JP6456270B2 - 遊技機 - Google Patents

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誠太郎 安藤
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本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機では、本体枠と扉枠との隙間からピアノ線等の細長い不正工具を遊技領域内に侵入させて、受入口への遊技媒体の受入れを検知するセンサを誤作動させたり、遊技領域内に植設された障害釘を曲げたりする不正行為が行われる問題があった。この問題に対して、扉枠を開閉可能に支持する一対のヒンジ機構の間に、弾性変形可能な板状のガイド部を備え、扉枠と本体枠の間にバール等を挿入して隙間を広げようとしても、弾性変形するガイド部によって隙間を覆って不正工具を挿入することができないようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−73340号公報
しかしながら、従来の遊技機では、線材を取り付けた遊技媒体を、通常の遊技媒体と同様に貯留部から遊技領域内へ発射して行うような不正行為については考慮されていなかった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、遊技媒体に線材を付着して行われる不正行為を抑止することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
本発明は、
複数の遊技球を貯留可能な貯留手段と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を通過口を介して発射位置に送り出す球送り手段と、
前記球送り手段により前記発射位置に送り出された遊技球を遊技領域に向けて一つずつ発射可能な発射手段と、
前記球送り手段に設けられる金属板材と、
を具備する遊技機であって、
前記金属板材は、一端側から他端側へ向かって伸びる分割線を境にした一方側の片部である第1板面部と、該分割線を境にした他方側の片部を含む第2板面部とを有し、前記第1板面部を前記第2板面部に対して屈曲させて、前記分割線に沿って略V字状に離間した隙間を前記第1板面部と前記他方側の片部との間に形成、遊技球に付された線材が前記隙間に進入することによって切断されうるようにしておくことで、線材を用いた不正行為を困難にするものであり
前記球送り手段には、前記隙間と前記通過口とが連通するように前記金属板材を収容可能な収容部が形成され、
前記球送り手段は、前記収容部に収容された前記金属板材に遊技球が接触することを防止する接触防止部を有する
ことを特徴とする。
上述した本発明によれば、遊技球に線材を付着して行われる不正行為を抑止することが可能な遊技機を提供することができる。
また、本発明とは別に開示する別発明の適用例を以下に示す。
[適用例1]
遊技機であって、
遊技媒体が所定領域を通過したことに応じて抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
遊技者に特典を付与する当りであるか否かの抽選を、前記抽選情報取得手段によって取得された前記抽選情報に応じて行うことが可能な抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が、特定の当りである場合に、前記遊技者が、前記遊技媒体を獲得可能な当り遊技を実行する当り遊技手段と、
第1種遊技状態と、前記第1種遊技状態と比べて遊技者に有利な第2種遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の中から1つの遊技状態を選択して実現可能な手段であって、前記抽選が、前記特定の当りのうちの第1種当りに当選したことに応じて、前記第1種遊技状態を実現可能であり、前記抽選が、前記特定の当りのうちの第2種当りに当選したことに応じて、前記第2種遊技状態を実現可能な遊技状態実現手段と、
表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して前記表示手段を利用して行われる表示演出を特定する変動表示パターンを、前記変動表示パターンの候補を定める1以上の候補情報を利用して決定する変動表示パターン決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って、前記表示演出を前記表示手段で実現する演出制御手段と、
を備え、
前記変動表示パターン決定手段は、
前記特定の当りに当選したことを契機として、特定演出が実行され得るモード演出を実現するために、前記変動表示パターンを、前記1以上の候補情報のうち、予め指定される候補情報を参照して決定するモード中変動表示パターン決定手段を含み、
前記演出制御手段は、
前記モード中変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って前記表示演出を実行することで、前記特定の当りに当選後に、前記モード演出を実行するモード演出制御手段を含み、
前記モード演出制御手段は、
前記モード中変動表示パターン決定手段で特定の変動表示パターンが決定された場合に、前記モード演出中の前記特定演出を実行し、
前記モード中変動表示パターン決定手段は、
前記演出制御手段が前記モード演出を実行している場合において、前記遊技状態実現手段によって前記第2種遊技状態が実現されている場合には、前記遊技状態実現手段によって前記第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、高い選択率で前記特定の変動表示パターンを選択する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、モード演出を実行している場合において、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定の変動表示パターンの選択率が高い構成となっている。すなわち、モード演出を実行している場合であって、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定演出の出現率が高い構成となっている。従って、モード演出の実行中において、特定演出の出現率が高ければ、第2種遊技状態である可能性が高く、逆に、特定演出の出現率が低ければ、第1種遊技状態である可能性が高い。これにより、遊技者に、遊技状態が第2種遊技状態(有利遊技状態)であることの可能性を示唆することができる。その結果、遊技者が、遊技状態が第2種遊技状態(有利遊技状態)であるにも拘わらずに遊技を止めてしまい、不利益を被ることを抑制することができ、遊技意欲を向上させることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、モード演出を実行している場合において、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定演出の出現率が高い構成となっている。言い換えれば、モード演出実行中に、特定演出の出現率が高ければ、遊技状態は、第1種遊技状態よりも第2種遊技状態の可能性が高い構成となっている。このようにすれば、モード演出実行中において、遊技者は、特定演出の出現を強く期待する。従って、遊技者の表示演出に対する関心を向上させることができ、その結果、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の遊技機であって、
前記当り遊技手段は、
前記抽選結果が前記第1種当りに含まれる第1種遊技媒体多当りである場合と、前記抽選結果が前記第2種当りに含まれる第2種遊技媒体多当りである場合とのそれぞれにおいて、前記抽選結果が前記第1種当りに含まれる第1種遊技媒体少当りである場合と、前記抽選結果が前記第2種当りに含まれる第2種遊技媒体少当りである場合のいずれよりも、前記遊技者が前記遊技媒体を多く獲得可能に、前記当り遊技を実行し、
前記遊技状態実現手段は、
前記抽選が、前記第1種遊技媒体少当りおよび前記第1種遊技媒体多当りのいずれに当選した場合であっても、前記第1種遊技状態を実現可能であり、
前記抽選が、前記第2種遊技媒体少当りおよび前記第2種遊技媒体多当りのいずれに当選した場合であっても、前記第2種遊技状態を実現可能であり、
前記遊技機は、
前記第1種遊技媒体多当りに対する前記第2種遊技媒体多当りの比率は、前記第1種遊技媒体少当りに対する前記第2種遊技媒体少当りの比率よりも高く、
前記演出制御手段は、
前記抽選結果が、前記第1種遊技媒体少当りおよび前記第2種遊技媒体少当りである場合には、前記表示手段に前記遊技媒体の獲得可能数が比較的少ない当りであることを示唆する第1示唆表示を行い、前記抽選結果が、前記第1種遊技媒体多当りおよび前記第2種遊技媒体多当りである場合には、前記表示手段に前記遊技媒体の獲得可能数が比較的多い当りであることを示唆する第2示唆表示を行う当り示唆手段を備える、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、第1種遊技媒体多当りに対する第2種遊技媒体多当りの比率は、第1種遊技媒体少当りに対する第2種遊技媒体少当りの比率よりも高い構成である。すなわち、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比べて、第2種遊技状態へ移行する当りに当選している可能性が高い。さらに、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比べて、特定の変動表示パターンが選択され易い構成である。従って、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比較して、特定の変動表示パターンが選択され易く特定演出が出やすいので、遊技者に、第2示唆表示がなされた場合には、第1示唆表示がなされた場合よりも、モード演出中において、第2種遊技状態(有利遊技状態)であることへの高い期待感を抱かせることができる。その結果、第2示唆表示がなされた場合に、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。
また、第1種遊技媒体少当りおよび第2種遊技媒体少当りである場合には、表示手段に遊技媒体の獲得可能数が比較的少ない当りであることを示唆する第1示唆表示を行い、抽選結果が、第1種遊技媒体多当りおよび第2種遊技媒体少当りである場合には、表示手段に遊技媒体の獲得可能数が比較的多い当りであることを示唆する第2示唆表示を行う。このように、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比較して、上記のように特定演出が出やすいことに加えて、当り遊技における獲得遊技媒体が多くなる。すなわち、遊技者にとって第1示唆表示よりも第2示唆表示の方が価値が高い。従って、抽選結果が示唆される際に、遊技者に対して、第2示唆表示の出現を期待させることができるので、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。
以上から、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例3に記載の遊技機であって、
前記モード中変動表示パターン決定手段は、
前記モード演出を実現するための前記変動表示パターンを、前記1以上の候補情報のうち、予め指定される1つの候補情報の中から決定する、
遊技機。
上記構成によれば、モード演出を実現するための変動表示パターンを、候補情報のうち、予め指定される1つの候補情報の中から決定するので、モード演出を実現するための変動表示パターンを、複数の候補情報の中から決定する場合と比較して、候補情報の設計および候補情報選択の制御を容易にすることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、上述した遊技機に限らず、遊技機の制御装置や表示装置など他の装置発明としての態様で実現可能である。また、遊技機の制御方法や、遊技機の表示装置における画像の表示方法などの方法発明としての態様でも実現可能である。さらに、かかる装置や方法を構築するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することも可能である。
実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面斜視図である。 外枠の右側面図である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 (A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の右後方から見た斜視図である。 扉枠を正面から見た分解斜視図である。 扉枠を背面から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図である。 扉枠と本体枠とを電気的に接続する配線の様子を拡大して示す斜視図である。 (A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 左サイド装飾ユニットの断面図である。 左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。 扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図である。 扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの正面斜視図である。 扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。 (A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。 操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図である。 操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。 操作ユニットの断面図である。 操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。 (A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。 (A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。 球送りユニットの背面図である。 (A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。 (A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。 扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。 扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。 本体枠の正面図である。 本体枠の背面図である。 本体枠の正面斜視図である。 本体枠の背面斜視図である。 本体枠の左側面図である。 本体枠を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を分解して後から見た斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。 本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。 本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの正面斜視図である。 本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。 賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。 賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。 賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。 賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。 本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における基板ユニットの正面斜視図である。 本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。 基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。 基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。 (A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。 (A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。 (A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。 裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図である。 裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。 (A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。 (A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。 錠装置を分解して後から見た分解斜視図である。 錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図である。 錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。 パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。 (A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。 図100等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図103を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 図103の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。 図103等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図である。 図106を後から見た遊技盤の分解斜視図である。 パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。 本体枠内に遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め後から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図114の遊技盤を斜め後から見た分解斜視図である。 遊技盤における表ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 第一始動口及び第一入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 第一入賞装置ユニットの羽根が閉じた状態を示す正面図である。 第一入賞装置ユニットの羽根が開いた状態を示す正面図である。 第一入賞装置ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 第一入賞装置ユニットにおける駆動手段を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 駆動手段の機構部を斜め前から見た斜視図である。 第二入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図である。 第二入賞装置ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 第二入賞装置ユニットにおける駆動機構部を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 駆動機構部の下側駆動部を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 サイド装飾ユニットを斜め前から見た斜視図である。 サイド装飾ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 センタ役物を斜め前から見た斜視図である。 センタ役物の正面図である。 センタ役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 センタ役物のロゴユニットを斜め前から見た斜視図である。 ロゴユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 センタ役物の七セグ表示ユニットを斜め前から見た斜視図である。 七セグ表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図135の七セグ表示ユニットを斜め後から見た分解斜視図である。 (a)はセンタ役物の状態表示ユニットを斜め前から見た斜視図であり、(b)は状態表示ユニットの正面図である。 状態表示ユニットの縦断面を斜め前から見た斜視図である。 状態表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図139の状態表示ユニットを斜め後から見た分解斜視図である。 センタ役物の可動役物ユニットを斜め前から見た斜視図である。 (a)は可動役物ユニットを、役物装置と図柄表示装置とに分解して斜め前から見た分解斜視図であり、(b)は分解したものを斜め後から見た分解斜視図である。 役物装置を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図143の役物装置を斜め後から見た分解斜視図である。 役物装置における可動装飾部を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図柄表示装置を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 (a)は可動装飾部が挿入された状態を示す可動役物ユニットの縦断面図であり、(b)は可動装飾部と発光基板との関係を示す斜視図である。 裏ユニットを斜め前から見た斜視図である。 裏ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 裏ユニットにおけるシャッター役物(シャッター体が開いた状態)を斜め前から見た斜視図である。 シャッター役物(シャッター体が閉じた状態)を斜め前から見た斜視図である。 シャッター体が閉じた状態の遊技盤を斜め前から見た斜視図である。 シャッター役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図153のシャッター役物を斜め後から見た分解斜視図である。 シャッター体の左側遮蔽部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 シャッター体の右側遮蔽部材を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 シャッター役物の上側支持駆動ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 上側支持駆動ユニットの伝達機構を斜め前から見た斜視図である。 裏ユニットのキャラクタ駆動役物を斜め前から見た斜視図である。 キャラクタ駆動役物の可動装飾ユニットが下降した状態を斜め前から見た斜視図である。 可動装飾ユニットが反転した状態を斜め前から見た斜視図である。 キャラクタ駆動役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 可動装飾ユニットの縦断面を斜め前から見た斜視図である。 可動装飾ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 液晶ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。 裏ユニットの一部を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 液晶支持ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。 パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。 パチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図である。 図169のつづきを示すブロック図である。 発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図である。 シャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図である。 DC/DCコンバータの特性を示す図である。 図171の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。 主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、 電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。 タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。 特別制御処理の一例を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動中処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。 大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。 サブメイン処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御処理の一例を示すフローチャートである。 装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。 テーブル移行表TIを示す図である。 総合変動表示パターンテーブルHTを示す図である。 液晶表示装置1900で実行されているメータ増加演出の例を示す図である。 リーチ振り分けテーブルRTを示す図である。 センタ役物2400の正面図である。 動作制御パターンテーブルMTを示す図である。 発光制御パターンテーブルLTを示す図である。 周辺制御基板の変形例を示す図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。ここで、ハンドル装置500が本発明の操作ハンドルに相当する。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘G(図110を参照)、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図108を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠体12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠体12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図63を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図66等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図93を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性片27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図63を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図63等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図28を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図27は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図28は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線(図示は省略)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている。このカバー部材134は、配線をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線が邪魔にならないように配線を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体110の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線コード196(図28を参照)の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図25及び図26等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体110の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図26を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図26に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための二つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図25に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付部110gや、サイドスピーカカバー338を取付けるための取付孔110h(図18等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
更に、扉枠ベース本体110は、その前面側で左右のスピーカ取付部111の上側に形成され、略三角形状に後方へ窪んだ浅い皿状の防犯凹部120を備えている。この防犯凹部120内には、前側から浅い箱状に形成された防犯部材121が挿入されるようになっている。防犯部材121は、金属板を屈曲させて前側が開放された浅い箱状に形成されている。これにより、パチンコ機1の内部に対して不正行為を行うために、例えば、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との接合部位から細いドリル等により穴を開けられてしまうのを金属製の防犯部材121によって阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図25乃至図27等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図27及び図28等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コード196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図25及び図26等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図25及び図26に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図25に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図25を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図108を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図108を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図25及び図26を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ベースユニット100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図29乃至図31を参照して説明する。図29(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図30は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図31は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の外面を形成し略紡錘状の複数の湾曲面を有したサイドレンズ210と、サイドレンズ210の後側に配置されるサイドインナーレンズ212と、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドレンズ210の右上隅に取付けられるサイドアウターカバー202と、サイドレンズ210の前面で且つ遊技窓101の周方向に所定間隔で配置されると共に遊技窓101の略中央を中心として放射状に延びた複数のサイド閃光レンズ204と、サイドインナーレンズ212における左上部とサイドレンズ210との間に配置されるサイド上部インナーレンズ206と、サイド上部インナーレンズ206をサイドインナーレンズ212に取付けるためのインナーレンズブラケット208と、サイド上部インナーレンズ206に取付けられる右上部スピーカ222と、を備えている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイドアウターカバー202、サイド閃光レンズ204、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が、透光性の部材によって形成されており、サイドアウターカバー202、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が略無色透明に、サイド閃光レンズ204が有色透明(本例では赤色)とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212及びサイド上部インナーレンズ206の表面には、複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、及びサイド上部インナーレンズ206の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210は、図示するように、正面視で右端及び上端が扉枠ベース本体110の外周に沿った直線状に形成されていると共に、左端が遊技窓101の右側外周に沿った湾曲状に形成されている。このサイドレンズ210は、略紡錘状の複数の湾曲面からなる周レンズ部210aと、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ複数に分割すると共に遊技窓101と略同心円状に延びた複数のプリズム面からなる放射レンズ部210bと、を備えている。このサイドレンズ210における複数の放射レンズ部210bは、図示するように、正面視で遊技窓101の中央下部を中心とした放射線上に延びるように形成されていると共に、周レンズ部210aの前面よりも後方へ窪んだ状態に形成されており、その窪みにサイド閃光レンズ204が挿入されるようになっている。
また、サイドレンズ210は、右側面に、前後方向へ延びると共に上下方向へ列設されたサイド拡散レンズ部210cを備えている。このサイド拡散レンズ部210cにより、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216からの光をパチンコ機1の右方向及び上下方向へ広く拡散させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ210における右上部スピーカの下側に該当する部位には、複数の貫通孔が形成されており、右上部スピーカからのサウンドを遊技者側へ良好に伝達させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、略無色透明でサイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210aと対応した部位がシワ状に形成されていると共に、放射レンズ部210bと対応した部位が平坦面状に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の周レンズ部210aに対応したシワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されている。このサイドインナーレンズ212は、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができ、前側に配置されるサイドレンズ210と協同して右サイド装飾ユニット200の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイドレンズ210の周レンズ部210aと対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイドレンズ210の放射レンズ部210bと対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色と緑色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、サイド上部インナーレンズ206により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持するサイド上部インナーレンズ206は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって延びた円筒状のホーン部を備えており、ホーン部の上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されて正面視では右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、サイド上部インナーレンズ206のホーン部によって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、このサイド上部インナーレンズ206もまた、サイドインナーレンズ212と同様に、その前面がシワ状に形成されていると共に、シワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されており、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド閃光レンズ204は、サイドレンズ210の後方へ窪んだ放射レンズ部210bの前側に挿入配置されるようになっており、紡錘状の複数の湾曲面によりゴツゴツした岩場を模したサイドレンズ210にアクセントを付けることができるようになっている。また、サイド閃光レンズ204は、後側に配置される右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216のLED214b,216aの発光により、放射状の発光演出を行うことができると共に、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ分割させて夫々を強調させることができるようになっている。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図32乃至図36を参照して説明する。図32(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図33は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図34は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図35は左サイド装飾ユニットの断面図であり、図36は左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、右側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、左側及び上側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200とは非対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、右サイド装飾ユニット200の幅と略同じ幅で遊技窓101の周方向へ延びた複数の大窓枠242a、及び大窓枠242a同士の間に配置される楕円状の小窓枠242bを有した枠状のサイド下装飾フレーム242と、サイド下装飾フレーム242の上側に連続し遊技窓101の周方向へ延びると共に列設された二つの大窓枠244a、及び大窓枠244a同士の間に配置される一つの楕円状の小窓枠244bを有した枠状のサイド上装飾フレーム244と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の各小窓枠242a,244aに対して後側から嵌込まれるサイド閃光レンズ246と、サイド閃光レンズ246を後側から支持すると共にサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに対して後側から嵌込まれる周レンズ部250aを複数有した透明なサイドレンズ250と、サイドレンズ250における周レンズ部250aの後側に配置され遊技窓101の周方向に延びた複数のスリット251aが形成され表面に金属光沢を有するメッキ層を備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置され遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aを有するサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の前側且つ正面視右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイドインナーレンズ252の前面右上部に取付けられる透明な上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264の前面に取付けられ正面視右上のインナー装飾部材251内に後側から挿入され左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部266aを有する右上インナーレンズ266と、を備えている。なお、左上部スピーカ262は、サウンドを透過可能な金属板からなる保護板268を挟むように上部スピーカブラケット264に取付けられている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242、サイド上装飾フレーム244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、インナー装飾部材251の表面には所定色(本例では、銀色)のメッキ層が備えられている。また、サイド閃光レンズ246は、透光性を有し全体が乳白色の合成樹脂により形成されている。また、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び右上インナーレンズ266は、略無色透明の合成樹脂によって形成されている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における夫々の小窓枠242b,244bの両側(遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射線状の軸線方向に対して小窓枠242b,244bを挟んだ両側)には、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の側面まで切欠いた状態で貫通する開口枠242c,244cが形成されており、小窓枠242b,244b及び両側の開口枠242c,244cが後側からサイド閃光レンズ246によって閉鎖されるようになっている。従って、遊技者側からは、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244cの後側が、乳白色のサイド閃光レンズ246によって視認できないようになっている。
一方、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における大窓枠242a,244aには、後側から透明なサイドレンズ250における周レンズ部250aが挿入されて閉鎖されており、透明な周レンズ部250aを通して後側に配置されたインナー装飾部材251が遊技者側から視認できるようになっている。このインナー装飾部材251の後側には、サイドインナーレンズ252の拡散部252aが位置しており、拡散部252aで光が乱屈折することでインナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側を明確に視認することができないようになっている。つまり、インナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。
また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の左側外周に沿って上下方向へ延びた形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数の大窓枠242aと、大窓枠242a同士の間に配置され前後方向へ貫通した略楕円形状の小窓枠242bと、小窓枠242bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠242cと、を備えており、合成樹脂により形成されている。
サイド下装飾フレーム242は、大窓枠242aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠242b及び開口枠242cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド下装飾フレーム242は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイド上装飾フレーム244は、サイド下装飾フレーム242の上端に連続し遊技窓101の左上側外周から上側外周にかけて延びた正面視が略三角形状の形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド上装飾フレーム244は、遊技窓101に沿って延び前後方向に貫通した二つの大窓枠244aと、大窓枠244a同士の間に配置され前後方向に貫通した略楕円形状の小窓枠244bと、小窓枠244bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠244cと、を備えており、合成樹脂によって形成されている。
このサイド上装飾フレーム244は、大窓枠244aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠244b及び開口枠244cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド上装飾フレーム244は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。サイド上装飾フレーム244は、左サイド装飾ユニット240として組立てた状態では、サイド下装飾フレーム242と連続した意匠を形成するようになっている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244は、黒色に着色されており、大窓枠242a,244a、小窓枠242b,244b、及び開口枠242c,244cから臨むサイドレンズ250やサイド閃光レンズ246が強調されて見えるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242とサイド上装飾フレーム244とを組合せた大きさとされ、遊技窓101の左側及び上側で中央よりも左側に亘る大きさとされている。このサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに後側から嵌め込まれる周レンズ部250aと、周レンズ部250a同士の間で後側へ窪んだ形態に形成され前側にサイド閃光レンズ246が配置される放射レンズ部250bと、を備えている。サイドレンズ250は、周レンズ部250aが夫々滑らかに湾曲した一つの曲面により形成されており、放射レンズ部250bが略平坦な面により形成されている。また、サイドレンズ250は、透明な合成樹脂により形成されており、後側が視認できるようになっている。
更に、左サイド装飾ユニット240におけるインナー装飾部材251は、サイドレンズ250における各周レンズ部250aの後側に配置され、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えている。インナー装飾部材251は、図示するように、複数のスリット251aが、遊技窓101の外周に沿って延びると共に、遊技窓101の中央を中心として同心円状となるように、その幅方向に対しても複数備えられている。また、インナー装飾部材251は、複数のスリット251aが形成された前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aの内面に略沿った湾曲状に形成されている。なお、本例のインナー装飾部材251は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層を有しており、透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを通して遊技者側から視認できるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251の後側に配置されると共にサイドレンズ250と略同じ大きさ且つ外形形状とされ、略無色透明な合成樹脂により形成されている。サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251と対応する部位が各インナー装飾部材251の内部へ後側から挿入されるように前方へ膨出した拡散部252aが形成されている。このサイドインナーレンズ252の拡散部252aは、前面に遊技窓101の左右方向中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズが形成されており、帯状レンズの延びる方向が前側に配置されるインナー装飾部材251のスリット251aの延びる方向に対して交差(略直交)するようになっている。
サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251のスリット251aを通して拡散部252aが遊技者側から見えるようになっているが、拡散部252aに形成された複数の帯状レンズにより光が乱屈折するため、拡散部252aを通しては後側が明確には見えないようになっている。また、サイドインナーレンズ252は、図示するように、拡散部252a同士の間が略平坦面となっており、後側に配置される左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256からの光を、拡散させたり屈折させたりすることなく前方へ透過させることができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244a(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244c(サイドレンズ250の放射レンズ部250b、つまり、サイド閃光レンズ246)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部(図示は省略)を備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部の上端裏側に、左上部スピーカ262が保護板268を介して固定されるようになっており、正面視では、左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。また、金属板からなる保護板268により、左上部スピーカ262にイタズラされたり、左上部スピーカ262のコーンを破ってパチンコ機1内に不正工具が挿入されたりするのを防止することができるようになっている。本例の左上部スピーカ262は、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。
次に、本例の左サイド装飾ユニット240における特徴的な発光演出について説明する。左サイド装飾ユニット240は、上述したように、左サイド装飾ユニット240の外面を形成し湾曲した透明な周レンズ部250aを備えたサイドレンズ250と、周レンズ部250aの後側に配置され表面に金属光沢のメッキ層を有し前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置されスリット251aの延びる方向に対して交差する方向へ延びた複数の帯状レンズからなる拡散部252aを備えたサイドインナーレンズ252と、サイドインナーレンズ252の後側に配置され複数のLED254a,256aが実装された左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256と、を備えている(図35等を参照)。これにより、左サイド装飾ユニット240では、LED254a,256aを発光させると、前方へ照射された光が、サイドインナーレンズ252の拡散部252aで拡散された上でインナー装飾部材251のスリット251aを通り、サイドレンズ250の周レンズ部250aから遊技者側へと照射され、左サイド装飾ユニット240の周レンズ部250aを発光装飾させることができるようになっている。
