JP6547640B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用油圧装置の制御装置に関し、油圧発生装置の停止後に再起動される電動オイルポンプの制御装置に関するものである。
車両の燃費向上を目的として、車両の停止状態たとえば交差点等の停車中において、エンジンを停止させる機能、いわゆるアイドルストップ機能を持った車両などでは、車両の停車から停車後の再発進までの時間が長い場合に、車両用駆動装置内の変速機に供給されるオイルがオイル溜めに戻ってしまい、変速機の潤滑が不足する場合がある。これに対し、特許文献1には、エンジンによって駆動される機械式オイルポンプの作動に先立って電動オイルポンプを作動させ、油温が高いほど電動オイルポンプの作動時間を短くする技術が開示されている。これによれば、オイルの温度が高いことによってオイルの粘度が低い場合は、電動オイルポンプから変速機へのオイルの到達時間が短く設定されることによって、車両用駆動装置内の潤滑不足を防ぐとともに、電動オイルポンプの作動時間を低減しバッテリの消費の抑制することができる。
特開2012−13202号公報
ところで、電動オイルポンプから車両用駆動装置までオイルが供給される時間は、オイルの粘度だけでなく、電動オイルポンプから車両用駆動装置への油路にどれだけオイルが残留しているかによっても影響を受ける。したがって、オイルの粘度、すなわちオイルの温度だけで、電動オイルポンプから車両用駆動装置まで油が供給される時間を推定する場合には、実際にはオイルが車両用駆動装置まで到達していないにもかかわらず車両が発進され、オイルで充分に冷却されていない車両用駆動装置が駆動源によって駆動されることにより、車両用駆動装置の耐久性に影響を生じる恐れがある。また、車両用駆動装置の耐久性の問題を避けるために、オイルが電動オイルポンプから車両用駆動装置まで供給される時間が長く設定される場合には、電動オイルポンプを必要以上に長く始動させることによりバッテリの消費を招くという問題がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電動オイルポンプから車両用駆動装置までの油路にどれだけオイルが残留しているかを考慮して電動オイルポンプから車両用駆動装置へのオイルの到達時間を設定することにより、車両用駆動装置の耐久性の低下と不要な電動オイルポンプの可動による燃費の低下とを適切に抑制する車両用油圧装置の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって、前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記電動オイルポンプの作動開始前の前記油圧発生装置の前記停止後からの停止時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされていることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって、前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記電動オイルポンプの作動開始前の前記油圧発生装置の前記停止後からの停止時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間の経過後に前記両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されていることにある。
第3発明の要旨とするところは、エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって、前記車両用駆動装置は、前記エンジン、第1電動機、第2電動機にそれぞれ連結された複数の回転要素を有して電気式無段変速機として機能する遊星歯車装置を含むものであり、前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記機械式オイルポンプよりも、前記電動オイルポンプの作動開始から前記遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされていることにある。
第4発明の要旨とするところは、エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって、前記車両用駆動装置は、前記エンジン、第1電動機、第2電動機にそれぞれ連結された複数の回転要素を有して電気式無段変速機として機能する前記遊星歯車装置を含むものであり、前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記機械式オイルポンプよりも、前記電動オイルポンプの作動開始から前記遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間経過後に前記両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されていることにある。
第1発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置において、全ての油圧発生装置の停止後から電動オイルポンプの作動までの時間が長いほど、電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンへ油が到達するまでの時間が長く設定されることにより、車両用駆動装置へ油が到達する前に車両用駆動装置を駆動することをより確実に防ぐこととなり、車両用駆動装置の耐久性の低下を効果的に抑制できる。また、第1発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされているので、オイルが遊星歯車装置を含む油路に充填されていない場合においても、前記電動オイルポンプの作動時間が長いほど、前記第1電動機と第2電動機との両駆動の許可時間が短くされることによって、油路のオイル補填前に遊星歯車装置に焼きつきの発生しない両駆動を可能とするとともに、遊星歯車装置の温度上昇による耐久性の低下を効果的に抑制することができる。
