を受光素子52に到達させることができる。作図の都合上、図3(B)等においては、検知光L1のうち受光素子52に到達する光路のみを実線により表している。
ところで検知ユニット16は、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに当接させた状態(図3及び図4)において、前側の搬送ローラ対12から用紙Pが搬送されてくると、この用紙Pの先端を基準搬送面31Cの上側に当接又は近接させながら、後方へ進行させる。続いて検知ユニット16は、用紙Pが引き続き後方へ搬送されると、その先端を移動搬送ガイド40における本体部41の前下方に形成された前傾斜面41Sに当接させてから該前傾斜面41Sに沿って後下方へ摺動させる。
やがて検知ユニット16は、用紙Pの先端が前傾斜面41Sの下端である接続箇所41Nに到達すると、該先端を基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間に入り込ませ、移動搬送ガイド40を上方へ持ち上げさせる。続いて検知ユニット16は、用紙Pを基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間に挟んだ状態のまま、すなわち用紙Pの下面を基準搬送面31Cに当接させると共にその上面を移動搬送面41Cに当接させたまま、後方へ進行させる。
その後、検知ユニット16は、用紙Pの先端が検知光L1の光路に到達することにより該検知光L1が遮られると、書込センサ50の受光素子52により該検知光L1を受光しなくなり、これに応じて制御部3へ供給する検知信号を変化させる。例えば書込センサ50は、受光素子52により検知光L1を受光している場合には検知信号の信号レベルをハイレベルとし、該検知光L1を受光しない場合にはこれをローレベルとする。以下では、検知光L1の光路であって用紙Pの先端が到達することにより該検知光L1を遮る箇所を、検知箇所とも呼ぶ。
制御部3は、書込センサ50から取得する検知信号の信号レベルを基に、検知ユニット16における用紙Pの検知状態を判断する。例えば制御部3は、検知光L1を受光する状態から受光しない状態へ変化した場合、中搬送部10(図1)により搬送されている用紙Pの先端が検知ユニット16の検知箇所に到達したものと判断する。また制御部3は、検知光L1を受光しない状態から受光する状態へ変化した場合、中搬送部10(図1)により搬送されている用紙Pの末端が検知ユニット16の検知箇所を通過したものと判断する。
そのうえで制御部3は、上述したように、中間転写ベルト23の走行速度や中搬送部10における用紙Pの搬送速度を調整することにより、該中間転写ベルト23上のトナー像及び該用紙Pの位置を互いに合わせて、転写部13において転写させるようになっている。
[1−3.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による画像形成装置1の検知ユニット16では、移動部60により基準搬送ガイド30に対し移動搬送ガイド40を上下方向へ移動可能に構成し、且つ重心点40Gに対する重力の作用により該移動搬送ガイド40を基準搬送ガイド30に向けて近接させるようにした。
検知ユニット16は、用紙Pが搬送されていない場合、移動搬送ガイド40の移動搬送面41Cを基準搬送ガイド30の基準搬送面31Cに当接させた状態となる(図3)。このとき検知ユニット16の書込センサ50は、発光素子51から出射された検知光L1を移動搬送面41Cに設けられた光反射部42において反射させ、受光素子52に入射させる。これにより、書込センサ50から検知信号を取得する制御部3(図1)は、検知ユニット16の検知箇所に用紙Pが到達していないと判断できる。
また検知ユニット16は、中搬送部10の搬送ローラ対12等により用紙Pが前方から搬送されてくると、この用紙Pの先端部分を移動搬送ガイド40の前傾斜面41Sに当接させ、さらに後方へ摺動させていく。これにより検知ユニット16は、用紙Pの先端を移動搬送面41C及び基準搬送面31Cの間に入り込ませながら、移動搬送ガイド40を上方へ、すなわち基準搬送ガイド30から離隔させる方向へ、持ち上げるように移動させる。
この結果、検知ユニット16では、搬送路Wに沿って後方へ進行する用紙Pを移動搬送ガイド40の自重によって下方向へ押し付けながら、すなわち用紙Pの下面を基準搬送面31Cに当接させると共に上面を移動搬送面41Cに当接させながら、この用紙Pを後方へ進行させていく。
これを他の観点から見ると、検知ユニット16では、上下方向に関する基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間隔が、用紙Pの厚さとほぼ同等にまで狭められている。これにより検知ユニット16では、用紙Pの先端を基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間で上下方向へ移動させることなく、その下面を該基準搬送面31Cに当接させたまま、後方へ進行させていく。
やがて検知ユニット16は、書込センサ50の発光素子51から出射された検知光L1の光路が用紙Pの先端により遮られると、受光素子52においてこの検知光L1を受光しなくなるため、該用紙Pが検知箇所に到達したことを検知し、検知信号を変化させる。
ここで、本実施の形態との比較対象として、図5(A)に示すように、仮想的な検知ユニット76を想定する。この検知ユニット76では、移動搬送ガイド40が基準搬送ガイド30から離隔された位置で固定されている。このため検知ユニット76では、基準搬送面31Cと移動搬送面41Cとの間隔である搬送間隔T76が、用紙Pの厚さよりも十分に大きくなっている。
このため検知ユニット76では、搬送される用紙Pの先端部分が、基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間で様々に変位する可能性がある。例えば検知ユニット76では、図中に破線で示す用紙P1のように、先端部分が下方に変位して基準搬送面31Cに当接している場合、その先端が前後方向の位置Q1に到達した時点で検知光L1を遮り、書込センサ50により検知される。