ところで、インナー装飾部材251のスリット251aを通って前方(サイドレンズ250側)へ照射された光は、その一部が透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されると共に、残りの光が周レンズ部250aの内面で反射してインナー装飾部材251の前面を照射することとなる。そして、インナー装飾部材251に表面には銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられているので、周レンズ部250aの内面でインナー装飾部材251側へ反射した光が、インナー装飾部材251の表面(前面)で周レンズ部250a側へ反射することとなり、インナー装飾部材251の表面で反射した光の一部が周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されることとなる。
この際に、本例では、図35に示すように、周レンズ部250a、インナー装飾部材251の前面、及びサイドインナーレンズ252の拡散部252aが、夫々滑らかに湾曲しているので、内面側(後面側)で反射した光は収束し外面側(前面側)で反射した光は拡散することとなり、周レンズ部250aには、インナー装飾部材251のスリット251aを通した直接的な光と、周レンズ部250a及びインナー装飾部材251の前面で反射した間接的な光とが、夫々ずれた位置に照射されることとなる。また、インナー装飾部材251のスリット251aを通過する光は、サイドインナーレンズ252における複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aによって、スリット251aの延びた方向に対して縞状に拡散されると共に交差(略直交)する方向へ拡散される。従って、サイドレンズ250における周レンズ部250aには、スリット251aの幅よりも長くスリット251aの延びた方向に対して交差する方向へ延び、濃淡の異なる複数の縞状の光が照射(投影)されることとなり、遠近感のある幻想的な発光装飾をすることができるようになっている(図36を参照)。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。上部装飾ユニット280は、図示するように、前後方向に貫通した円環状の中央枠281a、中央枠281aの上部から左右に細長く延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の上部延出枠281b、及び中央枠281aの下部から左右に延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の下部延出枠281cを備えた前面装飾部材281と、前面装飾部材281の後側に配置され上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内を閉鎖すると共に中央枠281aの内径よりも小径の貫通孔282aを備えた透光性を有する上部レンズ282と、上部レンズ282の貫通孔282aに挿入される筒状の中央スリーブ283と、中央スリーブ283内に挿入され前方へ膨出した上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成された板状の拡散レンズ285と、拡散レンズ285の外周を保持すると共に上部レンズ282の後側に支持される環状のレンズ支持部材286と、レンズ支持部材286の後側に配置されレンズ支持部材286の内径と略同径の筒部287aを有した遮光部材287と、遮光部材287の後側に配置され遮光部材287の筒部287aの内側と対応した位置に配置された複数のLED288a、及び筒部287aの外側と対応した位置に配置された複数のLED288bが前面に実装された上部中央装飾基板288と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281、上部レンズ282、遮光部材287、及び上部中央装飾基板288を後側から支持するユニットベース289と、ユニットベース289の後側に配置され前面に複数のLED290aが実装された上部サイド装飾基板290と、上部サイド装飾基板290の後面を覆いユニットベース289の後側に取付けられる基板カバー291と、基板カバー291の後面下部に取付けられ後方に延出した取付ブラケット292と、取付ブラケット292の下側に取付けられ前面装飾部材281の下部後端から後方へ延出した上部下カバー293と、上部下カバー293の下側を多い透光性を有すると共に所定形状に造形された上部下装飾カバー294と、を備えている。
更に、上部装飾ユニット280は、基板カバー291に取付けられると共に前面装飾部材281の上部後端から後方へ板状に延出し、左右方向中央に後端側が開放された切欠き部295aを有する上部上カバー295と、上部上カバー295の切欠き部295aを閉鎖する板状の蓋部材296と、ユニットベース289の正面視右側面に取付けられ所定形状に造形された飾り部材297と、を備えている。
本例の上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の表面に、銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されており、前面装飾部材281が外部からの光によってキラキラ光るようになっている。また、上部レンズ282は、無色透明な合成樹脂により形成されており、貫通孔282aの外周で前面装飾部材281の中央枠281a内に臨む中央環レンズ部282bと、前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内に臨む延出枠レンズ部282cと、を備えている。上部レンズ282は、中央環レンズ部282bの後面に放射状に延びた複数の帯状レンズが周方向に列設されていると共に、延出枠レンズ部282cの前面に貫通孔282aの軸芯を中心とした同心円状に延びた複数のプリズムが形成されている。これにより、上部レンズ282の複数のプリズムや帯状レンズにより、光を乱屈折させることができ、上部レンズ282の後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上部中央レンズ284は、前面側が滑らかな紡錘形状に形成されているのに対して、後面側が同心円状の複数のレンズが形成されており、光を乱屈折させることができるので、後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央装飾基板288は、前面に実装された複数のLED288a,288bが夫々フルカラーLEDとされており、上部中央レンズ284と前面装飾部材281における中央枠281aの枠内で上部中央レンズ284の外周とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。更に、上部装飾ユニット280の上部サイド装飾基板290は、前面に実装された複数のLED290aが夫々フルカラーLEDとされており、それらLED290aが前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの夫々枠内と対応した位置に配置されている。この上部サイド装飾基板290は、LED290aを適宜発光させることで、前面装飾部材281の上部延出枠281bや下部延出枠281cを発光装飾させることができるようになっている。
[1−2E.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図45を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図45は、扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられる上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置される上皿上部インナー装飾部材318と、上皿前部装飾部材316における右側の部位と連続すると共に上皿上部パネル314における右側上部を覆う上皿上部右装飾部材319と、を備えている。
また、皿ユニット300は、上皿上部パネル314における左右中央から右側の下面に取付けられ表面に微細なプリズムが複数形成された板状の基板取付ベース320と、基板取付ベース320の下側に取付けられ上面に複数のLED322aが実装された上皿装飾基板322と、を備えている。この上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316の一部と上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿本体324の下辺前端を被覆し正面視で右側へ延出した部位に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔328aを有した下皿カバー328と、下皿カバー328下端の左右中央左寄りの位置から右側を装飾し下皿カバー328の錠孔328aと同軸上の上開口部330a及び上開口部330aの下側に開口し前方からハンドル装置500が挿入される下開口部330bを備えた下皿右サイドカバー330と、を備えている。
また、皿ユニット300には、下皿本体324の左辺前端及び下皿天板326の左側前端を覆う斜めに延びた下皿左上サイドカバー332と、下皿左上サイドカバー332の下端に配置され前後方向に貫通した開口部334aを有する下皿左下サイドカバー334と、下皿左下サイドカバー334の開口部334aを後側から閉鎖しサウンドが透過可能とされた金属板からなる保護カバー336と、保護カバー336の外周を保持し下皿左下サイドカバー334の後面に取付けられる枠状の保持部材337と、を備えている。なお、下皿天板326の右側前端は、上皿前部装飾部材316によって覆われるようになっている。
また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の左右両端上部に取付けられ右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と下皿サイドカバー330及び下皿左上カバー332の上端とがデザイン的に連続するような形状に形成されると共に扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130と対応する位置に前後方向に貫通した開口部338aを有するサイドスピーカカバー338と、サイドスピーカカバー338の開口部338aを後側から閉鎖し前側へ膨出するように緩く湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体339と、を備えている。
なお、本例では、カバー体339が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。また、サイドスピーカカバー338は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されている。カバー体339は、黒色に着色されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図示は省略)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール313が取付けられている。この上皿レール313は、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316及び上皿上部インナー装飾部材318を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
上皿前部装飾部材316は、無色透明な合成樹脂により、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状に形成されている。この上皿前部装飾部材316は、左右方向中央右寄りの位置から左側が滑らかな形状に形成されているのに対して、右側が紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており岩場のようなゴツゴツした形状に形成されている。また、上皿前部装飾部材316は、詳細な図示は省略するが、複数の湾曲面により形成された右側の後面に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に遊技者側から後側が明確に見えないようになっている。上皿上部インナー装飾部材318は、上皿前部装飾部材316における左側の滑らかに形成された部位の後側に配置されるものであり、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。これにより、上皿上部インナー装飾部材318は、組立てた状態では上皿前部装飾部材316の左側を通して見える部位が遊技者側から明確に見えるのに対して、上皿前部装飾部材316の右側を通して見える部位は遊技者側から不明確で距離感の定まらない感じに見えるようになっている。
また、上皿上部右装飾部材319は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上皿上部右装飾部材319は、表面が上皿前部装飾部材316の右側の部位と同様に、紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており、上皿前部装飾部材316の右側の部位と一体的な形状に形成されている共に、上部右端側が後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の外周を装飾するように形成されている。また、上皿上部右装飾部材319は、裏面(下面)に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に、遊技者側から下側が明確に見えないようになっている。なお、上皿前部装飾部材316における右側の部位の後側と、上皿上部右装飾部材319の下側には、上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319を適宜発光させることができるようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上る側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上った上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上った上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、黒色の合成樹脂で形成されている。一方、下皿サイドカバー330は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色で金属感(鏡面ではなくサンドブラスト処理をしたような艶消しの状態)のあるメッキ層が備えられている。この下皿サイドカバー330は、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿カバー328の錠孔328aと下皿サイドカバー330の上開口部330aとは、本体枠3に取付けられた錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔328a及び上開口部330aからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
また、下皿左上カバー332は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、下皿左下カバー334は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に赤色の金属光沢を有したメッキ層が備えられており、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿左下カバー334の開口部334aは、後述する本体枠3に備えられたスピーカ821の前面に相当する位置に形成されており、スピーカ821からのサウンドを遊技者側へ透過させることができるようになっている。この下皿左下カバー334の開口部334aを閉鎖する保護カバー336は、金属板に複数の孔を穿設したパンチングメタルとされており、内部に不正工具が挿入されるのを防止している。
本例の皿ユニット300は、下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334とによって左右方向中央を除いた底面が閉鎖されるようになっており、下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334との間の底面が後述する下皿球抜き機構340によって閉鎖されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342を作動(回動)可能に支持すると共に皿ユニットベース310の前面に取付けられる取付ベース346と、取付ベース346に支持された作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334との間に配置され皿ユニット300の底面中央部を形成する下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネ356によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネ356の付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネ356の付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライダ353の保持が解除されて、下皿球抜きスライダ353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライダ353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された球貸ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、貸球ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
更に詳述すると、貸球ユニット360は、貸出残表示部363の前面側を覆う透明な前カバー365と、前カバー365の後側に配置され貸出残表示部363が取付けられると共に貸球ボタン361及び返却ボタン362の操作により作動するスイッチが取付けられる貸球ユニット基板366(図45を参照)と、貸球ユニット基板366の後側を覆い皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bの後側に取付けられる後カバー367と、を備えている。なお、防犯カバー装着部364は、後カバー364の後面に備えられている。
この貸球ユニット360が取付けられる皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bには、貸球ボタン361及び返却ボタン362が臨む円形状のボタン開口310mと、ボタン開口310m同士の間に形成され前カバー365によって閉鎖される矩形状の表示開口310nと、二つのボタン開口310mの外周に夫々形成され前方へ突出した突出部310oと、を備えており、表示開口310nを閉鎖する透明な前カバー365を通して後側に配置された貸出残表示部363が遊技者側から見えるようになっている。また、皿ユニットベース310の突出部310oは、図45に示すように、前端が丸く形成されている。
本例の貸球ユニット360は、図示するように、皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bが、上皿301よりも上側で上皿球供給口310cの直上に配置されていると共に、正面を向くように配置されている。また、貸球ユニット360は、返却ボタン362が貸球ボタン361よりも左右方向中央寄りの位置に配置されている。なお、本例では、貸球ボタン361及び返却ボタン362が、皿ユニットベース310(貸球ユニット取付部310b)とは異なる色に着色されている。これにより、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362が認識し易くなっている。
また、貸球ユニット360は、貸球ボタン361及び返却ボタン362の外周から前方(遊技者側)へ突出した突出部310oを備えており、遊技者が上皿301内に手を挿入した際に、手が貸球ボタン361や返却ボタン362に触れる前に突出部310oに触れることとなるので、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362の存在に気付かせることができ、貸球ボタン361や返却ボタン362等を誤操作してしまうのを防止することができるようになっている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2F.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図46乃至図50を参照して説明する。図46(A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部401の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上側に配置され所定形状に形成されると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられたインナーカバー427と、インナーカバー427の上面を覆う透明な表面カバー428と、を備えている。インナーカバー427及び表面カバー428には、ダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能な円形の開口が形成されている。
更に、操作ユニット400は、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、操作部保持部材416の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。このボタン装飾基板432は、操作部保持部材416の基板保持爪416gによって操作部保持部材416の下面に係止保持されるようになっている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びボタンインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持筒416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この摺動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、摺動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416gと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作部保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パチンコ機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル操作部401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420d下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通し上カバー422が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、インナーカバー427及び表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面にインナーカバー427及び表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動手段414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動手段414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動手段414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[1−2G.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51(A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における皿サイド外カバー334のハンドル挿通孔334aを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置されるハンドル本体504と、ハンドル本体504の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定されハンドルベース502と協働してハンドル本体504を回転可能に支持する前端カバー506と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504の後側でハンドルベース502の前面に取付けられるインナーベース508と、インナーベース508及び前端カバー506とによって後端及び前端が回転可能に支持されると共にハンドル本体504と一体回転可能とされ外周に駆動ギア部510aを有した軸部材510と、軸部材510の駆動ギア部510aと噛合する伝達ギア511と、伝達ギア511と一体回転可能な検知軸部512aを有しインナーベース508とハンドルベース502との間に挟持される回転位置検知センサ512と、を備えている。
更に、ハンドル装置500は、一端側がインナーベース508に取付けられると共に他端側が伝達ギア511に取付けられ伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aを正面視で時計回りの方向へ付勢する補助バネ514と、インナーベース508の後側に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはインナーベース508の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、インナーベース508に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、一端側がハンドルベース502に取付けられると共に他端側がハンドル本体504に取付けられハンドル本体504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前側が開放され後方へ丸く膨出した前端部から後方へ円筒状に延びた後端部を有した形態とされ、後端部の円筒状の外周に軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット504aが形成されていると共に、前端カバー506に、後方へ突出する三つの取付ボス506aが形成されており、これら取付ボス506aがハンドル本体504のスリット504aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、ハンドル本体504におけるスリット504aの周方向端部が、前端カバー506の取付ボス506aに当接することで、ハンドル本体504の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、後方へ突出する係止突部504bが形成されており、この係止突部504bにコイル状のハンドル復帰バネ522の他端側(前端側)が係止されることで、一端側がハンドルベース502に取付けられたハンドル復帰バネ522によってハンドル本体504が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、ハンドル本体504(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510及び伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回転位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。
なお、ハンドル本体504や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル本体504等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル本体504が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120(図165を参照)によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、ハンドル本体504の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2H.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)ファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図53は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図52(B)に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口と連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球通路542dと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球入口542cと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース542の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース542の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図53に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、動揺部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図79を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110(図165を参照)において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[1−2I.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図54乃至図57を参照して説明する。図54(A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。また、図55は、球送りユニットの背面図である。また、図56(A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。更に、図57(A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図54を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図56を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583cによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
また、本例の球送りユニット580は、後カバー582における打球供給口582aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部582b(図56(B)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部582b内に不正防止部材588が取付けられている。球送りユニット580の不正防止部材588は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー582の取付凹部582a内に対して後側から脱着可能に取付けられている。この不正防止部材588は、図55等に示すように、背面視における全体の外径が横長の矩形状に形成されており、背面視で左辺側となる先端における上下方向の略中央から反対側の基端側(右辺側)へ向かって所定長さ伸びた分割線588aを境界として上下に分断された上片部588b及び下片部588cと、上片部588b及び下片部588cの先端が互いに遠ざかるように上片部588bの基端側を不正防止部材588の一般面に対して垂直方向(後方)へ屈曲させることで上片部588bと下片部588cとの間に形成されるV字状の切断部588dと、上片部588b及び下片部588cの先端に形成され切断部588dへ向かって傾斜した傾斜部588eと、を備えている。
この不正防止部材588は、図示するように、上片部588bの先端(背面視で左端側)が後方へ移動するように上片部588bの基端側が屈曲されることで、切断部588dが平面視でV字状に形成されており、V字状の内部に不正な遊技球Iに付けられた線材Iwが挿入されるようになっている。この不正防止部材588の切断部588dは、上片部588bの下辺と下片部588cの上辺とが平面視において所定角度で交差した状態となっており、基端側へ向かうに従って隙間が狭くなるように形成されている。
また、不正防止部材588の傾斜部588eは、切断部588dの先端に形成されており、傾斜部588eによって不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断部588d内へ誘導案内することができるようになっている。本例の球送りユニット580は、不正防止部材588が、図示するように、後カバー582の取付凹部582b内に後側から取付けられていると共に、後カバー582における取付凹部582b内の切断部588dが形成された部位と対応した部位が前後方向に貫通すると同時に打球供給口582aと連通した形態に形成されている。換言すると、後カバー582は、打球供給口582aが取付凹部582b内まで延びだした形状に形成されている。
この不正防止部材588によると、線材Iwが付けられた不正な遊技球Iを球送りユニット580から打球発射装置650へ供給し、打球発射装置650によって不正な遊技球Iを遊技盤4の遊技領域1100内へ向かって打込むと、打球発射装置650によって発射された不正な遊技球Iが発射レール660に沿って正面視で斜め左上へと移動し、外レール1111と内レール1112との間を通って遊技領域1100内に侵入しようとする。この際に、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwは、打撃された遊技球Iの勢いによって引張られることとなり、線材Iwは不正な遊技球Iの移動軌跡とは異なり、遊技球の通路内において最短距離で結ぶルート上に沿うように移動することとなる。従って、皿ユニット300から球送りユニット580の打球供給口582aを通って打球発射装置650側へ延びた線材Iwは、遊技球Iが正面視で左上方向(背面視で右上方向)へ移動することで、最短ルート上へ移動しようと打球供給口582aの背面視右上隅の方へと引張られ、打球供給口582aの背面視右上に形成された取付凹部582b内へと移動することとなる。そして、打球供給口582aの背面視で右方へ延出した部位(取付凹部582b内)へ移動した線材Iwは、当該位置に配置された不正防止部材588の一対の傾斜部588eによって、切断部588d内へと案内された上で、更に、不正な遊技球Iの勢いによって背面視右方へと引張られる。
これにより、不正な遊技球Iに付いた線材Iwが、不正な遊技球Iの勢いにより、不正防止部材588の切断部588dで、その隙間が狭くなる方向(正面視で左方向)へ引張られた状態となり、切断部588dにより摩擦や剪断力が作用して、線材Iwが切断されることとなる(図57(D)を参照)。この際に、線材Iwが付いた不正な遊技球Iは、線材Iwに作用する摩擦等によりその勢いが減衰するので、遊技領域1100内へ侵入することなく外レール1111と発射レール660との間を通って排出されることとなる。
従って、不正防止部材588の切断部588dによって、不正な遊技球Iに付いた線材Iwを切断することができるので、遊技領域605内において線材Iwの付いた不正な遊技球Iで不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。なお、仮に不正な遊技球Iが遊技領域1100内へ侵入した場合でも、上述したように、不正防止部材588により線材Iwを切断することができるので、不正行為を行うことができない状態となる。また、仮に不正防止部材588により線材Iwを切断することができなかった場合でも、線材IwがV字状の切断部588dに食込むことで不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができるので、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
更に、不正防止部材588を、後カバー582の後側の取付凹部582bに取付けるようにしており、不正防止部材588(切断部588d)を打球発射装置650に対して可及的に近い位置に配置することができるので、打球発射装置650によって発射された直後の最も速度の速い(勢いのある)状態の不正な遊技球Iに付着した線材Iwが切断部588dに接触することとなり、切断部588dに対して線材Iwが速く(強く)引張られることで、線材Iwを確実に切断することができると共に、不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができ、不正な遊技球Iによって不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
また、切断部588dを備えた不正防止部材588を、後カバー582の後面から前方へ向かって窪んだ取付凹部582b内に取付けるようにしているので、V字状の切断部588dを形成するために後方へ折曲げられた上片部588bが後カバー582の後端面から後方へ突出しない状態とすることができ、不正防止部材588の上片部588bによって組立て等の際に作業者が怪我をしてしまうのを防止することができる。
また、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断することが可能な不正防止部材588において、金属板材の右端から伸びた分割線588aを挟んで上側の上片部588bを後方へ屈曲させることで、V字状の切断部588dを形成するようにしているので、剪断力を発揮することが可能な切断部588dを簡単に形成(加工)することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
[1−2J.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図108を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両辺の上部に配置され外方へ板状に延出した二つの止め片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図21等を参照)。
[1−2K.扉枠における造形装飾]
次に、扉枠5における造形装飾、つまり、形状的な装飾について主に図17、図19、図20、及び図58を参照して説明する。図58は、扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット2200、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300が配置されている。
扉枠5は、遊技窓101を挟んで両側の外観が大きく異なっており、右側が右サイド装飾ユニット200の外面を形成するサイドレンズ210によりゴツゴツした自然の岩のような感じの外観となっているの対して、左側が左サイド装飾ユニット240の透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aから見えるサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244により金属質のシャープで人工的な感じの外観となっている。
また、扉枠5は、図58に示すように、右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とでは、前方への突出量が異なっており、右サイド装飾ユニット200の方が左サイド装飾ユニット240よりも大きく前方へ突出している。また、右サイド装飾ユニット200の前端は前方へ尖ったような形状に形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240の前端は緩く湾曲した平面状に形成されている。
これにより、本例の扉枠5は、右前方から見た時には右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが互いに同じようなボリュウムに見える(図19を参照)のに対して、左前方から見た時には右サイド装飾ユニット200が左サイド装飾ユニット240よりも大きく見える上に左サイド装飾ユニット240の装飾が殆ど見えなくなり、パチンコ機1に対する遊技者の立ち位置によって異なる印象を与えることができるようになっている。つまり、本パチンコ機1に対する遊技者の位置によって本パチンコ機1の外観が変化して見えて機種の異なるパチンコ機のように錯覚させることができるので、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者等に対する訴求力を高くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5の前面外観を左右非対称としているので、例えば、遊技ホールの島設備等で本パチンコ機1を左右方向へ複数列設した場合、島設備全体の外観がのっぺりとしたベタな感じになってしまうのを抑制し異なる形態の右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが交互に配置されることでリズミカルな印象を与えて遊技者をワクワクさせられる外観(雰囲気)とすることができ、遊技者に対する訴求力を高くして遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,288,290,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101を囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット220に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイド閃光レンズ204,246の後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,288,290,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、サイド閃光レンズ204,246が遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。
本例の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の周レンズ部210aが略紡錘状の複数の湾曲面により形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250の周レンズ部250aが一つの滑らかな緩い湾曲面により形成されている。また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の後側に、光を拡散させることが可能なサイドインナーレンズ212,252が配置されている。なお、左サイド装飾ユニット240では、サイドレンズ250における周レンズ部250aとサイドインナーレンズ252との間に複数のスリット251aを有したインナー装飾部材251が配置されている。
また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ212,252の後側に、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256が配置されており、各装飾基板214,216,254,256の前面には複数のLED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256bが実装されている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250b(サイド閃光レンズ204,246)と対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが比較的高輝度のLEDとされている。また、右サイド上装飾基板214における上部右端に配置された二つのLED214cは、緑色LEDと赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、左右方向中央に配置される上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の外周に配置される環状の中央環レンズ部282bと、中央環レンズ部282bよりも外側で外方へ延びた四つの延出枠レンズ部282cと、を備えている。なお、正面視右下側の延出枠レンズ部282cは前面が上部下装飾カバー294によって被覆されている。
この上部装飾ユニット280は、上部中央レンズ284及び上部レンズ282における中央環レンズ部282bの後側に配置される上部中央装飾基板288と、上部中央装飾基板288よりも左右方向へ延出し上部レンズ282における延出枠レンズ部282c及び上部中央装飾基板288の後側に配置される上部サイド装飾基板290と、を備えている。上部中央装飾基板288には、上部中央レンズ284と対応した複数のLED288aと、中央環レンズ部282bと対応した複数のLED288bとが前面に実装されており、上部中央レンズ284と中央環レンズ部282bとを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、上部サイド装飾基板290には、延出枠レンズ部282cと対応した複数のLED290aが前面に実装されており、各延出枠レンズ部282cを夫々発光装飾させることができるようになっている。なお、上部中央装飾基板288及び上部サイド装飾基板290の各LED288a,288b,290aは、フルカラーLEDとされている。
