JP6497176B2 - ロータ用無方向性電磁鋼板及びロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

ロータ用無方向性電磁鋼板及びロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロータ用無方向性電磁鋼板及びロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
近年、省エネルギー化への重要性は高まっており、例えば自動車分野においては、ハイブリッド自動車や電気自動車の躍進が目覚ましく、また家電製品分野においても消費電力の低い高効率エアコンや冷蔵庫がある。これらの製品では共通してモータが使用されており、その高効率化が重要性を増している。
これらのモータは、省スペース化と系全体の高効率化の目的で小型化が進められており、一方で出力を確保するために高速回転化してきている。高速回転での使用時には、遠心力による負荷に耐えるために、電磁鋼板を高強度とする必要がある。特に、永久磁石モータの場合には、磁石を保持するブリッジ部が破壊されないことが必要であり、高速回転するモータのロータ用無方向性電磁鋼板には、鉄損よりも強度が最重視されてきており、相対的に鉄損の重要度は低いとされている。
一方で、モータ自身の高出力化に伴いエネルギーロスの総量が増加し、このロスの多くは熱となるために、コアが加熱されるという課題が生じている。コアが加熱されすぎた場合に懸念されるのは、磁石の消磁や巻き線の絶縁などが生じることである。これらの現象を避けるため、モータにおいては冷却効率の改善が必要となり、電磁鋼板においては加熱の原因となる鉄損の低減が必要となる。
従来は、強度と加熱の問題は個別に議論される場合が多く、強度と鉄損が同時に議論される場合でも、鋼板に求められる特性としては、常温での特性を元にしたものがほとんどであった。
以下の特許文献1は、無方向性電磁鋼板及びその製造方法を開示したものであり、Cuの析出強化を利用した高強度化と、磁歪定数を制御しての低鉄損化と、の両立を図る方法が開示されている。
また、以下の特許文献2は、無方向性電磁鋼板の及びその製造方法を開示したものであり、時効処理後に高強度と低鉄損を得られる方法が開示されている。
特開2011−6721号公報 特開2004−183066号公報
従来、強度と加熱の問題を同時に議論されることは少なかったが、高温では鉄心材料の鋼板が軟化してしまう問題があり、モータの安全性を確保するには、高温域で必要な強度を担保することが必要となる。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に見られるように、従来、常温での強度を増加させることは行われてきたが、高温での強度増加を目指したものでは無かった。即ち、従来の方法では、仕様上の温度範囲での軟化も考慮に入れて、より高強度の素材を使用するしかなかった。しかし、一方で、一般的に電磁鋼板においては、強度に対して、コストと鉄損の両方が背反しているために、高強度を得るには製造コストが増加し、更に製造される無方向性電磁鋼板の鉄損は劣ったものとならざるを得ないという課題があった。即ち、従来の方法では、強度確保のためには、より強度が高く、しかし同時にコストや磁気特性が劣る無方向性電磁鋼板を用いざるを得なく、その結果、使用時にはコアの加熱量が更に増加し、この課題解決のために更なる冷却対策が必要となるといった、悪循環が生じていたと言える。
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、安全かつ安価で高効率なモータのロータにおける鉄心材料として、高温での使用に際しても強度と磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板と無方向性電磁鋼板の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、高速回転するモータのロータにおける上記課題、即ち100℃〜300℃の高温では鉄心に用いる鋼板の強度低下が起こることに付随する課題解決を図るために、鋭意検討を進めた。その結果、鋼板の成分と仕上げ焼鈍の焼鈍条件を制御するという鋼板生産コストを大幅に増加させない製造方法でありながら、高温での強度低下を大幅に改善できた。更に、そのような鋼板を用いたロータでは、高温での強度を確保しながらより低鉄損の電磁鋼板を使用可能なことから、発熱量自体を下げられることを見出した。