以下、図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。
図1は、実施形態に係る映像信号送受信システムの概要の一例を示す。
映像信号送受信システム1は、送信側機器(以下送信機とする)3及び受信側機器(以下受信機とする)5を含む。送信機3は、例えば空間波(地上波を用いる通常放送、放送衛星(Broadcasting Satellite)を通じて放送されるBS放送または通信衛星(Communication Satellite))である伝送路101により番組すなわち基準映像情報及び送信機3が送信する番組に関連のある情報、例えば拡張映像情報を送信する。受信機5は、送信機3が送信する番組(基準映像情報)と拡張映像情報とを受信する。
伝送路は、信号を伝送するための帯域及び回線等であり、伝送路内に複数の伝送路を含む場合もある。伝送路101は、例えば2つの伝送路を含む。
送信機3は、入力される基映像(基映像信号)に種々の情報を付帯させて番組(コンテンツ)を生成し、映像信号として送信する。基映像は、撮像装置、例えば、カメラで撮像される高画質映像(第1の高画質映像信号)である。送信機3は、番組を所定の変換方式で変換した信号を伝送路101に含まれる2つの伝送路の夫々に出力する。このとき、送信機3は、それぞれの伝送路に出力する信号を各々の変換方式に対応する異なる伝送方式で伝送する。例えば、送信機3は、入力された基映像からHD(2K)映像(画像)すなわち基準映像信号と、4K映像用のHD映像の補完映像(画像)すなわち拡張映像信号とを生成する。送信機3は、基準映像信号及び拡張映像信号を各々を互いに異なる伝送路及び/又は伝送方式で伝送(送信)する。
送信機3は、SHVC(Scalable High efiiciency Video Coding)符号化方式をHD(High Definition)放送に適用して構成されている。
受信機5は、衛星及び/又は地上波(地上デジタル放送)放送によって送信機3から配信されるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示する。受信機5で受信され、表示されるコンテンツの内、メインチャンネルとしての映像及びその映像の表示信号(第1の表示信号)を、メインチャンネル、メインサービス、メインチャンネルTS(Transport Stream)、主映像信号、HD映像信号、HD放送信号、2K映像信号現行サービス、及び現行放送信号などと称し、サブチャンネルとしての映像及びその映像の表示信号(第2の表示信号)を、サブチャンネル、サブサービス、サブチャンネルTS、高画質映像信号、4K映像信号、4K放送信号、拡張サービス、及び拡張放送信号などと称する場合もある。
受信機5は、例えば、テレビジョン(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、ホームサーバ、及びレコーダ等である。本実施形態において、受信機5は、2K(2K1K)、4K(4K2K)、及び/又は、8K(8K4K)対応TVである。以下で、説明の便宜上、受信機5は、2K/4K対応TVとして記載する。
図2は、実施形態に係る電子機器、例えばテレビジョン放送受信装置やレコーダ装置である受信機(SHVC受信機)5の一例を示す。なお、以下に説明する要素や構成は、マイクロコンピュータ(処理装置、CPU(Central Processing Unit))によりソフトウェアで実現するものであってもよいし、ハードウェアで実現するものであってもよい。
また、以下の記載において、番組は、ストリームあるいはコンテンツもしくは情報と称する場合もある。なお、番組は、映像及び映像に付属する音声や音楽からなる。また、映像は、動画と静止画またはテキスト(コード化された符号列で示される文字や記号等で表される情報)の少なくとも1つを含む。
SHVC受信機5が記録する番組の取得は、番組供給元(放送局)が、例えば空間波(電波)を用いて送信する放送の受信により実現できる。番組の取得はまた、番組配信元(配信事業者)が、光ファイバ(ケーブル)やインターネット・プロトコル(Internet Protocol)通信網、等のネットワークを用いて配信するものの取得であってもよい。番組の取得はまた、ネットワーク上の番組提供元(コンテンツサーバ)が保持するストリーミング映像(ストリーム)の読み出し(ダウンロード)であってもよい。またさらに、番組の取得(再生)は、ネットワーク機能を使用する映像転送技術(他の装置が保持する番組のネットワークを経由した再生(取得)によっても、可能である。
図2が示すSHVC受信機5は、第1チューナ1−1、第2チューナ1−2、第3のチューナ1−3、第1Demux(第1多重信号分離部)1−4、番組(コンテンツ)記憶部(HDD)1−5、第2Demux(第2多重信号分離部)1−6、STC(System Time Clock)再生部1−7、現在広く普及している受信機を用いたHDTV放送の映像に対応する基準映像信号をバッファするレイヤ0バッファ(Layer 0 Buffer)1−8、PSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)取得部1−9、第1デコーダ(MPEG−2デコーダ)1−10、復調部(MEPG−2)1−10a、フレームバッファメモリ(FB)1−10b、第1異常検出部1−11、トップフィールド(Top Field)メモリ1−12、ボトムフィールド(Bottom Field)メモリ1−13、IP(Interlaced−Progressive)変換部1−14、色変換/スケーリング部1−15、第1バッファ(Buffer A)メモリ1−16、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大部1−17、スケーリング部1−18、第2異常検出部1−19、スケーリング/色変換部1−20、セレクタ1−21、グラフィックス重畳部1−22、TCP(Transmission Control Protocol)/IP・UDP(User Datagram Protocol)/IP制御部1−23、録画再生/放送再生セレクタ1−26、例えば4K映像と呼ばれる水平方向解像度が3840、垂直方向解像度が2160である高解像度映像から基準映像と同一の成分を除いて圧縮し、符号化した拡張映像信号をバッファするレイヤ0バッファ(Layer 1 Buffer)メモリ1−27、第2デコーダ(SHVCデコーダ)1−28、復調部(SHVC)1−28a、DPB(Decoded Picture Buffer)メモリ1−28b、フィルタ1−28c、第2バッファ(Buffer B)メモリ1−30、CPU(Central Processing Unit,主制御部)1−31、不揮発性メモリ(Non Volatility Memory)1−32、Mux(多重化部)1−33、制御入力受信部1−34、等を含む。
第1チューナ1−1は、SHVC(Scalable High efiiciency Video Coding)標準に準拠する放送信号のうち、HDTV(水平方向の画素数が1920(または1440)、垂直方向の画素数が1080)放送に対応する信号(2K信号、以下基準映像信号と称する)と分離された拡張ストリームすなわち拡張映像情報を受信する。なお、拡張映像情報は、基準映像信号(2K信号)に比較して画素数が4倍(3840×2160)の4K放送と称される高解像度映像放送に対応する映像信号を含む。また、SHVC標準に準拠した拡張映像情報は、例えば放送衛星(Broadcasting Satellite)を通じて放送されるBS放送または通信衛星(Communication Satellite)を経由して提供されるCS放送において伝送されている。すなわち、第1チューナ1−1は、主としてBS放送/CS放送を受信する。なお、拡張映像情報は、後段に説明するTCP(Transmission Control Protocol)/IP・UDP(User Datagram Protocol)/IP制御部1−23を経由する放送波以外の伝送方式によって提供されることも可能である。