第2発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置において、全ての油圧発生装置の停止後から電動オイルポンプの作動までの時間が長いほど、電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンへ油が到達するまでの時間が長く設定されることにより、車両用駆動装置へ油が到達する前に車両用駆動装置を駆動することをより確実に防ぐこととなり、車両用駆動装置の耐久性の低下を効果的に抑制できる。また、第2発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間の経過後に両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されていることによって、油路のオイル補填前に遊星歯車装置に両駆動における焼きつきの発生を防ぐとともに、遊星歯車装置の温度上昇による耐久性の低下に関しても効果的に抑制することができる。
第3発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置において、一般的に機械式オイルポンプより容量が小さい電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンへ油が到達するまでの時間が機械式オイルポンプより長く設定されることにより、車両用駆動装置へ油が到達する前に車両用駆動装置を駆動することをより確実に防ぐこととなり、車両用駆動装置の耐久性の低下を効果的に抑制できる。また、第3発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされているので、オイルが遊星歯車装置を含む油路に充填されていない場合においても、前記電動オイルポンプの作動時間が長いほど、前記第1電動機と第2電動機との両駆動の許可時間が短くされることによって、油路のオイル補填前に遊星歯車装置に焼きつきの発生しない両駆動を可能とするとともに、遊星歯車装置の温度上昇による耐久性の低下を効果的に抑制することができる。
第4発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置において、一般的に機械式オイルポンプより容量が小さい電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンへ油が到達するまでの時間が機械式オイルポンプより長く設定されることにより、車両用駆動装置へ油が到達する前に車両用駆動装置を駆動することをより確実に防ぐこととなり、車両用駆動装置の耐久性の低下を効果的に抑制できる。また、第4発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間の経過後に両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されていることによって、油路のオイル補填前に遊星歯車装置に両駆動における焼きつきの発生を防ぐとともに、遊星歯車装置の温度上昇による耐久性の低下に関しても効果的に抑制することができる。
本発明が適用されるエンジンと第1電動機と第2電動機とを備えた車両用駆動装置を持つ車両に備えられた電子制御装置と動力伝達装置の構成とを説明する骨子図である。 図1の動力伝達装置内に形成されている潤滑油経路を説明する図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。 図1の電子制御装置の制御動作に用いられる油到着時間の一例を示す図である。 他の実施例において、電子制御装置の制御動作に用いられる遊星歯車装置の推定温度の一例を示すタイムチャートである。 油圧発生装置の停止後オイルポンプを起動する場合に、オイルが駆動装置に到達する時間を設定し、続いて第1電動機と第2電動機との両駆動を許可する時間を設定する制御作動を説明するフローチャートである。 前記他の実施例において、油圧発生装置の停止後オイルポンプを起動する場合に、オイルが駆動装置に到達する時間を設定し、続いて第1電動機と第2電動機との両駆動をピニオンの推定温度に基づいて設定する制御作動を説明するフローチャートである。 本発明のさらに他の実施例が適用されるエンジンを持つ車両に備えられた電子制御装置と動力伝達装置の構成とを説明する骨子図である。
以下、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10(以下、車両10という)の動力伝達装置11の概略構成を説明する図であると共に、動力伝達装置11の各部を制御する為に設けられた電子制御装置80を説明する図である。図1において、動力伝達装置11は、走行用の駆動力源としてのエンジン12から出力される動力を第1電動機MG1及び出力歯車14へ分配する動力分配機構16と、出力歯車14に連結される歯車機構18と、出力歯車14に歯車機構18を介して動力伝達可能に連結された第2電動機MG2とを有する変速部20を備えて構成されている。また、車両用駆動装置36は、動力伝達装置11とエンジン12とで構成されている。