しかしながら検知ユニット76では、図中に破線で示す用紙P2のように、先端部分が上方に変位して移動搬送面41Cに当接している場合、その先端が前後方向の位置Q2に、すなわち位置Q1よりも距離ΔQだけ後方に到達した時点で検知光L1を遮り、書込センサ50により検知される。
すなわち検知ユニット76では、書込センサ50により用紙Pの先端が到達したことを検知したとしても、前後方向に関して距離ΔQの範囲で、該用紙Pの位置に誤差を生じる可能性がある。このため、検知ユニット76を搭載した画像形成装置では、転写部13において用紙Pに転写されるトナー画像の位置が、該用紙Pに対し距離ΔQの範囲でずれる可能性があり、印刷精度の低下を招いていた。
これに対し、本実施の形態による検知ユニット16では、図5(A)と対応する図5(B)に示すように、用紙Pの先端が検知光L1の光路に到達する場合、基準搬送面31Cと移動搬送面41Cとの間隔である搬送間隔T16が、用紙Pの厚さとほぼ同等となっている。このため検知ユニット16では、搬送される用紙Pが先端部分を上下方向に変位させることなく、常にその下面を基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1を遮り、書込センサ50により検知される。
すなわち検知ユニット16では、書込センサ50により用紙Pの先端が到達したことを検知した場合、前後方向に関して該用紙Pの位置に誤差を生じることが無い。これにより、検知ユニット16を搭載した画像形成装置1では、転写部13において用紙Pに転写されるトナー画像の位置がずれる可能性が無く、常に高い位置精度で転写することにより、高品質な印刷を行うことができる。
また他の観点から見れば、仮想的な検知ユニット76(図5(A))では、仮に基準搬送ガイド30に対する書込センサ50の取付誤差や該書込センサ50自体の製造誤差があった場合、搬送方向(すなわち後方向)に対し検知光L1の光路がなす角度が変化する可能性がある。このような場合、検知ユニット76では、この角度の変化に応じて距離ΔQも変化するため、用紙Pの位置に生じる誤差の範囲が変化すること、すなわち誤差の範囲が拡大することが考えられる。
これに対し本実施の形態による検知ユニット16(図5(B))では、基準搬送ガイド30に対する書込センサ50の取付誤差や該書込センサ50自体の製造誤差があった場合、用紙Pを検知する位置が設計値から前後方向にずれる可能性はあるものの、該用紙Pが必ず基準搬送面31Cに当接するために、そのずれ量が常に一定となる。このため検知ユニット16は、例えば製造時に所定の測定治具等を用いて用紙Pを検知する位置のずれ量を予め測定し、このずれ量に応じた補正値を制御部3に記憶させておき、この補正値を利用して用紙Pの搬送や中間転写ベルト23の走行を制御することにより、書込センサ50に起因した誤差を排除することができる。
また検知ユニット16は、移動搬送ガイド40を固定せず、移動部60により基準搬送ガイド30に対し上下方向(すなわち離接方向)へ移動させ得るようにした。このため検知ユニット16は、様々な厚さの用紙Pに対し、常に適切な搬送間隔T16を形成することができるので、検知箇所において常に精度良く用紙Pを検知することができる。
さらに検知ユニット16では、重心点40Gに作用する重力を利用して移動搬送ガイド40を下方へ、すなわち基準搬送ガイド30へ向けて近接させるようにした。このため検知ユニット16では、バネ等の付勢部材を用いる必要が無く、簡易な構成によって、移動搬送ガイド40により用紙Pを基準搬送ガイド30へ押し付けることができる。
そのうえ検知ユニット16では、基準搬送ガイド30の軸保持部33に、上下方向に沿った保持溝33Dを設け、この保持溝33Dに移動搬送ガイド40の軸部43を入り込ませ、該基準搬送ガイド30に対し該移動搬送ガイド40を上下方向へのみ移動し得るようにした(図3、図4)。このため検知ユニット16では、搬送される用紙Pから移動搬送ガイド40に対し後方向へ向かう力が加えられたとしても、移動搬送ガイド40の基準搬送ガイド30に対する前後方向の位置を保持できるので、光反射部42を書込センサ50のほぼ真上に維持でき、検知光L1を確実に反射することができる。
さらに検知ユニット16では、移動搬送ガイド40における本体部41の下面、すなわち移動搬送面41Cにおいて、書込センサ50のほぼ真上に位置する光反射部42に加えて、その前側部分(すなわち上流側の部分)まで平坦に形成した(図2(B)及び図3(B)等)。これにより検知ユニット16では、前方から搬送されてくる用紙Pの先端が書込センサ50のほぼ真上に到達するよりも十分に前の段階から、搬送間隔T16(図5(B))を用紙Pの厚さとほぼ同等に揃えることができ、移動搬送ガイド40の姿勢を安定させた状態でその先端を検知光L1の光路に到達させることができる。
また画像形成装置1では、中搬送部10において転写部13と、その直前に設けられた搬送ローラ対である搬送ローラ対12との間に検知ユニット16を配置した。これにより画像形成装置1では、用紙Pを検知ユニット16により検知してから転写部13に到達させるまでの間に他の搬送路ローラ対が介在しないため、用紙Pの搬送状態を変化させる可能性を排除できる。この結果、画像形成装置1では、中間転写ベルト23上のトナー画像の位置と該用紙Pの位置とを高精度に合わせることができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による画像形成装置1の検知ユニット16は、基準搬送ガイド30に対し移動搬送ガイド40を上下方向へ移動し得るようにし、且つ該移動搬送ガイド40を重力により基準搬送ガイド30へ近接させた。検知ユニット16は、用紙Pが搬送されてきた場合に、移動搬送ガイド40を該用紙Pの厚さだけ上方へ持ち上げさせ、搬送間隔T16を該用紙Pの厚さと同等とするため、該用紙Pの上下方向への変位を抑えることができる。これにより検知ユニット16は、常に用紙Pの下面を基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので、該用紙Pを検知する位置やタイミングに誤差を生じることがない。これにより画像形成装置1では、用紙Pに対し高い位置精度でトナー画像を転写でき、高品質な印刷を行うことができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による画像形成装置101(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット116を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
