以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態では、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の一例としてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(MOSトランジスタと略す)を用いるが、ゲート絶縁膜として非酸化膜を除外するものではない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《LED駆動システムの概略構成》
図1は、本発明の実施の形態1よるLED駆動システムにおいて、その概略構成例を示す回路ブロック図である。図1に示すLED駆動システムは、整流部DBと、電圧変換部VCUと、定電流駆動部IDUと、LED制御部LEDCU1と、LEDアレイLEDAと、を備える。整流部DBは、外部の商用電源ACから入力される交流電圧Vacを整流し、接地電圧GNDを基準として入力電圧Viを出力する。なお、外部の商用電源ACおよび整流部DBを用いず、電池などの直流電源から入力電圧Viを得る構成とすることもできる。
電圧変換部VCUは、概略的には、コイル(ここではトランスTR1)および第1スイッチSW1を含み、第1駆動信号GD1で第1スイッチSW1のオン・オフを制御することで、整流部DBから出力される入力電圧Viを直流電圧となる出力電圧(第1電圧)Voに変換する。この際に、電圧変換部VCUは、第1駆動信号GD1のオンパルス期間で第1スイッチSW1をオンに制御する。図1では、このような動作を行う電圧変換部VCUの一例として、所謂フライバック方式のAC/DCコンバータが示されている。
電圧変換部VCUは、より詳細には、コンデンサC1と、トランスTR1と、スイッチング制御部SWUと、フォトカプラPCLと、ダイオードDD1と、平滑コンデンサCo1と、を備える。コンデンサC1は、入力電圧Viと接地電圧GNDとの間に結合され、入力電圧Viに含まれるノイズの除去等を行う。トランスTR1は、一次コイルLt1および二次コイルLt2を備える。
一次コイルLt1は、一端が入力電圧Viに結合され、他端がスイッチング制御部SWU内の第1スイッチSW1を介して接地電圧GNDに結合される。第1スイッチSW1のオン・オフは、ここでは、フォトカプラPCLを介して、第1駆動信号GD1によって制御される。二次コイルLt2は、一端がダイオードDD1のアノードに結合され、他端が接地電圧GNDに結合される。平滑コンデンサCo1は、ダイオードDD1のカソードと、接地電圧GNDとの間に設けられる。出力電圧(第1電圧)Voは、この平滑コンデンサCo1とダイオードDD1との間の結合ノードで生成される。
定電流駆動部IDUは、概略的には、出力電圧Voが供給され、外部から入力される調光情報BIに応じた電流値を持つ駆動電流Idを生成し、当該駆動電流IdでLEDアレイLEDAを駆動する。定電流駆動部IDUは、詳細は図5で述べるが、コイル及び第2スイッチを含み、第2スイッチのオン・オフをPWM信号となる第2駆動信号GD2で制御することで駆動電流Idを生成する。
LED制御部LEDCU1は、電圧フィードバック制御部VFBU1と、固定パルス制御部PCUと、選択部SELUと、記憶部MEMと、電流フィードバック制御部IFBU1と、を備える。電圧フィードバック制御部VFBU1は、出力電圧(第1電圧)Voと、出力電圧Voの目標を表す目標電圧と、の誤差に基づき第1駆動信号GD1aを生成する。具体的には、電圧フィードバック制御部VFBU1は、例えば、当該誤差に基づくオンパルス期間を持つ第1駆動信号GD1aを生成する。固定パルス制御部PCUは、予め定めた固定のオンパルス期間、または加えて予め定めた固定の周期を持つ第1駆動信号GD1bを生成する。この固定のオンパルス期間および周期は、電圧パルス設定値PVSとして予め記憶部MEMに保持される。
選択部SELUは、電圧フィードバック制御部VFBU1からの第1駆動信号GD1aか、固定パルス制御部PCUからの第1駆動信号GD1bのいずれか一方を選択し、当該選択した第1駆動信号GD1を電圧変換部VCUの第1スイッチSW1に向けて出力する。具体的には、選択部SELUは、調光情報BIに基づく輝度が予め定めた基準の輝度よりも高いか低いかを判定する。選択部SELUは、基準の輝度よりも高い第1の場合には第1駆動信号GD1aを選択し、基準の輝度よりも低い第2の場合には第1駆動信号GD1bを選択する。なお、選択部SELUは、場合によっては、調光情報BIに基づく輝度の代わりに、駆動電圧Idの大きさを判定して選択動作を行うことも可能である。
電流フィードバック制御部IFBU1は、駆動電圧Idと、駆動電圧Idの目標を表す目標電流と、の誤差に基づき第2駆動信号GD2を生成する。この際に、当該目標電流は、調光情報BIに応じて可変に設定される。調光情報BIは、特に限定はされないが、LEDの輝度を調整するリモコン等によって生成される。
《LED制御部の主要部の動作》
図2は、図1のLED駆動システムにおいて、LED制御部の主要部の動作例を示すフロー図である。LED制御部LEDCU1は、図2に示すように、外部から入力される調光情報BIに基づいて、調光情報BIの判定処理を行う。図2において、LED制御部LEDCU1は、まず、調光情報BIが示す輝度に変更が有るか否かを判定する(ステップS101)。
ステップS101において輝度に変更が無い場合、LED制御部LEDCU1は、処理を終了する。一方、輝度に変更が有る場合、LED制御部LEDCU1(例えば、選択部SELU)は、当該輝度が予め定めた基準の輝度(この例では10%)よりも低いか否か(すなわち低輝度調光であるか否か)を判定する(ステップS102)。低輝度調光で無い場合、LED制御部LEDCU1(例えば、選択部SELU)は、電圧フィードバック制御部VFBU1からの第1駆動信号GD1aを選択する(ステップS103)。
一方、ステップS102において低輝度調光で有る場合、LED制御部LEDCU1は、記憶部MEMに保存される電圧パルス設定値PVS(すなわち固定のオンパルス期間、または加えて固定の周期)を固定パルス制御部PCUに設定する(ステップS104)。その後、LED制御部LEDCU1は、固定パルス制御部PCUの動作を開始する(ステップS105)。また、ステップS105と共に、LED制御部LEDCU1(例えば、選択部SELU)は、固定パルス制御部PCUからの第1駆動信号GD1bを選択する(ステップS106)。
このような動作により、第1スイッチSW1を制御する第1駆動信号GD1は、低輝度調光である場合(第2の場合)には固定パルス制御部PCUによって生成され、低輝度調光でない場合(第1の場合)には電圧フィードバック制御部VFBU1によって生成されることになる。なお、固定パルス制御部PCUは、低輝度調光でない場合には、動作を停止することができる。
《LED駆動システムの主要な効果等》
図16は、本発明の比較例として検討したLED駆動システムの概略構成例を示す回路ブロック図である。図16に示すLED駆動システムは、図1に示したLED駆動システムと比較して、LED制御部LEDCU’内に、固定パルス制御部PCU、記憶部MEMおよび選択部SELUを備えない点が異なっている。