変速部20は、例えば車両10において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、変速部20(動力分配機構16)の出力回転部材としての出力歯車14とカウンタドリブンギヤ22とで構成されるカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置(終減速機)28、エンジン12に作動的に連結されるダンパー30、そのダンパー30に作動的に連結される入力軸32等とで、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース34内においてトランスアクスル(T/A)の一部を構成している。このように構成された動力伝達装置11では、ダンパー30及び入力軸32を介して入力されるエンジン12の動力や第2電動機MG2の動力が出力歯車14へ伝達され、その出力歯車14からカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置28、一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪38へ伝達される。
入力軸32は、その一端がダンパー30およびクランク軸の逆回転を規制するロック装置として機能する一方向クラッチ39を介してエンジン12のクランク軸に連結されるとともに、その他端が1つの油圧発生装置或いは潤滑油供給装置として機能する機械式オイルポンプ40に連結されており、機械式オイルポンプ40はエンジン12により直接的に回転駆動されて、動力伝達装置11内の各部、例えば第1電動機MG1、第2電動機MG2、動力分配機構16、歯車機構18、および不図示のボールベアリング等にオイル(潤滑油)が供給される。
動力分配機構16は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(回転部材)として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、差動作用を生じる差動機構として機能する。この動力分配機構16においては、第1回転要素としての第1キャリヤCA1は入力軸32すなわちエンジン12に連結され、第2回転要素としての第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第3回転要素としての第1リングギヤR1は出力歯車14に連結されている。これより、第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1は、それぞれ相互に相対回転可能となることから、エンジン12の出力が第1電動機MG1及び出力歯車14に分配されると共に、第1電動機MG1に分配されたエンジン12の出力で第1電動機MG1が発電され、その発電された電気エネルギがインバータ50を介して蓄電装置52に蓄電されたり、その電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されたりするので、変速部20は例えば無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、変速比γ(=エンジン回転速度NE/出力回転速度NOUT)が連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する。つまり、変速部20は、差動用電動機として機能する第1電動機MG1の運転状態が制御されることにより動力分配機構16の差動状態が制御される電気式差動部(電気式無段変速機)として機能する。これにより、変速部20は、例えば燃費が最も良くなるようなエンジン12の動作点(例えばエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとで定められるエンジン12の動作状態を示す運転点、以下、エンジン動作点という)である燃費最適点にてエンジン12を作動させることができる。
歯車機構18は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を回転要素として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この歯車機構18においては、第2キャリヤCA2は非回転部材であるケース34に連結されることで回転が阻止され、第2サンギヤS2は第2電動機MG2に連結され、第2リングギヤR2は出力歯車14に連結されている。そして、この歯車機構18は、例えば減速機として機能するように遊星歯車装置自体のギヤ比(歯車比=サンギヤS2の歯数/リングギヤR2の歯数)が構成されており、第2電動機MG2からトルク(駆動力)を出力する力行時には第2電動機MG2の回転が減速させられて出力歯車14に伝達され、そのトルクが増大させられて出力歯車14へ伝達される。尚、この出力歯車14は、動力分配機構16のリングギヤR1及び歯車機構18のリングギヤR2としての機能、及びカウンタドリブンギヤ22と噛み合ってカウンタギヤ対24を構成するカウンタドライブギヤとしての機能が1つのギヤに一体化された複合歯車となっており、出力部材として機能している。
第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能のうち少なくとも一方を備えた例えば同期電動機であって、好適には、発動機又は発電機として選択的に作動させられるモータジェネレータである。例えば、第1電動機MG1はエンジン12の反力を受け持つ為のジェネレータ(発電)機能及び運転停止中のエンジン12を回転駆動するモータ(電動機)機能を備え、第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能する為の電動機機能及び駆動輪38側からの逆駆動力から回生により電気エネルギを発生させる発電機能を備える。
