JP6501004B1 - エンジンベンチシステムの制御方法 - Google Patents

エンジンベンチシステムの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な予備実験でかつ小さな演算負荷で共振を抑制できるエンジンベンチシステムの制御方法を提供すること。
【解決手段】エンジンベンチシステムの制御方法は、エンジンを非点火状態で維持しながら動力計の速度制御を実行するとともに、動力計の回転速度が所定の速度まで上昇したら速度制御を終了する速度制御工程と、惰性により動力計の回転速度が所定の測定開始速度から所定の測定終了速度になるまでの間における軸トルク検出信号を取得する測定工程と、測定工程で得られた軸トルク検出信号のうち最も強度が強い信号の周波数を共振周波数として取得する周波数解析工程と、取得した共振周波数を用いて動力計制御装置の制御ゲインを決定する設計工程と、制御ゲインが決定された動力計制御装置を用いて動力計を制御する動力計制御工程と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンベンチシステムの制御方法に関する。
エンジンベンチシステムは、エンジン及びそのトランスミッションを組み合わせて構成される供試体と、この供試体に連結軸を介して結合された動力計と、エンジンのスロットル開度を制御するエンジン制御装置と、動力計を制御する動力計制御装置と、を備える。エンジンベンチシステムでは、エンジン制御装置によってエンジンの出力を制御しつつ、動力計制御装置によって動力計の速度制御やトルク制御等を実行することにより、エンジンの耐久性、燃費性能、排気浄化性能等の性能を測定する試験を行う。
このようなエンジンベンチシステムにおいてエンジンと動力計とはトランスミッションを介して結合されている。またトランスミッションに含まれるクラッチは非線形なばね剛性を有するため、その機械共振点は負荷トルクに応じて変化する。また実際のエンジンでは、エンジン回転数に応じた変動周波数で振動する脈動トルクが発生する。そこで特許文献1には、この脈動トルクに起因して機械系が破損しないように、共振を抑制しながら動力計の速度を制御する動力計制御装置が示されている。
特許文献1の動力計制御装置では、軸トルクセンサを用いて検出される軸トルク検出値やエンジントルクマップを用いて算出される軸トルク推定値を用いて、上記のように負荷に応じて変動する機械共振周波数を逐次算出し、算出した機械共振周波数に応じた制御ゲインとなるようにゲインスケジュールを行う。特許文献1の動力計制御装置によれば、負荷に応じて変動する機械共振周波数に応じて制御ゲインを変えることにより、クラッチによる共振を抑制しながら動力計の速度を制御することが可能となる。
特許第5136247号
しかしながら特許文献1の制御方法では、軸トルクの大きさと機械共振周波数との間の関係を、予備実験を行うことによって特定しておき、さらにこの関係を規定するマップやテーブル等を構築しておく必要があり、試験を開始するまでに時間がかかってしまう。またこのような予備実験やマップの構築等の作業は、供試体を変える度に行う必要があり、利便性が低い。また特許文献1の制御方法では、機械共振周波数を算出する演算や制御ゲインを決定する演算を制御周期毎に行う必要があるため、動力計制御装置における演算負荷が大きい。
本発明は、簡易な予備実験でかつ小さな演算負荷で共振を抑制できるエンジンベンチシステムの制御方法を提供することを目的とする。
(1)エンジンベンチシステム(例えば、後述のエンジンベンチシステム1)は、エンジン(例えば、後述のエンジンE)を含む供試体(例えば、後述の供試体W)と連結軸(例えば、後述の連結軸S)を介して結合された動力計(例えば、後述の動力計2)と、前記連結軸に発生する軸トルクに応じた軸トルク検出信号を発生する軸トルクセンサ(例えば、後述の軸トルクセンサ61)と、前記軸トルク検出信号に基づいて前記動力計を制御する動力計制御装置(例えば、後述の動力計制御装置5)と、を備える。本発明に係るエンジンベンチシステムの制御方法は、前記エンジンを非点火状態で維持しながら前記動力計の速度制御を実行するとともに、当該動力計の回転速度が所定の速度まで上昇したら前記速度制御を終了する速度制御工程(例えば、後述の図4のS2の速度制御工程)と、惰性により前記動力計の回転速度が所定の測定開始速度から所定の測定終了速度になるまでの間における軸トルク検出信号を取得する測定工程(例えば、後述の図4のS3からS4の測定工程)と、前記測定工程で得られた軸トルク検出信号のうち最も強度が強い信号の周波数を共振周波数として取得する周波数解析工程(例えば、後述の図4のS5の周波数解析工程)と、前記共振周波数を用いて前記動力計制御装置の制御ゲインを決定する設計工程と、前記制御ゲインが決定された前記動力計制御装置を用いて前記動力計を制御する動力計制御工程(例えば、後述の図4のS6の工程)と、を備えることを特徴とする。
