JP6513359B2 - ラミネート外装材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池やコンデンサのケース、食品や医薬品の包装材に用いられるラミネート外装材の製造方法およびその関連技術に関する。
近年、スマートフォンやタブレット端末等の携帯機器の薄型軽量化に伴い、これらに搭載されるリチウムイオン二次電池やリチウムポリマー二次電池の外装材としては、従来の金属缶に代えて金属箔の両面に樹脂フィルムを貼り合わせたラミネート材が用いられている。また、電気自動車用の電源や蓄電用の大型電池やキャパシタにおいても、外装材としてラミネート材を用いることが検討されている。
一般にラミネート外装材は金属缶に比べて、薄く、軽量で、成形および密封が容易であり扱い易いが、電池ケースとして使用した場合は金属面が外部に露出することがないので、乾電池のように外装そのものを導体として用いることができない。そのため、ケース内から絶縁処理をした正極端子および負極端子を引き出してはんだ付等によって結線し、電池自体は基板や筐体に粘着テープ等で固定されることが多い。また、電池ケース以外の用途においても、ジャムや調理済食品を発熱体に接触させて効率良く加温したり、ジュール加熱によって殺菌出来る容器包装に金属面の露出が望まれている。
ラミネート外装材は層の中心に金属箔が用いられているので、外側の樹脂層を除去することで金属箔を露出させることができれば、これを導体をとる起点にしたり、はんだ付部等として利用できる可能性がある。
ラミネート外装材の金属箔を切らずに樹脂層のみを切る技術としては、食品や医療器具を密封状態に包装する包装袋において、樹脂層にレーザー加工や金属刃による機械加工によって切れ目を入れることによって片手で開封できるようにした易開封包装袋がある(特許文献1参照)。
国際公開WO2009/090930号公報
引用文献1はラミネート外装材を断面方向に切断して包装袋を開封するための技術であって、樹脂層を除去して金属箔を露出させることに適用することはできない。仮に樹脂層にレーザーを照射しても線状の切れ目が形成されるだけであり、樹脂層を面状に除去してはんだ付可能な面積の金属箔を露出させるには至らない。また、レーザーを往復させて樹脂が残らないように樹脂層を面状に焼き切るには大変手間がかかる。
本発明は上述した技術背景に鑑み、金属箔層の両面に樹脂層が貼り合わされ、部分的に金属箔層が露出するラミネート外装材を簡単な方法で製造する方法およびその関連技術の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[5]に記載の構成を有する。
[1]金属箔層の第1の面に熱融着性樹脂層を貼り合わせ、第2の面に耐熱性樹脂層を貼り合わせて、金属箔層の両面に樹脂層を積層するに際し、前記金属箔層の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の面側の貼り合わせ手法として、金属箔層と樹脂層の少なくとも一方の面の一部に、金属箔層に接着されない接着阻害剤を塗布して接着阻害部を形成し、熱接着性樹脂を介して金属箔層と樹脂層とをサーマルラミネートする接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用することにより、前記金属箔層の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の面側に接着阻害部を有するラミネート外装材用積層体を作製し、
前記ラミネート外装材用積層体の接着阻害部に対応する樹脂層を除去して金属箔層を露出させる樹脂層除去工程を行うことを特徴とするラミネート外装材の製造方法。
[2]前記接着阻害部形成貼り合わせ工程において、周面に凹凸部を有するロールを用いて接着阻害剤を塗布し、凹部形状に対応する接着阻害部を形成する前項1に記載のラミネート外装材の製造方法。
[3]前記接着阻害剤が鉱物系油脂および動植物系油脂のうちの少なくとも一方である前項1または2に記載のラミネート外装材の製造方法。
[4]前記接着阻害剤が、酸変性ポリエチレンおよび酸変性ポリプロピレンのうちの少なくとも一方を含むオレフィン樹脂に金属箔層との接着を阻害する無機物を配合した樹脂組成物である前項1または2に記載のラミネート外装材の製造方法。
[5]前記樹脂層除去工程において、レーザーを照射して樹脂層を切除する前項1〜4のうちのいずれか1項に記載のラミネート外装材の製造方法。
[1]に記載の発明によれば、接着阻害部形成貼り合わせ工程によって、金属箔層と樹脂層との間に、接着阻害剤の塗布によって形成した金属露出部に対応する接着阻害部が介在するラミネート外装材用積層体が得られる。そして、樹脂層除去工程において、前記ラミネート外装材用積層体に対し、接着阻害部にある樹脂層を接着阻害部とともに除去するとことにより、金属箔層が露出した金属露出部を有するラミネート外装材が得られる。前記接着阻害物部は樹脂層に移行するので、樹脂層とともに除去されるので、接着阻害部が金属箔層上に残留することなく確実に金属箔層を露出させることができる。
[2]に記載の発明によれば、凹凸部を有するロールの凹部形状部分から接着阻害剤を金属箔層に連続的に転写されるので、効率的に接着阻害部を形成することができる。
[3]に記載の発明によれば、少量の接着阻害剤で大きい接着阻害効果が得られる。また、塗布量が少量で済むので、樹脂層除去工程後の残留量も少なく、金属露出部の導通性に障害を残さない。
[4]に記載の発明によれば、接着阻害剤が樹脂層に融着するので、接着阻害部を樹脂層とともに確実に除去できる。