図2は、上記動力伝達装置11内に設けられた種々の回転体の少なくとも一部、たとえば動力分配機構16の第1ピニオンギヤP1、歯車機構18の第2ピニオンギヤP2を潤滑するためのオイルの供給経路を説明する図である。他の油圧発生装置或いは潤滑油供給装置として機能する電動オイルポンプ42は、ケース34の外に配置され、モータにより回転駆動されるモータポンプ、電磁バイブレータにより往復駆動される電磁ポンプなどから構成される電力に基づいて駆動されるポンプであって、エンジン12の停止時に作動させられる。機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ42は並列に設けられており、機械式オイルポンプ40および電動オイルポンプ42は、ケース34内を還流したオイルを、ストレーナ44を介してそれぞれ吸引し、第1逆止弁V1および第2逆止V2をそれぞれ通して合流させた後、第1油路L1、水冷オイルクーラ46、第2油路L2を通して、第1電動機MG1及び第2電動機MG2へそれぞれ供給する。また、第1逆止弁V1は、入力軸32内に設けられた第3油路L3へも独立してオイルを出力するように構成されており、オイルはその第3油路L3を通して第1電動機MG1、動力分配機構16、歯車機構18へ供給される。この第3油路は、2つの絞りOR1およびOR2を有し、第1逆止弁V1を通過した機械式オイルポンプ40からのオイルを、第1電動機MG1と、動力分配機構16及び歯車装置18へ供給する。動力分配機構16の第1ピニオンギヤP1および歯車機構18の第2ピニオンギヤP2は、高回転であるため貧潤滑となり易い。上記第3油路の2つの絞りOR1およびOR2の間の部分は、絞りOR3を通して第1油路L1と接続されている。また、第1油路L1には、油温センサ70が設けられているとともに、圧力上昇を制限するための1対のリリーフ弁LV1およびLV2が設けられている。
また、車両走行中に差動歯車装置28によりケース34内の上部へ掻き上げられたオイルは、流れ落ちる過程で、第1電動機MG1及び第2電動機MG2や、カウンタギヤ対24を構成するカウンタギヤ機構、およびその軸受などへ供給される。なお、ケース34の一端は、リヤカバー46によって塞がれており、そのリヤカバー46には機械式オイルポンプ40のポンプカバー48が固定されている。
図1に戻って、車両10には、例えば変速部20などの車両10の各部を制御する車両10の制御装置としての電子制御装置80が備えられている。この電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2などに関するハイブリッド駆動制御等の車両制御を実行するようになっており、必要に応じてエンジン12の出力制御用や電動機MG1,MG2の出力制御用等に分けて構成される。また、電子制御装置80には、車両10に設けられた各センサ(例えばクランクポジションセンサ60、出力回転速度センサ62、レゾルバ等の第1電動機回転速度センサ64、レゾルバ等の第2電動機回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、油温センサ70、バッテリセンサ72など)により検出された各種入力信号、例えばエンジン回転速度NE(rpm)、車速V(km/h)に対応する出力歯車14の回転速度である出力回転速度NOUT(rpm)、第1電動機MG1の第1電動機回転速度センサ64により検出された第1電動機回転速度NM1(rpm)、第2電動機MG2の第2電動機回転速度センサ66により検出された第2電動機回転速度NM2(rpm)、アクセル開度Acc(%)、油温センサ70により検出されたオイルの油温(潤滑油温)THOIL(℃)、蓄電装置52のバッテリ温度THBAT(℃)やバッテリ充放電電流IBAT(I)やバッテリ電圧VBAT(V)などが供給される。また、電子制御装置80からは、車両10に設けられた各装置(例えばエンジン12、インバータ50など)に各種出力信号(例えばエンジン制御指令信号や電動機制御指令信号(変速制御指令信号)等のハイブリッド制御指令信号SHVなど)が供給される。尚、電子制御装置80は、例えば上記バッテリ温度THBAT、バッテリ充放電電流IBAT、及びバッテリ電圧VBATなどに基づいて蓄電装置52の充電状態(充電容量)SOCを逐次算出する。
図3は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック図である。図3において、油圧発生装置停止判定部81は、ハイブリッド車両10が全ての油圧発生装置の停止中、たとえば交差点等の停車中においてエンジンを停止させる車両状態であるアイドルストップ中か否かを判定する。EOP起動判定部82は、油圧発生装置の停止中に電動オイルポンプ42の起動指示信号が、電子制御部80から出力された場合に、停止時間演算部84に停止時間演算の指令信号を出力する。停止時間演算部84は、機械式オイルポンプ40および電動オイルポンプ42の2台とも停止した時点からの経過時間を測定しており、この停止した時点から、たとえば、エンジン走行までには至らないたとえば、比較的軽負荷の発進を示すアクセル操作に対応したEOP起動判定部82の指令信号が入力されるまでの時間、すなわち電動オイルポンプが起動されるまでの時間(以降、停止時間Ttsという)を油到達時間演算部86に出力する。油到達時間演算部86は、電動オイルポンプ42の起動後、オイルが動力分配機構16と歯車機構18とに(以降、プラネタリギヤ16、18という)オイルが到達するまでの時間、すなわちオイル到達時間Tta(sec)を、たとえば図4のオイルの温度THoil(℃)を変数として予め設定され記憶された関係(マップ)に基づいて算出(設定)する。両駆動判定部88は、両駆動の指令信号すなわち、第1電動機MG1と第2電動機MG2とを同時に駆動する信号が出力されたか否かを判定する。なお、動力分配機構16の第1ピニオンギヤP1或いは歯車機構18の第2ピニオンギヤP2は、車両走行時において、他のギヤよりも回転数が高くなるため、特に第1電動機MG1および第2電動機MG2を駆動源とするモータ走行すなわち駆動力の大きい両駆動のモータ走行時において温度上昇が大きく、第1ピニオンギヤP1及び第2ピニオンギヤP2(以降、ピニオンP1、P2という)の耐久性を確保するために両駆動時間の制限とオイルによる潤滑とが重要となる。
