JP6488453B2 - プログラム及び情報伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンピュータに、特定の情報の変換ステップと、情報発信者の識別ステップと、特定の情報の表示ステップとを実行させるプログラム、及び該プログラムによって作動するコンピュータと、特定の入力装置と、特定の表示媒体とを備える情報処理装置に関する。
特許文献1には、ネットワークで接続されたコンピュータで実行される、対話式の、適応性のある、個別化された、コンピュータ支援の学生教育のためのシステムと方法が開示されている。
特表2000−511304号公報
近年、学校の授業にIT技術を利用した授業支援システムが導入されつつあり、特許文献1図4に開示されているような、生徒毎に配布されるパソコンやスマートフォン(登録商標)等の情報端末とインターネットやホストコンピュータを結合した授業支援システムの提案が多数なされている。
しかし、我が国のように、1人の教員が多くの生徒に対して授業をする伝統的な授業形態では、個々の生徒が、生徒毎に配布された情報端末で授業情報を把握するよりも、その授業の場で、教員及び生徒の全員が同時に授業情報を共用する方が、授業の効果を達成する上で有益である場合も多いと考えられる。
本発明は、複数の情報発信者の発信した発信情報を複数の情報発信者の全員が同時に認識して共有できるように、コンピュータが各ステップを実行させるプログラム、及び該プログラムによって作動するコンピュータと、特定の入力装置と、特定の表示媒体とを備える情報処理装置を提供することを課題とする。
本発明は、
〔1〕コンピュータに、
入力装置から入力された複数の情報発信者の発信情報を文字情報に変換する変換ステップと、
前記発信情報の情報発信者を識別して前記文字情報に前記情報発信者に関する識別記号を対応させる識別ステップと、
前記文字情報を、前記識別記号と関連付けて、少なくとも前記複数の情報発信者の全員が共用する表示媒体に時系列表示する表示ステップとを実行させるプログラム(以下、本発明1ともいう)、及び、
〔2〕前項〔1〕記載のプログラムと、
前記プログラムによって作動するコンピュータと、
前記プログラムが実行する変換ステップで入力される発信情報を前記コンピュータに入力するための入力装置と、
前記コンピュータが実行する表示ステップで時系列表示、又は、時系列表示及び情報Xを表示するための表示媒体とを備える情報処理装置(以下、本発明2ともいう)に関する。
本発明によれば、複数の情報発信者の発信した発信情報を複数の情報発信者の全員が同時に認識して共有できるように、コンピュータが各ステップを実行させるプログラム、及び該プログラムによって作動するコンピュータと、特定の入力装置と、特定の表示媒体とを備える情報処理装置を提供することができる。
本発明1の各ステップを示すフローチャートの一例と本発明2の構成の1例である。 本発明1における表示ステップで表示される時系列表示の1例である。 本発明1における表示ステップで表示される時系列表示の1例である。 本発明1における複数の情報発信者、入力装置及び表示媒体の1例を示す。 図4の場合における表示ステップで表示される時系列表示の1例である。 図4の場合における表示ステップで表示される時系列表示を印刷した場合の1例である。 本発明1及び2の用途の例である。
〔本発明1〕
本発明1は、コンピュータに、
入力装置から入力された複数の情報発信者の発信情報を文字情報に変換する変換ステップと、
前記発信情報の情報発信者を識別して前記文字情報に前記情報発信者に関する識別記号を対応させる識別ステップと、
該文字情報を、該識別記号と関連付けて、少なくとも該複数の情報発信者の全員が共用する表示媒体に時系列表示する表示ステップとを実行させる。
図1に本発明1の1例についてフローチャートを挙げた。
(情報発信者)
本発明1における複数の情報発信者とは、後述する表示媒体を共用し、各自が相互に向けて発信した情報がその表示媒体に認識できるように表示される複数の者である。
複数の情報発信者が情報を発信する態様として、以下を例示できる。
(1)情報発信態様例1:特定の趣味に関するサークルで互いにその趣味に関する情報を発信しあう等、共通するテーマについて複数の者が情報交換する態様。
情報発信態様例1では、以下、
各情報発信者をP(i=1、2、・・・)と表し、