続いて、皿ユニット300では、外側表面が略紡錘状の複数の湾曲面によって形成されており、右サイド装飾ユニット200の外観と連続した外観となっている。この皿ユニット300は、上皿前部装飾部材316の後側に上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322に実装された複数のLED322aによって、上皿前部装飾部材316における右側の部位と、上皿球抜きボタン341の前側外周を装飾する上皿上右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、上皿装飾基板322のLED322aは、フルカラーLEDとされている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)と対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の右上隅と対応した右サイド上装飾基板214のLED214cは、報知グループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、遊技者やパチンコ機1を設置した遊技ホールの従業員等に対して様々な情報を報知させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における上部中央レンズ284及び中央環レンズ部282bと対応したLED288a,288bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED288a,288bを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における延出枠レンズ部282cと対応したLED290aは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED290aを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下側に配置された皿ユニット300の上皿前部装飾部材316及び上皿上右装飾部材319と対応したLED322aは、上皿301を発光装飾させる上皿グループ108とされている。また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作グループ109とされている。この操作グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、報知グループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する8個のLED288a,288bは、中央部106a、右部106b、左部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する7個のLED290aは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、上皿グループ108に属する11個のLED322aは、前後及び左右に108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED288a,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED288a,430bが属する4つの系統107a,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは緑色LED及び赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103jを適宜発光させることで、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284へ向かって光が移動するような、或いは、上部中央レンズ284から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、サイド閃光レンズ204,246(放射レンズ部210b,250b)が周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106や上部中央サイドグループ107を発光させることで、遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図61乃至図67を参照して説明する。図61は、本体枠の正面図であり、図62は、本体枠の背面図である。また、図63は、本体枠の正面斜視図であり、図64は、本体枠の背面斜視図である。更に、図66は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は、本体枠の左側面図であり、図67は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図68及び図69を参照して説明する。図68は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図69は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図65を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図61を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図69を参照)。この金具取付部610は、図68等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図63や図98等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図66等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図61等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図69を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図63を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図63等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図65及び図109を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642aの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図70及び図71を参照して説明する。図70は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図71は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。ここで、打球発射装置650が本発明の発射装置に相当する。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図98を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図63や図98等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図72乃至図79を参照して説明する。図72は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図73は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図74は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図75は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図76は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図77は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図78は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図79は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す払出装置740と、払出装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図73及び図75等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図75に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図76にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部710よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図76にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図79を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図74を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口732へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734aを通してタンクレール730内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図77乃至図79等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741c内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741aよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ741eの作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ741eによって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ741eにより供給通路741e内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図78に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図78に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン振分ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図74、図75及び図79を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン振分ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット700の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図79を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図79を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図79を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図79を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口773や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図80乃至図82を参照して説明する。図80は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793cと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図83乃至図89を参照して説明する。図83は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図84は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図85は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図86は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図87は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図88(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図89(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス840と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ベースユニット810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部844とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図63を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図89にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ベースユニット810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図86に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図84及び図86を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図87に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突出部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図165を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図62を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873aから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続継端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図88に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する係止爪871cと、を備えており、固定片と係止爪871cとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板872の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図88に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図88に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874のC内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠5の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠5を前側へ回動させて本体枠5の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図61及び図63等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図90乃至図92を参照して説明する。図90(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図91は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図92は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図91及び図92等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片908の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部9002の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図101を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿入孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材923の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924を裏カバー締結孔770bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図108を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図108を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図108を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の防犯側面板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、防犯側面板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、防犯側面板950全体の強度・剛性をより高めることができ、防犯側面板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の防犯側面板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の防犯側面板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い防犯側面板950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図93乃至図97を参照して説明する。図93(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図94(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図95は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図96は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図97は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図68に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図93乃至図95に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図95を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図95を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図94(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図94(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図95に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図97(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図63及び図68等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突起1043と、を備えている。この扉用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図96及び図97を参照して説明する。図96に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図96(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図96(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図96(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の本体枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図97を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図97(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図97(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図97(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図97(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベースの後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、遊技盤4を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図98乃至図107を参照して説明する。図98は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図99は、遊技盤の正面図であり、図100は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図101は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図102(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
また、図103は、図100等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図104は、図103を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図105は、図103の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。更に、図106は図103等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図107は図106を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図98乃至図105での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(乙108乃至乙115等を参照)。ここで、遊技パネル1150が本発明の遊技板に相当する。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図98等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図101を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘G(図110を参照)が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図101に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図101等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図102(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2750の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2750を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶表示ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2750を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2750を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図102(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図128を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図102(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図103乃至図105を参照して説明する。なお、図103乃至図105における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200パネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘Gを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。更に、パネル板1210は、詳細は後述するが、アタッカユニット2100やセンター役物2500等の表ユニット2000を取付けるための前後方向へ貫通した複数の開口部1215を備えており、開口部1215に対して前側からアタッカユニット2100等が挿入固定されるようになっている(乙133等を参照)。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図104に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における中箱3010のフランジ状の固定部3010c(図134等を参照)或いは裏箱3020の固定部3020cを収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3010c又は固定部3020cがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、中箱3010又は裏箱3020における前面のフランジ状に形成された固定部3010c又は固定部3020cから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図103に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図104を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘Gの植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘Gが所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘Gや入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−4G.前構成部材の第二実施形態]
次に、上記した遊技盤4における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図106及び図107を参照して説明する。なお、図106及び図108における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図103乃至図105の実施形態と異なるのみで、図103乃至図105の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
図106及び図107に示す前構成部材1110Aは、上記の前構成部材1110と比較して、前後方向に貫通した内周形状の一部が異なっている他に、機能表示ユニット1180を備えていない点が大きく異なっている。なお、その他の構成については、前構成部材1110と同様であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。また、この前構成部材1110Aを用いた遊技盤4では、機能表示ユニット1180が、遊技盤4における表ユニット2000又は裏ユニット3000の何れかに備えられるようになっている(本例では、表ユニット2000に備えられている)。
この前構成部材1110Aは、図示するように、枠状の内周形状が、アウト口誘導面1115を基点として正面視で時計回りの方向へ内レール1112及び外レール1111の衝止部1114までの形状が、前述の前構成部材1110と同じ形状に形成されており、衝止部1114から時計回りの方向へアウト口誘導面1115までの形状が、前述の前構成部材1110とは異なる形状となっている。具体的には、衝止部1114から衝止部1114の直下に配置された右側の証紙貼付部1125の直上までの間が緩やかな円弧状に形成されていると共に、円弧状の下端からアウト口誘導面1115までの間がアウト口誘導面1115へ向かって低くなるように傾斜した直線状に形成されている。
本例の前構成部材1110Aは、前述の前構成部材1110と比較して、遊技領域1100がより広く確保することができるようになっており、広い遊技領域1100によって遊技者をより楽しませることができるようになっている。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図108及び図109を参照して説明する。図108は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図109は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図108に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の防犯側面板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の防犯側面板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、防犯側面板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、防犯側面板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952aを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された防犯側面板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、防犯側面板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図108に示すように、防犯側面板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側面片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図109に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の構成について、主に図110乃至図115を参照して説明する。図110は、遊技盤の正面図であり、図111は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図112は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図113は、遊技盤を斜め左後から見た斜視図であり、図114は、遊技盤を主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図115は、分解したものを斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画形成する枠状の前構成部材1110Aと、前構成部材1110Aの後側で遊技領域1100を閉鎖するように配置された遊技パネル1150と、遊技領域1100内の左側に配置され遊技パネル1150の前面に支持された第一始動口2101と、第一始動口2101の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持された第一入賞装置ユニット2200と、第一入賞装置ユニット2200と略同じ高さとなるように遊技領域1100内の右側に配置され遊技パネル1150の前面に支持された第二入賞装置ユニット2250と、第二入賞装置ユニット2250の上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されたゲートユニット2104と、第一入賞装置ユニット2200の左側から下側に向うように遊技領域1100の外周に沿って配置され遊技パネル1150の前面に支持されたサイド入賞口ユニット2300と、遊技領域1100の略中央部分に配置され遊技パネル1150の前面に支持されたセンタ役物2400と、遊技パネル1150の後側に取付けられた裏ユニット3000と、遊技パネル1150及びセンター役物2400の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像及び報知情報を表示する液晶表示装置1900と、を主に備えている。以下、遊技パネル1150に装着された各装置の構成について詳細に説明する。ここで、第一始動口2101が本発明の始動口に相当する。
[2−1.第一始動口及び第一入賞装置ユニット]
まず、図116乃至図122を参照し、第一始動口及び第一入賞装置ユニットについて説明する。図116は、遊技盤における表ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図117は、第一始動口及び第一入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図118は、第一入賞装置ユニットの羽根が閉じた状態を示す正面図であり、図119は、第一入賞装置ユニットの羽根が開いた状態を示す正面図であり、図120は、第一入賞装置ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図121は、第一入賞装置ユニットにおける駆動手段を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図122は、駆動手段の機構部を斜め前から見た斜視図である。
図116に示すように、本例の第一始動口2101は、遊技パネル1150における左右方向中央よりも左側に形成された開口部1150aに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されている。この第一始動口2101は、図111に示すように、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされるものであり、前方の遊技領域1100に突出し上面が開放された箱形の形状を呈し、遊技球を常時受入れることが可能となっている。
一方、第一入賞装置ユニット2200は、図116に示すように、遊技パネル1150における開口部1150aの上側に形成された開口部1150bに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されている。図117及び図120に示すように、第一入賞装置ユニット2200は、遊技パネル1150の前面に固定されるベース部材2210と、ベース部材2210の前面下部に取付けられ、左右方向中央に遊技球が通過可能なチャンス口2211を有する遊技球通過部材2212と、下部が遊技球通過部材2212内に収容されるとともに軸ピン2214によって拡開可能に支持された一対の羽根2213と、一対の羽根2213を回動させる駆動手段2215とを備え、チャンス口2211が第一始動口2101の真上に位置するように配置されている。ここで、羽根2213が本発明の遊技球引込部材に相当する。
なお、駆動手段2215の構成は特に限定されるものではないが、本例では、図120及び図121に示すように、略円筒状のモータホルダ2216及びモータ押え2218によって支持されたモータ2217と、モータ2217の回転軸に連結されたモータカム2219と、ベース部材2210の後面に固定された枠状のリンクカバー2220と、リンクカバー2220によって回動可能に支持されるとともにモータカム2219に当接するリンク2221と、リンク2221を下方に付勢するバネ2222と、リンク2221の回動位置を検出するフォトセンサ2223とを備えて構成されている。さらに詳しく説明すると、図122に示すように、モータカム2219は、モータ2217の回転軸に連結される円筒状の軸部2219aと、軸部2219aの先端から直角方向に延出された旋回部2219bとからなり、L字形の形状を呈している。また、リンク2221は、一対の羽根2213の後面から後方に延出された延出部2213aを挟むように接続するC字形の接続部2221aと、リンクカバー2220に嵌合し回動可能に接続された一対の軸部2221bと、モータカム2219の旋回部2219bによって押圧される平板状の受部2221cと、受部2221cの上面から上方に突出しフォトセンサ2223によって検出される検出片2221dとを備えている。なお、羽根2213の延出部2213aは、羽根2213の回動中心である軸ピン2214と平行で、且つ軸ピン2214から偏心して設けられている。また、前述のバネ2222は、受部2221cの先端から前方に突出する突出部2221f(図121参照)を上方から押圧するように付勢している。
このように構成することにより、リンク2221の受部2221cがモータカム2219の旋回部2219bによって押圧されない状態では、リンク2221はバネ2222の付勢力によって接続部2221aが下限位置となり、一対の羽根2213が閉位置に保持される。一方、モータ2217の駆動力によってモータカム2219が回転すると、旋回部2219bがリンク2221の受部2221cをバネ2222の付勢力に抗して押圧し、この結果、接続部2221aが上限位置に変化し、一対の羽根2213が拡開される。
また、図117及び図120に示すように、ベース部材2210には、一対の羽根2213が閉状態の際、それらの間に遊技球が入球しないように、一対の羽根2213の上側に受入阻止部材2227が一体成形されている。この受入阻止部材2227は、遊技領域1100に突出して形成されており、上面には遊技球を左右に振り分ける振分部2228が設けられている。特に、この振分部2228は、右側に向って下り勾配が形成された斜面を有しており、遊技領域1100の中央に向って振分けられる遊技球の割合が多くなるようになっている。ここで、受入阻止部材2227が本発明の障害部材としても機能している。
また、ベース部材2210には、一対の羽根2213及び受入阻止部材2227を上側から覆うとともに、左右方向中央に遊技球が通過可能な通過口2230を有する蓋状規制部材2231が一体成形されている。つまり、遊技球は、蓋状規制部材2231の通過口2230を通過することで、羽根2213が配置された領域に到達するようになり、一方、通過口2230を通過しない場合には、羽根2213が配置された領域に到達しない、または到達し難いようになっている。このため、第一始動口2101に遊技球を入球させるには、通過口2230を通過することと、羽根2213によって引込まれること、の二つの条件が必要となり、チャンス口2211に入球するまでの過程が一層複雑となっている。
通過口2230には、通過する遊技球を検出する通過検出手段2232が配設されており、通過検出手段2232によって遊技球の通過が検出されると、後述する周辺制御MPU4140a(図168参照)の制御によって、「通過したこと」が音声で報知されるようになっている。ここで、周辺制御MPU4140aが本発明の報知手段に相当する。
ベース部材2210には、蓋状規制部材2231の左斜め上に配置され、遊技領域1100へ打ち込まれた遊技球を受入可能な一般入賞口2202が一体成形されている。この一般入賞口2202は、第一始動口2101と同様、前方の遊技領域1100に突出するとともに、上面が開放された箱形の形状を呈し、遊技球を常時受入れることが可能となっている。
さらに、第一入賞装置ユニット2200には、蓋状規制部材2231で覆われた遊技領域1100を後側から照射する発光手段2234をさらに備えている。発光手段2234は、図120に示すように、ベース部材2210の開口窓2210aに後側から嵌合された光透過性のレンズ2235と、レンズ2235の後側に配置されレンズ2235を通して遊技者側に光を投光する発光基板2236とから構成されている。このように発光手段2234を備えることにより、蓋状規制部材2231の通過口2230を通過した遊技球を目立たせ、遊技者の注意を惹き付けることが可能となっている。
ところで、従来のパチンコ機では、一般に、第一始動口は、額縁状のセンター役物の下方、詳しくはセンター役物の下部内側に設けられたステージの下方に配置されており、打ち込まれた遊技球がステージを介することで、第一始動口の上側に流下させやすくなっている。特に、ステージの後方にはチャンス入口が設けられており、ステージ上で転動する遊技球を受入れるとともに、受入れた遊技球を、誘導通路を通して第一始動口の真上まで案内することが可能になっている。しかし、この種のパチンコ機では、遊技球を一旦ステージで転動させた後でなければ、チャンス入口に入球させることができず、しかも、遊技球がチャンス入口に入球する可能性は常に一定であることから、遊技球がチャンス入口に入球するか否かは、遊技者の技量によらない偶然的なものとなっていた。このため、チャンス入口へ入球させることに対し、遊技者の期待感にメリハリをつけることができず、楽しみ方が単調となっていた。すなわち、遊技者にとって有利となるチャンス入口が設けられていても、それによってハラハラドキドキさせることは難しく、興趣を低下させていた。
これに対し、本例では、第一始動口2101の上方にチャンス口2211及び羽根2213が配設されており、一対の羽根2213は、駆動手段2215によって動作されることで、開位置及び閉位置の間で往復運動するようになっている。そして、図119に示すように、一対の羽根2213が開位置になると、遊技領域1100の遊技球を引込むことが可能となり、引込んだ遊技球はチャンス口2211に案内され、第一始動口2101に入賞する可能性が高くなる。一方、図118に示すように、一対の羽根2213が閉位置になると、遊技領域1100の遊技球を引込むことが不可能になる。また、開位置及び閉位置間での往復運動は、遊技状態に関連することなく一定の間隔で継続的に行われる。このため、羽根2213が配置された領域に遊技球が到達するタイミングと、そのときの羽根2213の状態(位置)とに基づいて、チャンス口2211に入球するか否かが決まるようになる。したがって、遊技者は、遊技球が到達するタイミングと、そのときの羽根2213の位置とを関連付けながら、遊技球の振分結果、すなわち羽根2213によって引込まれるか否かを予測することが可能になり、ひいてはチャンス口2211に入球させること、さらには第一始動口2101に入賞させることに対し、遊技者の期待感にメリハリをつけることが可能となる。
また、一対の羽根2213は、開位置及び閉位置の間を一定のタイミングで往復運動するようになっている。このため、遊技者は、遊技球を引込可能となる間隔を認識することができ、開位置となるタイミングを狙って遊技球を打ち込むことが可能となる。したがって、チャンス口2211に入球させようとする意欲が高まり、遊技球の挙動を一層注目させることが可能となる。
また、羽根2213を使用することで、開閉動作を明瞭に視認させることができるとともに、大きな動きによって遊技者に大きなインパクトを与えることが可能となる。特に、羽根2213を用いる第一入賞装置ユニット2200の構成が、特別の遊技状態のときに開く第二始動口2102(詳細は後述する)の羽根部材2256(図123参照)と類似していることから、羽根2213が動作した際、第二始動口2102の羽根部材2256が開いたかのような有利性を喚起させることができ、遊技者の期待感を高めることが可能になる。また、第一入賞装置ユニット2200と第二始動口2102とは、遊技領域1100の左右に分かれ、且つ同じ高さとなるように配置されているため、一対の装置であるかのように意識させることができ、羽根2213の動作に対する遊技者の関心を一層高めることが可能となる。
また、チャンス口2211と第一始動口2101との間に隙間2225が設けられており、チャンス口2211を通過した場合でも、障害釘Gに衝突するなどして、第一始動口2101の外部に逸脱すること、すなわち第一始動口2101に入賞せずにそのまま遊技領域1100を流下することがあり得る構成となっている。このため、羽根2213によって遊技球が引込まれた後も、第一始動口2101に入賞するまで遊技球の挙動を注目させることができる。
また、前述したように一対の羽根2213の上方に受入阻止部材2227が配置されており、一対の羽根2213が閉位置の場合、一対の羽根2213の間に遊技球が進入しないように構成されている。したがって、開位置の場合と閉位置の場合とでは有利性が大きく異なるようになり、ひいては開位置へ変化することへの関心を高めることができる。また、受入阻止部材2227の上面には振分部2228が形成されており、振分部2228に衝突した遊技球が左右に振分けられるようになっている。このため、遊技球がチャンス口2211に入球するか否かは、羽根2213が配置された領域に遊技球が到達するタイミング、及び羽根2213の位置だけではなく、振分部2228によって振分けられるタイミングや振分けの方向も要因となる。したがって、遊技球が引込まれるか否かは、予測とは異なる結果となり得る場合もあり、ひいては遊技球の挙動を一層注目させることが可能となる。
ところで、羽根2213が注目されるようになると、他の領域への関心が薄らぎ、例えば遊技領域1100の中央に配置された液晶表示装置1900で特別な演出が行われても、その演出に気づかず見逃してしまうおそれがある。これに対し、本例では、羽根2213の上方に受入阻止部材2227が配置され、その振分部2228には、遊技領域1100の中央に向って下り勾配に形成された斜面が形成されている。このため、振分部2228に衝突した遊技球は、遊技領域1100の中央に向って振分けられる可能性が高くなり、遊技者は、遊技球の振分方向及びその後の転動方向を目で追うことにより、遊技領域1100の中央へ向って自然に視線を移動させることになる。したがって、遊技領域1100全体を満遍なく視認させることが可能になる。
また、受入阻止部材2227は蓋状規制部材2231における通過口2230の真下に配置されているため、蓋状規制部材2231の通過口2230を通過した遊技球は、羽根2213によって引込まれる前に、受入阻止部材2227に衝突し流下方向が変化する。このため、蓋状規制部材2231による振分処理と羽根2213による振分処理とを、別々の振分処理として認識させることができ、二種類の振分処理を順に楽しませることが可能となる。
また、蓋状規制部材2231の下側に転動領域2239(図118参照)が設けられており、蓋状規制部材2231の外側を通って流下した遊技球、すなわち蓋状規制部材2231に達したが通過口2230に入球しなかった遊技球を、第一始動口2101に向って転動させることが可能になっている。このため、通過口2230に入球しなかった場合、すなわち羽根2213の近傍に到達しなかった場合でも、第一始動口2101に直接入賞させることが可能となり、ひいては、通過口2230に入球しなかった時点で期待感が消失することを抑制でき、遊技球の挙動を引続き注目させることが可能となる。
また、図118及び図119に示すように、蓋状規制部材2231の上方に複数の障害釘Gが植設されており、蓋状規制部材2231の通過口2230に入球するか否かが複数の障害釘Gによって振分けられるようになっている。このため、第一始動口2101に入賞するまでの過程が一層複雑になり、遊技球の挙動の変化、及び期待感の変化によって、遊技の面白みを大幅に高めることが可能となる。
[2−2.第二入賞装置ユニット]
図116,図123〜図126を参照し、第二入賞装置ユニット2250について説明する。図123は、第二入賞装置ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図124は、第二入賞装置ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図125は、第二入賞装置ユニットにおける駆動機構部を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図126は、駆動機構部の下側駆動部を分解して斜め前から見た分解斜視図である。
図116に示すように、第二入賞装置ユニット2250は、遊技パネル1150における左右方向中央よりも右側部分で、第一入賞装置ユニット2200が挿入固定される開口部1150bと略同じ高さに形成された開口部1150cに対して前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。図123及び図124に示すように、第二入賞装置ユニット2250は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能な複数の受入口(入賞装置)を有している。具体的には、一般入賞口2251と、一般入賞口2251の下側に配置され第二始動口2102を有する始動口装置2252と、第二始動口2102の下側に配置され一般入賞口2251や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた矩形状の大入賞口2103を有する開閉入賞装置2253と、を備えている。
一般入賞口2251は、台板部2255の上端切欠部2255aに配設され、遊技領域1100に打ち込まれた遊技球を常時受入(入球)可能となっている。一方、一般入賞口2251の下側に配置された第二始動口2102は、一般入賞口2251との間で拡開可能な一対の羽根部材2256によって形成されており、一対の羽根部材2256が略垂直に立上った状態では一般入賞口2251と一対の羽根部材2256とによって遊技球が受入不能となるのに対して、上側駆動部2263(図125参照)により一対の羽根部材2256が左右方向へ拡開した状態では遊技球が受入可能となるように構成されている。つまり、第二始動口2102は一対の羽根部材2256によって可変入賞口となっている。なお、一対の羽根部材2256は、後述するゲートユニット2104のゲートセンサ2104bによる遊技球の通過の検出に基いて開閉されるようになっている。また、一対の羽根部材2256は、遊技球受部2257の上部側に形成された開口部2257aの左右両側に配置されるとともに、下部側が覆われており、第二始動口2102に入賞した遊技球は遊技球受部2257によって案内され、台板部2255の上側入球口2258に送られるようになっている。ここで、遊技球受部2257が本発明の受入口に相当し、上側駆動部2263が本発明の回動駆動手段に相当する。
また、図125に示すように、上側駆動部2263は、後述する下側駆動部2264の上にホルダ誘導部材2262を介して組付けられており、ソレノイドホルダ2266によって支持されたソレノイド2267と、ソレノイド2267のプランジャ2268に接続され、プランジャ2268の前後方向の運動を一対の羽根部材2256の回転(開閉)運動に変換するリンク2269とを備えている。
一方、開閉入賞装置2253は、図125及び図126に示すように、前面に大入賞口2103を有するとともに内部に遊技球の通路が形成された上部ケース2273及び下部ケース2272を備えており、大入賞口2103が、台板部2255(図124参照)の下部に形成された横長矩形状の下側入球口2259に臨むように配置されている。また、大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉扉2260(図124参照)によって開閉可能とされている。この開閉扉2260は、扉軸2271によって下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とし、一方、上辺が前側へ傾斜するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とするようになっている。この開閉扉2260は、通常の遊技状態では大入賞口2103を閉鎖した状態となっており、第一始動口2101または第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」の時に)ソレノイド2278の駆動により開閉するようになっている。なお、下部ケース2272には、大入賞口2103に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ2277と、ソレノイド2278と、ソレノイド2278のプランジャ2279に接続されプランジャ2279の直線運動を開閉扉2260の回転運動に変換するリンク2280が配設されている。また、下部ケース2272は光透過性の部材で形成されており、その外底面には発光基板2282が配設され、大入賞口2103の内部に向って光を投光することが可能になっている。また、上部ケース2273内には、ソレノイド2267等への駆動信号を中継する中継基板2283と、第二始動口2102に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2276とが設けられている。
[2−3.サイド入賞口ユニット]
図116、図127及び図128を参照し、サイド入賞口ユニットについて説明する。図127は、サイド入賞口ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図128はサイド入賞口ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。サイド入賞口ユニット2300は、遊技パネル1150における左右方向中央から左寄りの下部に形成された開口部1150dに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。サイド入賞口ユニット2300は、正面視円弧状に形成され遊技パネル1150に固定されるベース部材2301と、ベース部材2301の前面上部に配置され、内部に上側レンズ部2304を有する上側装飾枠2302と、ベース部材2301の前面下部に配置され、内部に下側レンズ部2305を有する下側装飾枠2303と、ベース部材2301の後側を覆う裏押え部材2306とを備えている。ベース部材2301は、遊技領域1100を転動する遊技球を常時入球可能な一般入賞口2301aが、高さ方向中央の右側端部に形成され、さらに、一般入賞口2301aの下側には遊技領域1100の左右方向中央に向かって遊技球を転動させる転動部2301bが遊技領域1100に突出して形成されている。また、上側装飾枠2302及び下側装飾枠2303には、所定の文字の形に切り抜かれた窓部2302a,2303aが形成されており、上側レンズ部2304及び下側レンズ部2305の前面から突出形成された文字部2304a,2305aが夫々嵌合されている。なお、上側レンズ部2304、下側レンズ部2305、及び裏押え部材2306は、いずれも光透過性の部材からなり、後述する裏ユニット3000に設けられた発光基板3175(図166参照)から光が投光されることで、上側レンズ部2304及び下側レンズ部2305の文字部2304a,2305aが発光装飾されるようになっている。
[2−4.ゲートユニット]
図116を参照し、ゲートユニットについて説明する。ゲートユニット2104は、遊技パネル1150において、第二入賞装置ユニット2250が挿入固定される開口部1150cよりも上側に形成された開口部1150eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。このゲートユニット2104は、遊技球が一つのみ通過可能な幅の通路を有するゲート部2104aと、ゲート部2104a内に配置され通過する遊技球を検出するゲートセンサ2104bとを備えている。
[2−5.センタ役物]
次に、図116、図129乃至図147を参照し、センタ役物の構成について詳細に説明する。図129は、センタ役物を斜め前から見た斜視図であり、図130は、センタ役物の正面図であり、図131は、センタ役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。また、図132は、センタ役物のロゴユニットを斜め前から見た斜視図であり、図133は、ロゴユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。また、図134は、センタ役物の七セグ表示ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図135は、七セグ表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図136は、その七セグ表示ユニットを斜め後から見た分解斜視図である。また、図137(a)は、センタ役物の状態表示ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図137(b)は、状態表示ユニットの正面図であり、図138は、状態表示ユニットの縦断面を斜め前から見た斜視図であり、図139は、状態表示ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図140は、その状態表示ユニットを斜め後から見た分解斜視図である。
また、図141は、センタ役物の可動役物ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図142(a)は、可動役物ユニットを、役物装置と図柄表示装置とに分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図142(b)は、分解したものを斜め後から見た分解斜視図であり、図143は、役物装置を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図144は、その役物装置を斜め後から見た分解斜視図であり、図145は、役物装置における可動装飾部を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図146は、図柄表示装置を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図147(a)は、可動装飾部が挿入された状態を示す可動役物ユニットの縦断面図であり、図147(b)は可動装飾部と発光基板との関係を示す斜視図である。
図116に示すように、センタ役物2400は、遊技パネル1150の略中央を貫通するように大きく形成された開口部1150fに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されており、遊技領域1100の大半を占める大きさに形成されている。また、センタ役物2400の下部部分は右側に大きく突出しており、正面視形状が略L字形に形成されている。特に、右側に突出した部分は第二入賞装置ユニット2250の下側、すなわち遊技領域1100の右下部分まで延出されている。
