JP6495116B2 - 乗物用のシート材移動機構 - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用のシート材移動機構に関する。
従来、乗物用のシート材移動機構として、例えば特許文献1〜3が知られている。特許文献1は、長手方向に沿って延びる一対のレールの離間距離をシート材の自然状態の長さよりも相対的に大きく設定し、シート材の両端に配設される摺動部材をレールの溝に嵌め込む技術が開示されている。これにより、シート材に対する張力を強めシート材の垂れ下がりを抑制し得る。
特許文献2は、シート材の幅方向両端が折り返されて重ねられた折重ね部が設けられその内部に線部材が遊挿され、レール部材において係る折重ね部が幅方向に抜け止めする抜け止め部が設けられる技術が開示されている。これにより、シート材は組付けのばらつきによる摺動抵抗の増大が抑制され得る。
特許文献3は、シート材の幅方向の両側端縁部の下面に連結される案内体と、この案内体を受け入れてガイドするガイド空間を有する一対のガイド部を有する技術が開示されている。ここで、ガイド部は、ガイド空間の内壁面における案内体に隣接してシート幅方向の内側に位置し上側に向かってシート幅方向外側に傾斜する傾斜面部が形成されている。これにより、ガイド部は、シート材が開閉移動中に幅方向に動いた場合に幅方向の張力の不足を防止し得る。
特表2011−230705号公報 特表2013−252742号公報 特表2013−216123号公報
しかしながら、シート材の素材は、種々選択されるところ、シート材の伸び率が大きい素材もあれば、シート材の伸び率がほとんど得られない素材もある。また、シート材は、温度、湿度などの環境の変化によって伸縮が著しい素材もある。そのため、製造時、取付時の寸法精度を高めたとしてもシート材の張力を一定に維持することが困難なことが想定される。
ここで、特許文献1の技術は、組み付けた際のシートの垂れ下がりを抑制し得るものとなっているが、かかるシート材の伸び率、環境変化に伴い想定される伸縮を超えた場合にシートの垂れ下がりの抑制を得られない懸念がある。また、レール部材は直接車両の天井材に配設するため、シート装置における製造の寸法上のばらつき、シート材の取付寸法のばらつき等によって、シート材の幅方向の張力が減少してたるみ、しわの発生が懸念される。また、特許文献1の摺動部材は、張力が付与された状態でレール部材を摺動する構成であるため、シート材の幅方向の張力が必要以上に増大した場合にシート材の摺動抵抗が増大し、正常な作動に影響が生じ得る。
また、上記特許文献2の技術は、シート材の摺動抵抗が増大し難い構成であるが、一方でシート材の幅方向の張力が減少した場合にシート材のたるみ、しわが発生する可能性がある。
また、上記特許文献3の技術は、シート材の製造時の寸法上のばらつき、シート材の伸び率、環境変化に伴う伸びが大きい等の場合に、案内体とガイド部の傾斜面部とが接触しない状態を生じ得る。そのため、シート材が開閉移動中に幅方向に動いた場合、正常に張力不足を防止する構造が働かないことが懸念される。例えば、シート材の伸び率がほとんど得られない素材を選択し、製造時の寸法上のばらつきが大きくなり案内体が傾斜面部と接触しない状態の場合に顕著となり得る。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、乗物用のシート材移動機構において、製造時、取付時の寸法誤差の吸収と、シート材の張力が減少することを抑制することと、シート材の張力が増大した場合にシート材の摺動抵抗の増大を抑制することの両立を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用のシート材移動機構は次の手段をとる。先ず、第1の発明は、乗物用のシート材移動機構であって、柔軟な素材による面状のシート材と、該シート材を張設した状態で面方向に沿って第1の位置と第2の位置の間を移動可能に案内する一対の案内構造と、該案内構造を支持する支持体と、を備え、前記案内構造は、前記シート材が移動する方向に交差する幅方向の両端側において該シート材の厚み方向に張り出した案内体と、前記案内体が挿入されて摺動移動することで案内されるガイドレールと、を有し、該ガイドレールは、前記シート材の幅方向に弾性力を付勢することで前記シート材に幅方向の張力を付与する張力付与機構を介して前記支持体に支持される構成である。
この第1の発明によれば、案内構造はシート材を張設した状態で面方向に沿って第1の位置と第2の位置の間を移動可能に案内する。ここで案内構造は、案内体と、ガイドレールの構成である。ガイドレールは、シート材に幅方向の張力を付与する張力付与機構を介して支持体に支持されている。これにより、シート材の製造時、取付時の寸法誤差の吸収をすることができる。また、シート材の張力が減少することを抑制し得る。また、ガイドレールは、案内体が摺動移動する部位と、張力付与機構が別々に構成されている。そのため、案内体が摺動移動する部位にシート材の張力の直接的な影響を受け難い構成であるため、シート材の張力の付与に伴う摺動抵抗の増大を抑制し得る。また、シート材の摺動部分の耐久性の向上を図り得る。
次に、第2の発明は、第1の発明の乗物用のシート材移動機構であって、前記張力付与機構は、前記シート材の幅方向外方側に向かって弾性力が付勢されるように構成される。
この第2の発明によれば、張力付与機構は、シート材の幅方向外方側に向かって弾性力が付勢されるように構成することでより簡素な構成となり得る。
次に、第3の発明は、第1の発明または第2の発明の乗物用のシート材移動機構であって、前記ガイドレールは、前記支持体に対し、前記シート材の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされた嵌め合い構造を有する。
この第3の発明によれば、ガイドレールは、支持体に対し、シート材の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされた嵌め合い構造を有する。これにより、ガイドレールが支持体から脱落するのを抑制し得る。
次に、第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれかの乗物用のシート材移動機構であって、前記ガイドレールは、前記シート材の厚み方向に張り出した張出部を有し、