第2チューナ1−2及び第3チューナ1−3は、基準映像信号(2K信号)を受信する。なお、第2チューナ1−2は、第1チューナ1−1と同様、主としてBS放送/CS放送を受信する。従って、第2チューナ1−2にて基準映像信号を受信し、第1チューナ1−1にてSHVC標準に準拠する拡張映像信号を受信して、両者を合成することで、SHVC標準に準拠する高解像度映像放送(4K放送)を受信し、再生できる。なお、個々のチューナ1−1,1−2,1−3は、復調部を含むものとする。
図2が示すSHVC受信機5においては、基準映像信号を第2チューナ1−2もしくは第3チューナ1−3で受信する。
<<レイヤ(Layer 0)のデコード>>
第2Demux(第2多重信号分離部/TS−Demux)1−6が、第2チューナ1−2または第3チューナ1−3が受信し、復調した基準映像信号のトランスポートストリーム(TS)から、Video(映像)信号、Audio(音声)信号及び、さまざまな制御情報(システムクロックを含む)やEPG(電子番組表)のための文字情報、等を取り出す。
レイヤ0バッファ(Layer 0 Buffer)1−8は、第2Demux1−6にて取り出したVideo(映像)信号及びAudio信号(音声)、他、例えば色域情報を保持する。
STC再生1−7は、第2Demux1−6で取り出した時間情報からシステムタイムクロック(STC)を再生する。
PSI,SI取得部1−9は、第2Demux1−6にて分離された信号からPSI(Program Specific Information),SI(Service Information)を取り出す。
MPEG2デコーダ1−10は、復号部1−10aとFB(Frame Buffer(フレームバッファ)1−10bとを含み、復号部1−10aにおいてレイヤ0バッファ1−8が保持するVideo(映像)信号を読み出して復号し、得られた画像をFB(フレームバッファ)1−10bに格納する。
フレームバッファ1−10bが保持する信号は、第1バッファ(Buffer A)1−16に格納され、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17にて、実質的に4K信号相当の高解像度映像すなわち解像度後が3840×2160に変換され、色域が例えばBT709準拠からBT2020準拠に拡大された映像信号に変換される。
<<拡張映像情報(拡張ストリーム)のデコード>>
第1チューナ1−1は、上述したSHVC標準に準拠し、基準映像信号と分離された拡張映像信号を受信する。なお、第1チューナ1−1は、現行のBS放送の変調方式に対応する8PSK復調機能を有する。しかしながら、さらに高いビットレートでの伝送が可能な16APSKに対応する復調機能を有することが好ましい。なお、第2チューナ1−2についても16APSKの復調機能を持たせることは可能であるが、コスト面からは、16APSK復調機能は、第1チューナ1−1のみであっても問題ない。なお、第1チューナ1−1に、16APSKだけでなく8PSKの両方の復調機能を持たせることで、第2チューナ1−2は、8PSKの復調機能があれば十分である。
録画再生/放送再生セレクタ1−26は、第1Demux(第1多重信号分離部)1−4が分離した拡張映像信号を、レイヤ1バッファ(Layer 1 Buffer)1−27に格納する。
第2デコーダ(SHVCデコーダ)1−28は、復調部(SHVC)1−28a、DPB(Decoded Picture Buffer)メモリ1−28b及びフィルタ1−28cを含み、レイヤ1バッファ1−27が保持する拡張映像信号(SHVCエンコーダがエンコードしたスケーラブル)を読み出し、参照に必要なフレームを基準映像信号のフレームバッファ1−10bに要求する。要求するフレームは、MPEG−2(基準映像信号)のストリームに付加されていたPTS(Presentation Time Stamp)を使用して指定される。SHVCデコーダ1−28は、送信機3が含むSHVCエンコーダがエンコードした、例えば4K映像と呼ばれる水平方向解像度が3840、垂直方向解像度が2160である高解像度映像から基準映像と同一の成分を除いて圧縮し、インター予測(動き補償予測)、イントラ予測(画面内予測)、及びレイヤ間予測(画像間予測)の少なくとも1つにより符号化した拡張映像情報と、色変換/スケーリング部1−15によりアップスケーリングされた画像(色変換/スケーリング部1−15の出力画像)をフィルタ1−28cによりフィルタリングし、参照フレームとして用い、基画像に相当する高解像度映像をデコード(復号)する。なお、SHVCデコーダ1−28がデコードする拡張映像情報は、送信機側のSHVCエンコーダにおいて、SHVC符号化方式(スケーラブル符号化方式)によって入力される信号を符号化処理したものである。すなわち、SHVCエンコーダは、予測画像の生成に、インター予測(動き補償予測)、イントラ予測(画面内予測)、及びレイヤ間予測(画像間予測)のいずれかを実行する。SHVC符号化方式では、HEVC(High efiiciency Video Coding)方式で用いられていた画面間予測と画面内予測に加え、現行のHDTV映像を構成する基準レイヤ、例えば、2Kの基準映像信号から高画質映像放送用のTV映像を構成する拡張レイヤ、例えば、4Kの拡張映像を予測するレイヤ間予測が実行される。復号した基準レイヤを高画質にアップコンバートした映像を、予測の候補として利用することが可能であるため、高画質映像、例えば、4K映像を直接圧縮するよりも圧縮効率が良い可能性がある。
SHVCエンコーダから出力される拡張予測画像信号は、入力高画質映像信号及び第1の拡大復号映像信号の各々に含まれる同一の画像を同期させ、第1の拡大復号信号に含まれる画像(参照画像)を参照し、高画質画像(基準レイヤ)と参照画像(拡張レイヤ)とのレイヤ間予測を実行することによって、高画質画像と参照画像とのレイヤ間画像予測により生成される信号である。なお、SHVCエンコーダは、メタデータを拡張画像信号に付加する。SHVCエンコーダはまた、生成した拡張画像信号を所定の時間間隔、且つ時系列に配列し、拡張映像信号を生成し、生成した拡張映像信号にスケーラブル符号化(MPEG−HEVC Video符号化)処理を実行し、スケーラブル符号化する(SHVC符号化)によって符号化処理し、スケーラブル符号化したスケーラブル信号を出力する。
なお、拡張映像信号をデコードする場合、映像の個々のフレームのデコードは、必ずしも表示順で実行するとは限らない。例えば、図9に示すように、MPEG−2規格でいうBフレームは、IフレームとPフレームを参照することから、表示順がIフレーム、Bフレーム、Bフレーム、Pフレームの順番であっても、デコードの順番は、Iフレーム、Pフレーム、Bフレーム、Bフレームとなる。
すなわち、図9に示すように、SHVCのIフレームをデコードするタイミングでMPEG2のフレームデータ(画像)の1枚目を参照し、SHVCのPフレームをデコードするタイミングでMPEG2のフレームデータの4枚目を参照する。以下、SHVCの一つ目(Iフレーム側)のBフレームをデコードするタイミングでMPEG2のフレームデータの2枚目を参照し、SHVCの二つ目のBフレーム(Pフレーム側)をデコードするタイミングでMPEG2のフレームデータの3枚目を参照する。従って、フレームバッファ1−10bは、PフレームとBフレームの離れているフレーム(枚数)分以上、つまり2フレーム以上を蓄える容量を備える。これで、SHVCデコーダが参照に必要なフレームを、フレームバッファ1−10bから読み出すことが可能となる。