図17(a)および図17(b)は、図16のLED駆動システムの概略動作例を示す波形図であり、図17(a)は、高輝度調光時における定常動作の波形図であり、図17(b)は、低輝度調光時における間欠動作の波形図である。固定パルス制御部PCUを備えない図16の構成の場合、電圧変換部VCUの第1スイッチSW1は第1駆動信号GD1によって制御され、これに応じて出力電圧Voが生成される。
この際に、電圧フィードバック制御部VFBU1は、例えば、ある固定の制御パラメータ(位相補償パラメータ)を用いた比例・積分制御(所謂PI制御)等によって、第1駆動信号GD1のオンパルス期間Ton等を定める。低輝度調光時には、短いオンパルス期間Tonで出力電圧Voを十分に維持できるため、オンパルス期間Tonは、短い値に定められる。
一方、電圧フィードバック制御部VFBU1は、0%〜100%の輝度に応じた駆動電流Idの範囲で、出力電圧Voを一定に制御するためのオンパルス期間Tonを、固定の制御パラメータ(位相補償パラメータ)で定めるため、輝度を変更して駆動電流Idの動作領域が変わった場合、位相特性の変化に追従できない場合がある。例えば、高輝度調光時に最適な制御となるように設定した制御パラメータでは、低輝度調光時に、フィードバックの応答性が不足する場合がある。具体的には、十分な制御帯域(言い換えれば高いゼロクロス周波数)を確保できない場合がある。
これにより、電圧フィードバック制御部VFBU1は、オンパルス期間Tonを短い値に定めた場合であっても、本来必要な長さよりも長く定めてしまう恐れがある。さらに、電圧フィードバック制御部VFBU1は、このようなオンパルス期間Tonを持つ第1駆動信号GD1を、例えば、出力電圧Voの過電圧が検出されるまで連続して生成してしまう恐れがある。その結果、電圧フィードバック制御部VFBU1は、図17(a)に示されるような、パルスを連続的に生成する定常動作とは異なり、図17(b)に示されるように、パルスを出力する期間T1と、パルスを出力しない期間T2とを繰り返す動作を行うことがある。本願ではこれを間欠動作と呼ぶ。
期間T1では、1回のオンパルス期間Tonで供給される電力がLEDアレイLEDAで殆ど消費されないうちに次のオンパルス期間Tonが生じてしまうため、出力電圧Voは大きく上昇する。そして、電圧フィードバック制御部VFBU1は、出力電圧Voの過電圧等を検出すると、期間T2において、過電圧状態が解消されるまで(すなわち出力電圧Voが所定の値に低下するまで)パルスの出力を停止する。このような間欠動作によって、出力電圧Voは、大きな変動幅ΔVoで変動する。
一方、定電流駆動部IDUは、低輝度調光時には、通常、最小値付近のPWMオンデューティで駆動電流Idを生成する。したがって、定電流駆動部IDUは、期間T1において、出力電圧Voが大きく上昇した場合、それに応じてPWMオンデューティを更に小さくすることができないため、駆動電流Idを増加させてしまう。すなわち、LEDアレイLEDAの輝度は高くなる。その逆に、定電流駆動部IDUは、期間T2では、出力電圧Voの低下に応じて駆動電流Idを減少させてしまう。すなわち、LEDアレイLEDAの輝度は低くなる。このように、間欠動作によって出力電圧Voの変動幅ΔVoが大きくなり、駆動電流Idが一定に制御されない結果、低輝度調光時にはLEDアレイLEDAのチラツキ(フリッカ)が生じ得る。
図3は、図1のLED駆動システムにおいて、低輝度調光時の概略動作例を示す波形図である。図3の例では、図17(b)の場合と異なり、電圧変換部VCUの第1スイッチSW1は、固定パルス制御部PCUからの第1駆動信号GD1bによって制御され、出力電圧Voは、第1駆動信号GD1bに基づいて生成される。図3の例は、第1駆動信号GD1bのオンパルス幅Tonは、低輝度調光時における第1駆動信号GD1aのオンパルス幅と同等であるが、第1駆動信号GD1bの周期Tswは、低輝度調光時における第1駆動信号GD1aの周期よりも長くなるように、予め固定的に設定されている。
この場合、トランスTR1は、まず、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonで、電力を蓄積する。そして、トランスTR1は、この蓄積した電力を、オフパルス期間Toffで、トランスTR1の二次側からダイオードDD1を介して放出する。この放出された電力で、LEDアレイLEDAの駆動と平滑コンデンサCo1への充電が行われる。ここで、第1駆動信号GD1bのオフパルス期間Toffは、第1駆動信号GD1aのオフパルス期間よりも長い。このため、このオフパルス期間Toffにおいて、トランスTR1から放出された電力は、十分に消費され、出力電圧Voは、一旦上昇したのちある程度低下する。
そして、次のオンパルス期間TonでトランスTR1に電力を蓄積している間、LEDアレイLEDAは、平滑コンデンサCo1によって駆動され、出力電圧Voは、所定の目標電圧まで低下する。その後、オフパルス期間Toffで同様の動作が繰り返される。その結果、出力電圧Voの変動は、図17(b)の場合と比較して十分に小さくなる。
図4は、図1のLED駆動システムにおいて、低輝度調光時の図3とは異なる概略動作例を示す波形図である。図4の例では、図3の場合と同様に、電圧変換部VCUの第1スイッチSW1は、固定パルス制御部PCUからの第1駆動信号GD1bによって制御され、出力電圧Voは、第1駆動信号GD1bに基づいて生成される。図4の例は、図3の場合と異なり、第1駆動信号GD1bの周期Tswは、低輝度調光時における第1駆動信号GD1aの周期と同等であるが、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonは、低輝度調光時における第1駆動信号GD1aのオンパルス期間よりも短くなるように、予め固定的に設定されている。
この場合、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間TonでトランスTR1に蓄積される電力は、第1駆動信号GD1aのオンパルス期間で蓄積される電力よりも小さい。したがって、図17(b)の場合と異なり、仮に、第1駆動信号GD1bのTswが第1駆動信号GD1aと同等であっても、1回のオンパルス期間Tonで供給される電力がLEDアレイLEDAで十分に消費されたのちに次のオンパルス期間Tonが生じることになる。その結果、出力電圧Voの変動は、図17(b)の場合と比較して十分に小さくなる。
以上のように、低輝度調光時において、出力電圧Voの変動を十分に低減できる結果、LEDアレイLEDAのチラツキ(フリッカ)を低減することが可能になる。また、この際には、特許文献1に示されるようなブリーダ回路を設ける必要がないため、LED駆動システムの小型化や低コスト化が実現可能になる。さらに、ブリーダ回路を設ける必要がないため、LED駆動システムの消費電力の低減(言い換えれば電圧変換部VCUにおける電力変換効率の向上)が実現可能になる。
なお、図1および図2の例では、低輝度調光時に用いる電圧パルス設定値PVSを1個としたが、複数個定めておくことも可能である。すなわち、例えば、図2のステップS102で判定する基準の輝度を複数個(例えば、10%と5%等)設け、調光情報BIが示す輝度が10%〜5%の間と、5%〜0%の間とで、固定パルス制御部PCUに、それぞれ異なる電圧パルス設定値PVSを設定することも可能である。
また、図1および図2の例では、記憶部MEMに固定値となる電圧パルス設定値PVSを保持したが、その代わりに、所定の演算式を保持することも可能である。すなわち、例えば、調光情報BIが示す輝度を変数として、当該変数に応じたオンパルス幅、または加えて周期を算出する演算式を保持してもよい。