前記張出部又は、前記支持体若しくは支持体を構成する一部の少なくとも一方が弾性変形する構成とされる。
この第4の発明によれば、ガイドレールは、シート材の厚み方向に張り出した張出部を有する。また、張力付与機構は、ガイドレールの張出部又は、支持体若しくは支持体を構成する一部の少なくとも一方が弾性変形する構成とされる。これにより、簡素な構成で張力付与機構を構成し得る。
次に、第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれかの乗物用のシート材移動機構であって、前記支持体は、前記シート材の移動方向において離間して断続的に配設される。
この第5の発明によれば、支持体は、シート材の移動方向において離間して断続的に配設されるため、ガイドレールを湾曲させて配設する場合でも、支持体によるガイドレールの支持がしやすくなる。
次に、第6の発明は、第4の発明または第5の発明の乗物用のシート材移動機構であって、前記張出部は、熱可塑性エラストマーで構成されており、前記支持体と係り合って弾性変形する構成である。
この第6の発明によれば、ガイドレールの張出部は、熱可塑性エラストマーで構成される。これにより、シート材の張力の付与を円滑にし得る。また、張出部を熱可塑性エラストマーで構成することで、支持体に対し変形しても、シート材の案内体とガイドレールの摺動部分への影響を抑制し得る。
次に、第7の発明は、第6の発明の乗物用のシート材移動機構であって、前記ガイドレールは、前記案内体が挿入される案内部が熱可塑性樹脂で構成され、前記張出部が熱可塑性エラストマーとして構成されており、前記案内部と前記張出部は二色押出成形で形成される。
この第7の発明によれば、案内部と張出部を二色押出成形で構成することで、一体で張力付与機構を備えるガイドレールとすることができる。そのため、製造コストの低減を図り得る。
本発明は上記各発明の手段をとることにより、乗物用のシート材移動機構において、製造時、取付時の寸法誤差の吸収と、シート材の張力が減少することを抑制することと、シート材の張力が増大した場合にシート材の摺動抵抗の増大を抑制することの両立を図ることができる。
実施形態1としての車両用天井構造における開閉機構を示した斜視図である。 実施形態1の車両用天井構造における開閉機構をルーフパネル側から見た平面図である。 図1のIII部の拡大斜視図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図4のV部を拡大した一部拡大断面図である。 実施形態2としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態3としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態4としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態5としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態6としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態7としての車両用天井構造における開閉機構について図5に対応して示した一部拡大断面図である。 実施形態8としての車両用天井構造における開閉機構について図1に対応して示した斜視図である。 実施形態9の車両用天井構造における開閉機構をルーフパネル側から見た平面図である。 図13のXIV−XIV線断面図である。 図13のXV−XV線断面図である。 図13のXVI−XVI線断面図である。 実施形態10としての車両用天井構造における開閉機構を示した斜視図である。 図17のXVIII−XVIII線断面図である。 実施形態10としての車両用天井構造における開閉機構の分解斜視図である。 実施形態10としての車両用天井構造における開閉機構を示した拡大斜視図である。
<実施形態1>
以下に、本発明を実施するための実施形態1について、図1〜図5を用いて説明する。なお、本発明の実施形態1として車両天井構造を例示して説明する。なお、各図に適宜示す上下、左右、前後の方向性は、車両を中心とする上下、左右、前後の方向で統一して図示する。以降の実施形態も同様である。図1に図示されるように、実施形態1における車両天井構造は、車両10(乗物)におけるルーフパネル12(乗物構成部材)と、ルーフパネル12の車室内側に配設される車両用天井材20(トリム部材)とを有する。そして、開閉機構30(シート材移動機構)は、ルーフパネル12に対向する車両用天井材20の面に沿って組みつけられる。
ルーフパネル12(乗物構成部材)は、図1に図示されるように車両10の屋根として鋼板製で構成される。ルーフパネル12には、サンルーフ用の開口部14が形成される。なお、開口部14はサンルーフ用の態様に限られず、係る開口部14に透明なガラス等をはめ込んだガラスルーフの態様もある。ルーフパネル12の車内側は、内装材として車両用天井材20が装着される。
車両用天井材20(トリム部材)は、ルーフパネル12の車室内側に面して組みつけられる。車両用天井材20は、図1、2に図示されるように基材24と表皮材26とが積層されて熱融着、接着剤などによって一体化される。基材24は、車両用天井材20の形状保持、剛性確保、車室内の吸音、断熱等を担う部位である。
基材24は、ウレタン樹脂発泡体からなる半硬質層のウレタンフォームなどの芯材の両面に熱硬化性接着剤を塗布又は含浸したガラス繊維などの繊維補強材を積層するとともに、その裏面に非通気性フィルム、熱可塑性合成繊維不織布等からなる裏材が積層される態様が例示される。芯材は、形状保持と剛性確保のために設けられており、車室内の吸音、断熱を有する態様も採り得る。芯材は、段ボール系,ウレタン系,発泡オレフィン系など種々適用できる。繊維補強材は、ガラス繊維、バサルト繊維、ジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ラミー、ヘンプ(麻)、サイザル麻、竹等が種々適用できる。また、繊維系の基材24として、上述した繊維補強材と熱可塑性合成樹脂を有する繊維マットも適用できる。
表皮材26は、車両用天井材20の意匠面を担う部位である。表皮材26は、表面層、ウレタンフォームシート等が積層されている。表面層は、ファブリック,クロス,ニット等の布帛、織布、不織布、起毛布等の布部材、合成皮革、人工皮革、本革等、種々適用できる。ウレタンフォームシートは、車両用天井材20に柔らかい触感を得るためにウレタン樹脂発泡体からなる軟質層を適用して積層される。なお、表皮材26は、ウレタンフォームシートが積層されない態様も適用し得る。なお、車両用天井材20の構成については、上記各種材料を種々適用し得る。
