JP6510375B2 - 長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース - Google Patents

長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース Download PDF

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本発明は柱・梁のフレーム、もしくは隣接する構造体間に架設され、フレームの、もしくは構造体間の相対変形時に軸方向力を負担する芯材と芯材の変形を拘束する拘束材を備える座屈拘束型ブレースの軸方向端部に接続された接続部材の、芯材への接続位置の調整が自在な長さ調整機能付き座屈拘束型ブレースに関するものである。
例えば柱・梁のフレームに架設され、フレームの層間変形時に軸方向力を負担する芯材と、芯材が軸方向圧縮力を負担したときの変形を拘束する拘束材を備える座屈拘束型ブレースは通常、フレームの面内の層間変形に追従すればよい状態に両端部においてフレームに接続されるため、ブレースの両端部はフレームの面内に生じる相対変形に追従できるだけの相対的な回転変形が可能な状態にフレームに接続される(特許文献1、2参照)。
特許文献1のようにブレース自体がダンパーである場合には、フレームの層間変形に伴うブレース軸方向の距離の変化に対してはブレース自体が伸縮することにより追従する。ブレース自体が軸方向の引張力と圧縮力を負担することにより塑性化して減衰力を発生する場合には、塑性化する範囲で伸縮することにより層間変形に追従する(特許文献3参照)。
ブレースの軸方向両端部がフレームに対して回転自在に接続されることは、ブレースの使用時のフレームの変形にブレースを追従させるために必須の機能であるため、ブレースの使用状態において回転自在である必要がある。
但し、ブレースの架設位置、または架設位置の条件によっては、ブレースの使用状態でフレームに回転自在に接続されているだけではブレースの架設が困難な状況があり、対応できないことがある。例えば図8に示すように距離を置いて隣接する、異なるフレーム(構造体)間に跨ってブレースを架設するような場合に、隣接するフレーム間に想定を超える施工誤差がある場合、または変形が生じていた場合、あるいはフレーム間毎に誤差や変形量が相違する場合には、フレーム間毎にブレースの長さとフレームとの接続角度を調整しなければならないことがある。これらの場合、ブレースの端部においてはブレースのフレームに対する接続角度と共に、ブレース自体の長さを調整した状態で使用(架設)状態にする必要がある。
このような状況下においても、特許文献1、2ではダンパー本体、あるいはブレース本体の軸方向両端部に、球体と軸部、及びねじ部が直列に連続した形状の接続部材がダンパー本体等に軸方向に螺合しているため、ダンパーやブレース全体の軸方向の長さと、ダンパー等の両端部が接続されるフレーム等に対する接続角度を調整した状態でダンパーをフレーム等に架設することは可能である。
一方、特許文献2のようなブレースが周辺のフレームから軸方向圧縮力を受けたときに座屈を生じる可能性がある場合、ブレース本体には座屈を防止するための、鋼材等の座屈拘束材が併用される(特許文献4参照)。座屈拘束材が鋼材である場合には、座屈拘束材はブレース本体(芯材)を包囲するように、またはブレース本体に添えられるように配置され、ブレース本体、またはその軸方向両端部に位置する端部材に接合される。
特開2005−121141号公報(段落0024〜0036、図1、図2) 特開2005−220660号公報(段落0014〜0027、図2〜図9) 特開2012−197591号公報(段落0036、図6〜図9) 特開2013−108348号公報(図1〜図5)
これに対し、特許文献1、2においてブレースの座屈拘束材として特許文献3のようなモルタル等の充填材を使用する場合に、芯材として閉鎖断面形状に限らず、H形断面等の開放断面形状の鋼材を使用することが想定される場合には、芯材の軸方向端面に接合されるエンドプレートに対して少なくとも軸方向の移動が自在な接続部材の軸部と、開放断面形状の芯材との衝突を回避しなければならない課題に直面する。「少なくとも軸方向の移動が自在」とは、軸方向のみの移動が自在であることと、軸方向の移動と共に角度調整も自在であることの意味である。モルタル等の充填材はブレース本体である芯材を埋設することにより芯材の座屈を拘束するため、芯材の断面形状に拘わらず、芯材の座屈を拘束し易い利点がある。
前記の課題の解決に際しては、座屈拘束材としての充填材を接続部材のエンドプレートに対する位置調整前に充填する必要がある場合には、エンドプレートに対して少なくとも軸方向の移動が自在な接続部材の移動を充填材が拘束することがないようにしなければならない課題にも直面する。
本発明は上記背景より、特許文献1、2のようにブレース本体の軸方向の端部に少なくとも軸方向の移動が自在な接続部材が接続された場合に、芯材の断面形状に関係なく、エンドプレートから芯材側へ突出する軸部と芯材との衝突を回避し得る、また座屈拘束材として充填材を使用し、接続部材の位置調整前に充填する場合に、接続部材のブレース本体に対する自由な移動を確保する長さ調整機能付き座屈拘束型ブレースを提案するものである。
請求項1に記載の発明の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレースは、柱・梁のフレーム、もしくは隣接する構造体間に架設され、前記フレームの、もしくは前記構造体間の相対変形時に軸方向力を負担する芯材と、この芯材の少なくとも外周面側に充填されて前記芯材の変形を拘束する拘束材とを備え、前記芯材の軸方向の少なくともいずれか一方の端部に、雌ねじ孔を有するエンドプレートが接合され、このエンドプレートの前記雌ねじ孔に、外周面に雄ねじが形成された軸部を有する接続部材の前記軸部が、その軸方向の位置が調整自在に螺合した座屈拘束型ブレースであり、
前記芯材の少なくとも前記エンドプレート寄りの区間は前記接続部材の軸部を外周側から包囲する中空断面形状に形成され、前記芯材の軸方向の端部を除き、前記芯材の外周側に閉鎖断面形状の筒状部材が配置され、この筒状部材内に前記拘束材が充填され
前記中空断面形状の区間が前記筒状部材と軸方向に重複し、この重複区間の前記中空断面形状の区間の内部と外部に前記拘束材が充填されていることを構成要件とする。
「柱・梁のフレームに架設される」とは、座屈拘束型ブレース(以下、ブレース)1がフレーム9の構面内(フレーム9内)に配置される場合と、構面の外側(フレーム9外)に配置される(外付けされる)場合を含む趣旨である。「隣接する構造体」の「構造体10」は構造物と、構造物の一部に相当するフレーム(架構)9を含み、「隣接する構造体間に架設される」とは、図8に示すように互いに距離を置いて隣接する構造物間、もしくはフレーム9、9間、またはフレーム9と構造物間に跨ってブレース1が架設されることを言う。構造物は柱・梁のフレーム9を有する場合と有しない場合がある。