また、固定パルス制御部PCUは、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonを固定値に定める。一方、固定パルス制御部PCUは、第1駆動信号GD1bの周期Tswに関しては、固定値に定める他に、電圧フィードバック制御部VFBU1のスイッチング方式が非同期方式の場合等で、このスイッチ周期を用いることも可能である。すなわち、固定パルス制御部PCUは、電圧フィードバック制御部VFBU1のスイッチング周期で第1駆動信号GD1bを生成しつつ、その各スイッチング周期毎のオンパルス期間Tonを固定値に定めることも可能である。
ただし、実際上、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonは、ハードウェアの制約等によってある程度までしか短くすることができない場合があり、オンパルス期間Tonを定めるのみでは、出力電圧Voの変動を十分に低減できない場合がある。したがって、このような観点では、第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonおよび周期Tswの両方を固定値に定めることが望ましい。なお、当該オンパルス期間Tonおよび周期Tswは、例えば、事前にシミュレーション等を行うことで適切な値に定めることができる。
また、図2では、低輝度調光でない場合には、固定パルス制御部PCUの動作を停止することとした。これによって、不要な消費電力の増大を抑制することが可能になる。一方、電圧フィードバック制御部VFBU1は、低輝度調光であるか否かに関わらず、継続的に動作することが望ましい。すなわち、電圧フィードバック制御部VFBU1、固定パルス制御部PCUと異なり、フィードバックによる積分制御等を行うため、一旦動作を停止すると、動作の再開後に安定状態に達するまでにある程度の期間を要する恐れがある。そこで、電圧フィードバック制御部VFBU1を継続的に動作させることで、調光情報BIの変更に対する応答性を確保することができる。
《LED駆動装置の構成および動作》
図5は、本発明の実施の形態1のLED駆動装置において、その構成例を示す回路図である。図5には、図1に示したLED駆動システムの詳細な構成例が示され、図1におけるLEDアレイLEDAおよび商用電源ACを除いた部分が、LED駆動モジュール(LED駆動装置)LEDCMに設けられている。図5のLED駆動モジュール(LED駆動装置)LEDCMは、例えば、配線基板とその実装部品によって構成され、複数の外部端子PN1〜PN5を備える。
外部端子PN1と外部端子PN2との間には、商用電源ACが結合される。外部端子PN3と外部端子PN4との間には、LEDアレイLEDAが結合される。外部端子PN5には、調光情報BIが入力される。以下、図1と重複する部分に関しては説明を省略し、主に、図1との相違点に着目して説明を行う。
整流部DBは、4個のダイオードによって、商用電源ACからの交流電圧Vacを全波整流する。電圧変換部VCUは、フォトカプラPCL、プリドライバ回路PDV1、トランジスタQ1、トランスTR2、コンデンサC1、ダイオードDD1、平滑コンデンサCo1、フィードバック抵抗回路FBC、およびゼロ電流検出回路ZCDCを備える。トランジスタQ1は、図1の第1スイッチSW1に該当し、例えば、n型のLDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等で構成される。
プリドライバ回路PDV1は、例えば、12V等の電源電圧VCCが供給され、フォトカプラPCLを介して入力された第1駆動信号GD1に応じて、当該電源電圧VCCを用いてトランジスタQ1のオン・オフを制御する。フォトカプラPCLを構成するフォトダイオードには、例えば、5V等の電源電圧VDDが供給される。第1駆動信号GD1は、例えば、オンパルス期間Tonで電源電圧VDDのレベルを出力し、オフパルス期間Toffで接地電圧GNDのレベルを出力する。
第1駆動信号GD1のオンパルス期間Tonでは、フォトカプラPCLを構成するフォトダイオードに電流が流れず、フォトカプラPCLを構成するトランジスタはオフとなる。その結果、プリドライバ回路PDV1は、トランジスタQ1のゲート容量および内部のコンデンサC10を、内部のダイオードや抵抗を適宜介して電源電圧VCCで充電する。一方、第1駆動信号GD1のオフパルス期間Toffでは、フォトカプラPCLを構成するトランジスタはオンとなる。その結果、プリドライバ回路PDV1は、内部のコンデンサC10を放電すると共に、内部のトランジスタQ10をオンに駆動し、トランジスタQ1のゲート容量を接地電圧GNDに向けて放電する。
トランスTR2は、図1に示した一次コイルLt1および二次コイルLt2に加えて、ゼロ電流を検出するための補助コイルLt3を備える。補助コイルLt3は、ゼロ電流検出回路ZCDCの一部を構成する。ゼロ電流検出回路ZCDCは、補助コイルLt3の両端の電圧に応じてトランジスタQ11のオン・オフを制御することで、電源電圧VDDと接地電圧GNDとの間で遷移するゼロ電流検出信号ZCDを出力する。
具体的には、フライバック方式の場合、トランジスタQ1のオフパルス期間Toffでは、トランスTR2に蓄積されている電力がトランスTR2の二次側から放出される。この電力が放出されている間は、補助コイルLt3を起電力としてトランジスタQ11はオンに制御される。その結果、ゼロ電流検出信号ZCDは、接地電圧GNDのレベルとなる。一方、トランスTR2の電力を使い果たす(すなわちゼロ電流の状態に達する)と、補助コイルLt3の起電力が無くなり、トランジスタQ11はオフに制御される。その結果、ゼロ電流検出信号ZCDは、電源電圧VDDのレベルに遷移する。
フィードバック抵抗回路FBCは、例えば、80V等に制御される出力電圧(第1電圧)Voを抵抗分圧し、出力電圧Voに比例するフィードバック電圧Vfbを生成する。フィードバック抵抗回路FBCの抵抗比は、例えば、フィードバック電圧Vfbが電源電圧VDD〜接地電圧GNDの範囲に収まるように調整される。
定電流駆動部IDUは、トランジスタ(第2スイッチ)Q2と、ダイオードDD2と、コイルL2と、平滑コンデンサCo2と、電流検出用抵抗Rsと、プリドライバ回路PDV2と、を備える。トランジスタ(第2スイッチ)Q2は、例えば、n型のLDMOSトランジスタ等で構成される。トランジスタQ2は、出力電圧Voのノードと、コイルL2の一端と、の間に設けられ、ゲートに結合されるプリドライバ回路PDV2を介してオン・オフが制御される。
ダイオードDD2は、カソードがコイルL2の一端に結合され、アノードが接地電圧GNDに結合される。コイルL2の他端は、外部端子PN3に結合される。平滑コンデンサCo2は、一端が外部端子PN3に結合され、他端が電流検出用抵抗Rsを介して外部端子PN4に結合される。プリドライバ回路PDV2は、第2駆動信号GD2に応じて、トランジスタQ2のオン・オフを制御する。