<<SHVCデコード用2K−4K変換>>
フレームバッファ1−10bから、SHVCデコーダ(第2デコーダ)1−28で指定されたフレームが、トップフィールド(Top Field)とボトムフィールド(Bottom Field)とに分割され、読み出される。読み出されたトップフィールド及びボトムフィールドは、それぞれ、トップフィールド(バッファ)1−12及びボトムフィールド(バッファ)1−13で保持され、I−P(Interlaced−Progressive)変換部1−14によりインターレーススキャンからプログレッシブスキャンに変換される。
色変換/スケーリング部1−15は、BT.709規格(社団法人電波産業会、すなわちARIB(Association of Radio Industries and Businesses)が規定する標準規格)の色信号をBT.2020規格(同)の色信号に変換し、画角を3840x2160に変換する。
SHVCデコーダ1−28は、この変換(アップスケーリング)された画像(色変換/スケーリング部1−15の出力画像)をフィルタ1−28cによりフィルタリングし、参照フレームとして用い、レイヤー1バッファ1−27が保持する拡張映像信号を4K映像(高解像度映像)にデコードする。デコード後の高解像映像(4K映像)は、DPB(Decoded Picture Buffer)1−28bを経由して、第2バッファ(Buffer B)1−30に格納する。
以下、STC再生部1−7で再生されたクロックに基づいて生成したVsync(垂直同期信号)に従って、第1バッファ(Buffer A)1−16及び第2バッファ(Buffer B)1−30のそれぞれが保持する画像が読み出される。
<<セレクタ>>
セレクタ1−21は、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17の出力と第2バッファ(Buffer B)1−30の出力とを切り替える。すなわちセレクタ1−21は、基準映像(2K信号)のみの放送については、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17の出力を、高解像度映像(4K信号)がデコード可能な場合は、第2バッファ(Buffer B)1−30の出力を、拡張映像信号の有無に基づいて、出力することができる。
以下、グラフィックス重畳部1−22により、セレクタ1−21からの出力信号に任意のグラフィックス信号を重ねた表示出力信号を、表示パネル(Display)1−29に出力することで、表示パネル1−29が画像を表示する。
なお、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17を、第1デコーダ(MPEG−2デコーダ)1−10の出力の後段に配置し、その出力をセレクタ1−21で切り替えることにより、セレクタ1−21に入力する入力信号の形式を同一とすることができ、切り替え時の信号の乱れを無くすことができる。
<<異常検出1>>
なお、第1異常検出部1−11は、SHVCデコーダ1−28の復号部1−28aから指定されたPTS(Presentation Time Stamp)が付与されているフレームが(MPEG−2デコーダ1−10の)フレームバッファ1−10bに格納されているフレームのPTS(Presentation Time Stamp)と、かけ離れているかどうかを判定する。すなわち、第1異常検出部1−11は、SHVCデコーダ1−28が参照しようとして要求するフレームと基準映像信号側のフレームバッファ1−10bに格納されているフレームとが、かけ離れている場合、「何らかのエラーがある」という情報をCPU1−31に通知する。
この場合(第1異常検出部1−11がエラー(異常)を検出した場合)、CPU1−31は、拡張映像信号をデコードをせず、その結果を破棄し、例えば全画面黒表示のような固定データを出力する。また、第1異常検出部1−11がエラーを検出した場合、CPU1−31は、拡張映像信号をデコードをせず、フレームを出力する。なお、第1異常検出部1−11がエラーを検出した場合、セレクタ1−21から、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17が保持する出力を出力させることも可能である。
<<異常検出2>>
第2異常検出部1−19は、第1バッファ(Buffer A)1−16の出力をスケーリング部1−18にて変換した出力と第2バッファ(Buffer B)1−30の出力をスケーリング/色変換部1−20にて変換した出力とを比較する。第2異常検出部1−19にて比較した結果、相違(不一致)の程度が所定値を超えているか否かに基づいて、拡張映像信号のデコードが正常であったか否かを判定し、その結果をCPU(主制御装置)1−31に通知する。
セレクタ1−21は、第2異常検出部1−19における判定が、「正常」を示す場合、第2バッファ(Buffer B)1−30の出力をグラフィックス重畳部1−22に出力する。セレクタ1−21は、第2異常検出部1−19における判定が、「正常ではない」ことを示す場合、動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17の出力をグラフィックス重畳部1−22に出力する。
<<リモコンの操作>>
図3は、リモコン(受信機に制御指示を指示する装置)の図である。
リモートコントローラ(リモコン端末)2−1は、SHVC受信機5の制御入力受信部1−34に対してチャンネル選局信号を供給する。リモコン端末2−1は、放送の種類の切り替え指示を出力可能な現行デジタル放送選択キー(地デジキー)2−2、BS放送選択キー(BSキー)2−3、CS放送選択キー(CSキー)2−4、4K放送選択キー(DSキー)2−5、ダイレクト選局キー群(チャンネル選択キー群)2−6及び設定キー2−7を少なくとも含む。
現行の放送、すなわち(地上)デジタル放送、BS放送、CS放送は、地デジキー2−2、BSキー2−3、CSキー2−4の何れかにより放送の種類(放送媒体)を選択し、チャンネル選択キー群2−6の任意のチャンネル番号キーにより、選局する。なお、選局されるチャンネルは、図5(a)において、チャンネル1に相当する。
なお、DS(4K放送選択)キー2−5から4K放送の受信を選択し、チャンネル番号を入力することにより、4K放送が放送されている時間帯には、図2に示したSHVC受信機5において、基準映像信号と拡張映像信号を受信する。
図4は、選局のデータフローの一例を示す。
CPU(主制御部)1−31は、ユーザのチャンネル選局すなわちリモコン端末2−1の操作[3−1]により選択されるチャンネルから任意の番組を受信するよう、第2チューナ1−2に、選局を設定する。図4の例では、BSのチャンネルが選局されるとする。
SHVC受信機5は、BSのNIT(Network Information Table)を参照して、チューナ1−2を設定する[3−3]。なお、NITは、SHVC受信機5の初期設定の時や、受信開始後の任意のタイミングで取得したNITを不揮発メモリ1−32に格納してあるものを使用することにより、NITの受信を待つことなく、内容の参照が可能となる[3−8]。
第2Demux(第2多重信号分離部)1−6で、受信したBSチャンネルのPAT(Program Association Table/“PID=0”のPSI(Program Specific Information))を取り出し、取り出したPATが指定する番組のPMT(Program Map Table)の記述のある位置を示すPID(Packet Identifier)を取り出し、そのPIDで指定されたPMTを取り出す[3−6]。
次に、PMTで指定されたVideoストリームを取り出し、レイヤ0バッファ1−8に格納する[3−7]。
