JP6540548B2 - 塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法、銅イオン除去処理装置 - Google Patents

塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法、銅イオン除去処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法及び銅イオン除去処理装置に関し、より詳しくは、電気ニッケルの製造プロセス中で、ニッケル酸化鉱石から得られたニッケル硫化物等を塩素浸出して得られる塩化ニッケル水溶液から銅イオンを固定除去する銅イオン除去方法及びその方法に用いる銅イオン除去処理装置に関する。
塩化ニッケル水溶液中から不純物である銅イオンを除去する工程は、電気ニッケルの製造プロセスにおいて重要な工程である。例えば、ニッケル硫化物等のニッケル原料を浸出して得られた浸出液(塩化ニッケル水溶液)から高純度の電気ニッケルを電解採取するプロセスにおいて、原料を浸出して得られた塩化ニッケル水溶液中には、通常、銅が数十g/L程度含まれる。そのため、これをあらかじめ0.10g/L以下、より好ましくは0.05g/L以下の低濃度域まで除去する工程を設けて粗脱銅を行った後、残留する鉄、コバルト等の元素を除去する工程においてさらに低濃度の0.0001g/L以下にまで低減させて電解液を得ている。
塩化ニッケル水溶液中から銅イオンを除去する方法としては、水溶液のpH調整により銅イオンを水酸化物として除去する方法や、電解や溶媒抽出、イオン交換法により銅を選択的に除去する方法、硫化剤の添加により銅を硫化物として除去する方法等が挙げられる。しかしながら、これらの方法によって低濃度域まで銅を除去するにあたっては、工業的に以下のような問題がある。
例えば、銅イオンを水酸化物として除去する方法では、発生する水酸化物が微細となるため、後工程の固液分離工程において濾過不良が発生する懸念がある。また、この方法では、銅を選択的に除去することが難しく、ニッケルや鉄等も共沈するため、水溶液中の銅濃度を電解採取工程において問題ない範囲まで除去しようとした場合、操業資材のロスが大きくなるという問題がある。
また、電解法では、銅はニッケルに比べイオン化傾向が低いため、銅を選択的に除去することは可能であるものの、低濃度域においては銅と共にニッケルまでも電解析出してしまい、そのニッケル析出によって電気ニッケルの回収ロスが大きくなる。しかも、この電解法では、大きな設備を要し、電力等の操業コストも過大になる。また、溶媒抽出法においても、銅を選択的に除去することは可能であるものの、プロセス内を流れる水溶液を全量処理する必要があるため、設備が大きくなり操業コストが増大する。さらに、イオン交換法では、水溶液中の銅濃度が比較的低濃度でなければ、イオン交換樹脂の破過周期が短くなり、再生を行う際に酸消費量が多く、また多量の洗浄水を系内に取り込む必要が生じ、電気ニッケル製造プロセス系内液量を増大させ、液量均衡を崩すという問題が生じる。
銅を選択的に除去するという面では、硫化水素等の硫化剤を用いる方法が紹介されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このときに発生する銅の硫化物は、一般に粒径が微細となるため、固液分離工程において濾過不良が発生し、工程のボトルネックとなることが多かった。
一方で、硫化剤としてニッケル原料であるニッケルマットを添加する方法でも銅を選択的に低濃度まで除去することが可能となるが、そのニッケルマットを購入するとなると高価であり、脱銅剤として利用するにはコスト面から問題がある。また、硫化剤として湿式処理で製造されるニッケル硫化物(NiS、硫化ニッケル)を添加する方法もあるが、ニッケル硫化物は脱銅に用いる硫化剤としては反応性が低いため、塩化ニッケル水溶液中の銅イオンを低濃度まで低減することは困難であり、また反応液の温度を、蒸気を用いた間接熱交換を用いて80℃〜110℃にまで昇温することが必要であり、エネルギーの観点から効率的な処理とはいえない。
そこで、ニッケル硫化物とニッケルマットとを併用して、前者のニッケル硫化物により予め塩化ニッケル水溶液中の銅イオンを2価から1価へ還元し、後者のニッケルマットによりさらに1価の銅イオンを硫化物として固定化し、除去するといった方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法によれば、塩化ニッケル水溶液中の銅濃度を低濃度域にまで効果的に低減させることができ、また濾過性を向上させることができるが、反応液の昇温を抑えて極力低温の条件でより一層に効率的に、塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを還元して、硫化物としての固定化を完結させることができる方法が求められている。
特開2013−67841号公報 特開2012−26027号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、含銅塩化ニッケル水溶液の銅負荷等の性状等に応じて適切に処理を施すことができ、反応液の昇温を抑えて極力低温の条件で効率的に銅イオンを除去することができる銅イオン除去処理装置及びその装置を用いた銅イオン除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、4槽以上の反応槽を備えて構成され、その中央の反応槽においてニッケルマットの装入のON/OFF制御を可能とするニッケルマット装入口を設けた銅イオン除去処理装置を用いることによって、上述した課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)から銅イオンを除去するための銅イオン除去処理装置であって、直列に連結された合計n槽(nは4以上の整数)の反応槽を備え、前記含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加して該含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを還元する硫化還元処理と、得られたスラリーにニッケルマットを添加して還元された銅イオンを硫化銅として固定化する硫化固定処理との、それぞれの処理が複数の反応槽で実行されるように構成されており、当該銅イオン除去処理装置に備えられた前記n槽の反応槽のうち、最も上流に位置する第1段目の反応槽には、前記硫化還元処理の反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を装入する始液装入口と、前記ニッケル硫化物を装