以下、第1の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図4(a)および図4(b)に示す11は照明装置としての照明器具であり、この照明器具11は、例えば天井面などの設置面に開口された取付部である埋込孔に埋設され、例えば食品工場やクリーンルームなどに設置される防水形の非常灯として用いられる非常用照明装置である。この照明器具11は、器具本体15を備えており、この器具本体15内には、図3に示すように、ユニット部16、非常点灯用のバッテリであるバッテリパック17などが、アダプタ18を介して着脱可能に取り付けられて収容されている。また、この器具本体15の一端側である下端側には、カバー体としての化粧枠19が取り付けられている。
器具本体15は、円形状の開口部21を下端部に有する有蓋円筒状に形成され、この開口部21を覆って化粧枠19が着脱可能に取り付けられている。この器具本体15は、照明器具11の外郭の一部を構成するもので、不燃性の材料によって各部が形成されている。より詳細には、この器具本体15は、例えば金属製などにより形成された本体部23と、この本体部23の下端部に取り付けられたパッキン24と、本体部23の上端部に取り付けられた取付金具25とを備えている。
本体部23は、例えば不燃性部材としての放熱性部材であるアルミニウムなどの金属により形成され、下端部が開口部21となる円筒状の側面部26と、この側面部26の上端部を閉塞する円形平板状の天面部27と、側面部26の下端部である開口部21の外縁部にフランジ状に突出する円環状のフランジ部28とを備えている。なお、側面部26には、例えば器具本体15の内部と外部とで空気を通過可能とし水分を通過させないように図示しない開口を設けてもよい。また、本実施形態では、この本体部23は側面部26およびフランジ部28が一体に設けられ、天面部27が別体となっているが、これらは一体でもよいし、他の任意の箇所で分割されていてもよい。
天面部27には、本体部23の外部となる上部に取付金具25が取り付けられ、本体部23(器具本体15)の内部となる下部にアダプタ18が取り付けられる。また、この天面部27には、ユニット部16などと電気的に接続された図示しない配線が挿通される円形状などの挿通穴27aが例えば中央部に開口されている。
フランジ部28には、化粧枠19を固定するための固定金具29が下部に取り付けられている。この固定金具29は、例えば3つ設定され、開口部21の周囲に位置して互いに周方向に略等角度に離間されている。
パッキン24は、器具本体15と設置面との隙間を閉塞して照明器具11の防水性を確保するもので、弾性を有する不燃性部材である合成樹脂などの部材により円環状に形成され、本体部23のフランジ部28の上部から下部の外縁部を覆って取り付けられている。
取付金具25は、埋込孔の天面などに照明器具11を吊り下げ固定するもので、側方から見て本体部23(天面部27)から上方に突出するコ字状に形成されており、図示しないボルトなどが挿通される固定用挿通穴25aが、例えば器具本体15(本体部23)の中心軸上の位置に長穴状に形成されている。
ユニット部16は、図1に示すように、光源モジュール31と、回路基板である基板部32と、これら光源モジュール31および基板部32を保持するケース体33とを備えている。そして、このユニット部16は、係止部材としての図示しないねじによりアダプタ18に着脱可能に取り付けられ、このアダプタ18を介して器具本体15の天面部27(図3)に係止されて器具本体15内に保持される。
光源モジュール31は、本実施形態では、ユニット部16を器具本体15内に取り付けた状態で、化粧枠19を介して器具本体15の下端部から下方へと光を出射するものである。この光源モジュール31は、光源基板35と、この光源基板35を覆うモジュールケース36と、このモジュールケース36に保持された配光制御部材としての制光体であるドーム状のレンズ37とを備えている。
光源基板35は、平板状に形成され、一主面である下面の略中央部に、発光素子(半導体発光素子)であるLED41が実装されているとともに、これらLED41の近傍に、基板部32とLED41とを電気的に接続するコネクタ42が実装されている。
LED41は、光源基板35の下面にて中央部に配置されており、全体がレンズ37により覆われている。そして、このLED41は、ユニット部16を器具本体15に取り付けた状態で、この器具本体15の中心軸に沿って(軸方向に沿って)下方に向けて光を出射するようになっている。
モジュールケース36は、光源基板35を下部に固定し相対的に上側に位置する放熱体としての放熱板(背板)である放熱部44と、レンズ37が保持され相対的に下側に位置する押さえ金具である例えば金属製のカバー部45とを備えている。
