JP6466193B2 - 赤血球凝集検出装置および検出方法 - Google Patents
赤血球凝集検出装置および検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6466193B2 JP6466193B2 JP2015027337A JP2015027337A JP6466193B2 JP 6466193 B2 JP6466193 B2 JP 6466193B2 JP 2015027337 A JP2015027337 A JP 2015027337A JP 2015027337 A JP2015027337 A JP 2015027337A JP 6466193 B2 JP6466193 B2 JP 6466193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- microchannel
- channel
- detection
- hemagglutination
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 238000001514 detection method Methods 0.000 title claims description 84
- 230000035931 haemagglutination Effects 0.000 title claims description 27
- 210000003743 erythrocyte Anatomy 0.000 claims description 63
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 claims description 44
- 238000012360 testing method Methods 0.000 claims description 39
- 230000002776 aggregation Effects 0.000 claims description 34
- 238000004220 aggregation Methods 0.000 claims description 30
- 210000004369 blood Anatomy 0.000 claims description 29
- 239000008280 blood Substances 0.000 claims description 29
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 29
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 25
- 239000013307 optical fiber Substances 0.000 claims description 16
- 238000004062 sedimentation Methods 0.000 claims description 13
- 238000002198 surface plasmon resonance spectroscopy Methods 0.000 claims description 13
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 8
- 230000004520 agglutination Effects 0.000 claims description 8
- 206010049190 Red blood cell agglutination Diseases 0.000 claims description 5
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 claims description 4
- 229910052710 silicon Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 239000010703 silicon Substances 0.000 claims description 4
- 229910052814 silicon oxide Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 239000000758 substrate Substances 0.000 claims description 4
- 238000012388 gravitational sedimentation Methods 0.000 claims description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 11
- 239000003153 chemical reaction reagent Substances 0.000 description 10
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 8
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 description 8
- 230000031700 light absorption Effects 0.000 description 5
- 238000005054 agglomeration Methods 0.000 description 4
