JP6465582B2 - 断熱容器内の温度算出装置、方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

断熱容器内の温度算出装置、方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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本発明は、断熱容器に収容された保冷剤等の蓄熱材によって断熱容器内の温度がどの程度の時間、所望温度範囲内に保持されるかを予測するために利用可能な、断熱容器内の温度算出装置、方法及びコンピュータプログラムに関する。
食品、医薬品等を梱包して保管・輸送する際に、内容物を一定温度に保持することが求められる。輸送容器として用いられる断熱容器の設計は、内容物の保持温度や時間によって、容器自体の断熱性能、使用する蓄熱材の種類、個数、配置を変更する必要がある。顧客のニーズに対応するためには、断熱容器及び蓄熱材の試作品を実際に作成し、実際に温度を計測することで、容器性能を評価しており、時間とコストがかかる。このため、断熱容器は、短時間で製品化するのが非常に困難な製品である。
近年では、CAE(Computer Aided Engineering)システムの一種として、コンピュータ上で断熱容器内温度の経時変化をシミュレーションするための設計システム及びコンピュータプログラムが開発されている。例えば、特許文献1には、断熱容器内部の二次元平面について温度予測を行い、容器内部の食品の鮮度評価を行う設計システムが記載されている。しかしながら、このシステムは、二次元平面での温度予測しかできないので、計算負荷が少ないものの、断熱容器内に配置される蓄熱材の種類、個数、配置を考慮した正確な温度予測を行うことはできない。
正確な温度予測を行うためには、三次元空間における熱移動量を算出する必要がある。そのためには、有限要素法や有限体積法といった解析手法を用い、断熱容器及び蓄熱材を含む空間を三次元の微小メッシュに区画し、メッシュ毎に熱量計算を行い、熱量に基づき温度変化を算出することが一つの有効な手段として考えられる。
特開2002−108951号公報
しかしながら、上記有限要素法や有限体積法といった解析手法では、計算負荷が莫大となり、結果が得られるまで数時間〜数日必要になってしまう。これでは、営業ツールとして顧客の目の前で計算結果を出して検証することはできない。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、三次元空間における熱移動を考慮した高精度の温度予測を、顧客の目の前で計算可能な程度の計算負荷で実現した、断熱容器内の温度算出装置、方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
すなわち、本発明に係る断熱容器内の温度算出装置は、蓄熱材を収容した断熱容器内温度を算出する装置であって、前記蓄熱材と前記断熱容器とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュを通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データを記憶する記憶部と、予め設定された解析条件と前記伝熱式データを用い、前記X軸上のメッシュ群、前記Y軸上のメッシュ群及び前記Z軸上のメッシュ群に沿って前記温度算出対象となるメッシュに対して出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する熱移動量算出部と、前記熱量総和を用いて、前記温度算出対象となるメッシュの単位時間経過後の温度を算出する温度算出部と、を備える。
本発明に係る断熱容器内の温度算出方法は、蓄熱材を収容した断熱容器内温度をコンピュータが算出する方法であって、前記蓄熱材と前記断熱容器とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュを通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データを記憶部から読み出すステップと、予め設定された解析条件と前記伝熱式データを用い、前記X軸上のメッシュ群、前記Y軸上のメッシュ群及び前記Z軸上のメッシュ群に沿って前記温度算出対象となるメッシュに対して出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出するステップと、前記熱量総和を用いて、前記温度算出対象となるメッシュの単位時間経過後の温度を算出するステップと、を含む。
このような装置構成又は方法によれば、熱量計算が、温度算出対象となるメッシュを通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群に限られるので、解析空間にある全メッシュについて計算する場合に比べて、著しく計算コストを低減することが可能となる。それでいて、温度算出対象となるメッシュに影響を与える三次元方向の熱量を計算しているので、二次元平面だけの算出結果に比して高精度な結果を得ることが可能となる。
本発明の具体例としては、前記伝熱式には、熱伝導及び境膜熱伝達に関する式を含むことが好ましい。
精度を向上させるためには、前記伝熱式には、放射伝熱に関する式を更に含むことが好ましい。