入するニッケル硫化物装入口とが設けられ、最も下流に位置する最終段目(第n段目)の反応槽には、前記硫化固定処理を経て得られる反応終液を排出する終液排出口と、前記ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口とが設けられ、前記最終段目の反応槽の1段手前に位置する第n−1段目の反応槽には、前記ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口が設けられ、さらに、中央の反応槽(但し、nが偶数の場合には、n/2+1段目の反応槽)には、前記ニッケルマットの装入のON/OFF制御が可能なニッケルマット装入口が設けられている、銅イオン除去処理装置である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記硫化還元処理の反応時間を前記硫化固定処理の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口が閉鎖され、該中央の反応槽にニッケルマットが装入されない状態となり、前記硫化固定処理の反応時間を前記硫化還元処理の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口が開放され、該中央の反応槽にニッケルマットが装入される状態となる、銅イオン除去処理装置である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、直列に連結された合計8槽(n=8)の反応槽を備えており、前記中央の反応槽は、第5段目の反応槽である、銅イオン除去処理装置である。
(4)本発明の第4の発明は、第1の発明に係る銅イオン除去処理装置を用いて、銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)から銅イオンを除去する銅イオン除去方法であって、前記含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加し、該含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを硫化還元する還元工程と、前記還元工程を経て得られたスラリーにニッケルマットを添加し、還元された銅イオンを硫化銅として硫化固定する銅イオン固定化工程と、を有し、前記第1段目の反応槽に、前記含銅塩化ニッケル水溶液を装入するとともに前記ニッケル硫化物を装入し、前記最終段目(第n段目)の反応槽及び第n−1段目の反応槽に、前記ニッケルマットを装入し、前記硫化還元の反応時間を前記硫化固定の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口を閉鎖し、前記硫化固定の反応時間を前記硫化還元の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口を開放して、該中央の反応槽にニッケルマットを装入する、含銅塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法である。
本発明によれば、含銅塩化ニッケル水溶液の銅負荷等の性状等に応じて適切に処理を施すことができ、反応液の昇温を抑えて極力低温の条件で効率的に銅イオンを除去することができる。
電気ニッケルの製造プロセスの一例を示す工程図である。 セメンテーション工程の工程図である。 各Cu/Ni比における、硫化還元の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。 各反応温度における、硫化還元の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。 銅イオン除去処理装置の具体的な構成の一例を示す模式図である。 硫化固定を生じさせる反応槽を4槽とした場合と2槽とした場合とにおける、硫化固定の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.銅イオン除去処理装置の概要≫
本実施の形態に係る銅イオン除去処理装置は、銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)、例えばニッケル硫化物を塩素浸出して得られる含銅塩化ニッケル水溶液から銅イオンを除去する方法に用いられる装置である。
具体的に、この銅イオン除去処理装置は、直列に連結された合計n槽(nは4以上の整数)の反応槽を備えるものであり、含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加してその含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを還元する硫化還元処理と、得られたスラリーにニッケルマットを添加して還元された銅イオンを硫化銅として固定化する硫化固定処理との、それぞれの処理が複数の反応槽で実行されるように構成されている。
この銅イオン除去処理装置では、備えられた合計n槽の反応槽のうち、最も上流に位置する第1段目の反応槽には、硫化還元処理の反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を装入する始液装入口と、ニッケル硫化物を装入するニッケル硫化物装入口とが設けられている。また、最も下流に位置する最終段目(第n段目)の反応槽には、硫化固定処理を経て得られる反応終液を排出する終液排出口と、ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口とが設けられている。また、最終段目の反応槽の1段手前に位置する第n−1段目の反応槽には、ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口が設けられている。
そして、中央の反応槽(但し、nが偶数の場合には、n/2+1段目の反応槽)には、ニッケルマットの装入のON/OFFを制御することが可能なニッケルマット装入口が設けられている。ここで、「中央」の反応槽とは、直列に連結された合計4槽以上で存在する反応槽のうちの真ん中の反応槽をいい、当該銅イオン除去処理装置が合計7(n=7)槽の反応槽から構成される場合には第4段目の反応槽が中央の反応槽となる。また、当該銅イオン除去処理装置が合計8(n=8)槽の反応槽から構成される場合には第5段目(8/2+1段目)の反応槽が中央の反応槽となる。
このような銅イオン除去処理装置においては、反応始液の性状、特に反応始液に含まれる銅量(銅の負荷)に応じて、あるいは、反応に必要なニッケル硫化物やニッケルマットの原料構成比に応じて、硫化還元の反応時間や硫化固定の反応時間を柔軟に変えながら、適切な反応を生じさせることができる。
