JP6520806B2 - 表面修飾無機粒子含有分散液、シリコーン樹脂組成物、硬化体、光学部材、発光装置、及び表示装置 - Google Patents
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Description
しかし、シリコーン樹脂は、屈折率が低いため、LEDチップからの光の取り出し効率が低いといった課題がある。また、シリコーン樹脂は、ガスバリア性が低いため、大気中の硫黄成分により反射板が黒色化し、輝度が低下する等の課題がある。
また、高温高圧処理、ホモジナイザー処理、超音波処理及びミル処理等の方法では、粒子の解砕は可能であっても、表面修飾が不十分な場合がある。そのため、分散処理直後は表面修飾無機粒子が分散媒中に分散していても、保管中に表面修飾無機粒子が凝集し、平均分散粒子径が大きくなるという課題があった。
また、ヒドロシリル基を有するシラン化合物で表面処理された無機粒子を含有する分散液やシリコーン樹脂組成物は、保存中に水素ガスが発生することがあり、保存状態に特別の配慮が必要である等、改良の余地があった。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[2]前記[1]記載の表面修飾無機粒子含有分散液、及び、ヒドロシリル基、疎水性官能基、及びシラノール基により表面修飾された表面修飾無機粒子の少なくとも一方と、シリコーン樹脂と、を含有してなるシリコーン樹脂組成物。
[3]前記[2]のシリコーン樹脂組成物が硬化してなる硬化体。
[4]前記[3]の硬化体を備えてなる光学部材。
[5]発光素子が、前記[3]に記載の硬化体により封止されている発光装置。
[6]前記[5]に記載の発光装置を備えてなる表示装置。
なお、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液は、特定の表面修飾無機粒子と分散媒とを含有し、特定量の硫酸イオンを含む分散液である。
すなわち、換言すれば、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液は、ヒドロシリル基、疎水性官能基、及びシラノール基により表面修飾された表面修飾無機粒子と分散媒を含有し、前記ヒドロシリル基と前記シラノール基との割合が5:95以上50:50以下であり、燃焼分解−イオンクロマトグラフ法で測定される硫酸イオンを、5ppm以上1000ppm以下含み、上記表面修飾無機粒子の平均分散粒子径が1nm以上50nm以下である。
ヒドロシリル基とシラノール基との割合(モル比率)は、10:90以上40:60以下とすることが好ましく、15:85以上30:70以下とすることがより好ましい。
当該割合は、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液をフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)で測定することにより求めることができる。
当該割合は、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液を、核磁気共鳴(NMR)を用いて解析することにより求めることができる。
上記範囲の硫酸イオン濃度である表面修飾無機粒子含有分散液であることにより、分散安定性に優れる。
測定手順は、表面修飾無機粒子含有分散液100mgを精秤し、仮焼した石英ウールに表面修飾無機粒子含有分散液を湿らせて、燃焼分解ユニット(三菱化学アナリティック製 自動試料燃焼装置AQF−100)に投入する。
次いで、この熱分解ユニットに、酸素ガスを供給しながらInlet部1000℃、Outlet部1100℃で熱分解することにより、分散液を気化させてガスを発生させる。
次いで、この発生されたガスを吸収ユニットで吸収液(過酸化水素水)に捕集し、捕集した吸収液をイオンクロマトグラフ分析(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、型番:Dionex ICS−1600)にて測定する。
平均分散粒子径を上記範囲内にするためには、無機粒子の一次粒子の大きさを制御すればよい。
本実施形態で用いられる分散媒としては、ヒドロシリル基、疎水性官能基、シラノール基と相溶性がよいものであれば特に限定されない。分散媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、芳香族類、飽和炭化水素類、不飽和炭化水素類等の有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒を1種以上用いてもよく、2種以上用いてもよい。