ブレース1の本体は軸方向の圧縮力と引張力を負担する芯材2と、芯材2の少なくとも外周面側に充填されることにより芯材2が圧縮力を負担したときに曲げ座屈の発生原因となる曲げ変形を拘束(防止)する拘束材3を備える。拘束材3には芯材2の断面形状に関係なく、すなわち芯材2が開放断面形状であるか、閉鎖断面形状であるかを問わずに芯材2の変形を防止することが可能なモルタルや接着剤等の、充填時に流動性を有する充填材が使用される。拘束材3は芯材2の少なくとも外周面で硬化することにより芯材2の変形を拘束する。
拘束材3(充填材)が「芯材2の少なくとも外周面側に充填される」とは、芯材2のエンドプレート4寄りの区間以外の区間が鋼管等の閉鎖断面形状であるか、H形断面等の開放断面形状であるかを問わず、芯材2の外周面側に充填されることと、閉鎖断面形状の場合には外周面側と内周面側に充填されることがあることを言う。
拘束材3が芯材2の断面形状に関係なく、少なくとも芯材2の外周面側に充填され、芯材2の変形を外周面側から拘束することで、芯材2の外周側には芯材2の軸方向の端部を除き、閉鎖断面形状の筒状部材6が配置される(請求項1)。筒状部材6は図4−(a)、(b)に示すように筒状部材6内に充填される拘束材3が芯材2を完全に包囲し、埋設されるよう、内周面と芯材2、または芯材2を構成する芯材構成材21の外周側の表面との間に空隙が確保される断面積を持つ。
「芯材2の軸方向の端部を除き」とは、筒状部材6は芯材2とは分離していることで、芯材2が軸方向圧縮力を負担し、収縮したときに、芯材2と共に収縮する訳ではないため、芯材2の収縮時に筒状部材6の軸方向の端面がエンドプレート4に接触し、芯材2の収縮を阻害しないようにすることの意味である。
「芯材2のエンドプレート4寄りの区間」は後述のようにエンドプレート4の芯材2側の面から接続部材5の軸部52が突出する区間を含む区間を言う。請求項1における「芯材2の少なくともエンドプレート寄りの区間が中空断面形状に形成されている」とは、「芯材2のエンドプレート4寄りの区間」以外の区間が閉鎖断面形状であるか、開放断面形状であるかを問わないことを言う。図面では芯材2が芯材2の高さ方向、もしくは幅方向に距離を置いて互いに平行な状態で対向し、分離した2本の芯材構成材21、21から構成された開放断面形状である場合の例を示しているが、芯材2の断面形状は任意である。
芯材2の軸方向の少なくとも一方の端部には、雌ねじ孔4aを有するエンドプレート4が溶接等により接合され、エンドプレート4の雌ねじ孔4aに、ブレース1をフレーム9や構造体10(以下、フレーム9等)に接続するための接続部材5が螺合により接続される。
接続部材5はブレース1の軸方向端部をフレーム9等に、少なくともブレース1の全長を調整した状態で接続するために、エンドプレート4に、芯材2の軸方向に位置調整自在に螺合する。「位置調整自在」とは、接続部材5の軸部52の、エンドプレート4の雌ねじ孔4aへの螺合位置の調整により接続部材5の芯材2に対する軸方向の位置が調整自在であることを言う。「少なくともブレース1の全長を調整した状態」とは、ブレース1の軸方向の長さのみが調整自在であること、軸方向の長さと共に、ブレース1のフレーム9等に対する角度調整も自在であることの意味である。ブレース1のフレーム9等に対する角度調整は、後述のように接続部材5の軸部52を除く本体部51が球体状をし、本体部51を包囲する接合材54が本体部51に対して任意の方向に角度調整自在であることにより可能になる(請求項7)。
エンドプレート4は芯材2の軸方向の少なくともいずれか一方の端部に接合され、接続部材5はエンドプレート4に接続されるため、接続部材5も芯材2の少なくともいずれか一方の、エンドプレート4の接合側端部に接続される。図面ではエンドプレート4と接続部材5が芯材2の軸方向両端部に接合された場合の例を示している。芯材2の軸方向両端部の内、エンドプレート4が接合されない側の端部には、軸方向の位置調整が自在な接続部材5は接続されないため、芯材2の端部は直接、または芯材2に対する軸方向の位置調整が自在でない形の接続部材を介してフレーム9等に接続される。
エンドプレート4に接続される接続部材5がエンドプレート4に、芯材2の軸方向に位置調整自在に螺合することで、接続部材5が最もエンドプレート4寄りに位置したときには、軸部52がエンドプレート4の芯材2側の面から芯材2側に最も突出した状態になる。この関係で、芯材2の少なくともエンドプレート4寄り(軸方向の端部寄り)の区間はエンドプレート4から芯材2側へ突出する軸部52と芯材2との衝突を回避するために、エンドプレート4から突出する接続部材5の軸部52を収納し得るよう、軸部52を外周側から包囲する中空断面形状に形成される(請求項1)。
芯材2の少なくともエンドプレート4寄りの区間が接続部材5の軸部52を外周側から包囲する中空断面形状に形成されることで、芯材2の本体(軸方向中心寄りの区間)がH形断面等の開放断面形状の場合にも、エンドプレート4寄りの区間は図1〜図4に示すように開放断面形状ではなく、中空断面形状(閉鎖断面形状)になるため、エンドプレート4から芯材2側へ突出する軸部52と芯材2との衝突が回避される。芯材2が鋼管等の閉鎖断面形状の場合には、前記のように閉鎖断面形状の芯材2はエンドプレート4まで、またはエンドプレート4に近い位置まで連続する。
芯材2の少なくともエンドプレート4寄りの区間が軸部52を外周側から包囲する中空断面形状に形成されていれば、それ以外の区間の断面形状は問われず、前記のように閉鎖断面形状の場合と開放断面形状の場合がある。芯材2のエンドプレート4寄りの区間以外の区間が閉鎖断面形状の場合は、エンドプレート4寄りの区間から同一断面形状のまま、または連続的に断面積が変化しながら連続することもある。中空断面形状と閉鎖断面形状は同義であるが、エンドプレート4寄りの区間とそれ以外の区間の区別のために使い分けている。
芯材2が図1等に示すように芯材2の高さ方向、もしくは幅方向に距離を置いて対向し、平行に配置される2本の芯材構成材21、21から構成される場合には、芯材2のエンドプレート4寄りの区間を中空断面形状に形成するために、芯材構成材21、21と共に閉鎖断面形状の閉鎖断面材23を構成する連結材22、22が対向する芯材構成材21、21間に配置され、両芯材構成材21、21に接合される(請求項2)。連結材22、22は芯材2の幅方向両側、もしくは高さ方向両側に配置され、対向する芯材構成材21、21間に跨る。
なお、芯材2の軸方向の両端部がエンドプレート4、4に接合(溶接)される場合には、芯材2のエンドプレート4寄りの区間である閉鎖断面材23の軸方向の端部もエンドプレート4に接合されるため、図1、図2に示すように閉鎖断面材23を構成する芯材構成材21、21と連結材22、22のエンドプレート4側の端部がエンドプレート4に接合される。