例えば、硫化還元処理の反応時間を硫化固定処理の反応時間よりも長くする場合には、中央の反応槽に設けられたニッケルマットの装入口が閉鎖され、その中央の反応槽にニッケルマットが装入されない状態とすることができる。つまり、その中央の反応槽では、硫化還元の反応が引き続き生じるようになり、その硫化還元の滞留時間を延ばして還元処理をより十分に行うことが可能となる。また、硫化固定処理の反応時間を硫化還元処理の反応時間よりも長くする場合には、中央の反応槽に設けられたニッケルマットの装入口が開放され、その中央の反応槽にニッケルマットが装入される状態とすることができる。つまり、その中央の反応槽では、ニッケルマットの装入による硫化固定の反応が生じるようになり、還元された銅イオンの固定化を長い反応時間で行うことを可能にする。
このように、本実施の形態に係る銅イオン除去処理装置によれば、反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液中の銅負荷量や、またその反応始液に添加するニッケル硫化物やニッケルマットの原料構成比に応じて、適宜、硫化還元の反応及び硫化固定の反応を生じさせる反応槽の数を変更させることができ、それぞれの反応の反応時間を適切に調整することができる。これにより、反応液を過剰に昇温等させることなく、極力低い温度で反応を完結させることができ、効率的な銅イオン除去処理を行うことができる。
≪2.含銅塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法≫
先ず、銅イオン除去処理装置のより詳細な説明に先立ち、この銅イオン除去処理装置が用いられる含銅塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法について説明する。
この銅イオン除去方法は、例えば、ニッケル硫化物を塩素浸出して得られる含銅塩化ニッケル水溶液から銅イオンを除去する方法であり、具体的には、含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加して、その含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを還元する還元工程と、得られたスラリーにニッケルマットを添加して、還元された銅イオンを硫化銅として固定化する銅イオン固定化工程とを有する。また、銅イオン固定化工程を経て得られたスラリーを固液分離する固液分離工程を有する。
以下ではより具体的に、本実施の形態に係る銅イオン除去方法を電気ニッケルの製造プロセスに適用した具体例に基づいて説明する。
図1は、電気ニッケルの製造プロセスの一例を示す工程図である。図1に示すように、電気ニッケルの製造プロセスは、ニッケル硫化物を原料としてニッケル等の金属を塩素浸出し、塩素浸出液である銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)を生成する塩素浸出工程S1と、得られた含銅塩化ニッケル水溶液から銅イオンを固定化し除去するセメンテーション工程S2と、セメンテーション終液からニッケル以外の不純物を除去する浄液工程S3と、浄液工程S3を経て得られた塩化ニッケル水溶液から電解採取法により電気ニッケルを得る電解工程S4とを有する。
[塩素浸出工程]
塩素浸出工程S1では、例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬により製造されたニッケル硫化物等の銅を含有する金属硫化物を原料として、塩素でニッケル等の金属を浸出する。具体的には、後述するセメンテーション工程S2後のセメンテーション残渣と共に、電解工程S4で回収された塩素ガスによって、ニッケル硫化物中のニッケルを浸出させ、塩素浸出液としての含銅塩化ニッケル水溶液を生成させる。なお、原料であるニッケル硫化物は、例えば、電解工程S4にて得られる塩化ニッケル水溶液によってレパルプされてスラリー化したものが用いられる。
具体的に、塩素浸出工程S1では、例えば下記(1)〜(3)式に示す反応が起こる。
Cl+2Cu→2Cl+2Cu2+ ・・・(1)
NiS+2Cu2+→Ni2++S+2Cu ・・・(2)
CuS+2Cu2+→4Cu+S ・・・(3)
すなわち、塩素浸出工程S1では、原料としてのニッケル硫化物が送液されると、そのニッケル硫化物中に含まれる硫化ニッケル(NiS)及び硫化銅(CuS)等の金属成分が、塩素ガスにより酸化された2価銅イオンによって酸化浸出され、このことによって、塩素浸出液である、銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液が生成する。
この塩素浸出工程S1にて生成した塩化ニッケル水溶液は、次工程のセメンテーション工程S2にて処理されて水溶液中に含まれる銅イオンが固定化され除去される。一方で、この塩素浸出工程S1では、硫黄を主成分とした塩素浸出残渣が固相に残存する。
[セメンテーション工程]
セメンテーション工程S2では、塩素浸出工程S1で生成された塩素浸出液である銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液から銅イオンを固定化し除去する。電気ニッケルの製錬プロセスにおいて、ニッケルの電解採取の対象となる塩化ニッケル水溶液中に含まれる銅は不純物となる。したがって、塩化ニッケル水溶液から銅を効果的に除去することによって、良質な電気ニッケルを製造することが可能となる。
このセメンテーション工程S2は、図2に示すように、銅イオンを含む塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加して水溶液中の銅イオンを還元する還元工程S21と、還元工程S21を経て得られたスラリーにニッケルマットを添加して銅イオンを硫化銅として固定化する銅イオン固定化工程S22と、得られたスラリーを固液分離する固液分離工程S23とを有する。
セメンテーション工程S2における還元工程S21と銅イオン固定化工程S22での反応は、詳しくは後述する銅イオン除去処理装置を用いて行うことができる。
なお、上述した各工程(S21〜S23)からなるセメンテーション工程S2を経て得られたセメンテーション終液は、浄液工程S3に送られ、鉄や亜鉛等の他の不純物が除去される。一方で、セメンテーション工程S2において固定化された銅を含有するセメンテーション残渣は、再び塩素浸出工程S1に送られ、新たなニッケル硫化物原料と共に塩素浸出処理される。
(還元工程)
