JP6485606B1 - バンパービーム及び車両 - Google Patents

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Abstract

軽量で強度の高い車両用バンパービームを提供する。車両用バンパービーム(1)は、第1部材(2)と、第2部材(3)と、を備える。第1部材(2)は、第1天板部(5)、2つの第1縦壁部(6)、及び2つの第1フランジ部(7)を含む。第1天板部(5)は、長手方向に垂直な断面において平坦である。第2部材(3)は、第2天板部(4)、2つの第2縦壁部(8)、及び2つの第2フランジ部(9a、9b)を含む。第2天板部(4)は、第1天板部(5)と反対側に向かい突出する凸部(20)を有する。2つの第2縦壁部(8)は、第2天板部(4)の両側部(4a、4b)のそれぞれに繋がる。2つの第2縦壁部(8)は、第1縦壁部(6)それぞれに第1部材(2)の内側で近接して対向配置される。2つの第2フランジ部(9a、9b)は、2つの第2縦壁部(8)それぞれに繋がり第1フランジ部(7)それぞれに接合して配置される。

Description

本発明は、車両用バンパービーム及びそのバンパービームが搭載された車両に関する。さらに詳しくは、自動車用のバンパービーム及びそのバンパービームが搭載された自動車に関する。
車両のバンパーの内側には、バンパービームが設けられる。衝突時の衝突荷重をバンパービームに負担させ、車両の安全性を確保するためである。近年、CO2の削減及び燃費の向上の観点から、バンパービームを軽量化することが求められている。バンパービームの軽量化を実現するためには、バンパービームの板厚を薄くしつつ、バンパービームの強度を向上させる必要がある。
高強度のバンパービームはたとえば、特開平7−309184号公報(特許文献1)、特開平6−328988号公報(特許文献2)、特開平6−171441号公報(特許文献3)及び特開2011−111074号公報(特許文献4)に開示される。
特許文献1に開示されたバンパービームでは、接合された複数の部材によって形成される箱形の空間に、補強部材が配置される。補強部材は、車両の前後方向に沿う。これにより、従来のバンパービームと比べてバンパービームの強度は同等であり、且つ、軽量化及び低コストを実現することができる、と特許文献1には記載されている。
特許文献2に開示されたバンパービームは、箱形断面を形成し、その箱形断面の内側に補強部材を有する。補強部材は、車両の上下方向に沿う。したがって、車両の前後方向に荷重が加わったとき、上壁部及び下壁部の外側への変形が抑制される。これにより、バンパービームの強度が向上する、と特許文献2には記載されている。
特許文献3に開示されたバンパービームは、ハット形のプレス成形品を組み合わせて箱形の断面を形成し、その内部空間に補強部材を有する。補強部材は、車両の上下方向に沿う。これにより、バンパービームの強度が向上し、且つ、バンパービームの変形が抑制される、と特許文献3には記載されている。
特許文献4に開示されたバンパービームは、前部補強材と、後部補強材とを備える。前部補強材は、バンパービームの前面側から背面側に向けて凹んだ前部溝を含む。後部補強材は、バンパービームの前面側から背面側に向けて凹んだ後部溝を含む。前部溝は、後部溝に嵌合される。これにより、バンパービームのエネルギー吸収特性が向上する、と特許文献4には記載されている。
特開平7−309184号公報 特開平6−328988号公報 特開平6−171441号公報 特開2011−111074号公報
しかしながら、特許文献1〜3のバンパービームは、車両の安全性を確保するため、補強部材を備える。そのため、特許文献1〜3のバンパービームは重い。特許文献4のバンパービームの後部補強材は後部溝を含む。そのため、後部溝の壁の分、特許文献4のバンパービームは重い。
本発明の目的は、軽量で強度の高い車両用バンパービームを提供することである。
本発明の実施形態による車両用バンパービームは、第1部材と、第2部材と、を備える。第1部材は、第1天板部、2つの第1縦壁部、及び2つの第1フランジ部を含む。第1天板部は、第1部材の長手方向に垂直な断面において平坦である。2つの第1縦壁部は、第1天板部の両側部のそれぞれに繋がる。2つの第1フランジ部は、2つの第1縦壁部それぞれに繋がる。第2部材は、第2天板部、2つの第2縦壁部、及び2つの第2フランジ部を含む。第2天板部は、第1天板部と反対側に向かい突出する凸部を有する。2つの第2縦壁部は、第2天板部の両側部のそれぞれに繋がる。2つの第2縦壁部は、第1縦壁部それぞれに第1部材の内側で近接して対向配置される。2つの第2フランジ部は、2つの第2縦壁部それぞれに繋がり第1フランジ部それぞれに接合して配置される。
本発明によるバンパービームは、軽量で強度が高い。
図1は、本実施形態のバンパービームの断面図である。 図2は、ケース1のバンパービームの断面図である。 図3は、ケース2のバンパービームの断面図である。 図4は、ケース1のバンパービームの変形挙動を示す図であって、初期状態を示す図である。 図5は、図4に示す状態から変形が進行した状態を示す図である。 図6は、図5に示す状態から更に変形が進行した状態を示す図である。 図7は、ケース1及びケース2の荷重−たわみ線図である。 図8は、バンパービームの変形挙動を模式的に示す図である。 図9は、バンパービームの平面図である。 図10は、本発明例1のバンパービームを示す図である。 図11は、参考例のバンパービームを示す図である。 図12は、比較例1のバンパービームを示す図である。 図13は、実施例1の各バンパービームの荷重−たわみ曲線である。 図14は、実施例5のバンパービームの凸部の角度を示す図である。 図15は、比較例2〜5のバンパービームを示す図である。