トランジスタQ2がオンに制御されると、ダイオードDD2は逆方向にバイアスされ、コイルL2に流れる電流が所定の傾き(出力電圧Voと外部端子PN3の電圧との差分に応じた傾き)で上昇する。一方、トランジスタQ2がオフに制御されると、ダイオードDD2は順方向にバイアスされ、コイルL2に流れる電流が所定の傾き(外部端子PN3の電圧と接地電圧GNDとの差分に応じた傾き)で減少する。駆動電流Idは、このコイルL2に流れる電流をトランジスタQ2のオン・オフで制御することで、目標電流に制御される。なお、外部端子PN3,PN4間には、LEDの直列接続数に応じた電圧が印加され、出力電圧Voよりも低い電圧(例えば30V等)が印加される。
LED制御部LEDCU1は、図1の場合と同様に、電圧フィードバック制御部VFBU1、固定パルス制御部PCU、選択部SELU、記憶部MEM、および電流フィードバック制御部IFBU1を備える。LED制御部LEDCU1は、例えば、1個の半導体チップ(半導体装置)で構成され、マイクロコントロールユニット(Micro Control Unit)等で構成される。選択部SELUおよび電流フィードバック制御部IFBU1には、外部端子PN5を介して調光情報BIが入力される。
電圧フィードバック制御部VFBU1には、図1に示した出力電圧Voの代わりに、当該出力電圧Voに比例するフィードバック電圧Vfbが入力される。また、電圧フィードバック制御部VFBU1には、ゼロ電流検出信号ZCDが入力される。電流フィードバック制御部IFBU1には、図1に示した駆動電流Idの代わりに、外部端子PN4における電流検出電圧ISが入力される。すなわち、LEDアレイLEDAの駆動電流Idは、電流検出用抵抗Rsを介することで、駆動電流Idに比例する電流検出電圧ISに変換される。
《電圧フィードバック制御部および電流フィードバック制御部の詳細》
図6(a)は、図5における電圧フィードバック制御部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図であり、図6(b)は、図5における電流フィードバック制御部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図である。図6(a)に示す電圧フィードバック制御部VFBU1は、割り込み制御部INTCと、過電圧検出部OVPと、タイマ部TMCと、アナログ・ディジタル変換部ADC1と、PI制御部PICUv1と、を備える。
割り込み制御部INTCは、ゼロ電流検出信号ZCDを受けて、スタート信号STを生成する。例えば、割り込み制御部INTCは、ゼロ電流を検出した際に生じるゼロ電流検出信号ZCDの‘H’レベル(電源電圧VDDのレベル)への遷移を受けて、スタート信号STを生成する。過電圧検出部OVPは、コンパレータ回路を含み、フィードバック電圧Vfbが予め定めた上限電圧を超えた場合に、強制ストップ信号FTを生成する。
アナログ・ディジタル変換部(第1アナログ・ディジタル変換部)ADC1は、フィードバック電圧Vfbをディジタル値(第1ディジタル値)Dfbに変換する。すなわち、アナログ・ディジタル変換部ADC1は、出力電圧(第1電圧)Voを、出力電圧Voに比例するディジタル値Dfbに変換する。PI制御部(第1ディジタル制御部)PICUv1は、ディジタル値Dfbと、出力電圧Voの目標を表す目標電圧ディジタル値Dvtgと、の誤差を算出し、当該誤差を入力とするディジタル演算によって第1駆動信号GD1aのオンパルス期間Tonを定める。ここでは、オンパルス期間Tonは、タイマ設定値TSTとして定められる。
PI制御部(第1ディジタル制御部)PICUv1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によるソフトウェア処理で構成することができる。PI制御部PICUv1は、より詳細には、比例(P)・積分(I)制御によって、操作量U(n)となるタイマ設定値TSTを算出する。操作量U(n)は、例えば、式(1)で算出される。
U(n)=U(n−1)+K0・E(n)+K1・E(n−1) (1)
U(n)は今回の操作量であり、U(n−1)は前回の操作量である。E(n)は、今回の誤差値であり、「(目標電圧ディジタル値Dvtg)−(今回のディジタル値Dfb)」で算出される。E(n−1)は、前回の誤差値であり、「(目標電圧ディジタル値Dvtg)−(前回のディジタル値Dfb)」で算出される。K0,K1は、制御パラメータ(位相補償パラメータ)となる係数である。
タイマ部TMCは、スタート信号STを受けてカウント動作を開始し、タイマ設定値TSTに達した際に、カウント動作を停止し、カウント値をリセットする。そして、タイマ部TMCは、このカウント動作を行っている期間を、第1駆動信号GD1aのオンパルス期間Tonとする。また、タイマ部TMCは、強制ストップ信号FTを受け、強制ストップ信号FTが生成されなくなるまで、カウント動作を強制的に停止する。その結果、第1駆動信号GD1aはオフレベルに固定され、トランジスタQ1(第1スイッチSW1)も、オフに固定される。
このように、電圧フィードバック制御部VFBU1にディジタル制御を適用することで、前述したような輝度に応じた固定パルス制御PCUと電圧フィードバック制御部VFBU1の切り換え(選択)を容易に実現可能になる。すなわち、例えば、電圧フィードバック制御部VFBU1がエラーアンプ回路等を含んだ一般的なアナログ回路で構成されるような場合、このような切り換え(選択)を行うためには、回路上で多くの工夫が必要とされる恐れがある。
図6(b)に示す電流フィードバック制御部IFBU1は、アナログ・ディジタル変換部ADC2と、PI制御部PICUi1と、目標電流設定部TGIと、PWM生成部PWMGと、を備える。アナログ・ディジタル変換部(第2アナログ・ディジタル変換部)ADC2は、電流検出電圧ISをディジタル値(第2ディジタル値)Dsに変換する。すなわち、アナログ・ディジタル変換部ADC2は、駆動電流Idを、駆動電流Idに比例するディジタル値Dsに変換する。
目標電流設定部TGIは、調光情報BIに応じて、駆動電流Idの目標を表す目標電流ディジタル値Ditgを設定する。PI制御部(第2ディジタル制御部)PICUi1は、ディジタル値Dsと目標電流ディジタル値Ditgとの誤差を算出し、当該誤差を入力とするディジタル演算によって第2駆動信号GD2のPWMデューティ(デューティ設定値DST)を定める。
PI制御部(第2ディジタル制御部)PICUi1は、例えば、CPU等によるソフトウェア処理で構成することができる。PI制御部PICUi1は、より詳細には、操作量U(n)をPWMデューティ(デューティ設定値DST)として、PI制御部PICUv1の場合と同様に、式(1)に基づく演算を行う。PWM生成部PWMGは、このデューティ設定値DSTに基づいて、PWM信号となる第2駆動信号GD2を生成する。
図7は、図6(a)の電圧フィードバック制御部の概略動作例を示す波形図である。図6(a)の電圧フィードバック制御部VFBU1は、図7に示すように、所謂、電流臨界モードによる力率改善制御(PFC制御)を行っている。図7に示すように、第1駆動信号GD1aのオンパルス期間Tonでは、図5の一次コイルLt1に入力電流Iiが流れ、オフパルス期間Toffでは、二次コイルLt2に出力電流Ioが流れる。
ここで、二次コイルLt2の出力電流Ioがゼロになると、ゼロ電流検出信号ZCDを介してスタート信号STが生成される。第1駆動信号GD1aは、このスタート信号STを受けてオンレベルに遷移し、PI制御部PICUv1からのタイマ設定値TSTに基づく期間(すなわちオンパルス期間Ton)でオンレベルを維持する。