放熱部44は、例えば放熱性部材であるアルミニウムなどの金属により平板状に形成されており、LED41と熱的に接続されている。カバー部45は、例えば放熱性部材であるアルミニウムなどの金属により形成されている。そして、これら放熱部44とカバー部45とは、光源基板35を上下から覆って互いに一体的に固定され、ケース体33に対して下方から着脱可能となっている。
レンズ37は、LED41の配光を制御し角度を広くするもので、カバー部45に図示しないパッキンなどを介して保持され、LED41を覆って配置されている。このレンズ37は、例えばガラス、あるいは合成樹脂などにより形成されている。
基板部32は、板状に形成された基板本体47を備えており、この基板本体47に、光源モジュール31に動作用の電源を供給してLED41を点灯(非常点灯)させる点灯回路(非常点灯回路)48およびバッテリパック17を充電する充電回路49が形成されている。また、基板本体47には、スイッチ51、モニタランプ52(図2)、コネクタ部53、接続コネクタ54(図3)、および、図示しない電源接続コネクタなどが実装されている。
スイッチ51は、保守点検用の(一の)機能性部品であり、光源モジュール31の一側にてケース体33(ユニット部16)の下部に露出している。そして、スイッチ51は、外部操作によってLED41の状態、バッテリパック17の充電状態などを点検する図示しない点検回路を動作させる点検モードの始動用のものである。
各モニタランプ52は、保守点検用の(他の)機能性部品であり、光源モジュール31の一側にてケース体33(ユニット部16)の下部に露出してスイッチ51の側方に略直線状に並んでいる。そして、これらモニタランプ52は、スイッチ51の操作により点検回路が動作したときに、点検回路の動作またはこの点検回路による点検結果を表示(報知)するものである。すなわち、これらモニタランプ52は、点検中の報知、バッテリの点検結果の報知、または、光源モジュール31の点検結果の報知などを行う点検報知用の報知手段である。
コネクタ部53は、LED41(光源基板35)と点灯回路48とを電気的に接続するもので、基板部32の基板本体47の下端部寄りの位置に配置されており、図示しないリード線を介して、光源基板35のコネクタ42と電気的に接続されている。
接続コネクタ54は、点灯回路48とバッテリパック17とを電気的に接続するものである。
電源接続コネクタは、点灯回路48および充電回路49と外部電源とを電気的に接続するものである。この電源接続コネクタに一端側が接続された配線は、他端側が中継コネクタ57に接続され、この中継コネクタ57を介して、器具本体15(本体部23)の天面部27の挿通穴27a(図4(a))に挿通される配線と電気的に接続されている。
ケース体33は、例えば合成樹脂などにより形成されている。このケース体33の上部には、バッテリパック17が保持されている。また、このケース体33の下部には、光源モジュール31が着脱可能に取り付けられているとともに、中継コネクタ57を収容するコネクタ収容部59が凹設されている。なお、本実施形態では、このケース体33は、下部ケース69と、この下部ケース69の上部に一体的に係止される他のケースである上部ケース70とに分割されているが、3以上のケースに分割して構成してもよい。
バッテリパック17は、ユニット部16のケース体33に下端側が保持され、ユニット部16を器具本体15に取り付けた状態で光源モジュール31に対して上方の他側寄りに位置し、非使用時には外部電源から供給される電力によって充電されるとともに、非常時(少なくとも外部電源の電力供給停止時)または点検時には点灯用の電力を供給するものである。このバッテリパック17は、図示しない複数の充電可能なバッテリ本体が直列に接続されて構成されている。
図3に示すアダプタ18は、複数種類のユニット部16を選択的に器具本体15に取り付けられるようにするものである。このアダプタ18は、器具本体15(本体部23)の天面部27に固定される被固定部61と、この被固定部61から下方に突出して互いに離間する突出部62,62と、これら突出部62,62の下端部間に設けられユニット部16が固定される略平板状の固定部63とを備えている。この固定部63には、ユニット部16が挿入される開口63aが設けられており、この開口63aの縁部に対してユニット部16が下方からねじ止めなどにより固定されるようになっている。