車両用天井材20は、車両10のルーフパネル12に対応して面形状及び外形形状が形成されている。車両用天井材20は、軽量化の要求に対応するため低目付に設定されている。すなわち、車両用天井材20は、単体及び車両用天井材20に各種車両用装備品が取り付いた仮組み状態で持上げると剛性不足に伴って自重で撓み、折れが生じ得るが、ルーフパネル12への組付け状態では剛性を有する必要最小限の目付が設定されている。
図1、2に示すように、車両10のルーフパネル12には、車両用天井材20を介してサンバイザー、アシストグリップ等の各種の車両用装備品が装着される。これに伴い、車両用天井材20は、車両用装備品の各配設部位に対応して貫通形成された孔部(不図示)が複数形成されている。ルーフパネル12は、車両用天井材20の孔部に対応して後述する各取付孔(不図示)が形成されている。車両用装備品は、車両用天井材20の孔部に挿通され、ルーフパネル12の各取付孔に対してボルトとナット、ねじ、クリップ等の固定手段によって取付けられる。これに伴い、車両用天井材20がルーフパネル12に取り付けられる。また車両用天井材20の略中央部には、厚み方向に貫通することによりサンルーフ用の開口部22が構成されている。このサンルーフ用の開口部22の周囲は、車両用天井材20の面積が少なく断面二次モーメントの低い部位となっている。
上述のように、車両用天井材20には、図1、2に図示されるようにルーフパネル12に対向する車両用天井材20の開口部22の周囲が断面二次モーメントの低い部位となっていることから、係る開口部22に沿って補強部材50が配設される。補強部材50は、合成樹脂によって平板状且つ帯状の部材である。補強部材50は、車両用天井材20におけるサンルーフ用の開口部22の周囲のうち少なくとも車両前後方向に沿って配設される。補強部材50は、長手方向の複数個所がホットメルト接着剤等により接着されて固定されている。
なお、補強部材50は、車両用天井材20の剛性不足を補うものであれば種々の断面形状を適用できる。また、車両用天井材に対する補強部材50の固定は、ホットメルト接着剤に限定されず種々の固定手段を適用でき得る。ここで、補強部材50の長手方向の長さ(車両前後方向)は、開口部22の幅方向における縁部に沿って左右一対に配設される(開口部22の周囲に沿って配設される)ことに鑑み、開口部22の車両前後方向における一辺より長いことが望ましい。また、ルーフパネル12と車両用天井材20の間の隙間よりも薄く構成されることが必要となる。また、補強部材50の短手方向(車両幅方向)の長さは、開口部22及び車体構造物等に干渉しない範囲であれば種々適用可能である。補強部材50の材質については、適宜の合成樹脂、アルミニウム合金等の軽量材料によって構成されている。なお本実施形態において補強部材50は、合成樹脂が選択されている。補強部材50の合成樹脂は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂など公知の熱可塑性部材が適用できる。また、強度の向上を図るために、上記合成樹脂に繊維補強材を混ぜてもよい。繊維補強材として、例えばガラス繊維、バサルト繊維等の無機繊維、有機繊維であるジュート(黄麻)、ケナフ(洋麻)、ラミー、ヘンプ(麻)、サイザル麻、竹等の天然繊維等を適宜選択できる。
開閉機構30(シート材移動機構)は、図1から図3に示すように、開口部22を覆うシート材32を備えている。また、開閉機構30は、シート材を巻取り可能とする巻取装置34を有している。開閉機構30は、係るシート材32が車両用天井材20の開口部22を覆うことで車室内への光の進入を抑制する閉鎖位置30Aと、開口部22から移動することで車室内への光の進入を許容する開放位置30Bとの間を往復移動可能とする機構である。係る開閉機構30は、ルーフパネル12と、車両用天井材20の間に配置構成されている。開閉機構30は、シート材32と、巻取装置34と、一対の案内構造40と、支持体70を有する。なお、閉鎖位置30Aが本発明の「シート材を張設した状態で面方向に沿った第1の位置」に相当する。また、開放位置30Bが本発明の「シート材を張設した状態で面方向に沿った第2の位置」に相当する。
シート材32は、車両用天井材20の開口部22を覆う部材である。シート材32は、柔軟な素材により面状に形成される部材であり、ファブリック,クロス,ニット等の布帛、織布、不織布、起毛布等の布部材、合成皮革、人工皮革、本革等、種々の材質を適用できる。またウレタンフォームシート等を積層する態様であってもよい。シート材32は、後述する溝部44の開口幅44a(図5参照)より薄く構成されていることが望ましい。
図3から図5に示すように、シート材32の移動する方向に交差する幅方向の両端の近傍には、案内構造40を有する。案内構造40は、シート材32の厚み方向に張り出した凸部62(案内体)と後述するガイドレール41を有する。凸部62は、シート材32が長手方向に沿って所定間隔を隔てて隣接して複数配設されている。凸部62は、ガイドレール41の筒状部42(案内部)内に挿入されて摺動移動する部位である。凸部62は、金属、合成樹脂など種々適用可能できる。凸部62は、後述するガイドレール41における筒状部42の内方に挿入して長手方向に摺動可能であり且つ溝部44の開口幅44aより大きい厚み62aを備えている。なお凸部62とシート材32は、一体的に固定される態様であり、縫い付け、溶着、かしめ等種々の固定方法を採り得る。なお、凸部62は、長手方向に沿って連続して配設されていてもよい。また、凸部62は、シート材32の端部を巻き込んで縫合する態様であってもよい。