本発明の装置において、蓄熱材の比熱の温度依存性を考慮するためには、前記蓄熱材の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データを記憶する比熱記憶部を備え、前記蓄熱材に対応するメッシュでの熱量計算には、前記比熱記憶部に記憶されている前記温度依存比熱データのうち現時点の蓄熱材の温度に対応する比熱を読みだして用いるように構成することが好ましい。
本発明の方法において、前記蓄熱材に対応するメッシュの熱量を計算する際に、前記蓄熱材の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データのうち、現時点の蓄熱材の温度に対応する比熱を読みだして熱量計算に用いることが好ましい。
本発明の第1実施形態における断熱容器内の温度算出装置を模式的に示すブロック図。 解析対象となる断熱容器及び蓄熱材の配置の一例を示す斜視図及び断面図。 従来解析方法において計算対象となるメッシュ及び熱移動方向を示す斜視図。 本発明において計算対象となるメッシュ及び熱移動方向を示す斜視図。 解析空間における各物質とメッシュの対応関係、並びに温度分布の一例を示す図。 X軸、Y軸及びZ軸に沿って温度算出対象メッシュに対して出入りする熱量に関する説明図。 外気と断熱材間の境界部分の熱計算式に関する説明図。 断熱材内部又は蓄熱材内部の熱計算式に関する説明図。 断熱材と蓄熱材の間、又は、蓄熱材同士の間の境界部分の熱計算式に関する説明図。 比熱記憶部に記憶される温度依存比熱データに関する説明図。 本発明の装置が実行する温度算出処理ルーチンを示すフローチャート。 第1実施形態において、断熱容器、蓄熱材及び内部空間とこれらに対応するメッシュを示す平面図、側面図。 第2実施形態における断熱容器、蓄熱材及び内部空間を示す平面図、右側面図。 第2実施形態において、各々の物質配列パターンがメッシュに占める面積を示す説明図。 第3実施形態における断熱容器内の温度算出装置を模式的に示すブロック図。 温度算出対象となるメッシュを複数の小領域に分割した様子を示す説明図。 図12Aに示す小領域における周辺壁面の定義に関する説明図。 第3実施形態の装置が実行する内部空間温度算出処理ルーチンを示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[温度算出装置]
本実施形態の温度検出装置は、断熱容器内部温度をどれぐらいの間、所望温度範囲内に保持できるかをシミュレーションするために、保冷剤などの蓄熱材を収容した断熱容器の内部温度を算出する装置である。具体的には、断熱容器の大きさ、断熱容器の内外温度、蓄熱材の数とその配置、各物質の物性値、外気温の経時変化などの解析に必要な解析パラメータを入力値として予め設定しておき、断熱容器の外気温度及び蓄熱材の保温能力を考慮して単位時間毎の断熱容器内部の温度の計算を繰り返す。
図1に示すように、装置1は、設定部10と、記憶部11と、熱移動量算出部12と、温度算出部13と、を有する。これら各部10〜13は、CPU、メモリ、各種インターフェイスを備えたパソコン等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図8に示す温度算出処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
設定部10は、キーボードやマウス、タッチパネル等の既知の操作部15を介してユーザからの操作を受け付け、指定されたファイルから解析パラメータ及び伝熱式データ14を記憶部11に記憶させる。解析パラメータには、断熱容器に関する値(形状、物性、配置、初期温度)、蓄熱材に関する値(形状、物性、配置、初期温度)、断熱容器の内部の初期温度などが挙げられる。物性には、熱伝達率k[W/(m・℃)]、密度ρ[kg/m3]、比熱Cp[J/(Kg・℃)]、境膜熱伝達係数h[W/(m・℃)]、放射率εなどが挙げられる。
詳細を説明する前に、本発明の温度算出法の概要について説明する。
図2は、解析対象となる蓄熱材21と断熱容器20の一例を示す斜視図及び断面図である。本実施形態では、断面A1と断面A2と断面A3の交差点となる内部空間の温度を算出対象とする。
従来のような有限要素法や有限体積法を用いた温度解析では、図3Aに示すように、断熱容器及びその周囲の外気を含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画し、一つのメッシュ毎に3方向の熱の出入り(計6つの式)を解く。図3Aに示すように、一辺のメッシュの数が例えば10個である場合には、10×10×10=1000個のメッシュについて計算が必要となる。一つのメッシュあたりの式が6つあるので、計算量は、1000×6式=6000となる。
これに対し、本発明では、図3Bに示すように、図2に示す断面A1,A2,A3の交差点となる内部空間の温度を算出対象とした場合に、この温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群を用いる。具体的には、熱移動量算出部12が、X軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象メッシュM’に対して出入りする熱量総和、Y軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象メッシュM’に対して出入りする熱量総和、及びZ軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象メッシュM’に対して出入りする熱量総和を算出する。