例えば、定常状態では、PI制御部PICUv1からのタイマ設定値TST(オンパルス期間Ton)は、ほぼ一定に保たれる。また、このオンパルス期間Tonでの入力電流Iiの傾きは、入力電圧Viに比例する。入力電圧Viは、整流器DBによって正弦波状の波形となるため、入力電流Iiの傾きは、時系列的に正弦波に基づく変動量で増減することになる。このため、オンパルス期間Tonが一定の場合、入力電流Iiの平均電流Iaveは、正弦波状に制御される。その結果、力率の改善および商用電源ACに対する高調波の低減が図れる。
なお、ここでは、第1および第2ディジタル制御部として、PI制御部PICUv1,PICUi1を用いたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、比例(P)・積分(I)・微分(D)制御を行うPID制御部等も用いることも可能である。
《固定パルス制御部の詳細》
図8は、図5における固定パルス制御部周りの詳細な構成例を示すブロック図である。固定パルス制御部PCUは、図8に示されるように、例えば、図6(a)に示した電圧フィードバック制御部VFBU1内のタイマ部TMCを併用して生成することが可能である。図8の構成例では、図6(a)に示した電圧フィードバック制御部VFBU1内のスタート信号の経路に選択部SELUaが挿入され、タイマ設定値TSTの経路に選択部SELUbが挿入されている。
固定パルス制御部PCUは、前述した電圧パルス設定値PVSを保持する記憶部MEMと、タイマ部TMC2と、を備える。タイマ部TMC2には、電圧パルス設定値PVSに含まれる第1駆動信号GD1bの周期Tswが設定される。タイマ部TMC2は、この周期Tswに達する毎にトリガ信号を出力する。選択部SELUaは、2入力の一方にタイマ部TMC2からの出力が入力され、2入力の他方にスタート信号STが入力される。また、選択部SELUbは、2入力の一方に、電圧パルス設定値PVSに含まれる第1駆動信号GD1bのオンパルス期間Tonが入力され、2入力の他方にタイマ設定値TSTが入力される。
これにより、選択部SELUa,SELUbが調光情報BIに基づき2入力の一方を選択した場合、タイマ部TMCは、固定パルス制御部PCUに基づくオンパルス期間Tonおよび周期Tswを持つ第1駆動信号GD1を生成する。一方、選択部SELUa,SELUbが調光情報BIに基づき2入力の他方を選択した場合、タイマ部TMCは、図6(a)で述べた第1駆動信号GD1aを図8の第1駆動信号GD1として生成する。
ここで、選択部SELUa,SELUbが固定パルス制御部PCU側を選択している期間でも、PI制御部PICUv1の動作を継続して行わせることで、図3および図4で述べたように、選択部SELUa,SELUbの切り換えが行われた場合に迅速に対応することが可能になる。また、低輝度調光時では消費電力が小さいため、商用電源ACに対する高調波は、特に問題とならない。したがって、低輝度調光時では、PFC制御は不要であり、固定のオンパルス期間Tonおよび周期Tswを用いても特に問題は生じない。
なお、ここでは、電圧パルス設定値PVSによって周期Tswを定める構成例を示したが、場合によっては、選択部SELUaを設けずに、周期Tswをスタート信号STで定めることも可能である。また、固定パルス制御部PCUは、必ずしも図8のような方式に限定されるものではなく、様々な方式で実現可能である。例えば、図6(b)に示したPWM生成部PWMGと同様の機能を持つ別のPWM生成部を用い、当該PWM生成部に、電圧パルス設定値PVSに基づくPWM周期やPWMデューティを設定するような方式とすることも可能である。また、図8に示した選択部SELUa,SELUb(およびこれに対応する図5等の選択部SELU)は、CPU等のソフトウェア処理で構成される場合や、マルチプレクサ等のハードウェアで構成される場合がある。
《LED駆動装置の外形》
図9(a)は、図5のLED駆動装置の概略的な外形例を示す平面図であり、図9(b)は、図9(a)の比較例となるLED駆動装置の概略的な外形例を示す平面図である。図9(a)に示すLED駆動モジュール(LED駆動装置)LEDCMは、配線基板PCBと、配線基板PCB上に実装される各種部品によって構成される。この各種部品は、実際には、図5に示した構成例に示される全ての部品となるが、図9では、便宜上、その中の主要な部品のみが示されている。
配線基板PCBの中央付近には、トランスTR2が実装される。トランスTR2を挟んで一方側の領域には、トランスTR2の一次側に設けられる各種部品が実装され、他方側の領域には、トランスTR2の二次側に設けられる各種部品が実装される。トランスTR2の一次側に設けられる各種部品には、整流部DB、トランジスタQ1、プリドライバ回路PDV1、およびフォトカプラPCL等が含まれる。また、トランスTR2の一次側の領域には、外部端子PN1,PN2,PN5が設けられる。
一方、トランスTR2の二次側に設けられる各種部品には、ゼロ電流検出回路ZCDC、平滑コンデンサCo1,Co2、ダイオードDD1,DD2、トランジスタQ2、プリドライバ回路PDV2、コイルL2等が含まれる。また、トランスTR2の二次側の領域には、外部端子PN3,PN4が設けられる。さらに、ここでは、配線基板PCBの中央付近に、LED制御部LEDCU1を構成するマイクロコントロールユニット(MCU)のICチップ(半導体装置)が実装されている。
このような構成例において、例えば、前述した特許文献1のような方式を用いた場合、図9(b)のLED駆動装置LEDCM’に示すように、トランスTR2の二次側の領域にブリーダ回路BLの実装領域を確保する必要がある。ブリーダ回路BLには、例えば定格数W程度の酸化金属皮膜抵抗によるブリーダ抵抗が用いられる。このため、LED駆動モジュールLEDCM’の大型化や、コストの増大等を招く恐れがある。一方、本実施の形態1の方式を用いると、図9(a)に示すように、ブリーダ回路BLが不要となるため、LED駆動モジュールLEDCMの小型化や、コストの低減等を図れる。
以上に述べたように、本実施の形態1のLED駆動システム、LED駆動装置およびLED駆動方法を用いることで、代表的には、LEDの低輝度時のチラツキ低減と、LED駆動装置等の小型化を実現可能になる。また、LEDの低輝度時のチラツキ低減と、LED駆動装置等の消費電力の低減を実現可能になる。
(実施の形態2)
《LED駆動システムの概略構成(変形例[1])》
図10は、本発明の実施の形態2によるLED駆動システムにおいて、その概略構成例を示す回路ブロック図である。図10に示すLED駆動システムは、図1の構成例と比較して、電圧変換部VCU2の構成が異なっている。これ以外の構成に関しては、図1の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図10の電圧変換部VCU2は、図1の電圧変換部VCUにおける絶縁型の構成(すなわちトランスTR1を用いた構成)と異なり、非絶縁型の構成となっている。当該電圧変換部VCU2は、トランジスタQ1(第1スイッチSW1)と、コイルL1と、ダイオードDD1と、平滑コンデンサCo1と、プリドライバ回路PDV1と、を備える。トランジスタQ1は、整流部DBの一方の出力ノードとなるノードN1と、ダイオードDD1のカソードと、の間に設けられる。