また、この第2の実施の形態における用紙Pは、図6(A)及び(B)に示すように、台紙PMに複数のシール紙PSが格子状に貼り付けられたラベル紙となっている。台紙PMは、例えばA4サイズ等の一般的な大きさの比較的薄い紙であり、その上面に剥離性を高める加工が施されている。シール紙PSは、台紙PMよりも小さい長方形状でなり、下面に粘着材が塗布されている。
検知ユニット116(図8)は、第1の実施の形態による検知ユニット16(図2)と比較して、移動搬送ガイド40に代わる移動搬送ガイド140(図7及び図8)を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
移動搬送ガイド140は、第1の実施の形態による移動搬送ガイド40と比較して、移動搬送面41Cに2個の突当部144が設けられている点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
間隔形成部としての各突当部144は、最大幅範囲E1の左右両外側にそれぞれ配置されている。この突当部144は、上下方向に薄く前後方向に長い直方体状に形成されており、その下面が移動搬送面41Cと平行な平面になっている。また突当部144における高さ、すなわち上下方向の長さである長さT144は、ラベル紙でなる用紙Pの厚さである長さTP(図6(B))よりも僅かに短くなっている。因みに突当部144は、本体部41が成型により製造される際に、同時に成型される。
検知ユニット116は、その製造工程において、第1の実施の形態と同様、左右の軸部43を軸保持部33の保持溝33Dに入り込ませながら、基準搬送ガイド30の上側に移動搬送ガイド140を載置させる(図8)。移動搬送ガイド140は、重心点140Gに作用する重力により下方へ、すなわち基準搬送ガイド30へ近接する方向へ付勢され、左右両側の各突当部144における下面を、基準搬送面31C(図2(A))における最大幅範囲E1の左右両外側にそれぞれ当接させた状態で静止する(図8(B))。これにより検知ユニット116は、移動搬送面41Cが基準搬送面31Cから長さT144だけ引き離された状態となる。
この検知ユニット116は、前側の搬送ローラ対12からラベル紙でなる用紙P(図6)が搬送されてくると、その先端を移動搬送ガイド140の前傾斜面41Sに当接させて後下方へ摺動させ、やがて基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間に入り込ませる。これにより検知ユニット116は、図9に示すように、移動搬送ガイド140を僅かに上方へ持ち上げさせる。
このとき検知ユニット116は、第1の実施の形態による検知ユニット16と比較して、突当部144の存在により移動搬送面41Cが上方に位置しているため、用紙Pの先端を前傾斜面41Sに摺動させる距離を極めて短く抑えることができる。これにより検知ユニット116では、用紙Pのうちシール紙PSの後端部分が、前傾斜面41Sとの摩擦によりめくり上げられて該前傾斜面41Sに貼り付き、搬送により台紙PMから順次剥がされてしまう、といった問題が発生する可能性を格段に低減できる。
その一方で検知ユニット116は、突当部144における上下方向の長さT144を、ラベル紙でなる用紙Pの厚さである長さTPよりも僅かに短くした。このため検知ユニット116は、第1の実施の形態と同様に、用紙Pの先端が前傾斜面41Sの下端よりも後側に到達すると、重心点140Gに作用する重力により、移動搬送面41Cを用紙Pの上面に押し付けると共に、該用紙Pの下面を基準搬送面31Cに押し付けさせることができる。すなわち検知ユニット116は、移動搬送面41C及び基準搬送面31Cの間隔を、用紙Pの厚さとほぼ同等とすることができる。
これにより検知ユニット116は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく基準搬送面31Cに当接させた状態で検知箇所に到達させ、検知光L1の光路を遮らせることができるので(図5(B))、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
また検知ユニット116では、突当部144を最大幅範囲E1の左右両外側にそれぞれ配置したため、用紙Pの搬送を妨げること無く、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cから浮き上がらせることができる。
さらに検知ユニット116では、本体部41と同時に突当部144を形成することができるので、その製造工程において該突当部144の取付作業等を必要とせず、第1の実施の形態による検知ユニット16と同等の工程により製造できる。
その他の点においても、検知ユニット116は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による検知ユニット116は、移動搬送ガイド140の下面である移動搬送面41Cにおける最大幅範囲E1の左右両外側に、突当部144をそれぞれ設けた。突当部144は、上下方向の長さT144を、ラベル紙でなる用紙Pの厚さである長さTPよりも僅かに短くした。これにより検知ユニット116は、用紙Pのシール紙PSが台紙PMから剥がれてしまうことを効果的に防止しながら、移動搬送面41C及び基準搬送面31Cの間隔を用紙Pの厚さとほぼ同等として、該用紙Pの上下方向への変位を抑えて、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態による画像形成装置201(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット216を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
検知ユニット216は、図2と対応する図10に示すように、検知ユニット16の基準搬送ガイド30及び移動搬送ガイド40に代えて基準搬送ガイド230及び移動搬送ガイド240を有しており、さらに4本のリンク部材261を有している。