一方、図1ないし図3に示す化粧枠19は、器具本体15の一端側である下端側の開口部21を覆って着脱されるもので、照明器具11の最下端に位置して照明器具11の外郭の一部を構成し、不燃性の材料によって各部が形成されている。より詳細には、この化粧枠19は、円環状に形成された板状のカバー体本体としての化粧枠本体65と、この化粧枠本体65の上方に位置する押さえ部66と、これら化粧枠本体65と押さえ部66との間に収容保持される平板状の透光性部材67とを備えている。そして、この化粧枠19は、ねじなどの取付部材68により器具本体15に対して着脱可能に取り付けられる。なお、この化粧枠19は、図示しない吊り紐などを用いて器具本体15に対して落下防止した状態で接続されることが好ましい。
化粧枠本体65は、光源モジュール31(LED41)からの光が下方へと出射する例えば円形状などの出射開口71を中央部に備える略円環状の枠本体部72と、この枠本体部72の出射開口71の周縁部から上方に立ち上げられて透光性部材67の周囲を囲む略円筒状の受け部材73とが例えばかしめなどにより一体形成されている。
出射開口71は、透光性部材67により覆われている。この出射開口71は、例えば光源モジュール31のレンズ37よりも大きい径寸法に形成されている。
枠本体部72および受け部材73は、例えば不燃性部材であるステンレスなどの金属により形成されている。枠本体部72は、外縁部の上端がパッキン24に対して下方から圧接されるようになっている。そして、この枠本体部72には、取付部材68が挿通される通孔75が出射開口71の周囲に設けられている。本実施形態では、この通孔75は固定金具29に対応して例えば3つ設定され、これら固定金具29に対して取付部材68がねじ止めできるようになっている。
押さえ部66は、透光性部材67を化粧枠本体65へと押さえつけることでこの透光性部材67と出射開口71との隙間を閉塞するものである。この押さえ部66は、光源モジュール31(ユニット部16)に下方から圧接される略円形状の天板部77と、この天板部77の外縁部から下方に向けて突出し化粧枠本体65に圧接される縦壁部78とを一体に備えている。
天板部77には、レンズ37が挿通される例えば略円形状の挿通開口部81が中央部に開口されているとともに、この挿通開口部81の近傍に、スイッチ51およびモニタランプ52が露出する露出開口部82,83がそれぞれ開口されている。
縦壁部78は、透光性部材67の外縁部を保持して出射開口71に対する透光性部材67の位置を固定するものである。この縦壁部78は、押さえ部66を化粧枠本体65に取り付けた状態で受け部材73の内縁に嵌合されるようになっている。
そして、透光性部材67は、本実施形態では例えばガラスなどの不燃性部材により円形平板状に形成されている。この透光性部材67は、レンズ37とともに、LED41からの光の配光を制御するものであり、本実施形態では、レンズ37により配光制御された光(レンズ37を通過した光)をさらに配光制御するものである。すなわち、これら透光性部材67とレンズ37とにより、LED41から出射した光が所定の規格により規定された配光特性となるように拡散されている。また、この透光性部材67は、化粧枠19を器具本体15に取り付けた状態でLED41からの光の出射方向である鉛直角0°方向(鉛直上下方向)に対して交差(直交)する方向、すなわち器具本体15の軸直方向に沿って配置され、レンズ37の下端部と近接対向している。さらに、この透光性部材67は、本実施形態では、中央部に例えば円形状の透過領域67aが設定され、この透過領域67aの周囲を囲んでこの透過領域67aの外方に円環状の拡散領域67bが設定されている(図1および図2)。
透過領域67aは、LED41から出射されレンズ37を通過した光が直接(殆ど拡散されることなく)透過する部分である。この透過領域67aは、LED41から出射されてレンズ37により広げられた範囲よりも狭い範囲に設定されている。本実施形態において、この透過領域67aは、例えば直径40mmの円形状に形成されている。
拡散領域67bは、LED41から出射されレンズ37を通過した光が拡散されながら透過する部分である。すなわち、この拡散領域67bは、透過領域67aよりも透過率が低く設定されている。この拡散領域67bは、少なくとも透過領域67aの外縁部から出射開口71の内縁部に亘る領域に設定されている。すなわち、本実施形態では、出射開口71において、この拡散領域67bが透過領域67aの外側全体を囲んで位置している。換言すれば、本実施形態では、出射開口71において、この拡散領域67bの外方には透過領域67aが位置しないように設定されている。この拡散領域67bは、例えば透光性部材67を構成するガラスに対してフロスト処理を施したり、所定形状の拡散シートを貼り付けたりすることで容易に構成できる。