本明細書において、バンパービームを構成する部材の「長手方向」とは、バンパービームが車両の前部又は後部に取り付けられた場合の車幅方向を意味する。本明細書において、バンパービームを構成する部材に関する「長さ」とは、対象部材の長手方向の距離を意味する。本明細書において、バンパービームを構成する部材に関する「幅」とは、バンパービームが車両の前部又は後部に取り付けられた場合の車高方向の距離を意味する。本明細書において、バンパービームを構成する部材に関する「高さ」とは、バンパービームが車両の前部又は後部に取り付けられた場合の車長方向の距離を意味する。
本明細書において、「最大許容荷重」とは、バンパービームが座屈したときにバンパービームに負荷されている最大荷重を意味する。
(1)本実施形態による車両用バンパービームは、第1部材と、第2部材と、を備える。第1部材は、第1天板部、2つの第1縦壁部、及び2つの第1フランジ部を含む。第1天板部は、長手方向に垂直な断面において平坦である。2つの第1縦壁部は、第1天板部の両側部のそれぞれに繋がる。2つの第1フランジ部は、2つの第1縦壁部それぞれに繋がる。第2部材は、第2天板部、2つの第2縦壁部、及び2つの第2フランジ部を含む。第2天板部は、第1天板部と反対側に向かい突出する凸部を有する。2つの第2縦壁部は、第2天板部の両側部のそれぞれに繋がる。2つの第2縦壁部は、第1縦壁部それぞれに第1部材の内側で近接して対向配置される。2つの第2フランジ部は、2つの第2縦壁部それぞれに繋がり第1フランジ部それぞれに接合して配置される。
本実施形態のバンパービームでは、第2部材の第2縦壁部が第1部材の第1縦壁部に対向配置される。この場合、バンパービームに衝突荷重が負荷されると、第1部材の変形を第2部材が抑制する。また、第2天板部が凸部を有するため、バンパービームに衝突荷重が負荷されると、第2天板部の凸部以外の領域は、変形し第1縦壁部に向かって移動する。そのため、第1縦壁部のバンパービーム内側への変形は抑制される。これにより、本実施形態のバンパービームの強度は、補強部材の追加がなくても高い。したがって、本実施形態のバンパービームは軽量で強度が高い。
(2)上記(1)に記載のバンパービームにおいて、第2縦壁部の高さh1と第1縦壁部の高さHとの比h1/Hは、0.1以上、0.5以下であるのが好ましい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のバンパービームにおいて、第1縦壁部と第2縦壁部との隙間は、0mm以上、10mm以下であるのが好ましい。
(4)上記(1)〜(3)に記載のバンパービームにおいて、第2天板部の凸部の幅w1と第1天板部の幅Wとの比w1/Wは、0.1以上、0.7以下であり、第2天板部の凸部の高さh2と第2部材の第2縦壁部の高さh1との比h2/h1は、0.5以上、1.1以下であるのが好ましい。
(5)上記(1)〜(4)に記載のバンパービームにおいて、第1フランジ部と第2フランジ部とが溶接、接着、リベット、又はこれらの併用によって接合されているのが好ましい。
(6)上記(1)〜(5)に記載のバンパービームにおいて、第1部材及び第2部材は鋼板からなり、鋼板の引張強度が1GPa以上であるのが好ましい。
(7)上記(1)〜(6)に記載のバンパービームの第1フランジ部と第2フランジ部の接合部は、第1フランジ部の第1縦壁部側の縁から15mm以内の領域に設けられるのが好ましい。接合部が第1縦壁部から離れるほど、第2部材が面外変形しやすくなり、第1縦壁部の変形を抑止する効果が落ちるからである。
(8)上記(1)〜(7)に記載のバンパービームの長手方向に垂直な断面において、第1天板部の全部は第1縦壁部の2等分点同士を結ぶ直線より第2部材と反対側に位置するのが好ましい。
(9)上記(1)〜(8)に記載のバンパービームが配置される車両は、上記(1)〜(8)に記載のバンパービームを車両の前部又は後部に備える。この場合、バンパービームの第2部材が車両の外側になるよう配置される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下では例として、本実施形態のバンパービームを自動車のフロントバンパーに適用する場合を説明する。
図1は、本実施形態のバンパービームの断面図である。図1では、バンパービームの長手方向に垂直な断面を示す。図1を参照して、バンパービーム1は、車両のバンパー10の内側に配置される。バンパービーム1は、第1部材2及び第2部材3を備える。バンパービーム1は、図1に示す断面形状を有し、車幅方向に延在する。
[第1部材]
第1部材2は、第1天板部5、2つの第1縦壁部6a、6b及び2つの第1フランジ部7a、7bを含む。第1天板部5は、バンパービーム1の長手方向に垂直な断面において、平坦である。ここで、平坦とは、第1天板部5が厳密に平坦であり、一切の凹凸及び湾曲がないことのみを意味するものではない。本明細書において、平坦とは、バンパービーム1の長手方向に垂直な断面において、第1天板部5の全部が一方の第1縦壁部6aの車長方向の2等分点と、他方の第1縦壁部6bの車長方向の2等分点とを結ぶ直線より第2部材3と反対側(車長方向の後方)に位置することを含む。