基準搬送ガイド230は、第1の実施の形態による基準搬送ガイド30(図2)と比較して、軸保持部33に代えて軸部233が設けられた点において相違するものの、他の点については概ね同様に構成されている。軸部233は、中心軸を左右方向に沿わせた細い円柱状に形成されており、本体部31における左右の両側面に2本ずつ、左右の外方へ向けて立設されている。
移動搬送ガイド240は、第1の実施の形態による移動搬送ガイド40と比較して、軸部43に代わる軸部243が設けられた点において相違するものの、他の点については概ね同様に構成されている。軸部243は、軸部233と同様、中心軸を左右方向に沿わせた細い円柱状に形成されており、本体部41における左右の両側面に2本ずつ、左右の外方へ向けて立設されている。
リンク部材261は、全体として細長い直方体状に形成されており、その長手方向を前上側と後下側とを結ぶ斜め方向に沿わせている。リンク部材261の上端近傍及び下端近傍は、左右方向から見て何れも半円状に丸められている。
リンク部材261の下端近傍及び上端近傍には、何れも左右方向に貫通する丸孔でなる軸孔263及び264がそれぞれ穿設されている。軸孔263の内径は、基準搬送ガイド230における軸部233の外径よりも僅かに大きくなっている。また軸孔264の内径は、移動搬送ガイド240における軸部243の外径よりも僅かに大きくなっている。
因みにリンク部材261における軸孔263と軸孔264との間隔は、基準搬送面31Cから軸部233までの距離と移動搬送面41Cから軸部243までの距離とを加算した値よりも、十分に長くなっている。
検知ユニット216は、その製造工程において、図3(A)と対応する図11(A)に示すように、基準搬送ガイド230の上側に移動搬送ガイド240を載置し、さらに両者を4本のリンク部材261により連結する。具体的に検知ユニット216は、各リンク部材261における軸孔263及び264に対し、基準搬送ガイド230の軸部233及び移動搬送ガイド240の軸部243をそれぞれ挿通させる。説明の都合上、以下では、リンク部材261、軸部233及び軸部243をまとめて移動部260とも呼ぶ。
この検知ユニット216は、特に外力が加えられていない場合、重心点240Gに作用する重力(すなわち近接力)により、移動搬送ガイド240が下方向へ、すなわち基準搬送ガイド230に近接する方向へ付勢され、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに当接させた状態(図11(A))で静止する。ただし各リンク部材261は、その構造により、円柱状である軸部233及び243に対して、それぞれ自在に回動し得るようになっている。
一方、検知ユニット216は、前側の搬送ローラ対12から用紙Pが搬送されてくると、その先端を移動搬送ガイド240の前傾斜面41Sに当接させ、さらに後下方へ摺動させていく。やがて検知ユニット216は、用紙Pの下面が基準搬送面31Cに到達すると、該用紙Pから移動搬送ガイド240に対し後方向へ向かう力が加えられる。
このとき検知ユニット216は、各軸部233を中心として各リンク部材261を後上方へそれぞれ回動させることにより、移動搬送ガイド240を基準搬送ガイド230の後上方へ持ち上げさせ、基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間隔を徐々に広げさせていく。
やがて検知ユニット216は、図11(B)に示すように、基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間隔を用紙Pの厚さと同等まで広げると、該用紙Pの下面及び上面を該基準搬送面31C及び該移動搬送面41Cとそれぞれ当接させながら、該用紙Pを該基準搬送面31C及び該移動搬送面41Cの間を後方へ進行させていく。このとき移動搬送ガイド240は、図11(A)の状態と比較して、用紙Pの厚さとほぼ同等の距離だけ上方へ移動すると共に、その前端部分を位置U1から位置U2まで、距離ΔUだけ移動させることになる。
その後、検知ユニット216は、第1の実施の形態と同様、用紙Pの先端が検知箇所に到達することにより、該用紙Pを検知できる。これにより検知ユニット216は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく、基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので(図5(B))、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
ところで第1の実施の形態による検知ユニット16(図2等)では、軸部43が円柱状に形成されているため、用紙Pから前傾斜面41Sに後方向へ力が加えられて移動搬送ガイド40が上方へ持ち上げられる場合に回動し、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに対し傾斜させる可能性があった。
このとき検知ユニット16では、移動搬送面41Cに設けられた光反射部42も傾斜するため、検知光L1の光路が変化し、書込センサ50の受光素子52における検知光L1の受光強度が急激に変化する可能性がある。このような場合、書込センサ50から受光信号を取得する制御部3では、検知光L1が遮断された、すなわち用紙Pが該検知光L1の光路に到達したものと誤認識する可能性があった。
この点について、第3の実施の形態による検知ユニット216では、移動部260において、左右に2本ずつ設けられたリンク部材261をそれぞれ回動させることにより、基準搬送面31Cに対し移動搬送面41Cを平行に保ったまま、移動搬送ガイド240を移動させるようにした。これにより検知ユニット216は、用紙Pにより持ち上げられる途中においても、光反射部42による検知光L1の反射角度を維持できるので、書込センサ50の受光素子52における検知光L1の受光強度を急激に変化させることが無く、用紙Pを誤検出する可能性を格段に低減できる。
ところで、仮に検知ユニット216においてリンク部材261の長手方向を反対の斜め方向、すなわち後上側と前下側とを結ぶ斜め方向に沿わせていた場合、移動搬送ガイド240を上方へ持ち上げるときに、僅かに前方へ移動させる必要が生じる。しかしながら検知ユニット216では、用紙Pが後方向へ向けて搬送されるため、該用紙Pと移動搬送面41Cとの間に生じる摩擦力が極めて大きくなり、その搬送の障害となる恐れがあった。