対向する芯材構成材21、21間に連結材22、22が配置される場合(請求項2)、芯材構成材21と連結材22は主に鋼材であるため、連結材22は基本的には溶接により芯材構成材21に接合され、閉鎖断面材23が構成される。ここで、芯材構成材21、21と共に閉鎖断面材23を構成する連結材22の、芯材2軸方向中心寄りの端部(端面)は芯材2の断面が変化する箇所であり、芯材2の全長の内、相対的にヒンジが形成され易い箇所であるため、芯材2が軸方向圧縮力の負担により曲げ変形を起こし易い。
芯材2が対向する2枚の芯材構成材21、21から構成される場合には、連結材22、22は図3に示すように芯材構成材21、21を幅方向に挟み込む状態で、または図11に示すように芯材構成材21、21に厚さ方向に挟み込まれる状態で芯材構成材21、21に溶接される(請求項4)。ここで、閉鎖断面材23を構成する対向する芯材構成材21、21間距離、または連結材22、22間距離には閉鎖断面材23内に配置される後述の包囲材7(請求項3)が納まるような寸法が確保される。
芯材構成材21の幅は芯材2を座屈に有利な形にする上では小さい方がよく、芯材構成材21の幅を抑えながら、閉鎖断面材23内に包囲材7を納めた上で、連結材22を芯材構成材21に溶接しようとすれば、図3に示すように連結材22、22を芯材構成材21、21の幅方向両側から挟み込み、芯材構成材21、21に溶接することになる。
一方、対向する連結材22、22間距離が包囲材7の外法(外径)によって決まり、例えば図11に示すように連結材22、22を対向する2枚の芯材構成材21、21間に厚さ方向に挟み込むように芯材構成材21と連結材22を組み合わせざるを得ないような場合には、連結材22を芯材構成材21に溶接する上で、芯材構成材21、21の幅方向両側に連結材22、22の溶接のための溶接代を形成することが必要になることがある。この溶接代は必ずしも連結材22の軸方向の全長に亘って形成される必要はなく、少なくとも連結材22の軸方向の全長の内、芯材構成材21のエンドプレート4寄りの区間に形成されればよい。この「溶接代」は後述の「拡幅部21a」である(請求項5)。
このように連結材22、22が芯材構成材21、21に溶接された区間の芯材構成材21、21の幅方向両側に、幅が軸方向中心寄りの区間の幅より大きい溶接代としての拡幅部21aが形成された場合(請求項5)には、芯材2のエンドプレート4寄りの区間である、後述の塑性化可能区間を除く弾性区間における芯材2の断面積が増すため、結果的にこの弾性区間の曲げ剛性が増大し、芯材2の耐力安全率が向上する利点がある。
連結材22(閉鎖断面材23)に十分な軸方向の長さを与えることができる場合には、芯材2の断面の変化箇所である連結材22の、芯材2軸方向中心寄りの端部が芯材2の軸方向中心寄りに位置することで、芯材2の断面の変化箇所でのヒンジの形成による芯材2の折れ曲がり変形が生じにくくなる。この関係で、連結材22、22の軸方向の全長を芯材構成材21、21に溶接することもある。このことは、連結材22、22が図3に示すように芯材構成材21、21を幅方向に挟み込む場合と、図11に示すように芯材構成材21、21に厚さ方向に挟み込まれる場合のいずれにおいても想定される。
これに対し、連結材22(閉鎖断面材23)に十分な軸方向の長さを与えることができない場合には、連結材22、22は軸方向の全長の内、芯材構成材21のエンドプレート4寄りの区間において2枚の芯材構成材21、21に溶接され、軸方向中心寄りの区間においては芯材構成材21、21には溶接されない方がよい(請求項4)。このことは、連結材22、22が図3に示すように芯材構成材21、21を幅方向に挟み込む場合と、図11に示すように芯材構成材21、21に厚さ方向に挟み込まれる場合のいずれにおいても想定される。
この場合、芯材2の断面の変化箇所である連結材22の、芯材2軸方向中心寄りの端部は連結材22が十分な軸方向の長さを有する場合より芯材2のエンドプレート4寄りに位置する。連結材22、22の全長は図4−(b)、図7−(b)に示すように拘束材3内に埋設されることで、芯材2の断面の変化箇所でのヒンジの形成による芯材2全体の折れ曲がり変形時に、連結材22、22は曲げモーメントが大きくなる軸方向中心寄りの、芯材構成材21、21に溶接されない区間において曲げモーメントに対する抵抗力を発揮することにより芯材構成材21の面外方向の変形を抑制する働きをする。
連結材22、22の軸方向中心寄りの区間は曲げモーメントに対する抵抗力を発揮しながらも、図10−(a)、(b)に示すように芯材構成材21、21に溶接されないことで、芯材2の塑性化可能区間を長く確保する働きもする。図10−(a)、(b)では連結材22を芯材構成材21に溶接した区間を太線で示している。図10−(a)、(b)で言えば、芯材構成材21の軸方向両側に形成されている拡幅部21a、21aの、軸方向中心寄りの端部間距離が芯材2の塑性化可能区間になる。
また連結材22、22が図3に示すように芯材構成材21、21を幅方向に挟み込む状態で芯材構成材21、21に接合(溶接)される場合には、芯材2の断面の変化箇所でのヒンジの形成による芯材2の折れ曲がり変形時には、芯材構成材21の幅方向に対向する連結材22、22の軸方向端面が拘束材3を割り裂くように変形し、破壊しようとする。これに対し、連結材22、22が図11に示すように芯材構成材21、21に厚さ方向に挟み込まれる状態で芯材構成材21、21に接合(溶接)される場合には、このような破壊が生じにくい。
以上のように連結材22、22は図3に示すように芯材構成材21、21をその幅方向に挟み込む場合と、図11に示すように芯材構成材21、21にその厚さ方向に挟み込まれる場合があるが、連結材22、22が芯材構成材21、21を挟み込む場合には、連結材22が全長に亘って芯材構成材21に溶接される場合と、一部区間においてのみ芯材構成材21に溶接される場合がある。連結材22、22が芯材構成材21、21に挟み込まれる場合(図11)には、上記のように連結材22の全長の内、エンドプレート4寄りの区間でのみ、芯材構成材21に溶接される場合(請求項4、5)の他、連結材22の全長が芯材構成材21に溶接される場合があり、その場合、連結材22の全長に上記拡幅部21aが形成される場合と形成されない場合がある。
芯材2のエンドプレート4寄りの区間が中空断面形状に形成されること(請求項1、2)は、後述のように芯材2の変形(座屈)を防止するための拘束材3(充填材)から軸部52を保護する包囲材7をエンドプレート4の芯材2側の面に接合すること(請求項3)を可能にする意味もある。
包囲材7はエンドプレート4の芯材2側の面に固定され、エンドプレート4から芯材2側へ突出した接続部材5の軸部52を外周側から包囲する(請求項3)。この場合、エンドプレート4から芯材2側へ突出した接続部材5の軸部52が包囲材7に包囲されることで、芯材2の中空断面形状内に充填される拘束材3から保護されるため、拘束材3の充填に拘わらず、接続部材5をエンドプレート4に対する軸方向の移動が自由な状態に保持することができる。