ガイドレール41は、シート材32の外周において同一間隔を維持して並行に配設されてシート材32を張設した状態で面方向に沿って閉鎖位置30A(第1の位置)と開放位置30B(第2の位置)の間を移動可能に案内する部材である。ガイドレール41は、合成樹脂、アルミニウム合金等の軽量材料によって構成されている。なお本実施形態においてガイドレール41は、合成樹脂が選択されている。ここで、ガイドレール41の合成樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、などの熱可塑性樹脂が適用できる。なお、可撓性を有することが望ましい。ガイドレール41は、長手方向に直交する断面で見て筒状部42(案内部)と筒状部42の周方向の一部が開口されると共に長手方向に沿って連続する溝部44を備えている。また、溝部44と反対側には径方向外方に直線状に延出すると共に、ガイドレール41の長手方向に連続して連なる平板状の連結部46を有する。また、連結部46には、シート材32の厚み方向に張り出した張出部48を有している。張出部48は、後述する支持体70における保持部72の内方に挿入され抜止部74の開口幅74aより大きい張り出し寸法48aを備えている。ここで、ガイドレール41は、筒状部42および連結部46が熱可塑性樹脂で一体に構成される。一方、張出部48は、熱可塑性エラストマーとして構成されている。これら筒状部42および連結部46と、張出部48は二色押出成形で形成されている。張出部48は、弾性変形可能な素材である。また張出部48は、ガイドレール41の連結部46の上下方向にひれ状の部位が張り出されている。係るひれ状の部位は湾曲して弾性変形する。そのため張出部48は、シート材32の幅方向に弾性力を付勢することでシート材32に幅方向の張力を付与する張力付与機構として機能する。そして、ガイドレール41は、張力付与機構としての張出部48を介して支持体70に支持される構成となる。なお、ガイドレール41は、筒状部42および連結部46の一体構造と、張出部48を接着等により連結して一体的とする態様であってもよい。
支持体70は、ガイドレール41を支持すると共に、補強部材50と連結する部位である。支持体70は、合成樹脂、アルミニウム合金等の金属材料によって構成されている。なお本実施形態において支持体70は、合成樹脂が選択されている。ここで、支持体70の合成樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、などの熱可塑性樹脂が適用できる。支持体70は、筒状に形成されガイドレール41の張出部48を内包して保持する保持部72と、保持部72内から張出部48が抜け出さないように係り合う抜止部74を有している。支持体70は、シート材32の移動方向に離間して断続的に配設される。なお、支持体70は、シート材32の移動方向に連続して連なる構成であってもよい。
ガイドレール41は、開口部22の幅方向における縁部に沿って左右一対に配設される(開口部22の周囲に沿って配設される)。そして、支持体70は、その保持部72の内方にガイドレール41の張出部48を収容し、補強部材50と接着によって一体的に構成されている。なお、連結部46の延出方向は、上述の態様に限定されず種々の方向に延出できる。また、連結部46は、長手方向に連続して連なる構成に限られず、間隔を隔てて複数箇所に構成されるものでもよい。本実施形態における補強部材50と支持体70は、それぞれ別体に構成され、これらを連結して一体にする態様、予め一体に成形される態様のいずれも適用し得る。
巻取装置34は、開口部22の周囲の一辺に配設される。本実施形態では、巻取装置34は、開口部22の周囲の内、車両後方側の一辺に配設される態様を例示する。巻取装置34は、シート材32を引き出して展開した状態と、シート材32を巻き取って収納した状態と、に切替可能な装置である。なお、開閉機構30において、シート材32を引き出して展開した状態が閉鎖位置30A(第1の位置)であり、シート材32を巻き取って収納した状態が開放位置30B(第2の位置)となる。巻取装置34は、ロール部材35と、支持部材36と、弾性部材(不図示)と、フロントバー38と、を主体的に有する。
ロール部材35は、略開口部22の一辺の長さの軸状部材として構成され、シート材32の引き出し方向の一端に固定されるとともに、軸心周りに回転することでシート材32を巻き取る部材である。支持部材36は、ロール部材35の両端において配設され、ロール部材35を軸心周りに回転可能に支持する部材である。不図示の弾性部材は、支持部材36とロール部材35の間に介装され、ロール部材35に対し巻き取る方向(開放位置30B)に弾性付勢力を及ぼす部材である。フロントバー38は、シート材32の引き出し方向の他端(シート材32の引き出し方向先端に相当)に沿って固定されると共に、後述するガイドレール41間に架け渡されることでシート材32を移動方向に張った状態に維持する。フロントバー38は、合成樹脂、アルミニウム合金等の金属材料によって構成されている。なお本実施形態おけるフロントバー38は、熱膨張および熱収縮を抑制するためアルミニウム合金を採用している。
案内構造40のガイドレール41は、シート材32に幅方向の張力を付与する張力付与機構として張出部48を介して支持体70に支持されている。ここで、張出部48は、弾性変形可能な素材である熱可塑性エラストマーで構成されている。この張出部48は、ガイドレール41の連結部46の上下方向にひれ状の部位が張り出されている。係るひれ状の部位は、湾曲して弾性変形することでシート材32を幅方向外方に張力を付与する。そのため、張出部48は、図5の仮想線で示す位置と、実線で示す位置の範囲で弾性変形する。張出部48は、常時シート材32の幅方向外方側に向かって弾性力を付勢するためシート材32の張力の減少を抑制し、シート材32のたわみ、しわ等を防ぐ。また、シート材32は、伸び率が大きい素材、シート材の伸び率がほとんど得られない素材等、種々採用され得るし、温度、湿度などの環境の変化によって伸縮が発生する素材もあり得る。ここで、開閉機構30(シート材移動機構)の案内機構40は、張出部48による張力付与機構としての張出部48を介して支持体70に支持されているため、製造時、取付時の寸法誤差を張出部48の弾性変形で吸収してシート材の張力を一定に維持し得る。
このように、実施形態に係る開閉機構30(シート材移動機構)によれば、案内構造40はシート材32を張設した状態で面方向に沿って閉鎖位置30A(第1の位置)と開放位置30B(第2の位置)の間を移動可能に案内する。ここで案内構造40は、凸部62(案内体)と、ガイドレール41の構成である。一方、ガイドレール41は、シート材32に幅方向の張力を付与する張力付与機構としての張出部48を介して支持体70に支持されている。これにより、シート材32の製造時、取付時の寸法誤差の吸収をすることができる。また、シート材32の張力が減少することを抑制することができ得る。また、ガイドレール41は、シート材32の凸部62が案内される筒状部42(案内部)と、張力付与機構としての張出部48が別々に構成されている。そのため、凸部62と筒状部42の摺動部は、シート材32の張力の直接的な影響を受け難い構成であるため、シート材32の張力の付与に伴う摺動抵抗の増大を抑制し得る。また、シート材32の摺動部分の耐久性の向上を図り得る。