第2部材3から第1部材2に向かう荷重によりバンパービーム1が変形する際、第1天板部5の長手方向に引張力が生じる。第1天板部5に生じる引張力は、第1天板部5の断面積及び第1天板部5に生じる引張応力に依存する。詳細は実施例7で述べるが、特許文献4のバンパービームの第1天板部5の断面積は小さい(図15参照)。そのため、特許文献4の第1天板部5に生じる引張力は小さい。また、板厚が同じであれば、特許文献4のバンパービームの質量は、第1天板部5の凸部40(図15参照)の分、重い。したがって、特許文献4のバンパービームの構成では、単位質量当たりの最大許容荷重をより高くすることは困難である。一方、本実施形態のバンパービーム1の第1天板部5は平坦であるため、単位質量当たりの最大許容荷重をより高くすることができる。
2つの第1縦壁部6a、6bそれぞれの一端は第1天板部5の両側部5a、5bのそれぞれに繋がる。第1縦壁部6a、6bの他端は第1フランジ部7a、7bそれぞれに繋がる。第1部材2の断面形状は、ハット形の開断面である。すなわち、2つのフランジ部7a、7b同士の間は、開放している。第1部材2は例えば、金属板をプレス成形したものである。これに限らず、第1部材2は他の素材でもよい。例えばCFRP等の金属以外の素材でもよい。
[第2部材]
第2部材3は、第2天板部4、2つの第2縦壁部8a、8b及び2つの第2フランジ部9a、9bを含む。第2天板部4は、第1天板部5と反対側に向かい突出する凸部20を有する。2つの第2縦壁部8a、8bは、第2天板部4の両側部4a、4bのそれぞれに繋がる。第1部材2と第2部材3とでバンパービーム1を構成した場合の配置は次のとおりである。第2縦壁部8a、8bは、第1縦壁部6a、6bそれぞれに対向配置される。第2縦壁部8a、8bは、第1縦壁部6a、6bに近接する。第2縦壁部8a、8bと第1縦壁部6a、6bとの間には僅かな隙間dがあってもよい。第2縦壁部8a、8bは、第1部材2の内側に配置される。すなわち、第2縦壁部8a、8bは、第1縦壁部6a、6b同士の間に配置される。
2つの第2フランジ部9a、9bは、第2縦壁部8a、8bそれぞれに繋がる。第2部材3と第1部材2との間には接合部51が設けられる。具体的には、第2フランジ部9a、9bはそれぞれ、第1フランジ部7a、7bに接合される。第2部材3は、第1フランジ部7a、7b同士を連結する。すなわち、互いに接合された第1部材2及び第2部材3は、閉断面を形成する。第2部材3は例えば、金属板をプレス成形したものである。これに限らず、第2部材3は他の素材でもよい。例えばCFRP等の金属以外の素材でもよい。
このようなバンパービーム1は、第2部材3を車両の外側になるよう配置される。バンパービーム1の第2部材3が車両の外側になるよう配置されるとは、第2部材3の配置の向きを意味する。バンパービーム1の第2部材3が車両の外側に露出していることを意味しない。例えば、バンパービーム1が車両のフロントバンパーのバンパービームとして適用される場合、第2部材3は車両の前方側になるよう配置される。この場合、第1部材2が車両の後方側になるよう配置される。バンパービーム1が車両に搭載された状態では、第1部材2の第1天板部5及び第2部材3の第2天板部4の垂線は概ね車長方向に沿う。第1部材2の第1縦壁部6a、6bの垂線は、それぞれ概ね車高方向に沿う。これにより、バンパービーム1は車長方向の衝突に対し高いエネルギー吸収効率を有する。ここで、エネルギー吸収効率は、衝突荷重が負荷されたときにバンパービームが吸収するエネルギーをバンパービームの質量で除した値である。すなわち、エネルギー吸収効率が高いバンパービームは、軽量で強度が高い。以下、この点について詳述する。
[第2部材の位置による効果]
図2及び図3は、補強部材を備えない一般的なバンパービームの断面図である。図2に示すように、バンパービーム100の第2部材102は、単なる平板状の部材である。すなわち、第2部材102は、図1に示す本実施形態の第2部材3のように、第2縦壁部8a、8b(以下、総称して第2縦壁部8とも称する。)及び第2天板部4を有さない。
バンパービームの車両への配置は、2通りある。1つ目は、図2に示すように、第2部材102を車両の外側になるよう配置する場合(以下、ケース1と称する。)である。2つ目は、図3に示すように、第1部材101を車両の外側になるよう配置する場合(以下、ケース2と称する。)である。本発明者らは、バンパービームの基本的な特性を把握するため、ケース1及びケース2に関し、動的3点曲げシミュレーションによってエネルギー吸収効率を調査した。
ケース1では第2部材102の長手方向の中央に車高方向の全域にわたり天板部105に向かう方向の荷重Pを負荷した。ケース2では天板部105の長手方向の中央に車高方向の全域にわたり第2部材102に向かう方向の荷重Pを負荷した。そして、バンパービームの変形挙動を調査した。その際、各バンパービームについて、荷重Pとたわみ量との関係を調べた。ここで、たわみ量は、荷重Pを負荷した部分のたわみ量をいう。動的3点曲げシミュレーションでは、荷重負荷速度を9km/hとし、支点間距離を800mmとした。その結果を図4〜図7に示す。