拘束材3はエンドプレート4の芯材2側の面から芯材2側へ突出する接続部材5の軸部52の回りにも充填される。一方、筒状部材6は芯材2が軸方向両側の接続部材5、5(エンドプレート4、4)等から軸方向圧縮力を受けたときの収縮を許容する上で、筒状部材6の軸方向端面とエンドプレート4との間には芯材2の収縮量を見込んだクリアランスが確保される必要があるため、筒状部材6の全長はエンドプレート4、4間距離より小さくなる。
筒状部材6の全長はエンドプレート4、4間距離より小さいが、前記のようにエンドプレート4、4の芯材2側の面には閉鎖断面材23が接合される一方、閉鎖断面材23は芯材2のエンドプレート4寄りの区間に配置され、外周側からは筒状部材6内の拘束材3に拘束される関係で、閉鎖断面材23は閉鎖断面材23を包囲する筒状部材6内に入り込むことになる。結果的に、閉鎖断面材23は筒状部材6とは軸方向に重複し、重複した区間においては図7に示すように閉鎖断面材23の内部と外部に拘束材3が充填される。閉鎖断面材23と筒状部材6が重複することと、閉鎖断面材23の外部と筒状部材6の内周との間に拘束材3が充填されていることで、閉鎖断面材23と筒状部材6の重複区間は芯材2の折れ曲がり変形時に曲げモーメントに抵抗する部分になる。
ここで、芯材2のエンドプレート4寄りの中空断面形状に形成された区間内に、接続部材5のエンドプレート4に対する位置調整前に拘束材3が充填される場合には、エンドプレート4から突出する接続部材5の軸部52が拘束材3中に埋設されることになるため、接続部材5のエンドプレート4に対する位置調整が不可能になる。「位置調整」は軸方向の移動が自在である場合と、軸方向の移動と共に角度調整が自在である場合がある。
そこで、拘束材3のエンドプレート4寄りの区間内への充填が接続部材5の位置調整前である場合には、接続部材5の軸部52を拘束材3から保護し、接続部材5がエンドプレート4に対して自由に移動可能な状態を確保するために、前記のようにエンドプレート4の芯材2側の面に、接続部材5の軸部52を外周側から包囲する中空断面の包囲材7が固定される(請求項3)。芯材2のエンドプレート4寄りの中空断面形状の区間内に拘束材3が接続部材5の位置調整後に充填される場合には、必ずしも軸部52を包囲する包囲材7がエンドプレート4に固定される必要はない。
請求項3ではエンドプレート4の芯材2側の面に軸部52を包囲する中空断面の包囲材7が固定されることで、充填材である拘束材3をエンドプレート4に対する接続部材5の位置調整前に充填する場合にも、接続部材5の芯材2に対する自由な移動(軸方向の移動と任意の軸回りの回転を含む)を確保することが可能になる。
請求項1、2では芯材2の少なくともエンドプレート4寄りの区間が軸部52を包囲する中空断面形状に形成されることで、エンドプレート4の芯材2側の面に固定される包囲材7を中空断面形状の区間内に収納することが可能であり、その結果、中空断面部分内に拘束材3を充填しながらも、拘束材3が包囲材7内に入り込むことを回避し、軸部52を拘束材3から保護することが可能になる。中空断面形状の区間は請求項2では閉鎖断面材23になる。
拘束材3は筒状部材6の内周側に充填されるため(請求項1)、拘束材3は芯材2を外周側から拘束するが、前記した芯材2の断面の変化箇所での芯材2全体の折れ曲がり変形時に、筒状部材6の軸方向の端面に面外力が生じ、この面外力に筒状部材6の端部が抵抗できなくなれば、筒状部材6の端部が塑性変形し、折れ曲がり変形(変形量)が進行(増大)し、芯材2の軸方向力の負担能力が低下する可能性がある。
そこで、図9、図12に示すように筒状部材6の軸方向の端面に筒状部材6の端面を塞ぐ端板61を溶接等により固定することで(請求項6)、筒状部材6の端部の変形を拘束し、端部の塑性変形を生じにくくすることが可能であり、筒状部材6の端面における面外力に対する抵抗力を増し、芯材2の軸方向力の負担能力の低下を抑制することが可能になる。端板61は筒状部材6の軸方向の端面からエンドプレート4側へ突出する芯材2の周囲に配置されるため、「筒状部材6の端面を塞ぐ」とは、筒状部材6の端面の内、芯材2以外の部分を塞ぐことを言う。
端板61は筒状部材6の端面の全周に固定されることで、筒状部材6の端面を周方向に均等に変形に対して安定させ、筒状部材6の端面の周方向の一部が部分的に変形し易い状態がなくなるため、筒状部材6による芯材2の折れ曲がり変形に対する抵抗力を向上させることが可能になる。
前記した芯材2の軸方向の少なくともいずれか一方の端部に接続される接続部材5はそれが接続されるフレーム9等に対し、軸方向に移動自在であることに加え、2方向の回転軸回りに回転自在であれば、3次元の任意の方向のフレーム9等に対する角度調整が可能であるため、例えばクレビスを2方向に組み合わせた自在継手型の形状に形成されることもある。
但し、その場合、3次元の角度調整機能を持たせるための構造が複雑化することから、特許文献1、2と同様に、接続部材5の軸部52を除く本体部51を球体状に形成し、本体部51の外周にフレーム9等に接合される接合材54を配置し、接合材54に、本体部51に対して任意の方向に角度調整自在に本体部51を包囲させることが構成上、効率的である(請求項8)。「球体状」とは、完全な球体と、図5−(a)に示すように球体の一部が切り欠かれた形状も含まれる。この場合、接続部材5の本体部51が球体状になるため、球体(本体部51)と軸部52との間につなぎ部53が位置する。接続部材5は本体部51とつなぎ部53と軸部52からなる軸部材50と、接続部材5の本体部51を保持する接合材54の2部材から構成される。
「球体状の本体部51を角度調整自在に包囲する」とは、接合材54がブレース1の軸方向に対し、ブレース1の軸方向とそれに直交する方向の2方向に任意の角度をなした状態で球体(本体部51)を包囲することを言い、接合材54のフレーム9等側の面はブレース1の軸方向に対して自由な角度でフレーム9等に接合(接続)される。
なお、図5−(a)、(d)に示すようにつなぎ部53の少なくとも軸部52寄りの、軸方向に連続した区間の太さ(外径)が雌ねじ孔4aの内径より小さい場合には、接続部材5が最も芯材2寄りに位置する状態まで軸部52をエンドプレート4の雌ねじ孔4aに螺合させるときに、つなぎ部53の少なくとも軸部52寄りの区間まで雌ねじ孔4a内に進入させることができるため、接続部材5の芯材2に対する軸方向の移動可能距離が特許文献1、2の場合より拡大する利点がある。「つなぎ部53の少なくとも軸部52寄り」とは、つなぎ部53の全長を含む趣旨である。
「雌ねじ孔4aの内径」は雌ねじ孔4aの内周面に形成された雌ねじの内径であり、雌ねじの山の内径であるが、この内径は軸部52の外周面に形成された雄ねじ52aの谷の径と同等(同等以上)であるため、「つなぎ部53の太さが雌ねじ孔4aの内径より小さいこと」は、つなぎ部53の太さ、あるいは外径が雄ねじ52aの谷の径以下であることである。このことは軸部52(雄ねじ52a)の谷とつなぎ部53を軸方向に直交する断面で見たときに、軸部52における雄ねじ52aの谷を通る断面積内につなぎ部53の断面積が完全に納まることでもある。