図3に戻り、電子制御装置80が第1電動機MG1と第2電動機MG2との駆動信号を出力し、両駆動判定部88が両駆動の開始を確認すると、両駆動許可時間設定部90は、油到達時間演算部86によって算出されたオイル到達時間Tta(sec)に基づいて、オイル到達時間Ttaとオイルの温度THoil等を変数として予め記憶された関係(マップ)を用いて両駆動許可時間Ttpbを設定する。両駆動許可時間Ttpbは、ピニオンP1、P2の耐久性を確保するために、ピニオンP1、P2の温度上昇を所定の温度以下とするよう実験的に求められており、オイル到達時間Ttaが長いほど、第1電動機MG1および第2電動機MG2を駆動源とする両駆動の許可時間Ttpbを短く設定する。油到達判定部94は、油到達時間演算部86によって算出された電動オイルポンプのオイルのプラネタリギヤ16、18への到達時間Ttaからオイルのプラネタリギヤ16、18への到達時刻を判定する。両駆動許可判定部96は、油到達判定部94からオイルがプラネタリギヤ16、18へ到達したとの信号が出力されるまでの時間内において、第1電動機MG1と第2電動機MG2とを同時に駆動する両駆動時間が、両駆動許可時間設定部90によって設定された両駆動許可時間Ttpb以上となるまでは、両駆動を許可する。油到達判定部94からオイルがプラネタリギヤ16、18へ到達したとの信号が出力されると、両駆動許可時間設定部90は、油到達後両駆動許可時間Ttapbを設定する。油到達後両駆動許可時間Ttapbは、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達するまで両駆動した場合には両駆動時間に基づいて、またオイルがプラネタリギヤ16、18に到達する前に両駆動が停止した場合には両駆動停止後の時間に基づいて、オイルの温度THoilを変数として、予め記憶された関係(マップ)から算出される。両駆動許可判定部96は、両駆動時間が両駆動許可時間設定部90の設定した油到達後両駆動許可時間Ttapb以上となるまでは、両駆動を許可する。駆動制御部102は、両駆動許可判定部96の指令信号が出ている場合は、それに基づいてインバータ50へ制御信号を出力し、第1電動機MG1と第2電動機MG2とは、インバータ50によって両駆動される。一方、両駆動時間が、油到達後両駆動許可時間に達すると、駆動制御部102は、両駆動許可判定部96の指令信号に基づいてインバータ50へ制御信号を出力し、両駆動を停止する。
図6は、電子制御装置80の制御作動の要部、すなわち電動オイルポンプを始動し、停止時間Ttsからプラネタリギヤ16、18へのオイル到達時間Ttaを推定し、第1電動機MG1と第2電動機MG2とを同時に駆動する両駆動時間が開始されると、プラネタリギヤ16、18へのオイル到達まで、両駆動を許可する際の作動の要部を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。
図6において、油圧発生装置停止判定部81に対応するステップ(以下ステップを省略する)S1において、機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ42とが停止中である、たとえばアイドルストップ中かどうかが判定される。この判定が否定される場合は、判定が繰り返されることとなる。このS1判定が肯定された場合、EOP起動判定部82に対応するS2において、電子制御部80から電動オイルポンプ42の起動信号が出力されると、停止時間演算部84に対応するS3において、機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ42とが停止した時点から、電動オイルポンプ42の起動信号が出力されるまでの停止時間Ttsが算出される。なお、S2において電動オイルポンプ42の起動信号が出力されない場合、判定が繰り返されることとなる。油到達時間演算部86に対応するS4において、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達するまでの時間Ttaがオイルの温度THoilを変数として予め記憶された関係(マップ)に基づいて算出される。両駆動判定部88に対応するS5において、第1電動機MG1と第2電動機MG2とを同時に駆動する両駆動の開始信号が電子制御部80から出力されたか否かが判定される。この判定が否定される場合、判定が繰り返されることとなる。
S5において、この両駆動の開始信号が電子制御部80から出力されたことが肯定された場合、両駆動許可時間設定部90に対応するS6において、両駆動許可時間Ttpbが設定される。油到達判定部94に対応するS9において、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達したか否かが判定される。この判定が否定された場合、両駆動許可判定部96が対応するS10において、両駆動の開始後の経過時間が両駆動許可時間Ttpbを下回るか否かが判定される。この判定が否定された場合、駆動制御部102が対応するS7において、両駆動が停止される。この判定が肯定された場合、両駆動許可判定部96が対応するS8において両駆動が許可され、両駆動が継続される。一方、油到達判定部94に対応するS9において、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達したことが肯定された場合、両駆動許可時間設定部90に対応するS11において油到達後両駆動許可時間Ttapbが設定される。両駆動判定部96に対応するS13において、油到達後両駆動許可時間Ttapbが両駆動時間を上回るか否かが判定される。この判定が肯定された場合、駆動制御部102に対応するS12において両駆動が継続される。この判定が否定された場合、駆動制御部102に対応するS14において両駆動が停止される。