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 4
- 101710154606 Hemagglutinin Proteins 0.000 description 3
- 101710093908 Outer capsid protein VP4 Proteins 0.000 description 3
- 101710135467 Outer capsid protein sigma-1 Proteins 0.000 description 3
- 101710176177 Protein A56 Proteins 0.000 description 3
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 210000000601 blood cell Anatomy 0.000 description 3
- 239000010408 film Substances 0.000 description 3
- 239000000185 hemagglutinin Substances 0.000 description 3
- 238000002310 reflectometry Methods 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 2
- 238000013041 optical simulation Methods 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 description 2
- 238000001291 vacuum drying Methods 0.000 description 2
- 241000700605 Viruses Species 0.000 description 1
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 1
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 1
- 239000012491 analyte Substances 0.000 description 1
- 239000000427 antigen Substances 0.000 description 1
- 102000036639 antigens Human genes 0.000 description 1
- 108091007433 antigens Proteins 0.000 description 1
- 238000000149 argon plasma sintering Methods 0.000 description 1
- 238000009534 blood test Methods 0.000 description 1
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 1
- 238000005119 centrifugation Methods 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 239000004205 dimethyl polysiloxane Substances 0.000 description 1
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 1
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 238000004108 freeze drying Methods 0.000 description 1
- 206010022000 influenza Diseases 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 1
- 229920000435 poly(dimethylsiloxane) Polymers 0.000 description 1
- -1 polydimethylsiloxane Polymers 0.000 description 1
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- 238000001179 sorption measurement Methods 0.000 description 1
- 230000003595 spectral effect Effects 0.000 description 1
- 239000010409 thin film Substances 0.000 description 1
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
このことから、対応できるサンプルの量や検査時間には限界がある。
また、判定結果から検査者の主観を完全に排除することは困難である。
一方、分注や遠心といった種々の機械操作を装置内で行う必要があることから、装置は大型であり高価である。
したがって、このような自動検査装置は検査室内での使用に限られ、ベッドサイドでの血液型検査、あるいは救急や災害の現場におけるオンサイト血液型検査に用いることはできない。
したがって、オンサイト検査が実施できれば治療の迅速化に大変有効である。
