JP6495693B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、カゴ形回転子を備える回転電機に関する。この回転電機には、誘導電動機及び誘導発電機が含まれる。
特許文献1には、円筒状の固定子と、円柱状の回転子とを備えるカゴ形誘導電動機が開示されている。回転子は、磁性材料により形成された芯材と、芯材に配置されたカゴ形の導通部材とを備える。芯材には、軸方向に貫通する回転子スロットが芯材の周方向に間隔をあけて複数設けられている。導通部材は、回転子スロットにそれぞれ挿通される複数の導通棒を備える。複数(全て)の導通棒の両端部は、円板状のエンドリング(短絡部材)によってそれぞれ連結されている。
発電容量が大きい中型及び大型のカゴ形誘導電動機には、特殊カゴ形の回転子が使用される。非特許文献1には、特殊カゴ形の回転子として、深溝カゴ形と二重カゴ形が開示されている。深溝カゴ形は、芯材の回転子スロット及び導通部材の導通棒の径方向の寸法が普通カゴ形より長い。二重カゴ形は、径方向に間隔をあけて第1及び第2回転子スロットを設けた芯材と、第1回転子スロットに挿通された第1導通棒を有する第1導通部材と、第2回転子スロットに挿通された第2導通棒を有する第2導通部材とを備える。
深溝カゴ形の誘導電動機は、運転効率は良好であるが、始動特性を二重カゴ形と比較すると、始動トルクが小さく、始動電流が大きい。なお、始動特性は、導通部材を高抵抗材料(例えば丹銅、アルミ、黄銅など)に変更することで改善可能であるが、始動後の通常運転時のスベリが大きくなるため、運転効率が低下する。また、二重カゴ形の誘導電動機は、第1及び第2導通棒の材料を変更することが可能なため、始動特性を向上するとともに運転効率の低下を防止できるが、構造が複雑であるためコスト高になる。
図解 誘導電動機 −基礎から制御まで−,著者 坪島茂彦,発行所 東京電機大学出版局,2009年2月20日 第2版4刷発行,56-58頁
特開2010−263758号公報
本発明は、始動特性及び運転効率が良好で、構造が簡素なカゴ形回転子を備える回転電機を提供することを課題とする。
本発明は、回転軸の外周部に設けられた円筒状の芯材と、前記芯材に配置された導通部材とを有する回転子を備え、前記回転子が固定子の内部に回転可能に配置された回転電機において、前記芯材は、前記芯材自体の径方向に延びるとともに前記芯材自体の軸方向に延び、周方向に間隔をあけて複数設けられた挿通溝を有し、前記導通部材は、前記芯材の前記挿通溝にそれぞれ挿通された複数の導通棒と、前記複数の導通棒の端部に連結された短絡部材とを有し、前記導通棒は、前記芯材の軸方向に延び、前記芯材の径方向外側の部分に位置する第1導通部と、前記第1導通部より前記芯材の径方向内側の部分に位置する第2導通部とに前記導通棒自体を区画する区画溝を有し、前記挿通溝は、前記芯材の径方向外側の部分に位置する外端部と、前記芯材の径方向内側の部分に位置する内端部と、前記外端部及び前記内端部にかけて延びる一対の側部とで画定され、前記側部と前記導通棒の前記区画溝との間に形成された空隙部に、前記芯材と別体の磁性部材が嵌合されており、前記芯材は、磁性を有するコア板を軸方向に積層して形成され、両端に配置された第1コア板は、前記磁性部材が軸方向に移動することを防止する閉塞部を有する、回転電機を提供する。
この回転電機のカゴ形の導通部材の導通棒には、芯材の軸方向に延びる区画溝が設けられている。この区画溝により導通棒は、芯材の径方向外側の部分に位置する第1導通部と、芯材の径方向内側の部分に位置する第2導通部とに区画されている。その結果、始動時に回転子に鎖交する磁束は第1導通部に集中し、始動電流も回転子の第1導通部に集中するため、二重カゴ形と類似の効果を得ることができる。言い換えれば、深溝カゴ形の導通棒に区画溝を設けることにより、二重カゴ形と同様の効果を得ることができる。そのため、深溝カゴ形の運転効率及び簡素な構造を保ちつつ、始動特性を大きく改善できる。
また、挿通溝は外端部、内端部及び一対の側部によって画定され、区画溝によって形成された空隙部に磁性部材を嵌合した構成であるため、既存の深溝カゴ形の回転子を加工することで、容易に二重カゴ形と類似の効果を得ることができる。また、両端に配置された第1コア板が軸方向への磁性部材の移動を防止する閉塞部を有するため、別体の磁性部材を脱落させることなく、確実に保持できる。
前記区画溝は、前記導通棒の片側だけに設けられている。このようにすれば、導通棒の加工性(生産性)を向上できる。