このように、本実施例によれば、たとえばアイドルストップによるエンジン12の停止時間が長いほど、プラネタリギヤ16、18への油路にオイルを補填する時間が長く必要であり、エンジンの停止からオイルポンプの作動までの時間が長いほど、第1電動機MG1と第2電動機MG2との両駆動の許可時間を短くすることにより、プラネタリギヤ16、18、特にピニオンP1とP2と焼きつきを防ぎ、耐久性の低下を効果的に抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において、前記実施例と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。本実施例と実施例1とは、第1電動機MG1と第2電動機MG2との両駆動の駆動時間を抑制する手段において異なっている。従って、上記の異なる構成についてのみ、図3、図5、図7を用いて詳細に説明する。
図3は、本発明の他の実施例の制御の要部を含んだ機能ブロック図である。
機能ブロック図において、油圧発生装置判定停止判定部81から両駆動許可時間設定部90、油到達判定部94、両駆動許可判定部96、駆動制御部102までは、他の実施例と共通する。しかし、本実施例では、図3の破線で囲まれた制御部が追加されている。すなわち、ピニオンP1、P2の温度Tep(℃)を推定し、ピニオンP1、P2の耐久性を確保するために予め設定されたピニオン推定温度上限判定値Tepuを上回ると第1電動機MG1と第2電動機MG2との両駆動を停止する点で異なっている。図3において、電子制御装置80が第1電動機MG1と第2電動機MG2との駆動信号を出力し、両駆動判定部88が両駆動の開始を確認すると、油到達前温度勾配設定部92は、両駆動後のピニオンP1、P2の推定温度Tepの上昇勾配を、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達する前の油到達前の温度上昇勾配に設定する。油到達前の温度上昇の勾配は、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達する前の両駆動時の温度上昇の直線の勾配として、予め実験的に求められ記憶されている。油到達判定部94は、プラネタリギヤ16,18にオイルが到達したか否かを判定し、到達していない場合、ピニオンの推定温度がピニオン推定温度上限判定値Tepuに達するまで両駆動を許可し、ピニオンの推定温度Tep、たとえば両駆動の開始時のオイルの温度THoilから開始され、前記の油到達前温度勾配で温度上昇する直線として推定されるピニオン推定温度Tepが、ピニオン推定温度上限判定値Tepuに達した時点で、ピニオン温度判定部98は、駆動制御部102に指令信号を出力し両駆動を停止する。また、ピニオン温度判定部98は、油到達判定部94を経由して、油到達前温度勾配設定部92に指令信号を出力し、油到達前温度勾配設定部92は、ピニオンP1、P2の推定温度Tepの下降勾配を、油到達前の下降勾配に設定する。この下降勾配についても、たとえば温度下降する直線の勾配として予め実験的に求められ記憶されている。ピニオンの推定温度がピニオン推定温度上限判定値Tepuに到達する以前にプラネタリギヤ16,18にオイルが到達すると、油到達判定部94は、ピニオン温度判定部98を経由して油到達後温度勾配設定部100に指令信号を出力し、油到達後温度勾配設定部100は、ピニオンP1、P2の推定温度Tepの上昇勾配を、油到達後温度勾配に設定する。油到達後温度勾配は、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達した後の温度上昇の直線の勾配として、たとえば予め実験的に求められ記憶されている。プラネタリギヤ16,18にオイルが到達後もピニオンP1、P2の推定温度Tepがピニオン推定温度上限判定値Tepu以下である場合、ピニオン温度判定部98は駆動制御部102に指令信号を出力し、両駆動を継続する。また、ピニオンP1、P2の推定温度Tepがピニオン推定温度上限判定値Tepuを上回った場合、駆動制御部102に指令信号を出力し、両駆動を停止するとともに、油到達後温度勾配設定部100に指令信号を出力し、両駆動停止後の温度推定値Tepの温度下降勾配を設定する。両駆動停止後の油到達後温度勾配は、たとえば両駆動が停止されオイルがプラネタリギヤ16、18に到達した後の温度下降の直線の勾配として、予め実験的に求められ記憶されている。