温度算出部13(図1参照)が、温度算出対象メッシュM’に対する熱量総和を用いて、当該メッシュM’の単位時間経過後の温度を算出する。具体的には、図5に示すように、各方向からメッシュM’に対する熱量総和Q[W]は、次の式(1)で表現できる。
Q=Ax1(q+qx1+Ax2(q+qx2+Ay1(q+qy1+Ay2(q+qy2+Az1(q+qz1+Az2(q+qz2 …(1)
ただし、総熱量はQ[W]、表面積はA[m]、熱流束はq[W・m−2]、境膜熱伝達による熱量はq、放射伝熱による熱量はqである。
メッシュM’の単位時間経過後の温度Tn+1は、次の式(2)で算出できる。
n+1=T+Δt・(Q/ρ・Cp・V) …(2)
ただし、空間温度がT[K]、現時点の空間温度がT、空間密度がρ[kg・m−3]、空間比熱がCp[J・Kg−1・K−1]、空間体積がV[m]、単位時間がt[s]である。
上記熱量総和を算出するために必要となる伝熱式データ14が、図1に示す記憶部11に記憶されている。
熱量計算に用いる伝熱式データ14は、3つのデータ(14b、14c、14d)を有する。温度差により同一物質中を移動する熱を表現する熱伝導式のデータ14b、温度差により異なる物質の境界を超えて移動する熱を表現する境膜熱伝達式のデータ14c、及び、温度差により物質表面間を移動する熱を表現する放射伝熱式のデータ14dである。これらのデータ(14b、14c、14d)は、伝熱式データ14として記憶部11に記憶されている。これらのどの式(14b、14c、14d)を用いるかは、メッシュを占める物質に応じて定まる。そのため、図1に示す伝熱式データ14は、図4に示すように各メッシュに、当該メッシュを占める物質を識別するためのメッシュに関するデータ14a(図1参照)を有する。図4の上段部は、断面の概略図であり、図4の中段部は、断面とメッシュを対応付けた図であり、図4の下段部は、各メッシュの温度分布を示すイメージ図である。一つのメッシュは、一種類の物質に対応している。また、同図には、物質に応じて利用する伝熱式を図示している。熱伝導はqであり、境膜熱伝達はqであり、放射伝熱はqを示す。
各軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象メッシュM’に対して出入りする熱量総和を計算するために、各軸上のメッシュ群を構成するメッシュ一つ毎に、単位時間あたりの熱量の出入りを計算する。
外気と断熱材間の境界部分の熱計算式について図6Aを用いて説明する。同図に示すように、メッシュをi〜iで表現している。同図に示すように、外気メッシュ、境膜メッシュ、断熱材メッシュの温度をTi−1、T、Ti+1と表記して説明する。外気から境膜への入力は、境膜熱伝達qと放射伝熱qであり、境膜から断熱材への出力は、熱伝導qとなる。熱移動量は等しいので、q=q+qとなる。
熱伝導による熱移動量:
=k(∂T/∂x) …(3)
境膜熱伝達による熱移動量:
=h(Ti+1−T) …(4)
放射伝熱による熱移動量:
=εi+1σ(T i−1−T i+1) …(5)
ただし、メッシュ長さがx[m]、ステファンボルツマン定数がσ[W/m2K4]である。
すなわち、温度Tは、次の式により算出できる。
Figure 0006465582
ただし、r=k/h・Δxである。
断熱材内部又は蓄熱材内部の熱計算式について図6Bを用いて説明する。同図に示すように、3つの断熱材の時間m時点の温度をTi−1,m、Ti,m、Ti+1,mと表記して説明する。所定の単位時間経過後の温度は、Ti−1,m+1、Ti,m+1、Ti+1,m+1となる。勿論、蓄熱材と境膜間(境膜、蓄熱材及び境膜)についても同様である。いずれも熱伝導qとなる。温度Ti,m+1は、次の式により算出できる。
Figure 0006465582
ただし、α=k/ρ・Cpである。
断熱材と蓄熱材の間、又は、蓄熱材同士の間の境界部分の熱計算式について図6Cを用いて説明する。同図に示すように、断熱材、境膜、空間、境膜及び蓄熱材の時間m時点の温度をTi−1,m、Ti,m、Ti+1,m、Ti+2,m、Ti+3,mと表記して説明する。勿論、蓄熱材同士の間(蓄熱材、境膜、空間、境膜及び蓄熱材)についても同様である。断熱材からの境膜への入力は熱伝導qとなり、境膜から空間への出力は、境膜熱伝達qと放射伝熱qである。
放射伝熱による熱移動量:
Figure 0006465582
ただし、放射伝熱面間の形態係数はF、ζ=1−εである。
すなわち、温度Tは、次の式により算出できる。
Figure 0006465582
ただし、r=k/(h・Δx)である。
すなわち、上記式(3)〜(9)を用いることにより、熱移動量算出部12は、温度算出対象メッシュM’を通るX軸上のメッシュ群それぞれについて、温度差に起因する熱移動量及び熱移動による温度変化量を計算することによって、温度算出対象メッシュM’に出入りする熱量総和を計算する。温度算出対象メッシュM’を通るY軸上のメッシュ群、温度算出対象メッシュM’を通るZ軸上のメッシュ群についても同様である。
本実施形態では、蓄熱材の能力を適切に再現するために、図7及び図1に示すように、蓄熱材の比熱を温度毎に関連づけた温度依存比熱データ17aを記憶する比熱記憶部17を有している(図1参照)。熱移動量算出部12は、式(7)を用いた蓄熱材に対応するメッシュでの熱量計算には、比熱記憶部17に記憶されている温度依存比熱データ17aのうち、現時点の蓄熱材21の温度に対応する比熱Cpを読み出して熱移動計算に用いている。勿論、断熱材の比熱は常に一定である。