これに対し実際の検知ユニット216では、図11(A)及び(B)に示したように、用紙Pが搬送されていない状態において、リンク部材261の長手方向を、後下側と前上側とを結ぶ斜め方向に沿わせているため、移動搬送ガイド240を上方へ持ち上げるときに、僅かに後方へ移動させれば良い。すなわち検知ユニット216では、用紙Pの搬送方向と、移動搬送面41Cを移動させるべき方向とを一致させたことにより、該用紙Pと移動搬送面41Cとの間に生じる摩擦力を積極的に利用して移動搬送ガイド240を円滑に持ち上げることができる。
その他の点においても、検知ユニット216は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による検知ユニット216は、移動部260において複数のリンク部材261を回動させることにより、基準搬送面31Cに対し移動搬送面41Cを平行に保ったまま、移動搬送ガイド240を移動させるようにした。これにより検知ユニット216は、移動搬送ガイド240の移動時に光反射部42が傾斜することによる検知光L1の反射角度を変化させること、すなわち受光素子52における受光強度の変化に伴う用紙Pの誤検出を効果的に防止できる。これと共に検知ユニット216は、移動搬送面41C及び基準搬送面31Cの間隔を用紙Pの厚さとほぼ同等として、該用紙Pの上下方向への変位を抑えて、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態による画像形成装置301(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット316を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。検知ユニット316は、図3(B)と対応する図12に示すように、検知ユニット16の移動搬送ガイド40に代えて移動搬送ガイド340を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
移動搬送ガイド340は、第1の実施の形態による移動搬送ガイド40(図3等)と概ね同等に構成されているものの、本体部341の重量配分が適宜調整されることにより、重心点340Gの位置が重心点40G(図3)の位置と相違している。
重心点340Gは、移動搬送ガイド340が基準搬送ガイド30の上側に載置された状態において、検知箇所よりも前側、すなわち用紙Pの搬送方向に関して上流側に位置している。また重心点340Gは、移動搬送ガイド340における前傾斜面41Sの下端である接続箇所41Nよりも後ろ側、すなわち用紙Pの搬送方向に関して下流側に位置している。
この移動搬送ガイド340は、前側の搬送ローラ対12から用紙Pが搬送されてくると、その先端を前傾斜面41Sに当接させて後下方へ摺動させ、やがて基準搬送面31C及び移動搬送面41Cの間に入り込ませる。このとき移動搬送ガイド340は、最初に重心点340Gよりも後ろ側の接続箇所41Nが上方へ持ち上げられるため、図13(A)に示すように、全体として図の反時計周りに回動する。すなわち移動搬送ガイド340は、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに対し傾斜させた姿勢となる。
その後、移動搬送ガイド340は、用紙Pがさらに後方へ搬送され、その先端を重心点340Gの真下よりも後方に到達させると、図13(B)に示すように、この用紙Pの一部分により重心点340Gの真下が支えられた状態となる。これにより移動搬送ガイド340は、下面である移動搬送面41Cを用紙Pの上面に極力当接させた姿勢、すなわち移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせ、搬送路Wにおける上下方向の高さを一定に揃えた姿勢に戻る。
これを換言すれば、検知ユニット316は、用紙Pの先端が移動搬送ガイド340の重心点340Gよりも後ろ側に位置する検知箇所に到達するときまでに、移動搬送面41C及び基準搬送面31Cの間に、用紙Pの厚さとほぼ同等の間隔でなる隙間を形成できる。
これにより検知ユニット316は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく、基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
その他の点においても、検知ユニット316は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第4の実施の形態による検知ユニット316は、移動搬送ガイド340における重心点340Gの前後方向に関する位置を、検知箇所よりも前側に配置した。これにより検知ユニット316は、用紙Pの先端が検知光L1の光路に到達するまでに、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせることができ、搬送路Wの高さを該用紙Pとほぼ同等に一様に揃えることができる。これにより検知ユニット316は、用紙Pの上下方向への変位を抑えることができるので、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[5.第5の実施の形態]
第5の実施の形態による画像形成装置401(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット416を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。検知ユニット416は、図2と対応する図14に示すように、検知ユニット16の基準搬送ガイド30及び移動搬送ガイド40に代えて基準搬送ガイド430及び移動搬送ガイド440を有している。
ところで画像形成装置401(図1)では、中搬送部10等における搬送機構の制約により、取り扱い得る最も小さい用紙Pの大きさが定められている。例えば画像形成装置401では、左右方向に関し、取り扱い得る最も小さい長さを、A6サイズにおける短辺方向の長さとしている。また画像形成装置401では、中搬送部10等の各搬送部において、用紙Pを右端に寄せて搬送するようになっている。