図4〜図6は、ケース1のバンパービームの変形挙動を示す図である。バンパービームの変形は図4、図5及び図6に示す順に進行する。図4〜図6を参照して、第2部材102に荷重Pが負荷されると、縦壁部106の端部X近傍にバンパービームの長手方向(車幅方向)に沿って圧縮力が作用する。ここで、圧縮力は2つの縦壁部106それぞれをバンパービームの長手方向に縮ませようとする力をいう。この圧縮力の作用により、縦壁部106の第2部材102側の端部Xは、車高方向の中央に向けて移動する。その結果、縦壁部106は変形し、終には座屈する。縦壁部106が座屈すると、長手方向に垂直な断面において、バンパービームの高さが大きく低下する。
図7は、ケース1及びケース2のバンパービームに関する荷重−たわみ線図である。縦軸は荷重を示し、横軸はたわみ量を示す。図7中、実線はケース1のバンパービームの結果を示し、破線はケース2のバンパービームの結果を示す。図7に示す荷重−たわみ線図から次のことが示される。ケース1では、たわみ量が約38mmのとき、最大許容荷重となる。最大許容荷重は約62kNである。たわみ量が約38mmよりも大きくなると、縦壁部106が座屈する。ケース2では、たわみ量が約42mmのとき、最大許容荷重となる。最大許容荷重は約50kNである。たわみ量が約42mmよりも大きくなると、縦壁部106が座屈する。これより、ケース1の最大許容荷重はケース2の最大許容荷重と比べて高いことがわかる。
ケース1のバンパービームでは、図4〜図6に示すように、縦壁部106に作用する圧縮力により、端部Xが早期にバンパービームの車高方向の中央に向けて移動するため縦壁部106が変形し座屈する。つまり、端部Xの移動を抑制すれば、縦壁部106が早期に座屈することを抑制することができる。そこで、図1に示すように、本実施形態のバンパービーム1では第1部材2の第1縦壁部6同士の間(第1部材2の内部)に、第2部材3の第2縦壁部8及び第2天板部4が配置される。
[第2縦壁部による効果]
図1を参照して、バンパービームに衝突荷重が負荷されるとバンパービームは曲げ変形する。このとき、上述したように第1縦壁部6の端部Xは、車高方向のバンパービーム中央に向けて移動する。本実施形態のバンパービームでは、第1縦壁部6の内側には第2部材3の第2縦壁部8が存在する。そのため、第1縦壁部6の端部Xが移動すると、端部Xは第2縦壁部8と接触する。これにより、第1縦壁部6の端部Xの内側への変形は抑制される。その結果、第1縦壁部6の座屈が抑制され、バンパービームの最大許容荷重が高くなる。
後述する実施例2に基づき、第2縦壁部8の高さh1と第1縦壁部6の高さHとの比h1/Hは、0.1以上、0.5以下であるのが好ましい。ここで、第1縦壁部6の高さHは、第1天板部5と第1フランジ部7との間の距離をいう。また、第2縦壁部8の高さh1は、第2天板部4と第2フランジ部9a、9bとの間の距離をいう。
比h1/Hが小さいと、衝突荷重が付加された際に、第1縦壁部6の端部Xとその周囲が接触する第2縦壁部8の領域が小さい。そのため、第1縦壁部6の変形を抑制しにくい。したがって、バンパービームの最大許容荷重は十分に高くなりにくい。したがって、比h1/Hの下限は、好ましくは、0.1である。より好ましくは、比h1/Hの下限は0.2である。
第1縦壁部6の端部Xは、第2縦壁部8の第2天板部4に近い領域と接触するのが好ましい。第2天板部4の反力によって第1縦壁部6の端部Xのバンパービーム中央(内側)への移動が抑制されるからである。比h1/Hが大きいと、第2天板部4と第1縦壁部6の端部Xとの距離が遠い。第1縦壁部6の端部Xが第2縦壁部8に接触しても、第1縦壁部6の端部Xが第2天板部4から受ける反力は小さい。そのため、第1縦壁部6の変形を抑制しにくく、バンパービームの最大許容荷重は十分に高くなりにくい。したがって、比h1/Hの上限は、好ましくは、0.5である。より好ましくは、比h1/Hの上限は0.4である。
第2縦壁部8は第1縦壁部6に近接して対向配置される。第1縦壁部6と第2縦壁部8との間には隙間dがあってもよい。後述する実施例3に基づき、この隙間dは、0mm以上、10mm以下であるのが好ましい。隙間dが0、すなわち隙間が無い状態が最もバンパービームの最大許容荷重が高い。その反面、隙間を無くして第1部材2と第2部材3を製造すれば、それぞれの部材に要求される寸法精度が厳しくなる。生産性を考慮して多少の隙間dは容認される。逆に、隙間dが大きすぎれば、第1縦壁部6が座屈した後に第1縦壁部6の端部Xが第2縦壁部8に接触する。すなわち、第1縦壁部6が第2縦壁部8と離れすぎているため、第1縦壁部6の端部Xの内側への移動が第2縦壁部8によって抑制されない。すなわち、バンパービームの最大許容荷重は高くなりにくい。したがって、隙間dの上限は、好ましくは、10mmである。より好ましくは、隙間dの上限は、9mmである。
第2フランジ部9a、9bは、第1縦壁部6a、6bと近い位置で第1フランジ部7a、7bと接合されることが好ましい。第2天板部4は、曲げ変形時に長手方向に圧縮力を受け、車長方向に面外変形する。この結果、第2天板部4が車長方向前方に面外変形した場合、第1縦壁部6a、6bと第2縦壁部8a、8bが接触しにくくなり、第1縦壁部6a、6bが内側に変形することを抑制する効果が得にくくなる。この第2天板部4の車長方向前方への面外変形は、車高方向における接合部51間の距離に依存し、接合部51間の距離が長いほど面外変形しやすくなる。したがって、第1縦壁部6a、6bがバンパービーム中央側(内側)に変形することを抑制する効果を最大限発揮させるためには、第2フランジ部9a、9b(以下、総称して第2フランジ部9とも称する。)は、第1縦壁部6a、6bと近い位置で第1フランジ部7a、7bと接合されることが好ましい。接合部51は、第1フランジ部7a、7bの第1縦壁部6a、6b側の端部から15mm以内の領域に設けられることが望ましい。