同様に、解析パラメータとして、経過時間と外気温を経過時間毎に関連づけたデータを記憶しており、現時点に対応する外気温を読み出して、熱移動計算に用いている。勿論、外気温を変化させずに一定に設定してもよい。
熱移動量算出部12及び温度算出部13による計算は、所定の終了条件が成立するまで、単位時間毎に繰り返し実行され、各メッシュの温度及び温度算出対象メッシュM’の経時温度が算出される。
[温度算出方法]
上記装置1を用いた断熱容器内温度を算出する方法について、図8を参照しつつ説明する。
まず、操作部15に対して設定操作がなされると、ステップST1において、設定部10が、指定されたファイルを読み込み、解析パラメータ及び伝熱式データ14を記憶部11に設定する。ここでは、初期条件(外気温度、初期温度等)、放射伝熱設定(放射率)などの解析に必要なパラメータが設定される。
次のステップST2において、熱移動量算出部12は、解析に必要なデータ(伝熱式データ14及び解析パラメータ)を記憶部11から読み出す。次のステップST3において、熱移動量算出部12は、予め設定された解析条件と伝熱式データを用い、X軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象となるメッシュM’に対して出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する。具体的には、図5に例示する外気メッシュからメッシュM’までの間にある各メッシュについて、熱移動量計算及び熱移動による単位時間経過後の新たな温度を算出する。
次のステップST4において、温度算出部13は、熱移動量算出部12が算出した熱量総和(図5参照)に基づき、温度算出対象メッシュM’の単位時間経過後の温度を算出する。
次のステップST5において、装置1は、所定の終了条件を満たすか否かを判定する。判定基準として、例えば断熱容器内部空間(温度算出対象メッシュM’)の温度が所定の範囲内を超えた場合、又は、計算ステップ数(解析時間でもよい)が所定値を超えた場合に、終了条件を満たすとすることが挙げられる。ステップST5において、所定の終了条件を満たしていないと判定された場合(ST5:NO)には、次のステップST6において、解析時点を所定の単位時間進め、ステップST3の実行に移行する。
一方、ステップST5において、所定の終了条件を満たしたと判定した場合(ST5:YES)には、次のステップST7において、演算結果を出力部16(ディスプレイやファイル)を介して外部に出力し、処理を終了する。
以上のように、本実施形態における断熱容器内の温度算出装置は、蓄熱材21を収容した断熱容器20内温度を算出する装置1であって、
蓄熱材21と断熱容器20とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データ14を記憶する記憶部11と、
予め設定された解析条件と伝熱式データ14を用い、X軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象となるメッシュM’に対して出入りする単位時間あたりの熱量総和Qを算出する熱移動量算出部12と、
熱量総和Qを用いて、温度算出対象となるメッシュM’の単位時間経過後の温度を算出する温度算出部13と、
を備える。
また、本実施形態における断熱容器内の温度算出方法は、蓄熱材21を収容した断熱容器20内温度をコンピュータが算出する方法であって、
蓄熱材21と断熱容器20とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データ14を記憶部11から読み出すステップ(ST2)と、
予め設定された解析条件と伝熱式データ14を用い、X軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群に沿って温度算出対象となるメッシュM’に対して出入りする単位時間あたりの熱量総和Qを算出するステップ(ST3)と、
熱量総和Qを用いて、温度算出対象となるメッシュM’の単位時間経過後の温度を算出するステップ(ST4)と、
を含む。
このような装置構成又は方法によれば、熱量計算が、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群に限られるので、解析空間にある全メッシュについて計算する場合に比べて、著しく計算コストを低減することが可能となる。それでいて、温度算出対象となるメッシュM’に影響を与える三次元方向の熱量を計算しているので、二次元平面だけの算出結果に比して高精度な結果を得ることが可能となる。
特に、本実施形態では、伝熱式には、熱伝導q及び境膜熱伝達qに関する式を含んでいるので、適切に熱移動計算を実施できる。
さらに、本実施形態では、伝熱式には、放射伝熱qに関する式を更に含んでいるので、放射伝熱qを考慮しない計算方法に比べて精度を向上させることが可能となる。それでいて、放射伝熱qの計算式を導入しても、上記のように計算対象となるメッシュ数が適切に抑制されているので、計算コストが乗数オーダーで増大することもない。