以下、レイヤ0バッファ1−8が保持するVideoストリームのデコードを、MPEG−2デコーダ1−10が開始する。
なお、選局[3−1]において、現行デジタル放送(地デジ)が指示された場合、SHVC受信機5は、2K放送(地デジ)のNITを参照して、チューナ1−3を設定する[3−2]。同様に、選局[3−1]において、CSが指示された場合、SHVC受信機5は、CS放送のNITを参照して、チューナ1−2を設定する[3−4]。
<<記述子の取出し>>
第2Demux1−6からの出力は、拡張映像信号の選局に必要な情報を含んでいるテーブルの情報を含む。このテーブルの情報に基づいて参照するテーブル、例えばEIT(Event Information Table)は、番組Aの放送時間中は受信できないが、番組Bの放送開始とともに受信できるようになる。ここで、SHVC受信機5は、参照するテーブルにおいて、Hyper Link記述子で指定されたチャンネルを受信する[3−9]。すなわち、SHVC受信機5は、受信したストリームのPMTやEITの記述に基づいて、この記述子(Hyper Link記述子)を抽出する。抽出した記述子について、CPU(主制御部)1−31にて、抽出した記述子が指定する映像情報(ストリーム)が拡張映像信号かどうか判定する。判定の結果、抽出した記述子が指定する映像情報(ストリーム)が拡張映像信号であることがわかった場合は、拡張映像信号(SHVC方式4K放送信号)のNITを参照し[3−5]、SHVCデコーダ1−26でデコードする。なお、Hyper Link記述子をPMTから取得する例については後段に説明する。
すなわち、取り出した記述子が、拡張映像信号の選局に必要な情報を含む場合、その情報から、例えば拡張チャンネルのNITをたどることができる。以下、拡張チャンネルのNITを参照し、第1チューナ(BS/CS)1−1の設定情報を、NITから取出して第1チューナ1−1に設定する。これにより、第1Demux1−4にて、受信ストリームからPATを取り出すことができる。なお、PATは、拡張映像信号の番組番号を含み、番組番号から取り出したPIDからそのPIDが指定するPMTを取り出すことができる[3−12]。なお、取得したNITは、SHVC受信機5の初期設定の時や、受信開始後の任意のタイミングで取得したNITを不揮発メモリ1−32に格納してあるものを使用することで、NITの受信を待たずして内容の参照が可能となる[3−14]。
次に、PMTで指定されたVideoストリームを取り出し、レイヤ1バッファ1−27に格納する[3−13]。
以下、レイヤ1バッファ1−27が保持するVideoストリームのデコードを、SHVCデコーダ1−28が開始する。
なお、取得した拡張映像信号のEITやHyper Link記述子は、図2の例では、拡張映像信号が伝送されるBSとCSの受信が可能な各チューナ1−2、1−1の復調部へフィードバックされる[3−15]。これにより、拡張映像信号が存在する放送が終了した時点で、そのまま基準映像信号の放送を継続して視聴できる。
このように、受信中のチャンネルの番組が切り替わり、あるいは予定した時刻に番組の受信を開始した時点で拡張映像信号の選局に必要な情報を含んでいるテーブルの情報を取得できた場合、取得したテーブルの情報に基づいて拡張映像信号の有無を判定する。拡張映像信号が存在する場合には、そのストリームを受信することができる。従って、拡張映像信号が存在する番組を受信した場合、その番組をSHVC方式の4K放送である高解像度映像放送として、自動的に受信できるようになる。
すなわち、ユーザは、拡張映像信号の有無を気にすることなく、放送を受信することが可能であれば、リモコン端末を操作することなく拡張映像信号を受信可能なチューナの設定が行われ、4K放送(高解像度映像)のコンテンツを楽しむことができる。また、拡張映像信号が存在する放送が終了した場合も、特段の操作なく、そのまま基準映像信号を変換して、視聴を続けることができる。
次に、選局のデータフローを説明する。
<<放送の流れの例>>
図5(a)及び図5(b)は、チャンネル1−4において放送される番組A−Iを第1チューナ(BS/CS受信可能かつ拡張映像信号を復調可能)1−1及び第2チューナ(BS/CS受信可能)1−2で受信する例を示す。
チャンネル1,3は、BS放送の2K信号の放送を伝送しているとする。
チャンネル2,4は、別の衛星放送(仮にDS放送と呼ぶ)であって、チャンネル1,3が放送するBS放送の拡張映像信号あるいは独立した基準映像信号(2K信号)の放送を伝送しているとする。
8:00から、チャンネル1で番組Aが放送される。チャンネル2では何も放送されていない。
9:00から、チャンネル1では2K信号の番組Bが、チャンネル2では番組Bの拡張映像信号が放送される。また、チャンネル3では番組Hが、チャンネル4では番組Hの拡張映像信号が放送される。
10:00から、チャンネル2で、チャンネル1と独立した番組D(チャンネル1と同一内容ではあるが解像度などは異なっていて、チャンネル2単独受信でデコードできる番組であるもの、なども含める)が放送される。また、チャンネル3では番組Rが放送される。
11:00から、チャンネル1では2K信号の番組Eが、チャンネル2では、その拡張映像信号(番組Eの拡張映像信号)が放送される。
12:00から、チャンネル1では番組Fが、チャンネル2では番組Fとは独立の番組Gが、放送される。
<<選局時のデータフロー 8:00に番組Aを選局>>
8:00から番組Aを2K解像度で受信している状態で、9:00に4K放送の番組Bの放送が開始されると、番組Bは、そのままでは2K解像度(基準映像解像度)で視聴することになる。しかし、9:00なると、チャンネル2において番組Bの拡張映像信号を受信可能となる。
<<9:00になると4K放送が始まり、拡張映像信号の伝送路を特定する記述子が放送される>>
9:00になると(実際には、その少し手前から)チャンネル2において、チャンネル1で放送する番組Bの拡張映像信号の放送が始まる。チャンネル1では、番組Aの放送時間中は送られてこなかった(番組Aを受信してたため存在していない)拡張映像信号に関する記述子(データ)が、番組Bとともに放送されるようになる。
記述子は、拡張映像信号の選局に必要な情報を含む。ここでは、この記述子はEITに含まれるHyper Link記述子である場合を例にして説明する(図4[3−9]参照)。また、Hyper Link記述子の記述例を図13に示す。なお、記述子は、NIT,SDT(Service Description Table),PMTなどのEIT以外のテーブルに含めて伝送してもよい。
<<10:00時になると拡張映像信号の放送が終了する>>
10:00になると、チャンネル2の番組Bの拡張映像信号の放送が終了し、番組Dの放送が開始される。チャンネル1は番組Cとなり、この番組でのHyper Link記述子の記述からは、拡張映像信号の選局情報(拡張映像信号の番組番号)の記述がなくなる。なお、上述のように、拡張映像信号が存在しない旨の値(記述)がある場合は、その情報を取り出す。
以下、CPU1−31は、第1チューナ1−1による受信と第1Demux1−4の動作、及びSHVCデコーダ1−28の動作を停止する。また、セレクタ1−21を、第1バッファ1−16の出力に切り替えて、映像を出力する。
こうして、ユーザは、拡張映像信号の有無を気にすることなく、少なくとも基準映像の放送がありさえすれば(基準映像の放送を受信することが可能であれば)、リモコン端末を操作することなく拡張映像信号用のチューナの設定が行われ、(高解像度の)4K放送番組(コンテンツ)を楽しむことができる。また、拡張映像信号の放送がなくなった場合も、(特段の操作なく)そのまま、基準映像信号である2K信号を変換して視聴を続けることができる。
なお、拡張映像信号の放送がなくなった場合に、拡張映像信号用のチューナをオフするなどの操作をする必要がなく、安定した2K信号(基準映像信号)の放送を受信することができるようになる。