[凸部の効果]
図1に示すように、第2天板部3の凸部20は、平坦部21及び壁部22a、22bを有する。図1では、壁部22a、22bは第2縦壁部8と平行である場合を示す。しかしながら、壁部22a、22bは第2縦壁部8と平行でなくてもよい。凸部20は、第1部材2の第1天板部5と反対側に向かい突出する。すなわち、バンパービーム1を車両に取り付けた場合、凸部20は車両の外側に向かい突出する。
図8は、バンパービームの変形挙動を模式的に示す図である。バンパービームに衝突荷重が負荷されると、凸部20の平坦部21は車長方向の後方に向かう方向に変形する(図8中の白抜き矢印参照)。このとき、車高方向の中央を挟んで、車両上側の壁部22aは車高方向上方に変形し、車両下側の壁部22bは車高方向下方に変形する(図8中の実線矢印参照)。これにより、第2天板部4の凸部20以外の領域(第2天板部4の底面23)は、変形し第1縦壁部6に向かって移動する。そのため、第1縦壁部6のバンパービーム内側への変形は抑制される。これにより、第1縦壁部6は座屈が抑制されるため、バンパービームの最大許容荷重はさらに高くなる。
後述する実施例4に基づき、図1に示す凸部20の幅w1と第1天板部5の幅Wとの比w1/Wは、0.1以上、0.7以下であるのが好ましい。ここで、第1天板部5の幅Wは、第1縦壁部6同士の間の距離をいう。凸部20の幅w1は、凸部20の壁部22a、22bの間の距離をいう。なお、壁部22a、22bが第2縦壁部8と平行でない場合、凸部20の幅w1は、壁部22a、22bの平坦部21と反対側(すなわち、凸部20の開口部側)の端部同士の間の距離をいう。
比w1/Wが小さいことは、凸部20の車高方向の幅に比べ、第2天板部4の底面23の車高方向の幅が大きいことを意味する。比w1/Wが小さすぎると、第2天板部4の底面23が衝突荷重方向にたわみやすく、第1縦壁部6の座屈を十分に抑制しにくい。したがって、比w1/Wの下限は、好ましくは、0.1である。より好ましくは、比w1/Wの下限は0.2である。
比w1/Wが大きすぎれば、凸部20の車高方向の幅が大きいため、凸部20の平坦部21が衝突荷重方向にたわみやすく、第1縦壁部6の座屈を十分に抑制しにくい。したがって、比w1/Wの上限は、好ましくは、0.7である。より好ましくは、比w1/Wの上限は0.6である。
後述する実施例6に基づき、図1に示す凸部20の高さh2と第2部材3の第2縦壁部8の高さh1との比h2/h1は、0.5以上、1.1以下であるのが好ましい。ここで、凸部20の高さh2は、凸部20の平坦部21と第2天板部4の底面23との間の距離をいう。
比h2/h1が小さいと、凸部20の高さが小さいため、凸部20の壁部22a、22bが変形しにくい。そのため、バンパービームに衝突荷重が負荷されても、凸部20が変形しにくく、第1縦壁部16の変形を抑制しにくい。したがって、比h2/h1の下限は、好ましくは、0.5である。より好ましくは、比h2/h1の下限は0.6である。
比h2/h1が1.0の場合、衝突の最も初期から凸部20が変形し始めるので、最も望ましい。また、比h2/h1が1.0より多少大きいのも許容する。比h2/h1が1.0より大きい場合、バンパービーム本体が衝突するより前に凸部20が変形し始める。比h2/h1が1.0より大きいのは、第1縦壁部6と第2縦壁部8の間に隙間がある場合、特に推奨できる。なぜなら、バンパービーム本体が衝突したときには第1縦壁部6に向かって第2縦壁部8が接近しているからである。比h2/h1の1.0を超える量は、第1縦壁部6と第2縦壁部8の間の隙間の大きさに応じて決めればよい。例えば比h2/h1の上限は1.1を許容する。
ところで、第1フランジ部7と第2フランジ部9(図1参照)との接合は、例えば溶接がある。溶接方法は、例えば、スポット溶接、プラグ溶接、アーク溶接、レーザ溶接等である。しかしながら、第1フランジ部7と第2フランジ部9との接合は、溶接に限定されない。第1フランジ部7と第2フランジ部9との接合は、機械接合でもよい。機械接合は、例えば、リベット、ボルト及びナット、ねじ等である。また、第1フランジ部7と第2フランジ部9との接合は、接着剤でもよい。さらには、第1フランジ部7と第2フランジ部9との接合は、溶接、機械接合及び接着の併用でもよい。
上述したように、本実施形態のバンパービームでは、第2部材3を車両の外側になるよう配置される。例えば、図9に示すように、バンパービーム1は長手方向に湾曲している。この場合、湾曲しているバンパービーム1の外側の弧(図9中の第2部材3側)が、車両の外側に突出して配置される。また、バンパービーム1は、車両内側に配置されるクラッシュボックス、フロントサイドメンバー30等に取り付けられる。そのため、バンパービーム1の車両内側の面(例えば第1天板部5)には、取り付け穴等が設けられる。要するに、バンパービーム1が車両に取り付けられなくても、バンパービーム1の第1部材2又は第2部材3のどちらの部品が、車両外側になるよう配置されるか判別できる。