即ち、本発明を利用しない場合に比べて、高温での強度を同等に確保しつつ、安価でありながら、更に温度上昇自体を抑えることが出来るロータを実現することが出来た。本発明者らは、これらの知見を基に本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)使用時の鉄心の温度が100℃以上300℃以下となる設計のモータのロータ部分の鉄心素材として用いられる無方向性電磁鋼板であり、質量%で、C:0.0020%〜0.0100%、P,Snの少なくとも何れか一方:それぞれ0.01%〜0.20%、Si:2.0%〜4.0%、sol−Al:0.3%〜2.0%、Mn:0.2%〜1.0%を含有し、かつ、N、Nb、Zr、Ti、Vの少なくとも何れかを、下記式(1)で表わされるC free の値が0.002≦C free ≦0.005となるように含有し、残部がFe及び不純物であり、15℃での引張強さTSをTS(RT)とし、100℃以上300℃以下でのTSの最低値をTS(Min)としたとき、TS(Min)/TS(RT)≧0.9である、ロータ用無方向性電磁鋼板。
(2)(1)に記載されたロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法であって、化学成分として、質量%で、C:0.0020%〜0.0100%、P,Snの少なくとも何れか一方:それぞれ0.01%〜0.20%、Si:2.0%〜4.0%、sol−Al:0.3%〜2.0%、Mn:0.2%〜1.0%を含有し、かつ、N、Nb、Zr、Ti、Vの少なくとも何れかを含有し、当該N、Nb、Zr、Ti、Vの含有量が、下記式(1)で表わされるC free の値が0.002≦C free ≦0.005となるように制御されており、残部がFe及び不純物である無方向性電磁鋼板スラブを、冷間圧延板とした後、仕上げ焼鈍において、焼鈍温度を900℃以上で行い、冷却時の800℃以下500℃以上の温度域における冷却速度を25℃/秒超過とする、ロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法。
free=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51) ・・・(1)
ここで、上記式(1)において、[X]で表わされる表記は、元素Xの含有量[質量%]であり、含有していない元素の含有量はゼロを代入するものとする。
以上説明したように本発明によれば、使用時に高温になるような仕様のモータのロータにおいて、高温での強度を確保しながら、効率、コストに優れたロータを実現する鉄心素材としての無方向性電磁鋼板と、その製造方法を提供できる。
実験2に関するグラフであり、無方向性電磁鋼板の温度に対する引張強度TSの関係を示している。 実験2に関するグラフであり、Cfree値とTS(Min)/TS(RT)との関係を示している。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
以下で説明する本発明の実施形態は、主に電気機器やハイブリッド自動車等のモータにおけるロータの鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板と、その製造方法に関するものである。特に、高速回転するモータのロータが使用時に100〜300℃まで高温化するような環境下でもロータの鉄心素材として強度と磁気特性を損なわない無方向性電磁鋼板、及び、そのような特徴を大幅なコスト増加無しに実現する無方向性電磁鋼板を製造することができる製造方法に関するものである。なお、本発明による無方向性電磁鋼板は、高温での強度を担保することで特にロータ素材として優れるが、鋼板歩留まり改善の為に、ステータと一体で打ち抜いて使用しても何ら問題は無い。
具体的には、鋼中のCやP,Snなどの成分元素の添加量の制御と、仕上げ焼鈍時の焼鈍温度、冷却速度を制御するだけで、安定的に高温域で高強度を得ることができ、高温での強度を指標とできることで、モータの設計時に適正な強度、磁気特性、コストの無方向性電磁鋼板を用いることが可能となる。高温での強度に着目する技術は、以下で詳述する本発明が初めてであり、従来技術では高温での強度確保が安定的に行えるものでは無かった。
(本発明に至った実験内容について)
本発明に係る無方向性電磁鋼板及び無方向性電磁鋼板の製造方法を説明するに先立ち、以下に先ず、本発明に至った実験内容について説明する。