[5]に記載の発明によれば、レーザー照射によって樹脂層を切除するので、バリを発生させることなく樹脂層だけを切断することができる。
本発明の方法で製造したラミネート外装材の斜視図である。 図1Aの1B−1B断面図である。 ラミネート外装材用積層体の断面図である。 接着阻害部形成貼り合わせ工程を示す模式図である。 樹脂層除去工程を示す断面図である。 フラットシートのラミネート外装材を成形したケースの断面図である。 両面に金属露出部を有するラミネート外装材の樹脂層除去工程を示す断面図である。
[ラミネート外装材]
図1Aおよび図1Bに本発明の方法で製造したラミネート外装材(1)を示す。このラミネート外装材(1)は、リチウムイオン二次電池等の電池ケース、食品や医薬品の包装材として用いられるものである。
前記ラミネート外装材(1)は、金属箔層(4)の第1の面に熱接着性樹脂からなる第1接着剤層(5)を介してケースの内側層となる熱融着性樹脂層(2)が積層されるとともに、前記金属箔層(4)の第2の面に第2接着剤層(6)を介して外側層となる耐熱性樹脂層(3)が積層され、金属箔層(4)の両面に樹脂層(2)(3)が積層されている。また、前記熱融着性樹脂層(2)側の面において、金属箔層(4)が面状に露出する金属露出部(7)が形成されている。前記金属露出部(7)には第1接着剤層(5)および熱融着性樹脂層(2)が存在しない。
[ラミネート外装材の製造方法]
前記ラミネート外装材(1)は、金属箔層(4)の第1の面に第1接着剤層(5)を介して熱融着性樹脂層(2)とを貼り合わせた後に熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)の一部を除去して金属箔層(4)を露出させることによって作製する。これらの工程において、金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)の貼り合わせ手法として本発明が定める接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用して図2に示すラミネート外装材用積層体(10)を作製し、このラミネート外装材用積層体(10)に対して樹脂層除去工程を実施する。以下に、各工程について詳述する。
〈金属箔と熱融着性樹脂層の貼り合わせ(接着阻害物部形成貼り合わせ工程)〉
金属箔層(4)の第1の面に熱融着性樹脂層(2)を貼り合わせる。この時、金属箔層(4)または熱融着性樹脂層(2)の一方の貼り合わせ面の、金属露出部(7)に対応する部分に、金属箔層(4)に接着されない接着阻害剤を塗布して接着阻害部(8)を形成し、金属露出部(7)に対応しない領域には接着阻害剤を塗布しない。そして、貼り合わせ面に接着阻害部(8)を形成した状態で、第1接着剤層(5)を介して金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)とをサーマルラミネートする。サーマルラミネートであるから、第1接着剤層(5)を構成する接着剤として熱接着性樹脂を用いる。
貼り合わせ面の一部に接着阻害剤を塗布する方法としては、図3に示す貼り合わせ装置において、外周面に凹凸を有するロール(31)を用いる方法を推奨できる。なお、図3は金属箔層(4)に接着阻害剤を塗布する工程例を示している。
前記ロール(31)は、フラットなベース面(32)の一部に、ベース面(32)から退入する微細凹部(33a)とベース面(32)と同一高さの微細凸部(33b)とが交互に繰り返されて格子状となされた微細凹凸領域(33)が形成されている。前記微細凹凸領域(33)の形状および位置は金属露出部(7)の形状および位置に対応している。
一方、接着阻害剤は溶剤で濃度調整した接着阻害剤組成物(8a)として容器内に準備されている。
そして、前記容器内でロール(31)を回転させて外周面全体に接着阻害剤組成物(8a)を塗布し、ドクターブレード(図示省略)でベース面(32)および微細凸部(33b)の天面から接着阻害剤組成物(8a)を掻き落として微細凹部(33a)内のみに接着阻害剤組成物(8a)を残す。このように接着阻害剤組成物(8a)を付着させたロール(31)を金属箔層(4)に接触させると、前記微細凹凸領域(33)の対応箇所において微細凹部(33a)の形状に倣って接着阻害剤組成物(8a)が金属箔層(4)に転写される。金属箔層(4)に転写直後の接着阻害剤組成物(8a)はドット状であるが、すぐに濡れ拡がって微細凸部(33b)の対応部分にも接着阻害剤組成物(8a)が行き渡る。これにより、金属露出部(7)に対応する部分にくまなく接着阻害剤組成物(8a)を付着させることができる。接着阻害剤組成物(8a)を付着させた金属箔層(4)は乾燥炉(35)に送り込み、接着阻害剤組成物(8a)の液体成分を蒸発させて乾燥させる。これにより、金属箔層(4)上に金属露出部(7)に対応する接着阻害部(8)が形成される。また、前記ロール(31)を用いることにより接着剤阻害剤組成物(8a)が金属箔層(4)に連続的に転写されるので、接着阻害部を効率良く形成することができる。
前記乾燥炉(35)の出口側には、第1接着剤層(5)を構成する熱接着性接着剤をフィルム状に押し出す押出機(36)と熱融着性樹脂層(2)を構成するフィルムのロール(37)が設置されている。そして、接着阻害部(8)を形成した金属箔層(4)とフィルム状の熱融着性樹脂層(2)との間に溶融した熱接着性接着剤(第1接着剤層(5))を押し出しながらこれらを熱ロール(38)に送り込み、熱ロール(38)で圧着してサーマルラミネートにより3層の中間積層体(40)を形成する。