が発信する各発信情報をIP(p)(p=1,2、・・・)と表す。
(2)情報発信態様例2:先生と生徒が構成する教室、講師と聴講者が構成する講演会、議事進行者と討議者が構成する会議等の、複数の情報発信者に属する特定の者による、特定の者以外の複数の情報発信者に属する者への教授又は指揮の下で説明や質疑応答などの情報交換をする態様。
特定の者とは教室における先生、講演会の講師、会議の議事進行役等の複数の情報発信者の中で特定の者以外の者が担わない特定の役割を担う者をいう。
特定の者と特定の者以外の者はそれぞれ一人でも複数人でもよい。
複数の情報発信者は、人間でもよいし、人工知能(AI)のような独自に情報発信できる機械であってもよく、これらが混合して構成されていてもよい。
情報発信態様例2では、以下、
特定の者である情報発信者をT(j=1、2、・・・、n)と表し、
特定の者以外の者である情報発信者をS(k=1、2、・・・、n)と表し、
が発信する各発信情報をIT(t)(t=1,2、・・・)と表し、
が発信する各発信情報をIS(s)(s=1,2、・・・)と表す。
(変換ステップ)
本発明1は、コンピュータに、入力装置から入力された複数の情報発信者の発信情報を文字情報に変換する変換ステップを実行させる。
情報発信者が発信する発信情報は、情報発信者の肉声、手話、点字、暗号、振動、デジタル信号等、情報発信者が必要とする様々な形式で発信されてよい。従って、本発明1及び2は、情報発信者が、例えば視覚又は聴覚等の五感にハンデを負う者でも容易に操作できるように構成できる。
これらの発信情報は、入力装置からコンピュータに入力される。
入力装置としては、アナログ式又はデジタル式のマイクロホン、画像読取装置、情報発信者が個別に所有する携帯電話等の情報処理端末(ウェアラブル端末でもよい)など様々な情報取得装置を使用でき、これらの入力装置から発信情報はコンピュータに入力される。
コンピュータに入力された発信情報は、文字情報に変換される。
本発明1において、文字情報とは、その文字情報が人間に認識させるために表示装置に表示されたときに発信情報の内容が文章として人間に認識できる態様の情報である。
発信情報を文字情報に変換するに際して、発信情報に含まれる種々のニュアンスを文字表現して文字情報に変換してもよい。
発信情報に含まれる種々ニュアンスとは、例えば、発信情報の時系列に沿った文脈、声の抑揚、情報発信者の表情等によって、発信情報が説明、質問、確認、冗談、驚き、喜び、悲しみ、怒り、嘆き等が表現されていることをいう。
コンピュータに入力された発信情報に含まれる種々のニュアンスを解析させて、例えば、
「質問」であると判断した場合、文末に「?」を付加し、
「驚き」であると判断した場合、文末に「!」を付加し、
「冗談」であると判断した場合、文末に「笑い」を付加し、又は、
判断したそれぞれのニュアンスに対応する顔文字を文末に付加するようなステップを実行させてもよい。
発信情報を文字情報に変換するに際して、発信情報の表現言語を翻訳して特定の言語による文字情報に変換してもよい。例えば、4人の情報発信者が日本語で「こんにちは」を意味する言葉を、それぞれ日本語、英語、中国語及びアラビア語でと入力した発信情報を、全て「こんにちは」という日本語の文字情報に変換してもよい。
後述する表示ステップでこの文字情報が表示された時系列表示を読む第三者の多くが、その文字情報を理解できる場合に有用であろう。
発信情報を文字情報に変換するに際して、逆に、特定の言語による発信情報を、多国言語による文字情報に変換してもよい。例えば、4人の情報発信者が日本語でなされ、「こんにちは」と入力した発信情報を、それぞれ「こんにちは」を意味する日本語、英語、中国語及びアラビア語の4か国語の文字情報に変換してもよい。
後述する表示ステップでこの文字情報が表示された時系列表示を配布された育児責任者等の第三者が、多国籍からなり、これらの文字情報を理解できる場合に有用であると考えられる。
以下、情報発信態様例1及び2では、
によって発信された発信情報IP(p)が変換された文字情報をLP(p)、
によって発信された発信情報IT(t)が変換された文字情報をLT(t)、
によって発信された発信情報IS(s)が変換された文字情報をLS(s)と表わす。
(識別ステップ)
本発明1は、コンピュータに、
発信情報の情報発信者を識別して該文字情報に該情報発信者に関する識別記号を対応させる識別ステップを実行させる。