このようなポータブルな自動検査装置は、これまで実用化されていない。
本発明で用いられる光学式センサは、主にエバネッセント場を利用した光学式センサであり、例えば、導波モードセンサ(特許文献3、非特許文献1)、表面プラズモン共鳴センサ(非特許文献2)、リング型共振器センサ(非特許文献3)、ウィスパリングギャラリーモードセンサ(非特許文献4)、光ファイバセンサ(非特許文献5)、スラブ導波路センサ(非特許文献6)などが適用可能である。これらのセンサは、検出チップ表面に発生させた光学的共鳴を利用して検出チップ表面近傍の光学特性の変化を高感度に検出するセンサである。
具体的には、次の赤血球凝集検出装置、赤血球凝集検出方法、およびマイクロ流路チップを提供できる。
光学式センサとマイクロ流路を備えた赤血球凝集検出装置であって、
前記光学式センサは、少なくとも、光源、検出チップ、受光素子からなり、これらが前記光源からの出射光の行路順に配置されてなる、エバネッセント場を利用した光学式センサであり、
前記マイクロ流路は、マイクロ流路構造体と前記検出チップとを接合して形成され、
前記マイクロ流路は、検体試料を導入する導入流路と、検査流路と、排出流路から構成され、
少なくとも前記検査流路は、検出の対象となる赤血球凝集塊の大きさに対応して当該赤血球凝集塊の沈降の有無を生じさせる20μm以上200μm以下の流路高さを有し、
この流路高さによって、赤血球凝集塊の重力沈降運動を抑制することによって、前記光学式センサによって測定された信号の時間変化に基づいて、該検体試料中に存在する赤血球の固有の凝集の有無を検出する事を特徴とする赤血球凝集検出装置。
前記光学式センサは導波モードセンサ、表面プラズモン共鳴センサ、リング型共振器センサ、ウィスパリングギャラリーモードセンサ、光ファイバセンサ、スラブ導波路センサのいずれか一つからなることを特徴とする(1)に記載する赤血球凝集検出装置。
前記導波モードセンサは、前記検出チップの前記マイクロ流路構造体が形成されている面と反対側の面に前記行路を形成するようにプリズムが配され、前記光源と該プリズムとの間の前記行路に少なくともコリメートレンズ及び偏光板を有し、また、該プリズムと前記受光素子との間の前記行路に少なくとも集光レンズを有することを特徴とする(2)に記載する赤血球凝集検出装置。
(4)
前記検出チップはシリカガラス基板、反射層はシリコン、導波路層は酸化シリコンからなる導波モード検出チップに構成され、該導波路層は前記マイクロ流路構造体と接合されていることを特徴とする(2)または(3)に記載の赤血球凝集検出装置。
前記マイクロ流路に接続された送液手段を備え、前記検体試料は前記マイクロ流路に、
圧力送液法、または、毛細管力送液法のいずれかの方法で導入されたことを特徴とする(
1)から(4)のいずれかに記載の赤血球凝集検出装置。
(6)
前記検体試料は前記導入流路に充填した乾燥抗体へ血液検体を通過させて生成されたこ
とを特徴とする(5)に記載の赤血球凝集検出装置。
光学式センサとマイクロ流路を利用する赤血球凝集検出方法であって、
前記光学式センサは、少なくとも、光源、検出チップ、受光素子からなり、これらが前記光源からの出射光の行路順に配置されてなる、エバネッセント場を利用した光学式センサであり、
前記マイクロ流路はマイクロ流路構造体と前記検出チップとを接合して形成され、
前記マイクロ流路は検体試料を導入する導入流路と、検査流路と、排出流路から構成され、
少なくとも該検査流路は検出の対象となる赤血球凝集塊の大きさに対応して当該赤血球凝集塊の沈降の有無を生じさせる20μm以上200μm以下の流路高さを有し、
赤血球を含有する該検体試料は該導入流路に導入されて該検査流路に輸送され、該検体試料の一部または全部が該検査流路中に留まって静止するように配された後、該光学式センサによって測定された信号の時間変化により赤血球凝集を検出する事を特徴とする赤血球凝集検出方法。
前記光学式センサは導波モードセンサ、表面プラズモン共鳴センサ、リング型共振器センサ、ウィスパリングギャラリーモードセンサ、光ファイバセンサ、スラブ導波路センサのいずれか一つからなることを特徴とする(7)に記載する赤血球凝集検出方法。
前記導波モードセンサは、前記検出チップの前記マイクロ流路構造体が形成されている面と反対側の面に前記行路を形成するようにプリズムが配され、前記光源と該プリズムとの間の前記行路に少なくともコリメートレンズ及び偏光板を有し、また、該プリズムと前記受光素子との間の前記行路に少なくとも集光レンズを有することを特徴とする(8)に記載する赤血球凝集検出方法。
さらに前記マイクロ流路に接続された送液手段を備え、前記検体試料は前記マイクロ流路に、圧力送液法、または、毛細管力送液法のいずれかの方法で導入されたことを特徴とする(7)から(9)のいずれかに記載の赤血球凝集検出方法。
(11)
前記検体試料は前記導入流路に充填した乾燥抗体へ血液検体を通過させて生成されたことを特徴とする(10)に記載の赤血球凝集検出方法。
また、マイクロ流路チップを用いることにより凝集を短時間で判定し、振動などの外乱に対しても影響を受け難い赤血球凝集検査装置が可能となった。
さらに、導波モードセンサとマイクロ流路チップの組み合わせにより小型の筐体に収まる、可搬性のある赤血球凝集検査装置が可能となった。
マイクロ流路チップは、マイクロ流路構造体と検出チップを接合して形成される。