また、張力付与機構としての張出部48は、シート材32の幅方向外方側に向かって弾性力が付勢されるように構成することでより簡素な構成とし得る。
また、ガイドレール41は、シート材32の厚み方向に張り出した張出部48を有する。また、張力付与機構は、ガイドレールの張出部48又は、支持体70若しくは支持体70を構成する一部の少なくとも一方が弾性変形する構成とされる。これにより、簡素な構成で張力付与機構を構成し得る。
また、支持体70は、シート材32の移動方向に離間して断続的に配設されるため、ガイドレール41を湾曲させて配設する場合でも、支持体70によるガイドレール41の支持がしやすくなる。
また、ガイドレール41の張出部48は、熱可塑性エラストマーで構成される。これにより、シート材32の張力の付与を円滑にし得る。また、張出部48を熱可塑性エラストマーで構成することで、支持体70に対し変形しても、シート材32の凸部62とガイドレール41の摺動部分への影響を抑制し得る。
また、筒状部42と張出部48を二色押出成形で構成することで、一体で張力付与機構を備えるガイドレール41とすることができる。そのため、製造コストの低減を図り得る。
また、複数の凸部62は、シート材32の厚み方向の両側に張り出した形状に構成される。これにより、複数の凸部62は、ガイドレール41の筒状部42内からの離脱を抑制し得る。
また、シート材32を巻取り可能とする巻取装置34を有することで、シート材32をコンパクトに巻き取る構成となり得る。
また、開閉機構30(シート材移動機構)を車両10(乗物)の車両用天井材20(トリム部材)に組付けることで好適に構成することができる。
また、車両用天井材20(トリム部材)は、ルーフパネル12(乗物構成部材)の室内側に面して組みつけられるとともに厚み方向に貫通する開口部22を有している。またガイドレール41は開口部22の周囲に沿って配設される補強部材50と一体的に構成される。これにより、車両10(乗物)において補強部材50による車両用天井材20の補強としての機能と、シート材32の案内構造40としての機能と、二つの機能を好適に有し得る。
また、開閉機構30は、シート材32が閉鎖位置30Aと開放位置30Bの間を往復移動可能に案内されるガイドレール41を有している。このガイドレール41は、車両用天井材20における開口部22の周囲に沿って配設されている。これにより、シート材32が好適に閉鎖位置30Aと開放位置30Bの間を往復移動可能に案内される構成となり得る。
<実施形態2>
次に実施形態2について図6を用いて説明する。なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。以降の実施形態も同様である。張出部の形状は、シート材の厚み方向に張り出した形状であって、素材の弾性によってガイドレールを幅方向外方側に押し出す形状であれば種々適用できる。ここで、実施形態2は、図6に示すように断面が箱状の張出部248の形状を構成する。箱状の張出部248は、シート材32に対する張力の付与する前後で弾性変形して断面形状が変化する態様である。このような張出部248を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。
<実施形態3>
次に実施形態3について図7を用いて説明する。実施形態3は、図7に示すように、張出部348の腕状の形状が実施形態1における張出部48と異なる態様である。このような張出部348を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。
<実施形態4>
次に実施形態4について図8を用いて説明する。実施形態1の張力付与機構は、ガイドレールの張出部を弾性変形可能な素材(熱可塑性エラストマー)で構成する態様を示したがこれに限られない。すなわち、張力付与機構は、ガイドレールの張出部又は、支持体若しくは支持体の少なくとも一方が弾性変形する構成であればよい。実施形態4の張出部448は、図8に示すように、ガイドレール441の筒状部442(案内部)及び連結部446と同様の合成樹脂で構成する。支持体470のうち上方側の保持部472は、上下の抜止部474が近接する方向に傾斜して形成されている。この上方側の保持部472は、上下に弾性変形可能に構成されている。そのため、保持部472は、張出部448が幅方向に移動すると抜止部474の開口幅474aが拡開するよう弾性変形する。このように保持部472を弾性変形させる構成とすることで、張力付与機構を構成してもよい。このような保持部472を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。なお、支持体470が弾性変形する構成とする場合、支持体470の全体又は、支持体470の一部にばね鋼などの金属を用いて弾性変形する態様であってもよい。
<実施形態5>
次に実施形態5について図9を用いて説明する。実施形態5のガイドレール541は、筒状部542(案内部)の外周面を張出部548とする構成である。また、支持体570の保持部572は上下共に抜止部574が近接する方向に傾斜して形成されている。そして、上方側の保持部572は、上下に弾性変形可能に構成されている。保持部572は、張出部548としての筒状部542が幅方向に移動すると抜止部574の開口幅574aが拡開するよう弾性変形する。このように保持部572を弾性変形させる構成とすることで、張力付与機構を構成してもよい。このような保持部572を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。
<実施形態6>
次に実施形態6について図10を用いて説明する。実施形態6における張出部648は、図10に示すようにガイドレール641と同様の合成樹脂によって矢状に形成されている。支持体670の保持部672は上下共に抜止部674が近接する方向に傾斜して形成されている。この上下の保持部672は、上下の抜止部674が近接及び離間するように弾性変形可能に構成されている。そのため、保持部672は、張出部648が幅方向に移動すると抜止部674の開口幅674aが拡開するよう弾性変形する。このように保持部672を弾性変形させる構成とすることで、張力付与機構を構成してもよい。このような保持部672を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。