<<チャンネル切替と番組の遷移>>
図10A及び図10Bにより、セレクタ1−21の切り替え時の画像出力について説明する。
ユーザが、時刻9:10のタイミング[10−1]で、リモコン操作によりチャンネル3を選局すると、時刻9:10〜9:20の期間[10−5]では、チャンネル3で番組Hの基準映像信号(2K信号)の放送を、チャンネル4で番組Hの拡張映像信号の放送を受信する。
ユーザが、時刻9:20のタイミング[10−2]で、リモコン操作によりチャンネル1を選局すると、時刻9:20〜10:00の期間[10−6]では、チャンネル1で番組Bの基準映像信号の放送を、チャンネル2で番組B拡張映像信号の放送を受信する。
時刻10:00〜11:00の期間[10−7]では、ユーザがチャンネルを切り替えずにそのまま見続けた場合、受信する番組が基準映像信号(2K解像度)の番組Cとなる。このため、チャンネル2の拡張映像信号の受信が停止する。すなわち、チャンネル2では番組Dが放送されるが受信しない。
時刻11:00以降の期間[10−8]では、同じチャンネルの番組が番組Cから番組Eに変わり、チャンネル2では番組Eの拡張映像信号を受信する。
<<2K番組と4K番組の切り替えタイミングを制御する>>
セレクタ1−21で、第1バッファ(Buffer A)1−16と第2バッファ(Buffer B)1−30のどちらかを選択して信号を出力する。拡張映像信号と基準映像信号をアップスケーリングし、色域拡大した映像信号とによりデコードされた高解像度映像の表示の場合は、セレクタ1−21は、第2バッファ1−30の読出し出力を選択する。いうまでもなく、SHVCデコーダ1−28でデコードしない、あるいは(デコード)できていない場合は、基準映像信号しか得られないため、第1バッファ1−16の出力を選択する。
MPEG−2デコーダ1−10(フレームバッファ1−10b)の出力は、タイミング[10−1]でデコードを開始し、しばらく遅れて(一定期間経過後)、デコード出力f1,f2...と出力する。
SHVCデコーダ1−28出力は、MPEG−2デコーダ1−10の出力からデコードにかかる時間分だけ遅れて、同一フレームの出力F1,F2...を出力する。
なお、MPEG−2信号すなわち第1バッファ1−16における遅延量を、最小限まで少なく設定した場合(バッファA出力1)は、タイミング[10−32]で出力される。この場合、第2バッファ(SHVCバッファ)1−30からの出力タイミングは、SHVCデコードが終わったのち、短時間で出力するものとする。なお、遅延量は、例えば500ミリ秒−5秒(5000ミリ秒)の範囲内の所定の遅延量とすることが好ましい。
なお、第1バッファ1−16での遅延量をSHVCデコーダ1−28の出力に合わせた遅延量に設定した場合(バッファA出力2)は、タイミング[10−33]となる。この場合、SHVCバッファ(第2バッファ)1−30の出力は、SHVCデコーダ1−28によるデコードが終わったのち、第1バッファ1−16での遅延量をSHVCデコーダ1−28の出力に合わせた遅延量に設定したタイミング[10−34]で、出力することにより、期間[1−38]が示すように、第1バッファ1−16からの画像出力タイミングと、実質的にそろえることが可能となる。
<<番組に応じたセレクタの切り替え>>
上述した通り、セレクタ1−21を番組に応じて切り替える場合において、拡張映像信号を受信するときは、第2バッファ1−30の出力を選択し、拡張映像信号を受信しないときは、第1バッファ1−16出力を選択する。従って、拡張映像信号を受信する期間[10−5]及び[10−6]においては、その出力(映像出力)は[10−35]が示すように、SHVCデコーダ1−28のデコード出力のフレームF1,F2,...,であるが、受信しない期間[10−7]では、MPEG−2デコーダ1−10のデコード出力であるf8,f9,...,fgを出力する。
なお、チャンネル切り替えタイミング[10−1]及び[10−2]では、[10−35]が示すように、選局してから画像が表示されるまでの期間[1−12]及び[1−13]で示す、待ち時間が発生する。
また、チャンネル切り替えタイミング[10−3]が示す番組の切り替え時には、期間[1−14]で示すようなフレームの不連続が発生する。
また、チャンネル切り替えタイミング[10−4]が示す番組の切り替え時には、期間[1−15]で示す期間は、フレームFiが出力されるまで、画像の途切れ(黒画面表示や前のフレームfgの画像が静止した静止画など)が発生する。
<<セレクタを操作して絵出しを早め高速選局する>>
上述した、選局してから画像が表示されるまでの期間[1−12]及び[1−13]の待ち時間は、高速選局[10−36]を適用することで、高速選局が可能となる。
すなわち、高解像度映像信号のデコードは、MPEG−2デコーダ1−10による基準映像信号のデコードが終わってから開始される。従って、同一フレームの画像については、基準映像信号のデコードが高解像度映像信号もより早く、完了する。つまり、基準映像信号がデコードされ、高解像度映像信号がデコードされた時点まで待って、初めて映像信号が得られる。そのため、高解像度映像信号を受信をする場合は、チャンネル(放送局)の切替から映像の再生が開始されるまでの時間は、基準映像信号と比較して長くなる。
そこで、チャンネルを切り替えた直後[10−1]の一定期間については、CPU1−31は、基準映像信号がデコードできた時点で、第1バッファ1−16の出力(f1,f2,f3)をセレクタ1−21に選択させ、表示パネル1−39に表示させる(グラフィックス重畳部1−22に映像信号を出力する)。この時、第1バッファ1−16が映像信号に与える遅延量は、最少とする。そのあと、CPU1−31は、高解像度映像信号がデコードできた時点で、第2バッファ1−30の出力(F1,F2,F3,...)をセレクタ1−21に選択させ、表示パネル1−39に表示させる(グラフィックス重畳部1−22に映像信号を出力する)。
このように、高速選局[10−36]を適用することで、チャンネル切り替えから画像が表示されるまでの時間(期間)を制御しない場合は、期間[1−12]であったものを期間[1−39]のように短縮することができる。
ただし、セレクタ1−21を切り替えた場合、切り替え時点において、[1−22],[1−23],[1−24]で示すように、フレームの不連続が発生する。
このため、以下に説明するよう、第1バッファ(MPEG−2デコーダ)出力に与える遅延量を増大する[10−37]を適用することで、2K解像度(基準映像信号)と4K解像度(高解像度映像)との切り替わりをスムースにすることができる。
<<バッファAの遅延を増やすことで2K−4Kの切り替わりをスムースにする>>
第1バッファ1−16において蓄積する映像のフレーム数を、第2バッファ1−30が蓄積フレーム数よりも多くとり、それぞれのフレームが同一タイミングで出力されるように読み出す[10−33]。
すなわち、SHVCデコーダ1−28からの拡張映像信号のデコード出力が得られる期間[10−28]あるいは[10−30]においては第2バッファ1−30の出力を、SHVCデコーダ1−28からの出力が得られない期間[10−29]においては、第1バッファ1−16の出力を動き適応I−P変換/2K−4Kスケーリング/色域拡大(色域変換)部1−17にて処理した(MPEG−2デコーダ側の)出力を、選択する。
このように、[10−37]が示す映像出力の切り替えを適用することで、第1バッファ1−16が出力するフレームと第2バッファ1−30が出力するフレーム(の位相)が一致しているので、セレクタ1−21の切り替え操作があってもタイミング[1−31]における画像の乱れが生じない。また、音声の途切れも発生しない。
これにより、基準映像信号(2K解像度)と高解像度映像信号(4K解像度)との切り替わりをスムースにすることができる。