図129乃至図131に示すように、センタ役物2400は、正面視形状が略L字形で前面が開放された箱状のセンタ台板2401と、センタ台板2401の上部空間2401a(開口2401fが形成された枠状の部分)に収容されたロゴユニット2402と、上部空間2401aの下側の中央空間2401bに収容された七セグ表示ユニット2403と、中央空間2401bの下側の下部空間2401c(円筒状の部分)に収容された状態表示ユニット2404と、下部空間2401cの右側の右下部空間2401dに収容され、上側の役物装置2406及び下側の図柄表示装置2407からなる可動役物ユニット2405と、右下部空間2401dのさらに下側の最下部空間2401eに収容され機能表示部材2411及び発光基板2412からなる機能表示ユニット1180と、を備えて構成されている。また、センタ台板2401には、左側上端部分に配置され遊技領域1100の遊技球を左下方に案内する左上球通路2409と、右側上部に配置された補強部材2410と、可動役物ユニット2405を囲むように右下部空間2401dの周囲に沿って配置された装飾枠2408とが設けられている。以下、各ユニットについて詳細に説明する。なお、機能表示ユニット1180については詳細を前述したため、ここでは詳細な説明を省略する。
ロゴユニット2402は、図131及び図132に示すように、センタ台板2401の上部空間2401aに形成された開口2401fの上側、左側及び右側を囲むように、正面視形状が門形に形成されている。また、図132及び図133に示すように、ロゴユニット2402は、左右両側の縦部分に装飾部2415bを有する光透過性のレンズベース2415と、レンズベース2415の上部前面2415aに取付けられ所定の文字を象った複数の窓部2416aを有するロゴベース部材2416と、それぞれの窓部2416a内に収容された光透過性の複数のロゴ装飾部2417と、装飾部2415bの後側に取着されたレンズ部材2424と、レンズベース2415の上部後面に取付けられるとともに各ロゴ装飾部2417に対し夫々別々に光を導くリフレクタ2425と、リフレクタ2425の後側に配置され前方に向って光を投光する門形の発光基板2426と、を備えている。つまり、発光基板2426から光が投光されることで、レンズベース2415の装飾部2415b及びロゴ装飾部2417が発光装飾されるようになっている。
また、レンズベース2415の上部右側には、テントウムシのキャラクタを模した小装飾部2419が配設されており、装飾部2415b及びロゴ装飾部2417とは別に発光装飾されるようになっている。この小装飾部2419は、光透過性の小ベース部材2420と、その前面に取付けられた小レンズ部2421と、小ベース部材2420を通して小レンズ部2421に光を投光する小発光基板2422とを備えている。
次に、七セグ表示ユニット2403について説明する。七セグ表示ユニット2403は、図134に示すように、上部で左右方向に並んで配置され複数の図柄(「GO」または「×」)を表示することが可能な三つの図柄表示部2430と、下部の左右方向中央に配置され「0」から「9」までの数字を表示することが可能な数字表示部2431とを備えている。図134乃至図136を参照してさらに詳しく説明する。七セグ表示ユニット2403は、まず光透過性のベース部材2432を備えている。このベース部材2432には、図柄表示部2430に対応する三つの図柄表示用筒部2432aが上部に形成され、その下側には数字表示部2431を視認可能とする開口を有する枠状部2432bが形成されている。また、ベース部材2432の上端部(図柄表示用筒部2432aの上側)には、遊技者側に突出する八個の光誘導部2432cが左右方向に並んで配置されている。
また、ベース部材2432の前面には、前側カバー部材2433及び左右一対の炎形レンズ部材2434が取付けられている。前側カバー部材2433には、ベース部材2432の図柄表示用筒部2432aが後側から嵌挿される外筒部2433aと、枠状部2432bが後側から嵌挿される矩形枠状の下側枠部2433bと、光誘導部2432cの先端部分が後側から嵌挿される八個の孔部2433cとが形成されており、また、前側カバー部材2433の前面は光反射面を有する装飾形状となっている。なお、外筒部2433aの前面には、装飾性を有する環状の環状カバー部材2435が装着されており、装飾性が一層高められている。
また、一対の炎形レンズ部材2434は、ロゴユニット2402(図133参照)におけるレンズベース2415の装飾部2415bと同一の材質で且つ同一の模様に形成されており、これにより七セグ表示ユニット2403とロゴユニット2402との一体感が高められている。
また、七セグ表示ユニット2403は、図柄表示部2430として、図柄表示用筒部2432aの前面と外筒部2433aの内面との間にそれぞれ介装された三枚のシート部材2436と、シート部材2436の後方に配置された発光基板2439と、発光基板2439から投光された光をベース部材2432側に効率よく導くリフレクタ2437とを備えている。発光基板2439はシート部材2436に光を照射するものであり、少なくとも三原色の一つである青色と三原色の他の一色である赤色とを含む複数種類の色の光を投光可能なフルカラーの発光ダイオードを備えている。
シート部材2436は、カラーフィルタからなり、第一透過手段及び第二透過手段を有している。第一透過手段は、発光基板2439から投光される第一色(具体的には青色)の光のみが通過することで、第一図柄(「GO」)を表示するものであり、一方、第二透過手段は、発光基板2439から投光される第二色(具体的には赤色)の光のみが通過することで、第一図柄とは異なった第二図柄(「×」)を表示するものである。このようなシート部材2436を備えることにより、環状カバー部材2435を通して視認される図柄を、必要に応じて変化させることが可能となり、演出の単調さを抑制することが可能になる。特に、発光基板2439から投光される光の色を異ならせるだけで表示される図柄を変化させることができるため、極めてシンプルに構成することが可能になる。また、シート部材2436による第一透過手段及び第二透過手段と、発光基板2439とによって構成されているため、例えば液晶表示装置のような表示装置で構成する場合と比べ、大きさを小型化することができる。
また、リフレクタ2437の前面には、遊技者側から見て、前側カバー部材2433の各外筒部2433aと下側枠部2433bとが夫々連結されているように見せる装飾部2438が配設されている。この装飾部2438は、導火線の形状を模したものであり、発光基板2439から投光される光によって発光装飾されることで、図柄表示部2430で表示される図柄と、数字表示部2431で表示される数字が互いに関連していることを示している(詳細は後述する)。
七セグ表示ユニット2403の数字表示部2431は、レンズ部材2442及び七セグ表示器2441からなり、大当り抽選結果に対応した一桁の数字を表示させることが可能になっている(詳細は後述する)。
また、ベース部材2432における枠状部2432bの左下方には、後述する状態表示ユニット2404(図137参照)の一部として機能するV形目盛2444と、その内部に収容されたV形レンズ2445とが配設されており、V形目盛2444も発光基板2439から投光される光によって発光装飾されるようになっている。なお、ベース部材2432の後側には、V形レンズ2445に対向してリフレクタ2446が設けられており、発光基板2439から投光される光がV形レンズ2445に案内されるようになっている。
次に、状態表示ユニット2404について説明する。図129及び図130に示すように、状態表示ユニット2404は、七セグ表示ユニット2403の下側に配置され、遊技の進行状態を示すものである。この状態表示ユニット2404は、図137及び図138に示すように、遊技者側から見て前後方向を軸方向とする回転軸を中心に回転可能に支持された回転体2450と、回転体2450に回転力を付与する回転駆動部2451と、回転体2450の周囲に配設され、回転体2450の外周に沿って配列された複数の目盛部2453を有する円環状の指標部材2452と、回転体2450に設けられ複数の目盛部2453を選択的に指し示すことが可能な指針2454と、を備えて構成されている。なお、指針2454は、爆弾から延び出る導火線を模しており、その先端形状は、指先や矢印等、指し示す部位を明確に案内可能な先細の形状となっている。
図138乃至図140に示すように、回転体2450は、回転可能に支持された円盤状のベース部材2457と、ベース部材2457の前面中央から前方に突出した支軸部2457aに軸ピン2460及びブッシュ2461を介して接続された円板状の内側レンズ部2462と、内側レンズ部2462を収容するとともに内側レンズ部2462に固定された回転ベース2463とから構成されている。回転ベース2463は、前面側が球面状に形成され丸い爆弾を模している。また、回転ベース2463の表面には、全体に亘って鏡面部2455が形成されており、遊技者側から見て、指標部材2452における複数の目盛部2453が鏡面部2455に映り込むようになっている(図137(b)参照)。なお、この鏡面部2455は、合成樹脂部材をベースとしその表面にメッキ加工を施すことにより形成されている。また、回転ベース2463の中心部分には、回転ベース2463の表面のうち約半分の大きさを占める開口部2463aが形成されており、所定の文字図柄を模した光透過性を有する装飾部2464が後側から嵌め込まれている。
回転駆動部2451は、ベース部材2457の後側に接続された駆動フランジ2470と、モータベース2471によって支持されたモータ2472と、モータ2472の回転運動を駆動フランジ2470に伝達するリンク部材2473とから構成されている。つまり、モータ2472の回転に従動して、ベース部材2457、内側レンズ部2462、及び回転ベース2463(装飾部2464を含む)からなる回転体2450が一体的に回転するように構成されている。なお、駆動フランジ2470の近傍には二つのフォトセンサ2474が設けられており、回転体2450の回転位置(基準位置)を検出することが可能になっている。
一方、指標部材2452は、略円筒状に形成され内部に回転ベース2463を収容する環状レンズ部2459と、環状レンズ部2459の前面側を覆う略円環状の外枠部2465と、外枠部2465の左側前面に配置された天国形目盛2467とから構成されている。環状レンズ部2459は、遊技者側に向って拡開されたテーパー状の内周面2459bを有し、その内周面2459bに複数の目盛部2453が周方向に所定の間隔で配置されている。
外枠部2465は、環状レンズ部2459の前面側を覆うとともに、夫々の目盛部2453に対して開口した複数の窓部2465aを有する部材であり、目盛部2453同士の境界に位置する区画部2465bが放射状に形成されている。つまり、外枠部2465の窓部2465aを通して見える環状レンズ部2459の内周面2459bが、目盛部2453となっている。なお、この目盛部2453は、遊技者側から見て、時計盤の1時方向から8時方向までの間で10等分されるように配置されている。また、時計盤の9時方向に相当する位置には天国形目盛2467が配置され、また10時方向に相当する位置には前述した七セグ表示ユニット2403のV形目盛2444(図137(b)参照)が配置されている。すなわち、V形目盛2444及び天国形目盛2467は、目盛部2453と同様、指針2454によって指し示され、また回転ベース2463の鏡面部2455に映り込むようになっている。また、外枠部2465の表面には、回転ベース2463の鏡面部2455と同色の光反射面が形成されている。
天国形目盛2467は、遊技者に有利な特定の遊技状態(詳細は後述する)であることを示すものであり、外枠部2465における前面左側の装着部2465cに装着されている。また、天国形目盛2467は、立体的な形状を呈し、外枠部2465の窓部2465aを通して視認可能な目盛部2453よりも遊技者側に大きく迫り出して配置されている。また、天国形目盛2467は、光透過性を有する立体的なレンズ部2468と、レンズ部2468を通して遊技者側に光を投光する発光基板2469とから構成されており、発光装飾させることが可能になっている。また、10時方向の位置に配置されたV形目盛2444は、天国形目盛2467における特定の遊技状態よりもさらに有利な遊技状態(詳細は後述する)であることを示すものであり、天国形目盛2467と同様、立体的な形状を呈するとともに、遊技者側に大きく迫り出して配置されている。
また、環状レンズ部2459の後側には発光基板2466が配置されており、内側レンズ部2462を通して装飾部2464に光を投光するとともに、環状レンズ部2459の目盛部2453に光を投光するように構成されている。つまり、装飾部2464及び目盛部2453をそれぞれ発光装飾させることが可能になっている。特に、発光基板2466には、各目盛部2453に対し、夫々別々に投光可能な複数の発光ダイオード2466aが搭載されており、複数の目盛部2453の中から指針2454が指し示す目盛部2453のみを発光させることが可能となっている。
ところで、従来のパチンコ機に設けられたこの種の状態表示装置では、指針の先端部分を目盛部上まで延出する構成を採用している。つまり、遊技者側から見て、指針の先端部分と、指し示されている目盛部とが重なり合って見えるように構成されている。ところが、このように指針の先端部分を指標部材の目盛部上まで延出したものでは、回転体を回転させる際、指針が指標部材に接触しないように構成する必要があった。また、指標部材の前面は平面的な形状となるため、例えば指標部材に対する回転体の突出量(遊技者側への突出量)を比較的大きく設定した場合には、目盛部の一部が回転体によって遮られ見え難くなるおそれがあった。一方、回転体が突出しないように設定した場合には、回転体を立体的に見せることができなくなり、演出効果を半減させるおそれがあった。なお、指針の先端部分が指標部材側に突出しないようにすれば、指標部材及び目盛部を立体的に形成することが可能になるが、これによれば、指針がどの目盛部を指し示しているのかが分かり難く、遊技の進行状態を見間違えることが懸念されていた。
これに対し、本例では、回転ベース2463の表面には、鏡面部2455が設けられており、指標部材2452における全ての目盛部2453、天国形目盛2467、及びV形目盛2444(以下、これらをまとめて「目盛部2453等」という)が鏡面部2455に映り込まれている。このため、指針2454の先端部分が指標部材2452側に突出しないように構成した場合でも、図137(b)に示すように、回転ベース2463の鏡面部2455に映り込む目盛部2453等の像Z(以下「目盛像Z」という)と指針2454の先端部分とを、遊技者側から見て重ね合せて見せることが可能となり、これによれば、指針2454がどの目盛部2453等を指し示しているのかを明確に認識させることができる。
また、遊技者側から見て、指針2454は、その先端部分が目盛像Zの前方に位置しているため、指し示された目盛像Zが指針2454によって遮蔽された状態となる。つまり、映り込んだ複数の目盛像Zのうち、指し示された目盛像Zのみが見えなくなり(または視認困難となり)、他の目盛像Z(視認可能な目盛像Z)と容易に識別することが可能となる。また、指針2454の先端部分が指標部材2452側に突出しないため、指標部材2452及び目盛部2453等の設計的な自由度が高くなる。また、指針2454を回転ベース2463と一体で成形したり、指針2454が取着された回転体2450を指標部材2452の後側から組付けたりすることも可能となる。
また、回転ベース2463の前面側が半球面状に形成されているため、回転ベース2463の表面は凸面鏡のように機能し、回転ベース2463の周囲に配置された目盛部2453等を回転ベース2463の周面部分に映り込ませることが可能となる。特に回転ベース2463は、回転軸を中心として全方向に対称の形状となることから、時計板のように、複数の目盛像Zを回転軸から等距離の位置に表示させることが可能となる。
また、指標部材2452の環状レンズ部2459は、遊技者側に向って拡開されたテーパー状の内周面2459bを有し、ラッパ形の形状となっており、そのテーパー状の内周面2459bに目盛部2453が配置されているため、目盛部2453が平面的に構成されているにも拘らず、それらの目盛部2453を回転ベース2463の鏡面部2455に映り込ませることができるとともに、遊技者に対して直接視認させることも可能となる。したがって、遊技者は目盛部2453及び目盛像Zの両方を見ることができ、指針2454によって指し示された目盛部2453を一層容易に認識することが可能となる。
また、環状レンズ部2459は回転ベース2463の周りを囲むように設けられているが、内周面2459bをテーパー状とすることで、回転ベース2463を環状レンズ部2459よりも大きく突出させることなく、回転ベース2463の奥側まで見せることが可能となる。したがって、目盛部2453の一部が回転ベース2463に遮られて見え難くなることを防止でき、しかも回転ベース2463を立体的に見せ演出効果を高めることが可能となる。また、遊技者側に向って広がっているため、指標部材2452を大きく見せることができ、迫力のある演出を行うことが可能になる。
また、指標部材2452の目盛部2453は光透過性の部材で形成され、後方の発光基板2466によって光が投光されるため、回転ベース2463の鏡面部2455に映り込まれる目盛部2453が光輝き、一層鮮やかな目盛像Zを表示することができる。したがって、遊技者の注意を惹き付けるとともに、指針2454がどの目盛部2453を指しているのかを極めて容易に認識させることができる。特に、複数の目盛部2453のうち、指針2454が指し示す目盛部2453のみが発光するため、指針2454による機械的な動きに加え、目盛部2453の発光状態によっても遊技の進行状態を把握することが可能となり、状態表示ユニット2404を用いた全体の演出効果を高めることができる。
また、環状レンズ部2459の前面側が外枠部2465によって覆われており、外枠部2465の窓部2465aを通して目盛部2453を視認させるようになっているため、指標部材2452における装飾性が高められ、目盛部2453を目立たせることが可能となる。したがって、回転ベース2463の鏡面部2455に映り込まれた目盛像Zだけでなく、指標部材2452の目盛部2453に対しても遊技者の注意を惹き付けることが可能となる。また、外枠部2465には、夫々の目盛部2453を区切るように、放射状の区画部2465bが形成されているため、指標部材2452が放射状に延出されているように、指標部材2452をさらに大きく見せることができる。
また、外枠部2465の表面に光反射面が形成されているため、回転ベース2463の表面の鏡面部2455と環状レンズ部2459を覆う外枠部2465との一体感が高められ、状態表示ユニット2404全体を大きく見せることが可能となる。特に、外枠部2465の色は、回転ベース2463の鏡面部2455と同色(すなわち銀色)であるため、鏡面部2455では、外枠部2465が映り込んでいても、外枠部2465の像の色と鏡面部2455自体の色とを区別することが困難になる。すなわち、外枠部2465の像は、鏡面部2455に対して保護色となるため目立たなくなり、目盛像Zのみを目立たせることが可能となる。したがって、回転体2450が回転しているにも拘らず、その表面に表示されている目盛部2453(正確には目盛像Z)が静止しているという、従来にはない斬新な装飾を行うことが可能となる。なお、このような装飾は、回転体を透明な部材で構成し、目盛部を回転体の内部に固定状態で(回転しないように)設ける構成を採用しても実現可能となるが、これによれば、目盛部を支持する支持部材等の他の部材も回転体を通して露出され、意匠性を損ねるという問題が発生することから好ましくない。
また、外枠部2465の前面側に、特定の遊技状態であることを示す立体的な天国形目盛2467及びV形目盛2444が設けられている。このように指標部材2452の前面から突出して設けることにより、特定の遊技状態を示す目盛部である天国形目盛2467及びV形目盛2444と、その他の目盛部2453とを視覚的に差別化することが可能となり、特定の遊技状態が遊技者にとって有利であることを、天国形目盛2467及びV形目盛2444の形状からも意識させることができ、遊技への意欲を高めることが可能となる。なお、天国形目盛2467及びV形目盛2444を立体的に形成することで、これらの前面が指針2454よりも遊技者側に迫り出すことになるが、指針2454の先端部分は指標部材2452側に突出しないため、指針2454と天国形目盛2467またはV形目盛2444との接触を回避することができる。
ところで、指標部材2452の目盛部2453は固定状態に設けられているため、回転ベース2463の鏡面部2455に映し込まれた目盛像Zも当然、一定の位置に表示される。このように、遊技者側から見て、回転体2450が回転しても目盛像Zの位置は変化しないため、回転体2450が静止しているように、すなわち指針2454のみが回転軸を中心に回転しているように見えてしまい、これによれば、回転体2450による演出のインパクトが低下するおそれがある。これに対し、本例では、回転ベース2463の表面中央部分に、所定の図柄の装飾部2464が設けられているため、指針2454だけでなく回転体2450全体が回転している様子が強調され、ひいては回転体2450の演出を効果的に行うことができる。なお、装飾部2464は回転体2450の表面中央部分に配設されているため、目盛部2453の映り込みを阻害したり、目盛像Zを遮蔽したりすることはない。また、装飾部2464は、発光基板2466から光が投光されることで発光装飾するため、装飾部2464の存在が際立ち、回転体2450の演出によるインパクトを一層高めることができる。
次に、可動役物ユニット2405について説明する。図141及び図142に示すように、可動役物ユニット2405は、筐体2500の前面に表示領域2502を有し、その表示領域2502に図柄を表示する図柄表示装置2407と、図柄表示装置2407に隣接して配置され、図柄表示装置2407側に移動可能に支持された可動装飾部2480、及び可動装飾部2480を遊技状態に基いて移動させる駆動機構2481を有する役物装置2406と、から構成されている。なお、可動役物ユニット2405は、遊技パネル1150に対し左右方向に傾けた状態で装着されており、可動装飾部2480は斜めに移動するようになっているが、ここでは説明の便宜上、可動装飾部2480の移動方向を上下方向とする。
まず、役物装置2406について説明する。図142乃至図144に示すように、役物装置2406の駆動機構2481は、可動装飾部2480を上下方向に摺動可能に支持するガイドベース2482と、ガイドベース2482の前面に取付けられ表面に光の乱反射面を有するガイド飾り2483と、ガイドベース2482の後側に取付けられたモータベース2484と、モータベース2484に取付けられたモータ2485と、ガイドベース2482及びモータベース2484間に収容されるとともにモータ2485の回転軸2485aに接続され、モータ2485の回転運動を可動装飾部2480の直線運動に変換するリンク部材2486と、リンク部材2486の位置を検出することで可動装飾部2480の位置(基準位置)を検出するフォトセンサ2487と、を備えている。なお、リンク部材2486には、モータ2485の回転軸2485aが嵌合する嵌合孔2486aが一端側に形成され、可動装飾部2480のレバーリンク2497(後述する)の後面から突出する突出部2497aが挿入される長孔2486bが他端側に形成されている。このため、遊技者側から見て、モータ2485を時計方向に回転させると可動装飾部2480が上昇し、モータ2485を反時計方向に回転させると可動装飾部2480が下降するようになっている。なお、モータベース2484の後側には、配線用のケーブル(図示しない)を保持するケーブル押え部材2488が設けられている。
また、ガイドベース2482、ガイド飾り2483、及びモータベース2484は、いずれも下方に延出する延出部2482b,2483b,2484bを備えており、全体が略T字形の形状となっている。また、ガイドベース2482及びモータベース2484は光透過性の部材で形成されており、モータベース2484の後側には発光基板2489が取付けられている。つまり、発光基板2489から投光された光によってガイドベース2482及びモータベース2484を発光装飾させ、ガイド飾り2483に形成された複数の窓部2483aを通して視認させることが可能になっている。
可動装飾部2480は、図143及び図145に示すように、その大部分がガイド飾り2483の前側に配置されているが、レバーリンク2497及びブッシュ2496のみがガイドベース2482の内部に配置され、互いに一体化された状態で上下方向に摺動するようになっている。さらに詳しく説明すると、可動装飾部2480は、起爆装置のレバーを模した形状(略T字形)を呈し内部に収容空間を有するレバーベース2490と、その収容空間の後側を覆う略T字形の裏蓋2491と、レバーベース2490の前面中央部分に取着された軸飾り2492と、レバーベース2490の左右両端部分に取着された一対の左右レバー飾り2493と、軸飾り2492の上部開口部2492aに前側から嵌込まれキャラクタの顔を模したエンブレム2494と、レバーベース2490の収容空間に配置されレバーベース2490を通して遊技者側に光を投光する発光基板2495と、裏蓋2491の後側(ガイドベース2482の内部)に配置されブッシュ2496を介して接続されたレバーリンク2497と、を備えている。なお、軸飾り2492は表面がメッキ加工されており、照射された光を反射することが可能になっている。また、裏蓋2491の裏面には、後方に突出した三本の軸2491aが形成されており、ブッシュ2496を介して、レバーリンク2497に形成された三つの挿入孔2497aにそれぞれ嵌挿されている。また、ブッシュ2496は、ガイドベース2482に形成された三個のガイド孔2482aに後側から挿入されており、ガイド孔2482aに沿って上下方向に摺動するように支持されている。
一方、図柄表示装置2407は、図142及び図146に示すように、下側に向って横幅が狭くなる略ホームベース形の正面形状を呈するとともに内部に収容空間を有する枠状の筐体2500と、筐体2500の上面及び右側面を覆うように筐体2500の前側から取着された枠レンズ2503と、周囲のフランジ部2504a以外の部分が筐体2500の内部に収容された透明部材からなる基板台2504と、基板台2504の前面2504b及び筐体2500の内面の間に挟持され特定の色の光を透過することで図柄を表示する二色シート2505と、基板台2504内に収容され二色シート2505に向って所定の色の光を投光する発光基板2506と、を備えて構成されている。
ところで、従来のパチンコ機では、可動役物ユニット2405のように、演出装置として、可動装飾部を有する役物装置、及び図柄を表示する図柄表示装置の両方を備えるようにしたものがあるが、これらの演出装置を配設するためのスペースは限られた大きさであり、しかも、役物装置は可動装飾部が移動可能となるように配置しなければならないため、役物装置の大きさが制限されていた。特に、演出動作の際、可動装飾部を図柄表示装置側に突出させるものでは、役物装置と図柄表示装置とを離間して配置しなければならず、限られたスペースの中に配置することが困難となっていた。
これに対し、本例の可動役物ユニット2405では、図柄表示装置2407における筐体2500の上面(すなわち役物装置2406側の面)には、切欠状の開口部2507が設けられており、図柄表示装置2407に向って移動する可動装飾部2480の下部部分が開口部2507を通して筐体2500の内部に挿入されるようになっている。なお、図柄表示装置2407では、枠レンズ2503及び基板台2504においても、筐体2500の上面と重なる部分に、開口部2507が形成されている。このため、可動役物ユニット2405では、役物装置2406及び図柄表示装置2407を互いに隣接して配置することが可能となっている。つまり、可動装飾部2480の可動に必要なスペースが図柄表示装置2407の中に確保されるため、図柄表示装置2407及び役物装置2406を限られたスペースの中に配置することが容易となっている。
また、図柄表示装置2407では、筐体2500の表面側に配置された二色シート2505に対し、その後方に配置された発光基板2506から光を投光することで図柄を表示させる構成であるため、発光基板2506から投光された光が可動装飾部2480によって遮られないように構成することで、二色シート2505の後方に可動装飾部2480を収容することが可能となっている。詳しく説明すると、発光基板2506には、可動装飾部2480の収容空間S(図147(a)参照)を確保するための切欠部2508が形成されている。このように切欠部2508を設けることにより、二色シート2505及び発光基板2506の間の空間と、発光基板2506の後側の空間とが連通し、可動装飾部2480が比較的大きな場合であっても、その可動装飾部2480を収容することが可能となる。また、可動装飾部2480の後には発光ダイオードが配置されていないため、可動装飾部2480が光を遮ることがなく、可動装飾部2480の可動位置に拘らず、二色シート2505に向う光の光量を一定とすることができ、図柄の表示状態を安定化させることが可能となる。
特に、本例の二色シート2505は、少なくとも二種類の色の光を投光可能なものであり、発光基板2506から投光される第一色(例えば赤色)の光のみが透過することで、第一図柄を表示する第一透過手段と、第一色とは異なる色の第二色(例えば青色)の光のみが透過することで、第二図柄を表示する第二透過手段とを備えている。つまり、発光基板2506から赤色の光が投光されると、その光は、第一透過手段のみを透過することで、第一図柄を赤色で表示し、一方、発光基板2506から青色の光が投光されると、その光は、第二透過手段のみを透過することで、第一図柄とは異なる第二図柄を青色で表示する。このように、発光基板2506から投光される光の色を異ならせるだけで図柄を切替えることができるため、極めてシンプルに構成することが可能になる。このため、筐体2500内に、可動装飾部2480が収容されるスペースSを比較的容易に確保することが可能となる。
また、二色シート2505は、同一面上に、すなわち一枚の部材上に二つの透過手段(第一透過手段及び第二透過手段)を並べて(または一部を重複させて)配置している。これにより、二枚の部材を重ね合わせる場合に比べて厚みを薄くコンパクトにすることができ、可動装飾部2480の配設スペースを増やすことが可能となっている。また、同一面上に二つの透過手段を形成するため、透過率の減少を低減することができ、切欠部2508と対向する部分でも鮮明な表示を行うことが可能となる。さらに、第一透過手段と第二透過手段との重複部は、赤色及び青色の光が夫々透過可能に構成されているため、重複部の色が欠けることがなく、各種図柄を所望の色及び所望の形態で表示することが可能となり、ひいては二種類の図柄を判別しやすくすることができる。
また、筐体2500及び基板台2504の後側は、センタ台板2401(図131参照)の背面によって覆われているが、この背面、特に発光基板2506に形成された切欠部2508の後方に位置する部分には、その切欠部2508と略同一形状であり、且つ筐体2500の開口部2507に連通する背面側開口部2401g(図131参照)が形成されている。このため、役物装置2406を組付ける際、センタ台板2401に対し、役物装置2406をその後方から組付けながら、背面側開口部2401gを通して可動装飾部2480を筐体2500の内部に挿入することが可能となる。したがって、可動装飾部2480が筐体2500内に常時収容されるように構成する場合であっても、容易に組付けることが可能となる。また、切欠部2508の後方が開放されるため、可動装飾部2480の配設スペースをさらに広げることが可能になる。
また、役物装置2406では、可動装飾部2480の背景となるガイド飾り2483の下端が図柄表示装置2407側に延出されており、その延出部2483bによって背面側開口部2401gが閉鎖されている。このため、図柄表示装置2407に対して役物装置2406の取付位置を正確に合わせることができ、可動装飾部2480を筐体2500内の発光基板2489等に接触させることなく収容できる。特に、ガイド飾り2483の前面には光反射面が形成されているため、発光基板2506の切欠部2508(すなわち発光ダイオードが配置されていない部分)の後方を光らせることができ、切欠部2508を形成したことによる光量の低下を補うことが可能となっている。また、この光反射面は凹凸状に形成されているため、発光基板2506から投光された光を乱反射させることが可能となり、ひいては反射面全体を満遍なく光らせることが可能となる。
また、二色シート2505と発光基板2506との間には、比較的大きな15mm以上の隙間が設けられている。このため、発光基板2506から投光された光は、二色シート2505を照射する前に筐体2500内で拡散される。つまり、切欠部2508の部分には発光ダイオードを配置することができないが、複数の発光ダイオードから投光された光を拡散させることで、切欠部2508に正対する部分にも光を照射することが可能となる。また、二色シート2505及び発光基板2506の間の隙間は20mm以下であるため、隙間を大きくすることによる光の減衰を極力抑えることができる。
また、筐体2500内に挿入される可動装飾部2480の挿入部分は略丸棒状であり、その前側半分(軸飾り2492の下部)が、二色シート2505と発光基板2506との間の隙間に収容されている(図147(a),(b)参照)。このため、発光基板2506から放射された光(特に拡散した光)が可動装飾部2480によって遮られることを極力抑制することができる。したがって、切欠部2508が比較的大きな場合でも、切欠部2508に対向する二色シート2505に対し、拡散された光を十分に照射することが可能となる。
また、軸飾り2492の表面、すなわち発光ダイオードの拡散した光が照射される部分が、光反射面となっているため、切欠部2508に収容された可動装飾部2480の表面を光らせることができ、切欠部2508に対向する二色シート2505に対し照射される光量を増やすことが可能となる。
また、発光基板2506では、発光ダイオードの配置が、切欠部2508の周縁領域で密、他の領域で疎となっている。このため、切欠部2508と対向する二色シート2505に対して光量を増加し、ひいては二色シート2505全体を満遍なく光らせることが可能となる。
また、本例では、可動装飾部2480は、その下部が筐体2500の内部に収容されたまま可動するようになっている。すなわち、可動装飾部2480の一部が常に筐体2500の内部に収容された状態となっている。このため、可動装飾部2480と図柄表示装置2407との関連を遊技者に意識させ、可動装飾部2480の動作と図柄表示装置2407における図柄の表示を一層注目させることが可能となる。特に、図柄表示装置2407及び役物装置2406の前面側が、装飾枠2408(図131参照)によって一体的に囲まれているため、図柄表示装置2407及び役物装置2406の一体感がさらに高められている。
また、図柄表示装置2407の筐体2500が、役物装置2406の可動装飾部2480に関連する形状となっている。具体的には、図柄表示装置2407の筐体2500は、起爆装置の本体を模した形状を呈し、可動装飾部2480は、起爆装置のレバーを模した形状を呈している。このため、図柄表示装置2407で図柄が表示される前、または可動装飾部2480が可動する前の段階から、図柄表示装置2407及び役物装置2406の一体感を高め、それらの組み合わせによる一体的な演出に興味を持たせることができる。特に、起爆装置のレバーである可動装飾部2480を、起爆装置の本体である図柄表示装置2407の筐体2500に対して可動させることで、レバーを押して爆弾を爆発させるような、臨場感の高い迫力のある演出が可能となっている。
[2−4.裏ユニット]
続いて、図148〜図167を参照し、裏ユニット3000の構成について詳細に説明する。図148は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図149は、裏ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図である。また、図150は、シャッター体が開いた状態のシャッター役物を斜め前から見た斜視図であり、図151は、シャッター体が閉じた状態のシャッター役物を斜め前から見た斜視図であり、図152は、シャッター体が閉じた状態の遊技盤を斜め前から見た斜視図であり、図153は、シャッター役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図154は、そのシャッター役物を斜め後から見た分解斜視図であり、図155は、シャッター体の左側遮蔽部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図156は、シャッター体の右側遮蔽部材を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図157は、シャッター役物の上側支持駆動ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図158は、上側支持駆動ユニットの伝達機構を斜め前から見た斜視図である。
また、図159は、キャラクタ駆動役物を斜め前から見た斜視図であり、図160は、キャラクタ駆動役物の可動装飾ユニットが下降した状態を斜め前から見た斜視図であり、図161は、可動装飾ユニットが反転した状態を斜め前から見た斜視図であり、図162は、キャラクタ駆動役物を主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図163は、可動装飾ユニットの縦断面を斜め前から見た斜視図であり、図164は、可動装飾ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。
また、図165は、液晶ユニットを主な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図166は、裏ユニットの残りの部分を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図167は、液晶支持ユニットを分解して斜め前から見た分解斜視図である。
図113、図148、及び図149に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられており、主に、裏箱3001と、遊技パネル1150から所定距離後側へ離れた位置に支持された液晶ユニット3004と、裏箱3001の上部空間に配置されたキャラクタ駆動役物3003と、キャラクタ駆動役物3003の前方に配置され、液晶ユニット3004の液晶表示装置1900及びキャラクタ駆動役物3003の可動装飾ユニット3100を遮蔽可能なシャッター役物3002と、を備えて構成されている。
まず、裏箱3001について説明する。裏箱3001は、図166に示すように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数個備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル1150(図113参照)の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁3001bの略中央に矩形状の開口3001cが形成されており、この開口3001cを通して、後側に支持される液晶ユニット3004の液晶表示装置1900を視認させることが可能になっている。さらに、裏箱3001には、シャッター役物3002及びキャラクタ駆動役物3003等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
次に、シャッター役物3002について詳細に説明する。シャッター役物3002は、図151及び図152に示すように、シャッター体3010と、シャッター体3010の上側に配置され、シャッター体3010を移動させる駆動機構3011と、シャッター体3010の下側を支持する下側レール部材3016とから構成されている。また、シャッター体3010は、キャラクタ駆動役物3003(図149参照)の可動装飾ユニット3100の前方に配置され、可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を遮蔽するとともにセンタ役物2400の開口窓2400aを通して視認可能な遮蔽位置と、図110及び図150に示すように、遊技者側から見て可動装飾ユニット3100の外側で且つ遮蔽位置の斜め後方に配置され、可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を視認可能とする開放位置との間で移動可能に支持されている。
図150、図153及び図154に示すように、シャッター体3010は、遊技領域1100の左側に配置された左側遮蔽部材3013と、遊技領域1100の右側に配置された右側遮蔽部材3014とから構成されている。左側遮蔽部材3013は、図153及び図155に示すように、正面形状が縦長の略長方形状である光透過性のベース部材3020と、装飾性を高めるためにベース部材3020の前面に取着された上側飾り部3021、下側飾り部3022、外側飾り部3023、内側飾り部3024、及び歯形飾り部3026と、ベース部材3020の後側に配設され光を効率的に導く上部リフレクタ3028及び下部リフレクタ3029と、上部リフレクタ3028及び下部リフレクタ3029を通してベース部材3020に光を投光し、ベース部材3020を発光装飾させる上側発光基板3030及び下側発光基板3031とを備えている。
そして、ベース部材3020に、上側飾り部3021等、複数の飾り部材を取着することにより、左側遮蔽部材3013の前面は、可動装飾ユニット3100に関連する形状、詳しくは可動装飾ユニット3100におけるキャラクタの顔の左半分を拡大した形状となっている。
また、ベース部材3020の右側の側面、すなわち遮蔽位置において右側遮蔽部材3014と突き合わされる面には、凹凸形状を有する嵌合部3032が取着されており、右側遮蔽部材3014の端面と嵌合するようになっている。また、ベース部材3020の上側には、複数の歯部3033aを背面側に有するラック3033が配設されている。なお、ラック3033の下面には、左右両側から下方に突出する連結部3033bが形成されており、ベース部材3020の上面に形成された一対の孔部3020aに嵌挿されている。また、ラック3033の歯部3033aは円弧に沿って刻まれており、後述するピニオン3063(図158参照)と噛合することで、ピニオン3063の回転運動を円弧状の曲線運動に変換することが可能になっている。また、ベース部材3020の下面には、後述する下側レール部材3016に沿って摺動可能な摺動部3020bが形成されており、ブッシュ3034を介して下側レール部材3016に接続されている。また、ベース部材3020の上部左端後面には上側発光基板3030及び下側発光基板303等に接続されたケーブル(図示しない)を保持するケーブル押え3035が設けられている。
一方、右側遮蔽部材3014は、左側遮蔽部材3013と略同様に構成されており、図153及び図156に示すように、略長方形状のベース部材3040と、ベース部材3040の前面に取着された上側飾り部3041、下側飾り部3042、外側飾り部3043、内側飾り部3044、及び歯形飾り部3046と、ベース部材3040の後側に配設された上部リフレクタ3048及び下部リフレクタ3049と、ベース部材3040に光を投光する上側発光基板3050及び下側発光基板3051とを備えて構成されている。
そして、ベース部材3040に、上側飾り部3041等、複数の飾り部材を取着することにより、右側遮蔽部材3014の前面は、可動装飾ユニット3100(図159参照)におけるキャラクタの顔の右半分を拡大した形状となっている。つまり、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014を突き合せて一体化することにより、キャラクタの顔全体が形成されるようになっている。
また、ベース部材3040の上側には、複数の歯部3053aを背面側に有するラック3053が配設されている。なお、ラック3053の下面には、左右両側から下方に突出する連結部3053bが形成されており、ベース部材3040の上面に形成された一対の孔部3040aに嵌挿されている。また、ラック3053の歯部3053aは円弧に沿って刻まれており、ピニオン3063(図158参照)と噛合することで、ピニオン3063の回転運動を円弧状の曲線運動に変換することが可能になっている。また、ベース部材3040の下面には、下側レール部材3016に沿って摺動可能な摺動部3040bが形成されており、ブッシュ3054を介して下側レール部材3016に接続されている。また、ベース部材3040の上部左端後面にはケーブル押え3035が設けられている。
一方、駆動機構3011は、図153及び図157に示すように、シャッター体3010の上側に配置され、シャッター体3010を摺動可能に支持する上側レール部材3060と、上側レール部材3060の上側を覆う蓋部材3061と、蓋部材3061の上面に取付けられた一対のモータ3062と、上側レール部材3060内に収容されるとともに、蓋部材3061を挿通するモータ3062の回転軸(図示しない)に接続され、さらに左側遮蔽部材3013のラック3033及び右側遮蔽部材3014のラック3053に噛合された一対のピニオン3063と、上側レール部材3060の内部に収容され、ラック3033,3053の位置を検出することで、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014が開放位置に位置していることを検出するフォトセンサ3064とを備えている。ここで、上側レール部材3060には、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014における連結部3033b,3053bが挿通する四つの溝部3060aが円弧に沿って並んで形成されており、これにより左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014の摺動方向が規制されている。
また、図157に示すように、上側レール部材3060の下面には、配線用のケーブル(図示しない)を保持するケーブル押え3065が取付けられ、蓋部材3061の上面における左右方向中央には、モータ3062等への信号を中継するための中継基板3066が取着されている。
図153に示すように、下側レール部材3016は、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014の下側、詳しくはベース部材3020,3040の下部に取付けられたブッシュ3034,3054を、摺動可能に支持する二つの溝部3016aが形成されている。なお、この溝部3016aも上側レール部材3060の溝部3060aと同様、円弧状に形成されている。
ところで、従来のパチンコ機に備えられているシャッター体は、単に、表示画面の視認可能状態を切替えているに過ぎず、その動きが平面的で単調なものとなっていた。このため、表示画面が突然見えなくなることに対してインパクトを与えることができても、シャッター体自体には、視覚的な面白さがなく、遊技者の注意を惹き付けることが困難となっていた。
これに対し、本例のシャッター役物3002によれば、開放位置が遮蔽位置の斜め後方に位置しており、シャッター体3010(左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014)は、開放位置(図150に示す状態)から遮蔽位置(図151に示す状態)に移動する際、可動装飾ユニット3100(図149参照)の外側から斜め前方に向って移動するように、すなわちシャッター体3010が遊技者側に飛び出すように、立体的に移動するようになっている。したがって、シャッター体3010自体のインパクトを高めるとともに、視覚的な面白さを高めることができる。特に、シャッター体3010は、後側の所定位置を中心とする円弧に沿って曲線移動するため、開放位置と遮蔽位置とではシャッター体3010の向きが異なるようになる。具体的には、遮蔽位置の際には、シャッター体3010の前面が遊技者に正対するように配置されるが、開放位置になると、シャッター体3010の前面が斜め側方を向いた状態となり、シャッター体3010における前後方向の長さが長く、左右方向の長さが短くなる。したがって、シャッター体3010の大きさが比較的大きな場合でも、開放位置の際、遊技パネル1150の後方に位置する限られたスペースの中でシャッター体3010を収容することが可能となる。換言すれば、比較的大きなシャッター体3010を設けることが可能となり、遊技者に与えるインパクトを一層高めることができる。また、シャッター体3010が開放位置から遮蔽位置に移動する際、遊技者側から見えるシャッター体3010の大きさ(すなわち左右方向成分の大きさ)が次第に大きくなるため、迫力のある動作によってダイナミックな演出を行うことが可能となる。
また、シャッター体3010が左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014から構成されており、可動装飾ユニット3100(図149参照)及び液晶表示装置1900(図149参照)を遮蔽する場合は、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014を遮蔽位置に移動させて突き合わせることで、一体化された一つのシャッター体3010を形成している。一方、可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を視認させる場合は、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014を相反方向に移動させ、遮蔽位置の斜め後方に配置させる。したがって、シャッター体3010を視認させる場合(すなわち可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を遮蔽する場合)は、シャッター体3010を大きく見せ、シャッター体3010を退避させる場合(すなわち可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を視認させる場合)は、シャッター体3010を分割して小さく収容することが可能となる。また、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014の協働によって可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900が遮蔽されるため、これらが比較的大きい場合でも、確実に遮蔽することが可能になる。また、可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900の前面を開放する際、左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014は、相反方向に移動することから、可動装飾ユニット3100の前方に形成された一つのシャッター体3010が後方に向って分散されるようなイメージを喚起させることができ、シャッター体3010の立体感をさらに高めることが可能になる。
また、左側遮蔽部材3013の右端面には、嵌合部3032が設けられているため、遊技者側に飛び出してきた左側遮蔽部材3013及び右側遮蔽部材3014を遮蔽位置において合致させることができ、シャッター体3010としての一体感を高めることが可能となる。
また、シャッター体3010の大きさは、センタ役物2400(図152参照)の開口窓2400aよりも大きな値に設定されている。このため、図152に示すように、開口窓2400a全体を内側から塞ぐことが可能となる。つまり、シャッター体3010が遮蔽位置に移動すると、開口窓2400aを通して見えるのはシャッター体3010のみとなり、シャッター体3010を注目させることができる。特に、シャッター体3010の周縁部はロゴユニット2402によって遮蔽されるため、シャッター体3010を実際以上に大きく見せることが可能となる。
また、シャッター体3010は、開放位置の際、その全てが遊技パネル1150またはロゴユニット2402の後方に位置し、視認することができなくなる。したがって、開放位置から遮蔽位置に変化すると、通常視認されることのないシャッター体3010が突然遊技者側に飛出して可動装飾ユニット3100及び液晶表示装置1900を遮蔽することから、極めて大きなインパクトを与えることが可能となる。
また、シャッター体3010が遮蔽位置になると、遊技者に正対するため、センタ役物2400の開口窓2400aを通してシャッター体3010の前面全体を明瞭に視認させることができ、演出効果を高めることが可能になる。
また、シャッター体3010の後方には、可動装飾ユニット3100が配設されているため、立体的な構造の可動装飾ユニット3100と、立体的に移動するシャッター体3010とを組み合わせることにより、立体的な一つの演出ユニットとして認識させることができる。特に、シャッター体3010は、可動装飾ユニット3100が配置された空間を囲むように立体的に移動することから、シャッター体3010が可動装飾ユニット3100を収容する大きな容器であるかのようなイメージを喚起させることができ、シャッター体3010及び可動装飾ユニット3100の動きを互いに関連付けながら演出を楽しませることができる。
さらに、シャッター体3010の後方には、液晶表示装置1900も配置されており、液晶表示装置1900と、その前方に配置された可動装飾ユニット3100とが、シャッター体3010によって遮蔽されるようになっている。このため、シャッター体3010が開放位置に移動した際は、可動装飾ユニット3100の動きと液晶表示装置1900の表示画面に表示される画像とを組み合わせた演出を楽しませることができる。例えば、表示画面に表示される画像を可動装飾ユニット3100の背景し、可動装飾ユニット3100による演出効果を高めることが可能となる。また、このように複数の演出装置を前後方向に重ねて配置する場合でも、シャッター体3010を遊技者側に飛び出すように移動させることで、演出装置全体を包むように遮蔽することが可能となり、シャッター体3010を一層大きく見せることが可能となる。
特に、液晶表示装置1900の前方に配置された可動装飾ユニット3100は、(詳細は後述するが)演出位置と待機位置との間で移動可能となっており、待機位置に移動すると、液晶表示装置1900の外側に位置し、遊技者側から見えなくなる。つまり、シャッター体3010を開いた状態で可動装飾ユニット3100を待機位置に移動させると、液晶表示装置1900の表示画面全体を視認させることが可能となる。したがって、液晶表示装置1900、可動装飾ユニット3100、及びシャッター体3010を組合わせた演出パターンをさらに多様化することができ、演出における興趣を高めることが可能となる。