上述の実施形態では、バンパービームが金属板からなる場合を説明した。金属板は、例えば、鋼板、アルミニウム板、チタン板、マグネシウム板、銅板、ニッケル板又はこれらの合金板、複層金属板等である。本発明はバンパービームの形状に関するものであるから、バンパービームに必要な強度さえ満たせばCFRP等の金属以外を素材としてもよい。
本実施形態のバンパービームを自動車に適用する場合、第1部材及び第2部材は、引張強度が1GPa以上の鋼板からなるのが好ましい。この場合、バンパービームの質量を増大させることなく強度をより高くすることができ、車体の安全性がさらに向上し、かつ、車体の軽量化が図れる。
上述の実施形態では、車両がバンパービームを前部に備える場合を説明した。すなわち、本実施形態のバンパービームを自動車のフロントバンパーのバンパービームとして適用する場合を説明した。しかしながら、本実施形態のバンパービームはフロントバンパーのバンパービームに限定されない。本実施形態のバンパービームは、車両の後部に配置されてもよい。すなわち、本実施形態のバンパービームは、リアバンパー等に適用することもできる。いずれの場合であっても、バンパービームの第2部材が車両の外側になるよう配置される。
第2部材の形状が異なるバンパービームについて荷重負荷シミュレーションを行い、最大許容荷重及びエネルギー吸収効率を調べた。
図10〜図12は、実施例1の検討に用いたバンパービームのモデルを示す。図10は、本発明例1のバンパービームを示す。図11は、参考例のバンパービームを示す。図12は、比較例1のバンパービームを示す。これらのバンパービームの諸寸法について、第1部材の縦壁部の高さHは60mm、第1天板部の幅Wは80mm、第2部材の幅W2は120mmとした。本発明例1及び参考例において、第1縦壁部と第2縦壁部との隙間dは0mm、第2縦壁部の高さh1は15mmとした。本発明例1において、凸部の高さh2は15mm、凸部の幅w1は30mmとした。本発明例1、参考例及び比較例1において、荷重Pは第2部材の中央に第1部材に向けて負荷した。第1部材及び第2部材は、引張強度が1310MPa、板厚が1.4mmの鋼板を想定した。また、接合はスポット溶接をモデル化し、第1フランジ部7a、7bの第1縦壁部6a、6b側の端部から10mmの領域に設けた。スポット溶接径を4.7mm、スポット溶接の中心間の間隔を30mmピッチとした。
図13は、実施例1の各バンパービームに関する荷重−たわみ曲線である。図13中、実線は本発明例1の結果を示し、破線は参考例を示し、1点鎖線は比較例1を示す。図13に示す通り、本発明例1の最大許容荷重は59.2kNであった。参考例の最大許容荷重は51.5kNであった。比較例1の最大許容荷重は34.1kNであった。
実施例1のシミュレーション結果に基づき、各バンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重及びたわみ量が60mmまでの各バンパービームのエネルギー吸収効率を算出した。その結果を表1に示す。なお、エネルギー吸収効率は、たわみ量が60mmまでのエネルギーに基づいて計算した。
Figure 0006485606
表1に示すように、本発明例1の最大許容荷重は、比較例1の最大許容荷重よりも高かった。更に、本発明例1のエネルギー吸収効率は、比較例1のエネルギー吸収効率よりも高かった。
実施例2では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルを用いて、第2縦壁部の高さh1を種々変更し、最大許容荷重を調べた。シミュレーションは、第2縦壁部の高さh1と第1部材の高さHとの比h1/H=0.17、0.25、0.50の3パターンについて行った。その結果を表2に示す。
Figure 0006485606
表2に示すように、実施例2で用いたバンパービームの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの最大許容荷重34.1kNよりも高かった。更に、実施例2で用いたバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重9.0kN/kgよりも高かった。
実施例3では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルを用いて、第1縦壁部と第2縦壁部との隙間dを種々変更し、最大許容荷重を調べた。隙間dは、d=0、5、10mmの2パターンについて行った。その結果を表3に示す。
Figure 0006485606
表3に示すように、実施例3で用いたバンパービームの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの最大許容荷重34.1kNよりも高かった。
実施例4では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルを用いて、第2部材の凸部の幅w1を種々変更し、最大許容荷重を調べた。シミュレーションは、凸部の幅w1と第1天板部の幅Wとの比w1/W=0.59、0.41、0.19の3パターンについて行った。その結果を表4に示す。
Figure 0006485606
表4に示すように、実施例4で用いたバンパービームの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの最大許容荷重34.1kNよりも高かった。更に、実施例4で用いたバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重9.0kN/kgよりも高かった。
