JP6494937B2 - 傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法、傾斜面用の重機用足場材、足場材案内器具 - Google Patents

傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法、傾斜面用の重機用足場材、足場材案内器具 Download PDF

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Description

本発明は、縦断勾配の付いた構台やその構築工事などにおいて利用可能な傾斜面用の重機用足場材(傾斜面で重機を利用するのに適した重機用足場材)と、そのセッティング方法、並びに、この方法で利用可能な足場材案内器具に関するものである。
なお、この出願で「重機」とは、履帯や車輪などの移動手段を具備する移動式の建設機械の略称である。
従来より、工事用桟橋などの桟橋構造(構台の一種)は、運用上の安全性や施工性に鑑み、その覆工面の縦断勾配を6%程度に抑えるのが望ましいとされてきた。
しかし実際には、例えば山間部などに重機足場や工事用道路を構築する施工において、縦断勾配を6%程度に抑えることは難しい場合がある。
具体的には、桟橋施工の起点となる既設道路などから工事目的物(橋梁やトンネルなど)に到達するまでの区間の桟橋工において、
(1) 施工のため借地できる範囲が限定されている、
(2) 地形上やむを得ない、
(3) 工期短縮やコスト軽減などが原因で桟橋の延長を短縮する必要がある、
などの理由で、目的とする2地点(起点・終点)の高低差を連絡するための縦断勾配が急となり、結果として、例えば最大15%にも及ぶ縦断勾配が桟橋に付与されるといったことも少なくない。
一方、上述した桟橋や各種工事目的物の構築のために用いる重機、特に、荷を吊った状態で旋回作業を行うクローラクレーンなどの重機は、施工上の安全を確保する観点から、原則として水平堅土上で作業することが求められている。
そこで、縦断勾配が付いた構築途中の桟橋などの傾斜面上であっても、クローラクレーンなどの重機が安全に作業できるように、傾斜面上に重機用足場材を設置することが提案されている。このような重機用足場材を傾斜面上に設置することで、該重機用足場材の上面(例えばクレーンの履帯底面が接する面)をほぼ水平にすることができる。したがって、傾斜面上に設置した重機用足場材の上(水平面上)に重機を移動させることで、該重機がほぼ水平状態で支持されるので、クレーン作業などの安全を確保できるとされている。
しかしながら、構築途中の桟橋の路面上は作業面積が限られているため、上述したような重機用足場材を適切な位置に配置するのには、時間と手間がかかっていた。
その上、急な縦断勾配の桟橋が築造される現場では、急峻な山の斜面上に、一支間ごとに手延べ式に(例えば下記特許文献1に開示されたような方法で)架設されるのが一般的である。したがって、上述したような重機用足場材の設置・撤去作業が一支間ごとに発生し、作業の長期化の一因となっていた。(例えば8m支間の桟橋を手伸べ式に80m延設する場合には、10回にも上る重機用足場材の設置・撤去(盛り替え)作業が必要となる。)
しかも近年では、大規模な天災に対応した緊急輸送道路の確保などのため、急峻な山間部の難工事区間に高速道路、高規格化道路が急ピッチで建設されるなどの現在の公共事業に求められる社会的使命から、桟橋などの重仮設工の工程は以前にも増して急速性が求められており、上記のような桟橋施工を長期化させる重機用足場材の設置・撤去などにかかる時間を最小限に抑えることができる手段が求められている。
特許第3211673号公報
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、傾斜構台(構築途中のものを含む)などにおける傾斜面に重機を設置して作業を行う場合において、水平堅土上での作業と同等の安全性・安定性を確保できる傾斜面用の重機用足場材(傾斜面で利用可能な重機用の足場構造物)を提供することにある。
また本発明の他の目的は、そのような傾斜面用の重機用足場材を、簡単かつ省力で速やかに傾斜面上の設計位置にセッティングできる方法と、この方法で利用可能な重機用足場材案内器および位置決め補助器具を提供することにある。
上記目的は、重機の履帯や車輪などの移動手段と傾斜面との間にスペースを空け、該スペースに重機用足場材を配置する、ことを特徴とする傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法によって達成される。
前記スペースに重機用足場材を配置する際には、例えば
1)前記スペースに重機用足場材を引き込む、又は
2)前記スペースに重機用足場材を押し込む、又は
3)前記スペースに向かって重機用足場材を自走させるようにする。
また上記目的は、自走手段を具備する傾斜面用の重機用足場材によって達成される。
また上記目的は、重機の車輪や履帯などの移動手段又はその付属物と係合可能な係合手段を有し、前記履帯に従動可能に構成された、傾斜面用の重機用足場材によって達成される。