そして、照明器具11の組み立てを説明する。まず、器具本体15の挿通穴27aに配線を挿通し、この配線の一端側を埋込孔の内部で外部電源と接続された配線と電気的に接続する。器具本体15の内部には、光源モジュール31および基板部32をケース体33に収容したユニット部16に対して、バッテリパック17を接続コネクタ54にて基板部32(点灯回路48および充電回路49など)と電気的に接続し、このバッテリパック17を保持したユニット部16を、器具本体15に予め固定したアダプタ18の開口63aに挿入してアダプタ18(固定部63)に固定する。また、挿通穴27aに挿通した配線の他端側を中継コネクタ57と接続し、この中継コネクタ57と電源接続コネクタとを配線により接続することで外部電源を基板部32(点灯回路48および充電回路49など)と電気的に接続し、中継コネクタ57をコネクタ収容部59に収容する。
そして、化粧枠19を器具本体15に対して下方から取り付け、取付部材68により固定金具29に固定する。この状態で、レンズ37が挿通開口部81に挿通されて透光性部材67に対向する。また、器具本体15の内部において、器具本体15の中心軸に対して光源モジュール31の中央部(LED41の光軸)が一致する。
外部電源が供給された照明器具11は、基板部32の点灯回路48が常時点灯回路を有している場合には、常時点灯回路から定電流をLED41に供給し、LED41を常時点灯させるとともに、充電回路49がバッテリパック17を必要に応じて充電する。また、停電などの非常時には、バッテリパック17から電力が供給された点灯回路48の非常時点灯回路がLED41を非常時点灯させる。すなわち、点灯回路48が常時点灯回路を有している場合には、点灯回路48の常時点灯回路が非常時点灯回路に切り換わる。
LED41から出射した光は、レンズ37により配光制御されるとともに、このレンズ37を通過した後、透光性部材67を通過することで配光制御される。すなわち、このレンズ37により配光角が広げられた光のうち、透光性部材67の透過領域67aに入射した光は、基本的にそのまま出射され、この透過領域67aの外方に位置する拡散領域67bに入射した光は、この拡散領域67bにより異なる鉛直角方向に拡散されることで、この鉛直角方向よりも鉛直角が小さい側の光度が相対的に大きくなり、大きい側の光度が相対的に小さくなって光が出射される。具体的に、本実施形態では、図5のグラフの実施例に示すように、全体を透過領域とした比較例と比較して、鉛直角0°から所定の鉛直角、例えば38°の方向の光度が相対的に大きく、この38°より鉛直角が大きい方向の光度が相対的に小さい状態で出射される。
このように、上記第1の実施形態によれば、レンズ37と平板状の透光性部材67とによりLED41からの光の配光を制御することで、所望の光学特性を容易に得ることができる。
透光性部材67には、拡散領域67bを一部に設けることで、この拡散領域67bによって光を拡散して振り分け、必要な鉛直角上での光度を確保し、それ以外の鉛直角上での光度を低下させて、必要な光学特性を得ることができる。
具体的に、本実施形態では、透光性部材67の中央部の円形状の透過領域67aの周囲を囲んでドーナツ状に拡散領域67bを形成することで、0°から所定の鉛直角までの光度を大きく、所定の鉛直角より大きい範囲の光度を小さくすることができる。
特に、法令などにより定められた外郭不燃性能を満たすために発光部分の前面に不燃性材料であるガラス製の透光性部材67を備える防水埋込形の照明器具11の器具構成においては、透光性部材67での光度のロスにより光学特性を満たすことができないことがある。そこで、本実施形態では、ユニット部16のレンズ37のみでの配光制御ではなく、レンズ37と平板状の透光性部材67とのそれぞれの配光制御を組み合わせることで、外郭不燃性能を確保しつつ所望の光学特性を得ることができ、照明器具11の配置間隔を広げることができる。
また、レンズ37を用いて配光制御をすることで、より確実で高精度の配光制御が可能になる。
次に、第2の実施形態を図6ないし図8を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態の透光性部材67の拡散領域67bが、透光性部材67の中央部に配置され、透光領域67aが拡散領域67bを囲んでこの拡散領域67bの外方に配置されるものである。
すなわち、本実施形態では、拡散領域67bが、LED41から出射されてレンズ37により広げられた範囲よりも狭い範囲に設定されており、本実施形態では、例えば直径40mmの円形状に形成されている。
また、透過領域67aは、少なくとも透過領域67aの外縁部から出射開口71の内縁部に亘る領域に設定されている。すなわち、本実施形態では、出射開口71において、この透過領域67aが拡散領域67bの外側全体を囲んで位置している。換言すれば、本実施形態では、出射開口71において、この透過領域67aの外方には拡散領域67bが位置しないように設定されている。