図5は、電動オイルポンプ42の駆動後、第1電動機MG1と第2電動機MG2とが両駆動された後のピニオンの推定温度Tepを示すタイムチャートである。実線で示されたピニオンP1、P2の推定温度Tepは、オイル到達時間Tta前に両駆動が開始された場合のピニオンの推定温度Tepの変化を示している。前記両駆動の作動開始時t1において、ピニオン温度T1は、たとえば油温Thoilと同一と推定される。ピニオンP1、P2の推定温度Tepは、たとえばピニオン温度T1を通過する、油到達前の両駆動時の温度上昇勾配が予め実験的に求められ記憶された勾配α+aを持つ直線として算出され、t2において、ピニオン推定温度Tepはピニオン推定温度上限判定値Tepuに達する。ピニオン推定温度上限判定値Tepuを上回ると、両駆動は停止され、これ以後、ピニオンP1、P2の推定温度Tepは、たとえばピニオン温度Tepuから下降し、油到達前の両駆動停止後の温度下降勾配が予め実験的に求められ記憶された勾配β−bを持つ直線として算出される。また、t3すなわちオイル到達時間Ttaに達すると、油到達前の温度下降勾配β−bは、油到達後の温度下降勾配βに変更される。破線で示されたピニオンP1、P2の推定温度Tepは、オイル到達時間Tta後に両駆動が開始された場合のピニオンの推定温度Tepの変化を示している。前記両駆動の作動開始時t11において、ピニオン温度はT2であり、たとえば油温Thoilと同一と推定される。ピニオンP1、P2の推定温度Tepは、たとえばピニオン温度T2を通過する、油到達後の両駆動時の温度上昇勾配が予め実験的に求められ記憶された勾配αを持つ直線として算出され、t12において、ピニオン推定温度Tepはピニオン推定温度上限判定値Tepuに達する。ピニオン推定温度上限判定値Tepuを上回ると、両駆動は停止され、これ以後、ピニオンP1、P2の推定温度Tepは、たとえばピニオン温度Tepuから下降し、油到達後の両駆動時の温度下降勾配が予め実験的に求められ記憶された勾配βを持つ直線として算出される。従って、プラネタリギヤ16,18にオイルが到達するまでの期間に両駆動を実施した場合、プラネタリギヤ16,18にオイルが到達した後の期間に両駆動を実施する場合よりプラネタリ推定温度Tepの温度上昇勾配は高く、プラネタリ推定温度Tepの温度下降勾配は低く設定さる。
図7は、全ての油圧発生装置の停止中、たとえばアイドルストップにおける機械式オイルポンプ40と電動オイルポンプ42の停止中、電動オイルポンプ42を起動する場合に、プラネタリギヤ16,18にオイルが到達する時間を設定し、続いて第1電動機と第2電動機との両駆動をピニオンの推定温度に基づいて設定する制御作動を説明するフローチャであり、繰り返し実行される。S1からS5までは、他の実施例と同一であり説明は省略する。S5において両駆動開始が肯定されると、開始油到達前温度勾配制定部92に対応するS16において、ピニオン推定温度Tepの温度勾配は、オイルがプラネタリギヤ16、18に到達する前の両駆動時の温度上昇の勾配に設定される。油到達判定部94に対応するS18において、プラネタリギヤ16,18にオイルオイルが到達したか否かが判定される。この判定が否定された場合、ピニオン温度判定部98に対応するS19において、ピニオン推定温度Tepがピニオン推定温度上限判定値Tepu以下であるか否かが判定される。この判定が否定された場合は、駆動制御部102に対応するS23において、両駆動が停止される。判定が肯定された場合、駆動制御部102に対応するS17において、両駆動が継続される。一方、S18においてプラネタリギヤ16,18にオイルオイルが到達したと判定された場合、油到達後温度勾配設定部100に対応する、S20において、ピニオン推定温度の勾配は、油到達後の温度上昇勾配および油到達後の温度下降勾配に設定される。ピニオン温度判定部98に対応するS22において、ピニオン推定温度Tepがピニオン推定温度上限判定値Tepu以下であるか否かが判定される。この判定が肯定された場合、駆動制御部102に対応するS21において両駆動が継続される。この判定が否定された場合、駆動制御部102に対応するS23において両駆動が停止される。
このように、本実施例によれば、電動機MG1と電動機MG2との両駆動、および駆動停止において、ピニオンP1およびピニオンP2の温度推定する手段を備えることによって、ピニオンP1およびピニオンP2の温度を耐久性の低下を抑制できる範囲に収めることが可能となり、プラネタリギヤ16,18にオイルオイルが到達前、および到達後のいずれにおいてもピニオンP1およびピニオンP2の耐久性の低下を抑制することができる。
本実施例において、両駆動によるピニオン推定温度Tepの上昇と下降を直線として近似したが、特に直線でなくとも良い。たとえば、実験的に求められた両駆動後の経過時間と温度上昇および温度下降との関係を、直線より複雑な曲線として求め、この曲線を近似する関数の傾きをプラネタリギヤ16,18にオイルが到達したか否かによって変更することとしても良い。
また、ピニオンP1、P2の温度推定Tepは、特にこれらの算出方法に限定されるものでなく、たとえば、両駆動時のピニオンの推定温度Tepを予め実験的に求められた発熱量算出式から算出する、すなわち第1電動機回転速度NM1と第2電動機回転速度NM2と、入力軸32に入力されたトルクTEおよび、第1動力分配機構16のギヤ比に基づいて算出されたピニオンギヤP1とピニオンギヤP2とに負荷されたトルクから、ピニオンギヤP1とピニオンギヤP2との発熱量を算出し、その発熱量の積算値と、油温とに基づいて温度推定しても良い。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、車両用駆動装置として、エンジン12のみを備え電動機MG1、MG2を持たない車両においても本発明を適用することができる。図8は車両用駆動装置の構成を説明する骨子図であり、車両用駆動装置は、エンジン12、ロックアップクラッチ33、トルクコンバータ35、変速部20、機械式オイルポンプ40、電動オイルポンプ42、オイルポンプから供給される作動油を制御する油圧制御回路31、出力歯車14等から構成される。図8の構成においても、実施例1、2で示された電動オイルポンプ42の作動時間を、電動オイルポンプ42の停止時間が長いほど長く設定することによって変速部20にオイルが到達する前にエンジン12を駆動することを防ぎ、変速部20の耐久性の低下を抑制できる。