実施例5では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルを用いて、第2部材の凸部の角度θを種々変更し、最大許容荷重を調べた。ここで、凸部の角度θは、凸部の平坦部21と凸部の壁部22a、22bとのなす角のうち、鋭角の方の角度をいう(図14参照)。角度θは、θ=90、60、45°の3パターンについて行った。その結果を表5に示す。
Figure 0006485606
表5に示すように、実施例5で用いたバンパービームの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの最大許容荷重34.1kNよりも高かった。
実施例6では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルを用いて、第2部材の凸部の高さh2を種々変更し、最大許容荷重を調べた。シミュレーションは、凸部の高さh2と第2縦壁部の高さh1との比h2/h1=0.67、1.0の2パターンについて行った。その結果を表6に示す。
Figure 0006485606
表6に示すように、実施例6で用いたバンパービームの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの最大許容荷重34.1kNよりも高かった。更に、実施例6で用いたバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重はいずれも、表1に示す比較例1のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重9.0kN/kgよりも高かった。なお、第1縦壁部と第2縦壁部との隙間dが0より大の場合、比h2/h1が1.0より多少大きいのも許容する。実施例3の結果から、隙間dは0に近いほど有利である。隙間dが0より大の場合、比h2/h1が1.0より大きいと、バンパービーム本体が衝突したときには第1縦壁部6に向かって第2縦壁部8が接近しているため有利である。例えば比h2/h1の上限は1.1を許容する。
実施例7では、実施例1と同じ図10に示す本発明例のモデルと、特許文献4に示すバンパービームと同様の形状の比較例のモデルと、の最大許容荷重及び単位質量当たりの最大許容荷重を比較した。実施例7では、第1縦壁部の高さH=40、60mmの2パターンについてシミュレーションを行った。
図15は、比較例2〜5のバンパービームを示す図である。図15に示す通り、比較例2〜5のバンパービームの第1天板部5は、第2部材3側に向かって突出する凸部40を含む。比較例2及び3のバンパービームでは、第1天板部5の凸部40は、第2天板部4の凸部20と接合された。比較例4及び5のバンパービームでは、第1天板部5の凸部40は、第2天板部4の凸部20と接合されなかった。実施例7では、本発明例と比較例の全てのモデルの引張強度は、980MPaと想定した。本発明例2、比較例2及び比較例4では、各モデルの板厚を変更して、バンパービームの質量を極力同じにした。本発明例3、比較例3及び比較例5においても、同様にした。実施例7の結果を表7に示す。
Figure 0006485606
表7に示すように、本発明例2のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重は、本発明例2と同じ高さHの比較例2及び4のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重よりも高かった。同様に、本発明例3のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重は、本発明例3と同じ高さHの比較例3及び5のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重よりも高かった。これは、以下の理由によるものと推定される。
図15を参照して、バンパービームが変形する際、第1天板部5は長手方向に引き伸ばされる。すなわち、第1天板部5の長手方向に引張力が生じる。第1天板部5の各所に生じる引張の応力は、バンパービームの曲げの中立面Nからの距離に依存する。なぜなら、バンパービームの曲げの中立面Nから第1天板部5側に離れるほど変形量が大きくなり、引張の応力が増加するからである。バンパービームの曲げの中立面Nは、概ね第1縦壁部6の2等分点同士を結ぶ直線で定義される面と同じ位置になる。完全に一致しないのは、バンパービームを構成する板材の板厚が不均一等の条件により、中立面Nの位置が多少ずれることがあるからである。
特許文献4のバンパービームの第1天板部5は、バンパービームの内部に向かう凸部40を有する。凸部40が大きくなるほど凸部40の断面積は大きくなる。すなわち、バンパービームの質量が増大する。一方、凸部40のうち中立面Nに近い位置ほど、当該位置に生じる引張応力は小さくなる。部材に生じる引張力は、引張応力を断面積で積分して求めることができる。バンパービームに衝突荷重が付与された際に最も大きな引張応力が生じるのは第1天板部5である。特許文献4のバンパービームは凸部40の分だけ第1天板部5が狭い。すなわち、特許文献4のバンパービームは、バンパービームのうち最も大きな引張張力が生じる領域が狭い。また、特許文献4のバンパービームには、バンパービームが変形する際に生じる引張応力の低い箇所(凸部40)がある。このため本実施形態に比べ、特許文献4のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重は低い。一方、凸部40のうち、バンパービームの曲げの中立面Nを超えた箇所は逆に圧縮変形する。この場合、凸部40のうち、平端部41は面外変形するため、凸部40の稜線部42のみに圧縮応力が生じる。つまり、圧縮応力が生じる領域が小さく、凸部40に生じる圧縮力は小さい。この結果、凸部40のうち、バンパービームの曲げの中立面Nを超えた箇所は最大許容荷重の増加に貢献しづらい。