上記の重機用足場材には、例えば車輪を具備させることも可能である。
また上記の重機用足場材は、例えば、
側面視の輪郭が全体として略楔形状であって、
重機を上載した状態においてその履帯又は車輪と対向する部分を前記輪郭の一辺とし、
傾斜面の斜面と対向する部分を前記輪郭の他の一辺とする、
ように構成することも可能である。
また上記目的は、傾斜面用の重機用足場材の係合手段と係合可能であって、重機の履帯または車輪に取り付けて使用する足場材案内器具によって達成される。
また上記目的は、重機用足場材をガイドする手段を具備する位置決め補助器具によって達成される。
この位置決め補助器具は、位置決め補助器具に対して重機を位置決めするための重機位置決め部を有し、重機に対する足場材案内器具の相対位置が固定された状態で、該位置決め補助器具を利用して重機用足場材をガイドするようになっている。
本発明では、傾斜面用の重機用足場材をセッティングする際に、重機の履帯(または車輪)と傾斜面との間にスペースを空け、該スペースに重機用足場材をセットするようになっている。つまり、重機の側を足場材へ向けて移動させるのではなく、足場材の側を重機に向けて移動させるようになっている。
このような方法であれば、傾斜面における所望の位置(重機を設置するのに望ましい位置)に簡単に重機用足場材をセッティングすることが可能になる。
本発明では、履帯の真下(または車輪の真下)にスペースを空けた状態で重機を待機させ、このスペースに向けて重機用足場材を移動させることによって当該スペースに重機用足場材を配置する。
具体的には、例えば次(1)〜(3)のいずれか手順を経て、該スペースに重機用足場材を設置することが可能である。
(1)重機の履帯真下(または車輪真下)に空けたスペースに重機用足場材を引き込む。
(2)重機の履帯真下(または車輪真下)に空けたスペースに重機用足場材を押し込む。
(3)重機の履帯真下(または車輪真下)に空けたスペースに向かって重機用足場材を自走させる。
例えば上記いずれかの方法により(重機の側を移動させるのではなく)重機用足場材を、何らかの動力を利用して移動させることで、足場材を重機真下のスペースに簡単に設置することができる。
本発明の傾斜面用の重機用足場材は、自走手段を具備している。このように重機用足場材に自走手段を具備させることで、簡単かつ省力で、該重機用足場材を所定の場所にセッティングすることができる。
本発明の傾斜面用の重機用足場材は、重機の履帯や車輪などの移動手段又はその付属物と係合可能な係合手段を有している。これにより、重機側と足場材側とを相互に係合させることが可能になり、その結果、重機が具備する下部走行体などの動力を利用して、重機用足場材を所定の位置まで移動させることが可能になる。
本発明の傾斜面用の重機用足場材は、車輪を具備している。これにより、「引き込み」「押込み」「自走」のいずれの手段で重機用足場材を移動する場合でも、重機用足場材をスムーズに移動させることができ、また、予め定めた位置(重機用足場材の設置場所)に正確に位置決めできるようになる。
本発明の傾斜面用の重機用足場材は、
側面視の輪郭が全体として略楔形状であって、
重機を上載した状態においてその履帯又は車輪と対向する部分を前記輪郭の一辺とし
傾斜面の斜面と対向する部分を前記輪郭の他の一辺とする、
といった構造を有している。
このように重機用足場材を構成することで、傾斜面の覆工面上において重機をほぼ水平に支持することが可能になり、その結果、該重機による旋回作業等の安全を確保することができる。
本発明の足場材案内器具は、重機用足場材の係合手段と係合可能であって、重機の履帯や車輪に取り付けて使用される。
このような案内器具(係合部材)を重機側に取り付けることで、重機の下部走行体等の動力を、重機用足場材引込用の動力に利用することができる。
本発明の位置決め補助器具は、足場材案内器具をガイドする手段を具備する。この手段(ガイド手段)は、例えば、物理的な構造物であってもよく、或いは、視覚的な目印などであってもよい。このようなガイド手段を具備する位置決め補助器具を用いることで、重機用足場材を傾斜面上の所望の位置に速やかに且つ正確に位置決めすることが可能になる。
本発明の位置決め補助器具は、この器具に対して重機を位置決めするための重機位置決め部を有している。このような位置決め部を具備することで、重機に対する足場材案内器具の相対位置を、簡単かつ正確に定めることができる。その結果、重機と位置決め補助器具との相対位置関係は、誰がどこで作業しても常に一定となるので、位置決め補助器具によってガイドされる重機用足場材は、重機真下の所定位置に、正確に位置決めされることになる。