さらに、本実施形態の装置では、蓄熱材21の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データ17aを記憶する比熱記憶部17を備え、蓄熱材21に対応するメッシュでの熱量計算には、比熱記憶部17に記憶されている温度依存比熱データ17aのうち現時点の蓄熱材の温度に対応する比熱を読みだして用いるように構成されている。
同様に、本実施形態の方法では、蓄熱材21に対応するメッシュの熱量を計算する際に、蓄熱材21の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データ17aのうち、現時点の蓄熱材21の温度に対応する比熱を読みだして熱量計算に用いる。
このような装置構成又は方法によれば、蓄熱材の比熱の温度依存性を考慮した計算が可能になるので、従来ように外気温及び熱流束が一定で蓄熱材の比熱が一定としていたシミュレーションではできなかった、条件変動を伴う解析を精度良く行うことが可能となる。
本実施形態に係るコンピュータプログラムは、上記断熱容器内の温度算出方法を構成する各ステップをコンピュータに演算させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、装置1は、上記方法を使用しているとも言える。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本実施形態では、熱伝導、境膜伝達及び放射伝熱の3つの伝熱式を用いているが、放射伝熱式を省略することも可能である。これにより、精度が多少落ちるものの、計算コストを有効に低減することが可能となる。
上記は装置として説明しているが、方法及びコンピュータプログラムとしても特定可能である。
第1実施形態では、図2及び図9に例示するように、蓄熱材21を除く収容用の内部空間Ar1が温度算出対象としての1つのメッシュM’に対応するように、解析対象となる空間が複数のメッシュに区画されている。
このようにすれば、収容用の内部空間Ar1に注目したメッシュを構成でき、収容用の内部空間Ar1を複数のメッシュに区画する場合に比べて計算コストを低減させることが可能となる。勿論、計算コストの増大を或る程度許容できるのであれば、収容用の内部空間Ar1に、温度算出対象となるメッシュを複数設定してもよい。
また、第1実施形態では、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸、Y軸及びZ軸について、軸に沿った物質配置パターンは、各軸において単一のパターンが設定されている。すなわち、メッシュM’を通るX軸上の物質配置パターンは、「断熱材、空間、蓄熱材、空間、蓄熱材、内部空間、蓄熱材、空間、蓄熱材、空間、断熱材」という1つのパターンのみが存在する。メッシュM’を通るY軸上の物質配置パターンは、「断熱材、内部空間、断熱材」という1つのパターンのみが存在する。メッシュM’のいずれの部位を通るZ軸上の物質配置パターンは、「断熱材、内部空間、断熱材」という1つのパターンのみが存在する。
この構成によれば、収容用の内部空間Ar1に対応する1つのメッシュM’に対し、X軸2つ、Y軸2つ、Z軸2つの計6軸に沿った伝熱式を用いればよいので、有限要素法又は有限体積法を用いた全メッシュ計算に比べて、計算コストを必要最小限に抑制することが可能となる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、比較的小さな断熱容器で、収容用の内部空間の全面を一方(例えばX軸)から1つの蓄熱材で覆う例である。しかし、図10Aに示す第2実施形態のように、断熱容器が大きくなり、内部空間の全面を一方(例えばX軸)から1つの蓄熱材で覆うことができず、蓄熱材をX軸に沿って内部空間に投影した場合に蓄熱材が配置されていない領域が生じる場合や使用する蓄熱材の種類が異なる場合がある。例えば、図10Aの例では、x11軸には、蓄熱材21が配置されているが、x12軸には蓄熱材が配置されていないため、x11軸を通ってメッシュM’に至る熱量と、x12軸を通ってメッシュM’に至る熱量が異なる。また、x11軸に配置される蓄熱材21と、x13軸に配置される蓄熱材21’は種類が異なり、比熱などの各種パラメータが異なるので、x11軸を通ってメッシュM’に至る熱量と、x13軸を通ってメッシュM’に至る熱量が異なる。
このように、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸、Y軸及びZ軸のうち、少なくともいずれかの軸に沿った物質配列パターンが複数存在する場合に、各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データが記憶部11に記憶されている。図10Aの例では、x11軸、x12軸、x13軸に沿った各物質配列パターンに対応する伝熱式データが記憶部11に記憶されている。また、記憶部11には、図10Bに示すように、各々の物質配列パターンがメッシュM’に占める面積に関する面積データを記憶する。例えば、図10Bにて蓄熱材21が占める領域は右上がりで間隔の広い斜線で示す領域であり、その面積はAx11である。同図にて蓄熱材21’が占める領域は左上がり斜線であり、その面積はAx13である。同図にて蓄熱材が配置されていない領域は十字状に配置された右上がりで間隔の狭い斜線であり、その面積がAx12である。この場合、メッシュM’の表面積Ax1=Ax11+Ax12+Ax13となる。