マイクロ流路構造体は、図1(a)および(c)に示すように、外形断面は四角形状(一部円形状でもよい)であり長手方向に直線、曲線、または折れ線形状をしており、内側の凹部断面形状はマイクロ流路を構成する四角形状(一部円形状でもよい)で少なくとも凹部の縦横比は垂直方向に短く、所定のマイクロ流路高さを有し、少なくとも沈滞した試料を測定するセンサの検出チップと向かい合って接合する底面部は検出チップと平行に形成される。
マイクロ流路構造体と検出チップを接合することで、マイクロ流路構造体凹部および検出チップ表面により構成される送液空間としてのマイクロ流路が形成される。
実施例では、直線状で外形断面・凹部断面とも四角形状で外形寸法の縦横比は約1:3のポリジメチルシロキサンからなるマイクロ流路構造体を作製した。
また、実施例では、図1(a)BB’断面図に示すように、マイクロ流路両端部を折り曲げてマイクロ流路導入流路部・排出流路部は上面に露出させたが、マイクロ流路をそのまま側面に露出させて接続してもよい。
光ファイバ2は、光源1からの光をプリズムに対して最適な入射方向から入射できるように光を導くためのものであり、光源1が光ファイバ2を用いることなく、プリズム6に対して最適位置に設置可能であれば、光ファイバ2は特に用いなくともよい。
この時、光源からの光の大きさを適当な大きさにするための絞り(ピンホールやアイリスなど)を設置しても良い。
コリメートレンズ3は、光ファイバ2の出口から放射状に放出される光をコリメート光に変換して、効率よくプリズムに導くために設置されている。
光源から平行性の高い光が得られる場合には、コリメートレンズ3も省くことができる。
偏光板4は、導波モードセンサにおいてより高い検出感度が得られるS偏光のみを選択するために用いられる。
図中では台形のプリズムが記載されているが、これは三角形プリズム、半円柱プリズム、半球プリズムなどであってもよい。
検出チップ11とプリズム6の界面における光の散乱を防ぐため、検出チップ11とプリズム6の間には、屈折率調節液(オイル)や、屈折率が光学プリズムと同じになるように調整された樹脂、または接着剤を与えることが好ましい。
また、プリズム6は検出チップ11と一体であってもよい。
また、光の進路を変更する点において、回折格子を用いてもよい。
その後、集光レンズ8によって、効率よく光ファイバ9に入射され、分光器に導かれる。分光器が備える受光素子から得た測定データは、パーソナルコンピュータを用いて処理し、結果図を表示装置に表示した。
ここで、集光レンズ8及び光ファイバ9は、反射光7を効率良く分光器に導くために用いているが、反射光強度が十分強ければ、これらの光学素子は使用せず、直接分光器にて反射スペクトルを観測することも可能である。
この時、導波モードセンサで測定された反射スペクトル上には、検出チップ表面近傍に励起された光学的共鳴および試料中の赤血球の光吸収に起因したディップが生じる(図2(b)、図2(d))。
このディップの底の位置における反射率を、ディップ反射率と呼ぶ。
本発明における導波モードセンサでは、このディップ反射率がセンサによって測定された信号となる。
検出チップ表面に物質が付着すると、この信号、つまりディップ反射率が変化する。
経時的に付着物の量が変化すると、ディップ反射率もその付着量に応じて変化する。
すると、導波モードセンサの検出領域(検出チップ表面から数百nm程度の範囲)(検査部)に存在する赤血球が増加することになり、ディップ反射率は時間の経過とともに変化する(図2(b))。
つまり、マイクロ流路が重力沈降運動を抑制する。
このように、マイクロ流路内の試料のディップ反射率の時間変化を計測することで、赤血球の凝集を明確に判別することができる。
一般的に、抗体をはじめとした検査試薬内の赤血球凝集素は、赤血球の光吸収波長における光吸収には寄与しないため、試験への影響はほとんどない。また、血液型抗体試薬には着色されているものもあるが、これら色素成分は赤血球に比べて小さく、重力沈降しないため、反射率の時間変化への影響はない。
したがって、本発明によれば、凝集の有無のみならず、赤血球表面の血液型抗原または抗体をはじめとした検査試薬内の赤血球凝集素に起因する、赤血球凝集の強度を評価することが可能である。
したがって、本発明は、小型独立電源と、検体導入系・送液系と、検査済検体排出系、分光器からのデータ処理手段、結果図表示装置等を適宜小型化して小型の筐体に配置することにより、ポータブルな赤血球凝集検出装置・自動検査装置とすることができる。
より具体的には、凝集していない血球は重力沈降運動をすることができるが、凝集した血球は、その高さによって重力沈降運動が抑制され、殆ど沈降できなくなるような高さに、マイクロ流路高さを設定することが好ましい。
用いた光学式センサは、導波モードセンサである。
用いた検出チップは、反射層としてシリコン層(厚さ45nm)、導波路層として酸化シリコン層(厚さ360nm)とし、赤血球の光吸収ピークのひとつである波長540nmにディップを生じるように作製したものである。
分光器より得られたスペクトルデータは、ノート型パーソナルコンピュータで処理され、出力信号はノート型パーソナルコンピュータのディスプレイに表示された。
本試験で測定した試料導入から、一定時間後のディップ反射率変化量を図3に示す。
これは、流路高さが小さすぎたため、凝集していない血球においても、重力沈降が抑制されてしまい、重力沈降によって信号変化が得られるはずの非凝集試料においても信号変化が得られなかったためと考えられる。
ただし、圧力送液の結果では凝集試料の時間変化は、ほとんど見られない。