本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Aの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Bの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Cの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Dの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Eの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Fの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Gの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Hの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Iの続きであって、本発明に係る傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法の一手順を示す図である。 図1Dに概略的に示すセッティング手順の詳細を示す図であって、傾斜面用の重機用足場材を、クレーン履帯の真下の楔形スペースに引き込む様子を具体的に示す図である。 図2の拡大図である。 図3の拡大図であって、主に、クレーン履帯側の係合部と、重機用足場材側の係合部を示す図である。 幅狭型の位置決め補助器具を示す平面図と正面図である。 図5に示す位置決め補助器具の使用方法を概略的に示す図である。 幅広型の位置決め補助器具を示す平面図と正面図である。 図7に示す位置決め補助器具の使用方法を概略的に示す図である。 手延べ式の桟橋施工方法の一例(一工程)を示す図である。 図9Aに示す工程の後工程であって、手延べ式の桟橋施工方法の一例を示す図である。 桟橋施工で利用可能な上部構造構成部材(桟橋パネル)の一例を示す平面図である。
(傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法)
以下、添付図面に基づいて、本発明の「傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法」の具体的実施形態について説明する。
なお、以下の実施形態では、特許請求の範囲に記載の「傾斜面」の具体例として、縦断勾配の付いた桟橋(構築途中の桟橋)を例示する。
また、特許請求の範囲に記載の「重機」の具体例として、移動式クレーンであるクローラクレーンを例示する。
また重機が具備する「移動手段」の具体例として、無限軌道式履帯(キャタピラー/登録商標)を例示する。
なお、図1A〜図1Jの工程図は全体として、縦断勾配(桟橋施工の起点から終点に向かって登り勾配となる傾斜)の付いた桟橋の構築手順の概要を示している。そして、図1A〜図1Jの一連の工程図に示す桟橋構築手順は、主として下記(1)-(3)の工程の繰り返しを含む手延べ方式による桟橋施工を前提としている。
(1) 鋼管杭ガイド手段として利用可能な上部構造構成部材5(桟橋パネル)を、
桟橋構築済み部分から張り出すように延設する工程(図9A参照)。
(2) 張り出すように延設した上部構造構成部材5を杭ガイドに利用して、
複数本の鋼管杭9を対象地盤に打設する工程(図9B参照)。
(3) 延設した上部構造構成部材5と、打設した鋼管杭の杭頭9とを
相互連結して一体化させる工程。
以下説明する工程A〜工程Jは、図1A〜図1Jにそれぞれ対応している。
<工程A>
図1Aに示すクローラクレーン2(以下「クレーン」と略称する)は、本実施形態において、主として、上部構造構成部材5の架設(図9A参照)や鋼管杭9の打ち込み時(図9B参照)などの作業において利用される。
このクレーン2は一般的なクレーンと同様に、クレーン装置を具備する上部旋回体21と、無限軌道式履帯24(クローラベルト)を具備する自走可能な下部走行体22と、を有している。また下部走行体22には、一般的なクレーンと同様に、油圧駆動式のジャッキアップ装置23が複数設けられている。このジャッキアップ装置23は、履帯24の組み付け時などにも用いられる。
図1Aに示す構築途中の桟橋部分(桟橋構築済み部分)を更に拡張させ、設計長の桟橋を完成させるためには、桟橋構築済み部分の先端側(桟橋施工進行方向の先端側)にクレーン2を配置して、上部構造構成部材5の架設(図9A参照)や、鋼管杭9の打設(図9B参照)を行う必要がある。
そこで、図1Aに示すように、桟橋構築済み部分(構築途中の桟橋部分)の施工進行方向の先端側にクレーン2を移動させる。しかしながら、図1Aに示すように構築途中の傾斜した覆工面上にクレーン2を据え付けた場合、その縦断勾配によってクレーン2が傾斜するため、そのように傾斜した状態のままでは、クレーン作業(荷の吊り込みや旋回などの作業)の安全性・安定性を確保することができない。
<工程B>
そこで本実施形態では、はじめに図1Bに示すように、クレーンの下部走行体22が具備する各ジャッキアップ装置23を作動させ、クレーン2の傾きがほぼ無くなるようにジャッキアップする。このとき、クレーン2が水平堅土上で支持された様な略水平状態が確保されるように、各ジャッキアップ装置の油圧シリンダの伸長長さ(ストローク長)を制御し、下部走行体22を略水平状態にジャッキアップさせる。