<実施形態7>
次に実施形態7について図11を用いて説明する。実施形態7における張出部748は、図11に示すようにガイドレール741と同様の合成樹脂によって構成され、上方向に折り返された矢状の張出部748に形成されている。支持体770のうち上方側の保持部772は、上側の抜止部774が上下に弾性変形可能に傾斜して形成されている。また、抜止部774は、張出部748と係合すると共に、幅方向に移動するのに追従して幅方向に弾性変形可能に構成されている。そのため、開口幅774aは変化しない。このように保持部772、抜止部774の弾性変形させる構成とすることで、張力付与機構を構成してもよい。このような保持部772、抜止部774を有する構成においても上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得る。
<実施形態8>
次に実施形態8について図12を用いて説明する。乗物用のシート材移動機構は、直線状のガイドレールの構成を示したがこれに限定されない。実施形態8における車両用天井材820は、曲面形状に形成されている。そして、ガイドレール841は、図12に示すように車両用天井材820の曲面形状に応じて湾曲して並行することでシート材32を曲面状に配設させる態様である。このとき、支持体870は、シート材の移動方向に離間して断続的に配設される。このように、実施形態8は、上記実施形態1と同様の作用、効果を有し得ると共に、支持体870の構成であれば曲面形状の車両用天井材20に滑らかにガイドレール841を湾曲して配設できる。
<実施形態9>
次に実施形態9について図13〜16を用いて説明する。実施形態9は、シート材に大きな力が加わり、ガイドレールが支持体から脱落したことを想定して、ガイドレールを正規の位置に復帰する機能を有する。
シート材932の引き出し方向先端(前方側端末)は、フロントバー938が接続されている。フロントバー938の両端にはシュー939(摺動部材)が設定されている。シュー939は、嵌合部939aと、囲い部939bと、摺動片939dとを有する。嵌合部939aは、フロントバー938を嵌め込む部位である。囲い部939bは、ガイドレール41の筒状部42を外周側からくわえこむと共に、口部939cが連結部46に沿う位置まで近接する部位である。摺動片939dは、囲い部939bのうち車両用天井材20側の面から下方に延出して補強部材950に係り合って摺動する部位である。補強部材950は、支持体970の取付片976をはめ込んで支持体970を厚み方向に抜け止め固定する固定部952を有する。また、補強部材950は、摺動片939dを幅方向から受け入れて摺動させる摺動溝954が長手方向に連続して設けられる。
シート材932の引き出し方向先端(前方側端末、換言すればフロントバー938の位置)は、幅方向の両端部の一部が切り欠かれており、凸部62は存在せず、ガイドレール41の筒状部42との係合はされないため、ガイドレール41に幅方向の荷重が及ばない。そのため、シート材932の引き出し方向先端は、シート材932からの張力が抑制されるため、張力付与機構としての張出部48の弾性変形が小さい。シート材32は、フロントバー938を直接把持し車両前後方向に平行移動させることで、閉鎖位置30A(第1の位置)と開放位置30B(第2の位置)の間を移動させることができる。また、シュー939にプルワイヤ等の牽引部材が接続されており、係るプルワイヤを引っ張ることでシート材32を閉鎖位置30Aに移動させる態様であってもよい。
フロントバー938は、アルミニウム合金等の押し出し材を用いることで寸法安定性が向上する。また、補強部材950の摺動溝954は、補強部材950を車両用天井材20に取り付ける取付寸法の公差を吸収する公差吸収代を設けることで、シュー939の摺動片939dを安定して摺動させることができる。なお、補強部材950は、摺動溝954を有する態様であるため車両前後方向に連続した一枚構成で設けられる。または、一枚構成の摺動溝部品を別に設定することで、補強部材950を複数断続配置できる。
シュー939は、シート材32を移動させるときに厚み方向のがたつきを抑制する機能を有する。また、シュー939は、ガイドレール41が支持体970から外れたときに、支持体970の正規の支持状態に復帰させる機能を有する。シート材932の引き出し方向先端(前方側端末)は、シート材932に大きな力が加わる際にも、シュー939の囲い部939bがガイドレール41を外周側からくわえこんでいるため、ガイドレール41が支持体970から外れない。一方、シート材932の引き出し方向先端(前方側端末)以外の部位は、シート材932に想定以上の大きな力が加わるとガイドレール41が支持体970から外れるおそれがある(例えば図13の下方の支持体970におけるガイドレール41)。仮に、ガイドレール41が支持体970から外れた場合でも、係る外れた位置にシュー939を移動させると、シューがくわえこんだガイドレール41を支持体970内の所定位置に押し込んで復帰させる。すなわち、図16に示すように、シュー939の口部939cが、ガイドレール41の筒状部42をくわえこんだ状態で張出部48を支持体970内に押し込む。
<実施形態10>
次に実施形態10について図17〜20を用いて説明する。実施形態1〜9は、補強部材と支持体がそれぞれ個別に構成される態様であった。ここで、実施形態10は、補強部材と支持体を一体とし、構成品を少なくする態様である。また支持体は、ガイドレールの張出部に対し、シート材の厚み方向から掛かり合ってガイドレールを支持することでガイドレールと支持体が分離し難い構成とするものである。すなわち、ガイドレール1041は、支持体1070に対し、シート材1032の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされた嵌め合い構造を有する。
シート材1032の引き出し方向先端(前方側端末)は、フロントバー1038が接続されている。フロントバー1038の両端にはシュー1039(摺動部材)が設定されている。シュー1039は、嵌合部1039aと、摺動片1039dとを有する。嵌合部1039aは、フロントバー1038を嵌め込む部位である。摺動片1039dは、嵌合部1039aのうち車両用天井材20側の面から下方に延出して補強部材1050に係り合って摺動する部位である。