<実験1>
本発明者らは、ロータ素材に求められる高強度化とその影響について調べるために、実験モータを作成して鋼板自体の評価を行った。高速回転した場合のロータの破壊について調べ、徐々に回転数を上げて状態を確認しながら調査を行っていると、回転数を上げた直後では無く、しばらく時間が経過してから破壊が起こる場合が多いとの結果が得られた。
この原因を調べるためにモータの状況を詳しくモニターしたところ、温度による影響と判明した。即ち、稼働時に発生する熱で徐々にコアが加熱され、ある一定の温度に到達した際に破壊が生じていると分かった。破壊が起こった原因は、鋼板が高温で軟化したためと推定している。以上の結果より、コアの強度設計には、高温での強度低下を考慮する必要があることが明らかとなった。
<実験2>
高温での鋼板強度の低下に対して、従来は更なる高強度化で対応してきたものと言えるが、一般的に、強度と磁気特性及び製造コストとは背反関係にあるため、従来の方法では強度優先のために磁気特性とコストを犠牲にせざるを得なかったと言える。本発明者らは、従来技術では高温での強度と言う視点が欠如していることが課題の一つと捉え、製造条件の異なる様々な鋼板の高温での強度を調査することとした。
先ず、温度に対する強度変化を確認したところ、鋼種毎に若干の傾向差はあったが、概ねどの鋼板でも同様の傾向が見られた。その結果の代表例を、図1に示す。なお、図1における縦軸の数字は、鋼種により元々の強度レベルが異なっていたものを同等に比較するために、常温(15℃)の引張強度TS(RT)を基準として、各試験温度での引張強度TSの比を取ったTS/TS(RT)によって整理したものである。調査した無方向性電磁鋼板のほとんどは、比較例として示した鋼板と同様の傾向を取り、調査した温度範囲では、ほぼ線形に強度の低下が見られ、300℃ではTS/TS(RT)〜0.7となり、常温に比べて30%近く強度が低下する結果であった。しかし、調査した中に100℃〜300℃で強度が高くなるものがあり、高温でもTS/TS(RT)>0.9となっており、即ち強度の低下が10%以下に抑えられる結果であった。
本発明者らは、上記のような高温域での強度低下の少ない特徴を実現するために必要な製造条件を、詳細に調査した。その結果、素材成分と仕上げ焼鈍の冷却条件が大きく影響しており、高温での強度低下が少ないという特徴を安定して収率良く得るには、これらの要因を制御する必要があることが判明した。
特に影響の大きかったCfreeの値と、仕上げ焼鈍の冷却速度の影響についてまとめた結果を図2に示す。Cfreeは、炭化物や窒化物とならずに固溶Cとして存在するC量の指標となることを想定した値として、本発明者らが、以下の式(1)として定義した値である。
free=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51) ・・・(1)
ここで、上記式(1)において、[X]で表わされる表記は、元素Xの含有量[質量%]であり、含有していない元素の含有量はゼロを代入するものとする。
一方で、グラフの縦軸は、室温の引張強度TS(RT)と、100℃以上300℃以下でのTSの最低値TS(Min)の比であるTS(Min)/TS(RT)で整理しており、この値が大きいほど高温域での強度低下が少ないことを意味する。図2より、Cfreeが大きいほど、TS(Min)/TS(RT)が増加していることが分かる。グラフのプロットは、仕上げ焼鈍の冷却速度が25℃/秒超過か25℃/秒以下かで区別している。仕上げ焼鈍の冷却速度が25℃/秒以下であっても、高温域の強度低下が抑えられる傾向ではあるが、バラつきが大きく、TS(Min)/TS(RT)>0.9を必ずしも満たしていなかった。一方で、仕上げ焼鈍の冷却速度が25℃/秒超過である場合には、TS(Min)/TS(RT)>0.9を安定して満たすことが出来ており、即ち、高温域での強度低下を十分抑制するには、Cfreeと仕上げ焼鈍の冷却速度との両方を制御する必要があることが判明した。
なお、Cfree≧0.005であっても、TS(Min)/TS(RT)>0.9を満たしているが、200℃×10時間の時効試験を行ったところ、これらの鋼板で鉄損の劣化が認められたため、以下で詳述する本発明では、範囲外としている。
<実験3>