以上のようにジャッキアップさせることで、クレーン2の傾きがほぼ無くなって略水平状態が確保されるとともに、クレーン2の履帯底面と路面(覆工面)との間に、側面視で略楔形状のスペース3が確保される。ここでいう「略楔形状」とは、略三角形や略台形といった形状を含むことは勿論のこと、これらの形状に近似する形状を含む趣旨である。以下、側面視で略楔形状のスペースを単に「楔形スペース」と略称する。
<工程C>
工程Bでクレーン履帯の真下に楔形スペース3を空けたら、クレーン2をそのジャッキアップ状態で待機させる。一方、予め用意しておいた平面視略楔形状の重機用足場材1(移動式の足場構造)を、相番クレーン(補助クレーン)により吊り込んで、クレーン2の真後ろの方へ移動させる。この重機用足場材1は、図3に示すような外観を有する不陸修正手段として機能する構造物であり、その詳細については後述する。
重機用足場材1の側面視鋭角状の先端側をクレーン2の方へ向けた状態で、そのまま水平方向に移動し、図1Cに示すように、重機用足場材1の先端寄りの一部分を、クレーン2の履帯底面と覆工面との間の楔形スペース3に挿し込むようにして潜り込ませる。このとき、クレーン2の履帯底面と重機用足場材1の上面とが相互に正対するように、該重機用足場材1を楔形スペース3に潜り込ませる。
なお、添付図面を一見すると、相番クレーン4で吊って移動するだけで、重機用足場材1の全体を(一部だけでなく)、楔形スペース3の奥まで挿し込めるようにも見えるかもしれない。しかしながら実際の施工では、クレーン2の存在自体が邪魔となるので、相番クレーン4で吊って移動するだけでは、重機用足場材1を設計位置にセッティングすることは物理的に難しい。
<工程D>
クレーン履帯真下の楔形スペース3に重機用足場材1の一部(先端よりの一部分)を潜り込ませたら、相番クレーン4に繋がるワイヤーを切り離す。続いて、クレーン履帯24が具備する係合部と、重機用足場材が具備する係合部とを相互に係合させ(ギアが噛み合う如く係合させ)、その係合状態で、クレーン2の下部走行体22の動力を利用して、重機用足場材1の全体を覆工面に沿って移動させ、クレーン履帯24の真下の楔形スペース3の奥まで引き込む。
クレーン履帯側と重機用足場材側との具体的係合関係や、重機用足場材の具体的引き込み方法については、図2〜図4に示すとおりであるが、その詳細については後述する。
<工程E>
楔形スペース3に重機用足場材1の全体を引き込んで、該重機用足場材が設計位置(クレーン2の履帯底面と重機用足場材1の上面とが正対する位置)に位置決めされたら、ジャッキアップ装置23の油圧シリンダを徐々に縮退させて、クレーン2の荷重を重機用足場材1に預ける。
以上の手順を経て、クレーン2は、水平堅土上に据え付けられた場合と同様に、重機用足場材1の上に略水平状態で据え付けられ、かつ、その略水平状態を保つことができる。つまり、重機用足場材1上に据え付けることで、クレーン2は、荷の吊り込みや旋回を伴うクレーン作業に必要な安定性・安全性を確保することができる。
<工程F>
続いて、地組みした上部構造構成部材5(桟橋パネル)をクレーン2で吊り込む。
この上部構造構成部材5は、例えば図10に示すような構造を有している。
上部構造構成部材5は、図10の平面図に示すように、主として、メインフレーム51と、該メインフレームに連結された横桁52とで構成されている。メインフレーム51は、主桁・横桁としての機能を具備するフレーム状部材である。横桁52は、打設する鋼管杭を地盤方向へガイドする筒状の杭頭固定管53(杭ガイド管)と、次段の上部構造構成部材に対して連結される連結部材55を有している。筒状の杭頭固定管53は、鋼管杭(支持杭)を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
<工程G>
次に、上部構造構成部材5を吊り込んだ状態でクレーン2の上部旋回体21を旋回させ、図1Gに示すように、桟橋構築済み部分の上部構造構成部材5’の前方の設計位置に吊り降ろす。なお、この工程は、図9Aに示す工程(手延べ方式の桟橋施工の一工程)の手順と同様である。
そして、上部構造構成部材5が桟橋構築済み部分前方の設計位置に保持された状態を維持しつつ、桟橋構築済み部分の上部構造構成部材5’の先端に、新設する上部構造構成部材5の一端を連結させる。これにより、新設する上部構造構成部材5が、桟橋構築済み部分から張り出した状態に延設される。
<工程H>
続いて、延設した上部構造構成部材5の姿勢保持に用いる反力アーム6を、相番クレーン4を利用して、桟橋構築済み部分の所定位置に移動させ固定する。具体的には図1Hに示すように、この反力アーム6が、桟橋構築済み部分の前方へ部分的に張り出すように、且つ、延設した上部構造構成部材5の上方に位置するように配置し、次いで、そのように位置決めした状態で、該反力アーム6を、桟橋構築済み部分に固定する。
<工程I>
次に、桟橋構築済み部分に固定された反力アーム6の先端部と、延設された上部構造構成部材5とを、チェーンブロックなどの牽引手段7で連結する。これにより、桟橋構築済み部分から張り出した上部構造構成部材5が、その上方で張り出した反力アーム6によって設計位置に保持される。