また、シャッター体3010の前面に装飾部が設けられており、その装飾部の形状は、可動装飾ユニット3100の少なくとも一部と同一または類似となっているため、シャッター体3010が開放位置から遮蔽位置に移動する際、可動装飾ユニット3100が遊技者側に飛び出して来るようなイメージを喚起させることができ、演出の面白みをさらに高めることが可能となる。特に、可動装飾ユニット3100は、キャラクタを模した形状であるのに対し、シャッター体3010の装飾部は、そのキャラクタの顔を模した形状となっているため、シャッター体3010が開放位置から遮蔽位置に移動すると、まるでキャラクタが巨大化し、しかも遊技者側に飛び出して来るようなイメージを喚起させることができ、ダイナミックで臨場感のある演出を行うことが可能となる。また、そのキャラクタの顔を模した装飾部がシャッター体3010の前面全体に亘って形成されているため、シャッター体3010の前面におけるキャラクタの顔の大きさを一層大きくすることが可能となり、迫力をさらに高めることが可能となる。
また、シャッター体3010が遮蔽位置になると、シャッター体3010に設けられた上側発光基板3030,3050及び下側発光基板3031,3051から遊技者側に向って光が投光されるため、シャッター体3010の装飾効果を高め、シャッター体3010の動きを一層注目させることができる。
次に、キャラクタ駆動役物3003について詳細に説明する。キャラクタ駆動役物3003は、図159及び図160に示すように、可動装飾ユニット3100と、可動装飾ユニット3100を上下方向に移動させる昇降支持装置3101とから構成されており、可動装飾ユニット3100が上限まで移動すると(図110及び図159参照)、演出位置となり液晶表示装置1900の前方に配置され、一方、可動装飾ユニット3100が下限まで移動すると(図160参照)、液晶表示装置1900の斜め下方に配置され、遊技者側から視認することができなくなるようになっている。なお、演出位置の際に、センタ役物2400の開口部2400aを通して視認可能となるのは、可動装飾ユニット3100の上部側に形成されたキャラクタ部3109のみであり、可動装飾ユニット3100の下部側については、可動装飾ユニット3100の位置に拘らず、常に視認されないようになっている。
また、図159及び図161に示すように、可動装飾ユニット3100は、上下方向を軸方向とする回転軸を中心に、キャラクタ部3109を旋回させること(すなわちキャラクタの顔が後を向くこと)が可能となっている。
まず、図159及び図162に基いて、昇降支持装置3101の構成について詳細に説明する。昇降支持装置3101は、可動装飾ユニット3100の左右両側に配置されており、前面が開放された縦長箱状のラックボックス3102と、ラックボックス3102内で上下方向に摺動可能に支持され上下駆動ラック3103と、上下駆動ラック3103の歯部3103aに噛合されたピニオン3104と、ラックボックス3102の後面に取付けられピニオン3104に回転力を付与するモータ3105と、上下駆動ラック3103が上限位置に達したことを検出するフォトセンサ3106と、ラックボックス3102の前面を覆うラック蓋部3108とを備えている。つまり、モータ3105が回転すると、モータ3105の回転運動がピニオン3104及び上下駆動ラック3103によって上下方向の直線運動に変換され、可動装飾ユニット3100を上下方向に移動させることが可能になっている。なお、上下駆動ラック3103の前面には、前方に突出する一対の突起部3103bが上下に並んで形成されており、ラック蓋部3108に形成された縦溝3108aを通してラックボックス3102の外部に突出している。
一方、可動装飾ユニット3100は、左右の昇降支持装置3101に夫々接続する左側アーム部材3110及び右側アーム部材3111を備えており、左側アーム部材3110及び右側アーム部材3111に形成された嵌合孔3110a,3111aに、上下駆動ラック3103の突起部3103bが嵌合している。そして、嵌合孔3110a,3111aの前方からワッシャ3107及びネジ(図示しない)で締結することで、可動装飾ユニット3100と昇降支持装置3101とが接続されている。
また、可動装飾ユニット3100は、図163及び図164に示すように、上面が開放された箱状の部材であり左右側面に左側アーム部材3110及び右側アーム部材3111が接続された支持ボックス3112と、支持ボックス3112の上面を覆う蓋部材3113と、支持ボックス3112の下面に取付けられたモータ3114と、支持ボックス3112内に収容されモータ3114によって回転力が付与されるモータ歯車3115と、モータ歯車3115に噛合する回転歯車3116と、回転歯車3116に連結されキャラクタ部3109を支持するステージ部材3117と、回転歯車3116を支持ボックス3112内で回転可能に支持する4組のラック軸3118及びブッシュ3119と、を備えている。なお、支持ボックス3112内にはフォトセンサ3120が配設されており、回転歯車3116の基準位置を検出することが可能になっている。
また、キャラクタ部3109は、前後に分割された縦長樋状の前側基板台3122及び後側基板台3123と、それらの上端部分を囲むように取着されたキャラクタ体前部3125及びキャラクタ体後部3126と、前側基板台3122及び後側基板台3123の間に挟持されキャラクタ体前部3125及びキャラクタ体後部3126を通して遊技者側に光を投光する発光基板3124とを備えている。なお、キャラクタ体前部3125がキャラクタの顔の形状を模したものであり、前述したシャッター体3010の前面における形状と類似したものとなっている。また、発光基板3124へ電力を供給する電線(図示しない)は、前側基板台3122及び後側基板台3123の内部を通って配線されている。発光基板3124は、複数の色の光を投光可能な発光ダイオードを備えており、遊技状態に合わせて投光する光の色を切替えている(詳細は後述する)。
また、支持ボックス3112の下側には、取付部3127を介して、中継基板3128が取付けられており、モータ3114への駆動信号等が中継されている。また、取付部3127の下面には、配線用のケーブル(図示しない)を保持するケーブル押え3129も設けられている。
次に液晶ユニット3004(液晶表示装置1900)について説明する。液晶ユニット3004は、図165に示すように、後面が開放された箱状の液晶ケース3150と、液晶ケース3150の前面中央部分に配置された液晶本体3151と、液晶本体3151の前面側に設けられ液晶本体3151を保護する保護板3153と、液晶本体3151及び保護板3153を収容し液晶ケース3150に取着される枠状の液晶取付枠3152と、液晶ケース3150内に収容され液晶本体3151への信号を中継する中継基板3154と、を備えて構成されている。また、液晶ユニット3004に対し、裏箱3001内には、液晶支持ユニット3160(図166参照)が設けられており、液晶支持ユニット3160の開口部3160aを通して液晶ユニット3004の液晶本体3151が視認されるようになっている。液晶支持ユニット3160は、図166及び図167に示すように、液晶ユニット3004の前方の遊技領域、すなわちセンタ役物2400の開口部2400aを通して視認可能な遊技領域を囲う演出領域形成部材3161と、演出領域形成部材3161の後面に取着され開口部3160aを形成する液晶枠3162と、遊技者側に向って拡開した演出領域形成部材3161の天井面3161a及び内底面3161bに取付けられた上部飾り3163、及び左右一対の下部飾り3164とから構成されている。
以上、裏箱3001内に収容されたシャッター役物3002及びキャラクタ駆動役物3003と、液晶ユニット3004及び液晶支持ユニット3160とについて詳細に説明したが、図166に示すように、裏箱3001内の下部には、さらに球誘導部材3170、発光基板3175、パネル中継基板3176、及びアタッカ裏基板3177等が収容されている。また、裏箱3001の後面には、左基板カバー3178に収容された左中継基板3179と、右基板カバー3180に収容された右中継基板3181と、上側発光基板3165、左側発光基板3166、及び右側発光基板3167と、裏箱3001の後面に液晶ユニット3004を固定する液晶ロック部材3168と、が配設されている。
球誘導部材3170は、図166に示すように、一般入賞口2202(図117参照),2251(図123参照)、及び第一始動口2101(図117参照)等に入賞した遊技球を誘導する複数の誘導通路3170aを有している。また、各誘導通路3170aには、一般入賞口2202,2215、または第一始動口2101に入賞した遊技球を検出する複数の球検出センサ3172(後述する第一始動口センサ3524及び一般入賞口センサ3522等)が配設されている。また、各誘導通路3170aには、磁気検出センサ3173も配設されており、磁石等を用いた不正な遊技を検出することが可能になっている。ここで、第一始動口センサ3524が本発明の入賞状態検出手段に相当する。
また、二枚の発光基板3175は、サイド入賞口ユニット2300(図127参照)に対して後側から光を投光し、サイド入賞口ユニット2300を発光装飾させるものであり、上側発光基板3165、左側発光基板3166、及び右側発光基板3167は、液晶支持ユニット3160に対して後側から光を照射し、液晶支持ユニット3160で囲まれ空間内を照射するものである。
また、パネル中継基板3176は、遊技パネル1150への信号を中継するものであり、アタッカ裏基板3177は、第二入賞装置ユニット2250(図124参照)への駆動信号を中継するものである。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図168を参照して説明する。図168はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図168に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3524、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2276、及び一部の一般入賞口センサ3522からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2104b、一般入賞口センサ3522、カウントセンサ2277及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3173からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3176、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3176を介してソレノイド2267に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3176、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2276、ゲートセンサ2104b、及びカウントセンサ2277には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3522には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2101や第二始動口2102に頻繁に入球するし、ゲート部2104aを頻繁に通過するため、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2276、及びゲートセンサ2104bによる遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3524、第二始動口センサ2276、及びゲートセンサ2104bには、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2103が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントセンサ2277による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ2277にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図169参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図168に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ遊技機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図168に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4120b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ遊技機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊技機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ遊技機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ遊技機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ遊技機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図168に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図169参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図168に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図168に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤4に設けられた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データと、遊技盤4に備えられた各装飾基板のカラーLED等へ点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号等を出力するための遊技盤発光データと、から構成される遊技盤側駆動発光データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種可動体の原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各発光基板3115等のLEDに出力したりする。また、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ3062等に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181を介して本体枠3のスピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900の描画制御を行う液晶制御部4150は、図168に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受け入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[3−5.電源システム]
次に、パチンコ遊技機1に供給される電力について説明する。まず、電源基板851について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。図169はパチンコ遊技機の電源システムを示すブロック図であり、図170は図169の続きを示すブロック図である。なお、各種基板のグランドや各種端子板のグランドは、図示しないが、電源基板851のグランドと電気的に接続されている。
[3−5A.電源基板]
電源基板851は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグが島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ852を操作すると、島設備から供給されている電力が電源基板851に供給され、パチンコ遊技機1の電源投入を行うことができる。
電源基板851は、図169に示すように、全波整流回路851a、力率改善回路851b、平滑化回路851c、+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851gを備えている。全波整流回路851aは、島設備から供給されている交流24ボルト(AC24V)を全波整流して力率改善回路851bに供給している。この力率改善回路851bは、全波整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路851cに供給している。この平滑化回路851cは、入力される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて+5.2V作成回路851d、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、+24V作成回路851g、払出制御基板4110、及び周辺パネル中継端子板872にそれぞれ供給している。+5.2V作成回路851dは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.2V(DC+5.2V、以下、「+5.2V」と記載する。)を作成している。
+5.25V作成回路851eは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+5.25V(DC+5.25V、以下、「+5.25V」と記載する。)を作成している。+12V作成回路851fは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)を作成している。+24V作成回路851gは、平滑化回路851cから供給される+37Vから直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)を作成している。+5.2V作成回路851d、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、払出制御基板4110に供給され、+5.25V作成回路851e、+12V作成回路851f、及び+24V作成回路851gで作成される電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されている。なお、島設備から供給されているAC24Vは、全波整流回路851aのほかに、電源基板851を介してCRユニット接続端子板874にも供給されている。
また、電源基板851は、キャパシタBC0,BC1を備えている。キャパシタBC0は、主制御基板4100の主制御MPU4100aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM4100e)のバックアップ電源であり、キャパシタBC1は、払出制御基板4110における払出制御部4111の払出制御MPU4111aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)のバックアップ電源である。
+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vは、後述するように、払出制御基板4110に供給されるとともに、払出制御基板4110を介して主制御基板4100に供給されている。払出制御基板4110に供給される+5.2Vは、払出制御MPU4111aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。主制御基板4100に供給される+5.2Vは、主制御MPU4100aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAM4100eの電源端子に印加されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC1のマイナス端子(以下、「キャパシタBC1の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC1の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板4110のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、払出制御MPU4111aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。
このように、キャパシタBC1は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が払出制御基板4110に供給されくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板4110に供給されるようになっているため、払出制御MPU4111aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU4111aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板851のキャパシタBC0のマイナス端子(以下、「キャパシタBC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「キャパシタBC0の+端子」と記載する。)は、払出制御基板4110を介して主制御基板4100の主制御内蔵RAM4100eの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板4100のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5.2V作成回路851dからの電力は、主制御MPU4100aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAM4100eの電源端子と、キャパシタBC0の+端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが払出制御基板4110、主制御基板4100、そして再び払出制御基板4110から電源基板851に戻ってくるという電気的な接続方法により+5.2Vが印加されて充電することができるようになっている。これにより、+5.2V作成回路851dからの電力が主制御基板4100に供給されくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板4100に供給されるようになっているため、主制御MPU4100aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU4100aが作動しないものの、主制御内蔵RAM4100eの電源端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[3−5B.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板4110、主制御基板4100、及び発射電源基板831に供給される電圧ついて説明する。
電源基板851で作成された+5.2V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図169に示すように、払出制御基板4110に供給されるとともに、この払出制御基板4110を介して主制御基板4100にも供給されている。また電源基板851で作成された+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、周辺パネル中継端子板872に供給されるとともに、この周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御基板4010に供給される一方、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が周辺側中継端子板882に供給されている。周辺制御基板4010に供給される+5.25V、+12V、+24V、及び+37Vという4種類の電圧は、図170(a)に示すように、その4種類の電圧のうち、+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181のランプ駆動回路4161に供給されてランプ駆動回路4161から遊技盤4の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号が出力され、その4種類の電圧が裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181の駆動源駆動回路4162に供給されて駆動源駆動回路4162から遊技盤4のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力している。また、その4種類の電圧のうち、+24V及び+37Vという2種類の電圧が液晶表示装置1900に供給されている。
液晶表示装置1900は、描画制御される液晶モジュール1900aと、この液晶モジュール1900aのバックライト用の電源であるバックライト電源と、を備えており、+24Vが液晶モジュール1900aに供給され、+37Vがバックライト電源に供給されている。これに対して、周辺側中継端子板882に供給される+5.25V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図170(b)に示すように、扉枠ベース基板194に供給されており、その3種類の電圧のうち、+12Vが+9V作成回路194aに供給されて直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成している。扉枠ベース基板194は、その3種類の電圧に加えて、+9V作成回路194aで作成される+9Vを合わせた4種類の電圧を扉枠5の各種装飾基板等に供給している。
[3−5C.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板4110は、図169に示すように、払出制御MPU4111a等のほかに、払出制御フィルタ回路4110a、停電監視回路4110bも備えている。この払出制御フィルタ回路4110aは、電源基板851からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードPD0を介して電源基板851のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部4111の払出制御MPU4111a等に供給されている。停電監視回路4110bは、電源基板851からの+12V及び+24Vが供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路4110bは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御基板4100の主制御MPU4100aに出力する。この停電予告信号は、主制御基板4100を介して、周辺制御基板4010に伝わることにより、この周辺制御基板4010を介して、図170(a),(b)に示すように、液晶表示装置1900のバックライト電源1900bに伝わる一方、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194にも伝わって、扉枠ベース基板194を介して、扉枠5の各種装飾基板等に伝わるようになっている。
なお、+12V及び+24Vは、停電監視回路4110bに供給されるほかに、+12Vは、例えば、払出制御部4111の払出制御入力回路4111e等にも供給され、+24Vは、例えば、払出制御部4111の払出モータ駆動回路4111d等にも供給されている。また、電源基板851からの+37は、払出制御基板4110において何ら使用されずに、払出制御基板4110を介して、そのまま発射電源基板831に供給されている。発射電源基板831は、供給される+37Vから後述する所定電圧を作成して発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
[3−5D.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板4100は、図169に示すように、主制御MPU4100a等のほかに、主制御フィルタ回路4100hも備えている。主制御フィルタ回路4100hは、払出制御基板4110からの+5.2Vが供給されており、この+5.2Vからノイズを除去している。この+5.2Vは、ダイオードMD0を介して電源基板851のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU4100a等に供給されている。払出制御基板4110からの+12Vは、例えば、主制御入力回路4100f等に供給され、払出制御基板4110からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路4100g等に供給されている。
[3−5E.発射電源基板に供給される電圧]
発射電源基板831は、図169に示すように、DC/DCコンバータ831a、電解コンデンサSC0(本実施形態では、静電容量:4700マイクロファラッド(μF))を備えている。DC/DCコンバータ831aは、払出制御基板4110からの+37Vを降圧して直流+35V(DC+35V、以下、「+35V」と記載する。)を作成して払出制御基板4110における発射制御部4120の発射ソレノイド駆動回路4120dに供給している。
電解コンデンサSC0のマイナス端子(以下、「電解コンデンサSC0の−端子」と記載する。)は、グランドと接地される一方、そのプラス端子(以下、「電解コンデンサSC0の+端子」と記載する。)は、DC/DCコンバータ831aの+35V出力端子と電気的に接続されている。つまり、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aから出力される+35Vが印加されることで充電されるようになっている。本実施形態では、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dに流れるようになっている。その詳細な説明を後述する。
[3−6.発射ソレノイドの駆動方法]
次に、発射ソレノイド654の駆動方法について説明する。まず、発射ソレノイド654の駆動システムについて説明し、続いてその駆動回路の所定点における、入出力電流、出力電圧、信号の論理及び波形等について説明する。図171は発射ソレノイドの駆動回路を示すブロック図であり、図172はシャントレギュレータ回路、増幅回路、及びオペアンプ回路群を示す回路図であり、図173はDC/DCコンバータの特性を示す図であり、図174は図171の発射ソレノイドの駆動回路における所定点のタイミングチャートである。
[3−6A.発射ソレノイドの駆動システム]
発射ソレノイド654の駆動システムは、図171に示すように、主として、払出制御基板4110における発射制御部4120の発射制御入力回路4120a、発振回路4120b、発射タイミング回路4120c、発射ソレノイド駆動回路4120d、及び球送ソレノイド駆動回路4120eと、発射電源基板831のDC/DCコンバータ831a、及び電解コンデンサSC0と、電源基板851の力率改善回路851b、及び平滑化回路851cと、により構成されている。
発射制御入力回路4120aは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されると、CRユニット6がパチンコ遊技機1から電力(AC24V)供給を受けている旨を伝える信号が入力されてCR接続信号として発射タイミング回路4120cに出力し、回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516からの検出信号が入力されると、タッチ検出信号として発射タイミング回路4120cに出力し、遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号が入力されると、発射停止検出信号として発射タイミング回路4120cに出力する。
発射タイミング回路4120cは、発射制御入力回路4120aからのCR接続信号、タッチ検出信号、及び発射停止検出信号に基づいて、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可したり、禁止したりする。具体的には、発射タイミング回路4120cは、CRユニット6がCRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110と電気的に接続されていないためにCR接続信号が入力されていないという第1のケース、タッチ検出信号が回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れていない旨を伝えているという第2のケース、発射停止検出信号が遊技球の打ち出しを強制的に停止する旨を伝えているという第3のケース、のうち、1つでも該当するときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを禁止する一方、すべてに該当しないときに発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可する。
発射タイミング回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号が入力されており、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときには、このクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍(本実施形態では、5倍)した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。発射ソレノイド駆動回路4120dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、を併合した併合電流により打球発射装置650の発射ソレノイド654を駆動する。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、電源基板851からの+24Vによる球送ソレノイド585を駆動する。
発射ソレノイド駆動回路4120dは、主として、シャントレギュレータ回路4121a、増幅回路4121b、電圧比較回路4121c、スイッチング回路4121dから構成されている。シャントレギュレータ回路4121aは、電源基板851の+5.2V作成回路851dで作成される+5.2Vが供給されており、この+5.2Vから安定化された直流+2.5V(DC+2.5V、以下、「+2.5V」と記載する。)を作成して増幅回路4121bに供給している。
シャントレギュレータ回路4121aは、図172(a)に示すように、シャント式安定化電源回路PIC0を主として構成されている。このシャント式安定化電源回路PIC0は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。シャント式安定化電源回路PIC0の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、+5.2Vと抵抗PR2を介して電気的に接続されており、この抵抗PR2によりREF端子に入力される電流が制限されている。K端子は増幅回路4121bに+2.5Vを出力している。この+2.5Vは、グランドと接地されたコンデンサPC0によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC0は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、シャント式安定化電源回路PIC0のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
図171に戻り、増幅回路4121bは、シャントレギュレータ回路4121aからの+2.5を2倍に増幅して直流+5.0V(DC+5.0V、以下、「+5.0V」と記載する。)を作成して主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。
増幅回路4121bは、図172(a)に示すように、オペアンプPIC1を主として構成されている。オペアンプPIC1は、非反転増幅回路として構成されており、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)にはシャントレギュレータ回路4121aのシャント式安定化電源回路PIC0からの+2.5Vが印加され、オペアンプPIC1の反転入力端子(−端子)には一端がグランドと接地された抵抗PR3の他端と電気的に接続されるとともに、オペアンプPIC1の出力端子と一端が電気的に接続された抵抗PR4の他端と電気的に接続されている。抵抗PR3,PR4の抵抗値は、オペアンプPIC1の増幅率(平ループ利得)が2倍となるように設定されている。オペアンプPIC1の出力端子は、オペアンプPIC1の非反転入力端子(+端子)に印加された+2.5Vを2倍に増幅した+5.0Vを、上述したように、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して、ハンドル装置500における回転位置検知センサ512に供給している。この+5.0Vは、グランドと接地されたコンデンサPC2によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている(コンデンサPC2は、ローパスフィルタとしての役割も担っている)。なお、オペアンプPIC1の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC1によりリップルが除去されて平滑化されている。
図171に戻り、回転位置検知センサ512は3端子の可変抵抗器であり、両端の一の固定端子が上述した増幅回路4121bからの+5.0Vが供給され、その両端の他の固定端子がハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110における発射ソレノイド駆動回路4120dの抵抗PR0と電気的に接続されている。この抵抗PR0の他端は、グランドと接地されている。回転位置検知センサ512の両端の固定端子とは別の端子である可変端子から、可変された抵抗値に従って両端に印加された電圧の分圧を取り出すことができるようになっている。回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dにおける後述する抵抗PR5,PR6(図172(b)参照)で分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧が発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。
ハンドル装置500の回転位置検知センサ512の可変端子から取り出した電圧は、上述したように、ハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して、図172(b)に示すように、グランドと接地されたコンデンサPC3によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化され(コンデンサPC3は、ローパスフィルタとしての役割も担っている。)、払出制御基板4110の発射ソレノイド駆動回路4120dのボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加される。このオペアンプ回路群は、図172(b)に示すように、初段のオペアンプPIC2、後段のオペアンプPIC3を主として構成されている。ハンドル装置500からの電圧は、ボルトオーダーの電圧であり初段のオペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加される。初段のオペアンプPIC2の反転入力端子(−端子)には、初段のオペアンプPIC2の出力端子と電気的に接続されている。初段のオペアンプPIC2の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのボルトオーダーの電圧として出力する。この初段のオペアンプPIC2は、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、ハンドル装置500からの電圧を印加するための初段入力側回路と、電圧を後段のオペアンプPIC3に出力するための初段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、初段入力側回路から初段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、初段出力側回路の影響を初段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC2の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC4によりリップルが除去されて平滑化されている。
初段のオペアンプPIC2の出力端子は、自身の反転入力端子(−端子)のほかに、抵抗PR5の一端と電気的に接続され、この抵抗PR5の他端が後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)は、抵抗PR5の他端のほかに、一端がグランドと接地された抵抗PR6の他端と電気的に接続されている。これにより、初段のオペアンプPIC2の出力端からの電圧は、上述したように、ボルトオーダーの電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているため、ボルトオーダーの電圧であり、抵抗PR5,PR6により分圧され、この分圧された抵抗PR6が受け持つ電圧がミリボルトオーダーの電圧として後段のオペアンプPIC3の非反転入力端子(+端子)に印加される。後段のオペアンプPIC3の反転入力端子(−端子)には、後段のオペアンプPIC3の出力端子と電気的に接続されている。後段のオペアンプPIC3の出力端子は、オペアンプPIC2の非反転入力端子(+端子)に印加された電圧を1倍にして、つまりそのままのミリボルトオーダーの電圧が発射強度目標電圧として電圧比較回路4121cに出力する。この後段のオペアンプPIC3は、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧である入力電圧を単にそのまま出力しているものの、抵抗PR5,PR6で分圧されたミリボルトオーダーの抵抗PR6が受け持つ電圧を印加するための後段入力側回路と、電圧を電圧比較回路4121cに出力するための後段出力側回路と、の回路分離を実現している。これにより、後段入力側回路から後段出力側回路に向かって電圧が信号として伝達することができ、後段出力側回路の影響を後段入力側回路へ与えなくすることができる。なお、オペアンプPIC3の電源端子に入力される+24Vは、グランドと接地されたコンデンサPC5によりリップルが除去されて平滑化されている。
図171に戻り、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流れている電流は、一端がグランドと接地された抵抗PR1を流れることでこの抵抗PR1が受け持つミリボルトオーダーの電圧が発射制御電圧として電圧比較回路4121cに印加される。電圧比較回路4121cには、上述したミリボルトオーダーの電圧である発射強度目標電圧も印加されている。このように、電圧比較回路4121cで比較する発射制御電圧と発射強度目標電圧とは、上述したように、払出制御基板4110(発射ソレノイド駆動回路4120d)においてボルトオーダーの電圧からミリボルトオーダーの電圧へ抵抗PR1,PR6が受け持つ電圧によりそれぞれ降圧されるようになっている。つまり、払出制御基板4110上に形成された配線パターンを介して印加されるため、この配線パターンがノイズの影響を受け難く、電圧比較回路4121cがミリボルトオーダーの電圧で発射制御電圧と発射強度目標電圧とを比較することができるのに対して、払出制御基板4110と打球発射装置650との基板装置間、及び払出制御基板4110とハンドル装置500との基板装置間においては、配線を介して電気的に接続されているため、配線にノイズの影響を受け易く、ボルトオーダーの電圧とすることにより基板装置間におけるノイズの影響を抑制している。
電圧比較回路4121cは、発射制御電圧と発射強度目標電圧とを大小比較する反転型の回路であり、その比較結果をスイッチング回路4121dに出力する。電圧比較回路4121cによる比較結果は、HI又はLOWという論理出力となっており、発射制御電圧が発射強度目標電圧より大きいときにはLOW(以下、「L」と記載する。)となる一方、発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さいときにはHI(以下、「H」と記載する。)となる。このように、電圧比較回路4121cによる比較結果によって出力論理がH又はLとなるため、その出力信号がON/OFF信号としてスイッチング回路4121dに入力されることとなる。
スイッチング回路4121dは、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスが入力されるごとに、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従って、発射電源基板831に備える、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す。具体的には、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されると、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す一方、電圧比較回路4121cからのOFF信号が入力されると、発射ソレノイド654に流れている電流を遮断する。つまり、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON信号が入力されて、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流しているときに、この発射ソレノイド654に流れている電流を、抵抗PR1によって分圧された電圧が発射制御電圧として発射強度目標電圧より大きくなると、電圧比較回路4121cの出力論理がLとなり、OFF信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが発射ソレノイド654に流れている定電流を遮断する。この遮断により、発射ソレノイド654に電流が流れなくなることによって発射制御電圧が発射強度目標電圧より小さくなり、電圧比較回路4121cの出力論理が再びHとなり、ON信号をスイッチング回路4121dに出力し、スイッチング回路4121dが、上述したように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このように、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に従ってスイッチング回路4121dが、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を、発射ソレノイド654に流したり、その定電流を遮断したりするため、スイッチング回路4121dは、電圧比較回路4121cからのON/OFF信号に自励発振して電流を発射ソレノイドに流す制御を行っている。つまり、スイッチング回路4121dは、「自励発振定電流回路」として機能しており、発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけている。これにより、回転ハンドル本体前506が回動操作されて回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
なお、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときには、回転位置検知センサ512の可変端子から取り出される電圧は、抵抗PR0に印加されている電圧が上述したボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加される。この場合には、電圧比較回路4121cからのON信号がスイッチング回路4121dに出力されると、スイッチング回路4121dは、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流を発射ソレノイド654に流す。このDC/DCコンバータ831aからの出力される電流が最小出力電流となる。このときの発射ソレノイド654の発射強度は、少なくとも、発射レール660を飛び越えるものとなっている。つまり、抵抗PR0に印加されている電圧が発射強度目標電圧であるときには、その電圧に見合う電流(DC/DCコンバータ831aから出力される最小出力電流と、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流)が発射ソレノイド654に流れると、発射ソレノイド654によって打ち出された遊技球は、発射レール660を飛び越えることができても、遊技盤4の外レール1111に沿って遊技領域1100に達することができないため、ファール球としてファールカバーユニット540で回収されこととなる。換言すると、抵抗PR0に印加されている電圧がボルテージフォロアとして構成されたオペアンプ回路群に印加され、発射強度目標電圧として、電圧比較回路4121cに印加されるときには、発射ソレノイド654に流れる電流が最小電流となっているものの、この最小電流が発射ソレノイド654に流れても、打ち出された遊技球がすべてファール球として回収されるようになっている。これにより、球送ソレノイド585によって発射レール660に送り出された遊技球と重複することを防止することができるため、発射ソレノイド654がその重複する遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことを防止することができるとともに、発射ソレノイド654への加負荷を防止することができ、故障を防止することもできる。
本実施形態では、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
また、パチンコ遊技機1が設置される島設備は、複数のパチンコ遊技機から排出された遊技球を研磨して再びパチンコ遊技機に供給するという遊技球の循環システムが構築されている。このため、遊技球の研磨による熱、遊技球同士の衝突や摩擦による熱に加えて、パチンコ遊技機の電源基板や各種電飾による熱等により島設備内の温度は、極めて高くなっている。本実施形態では、上述したように、シャントレギュレータ回路4121aにシャント式安定化電源回路PIC0を採用することにより、パチンコ設備内に熱がこもる環境下にあっても、+2.5Vを安定化させて出力することができるようになっている。これにより、温度による+2.5Vの変動が抑制されることによって回転位置検知センサ512の可変端子から取り出された電圧、つまり発射強度目標電圧の「ゆらぎ」を抑えることができるため、この「ゆらぎ」分の電圧を含めずに、電圧比較回路4121cがスイッチング回路4121dに制御信号を出力することができる。つまり、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置であるときには、遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度に「ムラ」を抑えることができるため、遊技球の「飛びムラ」を抑えることができる。
[3−6B.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧]
次に、DC/DCコンバータ831aの入出力電流及び出力電圧について、図171に示した、TA点における入力電流、TB点における出力電流及び出力電圧について、図173を参照して説明する。TA点は、DC/DCコンバータ831aの入力電流Iinを参照するための点であり、TB点は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutを参照するための点である。なお、この出力電圧Voutは、グランドとの電位差である。
まずTB点の出力電圧Voutと出力電流Ioutとの関係は、図173(a)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であり、出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加し、出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加し、出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電圧Voutが減少するにつれて出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加している。なお、+5VからゼロV近傍では、出力電流Ioutはほぼ1010mAとなっている。