このため検知ユニット416(図14)の基準搬送ガイド430は、右端からA6サイズの用紙Pにおける短辺方向の長さの範囲(以下これを最小幅範囲E2と呼ぶ)に書込センサ50が配置されている。因みに基準搬送ガイド430は、その他の点については第1の実施の形態における基準搬送ガイド30と同様に構成されている。
これに応じて移動搬送ガイド440は、光反射部42が最小幅範囲E2の範囲内に設けられている。これにより検知ユニット416では、取り扱い得る何れの大きさの用紙Pが搬送されてきた場合においても、書込センサ50によりこの用紙Pを検知することができる。
また移動搬送ガイド440の本体部441は、図15に模式的な断面図を示すように、右側部分の重量が大きくなっている。これに伴い移動搬送ガイド440の重心点440Gは、左右方向の中央よりも右側に偏り、最小幅範囲E2の範囲内に収まっている。このため検知ユニット416では、図15と対応する図16に示すように、左右方向が最小幅範囲E2と同等の長さの用紙P、すなわち最小幅の用紙Pが搬送されてきた場合に、重心点440Gの真下において、移動搬送ガイド440が用紙Pにより支えられた状態となる。このとき移動搬送ガイド440は、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせ、搬送路Wにおける上下方向の高さを用紙Pの厚さとほぼ同等に揃えた姿勢となる。
これにより検知ユニット416は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく、基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
因みに検知ユニット416は、左右方向が最小幅範囲E2よりも長い用紙Pが搬送されてきた場合にも、上述した場合と同様、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせ、搬送路Wにおける上下方向の高さを用紙Pの厚さとほぼ同等に揃えることができる。
その他の点においても、検知ユニット416は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第5の実施の形態による検知ユニット416は、移動搬送ガイド440における重心点440Gの左右方向に関する位置を、最小幅範囲E2の範囲内に収めた。このため検知ユニット416は、最小幅の用紙Pが搬送されてきた場合であっても、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせることができ、搬送路Wの高さを該用紙Pとほぼ同等に一様に揃えることができる。これにより検知ユニット416は、用紙Pの上下方向への変位を抑えることができるので、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[6.第6の実施の形態]
第6の実施の形態による画像形成装置501(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット516を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。検知ユニット516は、図16と対応する図17に示すように、第5の実施の形態による検知ユニット416(図14)と比較して、移動搬送ガイド440に代わる移動搬送ガイド540を有する点において相違するものの、基準搬送ガイド430については同様に構成されている。
移動搬送ガイド540(図17)の本体部541は、移動搬送ガイド440(図15)と異なり、左右方向に関して重量が偏っておらず、概ね均等に配分されている。すなわち本体部541の重心点541Gは、概ね左右方向の中心部分、すなわち最小幅範囲E2の範囲外に位置している。
これに加えて移動搬送ガイド540には、本体部541の右上方に、コイルスプリングでなるバネ545が設けられている。付勢手段としてのバネ545は、上下方向に沿って巻回されており、その下端を本体部541の上面における右端近傍に当接させると共に、その上端をバネ支持部546に当接させている。このバネ支持部546は、筐体2(図1)に固定されている。
このバネ545は、その自然長が比較的長くなっており、検知ユニット516が画像形成装置501の筐体2(図1)に組み込まれる場合に、自然長からやや圧縮された状態で、バネ支持部546及び移動搬送ガイド540の間に嵌め込まれる。このため検知ユニット516では、バネ545が自然長へ戻ろうとし、該バネ545の下端であるバネ作用点545Pから移動搬送ガイド540の上面右端近傍に対し、下方向へ向かう力(すなわち付勢力)を作用させる。
すなわち移動搬送ガイド540では、下方向へ向かう力として、本体部541の重心点541Gに作用する重力と、バネ545の復元力との双方が作用することになる。このため移動搬送ガイド540では、この2つの力を合成することにより、合成作用点540Aにおいて下方向へ向かう合力(すなわち近接力)が作用するものと見なすことができる。さらに移動搬送ガイド540では、本体部541の重量に応じてバネ545の復元力が適切に調整されることにより、合成作用点540Aが最小幅範囲E2の範囲内に位置している。
このため検知ユニット516は、第5の実施の形態による検知ユニット416と同様、最小幅の用紙Pが搬送されてきた場合に、合成作用点540Aの真下において、移動搬送ガイド540が用紙Pにより支えられた状態となる。このとき移動搬送ガイド540は、移動搬送ガイド440(図15)と同様、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせ、搬送路Wにおける上下方向の高さを用紙Pの厚さとほぼ同等に揃えた姿勢となる。
これにより検知ユニット516は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく、基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