前記中間積層体(40)において、金属露出部(7)の対応部分は金属箔層(4)と第1接着剤層(5)との間に接着阻害部(8)が介在しているので、サーマルラミネート後も金属箔層(4)と第1接着剤層(5)とは接触していない。前記接着阻害部(8)と金属箔層(4)は接触しているが接着阻害剤の接着阻害作用によって接着されていない。また、接着阻害部(8)と第1接着剤層(5)とは、使用する接着阻害剤の種類によって接着されたり、接着されなかったりする。一方、第1接着剤層(5)は金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)の両方に対して接着性が良いので、接着阻害部(8)以外の領域では金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)とが第1接着剤層(5)を介して強固に接着されている。
以上より、本工程によって、金属箔層(4)と第1接着剤層(5)とが接着されていない接着阻害部(8)を形成しつつ、金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)とが第1接着剤層(5)によって貼り合わされる。
なお、サーマルラミネートによる接着阻害部形成貼り合わせ工程における第1接着剤層(5)の供給方法は上述した押出機(36)で押出ながら供給する方法に限定されない。他のサーマルラミネートの方法として、接着阻害部(8)を形成した金属箔層(4)とフィルム状の熱融着性樹脂層(2)との間に溶融した熱接着性接着剤(第1接着剤層(5))を押し出しながらこれらを冷却ロールに送り込み圧着し、その後、熱ロール(38)に送り込み、熱ロール(38)で圧着してサーマルラミネートにより3層の中間積層体(40)を形成しても良い。また、サーマルラミネートの後は、冷却ロールで冷却するのが好ましい。
(接着阻害剤)
前記接着阻害剤は、金属箔層(4)と樹脂層である第1接着剤層(5)の接着を阻害することが条件となる。さらには、第1接着剤層(5)に対しては金属箔層(4)に対してよりもなじみ易い特性を有していることが好ましい。このような特性を有する接着阻害剤を用いると、熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)を除去した時に第1接着剤層(5)側に移行してこれらの樹脂層(2)(5)とともに金属箔層(4)から除去することができる。その結果、金属箔層(4)上に接着阻害剤の残留物の無い導性の高い金属露出部(7)を形成することができる。
上記の特性を有する接着阻害剤として、油脂、樹脂、樹脂に無機物を配合した樹脂組成物を挙げることができる。
油脂は、接着阻害効果が大きく、少しの塗布量で金属箔層(4)と第1接着剤層(5)の接着を阻害できるので、樹脂層を除去した後の残留量も少なく殆ど残らない。このため金属露出部(7)の導通性に障害を残さない。油脂としては接着阻害効果の高い鉱物系または動植物系の油脂が好ましく、シロキサン等のシリコーン油が代表として挙げられる。
油脂を用いる際は、付着量が過剰になると第1接着剤層(5)に移行しきらず樹脂層(2)(5)を除去する際に金属箔層(4)上に残り易いので、油脂を有機溶剤にて希釈して塗布量を調節することが好ましい。例えば、図3の装置においてロール(31)で塗布する場合、有機溶剤で希釈して接着阻害剤組成物(8a)を調製し、乾燥後の接着阻害部(8)の厚みが0.5μm以下となるようにすることが好ましい。特に好ましい厚みは0.1〜0.3μmである。
樹脂は、樹脂のみで接着阻害剤として使用する場合と、ベースとなる樹脂に金属箔層との接着を阻害する無機物や油脂などの接着阻害物を配合した樹脂組成物を接着阻害剤として使用する場合とがある。使用形態は樹脂が有する金属に対する接着性によって使い分ける。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのような未変性のポリオレフィンは、金属に対して接着性が乏しいので樹脂のみで接着阻害剤として使用できる。一方、これらのポリオレフィンは酸変性することによって接着性が発現するので、酸変性ポリエチレンや酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリオレフィンは、接着阻害物を配合した樹脂組成物として使用する。勿論、樹脂のみで使用できる樹脂に接着阻害物を配合し、なお一層接着性を低下させた樹脂組成物として使用することもできる。また、接着阻害剤は塗布して使用するので溶液化が可能で濃度調整が容易であることが好ましく、上記の未変性または酸変性のポリオレフィンはこの条件を充たすものである。
本発明で使用できる樹脂は上記のポリオレフィンに限定されるものではない。他の樹脂としては、オレフィン系の酸変性物、アイオノマー、やそれらの共重合物を使用できる。上述した樹脂のうちでも、酸変性ポリエチレンおよび酸変性ポリプロピレンのうちの少なくとも一方を含むオレフィン樹脂が好ましく、特に溶剤分散型の無水マレイン酸変性ポリプロピレンを推奨できる。これらの酸変性オレフィン樹脂は金属箔層に対する接着性が高いので接着阻害物を配合した樹脂組成物として使用する。
樹脂に配合する接着阻害物としては、炭酸カルシウムやシリカ、カーボン、酸化チタン等の無機物の微粒子が好ましい。これらの接着阻害物の配合量は、ベースとなる樹脂100質量部に対し1質量部〜20質量部が好ましい。