マイクロ流路を用いた試験結果を裏付けるため、顕微鏡観察により赤血球凝集塊の代表的な大きさを調べた。赤血球濃度5%に希釈した血液試料10μLと血液型抗体10μLをスライドグラス上で混合し、1分後の凝集状態を光学顕微鏡で観察した。抗A抗体と混合したA型血液および抗B抗体と混合したB型血液を観察した結果、凝集塊の代表的な大きさは50μmから200μmであった。
本グラフは、圧力送液、流路高さ48.5μmの測定データについて、時間に対する微分値を求めたものである。
本グラフから明らかなように、測定初期の微分値を用いることによっても明確に凝集と非凝集を判別することができる。
また、図3のような一定時間後の反射率の評価に比べ、より短時間で凝集の評価することができる。
抗体を乾燥状態にする方法には、減圧乾燥法や凍結乾燥法が含まれる。
赤血球濃度5%に希釈された血液検体が混合部を通過する際に抗体と混合されて検査部に導入された。マイクロ流路は、高さ48.5μmのものを用いた。
測定されたディップ反射率の時間変化を図5(b)に示す。
抗体を乾燥状態とすることで、マイクロ流路内での混合および検出を容易に行うことができる。
それぞれのセンサにおいて、好適な光源、検出チップ、受光素子は、それぞれ公知のものが使用可能である。
これらエバネッセント場を利用したセンサは、検出チップ上の検出表面近傍の光学特性変化についてエバネッセント場を利用して検出するという意味において等価である。
以下では、表面プラズモン共鳴センサを例としてその実施形態を示す。
血液試料層の厚さは、プラズモン減衰長と同等の距離として選んだ。
赤血球の体積分率の増加は、赤血球の重力沈降により、検出チップ表面に接触する赤血球数が増加することを表す。
赤血球の体積分率の増加により、反射スペクトルのディップ反射率、つまりセンサによって得られる信号の変化が見られた。
つまり、所定の高さのマイクロ流路を用いることによって、凝集した赤血球の重力沈降運動を抑制すれば、赤血球凝集検出を行うことが可能である。
これは、図2(b)や(e)などに示されたような導波モードセンサで観測される変化とは逆方向の変化であるが、変化の方向に関わらず、信号変化が観測されれば本発明による凝集の検出が可能である。
2 光ファイバ
3 コリメートレンズ
4 偏光板
5 入射光
6 プリズム
7 反射光
8 集光レンズ
9 光ファイバ
10 分光器
11 検出チップ
12 マイクロ流路構造体
13 シリカガラス基板
14 シリコン層
15 酸化シリコン層
16 導入流路系
17 排出流路系
18 血液試料
19 検査部
20 乾燥状態の抗体試薬
21 赤血球と抗体試薬または凝集塊
22 マイクロ流路
23 マイクロ流路チップ
24 アルミ層
25 受光素子
Claims (11)
- 光学式センサとマイクロ流路を備えた赤血球凝集検出装置であって、
前記光学式センサは、少なくとも、光源、検出チップ、受光素子からなり、これらが前記光源からの出射光の行路順に配置されてなる、エバネッセント場を利用した光学式センサであり、
前記マイクロ流路は、マイクロ流路構造体と前記検出チップとを接合して形成され、
前記マイクロ流路は、検体試料を導入する導入流路と、検査流路と、排出流路から構成され、
少なくとも前記検査流路は、検出の対象となる赤血球凝集塊の大きさに対応して当該赤血球凝集塊の沈降の有無を生じさせる20μm以上200μm以下の流路高さを有し、
この流路高さによって、赤血球凝集塊の重力沈降運動を抑制することによって、前記光学式センサによって測定された信号の時間変化に基づいて、該検体試料中に存在する赤血球の固有の凝集の有無を検出する事を特徴とする赤血球凝集検出装置。 - 前記光学式センサは、導波モードセンサ、表面プラズモン共鳴センサ、リング型共振器センサ、ウィスパリングギャラリーモードセンサ、光ファイバセンサ、スラブ導波路センサのいずれか一つからなることを特徴とする請求項1に記載する赤血球凝集検出装置。
- 前記導波モードセンサは、前記検出チップの前記マイクロ流路構造体が形成されている面と反対側の面に前記行路を形成するようにプリズムが配され、前記光源と該プリズムとの間の前記行路に少なくともコリメートレンズ及び偏光板を有し、また、該プリズムと前記受光素子との間の前記行路に少なくとも集光レンズを有することを特徴とする請求項2に記載する赤血球凝集検出装置。
- 前記検出チップは、シリカガラス基板、反射層はシリコン、導波路層は酸化シリコンからなる導波モード検出チップに構成され、該導波路層は前記マイクロ流路構造体と接合されていることを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の赤血球凝集検出装置。
- 前記マイクロ流路に接続された送液手段を備え、前記検体試料は前記マイクロ流路に、圧力送液法、または、毛細管力送液法のいずれかの方法で導入されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の赤血球凝集検出装置。
- 前記検体試料は、前記導入流路に充填した乾燥抗体へ血液検体を通過させて生成されたことを特徴とする請求項5に記載の赤血球凝集検出装置。
- 光学式センサとマイクロ流路を利用する赤血球凝集検出方法であって、
前記光学式センサは、少なくとも、光源、検出チップ、受光素子からなり、これらが前記光源からの出射光の行路順に配置されてなる、エバネッセント場を利用した光学式センサであり、
前記マイクロ流路はマイクロ流路構造体と前記検出チップとを接合して形成され、
前記マイクロ流路は検体試料を導入する導入流路と、検査流路と、排出流路から構成され、
少なくとも該検査流路は検出の対象となる赤血球凝集塊の大きさに対応して当該赤血球凝集塊の沈降の有無を生じさせる20μm以上200μm以下の流路高さを有し、