後述するシリコーン樹脂と混合する場合には、芳香環を有する有機溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
本実施形態の表面修飾無機粒子の製造方法は、無機粒子と、硫酸イオン源と、疎水性官能基とヒドロシリル基を有する表面修飾剤と、分散媒とを混合し、分散機で分散させ、次いで、ヒドロシリル基の一部をシラノール基に変換すればよい。
本実施形態のヒドロシリル基を含む表面修飾剤(ヒドロシリル基含有表面修飾剤)は、ヒドロシリル基を有するシラン化合物であることが好ましい。また、本実施形態のヒドロシリル基含有表面修飾剤は、ヒドロシリル基と疎水性官能基を共に含むシラン化合物であることが好ましい。このヒドロシリル基と疎水性官能基を共に含むシラン化合物は、モノマーであることが好ましい。
ヒドロシリル基と疎水性官能基を共に含む表面修飾剤は、式:HrSiXqY4−q−r(X(疎水性官能基)は、式:CnH2n+1(nは1以上かつ20以下の整数)で表される飽和アルキル基、フェニル基、シクロへキシル基、またはベンジル基であり、Xが複数の場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。Yは、塩素、水酸基、式:CpH2p+1O(pは1以上かつ5以下の整数)で表されるアルコキシ基、アセトキシ基、ジメチルアミノ基、またはジエチルアミノ基であり、Yが複数の場合はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。rは1以上かつ2以下の整数である。qは1以上かつ2以下の整数である。r+q=2以上かつ3以下の整数である。)で表されるヒドロシリル基と疎水性官能基を有するシラン化合物であることが好ましい。rは1であることが好ましい。
ヒドロシリル基及び疎水性官能基含有シラン化合物の代表例としては、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、プロピルジクロロシラン、へキシルジクロロシラン、デシルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジエチルエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン、ジメチルジメチルアミノシラン、ジエチルアミノジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジフェニルクロロシラン、トリプロピルシラン、オクチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジエチルアミノジメチルシラン、ブチルジメチルシラン、トリエチルシラン、フェニルシラン、ジメチルアミノメチルシラン、ジエチルメチルシラン、アリルジメチルシラン、ジエチルシラン、ジフェニルメチルシラン、トリフェニルシラン、トリヘキシルシラン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン等が挙げられる。
本実施形態の疎水性官能基含有表面修飾剤は、換言すれば、ヒドロシリル基を有さず、かつ、疎水性官能基を有する表面修飾剤である。
また、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、アセトキシトリエチルシラン、アセトキシトリフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシドデシルメチルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、エトキシトリフェニルシラン等が挙げられる。
ヒドロシリル基含有表面修飾剤は、無機粒子に対して、1質量%以上30質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下含有されることがより好ましい。疎水性官能基表面修飾剤は、無機粒子に対して、4質量%以上180質量%以下含有されることが好ましく、10質量%以上90質量%以下含有されることがより好ましい。このような条件で無機粒子を表面修飾することで、表面修飾剤が、無機粒子に、シリコーン樹脂への架橋剤としての機能と疎水性をバランスよく付与することが可能となる。