前記樹脂は第1接着剤層(5)に融着して第1接着剤層(5)とともに除去することができるので、金属箔層(4)上に残留することなく導通性の高い金属露出部(7)を容易に形成できる。また、前記樹脂組成物はベースが樹脂であるから、第1接着剤層(5)に融着して第1接着剤層(5)とともに除去することができる。
前記樹脂は、樹脂または樹脂組成物を濃度調整した接着阻害剤組成物(8a)を調製し、この接着阻害剤組成物(8a)してこの接着阻害剤組成物(8a)を塗布し、接着阻害部(8)を形成する。接着阻害剤組成物(8a)の塗布量は乾燥後の接着阻害部(8)の厚みが0.5〜10μmとなる量が好ましく、特に好ましい厚みは0.5〜2μmである。樹脂は第1接着剤層(5)との接着力が高いので、熱融着性樹脂層(2)および第1接着剤層(5)を除去すると接着剤阻害部(8)は第1接着剤層(5)に接着されて除去されるので、金属箔層(4)上にはほとんど残らない。
また、前記接着阻害剤組成物(8a)には有機系または無機系の顔料や色素等の着色剤を加えても良く、着色剤を加えることによって接着剤阻害部の位置を判別し易くすることができる。前記有機系顔料としては、特に限定されるものではないが、例えばレーキレッド、ナフトール類、ハンザイエロー、ジスアゾイエロー、ベンズイミダゾロン等のアゾ系顔料、キノフタロン、イソインドリン、ピロロピロール、ジオキサジン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の多環式系顔料、レーキレッドC、ウォチュングレッド等のレーキ顔料などが挙げられる。また、前記無機系顔料としては、特に限定されるものではないが、例えばカーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられる。また、前記色素としては、特に限定されるものではないが、例えばトリナトリウム塩(黄色4号)等の黄色色素類、ジナトリウム塩(赤色3号)等の赤色色素類、ジナトリウム塩(青色1号)等の青色色素類などが挙げられる。また、着色剤の配合量は、接着阻害剤100質量部に対し0.1質量部〜5質量部の範囲が好ましい。
〈金属箔層と耐熱性樹脂層の貼り合わせ〉
前記金属箔層(4)の第2の面に耐熱性樹脂層(3)を貼り合わせる。耐熱性樹脂層(3)側の面には金属露出部(7)を形成しないので、金属箔層(4)と耐熱性樹脂層(3)の合わせ面のうちの少なくとも一方の全領域に接着剤を塗布して貼り合わせる。貼り合わせ方法は限定されず、第2接着剤層(6)を構成する接着剤組成物を塗布して乾燥させた後に貼り合わせるドライラミネート法、サーマルラミネート法等の周知の手法を適宜用いる。
前記金属箔層(4)に対して耐熱性樹脂層(3)と熱融着性樹脂層(2)を貼り合わせる順序は限定されない。例えば、図3に示すように、金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)とを貼り合わせた中間積層体(40)を巻き取りロール(39)に巻き取り、別のラインで前記中間積層体(40)に耐熱性樹脂層(3)を貼り合わせると、図2に示す層構造のラミネート外装材用積層体(10)を作製することができる。また、前記中間積層体(40)の作製と耐熱性樹脂層(3)へ接着剤塗布とを同時進行させておき、これらを逐次貼り合わせることによっても図2の層構造のラミネート外装材用積層体(10)を作製できる。
なお、耐熱性樹脂層貼り合わせ工程における接着剤の塗布工程、および熱融着性樹脂層貼り合わせ工程における接着阻害剤の塗布手法は限定されず、グラビアロールコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法等を例示できる。
〈樹脂層除去工程〉
前記ラミネート外装材用積層体(10)に対し、接着阻害部(8)上の熱融着性樹脂層(2)および第1接着剤層(5)を除去する。除去方法は限定されないが、図4に示すように、熱融着性樹脂層(2)と熱接着性樹脂層(5)の積層部にレーザー(L)を照射して熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)を切断して除去する方法を推奨できる。このとき、前記接着阻害部(8)は熱接着樹脂層(5)と金属箔層(4)との接合を阻害しているので、熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)の積層部を切断すれば、接着阻害部(8)上の熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)を除去することができ、かつ接着阻害部(8)は第1接着剤層(5)とともに除去される。上記切除により、金属箔層(4)が露出して金属露出部(7)が形成され、図1Aおよび図1Bに示した構造のラミネート外装材(1)となる。接着阻害部(8)が形成されている箇所は第1接着剤層(5)が金属箔層(4)に接合されていないので熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)の積層部の部分切除が容易であり、熱融着性樹脂層(2)と熱接着性樹脂(5)の積層部を接着阻害部(8)の周縁で切断するという簡単な作業で面状の金属露出部(7)を形成できる。
レーザー切断のメリットは適正な出力にすることで、狙った層だけを切断出来、バリを抑制することが出来ることである。前記レーザーの種類は限定されず、YAGレーザーに代表される固体レーザー、炭酸ガスレーザーに代表されるガスレーザーのいずれでも使用できる。