熱移動量算出部12は、各々の物質配列パターン(x11軸、x12軸、x13軸)に対応する伝熱式データと、各々の物質配列パターンが温度算出対象となるメッシュM’に占める面積(Ax11、Ax12、Ax13)とに基づき、各々の物質配列パターン(x11軸、x12軸、x13軸)毎に温度対象となるメッシュM’に出入りする単位時間あたりの熱量「Ax11(q+qx11、Ax12(q+qx12、Ax13(q+qx13」を算出する。熱移動量算出部12は、物質配列パターン毎に算出した算出結果を合計することで、温度算出対象となるメッシュM’に出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する。図10の例では、次の式(10)を用いる。
x1(q+qx1=Ax11(q+qx11+Ax12(q+qx12+Ax13(q+qx13 …(10)
上記構成の装置1の動作は次の通りである。図8に示すように、ステップST2において、熱移動量算出部12(図1参照)は、温度算出対象となるメッシュM’を通るX軸、Y軸及びZ軸のうち、少なくともいずれかの軸に沿った物質配列パターンが複数存在する場合に、各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データ14を記憶部11から読み出す。
次のステップST3において、熱移動量算出部12は、各々の物質配列パターン(x11軸、x12軸、x13軸)に対応する伝熱式データ14と、各々の物質配列パターンが温度算出対象となるメッシュM’に占める面積(Ax11、Ax12、Ax13)とに基づき、各々の物質配列パターン(x11軸、x12軸、x13軸)毎に温度対象となるメッシュM’に出入りする単位時間あたりの熱量「Ax11(q+qx11、Ax12(q+qx12、Ax13(q+qx13」を算出する。次に、熱移動量算出部12は、各計算結果を合計することで温度対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する。
この構成又は方法によれば、種々の蓄熱材の配置や複数種類の蓄熱材を用いた場合でも、これら物質の配列パターンを考慮した熱量計算が可能となるので、温度を精度良く予測することが可能となる。なお、図10A及び図10Bに示す例は一例であり、これに限定されるものではない。
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、収容用の内部空間に対応する温度算出対象となるメッシュM’の温度が一様であるとしているが、内部空間又は内部空間に収容された収容物が自然対流を許容する流動体(液体や気体)である場合には、温度が一様に分布しない。すると、算出結果と実際の温度とに誤差が生じてしまう。例えば、蓄熱材を保冷剤として場合には、内部空間の上方の温度が高く、下方の温度が低くなることが考えられる。
そこで、内部空間又は内部空間に収容された収容物の自然対流を考慮するために、図2及び図9に示すように、断熱容器20内において蓄熱材21を除く収容用の内部空間Ar1が温度算出対象としての1つのメッシュM’に対応するように、解析対象となる空間が複数のメッシュに区画されていることを前提とする。そして、図12Aに示すように、温度算出対象となるメッシュM’を、高さ方向に積層する複数(本実施形態では3つ)の小領域(F、F、F)に分割する。
各々の小領域(F、F、F)に出入りする単位時間あたりの熱量(Q、Q、Q)は、メッシュM’に対してX軸、Y軸及びZ軸に沿って出入りする単位時間あたりの熱量と、小領域間の単位時間あたりの対流熱量(Qn1、Qn2)とに基づき算出可能である。鉛直方向となるZ軸に沿ってメッシュM’に出入りする熱量は、鉛直方向の上方及び下方にある小領域にそれぞれ出入りする。例えば、図10に示すように、z軸であれば、小領域Fに出入りし、z軸であれば、小領域Fに出入りする。水平方向となるX軸及びY軸に沿ってメッシュM’に出入りする熱量は、各々の小領域(F、F、F)に均等分割されて入力する。例えば、図10に示すように、x軸及びx軸に沿った熱量は、小領域(F、F、F)に三等分される。
図12Aの例では、各々の小領域(F、F、F)に対する単位時間あたりの熱量総和(Q、Q、Q)[W]は、次の式(11)〜(13)で表現できる。
={1/3}{Ax1(q+qx1+Ax2(q+qx2+Ay1(q+qy1+Ay2(q+qy2}+Az1(q+qz1−Qn1 …(11)
={1/3}{Ax1(q+qx1+Ax2(q+qx2+Ay1(q+qy1+Ay2(q+qy2}−Qn2+Qn1 …(12)
={1/3}{Ax1(q+qx1+Ax2(q+qx2+Ay1(q+qy1+Ay2(q+qy2}+Az2(q+qz2+Qn2 …(13)
各々の小領域(F、F、F)の単位時間経過後の温度は、上述した式(2)を用いて算出できる。
小領域間の単位時間あたりの対流熱量(Qn1、Qn2)[W]は、次の式(14)〜(18)で表現できる。
Figure 0006465582
ただし、熱量はQ[W]、熱伝達係数はh[W・m−2・K−1]、表面積はA[m]、温度はT[K]、小領域の境界の底面からの距離はD[m]、内部空間又は収納物の動粘度はv[m・s−1]、内部空間又は収納物の体膨張係数はα[K−1]、重力加速度はg[m・s−2]、内部空間又は収納物の比熱はCp[J・Kg−1・K−1]、内部空間又は収納物の粘度はη[Pa・s−1]、内部空間又は収納物の熱伝導度はλ[W・m−1・K−1]、内部空間又は収納物の温度はT[K]、周辺壁面の平均温度はT[K]である。ここで、周辺壁面とは、内部空間Ar1に面した側面を意味し、周辺壁面の平均温度は、図12B及び式(19)で表される。