(1)本発明の制御方法では、先ず、エンジンを非点火状態で維持しながら動力計の速度制御を実行するとともに、動力計の回転速度が所定の速度まで上昇したら速度制御を終了し、惰性によって動力計の回転速度を低下させる。また動力計の回転速度が測定開始速度から所定の測定終了速度になるまでの間における軸トルク検出信号を取得し、この間に得られた軸トルク検出信号のうち最も強度が強い信号の周波数を共振周波数として取得する。ところで一般的な4ストロークエンジンで発生する脈動トルクの変動周波数は、エンジン回転数と気筒数によって定まるが、このような変動周波数のトルク変動は、ピストンの上下運動に伴う慣性変動トルクによってエンジンが非点火状態であっても発生する。このため上記のように惰性によって動力計の回転速度が測定開始速度から測定終了速度になるまで低下している間に、エンジン回転数、ひいてはエンジン回転数に応じて低下する変動周波数が未知である共振周波数を通過すると、連結軸における軸トルク変動も大きくなる。したがって上記のようにして、軸トルク検出信号から取得した周波数は、非点火状態のエンジン、すなわち負荷が最も小さいときにおける共振周波数とすることが妥当である。また本発明の制御方法では、上記のようにして簡易な予備実験で取得した共振周波数を用いて動力計制御装置の制御ゲインを決定し、この動力計制御装置を用いて動力計を制御する。従って本発明によれば、簡易な予備実験でかつ小さな演算負荷で共振を抑制しながら動力計を制御できる。
本発明の一実施形態に係る制御方法が適用されたエンジンベンチシステムの構成を示す図である。 エンジンベンチシステムにおけるエンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示す図である。 動力計制御装置の制御回路の一例を示す図である。 エンジンベンチシステムにおいて、新規の供試体をセットした後、動力計制御装置を用いて試験を開始するまでの手順を示すフローチャートである。 測定工程及び周波数解析工程の結果の具体例を示す図である。 エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示す図である(従来技術)。 回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性を示す図である(従来技術)。 エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示す図である(本実施形態)。 回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性を示す図である(本実施形態)。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る制御方法が適用されたエンジンベンチシステム1の構成を示す図である。
エンジンベンチシステム1は、車両用のエンジンE及びそのトランスミッションTMを組み合わせて構成される供試体Wの各種性能を評価する際に用いられるものである。エンジンベンチシステム1は、供試体Wと連結軸Sを介して結合された動力計2と、エンジンEの出力を制御するエンジン制御装置3と、動力計2の出力を制御する動力計制御装置5と、エンジン制御装置3から送信されるスロットル開度指令信号に応じて、当該指令が実現されるようにエンジンEのスロットル開度を制御するスロットルアクチュエータ31と、動力計制御装置5から送信されるトルク電流指令信号に応じて、当該指令が実現されるように動力計2に電力を供給するインバータ51と、連結軸Sの捩れトルク(以下、「軸トルク」という)を検出する軸トルクセンサ61と、動力計2の出力軸の回転速度を検出する回転速度検出器62と、を備える。