コイルL1は、ダイオードDD1のカソードと、整流部DBの他方の出力ノードとなるノードN2と、の間に設けられる。平滑コンデンサCo1は、ダイオードDD1のアノードとノードN2との間に設けられる。プリドライバ回路PDV1は、LED制御部LEDCU1からの第1駆動信号GD1に応じて、トランジスタQ1のオン・オフを制御する。当該電圧変換部VCU2は、反転型の降圧コンバータとなっており、ダイオードDD1のアノード側を接地電圧とすることで、ノードN2に出力電圧(第1電圧)Voを生成する。これに応じて、図10では、LEDアレイLEDAは、定電流駆動部IDUに対して、図1の場合とは逆向きに結合されている。
例えば、このような非絶縁型の電圧変換部VCU2を用いた場合であっても、実施の形態1の方式を適用することができ、これによって、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
《LED駆動システムの概略構成(変形例[2])》
図11は、本発明の実施の形態3によるLED駆動システムにおいて、その概略構成例を示す回路ブロック図である。図11に示すLED駆動システムは、図1の構成例と比較して、LED制御部LEDCU2の構成が異なっている。これ以外の構成に関しては、図1の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
LED制御部LEDCU2は、電圧フィードバック制御部VFBU2および電流フィードバック制御部IFBU2を備え、図1の場合のように、固定パルス制御部PCU等を備えない。電圧フィードバック制御部VFBU2は、出力電圧Voおよび調光情報BIを受けて、制御動作を行う。電流フィードバック制御部IFBU2は、LEDアレイLEDAの駆動電流Idおよび調光情報BIを受けて、制御動作を行う。
《電圧フィードバック制御部および電流フィードバック制御部の詳細(変形例[2])》
図12は、図11における電圧フィードバック制御部および電流フィードバック制御部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図である。電圧フィードバック制御部VFBU2は、アナログ・ディジタル変換部(第1アナログ・ディジタル変換部)ADC1と、PI制御部PICUv2と、パルス生成部PGEN1と、を備える。アナログ・ディジタル変換部(第1アナログ・ディジタル変換部)ADC1は、出力電圧Voをディジタル値に変換する。ただし、出力電圧Voは高電圧であるため、アナログ・ディジタル変換部ADC1は、実際には、図6(a)の場合と同様にフィードバック電圧Vfb等を用いて、出力電圧Voを、出力電圧Voに比例するディジタル値(第1ディジタル値)Dfbに変換する。
PI制御部PICUv2は、図6(a)の場合と異なり、2個のPI制御演算部PICLh1,PICLl1と、2個の加算部ADh1,ADl1と、2個の減算部SBh1,SBl1と、2個の乗算部MLh1,MLl1と、選択部SELU1と、減算部SBe1と、を備える。減算部(第1誤差算出部)SBe1は、ディジタル値Dfbと、出力電圧Voの目標を表す目標電圧ディジタル値Dvtgと、の誤差となるディジタル値(第1誤差ディジタル値)Der1を算出する。
選択部(第1選択部)SELU1は、調光情報BIに基づく輝度が予め定めた基準の輝度よりも高い第1の場合に、PI制御演算部(第1演算部)PICLh1から出力されるディジタル値Doh1を選択する。一方、選択部SELU1は、調光情報に基づく輝度が基準の輝度よりも低い第2の場合に、PI制御演算部(第2演算部)PICLl1から出力されるディジタル値Dol1を選択する。
減算部(第1出力誤差算出部)SBh1は、PI制御演算部PICLh1から出力されるディジタル値Doh1と、選択部SELU1で選択されるディジタル値Do1と、の誤差となるディジタル値(第1出力誤差ディジタル値)Doeh1を算出する。減算部(第2出力誤差算出部)SBl1は、PI制御演算部PICLl1から出力されるディジタル値Dol1と、選択部SELU1で選択されるディジタル値Do1と、の誤差となるディジタル値(第2出力誤差ディジタル値)Doel1を算出する。
PI制御演算部(第1演算部)PICLh1は、概略的には、ディジタル値(第1誤差ディジタル値)Der1とディジタル値(第1出力誤差ディジタル値)Doeh1との加算結果を入力としたディジタル演算によってディジタル値Doh1を出力する。より詳細には、ディジタル値Doeh1は、乗算部MLh1によって乗算される。加算部ADh1は、この乗算部MLh1から出力されるディジタル値と、ディジタル値Der1と、を加算し、その加算結果をPI制御演算部PICLh1に出力する。PI制御演算部PICLh1は、この加算部ADh1の出力を入力として、ディジタル値Doh1を出力する。
同様に、PI制御演算部(第2演算部)PICLl1は、概略的には、ディジタル値(第1誤差ディジタル値)Der1とディジタル値(第2出力誤差ディジタル値)Doel1との加算結果を入力としたディジタル演算によってディジタル値Dol1を出力する。より詳細には、ディジタル値Doel1は、乗算部MLl1によって乗算される。加算部ADl1は、この乗算部MLl1から出力されるディジタル値と、ディジタル値Der1と、を加算し、その加算結果をPI制御演算部PICLl1に出力する。PI制御演算部PICLl1は、この加算部ADl1の出力を入力として、ディジタル値Dol1を出力する。
パルス生成部(第1駆動信号生成部)PGEN1は、選択部SELU1で選択されるディジタル値Do1に基づいて第1駆動信号GD1を生成する。パルス生成部PGEN1は、例えば、図6(a)に示したようなタイマ部TMCで構成することや、場合によっては、図6(b)に示したようなPWM生成部PWMGで構成することも可能である。タイマ部TMCで構成する場合、例えば、図6(a)の場合と同様に、割り込み制御部INTC等を用いてスタート信号STを生成させればよく、ディジタル値Do1がタイマ設定値となるように構成すればよい。一方、PWM生成部PWMGで構成する場合、ディジタル値Do1がPWMデューティとなるように構成すればよい。
PI制御演算部PICLh1,PICLl1のそれぞれは、特に限定はされないが、例えば、図6(a)のPI制御部PICUv1の場合と同様に、式(1)を用いてディジタル演算を行う。ただし、ここでは、式(1)におけるE(n)は、加算部ADh1から今回出力されるディジタル値となり、E(n−1)は、加算部ADh1から前回出力されたディジタル値となる。
ここで、図17(b)で述べたように、例えば、式(1)の係数K0,K1で示される位相補償パラメータを固定とした場合、出力電圧Voの十分な制御を、駆動電流Id(言い換えれば輝度)の調整範囲の中の一部の範囲でしか実現できず、調整範囲の全域では実現できない場合がある。これが主な要因となって、図17(b)に示したような間欠動作が行われ、出力電圧Voの変動が生じ得る。そこで、図12のPI制御部PICUv2は、2個のPI制御演算部PICLh1,PICLl1を備える。
PI制御演算部PICLh1は、調光情報BIに基づく輝度が基準の輝度よりも高い場合(すなわち重負荷の場合)に、出力電圧Voの十分な制御を行えるように、位相補償パラメータ(係数K0,K1)が設定される。一方、PI制御演算部PICLl1は、調光情報BIに基づく輝度が基準の輝度よりも低い場合(すなわち軽負荷の場合)に、出力電圧Voの十分な制御を行えるように、位相補償パラメータ(係数K0,K1)が設定される。具体的には、この2通りの位相補償パラメータは、例えば、それぞれ対応する負荷条件において、制御帯域(ゼロクロス周波数)が同等となるように設定される。