Figure 0006465582
図12Bに示す側面xw1の温度はTxw1であり、側面xw2の温度はTxw2であり、側面yw1の温度はTyw1であり、側面yw2の温度はTyw2である。
プラントル数Prは、式(17)と予め設定されたパラメータにより算出可能である。グラスホフ数Grは、式(18)と予め設定されたパラメータにより算出可能である。上記式(14)〜(18)で表現される、小領域間の単位時間あたりの対流熱量に関する対流熱式データ14eは、図11に示すように、伝熱式データ14の一部として記憶部11に記憶されている。
図11に示すように、装置1は、小領域熱量算出部18と小領域温度算出部19とを有する。
小領域熱量算出部18は、熱移動量算出部12により算出される温度算出対象となるメッシュM’に出入りする単位時間あたりの熱量総和と対流熱式データ14eとに基づき、式(11)〜(18)を用い、各々の小領域(F、F、F)に出入りする単位時間あたりの熱量総和(Q、Q、Q)を算出する。
小領域温度算出部19は、小領域熱量算出部18により算出された熱量総和(Q、Q、Q)に基づき、式(2)を用いて単位時間経過後の小領域の温度を算出する。
上記構成の装置1の動作について説明する。第1実施形態の図8におけるステップST4の処理が、図13に示す内部空間温度算出処理に置き換わる。すなわち、小領域熱量算出部18は、ステップST101において、温度算出対象となるメッシュM’を高さ方向に積層する複数の小領域(F、F、F)に分割した場合に、小領域間の単位時間あたりの対流熱量に関する対流熱式データを含む前記伝熱式データを記憶部から読み出す。
次のステップST102において、小領域熱量算出部18は、温度算出対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和(熱移動量算出部12が算出)と対流熱式データ14eとに基づき、各々の小領域(F、F、F)に出入りする単位時間あたりの熱量総和(Q、Q、Q)を算出する。
次のステップST103において、小領域温度算出部19は、小領域熱量算出部18が算出した結果に基づき単位時間経過後の小領域の温度を算出する。
上記構成又は方法によれば、小領域(F、F、F)の間の対流を考慮して小領域(F、F、F)毎に温度が算出可能となり、実際の温度分布に精度を近づけることが可能となる。
第3実施形態では、温度算出対象となるメッシュM’を高さ方向に積層する3つの小領域に分割しているが、少なくとも2つ以上に分割すれば、その数は適宜変更可能である。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…装置
11…記憶部
12…熱移動量算出部
13…温度算出部
14…伝熱式データ
14e…対流熱式データ
17…比熱記憶部
18…小領域熱量算出部
19…小領域温度算出部
20…断熱容器
21…蓄熱材
Ar1…収容用の内部空間

Claims (17)

  1. 蓄熱材を収容した断熱容器内温度を算出する装置であって、
    前記蓄熱材と前記断熱容器とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュを通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データを記憶する記憶部と、
    予め設定された解析条件と前記伝熱式データを用い、前記X軸上のメッシュ群、前記Y軸上のメッシュ群及び前記Z軸上のメッシュ群に沿って前記温度算出対象となるメッシュに対して出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する熱移動量算出部と、
    前記熱量総和を用いて、前記温度算出対象となるメッシュの単位時間経過後の温度を算出する温度算出部と、
    を備える断熱容器内の温度算出装置。
  2. 前記伝熱式には、熱伝導及び境膜熱伝達に関する式を含む請求項1に記載の装置。
  3. 前記伝熱式には、放射伝熱に関する式を更に含む請求項2に記載の装置。
  4. 前記蓄熱材の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データを記憶する比熱記憶部を備え、
    前記蓄熱材に対応するメッシュでの熱量計算には、前記比熱記憶部に記憶されている前記温度依存比熱データのうち現時点の蓄熱材の温度に対応する比熱を読みだして用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記断熱容器内において前記蓄熱材を除く収容用の内部空間が前記温度算出対象としての1つのメッシュに対応するように、前記解析対象となる空間が複数のメッシュに区画されている請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記温度算出対象となるメッシュを通るX軸、Y軸及びZ軸について、軸に沿った物質配置パターンは、各軸において単一のパターンが設定されている請求項5に記載の装置。
  7. 前記温度算出対象となるメッシュを通るX軸、Y軸及びZ軸のうち、少なくともいずれかの軸に沿った物質配列パターンが複数存在する場合に、各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データが前記記憶部に記憶されており、