このようにシラノール基をより多く生成させることにより、水酸基同士あるいは残存するヒドロシリル基と水酸基との縮合反応をより促進することが可能となる。なお、加水分解の方法は、ヒドロシリル基に対して直接水を作用させて加水分解させてもよく、それ以外にも、例えば、ヒドロシリル基とアルコールを反応させてアルコキシ基を生成し、このアルコキシ基を最終的にシラノール基に変換する等の、異なる官能基を一旦経由する方法を用いてもよい。
表面修飾無機粒子含有分散液から水分、酸、塩基を完全に排除できればヒドロシリル基が過剰に残存していても問題ない。しかし、表面修飾無機粒子含有分散液中の水分を完全に除去することは非常に困難であり、また、本実施形態では製造過程で酸添加の必要があるため、これらの完全な除去は難しい。
また、ヒドロシリル基を過剰に排除した場合には、シリコーン樹脂と混合して複合体とした場合に機械的強度に劣るため好ましくない。
そこで本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液では、ヒドロシリル基とシラノール基の割合を所定の範囲としたので、水素の発生が抑制されて保管安定性に優れ、かつシリコーン樹脂と複合化した場合の特性にも優れるのである。
本実施形態の表面修飾剤で無機粒子を表面処理し、水を添加して加水分解反応が進行した結果、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液には、水分が含有されることとなる。本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液には、カールフィッシャー水分計(平沼社製、型番:AQ−2000)で測定される水分量が5ppm以上200ppm以下であることが好ましく、6ppm以上150ppm以下であることがより好ましい。
このような酸や塩基としては例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アンモニア、アミン化合物、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等を使用することができる。
本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液及びヒドロシリル基、疎水性官能基、及びシラノール基により表面修飾された表面修飾無機粒子の少なくとも一方と、シリコーン樹脂と、を含有してなる。
また、表面修飾無機粒子を30質量%含有する組成物の場合も同様に光路長0.5mmで測定した時の透過率が70%以上100%以下であることが好ましく、75%以上100%以下であることがより好ましく、80%以上100%以下であることがさらに好ましい。
シリコーン樹脂は、LEDの封止剤に用いられている既知のものであれば特に限定されない。シリコーン樹脂としては、例えば、フェニル基を有するシリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂等を用いることができる。
フェニル基を有するシリコーン樹脂としては、具体的には、樹脂構造中のシロキサンポリマーが全てフェニル基からなるフェニルシリコーン、及び少なくとも一つのフェニル基とメチル基を配したメチルフェニルシリコーン等が挙げられる。
変性シリコーン樹脂としては、具体的には、少なくとも一つのフェニル基を配したシロキサン構造とエポキシ基や他の炭化水素を組み合わせた変性シリコーン等が挙げられる。
変性シリコーン樹脂の構造としては、二次元構造の鎖状のものや三次元網状構造のレジン、かご型構造等がある。
硬化前のシリコーン樹脂の屈折率及び粘度は、シロキサンポリマーの構造及び鎖長、シロキサンポリマー中のフェニル基及びメチル基の量等に応じて変化することから、硬化前の状態で複数の樹脂を混合及び調整することにより、シリコーン樹脂として必要な屈折率を有し、かつ成形性及び作業性のよいシリコーン樹脂組成物(未硬化の液状体)を得ることができる。さらに、加える変性シリコーン樹脂の種類及び量等を調整することにより、得られる硬化体の硬さ、タック性、基材との密着性等の特性を制御することができる。
本実施形態のシリコーン樹脂組成物は、本実施形態の表面修飾無機粒子含有分散液と、シリコーン樹脂とを均一に混合できる方法であれば、特に限定されない。混合後、必要に応じて、表面修飾無機粒子含有分散液に含有されていた分散媒をエバポレーター等で除去してもよい。