たとえば、前述の実施例の電動オイルポンプ42は、電動モータとポンプとを備え、その電動モータによりポンプが回転駆動される所謂モータポンプや、電磁バイブレータとポンプとを備え、その電磁バイブレータによりポンプが往復駆動される所謂電磁ポンプなどから構成される。要するに、独立したポンプ駆動源を有して電力に基づいて駆動されるポンプであればよい。
たとえば、前述の実施例では、機械式オイルポンプ40および電動オイルポンプ42が設置されている構成を基に説明しているが、必ずしも機械式オイルポンプ40が設置されていなくても良い。たとえば、電動オイルポンプ42の作動後は、掻き揚げオイルで潤滑することとしても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
11:動力伝達装置(車両用駆動装置)
12:エンジン
16:動力分配機構(遊星歯車装置)
18:歯車機構(遊星歯車機構)
40:機械式オイルポンプ(油圧発生装置)
42:電動オイルポンプ(油圧発生装置)
80:電子制御装置(制御装置)
MG1:第1電動機
MG2:第2電動機
P1、P2:ピニオンギヤ

Claims (4)

  1. 第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって
    前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記電動オイルポンプの作動開始前の前記油圧発生装置の前記停止後からの停止時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、
    前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされている
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 第1電動機および第2電動機を駆動源として備え、電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって
    前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記電動オイルポンプの作動開始前の前記油圧発生装置の前記停止後からの停止時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始から遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、
    前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、
    前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間の経過後に前記両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されている
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  3. エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって
    前記車両用駆動装置は、前記エンジン、第1電動機、第2電動機にそれぞれ連結された複数の回転要素を有して電気式無段変速機として機能する遊星歯車装置を含むものであり、
    前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記機械式オイルポンプよりも、前記電動オイルポンプの作動開始から前記遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、
    前記作動時間が長いほど、前記電動オイルポンプの作動開始直後における前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動の許可時間が短くされている
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  4. エンジンにより駆動される機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを含む油圧発生装置からオイルが供給される車両用駆動装置の制御装置であって
    前記車両用駆動装置は、前記エンジン、第1電動機、第2電動機にそれぞれ連結された複数の回転要素を有して電気式無段変速機として機能する遊星歯車装置を含むものであり、
    前記油圧発生装置の全てが停止後、前記電動オイルポンプのみが作動させられてオイルが供給される場合に、前記機械式オイルポンプよりも、前記電動オイルポンプの作動開始から前記遊星歯車装置のピニオンにオイルが到達するまでの前記電動オイルポンプの作動時間が長く設定されており、
    前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度が予め設定された温度に達した場合に、前記第1電動機および第2電動機を駆動源とする両駆動を停止するピニオン温度判定手段とを含み、
    前記両駆動を前記作動時間内に実行する場合、前記作動時間の経過後に前記両駆動を実行する場合よりも、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度上昇勾配が高く、前記遊星歯車装置のピニオンの推定温度の温度下降勾配が低く設定されてい
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
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