本発明1は、コンピュータに、
情報発信態様例1では、発信情報IP(p)の情報発信者はPであると識別させ、
情報発信態様例2では、発信情報IT(t)の情報発信者はTであり、発信情報IS(s)の情報発信者はSであると識別させる。
例えば、発信情報がマイクロホンを通じて肉声でなされる場合、情報発信態様例1ではPの、情報発信態様例2ではT及びSの肉声音質等の情報発信者固有の属性を予め登録しておき、入力された発信情報としての肉声音質と登録された肉声音質とが一致した場合に、その発信情報はその肉声音質の者であると識別することができる。
例えば、モーションキャプチャーと顔認識システム、または特定のウェアラブル端末を入力装置とする場合、情報発信態様例1ではPiの、情報発信態様例2ではTj及びSkの特徴ある動作又は顔の造形を予め登録しておき、入力された動作又は顔の造形の情報と登録された動作又は顔の造形とが一致した場合に、その発信情報はその動作又は顔の造形の者であると識別することができる。
例えば、発信情報が情報発信者それぞれに割り当てた情報処理端末を経由してなされる場合、それぞれの情報処理端末の識別信号を登録しておき、入力された情報処理端末の識別信号によって、その発信情報の情報発信者はその識別信号を備える情報処理端末が割り当てられた者であると識別することができる。
識別記号は、情報発信者の文字、名前、愛称などの文字態様でも、顔、動物、食物などの写真、イラストをアイコン態様にしたものでもよく、例えば、これらを情報発信者の属性に対応させて予め登録しておく。
本発明1は、コンピュータに識別された文字情報に、例えば予め登録しておいた識別記号を対応させる。
例えば、情報発信態様例1では、文字情報LP(p)に識別された情報発信者がPであれば「Pさん」を識別記号として対応させ、
例えば、情報発信態様例2では、文字情報LT(t)に識別された情報発信者がTであれば「T先生」を識別記号として対応させ、文字情報LS(s)に識別された情報発信者がSであれば「S君」を識別記号として対応させることができる。
(表示ステップ)
本発明1は、コンピュータに、
該文字情報を、該識別記号と関連付けて、少なくとも該複数の情報発信者の全員が共用する表示媒体に時系列表示する表示ステップとを実行させる。
表示ステップにおける表示媒体は、
文字情報を文字表示又は手話表示等の視覚で認識できるように表示する場合は、ディスプレイ装置、映写用スクリーン等の画像表示媒体を、
文字情報を音声で認識できるように表示する場合は、スピーカー等の音響発音媒体を、
文字情報を触覚で認識できるように表示する場合は、点字生成媒体、振動媒体等を使用することが好ましいが、
情報発信者以外の者に文字情報を伝達することが容易である観点から、好ましくは画像表示媒体であり、より好ましくはディスプレイ装置又は映写用スクリーンである。
表示媒体は複数台使用してもよいが、情報発信者及び情報発信者以外の者に文字情報を簡潔に伝達する観点から、好ましくは1〜3台、より好ましくは1〜2台、更に好ましくは1台使用することである。
表示媒体は複数の情報発信者の全員が共用されており、複数の情報発信者の全員は、共用された表示媒体における表示によって発信情報を受信するのであって、各人が所有する携帯電話、パソコン等の情報処理端末に表示されることを擁しない。
但し、共用された表示媒体における表示が、複数の情報発信者の各人が所有する携帯電話、パソコン等の情報処理端末にも表示され、複数の情報発信者の各人が情報処理端末のその表示を補助的に参照してもよい。
表示媒体が複数の情報発信者が共用する1台の大型ディスプレイである場合、
情報発信態様例1では、本発明1は、コンピュータに、
文字情報LP(p)を、例えば、識別記号「Pさん」と関連付け、
文字情報LP(p)を時系列に並べて、文字情報LP(p)には「Pさん」を併記して、大型ディスプレイに図2のように表示する表示ステップを実行させる。
表示媒体が複数の情報発信者が共用する1台の大型ディスプレイである場合、
情報発信態様例2では、本発明1は、コンピュータに、
文字情報LT(t)を、例えば、識別記号「T先生」と関連付け、
文字情報LS(s)を、例えば、識別記号「S君」と関連付け、
文字情報LT(t)及びLS(s)を時系列に並べて、
文字情報LT(t)には「T先生」を併記し、文字情報LS(s)には「S君」を併記して、大型ディスプレイに図3のように表示する表示ステップを実行させる。