一般に金属箔層と樹脂層を積層したラミネート材を包装材として用いる場合は、ラミネート加工によって得たフラットシートを被包装物を装填可能な形態のケースに加工し、ケース内に被包装物を装填した後に開口部をヒートシールして被包装物を封入する。本発明の方法で製造するラミネート外装材(1)も同じく、被包装物を装填可能な形態のケースに加工し、被包装物を装填した後にケースの開口部をヒートシールして使用される。
上記の樹脂層除去工程は金属箔層(4)に熱融着性樹脂層(2)および耐熱性樹脂層(3)を貼り合わせてラミネート外装材用積層体(10)を得た後であれば、作業に支障がない限りいつでも行うことができる。従って、内側層である熱融着性樹脂層(2)の側で除去工程を実施する時期は熱融着性樹脂層(2)が露出している時期となる。熱融着性樹脂層(2)が露出している時期とは、ラミネート外装材(1)をケースの形状に加工する前、またはフラットシートを立体形状のケースに加工した後であるが塞塞する前で内側層が露出している時である。例えば、図5に示すように、フラットシートのラミネート外装材(1)に張り出し加工または絞り加工等によるプレス成形を施してケース(20)に加工したとき、蓋を被せるまではケース(20)の内側は露出しているので樹脂層除去工程を実施できる。
また、本発明は金属箔層の外側の面においても金属露出部を形成することができるので、その場合の樹脂層除去工程は上記の時期に加えて、ケースに被包装物を装填する前、ケースに被包装物を装填してヒートシールする前、被包装物を装填したケースをヒートシールした後でも実施することができる。
以上より、本発明のラミネート外装材の製造方法は、フラットシートの状態で完了する場合だけでなく、樹脂層除去工程の前に、塑性変形加工や製袋加工の工程、あるいはさらに被包装物を装填する工程やヒートシールの工程が挿入される場合も含んでいる。
本発明において、前記金属露出部の数は限定されず、ケースの用途に応じて任意数の金属露出部を形成することができる。両面に金属露出部を設ける場合に金属露出部の数や位置が一致している必要はなく、各面における金属露出部の用途に応じて独立して設定することができる。また、複数個の接着阻害部を有するラミネート外装材用積層体から作製したラミネート外装材において、接着阻害部上の樹脂層を除去していない部分が残っていても良い。前記金属露出部の位置も限定されないが、ケースへの加工を阻害する箇所や加工によって強度が低下する箇所は避けることが好ましい。例えば図5に示すように、張り出し成形または絞り成形によってフラットシートから側壁(21a)を立ち上げて、被包装物を装填するための凹部(21)を形成したケース(20)に加工する場合は、変形量の大きい側壁(21a)やコーナー部(21b)に金属露出部を形成することは避けることが好ましい。前記ケース(20)においては、凹部(21)の底壁(21c)やフランジ(22)に金属露出部を形成することが好ましい。
本発明において金属露出部の使用目的は限定されず、ラミネート外装材の用途によって異なる。内側層となる熱融着性樹脂の面側に金属露出部を有するラミネート外装材で作製した電池ケースでは、ケースに装填した電池セルの電極との接続に利用することができる。また、電池ケース以外の用途での内側層においては、例えば樹脂と金属から成る密封式の複合容器の蓋材側と容器側の内側層の樹脂を取り除き、その間に電気を通すことで内容物である食品のジュール加熱殺菌することが出来る容器として利用できる。耐熱性樹脂層の面側に金属露出部を有するラミネート外装材で作製した電池ケースでは、基板や筐体へのはんだ付部として利用したり、電極として利用することができる。また、電池ケース以外の用途では、ジャムや調理済食品を入れるアルミ箔加工容器に金属露出部を作り、その部分に発熱体を接触させて、食品を加温したり、直接電気を流し、ジュール熱による殺菌が可能な食品容器として利用できる。
[ラミネート外装材の他の態様およびそれらの製造方法]
本発明のラミネート外装材の製造方法は、金属箔層の少なくとも一方の面側に金属露出部を有することが条件である。従って、上記の熱融着性樹脂層(2)の面側のみに金属露出部(7)を有するラミネート外装材(1)の他、耐熱性樹脂層(3)の面側にのみ金属露出部(7)を有するラミネート外装材、両面に金属露出部を有するラミネート外装材も本発明に含まれる。
本発明のラミネート外装材の製造方法は、金属露出部を形成する面側の金属箔層と樹脂層の貼り合わせに、上述の接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用してラミネート外装材用積層体を作製し、その後に接着阻害部に対応する樹脂層を除去する樹脂層除去工程を行うことによって行う。即ち、両面に金属露出部を有するラミネート外装材は、金属箔層の両面に接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用してラミネート外装材用積層体を作製する。片面にのみ金属露出部を有するラミネート外装材は、その面に接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用し、他方の面に周知の貼り合わせ工程を適用してラミネート外装材用積層体を作製する。そして、作製したラミネート外装材用積層体に対して樹脂層除去工程を行う。
図6は、金属箔層(4)の両面に接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用して両面に接着剤阻害部を(8)を有するラミネート外装材用積層体(11)を作製し、このラミネート外装材用積層体(11)の両面に樹脂層除去工程を行って両面に金属露出部(7)を有するラミネート外装材(12)を作製する工程を示している。