その他の点においても、検知ユニット516は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第6の実施の形態による検知ユニット516は、移動搬送ガイド540の本体部541における重心点541Gを最小幅範囲E2の範囲外に位置させるものの、バネ545の復元力を作用させることにより、合成作用点540Aを該最小幅範囲E2の範囲内に収めた。このため検知ユニット516は、最小幅の用紙Pが搬送されてきた場合であっても、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせることができ、搬送路Wの高さを該用紙Pとほぼ同等に一様に揃えることができる。これにより検知ユニット516は、用紙Pの上下方向への変位を抑えることができるので、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[7.第7の実施の形態]
第7の実施の形態による画像形成装置601(図1)は、第1の実施の形態による画像形成装置1と比較して、検知ユニット16に代わる検知ユニット616を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。検知ユニット616は、図15と対応する図18に示すように、第5の実施の形態による検知ユニット416(図14)と比較して、移動搬送ガイド440に代わる移動搬送ガイド640を有する点において相違するものの、基準搬送ガイド430については同様に構成されている。
移動搬送ガイド640の本体部641は、移動搬送ガイド440の本体部441と同様、右側部分の重量が大きくなっている。これに伴い移動搬送ガイド640の重心点640Gは、左右方向に関して、中央よりも右側に偏り、最小幅範囲E2の範囲内に収まっている。
また重心点640Gは、図12と対応する図19に示すように、第4の実施の形態と同様に、前後方向に関して、検知箇所よりも前側に、すなわち用紙Pの搬送方向に関して上流側に位置している。さらに重心点640Gは、移動搬送ガイド640における前傾斜面41Sの下端である接続箇所41Nよりも後ろ側、すなわち用紙Pの搬送方向に関して下流側に位置している。
このため検知ユニット616は、前側の搬送ローラ対12から最小幅の用紙Pが搬送されてくると、図13(A)及び(B)に示した場合と同様、移動搬送ガイド640の移動搬送面41Cを基準搬送面31Cに対し一度傾斜させた後、左右方向から見て移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせる。
このとき検知ユニット616は、左右方向に関して重心点640Gが最小幅範囲E2の範囲内に位置しているため、図16に示した場合と同様に、用紙Pにより重心点640Gの真下が支えられた状態となり、前後方向から見ても移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせる。
これにより検知ユニット616は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様、用紙Pを上下方向へ変位させることなく、基準搬送面31Cに当接させた状態で検知光L1の光路を遮らせることができるので、書込センサ50により位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを検知できる。
これを換言すれば、検知ユニット616は、移動搬送ガイド640における重心点640Gの位置を、前後方向に関して第4の実施の形態による検知ユニット316と同様に配置し、且つ左右方向に関して第5の実施の形態による検知ユニット416と同様に配置した。これにより検知ユニット616は、第4の実施の形態による効果及び第5の実施の形態による効果を何れも得ることができる。
その他の点においても、検知ユニット616は、第1の実施の形態による検知ユニット16と同様の作用効果を奏し得る。
以上の構成によれば、第7の実施の形態による検知ユニット616は、移動搬送ガイド640における重心点640Gを、前後方向に関して検知箇所よりも前側であって、且つ左右方向に関して最小幅範囲E2の範囲内となる位置に配置した。これにより検知ユニット616は、用紙Pの先端が検知光L1の光路に到達するまでに、移動搬送面41Cを基準搬送面31Cとほぼ平行に合わせて、搬送路Wの高さを該用紙Pとほぼ同等に一様に揃えることができる。これにより検知ユニット616は、用紙Pの上下方向への変位を抑えることができるので、位置やタイミングの誤差を生じること無く該用紙Pを高い精度で検知できる。
[8.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、発光素子51及び受光素子52が組み込まれた書込センサ50を基準搬送ガイド30に設けると共に移動搬送ガイド40に光反射部42を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図20に示す検知ユニット716のように、基準搬送ガイド730に発光素子751を設けると共に移動搬送ガイド740に受光素子752を設ける等、発光素子51及び受光素子52を何れの搬送ガイドに設けても良い。要は、発光素子51から出射された検知光L1が受光素子52に入射される光路を用紙Pの搬送路Wと交差させることができれば良い。
或いは、図21に示す検知ユニット816のように、書込センサ850及び回動式のレバー851を基準搬送ガイド830に設けても良い。この書込センサ850は、受光素子及び発光素子を左右に対向させるように配置しており、左右方向に沿った検知光の光路(図示せず)をレバー851の下部により遮っている。またレバー851は、特許文献1と同様、スプリング852により予め付勢されている。この検知ユニット816は、搬送される用紙Pによってレバー851が回動されると、書込センサ850における検知光の遮光状態が変化するため、該用紙Pの到達を検知できる。要は、周知の種々の書込センサを利用して、用紙Pの到達を検知しても良い。第2〜第7の実施の形態についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、重心点40Gに作用する重力のみを近接力として、移動搬送ガイド40を下方へ、すなわち基準搬送ガイド30に向けて付勢する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第6の実施の形態と同様に、バネ等の付勢部材により作用する力と重力とを組み合わせて近接力として、移動搬送ガイド40を基準搬送ガイド30に向けて付勢しても良い。