    前記熱移動量算出部は、前記各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データと、前記各々の物質配列パターンが前記温度算出対象となるメッシュに占める面積とに基づき、各々の物質配列パターン毎に前記温度対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量を算出し、各計算結果を合計することで前記温度対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する請求項5に記載の装置。
  8. 前記温度算出対象となるメッシュを高さ方向に積層する複数の小領域に分割した場合に、前記小領域間の単位時間あたりの対流熱量に関する対流熱式データが前記記憶部に記憶されており、
    前記熱移動量算出部により算出される温度算出対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和と前記対流熱式データとに基づき、前記各々の小領域に出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出する小領域熱量算出部と、
    前記小領域熱量算出部により算出された前記熱量総和に基づき単位時間経過後の小領域の温度を算出する小領域温度算出部と、を備える請求項5〜7のいずれかに記載の装置。
  9. 蓄熱材を収容した断熱容器内温度をコンピュータが算出する方法であって、
    前記蓄熱材と前記断熱容器とを含む解析対象となる空間をX軸、Y軸及びZ軸に沿って複数のメッシュに区画した場合に、温度算出対象となるメッシュを通るX軸上のメッシュ群、Y軸上のメッシュ群及びZ軸上のメッシュ群それぞれに、メッシュを占める物質に応じた伝熱式を設定した伝熱式データを記憶部から読み出すステップと、
    予め設定された解析条件と前記伝熱式データを用い、前記X軸上のメッシュ群、前記Y軸上のメッシュ群及び前記Z軸上のメッシュ群に沿って前記温度算出対象となるメッシュに対して出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出するステップと、
    前記熱量総和を用いて、前記温度算出対象となるメッシュの単位時間経過後の温度を算出するステップと、
    を含む、断熱容器内の温度算出方法。
  10. 前記伝熱式には、熱伝導及び境膜熱伝達に関する式を含む請求項9に記載の方法。
  11. 前記伝熱式には、放射伝熱に関する式を更に含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記蓄熱材に対応するメッシュの熱量を計算する際に、前記蓄熱材の比熱を温度毎に関連付けた温度依存比熱データのうち、現時点の蓄熱材の温度に対応する比熱を読みだして熱量計算に用いる、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記断熱容器内において前記蓄熱材を除く収容用の内部空間が前記温度算出対象としての1つのメッシュに対応するように、前記解析対象となる空間が複数のメッシュに区画されている請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記温度算出対象となるメッシュを通るX軸、Y軸及びZ軸について、軸に沿った物質配置パターンは、各軸において単一のパターンが設定されている請求項13に記載の方法。
  15. 前記温度算出対象となるメッシュを通るX軸、Y軸及びZ軸のうち、少なくともいずれかの軸に沿った物質配列パターンが複数存在する場合に、各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データを記憶部から読み出すステップと、
    前記各々の物質配列パターンに対応する伝熱式データと、前記各々の物質配列パターンが前記温度算出対象となるメッシュに占める面積とに基づき、各々の物質配列パターン毎に前記温度対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量を算出するステップと、
    各計算結果を合計することで前記温度対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出するステップと、を含む請求項13に記載の方法。
  16. 前記温度算出対象となるメッシュを高さ方向に積層する複数の小領域に分割した場合に、前記小領域間の単位時間あたりの対流熱量に関する対流熱式データを記憶部から読み出すステップと、
    前記温度算出対象となるメッシュに出入りする単位時間あたりの熱量総和と前記対流熱式データとに基づき、前記各々の小領域に出入りする単位時間あたりの熱量総和を算出するステップと、
    前記各々の小領域に出入りする単位時間あたりの熱量総和に基づき単位時間経過後の小領域の温度を算出するステップと、を含む請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 請求項9〜16のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
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