この場合、雄ねじ52aが切られた軸部52の雌ねじ孔4aへの螺入に伴い、つなぎ部53の少なくとも軸部52寄りの区間が雌ねじ孔4a内に入り込むことができるため、つなぎ部53が雌ねじ孔4aに衝突することがなくなる。結果として接続部材5の芯材2に対する軸方向の移動可能距離が特許文献1、2の場合より拡大し、接続部材5を含めたブレース1全体の調整可能な長さが増大する。
請求項1では芯材の少なくともエンドプレート寄りの区間を接続部材の軸部を外周側から包囲する中空断面形状に形成することで、芯材の本体(軸方向中心寄りの区間)がH形断面等の開放断面形状の場合にも、エンドプレート寄りの区間が開放断面形状ではなく、中空断面形状(閉鎖断面形状)になるため、芯材の断面形状に関係なく、エンドプレートから芯材側へ突出する接続部材の軸部と芯材との衝突を回避することができる。
請求項3ではエンドプレートの芯材側の面に軸部を包囲する中空断面の包囲材を固定するため、充填材である拘束材をエンドプレートに対する接続部材の位置調整前に充填する場合にも、接続部材を芯材に対して自由に移動できる状態に保持することができる。
芯材が距離を置いて対向する芯材構成材からなる場合に、軸方向の端部にエンドプレートが接合された芯材と、エンドプレートに接続される接続部材から構成されたブレースの構成例を示した一部断面立面図である。 (a)は図1の接続部材を除いた芯材のa−a線断面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。 (a)は図2−(a)のc−c線断面図、(b)は図2−(a)のd−d線断面図、(c)は図2−(a)のe−e線断面図である。 (a)は図1のf−f線断面図、(b)は図1のg−g線断面図である。 (a)は図1のエンドプレートと接続部材の接続状態を示した縦断面図、(b)は(a)のy−y線矢視図、(c)は(a)のx−x線断面端面図、(d)はつなぎ部を本体部寄りに形成した場合の接続部材の製作例を示した側面図である。 (a)は図1に示すエンドプレートと包囲材の関係を示した縦断面図、(b)は(a)のz−z線矢視図である。 (a)はブレースの構成例を示した一部切断斜視図、(b)は芯材と連結材及び筒状部材の関係を示した斜視図である。 (a)はブレースが架設される隣接するフレームと構造物を示した立面図、(b)は(a)の平面図である。 芯材を包囲する筒状部材の軸方向の端面に端板を固定し、芯材構成材のエンドプレート寄りの区間に拡幅部を形成し、芯材構成材間に拡幅部の長さより大きい長さの連結材を固定したブレースの構成例を示した立面図である。 (a)は図9の接続部材を除いた芯材のa−a線断面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。 図10に示す芯材の芯材構成材と連結材の関係を示した斜視図である。 (a)は図9のc−c線断面図、(b)はd−d線断面図、(c)はe−e線断面図である。 (a)は図10−(a)のf−f線断面図、(b)はg−g線断面図、(c)はh−h線断面図、(d)はi−i線断面図である。 (a)は図1に示すブレースの筒状部材のエンドプレート寄りに筒状部材の変形を拘束する補剛材を接合した様子を示した一部断面立面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。
図1は柱・梁のフレーム9、もしくは図8に示すような隣接する構造体10、10間に架設され、フレーム9の、もしくは構造体10、10間の相対変形時に軸方向力を負担する芯材2と、芯材2の少なくとも外周面側に充填されて芯材2の変形を拘束する拘束材3とを備え、芯材2が軸方向力として圧縮力を負担したときの座屈が拘束された座屈拘束型ブレース(以下、ブレース)1の製作例を示す。フレーム9の相対変形は層間変形のことを言う。
拘束材3としては芯材2の断面形状に関係なく、芯材2の変形を防止することが可能なモルタルや接着剤等の充填材が使用される。図面では芯材2の軸方向端部寄りの区間を除いた中間部の区間を後述のように対向する2枚の芯材構成材21、21から開放断面形状に形成し、端部寄りの区間を芯材構成材21、21とこれらをつなぐ連結材22、22から中空断面形状に形成していることから、拘束材3は各芯材構成材21の周囲に充填されることにより芯材構成材21の変形を外周側と内周側から拘束する。連結材22、22は芯材構成材21、21には主に溶接によって接合される。
拘束材3が芯材構成材21を外周側から拘束することができるよう、芯材構成材21の外周側に充填される拘束材3の外周側には、芯材2の軸方向の端部を除き、拘束材3を外周側から拘束するための閉鎖断面形状の筒状部材6が配置される。拘束材3は筒状部材6内に充填される。
芯材2の軸方向の少なくともいずれか一方の端部には、図1、図5−(a)に示すように雌ねじ孔4aを有するエンドプレート4が溶接等により接合され、エンドプレート4の雌ねじ孔4aに、外周面に雄ねじ52aが形成された軸部52を有する接続部材5の軸部52が、その軸方向の位置が調整自在に螺合する。図面では芯材2の軸方向両端側に、接続部材5が接続されたエンドプレート4が接合されているが、エンドプレート4は軸方向の一方側にのみ接合される場合もある。
接続部材5は軸部52に形成された雄ねじ52aの雌ねじ孔4aへの螺合位置が調整されることで、エンドプレート4に対する軸方向の位置が調整され、接続部材5を含めたブレース1の軸方向の長さが調整される。雄ねじ52aは軸部52の全長に形成される場合と一部に形成される場合がある。
軸部52の雄ねじ52aがエンドプレート4の雌ねじ孔4aに螺合している状態での接続部材5の安定性は雄ねじ52aが雌ねじ孔4aの軸方向の全長に亘って螺合しているときが最も高い。また雄ねじ52aの形成区間の長さの範囲で軸部52はエンドプレート4に軸方向に移動自在で、ブレース1の長さが調整されるため、接続部材5の安定性を確保しながら、接続部材5のエンドプレート4に対する移動可能な距離を稼ぐ上では、軸部52の、少なくとも雄ねじ52aの形成区間にはエンドプレート4の厚さより大きい距離が与えられる。
この雄ねじ52aの形成区間がエンドプレート4の厚さより大きい場合、接続部材5の軸部52は接続部材5がエンドプレート4に対し、最も芯材2の軸方向両側寄りであるフレーム9、もしくは構造体10側に位置したとき以外のときには、軸部52がエンドプレート4の芯材2側の面から芯材2側へ突出した状態になる。この関係で、芯材2のエンドプレート4寄りの区間は図3−(a)に示すようにエンドプレート4から突出した軸部52との干渉が生じないよう、軸部52を外周側から包囲する中空断面形状に形成される。
図面では接続部材5の軸部52と、軸部52を除いた本体部51との間に位置するつなぎ部53の少なくとも軸部52寄りの、軸方向に連続した区間の太さ(外径)を図1における接続部材5部分の拡大断面図である図5−(a)、(d)に示すように雌ねじ孔4aの内径より小さく設定しているが、必ずしもその必要はなく、つなぎ部53の太さは雌ねじ孔4aの内径以上であることもある。