また、接着阻害部形成貼り合わせ工程で使用する接着阻害剤および接着剤阻害剤組成物の種類や組成の条件は両面で共通である。即ち、上述した種々の接着阻害剤は耐熱性樹脂層側の金属露出部の形成に使用である。
[ラミネート外装材の構成材料]
ラミネート外装材(1)を構成する各層の材料は限定されず、用途に応じて適宜使用できる。電池ケース、電子部品、食品、医薬品等の包装材として好ましい材料は以下のとおりである。
(熱融着性樹脂層)
内側層である熱融着性樹脂層(2)は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、包材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
前記熱融着性樹脂層(2)としては熱可塑性樹脂未延伸フィルムであるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂未延伸フィルムは、特に限定されるものではないが、耐薬品性およびヒートシール性の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーで構成されるのが好ましい。また、オレフィン系共重合体として、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレン・アクリル酸共重合体)、EMMA(エチレン・メタアクリル酸共重合体)を例示できる。また、ポリアミドフィルム(例えば12ナイロン)やポリイミドフィルムも使用できる。
また、熱融着性樹脂層(2)表面の滑り性を向上させて成形用金型との摺動性を高めるために滑剤および/または固体微粒子を配合することも好ましい。
前記熱融着性樹脂層(2)の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できるとともに、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱融着性樹脂層(2)厚さは30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。なお、前記熱融着性樹脂層(2)は、単層であってもよいし、複層であってもよい。複層フィルムとして、ブロックポリプロピレンフィルムの両面にランダムポリプロピレンフィルムを積層した三層フィルムを例示できる。
なお、金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)の間に、熱溶融した熱接着性樹脂(第1接着剤層(5))を押出機で押出してサーマルラミネートする際に、熱融着性樹脂層(2)は図3のように、フィルムとしてコイルから繰り出す他、第1接着剤層(5)と同様に材料樹脂を熱溶融して押出機から押出して第1接着剤層(5)と同時に成膜することもできる。第1接着剤層(5)と熱融着性樹脂層(2)の総厚は20〜80μmにすることが好ましい。
(第1接着剤層)
金属箔層(4)と熱融着性樹脂層(2)の貼り合せを担う第1接着剤層(5)には金属と樹脂のどちらにも強固に接着するとともに、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備する。
前記第1接着剤層(5)としては、特に限定されるものではないが、オレフィン系の酸変性物やアイオノマー、及びそれらの共重合物が好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの他、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレン・アクリル酸共重合体)、EMMA(エチレン・メタアクリル酸共重合体)などが例示出来る。また接着性を有するポリアミドフィルム(例えば12ナイロン)やポリイミドフィルムも使用できる。
なお、前記第1接着剤層(5)は単層でも良いし、複層であってもよい。複層フィルムとして、例えば、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層に未変性のランダムポリプロピレン樹脂層を積層した2層構成を例示できる。この場合、熱融着性樹脂層(2)側に未変性ランダムポリプロピレン樹脂層を配置する。
前記第1接着剤層(5)の厚さは、1μm〜20μmに設定されるのが好ましい。1μm以上とすることで押出し機による成膜時のピンホールの発生を十分に防止できるとともに、20μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記第1接着剤層(5)の厚さは2μm〜5μmに設定されるのが特に好ましい。
(金属箔層)
前記金属箔層(4)は、ラミネート外装材(1)に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔、あるいはこれのクラッド箔、これらの焼鈍箔または未焼鈍箔等が挙げられる。金属箔層(4)は金属露出部(7)において露出する層であり、露出させる目的に応じて適宜選択する。また、ニッケル、錫、銅、クロム等の導電性金属でめっきした金属箔、たとえばめっきしたアルミニウム箔を用いることも好ましい。前記導電性めっき皮膜は金属箔層の少なくとも金属露出部に対応する部分に形成されていれば良い。また、前記金属箔層(4)は下地処理として下記の化成処理を施して化成皮膜を形成することも好ましい。
(金属箔層の化成皮膜)