前記第1導通部の断面積は、前記第2導通部の断面積の1/2以下である。このようにすれば、従来の深溝カゴ形の回転子に対して、始動トルクを増加させるとともに、始動電流を低減させることができ、確実に始動特性を改善できる。また、前記第1導通部の断面積は、前記第2導通部の断面積の1/4以上である。このようにすれば、導通棒の機械的強度や熱容量に影響が及ぶことを防止できる。
本発明の回転電機は、深溝カゴ形の導通棒に区画溝を設けて第1及び第2導通部に区画しているため、深溝カゴ形の運転効率及び簡素な構造を保ちつつ、始動特性を大きく改善できる。
本発明の第1実施形態のカゴ形回転子を用いた誘導電動機の断面図。 誘導電動機の他の断面図。 カゴ形回転子の分解斜視図。 挿通溝と導通棒を示す断面図。 第1及び第2導通部の断面積比と始動特性の関係を示すグラフ。 第2実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第3実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第4実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第5実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第6実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第7実施形態の回転子の挿通溝と導通棒を示す断面図。 第7実施形態の回転子の分解斜視図。 発明品の回転子と従来品の深溝カゴ形の回転子のトルク及び電流の特性を示すグラフ。 発明品の回転子と2種の従来品の回転子の導体抵抗とスベリの関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」、「天」、「底」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る回転電機であるカゴ形回転子を用いた誘導電動機10を示す。誘導電動機10は、ケーシング11の内部に固定子12と回転子17とを備える。
固定子12は、ケーシング11の内周部に固定された円筒状のステータコア13を備える。ステータコア13は、磁性材料(電磁鋼板)からなる複数枚の円環状のコア板を積層して構成されている。ステータコア13の軸方向に貫通した孔は回転子配設部14である。ステータコア13の回転子配設部14側である径方向内側の部分には、軸方向に貫通した固定子スロット(固定子側挿通溝)15が周方向に間隔をあけて複数設けられている。固定子スロット15には、それぞれ巻線16が電気的に通電可能に配線されている。
回転子17は、固定子12の回転子配設部14(内部)に回転可能に配置されている。回転子17は、円筒状の芯材18と、芯材18の外周側に一体に配置されたカゴ形の導通部材24とを備える。通電制御により固定子12の巻線16に電流を流すことで回転磁界が形成される。この回転磁界によって起電力が発生して導通部材24に電流が流れる。この電流と回転磁界の間に電磁力が発生することにより、固定子12の内部で回転子17が回転する。
図1及び図3に示すように、芯材18は、磁性材料(電磁鋼板)からなる複数の円環状のコア板19を軸方向に積層して構成されている。コア板19は、回転軸(出力軸)20の外周部に配置されている。コア板19と回転軸20とは、焼き嵌めまたはキー(固定部材)により固定されている。これにより回転軸20は、芯材18の軸方向に沿って延びるように一体に配置されている。図2を参照すると、回転軸20は、芯材18の両端から外方へ突出され、ケーシング11に配設した軸受け21に回転可能に支持されている。
図1から図3に示すように、コア板19の径方向外側の部分(外周縁近傍)には、コア板19の径方向に延びる回転子スロット(回転子側挿通溝)22が周方向に間隔をあけて複数設けられている。各コア板19を回転軸20に固定することで、コア板19の中心は回転軸20の軸方向に延びる。また、組付時に各コア板19の回転子スロット22をそれぞれ一致させることで、回転子スロット22も軸芯18の軸方向に延びる。本実施形態の回転子スロット22の数は30個で、固定子スロット15の数は24個である。図1に最も明瞭に示すように、各回転子スロット22は、径方向外側の外端部22aと、径方向内側の内端部22bと、各端部22a,22bにかけて直線(接線)状に延びる一対の側部22c,22dとで画定されている。本実施形態の回転子スロット22は、外端部22aと内端部22bを半円とした長円形状である。図1中右側の側部22dには、四角形状をなすように内向き(周方向の左向き)に突出する凸部23が設けられている。凸部23は、回転子17を軸方向から見た回転子スロット22の全長に対して、コア板19の径方向外側の部分に位置する。また、各凸部23は、コア板19の積層により軸方向に延びるように積層されている。