質量%で、C=0.0021%,Si=2.9%、sol−Al=1.25%、Mn=0.3%、P=0.01%、Sn=0.03%、S=0.0014%、Ti=0.0011%、N=0.0016%,Nb=tr.,Zr=tr.,V=tr.(Cfree=0.0032)を含有し、残部がFe及び不純物である無方向性電磁鋼板の冷延板を用い、仕上げ焼鈍を以下の表1に示す3つの条件で行い、その後絶縁コーティングを施した。得られた無方向性電磁鋼板の一部は、JIS5号試験片に加工し、室温から300℃までの温間引張試験でTSを調べた。また、一部をワイヤーカットにより実験モータのロータに加工し、実験モータとした。実験モータは、無負荷一定速度で回転させた時にコア温度が200℃まで上昇するまでの時間と、実験後のロータの変形有無とで評価し、その結果を備考にまとめている。
Figure 0006497176
鋼種Aと鋼種Bとを比べると、一般的な強度指標と考えられるTS(RT)では鋼種Aが優れているが、TS(Min)は同程度であり、実用上は強度面では同等と言える。どちらの鋼種でも、モータテスト自体に大きな問題は無かったが、鋼種Aは、実験モータの200℃到達時間が短く、コアの加熱が大きいという問題があるということが分かった。
次に、鋼種Bと鋼種Cとを比べると、TS(RT)は同等であるが、TS(Min)が鋼種Cは劣っていた。実験モータの200℃到達時間は同等であったが、モータテスト後にロータ形状を調べると、鋼種Cでは僅かに変形が見られており、モータの仕様によりロータコアが破損したと言え、実用上の強度が不足していたとの結果であった。
以上の実験結果は、本発明者らが行った実験の一部であるが、本発明者らは、これらの実験を元に、以下で詳述する本発明を完成した。
(無方向性電磁鋼板について)
本発明の実施形態に係る無方向電磁鋼板は、使用時の鉄心の温度が100℃以上300℃以下となる設計のモータのロータ部分の鉄心素材として用いられる、ロータ用無方向性電磁鋼板である。本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、室温(15℃)での引張強さTSをTS(RT)とし、100℃以上300℃以下でのTSの最低値をTS(Min)としたときに、TS(Min)/TS(RT)≧0.9である。
本実施形態に係る無方向電磁鋼板は、質量%で、C:0.0020%〜0.0100%、P,Snの少なくとも何れか一方:それぞれ0.01%〜0.20%を少なくとも含有し、かつ、N、Nb、Zr、Ti、Vの少なくとも何れかを、下記式(1)で表わされるCfreeの値が0.002≦Cfree≦0.005となるように含有し、残部がFe及び不純物であることが好ましい。また、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、Feの一部にかえて、質量%で、Si:2.0%〜4.0%、sol−Al:0.3%〜2.0%、Mn:0.2%〜1.0%、を更に含有してもよい。
free=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51) ・・・(1)
ここで、上記式(1)において、[X]で表わされる表記は、元素Xの含有量[質量%]であり、含有していない元素の含有量はゼロを代入するものとする。
<化学成分について>
以下では、まず、本実施形態に係る無方向性電磁鋼板の化学組成の限定理由について説明する。なお、以下の説明において、含有割合を示す「%」は、特に断りの無い限り「質量%」を意味するものとする。
[C:0.0020%〜0.0100%]
Cは、本発明の高温での強度確保に重要な元素であり、その効果を安定して得るには、Cの含有量は、0.002%以上とすることが重要である。しかしながら、Cの含有量を増やし過ぎると、鋼板が硬く脆くなり、製造上の課題が生じるため、Cの含有量の上限を、0.01%とすることが好ましい。Cの含有量は、より好ましくは、0.0025%〜0.0050%である。
[Cfree=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51):0.0020%〜0.0050%]