図5−(a)、(d)に示す例の場合、軸部52が最も芯材2側に移動したときに、つなぎ部53がエンドプレート4に接触することがなく、つなぎ部53が軸部52のエンドプレート4側への移動量を制限しない利点がある。「つなぎ部53の太さが雌ねじ孔4aの内径より小さい」とは、つなぎ部53を円形断面であるとみなしたときのつなぎ部53の外径が、雌ねじ孔4aの内周面に形成された雌ねじの内径より小さいことであり、雌ねじに螺合する雄ねじ52aの谷の径以下であることを言う。
つなぎ部53は図5−(a)のx−x線断面端面図である図5−(c)に示すように外周側からスパナ等の工具8を用いて軸回りに回転させられることにより軸部52をエンドプレート4の雌ねじ孔4aに螺合させたまま、軸部52のエンドプレート4に対する螺合位置を調整する役目を持つため、つなぎ部53の軸方向の長さは少なくとも工具8が本体部51と軸部52との間に差し込めるだけの大きさがあればよい。
つなぎ部53は工具8に把持される関係から、軸に直交する方向の断面形状は非円形になるが、図5−(c)に示すように周方向の一部を円弧にすることはできるため、例えばこの円弧の部分の、軸の中心からの距離を軸部52の外径と等しくし、円弧部分に軸部52に連続する雄ねじを形成すれば、つなぎ部53をほぼ、軸部52の一部として利用することも可能である。但し、その場合、つなぎ部53の軸方向の一部を雌ねじ孔4aに螺合させたときに、エンドプレート4と本体部51との間に工具8を差し込めるだけの距離が確保される必要がある。つなぎ部53の外周面の、工具8に把持される部分は工具8の把持部の形状に応じて平面状等に形成される。
芯材2の構成(形態)は問われず、芯材2にはH形鋼や角形鋼管等が使用されることもあるが、図面では上記のようにエンドプレート4を厚さ方向に貫通する接続部材5の軸部52がエンドプレート4から芯材2側へ突出する関係で、この軸部52との衝突を回避するために、芯材2の軸方向の端部(エンドプレート4寄り)の区間を中空断面形状に形成することに適する形に芯材2を形成している。
具体的には芯材2の軸方向の端部区間を除き、芯材2の高さ方向、もしくは幅方向に対向するプレート状の2枚等、複数枚の芯材構成材21、21から芯材2を構成し、芯材2を開放断面形状に形成している。このように軸方向の端部以外の区間をH形鋼のフランジに相当する芯材構成材21、21から構成することで、芯材構成材21、21を利用して軸方向の端部の区間を中空断面形状に形成することが可能になっている。ブレース1の全体の様子を示す図1の内、軸方向両端部の接続部材5、5と上記の筒状部材6を除いた芯材2のみを示す図2−(a)における芯材2の軸方向の端部以外の区間であるe−e線の断面図を図3−(c)に示している。図2−(a)は図1のa−a線の断面図から筒状部材6を省略した様子を示している。
図1に示すブレース1の製作例の場合、芯材2の軸方向の端部以外の区間は平行に配置された芯材構成材21、21から構成される。芯材2のエンドプレート4寄りの区間においては図7−(b)に示すようにエンドプレート4まで連続する芯材構成材21、21が対向する方向に直交する方向の両側寄りに配置される連結材22、22が両芯材構成材21、21に溶接等により接合されることにより両芯材構成材21、21を互いにつなぎ、連結材22、22が芯材構成材21、21と共に中空断面形状(箱形断面形状)の閉鎖断面材23を構成している。図2−(a)における芯材2の軸方向の端部区間であるd−d線の断面図を図3−(b)に示している。
前記のように拘束材3は少なくとも芯材2の外周面側への充填時に流動性を有する充填材であることから、開放断面形状の芯材2の外周側には拘束材3のせき板となり、拘束材3を包囲する閉鎖断面形状の筒状部材6が配置され、図7−(a)に示すように筒状部材6内に拘束材3が充填される。芯材2の端部以外の区間は図2に示すように平行に配置された芯材構成材21、21から開放断面形状に形成されているため、拘束材3は筒状部材6内で各芯材構成材21を埋設するように充填される。
筒状部材6の軸方向端面は前記のように芯材2が軸方向圧縮力を負担したときの収縮に備えてエンドプレート4との間に間隔を確保する必要から、図面では図1、図7−(a)に示すように筒状部材6の端面をエンドプレート4、4に到達させず、閉鎖断面材23の区間に位置させている。筒状部材6は芯材2の軸方向の端部を除き、芯材2の外周側に配置される。芯材2のエンドプレート4寄りの区間である閉鎖断面材23の区間内では、図7−(b)に示すように閉鎖断面材23の内部に拘束材3が充填される。筒状部材6の端面はエンドプレート4には到達していないため、筒状部材6内で、閉鎖断面材23の外周側に充填される拘束材3は筒状部材6の端面まで充填されれば足りる。
閉鎖断面材23内に充填される拘束材3の充填領域はエンドプレート4の芯材2側の面で区画されるため、エンドプレート4の芯材2側の面から突出する接続部材5の軸部52が、接続部材5のエンドプレート4に対する位置調整前に充填される場合の拘束材3内に埋設されないよう、エンドプレート4の芯材2側の面には、図2、図6−(a)に示すように接続部材4の軸部52を外周側から包囲し、拘束材3から保護する中空断面の包囲材7が固定される。
包囲材7は図6−(a)、(b)に示すように軸部52を外周側と、芯材2側から包囲できる底付きの筒形の形状であればよく、軸に直交する方向の断面積は軸部52が収納可能な大きさがあればよく、筒の形状は問われない。包囲材7の軸方向の高さは軸部52が最も芯材2側に位置したときに軸部52の軸方向の端面が衝突しない程度の大きさがあればよい。包囲材7は溶接により、または外周にフランジを形成し、フランジを貫通するボルト等によりエンドプレート4の芯材2側の面に接合される。
包囲材7は図1、図2に示すように芯材2のエンドプレート4寄りの区間において閉鎖断面材23に包囲され、閉鎖断面材23内に充填される拘束材3中に軸部52が埋設されないよう、拘束材3から軸部52を保護する役目を持つため、拘束材3は閉鎖断面材23内の、包囲材7の外周に充填される。この関係で、包囲材7は閉鎖断面材23内で占める容積が大きい程、拘束材3の充填量が節減されることになる。
接続部材5の本体部51は直接、もしくは間接的にフレーム9や構造体10に接続される部分であり、フレーム9等に直接、接合されるガセットプレートの形状に応じ、H形断面、もしくは十字形断面等の形状に形成されることもある。また本体部51とフレーム9等との間にクレビスを組み合わせて介在させることで、フレーム9等に任意の回転軸回りに回転自在、すなわち角度調整自在に接続されることもできる。