TA点の入力電流IinとTB点の出力電流Ioutとの関係は、図173(b)に示すように、出力電圧Voutが+35Vから減少につれて、入力電流Iinが減少するとともに出力電流Ioutが増大する関係となっている。具体的には、出力電圧Voutが+35Vから+30Vまでの区間Aでは、出力電流Ioutが約360mAと一定であるのに対して、入力電流Iinが400mAから320mAまで約80mA減少している。この区間Aでは、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが大きいときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が未だ遊技領域1100に達することが困難な発射強度となっている一方、回転ハンドル本体前506の回転位置と対応する電流が発射ソレノイド654に流れて出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが小さくなりだすときには遊技領域1100に向かって打ち出された遊技球が遊技領域1100に達する発射強度となっている。出力電圧Voutが+30Vから+20Vまでの区間Bでは、出力電流Ioutが360mAから400mAまで約40mA増加するのに対して、入力電流Iinが320mAから260mAまで約60mA減少しており、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+20Vから+10Vまでの区間Cでは、出力電流Ioutが400mAから660mAまで約260mA増加するのに対して、入力電流Iinが260mAから210mAまで約50mA減少しており、区間Bと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。出力電圧Voutが+10Vから+5Vまでの区間Dでは、出力電流Ioutが660mAから1010mAまで約350mA増加するのに対して、入力電流Iinが210mAから175mAまで約35mA減少しており、区間B、及び区間Cと同様に、出力電流Ioutと比べて入力電流Iinが完全に小さくなっている。
なお、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が360mAであるときには、この360mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最小電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動していない原回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流であるのに対して、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1010mAであるときには、この1010mAと、電解コンデンサSC0の放電による電流と、が併合された併合電流が最大電流、つまり遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を右回りに回動して限界回転位置であるときに発射ソレノイド654に流れる電流である。このように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、最小出力電流の値が360mAとなり、最大出力電流の値が1010mAとなる。DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が1000mAを超える場合には、発射ソレノイド654の発射強度は、すでに、外レール1111に沿って遊技領域1100に飛び出した遊技球が衝止部1114に衝突して内周レール1113に沿って下流に向かって転動し、各種入賞口に入球することなく、アウト口1151で回収される程度にまで強くなっている。このため、遊技者が回転ハンドル本体前506を右回りに回動して遊技を行っているときにおけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が取りうる範囲としては、360mAより大きく1000mAより小さく(360mA<出力電流Ioutの値<1000mA)、ミリアンペアオーダーの電流となっている。
[3−6C.DC/DCコンバータの入出力電流及び出力電圧と発射タイミング回路からの発射基準パルスとの関係]
次に、回転ハンドル本体前506の一定回転位置において、図171に示した、TB点におけるDC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Voutと、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、について、図174を参照して説明する。TB点は、上述したように、DC/DCコンバータ831aの出力電流Iout及び出力電圧Vout(グランドとの電位差)を参照するための点であり、TC点は、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点である。
発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0は、上述したように、発射ソレノイド654による遊技球の打ち出しを許可するときにおいて、1分当たり、つまり60000ms当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるように設定されているため、図174(a)に示すように、そのパルス幅が30ms、その周期Tが600msとなる。
ここで、遊技者が回転ハンドル本体前506に触れて、回転ハンドル本体前506を回動して限界回転位置であるときと、回動していない原回転位置であるときと、におけるDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutの波形について説明する。
回転ハンドル本体前506が限界回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(b),(c)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最大電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最大電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図174に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が+5Vまで下がり、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最大出力電流である1010mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の出力電圧がゼロV近傍に達するまで放電が進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最大電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、図173に示したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最大電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、ゼロV近傍となっており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである1010mAという電流によって充電を開始し、そしてDC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが+35V近傍まで回復してくると、360mAという電流によって充電を継続し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
これに対して、回転ハンドル本体前506が原回転位置にあるときには、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(b),(d)に示すように、DC/DCコンバータ831aからの電流と、電解コンデンサSC0に充電された電荷の放電による電流と、が併合された併合電流が上述した最小電流となって発射ソレノイド654に流れ始める(タイミングt0)。この最小電流が発射ソレノイド654に流れているときには、図174に示したDC/DCコンバータ831aの特性に従って、DC/DCコンバータ831aの電圧(電解コンデンサSC0の電圧)が若干下がるものの、図173に示した区間Aに属し、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutの値が上述した最小出力電流である360mAとなる。そして、発射基準パルスT0の入力後、30ms経過してその入力が停止されると、電解コンデンサSC0の放電が少し進んでいる(タイミングt1)。発射ソレノイド654への最小電流が遮断されることにより、DC/DCコンバータ831aの出力電圧Voutが徐々に+35Vまで回復する。これにともない、DC/DCコンバータ831aの特性に従って電解コンデンサSC0の充電が開始される。具体的には、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutは、上述したように、出力電圧Voutが小さくなるのに対して、出力電流Ioutが大きくなるという特性がある。最小電流が遮断された直後ではDC/DCコンバータ831aの出力電圧Vout、つまり電解コンデンサSC0の出力電圧は、若干下がるものの、区間Aに属しており、電解コンデンサSC0は、DC/DCコンバータ831aの出力電流Ioutである360mAという電流によって充電を開始し、その後、充電を完了することとなる。この充電は、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間にすでに完了するようになっている(タイミングt2)。つまり、今回の発射基準パルスT0が入力されて30ms経過して次の発射基準パルスT0が入力されるまでの570msの期間内に充電を完了するようになっている。
このように、発射ソレノイド654に最大電流、最小電流が流れても、DC/DCコンバータ831aの特性によって、今回の発射基準パルスT0が入力されて30msという放電時間内において電解コンデンサSC0が放電した電荷を、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの残りの570msという充電時間内に充電を完了させることができる。
ここで、発射基準パルスT0が入力されて30ms経過するまでの期間内に電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に電流を流す制御方式を採用する場合について考えてみると、この制御方式では、DC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654に流す電流が2A〜3.5A程度となるため、この電流が電源基板851から供給されることとなる。発射ソレノイド654を駆動するときには、瞬間的に2A〜3.5Aより大きい大電流が流れる。そうすると、30msという発射基準パルスT0が600msという周期Tで発生するごとに、電源基板への負荷もこの周期Tごとに増えることとなる。つまり、電源基板は、発射ソレノイド654が駆動される際に流れる瞬間的な大電流に加えて電子部品や、装飾に用いる電飾等にも所定電流を供給しているため、これらの総電力が電力供給上限値を超えると、安全のため電力供給を遮断することとなる。
そこで、本実施形態では、発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間において、電解コンデンサSC0が存在しない状態でDC/DCコンバータ831aが単独で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に引き延ばして、DC/DCコンバータ831aと電解コンデンサSC0とによる併合電流で発射ソレノイド654を駆動した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と、電解コンデンサSC0がDC/DCコンバータ831aからの電力を充電した場合に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第2の電流」と、に分散することができる。これにより、電解コンデンサSC0が存在しない状態で発射基準パルスT0が入力されてからそのパルス幅である30msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるアンペアオーダーの電流を、電解コンデンサSC0が存在する状態で発射基準パルスT0が入力されて次回の発射基準パルスT0が入力されるまでの600msという期間に電源基板851の+37Vという直流電源からDC/DCコンバータ831aに供給されるミリアンペアオーダーの「第1の電流」と「第2の電流」とにより平均化することができる。したがって、発射ソレノイド654の駆動による瞬間的な大電流を供給するための負荷が電源基板851にかからなくすることができる。また、電源基板851の過負荷時の安全装置の作動条件の設計に時間を費やすことも解消することができる。
[3−6D.発射タイミング回路からの発射基準パルスと球送基準パルスとの関係]
次に、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0と、球送基準パルスT1と、について、図174を参照して説明する。TC点は、上述したように、発射タイミング回路4120cからの発射基準パルスT0を参照するための点であり、図171に示したTD点は、発射タイミング回路4120cからの球送基準パルスT1を参照するための点である。
球送基準パルスT1は、発射基準パルスT0である30msの5倍である150ms(=T0(30ms)×5)が設定されている。発射基準パルスT0が発射ソレノイド駆動回路4120dのスイッチング回路4121dに入力されると、図174(a),(e)に示すように、球送基準パルスT1が発射ソレノイド駆動回路4120dの球送ソレノイド駆動回路4120eに入力され(タイミングt0、150ms経過すると、その入力が停止されるようになっている(タイミングt3)。これにより、球送ソレノイド585を駆動して球送ソレノイド585による球送制御を行うことにより、次の発射基準パルスT0が入力されるまでの間に、次に打ち出される遊技球のセットを完了することができ、発射基準パルスT0が入力されるごとに、遊技球を遊技領域1100に向かって連続して打ち出すことができる。
このように、本例では、発射ソレノイド654によって遊技球を打ち込むようにした上で、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ駆動する電源を供給させると共に電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしているので、容量の異なる電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を交換することで、発射ソレノイド654へ供給する電流(最大電流)を変更することができ、打球発射装置650の打込特性を遊技盤4に合わせた特性に変更することができる。
また、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給するようにしているので、遊技球を発射してから次に発射するまでの間に、電源基板851からの電力を電解コンデンサSC0で蓄えて発射ソレノイド654へ供給することで、電源基板851から直接瞬間的に大電流が消費されるのを回避させることができ、発光装飾基板のLEDや演出駆動用のモータやソレノイド等の発光や動き等が不安定になったり遊技球の飛びムラが発生したりするのを防止することができる。
更に、電源基板851は、島設備の交流電源(AC24V)から直流電源(+5.2V、+5.25V、+12V、+24V、及び+37V)を作成して供給しており、打球発射装置650は、ハンドル装置500の回転ハンドル本体前506が回動操作されてその回転ハンドル本体前506の回転位置に見合った発射強度で発射ソレノイド654を駆動して遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すことができる。
また、電圧比較回路4121cに印加される発射強度目標電圧は、シャントレギュレータ回路4121aからの一定電圧である+2.5Vが増幅回路4121bで増幅された+5.0Vがハンドル装置500の回転位置検知センサ512により分圧されたものとなることによって、この分圧された電圧も回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、変動が生じず一定の電圧に保持されることとなる。これにより、スイッチング回路4121dが打球発射装置650の発射ソレノイド654に併合電流を流すことにより発射制御電圧を発射強度目標電圧に近づけて発射制御電圧が発射強度目標電圧と同一となった際に、回転ハンドル本体前506の回転位置が同一回転位置に保持されているときには、発射ソレノイド654に流れる併合電流も変動が生じず一定の電流が流れることとなるため、発射ソレノイド654が遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す発射強度が同一となる。したがって、発射ソレノイド654の駆動発射による遊技球の「飛びムラ」を防止することができる。
[4.遊技機の制御に関する説明]
本実施形態のパチンコ機1は、複数の変動表示パターンテーブルを有している。各変動表示パターンテーブルは、複数の変動表示パターンを含む。パチンコ機1は、複数の変動表示パターンテーブルの中から1つの変動表示パターンテーブルを選択し、第一始動口センサ3524および第二始動口センサ2276の遊技球の検出に基づいて、選択した変動表示パターンテーブルの中から、1つの変動表示パターンを決定し得る。パチンコ機1は、決定した変動表示パターンに基づいて、特別図柄表示器1185、1186における特別図柄の変動、および、液晶表示装置1900における表示演出等を実行し得る。ここで、変動表示パターンは、少なくとも特別図柄の変動時間を規定する。特別図柄の変動時間とは、特別図柄が変動開始してから停止するまでの時間のことである。このような制御を含むパチンコ機1の制御やパチンコ機1の制御に伴う遊技状態の詳細について、以下に説明する。
[4−1.遊技状態の説明]
本実施例のパチンコ機1では、種々の遊技状態に移行し得る。具体的には、パチンコ機1は、通常外部不利状態、通常外部有利状態、確変外部不利状態、および、確変外部有利状態のいずれかの遊技状態に移行し得る。通常外部不利状態は、確率変動機能および時短機能が作動してしない遊技状態である。通常外部有利状態は、時短機能が作動しており、確率変動機能が作動していない遊技状態である。確変外部不利状態は、確率変動機能が作動しており、時短機能が作動していない遊技状態である。確変外部有利状態は、確率変動機能および時短機能が作動している遊技状態である。
ここで、確率変動機能とは、上述した確率変動の状態とする機能、すなわち、後述する大当り抽選において大当りを引く確率(大当り確率)が通常時の確率(所定確率)よりも高く設定される機能である。時短機能とは、普通図柄表示器1189で変動する普通図柄の変動時間が通常時よりも短縮されると共に、後述する普通図柄抽選で当選する確率が、通常時の確率(所定確率)よりも高く設定されることによって、羽根部材2256の開閉が頻繁に実行され、第二始動口2102への入賞のし易さを通常よりも増加させる機能である。各遊技状態へは、大当りを契機として大当り遊技後に移行する。これら遊技状態のうち、確変外部有利状態が遊技者にとって最も有利であり、通常外部不利状態が遊技者にとって最も不利である。本実施形態において、「変動回数」とは、特別図柄が変動開始して停止した場合を1としてカウントされる回数であり、大当り抽選の回数と対応する。
[4−2.当りの種類の説明]
本実施例のパチンコ機1における当りは、9種類の大当り(大当りA、B、C、D、E、F、G、H、I)と、2種類の小当り(小当りA、B)とを含んでいる。これらの当りで当選した場合には、当り遊技が行われる。以下では、当り後の当り遊技を、「当り種類を表す名称」後に「遊技」を接続させて、表現し得る。例えば、大当りAで当選した場合における大当り遊技を、大当りA遊技とも表現する。また、小当りAで当選した場合における小当り遊技を、小当りA遊技とも表現する。
大当りAに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数(開閉扉2260による大入賞口2103の開放回数)が2回、開閉扉2260の1回の開放時間(大入賞口2103の1回の開放時間)が非常に短い時間(遊技球が入賞できるかできない程度の時間。例えば、0.5秒。ショート時間とも呼ぶ)に設定される大当りA遊技が実行されると共に、この大当りA遊技後に、遊技状態が通常外部不利状態に移行する。大当りBに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数および開閉扉2260の1回の開放時間が大当りA遊技と同様に設定される大当りB遊技が実行されると共に、この大当りB遊技後に、遊技状態が通常外部不利状態に移行する。以下では、開閉扉2260がショート時間で開放される開放を、ショート開放とも呼ぶ。
大当りCに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数が4回、開閉扉2260の1回の開放時間が大当りA遊技と比較して長い時間(多くの遊技球が、入賞できる程度の時間。例えば、25秒。ロング時間とも呼ぶ)に設定される大当りC遊技が実行されると共に、この大当りC遊技後に、遊技状態が通常外部不利状態に移行する。大当りDに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数および開閉扉2260の1回の開放時間が大当りC遊技と同様に設定される大当りD遊技が実行されると共に、この大当りD遊技後に、遊技状態が通常外部不利状態に移行する。以下では、開閉扉2260がロング時間で開放される開放を、ロング開放とも呼ぶ。
大当りEに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数および開閉扉2260の1回の開放時間が大当りA遊技と同様に設定される大当りE遊技が実行されると共に、この大当りE遊技後に、遊技状態が確変外部不利状態に移行する。
大当りFに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数および開閉扉2260の1回の開放時間が大当りC遊技と同様に設定される大当りF遊技が実行されると共に、この大当りF遊技後に、遊技状態が確変外部不利状態に移行する。
大当りGに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数が16回に設定される大当りG遊技が実行されると共に、この大当りG遊技後に、遊技状態が確変外部有利状態に移行する。この大当りG遊技において、開閉扉2260の4回目の開放までロング開放が実行され、開閉扉2260の5回目から16回目の開放まで超ショート開放が実行される。従って、大当りG遊技で、遊技者が多くの出玉を獲得できるのは、開閉扉2260の開放回数が4回目までであり、開閉扉2260の開放回数が5回目以降は、出玉を獲得することが難しい。なお、超ショート開放は、ショート開放よりもさらに短い開放(例えば、0.05秒)である。
大当りHに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数が16回に設定される大当りH遊技が実行されると共に、この大当りH遊技後に、遊技状態が確変外部有利状態に移行する。この大当りH遊技において、開閉扉2260の1回目から16回目の開放すべてロング開放が実行されるが、開閉扉2260の4回目の開放と5回目の開放の間の閉鎖時間(大入賞口2103の閉鎖時間)だけが、他の開放間の閉鎖時間(例えば、開閉扉2260の1回目の開放と2回目の開放の間の閉鎖時間)よりも長く設定されている。これにより、大当りH遊技において、開閉扉2260の4回目の開放が終了した際に、遊技者は、大当りが終了してしまったと判断する。しかし、時間をおいて、開閉扉2260の5回目の開放が始まるので、遊技者は、まだ大当り遊技が終わっていなかったことを認知する。すなわち、開閉扉2260の5回目の開放に合わせて、遊技者に大きなうれしさを付与することができる。このような大当りH遊技は、「ジャンプアップボーナス(JUB)」若しくは「ランクアップボーナス(RUB)」とも呼ばれる。
大当りIに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数が16回に設定される大当りI遊技が実行されると共に、この大当りI遊技後に、遊技状態が確変外部有利状態に移行する。この大当りI遊技において、開閉扉2260の1回目から16回目の開放すべてロング開放が実行される。
大当りAと大当りBとの違いは、当選時に、特別図柄表示器1185、1186に表示される図柄が異なることと、当選後の所定変動回数経過後に参照すべき変動表示パターンテーブルが異なることである。大当りCと大当りDとの違いは、当選時に、特別図柄表示器1185、1186に表示される図柄が異なることと、当選後の所定変動回数経過後に参照すべき変動表示パターンテーブルが異なることである。
小当りAおよび小当りBに当選した場合には、開閉扉2260の開放回数および開閉扉2260の1回の開放時間が大当りA遊技と同様に設定される小当り遊技が実行される。小当り遊技後の遊技状態は、小当り遊技前の遊技状態と同じであり、言い換えれば、小当りの当選によって遊技状態は変化しない。小当りAと小当りBとの違いは、当選時に、特別図柄表示器1185、1186に表示される図柄が異なることと、当選後の所定変動回数経過後に参照すべき変動表示パターンテーブルが異なることである。
本実施形態では、通常外部不利時に当選した場合において、大当りCと大当りDとの合計選択率に対する大当りFの選択率の割合(例えば、60%)は、大当りAと大当りBと小当りAと小当りBとの合計選択率に対する大当りEの選択率の割合(例えば、40%)よりも高い構成となっている。すなわち、後述する紫3図柄が停止表示された場合には、後述する赤3図柄が停止表示された場合と比べて、確率変動機能を作動させる大当りに当選している可能性が高い。
大当り遊技については、後述の大当り遊技処理で詳細を説明する。また、参照すべき変動表示パターンテーブルの選択については、後述の変動パターン設定処理で詳細を説明する。
[4−3.主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図175?図187、図193、図194を参照して説明する。図175は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図176は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図177はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。図178は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図179は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図180は、変動開始処理を示すフローチャートである。図181は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図182は、変動中処理の一例を示すフローチャートである。
また、図183は、大当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図184は、小当り遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図185は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。図186は、小当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。図187は、特別図柄用乱数記憶手段におけるテーブル構成を示す説明図である。図193は、テーブル移行表TIを示す図である。図194は、総合変動表示パターンテーブルHTを示す図である。
メイン処理は、図175に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、RAM4100eに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAM4100eに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAM4100eをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAM4100eに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAM4100eに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ4100cがオンであれば、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100のRAM4100eにバックアップデータが保存されていない場合には、RAM4100eをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことを周辺制御部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAM4100eにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板851によって生成する。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板851にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板851に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板851から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板851に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態をRAM4100eにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
次に、電源断発生時処理は、図176に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、RAM4100eのチェックサムを算出し、RAM4100eの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAM4100eの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAM4100eの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAM4100eへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなる虞れがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図177に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の普通制御処理では、遊技の進行状態に基づいて、普通図柄を変動させると共に、普通電動役物(すなわちソレノイド2267によって第二始動口2102を開閉する羽根部材2256)を制御し、第二始動口2102の開閉状態を変化させる処理を実行する。ステップS15の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちソレノイド2278によって大入賞口2103を開閉する開閉扉2260)を制御し、大入賞口2103の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、当り遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)を発生させるか否かの判定(当り判定)に用いられる大当り判定用乱数、当り判定において当り遊技状態を発生させると判定された時に特別図柄の停止図柄(当りの種類)を決定するために用いられる大当り図柄用乱数、当り判定にて当り遊技状態を発生させないと判定された時にリーチ態様を伴うハズレとするか否かの判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、第二始動口2102を開閉する羽根部材2256を開放状態に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
なお、本例では、大当り判定用乱数を用いて小当り遊技状態を発生させるか否かの抽選も行われる。なお、リーチ判定用乱数を用いて特別図柄の変動表示パターンを決定すると共に、液晶表示装置1900にて表示制御される装飾図柄の変動表示パターンを決定するようにしても良い。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当り遊技状態の発生に関わる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、および羽根部材2256を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当り遊技状態の発生および羽根部材2256を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当り遊技状態を発生させると判定する確率、羽根部材2256を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当り遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
次に、特別制御処理において主制御MPU4100aは、図178に示すように、ステップS20からステップS90の処理を実行する。ステップS20の始動口入賞処理では、第一始動口2101や第二始動口2102に遊技球が入賞したか否かを判別し、入賞した場合に抽選の保留状態を更新する処理を実行する。ステップS30の変動開始処理では、夫々の大当り抽選における記憶数(保留数)を確認し、保留数(合計の記憶数)が0でなければ、それに対応する特別図柄の変動表示を開始するための設定を行う。具体的には、大当り遊技状態(利益付与状態)を発生させるか否かの判定を行い(当落判定手段)、大当り遊技状態を発生させる場合には、確変大当りとするか否かを夫々判定する。ステップS40の変動パターン設定処理では、各特別図柄および各装飾図柄の変動表示に関わる設定を行う。具体的には、夫々の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(特別図柄表示器1185,1186にて特別図柄の変動表示を開始してから停止するまでの時間)をタイマにセットする。
ステップS50の変動中処理では、変動表示パターン設定処理(ステップS40)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186(特別図柄表示器1185,1186に相当)における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。この時、変動開始処理(ステップS30)にて何れか一方の大当り抽選で大当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「3」に更新し、同抽選で小当り遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当りまたは小当り遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。
ステップS60の大当り遊技開始処理(利益付与状態制御手段)では、大当り遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には後述するが、大当りの種類に応じて開閉扉2260の開放回数や開放時間等の設定を行う。また、ステップS70の小当り遊技開始処理では、小当り遊技状態を開始するための設定を行う。開閉扉2260の開放回数や開放時間等の設定を行う。ステップS80の大当り遊技処理では、大入賞口2103を開放させると共に、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過したことによって開閉扉2260を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、開閉扉2260を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達した時には、処理選択フラグを「5」に更新する。また、ラウンド回数が所定回数に達した後、確率変動機能及び時短機能を作動させる処理を実行する。
ステップS90の小当り遊技処理では、開閉扉2260を開くことで遊技球を受入可能とするとともに、所定個数の遊技球が大入賞口2103に入賞した時、または、所定期間が経過した時、開閉扉2260を閉じ遊技球を受入不能とするための処理を行う。なお、詳細は後述するが、小当り遊技処理における開閉扉2260の開放は、大当り遊技処理(ステップS80)に比べて、遊技者への利益が極めて低くなるように設定されている。次に、ステップS20〜ステップS90における具体的な処理について説明する。
次に、始動口入賞処理では、図179に示すように、まず、第二始動口センサ2276から検出信号が出力されたか否かを判別し、第二始動口センサ2276から検出信号が出力された場合には、第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別し(ステップS201にてYES)、第二始動口センサ2276からの検出信号が出力されていなければ第二始動口2102に遊技球が入賞していない(ステップS201にてNO)と判別する。ステップS201にて第二始動口2102に遊技球が入賞したと判別した時には、第二大当り抽選用の各種乱数(大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、等)を取得し、RAM4100eに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS202)。そして、ステップS202で第二保留数カウンタが4未満であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を実行する。なお、これらの処理については後述する。なお、ステップS202で第二保留数カウンタの値が4である場合には、第二始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
一方、ステップS201で第二始動口センサ2276から検出信号が出力されていない場合(ステップS201にてNO)、または、第二保留数カウンタの値が4である場合(ステップS202にてNO)には、第一始動口2101に遊技球が入賞したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、第一始動口センサ3524から検出信号が出力されたか否かを判別する。ステップS205にて第一始動口2101に遊技球が入賞したと判別した時には(YES)、第一大当り抽選用の各種乱数を取得し、RAM4100eに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かを判別する(ステップS206)。そして、ステップS206で第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を実行する。なお、ステップS206で第一保留数カウンタの値が4である場合には、第一始動保留記憶処理及び保留履歴更新処理を実行しない。
続いて、変動開始処理では、図180に示すように、まず、処理フラグが「0」か否かを判別し、「0」である場合(ステップS301にてYES)には、ステップS302以降の処理を実行し、「0」でない場合(ステップS301にてNO)には、変動開始処理を終了する。ステップS302では、夫々の特別図柄表示器1185,1186に対応する二つの保留数カウンタの値(第一始動記憶数及び第二始動記憶数)がともに「0」であるか否かを判別する。二つの保留数カウンタにおける値の和は、始動記憶の保存領域(特別図柄用乱数記憶手段4515,4532(図187参照))に格納される乱数値の個数を示すものであるため、ステップS302において何れの保留数カウンタの値がともに「0」であれば(YES)、第一大当り抽選及び第二大当り抽選に関する始動条件が成立していないと判別されて、変動開始処理を終了する。
一方、ステップS302で何れかの保留数カウンタの値が「0」でなければ(NO)、始動記憶移行処理を実行する(ステップS303〜ステップS311)。図187(a)に示すように、第一特別図柄用乱数記憶手段4515には、四つの記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[4]4515d)が設けられており、第一始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。また、図187(b)に示すように、第二特別図柄用乱数記憶手段4532にも、四つの記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[4]4532d)が設けられており、第二始動記憶数(「1」〜「4」)の値にそれぞれ対応付けられている。各記憶領域4515a〜4515d,4532a〜4532dは、大当り判定用乱数が記憶される大当り判定用乱数記憶領域4580と、大当り図柄用乱数が記憶される大当り図柄用乱数記憶領域4581とを有している。
そして、始動記憶移行処理では、まず、第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値(第二始動記憶数)が「0」であるか否か、すなわち第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていないかを判別し(ステップS303)、乱数が記憶されていれば(NO)、n番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4532b〜記憶領域[4]4532d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4532a〜記憶領域[3]4532c)に夫々シフトする処理(ステップS304)と、記憶領域[1]4532aに記憶されていた第二特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS305)とを実行する。また、特別図柄変動フラグに「1」をセットする(ステップS306)と共に、第二特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS307)を実行する。
一方、第二特別図柄用乱数記憶手段4532の記憶領域[1]4532aに乱数が記憶されていない場合、すなわち第二特別図柄表示器1186に対応する保留数カウンタの値が「0」の場合には(ステップS303にてYES)、第一特別図柄用乱数記憶手段4515のn番目(nは2以上の自然数)の各記憶領域(記憶領域[2]4515b〜記憶領域[4]4515d)に記憶される各種乱数を、n−1番目の記憶領域(記憶領域[1]4515a〜記憶領域[3]4515c)に夫々シフトする処理(ステップS308)と、記憶領域[1]4515aに記憶されていた第一特別図柄に関する乱数を取得する処理(ステップS309)とを実行する。また、第一特別図柄に対応する保留数カウンタを「1」減算する処理(ステップS311)を実行する。
つまり、第一特別図柄に関して言えば、保留する際には、第二特別図柄の場合と同様に、保留数カウンタの値(第一始動記憶数)を「1」増やすと共に、抽出した乱数を、第一始動記憶数の値に対応した記憶領域に格納するが、第一特別図柄の変動を開始する際には第二始動記憶数が「0」である場合のみ、すなわち第一特別図柄による第一処理が待機中であり且つ第二特別図柄による第二処理が待機中でない場合に限り、第一特別図柄用乱数記憶手段4515の1番目の記憶領域「1」4515aから各乱数を読み出すようにしている。そして、この制御により第二処理を第一処理よりも優先的に行わせることを可能にしている。
その後、確率変動機能作動中か否かを判別し(ステップS312)、確率変動機能作動中でない場合には(ステップS312にてNO)、確率変動機能未作動時の大当り判定テーブル、すなわち大当りとなる確率が低く設定されたテーブルを選択し、一方、確率変動機能作動中の場合には(ステップS312にてYES)、確率変動機能作動時のテーブル、すなわち大当りとなる確率が高く設定されたテーブルを選択する。なお、本例では、確率変動機能未作動時(すなわち通常時)には、大当りとなる確率が6/1800に設定され、確率変動機能作動時(すなわち高確率時)には、大当りとなる確率が60/1800に設定されている。
ステップS313又はステップS314において、何れかのテーブルが選択された後、そのテーブルに基づき、ステップS305又はステップS309にて取得された、何れかの特別図柄に関する乱数が、大当りに相当する乱数(大当り値)であるか否かを判別する(ステップS315)。そして、大当り値である場合には(ステップS315にてYES)、大当りフラグを「ON」にし(ステップS316)、ステップS317に移行する。一方、取得した乱数が大当り値ではない場合には(ステップS315にてNO)、その乱数が小当りに相当する乱数(小当り値)であるか否かを判別する(ステップS318)。そして、小当り値である場合には(ステップS318にてYES)、小当りフラグを「ON」にして(ステップS319)、ステップS317に移行する。また、小当り値ではない場合には(ステップS318にてNO)、ステップS318に移行する。
続いて、ステップS317では、テーブル切換カウンタTCを初期設定する。この初期設定時には、テーブル切換カウンタTCの値は、1となっている。このテーブル切換カウンタTCの値は、大当り遊技後の変動回数と等しい。
ステップS318では、処理フラグを「1」に更新し、変動開始処理を終了する。なお、大当りフラグおよび小当りフラグのON/OFF状態(セット状態、リセット状態)は、RAM4100eに記憶される。また、大当りフラグおよび小当りフラグのOFF状態(リセット状態)とは「0」の値がセットされることであり、大当りフラグおよび小当りフラグのON状態(セット状態)とは「1」の値がセットされることである。
次に、変動パターン設定処理では、図181に示すように、処理フラグが「1」か否かを判別し、ステップS318によって「1」となっている場合(ステップS401にてYES)には、ステップS403以降の処理を実行し、「1」でない場合(ステップS401にてNO)には、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS403では、テーブル切換カウンタTCに1を加算する処理を行う。これにより、テーブル切換カウンタTCは、保留シフト(図180、ステップS304,308)が行われる度に、言い換えれば、変動回数が1増える度に、1が加算されることとなる。
続いて、ステップS405では、図193に示すテーブル移行表TIに従って、参照すべき変動表示パターンテーブルを選択する。本実施例のパチンコ遊技機1は、変動表示パターンテーブルとして、テーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD、および、テーブルEを有している。参照すべき変動表示パターンテーブルは、テーブル移行表TIに従って、テーブルA〜Eの中から選択される。
例えば、遊技状態が、低確率/時短なし(すなわち、通常外部不利状態)の場合であって、特図1での大当りAの場合(すなわち、第一始動口2101への入賞に基づく抽選での当りの場合)には、大当りA後の変動回数が1〜9回の場合は、テーブルD(ステップS409)が選択され、大当りA後の変動回数が10回の場合は、テーブルB(ステップS407)が選択され、大当りA後の変動回数が11回以降の場合は、次回の当選までテーブルA(ステップS406)が選択される。また、遊技状態が、低確率/時短なしの場合であって、特図1での大当りBの場合には、大当りB後の変動回数が1〜9回および11〜19回の場合は、テーブルD(ステップS409)が選択され、大当りB後の変動回数が10回の場合は、テーブルC(ステップS408)が選択され、大当りB後の変動回数が20回の場合は、テーブルB(ステップS407)が選択され、大当りB後の変動回数が21回以降の場合は、次回の当選までテーブルA(ステップS406)が選択される。また、遊技状態が、低確率/時短なしの場合であって、特図1での大当りEの場合には、大当りE後の変動回数が1〜9回および11〜19回の場合は、テーブルD(ステップS409)が選択され、大当りE後の変動回数が10回および20回の場合は、テーブルC(ステップS408)が選択され、大当りE後の変動回数が21回以降の場合は、次回の当選までテーブルE(ステップS410)が選択される。このように、遊技状態、特図1または特図2のいずれの当りであるのか、当りの種類、および、当り後の変動回数によって、図193のテーブル移行表TIに基づき、参照すべき変動表示パターンテーブルが、テーブルA〜Eの中から選択される。
図194には、総合変動表示パターンテーブルHTが示されている。この総合変動表示パターンテーブルHTは、118個の変動表示パターンから構成される。総合変動表示パターンテーブルHTは、テーブルAと、テーブルBと、テーブルCと、テーブルDと、テーブルEとを含んでいる。言い換えれば、総合変動表示パターンテーブルHTにおける各変動表示パターンは、テーブルA〜Eのうちの少なくとも1つの変動表示パターンテーブルに属している。
総合変動表示パターンテーブルHTのうち、参照すべき変動表示パターンテーブルが選択されると、その変動表示パターンテーブル、及びステップS305またはステップS309の何れかにおいて取得された変動表示パターン乱数に基づいて、変動表示パターンを決定する(ステップS413)。次いで、ステップS413で決定した変動表示パターンを指定する演出コマンドとして選択値をセットし(ステップS414)、当該変動表示パターンに応じた変動時間を主制御基板4100のRAM4100eに設けられたタイマ(この実施の形態では、有効期間タイマ)にセットする(ステップS415)。なお、本実施形態では、変動時間は、リーチ演出などを行う基本変動時間(図194参照)と、後述する擬似連演出を行うための擬似連合計時間とを合わせた時間となる。擬似連演出は、行われない場合(すなわち0回の場合)がある。また、擬似連演出は、1回〜4回行われ得る。1回の擬似連演出時間は、予め決められている。従って、変動時間は、基本変動時間と、擬似連演出の実行回数に1回の擬似連演出時間を乗じた値との合計値である。擬似連演出についての詳細は、後述する。
なお、本実施形態では、リーチ演出を行うか否かについては、リーチ判定乱数に基づいて決定されるが、リーチ演出を行う確率(リーチ確率またはリーチ比率とも呼ぶ)は、遊技状態、および、参照すべき変動表示パターンテーブル(テーブルA〜E)ごとに、予め決められている。例えば、遊技状態が通常外部不利状態であり、参照すべき変動表示パターンテーブルがテーブルDであり、大当り抽選の結果がはずれの場合には、リーチ確率は、30%となっている。
変動表示パターンは、例えば、以下のようにして決定される。すなわち、大当り抽選がはずれの場合には、リーチ判定乱数に基づいて、リーチ演出を行うか否かの抽選が行われ、リーチを行わない場合には、リーチの無い変動表示パターン(例えば、総合変動表示パターンテーブルHT(図194)の変動表示パターン番号1〜3の変動表示パターンのいずれか)が選択され得る。リーチを行う場合には、後述する図196のようなリーチ振り分けテーブルRTに従って、選択される。大当り抽選に当選した場合には、例えば、はずれの場合に実現され得るリーチ演出と同様の演出を実現し得る変動表示パターンが変動表示パターン乱数に基づいて、選択される(この際、数字表示部2431に最終的に停止表示される装飾図柄が、図194の備考欄に記載された図柄と一致する変動表示パターンが選択され得る)。
なお、ステップS414でセットされた変動表示パターンコマンドは、コマンド送信処理(図177:S17)にて周辺制御部4140に送信される。また、変動表示パターンコマンドをコマンド送信処理で周辺制御部4140に送信する時には、第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186に駆動信号を出力し、特別図柄の変動表示を開始させる。その後、処理フラグを「2」に更新し(ステップS416)、変動パターン設定処理を終了する。
続いて、変動中処理では、図182に示すように、まず、処理フラグが「2」か否かを判別し(ステップS501)、ステップS416によって「2」となっている場合には(ステップS501にてYES)、ステップS502以降の処理を実行し、「2」でない場合(ステップS501にてNO)には、変動中処理を終了する。ステップS502では、第一特別図柄表示器1185または第二特別図柄表示器1186にて第一特別図柄または第二特別図柄が変動中か否かを判別し、変動中の場合には、第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS503)。そして、変動時間がタイムアップした際、すなわち、変動時間が終了した場合には(ステップS503にてYES)、その変動を停止させる(ステップS504)。
なお、何れの特別図柄も変動していない場合(ステップS502にてNO)、または変動時間が終了していない場合(ステップS503にてNO)には、特別図柄の変動を停止させることなく変動中処理を終了する。
ステップS504によって特別図柄の変動を停止させた後、大当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS505)、大当りフラグが「ON」の場合には、処理フラグを「3」に更新する(ステップS506)。一方、大当りフラグが「ON」でない場合には(ステップS505にてNO)、小当りフラグが「ON」か否かを判別し(ステップS507)、「ON」の場合には処理フラグを「4」に更新し(ステップS508)、「ON」でない場合には処理フラグを「0」に更新する(ステップS509)。このように、ステップS506、ステップS508、またはステップS509の何れかにおいて処理フラグを更新した後、変動中処理を終了する。