したがって、反力アーム6と上部構造構成部材5とを牽引手段7によって連結した後は、クレーン2に繋がるワイヤーを切り離し、上部構造構成部材5の一部荷重を反力アーム6に預けることができる。反力アーム6は、牽引手段7を介して上部構造構成部材5を上方に引っ張るようにして支えているので、クレーン2から切り離しても上部構造構成部材5は所定の設計位置に保持される。
<工程J>
続いて、掘削・打ち込み装置8とともに鋼管杭9をクレーン2で吊り込んで、上部構造構成部材5のガイドホール(杭頭固定管53)に鋼管杭9を通す。そして、延設状態の上部構造構成部材5を杭ガイドに利用して、対象地盤に鋼管杭9を複数本打設する。
なお、この工程で用いる掘削・打ち込み装置8としては、例えば、ダウンザホールハンマを具備するドリルロッドと、該ドリルロッドの先端に設けられた拡縮自在の掘削ビットと、ドリルロッドを回転させる回転駆動装置などを有する装置を利用することができる。
必要数の鋼管杭9を打設したら、その杭頭をガイドホール(杭頭固定管53)に固定させる。これにより、反力アーム6によって支持されていた上部構造構成部材5の荷重を、打設された鋼管杭9に預けることができる。以後は、上部構造構成部材5を吊り上げていた牽引手段7を切り離すことができる。
<工程A〜Jの繰り返しによる桟橋の構築>
そして、上記工程Jでの鋼管杭9の打設が完了したら、桟橋を1支間分拡張する度に、上述した工程A〜Jを施工方向に向かって繰り返し、必要長さの桟橋を構築する。
(傾斜面用の重機用足場材とクレーン履帯との係合関係)
次に、上記工程Dで概略的に説明した傾斜面用の重機用足場材1の引き込みに必要な係合メカニズム(重機用足場材とクレーン履帯との係合関係)について、図2〜図4に基づいて、具体的に説明する。
図2は、図1Dに示すセッティング手順の詳細を示す図であって、重機用足場材1を、クレーン履帯24の真下の楔形スペース3に引き込む際の様子を示す図である。
図3は、図2の拡大図である。
図4は、図3の拡大図であって、主に、クレーン履帯側の係合部材27と、重機用足場材側の係合部材12を示している。
本実施形態で用いる重機用足場材1は、クレーンなどの重機を傾斜面上で利用する際に用いる重機用の移動式足場構造物であって、図3に示すように、側面視の輪郭が全体として略楔状である。ここでいう「略楔状」とは、略三角形や略台形を含むことは勿論のこと、これらの形状に近似する形状を含む趣旨である。
また、この重機用足場材1は、クレーンを上載した状態においてその履帯底面と対向する部分を前記輪郭の一辺とし、また、傾斜面の斜面(覆工面)と対向する部分を前記輪郭の他の一辺とする。
また図4の拡大図に示すように、この重機用足場材1は、その上面、すなわち履帯底面が接する面に、凸状の係合部材12(係合手段)を複数具備しており、この凸状の係合部材12は、重機用足場材1上面に固設されていて、各係合部材12,12の間には、凹部13が形成されている。この係合部材12は、例えばプレート状の鋼材(ギアプレート)で構成され、重機用足場材1にボルト止めされている。係合部材12,12の間の凹部13には、クレーン履帯側の係合部材27が進入するようになっている。
すなわち、図示する複数の係合部材12,12…は、全体として、ラックギアの如く機能する凹凸の連続を構成している。
一方、本実施形態で用いるクレーン2の下部走行体22は、図3および4に示すように、足回り装置として履帯24を有しており、この履帯24は、リンク部材で相互連結された複数の履板25,25…を具備している。これらの複数枚の履板25は、全体としてエンドレスループを構成するようにリンク結合されており、これらの複数枚の履板のうち、一部履板(連続した数枚の履板)には、係合手段をなす凸状の係合部材27が固設されている。この係合部材27は、例えばプレート状の鋼材(ギアプレート)で構成され、対応する履板25にボルト止めされている。
すなわち、複数の係合部材27,27…は、全体として、ピニオンギアの如く機能する凹凸の連続を構成している。
そして、クレーン履帯側に固設された各係合部材27が、重機用足場材側の係合部材12,12間の隙間(つまり凹部13)に進入することで、係合部材27,12が相互に係合し合う。つまり、係合部材27,12がギアのように相互に噛み合うので、下部走行体22を動力源とする履帯24の動きを重機用足場材1側に伝達することができる。したがって、本実施形態の係合部材27,12は、「重機用足場材案内器具(足場材案内器具)」あるいは「動力伝達部材」といった部材名称に言い換えることもできる。
(傾斜面用の重機用足場材の具体的セッティング手順)
次に、前記工程Dで概略的に説明した重機用足場材1の引き込み方法について、図2〜図4に基づいて、具体的に説明する。
図1Bに示すように、クレーン履帯24の真下に楔形スペース3を空けた状態で該クレーン2を待機させ、続いて、図1Cに示すように、重機用足場材1の先端側を、待機しているクレーン2の履帯真下の楔形スペース3に部分的に挿し込む。そして、図2(a)に示すように、ジャッキアップ装置23,23…の一部(足場材寄りのジャッキアップ装置23)の油圧シリンダを徐々に縮退させて、足場材1寄りの履帯底面を足場材1の上面に近接させる(ただしクレーン2の荷重は預けない)。
このとき、履帯側の係合部材27が、履帯底面側ではなく、履帯の側方(重機用足場材寄りのコーナー部)に位置するように、予め位置決めしておく。