但し、図面では単純な構造で接続部材5をフレーム9等に角度調整自在に接続することができるよう、図5−(a)に示すように接続部材5を構成する、軸部52を除く本体部51を球体状に形成すると共に、本体部51に、本体部51を角度調整自在に包囲し、フレーム10に接合される接合材54を接続している。この場合、接続部材5は本体部51につなぎ部53と軸部52が軸方向に連続して一体化した軸部材50と、軸部材50から分離し、軸部材50の本体部51に対し、2方向に任意の角度をなして本体部51を包囲する接合材54から構成される。
この場合、軸部材50の本体部51はつなぎ部53から軸方向のフレーム9等側へ連続して球体状に形成され、つなぎ部53から本体部51へ移行する部分を除き、本体部51の多くの部分の表面に接合材54が外接し、本体部51を覆う。本体部51はつなぎ部53から軸方向に連続して形成されることから、接合材54はつなぎ部53との連続部分(移行部分)以外の本体部51を包囲する形状に形成される。
接合材54はつなぎ部53、またはつなぎ部53から本体部51への移行部分を包囲せず、接合材54のエンドプレート4寄りの端面の内周面とつなぎ部53(移行部分)との間には軸部52の径方向に空隙が確保される。この径方向の空隙の確保により、接合材54の内周面とつなぎ部53の外周面との間の距離分、本体部51に対して自由に回転(角度調整)できる状態になる。
本体部51は完全な球体に形成されることもあるが、図示する例では図5−(a)に示すように球体の一部を平坦面51aに切り欠いた不完全な球体状に形成し、本体部51の材料を節減している。この場合、本体部51の平坦面51aと接合材54との間に空隙を確保することで、本体部51の一部を平坦面51aに形成しながらも、接合材54に対する本体部51の自由な回転(角度調整)を可能にしている。
図5−(b)は(a)をy−y線の向きに見たときの、接合材54のエンドプレート4側の端面の様子を示す。ここに示すように接合材54は軸部材50の本体部51を軸方向のエンドプレート4側から包囲する受け部541と、本体部51を軸方向のフレーム9等側から押さえ込み、受け部541と共に本体部51を軸方向に挟持する押さえ部542の2部材から構成されている。受け部541と押さえ部542のいずれかには接合材54をフレーム9等に接合するためのフランジ541aが形成され、このフランジ541aに(c)に示すように接合材54をフレーム9等に接合するためのボルトが挿通する挿通孔541bが形成される。
上記のように本体部51は球体の一部を平坦面51aで切り欠いた不完全な球体状に形成可能であることから、図5−(d)に示すように本体部51の軸部52寄りに、球体の一部を軸方向に直交する平面等に平行に切り欠いた平坦面51aを形成することで、本来、本体部51(球体)があるべき軸部52寄りの一部につなぎ部53を形成することができ、図5−(a)におけるつなぎ部53の部分にまで軸部52を形成することができる。この結果、エンドプレート4に対する接続部材5の軸方向の移動可能距離が増大するため、ブレース1の全長の調整可能な範囲を一層、拡大することが可能になる。
図8は水平方向に距離を置いて対向するフレーム9と構造体10間にブレース1を架設した場合の架設例を示す。構造体10は前記のように柱・梁からなるフレーム9である場合と、フレーム9を構成しない躯体である場合があり、フレーム9は図8に示すように構造体10の一部である場合もある。ここではブレース1を柱・梁からなるフレーム9と構造体10との間に平面上、フレーム9において互いに交差させて水平に架設し、両端部である接続部材5、5の芯材2に対する軸方向の位置を調整し、接合材54、54の芯材2に対する水平及び鉛直の2方向の角度を調整した状態で接合材54、54をフレーム9等に接続(接合)した様子を示している。
図9は図10−(b)、図11に示すように図1の例における芯材2のエンドプレート4寄りの区間において連結材22、22を対向する2枚の芯材構成材21、21間に厚さ方向に挟み込んで芯材構成材21、21に溶接する場合に適した形のブレース1の構成例を示す。ここでは、対向する連結材22、22の両外側の面(対向する面の反対側の面)で芯材構成材21、21の幅方向両側に溶接できるよう、芯材構成材21、21の幅方向両側に、対向する連結材22、22の両外側の面より外側へ張り出す溶接代としての拡幅部21aを形成している。
連結材22、22が軸方向に芯材構成材21の全長に亘る長さを持たない場合、連結材22、22の軸方向全長の内、芯材21中心寄りの区間は芯材21の塑性化可能区間を長く確保する機能を発揮し得る。この機能の発揮のために、連結材22、22は軸方向の全長の内、少なくともエンドプレート4寄りの区間で拡幅部21aに溶接され、芯材21中心寄りの区間は溶接されない方が有利になる。この関係で、連結材22、22が軸方向の一部区間において芯材構成材21、21に溶接される場合には、芯材構成材21、21のエンドプレート4寄りの区間において芯材構成材21、21に溶接され、拡幅部21aは連結材22、22の溶接のために形成されるため、拡幅部21aは芯材構成材21、21のエンドプレート4寄りの区間に形成される。
連結材22、22が芯材構成材21の全長分の長さを持たない場合、芯材構成材21の中心寄りでは、連結材22、22が芯材構成材21、21間に挟まれた区間において芯材構成材21、21から分離しながらも、芯材2に生じる折れ曲がり変形時の曲げモーメントに抵抗し得るよう、連結材22、22の軸方向には拡幅部21aの長さより大きい長さが与えられ、連結材22、22は拡幅部21aの区間でのみ拡幅部21aに溶接される。連結材22は軸方向には拡幅部21aの区間より長く、芯材構成材21に対しては幅方向両側の拡幅部21a、21aの区間に溶接され、拡幅部21a、21aのない区間では溶接されない。
図9に示す例では芯材構成材21のエンドプレート4寄りの拡幅部21aと拡幅部21aのない中心寄りの区間に亘って図13−(a)〜(c)に示すように対向する芯材構成材21、21間で連結材22、22を挟持しながら、拡幅部21aの区間において連結材22、22を芯材構成材21、21に溶接することができる。結果として、芯材2の折れ曲がり変形時に、連結材22、22は軸方向中心寄りの芯材構成材21、21に溶接されない区間において曲げモーメントに対する抵抗力を発揮し、芯材構成材21の面外方向の変形を抑制することができる。
また連結材22、22の軸方向の全長の内、エンドプレート4寄りで芯材構成材21、21に溶接される一方、軸方向中心寄りでは芯材構成材21、21に溶接されないことで、芯材2の折れ曲がり変形時に、溶接されない区間において芯材構成材21、21間で芯材構成材21、21から分離しながらも、曲げモーメントに抵抗し得ることで、芯材2の塑性化可能区間を長く確保するため、連結材22、22の軸方向端面が拘束材3を割り裂くように変形し、破壊しようとすることが生じにくくなっている。
図10、図11はまた、連結材22の全長の内、軸方向中心寄りの端部から拡幅部21aまでの区間を芯材構成材21に溶接せず、拡幅部21aの軸方向中心寄りの端部からエンドプレート4までの区間(拡幅部21aの形成区間)を溶接した様子も示している。図10−(a)、(b)中、連結材22と芯材構成材21の境界線を示す直線の内、太線が溶接箇所を示している。