次に、大当り遊技開始処理では、図183に示すように、まず、処理フラグが「3」か否かを判別し、ステップS506によって「3」となっている場合には(ステップS601にてYES)、ステップS602以降の処理を実行し、「3」でない場合には(ステップS601にてNO)、大当り遊技開始処理を終了する。ステップS602では、確率変動機能作動中か否か、すなわち確率変動状態か否かを判別し、確率変動状態である場合には(YES)、確率変動機能の作動を一端停止し、ステップS604に移行する。なお、確率変動状態ではない場合、すなわち通常の低確率状態である場合には(ステップS602にてNO)、ステップS603の処理を実行することなくステップS604に移行する。ステップS604では、時短機能作動中か否か、すなわち時短遊技状態か否かを判別し、時短遊技状態になっている場合には(YES)、時短機能の作動を停止させ(ステップS605)、ステップS607に移行する。一方、時短遊技状態でない場合には(ステップS604にてNO)、ステップS605の処理を実行させることなくステップS607の処理に移行する。
ステップS607では、開閉扉2260の開放回数(開閉扉2260による大入賞口2103の開放回数)、開閉扉2260の開放時間(大入賞口2103の開放時間)、大入賞口2103への入賞の制限個数をセットする。この場合、上述したように、開閉扉2260の開放回数、および、開放時間は、大当りの種類に応じて、それぞれ個別に設定されるが、入賞の制限個数は、大当りの種類によらず、一定値(例えば、9個)である。その後、処理フラグを「5」に更新し(ステップS609)、大当り遊技開始処理を終了する。
一方、小当り遊技開始処理では、図184に示すように、まず、処理フラグが「4」か否かを判別し、ステップS508によって「4」となっている場合には(ステップS701にてYES)、ステップS702及びステップS703の処理を実行し、処理フラグが「4」でない場合には(ステップS701にてNO)、ステップS702及びステップS703の処理を実行することなく小当り遊技開始処理を終了する。ステップS702では、小当りの場合における大入賞口2103の開放条件、すなわち、開閉扉2260の開閉による小当り用開放回数、及び一回当りの開放時間が夫々設定される。その後、処理フラグが「6」に更新され(ステップS703)、小当り遊技開始処理を終了する。
次に、大当り遊技処理では、図185に示すように、まず、処理フラグが「5」か否かを判別し、ステップS609によって「5」となっている場合には(ステップS801にてYES)、ステップS802以降の処理を実行し、「5」でない場合には(ステップS801にてNO)、大当り遊技処理を終了する。ステップS802では、大入賞口2103が開放中か否かを判別し、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS803)、経過した場合には(ステップS803にてYES)、開閉扉2260を作動させて大入賞口2103を閉鎖する(ステップS805)。
なお、設定された開放時間まで経過していない場合でも(ステップS803にてNO)、大入賞口2103が開放された後に大入賞口2103に入賞した遊技球の個数が、ステップS607で設定された制限個数を超えた場合には(ステップS804にてYES)、ステップS805に移行して大入賞口2103を閉鎖する。また、大入賞口2103の開放時間が設定時間に到達しておらず(ステップS803にてNO)、しかも遊技球の入賞個数が制限個数に達していない場合には(ステップS804にてNO)、大当り遊技処理を終了する。
一方、ステップS802において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、開閉扉2260による大入賞口2103の開放回数が、ステップS607で設定された開放回数に到達したか否かを判別する(ステップS806)。そして、到達していない場合には(ステップS806にてNO)、開閉扉2260を制御して大入賞口2103を開放し(ステップS807)、大当り遊技処理を終了する。これにより多量の遊技球を大入賞口2103に入賞させることが可能になる。
ステップS806において大入賞口2103の開放回数が設定された回数に達した場合(YES)、すなわち、大当り遊技状態が終了した場合には、ステップS808〜ステップS814の処理を実行し、その後の抽選に対しての遊技状態を設定する。具体的には、まず、大当りフラグを「OFF」とし(ステップS808)、今回の大当りが、時短機能作動中の大当り(当選)であるか否かを判別する(ステップS809)。時短機能作動中の大当りである場合には(ステップS809にてYES)、時短機能の作動を開始し(ステップS810)、ステップS811に移行する。一方、時短機能作動中の大当りでない場合には(ステップS809にてNO)、今回の大当りが時短機能を作動させる大当りか否かを判別する(ステップS814)。今回の大当りが時短機能を作動させる大当りである場合には(ステップS814にてYES)、ステップS810へ移行する。今回の大当りが時短機能を作動させる大当りでない場合には(ステップS814にてNO)、ステップS811へ移行する。
ステップS811では、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる大当りか否かを判別する。今回の大当りが、確率変動機能を作動させる大当りである場合(ステップS811にてYES)には、確率変動機能を作動開始し(ステップS812)、ステップS813に移行する。一方、今回の大当りが、確率変動機能を作動させる大当りでない場合(ステップS811にてNO)、確率変動機能を作動させることなく、ステップS813に移行する。
ステップS813では、処理フラグを「0」に更新して、この大当り遊技処理を終了する。
次に、小当り遊技処理では、図186に示すように、まず、処理フラグが「6」か否かを判別し、ステップS703によって「6」となっている場合には(ステップS901にてYES)、ステップS902以降の処理を実行し、「6」でない場合には(ステップS901にてNO)、小当り遊技処理を終了する。ステップS902では、大入賞口2103に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達したか否かを判別し(ステップS902)、まだ最大入賞数に達していない場合には(NO)、大入賞口2103が開放中か(すなわち遊技球の受入可能状態か)否かを判別する(ステップS903)。そして、ステップS903において、大入賞口2103が開放中であると判別された場合には(YES)、大入賞口2103の開放時間(開放した後の経過時間)が、予め設定した所定時間に達したか否かを判別し(ステップS904)、経過した場合には(ステップS904にてYES)、大入賞口2103を閉鎖し開閉入賞装置2253への入賞を不能な状態とする(ステップS905)。その後、大入賞口2103の開放回数が予め定めた所定回数(例えば二回)に達したか否かを判別し(ステップS906)、その回数に達した場合には(YES)、処理フラグを「0」に更新し(ステップS907)、小当り遊技処理を終了する。
なお、ステップS904において大入賞口2103の開放時間が所定時間に達していない場合(NO)、またはステップS906において開放回数が所定回数に達していない場合には(NO)、ステップS907の処理を実行することなく、小当り遊技処理を終了する。また、ステップS903において、大入賞口2103が開放中でない場合には(NO)、大入賞口2103を閉鎖し、遊技球の入賞を可能とする(ステップS908)。また、ステップS902において、開閉入賞装置2253に対する遊技球の入賞数が、予め設定された最大入賞数に達した場合には(YES)、大入賞口2103が開放中か否かを判別し(ステップS909)、開放中の場合には(YES)、大入賞口2103を閉鎖し(ステップS910)、ステップS907に移行する。一方、大入賞口2103が開放中でない場合には(ステップS909にてNO)、ステップS910の処理を実行することなく、ステップS907に移行する。ステップS907では処理フラグを「0」に更新する。
本実施形態のパチンコ機1では、大入賞口2103(開閉扉2260)、および、第二始動口2102は、遊技領域1100(センタ役物2400)の右上方に存在する。従って、遊技者は、遊技球を、遊技領域1100(センタ役物2400)の右上方に発射するようにハンドル装置500を操作し、いわゆる右打ち遊技を行って、大当り遊技および小当り遊技を進行する。また、遊技者は、外部有利遊技状態(通常外部有利遊技状態と確変外部有利遊技状態)においても、いわゆる右打ち遊技を行って、遊技を進行する。
[4−4.周辺制御部での制御処理]
次に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について、図188乃至図192を参照して説明する。図188はサブメイン処理の一例を示すフローチャートであり、図189は16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。図190は、コマンド解析処理(ステップS1100)の一例を示すフローチャートである。図191は、演出制御処理(ステップS1200)の一例を示すフローチャートである。図192は、装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)の一例を示すフローチャートである。
サブメイン処理では、図188に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aによって初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理では、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
本例では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になった時、すなわち、16ms経過した時に16ms経過フラグTをセットすると共に、16ms経過監視カウンタをリセットする(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)時には、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドに基づいて液晶表示装置1900、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432等のLED、扉枠5や本体枠3のスピーカ130,222,262,821等を制御する処理が実行される。16ms定常処理が終了すると、再びステップS1002に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS1003〜ステップS1004を繰返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)時には、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
次に、16ms定常処理では、サブ周辺制御MPU4140aが、図189に示すように、ステップS1100〜ステップS1600の処理を実行する。ステップS1100のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信した演出コマンドを解析する。ステップS1200の演出制御処理では、変動表示パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。具体的には、予告演出の設定、装飾図柄の停止図柄の決定、等を行う。
また、ステップS1300の音制御処理では、演出効果を促進させる効果音(例えばBGM)を発生させるための、スピーカ130,222,262,821に関わる制御処理を実行する。ステップS1400の発光装飾制御処理では、扉枠5や遊技盤4に備えられた各装飾基板214,216,254,256,286,320,322,430,432による発光装飾に関わる制御処理を実行する。ステップS1500の情報出力処理では、裏箱3001の後面に取付けられた各中継基板3179,3181に演出コマンドを送信する。ステップS1600の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1200)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1100〜ステップS1600の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過した時に直ぐに16ms定常処理を最初から(後述するステップS1100のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過した時には、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1002で16ms経過フラグがセットされていると判別された時に16ms定常処理を開始する。
また、本例では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1600)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理の何れか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
次に、コマンド解析処理は、図190に示すように、まず、主制御基板4100から演出コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS1101)。この実施の形態では、主制御基板4100から演出コマンドを受信すると、16ms定常処理等の他の処理を中断してコマンド受信割込処理を発生させ、受信したコマンドを、周辺制御部4140の周辺制御RAM4140eにおける受信コマンド格納領域に保存する。なお、受信コマンド格納領域は、演出コマンドの受信順に対応して複数の領域が設けられ、コマンド受信割込処理では、演出コマンドの受信順に対応して各領域に保存する。ステップS1101では、受信コマンド格納領域の内容を確認し、演出コマンドが記憶されていれば、受信コマンド格納領域の受信順が先の演出コマンドを読み出す(ステップS1102)。
そして、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであるか判別し(ステップS1103)、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドであれば(ステップS1103にてYES)、変動表示パターン受信フラグをセットすると共に、周辺制御部4140に搭載される周辺制御RAM4140eにおける変動表示パターン格納領域に格納する(ステップS1104)。
一方、読み出した演出コマンドが変動表示パターンコマンドでなければ(ステップS1103にてNO)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであるか判別し(ステップS1105)、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドであれば(ステップS1105にてYES)、確変大当りフラグをセットする(ステップS1106)。また、読み出した演出コマンドが確変大当りコマンドでなければ(ステップS1105にてNO)、受信した演出コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS1107)。
続いて、演出制御処理は、図191に示すように、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照してステップS1210〜ステップS1230のうち何れかの処理を行う。
処理選択フラグが「0」の時に実行される装飾図柄変動開始処理(ステップS1210)では、変動表示パターンコマンドを受信していれば装飾図柄の変動表示を開始させるための設定を行う。具体的には、変動表示パターンコマンドおよび確変大当りコマンドに応じて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に、予告演出等の設定を行う。
処理選択フラグが「1」の時に実行される装飾図柄変動処理(ステップS1220)では、変動停止コマンドを受信した時に表示コマンドを送信して装飾図柄の変動表示を停止させる制御を行う。
処理選択フラグが「2」の時に実行される大当り表示処理(ステップS1230)では、主制御基板4100から送信される大当り開始コマンドに応じて液晶表示装置1900に大当り遊技状態の開始を示す表示や大当り遊技状態中の表示(例えば、ラウンド表示等)をさせる制御を行う。
次に、装飾図柄変動開始処理は、図192に示すように、まず、変動表示パターン受信フラグがセットされているか判別する(ステップS1221)。変動表示パターン受信フラグは、上述したコマンド解析処理(ステップS1100)のステップS1104でセットされ、主制御基板4100から変動表示パターンコマンドを受信したことを示すフラグである。ステップS1221で変動表示パターン受信フラグがセットされていなければ(NO)、変動表示パターンコマンドを受信していないと判別して処理を終了する。
一方、変動表示パターン受信フラグがセットされていれば(ステップS1221にてYES)、変動表示パターン受信フラグをリセットし(ステップS1222)、受信した変動表示パターンコマンドに基づく変動表示パターンが当り(大当りと小当りとを含む)を発生させる変動表示パターンであるか(当りパターンであるか)判別する(ステップS1223a)。
変動表示パターンが当りパターンでなければ(ステップS1223aにてNO)、ハズレ図柄の停止図柄を決定する(ステップS1225)。また、変動表示パターンが当りパターンであれば(ステップS1223aにてYES)、当り図柄の停止図柄を決定する(ステップS1225)。この場合、当り図柄の停止図柄は、当り種別(大当りA〜I、小当りA,B)によって予め決められている図柄が選択される。この詳細については、後述する。
続いて、周辺制御MPU4140aは、予告判定乱数に基づいて予告演出を実行するか否かの判別を行う予告選択処理を実行した後(ステップS1227)、変動表示パターンと、予告種類格納領域に記憶される予告パターンと、ステップS1225,S1226,S1227で決定した共通装飾図柄列の停止図柄とに応じた表示コマンドをセットする(ステップS1228)。そして、処理選択フラグを「1」に更新して処理を終了する(ステップS1229)。なお、ステップS1228でセットされた表示コマンドは、情報出力処理(ステップS1500)にて液晶制御部4150に送信され、液晶制御部4150の液晶制御MPU4150aにより当該表示コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1900にて装飾図柄の変動表示の実行を開始する。
また、ステップS1228で予告種類格納領域に記憶される予告パターンを読み出した時には、当該予告パターンを読み出した後、予告種類格納領域の内容をクリアする。これにより、次回の装飾図柄の変動表示にて誤って以前の装飾図柄の変動表示を開始する時に決定した予告パターンにもとづく予告演出が実行されることを防止できる。
[5.液晶表示装置およびセンタ役物による演出]
まず、センタ役物2400による基本的な動作について説明し、次に、センタ役物2400や液晶表示装置1900を用いた演出の具体例を説明する。
[5−1.センタ役物2400の構成]
図197は、センタ役物2400の正面図である。以下では、図197を基に、センタ役物2400の構成について説明する。センタ役物2400は、遊技領域1100の中央部分に配設されたキャラクタ駆動役物3003と、七セグ表示ユニット2403と、及び状態表示ユニット2404と備えている。
キャラクタ駆動役物3003は、多様なパターンで動作するキャラクタ部3109を用いて構成されている。具体的に、本例では、サングラスを掛けた丸い爆弾のキャラクタを模したキャラクタ部3109を用いて構成されている。このキャラクタ駆動役物3003では、キャラクタ部3109の多様な動作によって、多様な演出が行われる。ここで、本例では、キャラクタ部3109が、モータ3114(図164参照)によって回転駆動され、しかも、昇降支持装置3101(図161参照)によって上下動されるものとなっており、動作パターンとして、上方から見て時計回りに回転(以下「右回転」という)したり、時計回りとは逆に回転(以下「左回転」という)したり、或いは、回転中に上下動したり、回転せずに上下動する等、多様な動作パターンが設定されている。
また、キャラクタ部3109の大部分(キャラクタの顔の部分)は、種々の色の光が透過可能に白色の半透明な樹脂により形成されており、キャラクタ部3109の内部には、光の三原色である「赤色」、「緑色」及び「青色」の三色の光を発光可能な発光基板3124が設けられている。これにより、キャラクタ部3109が動作する際に発光基板3124から多彩な色の光を出力させて、キャラクタ部3109の動作による演出(以下「動作演出」という)ばかりでなく、キャラクタ部3109の色による演出(以下「色演出」という)も行うことができるようになっている。
七セグ表示ユニット2403は、複数種類の図柄を表示可能なものであり、本例では、複数種類の図柄を夫々表示可能な三つの図柄表示部2430を用いて構成されている。そして、各図柄表示部2430の夫々は、複数の色の光を発光可能な発光基板2439(図135参照)によって光が投光されており、複数種類の図柄の中から、発光基板2439の発光色に応じた図柄を表示する。なお、本例では、青色及び赤色の2色の光を発光可能な発光ダイオードを用いて、青色で点灯すると、「GO」の図柄(以下「作動用図柄」とも呼ぶ)が表示され、赤色で点灯すると、「×」の図柄(以下「非作動用図柄」とも呼ぶ)が表示される。
なお、図柄表示部2430に接続された装飾部2438は、一連の演出が進行することを示す表示(以下「進行表示」という)を行うことが可能なものである。具体的に、各図柄表示部2430と数字表示部2431との間に配置され、図柄表示部2430から数字表示部2431へと進行表示を行っている。図柄表示部2430における図柄の変動が終了した際に、少なくとも一つの図柄表示部2430にて作動用図柄が表示された場合には、図柄表示部2430全体での表示完了と同時に、作動用図柄を表示した図柄表示部2430に対応する装飾部2438にて、全ての発光ダイオードが点灯または消灯した状態から、図柄表示部2430から数字表示部2431に向かって、発光ダイオードを、順次、消灯または点灯させることで、図柄表示部2430から数字表示部2431へと消灯または点灯が進行する表示を行う。ここで、本例では、導火線を模した装飾部2438を採用しており、進行表示によって、あたかも、導火線に火がついて、火種が数字表示部2431に向かって進むような表現がなされる。
数字表示部2431は、複数種類の図柄を表示可能なものであり、本例では、七セグ表示器2441(図135参照)を用いて構成されている。そして、この数字表示部2431では、上記三つの装飾部2438のうちの少なくとも一つによって進行表示が行われた場合に、進行表示の終了タイミングに合わせて図柄の変動を開始し、所定時間経過後に、変動を停止させて適宜の図柄が表示される。ここで、本例では、数字表示部2431にて、図柄として「1」〜「9」の数字を表示することとしてある。また、七セグ表示器2441の各セグメントは、光の三原色である「赤色」、「緑色」及び「青色」の三色の光を発光可能であり、多彩な色の図柄を表示させることが可能なものである。
なお、本実施形態では、発光基板2439に作動用図柄「GO」が表示され、数字表示部2431で図柄が変動した状態が、いわゆる、リーチ状態である。すなわち、リーチ判定用乱数でリーチを行う場合には、発光基板2439に作動用図柄「GO」が表示され、数字表示部2431で図柄が変動し、停止表示され得る。ただし、数字表示部2431で、図柄の変動を行わずに、大当り図柄(後述の赤3図柄、紫3図柄)、赤7図柄)を停止表示させる場合もある。
状態表示ユニット2404は、多様なパターンで動作する回転体2450を用いて構成されている。そして、この状態表示ユニット2404では、回転体2450の動作によって、遊技状態に関する演出が行われる。
[5−2.キャラクタ駆動役物3003および七セグ表示ユニット2403の基本的な演出例]
キャラクタ駆動役物3003および七セグ表示ユニット2403では、次のような第一演出〜第四演出が実行され得る。
第一演出:キャラクタ部3109の動作、発光
まず、当り抽選が行われると、キャラクタ駆動役物3003のキャラクタ部3109の作動を開始して、キャラクタ部3109にて第一演出を行う。ここで、第一演出では、キャラクタ部3109が動作する(例えば、上や下に動いたり回転したりする)と共に、青色や赤色等、種々の色で発光する。また、第一演出は、作動中のキャラクタ部3109を確実に確認できるように、例えば3秒といったように、十分に長い時間に設定されている。第一演出についての詳細は後述する。
第二演出:図柄表示部2430における作動用図柄および非作動用図柄の表示
次に、キャラクタ駆動役物3003での第一演出が終了すると、第一演出の終了と同時に、七セグ表示ユニット2403の図柄表示部2430にて装飾図柄の変動を開始して第二演出を行う。ここで、第二演出中においては、各図柄表示部2430にて、装飾図柄としての作動用図柄(「GO」)及び非作動用図柄(「×」)の表示を一定のリズムで交互に繰り返す、といった図柄変動中の単純な演出を行う。また、第二演出は、作動中の各図柄表示部2430を確認できるように、例えば3秒といったように、十分に長い時間に設定されている。なお、第二演出中では、各装飾部2438の全ての発光ダイオードが点灯しており、各図柄表示部2430と数字表示部2431との間に導火線があることが表現される。
また、第二演出中において、キャラクタ部3109の作動による演出を行うこともある。例えば、作動用図柄を表示する図柄表示部2430が少なくとも一つある場合に、第二演出の終了に先駆けて、キャラクタ部3109を1回転させたり、作動用図柄を表示する図柄表示部2430が三つである場合に、第二演出の終了に先駆けて、キャラクタ部3109を高速で3回転させたりする等、図柄表示部2430にて所定の事象が生じることを、キャラクタ部3109の演出によって、事前に予告する。なお、このような第二演出中に行われるキャラクタ部3109の演出は、上述の第一演出とは異なるものであり、第二演出と重なる「重複演出」として捉えることができる。また、この重複演出は、七セグ表示ユニット2403にて所定の事象が生じる場合に、必ず現出するのではなく、所定の事象が生じる場合において、適宜確率で現出するように設定されている。これにより、重複演出が現出しないことで、対応する所定の事象が生じないことが判明してしまい、第二演出による演出効果が低下してしまうといった不具合が生じることを防止できる。
第三演出:進行表示
次に、各図柄表示部2430の全てに図柄が表示され、少なくとも一つの図柄表示部2430に作動用図柄(「GO」)が表示された場合には、第二演出の終了と同時に、作動用図柄を表示した図柄表示部2430に対応する装飾部2438にて、進行表示を開始して第三演出を行う。ここで、第三演出は、図柄表示部2430から数字表示部2431への演出の移行を単に示すに過ぎないものであり、演出が移行することを確認できさえすればよいものであることから、演出中に占める割合が過度に大きくならないように、例えば2秒といったように、第一演出や第二演出よりも短い時間に設定されている。
一方、各図柄表示部2430の少なくとも一つにて作動用図柄が表示されていない場合、すなわち各図柄表示部2430の全てに非作動用図柄が表示された場合には、何れの装飾部2438も作動させずに、すなわち第三演出を行わずに演出を終了させる。
第四演出:数字表示部2431における図柄の変動表示等
装飾部2438にて第三演出が行われた場合には、この第三演出が終了すると同時に、或いは、例えば1秒以内といったような短時間の経過後に、数字表示部2431にて図柄の変動を開始して、数字表示部2431にて第四演出を行う。そして、第四演出では、数字表示部2431において、装飾図柄(数字図柄、または、アルファベット図柄)を、種々のパターンで変動させた後に停止させて表示する。ここで、第四演出については、図柄の種々のパターンの変動によって、遊技者を楽しませるものであり、第四演出の種類によって、演出時間に差異が生じるように設定されている。そして、数字表示部2431に表示された図柄については、次回に第四演出を開始するまで、すなわち、次回に数字表示部2431で図柄の変動を開始するまで、数字表示部2431にて表示したままの状態で維持する。
なお、本実施形態では、抽選結果が、大当りA、大当りB、大当りE、小当りA、および、小当りBの場合には、装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1224において、赤色の数字図柄「3」(以下では、「赤3」図柄とも呼ぶ)が停止図柄として決定され、最終的に、数字表示部2431には、「赤3」図柄が停止表示される。また、抽選結果が、大当りC、大当りD、大当りF、大当りG、および、大当りHの場合には、装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1224において、紫色の数字図柄「3」(以下では、「紫3」図柄とも呼ぶ)が停止図柄として決定され、最終的に、数字表示部2431には、「紫3」図柄が停止表示される。さらに、抽選結果が、大当りIの場合には、装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1224において、赤色の数字図柄「7」(以下では、「赤7」図柄とも呼ぶ)が停止図柄として決定され、最終的に、数字表示部2431には、「赤7」図柄が停止表示される。一方、抽選結果が、はずれ(落選)の場合には、装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1225において、「3」と「7」以外の数字がハズレ停止図柄として決定され、最終的に、数字表示部2431には、ハズレ停止図柄が停止表示される。
また、本実施形態では、抽選結果が低確時短なし状態(通常外部不利状態)に移行する当りである大当りC(若しくは大当りD)である場合と、抽選結果が高確時短なし状態(確変外部不利状態)に移行する当りである大当りF(若しくは大当りG、H)である場合とのそれぞれにおいて、抽選結果が低確時短なし状態(通常外部不利状態)に移行する当りである大当りA(若しくは、大当りB、小当りA、B)である場合と、抽選結果が高確時短なし状態(確変外部不利状態)に移行する当りである大当りEである場合のいずれよりも、遊技者が遊技媒体を多く獲得可能に、当り遊技が実行される。
従って、数字表示部2431に紫3図柄が停止表示された場合には、赤3図柄が停止表示された場合と比較して、当り遊技における遊技者の獲得出玉が多くなる。
なお、後述する擬似連演出が行われる場合には、数字表示部2431にアルファベットの「F」を示すF図柄が停止表示される場合がある。数字表示部2431にF図柄が表示される場合には、表示される際、または、その前後のタイミングにおいて、起爆スイッチ役物15000が作動する。また、数字表示部2431にF図柄が表示される場合には、表示される際、または、その前後のタイミングにおいて、擬似連演出を示唆するランプ(図示せず)を点灯してもよい。このランプを擬似ランプとも呼ぶ。さらに、第四演出において、数字表示部2431に赤3図柄を一旦停止させておいて、紫3図柄や赤7図柄へランクアップさせる演出を行うようにしてもよい。また、数字表示部2431に紫3図柄を一旦停止させておいて、赤7図柄へランクアップさせる演出を行うようにしてもよい。
ところで、第四演出については、現出すると、当選用の図柄(本例では「赤7」図柄、「紫3」図柄、「赤3」図柄)が表示されるに至る可能性が高く、遊技者に高い期待感を与える演出(以下「高期待度演出」という)と、現出しても、当選用の図柄が表示されるに至る可能性が低く、遊技者に高い期待感を与えない演出(以下「低期待度演出」という)との少なくとも2種類の演出が用意されており、演出の種類によって、当選用の図柄が表示されることへの期待感に差を生じさせることができるようになっている。
ここで、低期待度演出の期待度が低く、高期待度演出の期待度が高くなるようにするためには、演出の種類を選出するに際して、抽選結果が落選であれば、高期待度演出よりも低期待度演出が選出され易くする一方で、当選であれば、低期待度演出よりも高期待度演出が選出され易いようにすればよい。また、期待度が異なる3種類以上の演出がある場合には、落選であれば、期待度が高い演出ほど、選出され難くすればよい。
また、第四演出の種類は、図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容に対して、以下のように関連付けられている。すなわち、図柄表示部2430にて作動用図柄を表示した図柄表示部2430の数が多く、装飾部2438にて進行表示を行った(作動した)数が多くなればなるほど、第四演出として、高期待度演出が現出し易くなるようにしてある。特に、本例では、作動した装飾部2438の数が多くなればなるほど、第四演出として、より期待度の高い演出が現出し易くしてある。これにより、図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容によって、現出する第四演出に対する期待感に差を生じさせることができ、ひいては、数字表示部2431にて当選用の図柄が表示されることへの期待感に差を生じさせることができる。よって、図柄表示部2430での第二演出及び装飾部2438での第三演出は、一連の演出において、第四演出が行われるまでの単なる過程的な演出ではなく、遊技者に興味を抱かすことのできる重要な役割を果たす演出となる。
具体的に、本例では、第四演出として、「第1期待度演出」、「第2期待度演出」、「第3期待度演出」、「第4期待度演出」、「第5期待度演出」及び「第6期待度演出」といったように、6種類の演出が用意されている。ここで、各演出については、第1〜第6のうち、数字が大きいほど、期待度が高い演出となっており、特に、第6期待度演出は、現出すると、当選用の図柄が表示されるに至ることが確定する、所謂「確定演出」となっている。そして、作動した装飾部2438の数が一つであるパターン(以下「1進行表示パターン」)では、期待度の低い演出ほど、現出し易い一方で、期待度の高い演出ほど、現出し難くなっている。
また、作動した装飾部2438の数が二つであるパターン(以下「2進行表示パターン」)では、第1期待度演出及び第2期待度演出が現出しない、換言すれば、第3期待度演出以上の期待度の演出が現出することが確定する、こととなっている。そして、2進行表示パターンで現出する可能性のある第3〜第6までの演出については、期待度の低い演出ほど、現出し易い一方で、期待度の高い演出ほど、現出し難くなっている。
また、作動した装飾部2438の数が三つであるパターン(以下「3進行表示パターン」)では、第1期待度演出、第2期待度演出、第3期待度演出及び第4期待度演出が現出しない、換言すれば、第5期待度演出以上の期待度の演出が現出することが確定する、こととなっている。そして、3進行表示パターンで現出する可能性のある第5及び第6の演出については、期待度の低い演出ほど、現出し易い一方で、期待度の高い演出ほど、現出し難くなっている。
このように図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容によって、第四演出の現出可能性を異ならせるためには、図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容と第四演出の種類とを組合わせた複数種類の演出パターンを予め用意しておき、抽選結果に基づいて、適宜の演出パターンが適宜の確率で選出されるように、設定すればよい。また、これに限らず、抽選結果に基づいて、第一段階の処理にて、第四演出の種類を決定し、第二段階の処理として、決定された第四演出に応じて、図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容を決定するようにしてもよい。
数字表示部2431に表示される図柄は、第四演出の種類ばかりでなく、キャラクタ駆動役物3003の表示内容、すなわち「演出の種類」に対して、以下のように関連付けられている。
キャラクタ駆動役物3003での第一演出においては、キャラクタ部3109が、上や下へ動いたり、回転したりすると共に、「第1色」(例えば青色)、「第2色」(例えば黄色)、「第3色」(例えば緑色)、「第4色」(例えば赤色)、「第5色」(例えば白色)、「第6色」(例えば虹の7色)といったように、複数の種類の色から適宜選出された色で発光するようにしてある。そして、第1〜第6までの色のうち、数字が大きい色でキャラクタ部3109が発光するほど、当選用の図柄が表示される可能性が高く、遊技者にとっての期待度が高い第一演出となっている。特に、第6色でキャラクタ部3109が発光する演出は、当選用の図柄を表示することが確定したことを示す演出となっている。これにより、キャラクタ駆動役物3003での第一演出は、一連の演出において、単なる初期段階の演出ではなく、遊技者に興味を抱かせることのできる重要な役割を果たす演出となる。
なお、第一演出の種類に応じて数字表示部2431にて当選用の図柄を表示する可能性を異ならせるためには、抽選結果に基づいて、第一演出として、適宜の種類の演出が適宜の確率で選出されるように、設定すればよい。
また、キャラクタ駆動役物3003での第一演出、図柄表示部2430及び装飾部2438での表示内容、及び、数字表示部2431で表示される図柄の夫々を関連付けさせて、これにより、一連の演出の演出効果を向上させることもできる。例えば、「第一演出として所定の演出がなされ、図柄表示部2430及び装飾部2438での表示内容が所定の表示内容となれば、数字表示部2431にて所定の第四演出が現出することが確定する」、「第一演出として所定の演出がなされ、数字表示部2431にて所定の第四演出が現出すれば、数字表示部2431で当選用の図柄が表示されることが確定する」等といったような関連付けを例示できる。
そして、このように関連付けするためには、第一演出の種類、図柄表示部2430及び装飾部2438での表示内容の種類、数字表示部2431での第四演出の種類、及び、数字表示部2431で表示される図柄の種類等、適宜事項を組合わせた演出パターンを予め用意しておき、抽選結果に基づいて、適宜の演出パターンが適宜の確率で選出されるように、設定すればよい。また、これに限らず、抽選結果に基づいて、複数段階の処理によって、第四演出の種類を決定し、これに基づいて、図柄表示部2430及び装飾部2438の表示内容を決定すると共に、第一演出の種類を決定するようにしてもよい。
一方、第一演出の種類と第四演出の種類を決定するに際しては、相互に影響されない抽選結果に基づく個別の処理によって、夫々を決定することも有効である。第一演出として期待度の高い演出がなされ、しかも、第四演出としても期待度の高い演出がなされれば、抽選結果が当選であるが故に夫々期待度の高い演出が選出された可能性が高く、遊技者に大きな期待感を抱かせることができる一方で、一つの演出として期待度の高い演出がなされても、他の演出として期待度の低い演出がなされれば、上述の例よりも抽選結果が当選である可能性が低く、遊技者に無用に大きな期待感を抱かせないようにすることができる、といったように、一連の演出における複数の演出の相乗効果によって、演出効果を向上させることができるからである。
[5−3.状態表示ユニット2404の基本的な演出例]
状態表示ユニット2404における演出例について、以下に説明する。以下の説明では、当り抽選の結果の分類として、第一当選〜第四当選を含む複数の分類を用い、演出のモードの分類として、確変第一時短モードと確変第二時短モードと非確変第二時短モードと非確変非時短モードとを含む複数の分類を用い、また、当り遊技の分類として、第一特別遊技と第二特別遊技とを含む複数の分類を用いている。当り抽選の結果の分類は、任意に行うことが可能である。例えば、大当りG、H、Iを第一当選に分類し、大当りE、Fを第二当選に分類し、大当りA、B、C、Dを第三当選に分類し、小当りA、Bを第四当選に分類してもよい。また、演出のモードの分類も、任意に行うことが可能である。例えば、通常外部不利状態における演出を非確変非時短モードに分類し、通常外部有利状態における演出を非確変第二時短モードに分類し、確変外部有利状態における演出を2つに分けて、一方を確変第一時短モードに分類し、他方を確変第二時短モードに分類してもよい。確変外部有利状態における演出を2つに分ける際には、例えば、時短機能が次回の大当りに当選するまで続けて作動することを示唆する演出を確変第一時短モードに分類し、時短機能の作動が所定回数の変動の後に終了することを示唆する演出を確変第二時短モードに分類してもよい。当り遊技の分類も、任意に行うことが可能である。例えば、ロング開放が実行される当り遊技を第一特別遊技に分類し、ロング開放が行われない当り遊技を第二特別遊技に分類してもよい。
状態表示ユニット2404における遊技状態に関する演出についての詳細は、以下の通りである。なお、図197に示す状態は、状態表示ユニット2404の初期状態であり、回転体2450が、後述するV形目盛2444、天国形目盛2467及び目盛部2453のいずれの指標も指し示さない状態である。また、初期状態では、V形目盛2444、天国形目盛2467及び目盛部2453が全て消灯している。
回転体2450は、回転駆動部2451(図139参照)によって回転駆動されるように構成されており、回転体2450の周囲には、V形目盛2444、天国形目盛2467、目盛部2453といった複数の指標が配設されている。そして、状態表示ユニット2404では、回転体2450に設けられた指針2454の回動位置によって、適宜の指標が指し示される。
V形目盛2444は、パチンコ機1の状態が、第一特別遊技中の状態であることを指標表示するものである。そして、V形目盛2444には、「V」の文字が描かれており、また、単色で点灯及び消灯する発光ダイオードによって発光装飾されるようになっている。このV形目盛2444では、上記指針2454にてV形目盛2444を指し示すことで、V形目盛2444の指標表示が行われる。また、ランプの点灯によっても、指標表示が行われる。なお、この表示は、回転体2450の表面の鏡面部2455に映り込むV形目盛2444の像と指針2454の先端とが重なり合って見えることによっても認識することができる。
天国形目盛2467は、第一特別遊技が終了して、パチンコ機1の状態が、確変第一時短モードであることを指標表示するものである。また、天国形目盛2467は、確変第一時短モードの下で第二当選、第三当選または第四当選になっても、指標表示を維持して、パチンコ機1の状態が変化したかもしれないことを指標表示するものでもある。また、後述する目盛部2453による時短遊技のカウントダウン開始数よりも多くの時短遊技が、まだ残っている状態を示すものでもある。そして、天国形目盛2467には、「天国」の文字が描かれており、また、単色で点灯及び消灯する発光ダイオードによって発光装飾されるようになっている。この天国形目盛2467では、上記指針2454にて天国形目盛2467を指し示すことで、天国形目盛2467の指標表示が行われる。また、発光ダイオードの点灯によっても、指標表示が行われる。さらに、この表示は、回転体2450の鏡面部2455に映り込む天国形目盛2467の像と指針2454の先端とが重なり合って見えることによっても認識することができる。
目盛部2453は、確変第一時短モードの下で第二当選または第三当選になって、パチンコ機1の状態が確変第二時短モードまたは非確変第二時短モードになり、この確変第二時短モードまたは非確変第二時短モードの下で時短遊技が消化されて、時短遊技が残り少なくなると、時短遊技の残りの回数をカウントダウンするものである。ここで、目盛部2453は、夫々、単色で点灯及び消灯する発光ダイオードによって光が投光される。この目盛部2453では、最も天国形目盛2467側の目盛部2453を指針2454にて指し示すことで、時短遊技のカウントダウンを開始し、1回の時短遊技が消化される毎に、指針2454が指し示す目盛部2453を天国形目盛2467側から一つづつ移行させていくことで、時短遊技のカウントダウン表示を行う。また、全ての目盛部2453を点灯させた状態を、時短遊技のカウントダウン開始の状態として、1回の時短遊技が消化される毎に、点灯している各目盛部2453を天国形目盛2467側から一つづつ消灯させていくことで、時短遊技のカウントダウン表示を行う。そして、指針2454の指し示す位置が天国形目盛2467から最も離れた目盛部2453から外れると共に、指針2454が全て消灯すると、初期状態となり、時短遊技が終了したことが示される。
次に、遊技の進行に伴う状態表示ユニット2404の作動態様を詳述する。パチンコ機1が普通の状態である非確変非時短モードの下で第二当選、第三当選または第四当選になると、第二特別遊技が発生するのであるが、時短遊技は発生しないため、状態表示ユニット2404は初期状態を維持する。一方、第一当選になると、第一特別遊技の開始に伴って、状態表示ユニット2404では、回転体2450が初期状態の位置から右回りに回動して、V形目盛2444を指し示す位置に変動する。また、V形目盛2444が点灯した状態になる。このような状態表示ユニット2404の状態は、V形目盛2444を指標表示する状態である。
第一特別遊技が終了すると、パチンコ機1の状態は、確変第二時短モードになる。そして、状態表示ユニット2404では、指針2454が指し示す位置が、天国形目盛2467を指し示す位置に移行した状態になる。また、V形目盛2444が消灯し、天国形目盛2467が点灯した状態になる。このような状態表示ユニット2404の状態は、天国形目盛2467を指標表示する状態である。
確変第二時短モードの下で、再び第一当選になると、再び第一特別遊技が発生し、この第一特別遊技の発生に伴って、状態表示ユニット2404は、V形目盛2444を指標表示する状態になる。このように、繰返し第一当選になった場合、状態表示ユニット2404は、V形目盛2444の指標表示と天国形目盛2467の指標表示とを繰返す。
一方、確変第二時短モードの下で、第二当選、第三当選または第四当選になると、第二特別遊技が発生するのであるが、状態表示ユニット2404は、天国形目盛2467の指標表示を維持する。そして、第二特別遊技の終了後は、パチンコ機1の状態が、第二当選であれば、確変第二時短モードに、第三当選であれば、非確変第二時短モードになり、第二時短状態になるのであるが、消化可能な時短遊技の残数がまだ多いことから、状態表示ユニット2404は、天国形目盛2467の指標表示を維持する。また、第四当選であれば、状態が変らず、確変第二時短モードのままであるため、状態表示ユニット2404は、天国形目盛2467の指標表示を維持する。
確変第二時短モードまたは非確変第二時短モードの下で遊技が進行し、時短遊技が消化されて、時短遊技の残数が目盛部2453によるカウントダウン開始数に達すると、状態表示ユニット2404では、指針2454の指し示す位置が、カウントダウンを開始する目盛部2453を指し示す位置に移行した状態になる。また、天国形目盛2467が消灯し、目盛部2453が全て点灯した状態になる。このような状態表示ユニット2404の状態は、目盛部2453によって、時短遊技の残り回数のカウントダウンを開始する状態である。そして、1回の時短遊技が消化される毎に、指針2454の指し示す位置が、天国形目盛2467とは反対側の隣の目盛部2453へと一つづつ移行していくと共に、目盛部2453が一つづつ消灯していく。このような状態表示ユニット2404の状態は、時短遊技のカウントダウンを進行する状態である。そして、指針2454の指し示す位置が最後の目盛部2453に移行し、最後の目盛部2453だけが点灯する状態で、最後の時短遊技が消化されると、時短遊技が終了して、状態表示ユニット2404は初期状態になる。
以上のように、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一入賞装置ユニット2200において、第一始動口2101の上方にチャンス口2211及び一対の羽根2213が配設されており、一対の羽根2213が開位置になると、遊技領域1100の遊技球を引込むことが可能となり、引込んだ遊技球はチャンス口2211に案内され、第一始動口2101に入賞する可能性が高くなる。一方、一対の羽根2213が閉位置になると、遊技領域1100の遊技球を引込むことが不可能になる。また、開位置及び閉位置間での往復運動は、遊技状態に関連することなく一定の間隔で継続的に行われる。このため、遊技者は、遊技球が到達するタイミングと、そのときの羽根2213の位置とを関連付けながら、遊技球の振分結果、すなわち羽根2213によって引込まれるか否かを予測することが可能になり、チャンス口2211に入球させること、さらには第一始動口2101に入賞させることに対し、遊技者の期待感にメリハリをつけることができる。また、一対の羽根2213は、開位置及び閉位置の間を一定のタイミングで往復運動するため、遊技者は、遊技球を引込可能となる間隔を認識することができ、開位置となるタイミングを狙って遊技球を打ち込むことができる。したがって、チャンス口2211に入球させようとする意欲が高まり、遊技球の挙動を一層注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球を引込む手段として、羽根2213を使用することで、開閉動作を明瞭に視認させることができるとともに、大きな動きによって遊技者に大きなインパクトを与えることができる。特に、羽根2213を用いる第一入賞装置ユニット2200の構成が、特別の遊技状態のときに開く第二始動口2102(詳細は後述する)の羽根部材2256と類似していることから、羽根2213が動作した際、第二始動口2102の羽根部材2256と同様の有利性を喚起させることができ、遊技者の期待感を高めることができる。また、第一入賞装置ユニット2200と第二始動口2102とは、遊技領域1100の左右に分かれ、且つ同じ高さとなるように配置されているため、一対の装置であるかのように意識させることができ、羽根2213の動作に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、チャンス口2211と第一始動口2101との間に隙間2225が設けられており、チャンス口2211を通過した場合でも、第一始動口2101に入賞せずにそのまま遊技領域1100を流下することがあり得る構成となっているため、羽根2213によって遊技球が引込まれた後も、第一始動口2101に入賞するまで遊技球の挙動を注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、一対の羽根2213の上方に受入阻止部材2227が配置されており、一対の羽根2213が閉位置の場合、一対の羽根2213の間に遊技球が進入しないように構成されているため、開位置の場合と閉位置の場合との有利性を明確に差別化し、ひいては開位置へ変化することへの関心を高めることができる。また、受入阻止部材2227の上面には振分部2228が形成されており、振分部2228に衝突した遊技球が左右に振分けられるため、遊技球がチャンス口2211に入球するか否かは、羽根2213が配置された領域に遊技球が到達するタイミング、及び羽根2213の位置だけではなく、振分部2228によって振分けられるタイミングや振分けの方向も要因となる。したがって、遊技球が引込まれるか否かは、予測とは異なる結果となり得る場合もあり、ひいては遊技球の挙動を一層注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、羽根2213の上方に受入阻止部材2227が配置され、その振分部2228には、遊技領域1100の中央に向って下り勾配に形成された斜面が形成されているため、振分部2228に衝突した遊技球は、遊技領域1100の中央に向って振分けられる可能性が高くなり、遊技者は、遊技球の振分方向及びその後の転動方向を目で追うことにより、遊技領域1100の中央へ向って自然に視線を移動させることができる。したがって、遊技領域1100全体を満遍なく視認させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、受入阻止部材2227は蓋状規制部材2231における通過口2230の真下に配置され、蓋状規制部材2231の通過口2230を通過した遊技球が、羽根2213によって引込まれる前に、受入阻止部材2227に衝突し流下方向が変化するため、蓋状規制部材2231による振分処理と羽根2213による振分処理とを、別々の振分処理として認識させることができ、二種類の振分処理を順に楽しませることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、蓋状規制部材2231の下側に転動領域2239が設けられており、蓋状規制部材2231に達したが通過口2230に入球しなかった遊技球を、第一始動口2101に向って転動させることが可能になっているため、通過口2230に入球しなかった場合でも、第一始動口2101に直接入賞させることが可能となり、ひいては、通過口2230に入球しなかった時点で期待感が消失することを抑制でき、遊技球の挙動を引続き注目させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技球が通過口2230を通過すると「通過したこと」が音声によって報知されるため、遊技球の行方を注目していない場合でも、遊技球が通過口2230を通過したことを認識でき、羽根2213による引込み動作を見逃すことなく視認させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、蓋状規制部材2231で覆われた遊技領域1100を後側から照射する発光手段2234をさらに備えているため、蓋状規制部材2231の通過口2230を通過した遊技球を目立たせ、遊技者の注意を惹き付けることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機1によれば、蓋状規制部材2231の上方に複数の障害釘Gが植設されており、蓋状規制部材2231の通過口2230に入球するか否かが複数の障害釘Gによって振分けられるため、第一始動口2101に入賞するまでの過程が一層複雑になり、遊技球の挙動の変化、及び期待感の変化によって、遊技の面白みを大幅に高めることができる。