ラミネート外装材(1)の外側層および内側層は樹脂からなる層であり、これらの樹脂層には極微量ではあるが、ケースの外部からは光、酸素、液体が入り込むおそれがあり、内部からは内容物(電池の電解液、食品、医薬品等がしみ込むおそれがある。これらの侵入物が金属箔層に到達すると金属箔層の腐食原因となる。本発明のラミネート外装材(1)においては、金属箔層(4)の表面に耐食性の高い化成皮膜を形成することにより、金属箔層(4)の耐食性向上を図ることができる。
化成皮膜は金属箔表面に化成処理を施すことによって形成される皮膜であり、例えば、金属箔にクロメート処理、ジルコニウム化合物を用いたノンクロム型化成処理を施すことによって形成することができる。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)〜3)のいずれかの混合物の水溶液を塗工した後乾燥させる。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂、フェノール系樹脂のうちのいずれかと、クロム酸およびクロム(III)塩のうちの少なくとも一方と、フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩のうちの少なくとも一方と、の混合物
前記化成皮膜はクロム付着量として0.1〜50mg/mが好ましく、特に2〜20mg/mが好ましい。かかる厚さまたはクロム付着量の化成皮膜によって高耐食性の成形用包装材となし得る。
なお、どちらか一方の面に化成皮膜を有するラミネート外装材も本発明に含まれる。
前記金属箔層(4)の厚さは、20μm〜200μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時やヒートシール時のピンホールや破れの発生を防止できるとともに、200μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。また、金属箔層(4)の厚さを200μm以下とすることで、重量増加および材料コストを抑制できる。
(耐熱性樹脂層)
外側層である耐熱性樹脂層(3)としては、例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、成形性および強度の点で、二軸延伸ポリアミドィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが特に好ましく、さらに二軸延伸ポリアミドィルムと二軸延伸ポリエステルフィルムとが張り合わされた複層フィルムを用いることが好ましい。前記ポリアミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。
前記耐熱性樹脂層(3)もまた熱融着性樹脂層(2)と同じく、表面の滑り性を高めるために滑剤および/または固体微粒子を配合することが好ましい。
前記耐熱性樹脂層(3)の厚さは、6μm〜50μmであるのが好ましい。前記好適下限値以上に設定することで包装材として十分な強度を確保できるとともに、前記好適上限値以下に設定することで成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
(第2接着剤層)
前記接着剤層(6)は、金属箔層(4)と外側層である耐熱性樹脂層(2)との接合を担う層であり、例えば、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステル−ウレタン系樹脂、あるいはポリエーテル−ウレタン系樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。
また、ラミネート外装材の総厚は50〜300μmの範囲が好ましい。ラミネート外装材の総厚および上述した各層の好適な厚さはラミネート外装材の用途によって異なる。
図1Aおよび図1Bに示すラミネート外装材(1)を作製した。金属露出部(7)は50mm×50mmの正方形である。
[実施例1]
ラミネート外装材(1)を構成する各層の材料は以下のとおりである。
金属箔層(4):厚さ40μmの軟質アルミニウム箔(JIS H4160 A8079H)
熱融着性樹脂層(2):厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム
第1接着剤層(5):無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学モディックP565)
耐熱性樹脂層(3):厚さ25μmの延伸ナイロンフィルム
第2接着剤層(6):二液硬化型ポリエステル-ウレタン系接着剤
接着阻害剤:シリコーン樹脂(信越シリコーンKF96L)
接着剤阻害剤組成物(8a):前記シリコーン樹脂100質量部に対し、トルエンを20質量部加えて調製した。
〈ラミネート外装材用積層体の作製>
先ず、図3の貼り合わせ装置を用い、金属箔層(4)の第1の面と熱融着性樹脂層(2)とを第1接着剤層(5)によって貼り合わせた。
ロール(31)はフラットなベース面(32)に金属露出部(7)に対応する50mm×50mmの微細凹凸領域(33)が形成されている。前記ロール(31)を回転させて外周面全体に接着阻害剤組成物(8a)を塗布し、ドクターブレード(図示省略)によりベース面(32)および微細凸部(33b)の天面から接着阻害剤組成物(8a)を掻き落として微細凹部(33a)内のみに接着阻害剤組成物(8a)を残し、接着阻害剤組成物(8a)を金属箔層(4)に転写した。金属箔層(4)に転写した接着阻害剤組成物(8a)を乾燥機(35)で乾燥させることにより、平面寸法が50mm×50mmで厚みが0.5μmの接着阻害部(8)が形成された。