まず、還元工程S21では、塩素浸出工程S1にて生成された銅を含む塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)中の銅イオンを硫化還元する。このとき、本実施の形態においては、ニッケル硫化物(NiS)を添加して還元する。
具体的に、還元工程S21では、例えば下記の(4)〜(5)に示す硫化還元の反応が生じる。
4NiS+2Cu2+→Ni2++Ni+2Cu ・・・(4)
NiS+2Cu→Ni2++CuS ・・・(5)
上記(4)式に示されるように、還元工程S21における還元処理では、塩素浸出工程S1にて生成した含銅塩化ニッケル水溶液に対してニッケル硫化物を添加することにより、そのニッケル硫化物が含銅塩化ニッケル水溶液中の2価銅イオンを1価銅イオンに還元する。このようにして還元された銅イオンは、次工程の銅イオン固定化工程S22において添加するニッケルマットにより、銅の硫化物として固定化されるようになる。
すなわち、セメンテーション工程S2では、還元工程S21において最大限にニッケル硫化物の還元力を生かして銅イオンを還元し、次工程の銅イオン固定化工程S22において銅の硫化物を形成させるようにする。これにより、次工程の銅イオン固定化工程S22において、より効率的に銅イオンの固定化物である硫化銅が形成されるようになり、効果的に銅イオンを固定化し除去することができるとともに、次工程で添加する高価なニッケルマットの使用量を低減させることができる。
還元工程S21での還元処理の対象となる、塩素浸出工程S1にて生成される含銅塩化ニッケル水溶液としては、特に限定されるものではなく如何なる組成状態のものであっても適用可能である。例えば、ニッケル濃度が150g/L〜270g/L、銅濃度が20g/L〜40g/L、pH0.5〜2.0であるものを用いることができる。また、塩化ニッケル水溶液中における銅イオンの形態としては、例えば、2価銅イオン比率が60%〜90%であり、1価銅イオン比率が10%〜40%である。
還元工程S21での還元処理においては、反応終液の酸化還元電位(ORP)(銀/塩化銀電極基準)が特定の範囲となるようにニッケル硫化物を添加することが好ましい。具体的には、反応終液のORPが、280mV〜450mVの範囲となるようにニッケル硫化物を添加する。また、好ましくは300mV〜420mVの範囲、より好ましくは350mV程度となるようにニッケル硫化物を添加する。このように、反応終液のORPが280mV〜450mVの範囲となるようにニッケル硫化物を添加して還元処理を施すことによって、含銅塩化ニッケル水溶液中に持ち込まれた2価の銅量に見合う量のニッケル硫化物を添加することができ、その還元剤であるニッケル硫化物の還元力を最大限に生かすことができる。これにより、添加するニッケル硫化物の添加量を有効に抑えながら、効果的に1価銅イオンへの還元反応を生じさせることができる。
また、ニッケル硫化物を大過剰に加えることなく2価銅イオンの還元を行うことができるため、反応に寄与しなかったニッケル硫化物の残存量を抑えることができ、後述する固液分離工程S23での濾過機への負荷を減らすこともできる。
反応液のORPは、酸化還元電位計を反応槽に設けて連続的にモニターすることによって測定することができる。このように、反応液のORPをモニターすることによって、連続的に反応液中の銅イオン濃度を測定することなく、ニッケル硫化物の添加量を制御することができる。
還元工程S21における還元処理の温度条件としては、特に限定されないが、80℃〜110℃程度の範囲とすることが好ましく、80℃〜90℃の範囲とすることがより好ましい。温度条件を80℃以上とすることにより、効率的に含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの還元反応を進行させることができ、後述する銅イオン固定化工程S22での銅イオンの固定化効率を向上させることができる。なお、温度条件を110℃より高くすると、銅イオンに対する還元効率は向上するものの、耐熱仕様による設備コストや蒸気量増加による操業コストがかかり、効率的な操業を行うことができなくなる。
なお、還元工程S21において添加するニッケル硫化物は、硫化剤としての反応性は低く、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンを低濃度まで除去することは困難であるものの、上記式(5)に示されるような1価銅イオンを硫化銅(CuS)として固定化する反応も僅かに生じさせることができる。したがって、ニッケル硫化物を添加することによって、次工程の銅イオン固定化工程S22においてのみならず、還元工程S21においても硫化銅として固定化することもでき、この点においても次工程で添加する高価なニッケルマットの使用量を低減させることができ、効率的な脱銅処理を行うことができる。
(銅イオン固定化工程)
次に、銅イオン固定化工程S22では、上述した還元工程S21を経て得られたスラリーにニッケルマットを添加し、還元されて生成した1価の銅イオンを硫化銅として硫化固定する。なお、銅イオン固定化工程S22においては、還元工程S21を経て得られたスラリーに対して直接ニッケルマットを添加する。つまり、還元工程S21にて得られたスラリーを固液分離するなどの処理を行うことなく、スラリー中にニッケル硫化物が残留している状態でニッケルマットを供給する。
具体的に、銅イオン固定化工程S22では、例えば下記の(6)〜(8)式で示される硫化固定の反応が生じる。
Ni+Cu2+→Ni2++Cu ・・・(6)
Ni+2Cu2+→Ni2++2NiS+2Cu ・・・(7)
Ni+4Cu→2Ni2++NiS+CuS ・・・(8)
すなわち、銅イオン固定化工程S22では、上記(6)〜(7)式に示すように、添加したニッケルマットに含まれるニッケルメタル(Ni)や亜硫化ニッケル(Ni)により、還元工程S21を経て得られたスラリーの溶液中に残存している2価銅イオンが1価銅イオンに還元される。また、銅イオン固定化工程S22では、主として上記(8)式に示すように、還元工程S21及びこの銅イオン固定化工程S22で還元されて得られた1価銅イオンを、ニッケルマットに含まれるNiにより、硫化物として固定化する反応が生じる。これにより、塩化ニッケル水溶液中に含まれていた銅イオンを硫化銅として固定化して除去する。
添加するニッケルマットは、例えば乾式製錬によって得られたニッケルマットを用い、主形態であるニッケルメタル及び亜硫化ニッケルの還元力を利用して、2価銅イオンを1価銅イオンに還元する。なお、ニッケルメタル等は、2価銅イオンの酸化力によってニッケルイオンに浸出される。また、ニッケルマットは、還元された1価銅イオンを固定化するための硫黄源ともなり、その1価銅イオンと反応して硫化銅となる。