軸トルクセンサ61は、連結軸Sに発生する軸トルクに応じた軸トルク検出信号を発生し、この信号を動力計制御装置5に送信する。回転速度検出器62は、例えばエンコーダであり、動力計2の出力軸の回転速度に応じたパルス信号である回転速度検出信号を発生し、この信号を動力計制御装置5に送信する。
エンジン制御装置3は、所定の態様でスロットル開度指令信号を生成し、このスロットル開度指令信号をスロットルアクチュエータ31に入力することにより、エンジンEの出力を制御する。動力計制御装置5は、軸トルクセンサ61から送信される軸トルク検出信号及び回転速度検出器62から送信される回転速度検出信号等を入力とし、後述の図3に示す制御回路を用いたフィードバック制御を行うことによってトルク電流指令信号を生成し、このトルク電流指令信号をインバータ51に入力することにより、動力計2のトルクや速度を制御する。
エンジンベンチシステム1では、エンジン制御装置3の制御下でエンジンEの出力を制御するとともに、動力計制御装置5の制御下で動力計2のトルクや速度を制御することで供試体Wに負荷を与えることにより、供試体Wの耐久性、燃費、及び排気浄化性能等を評価する試験が行われる。
図2は、上述のようにエンジンEと動力計2とをトランスミッションTM及び連結軸Sを介して結合した機械構成を有するエンジンベンチシステム1の機械特性を示す図である。より具体的には、図2は、エンジンベンチシステム1における、エンジントルク(すなわち、スロットル開度指令信号)に対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示す図である。図2には、供試体Wに対する負荷トルクを3段階(低負荷、中負荷、高負荷)に変えるとともに、各負荷トルクの下での軸トルクの応答特性を、線種を変えて示す。
エンジンベンチシステム1では、慣性体であるエンジンEと動力計2とを、ばね特性を有するトランスミッションTM及び連結軸Sで連結していることに起因して、図2に示すように所定の共振周波数で軸トルクが増大する共振現象が発生する。またトランスミッションTMに含まれるクラッチのばね剛性は、負荷トルクに応じて非線形な変化を示すことから、図2に示すように共振周波数は負荷トルクに応じて変化する。図2には、共振周波数が数[Hz]〜約20[Hz]の間で変化する例を示す。動力計制御装置5では、このような共振を抑制しながら動力計2のトルクや速度を制御する必要がある。
図3は、動力計制御装置5の制御回路の一例を示す図である。動力計制御装置5では、回転速度検出信号と、図示しない上位指令装置によって生成される上位指令信号でありかつ回転速度検出信号に対する目標に相当する回転速度指令信号と、軸トルク検出信号とを、図3に示すような制御回路に入力することによってトルク電流指令信号を生成し、これをインバータ51に入力する。
より具体的には、回転速度指令信号の値を“w2ref”とし、回転速度検出信号の値を“w2”とし、軸トルク検出信号の値を“T12”とし、トルク電流指令信号の値を“T2ref”とし、ラプラス演算子を“s”とした場合、動力計制御装置5では、下記式(1)に従ってトルク電流指令信号を生成する。
上記式(1)において、“Ki”、“Kp”、“Kt12”、“b1”及び“a1”は、それぞれ制御ゲインである。各制御ゲインの値は、それぞれ下記式(2−1)〜(2−5)に従って定められる。
動力計制御装置5では、供試体W及び動力計2をそれぞれ所定の慣性モーメントを有する慣性体とみなし、トランスミッションTM及び連結軸Sを所定のばね剛性を有するばね要素とみなし、エンジンベンチシステム1の機械系を、これら2つの慣性体をばね要素で連結された2慣性系とみなして扱う。
上記式(2−1)〜(2−5)において、“J”は、供試体Wの慣性モーメントと動力計2の慣性モーメントの和(以下、「トータル慣性」ともいう)に相当し、その値は、供試体Wの慣性モーメントの値を“J1”とし、動力計2の慣性モーメントの値を“J2”とした場合、下記式(3−1)によって定められる。また上記式(2−1)〜(2−5)において、“j1”及び“j2”は、それぞれ供試体Wの慣性モーメントのトータル慣性に対する比及び動力計2の慣性モーメントのトータル慣性に対する比に相当し、各々の値は、下記式(3−2)及び(3−3)によって定められる。なお、供試体Wの慣性モーメントの値J1及び動力計2の慣性モーメントの値J2は、予め実験を行うことによって同定された値が用いられる。