本実施形態の硬化体は、本実施形態のシリコーン樹脂組成物を硬化してなる。
本実施形態の硬化体は、表面修飾無機粒子の含有率が15質量%である場合、厚み(光路長)0.5mmにしたときの透過率が、60%以上100%以下であることが好ましく、65%以上100%以下であることがより好ましく、70%以上100%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の硬化体は、表面修飾無機粒子の含有率が30質量%である場合、厚み(光路長)0.5mmにしたときの透過率が、50%以上100%以下であることが好ましく、55%以上100%以下であることがより好ましく、60%以上100%以下がさらに好ましい。
本実施形態のシリコーン樹脂組成物中のシリコーン樹脂を付加反応や重合反応により硬化することにより、本実施形態のシリコーン樹脂硬化体が得られる。この際、表面修飾剤とシリコーン樹脂とが架橋重合等により反応すれば、硬化過程で無機粒子とシリコーン樹脂とが相分離することを防げるので、より好ましい。
本実施形態の光学部材は、本実施形態の硬化体を備えてなるものであり、例えば、マイクロレンズ等が挙げられる。
本実施形態の発光装置は、発光素子が、本実施形態の硬化体により封止されてなる。
本実施形態の発光装置では、上記硬化体による封止部分では、例えば、光路長を1mmとした場合に、可視光線に対して透明性を有することが好ましく、特に、460nmの透過率は50%以上であることが好ましい。
表面修飾無機粒子の平均分散粒子径は、粒度分布計(HORIBA社製、型番:SZ−100SP)を用いて測定し、散乱強度における累積散乱強度百分率が50%のときの粒子径(d50)の値を使用した。
平均分散粒径は、2時間分散処理直後と、10時間分散処理直後と、10時間分散処理し24時間静置したものを測定した。
分散液中の硫酸イオンの定量方法としては、燃焼分解−イオンクロマトグラフ法を用いて測定する。測定手順は、表面修飾無機粒子含有分散液100mgを精秤し、仮焼した石英ウールに表面修飾無機粒子含有分散液を湿らせて、燃焼分解ユニット(三菱化学アナリティック製 自動試料燃焼装置AQF−100)に投入した。
次いで、この熱分解ユニットに、酸素ガスを供給しながらInlet部1000℃、Outlet部1100℃で熱分解することにより、分散液を気化させてガスを発生させた。
次いで、この発生させたガスを吸収ユニットで吸収液(過酸化水素水)に捕集し、捕集した吸収液をイオンクロマトグラフ分析(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、型番:Dionex ICS−1600)にて測定した。
ヒドロシリル基とシラノール基との割合(モル比率)は、FT−IR法を用いて測定した。すなわち、フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製、型番:FT/IR−670)で得られた分散液を液膜法にて測定し、2200cm−1近傍のヒドロシリル基に由来する吸収ピークと、3500−3700cm−1のシラノール基に由来する吸収ピークの面積比を比較して算出した。
表面修飾無機粒子含有分散液の保管安定性は、金属製の容器に分散液を移し、圧力計を備え付けた蓋で密封し、23℃で保管し、時間の経過に伴う内圧の変化(内圧上昇)を観察した。容器内の圧力がほとんど上昇しないものは、分散液保管中のガス(水素)の発生が抑制されていて、良品であることを示す。容器内の圧力が上昇するものは、分散液保管中のガスの発生が抑制されず、不良品であることを示す。
シリコーン樹脂組成物の透過率は、分光光度計(日本分光社製、V−570)にて積分球を用いて測定した。測定サンプルは、シリコーン組成物を薄層石英セルに挟んで、厚みを0.5mmにした状態のものを用いた。なお、シリコーン樹脂組成物中の表面修飾無機粒子の量は15質量%で測定し、得られた組成物の含有量が15質量%よりも多い場合には、シリコーン樹脂を添加して、15質量%となるように調整した。
シリコーン硬化体の透過率は、分光光度計(V−570、日本分光社製)にて積分球を用いて測定した。測定サンプルは、土手を設けたガラス基板上に、硬化性シリコーン組成物を硬化後の厚みが0.5mmとなるように流し込み、150℃で4時間処理したものを用いた。なお、シリコーン樹脂組成物と硬化体の透過率は、ともに光路長0.5mmで測定した時の波長460nmにおける値を測定値とした。