また、銅イオン固定化工程S22においては、より効率的に1価銅イオンを硫化物として固定化するために、塩素浸出残渣を硫黄源として添加してもよい。塩素浸出残渣は、塩素浸出工程S1において副産物として固相に残存した残渣であり、これを硫黄源として添加することにより、ニッケルマットと共に、主形態である硫黄によって1価銅イオンを硫化銅等の硫化物として固定化することができる。これにより、より効率的に、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅濃度を低濃度域にまで低減させることができる。
なお、この銅イオン固定化工程S22にて固定化されて得られた硫化銅は、後述する固液分離工程S23においてセメンテーション残渣として分離除去され、塩素浸出工程S1に戻される。
銅イオン固定化工程S22での固定化処理においては、反応終液の酸化還元電位(ORP)(銀/塩化銀電極基準)が特定の範囲となるようにニッケルマットを添加することが重要となる。具体的には、反応終液のORPが、0mV〜100mVの範囲となるようにニッケル硫化物を添加する。また、好ましくは30mV〜70mVの範囲、より好ましくは50mV程度となるようにニッケル硫化物を添加する。このように、反応終液のORPが0mV〜100mVの範囲となるようにニッケルマットを添加して固定化処理を施すことによって、銅イオンを効果的に硫化物として固定化することができ、反応終液中の銅濃度を有効に低減させることができる。また、添加するニッケルマットが大過剰となることを防ぐことができる。
また、ニッケルマットを大過剰に加えることなく1価銅イオンを硫化物に固定化することができるため、沈殿物の発生量をより一層に抑えることができ、後述する固液分離工程S23での濾過機への負荷を減らして、濾過機等の設備規模を縮小することができる。
なお、反応液のORPは、還元工程S21における反応液のORP測定と同様に、酸化還元電位計を反応槽に設けて連続的にモニターすることによって測定することができる。このように、反応液のORPをモニターすることによって、連続的に反応液中の銅イオン濃度を測定することなく、ニッケルマットの添加量を制御することができる。
銅イオン固定化工程S22における固定化処理の温度条件としては、特に限定されないが、60℃〜100℃程度の範囲とすることが好ましい。温度条件が60℃未満であると、銅イオンの固定化反応が十分に進行せず、効果的に1価銅イオンを硫化物とすることができない可能性がある。一方で、温度条件を100℃より高くすると、反応後に冷却するためのコストがかかり好ましくない。
(固液分離工程)
そして次に、固液分離工程S23では、上述した銅イオン固定化工程S22を経て得られたスラリーに対して固液分離処理を施す。この固液分離工程S23での固液分離により、銅イオン固定化工程S22において生成した硫化銅等のセメンテーション残渣が分離除去され、銅濃度が0.05g/L以下の低濃度にまで低減された塩化ニッケル水溶液であるセメンテーション終液を得ることができる。
固液分離方法としては、特に限定されるものではなく、例えば遠心分離機やフィルタープレス等の周知の方法によって行うことができ、セメンテーション残渣である硫化銅等の沈殿物を効率的に分離除去することができる。
[浄液工程]
浄液工程S3では、上述したセメンテーション工程S2を経て得られたセメンテーション終液(銅が除去された塩化ニッケル水溶液)からニッケル以外の他の不純物を除去し、電解採取するための塩化ニッケル水溶液を得る。
浄液工程S3は、主な工程として、脱鉄工程と、脱コバルト工程と、脱鉛工程と、脱亜鉛工程とがある。これらの工程では、セメンテーション終液から不純物を除去する方法として、例えば酸化剤としての塩素ガスとアルカリ剤としての炭酸塩を用いる酸化中和法を用いることができる。酸化中和法は、コバルトや鉄等の重金属が高次の酸化イオンになると、低いpH領域で水酸化物になりやすい性質を利用したものであり、湿式精錬の浄液工程をはじめ、重金属を含む排水処理などに汎用されている方法である。
具体的に、浄液工程S3では、例えば下記(9)式の反応により不純物を除去する。
2M2++Cl+3NiCO+3HO→
2M(OH)+3Ni2++2Cl+3CO ・・・(9)
(但し、Mは、コバルト又は鉄である)
上記(9)式に示すように、浄液工程S3では、セメンテーション終液から、塩素ガスを用いて、除去対象となる鉄やコバルト等の不純物元素の水酸化物沈殿を形成させ、不純物を除去した塩化ニッケル水溶液を得る。
一般に、酸化中和法に用いられる薬剤は、酸化剤としては、塩素ガスの他に次亜塩素酸、酸素、空気等を用いることができる。また、アルカリ剤としては、炭酸塩のほかに苛性ソーダ等の水酸化物、アンモニアなどを用いることができる。これらの薬剤はプロセス条件に適合した組み合わせで使用されるが、ニッケルの湿式製錬プロセスにおいては、酸化剤として塩素ガス、アルカリ剤として炭酸塩を用いることが好ましい。例えば、酸化剤として塩素ガスを用いることにより、塩素ガスはプロセス内で発生する強酸化剤であって利用し易いためである。また、アルカリ剤として炭酸塩を用いる理由は、プロセス全体のニッケル、ナトリウム、硫酸等のイオン濃度を制御できるとともに、酸化中和の際の反応性に優れるためである。
[電解工程]
電解工程S4では、上述した浄液工程S3を経て浄液された塩化ニッケル水溶液から電解採取法により電気ニッケルを得る。
具体的に、電解工程S4では、カソード及びアノードにおいて、それぞれ、下記(10)式及び(11)式に示す反応が生じる。
(カソード側)
Ni2++2e→Ni ・・・(10)
(アノード側)
2Cl→Cl↑+2e ・・・(11)
すなわち、カソード側では上記(10)式に示すように、塩化ニッケル水溶液中のニッケルイオンがメタル(電気ニッケル)として析出する。また、アノード側では上記(11)式に示すように、塩化ニッケル水溶液中の塩素イオンが塩素ガスとして発生する。なお、発生した塩素ガスは、例えば回収塩素ガスとして塩素浸出工程S1での浸出処理に用いられる。
≪3.銅イオン除去処理装置について≫
<3−1.処理装置を用いた銅イオン除去処理>
さて、上述した含銅塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法においては、硫化還元の反応(還元工程)と、硫化固定の反応(銅イオン固定化工程)との2段階の反応で構成されるため、銅イオン除去処理装置を構成する反応槽の数としては、少なくとも2槽を必要とする。ところが、例えば合計2槽の反応槽からなる銅イオン除去処理装置では、その処理量が多くなり反応の規模が大きくなればなるほど、反応槽の容量を大きくする必要があり、商業ベースでは、反応槽と撹拌機とから構成される装置が大きくなることで設備設置費等の設備コストが膨大となる。また、メンテナンス性の観点からもあまり好ましくない。