また上記式(2−1)〜(2−5)において、“wp”は、エンジンベンチシステム1における共振周波数に相当する。したがってエンジンベンチシステム1を上記のように2慣性系とみなした場合、その共振周波数wpの値は、ばね剛性の値を“K12”とした場合、例えば下記式(4)によって定められる。しかしながらトランスミッションTMに含まれるクラッチのばね剛性は、供試体Wに対する負荷トルクに対し非線形な変化を示すことから、下記式(4)に基づいて共振周波数wpの値を特定するためには、実機を用いた予備実験を予め行い、共振周波数と負荷トルクとの相関関係を調べる必要があり、手間がかかる。そこで本実施形態では共振周波数wpの具体的な値には、下記理論式(4)を用いずに、後述の図4に示す手順に従って得られた値を用いる。
また上記式(2−1)〜(2−5)において、“c1”、“c2”、“c3”、“c4”、及び“c5”は、それぞれ、上記式(1)に従ってトルク電流指令信号を生成した場合に、好ましい共振抑制効果が得られるように各制御ゲイン(Ki,Kp,Kt12,b1,a1)をチューニングするために導入される係数である。より具体的には、これら係数(c1,c2,c3,c4,c5)は、上記式(1)と2慣性系の運動方程式とを用いて導出される閉ループ特性多項式P(s)の、ラプラス演算子sの1次、2次、3次、4次、及び5次の項の係数に相当する(下記式(5)参照)。なお、動力計制御装置5によって好ましい共振抑制効果が得られるように、これら係数(c1,c2,c3,c4,c5)の値を決定する具体的な手順については、本願出願人による特許第5136247号に示されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る制御方法の具体的な手順を示すフローチャートである。より具体的には、図4は、エンジンベンチシステム1において、その共振周波数が未知である新規の供試体Wをセットした後、動力計制御装置5を用いて試験を開始するまでの手順を示すフローチャートである。
上述のように、図3の制御回路に基づいて動力計制御装置5において動力計2の速度制御を行うためには、制御ゲイン(Ki,Kp,Kt12,b1,a1)の値を決定する必要がある。またこれら制御ゲイン(Ki,Kp,Kt12,b1,a1)の値を決定するためには、既知である各種制御パラメータ(J,J1,J2,c1,c2,c3,c4,c5)の他、共振周波数wpの値を決定する必要がある。本実施形態に係る制御方法では、図4に示す手順に従って共振周波数wpの値を決定した後、動力計制御装置5による速度制御を開始する。
始めにS1では、作業者は、新たに準備した供試体Wと動力計2とを連結軸Sで結合した後、S2に移る。
次にS2に示す速度制御工程では、作業者は、供試体WのエンジンEを非点火状態で維持しながら、動力計制御装置5を用いて動力計2の速度制御を実行することにより、エンジンEの回転速度と動力計2の回転速度とを共に上昇させる。またこの速度制御工程では、動力計2の回転速度が所定の速度制御終了速度まで上昇したら、動力計制御装置5による速度制御を終了する。なお速度制御を終了した後、エンジンE及び動力計2は、その回転速度を徐々に低下させながら、しばらくの間、惰性で回り続ける。なおこの速度制御工程では、図3に示す制御回路とは別に準備した制御回路を用いて動力計2の速度制御を行ってもよいし、或いは暫定的に値を定めた共振周波数wpの下で図3に示す制御回路を用いて動力計2の速度制御を行ってもよい。
ところで一般的な4ストロークエンジンは、(エンジン回転数[rpm]/60)×(気筒数/2)の変動周波数を主成分とする脈動トルクが発生する。またこのような変動周波数のトルク変動は、ピストンの上下運動に伴う慣性変動トルクによって、エンジンEが非点火状態であっても発生する。そこで上記速度制御終了速度は、動力計2の速度制御の下でエンジンEにおいて発生するトルク変動の変動周波数が、経験によって定められる共振周波数の上限よりも十分に高くなると推定される速度(例えば、1500[rpm])に設定される。