続いて、クレーン2の履帯24を、重機用足場材1を引き込む方向に、周回動作させる。すると、図2(b)に示すように、履帯24の周回動作の進行に伴って、履帯側の係合部材27が、重機用足場材側の係合部材12,12の間の凹部13に進入し、係合部材27,12が相互に噛み合う状態が確保される。この状態で引き続き履帯24を周回動作させると、係合部材27,12がギアの如く噛み合っているため、周回する履帯24に従動するように、重機用足場材1が斜面(桟橋の覆工面上)に沿って横方向に移動し、更に楔形スペース3に引き込まれる。
上記手順により重機用足場材1をある程度引き込んだら、続いて図2(c)に示すように、ジャッキアップ装置23(重機用足場材寄りのジャッキアップ装置)の真下に、敷板などのスペーサ28を敷設し、その状態で再びクレーン2をジャッキアップする。
そして、履帯24の底面が重機用足場材1の上面から離れ、係合部材27,12の係合関係が解除されたら、図2(d)に示すように、履帯側の係合部材27が再び履帯コーナー部に位置するように、履帯24を逆方向に周回動作させる。その後は、図2(a)(b)に示す手順と同様に、クレーンの下部走行体22の動力を利用して、履帯24の周回動作によって重機用足場材1を設計位置まで引き込むようにする。
なお、本実施形態ではクローラクレーンの履帯の周回動作を利用して重機用足場材1を引き込んでいるが、移動手段として車輪を具備する重機を利用する場合には、車輪の回転動作を利用して重機用足場材1を移動するようにしてもよい。またその場合には、重機の車輪(もしくはその回転軸)にピニオンギア式の係合部材を取り付ける、またはワイヤードラムやベルトプーリーなどの係合部材を装着するなどして、重機移動手段の回転力に従動可能に構成された重機用足場材を直接的または間接的に移動させられるようにしてもよい。また、前記係合関係により重機用足場材を移動する手段として用いられる重機は、当該重機用足場上で作業する重機に限らず、近傍に位置する別の重機の回転力等の駆動力(例えば相番クレーンの車輪の回転力など)を用いて移動が行えるようにできることは勿論である。
(位置決め補助器具を利用した重機用足場材のセッティング方法)
次に、図5および図6に基づいて、上述した方法で利用可能な「位置決め補助器具」について説明する。
図5に、位置決め補助器具31の平面図と正面図を示す。
位置決め補助器具31は、クレーンの履帯と傾斜面との間に空けた楔形スペース3に重機用足場材1(傾斜面用の重機用足場材)を配置する際に利用する器具である。
この位置決め補助器具31(位置決めプレート)は、図5に示すように、
・金属製の平板状本体部33と、
・この器具31に対してクレーン2を位置決めするための重機位置決め部34と、
・重機用足場材1のセッティング時にこれをガイドするガイド手段である壁状部35と
・本体部33に対し立設した壁状部35が倒壊しないように補強するためのリブ36と、を有している。
4箇所に設けられた平面視矩形の重機位置決め部34には、クレーン2が具備するジャッキアップ装置23の伸縮部位の下端(油圧シリンダの下端側にある接地部20)が位置決めされる。本実施形態では、この重機位置決め部34は、平板状本体部33の上面に固設された矩形の枠とその内側の凹状領域とで構成されている。
なお、重機位置決め部34の構成は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、平板状本体部の上面側に描かれた目印(例えば矩形マーカー)のようなものでもよく、あるいは、平板状本体部を矩形状にくり抜いて形成した穴で構成されてもよい。
ガイド手段をなす壁状部35は、平板状本体部33の両側に立設された帯状部材で構成されている。
なお、本実施形態では、ガイド手段の一例として壁状部(帯状部材)を採用しているが、ガイド手段の構成はこれに限定されるものではなく、重機用足場材1に位置ずれを招くことなく誘導可能な他の物理的構成を採用することも可能である。あるいは、ライン状のマーカーなどの視覚的な目印でガイド手段を構成することも可能である。
金属製プレートなどからなる本体部33は、本実施形態では一例として平板状に構成しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、壁状部35,35(ガイド手段)の相対位置関係を固定できるものであれば、他の構成を採用することも可能である。
例えば、分割可能な板状部材や、フレーム部材などの簡易なつなぎ材で本体部33を構成することも可能である。
上記構成の位置決め補助器具31を使用して重機用足場材1(傾斜面用の重機用足場構造物)をセッティングする際には、はじめに(図1Aの手順に先行して)、クレーン2の据え付け予定位置の覆工面上(斜面上)に、位置決め補助器具31を敷設する。この敷設の際には、クレーンを利用して位置決め補助器具31を吊り込んで移動させてもよく、あるいは、他の動力または人力で移動させてもよい。なお、その移動を省力で速やかに行うことができるように、位置決め補助器具31を分割可能に構成することも可能である。