なお、高解像度映像信号を受信することが可能なSHVC受信機5では、高解像度映像信号を放送するチャンネル(放送局)を受信(選局)しないことを、ユーザが選択可能であることが好ましい。また、上述した高速選局についても、チャンネル毎に(ユーザが)設定可能できることが好ましい。このため、以下、図7または図8に示すようなユーザインタフェース(UI)画面を表示させて、高解像度映像の受信/高速選局の適用をユーザが任意に設定可能とすることが好ましい。
<<高解像度映像放送が放送されている場合、それを受信するかを初期設定する>>
ユーザがリモコン端末2−1の設定ボタン2−7を押すことで、CPU1−31は、図7が示す初期設定画面表示信号を、グラフィックス重畳回路1−22で生成する。これにより、ディスプレイ1−29に、図7が示す初期設定画面表示が表示される。なお、図7に示す例は、図5(a)を用いて説明したが、偶数チャンネルが拡張映像信号の受信が可能であることを前提とし、偶数チャンネルのチャンネル番号から「1」をマイナスした奇数チャンネルのチャンネル番号を表示することが好ましい。
高解像度映像の受信の可否は、図7が示す画面表示状態において、チャンネル毎に設定可能である。なお、設定された結果は、CPU1−31が不揮発メモリ1−32に格納する。
SHVC受信機5は、操作入力受付部1−34において、リモコン端末2−1からのユーザの任意のチャンネル選局に対応する指示入力を受け付け、チューナ1−2が選局したチャンネルに対応した設定を、不揮発メモリ1−32から読み出し、高解像度映像の受信を「する」か「しない」を判定する。
「する」の場合、セレクタ1−21は、図10A及び図10Bが示すタイミング[10−35]または[10−36]または[1−37]のいずれかに、4K解像度の高解像度映像の出力形態を切り替える。これにより、拡張映像信号を受信している間は、第2バッファ1−30の出力を、(拡張映像信号を)受信していない場合は、第1バッファ1−16の出力を、出力する。従って、4K解像度の高解像度映像番組が放送されている場合は、4K解像度の高解像度映像で放送を楽しむことができる。
なお、「しない」の場合は、セレクタ1−21は、第1バッファ1−16の出力を常時選択し続ける。この場合、映像出力は、[10−32]が示すようになる。また、フレームの不連続やとぎれの発生がなくなる。なお、第1バッファ1−16において映像信号に与える遅延量は、最小であってよい。なお、遅延量は、例えば500ミリ秒−5秒(5000ミリ秒)の範囲内の所定の遅延量とすることが好ましい。
4K解像度で番組を見ることはできないが、最初のフレーム出力1−37のタイミングが1−38より早くなり上述のチャンネル切替時の待ち時間は短縮される。
<<高速選局するか、切り替わりをスムースにするか、を初期設定する>>
ユーザがリモコン端末2−1の設定ボタン2−7を押すことで、CPU1−31は、図7が示す初期設定画面表示信号を、グラフィックス重畳回路1−22で生成する。これにより、ディスプレイ1−29に、図8が示すチャンネル切り替え時の初期設定画面表示が表示される。なお、図8に示すユーザインタフェース(UI)を用いることで、4K放送(高解像度映像放送)を受信して再生する場合のチャンネル切り替え時の動作を、チャンネル毎に設定できる。また、図8に示す例は、図5(a)を用いて説明したが、偶数チャンネルが拡張映像信号の受信が可能であることを前提とし、偶数チャンネルのチャンネル番号から「1」をマイナスした奇数チャンネルのチャンネル番号を表示することが好ましい。
なお、設定された結果は、CPU1−31が不揮発メモリ1−32に格納する。
SHVC受信機5は、操作入力受付部1−34において、リモコン端末2−1からのユーザの任意のチャンネル選局に対応する指示入力を受け付け、チューナ1−2が選局したチャンネルに対応した設定を、不揮発メモリ1−32から読み出し、高解像度映像放送の受信を「する」か「しない」を判定する。
リモコン端末2−1により、ユーザが任意のチャンネルを選局すると、チューナ1−2での選局したチャンネルに対応した設定を不揮発メモリ1−32から読み出し、高解像度映像放送時の高速選局の提供の有無、すなわち高速選局を「する」か「しない」かを判定する。
不揮発メモリ1−32が保持する設定を参照した結果が、「する」の場合は、図10A及び図10Bにより説明した高速選局[10−36]に従い、画像出力が出力される。
不揮発メモリ1−32が保持する設定を参照した結果が、「しない」の場合、図10A及び図10Bにより説明したスムースな画像出力の切り替え[10−37]に従い、画像出力が出力される。
このように、高解像度映像放送時に、高速選局を適用するか否かを設定可能とすることで、ユーザは、高解像度映像放送時の選局(受信チャンネルの切り替え)に際して、高速選局とするか、スムースな画像出力の切り替えを実施するか、を選択可能となる。例えば、スムースな画像出力の切り替えを選択することにより、高解像度映像放送への切り替え時に、画像の乱れ(不連続な再生画像の発生)を回避することができる。従って、例えば頻繁にチャンネルを切り替えたい場合は、高速選局を「する」に設定すればよい。「しない」を選択しておけば、高解像度映像放送の有無に基づいて受信チャンネルが切り替わるチャンネル切り替え時に、映像の乱れが発生することがないというメリットが得られる。
<<拡張映像信号放送チャンネルが2K放送(基準映像信号)を受信していた場合にそのチャンネルで別番組の拡張映像信号を受信する>>
図6(a)−図6(c)は、チャンネル切り替えが拡張映像信号を受信可能なチャンネル相互であって、チャンネル切り替え前に選局していたチャンネルが拡張映像信号とは異なる独立した2K放送(基準映像信号)を受信している状態から別番組の拡張映像信号を受信する場合について、説明する。なお、利用するチューナは、第1チューナ1−1及び第2チューナ1−2とする。
リモコン端末2−1のDS(4K(高解像度映像)放送選択)キー2−5によるチャンネル選択の操作入力に基づいて、チャンネル2において、10:20から、拡張映像信号とは異なる2K放送の番組Dを受信しているとする。なお、チャンネル2が受信している番組Dは、チャンネル1が受信する番組Cとは独立した番組である。また、チャンネル2は、図5(a)を用いて説明した通り、チャンネル番号から「1」をマイナスした奇数チャンネルの2K放送に対応する拡張映像信号を受信できる。
例えば11:00の番組の切り替わり時点で、チャンネル2において、チャンネル1が受信する番組Eの拡張映像信号を受信する場合のチャンネルの切り替え方法について説明する。
<<3通りのチューナーの選局切り替え方法>>
以下に、11:00の番組の切り替わり時点において実現可能な選局の切り替え方法について説明する。
[方法1]
図6(a)が示す例では、チャンネル2を、第1チューナ1−1で受信する。第1チューナ1−1で受信したチャンネル2の番組Eの基準映像信号は、図2において全てのチューナの後段であって第1Demux1−4と第2Demux1−6との間に位置するmux1−33を通じ、第2のDemux1−6へ供給される。すなわち、拡張映像信号を受信する可能性のあるチャンネルの番組は、拡張映像信号を復調可能な第1チューナ1−1で、常に受信するものとする。なお、受信したチャンネル2の番組Dは、現行の2K放送であるからデコード時は、MPEG−2デコーダ1−10にてデコードする。すなわち、拡張映像信号を受信する可能性のあるチャンネルを、拡張映像信号を受信することのできるチューナに固定して受信することが好ましい。
11:00になった時点(切り替えのため、実際には所定の時間だけ前の時点)で、第2チューナ1−2でチャンネル1を受信する。このときCPU1−31は、MPEG−2デコーダ1−10に入力する放送の信号源(入力源)が第1チューナ1−1から第2チューナ1−2に切り替わるように、mux1−33を切り替える。