このことから、銅イオン除去処理装置を構成する反応槽の総数を、その規模に応じて、4槽以上とし、硫化還元の処理と、硫化固定の処理とのそれぞれの処理が複数の反応槽で実行されるように構成することが好ましくなる。
具体的には、銅イオン除去処理装置として、例えば、容量60m程度の反応槽が直列に合計8槽で連結して構成されるものとし、最も上流に位置する第1段目の反応槽から連続的に反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を流送して、それぞれの反応槽からのオーバーフローが次の反応槽へと流入する装置とすることができる。なお、以下では、この合計8槽の反応槽を備えた銅イオン除去処理装置を一例として説明し、各反応槽を、上流側の反応槽から順に、No.1〜No.8の反応槽とする。
ここで、従来、合計8槽の反応槽を備えた銅イオン除去処理装置を用いた銅イオン除去方法においては、No.1の反応槽に硫化還元の反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を装入するとともに、還元剤としてのニッケル硫化物を装入して、そのNo.1の反応槽から順次、硫化還元の反応を生じさせる。なお、ニッケル硫化物としては、例えば電解廃液等と混合して固形分濃度が350g/L〜400g/L程度となるように調整したスラリーを用いることができる。
先ず、硫化還元の反応では、酸化還元電位(ORP)(銀/塩化銀電極基準)が450mV〜500mVである反応始液に対して、ニッケル硫化物を添加することによって、例えばその反応液のORPが300mV以下となるまで低下させ、その時点を硫化還元反応の終点とする。したがって、反応終点を見極めるために、各反応槽には酸化還元電位計を設置して、連続的に反応液のORPをモニターすることで反応を制御する。そして、硫化還元の反応が終了して得られた反応終液は、固液分離の処理が施されることなく、後段の反応槽にオーバーフローにより流送される。
次に、硫化固定の反応では、硫化還元の反応後の反応終液(ORP≦300mV)に対して、ニッケルマットを添加することによって、例えばその反応液のORPが75mV〜120mVとなるまで低下させ、その時点を硫化固定反応の終点とする。なお、ニッケルマットとしては、例えば電解廃液等と混合して固形分濃度が300g/L〜350g/L程度となるように調整したスラリーを用いることができる。
このような含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの除去反応において、その反応条件は常に一定とはならない。すなわち、電気ニッケルの生産負荷に応じた反応始液(含銅塩化ニッケル水溶液)の処理量の変化と、塩素浸出工程から送液される反応始液中の銅濃度の変化の積で求められる、硫化還元の反応への「銅負荷量」自体が変化し、また一方で、硫化還元の反応及び硫化固定の反応に用いられるニッケル硫化物とニッケルマットは、電気ニッケルの製造における原料であるが故に、例えばその受入れ状況や在庫量、原料中に含まれる銅以外の不純物負荷等を考慮して変更する必要があるため、これらが常に一定の構成比率であるとは限らない。
しかしながら、このような条件下においても、含銅塩化ニッケル水溶液に対する銅イオンの除去処理では、その反応条件が常に略一定となるようにし、処理後に得られる反応終液中の銅濃度が、例えば0.05g/L以下の低濃度となるように維持する必要がある。
このように、硫化還元反応への銅負荷量や、ニッケル硫化物及びニッケルマットの原料構成比が変化した場合でも、銅イオン除去処理後の反応終液中の銅濃度が0.05g/L以下程度の低濃度域に安定的に制御でき、また、その反応温度をより低温に抑えることができる方法が求められていた。
<3−2.各種の試験>
本発明者らは、上述した要求を満足させるために鋭意検討を重ね、以下のような試験を実施した。以下、それぞれ具体的に説明する。
(試験1)
容量60mの反応槽が直列に合計8槽連結されて構成される銅イオン除去処理装置を用い、その装置の上流段における硫化還元反応に関する試験を行った。具体的には、試験1として、変動する反応始液の銅負荷量に対してニッケル硫化物の添加量を変化させることで反応液中のCu/Ni比を変化させ、反応温度を90℃で一定としたときの、各Cu/Ni比と硫化還元の反応終液のORP:300mVを満たす反応時間の関係を調べた。
図3は、各Cu/Ni比における、硫化還元の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。この図3のグラフ図に示すように、反応終液のORPを300mVとするにあたっては、Cu/Ni=0.37の条件においては約3時間、Cu/Ni=0.56の条件においては約4.8時間、Cu/Ni=0.78の条件においては約6時間の時間を要することが分かる。
ここで、電気ニッケルの生産負荷が変動したとき、上述したように、硫化還元の反応始液の処理量が変化するが、通常時の反応槽1槽あたりの滞留時間としては0.8時間〜1.1時間程度であり、最大負荷の場合では反応槽1槽あたり約0.8時間まで短縮される。すると、上述した反応時間で硫化還元を実行するためには、Cu/Ni=0.37の条件では4槽(3時間÷0.8時間/槽=3.8槽)、Cu/Ni=0.56の条件では6槽(4.8時間÷0.8時間/槽=6.0槽)、Cu/Ni=0.78の条件では8槽(6時間÷0.8時間/槽=7.5槽)の反応槽が必要となる。
銅イオン除去処理装置は、合計8槽の反応槽から構成されており、後段の反応槽では硫化固定の反応を実行する必要があるため、硫化還元反応に全ての反応槽を用いることはできず、硫化固定反応に必要とされる反応時間に見合う反応槽を残しておく必要がある。
したがって、電気ニッケルの生産負荷が最大となるときには、Cu/Niが0.56以下となるように、その銅負荷に対して、原料構成比中のニッケル硫化物の割合が少ない場合には反応始液の銅濃度を低下させる、あるいは反応始液の銅濃度が高く原料構成比中のニッケル硫化物の割合を変更させることが可能な場合にはそのニッケル硫化物の添加量を増加するように調整することで、硫化還元の反応を完結させることができる。
(試験2)
次に、試験2として、さらに変動する銅負荷量に対して、ニッケル硫化物の添加量を調整することによってCu/Niを一定の条件とし、一方で、反応温度を変化させて、各反応温度と硫化還元の反応終液のORP:300mVを満たす反応時間の関係を調べた。