図1から図3に示すように、導通部材24は、芯材18の回転子スロット22にそれぞれ挿通された複数の導通棒25と、複数(全て)の導通棒25の端部に連結された一対のエンドリング(短絡部材)26,26とを備える。導通棒25は、回転子スロット22の形状に対応する断面長円形状で、芯材18の軸方向の全長より長尺な棒状であり、電気抵抗材料(例えば純銅)によって形成されている。エンドリング26は円環状であり、導通棒25と同様の電気抵抗材料(例えば純銅)によって形成されている。導通棒25とエンドリング26とは、溶接又はロー付けにより導通可能に接合(連結)されている。
導通棒25には、凹状に窪む区画溝27が軸方向に延びるように設けられている。区画溝27は、芯材18に配設した状態で、周方向に窪むように導通棒25の一面側(片側)だけを切り欠いて形成されている。導通棒25を導通部材24の回転子スロット22に挿通することで、区画溝27に導通部材24の凸部23が嵌合する。区画溝27により導通棒25は、芯材18の径方向外側に位置する第1導通部28と、第1導通部28より芯材18の径方向内側に位置する第2導通部29とに区画される。
このように、導通棒25に区画溝27を設けることで、構造が簡素な深溝カゴ形の回転子17を、二重カゴ形の回転子と類似の特性にすることができる。詳しくは、始動時に、回転子17に鎖交する磁束が第1導通部28に集中し、始動電流も回転子17の第1導通部28に集中することで、始動特性を向上できる。また、始動時には接続部30を介して第2導通部29がヒートシンクとして機能するので始動時の第1導通部28の過熱を緩和することができる。始動後の通常運転時には、電流が第1導通部28、接続部30、及び第2導通部29にほぼ均一に分布することで、等価的な抵抗値が下がり、スベリを抑制して運転効率を向上できる。
第1導通部28と第2導通部29の関係を更に詳しく説明する。図4に示すように、導通棒25の断面において、長尺方向の区画溝27の半分から上部(径方向外側)を第1導通部28の領域とし、下部(径方向内側)を第2導通部29の領域とする。そして、第1導通部28の断面積S1は、第2導通郎29の断面積S2の1/2以下1/4以上としている。
詳しくは、図5に示すように、始動トルクの特性変化率は、第1及び第2導通部28,29の断面積比(Sl/S2)が小さくなるに従って高くなる一方、断面積比が1/2より大きくなると1.0を下回る。また、始動電流の特性変化率は、第1及び第2導通部28,29の断面積比が小さくなるに従って低くなる一方、断面積比が1/2より大きくなると1.0を上回る。即ち、第1及び第2導通部28,29の断面積比を1/2より大きくすると、始動時に芯材18の径方向外側に磁束及び電流を集中できず、始動トルクが低下するとともに、始動電流が増加する(始動特性の低下)。また、第1及び第2導通部28.29の断面積比は小さい程良いが、1/4未満にすると導通棒25の機械的強度や熱容量に影響が及ぶため、1/4以上とすることが好ましい。
図4に示すように、区画溝27を設けることによる残りの接続部30の幅W1は、導通棒25の断面の短尺方向の横幅W2に対して狭い程良いが、1/2以下1/4以上の横幅比(Wl/W2)とすることが好ましい。接続部30の横幅W1を導通棒25の横幅W2の1/2より大きくすると、第1及び第2導通部28,29の電気的及び電磁的な導通を区画する効果が薄れる。また、横幅比を1/4より小さくすると、導通棒25の機械的強度を確保できない。そのため、接続部30の幅W1は、導通棒25の横幅W2に対して1/2以下1/4以上とする。
このようにした誘導電動機10の回転子17の導通部材24は、始動時に、区画溝27によって区画した第1導通部28に磁束及び電流が集中させることができるため、二重カゴ形の回転子と類似の効果(特性)を得ることができる。言い換えれば、深溝カゴ形の導通棒25に区画溝27を設けることにより、二重カゴ形と同様の効果を得ることができる。そのため、深溝カゴ形の運転効率及び簡素な構造を保ちつつ、始動特性を大きく改善できる。