(特定の者が教授する情報X)
情報発信態様例2において、複数の情報発信者に属する特定の者が、複数の情報発信者に属する特定の者以外の者に、所定の情報Xを教授する場合、例えば、情報Xは、先生が教授する学習用教材のコンテンツであったり、講演者が教授する特定のテーマに関するコンテンツであったりしてよい。
情報Xは、Tが随時説明できるようにT自身が記憶していてもよいし、
とSが随時、例えば視覚的又は触覚的に参照できるように教科書、参考書、講演原稿等の印刷媒体に文字又は点字等で記録されていてもよいし、
とSが随時再生して、例えば視覚又は聴覚的に参照できるようにDVD、アナログフィルム等のデジタル又はアナログ媒体に記録されていてもよい。
情報Xは、記録態様に応じて適切な表示媒体で表示されることが好ましく、表示ステップにおける表示媒体と異なる表示媒体で表示されてもよいが、TとSが表示された文字情報と並行して参照し易いという観点から、表示ステップにおける表示媒体と同一の表示媒体に表示されることが好ましい。
〔本発明2〕
本発明2は、
本発明1のプログラムと、
本発明1のプログラムによって作動するコンピュータと、
該プログラムが実行する変換ステップで入力される発信情報を該コンピュータに入力するための入力装置と、
該コンピュータが実行する表示ステップで時系列表示を表示するための表示媒体とを備える情報処理装置である。
本発明1のプログラムによって作動するコンピュータについては、公知のものを使用できる。
該プログラムが実行する変換ステップで入力される発信情報を入力するための入力装置は、本発明1で説明したような、アナログ式又はデジタル式のマイクロホン、画像読取装置、情報発信者が個別に所有する携帯電話等の情報処理端末など様々な情報取得装置が挙げられるが、機能の多様性の観点から情報処理端末を使用することが好ましい。
該コンピュータが実行する表示ステップで時系列表示を表示するための表示媒体は、本発明1で説明したような、
文字情報を文字表示又は手話表示等の視覚で認識できるように表示する場合は、ディスプレイ装置、映写用スクリーン等の画像表示媒体を、
文字情報を音声で認識できるように表示する場合は、スピーカー等の音響発音媒体を、
文字情報を触覚で認識できるように表示する場合は、点字生成媒体、振動媒体等を使用することが好ましいが、
情報発信者以外の者に文字情報を伝達することが容易である観点から、好ましくは画像表示媒体であり、より好ましくはディスプレイ装置又は映写用スクリーンである。
(本発明1及び2の効果)
本発明1及び2によれば、複数の情報発信者の発信した発信情報を、複数の情報発信者の全員が同時に認識して共有できるように、コンピュータが上述した変換、識別及び表示等の各ステップを実行させるプログラムを提供することができる。
本発明1によれば、複数の情報発信者の発信した発信情報を、時系列的に正確に再現できるため、複数の情報発信者が、例えば、授業、講演、会議等の集会での情報交換の履歴を、情報交換の進行と並行して確認、共有でき、その場でそれらの進行の妥当性の判断をしたり、焦点を拡散させることなく効率的な情報交換を行うための判断をしたりするための資料となる。
本発明1及び2によれば、表示ステップで表示された時系列表示をさらにコンピュータに記憶させ、印刷媒体に印刷したり、記録媒体に記録したりすれば、複数の情報発信者にとって将来的に参考にしたり、第三者に複数の情報発信者による集会の情報交換状況を正確に伝達することが可能となる。
図7に、表示ステップで表示された時系列表示を印刷した印刷物を復習用に配布する場合を示した。
具体的には以下の効果を例示できる。
(1)授業(ホームルームを含む)の内容を正確に伝えることが困難な生徒が、表示ステップで表示された時系列表示の印刷物を授業の記録として自宅に持ち帰り、生徒がその生徒の育児責任者に正確に報告することができ、育児責任者は授業における生徒の様子を正確に把握でき、生徒が円滑な学校生活を営むのに必要な情報を正確に把握することができる。
図7に、表示ステップで表示された時系列表示を印刷した印刷物を授業記録として家庭の育児責任者に配布する場合を示した。
授業の内容を正確に伝えることが困難な生徒としては、例えば、以下を例示できる。