赤血球を含有する該検体試料は該導入流路に導入されて該検査流路に輸送され、該検体試料の一部または全部が該検査流路中に留まって静止するように配された後、該光学式センサによって測定された信号の時間変化により赤血球凝集を検出する事を特徴とする赤血球凝集検出方法。 - 前記光学式センサは、導波モードセンサ、表面プラズモン共鳴センサ、リング型共振器センサ、ウィスパリングギャラリーモードセンサ、光ファイバセンサ、スラブ導波路センサのいずれか一つからなることを特徴とする請求項7に記載する赤血球凝集検出方法。
- 前記導波モードセンサは、前記検出チップの前記マイクロ流路構造体が形成されている面と反対側の面に前記行路を形成するようにプリズムが配され、前記光源と該プリズムとの間の前記行路に少なくともコリメートレンズ及び偏光板を有し、また、該プリズムと前記受光素子との間の前記行路に少なくとも集光レンズを有することを特徴とする請求項8に記載する赤血球凝集検出方法。
- さらに前記マイクロ流路に接続された送液手段を備え、前記検体試料は前記マイクロ流路に、圧力送液法、または、毛細管力送液法のいずれかの方法で導入されたことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の赤血球凝集検出方法。
- 前記検体試料は、前記導入流路に充填した乾燥抗体へ血液検体を通過させて生成されたことを特徴とする請求項10に記載の赤血球凝集検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015027337A JP6466193B2 (ja) | 2015-02-16 | 2015-02-16 | 赤血球凝集検出装置および検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015027337A JP6466193B2 (ja) | 2015-02-16 | 2015-02-16 | 赤血球凝集検出装置および検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016151417A JP2016151417A (ja) | 2016-08-22 |
JP6466193B2 true JP6466193B2 (ja) | 2019-02-06 |
Family
ID=56696229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015027337A Active JP6466193B2 (ja) | 2015-02-16 | 2015-02-16 | 赤血球凝集検出装置および検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6466193B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109477837B (zh) | 2016-09-28 | 2022-09-16 | 泰尔茂株式会社 | 用于检测血液样品中的分析对象物的方法、组合物和芯片 |
JPWO2019082637A1 (ja) * | 2017-10-25 | 2020-09-17 | 株式会社堀場製作所 | 表面プラズモン共鳴分析装置、及び、表面プラズモン共鳴分析方法 |
JP2020173207A (ja) * | 2019-04-12 | 2020-10-22 | 株式会社ミツトヨ | 形状測定機 |
CN112525865B (zh) * | 2020-11-17 | 2022-12-27 | 西安工业大学 | 溶血检测光纤微流控传感系统及检测方法 |
JP2023150022A (ja) | 2022-03-31 | 2023-10-16 | 日本光電工業株式会社 | 血液検査装置、血液検査方法、および血液検査プログラム |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1993022053A1 (en) * | 1992-05-01 | 1993-11-11 | Trustees Of The University Of Pennsylvania | Microfabricated detection structures |
CA2467740A1 (en) * | 2001-11-19 | 2003-05-30 | Burstein Technologies, Inc. | Methods and apparatus for blood typing with optical bio-discs |
US20060292039A1 (en) * | 2003-09-05 | 2006-12-28 | Kazuhiro Iida | Measuring system |
JP4753672B2 (ja) * | 2005-09-16 | 2011-08-24 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法及びこれを用いた血液測定方法 |
WO2012064326A1 (en) * | 2010-11-10 | 2012-05-18 | Elfi-Tech Ltd. | Optical measurement of parameters related to motion of light-scattering particles within a fluid by manipulating analog electrical signals |