そして、LED41から出射した光は、レンズ37により配光制御されるとともに、このレンズ37を通過した後、透光性部材67を通過することで配光制御される。すなわち、このレンズ37により配光角が広げられた光のうち、透光性部材67の透過領域67aに入射した光は、基本的にそのまま出射され、拡散領域67bに入射した光は、この拡散領域67bにより異なる鉛直角方向に拡散されることで、この鉛直角方向よりも鉛直角が小さい側の光度が相対的に小さくなり、大きい側の光度が相対的に大きくなって光が出射される。具体的に、本実施形態では、図8のグラフの実施例に示すように、全体を透過領域とした比較例と比較して、鉛直角0°から所定の鉛直角、例えば38°の方向の光度が相対的に小さく、この38°より鉛直角が大きい方向の光度が相対的に大きい状態で出射される。
このように、上記第2の実施形態によれば、レンズ37と平板状の透光性部材67とによりLED41からの光の配光を制御する、あるいは、透光性部材67に、拡散領域67bを一部に設けるなど、上記第1の実施形態と同様の構成を有することで、同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、透光性部材67の中央部に円形状の拡散領域67bを形成することで、0°から所定の鉛直角までの光度を小さく、所定の鉛直角より大きい範囲の光度を大きくすることができる。
次に、第3の実施形態を図9および図10を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施形態は、上記第1の実施形態のレンズ37に代えて、配光制御部材としての反射板である反射鏡85を用いるものである。
この反射鏡85は、例えば合成樹脂などにより形成された本体の反射面85aにめっきなどを施して形成されている。反射面85aは、下方に向けて徐々に拡開しLED41の位置を焦点とする放物面状に形成されており、LED41からの光を反射させて配光制御している。
そして、LED41から出射した光は、反射鏡85の反射面85aにより反射されて配光制御された後、透光性部材67を通過することでさらに配光制御される。すなわち、この反射鏡85により配光角が広げられた光のうち、透光性部材67の透過領域67aに入射した光は、基本的にそのまま出射され、この透過領域67aの外方に位置する拡散領域67bに入射した光は、この拡散領域67bにより異なる鉛直角方向に拡散されることで、この鉛直角方向よりも鉛直角が小さい側の光度が相対的に大きくなり、大きい側の光度が相対的に小さくなって光が出射される。
このように、本実施形態によれば、合成樹脂により形成した反射鏡85を用いることで、ガラス製のレンズなどを用いる場合と比較してコストを抑制することができるとともに、外殻の一部をなす発光部分の前面はガラスなどの不燃性材料により形成した透光性部材67により覆うことで、法令などに定められた外郭不燃性能を満たすことができる。
また、反射鏡85は、レンズと比較して配光制御の性能が低いものの、この反射鏡85と平板状の透光性部材67とによりLED41からの光の配光を制御することで、所望の光学特性を容易に得ることができるなど、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記第3の実施形態の反射鏡85を、図11および図12に示す第4の実施形態のように、上記第2の実施形態のレンズ37に代えて用いることもできる。この場合でも、反射鏡85と平板状の透光性部材67とによりLED41からの光の配光を制御する、あるいは、透光性部材67に、拡散領域67bを一部に設けるなど、上記第2の実施形態と同様の構成を有することで、同様の作用効果を奏することができる。
また、上記第3及び第4の実施形態において、反射鏡85と透光性部材67との配置を反対とすることもできる。すなわち、LED41からの光を、透光性部材67を透過させることで配光を制御するとともに、反射鏡85によってこの透光性部材67を透過した光を反射させるようにすることもできる。この場合にも、上記第3および第4の実施形態と同様の作用効果をそれぞれ奏することができる。この構成の場合には、透光性部材67も例えば合成樹脂などの、不燃性材料でない材料によって設けることができる。このように透光性部材67を合成樹脂により形成する場合には、例えばシボを施すことで拡散領域67bを形成することもできる。また、透光性部材67に拡散領域67bを設けなくてもよい。
さらに、上記各実施形態において、透過領域67aおよび拡散領域67bは、それぞれ照明器具11に要求される光学特性に応じて任意の形状や大きさに設定することができる。
そして、照明器具11としては、埋込孔に埋め込まれる埋込形以外でも、例えば設置面に直接取り付ける、いわゆる直付形にも適用できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。