また、区画溝27は導通棒25の一面側だけに設けられているため、加工性(生産性)を向上できる。即ち、既存の深溝カゴ形の導通棒25に区画溝27を設けることで、二重カゴ形と類似の始動特性を得ることができるため、容易に実現可能であるうえ、コストの増大を抑制できる。しかも、第1導通部28の断面積S1が第2導通部29の断面積S2の1/2以下となるように、導通棒25に区画溝27を設けることで、第1及び第2導通部28,29に鎖交する磁束を確実に分離し、確実に始動トルクを増加させるとともに、始動電流を低減させることができる。また、第1及び第2導通部28.29の断面積比を1/4以上とすることで、導通棒25の機械的強度及び熱容量を十分確保できる。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態の回転子17の回転子スロット22及び導通棒25を示す。この第2実施形態では、回転子スロット22の径方向外側の部分に位置する外端部22aを径方向内側の部分に位置する内端部22bより小径の半円形状とし、導通棒25を対応する断面形状とした点で、第1実施形態と相違する。このようにした深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図7は第3実施形態の回転子17の回転子スロット22及び導通棒25を示す。この第3実施形態では、回転子スロット22の径方向外側の部分に位置する外端部22aを径方向内側の部分に位置する内端部22bより大径の半円形状とし、導通棒25を対応する断面形状とした点で、第1実施形態と相違する。このようにした深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図8は第4実施形態の回転子17の回転子スロット22及び導通棒25を示す。この第4実施形態では、回転子スロット22の各端部22a,22bを直線状に延びる長方形状とし、径方向外側の外端部22aにコア板19の外周部に連通する連通部22eを設けた点で、第1実施形態と相違する。連通部22eの横幅は、導通棒25の断面の短尺方向の横幅より狭い。このようにした深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図9は第5実施形態の回転子17の回転子スロット22及び導通棒25を示す。この第5実施形態では、回転子スロット22の径方向外側の部分に位置する外端部22aを径方向内側の部分に位置する内端部22bより寸法が短い台形状とし、導通棒25を対応する断面形状とした点で、第4実施形態と相違する。このようにした深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第6実施形態)
図10は第6実施形態の回転子17の回転子スロット22及び導通棒25を示す。この第6実施形態では、回転子スロット22の径方向外側の部分に位置する外端部22aを径方向内側の部分に位置する内端部22bより寸法が長い台形状とし、導通棒25を対応する断面形状とした点で、第4実施形態と相違する。このようにした深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
(第7実施形態)
図11は第7実施形態の回転子17の回転子スロット22B及び導通棒25を示す。この第7実施形態では、回転子スロット22Bは凸部23を設けていない従来と同様の長円形状の深溝カゴ形とする一方、導通棒25は区画溝27を設けた第1実施形態と同様の類似二重カゴ形としている。また、第7実施形態では、回転子スロット22Bの右側部22dと導通棒25の区画溝27との間に形成された空隙部31に、芯材18及び導通棒25とは異なる別体の磁性部材32を嵌め込んだ点で、第1実施形態と相違する。
詳しくは、図12に示すように、回転子17の芯材18は、磁性を有するコア板19A,19Bを軸方向に積層して形成されている。磁性部材32は、芯材18と軸方向の全長よりコア板19A,19A二枚分の寸法だけ短い。そして、芯材18の両端に配置された第1のコア板19A,19Aには、導通棒25の区画溝27に嵌まり、磁性部材32が軸方向に移動することを防止する凸部(閉塞部)23を有する第1の回転子スロット22Aが設けられている。また、両端間に配置される第2のコア板19Bには、凸部23を設けていない長円形状の回転子スロット22Bが形成されている。言い換えれば、芯材18は、凸部23を有する回転子スロット22Aを形成した新設のコア板19Aと、長円形状の回転子スロット22Bを形成した既存のコア板19Bとを備え、殆どが既存のコア板19Bにより構成されている。