続いて、図1Aに示すように、クレーン2を移動させて、先行して敷設しておいた位置決め補助器具31の上にクレーン2を載せる。その際、図6(a)に示すように、ジャッキアップ装置23の伸縮部位の下端が重機位置決め部34の真上に位置するように、位置決め補助器具31の上にクレーン2を正確に位置決めする。
次に、図1Bに示すようにクレーン2をジャッキアップさせる。このとき図6(b)に示すように、ジャッキアップ装置23の伸縮部位の下端(油圧シリンダの下端側にある接地部20)が、重機位置決め部34の内側の凹状領域に収まって、クレーン2に対する位置決め補助器具31の相対位置が固定された状態が確保される。つまり、図6(b)に示すようにクレーンのジャッキアップ装置23を伸長させた状態では、位置決め補助器具31の全体がクレーン2の荷重で確りと押さえ付けられるので、外力を受けても位置決め補助器具31が動かない、すなわち位置ずれしないことになる。
なお、位置決め補助器具31の重機位置決め部34を、前述したくり抜き穴で構成した場合であっても、クレーン2に対する位置決め補助器具31の相対位置が固定された状態を確保できる。
そして、図1Cに示す手順を経て、図1Dの手順(重機用足場材1の引き込み)に移ると、図6(b)に示すように、ガイド手段である壁状部35によって重機用足場材1がガイドされながら、該重機用足場材1が所定方向に引き込まれてゆく。したがって、重機用足場材1の引き込みの過程で位置ずれ(幅員方向の位置ずれ)を招くことが無く、クレーン2の履帯真下の所定位置に正確に重機用足場材1を位置決めすることができる。
(位置決め補助器具の変形例)
図7に位置決め補助器具の変形例を示し、図8にその使用方法を示す。
変形例の位置決め補助器具41(位置決めプレート)は、図7に示すように、
・金属製の平板状本体部43と、
・この器具41に対してクレーン2を位置決めするための重機位置決め部44と、
・重機用足場材1をガイドするためのガイド手段45と、
・ガイド手段45をなす壁状部47,48が倒れないように補強するためのリブ46と、を有している。
平板状本体部43は、前述した実施形態(図5)のものと比較して、幅広のサイズを有するように形成されている。
重機位置決め部44は、前述した実施形態(図5)と同様である。
ガイド手段45は、それぞれ、一対の壁状部47,48を有しており、各壁状部は、立設された帯状部材で構成されている。壁状部47,48は平行に立設され、該壁状部の間で重機用足場材1をガイド(スライド式に誘導)することが可能である。
このように、変形例の位置決め補助器具41では、壁状部が重機用足場材を挟み込みようにしてガイドするので、前述した実施形態よりも更に効果的に位置ずれを防止することができる。
なお、変形例に係る位置決め補助器具は、前述した実施形態の位置決め補助器具と比較して大サイズ・大重量であるため、移動させる際にそのサイズ・重量が障害となる可能性がある。そこで、位置決め補助器具の重量やサイズによっては、例えば、位置決め補助器具を分割可能に構成してもよい。また、位置決め補助器具の履帯長手方向を短尺にした複数の棒状に構成するなどして省スペース化してもよい。さらに、平板状の位置決め補助器具に穴(例えばくり抜き穴)を開けるなどして軽量化してもよい。
(その他の実施形態や変形例)
以上、本発明の実施形態の一例について具体的に説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明は、上記実施形態を包含するのは勿論のこと、他の実施形態や変形例を広く包含するものである。
例えば、上記実施形態では、重機用足場材1の前方に配置されたクレーン2の動力を利用して、クレーン履帯の真下に空けたスペース3に重機用足場材1を引き込んで配置しているが、当該クレーン以外の他の動力を利用して、このスペース3に重機用足場材1を移動させるようにしてもよい。つまり、重機用足場材1をクレーン履帯24の真下にセッティングする際の移動手段は、クレーン2の下部走行体22の動力を利用するものに限定されず、当該クレーン以外の他の動力源を利用するものであってもよい。また、そのような動力源は、移動させる重機用足場材1の「前方」に配置されたものであってもよく、あるいは、重機用足場材1の「後方」に配置されたものであってもよい。
重機用足場材の「前方」に設置した動力源を利用して該重機用足場材を移動させる具体例としては、例えば、前述したクレーン履帯の周回動作を利用して引っ張り込む態様のほか、チェーンブロックやウインチなどの牽引手段を桟橋先端部に固定し、該固定部分を反力に利用して、重機用足場材を覆工面に沿って設計位置まで牽引するといった態様が挙げられる。この場合には、牽引用の連結部材を重機用足場材に固設してもよい。また、ウインチなどの牽引手段を、例えば重機用足場材の方に取り付けて、そこから繰り出したワイヤーを桟橋先端部などに連結してもよい。
重機用足場材の「後方」に設置した動力源を利用して該重機用足場材を移動させる具体例としては、例えば、バックホウなどの重機や、押し込みシリンダ(ジャッキ)などの押し込み装置を利用して、該重機用足場材を押し込むといった方法を採用することができる。