[方法2]
図6(b)が示す例は、リモコン端末2−1から選局指示(操作入力)があった時点でチャンネル2の番組を第2チューナ1−2で受信するように設定し、11:00になった時点で第2チューナ1−2がチャンネル1を受信するように、選局する例である。この例では、第1Demux1−4と第2Demux1−6との間の経路変更が不要である。なお、図6(c)が示すように、第1チューナ1−2がチャンネル2を選局している場合、11:00を過ぎても選局は変わらない。ただし、その出力は、11:00以降においては、SHVCデコーダ1−28に入力するように、CPU1−31は、mux1−33を切り替える。
[方法3]
図6(a)及び図6(c)が示す例では、個々のチューナが受信するチャンネルの設定は変更しないため、チャンネル1が受信する信号とチャンネル2が受信する信号が途切れない(オーバーラップして伝送されている、すなわち番組Dが11:00を過ぎても放送されている)場合は、第1及び第2のチューナ1−1、1−2のそれぞれにおいて、番組Dと番組Eを同時に受信しながら、相互の切り替えができる。これにより、SHVC受信機5においては、個々の番組のつなぎ目が目だたない切り替えが可能となる。
なお、図6(b)が示す例では、たとえ番組Dが11:00過ぎまで放送があっても、チューナー1−2の設定を番組Dから番組Eに切り替えるタイミングでかならず途切れが発生する。
以後、図6(a)が示す選局パターンを用いて、説明を続ける。
11:00からチャンネル2で伝送される番組EのHyper Link記述子には、自身(番組E/チャンネル2)が拡張映像信号であり、対応する基準映像信号の選局情報(基準映像信号を放送するチャンネルの情報)が記載されている。
このため、第1Demux1−4の出力からEITが含むHyper Link記述子を取り出し、受信中のストリームが拡張映像信号であるかどうかを、CPU1−31が判定する。判定結果が、拡張映像信号である場合、NITを参照し、第2チューナ1−2に、チャンネル1の基準映像信号を受信する。これにより、第1チューナ1−1で拡張映像信号が、第2チューナ1−2で基準映像信号が、受信できる。
なお、基準映像信号(のNIT)には、拡張映像信号を示すHyper Link記述子が含まれるが、Hyper Link記述子を利用することなく、新規に拡張映像信号を受信できるチャンネルを選局してもよい。
また、第1チューナ1−1の出力と第2チューナ1−2の出力とをセレクタに接続し、どちらのチューナで拡張映像信号を受信するか、どちらのチューナで基準映像信号を受信するかを切りかえられるようにしてもよい。
次に、受信した番組を録画する場合について説明する。
<<録画する場合のチューナの選局方法>>
図5(a)により説明したチャンネル1〜4の番組を、図5(b)が説明する2つのチューナにより受信し、録画する場合において、9:30から11:30まで、チャンネル3で番組Rの録画が設定されていた場合を考える。なお、番組Rには、拡張映像信号が存在し、チャンネル4が受信するものとする。
9:30よりも早い、例えば8:30からチャンネル1の番組Aを受信するよう、リモコン端末2−1から操作入力があった場合に、チャンネルはそのままで(チャンネル1において)、9:00から番組Bの受信を開始する。また、9:30からチャンネル3で、番組Rの録画が開始される。
10:00に、番組B(チャンネル1)の受信が終了し、リモコン端末2−1から録画中の番組R(チャンネル3)の表示の指示があったとする。さらに、10:40から番組C(チャンネル1)が選択され、11:00から引き続き番組E(チャンネル1)が選択されるものとする。以降、12;00からチャンネル1において、番組Fを受信するものとする。
<<システムの制御方法>>
9:30直前(予め決められている一定時間早い時間)になると、CPU1−31は、第2チューナ1−2に、番組Rが放送されるチャンネル3を選局するように設定し、第2チューナ1−2の出力が、記録部(HDD)1−5へ供給され、録画される。
一方、8:30からチャンネル1の番組Aの受信が指示されることにより、CPU1−31はその時点で、第2チューナ1−2に、チャンネル1を選局し、番組Aを受信するように設定している。この第2チューナ1−2のチャンネル1が受信する番組Aの出力は、第2Demux1−6を経由してMPEG−2デコーダ1−10に供給され、MPEG−2デコーダ1−10でデコードされる。
また、CPU1−31は、9:00からチャンネル2において番組B(チャンネル1)の拡張映像信号を受信するよう、第1チューナ1−1に選局を設定する。従って、第1チューナ1−1が受信する番組Bの拡張映像信号は、Demux1−4を経由してSHVCデコーダ1−28に供給される。
このような第1チューナ1−1及び第2チューナ1−2の選局が設定された場合、図5(b)において、第2チューナ1−2が8:30から12:00以降に継続して受信する全ての番組は、MPEG−2デコーダ1−10に供給され、デコードされる。また、9:30までは、チャンネル1及びチャンネル2が受信する番組B及びその拡張映像信号により、番組Bを4K解像度で楽しむことができる。
9:30からは、録画のために第2チューナ1−2がチャンネル3の番組Rを受信するため、CPU1−31は、第2チューナ1−2を、チャンネル3の番組Rを選局するように設定する。これにより、第2チューナ1−2の出力(番組R)が、記録部1−5で記録される。ここで、例えばユーザ指示(リモコン操作)より、チャンネル1による番組Bの受信が継続される場合(チャンネル2を受信して9:30の直前まで受信(視聴)できていた4K解像度の番組Bは、受信できなくなるため、9:30の直前に、「録画が始まりますので、2K解像度にて受信を続けます」などのメッセージの表示し、その後、番組Bは、2K解像度の出力に切り替わる。
一方、番組Rと拡張映像信号の記録(録画)が指示されていた場合には、CPU1−31は、第1チューナ1−1に、チャンネル2の番組Rの拡張映像信号を選局するように設定する。これにより、第1チューナ1−1の出力(番組Rの拡張映像信号)が、記録部1−5で記録される。
なお、10:00になると、番組Bがおわり番組Cが始まるが、例えばユーザが録画中の番組Rを視聴しようとリモコン端末2−1を操作し、チャンネル3を選局することで、
CPU1−31は、第1チューナ1−1に、チャンネル3の基準映像信号に対応する拡張映像信号であるチャンネル4の番組Rを選局するように設定する。このとき、第1チューナ1−1が受信する番組Rの拡張映像信号は、第1Demux1−4からSHVCデコーダ1−28に与えられる。
また、10:45に、ユーザが番組Cを見ようと、リモコン端末201からチャンネル1の選局を指示すると、CPU1−31は、第1チューナ1−1に、チャンネル1の番組Cを選局するように設定する。従って、第1チューナ1−1が受信する出力は、第2Demux1−6を経由して、MPEG−2デコーダ1−10に供給される。
11:00になると、番組Cがおわり、番組Eに変わる。このとき、チャンネル2では番組Eの拡張映像信号の放送がされているが、第2チューナ1−2はチャンネル3を、第1チューナ1−1はチャンネル1を、それぞれ選局しているため、チャンネル2の選局はできない。このため、第1チューナ1−1が受信する番組Eは、2K解像度となるが、ユーザによる視聴が可能となる。
11:30に録画中の番組Rの放送が終わると第2チューナ1−2の動作が終了するので、CPU1−31は、第1チューナ1−2に、チャンネル1の番組Eを選局するように設定する。従って、第2チューナ1−2が受信する出力は、第2Demux1−6を警手してMPEG−2デコーダ1−10に供給される。また、CPU1−31は、第1チューナ1−1に、拡張映像信号であるチャンネル2の番組Eを選局するように設定する。これにより、第1チューナ1−1が受信する出力は、第1Demux1−4を経由してSHVCデコーダ1−28に供給される。