一方、熱融着性樹脂層(2)はロール(37)から繰り出し、接着阻害部(8)を形成した金属箔層(4)との間に、第1接着剤層(5)となる樹脂を230℃に溶融して押出機(36)から厚さ5μmのフィルム状に押出ながらこれらを熱ロール(38)に送り込み、熱ロール(38)で圧着してサーマルラミネートし、三層の中間積層体(40)を得た。
さらに、前記中間積層体(40)の金属箔層(4)の第2の面に、第2接着剤層(6)を構成する接着剤を用いて耐熱性樹脂層(3)をドライラミネートし、図2のラミネート外装材用積層体(10)を作製した。
〈樹脂層除去工程〉
図4に参照されるように、前記ラミネート外装材用積層体(10)に対し、熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)の積層部の接着阻害物部(8)の周縁にYAGレーザー(L)を照射して熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)の積層部を切断し、接着阻害部(8)上の熱融着性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)を除去したところ、接着阻害部(8)は第1接着剤層(5)とともに金属箔層(4)から除去された。これにより、金属露出部(7)を有するラミネート外装材(1)を得た。
〈ケースへの加工〉
フラットシートの前記ラミネート外装材(1)を図5に示す立体形状のケース(20)に加工した。加工は、縦100mm×横100mm、コーナーR:2mmのポリテトラフルオロエチレン製パンチと、縦100.5mm×横100.5mm、コーナR:2.25mmのダイスとからなる成形高さフリーのストレート金型を用い、内側の熱融着性樹脂層(2)がパンチと接触させる態様で張り出し一段成形を行い、側壁(21a)の高さ(成形深さ)が4mmの凹部(21)を形成した。この成形において、前記パンチの中心が金属露出部(7)の中心に一致するようにラミネート外装材(1)の位置取りを行い、凹部(21)の底壁(21c)の内面中央に金属露出部(7)が形成されるようにした。張り出し成形後のラミネート外装材(1)は、凹部(21)の開口縁に幅10mmのフランジ(22)を残して切断した。
[実施例2]
接着阻害剤組成物(8a)として、無水マレイン酸変性樹脂(日本製紙製アウローレン100)100質量部を40質量部のトルエンに溶解し、樹脂成分100質量部に対して平均粒径1μmのシリカ粉10質量部を添加した組成物を使用し、乾燥後の接着阻害部(8)の厚さが2μmとなるようにした。前記接着阻害剤組成物(8a)および接着阻害部(8)の厚さ以外は、実施例1と同様にしてラミネート外装材(1)を作製し、さらにケース(20)に加工した。
[実施例3]
金属箔層(4)として、厚さ20μmの軟質ステンレス箔(SUS304)を使用したことを以外は、実施例1と同様にしてラミネート外装材(1)を作製し、さらにケース(20)に加工した。
実施例1〜3で作製したラミネート外装材(1)は、金属露出部(7)に接着阻害部(8)の残留がなく金属箔層(4)が露出したものであった。また、前記金属露出部(7)を損傷することなく深さ4mmのケース(20)に加工することができた。
本発明は包装材として用いられるラミネート外装材の製造に好適に利用できる。
1…ラミネート外装材
2…熱融着性樹脂層
3…耐熱性樹脂層
4…金属箔層
5…第1接着剤層
6…第2接着剤層
7…金属露出部
8…接着阻害部
10…ラミネート外装材用積層体
20…ケース
L…レーザー

Claims (5)

  1. 金属箔層の第1の面に熱融着性樹脂層を貼り合わせ、第2の面に耐熱性樹脂層を貼り合わせて、金属箔層の両面に樹脂層を積層するに際し、前記金属箔層の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の面側の貼り合わせ手法として、金属箔層と樹脂層の少なくとも一方の面の一部に、金属箔層に接着されない接着阻害剤を塗布して接着阻害部を形成し、熱接着性樹脂を介して金属箔層と樹脂層とをサーマルラミネートする接着阻害部形成貼り合わせ工程を適用することにより、前記金属箔層の第1の面および第2の面のうちの少なくとも一方の面側に接着阻害部を有する電池ケース用ラミネート外装材用積層体を作製し、
    前記ラミネート外装材用積層体の接着阻害部に対応する樹脂層とともに熱接着性樹脂および接着阻害剤を除去して金属箔層を露出させる樹脂層除去工程を行うことを特徴とするラミネート外装材の製造方法。
  2. 前記接着阻害部形成貼り合わせ工程において、周面に凹凸部を有するロールを用いて接着阻害剤を塗布し、凹部形状に対応する接着阻害部を形成する請求項1に記載のラミネート外装材の製造方法。
  3. 前記接着阻害剤が鉱物系油脂および動植物系油脂のうちの少なくとも一方である請求項1または2に記載のラミネート外装材の製造方法。
  4. 前記接着阻害剤が、酸変性ポリエチレンおよび酸変性ポリプロピレンのうちの少なくとも一方を含むオレフィン樹脂に金属箔層との接着を阻害する無機物を配合した樹脂組成物である請求項1または2に記載のラミネート外装材の製造方法。
  5. 前記樹脂層除去工程において、レーザーを照射して樹脂層を切除する請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のラミネート外装材の製造方法。
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