次にS3では、S2以降、惰性で周り続ける動力計2の回転速度が、所定の測定開始速度まで低下したことに応じて、軸トルク検出信号及び回転速度検出信号の取得を開始する。ここで測定開始速度とは、上記速度制御終了速度よりもやや低い速度でありかつエンジンEの変動周波数が上記共振周波数の上限よりも高くなると推定される速度(例えば、1000[rpm])に設定される。
次にS4では、S3以降もなお惰性で周り続ける動力計2の回転速度が、所定の測定終了速度まで低下したことに応じて、S3で開始した軸トルク検出信号及び回転速度検出信号の取得を終了する。ここで測定終了速度とは、上記測定開始速度よりも十分に低い速度でありかつエンジンEの変動周波数が、経験によって定められる共振周波数の下限よりも十分に低くなると推定される速度(例えば、0[rpm])に設定される。すなわち、S3〜S4の処理が、本発明の制御方法における測定工程に相当する。
次にS5の周波数解析工程では、作業者は、S3〜S4の測定工程で取得した軸トルク検出信号のうち最も強度が強い信号の周波数を特定し、この特定した周波数を共振周波数wpとする。より具体的には、この周波数解析工程では、上記測定工程で取得した測定開始速度から測定終了速度に至るまでの間における軸トルク検出信号に対し、既知の周波数解析(具体的には、例えばウェーブレット解析)を施すことにより、最も強度の強い信号の周波数を特定する。
上述のようにエンジンEが非点火状態であっても、ピストンの上下運動によってエンジン回転数に応じた周波数で変動する慣性変動トルクが発生する。このため、惰性によってエンジンEの回転速度を測定開始速度から測定終了速度まで低下する間に、変動周波数は未知である共振周波数を通過すると考えられる。したがって変動周波数が共振周波数を通過する際には軸トルク変動も大きくなると考えられるため、上記のように周波数解析工程を行うことによって得られる最も強度の強い信号の周波数を共振周波数と推定することは妥当である。なお、S3からS4においてエンジンEは非点火状態であるため、その負荷トルクは最も小さい。よってS5の周波数解析工程で得られる共振周波数は、図2の例では、実線で示す低負荷時の共振周波数(約6[Hz])の近傍となる。
図5は、S3〜S4の測定工程及びS5の周波数解析工程の結果の具体例を示す図である。図5において最上段は測定工程において得られる動力計の回転速度を示し、中段は測定工程において得られる軸トルクを示し、最下段は周波数解析工程におけるウェーブレット解析の結果を示す。また図5において横軸は共通の時間を示す。また図5の最下段には、縦軸を周波数とし、横軸を時間とし、各時刻における軸トルク検出信号に含まれる各周波数成分の強度を濃淡で示す。図5では、強度が強くなるほど濃く示す。また測定工程で得られた軸トルク検出信号のうち、最も強度の強い信号が得られた時刻及び周波数を白丸で示す。
図5に示すように、測定工程では、動力計の速度制御を終了してから、惰性によって回転速度が低下する過程における回転速度及び軸トルクを測定する。この際、エンジンEが非点火状態であっても、ピストンの上下運動によって慣性変動トルクが発生するため、図5の中段に示すように軸トルクは振動する。またこの軸トルクの変動周波数は、動力計2及びエンジンEの回転速度が低下するほど小さくなる。
また図5に示すように、惰性によって回転速度が低下する過程において軸トルクの変動周波数が未知である低負荷時の共振周波数を通過する際(図5の例では、時刻7.5〜8の間)には、共振によって軸トルクの振幅が増大する。このため、周波数解析工程では、図5に示すように、同時刻において強度が最も強い信号が検出され、またこれによって低負荷時の共振周波数を特定することができる。またこれによって特定される共振周波数の大きさは、図5に示すように約6[Hz]であり、これは図2の例における低負荷時の共振周波数とほぼ一致する。
図4に戻り、S6の設計工程では、周波数解析工程で取得した共振周波数wpの値を、上記式(2−1)〜(2−5)に入力することにより、制御ゲイン(Ki,Kp,Kt12,b1,a1)の値を決定する。
次にS7の動力計制御工程では、作業者は、S6で制御ゲインが決定された動力計制御装置5を用いることによって動力計2の速度を制御することにより、動力計2に結合されている供試体Wの試験を開始する。
次に、図4の手順によって設計される動力計制御装置5の効果について、従来技術と比較しながら説明する。ここで従来技術とは、本願出願人による特許第5136247号のうち、実施形態4に示された方法によって設計された動力計制御装置をいう。