(1−1)いわゆる発達障害(例えば、コミュニケーションに支障が生じやすく口頭での説明に対する理解力に劣る場合が多い為、授業、HR等の内容をその場で理解し正確に他者(保護者)へ伝える事も困難であるため生活に支障をきたしやすいといわれる自閉症スペクトラム障害)の生徒。
(1−2)発達障害のボーダー、グレーゾーンと呼ばれる、障害者として扱うか健常者として扱うかの判断が困難な生徒であって、サポートを受けながら障害者が通う特別支援学級(旧養護学級)は選択せず普通の学校を選択した生徒等。
(2)議事録を残す必要のある重要な会議において、表示ステップで表示された時系列表示を会議終了後に印刷物に再生すれば、会議中の録音を後で文章化する手間と時間が節約できる。
(3)表示ステップで表示された時系列表示を、図7に示すように、コンピュータからクラウドシステムにアップロードして、授業関係者、会議関係者、発信情報に例えば公益性があれば報道関係者等の第三者が、個人が所有する情報処理端末又は公共施設にある情報処理端末から容易に閲覧することが可能となる。
(4)表示ステップで表示された時系列表示がデジタル情報又は第三者への配布資料として蓄積すれば、目的に応じて容易に統計処理をすることができる。
例えば、個々の授業について、授業における各生徒の特徴、先生の教授の仕方の特徴などを解析して、授業方法を改善したり、生徒の個性に応じた授業方法や学習用教材を開発したりするための客観的な資料となりうる。
また、本発明1及び2によれば、授業中の先生及び生徒(複数の情報発信者)の発言(発信情報)を正確に再現できるため、従来の先生の主観による判断に比べて、個々の生徒及び授業の構成員の特徴を解析するためのより客観的な資料を提供できる。
例えば、以下を例示できる。
(4−1)例えば、図7に示すように、生徒毎の発言回数、発言の意思を示した回数の統計化する事により生徒の個別の状況を可視化して、生徒及び教室の構成員(複数の情報発信者)の特性、背景及び課題を評価・解析して検討するための客観的な資料となりうる。例えば、特性、背景及び課題として以下を例示できる。
・その生徒の積極性及び消極性を評価する。
・教室の構成員(複数の情報発信者)のヒエラルキーを解析して、強者又は弱者の存在並びにその顕在性・潜在性を評価し、いわゆる「いじめ問題」を検討するための、教室の構成員(先生及び生徒)、教室の構成員の属する学校、学級、教室の構成員に対する第三者(保護者)、客観的な資料とする。
(4−2)例えば、表示ステップで時系列表示をするに際して、各文字情報に任意のタグ(積極発言、消極発言、否定、賛成等)を付加し統計化し、思考傾向を分析する為の客観的な資料の一つとして活用する事で生徒指導の一助となりうる。
(4−3)表示ステップで表示された時系列表示の登場人物は、時系列表示を閲覧する生徒にとって実在の知人であり、生徒の授業に対するモチベーションを維持・向上する観点で有用になりえ、従来の架空の人物・キャラクターによる質疑応答形式の学習コンテンツにはない効果を奏しうる。
(4−4)表示ステップで表示された時系列表示に、地域毎の言語や言い回し習慣、例えば、方言や、学校毎の校内用語(例えば日直当番を意味する「日当」)など生徒にとって身近な表現を含める事により、一人一人の生徒にフォーカスしたオリジナル学習コンテンツを容易に作成しうる。
(4−5)既存の参考書・教科書等の教育資料に、表示ステップで表示された時系列表示を補足説明として添付して、既存の教育資料の品質向上を行いうる。
(4−6)例えば、図7に示すように、(4−1)のデータを学校、地域毎に蓄積した情報を統計処理して、その学校全体の授業の特徴を抽出する、その学校の属する地域全体で行われている授業の特徴を抽出する、さらに、地方自治体、全国レベルで行われている授業の特徴を抽出することで、種々解析することが可能になる。
(4−7)世界各地に散在する通学困難な地域に住む、また通信インフラ未整備地域の生徒に対して臨場感のある教育資料を紙面で提供する事が可能となる。
(4−8)新人教員がベテラン教員や他の教員の授業を可視化して確認する事が出来るようになり、新人教員の授業品質向上の一助となりうる。
(4−9)その企業全体、その地方自治体、又はその省庁で行われている会議の特徴を抽出して、効率的な会議の運用を検討することも可能となる。
〔実施態様例〕
(条件)
(1)複数の情報発信者:先生α並びに生徒A,生徒B、生徒C及び生徒D