それぞれの元素名で表わされる変数として、鋼中の含有量(質量%)を用い、炭化物や窒化物とならずに固溶Cとして存在するC量の指標となることを想定した値として、Cfree=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51)を定義した。本実施形態に係る無方向性電磁鋼板では、かかるCfreeの値を、0.0020以上0.0050以下とすることが重要である。なお、Nの含有量が式に含まれている理由は、式中に記載した炭化物形成元素が窒化物も作り易く、窒化物となった分は炭化物形成に寄与しないために、窒化物となった分を差し引くためである。本発明で着目している高温域での強度低下を抑制するためには、Cfree≧0.0020とすることが重要であり、Cfreeの値が大きい(換言すれば、固溶Cの量が多い)ほど強度面では有利であるが、固溶Cの量が多すぎるとセメンタイトの析出による時効が生じ、磁気特性を劣化させてしまうという別の問題が生じる。そのため、Cfreeの値は、0.0050以下とすることが重要である。Cfreeの値は、より好ましくは、0.0030〜0.0045である。
[Si:2.0%〜4.0%]
Siは、電磁鋼板の固有抵抗を高める元素であり、鉄損の低減に有効であることに加えて、安価に固有抵抗を高めることが出来るとの経済的な理由から、2.0%以上を含有することが好ましい。一方で、Siの含有量が多いほど鉄損には有効であるが、多すぎると脆化して製造途中での破断リスクを著しく増大することから、Siの含有量の上限を4.0%とすることが好ましい。Siの含有量は、より好ましくは、2.5%〜3.3%である。
[sol−Al:0.3%〜2.0%]
sol−Alは、電磁鋼板の固有抵抗を高める元素である。しかしながら、磁束密度Bs低下への寄与が高く、鋼板の脆化にも影響が大きいため、sol−Alの含有量の上限を2.0%とすることが好ましい。また、sol−Alの含有量が低すぎると、固有抵抗が低くなってしまう他、AlN等の窒化物が微細に析出して粒成長を悪化させ、鉄損を悪化する懸念がある。そのため、sol−Alの含有量の下限を0.3%とすることが好ましい。sol−Alの含有量は、より好ましくは、0.3%〜1.4%である。
[Mn:0.2%〜1.0%]
Mnは、鋼板の脆性をあまり悪化させずに電磁鋼板の固有抵抗を高める元素であり、鉄損の低減に有効であることから、Mnの含有量を0.2%以上とすることが好ましい。Mnの含有量が多いほど鉄損には有効であるが、Mnはオーステナイトフォーマーであることから、Mnの含有量が多すぎると製造途中の高温処理時にフェライト単相で無くなり、製品板において著しく磁気特性を悪化させる懸念がある。そのため、Mnの含有量の上限を1.0%とすることが好ましい。Mnの含有量は、より好ましくは、0.25%〜0.85%である。
[P,Sn:1種又は2種でそれぞれ0.01%〜0.20%]
P,Snは、それぞれ偏析型元素であり、結晶粒界に偏析することでCが粒界に偏析することを防ぎ、結晶粒内に存在する固溶Cの割合を増加させることで本発明で着目する高温域での高強度を得ることが可能となるため、重要な元素である。Cの偏析を抑制する効果を得るには、P,Snの1種又は2種でそれぞれ0.01%以上含有することが重要である。ここで、それぞれの含有量が0.10%以上では効果が飽和し始め、それぞれの含有量が0.20%以上含有させても、それ以上の効果は得られない。そのため、P,Snの1種又は2種の含有量の上限を、0.20%とすることが重要である。Cの偏析を抑制する効果は、P,Snどちらとも同様にあるので、どちらか一方を鋼に含有させることが重要である。また、P,Snの両方を含有させても本発明の効果を妨げるものではないため、P,Snの両方を含有させてもよい。P,Snの1種又は2種の含有量は、より好ましくは、それぞれ0.03%〜0.08%である。
[その他元素について]
本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、更に強度を増加させるための元素として、Nb,Zr,Ti,Vの少なくとも何れかを含有することが好ましい。この際、上記Cfree=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51)の値を0.002以上0.005以下の範囲に制御することで、本発明の効果を得ることが出来る。
また、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、不可避的な不純物として、又は、磁気特性を良好にする元素として、O、Cu、Cr、Ca、REM、Sb、B等を、本発明の機械特性及び磁気特性を損なわない範囲で含有してもよい。
<引張強さについて>