補強部材1050は、合成樹脂によって支持体1070と、摺動溝1054が長手方向に一体に設けられる。支持体1070は、保持部1072と、抜止部1074と、ばね掛部1076が一体に形成される。また、支持体1070のばね掛部1076には、幅方向に弾性付勢する金属性の板ばね1077が嵌め込まれる。保持部1072は、補強部材1050の基面からルーフパネル12(図1参照)に向かって鉛直に突出して設けられる。抜止部1074は、保持部1072の上端から幅方向両側に延出して設けられる。抜止部1074のルーフパネル12側に面する部位には、ばね掛部1076が立設される。摺動溝1054は、摺動片1039dを幅方向から受け入れて摺動させる溝として設けられる。摺動溝1054は、補強部材1050のうち支持体1070よりも開口部22側に設けられる。摺動溝1054は、補強部材1050の基面からルーフパネル12に向かって鉛直に突出し幅方向に溝が設けられる。なお、補強部材1050は、摺動溝1054を有する態様であるため車両前後方向に連続した一枚構成で設けられる。または、ガイドレール1041(これは前後方向に連続している)に摺動溝1054を設けてもよい。この場合は、補強部材1050を複数断続配置できる。
ガイドレール1041は、合成樹脂の押出成形によって、筒状部1042と、溝部1044と、張出部1048とが一体に成形される。筒状部1042は、実施形態1の筒状部42と同様の構成である。溝部1044は、実施形態1の溝部44と同様の構成である。溝部1044の開口幅1044aは、溝部44の開口幅44aと同様の構成である。
張出部1048は、中空の筒状に形成されたており、かかる筒状部位がシート材1032の厚み方向に張り出して形成されている。張出部1048は、筒状部1042と共に長手方向に連続して延出されている。張出部1048の車両用天井20側と対向する下面1049は、切欠き部1049aと、係合部1049bが設けられる。切欠き部1049aは、張出部1048の下面1049の幅方向の略中央部において支持体1070を受け入れ可能な開口幅を有する。係合部1049bは、切欠き部1049aの幅方向両側において、支持体1070の抜止部1074と係り合う面を有する。切欠き部1049aと、係合部1049bは、筒状部1042と共に長手方向に連続して設けられる。
以上より、ガイドレール1041は、張出部1048の切欠き部1049aに支持体1070の保持部1072を厚み方向から受け入れる。また、ガイドレール1041は、張出部1048の係合部1049bが、支持体1074の抜止部1074と係合して厚み方向の抜け止めがされる。また、ガイドレール1041は、支持体1070の板ばね1077によってシート材32に対し幅方向に張力を付与される。以上の構成よりガイドレール1041の張出部1048は、支持体1070に対し、シート材1032の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされた嵌め合い構造となる。
ガイドレール1041の張出部1048は、支持体1070に対し、シート材1032の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされている。一方、張力付与機構としての張出部1048と板ばね1077は、シート材1032に対し幅方向に張力を付与する。これにより、ガイドレール1041が支持体1070に対し抜け止めされると共に、張力付与機構としての張出部1048と板ばね1077によりシート材1032に張力が付与される。すなわち、ガイドレール1041は、支持体1070から脱落するのが抑制されつつ、シート材1032のたわみ、しわ等を防ぎ得る。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の乗物用のシート材移動機構は、本実施の形態に限定されず、その他各種の形態で実施することができるものである。例えば、乗物用のシート材移動機構として、車両天井構造における開閉機構を例示して説明したがこれに限定されない。例えば、車両におけるトランクルームにおけるカバー、車室空間を仕切る仕切り装置等、各種に適用可能である。また、乗物は、車両に限定されず、船舶、航空機等の各種の乗物に適用し得る。
また、シート材は、シート材に直接、凸部を構成するものを示したが、シート材の端縁近傍に帯状部材を構成し係る帯状部材に凸部が構成するものであってもよい。また、凸部の配設位置は、シート材の移動方向に沿った方向であればよく、必ずしもシート材の端縁に限られない。
また、凸部は、一対の案内構造における筒状部の内方に挿入して長手方向に摺動可能であり且つ溝部の開口幅より大きい厚みを備えるものであればよい。凸部は、シート材の移動方向に沿って連続してもよいし、隣接して配設される物であってもよい。そのため、シート材又は帯状部材に対し長手方向に隣接する突状の部位が配設されるものでもよい。また各凸部は、シート材の移動方向に沿って間隔を有して隣接して配設されるものであってもよい。また、各凸部の間隔は、一定間隔でなくてもよい。また、凸部は、シート材の移動方向に沿って連続して隣接することで山と谷が交互に配設される態様であってもよい。
また、本実施形態の張力付与機構は、左右一対の案内構造にそれぞれ構成される態様を示したが、少なくとも一方の案内構造に構成されるものであってもよい。
また、開閉機構は、シート材が閉鎖位置と開放位置の間を往復移動可能に案内されるガイドレールを有しており、このガイドレールを支持する支持体と補強部材とが接着により一体的に構成される態様について示した。なお、補強部材と支持体の一体的な構成は、これに限られない。すなわち、本実施形態において「補強部材と支持体の一体的な構成」は、補強部材と支持体がそれぞれ別体に構成されこれらを連結して一体にする態様、予め一体に成形される態様のいずれも含み得る。そのため、補強部材と支持体が別体で構成される場合、それぞれ、同一の素材であっても、別の素材でも種々適用できる。補強部材と支持体の連結は、接着以外に種々の連結手段が適用できる。例えば、超音波溶着、熱溶着等の溶着で連結しても良いし、クリップ、締結部材などの固定手段を用いるもの、嵌め込み構造、爪部材などの嵌合であってもよい。また、補強部材と支持体が予め一体に成形される態様は、同一の素材(合成樹脂、アルミニウム合金等)によって押出成形することによって一体に構成される態様であってもよい。また、補強部材と支持体を一体的に構成する際に、開口部の周囲に面する部材はいずれであってもよい。