なお、11:30に、CPU1−31は、第1チューナ1−1及び第2チューナ1−2の設定を自動的にすることなく、グラフィクス重畳部1−22から、チャンネル2において番組Eの拡張映像信号を受信可能であること、その拡張映像信号を受信するか否かを、ユーザ選択(UI画面)として表示させ、ユーザの選択を仰ぐことも可能である。
また、例えば初期設定画面を用いて、拡張映像信号が存在する場合には、チャンネルを切り替えることを予め設定させておき、ユーザからの選択に基づいて、拡張映像信号を受信するか否かを切り替えることも可能である。この場合、ユーザが、拡張映像信号を受信しないことを選択すると、第1チューナ1−1は、そのままチャンネル1の番組Eを受信し続けるので、チューナの切り替えに起因して画面表示(映像出力)が途切れることを抑止できる。
<<拡張映像信号(拡張ストリーム)がIP網(インターネット経由)で配信される場合の対応>>
図2を用いて説明したが、SHVC受信機5は、拡張映像信号がIP網(インターネット経由)やUDP/IPを用いて配信される場合においても、4K解像度の高解像度映像を再生できる。
図11に、拡張映像信号がIP網(インターネット経由)やUDP/IPを用いて配信される映像信号送受信システムの概要の一例を示す。
図11が示す映像信号送受信システム11においては、送信機3は、例えば空間波である伝送路101により番組すなわち基準映像情報を送信する。送信機3はまた、送信機3が送信する番組に関連のある情報、例えば拡張映像情報を管理装置(データサーバ)7に送信する。SHVC受信機5は、送信機3が送信する番組を伝送路101により受信し、拡張映像情報を、データサーバ7から受け取る。すなわちデータサーバ7は、伝送路201を通じて送信機3が送信する拡張映像情報を受け取り、SHVC受信機5が取得可能に保持する。なお、送信機3とデータサーバ7との間の情報は、例えば光ファイバ網等である有線系の伝送路201により、データサーバ7とSHVC受信機5との間の情報は、同様の有線系の伝送路202により、伝送する。
送信機3は、例えば図12に一例を示すが、送信側機器において、PMTに拡張映像信号である旨を示す情報であるHyper Link記述子に追加して伝送することが好ましい。すなわち、図12が示す「Hyper_linkage_type」12−1として、すでに規格化されているものを使用してもよいが、図13に示すように、新規に定義した値を使用してもよい。たとえば、0x41、extension_streamとしてもよい。すでに規格化されているものとしては、「Hyper_linkage_type」12−1において、0x02のcombined_streamや0x04のindex_to_contentを用いることが可能である。なお、新規に定義する場合、例えば「関連情報(拡張映像情報)がテレビ番組(基準映像情報)とは別の時間枠またはほぼ同時の時間枠に、別のサービスにて伝送される場合、関連情報が伝送される伝送路、準拠するプロトコル、デコード情報(SHVC/HEVC/MPEG−X)の少なくとも1つを、テレビ番組を主情報、関連情報を差情報として、相互に関連付けて記述する」等を、用意してもよい。なお、新規に定義する値としては、例えば現在未定義である0x06、0x0B−0x3F、あるいは0x42−0x7Fの任意の値を用いることが可能である。また、拡張映像信号がない放送となる場合は、この記述子を単に除外することが可能であるが、拡張映像信号が存在しない旨の値(記述)を記載(明示)して伝送してもよい(明示することを必須とすることが好ましい)。
なお、拡張映像情報がサービスサーバ7を経由して供給されることを示す記述子は、NIT,SDT(Service Description Table),PMTなどのEIT以外のテーブルに含めて伝送してもよい。また、記述子としても、Hyper Link記述子(プロトコルは、http(TCP(Transmission Control Protocol))以外の記述子、例えばIPv6(UDP(User Datagram Protocol))、を使用して伝送してもよい。
図14に、拡張映像情報が空間波とは異なる伝送路を経由して供給される場合の一例を示す。
図2が示すSHVC受信機5は、TCP/IP・UDP/IPの送受信部1−23を有する。以下、TCP/IP・UDP/IPの送受信部1−23を経由して拡張映像情報が伝送される場合の選局時のデータフローについて、図4により説明したデータフローと異なるフローを中心として説明する。
図2に示すTCP/IP・UDP/IPの送受信部1−23によるhttpリクエストに基づき、ネットワークを経由して、例えば外部に位置する管理装置(拡張映像信号(拡張ストリーム)配信サーバ、以下サービスサーバと称する)7に、拡張映像信号の配信を要求する。
SHVC受信機5がサービスサーバ7からhttpリクエスト1−25に対応する拡張映像信号を受信できた場合、セレクタ1−26は受信した拡張映像信号を選択し、その出力を、レイヤ1バッファ1−27に格納する。
以後の動作は、拡張映像信号を第1チューナ1−1で受信した場合と同様であるからSHVC受信機5の個々の要素の詳細な説明は省略する。
ユーザのチャンネル選局すなわちリモコン端末2−1の操作[3−1]により選択されるチャンネルを受信する。仮に、BSのチャンネルが選局され、ここでは、チャンネル1の番組Aを、2K解像度で受信するものとする。所定の時間に番組Aが終了し、そのままのチャンネルで拡張映像信号が存在する番組Bを受信する。この時点では、第2チューナ1−2により、番組Bを、2K解像度で受信する。ここで、IP配信により、番組Bの拡張映像信号を受信するものとする。
第2チューナ1−2が受信する番組Bは、第2Demux1−6による拡張映像信号の選局に必要な情報を含むテーブルの情報の取り出し[3−5]までは、図4が示す動作と同様である。
<<記述子の取出し>>
取り出した記述子には、拡張映像信号の選局に必要な情報が記載されていて、これから、例えば拡張映像信号を配信するサーバのURLを得る[3−9]。なお、URLについては、サブディレクトリが予め決まっていれば、フルパスでないホームディレクトリのみの指定でも、サブディレクトリとファイル名を連結して、サーバにアクセスすることができる。なお、図2におけるhttpリクエスト1−24が、このアクセス要求を出力する。
httpリクエスト1−24が要求した結果得られた選局情報として、拡張映像信号を得るためのURL(ストリームURL)を得る。
ストリームURLに対するhttp1−25からのアクセスにより、拡張映像信号の番組番号を得る。
受信する映像信号(ストリーム)すなわち拡張映像信号が単純なVideoデータである場合は、レイヤ1バッファ1−27に格納し、SHVCデコーダ1−28によりデコードする。
一方、受信する映像信号すなわち拡張映像信号がトランスポートストリーム(TS)形式である場合、CPU1−31の制御に基づくDemux処理からPATを抽出する[4−3]。また、抽出したPMTからVideo PIDを抽出する[4−4]。
以下、抽出したVideo PIDを参照し、拡張映像信号からVideoストリームを取り出し、レイヤ1バッファ1−27に格納する。
このように、4K解像度(高解像度映像放送)の番組を受信する際に、基準映像信号と独立して供給される拡張映像信号の有無を気にすることなく、放送の受信が可能である場合に、リモコン端末の操作等を必要とすることなく、拡張映像信号を受信できる。これにより、任意の番組を受信していることで、4K解像度(高解像度映像放送)の番組を楽しむことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。