また、重機用足場材には、例えば電動モータや車輪などからなる自走手段を具備させることも可能である。これにより、相番クレーンなどを利用する必要が無くなるので、傾斜面上の限られた作業スペースを有効利用することが可能になる。また、必要に応じて、重機用足場材を自在に且つ速やかに前進・後退させることが可能になる。
また、上述した自走手段の別の例としては、例えば、ラック・アンド・ピニオン方式の自走手段により重機用足場材を前進・後退させるといった方法が挙げられる。
具体的には、例えば、ラックギアに相当する凹凸がついた棒状部材を、施工進行方向に沿って覆工面上に平行に設置する。また、そのラックギアの凹凸に噛み合うピニオンギアのような部材を重機用足場材側に取り付ける。そして、重機用足場材側のピニオンギアをモータで回転させることで、ラックギアに沿って重機用足場材を進退動させることができる。
また、重機用足場材には車輪(コロ)を設けてもよい。このような車輪を重機用足場材に具備させることで、該重機用足場材を設計位置まで引き込んだり、或いは、他の動力を利用して設計位置まで移動させる場合において、覆工面との間に生じる摩擦抵抗が大幅に緩和され、重機用足場材のセッティングをスムーズに進めることが可能になる。
また、上述した実施形態では、クレーンの履帯に係合部材を後付けし、この係合部材(つまり履帯の付属物)に対して、重機用足場材側の係合部材を係合させるようになっているが、クレーンの履帯(履板)に対して、重機用足場材側の係合部材を直接的に係合させるようにしてもよい。つまり、重機用足場材側の係合部材は、クレーンの履帯そのものに係合するものであってもよく、あるいは、クレーンの履帯の付属物(例えば係合部材)に係合するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、傾斜面の具体例として縦断勾配の付いた桟橋を挙げたが、傾斜面の具体例は桟橋に限られない。
また、上述した実施形態では、履帯や車輪などの移動手段を具備する移動式重機の具体例として、クローラクレーンを挙げたが、本発明を適用可能な重機はこれに限定されるものではない。
1 傾斜面用の重機用足場材(移動式の足場構造物/水平架台/不陸修正手段)
2 クローラクレーン(第1のクレーン/重機)
3 楔形スペース
4 相番クレーン(補助クレーン/第2のクレーン/重機)
5 上部構造構成部材(桟橋パネル)
5’ 上部構造構成部材(桟橋パネル)
6 反力アーム
7 牽引手段(チェーンブロック)
8 掘削・打ち込み装置
9 鋼管杭(支持杭)
12 係合部材(係合手段/ギアプレート)
13 凹部
20 接地部
21 上部旋回体
22 下部走行体
23 ジャッキアップ装置
24 履帯(クローラベルト)
25 履板
27 係合部材(係合手段/ギアプレート/足場材案内器具)
28 スペーサ(敷板)
31 位置決め補助器具(幅狭型の位置決めプレート)
33 平板状本体部
34 重機位置決め部
35 壁状部(ガイド手段)
36 リブ
41 位置決め補助器具(幅広型の位置決めプレート)
43 平板状本体部
44 重機位置決め部
45 ガイド手段
46 リブ
47 壁状部
48 壁状部
51 メインフレーム
52 横桁
53 杭頭固定管(杭ガイド管)
55 連結部材

Claims (6)

  1. 重機の下部走行体が具備する履帯や車輪などの移動手段と傾斜面との間にスペースを空け、
    前記重機の下部走行体の動力を利用して前記スペースに向けて重機用足場材を移動させることによって、当該スペースに重機用足場材を配置する
    ことを特徴とする傾斜面用の重機用足場材のセッティング方法。
  2. 請求項1に記載の方法で用いる足場材であって、
    側面視の輪郭が略楔形状であり、
    重機を足場材に上載した状態において該重機の移動手段と対向する部分を前記輪郭の一辺とし、
    傾斜面と対向する部分を前記輪郭の他の一辺とし、
    自走手段を具備する傾斜面用の重機用足場材。
  3. 請求項1に記載の方法で用いる足場材であって、
    側面視の輪郭が略楔形状であり、
    重機を足場材に上載した状態において該重機の移動手段と対向する部分を前記輪郭の一辺とし、
    傾斜面と対向する部分を前記輪郭の他の一辺とし、
    重機の移動手段又はその付属物と係合可能な係合手段を有し、
    前記移動手段に従動可能に構成された、傾斜面用の重機用足場材。
  4. 車輪を具備する、請求項2又は3に記載の傾斜面用の重機用足場材。
  5. 請求項3に記載の傾斜面用の重機用足場材の係合手段と係合可能であって、重機の履帯または車輪に取り付けて使用する足場材案内器具。
  6. 請求項1に記載の方法で用いる重機用足場材の位置決め補助器具であって、
    位置決め補助器具に対して重機を位置決めし、重機に対する位置決め補助器具の相対位置を固定するための、重機位置決め部と、
    重機の移動手段と傾斜面との間のスペースに向けて重機用足場材を移動させる際に、該重機用足場材を前記スペースに向けてガイドするためのガイド手段と、
    を具備する位置決め補助器具。
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