実施態様例は、図4に示すように、先生αが、生徒A〜Dに、先生αが作成した情報Xについて授業をしている場面が想定されている。
(2)コンピュータ:パーソナルコンピュータ
(3)表示媒体:大型ディスプレイ
(5)情報X:「関東の貿易統計」についてのコンテンツ
情報Xはプレゼンテーションソフトに格納され上記コンピュータによってプレゼンテーションソフトが作動して上記表示媒体に映写して表示される。
(6)発信情報の入力装置:複数の情報発信者が各自所有する情報処理端末
上記コンピュータには、先生α及び生徒A〜Dの肉声音質が登録されており、
先生αの登録された肉声音質には識別記号として「α先生を示すアイコン」と「α先生」が対応づけられ、
生徒A〜Dの登録された肉声音質にはそれぞれ、
「A君を示すアイコン」と「A君」、「B君を示すアイコン」と「B君」、「C君を示すアイコン」と「C君」、及び「D君を示すアイコン」と「D君」が対応づけられている。
(変換ステップ)
本発明1によって、先生αが、情報Xについて口頭説明「このグラフは理解できました」を発信情報IT(1)として、先生αの肉声による発信情報IT(1)を、先生αの所有する情報処理端末を経由してコンピュータに入力され、入力された説明1は文字情報LT(1)「このグラフは理解できました?」に変換される。文字情報に変換するに際して、発信情報が、例えば質問なのか、強調なのか、単なる説明なのかを識別して、質問の場合「?」を、強調の場合「!」付加することもできる。
本発明1によって、生徒Aが、情報Xについてした口頭返事「はーい」を発信情報IA(1)として、先生αの肉声による発信情報IA(1)を、生徒Aの所有する情報処理端末を経由してコンピュータに入力され、入力された発信情報IA(1)は文字情報LA(1)「はーい」に変換される。
同様にして、先生α及び生徒A〜Dの口頭による発信情報が、各自の所有する情報処理端末を経由してコンピュータに入力され、文字情報に変換される。以下、
先生αの発信情報をIT(t)、対応する文字情報をLT(t)、
生徒Aの発信情報をIA(a)、対応する文字情報をLA(a)、
生徒Bの発信情報をIB(b)、対応する文字情報をLB(b)、
生徒Cの発信情報をIC(c)、対応する文字情報をLC(c)、
生徒Dの発信情報をID(d)、対応する文字情報をLD(d)とする(a、b、c、dはそれぞれ独立に1,2、・・・)。
(識別ステップ)
本発明1によって、コンピュータは、入力された先生αの肉声音質が、登録された肉声音質と対比して、先生αの登録された肉声音質と一致することを確認したら、その情報発信者は先生αであると識別して、文字情報LT(t)に識別記号「α先生を示すアイコン」「α先生」を対応させる。
同様にして、
文字情報LA(a)に識別記号「A君を示すアイコン」と「A君」を、
文字情報LB(b)に識別記号「B君を示すアイコン」と「B君」を、
文字情報LC(c)に識別記号「C君を示すアイコン」と「C君」を、
文字情報LD(d)に識別記号「D君を示すアイコン」と「D君」を対応させる。
(表示ステップ)
本発明1によって、コンピュータは、前記文字情報を、前記識別記号と関連付けて、表示媒体に文字情報を識別記号と関連付けて表示する。
表示する際に、文字情報を吹き出し内に表示したり、識別記号毎に色分けしたりして、適切かつ理解し易いようにレイアウトを施してもよい。
実施態様例では、図5のように表示している。
実施態様例では、例えば、先生αの情報処理端末に、生徒A〜Dがそれぞれ所有する情報処理端末からの固有の識別信号が受信されるようになっており、例えば、生徒Aの所有する情報処理端末からの識別信号を受信すると、例えば、先生αの情報処理端末のディスプレイに表示された名前リストの生徒Aの名前が点滅するようになっている。
先生αと生徒A〜Dの間で、予め、生徒A〜Dの方で意見表明する場合は、識別信号を送信することを決めておけば、例えば、生徒Aが自身の情報処理端末から識別信号を送信して先生αの情報処理端末が識別信号を受信すると、先生αは生徒Aを指名して発言を促すことができる。
上述のような識別信号の処理により先生αと生徒A〜Dとが情報交換するに際して、各自の情報処理端末も本発明1におけるコンピュータの構成要素としておき、本発明1が識別信号の処理ステップをコンピュータに実行させてもよいし、各自の情報処理端末を本発明1におけるコンピュータの構成要素とはせずに、各自の情報処理端末の間で独立に識別信号の処理ステップを実行してもよい。