拡幅部21aの区間より長い連結材22の全長を芯材構成材21に溶接すると、芯材2が軸方向圧縮力を受けて塑性化し得る軸方向中心寄りの塑性化可能区間が短縮され、塑性化によるエネルギ吸収能力が低下する可能性がある。これに対し、連結材22の軸方向中心寄りの端部から拡幅部21aの軸方向中心寄りの端部までの区間を溶接しないことで、芯材2の塑性化可能区間を長く確保することができるため、芯材2に塑性化を発生させ易くなり、エネルギ吸収能力を高め易くなる利点がある。
図9は筒状部材6内に充填される拘束材3が芯材2に対する変形拘束効果を発揮するときの安定性を高めるために、図12に示すように筒状部材6に、図1(図4)に示す例の角形鋼管に代え、断面性能に方向性のない円形鋼管を使用した場合の例を示している。
図9はまた、芯材2を包囲する筒状部材6の軸方向の端面に端板61を固定し、開放している筒状部材6の端面の芯材2以外の部分を閉塞した場合の例も示している。端板61は図9のe−e線断面図である図12−(c)に示すように筒状部材6の端面からエンドプレート4側へ突出する芯材2が挿通可能な開口61aを有し、芯材2を周囲から包囲した状態で筒状部材6の端面に溶接等により固定(接合)される。この場合、端板61が筒状部材6の端面を塞ぎ、筒状部材6の端部の変形を拘束することで、筒状部材6の端部の塑性変形を生じにくくし、筒状部材6による芯材2の折れ曲がり変形に対する抵抗力の向上を図ることができる。端板61には筒状部材6内に充填される拘束材3の充填時の充填領域を区画するせき板の役割もある。
図14は図1に示す筒状部材6のエンドプレート4寄りに筒状部材6の面外方向の変形を拘束する補剛材62を接合した場合のブレース1の構成例を示す。筒状部材6が芯材2の曲げ変形を拘束するときには、芯材2からの反力は軸方向端部寄りで大きくなり、筒状部材6が変形し易くなるため、筒状部材6のエンドプレート4寄りに補剛材62を配置することが合理的である。図14では筒状部材6に角形鋼管を使用していることに対応し、(b)に示すようにL形断面の補剛材62を筒状部材6の断面上の隅角部に配置し、溶接等により接合している。
1……座屈拘束型ブレース、
2……芯材、
21……芯材構成材、21a……拡幅部、
22……連結材、23……閉鎖断面材、
3……拘束材、
4……エンドプレート、4a……雌ねじ孔、
5……接続部材、50……軸部材、
51……本体部、51a……平坦面、
52……軸部、52a……雄ねじ、
53……つなぎ部、
54……接合材、541……受け部、541a……フランジ、541b……挿通孔、542……押さえ部、
6……筒状部材、61……端板、61a……開口、62……補剛材、
7……包囲材、
8……工具、
9……フレーム、10……構造体。

Claims (7)

  1. 柱・梁のフレーム、もしくは隣接する構造体間に架設され、前記フレームの、もしくは前記構造体間の相対変形時に軸方向力を負担する芯材と、この芯材の少なくとも外周面側に充填されて前記芯材の変形を拘束する拘束材とを備え、前記芯材の軸方向の少なくともいずれか一方の端部に、雌ねじ孔を有するエンドプレートが接合され、このエンドプレートの前記雌ねじ孔に、外周面に雄ねじが形成された軸部を有する接続部材の前記軸部が、その軸方向の位置が調整自在に螺合した座屈拘束型ブレースであり、
    前記芯材の少なくとも前記エンドプレート寄りの区間は前記接続部材の軸部を外周側から包囲する中空断面形状に形成され、前記芯材の軸方向の端部を除き、前記芯材の外周側に閉鎖断面形状の筒状部材が配置され、この筒状部材内に前記拘束材が充填され
    前記中空断面形状の区間は前記筒状部材と軸方向に重複し、この重複区間の前記中空断面形状の区間の内部と外部に前記拘束材が充填されていることを特徴とする長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  2. 前記芯材は複数枚の芯材構成材を備える開放断面形状をし、前記芯材の前記エンドプレート寄りの区間は前記芯材構成材と共に閉鎖断面形状の閉鎖断面材を構成する連結材が隣接する前記芯材構成材間に配置され、両芯材構成材に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  3. 前記エンドプレートの前記芯材側の面に、前記接続部材の前記軸部を外周側から包囲する中空断面の包囲材が固定されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  4. 柱・梁のフレーム、もしくは隣接する構造体間に架設され、前記フレームの、もしくは前記構造体間の相対変形時に軸方向力を負担する芯材と、この芯材の少なくとも外周面側に充填されて前記芯材の変形を拘束する拘束材とを備え、前記芯材の軸方向の少なくともいずれか一方の端部に、雌ねじ孔を有するエンドプレートが接合され、このエンドプレートの前記雌ねじ孔に、外周面に雄ねじが形成された軸部を有する接続部材の前記軸部が、その軸方向の位置が調整自在に螺合した座屈拘束型ブレースであり、
    前記芯材の少なくとも前記エンドプレート寄りの区間は前記接続部材の軸部を外周側から包囲する中空断面形状に形成され、前記芯材の軸方向の端部を除き、前記芯材の外周側に閉鎖断面形状の筒状部材が配置され、この筒状部材内に前記拘束材が充填され、
    前記芯材は対向する2枚の芯材構成材を備える開放断面形状をし、前記芯材の前記エンドプレート寄りの区間は前記芯材構成材と共に閉鎖断面形状の閉鎖断面材を構成する連結材が隣接する前記芯材構成材間に配置され、両芯材構成材に接合され、
    前記連結材は対向する前記2枚の芯材構成材間に挟まれ、軸方向の全長の内、前記芯材構成材の前記エンドプレート寄りの区間において前記2枚の芯材構成材に溶接されていることを特徴とする長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  5. 前記連結材が前記芯材構成材に溶接された区間の前記芯材構成材に、幅が軸方向中心寄りの区間の幅より大きい拡幅部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  6. 前記筒状部材の軸方向の端面の、前記芯材の周囲に前記筒状部材の端面を塞ぐ端板が固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
  7. 前記接続部材の前記軸部を除く本体部は球体状をし、この本体部の外周を、前記フレーム、もしくは前記構造体に接合される接合材が前記本体部に対して任意の方向に角度調整自在に包囲していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の長さ調整機能付き座屈拘束型ブレース。
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