図4は、各反応温度における、硫化還元の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。この図4のグラフ図に示すように、反応終液のORPを300mVとするにあたっては、反応温度90℃の条件においては約3時間、反応温度85℃の条件においては約3.5時間、反応温度83℃では約4時間の時間を要することが分かる。
上述したように、反応槽1槽あたりの滞留時間は、最大負荷の場合では約0.8時間/槽まで短縮されることから、上述した反応時間で硫化還元を実行するためには、反応温度83℃の条件では5槽(4時間÷0.8時間/槽=5.0槽)、反応温度90℃の条件では4槽(3時間÷0.8時間/槽=3.8槽)の反応槽が必要となる。
したがって、最大の生産負荷の場合には、ニッケル硫化物の添加量をCu/Ni=0.37となるように調整し、また反応槽の数を増やすことによって、反応温度83℃の条件で反応を完結させることができることになり、これにより、反応温度を過度に上昇させることなく、反応温度を上昇させるための蒸気使用量を削減することができる。
(試験3)
上述した試験1及び試験2の結果を踏まえ、上流側から第5段目の反応槽(No.5)へのニッケルマットの添加のON/OFF制御を行うだけで、そのNo.5の反応槽及びNo.6の反応槽の役割として、硫化還元反応を生じさせる反応槽とするか、硫化固定反応を生じさせる反応槽とするのかを、反応始液の性状(特に銅負荷量等)や、ニッケル硫化物やニッケルマットの原料構成比の変化に応じて、柔軟に切り替えることができる銅イオン除去処理装置を検討した。
図5は、その銅イオン除去処理装置の構成の一例を示す模式図である。具体的に、図5(A)、(B)に示す銅イオン除去処理装置10は、直列に連結された合計8槽の反応槽(No.1〜No.8)を備えるものである。この銅イオン除去処理装置10では、反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加して銅イオンを還元する硫化還元処理と、得られたスラリーにニッケルマットを添加して還元された銅イオンを硫化銅として固定化する硫化固定処理との、それぞれの処理が複数の反応槽で実行されるように構成されている。例えば、図5(A)に示す銅イオン除去処理装置10Aにおいては、硫化還元処理がNo.1〜No.4の4つの反応槽により実行され、硫化固定処理がNo.5〜No.8の4つの反応槽により実行されるように構成されている。
そして、銅イオン除去処理装置10においては、合計8槽の反応槽のうち、最も上流に位置する第1段目の反応槽(No.1)には、硫化還元処理の反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を装入する始液装入口と、ニッケル硫化物を装入するニッケル硫化物装入口とが設けられている。また、最も下流に位置する最終段目(第8段目)の反応槽(No.8)には、硫化固定処理を経て得られる反応終液を排出する終液排出口と、ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口とが設けられている。また、最終段目の反応槽の1段手前に位置する第7段目の反応槽(No.7)には、ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口が設けられている。
さらに、この銅イオン除去処理装置10においては、中央の反応槽である第5段目の反応槽(No.5)に、ニッケルマットの装入のON/OFF制御が可能なニッケルマット装入口が設けられている。
このような銅イオン除去処理装置10では、例えば、反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液の銅負荷量等の水溶液の性状等に応じて、硫化還元処理の反応時間や硫化固定処理の反応時間を柔軟に制御することができる。
すなわち、硫化還元処理の反応時間を硫化固定処理の反応時間よりも長くする場合には、図5(B)の銅イオン除去処理装置10Bに示すように、中央の反応槽である第5段目の反応槽(No.5)に設けられたニッケルマットの装入口を閉鎖して、そのNo.5反応槽にニッケルマットが装入されない状態とする。これにより、そのNo.5反応槽では、No.4反応槽からオーバーフローした反応液を受け入れた後、引き続き硫化還元の反応が生じるようになり、硫化還元処理の反応時間を延長させることができる。また、No.6反応槽においても、硫化還元の反応が生じる。
一方で、硫化固定処理の反応時間を硫化還元処理の反応時間よりも長くする場合には、図5(A)の銅イオン除去処理装置10Aに示すように、中央の反応槽である第5段目の反応槽(No.5)に設けられたニッケルマットの装入口を開放して、そのNo.5反応槽にニッケルマットが装入される状態とする。これにより、そのNo.5反応槽では、No.4反応槽からオーバーフローした反応液を受け入れた後、その反応液に対してニッケルマットを添加して、銅イオンを硫化物に固定化する硫化固定反応が生じるようになる。また、当然に、No.6反応槽では、No.5反応槽からオーバーフローした反応液を受け入れた後、引き続き硫化固定の反応が生じる。これにより、硫化固定処理の反応時間を長くすることができる。
ここで、上述したような構成を有する銅イオン除去処理装置10(10A,10B)を用いて、上流側に位置する硫化還元を生じさせる反応槽数が4槽(図5(A))もしくは6槽(図5(B))となり、下流側に位置する硫化固定を生じさせる反応槽数が4槽(図5(A))もしくは2槽(図5(B))と変化した場合であっても、銅イオン除去処理を経て得られる反応終液(硫化固定反応終液)中の銅濃度が0.05g/L以下となるか否かについて、その反応時間とORPとの関係を調べた。
図6は、その試験結果を示すものであり、硫化固定を生じさせる反応槽を4槽とした場合(図5(A))と2槽とした場合(図5(B))とにおける、硫化固定の反応時間に対する反応液のORPの関係を示すグラフ図である。なお、操業経験的に、硫化固定の反応においては、反応液のORPを75mV以下とすることによって、反応終液中の銅濃度が0.05g/L以下の低濃度域にまで低減されることが分かっている。
図6のグラフ図に示すように、いずれの反応槽数であっても、反応終液のORPは75mV以下となり、反応終液中の銅濃度が0.05g/L以下となることを確認した。
このように、銅イオン除去処理装置10によれば、例えば反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液の銅負荷等の性状や、ニッケル硫化物及びニッケルマットの原料構成比の変更に応じて、柔軟に、硫化還元を行う反応槽と硫化固定を行う反応槽の数を切り替えることができるため、蒸気使用量を増やすことで反応温度を高めて反応を加速させるといった操作を行うことなく、効率的に銅イオンを固定除去することができる。