上記のような化学成分を有する、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板は、100℃〜300℃という高温状態においても優れた強度を有し、かつ、優れた磁気特性を有する。そのため、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の室温(15℃)で測定した引張強さTSをTS(RT)とし、100℃以上300℃以下の温度で測定した引張強さTSをTS(Min)としたときに、TS(Min)/TS(RT)≧0.9となる。ここで、TS(Min)/TS(RT)の値は、好ましくは、0.91以上である。なお、TS(Min)/TS(RT)の値は、大きければ大きいほど高温での強度の低下が無いという点で好ましいが、TS(Min)/TS(RT)値は、実質的には1.0以下となる。
なお、上記のような室温及び高温での引張強さは、公知の温間引張試験機を用いて測定することが可能である。
また、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の磁束密度や、各種鉄損などといった磁気特性の測定方法については、特に限定されるものではなく、例えば、JIS C 2550に規定されているエプスタイン試験に基づく方法や、JIS C 2556に規定されている単板磁気特性試験法(Single Sheet Tester:SST)など、公知の方法により測定することが可能である。
以上、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板について、詳細に説明した。
(無方向性電磁鋼板の製造方法について)
次に、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の製造条件であるが、仕上げ焼鈍に関する条件を除き、一般的に知られた無方向性電磁鋼板の製造方法に従って良い。すなわち、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の製造方法では、上記の化学成分を含有する無方向性電磁鋼板スラブを、一般的に知られた無方向性電磁鋼板の製造方法に従って冷間圧延板とした後、以下で詳述するような仕上げ焼鈍を実施すればよい。
ここで、仕上げ焼鈍に関しては、900℃以上の温度まで鋼板を加熱し、その後の冷却過程を、800℃以下500℃以上の温度域での冷却速度が25℃/秒超過となる条件で実施することが、本発明で着目する高温域において引張強度の低下を10%以下に抑えるために必要である。
なお、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板の製造方法において、焼鈍温度は、好ましくは950℃以上である。また、焼鈍温度の上限値は、特に規定するものではないが、1050℃とすることが好ましい。
また、仕上げ焼鈍時における冷却過程では、800℃以下500℃以上の温度域での冷却速度を30℃/秒以上とすることが、より好ましい。また、かかる温度域での冷却速度の上限値は、特に規定するものではないが、50℃/秒とすることが好ましい。
本発明の実施形態において、高温での強度低下が抑制できる理由であるが、以下のように考えている。すなわち、通常であれば、鋼板は温度上昇に従って転位が動きやすくなるため、軟化が生じる。一方で、本発明の実施形態に係る無方向性電磁鋼板では、微量含まれる固溶Cが高温域で転位に寄り集まって転位の動きを阻害することで、鋼板が強化されたものと推定している。
製造条件の制御が重要である理由は、Cを析出状態ではなく固溶状態で鋼板中に均一に分散させておくことが、高温での強度確保に必要であるからだと考えている。
化学成分については、炭化物を形成するような元素に対してC量を過剰とすることで固溶Cとして鋼中に存在する量を確保することが重要であり、また、P又はSnの含有が重要である理由は、これらの元素が偏析型の元素であり、自身が粒界へ偏析することで固溶Cが粒界へ偏析することを防ぎ、粒内で転位の動きを抑制する効果を増加させるためと考えている。
また、製造条件については、析出状態となって固溶Cが減ってしまうことを防ぐために、上記のような製造条件が重要であると言える。即ち、仕上げ焼鈍を900℃以上で実施することで、一部炭化物として析出したCを再び固溶させ、再析出が起こる温度範囲を一定以上の冷却速度で冷却することで、Cの析出を抑制して固溶状態を維持しているものと考えている。なお、本発明の効果は、析出強化など様々な強化方法を施した場合でも本発明の規定する条件を満たしていれば、問題無く発現させることが可能である。