図5の表示を図6に示すように、そのまま印刷して、生徒A〜Dに各家庭に持ち帰らせれば、授業の状況を各家庭に正確に伝えることができる。
従来のような板書された先生の発信情報を生徒が記載したり、授業の状況を生徒がメモに書き留めたりして各家庭に伝える仕方では、生徒の記載能力が乏しい場合に、授業の状況が各家庭に正確に伝えることができなかった。
本発明1及び2によれば、授業の状況を先生及び生徒の負担を増やすことなく、各家庭に正確に伝えることができる。
1−1 複数の情報発信者に属する特定の者であって、情報Xを教授する者(先生)
1−2 複数の情報発信者の属する特定の者以外の者(生徒)
2 発信情報の入力装置(情報処理端末(タブレット))
3 複数の情報発信者が共用する表示媒体(ディスプレイ)
3−1 ディスプレイの画面
4 表示媒体に表示された文字情報の時系列表示
5 情報X(関東地方の貿易統計)
6 表示媒体に表示された情報Xと時系列表示の印刷物

Claims (8)

  1. コンピュータに、
    入力装置から入力された複数の情報発信者の発信情報を文字情報に変換する変換ステップと、
    前記発信情報の情報発信者を識別して前記文字情報に前記情報発信者に関する識別記号を対応させる識別ステップと、
    前記文字情報を、前記識別記号と関連付けて、少なくとも前記複数の情報発信者の全員が共用する表示媒体に時系列表示する表示ステップとを実行させるプログラムであって、
    前記プログラムが、さらに、
    前記各発信情報について、少なくとも文脈、声の抑揚及び情報発信者の表情からなる群から選ばれる1以上の発信情報構成要素を解析して、前記各発信情報に含まれる説明、質問、確認、冗談、驚き、喜び、悲しみ、怒り及び嘆きからなる群から選ばれる1以上のニュアンスの有無を判断するステップを含み、
    前記表示ステップが、前記各発信情報に含まれる前記ニュアンスに対応する表現を付して前記表示媒体に時系列表示し、
    前記発信情報が、前記複数の情報発信者に属する特定の者が、前記特定の者以外の前記複数の情報発信者に属する者に教授する所定の情報Xに関する発信情報を含み、
    前記所定の情報Xが学習用教材のコンテンツであり、
    前記特定の者が学校の先生であり、
    前記特定の者以外の前記複数の情報発信者が前記学校の生徒であり、
    前記表示ステップが、前記情報Xと前記発信者情報を同一の表示媒体に同時に表示する場合を含み、
    前記生徒が発達障害の生徒を含み、
    前記発達障害が自閉症スペクトラム障害であるプログラム。
  2. 前記表示ステップが、
    前記時系列表示と共に前記情報Xを、
    複数の情報発信者の全員が同時に認識できるように、
    前記表示媒体に表示する請求項1記載のプログラム。
  3. 前記発信情報が、前記情報発信者の音声により入力され、
    前記識別ステップが、前記音声に基づき前記情報発信者を識別する請求項1又は2記載のプログラム。
  4. 前記発信情報が、前記情報発信者が独立して操作する情報処理端末から入力される請求項1〜3のいずれか1項記載のプログラム。
  5. 前記表示媒体が単一の表示媒体で構成される請求項1〜4のいずれか1項記載のプログラム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のプログラムと、
    前記プログラムによって作動するコンピュータと、
    前記プログラムが実行する変換ステップで入力される発信情報を前記コンピュータに入力するための入力装置と、
    前記コンピュータが実行する表示ステップで時系列表示、又は、時系列表示及び情報Xを表示するための表示媒体とを備える情報処理装置。
  7. 請求項6記載の情報処理装置を備える学校の授業システム
  8. 請求項7記載の学校の授業システムにおける請求項6記載の時系列表示を、
    授業記録として請求項1記載の発達障害の生徒の家庭育児責任者に配布するために印刷する、
    及び/又は、
    授業関係者が情報処理端末又は公共施設にある情報処理端末から閲覧するためにコンピュータからクラウドシステムにアップロードする手段を備える学校の授業の状況の伝達システム
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