このようなPI制御部PICUv2を用いることで、図17(b)に示したような間欠動作が行われなくなり、出力電圧Voの変動を十分に低減することができる。その結果、LEDのチラツキを低減することが可能になる。
また、例えば、PI制御演算部PICLh1は、図6(a)の場合のような減算部SBe1の出力ではなく、加算部ADh1の出力を用いてディジタル演算を行う。例えば、現在、選択部SELU1によってPI制御演算部PICLl1からのディジタル値Dol1が選択されている場合を想定する。この場合、PI制御演算部PICLh1には、自身の出力(ディジタル値Doh1)とPI制御演算部PICLl1の出力(ディジタル値Dol1)との誤差に、目標電圧との誤差(ディジタル値Der1)を加算したディジタル値が入力される。
PI制御演算部PICLh1は、この加算された誤差をゼロに近づけるための新たなディジタル値Doh1を算出する。このため、ディジタル値Doh1とディジタル値Dol1との誤差は小さくなる。その結果、選択部SELU1の選択先が切り替わった際に生じ得る、ディジタル値Do1の急激な変動を抑制することが可能になる。すなわち、ディジタル値Do1の急激な変動が生じると、これによってもLEDのチラツキが生じ得る。PI制御部PICUv2を用いることで、このような事態も防止することが可能になる。
電流フィードバック制御部IFBU2は、アナログ・ディジタル変換部(第2アナログ・ディジタル変換部)ADC2と、PI制御部PICUi2と、パルス生成部PGEN2と、目標電流設定部TGIと、を備える。アナログ・ディジタル変換部(第2アナログ・ディジタル変換部)ADC2は、駆動電流Idをディジタル値に変換する。ただし、実際には、アナログ・ディジタル変換部ADC2は、図6(b)の場合と同様に電流検出電圧IS等を用いて、駆動電流Idを、駆動電流Idに比例するディジタル値(第2ディジタル値)Dsに変換する。
目標電流設定部TGIは、調光情報BIに応じて、駆動電流Idの目標を表す目標電流ディジタル値Ditgを設定する。PI制御部PICUi2は、2個のPI制御演算部PICLh2,PICLl2と、2個の加算部ADh2,ADl2と、2個の減算部SBh2,SBl2と、2個の乗算部MLh2,MLl2と、選択部SELU2と、減算部SBe2と、を備える。PI制御部PICUi2の構成および動作に関しては、PI制御部PICUv2の場合と同様であるため、以下、構成のみを簡単に説明する。
減算部(第2誤差算出部)SBe2は、ディジタル値Dsと目標電流ディジタル値Ditgと、の誤差となるディジタル値(第2誤差ディジタル値)Der2を算出する。選択部(第2選択部)SELU2は、前述した第1の場合に、PI制御演算部(第3演算部)PICLh2から出力されるディジタル値Doh2を選択し、前述した第2の場合に、PI制御演算部(第4演算部)PICLl2から出力されるディジタル値Dol2を選択し、この選択したディジタル値Do2を出力する。
減算部(第2出力誤差算出部)SBh2は、ディジタル値Doh2とディジタル値Do2との誤差となるディジタル値(第3出力誤差ディジタル値)Doeh2を算出する。減算部(第4出力誤差算出部)SBl2は、ディジタル値Dol2とディジタル値Do2との誤差となるディジタル値(第4出力誤差ディジタル値)Doel2を算出する。
PI制御演算部(第3演算部)PICLh2は、概略的には、ディジタル値Der2とディジタル値Doeh2との加算結果を入力としたディジタル演算によってディジタル値Doh2を出力する。より詳細には、ディジタル値Doeh2は、乗算部MLh2によって乗算される。加算部ADh2は、この乗算部MLh2から出力されるディジタル値と、ディジタル値Der2と、を加算し、その加算結果をPI制御演算部PICLh2に出力する。PI制御演算部PICLh2は、この加算部ADh2の出力を入力として、ディジタル値Doh2を出力する。
同様に、PI制御演算部(第4演算部)PICLl2は、概略的には、ディジタル値Der2とディジタル値Doel2との加算結果を入力としたディジタル演算によってディジタル値Dol2を出力する。より詳細には、ディジタル値Doel2は、乗算部MLl2によって乗算される。加算部ADl2は、この乗算部MLl2から出力されるディジタル値と、ディジタル値Der2と、を加算し、その加算結果をPI制御演算部PICLl2に出力する。PI制御演算部PICLl2は、この加算部ADl2の出力を入力として、ディジタル値Dol2を出力する。
パルス生成部(第2駆動信号生成部)PGEN2は、選択部SELU2で選択されるディジタル値Do2に基づいて第2駆動信号GD2を生成する。パルス生成部PGEN2は、例えば、図6(b)に示したようなPWM生成部PWMGで構成することが可能である。この場合、ディジタル値Do2は、PWMデューティとなる。
LEDのチラツキ低減は、特に、図12に示すような電圧フィードバック制御部VFBU2を用いることで実現可能である。また、場合によっては、図12に示すような電流フィードバック制御部IFBU2を用いることでも実現可能である。すなわち、図12の電流フィードバック制御部IFBU2は、2個のPI制御演算部PICLh2,PICLl2を備えるため、出力電圧Voの変動に対してある程度の応答性を持ち、駆動電流Idをある程度は一定に保つことができる。したがって、少なくとも電圧フィードバック制御部VFBU2を用いると共に、より望ましくは、電流フィードバック制御部IFBU2も用いるとよい。
また、別の効果として、2個のPI制御演算部を用いることで、操作量(U(n))が広い調整範囲で最適化されるため、目標値に向けた調整能力を向上させることが可能になる。この調整能力の向上は、輝度に応じて駆動電流Idを高精度に調整することが求められる電流フィードバック制御部IFBU2において、特に有益となる。したがって、LEDのチラツキ低減と調整能力の向上を実現する観点からは、電圧フィードバック制御部VFBU2と電流フィードバック制御部IFBU2の両方を用いることが望ましい。
以上、本実施の形態3のLED駆動システム、LED駆動装置およびLED駆動方法を用いることで、前述した調整能力の向上といった効果に加えて、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。すなわち、ブリーダ回路が不要なため、LED駆動装置等の小型化、低コスト化、ならびに低消費電力化が図れる。なお、図12に示したPI制御部PICUv2,PICUi2は、CPU等によるソフトウェア処理によって実現できるため、回路規模やコストの増大等は、特に生じない。また、ここでは、2個のPI制御演算部を用いたが、同様にして3個以上に拡張することも可能である。
(実施の形態4)
《LED駆動システムの概略構成(変形例[3])》
図13は、本発明の実施の形態4によるLED駆動システムにおいて、その概略構成例を示す回路ブロック図である。図13に示すLED駆動システムは、図1の構成例と比較して、LED制御部LEDCU3の構成が異なっている。これ以外の構成に関しては、図1の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