このようにした第7実施形態の深溝カゴ形の回転子17においても、凸部23及び区画溝27を設けて導通棒25を第1及び第2導通部28,29に区画し、第1実施形態と同様の断面積比とすることで、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。しかも、回転子スロット22Bと区画溝27の間に形成される空隙部31には別体の磁性部材32が配置されるため、既存の深溝カゴ形の回転子17を加工することで、容易に二重カゴ形と類似を効果を得ることができる。また、芯材18を構成する両端のコア板19A,19Aだけ凸部23を設けることで、空隙部31に配置した別体の磁性部材32を脱落させることなく、確実に保持できる。
なお、第7実施形態では、回転子スロット22A,22B及び導通部材24を第1実施形態と同様に長円形状としたが、第2から第6実施形態に示す断面形状としても、同様の作用及び効果を得ることができる。
(実験例1)
本発明者らは、第1実施形態と同様の凸部23及び区画溝27を設けた発明品と、凸部23及び区画溝27を設けていない従来品とを用い、始動トルク及び始動電流の特性について電磁界解析を行うと同時に、試験を行いその始動特性を比較、検証した。なお、導通棒25は、断面の長尺方向の全長が20mmで短尺方向の横幅が5mmの深溝カゴ形とした。コア板19は電磁鋼板製であり、導通棒25は純銅製である。従来品と発明品の誘導電動機の始動時のトルクと電流の特性曲線の解析結果を図13に示す。
図13に実線で示すように、区画溝27を設けた発明品の回転子17(太線)は、区画溝27を設けていない従来品の回転子(細線)と比較して、高い始動トルクを得ることができることを確認できた。また、図13に破線で示すように、発明品の回転子17(太線)は、従来品の回転子(細線)と比較して、始動電流を低減できることを確認できた。よって、同一材料の導通棒25である場合、区画溝27を設けることで始動特性を大きく改善できることを確認できた。
(実験例2)
また、本発明者らは、凸部23及び区画溝27を設けた純銅製の発明品と、凸部23及び区画溝27を設けていない純銅製の第1従来品と、凸部23及び区画溝27を設けていない丹銅(抵抗値の高い高抵抗導体)製の第2従来品とを用意し、それぞれの回転子の導体抵抗値のスベリ依存性を比較、検証した。なお、導通棒25の寸法、及びコア板19の材料は実験例1と同様である。また、発明品の第1及び第2導通部28,29の断面積比(S1/S2)は1/3である。この解析結果を図14に示す。
ここで、スベリとは、回転子17の回転数Nが同期回転数Nsからずれている割合を表す数字である。このスベリSは、以下の式で求めることができる。
S=(Ns−N)/Ns … (1)
停止時(始動時)は、N=0であるため、S=1.0となる。回転が安定した通常運転時は、S=0であることが好ましいが、若干のスベリがあるためS≒0となる。
誘導電動機10では、回転子17を設定回転数で回転させるために、始動時のトルクは大きく、回転が安定した通常運転時のトルクは小さい方が好ましい。また、抵抗値が高い材料からなる導通部材24を用いた誘導電動機10は、抵抗値が低い導通部材24を用いた誘導電動機10と比較して、トルクが大きく、電流が小さくなることが知られている。
図14の第1従来品(細い実線)及び第2従来品(破線)を参照すると、始動時(X軸S=1)の抵抗値は、高抵抗材料からなる第2従来品の方が、純銅からなる第1従来品と比較して高い。よって、始動時のトルクは、第1従来品より第2従来品の方が大きい。始動電流は、第1従来品より第2従来品の方が小さい。そのため、始動時の特性は、第1従来品より第2従来品の方が良いことが解る。
通常運転時(X軸S≒0)の抵抗値は、同様に、第1従来品より第2従来品の方が高い。通常運転時に、抵抗値が高い(トルクが大きい)ということは、スベリが生じ易く、損失が大きいことを意味する。よって、通常運転時の損失は、第1従来品より第2従来品の方が大きい。そのため、通常運転時の効率は、第1従来品より第2従来品の方が悪いことが解る。