(実施例1)
以下の表2に示すような成分の無方向性電磁鋼板インゴットを、真空溶解により溶製した。得られた無方向性電磁鋼板インゴットを、熱間圧延で板厚t=2.1mmの熱延板とし、1000℃×40秒の熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、冷間圧延により板厚t=0.30mmの冷延板とした。その後、表2に示すような仕上げ焼鈍温度及び冷却速度条件で仕上げ焼鈍を行い、更に、絶縁コーティングを施した。
得られた無方向性電磁鋼板は、一部をJIS5号試験片に加工し、室温から300℃までの温間引張試験で引張強度TSを調べ、TS(Min)/TS(RT)で評価を行った。
更に、得られた無方向性電磁鋼板の一部は、55mm角に打ち抜き、200℃×10時間の時効処理前後で鉄損劣化が無いかを端板磁気測定試験機(SST:Single Sheet Tester)により磁気測定を行うことで調べた。
得られた結果を、以下の表2にまとめて示した。
Figure 0006497176
表2から明らかなように、Cfree値が0.002以上0.005以下の範囲にある素材では、TS(Min)/TS(RT)が0.9以上と良好な結果が得られた。しかしながら、No.7では仕上げ焼鈍の冷却速度が本発明の範囲外となり、No.8では仕上げ焼鈍温度が本発明の範囲外となり、No.13ではP,Snの含有量が本発明の範囲外となった結果、TS(Min)/TS(RT)が0.9を下回っていた。No.14に関しては、TS(Min)/TS(RT)は0.9を上回っているが、時効処理後に鉄損劣化があった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 使用時の鉄心の温度が100℃以上300℃以下となる設計のモータのロータ部分の鉄心素材として用いられる無方向性電磁鋼板であり、
    質量%で、
    C:0.0020%〜0.0100%
    P,Snの少なくとも何れか一方:それぞれ0.01%〜0.20%
    Si:2.0%〜4.0%
    sol−Al:0.3%〜2.0%
    Mn:0.2%〜1.0%
    を含有し、かつ、
    N、Nb、Zr、Ti、Vの少なくとも何れかを、下記式(1)で表わされるC free の値が0.002≦C free ≦0.005となるように含有し、
    残部がFe及び不純物であり
    15℃での引張強さTSをTS(RT)とし、100℃以上300℃以下でのTSの最低値をTS(Min)としたとき、TS(Min)/TS(RT)≧0.9である、ロータ用無方向性電磁鋼板。

    free =12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51) ・・・(1)

    ここで、上記式(1)において、[X]で表わされる表記は、元素Xの含有量[質量%]であり、含有していない元素の含有量はゼロを代入するものとする。
  2. 請求項に記載されたロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法であって、
    化学成分として、質量%で、
    C:0.0020%〜0.0100%
    P,Snの少なくとも何れか一方:それぞれ0.01%〜0.20%
    Si:2.0%〜4.0%
    sol−Al:0.3%〜2.0%
    Mn:0.2%〜1.0%
    を含有し、かつ、
    N、Nb、Zr、Ti、Vの少なくとも何れかを含有し、当該N、Nb、Zr、Ti、Vの含有量が、下記式(1)で表わされるC free の値が0.002≦C free ≦0.005となるように制御されており、
    残部がFe及び不純物である無方向性電磁鋼板スラブを、冷間圧延板とした後、
    仕上げ焼鈍において、焼鈍温度を900℃以上で行い、冷却時の800℃以下500℃以上の温度域における冷却速度を25℃/秒超過とする、ロータ用無方向性電磁鋼板の製造方法。

    free=12×([C]/12+[N]/14−[Nb]/93−[Zr]/91−[Ti]/48−[V]/51) ・・・(1)

    ここで、上記式(1)において、[X]で表わされる表記は、元素Xの含有量[質量%]であり、含有していない元素の含有量はゼロを代入するものとする。
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