故に、本実施形態のバンパービームでは、第1天板部5にバンパービームの内部に向かう凸部があったとしても、その凸部はバンパービームの曲げの中立面Nを超えない。バンパービームの曲げの中立面Nとは、おおよそ一方の第1縦壁部6aの車長方向の2等分点と、他方の第1縦壁部6bの車長方向の2等分点とを結ぶ直線により形成される(図1参照)。更に望ましくは、バンパービームの内部に向かう凸部があったとしても、第1縦壁部6aの車長方向の5等分点のうち最も第1天板部5側の点と、他方の第1縦壁部6bの車長方向の5等分点のうち最も第1天板部5側の点とを結ぶ直線と第1天板部5の凸部は接触しない。
要するに、比較例のバンパービームは質量が大きく、第1天板部のうち引張力が発生する部分の面積が大きいこと及びバンパービームの質量が小さいことにより、本発明例のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重は、比較例のバンパービームの単位質量当たりの最大許容荷重よりも大きくなった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 バンパービーム
2 第1部材
3 第2部材
4 第2天板部
5 第1天板部
6 第1縦壁部
7 第1フランジ部
8 第2縦壁部
9 第2フランジ部
10 バンパー
20 凸部
21 凸部の平坦部
22a、22b 凸部の壁部
d 第1縦壁部と第2縦壁部との隙間
H 第1縦壁部の高さ
h1 第2縦壁部の高さ
h2 凸部の高さ
W 第1天板部の幅
w1 凸部の幅
P 衝突荷重
X 第1縦壁部の端部

Claims (8)

  1. 長手方向に垂直な断面において、平坦な第1天板部、前記第1天板部の両側部のそれぞれに繋がる2つの第1縦壁部、及び前記2つの第1縦壁部それぞれに繋がる2つの第1フランジ部を含む第1部材と、
    前記第1天板部と反対側に向かい突出する凸部を有する第2天板部、前記第2天板部の両側部のそれぞれに繋がり前記第1縦壁部それぞれに前記第1部材の内側で対向配置される2つの第2縦壁部、及び前記2つの第2縦壁部それぞれに繋がり前記第1フランジ部それぞれに接合して配置される2つの第2フランジ部を含む第2部材と、を備え、
    前記第1縦壁部と前記第2縦壁部との隙間は、0mm以上、10mm以下である、車両用バンパービーム。
  2. 請求項1に記載の車両用バンパービームであって、
    前記第2縦壁部の高さh1と前記第1縦壁部の高さHとの比h1/Hは、0.1以上、0.5以下である、車両用バンパービーム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用バンパービームであって、
    前記第2天板部の前記凸部の幅w1と前記第1天板部の幅Wとの比w1/Wは、0.1以上、0.7以下であり、
    前記第2天板部の前記凸部の高さh2と前記第2部材の前記第2縦壁部の高さh1との比h2/h1は、0.5以上、1.1以下である、車両用バンパービーム。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項4に記載の車両用バンパービームであって、
    前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが溶接、接着、リベット、又はこれらの併用によって接合されている、車両用バンパービーム。
  5. 請求項1、請求項2、請求項4又は請求項5に記載の車両用バンパービームであって、
    前記第1部材及び前記第2部材は鋼板からなり、前記鋼板の引張強度が1GPa以上である、車両用バンパービーム。
  6. 請求項1、請求項2、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の車両用バンパービームであって、
    前記第1フランジ部と前記第2フランジ部の接合部は、前記第1縦壁部側の縁から15mm以内の領域に設けられる、車両用バンパービーム。
  7. 請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の車両用バンパービームであって、
    前記長手方向に垂直な断面において、前記第1天板部の全部は前記第1縦壁部の2等分点同士を結ぶ直線より前記第2部材と反対側に位置する、車両用バンパービーム。
  8. 請求項1、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の車両用バンパービームを前部又は後部に備え、
    前記バンパービームの前記第2部材が車両の外側になるよう配置される、車両。
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