LED制御部LEDCU3は、電圧フィードバック制御部VFBU3と、電流フィードバック制御部IFBU1と、固定パルス制御部PCUと、選択部SELU3と、記憶部MEMと、を備える。固定パルス制御PCUは、図1の場合と異なり、調光情報BIに基づく輝度が基準の輝度よりも低い第2の場合に、予め定めた固定のPWM周期およびPWMデューティを持つ第2駆動信号GD2bを生成する。この固定のPWM周期およびPWMデューティは、電流パルス設定値PISとして、予め記憶部MEMに保持される。
選択部SELU3も、図1の場合と異なり、電流フィードバック制御部IFBU1からの第2駆動信号GD2aか、固定パルス制御部PCUからの第2駆動信号GD2bのいずれか一方を選択し、当該選択した第2駆動信号GD2を定電流駆動部IDU内の第2スイッチ(例えば、図5のトランジスタQ2)に向けて出力する。具体的には、選択部SELU3は、調光情報BIに基づく輝度が予め定めた基準の輝度よりも高いか低いかを判定する。選択部SELU3は、基準の輝度よりも高い第1の場合には第2駆動信号GD2aを選択し、基準の輝度よりも低い第2の場合には第2駆動信号GD2bを選択する。
電圧フィードバック制御部VFBU3は、図1の場合と同様の構成を備えるが、ここでは、加えて目標電圧設定部TGVを備えている。目標電圧設定部TGVは、調光情報BIに応じて、出力電圧(第1電圧)Voの目標を表す目標電圧を設定する。そして、電圧フィードバック制御部VFBU3は、出力電圧Voと当該目標電圧との誤差に基づき第1駆動信号GD1を生成する。なお、電流フィードバック制御部IFBU1の構成および動作に関しては、図1の場合と同様である。
低輝度調光時には、出力電圧Voの目標電圧に対して、LEDアレイLEDAの駆動電流Idが小さいため、図17(b)に示したような間欠動作が生じ、LEDのチラツキが発生している。この対策として、例えば、低輝度調光時に、出力電圧Voの目標電圧を下げることが考えられる。ただし、この場合、電流フィードバック制御部IFBU1の前提条件が変わるため、フィードバック制御が不安定となる場合がある。
そこで、図13に示すように、低輝度調光時には、電流フィードバック制御部IFBU1からの第2駆動信号GD2aを用いずに、固定パルス制御部PCUによって固定のPWM周期およびPWMデューティを持つ第2駆動信号GD2bを用いる。そして、これと共に、電圧フィードバック制御部VFBU3の目標電圧を、調光情報BIに基づく輝度に応じて可変制御する。
これによって、LEDのチラツキを低減することが可能になる。さらに、別の効果として、低輝度調光時に、第2駆動信号GD2bを固定した状態で、出力電圧Voの可変制御に基づいて駆動電流Idの電流値を可変制御することも可能である。このような方式を用いると、低輝度調光時に、例えば、輝度に応じた駆動電流Idの電流値の調整を、図1の構成例を用いる場合と比較して、更に高分解能で実現できる場合がある。
《LED制御部の主要部の動作(変形例[3])》
図14は、図13のLED駆動システムにおいて、LED制御部の主要部の動作例を示すフロー図である。LED制御部LEDCU3は、図14に示すように、外部から入力される調光情報BIに基づいて、調光情報BIの判定処理を行う。図14において、LED制御部LEDCU3は、まず、調光情報BIが示す輝度に変更が有るか否かを判定する(ステップS201)。
ステップS201において輝度に変更が無い場合、LED制御部LEDCU3は、処理を終了する。一方、輝度に変更が有る場合、LED制御部LEDCU3(例えば、選択部SELU3)は、当該輝度が予め定めた基準の輝度(この例では10%)よりも低いか否か(すなわち低輝度調光であるか否か)を判定する(ステップS202)。低輝度調光で無い場合、LED制御部LEDCU3(例えば、選択部SELU3)は、電流フィードバック制御部IFBU1からの第2駆動信号GD2aを選択する(ステップS203)。
一方、ステップS202において低輝度調光で有る場合、LED制御部LEDCU3は、記憶部MEMに保存される電流パルス設定値PIS(すなわち固定のPWM周期およびPWMデューティ)を固定パルス制御部PCUに設定する(ステップS204)。その後、LED制御部LEDCU3は、固定パルス制御部PCUの動作を開始する(ステップS205)。また、ステップS205と共に、LED制御部LEDCU3(例えば、選択部SELU3)は、固定パルス制御部PCUからの第2駆動信号GD2bを選択する(ステップS206)。さらに、ステップS205と共に、目標電圧設定部TGVは、調光情報BIに応じた目標電圧を設定する(ステップS207)。
《電圧フィードバック制御部の詳細(変形例[3])》
図15は、図13における電圧フィードバック制御部の主要部の詳細な構成例を示すブロック図である。図15に示す電圧フィードバック制御部VFBU3は、図12に示した電圧フィードバック制御部VFBU2に対して、目標電圧設定部TGVが追加された構成となっている。目標電圧設定部TGVは、調光情報BIに基づく輝度が予め定めた基準の輝度よりも高い場合には、目標電圧ディジタル値Dvtgとして所定の固定値を設定し、予め定めた基準の輝度よりも低い場合には、調光情報BIに基づく輝度に応じた値(例えば比例する値等)を目標電圧ディジタル値Dvtgとして設定する。
本実施の形態4のLED駆動システムでは、前述したように、低輝度調光時に出力電圧Voを可変制御するため、低輝度調光時において、目標電圧に向けた十分な調整能力が必要とされる。そこで、実施の形態3でも述べたように、図15および図12に示されるような2個のPI制御演算部PICLh1,PICLl1を備えたPI制御部PICUv2を用いることが有益となる。
以上、本実施の形態4のLED駆動システム、LED駆動装置およびLED駆動方法を用いることで、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。さらに、場合によっては、低輝度調光時において、調光分解能の向上が図れる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
(付記)
本発明の一実施の形態によるLED駆動装置は、外部から入力される交流電圧で外部に設けられるLEDを駆動するものである。当該LED駆動装置は、整流部と、電圧変換部と、定電流駆動部と、制御部と、を備える。整流部は、交流電圧を整流する。電圧変換部は、コイル及び第1スイッチを含み、第1スイッチのオン・オフを第1駆動信号で制御することで、整流部から出力される電圧を直流電圧となる第1電圧に変換する。定電流駆動部は、第1電圧が供給され、コイルおよび第2スイッチを含み、PWM信号となる第2駆動信号で第2スイッチのオン・オフを制御することで、外部から入力される調光情報に応じた電流値を持つ駆動電流を生成し、当該駆動電流でLEDを駆動する。制御部は、目標電流設定部と、電流フィードバック制御部と、固定パルス制御部と、目標電圧設定部と、電圧フィードバック制御部と、を有し、第1および第2駆動信号を生成する。目標電流設定部は、調光情報に応じて、駆動電流の目標を表す目標電流を設定する。電流フィードバック制御部は、調光情報に基づく輝度が予め定めた基準の輝度よりも高い第1の場合に、駆動電流と目標電流との誤差に基づき、第2駆動信号のPWMデューティを定める。固定パルス制御部は、調光情報に基づく輝度が基準の輝度よりも低い第2の場合に、予め定めた固定のPWM周期およびPWMデューティを持つ第2駆動信号を生成する。目標電圧設定部は、調光情報に応じて、第1電圧の目標を表す目標電圧を設定する。電圧フィードバック制御部は、第1電圧と目標電圧との誤差に基づき第1駆動信号を生成する。