また、ガイドレールは、合成樹脂、アルミニウム合金等の軽量材料などを適用可能であるが、車両全体の重量が増加するということに鑑み合成樹脂で構成されることで、より一層開閉機構を軽量化にし得る。また、合成樹脂によるガイドレールであれば、より一層形状の自由度が増し得る。
また、ガイドレールまたは支持体が車両用天井材の補強部材としての剛性も担う構成であれば、ガイドレール、支持体を開口部の周囲に沿って配設することで補強部材を別途設けることが不要となり更なる軽量化を図ることができる。
また、開閉機構は、車室内側に開閉機構が露出しない形態として、ルーフパネルと車両用天井材の間に配設される構成について示した。しかしながらこれに限定されず、開閉機構は、車両用天井材の車室内側に配設される構成であってもよい。係る態様において補強部材は、ルーフパネルと車両用天井材の間に配設される構成であってもよいし、車室内側に配設される構成であってもよい。上述のように、ガイドレール又は支持体が補強部材としての機能を担う場合は、補強部材がない構成であってもよい。また、補強部材において摺動溝を有する態様の場合には、車両前後方向に連続した一枚構成で設けられる。または、ガイドレール(これは前後方向に連続している)に摺動溝を設けてもよい。この場合は、補強部材を複数断続配置できる。
また、開閉機構は、巻取装置を構成する態様について示したがこれに限定されない。開閉機構は、巻取装置が構成されない態様であってもよい。また、巻取装置を構成する態様の場合、本実施形態における手動の構成に限定されない。電力、油圧などの駆動源によってシート材を自動に巻き取る自動巻取り機構を備える巻取装置であってもよい。
また、支持体が弾性変形する構成とする場合、支持体全体又は一部にばね鋼などの金属を用いて弾性付与してもよい。すなわち、ガイドレールは、シート材の厚み方向に張り出した張出部を有し、支持体は、張出部を保持する保持部と、保持部から張出部が抜け出さないように係り合う抜止部を有し、張力付与機構は、ガイドレールの張出部又は支持体若しくは支持体を構成する一部の少なくとも一方が弾性変形する構成とされるものであればよい。例えば、図13に示す支持体970が弾性変形する構成として、支持体970の一部にばね鋼によるばね材を用いることでガイドレール41を弾性付勢してもよい。このばね材は、板バネ、コイルバネなど種々選択し得る。
10 車両(乗物)
12 ルーフパネル(乗物構成部材)
14 開口部
20 車両用天井材(トリム部材)
22 開口部
24 基材
26 表皮材
30 開閉機構(シート材移動機構)
30A 閉鎖位置(第1の位置)
30B 開放位置(第2の位置)
32 シート材
34 巻取装置
35 ロール部材
36 支持部材
38 フロントバー
40 案内構造
41 ガイドレール
42 筒状部(案内部)
44 溝部
44a 溝部の開口幅
46 連結部
48 張出部(張力付与機構)
48a 張り出し寸法
50 補強部材
62 凸部(案内体)
62a 凸部の厚み
70 支持体
72 保持部
74 抜止部
74a 抜止部の開口幅
248 張出部
348 張出部
441 ガイドレール
448 張出部
442 筒状部(案内部)
446 連結部
470 支持体
474 抜止部(張力付与機構)
541 ガイドレール
542 筒状部(案内部)
548 張出部
641 ガイドレール
648 張出部
674 抜止部(張力付与機構)
741 ガイドレール
748 張出部
774 抜止部(張力付与機構)
841 ガイドレール
870 支持体

Claims (7)

  1. 乗物用のシート材移動機構であって、
    柔軟な素材による面状のシート材と、
    該シート材を張設した状態で面方向に沿って第1の位置と第2の位置の間を移動可能に案内する一対の案内構造と、
    該案内構造を支持する支持体と、を備え、
    前記案内構造は、前記シート材が移動する方向に交差する幅方向の両端側において該シート材の厚み方向に張り出した案内体と、前記案内体が挿入されて摺動移動することで案内されるガイドレールと、を有し、
    該ガイドレールは、前記シート材の幅方向に弾性力を付勢することで前記シート材に幅方向の張力を付与する張力付与機構を介して前記支持体に支持される構成である乗物用のシート材移動機構。
  2. 請求項1に記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記張力付与機構は、前記シート材の幅方向外方側に向かって弾性力が付勢されるように構成される乗物用のシート材移動機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記ガイドレールは、前記支持体に対し、前記シート材の幅方向及び厚み方向の何れの方向からも抜け止めされた嵌め合い構造を有する乗物用のシート材移動機構。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記ガイドレールは、前記シート材の厚み方向に張り出した張出部を有し、
    前記張出部又は、前記支持体若しくは支持体を構成する一部の少なくとも一方が弾性変形する構成とされる乗物用のシート材移動機構。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記支持体は、前記シート材の移動方向において離間して断続的に配設される乗物用のシート材移動機構。
  6. 請求項4または請求項5に記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記張出部は、熱可塑性エラストマーで構成されており、前記支持体と係り合って弾性変形する構成である乗物用のシート材移動機構。
  7. 請求項6に記載の乗物用のシート材移動機構であって、
    前記ガイドレールは、前記案内体が挿入される案内部が熱可塑性樹脂で構成され、前記張出部が熱可塑性エラストマーとして構成されており、前記案内部と前記張出部は二色押出成形で形成される乗物用のシート材移動機構。

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