或いは、バネ等の付勢部材により、基準搬送ガイド30を移動搬送ガイド40に向けて付勢しても良く、さらには、基準搬送ガイド30及び移動搬送ガイド40の双方を互いに近接する方向へ付勢しても良い。第2〜第5及び第7の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、ほぼ水平方向に沿って搬送路Wが形成される場合に、この搬送路Wを上下から挟む位置に基準搬送ガイド30及び移動搬送ガイド40をそれぞれ配置する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下搬送部6や上搬送部18(図1)のように、搬送路Wが上下方向に沿って形成される場合において、前後や左右のようにこの搬送路Wを互いに挟む位置に基準搬送ガイド30及び移動搬送ガイド40をそれぞれ配置しても良い。この場合、上述したようにバネ等の付勢部材を利用して移動搬送ガイド40を基準搬送ガイド30に向けて付勢すれば良い。第2〜第7の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準搬送ガイド30の軸保持部33に上下方向に沿った保持溝33Dを形成すると共に、移動搬送ガイド40の軸部43を円柱状に形成する場合について述べた(図2及び図3)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図3(A)と対応する図22に示す検知ユニット916のように、基準搬送ガイド930の軸保持部933に、後上側及び前下側を結ぶ斜め方向に沿った保持溝933Dを形成すると共に、移動搬送ガイド940の軸部943を、左右方向から見て平行四辺形となるような柱状に形成しても良い。これにより、第3の実施の形態による検知ユニット216(図10等)と同様、基準搬送ガイド930に対し移動搬送ガイド940を平行に保ったまま移動させることができる。第2及び第4〜第7の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第2の実施の形態においては、移動搬送ガイド140の移動搬送面41Cに突当部144を設ける場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば基準搬送ガイド30の基準搬送面31Cに突当部を設けても良い。或いは、例えば軸保持部33(図2及び図3等)における保持溝33Dの底部をより高い位置に形成することにより、突当部144と同様の機能を持たせても良い。
さらに上述した第4の実施の形態においては、移動搬送ガイド340における本体部341の重量配分を調整することにより、重心点340Gを検知箇所(書込センサ50における検知光L1の光軸)よりも前側に位置させる場合について述べた(図12)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば第6の実施の形態のように、バネ545のような付勢部材による力を移動搬送ガイドにおける上面の所定箇所に対し所定方向へ向けて作用させることにより、合成された力が作用する作用点を検知箇所よりも前側に位置させるようにしても良い。
さらに上述した第6の実施の形態においては、コイルスプリングでなるバネ545により、移動搬送ガイド540の上面に対し基準搬送ガイド430に近接する方向へ力を作用させて、合成作用点540Aを最小幅範囲E2の範囲内に位置させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば板バネやゴム材等、種々の部材により移動搬送ガイド540の上面に対し基準搬送ガイド430に近接する方向へ力を作用させるようにしても良い。或いは、例えば移動搬送ガイド540の上面左側のように最小幅範囲E2から外れた箇所に、自然長から伸張されたバネを取り付けて上方向、すなわち基準搬送ガイド430から離隔する方向へ力を作用させることにより、合成作用点540Aを最小幅範囲E2の範囲内に位置させるようにしても良い。この場合、合成作用点540Aから下方向へ向かう力が比較的小さくなるため、移動搬送面41C及び基準搬送面31Cと用紙Pとの間で発生する摩擦力を小さく抑えることも可能となる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、中搬送部10において、転写部13と、その直前に位置する搬送ローラ対である搬送ローラ対12との間に検知ユニット16を配置する場合について述べた(図1)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送ローラ対11及び12の間や、下搬送部6又は上搬送部18に検知ユニット16を配置しても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、可撓性を有する紙葉状の媒体である用紙Pに画像を形成する画像形成装置1において、該用紙Pを検知する検知ユニット16に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばファクシミリ装置や複写機等、用紙Pを搬送する種々の装置において該用紙Pを検知する検知ユニットに適用しても良く、或いは他の種々の構成でなる媒体を搬送する種々の装置において該媒体を検知する検知ユニットに本発明を適用しても良い。第2〜第7の実施の形態についても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、基準搬送ガイドとしての基準搬送ガイド30と、移動搬送ガイドとしての移動搬送ガイド40と、移動部としての移動部60と、検知部としての書込センサ50、光透過部32及び光反射部42と、近接部としての移動搬送ガイド40及び重心点40Gとによって媒体検知装置としての検知ユニット16を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる基準搬送ガイドと、移動搬送ガイドと、移動部と、検知部と、近接部とによって媒体検知装置を構成しても良い。