以下に、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、下記の実施例及び比較例で得られた反応終液中の銅濃度の測定は、原子吸光分析装置(VARIAN製)を用いて行った。また、表1に、実施例及び比較例で用いた原料構成比、Cu負荷量、反応温度、蒸気使用量、反応槽数、酸化還元電位(ORP)をまとめて示す。
[実施例1]
原料構成比が57:43の条件で、銅負荷量1.27t/hr、反応温度90℃、硫化還元の反応槽数4槽、硫化固定の反応槽数4槽として、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの除去処理を行った。
[実施例2]
原料構成比が82:18の条件で、銅負荷量1.09t/hr、反応温度90℃、硫化還元の反応槽数6槽、硫化固定の反応槽数2槽として、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの除去処理を行った。
[実施例3]
原料構成比が80:20の条件で、銅負荷量1.43t/hr、反応温度83℃、硫化還元の反応槽数6槽、硫化固定の反応槽数2槽として、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの除去処理を行った。
[比較例1]
原料構成比が59:41の条件で、銅負荷量1.27t/hr、反応温度90℃、硫化還元の反応槽数4槽、硫化固定の反応槽数4槽として、含銅塩化ニッケル水溶液中の銅イオンの除去処理を行った。
Figure 0006540548
表1から明らかなように、実施例1〜3、比較例1において、硫化固定の反応での反応終液のORPが所定値になるようにニッケルマットの添加量が調整されたことにより、その反応終液の銅濃度は0.05g/L以下を満たしている。しかしながら、実施例1及び2と、実施例3とを比較すると、反応温度を低下させたことで、蒸気使用量が低減されたことが分かり、また実施例3においてはより低温の条件であっても、硫化還元の反応槽数を増やして反応時間を延長させたことによって、硫化還元の反応終液のORPは300mV以下を満たしている。
これに対して、比較例1では、反応温度を83℃まで低下させたことにより、当然に蒸気使用量は低減されたものの、硫化還元の反応終液のORPは398mVとなって満足すべき結果が得られていないことが分かる。その結果、硫化還元の反応終液のORPが高い分、後段の硫化固定の反応において還元剤となるニッケルマットを実施例1〜3と比較して必然的に大量に添加する必要が生じてしまった。この比較例1では、反応終液の銅濃度0.05g/L以下を満足するために、原料構成比においてニッケル硫化物の割合を増やさざるを得ず、選択性がないということが分かる。

Claims (4)

  1. 銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)から銅イオンを除去するための銅イオン除去処理装置であって、
    直列に連結された合計n槽(nは4以上の整数)の反応槽を備え、
    前記含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加して該含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを還元する硫化還元処理と、得られたスラリーにニッケルマットを添加して還元された銅イオンを硫化銅として固定化する硫化固定処理との、それぞれの処理が複数の反応槽で実行されるように構成されており、
    当該銅イオン除去処理装置に備えられた前記n槽の反応槽のうち、
    最も上流に位置する第1段目の反応槽には、前記硫化還元処理の反応始液である含銅塩化ニッケル水溶液を装入する始液装入口と、前記ニッケル硫化物を装入するニッケル硫化物装入口とが設けられ、
    最も下流に位置する最終段目(第n段目)の反応槽には、前記硫化固定処理を経て得られる反応終液を排出する終液排出口と、前記ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口とが設けられ、
    前記最終段目の反応槽の1段手前に位置する第n−1段目の反応槽には、前記ニッケルマットを装入するニッケルマット装入口が設けられ、
    さらに、中央の反応槽(但し、nが偶数の場合には、n/2+1段目の反応槽)には、前記ニッケルマットの装入のON/OFF制御が可能なニッケルマット装入口が設けられている
    銅イオン除去処理装置。
  2. 前記硫化還元処理の反応時間を前記硫化固定処理の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口が閉鎖され、該中央の反応槽にニッケルマットが装入されない状態となり、
    前記硫化固定処理の反応時間を前記硫化還元処理の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口が開放され、該中央の反応槽にニッケルマットが装入される状態となる
    請求項1に記載の銅イオン除去処理装置。
  3. 直列に連結された合計8槽(n=8)の反応槽を備えており、
    前記中央の反応槽は、第5段目の反応槽である
    請求項1又は2に記載の銅イオン除去処理装置。
  4. 請求項1に記載の銅イオン除去処理装置を用いて、銅イオンを含有する塩化ニッケル水溶液(含銅塩化ニッケル水溶液)から銅イオンを除去する銅イオン除去方法であって、
    前記含銅塩化ニッケル水溶液にニッケル硫化物を添加し、該含銅塩化ニッケル水溶液に含まれる銅イオンを硫化還元する還元工程と、
    前記還元工程を経て得られたスラリーにニッケルマットを添加し、還元された銅イオンを硫化銅として硫化固定する銅イオン固定化工程と、を有し、
    前記第1段目の反応槽に、前記含銅塩化ニッケル水溶液を装入するとともに前記ニッケル硫化物を装入し、
    前記最終段目(第n段目)の反応槽及び第n−1段目の反応槽に、前記ニッケルマットを装入し、
    前記硫化還元の反応時間を前記硫化固定の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口を閉鎖し、
    前記硫化固定の反応時間を前記硫化還元の反応時間よりも長くする場合には、前記中央の反応槽に設けられた前記ニッケルマットの装入口を開放して、該中央の反応槽にニッケルマットを装入する
    含銅塩化ニッケル水溶液の銅イオン除去方法。
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