第1従来品に凸部23及び区画溝27を設けた発明品(太い実線)は、導体抵抗とスベリの関係の傾斜勾配が、第1及び第2従来品と比較して急になっている。詳しくは、始動時(S=1)を見ると、始動時には電磁気現象によって電流が導通棒25の径方向外側の部分に集中して流れるため、発明品の抵抗値は、第1従来品の抵抗値より遥かに高く、第2従来品の抵抗値より更に高くなる。よって、本発明品は、第1及び第2従来品と比較して、始動トルクが増大し、始動電流が減少することが解る。また、通常運転時(S≒0)を見ると、発明品の抵抗値は、第1従来品の抵抗値より若干高いだけで、第2従来品の抵抗値より遥かに低い。そのため、通常運転時の運転効率は、第1従来品と同等で、第2従来品より良いことが解る。
このように、発明品の導通部材24を用いた誘導電動機10は、始動特性及び通常運転効率の両方を改善することができる。また、第1及び第2導通部28,29の断面積比(S1/S2)を大きくすると、図14の左端を中心として傾斜角度が緩やかになる。逆に、断面積比を小さくすると、図14の左端を中心として傾斜角度が更に急になる。
なお、本発明の回転電機は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、導通部材24(特に導通棒25)は、純銅に限らず、希望に応じた抵抗率の材料(例えば丹銅、アルミ、黄銅など)を適用すればよい。また、区画溝27は、回転子スロット22及び導通棒25の一面側だけに設けたが、両面の対向位置に設けてもよい。また、凸部23及び区画溝27は、四角形状に限らず、区画の目的を達成できれば、その形状は希望に応じて変更が可能である。また、導通部材24は、導通棒25とエンドリング26とを溶接又はロー付けで接合したが、圧着等により連結してもよく、その連結方法は希望に応じて変更が可能である。また、前記実施形態では、本発明の回転電機として誘導電動機10を例に挙げて説明したが、カゴ形回転子を用いた誘導発電機に本発明の回転子17に適用しても、同様の作用及び効果を得ることができる。
10…誘導電動機(回転電機)
11…ケーシング
12…固定子
13…ステータコア
14…回転子配設部
15…固定子スロット(固定子側挿通溝)
16…巻線
17…回転子
18…芯材
19,19A,19B…コア板
20…回転軸
21…軸受け
22,22A,22B…回転子スロット(回転子側挿通溝)
22a…外端部
22b…内端部
22c…左側部
22d…右側部
22e…連通部
23…凸部
24…導通部材
25…導通棒
26…エンドリング(短絡部材)
27…区画溝
28…第1導通部
29…第2導通部
30…接続部
31…空隙部
32…磁性部材

Claims (4)

  1. 回転軸の外周部に設けられた円筒状の芯材と、前記芯材に配置された導通部材とを有する回転子を備え、前記回転子が固定子の内部に回転可能に配置された回転電機において、
    前記芯材は、前記芯材自体の径方向に延びるとともに前記芯材自体の軸方向に延び、周方向に間隔をあけて複数設けられた挿通溝を有し、
    前記導通部材は、前記芯材の前記挿通溝にそれぞれ挿通された複数の導通棒と、前記複数の導通棒の端部に連結された短絡部材とを有し、
    前記導通棒は、前記芯材の軸方向に延び、前記芯材の径方向外側の部分に位置する第1導通部と、前記第1導通部より前記芯材の径方向内側の部分に位置する第2導通部とに前記導通棒自体を区画する区画溝を有し、
    前記挿通溝は、前記芯材の径方向外側の部分に位置する外端部と、前記芯材の径方向内側の部分に位置する内端部と、前記外端部及び前記内端部にかけて延びる一対の側部とで画定され、前記側部と前記導通棒の前記区画溝との間に形成された空隙部に、前記芯材と別体の磁性部材が嵌合されており、
    前記芯材は、磁性を有するコア板を軸方向に積層して形成され、両端に配置された第1コア板は、前記磁性部材が軸方向に移動することを防止する閉塞部を有する、回転電機。
  2. 前記区画溝は、前記導通棒の片側だけに設けられている、請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記第1導通部の断面積は、前記第2導通部の断面積の1/2以下である、請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記第1導通部の断面積は、前記第2導通部の断面積の1/4以上である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の回転電機。
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