[5−4.液晶表示装置による演出例]
本実施形態では、上記キャラクタ駆動役物3003および七セグ表示ユニット2403で第一演出ないし第四演出のいずれかの演出が実行されている場合に、液晶表示装置1900において、メータ増加演出を実行する。以下、図195および図196を用いて、メータ増加演出について具体的に説明する。
図195は、液晶表示装置1900で実行されているメータ増加演出の例を示す図である。図196は、リーチ振り分けテーブルRTを示す図である。このリーチ振り分けテーブルRTは、大当り抽選がはずれの場合に用いられるテーブルであり、リーチ判定用乱数に基づいて、リーチ演出を行うとされた場合に、参照されるテーブルである。リーチ振り分けテーブルRTは、参照すべき変動表示パターンテーブルの種類、遊技状態、および、特図1または特図2のいずれの抽選であるのか(すなわち、第一始動口2101および第二始動口2102のいずれへの入賞に基づく抽選であるのか)、によって場合分けされて表される。具体的には、参照すべき変動表示パターンテーブルと、遊技状態と、特図1または特図2のいずれの抽選であるのかと、リーチ属性「a」〜「k」の振り分けと、が対応付けて表される。また、リーチ振り分けテーブルRTは、リーチ属性と、変動表示パターンの振り分けとが対応付けて表される。
例えば、参照すべき変動表示パターンテーブルがテーブルDであり、遊技状態が低確時短なし(通常外部不利状態)であり、特図1の抽選である場合には、「a」が20/100で選択され、「b」が、50/100で選択され、「c」が15/100で選択され、「d」が10/100で選択され、「f」が、4/100で選択され、「g」が、1/100で選択されることを示している。また、参照すべき変動表示パターンテーブルがテーブルDであり、遊技状態が高確時短なし(通常外部有利状態)であり、特図1の抽選である場合には、「a」が40/100で選択され、「b」が、30/100で選択され、「c」が15/100で選択され、「d」が10/100で選択され、「f」が、4/100で選択され、「g」が、1/100で選択されることを示している。例えば、リーチ属性「a」が選択された場合は、変動表示パターンの振り分け(「a」の下部に示されている)に従って、変動表示パターン番号4の変動表示パターンが選択される。
メータ増加演出は、パチンコ機1が有する第1ファイヤーモードまたは第2ファイヤーモードのみで行われる。メータ増加演出を説明する前に、第1ファイヤーモードと第2ファイヤーモードについて説明する。
第1ファイヤーモードは、「火」をモチーフとしたモードであり、例えば、「火」や「炎」を連想させる背景や、特定のキャラクタが「火」に包まれるようなエフェクトが表示され得る。
第1ファイヤーモードは、変動パターン設定処理(図181)で、当り遊技後に、参照すべき変動表示パターンテーブルとしてテーブルDが選択された場合(ステップS409)に、実行されるモードである。例えば、遊技状態が、低確率時短なし(通常外部不利状態)の場合に、大当りA、B、C、D、E、Fおよび小当りA、Bに当選して当り遊技を行った後における変動回数が1〜9回までの間に実行されるモードである(図193参照)。
第2ファイヤーモードは、第1ファイヤーモードが行われた後にテーブルCが選択されて、テーブルCに基づく、モード継続演出が実行された後に、参照すべき変動表示パターンテーブルとしてテーブルDが選択された場合に、実行されるモードである。例えば、遊技状態が、低確率時短なし(通常外部不利状態)の場合に、大当りB、D、E、Fおよび小当りBに当選して当り遊技を行った後における変動回数が11〜19回までの間に実行されるモードである(図193参照)。
なお、本実施形態では、第1ファイヤーモードが終了した後、モード継続演出でモード終了が示唆されて通常モードに戻る場合がある。例えば、遊技状態が、低確率時短なし(通常外部不利状態)の場合に、大当りA、Cおよび小当りAの当り遊技を行った後において、変動回数が1〜9回まで第1ファイヤーモードが行われるが、変動回数が10回になると、テーブルBが選択される。そして、テーブルBに基づく、モード継続演出が実行されてモード終了が示唆され、その後、テーブルAが選択されて、テーブルAに基づく通常モードに戻るパターンがある(図193参照)。
また、本実施形態では、第2ファイヤーモードが終了した後、モード継続演出でモード終了が示唆されて通常モードに戻る場合がある。例えば、遊技状態が、低確率時短なし(通常外部不利状態)の場合に、大当りB、Dおよび小当りBの当り遊技後の変動回数が11〜19回まで第2ファイヤーモードが行われるが、その後、テーブルBが選択されて、テーブルBに基づく、モード継続演出が実行されてモード終了が示唆され、その後、テーブルAが選択されて、テーブルAに基づく通常モードに戻るパターンがある(図193参照)。
さらに、本実施形態では、第2ファイヤーモードが終了した後、モード継続演出でモードレベルアップが示唆されて、確率変動機能の作動を示唆する第3ファイヤーモードに移行する場合がある。例えば、遊技状態が、低確率時短なし(通常外部不利状態)の場合に、大当りE、Fの大当り遊技後の変動回数が11〜19回まで第2ファイヤーモードが行われるが、その後、テーブルCが選択されて、テーブルCに基づく、モードレベルアップ演出が実行されて、その後、テーブルEが選択されて、テーブルEに基づいて、確率変動機能の作動が示唆される第3ファイヤーモードに移行するパターンがある(図193参照)。
メータ増加演出は、テーブルDに応じた連続9回の変動において、図195に示すように、液晶表示装置1900の中央に表示される星型キャラクタHSの周りに配置される7つの目盛りZRを、星型キャラクタZRGで埋めていく演出である。1回のメータ増加演出で、埋められる目盛りZRの総数は、0〜3の範囲から抽選で決められる。メータ増加演出では、目盛りZRを星型キャラクタZRGで埋める際、左下の目盛りZRから時計回りに順番に埋めていく。目盛りZRの表示は、メータ増加演出が行われていない状態においても液晶表示装置1900に表示された状態であることが好ましい。
メータ増加演出は、特定の変動表示パターンが選択された場合に実行される。本実施形態では、変動表示パターン番号4の変動表示パターンが選択された場合に実行される。図196に示すように、変動表示パターン番号4の変動表示パターンが選択されるのは、リーチ属性が、「a」、「g」、「j」、および、「k」の場合であるが、メータ増加演出は、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモードの場合に実行される。従って、メータ増加演出が実際に行われるのは、テーブルD選択時であって、リーチ属性が「a」および「g」の場合である。
ここで、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモードを実行している場合において、高確時短なし状態(確変外部不利状態)が実現されている場合には、低確時短なし状態(通常外部不利状態)が実現されている場合と比較して、図196に示すように、リーチ属性「a」の選択率が高い構成となっている(リーチ属性「g」の選択率は同じ)。すなわち、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモードを実行している場合であって、高確時短なし状態(確変外部不利状態)が実現されている場合には、低確時短なし状態(通常外部不利状態)が実現されている場合と比較して、メータ増加演出の出現率が高い構成となっている。
以上のことから、本実施形態のパチンコ機1では、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤモードの実行中において、メータ増加演出の出現率が高ければ、高確時短なし状態(確変外部不利状態)である可能性が高く、逆に、メータ増加演出の出現率が低ければ、低確時短なし状態(通常外部不利状態)である可能性が高い。これにより、遊技者に、遊技状態が高確時短なし状態(確変外部不利状態)であることの可能性を示唆することができる。その結果、遊技者が、遊技状態が高確時短なし状態(確変外部不利状態)であるにも拘わらずに遊技を止めてしまい、不利益を被ることを抑制することができ、遊技意欲を向上させることができる。
また、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモードを実行している場合において、高確時短なし状態(確変外部不利状態)が実現されている場合には、低確時短なし状態(通常外部不利状態)が実現されている場合と比較して、メータ増加演出の出現率が高い構成となっている。言い換えれば、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモード実行中に、メータ増加演出の出現率が高ければ、遊技状態は、メータ増加演出の出現率の低い場合と比べて、高確時短なし状態(確変外部不利状態)の可能性が高い構成となっている。このようにすれば、第1ファイヤーモード若しくは第2ファイヤーモード実行中において、遊技者は、メータ増加演出の出現を強く期待する。従って、遊技者の表示演出に対する関心を向上させることができ、その結果、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機1では、上述したように、大当りCと大当りDとの合計選択率に対する大当りFの選択率の割合は、大当りAと大当りBと小当りAと小当りBとの合計選択率に対する大当りEの選択率の割合よりも高い構成である。すなわち、紫3図柄が停止表示された場合(第2示唆表示とも呼ぶ)には、赤3図柄が停止表示された場合(第1示唆表示とも呼ぶ)と比べて、確率変動機能を作動させる大当りに当選している可能性が高い。さらに、上述したように、高確時短なし状態(確変外部不利状態)が実現されている場合には、低確時短なし状態(通常外部不利状態)が実現されている場合と比較して、メータ増加演出の出現率が高い構成となっている。従って、数字表示部2431に紫3図柄が停止表示した場合(第2示唆表示が行われた場合)には、赤3図柄が停止表示した場合(第1示唆表示が行われた場合)と比較して、変動表示パターン番号4の変動表示パターンが選択され易くメータ増加演出が出やすいので、遊技者に、紫3図柄が停止表示した場合(第2示唆表示が行われた場合)には、赤3図柄が停止表示した場合(第1示唆表示が行われた場合)よりも、第1ファイヤーモードおよび第2ファイヤーモード中において、高確時短なし状態(確変外部不利状態)であることへの高い期待感を抱かせることができる。その結果、紫3図柄が停止表示した場合(第2示唆表示が行われた場合)に、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。
また、上述したように、大当りA(若しくは、大当りB、小当りA、B)および大当りEである場合には、数字表示部2431に遊技球の獲得可能数が比較的少ない当りであることを示唆する赤3図柄を停止表示させ、抽選結果が、大当りC(若しくは大当りD)および大当りEである場合には、数字表示部2431に遊技球の獲得可能数が比較的多い当りであることを示唆する紫3図柄を停止表示させる。このように、紫3図柄が停止表示した場合(第2示唆表示が行われた場合)には、赤3図柄が停止表示した場合(第1示唆表示が行われた場合)と比較して、上記のようにメータ増加演出が出やすいことに加えて、上述したように、当り遊技における獲得遊技球が多くなる。すなわち、遊技者にとって赤3図柄が停止表示した場合(第1示唆表示が行われた場合)よりも紫3図柄が停止表示した場合(第2示唆表示が行われた場合)の方が価値が高い。従って、抽選結果が示唆(報知)される際に、遊技者に対して、紫3図柄の停止表示(第2示唆表示)の出現を期待させることができるので、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。以上から、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機1では、第1ファイヤーモードおよび第2ファイヤーモードを実現するための変動表示パターンを、テーブルA〜Eのうち、予め指定される1つの変動表示パターンテーブルであるテーブルDの中から決定するので、第1ファイヤーモードおよび第2ファイヤーモードを実現するための変動表示パターンを、複数の変動表示パターンテーブル(例えば、総合変動表示パターンテーブルHT)の中から決定する場合と比較して、変動表示パターンテーブルの設計および変動表示パターンテーブルの選択の制御を容易にすることができる。
なお、本実施形態における低確時短なし状態(通常外部不利状態)は、第1種遊技状態の例であり、高確時短なし状態(確変外部不利状態)は、第2種遊技状態の例である。主制御基板4100および周辺制御基板4010は、抽選情報取得手段、抽選手段、当り遊技手段、遊技状態実現手段、変動表示パターン決定手段、演出制御手段の例である。液晶表示装置1900、図柄表示部2430、および、数字表示部2431は、表示手段の例である。大当りA、B、小当りA、Bは、第1種遊技媒体少当りの例であり、大当りC、Dは、第1種遊技媒体多当りの例であり、大当りEは、第2種遊技媒体少当りの例であり、大当りF、G、Hは、第2種遊技媒体多当りの例である。
[5−5.擬似連演出]
擬似連演出(擬似変動演出)は、キャラクタ駆動役物3003および七セグ表示ユニット2403において、上述した第一演出から第四演出を実行し、第四演出で七セグ表示ユニット2403に装飾図柄を一旦停止表示させることによって、第一演出から第四演出(以下では、第一演出から第四演出までの一連の演出を「一連演出」と呼ぶ。また、特別図柄の変動開始後に最初に実現される一連演出を「最初一連演出」とも呼ぶ)が擬似的に終了したように遊技者に見せた後に行われる演出であり、最初一連演出後に、再び、第一演出から第四演出を行う演出である。言い換えれば、擬似連演出は、図柄表示部2430および七セグ表示ユニット2403の装飾図柄の変動が擬似的に終了したように遊技者に見せて、再び、装飾図柄の変動を行う演出ともいうことができる。この擬似連演出は、特別図柄の1回の変動中に、複数回(本実施形態では、1回〜4回)実行され得る。以下に、本実施形態における擬似連演出を2回行う場合の具体例を示す。
1回目の擬似連演出は、最初一連演出(第四演出)において、数字表示部2431に停止図柄としてF図柄が停止表示され、起爆スイッチ役物15000が作動し、擬似ランプが点灯した後、キャラクタ部3109が動作したり発光する第一演出を実行し、図柄表示部2430で装飾図柄(作動用図柄)が表示される第二演出を実行し、進行表示を行う第三演出を実行し、数字表示部2431において装飾図柄を変動させF図柄を停止表示させると共に、起爆スイッチ役物15000を作動し、擬似ランプが点灯する第四演出を実行する。
2回目の擬似連演出は、1回目の擬似連演出(第四演出)において、数字表示部2431に停止図柄としてF図柄が停止表示され、起爆スイッチ役物15000が作動し、擬似ランプが点灯した後、第一演出〜第三演出を実行し、数字表示部2431において装飾図柄を変動させた後、大当り抽選の抽選結果に基づく装飾図柄(数字図柄)を停止表示させる第四演出を実行する。この場合、2回目の擬似連演出は、起爆スイッチ役物15000の作動および擬似ランプが点灯を行わず、数字表示部2431に装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1224やステップS1225で決定された装飾図柄を停止表示する。
K(Kは1、2、3、4のいずれか)回の擬似連演出を行う場合には、上記具体例のように、以下のような制御が行われる。すなわち、最後の擬似連演出(K回目の擬似連演出)より前の擬似連演出では、第四演出において、数字表示部2431に停止図柄としてF図柄を停止表示し、起爆スイッチ役物15000を作動し、擬似ランプを点灯する。また、最後の擬似連演出(K回目の擬似連演出)では、第四演出において、起爆スイッチ役物15000の作動および擬似ランプが点灯を行わず、数字表示部2431に装飾図柄変動開始処理(図192)のステップS1224やステップS1225で決定された装飾図柄を停止表示する。
なお、擬似連演出における第一演出では、キャラクタ部3109が、多様な動作を行うなど種々の演出がなされるが、このような演出の一例として、例えば、以下のような演出を行うようにしてもよい。すなわち、擬似連演出における第一演出として、キャラクタ部3109が遊技者から隠れるように下に移動した後、液晶表示装置1900に「ボタンを押せ」などの押圧操作部(ボタン)405の押下を促す表示がなされて、遊技者によって押圧操作部405が押下されると、キャラクタ部3109が上昇して姿を現して動作し、また、発光する演出を行うようにしてもよい。このような演出を以下では、擬似連ボタン押下演出とも呼ぶ。
次に、擬似連演出の回数の選択についてテーブルAに属する変動表示パターンを用いて説明する。本実施形態では、変動表示番号9〜17、39、45〜96の変動表示パターンは、テーブルAに属する。図194に示す総合変動表示パターンテーブルHTには、通常外部不利状態時において、テーブルAに属する変動表示パターンの擬似連演出の回数の振り分けが示されている。具体的には、変動表示番号9〜17、39、45〜96の変動表示パターンにおいて、擬似連演出なし(擬似連演出0回)の場合(図では、擬似なしと表されている)と、擬似連演出を1回行う場合(図では、F1回目と表されている)と、擬似連演出を2回行う場合(図では、F2回目と表されている)と、擬似連演出を3回行う場合(図では、F3回目と表されている)と、擬似連演出を4回行う場合(図では、F4回目と表されている)と、の選択割合が示されている。例えば、通常外部不利状態時において、特図1の抽選であり、テーブルAが参照すべき変動表示パターンテーブルとして選択され、変動表示パターン番号96の変動表示パターンが選択された場合には、擬似連演出は、0回が10/100、1回が15/100、2回が30/100、3回が30/100、4回が15/100の割合で選択される。
[5−6.第一演出におけるキャラクタ部3109の動作パターンの選択制御の例]
本実施形態では、第一演出におけるキャラクタ部3109の動作パターンは、「ノーマル」、「やっほう」、「ローリング」、「モンスター」、「ロケット」、「ファイヤー」、「アースクェーク」の7つ存在する。これら動作パターンにおいて、遊技者から見た大当り抽選の当選期待度は、「アースクェーク」が最も高く、次に「ファイヤー」が高く、次に「ロケット」が高く、次に「モンスター」が高く、次に「ローリング」が高く、次に「やっほう」が高く、「ノーマル」が最も低くなるように設定されている。動作パターンの選択制御例について以下に具体的に説明する。なお、動作パターンは、7つに限らず、2〜6、8つ以上であってもよい。
図198は、動作制御パターンテーブルMTを示す図である。この動作制御パターンテーブルMTは、周辺制御基板4010(周辺制御部4140)が、キャラクタ部3109の動作パターンを選択する際に参照するテーブルであり、変動表示パターン番号と、擬似連演出回数と、動作制御パターンの振り分けと、が対応付けられて示される。動作制御パターンは、1つ以上の動作パターンが対応付けられている。
例えば、変動パターン設定処理(図181:ステップS413)で変動表示パターン番号1の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数0回が選択された場合には、動作制御パターンは、動作制御パターンテーブルMTに基づいて、動作制御パターン1が選択される。すなわち、動作パターンとして「ノーマル」が選択される。この場合、擬似連演出ではない最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109の動作パターンとして「ノーマル」が実行される。
また、変動表示パターン番号11の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数0回が選択された場合には、動作制御パターンは、動作制御パターンテーブルMTに基づいて、動作制御パターン2が45%、動作制御パター3が25%、動作制御パターン4が30%の割合で選択される。この場合、最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109の動作パターンとして、「ノーマル」が45%、「ファイヤー」が25%、「アースクェーク」が30%の割合で実行される。
さらに、変動表示パターン番号11の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数1回が選択された場合には、動作制御パターンは、動作制御パターンテーブルMTに基づいて、動作制御パターン5「ノーマル」→「ノーマル」が10%、動作制御パターン6「ノーマル」→「モンスター」が10%、動作制御パターン7「やっほう」→「ロケット」が10%、動作制御パターン8「ノーマル」→「ファイヤー」が20%、動作制御パターン9「やっほう」→「アースクェーク」が50%の割合で選択される。このように、擬似連演出が1回以上行われる場合には、1つの動作制御パターンに、擬似連演出の回数に1を加算した数の動作パターンが示される。例えば、動作制御パターン9は、「やっほう」→「アースクェーク」と示されているが、この場合は、最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109の動作パターンとして「やっほう」が実行され、1回目の擬似連演出の第一演出で、キャラクタ部3109の動作パターンとして「アースクェーク」が実行される。
なお、本実施形態における通常外部不利状態では、リーチ演出を行う変動表示パターン(例えば、図194:変動表示パターン番号11)が選択された場合に第一演出での動作パターンを選択する場合は、その内の40%が、「ノーマル」以外の動作パターンとして選択される(擬似連演出を行う場合は、最後の擬似連演出における動作パターンが対象)。一方、リーチ演出を行わない変動表示パターン(例えば、図194:変動表示パターン番号1)が選択された場合に第一演出での動作パターンを選択する場合は、すべて「ノーマル」の動作パターンが選択される(この場合、リーチ演出を行わない場合は、擬似連演出が行われないので、擬似連演出を考慮する必要はない)。従って、通常外部不利状態時において、「ノーマル」以外の動作パターンが選択される確率は、12%となっている(通常外部不利状態時におけるリーチ確率(リーチ比率)30%と、リーチ演出を行う変動表示パターンが選択された場合であって、「ノーマル」以外の動作パターンが選択される確率40%と、の積で求まる)。言い換えれば、通常外部不利状態時において、第一演出で実行される動作パターンは、「ノーマル」の場合がほとんどと言える。このような構成によれば、遊技者は、第一演出で実行される動作パターンとして、「ノーマル」の動作パターンを多く目撃し、「ノーマル」の動作パターンを見慣れてくる。従って、第一演出でキャラクタ部3109における動作パターンが「ノーマル」以外の動作パターンが出現すれば、遊技者は、「ノーマル」の動作パターンとは異なる動作パターンだと素早く認識することができ、その結果、大当り抽選の当選期待度が高いことを瞬時に認識することができる。このようにキャラクタ部3109の動作パターンによって、遊技者に大当り抽選の当選期待度が高いことを瞬時に認識させることにより、遊技者は、キャラクタ部3109の動作パターンに対して大きな興味を持つ。その結果、興趣性の高い遊技機を提供することができる。また、本実施形態では、通常外部不利状態に限らず、通常外部有利状態、確変外部不利状態、および、確変外部有利状態においても動作パターンが「ノーマル」の場合が多く、上記効果を奏することができる。いずれの場合も、「ノーマル」の動作パターンが選択される確率が、他の動作パターンが選択される確率よりも、高ければよく、上述の種々の選択確率は、上述した数値に限らず、適宜、変更してよい。
また、上述した擬似連押下演出におけるキャラクタ部3109の動作パターンとして、動作制御パターンテーブルMTに基づいて決定された動作パターンを実行するようにしてもよい。
[5−7.第一演出におけるキャラクタ部3109の発光色の選択制御の例]
本実施形態では、第一演出におけるキャラクタ部3109の発光色は、「青」、「黄」、「マンゴー」、「緑」、「赤」、「白」、「虹色」の7つ存在する。これら発光色において、遊技者から見た大当り抽選の当選期待度は、「虹色」が最も高く、次に「白」が高く、次に「赤」が高く、次に「緑」が高く、次に「マンゴー」が高く、次に「黄」が高く、「青」が最も低くなるように設定されている。発光色の選択制御例について以下に具体的に説明する。なお、発光色は、7つに限らず、2〜6、8つ以上であってもよい。
図199は、発光制御パターンテーブルLTを示す図である。この発光制御パターンテーブルLTは、周辺制御基板4010(周辺制御部4140)が、キャラクタ部3109の発光色を選択する際に参照するテーブルであり、最終色決定テーブルLTaと、発光制御パターン決定テーブルLTbとを備えている。最終色決定テーブルLTaは、変動表示パターン番号と、最終色と、が対応付けられて示される。発光制御パターン決定テーブルLTbは、最終色と、擬似連演出回数と、発光制御パターンの振り分けと、が対応付けられて示される。発光制御パターンは、1つ以上の発光色が対応付けられている。
例えば、変動パターン設定処理(図181:ステップS413)で変動表示パターン番号1の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数0回が選択された場合には、以下のように発光制御パターン(発光色)が選択される。すなわち、まず、最終色決定テーブルLTaに基づいて、変動表示パターン番号1に対応する最終色「青」が選択される。次に、最終色が「青」で擬似連演出回数が0回であるので、発光制御パターン決定テーブルLTbに基づいて、発光制御パターン1が選択される。すなわち、発光色「青」が選択される。この場合、最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「青色」に発光される。
また、変動表示パターン番号8の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数0回が選択された場合には、以下のように発光制御パターン(発光色)が選択される。すなわち、まず、最終色決定テーブルLTaに基づいて、変動表示パターン番号8に対応する最終色が、「青」10%、「黄」10%、「マンゴー」10%、「緑」10%、「赤」20%、「白」20%、「虹」20%の割合で選択される。ここで、例えば、最終色として、「赤」が選択された場合には、擬似連演出回数が0回であるので、発光制御パターン決定テーブルLTbに基づいて、発光制御パターン2が選択され、すなわち、発光色「赤」が選択される。この場合、最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「赤色」に発光される。
さらに、変動表示パターン番号8の変動表示パターンが選択され、擬似連演出回数3回が選択された場合には、以下のように発光制御パターン(発光色)が選択される。すなわち、まず、最終色決定テーブルLTaに基づいて、変動表示パターン番号8に対応する最終色が、「青」10%、「黄」10%、「マンゴー」10%、「緑」10%、「赤」20%、「白」20%、「虹」20%の割合で選択される。ここで、例えば、最終色として、「白」が選択された場合には、擬似連演出回数が3回であるので、発光制御パターン決定テーブルLTbに基づいて、発光制御パターン5「青」→「黄」→「赤」→「白」が30%、発光制御パターン6「青」→「緑」→「赤」→「白」が15%、発光制御パターン7「黄」→「緑」→「白」→「白」が30%、発光制御パターン8「青」→「白」→「白」→「白」が15%の割合で選択される。このように、擬似連演出が1回以上行われる場合には、1つの発光制御パターンに、擬似連演出の回数に1を加算した数の発光色が示される。例えば、発光制御パターン5は、「青」→「黄」→「赤」→「白」と示されているが、この場合は、最初一連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「青色」に発光され、1回目の擬似連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「黄色」に発光され、2回目の擬似連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「赤色」に発光され、3回目の擬似連演出の第一演出で、キャラクタ部3109が「白色」に発光される。
なお、上述した擬似連押下演出におけるキャラクタ部3109の発光色として、発光制御パターンテーブルLTに基づいて決定された発光色を実行するようにしてもよい。
ここで、動作制御パターンおよび発光制御パターンは、それぞれキャラクタ部3109の状態制御するための制御パターンであるので、総称して、状態制御パターンとも呼ぶ。
本実施形態のパチンコ機1では、変動パターン設定処理(図181:ステップS413)で総合変動表示パターンテーブルHTの中から変動表示パターンが決定された場合に、決定された変動表示パターンに応じて予め定められた選択割合に従って、キャラクタ部3109の状態制御パターン(動作制御パターンおよび発光制御パターン)を決定する(図198、199参照)。このようにすれば、状態制御パターンを、変動表示パターンによって、決定することができるので、状態制御パターンを選択する複雑な制御を省略することができる。その結果、パチンコ機1の開発にかかる労力を低減させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、状態制御パターンを、変動表示パターンに応じて予め定められた選択割合に従って、決定する。このようにすれば、複数の変動表示パターンのうちの1つの変動表示パターンが決定された場合であっても、複数の状態制御パターンのうちのいずれかを選択し得る。これにより、一つの変動表示パターンに応じて複数種類の状態制御パターンが実現され得るので、遊技演出(役物演出)が単調になる可能性を低減できる。
本実施形態のパチンコ機1では、第一演出において、状態制御パターン(動作制御パターンおよび発光制御パターン)に従って、装飾図柄の変動開始前に、キャラクタ部3109の制御を行う。このようにすれば、装飾図柄の変動開始前に、キャラクタ部3109の状態変化によって大当り抽選の当選期待度の示唆を実行することができるので、遊技者に、表示演出の序盤で大きなインパクトを付与することができ、表示演出のみならず、キャラクタ部3109の状態変化(役物演出)に対しても大きな興味を抱かせることができる。その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。なお、状態制御パターンに基づくキャラクタ部3109の制御は、装飾図柄の変動開始前に限らず、装飾図柄の変動開始時に行うようにしてもよい。このようにしても上記効果を奏することができる。この場合、第一演出と第二演出とは同時進行し得る。
本実施形態のパチンコ機1では、動作制御パターンに従って、キャラクタ部3109の動作を制御する。このようにすれば、キャラクタ部3109の動きによって、大当り抽選の当選期待度を遊技者に示唆することができ、その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機1では、発光制御パターンに従って、キャラクタ部3109の発光色を制御する。このようにすれば、キャラクタ部3109の発光色によって、大当り抽選の当選期待度を遊技者に示唆することができ、その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機1において、以下のような構成を含んでもよい。すなわち、1つの変動表示パターンが決定された場合に、大当り抽選の当選期待度が比較的高いこと示す状態制御パターン(高期待状態制御パターンとも呼ぶ)と、大当り抽選の当選期待度が比較的低いことを示す状態制御パターン(低期待状態制御パターンとも呼ぶ)との両方が、選択の候補であることが好ましい。このようにすれば、高期待状態制御パターンに基づく役物の状態変化が長い時間出現しないことを抑制することができる。従って、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
また、決定された1つの変動表示パターンが、大当り抽選の当選期待度が高い変動表示パターンの場合には、選択割合(図198、199参照)を調整することで、高期待状態制御パターンを低期待状態制御パターンよりも選択され易くして、遊技者に対して、大当り抽選の当選期待度が高いことを大当り抽選の抽選結果の報知の前に、キャラクタ部3109の状態変化で示唆することを可能としてもよい。このようにすれば、遊技者に、キャラクタ部3109の状態変化に大きな興味を抱かせることができ、言い換えれば、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
さらに、動作制御パターンは、発光制御パターンの選択(図199参照)のように、最終の動作パターンを決めて、決定した動作パターンと、擬似連演出の回数とに基づいて、予め定められる1つ以上の動作制御パターンの中から1つを選択するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、主制御基板4100および周辺制御基板4010は、抽選情報取得手段と、抽選手段と、当り遊技手段と、変動表示パターン決定手段と、演出制御手段と、状態制御パターン決定手段役物制御手段の例である。液晶表示装置1900は、表示手段の例である。センタ役物2400は、役物の例である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
図200は、周辺制御基板の変形例を示す図である。上記実施形態では、周辺制御基板4010において、周辺制御部4140と液晶制御部4150とが異なるユニットであったが、これに限られず、以下のような構成としてもよい。すなわち、図200に示すように、周辺制御部4140が、液晶制御部4150の各機能部(液晶制御ROM4150a、VDP4150c、キャラROM4150d、キャラRAM4150e)を含むようにしてもよい。この場合、周辺制御部4140の周辺制御MPU4140aは、液晶制御ROM4150aと、VDP4150cと、キャラROM4150dと、キャラRAM4150eとを制御する。このようにすれば、パチンコ機1の部品点数の削減、省スペース化等を実現することができる。
さらに、周辺制御基板4010が現実の時間を計測するリアルタイムクロックを備えてもよい。そして、周辺制御基板4010は、現実の時間に応じて演出を変更してもよい。
上記実施形態では、遊技球引込部材として、一対の羽根2213を備えるものを示したが、チャンス口を遊技パネルに形成するとともに、チャンス口の奥側に後退し遊技球を引込み不能とする閉位置(後退位置)と、チャンス口よりも前方に突出し遊技領域を通過する遊技球を引込み可能とする開位置(突出位置)との間で、前後方向に出没可能に支持されたベロ形出没片から構成してもよい。また、扉軸によって下辺が回動可能に軸支されるとともに、垂直状態となることでチャンス口を閉鎖して遊技球を引込み不能とする閉位置と、上辺が前側へ傾斜した傾斜状態となることでチャンス口を開放して遊技球を引込み可能とする開位置との間で、回動可能に支持された扉体から構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
上述の種々の実施形態において、「表示演出」の観点から以下の技術思想を抽出可能である。
[態様1]
遊技機であって、
遊技媒体が所定領域を通過したことに応じて抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
遊技者に特典を付与する当りであるか否かの抽選を、前記抽選情報取得手段によって取得された前記抽選情報に応じて行うことが可能な抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が、特定の当りである場合に、前記遊技者が、前記遊技媒体を獲得可能な当り遊技を実行する当り遊技手段と、
第1種遊技状態と、前記第1種遊技状態と比べて遊技者に有利な第2種遊技状態と、を含む複数種類の遊技状態の中から1つの遊技状態を選択して実現可能な手段であって、前記抽選が、前記特定の当りのうちの第1種当りに当選したことに応じて、前記第1種遊技状態を実現可能であり、前記抽選が、前記特定の当りのうちの第2種当りに当選したことに応じて、前記第2種遊技状態を実現可能な遊技状態実現手段と、
表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して前記表示手段を利用して行われる表示演出を特定する変動表示パターンを、前記変動表示パターンの候補を定める1以上の候補情報を利用して決定する変動表示パターン決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って、前記表示演出を前記表示手段で実現する演出制御手段と、
を備え、
前記変動表示パターン決定手段は、
前記特定の当りに当選したことを契機として、特定演出が実行され得るモード演出を実現するために、前記変動表示パターンを、前記1以上の候補情報のうち、予め指定される候補情報を参照して決定するモード中変動表示パターン決定手段を含み、
前記演出制御手段は、
前記モード中変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って前記表示演出を実行することで、前記特定の当りに当選後に、前記モード演出を実行するモード演出制御手段を含み、
前記モード演出制御手段は、
前記モード中変動表示パターン決定手段で特定の変動表示パターンが決定された場合に、前記モード演出中の前記特定演出を実行し、
前記モード中変動表示パターン決定手段は、
前記演出制御手段が前記モード演出を実行している場合において、前記遊技状態実現手段によって前記第2種遊技状態が実現されている場合には、前記遊技状態実現手段によって前記第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、高い選択率で前記特定の変動表示パターンを選択する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、モード演出を実行している場合において、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定の変動表示パターンの選択率が高い構成となっている。すなわち、モード演出を実行している場合であって、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定演出の出現率が高い構成となっている。従って、モード演出の実行中において、特定演出の出現率が高ければ、第2種遊技状態である可能性が高く、逆に、特定演出の出現率が低ければ、第1種遊技状態である可能性が高い。これにより、遊技者に、遊技状態が第2種遊技状態(有利遊技状態)であることの可能性を示唆することができる。その結果、遊技者が、遊技状態が第2種遊技状態(有利遊技状態)であるにも拘わらずに遊技を止めてしまい、不利益を被ることを抑制することができ、遊技意欲を向上させることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、モード演出を実行している場合において、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比較して、特定演出の出現率が高い構成となっている。言い換えれば、モード演出実行中に、特定演出の出現率が高ければ、遊技状態は、第1種遊技状態よりも第2種遊技状態の可能性が高い構成となっている。このようにすれば、モード演出実行中において、遊技者は、特定演出の出現を強く期待する。従って、遊技者の表示演出に対する関心を向上させることができ、その結果、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
[態様2]
態様1に記載の遊技機であって、
前記当り遊技手段は、
前記抽選結果が前記第1種当りに含まれる第1種遊技媒体多当りである場合と、前記抽選結果が前記第2種当りに含まれる第2種遊技媒体多当りである場合とのそれぞれにおいて、前記抽選結果が前記第1種当りに含まれる第1種遊技媒体少当りである場合と、前記抽選結果が前記第2種当りに含まれる第2種遊技媒体少当りである場合のいずれよりも、前記遊技者が前記遊技媒体を多く獲得可能に、前記当り遊技を実行し、
前記遊技状態実現手段は、
前記抽選が、前記第1種遊技媒体少当りおよび前記第1種遊技媒体多当りのいずれに当選した場合であっても、前記第1種遊技状態を実現可能であり、
前記抽選が、前記第2種遊技媒体少当りおよび前記第2種遊技媒体多当りのいずれに当選した場合であっても、前記第2種遊技状態を実現可能であり、
前記遊技機は、
前記第1種遊技媒体多当りに対する前記第2種遊技媒体多当りの比率は、前記第1種遊技媒体少当りに対する前記第2種遊技媒体少当りの比率よりも高く、
前記演出制御手段は、
前記抽選結果が、前記第1種遊技媒体少当りおよび前記第2種遊技媒体少当りである場合には、前記表示手段に前記遊技媒体の獲得可能数が比較的少ない当りであることを示唆する第1示唆表示を行い、前記抽選結果が、前記第1種遊技媒体多当りおよび前記第2種遊技媒体多当りである場合には、前記表示手段に前記遊技媒体の獲得可能数が比較的多い当りであることを示唆する第2示唆表示を行う当り示唆手段を備える、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、第1種遊技媒体多当りに対する第2種遊技媒体多当りの比率は、第1種遊技媒体少当りに対する第2種遊技媒体少当りの比率よりも高い構成である。すなわち、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比べて、第2種遊技状態へ移行する当りに当選している可能性が高い。さらに、第2種遊技状態が実現されている場合には、第1種遊技状態が実現されている場合と比べて、特定の変動表示パターンが選択され易い構成である。従って、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比較して、特定の変動表示パターンが選択され易く特定演出が出やすいので、遊技者に、第2示唆表示がなされた場合には、第1示唆表示がなされた場合よりも、モード演出中において、第2種遊技状態(有利遊技状態)であることへの高い期待感を抱かせることができる。その結果、第2示唆表示がなされた場合に、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。
また、第1種遊技媒体少当りおよび第2種遊技媒体少当りである場合には、表示手段に遊技媒体の獲得可能数が比較的少ない当りであることを示唆する第1示唆表示を行い、抽選結果が、第1種遊技媒体多当りおよび第2種遊技媒体少当りである場合には、表示手段に遊技媒体の獲得可能数が比較的多い当りであることを示唆する第2示唆表示を行う。このように、第2示唆表示が行われた場合には、第1示唆表示が行われた場合と比較して、上記のように特定演出が出やすいことに加えて、当り遊技における獲得遊技媒体が多くなる。すなわち、遊技者にとって第1示唆表示よりも第2示唆表示の方が価値が高い。従って、抽選結果が示唆される際に、遊技者に対して、第2示唆表示の出現を期待させることができるので、遊技者の表示演出に対する関心をより向上させることができる。
以上から、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
[態様3]
態様1または態様3に記載の遊技機であって、
前記モード中変動表示パターン決定手段は、
前記モード演出を実現するための前記変動表示パターンを、前記1以上の候補情報のうち、予め指定される1つの候補情報の中から決定する、
遊技機。
上記構成によれば、モード演出を実現するための変動表示パターンを、候補情報のうち、予め指定される1つの候補情報の中から決定するので、モード演出を実現するための変動表示パターンを、複数の候補情報の中から決定する場合と比較して、候補情報の設計および候補情報選択の制御を容易にすることができる。
また、上記種々の実施形態において、役物の状態制御パターンの選択の観点から以下の技術思想を抽出可能である。
[態様1]
遊技機であって、
遊技媒体が所定領域を通過したことに応じて抽選情報を取得する抽選情報取得手段と、
遊技者に特典を付与する当りであるか否かの抽選を、前記抽選情報取得手段によって取得された前記抽選情報に応じて行うことが可能な抽選手段と、
前記抽選手段による抽選結果が、特定の当りである場合に、前記遊技者が、前記遊技媒体を獲得する当り遊技を実行する当り遊技手段と、
表示手段と、
前記抽選のそれぞれに関して前記表示手段を利用して行われる表示演出を特定する変動表示パターンを、前記変動表示パターンの候補を定める候補情報を利用して、予め決められた複数の変動表示パターンの中から決定する変動表示パターン決定手段と、
前記変動表示パターン決定手段によって決定された変動表示パターンに従って、前記表示演出を前記表示手段で実現する演出制御手段と、
前記表示演出に関連して状態を変化可能な役物と、
前記役物の状態を制御するための状態制御パターンを決定する状態制御パターン決定手段と、
前記状態制御パターン決定手段によって決定された前記状態制御パターンに従って、前記役物を制御する役物制御手段と、
を備え、
前記状態制御パターン決定手段は、
前記変動表示パターン決定手段によって、前記複数の変動表示パターンの中の1以上の特定の変動表示パターンのうちのいずれかが決定された場合に、当該変動表示パターンに応じて予め定められた選択割合に従って、前記状態制御パターンを決定する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、複数の変動表示パターンの中の1以上の特定の変動表示パターンのうちのいずれかが決定された場合に、決定された変動表示パターンに応じて予め定められた選択割合に従って、状態制御パターンを決定する。このようにすれば、状態制御パターンを、変動表示パターン決定手段で決定される変動表示パターンによって、決定することができるので、状態制御パターンを選択する複雑な制御を省略することができる。その結果、遊技機の開発にかかる労力を低減させることができる。
また、上記構成の遊技機によれば、状態制御パターンを、変動表示パターン決定手段で決定される特定の変動表示パターンに応じて予め定められた選択割合に従って、決定する。このようにすれば、特定の変動表示パターンのうちの1つの変動表示パターンが決定された場合であっても、複数の状態制御パターンのうちのいずれかを選択し得る。これにより、一つの変動表示パターンに応じて複数種類の状態制御パターンが実現され得るので、遊技演出(役物演出)が単調になる可能性を低減できる。
例えば、上記遊技機は、以下のような構成を含んでもよい。
1つの変動表示パターンが決定された場合に、抽選手段による抽選結果が特定の当りであることの期待度を表す当り期待度が比較的高いこと示す役物制御を行うための状態制御パターン(高期待状態制御パターンとも呼ぶ)と、当り期待度が比較的低いことを示す役物制御を行うための状態制御パターン(低期待状態制御パターンとも呼ぶ)との両方が、選択の候補であることが好ましい。このようにすれば、高期待状態制御パターンに基づく役物の状態変化が長い時間出現しないことを抑制することができる。従って、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
また、決定された1つの変動表示パターンが、当り期待度が高い変動表示パターンの場合には、上記選択割合を調整することで、高期待状態制御パターンを低期待状態制御パターンよりも選択され易くして、遊技者に対して、当り期待度が高いことを抽選結果の報知の前に、役物の状態変化で示唆することを可能とすることが好ましい。このようにすれば、遊技者に、役物の状態変化に大きな興味を抱かせることができ、言い換えれば、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
[態様2]
態様1に記載の遊技機であって、
前記抽選手段による前記抽選を契機として、図柄の変動表示と停止表示とを、前記表示演出の少なくとも一部として実現する変動表示制御手段を備え、
前記役物制御手段は、
前記状態制御パターン決定手段によって決定された前記状態制御パターンに従って、前記図柄の変動開始前、または、前記図柄の変動開始時に、前記役物の制御を行う、
遊技機。
上記構成によれば、状態制御パターン決定手段によって決定された状態制御パターンに従って、図柄の変動開始前または図柄の変動開始時に、役物の制御を行う。このようにすれば、図柄の変動開始前または図柄の変動開始時に、役物の状態変化による当り期待度の示唆を実行することができるので、遊技者に、表示演出の序盤で大きなインパクトを付与することができ、表示演出のみならず、役物の状態変化(役物演出)に対しても大きな興味を抱かせることができる。その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
[態様3]
態様1または態様2に記載の遊技機であって、
前記役物は、
可動部を備え、
前記状態制御パターン決定手段は、
前記変動表示パターン決定手段によって、前記複数の変動表示パターンの中の前記1以上の特定の変動表示パターンのうちのいずれかが決定された場合に、当該変動表示パターンに予め決められた選択割合に従って、前記役物の前記可動部の動作を制御するための動作制御パターンを決定する動作制御パターン決定手段を備え、
前記役物制御手段は、
前記動作制御パターン決定手段によって決定された前記動作制御パターンに従って、前記役物の前記可動部を制御する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、動作制御パターン決定手段によって決定された動作制御パターンに従って、役物の可動部を制御する。このようにすれば、可動部の動きによって、当り期待度を遊技者に示唆することができ、その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
[態様4]
態様1ないし態様3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記役物は、
複数の色に発光可能な発光部を備え、
前記役物制御手段は、
前記変動表示パターン決定手段によって、前記複数の変動表示パターンの中の前記1以上の特定の変動表示パターンのうちのいずれかが決定された場合に、当該変動表示パターンに予め決められた選択割合に従って、前記役物の前記発光部における発光色の制御するための発光制御パターンを決定する発光制御パターン決定手段を備え、
前記役物制御手段は、
前記発光制御パターン決定手段によって決定された前記発光制御パターンに従って、前記役物の前記発光部の発光色を制御する、
遊技機。
上記構成の遊技機によれば、発光制御パターン決定手段によって決定された発光制御パターンに従って、役物の発光部の発光色を制御する。このようにすれば、役物の発光部の発光色によって、当り期待度を遊技者に示唆することができ、その結果、遊技演出(役物演出)が単調になることを抑制することができる。
以上、種々の観点から抽出される種々の態様(技術思想)について説明したが、上述の種々の態様あるいは態様の一部の構成を、他の態様と組み合わせてもよい。また、上述の種々の態様で説明されている構成の変形例を、他の態様に適用してもよい。
1900...液晶表示装置 2101...第一始動口 2102...第二始動口
2103...大入賞口 2260...開閉扉 2267...ソレノイド 2276...第二始動口センサ 2400...センタ役物 2403...七セグ表示ユニット 2404...状態表示ユニット 2430...図柄表示部 2431...数字表示部
2438...装飾部 2439...発光基板 2441...七セグ表示器 3109...キャラクタ部 3124...発光基板 3179...中継基板 3524...第一始動口センサ 4010...周辺制御基板 4100...主制御基板 4100c...RAMクリアスイッチ 4100e...RAM 4110...払出制御基板 4010...周辺制御基板 15000...起爆スイッチ役物 TC...テーブル切換カウンタ TI...テーブル移行表 HS...星型キャラクタ RT...リーチ振り分けテーブル MT...動作制御パターンテーブル LT...発光制御パターンテーブル
HT...総合変動表示パターンテーブル LTa...最終色決定テーブル LTb...発光制御パターン決定テーブル

Claims (1)

  1. 複数の遊技球を貯留可能な貯留手段と、
    前記貯留手段に貯留された遊技球を通過口を介して発射位置に送り出す球送り手段と、
    前記球送り手段により前記発射位置に送り出された遊技球を遊技領域に向けて一つずつ発射可能な発射手段と、
    前記球送り手段に設けられる金属板材と、
    を具備する遊技機であって、
    前記金属板材は、一端側から他端側へ向かって伸びる分割線を境にした一方側の片部である第1板面部と、該分割線を境にした他方側の片部を含む第2板面部とを有し、前記第1板面部を前記第2板面部に対して屈曲させて、前記分割線に沿って略V字状に離間した隙間を前記第1板面部と前記他方側の片部との間に形成、遊技球に付された線材が前記隙間に進入することによって切断されうるようにしておくことで、線材を用いた不正行為を困難にするものであり
    前記球送り手段には、前記隙間と前記通過口とが連通するように前記金属板材を収容可能な収容部が形成され、
    前記球送り手段は、前記収容部に収容された前記金属板材に遊技球が接触することを防止する接触防止部を有する
    ことを特徴とする遊技機。
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