図6及び図7は、上記従来技術の動力計制御装置による制御結果を示す図である。より具体的には、図6は、エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示し、図7は、回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性を示す図である。
従来技術では、上述のように非線形なばね特性を有するエンジンベンチシステムにおいて、制御周期毎に軸トルクの大きさに対応した共振周波数に応じて制御ゲインを変化させる。このため、図6に示すように、エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性は、負荷トルクが変化し、ばね剛性が変化した場合であっても、十分に共振が抑制されている。また図7に示すように、回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性も、共振周波数の変化に応じた制御応答となっている。以上のように、従来技術によれば、好ましい共振抑制効果が得られるものの、供試体を変える度に予備実験を行って軸トルクの大きさと共振周波数との相関関係を特定する必要があり、手間がかかる。また従来技術によれば、動力計制御装置では、共振周波数を算出する演算や制御ゲインを決定する演算を制御周期毎に行う必要があり、演算負荷が大きいという課題もある。
図8及び図9は、図4の手順によって設計された動力計制御装置5による制御結果を示す図である。より具体的には、図8は、エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性を示し、図9は、回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の動力計制御装置5では従来技術と異なり制御ゲインを低負荷時に対応する共振周波数に基づいて設定したものに固定しているにもかかわらず、エンジントルクに対する軸トルク検出信号の周波数応答特性は、負荷トルクが変化し、ばね剛性が変化した場合であっても、十分に共振が抑制されている。また図8と図6とを比較して明らかなように、本実施形態の動力計制御装置5によって得られる共振抑制効果は、従来技術と比較して遜色ない。また図9に示すように、回転速度指令信号に対する回転速度検出信号の周波数応答特性は、図7に示す従来技術と異なり、共振周波数の変化に応じた制御応答とはなっていない。
以上のように本実施形態の制御方法によれば、従来技術と比較して簡易な予備実験(すなわち、図4のS1〜S6の工程)を行うだけで、共振抑制効果の高い動力計制御装置5を設計できる。また本実施形態の制御方法では、制御ゲインを低負荷時に対応する共振周波数に基づいて設定したものに固定することから、動力計制御装置5における演算負荷を従来技術よりも小さくできる。
1…エンジンベンチシステム
E…エンジン
W…供試体
S…連結軸
2…動力計
5…動力計制御装置
61…軸トルクセンサ

Claims (1)

  1. エンジンを含む供試体と連結軸を介して結合された動力計と、前記連結軸に発生する軸トルクに応じた軸トルク検出信号を発生する軸トルクセンサと、前記軸トルク検出信号に基づいて前記動力計を制御する動力計制御装置と、を備えるエンジンベンチシステムの制御方法であって、
    前記エンジンを非点火状態で維持しながら前記動力計の速度制御を実行するとともに、当該動力計の回転速度が所定の速度まで上昇したら前記速度制御を終了する速度制御工程と、
    惰性により前記動力計の回転速度が所定の測定開始速度から所定の測定終了速度になるまでの間における軸トルク検出信号を取得する測定工程と、
    前記測定工程で得られた軸トルク検出信号のうち最も強度が強い信号の周波数を共振周波数として取得する周波数解析工程と、
    前記共振周波数を用いて前記動力計制御装置の制御ゲインを決定する設計工程と、
    前記制御ゲインが決定された前記動力計制御装置を用いて前記動力計を制御する動力計制御工程と、を備えることを特徴とするエンジンベンチシステムの制御方法。
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