(ジルコニア粒子への表面修飾:表面修飾ジルコニア粒子の作製)
平均一次粒子径が4nmのジルコニア粒子10g(住友大阪セメント社製:酸化ジルコニウム)、トルエン82g、フェニルジクロロシラン5g、分散液中の硫酸イオン濃度が218ppmになるように硫酸を加えて、混合し、ビーズミルで10時間表面修飾処理を行った後、ビーズを除去し、表面修飾ジルコニア粒子含有分散液を得た。
なお、評価用として、ビーズミルで2時間分散したあとの分散液を一部採取し、平均粒子径を評価した。
得られたジルコニア粒子含有分散液を10g、シリコーン樹脂としてメチルフェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製OE−6520 屈折率1.54 A液:B液の質量配合比=1:1(樹脂中に反応触媒含有))8.6gを混合した。ついで、この混合液を減圧乾燥によりトルエンを除去し、表面修飾ジルコニア粒子とメチルフェニルシリコーン樹脂(OE−6520)を含有した、実施例1のシリコーン樹脂組成物(表面修飾ジルコニア粒子含有量:15質量%)を得た。
このシリコーン樹脂組成物を150℃で4時間加熱処理して硬化することで、実施例1の硬化体を得た。
1)表面修飾ジルコニア粒子含有分散液中の硫酸イオン濃度
2)表面修飾ジルコニア粒子の平均分散粒径(d50)
3)シリコーン樹脂組成物及び硬化体の透過率評価
4)表面修飾ジルコニア粒子含有分散液の保管安定性の評価
結果を表1〜表3に示す。
平均一次粒子径が4nmのジルコニア粒子10g(住友大阪セメント社製:酸化ジルコニウム)、トルエン82g、フェニルジクロロシラン5gを混合し、ビーズミルで10時間表面修飾処理を行った後、ビーズを除去し、比較例1の表面修飾ジルコニア粒子含有分散液を得た。
すなわち、実施例1の分散液において、硫酸の添加を行わずに分散液を作製し、かつ、ヒドロシリル基をシラノール基に変換するための加水分解反応は行わなかった。
なお、評価用として、ビーズミルで2時間分散したあとの分散液を一部採取し、平均粒子径を評価した。
実施例1の表面修飾ジルコニア粒子含有分散液を用いる代わりに比較例1の表面修飾ジルコニア粒子分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1のシリコーン樹脂組成物、硬化体を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1〜表3に示す。
実施例1で用いたメチルフェニルシリコーン樹脂そのものを、参考例1のシリコーン樹脂組成物とした。この樹脂組成物を、実施例1と同様にして硬化させ、参考例1の硬化体を得た。実施例1と同様にしてシリコーン樹脂組成物及び硬化体の透過率を評価した結果を表2に示す。
また、実施例1の表面修飾ジルコニア粒子含有分散液を、24時間静置したあとの平均分散粒子径は、28nmであり、分散直後の平均分散粒子径と同等であり、シラノール基に変換した分散液でも分散安定性に優れることが確認された。
Claims (6)
- ヒドロシリル基、疎水性官能基、及びシラノール基により表面修飾された表面修飾無機粒子と、分散媒とを含有する表面修飾無機粒子含有分散液であって、
前記ヒドロシリル基と前記シラノール基との割合が5:95以上50:50以下であり、
前記表面修飾無機粒子含有分散液は、燃焼分解−イオンクロマトグラフ法で測定される硫酸イオンを、5ppm以上1000ppm以下含み、
前記表面修飾無機粒子の平均分散粒子径は、1nm以上50nm以下であり、
前記疎水性官能基が、式:C n H 2n+1 (nは1以上かつ20以下の整数)で表される飽和アルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基、およびベンジル基から選ばれる1種以上である表面修飾無機粒子含有分散液。 - 請求項1記載の表面修飾無機粒子含有分散液、及び、ヒドロシリル基、疎水性官能基、及びシラノール基により表面修飾された表面修飾無機粒子の少なくとも一方と、シリコーン樹脂と、を含有してなるシリコーン樹脂組成物。
- 請求項2記載のシリコーン樹脂組成物を硬化してなる硬化体。
- 請求項3記載の硬化体を備えてなる光学部材。
- 発光素子が、請求項3に記載の硬化体により封止されてなる発光装置。
- 請求項5記載の発光装置を備えてなる表示装置。
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