US8937721B2 (en) * | 2011-01-20 | 2015-01-20 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Sensing device |
-
2015
- 2015-02-16 JP JP2015027337A patent/JP6466193B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016151417A (ja) | 2016-08-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6466193B2 (ja) | 赤血球凝集検出装置および検出方法 | |
CN106233124B (zh) | 化验单元、读取器单元和诊断装置 | |
JP2022116194A (ja) | 低容積の凝固検定 | |
US9442106B2 (en) | Simple and affordable method for immunophenotyping using a microfluidic chip sample preparation with image cytometry | |
US7386199B2 (en) | Providing light to channels or portions | |
JP4353529B2 (ja) | センサ、センサ装置およびデータ伝達処理装置 | |
US20120088230A1 (en) | System And Method For Cell Analysis | |
US4934811A (en) | Apparatus and method for detection of fluorescence or light scatter | |
US8537353B2 (en) | Sensor chip for biological and chemical sensing | |
US10139333B2 (en) | System and method for inertial focusing cytometer with integrated optics for particle characterization | |
Bates et al. | Optics-integrated microfluidic platforms for biomolecular analyses | |
US20100182606A1 (en) | Apparatus and method for multi-parameter optical measurements | |
US10324020B2 (en) | Fluidic optical cartridge | |
JP2010532468A (ja) | 低容積で静的錯乱光および動的錯乱光を測定するための装置および方法 | |
Ashiba et al. | Hemagglutination detection for blood typing based on waveguide-mode sensors | |
JP5202971B2 (ja) | 測定装置及び測定方法 | |
Leblanc-Hotte et al. | High-throughput refractive index-based microphotonic sensor for enhanced cellular discrimination | |
TW200424516A (en) | Chip element for microchemical systems , and microchemical system using the chip element | |
US9134201B2 (en) | Fluid providing apparatus | |
JP4480130B2 (ja) | 光学分析装置 | |
Zanishevskaya et al. | Blood typing using microstructured waveguide smart cuvette | |
Serhatlioglu et al. | Femtosecond laser fabrication of fiber based optofluidic platform for flow cytometry applications | |
Jooken et al. | On-chip flow cytometer using integrated photonics for the detection of human leukocytes | |
JP2011221009A (ja) | 生体物質検出装置 | |
RU2768228C1 (ru) | Мультифотонное сенсорное устройство |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180720 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190109 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6466193 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |