[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1および図2は、照明装置の一例である一般電球形のLEDランプ1を示している。本実施形態のLEDランプ1は、例えば屋内の天井に設けられたソケットに装着して使用する場合を想定している。LEDランプ1は、重力方向に延びる真っ直ぐな中心軸線O1を中心とする対称な形状を有している。
図1および図2に示すように、LEDランプ1は、本体2、E形の口金3、COB(Chip On Board)型の発光モジュール4、電源回路5およびグローブ6を主要な要素として備えている。
本体2は、中空円筒状の外郭部8および光源支持部9を含んでいる。外郭部8は、LEDランプ1の中心軸線O1に対し同軸状に設けられているとともに、軸方向に沿う一端から他端に向けて次第に拡開された形状を有している。外郭部8は、例えばアルミニウム、銅、鉄のような金属材料、あるいは熱伝導性に優れたセラミックスで形成され、放熱部としての機能を兼ね備えている。
光源支持部9は、外郭部8の他端側の開口を塞いでいる。光源支持部9としては、例えばアルミニウム、銅、鉄のような金属材料、熱伝導性に優れたセラミックスあるいは耐熱性に優れた樹脂材料を用いることができる。光源支持部9は、外郭部8の反対側に位置された支持面9aを有している。支持面9aは、例えば白色の光反射面とすることが望ましい。
口金3は、商用交流電源に接続されたソケットに取り外し可能にねじ込まれる要素であって、電源接続部と言い換えることができる。口金3は、外郭部8の一端に固定されている。
発光モジュール4は、LEDランプ1の光源となる要素であって、支持面9aの中央部に配置されている。図3に示すように、発光モジュール4は、基板10、複数のLED11、フレーム12および封止材13を主要な要素として備えている。
基板10は、光源支持部9の支持面9aの上に図示しない螺子あるいはコネクタにより固定されている。さらに、基板10は、例えば熱伝導シート、熱伝導性グリスあるいは熱伝導性接着剤を介して本体2に熱的に接続されている。
LED11は、半導体発光素子の一例であって、例えば基板10の上にマトリクス状に配列されている。フレーム12は、LED11を取り囲むように基板10に接着されている。封止材13は、蛍光体粒子を含む透明又は半透明な樹脂材料で構成されている。封止材13は、LED11を覆うようにフレーム12で囲まれた領域に充填されている。
発光モジュール4は、例えば白色光のような可視光を発する。一例として、波長450nmの青紫色光を発するLED11を採用した場合、青紫色光を吸収して波長560nm近傍の黄色光を発する蛍光体粒子を含む封止材13でLED11を覆うことにより、白色光が封止材13の表面から射出される。
そのため、封止材13の表面は、面状に発光する円形の発光面14を構成している。LEDランプ1の中心軸線O1は、発光面14の中心又は中心の近傍を通って発光面14と直交する方向に延びている。
発光面14の形状は円形に限らず、例えば四角形のような任意な形状とすることができ、発光面14の形状に特に制約はない。さらに、発光面14が中心に非発光部を有する円環形である場合、中心軸線O1が位置する発光面14の中心は、発光面14の形状を規定する外円又は内円の中心であって、発光面14の上には存在しない。
電源回路5は、LEDランプ1に内蔵された付加部品の一例であって、天井のソケットから印加される商用交流電圧を直流電圧に変換して発光モジュール4に供給する。電源回路5は、動作中に発熱を伴う。電源回路5を構成する各種の回路要素の中には、その耐熱温度がLED11の耐熱温度よりも低い回路素子が含まれている。回路素子の耐熱温度とは、回路素子の耐熱性ばかりでなく、回路素子の寿命、効率等を考慮した所望の温度のことを指している。
本実施形態では、電源回路5は、外郭部8の一端部の内側に収容されて、口金3で取り囲まれている。さらに、電源回路5は、図示しないシリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材を介して口金3および外郭部8に熱的に接続されている。
グローブ6は、例えば光透過性を有する樹脂材料あるいはガラスで形成されている。グローブ6は、球状の頭部16aと、頭部16aと向かい合う開口部16bと、を含んでいる。グローブ6の開口部16bは、本体2の外郭部8の他端に同軸状に連結されて、光源支持部9の支持面9aおよび発光モジュール4を覆っている。本実施形態によると、口金3を有する本体2およびグローブ6は、互いに協働して一般電球に類似した外形状を形作っている。
図1および図2に示すように、本体2の外郭部8は、断熱部材18によって第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとに区画されている。第1の外郭要素19aおよび第2の外郭要素19bは、外郭部8の軸方向に並んでいる。
第1の外郭要素19aは、第1の領域の一例であって、光源支持部9に連続する円筒状の形状を有するとともに、光源支持部9に熱的に接続されている。第2の外郭要素19bは、第2の領域の一例であって、口金3に連続する円筒状の形状を有している。第2の外郭要素19bは、口金3と協働して電源回路5を包囲している。
断熱部材18は、例えば発光モジュール4よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも、熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。断熱部材18の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、断熱部材18をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、当該断熱部材18に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、断熱部材18の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、断熱部材18の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、断熱部材18がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、断熱部材18とその他の部材との間に隙間を設けてもよい。このようにすれば、断熱部材18に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材18がその他の部材と対向する場合は、断熱部材18とその他の部材との間の間隔を維持するため、断熱部材18とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、断熱部材18およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材18の表面や内面、および断熱部材18と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、断熱部材18およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、断熱部材18の熱抵抗が増加する。
断熱部材18とその他の部材との間に規定される空間、および断熱部材18の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により断熱部材18を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて断熱部材18を形成してもよく、断熱部材18の材質に特に制約はない。
図2に示すように、断熱部材18は、第1の外郭要素19aの内周面を覆う円筒状の周壁部21と、光源支持部9の内面を覆う円盤状の端壁部22と、を備えている。端壁部22は、外郭部8の内側で発光モジュール4と電源回路5との間に介在されて、発光モジュール4と電源回路5との間を熱的に遮断している。
さらに、周壁部21は、端壁部22とは反対側の縁部にフランジ部23を有している。フランジ部23は、外郭部8の周方向に連続するとともに、第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間に介在されている。
このため、第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間は、断熱部材18のフランジ部23によって熱的に切り離されており、第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間での熱の授受が抑制されている。
本実施形態では、断熱部材18を一体構造物としたが、周壁部21、端壁部22およびフランジ部23を互いに別な要素としてもよい。この場合には、各要素をねじ等の接合機構、接着剤あるいはテープ等を用いて本体2に固定したり、要素同士を一体的に接合するとよい。
さらに、図2では、周壁部21を外郭部8の形状に沿わせるとともに、端壁部22を光源支持部9の形状に沿わせているが、周壁部21および端壁部22の形状に特に制約はない。すなわち、周壁部21および端壁部22は、例えば本体2に内包する部品の形状に応じて自由な形状とすることができる。
加えて、周壁部21をLEDランプ1の中心軸線O1と同軸のストレートな円筒状に形成するとともに、端壁部22を光源支持部9から離してもよい。この構成によれば、断熱部材18を本体2に容易に組み込むことができる。それとともに、断熱部材18の加工精度を下げることができ、断熱部材18の製造コストを低く抑えることができる。
しかも、断熱部材18と本体2との間に空隙が生じるので、断熱性能がさらに向上する。空隙を規定する断熱部材18の面および本体2の面を例えば研磨、塗装、金属蒸着等により光沢面とすれば、面からの輻射が抑制され、断熱性能がより一層向上する。
前記空隙の内部を減圧したり、あるいは空隙にアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、空隙の熱抵抗が増加し、断熱性能がより向上する。
さらに、断熱部材18で囲まれた領域に収容された部品が電源あるいは液体等の供給を必要とする場合は、断熱部材18の一部に配線又は配管を通すための孔を開ける。配線・配管と孔との間に隙間が生じた時は、当該隙間を接着剤等で埋めるとよい。これにより、断熱部材18に孔を開けたことによる断熱性能の低下を抑制することができる。
発光モジュール4に電源回路5から直流電圧が印加されると、複数のLED11が一斉に発光し、発光面14が面状に発光する。発光面14から放射された光は、グローブ6の内面に入射する。グローブ6に入射された光は、グローブ6に含まれる拡散材により散乱されるとともに、当該グローブ6を透過してLEDランプ1の周囲に放射される。この結果、グローブ6の表面から広範囲に亘って光が放射され、LEDランプ1は広配光な照明装置として機能する。
LEDランプ1を点灯させると、発光モジュール4のLED11、蛍光体粒子および電源回路5が発熱する。発光モジュール4が発した熱は、基板10から光源支持部9に一様に伝わる。光源支持部9に伝わった熱は、光源支持部9から外郭部8の第1の外郭要素19aに一様に伝わるとともに、第1の外郭要素19aの表面から周囲環境に放出される。
一方、電源回路5が発した熱は、充填剤を介して主に外郭部8の第2の外郭要素19bに一様に伝わるとともに、第2の外郭要素19bの表面から周囲環境に放出される。さらに、電源回路5が発した熱の一部は、口金3にも伝わり、当該口金3からソケットを通じてLEDランプ1の外に放出される。
本実施形態のLEDランプ1によると、発光モジュール4の熱が伝わる第1の外郭要素19aと、電源回路5の熱が伝わる第2の外郭要素19bとの間が断熱部材18によって熱的に切り離され、第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間での熱の授受が抑制されている。
この結果、発光モジュール4の熱は、主に第1の外郭要素19aの表面から周囲環境に放出される。同様に、電源回路5の熱は、主に第2の外郭要素19bの表面から周囲環境に放出されるとともに、口金3からソケットを通じてLEDランプ1の外に放出される。
このことから、LED11よりも耐熱温度が低い電源回路5が発光モジュール4の熱影響を受けるのを回避することができる。よって、電源回路5の熱および発光モジュール4の熱を外郭部8の表面から周囲環境に適切に放出しつつ、電源回路5および発光モジュール4の温度を夫々の耐熱温度の範囲内に止めることが可能となる。
したがって、発光モジュール4の熱を積極的に第1の外郭要素19aに伝えることができ、その分、より高出力のLED11を用いてLEDランプ1の全光束を増加させることができる。
次に、断熱部材18により外郭部8の第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間が完全に断熱されている場合において、第1の外郭要素19aおよび第2の外郭要素19bの好ましい放熱面積について説明する。
本体2の外郭部8の全体の表面積をA
all、
発光モジュール4に熱的に接続された第1の外郭要素19aの表面積をA
1、
電源回路5に熱的に接続された第2の外郭要素19bの表面積をA
2とすると、
表面積A
all、表面積A
1および表面積A
2は、次の式(1)を満たす。
発光モジュール4が耐熱温度上昇ΔT
1maxとなる第1の外郭要素19aの表面積をA
1min、
電源回路5が耐熱温度上昇ΔT
2maxとなる第2の外郭要素19bの表面積をA
2minとすると、第1の外郭要素19aの表面積A
1は下記の式(2)を満たし、第2の外郭要素19bの表面積A
2は下記の式(3)を満たす。
式(1)に式(2)を適用すると、下記の式(5)が成立する。
式(1)に式(3)を適用すると、下記の式(6)が成立する。
式(2)と式(5)を纏めると、下記の式(7)が成立する。
式(3)と式(6)を纏めると、下記の式(8)が成立する。
例えば、LEDランプ1の発光効率などの短期性能、又は寿命などの長期性能の向上に、発光モジュール4の温度低下のみが寄与する場合には、第1の外郭要素19aの表面積A
1は、下記の式(9)のように規定するのが最適である。
同様に、第2の外郭要素19bの表面積A
2は、下記の式(10)のように規定するのが最適である。
ここで、発光モジュール4から周囲環境への熱抵抗をR
1(A
1)、発光モジュール4の発熱量をQ
1、ジャンクションの耐熱温度上昇をΔT
1max、電源回路5から周囲環境への熱抵抗をR
2(A
2)、電源回路5の発熱量をQ
2、耐熱温度上昇をΔT
2maxとすると、前記A
1minおよび前記A
2minは、夫々次の式(11)、式(12)を満たす。
ここで、図4は、LEDランプ1の放熱経路を概略的に示している。図4に示すように、発光モジュール4のジャンクションから外郭部8の第1の外郭要素19aまでの熱抵抗をR
1ci、第1の外郭要素19aから周囲環境までの熱抵抗をR
1co、電源回路5から外郭部8の第2の外郭要素19bまでの熱抵抗をR
2ci、第2の外郭要素19bから周囲環境までの熱抵抗をR
2co、電源回路5から口金3までの熱抵抗をR
2si、口金3から周囲環境までの熱抵抗をR
2soとすると、A
1を含むR
1(A
1)、およびA2を含むR
2(A
2)は、夫々次の式(13)、式(14)を満たす。
ここで、外郭部8の第1の外郭要素19aから周囲環境までの熱抵抗をR
1coについて考える。A
1を含む熱抵抗R
1co(A
1)は、対流による熱抵抗をR
1coc(A
1)、輻射による熱抵抗をR
1cor(A
1)とすると、次の式(15)を満たす。
外郭部8の第2の外郭要素19bから周囲環境までの熱抵抗をR2coについても、対流による熱抵抗R2coc(A2)と、輻射による熱抵抗R2cor(A2)により、式(15)と同様の式で表すことができる。
まず、対流による熱抵抗R
1coc(A
1)について考える。外郭部8の第1の外郭要素19aから周囲環境への熱伝達率をh
1とすると、対流による熱抵抗R
1coc(A
1)は、次の式(16)を満たす。
さらに、熱伝達率h
1が垂直等温平板に沿った自然対流と同等であるとすれば、熱伝達率h
1は、外郭部8の第1の外郭要素19aの重力方向の長さをd
1、周囲環境の気体の熱伝導率をk
1、ヌッセルト数をNu
1とすると、次の式(17)から求めることができる。
前記ヌッセルト数Nu
1は、レイリー数をRa
1とすれば、次の式(18)の関係が知られている。
気体のレイリー数Ra
1は、外郭部8の平均温度をT
1c、周囲環境の温度をT
a、重力加速度をg、気体の体積弾性率をβ
1、気体の動粘性係数をν
1、気体の温度伝導率をα
1とすると、次の式(19)から求めることができる。
対流による熱抵抗R2coc(A2)についても、同様の式で求めることができる。対流に関する式(17)〜(19)は、垂直等温平板に沿った自然対流以外にも、対流に関する任意のモデルを用いることができる。
次に、前記輻射による熱抵抗R1cor(ri)を考える。
凸面とこれを囲む面との間の輻射に関して、凸面に対して囲む面の面積が十分に大きい場合、外郭部8の第1の外郭要素19aの面積をA
1、温度をT
1c、輻射率をε
1、周囲環境の温度をT
a、シュテファン=ボルツマン定数をσとすると、次の式(20)の関係が知られている。
輻射による熱抵抗R2cor(A2)についても、同様の式で求めることができる。輻射に関する式(20)については、凸面とこれを囲む面との間の輻射以外にも、輻射に関する任意のモデルを用いることができる。
次に、LEDランプの各部の好ましい放熱面積について、部品点数を一般化した場合について説明する。
LEDランプの本体の外郭部の全体の表面積をA
all、
第i番目の発熱体に接続された第iの外郭要素の表面積をA
i、発熱体の総数をnとすると、表面積A
allは次の式を満たす。
第i番目の前記発熱体が耐熱温度上昇ΔT
imaxとなる前記第iの外郭要素の表面積をA
iminとすると、A
iは次の式を満たす。
式(21)に式(22)を適用すると、下記の式(24)が成立する。
式(22)と式(24)を纏めると、下記の式(25)が成立する。
LEDランプの発光効率などの短期性能、又は寿命などの長期性能の向上に、第i番目の前記発熱体の温度低下のみが寄与する場合には、第i番目の前記発熱体に接続された第iの外郭要素の表面積A
iは、下記の式(26)のように規定するのが最適である。
ここで、第i番目の前記発熱体から周囲環境への熱抵抗をR
i(A
i)、第i番目の前記発熱体の発熱量をQ
i、ジャンクションの耐熱温度上昇をΔT
imaxとすると、A
iminは次の式(27)を満たす。
第i番目の前記発熱体から前記第iの外郭要素までの熱抵抗をR
ici、前記第iの外郭要素から周囲環境までの熱抵抗をR
icoとすると、A
iを含むR
i(A
i)は次の式(28)を満たす。
一方、第i番目の前記発熱体の放熱経路に口金が含まれる場合には、第i番目の前記発熱体から前記口金までの熱抵抗をR
isi、前記口金から周囲環境までの熱抵抗をR
isoとすると、A
iを含むR
i(A
i)は次の式(29)を満たす。
ここで、前記外郭部の前記第iの外郭要素から周囲環境までの熱抵抗をR
icoについて考える。A
iを含む熱抵抗R
ico(A
i)は、対流による熱抵抗をR
icoc(A
i)、輻射による熱抵抗をR
icor(A
i)とすると、次の式(30)を満たす。
例えば、発光モジュールが複数のLEDで構成される場合、回路基板が複数の素子で構成される場合、あるいは蓄電池モジュールが複数の蓄電池で構成される場合などのように、第i番目の前記発熱体がm個の複数の小発熱体Q
jで構成される場合には、発熱量Q
iは、次の式(31)を満たす。
なお、断熱部材によって囲まれる複数の小発熱体Qjは、同一の耐熱温度を有していることが望ましい。
以上のことから、発光モジュール4に熱的に接続された第1の外郭要素19aの表面積および電源回路5に熱的に接続された第2の外郭要素19bの表面積を、夫々発光モジュール4および電源回路5の発熱量・耐熱温度に見合った適切な放熱面積に割り振ることができる。したがって、より高出力のLED11を用いてLEDランプ1の全光束を向上させることができる。
第1の実施形態においては、断熱部材18のフランジ部23の周面が第1の外郭要素19aと第2の外郭要素19bとの間から外郭部8の外に露出されている。そのため、例えばフランジ部23の周面および外郭部8の表面に塗装を施したり、装飾シートを貼り付けるようにしてもよい。これにより、LEDランプ1の外観を向上させて商品価値を高めることができる。
第1の実施形態では、光源としてCOB型の発光モジュールを採用したが、SMD(Surface Mount Device)型の発光モジュールあるいは砲弾型の発光モジュール等を用いてもよい。
加えて、発光モジュールの数は一つに限らず、複数の発光モジュールを用いることができる。それとともに、LEDの配列および個数にしても第1の実施形態に特定されず、例えば一つのLEDをLEDランプの中心軸線上に配置してもよい。
LEDランプは、一般電球形に限らず、例えばミニクリプトン電球形、T形、ボール電球形、ハロゲン電球形、ミゼットレフ形、ビームランプ形、チョークレス水銀ランプ形、HID形、ユニットフラット形、ダウンライト形、常夜灯形、直管形、シーリング形、シャンデリア球形、スポットライト形に類似した形状としてもよい。
[第2の実施形態]
図5ないし図7は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態に係るLEDランプ1は、本体2の外郭部8が熱的に三つの要素に分割された点が第1の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5および図6に示すように、本体2の外郭部8は、断熱部材31によって第1の外郭要素32aないし第3の外郭要素32cに三分割されている。第1の外郭要素32aないし第3の外郭要素32cは、外郭部8の軸方向に並んでいる。
第1の外郭要素32aは、第1の領域の一例であって、光源支持部9に連続する円筒状の形状を有するとともに、光源支持部9に熱的に接続されている。第2の外郭要素32bは、第2の領域の一例であって、口金3に連続する円筒状の形状を有している。第2の外郭要素32bは、口金3と協働して電源回路5を包囲している。第3の外郭要素32cは、第3の領域の一例であって、第1の外郭要素32aと第2の外郭要素32bとの間に同軸状に介在されている。
断熱部材31は、第1の実施形態と同様の材料で形成されている。図6に示すように、断熱部材31は、第1の断熱要素33および第2の断熱要素34を備えている。第1の断熱要素33は、第1の外郭要素32aの内周面を覆う円筒状の周壁部35と、光源支持部9の内面を覆う円盤状の端壁部36と、を備えている。
さらに、周壁部35は、端壁部36とは反対側の縁部にフランジ部37を有している。フランジ部37は、外郭部8の周方向に連続するとともに、第1の外郭要素32aと第3の外郭要素32cとの間に介在されている。
このため、第1の外郭要素32aと第3の外郭要素32cとの間は、断熱部材31のフランジ部37によって熱的に切り離されており、第1の外郭要素32aと第3の外郭要素32cとの間での熱の授受が抑制されている。
第2の断熱要素34は、第1の区画壁部38および第2の区画壁部39を含んでいる。第1の区画壁部38は、円盤状であるとともに、その外周縁部が第2の外郭要素32bと第3の外郭要素32cとの間に介在されている。これにより、第2の外郭要素32bと第3の外郭要素32cとの間は、第1の区画壁部38の外周縁部によって熱的に切り離されており、第2の外郭要素32bと第3の外郭要素32cとの間での熱の授受が抑制されている。さらに、第1の区画壁部38は、外郭部8の内側で第1の断熱要素33の端壁部36と向かい合っている。
第2の区画壁部39は、第1の区画壁部38の中央部から第1の断熱要素33の端壁部36に向けて一体的に突出されている。図6および図7に示すように、第2の区画壁部39の突出端は、第1の断熱要素33の端壁部36の内面に突き当てられている。それとともに、第2の区画壁部39の側縁部は、第1の断熱要素33の周壁部35、第1の外郭要素32aおよび第3の外郭要素32cを貫通して外郭部8の外に露出されている。
このため、第2の区画壁部39は、外郭部8の第1の外郭要素32aおよび第3の外郭要素32cによって囲まれた領域を第1の収容室41aと第2の収容室41bとの二室に熱的に仕切っている。第1の収容室41aおよび第2の収容室41bは、個々に第1の断熱要素33および第2の断熱要素34で囲まれているとともに、外郭部8の第3の外郭要素32cの内面が第1の収容室41aおよび第2の収容室41bに露出されている。
本実施形態によると、第2の区画壁部39の側縁部は、第3の外郭要素32cを貫通することで、第3の外郭要素32cを第1の周壁部32dと第2の周壁部32eとに熱的に区画している。第1の周壁部32dは、第1の収容室41aに臨むとともに、第2の周壁部32eは、第2の収容室41bに臨んでいる。
言い換えると、第1の収容室41aに面した第1の周壁部32dと、第2の収容室41bに面した第2の周壁部32eとは、互いに熱的に切り離された状態に保たれている。
蓄電池42が第1の収容室41aに収容されている。蓄電池42は、付加部品の一例であって、電源回路5および発光モジュール4に電気的に接続されている。蓄電池42は、充電時および放電時に発熱を伴う。蓄電池42は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって第3の外郭要素32cの第1の周壁部32dに熱的に接続されている。
充電・放電回路43が第2の収容室41bに収容されている。充電・放電回路43は、付加機能を有する部品の一例であって、蓄電池42に電気的に接続されている。充電・放電回路43は、プリント配線板に実装された複数の回路要素を備えている。回路要素のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。充電・放電回路43は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって第3の外郭要素32cの第2の周壁部32eに熱的に接続されている。
本実施形態によると、蓄電池42および充電・放電回路43は、耐熱温度が互いに相違している。さらに、蓄電池42および充電・放電回路43の耐熱温度とLED11の耐熱温度とは、互いに相違している。具体的には、蓄電池42および充電・放電回路43の耐熱温度は、LED11の耐熱温度よりも低い。
第2の実施形態のLEDランプ1によると、発光モジュール4が発した熱は、光源支持部9から外郭部8の第1の外郭要素32aに一様に伝わるとともに、第1の外郭要素32aの表面から周囲環境に放出される。
電源回路5が発した熱は、充填剤を介して主に外郭部8の第2の外郭要素32bに一様に伝わるとともに、第2の外郭要素32bの表面から周囲環境に放出される。さらに、電源回路5が発した熱の一部は、口金3にも伝わり、当該口金3からソケットを通じてLEDランプ1の外に放出される。
発光モジュール4の熱が伝わる第1の外郭要素32aと、電源回路5の熱が伝わる第2の外郭要素32bとの間は断熱部材31によって熱的に切り離され、第1の外郭要素32aと第2の外郭要素32bとの間での熱の授受が抑制されている。この結果、発光モジュール4の熱は、主に第1の外郭要素32aの表面から周囲環境に放出される。さらに、電源回路5の熱は、主に第2の外郭要素32bの表面から周囲環境に放出されるとともに、口金3からソケットを通じてLEDランプ1の外に放出される。
このため、前記第1の実施形態と同様に、発光モジュール4と耐熱温度が異なる電源回路5が発光モジュール4の熱影響を受けるのを回避することができる。よって、電源回路5の熱および発光モジュール4の熱を外郭部8の表面から周囲環境に適切に放出しつつ、電源回路5および発光モジュール4の温度を夫々の耐熱温度の範囲内に止めることができる。
加えて、蓄電池42が収容された第1の収容室41aは、第1の断熱要素33の端壁部36により発光モジュール4から熱的に切り離され、第2の断熱要素34の第1の区画壁部38を介して電源回路5から熱的に切り離されている。
同様に、充電・放電回路43が収容された第2の収容室41bは、第1の断熱要素33の端壁部36により発光モジュール4から熱的に切り離され、第2の断熱要素34の第1の区画壁部38を介して電源回路5から熱的に切り離されている。
さらに、蓄電池42を収容した第1の収容室41aと、充電・放電回路43を収容した第2の収容室41bとの間は、第2の断熱要素34の第2の区画壁部39により熱的に切り離されている。加えて、第1の収容室41aに面した第2の外郭要素32cの第1の周壁部32dと、第2の収容室41bに面した第2の外郭要素32cの第2の周壁部32eとは、第2の区画壁部39により熱的に切り離されている。
このため、蓄電池42の熱が第2の外郭要素32cを通じて充電・放電回路43が収容された第2の収容室41bに回り込むのを防止できる。同様に、充電・放電回路43の熱が第2の外郭要素32cを通じて蓄電池42が収容された第2の収容室41aに回り込むのを防止できる。
この結果、蓄電池42が発する熱は、主に第3の外郭要素32cの第1の周壁部32dの表面から周囲環境に放出される。それとともに、充電・放電回路43が発する熱は、主に第3の外郭要素32cの第2の周壁部32eの表面から周囲環境に放出される。したがって、第1の収容室41aを蓄電池42の耐熱温度に即した温度環境に維持できるとともに、第2の収容室41bにしても充電・放電回路43の耐熱温度に即した温度環境に維持することができる。
第2の実施形態では、断熱部材31の第1の断熱要素33を一体構造物としたが、例えば周壁部35、端壁部36およびフランジ部37を互いに別な要素で構成してもよい。この場合には、各要素をねじ等の接合機構、接着剤あるいはテープを用いて一体的に組み立てるようにしてもよい。
同様に、断熱部材31の第2の断熱要素34にしても、第1の区画壁部38と第2の区画壁部39とを互いに別な要素で構成し、これら各要素を一体的に組み立てるようにしてもよい。
さらに、第2の実施形態では、本体2の内側に電源回路と共に蓄電池42および充電・放電回路43を収容したが、これ以外にも付加機能を有する任意のデバイスを任意の組み合わせで本体2の内側に収容してもよい。
付加機能を有するデバイスとしては、例えば調色回路、調光回路、無線回路、一次電池、ペルチェ素子、マイク、スピーカー、ラジオ、アンテナ、時計、超音波発生装置、カメラ、プロジェクター、液晶ディスプレイ、インターホン、火災報知機、警報機、ガス成分分析センサ、パーティクルカウンター、煙センサ、人感センサ、距離センサ、照度センサ、気圧センサ、磁力センサ、加速度センサ、温度センサ、湿度センサ、傾きセンサ、GPS,ガイガーカウンター、換気扇、加湿器、除湿器、空気清浄機、消火剤、除菌剤、消臭剤、芳香剤、虫避け剤、CPU、メモリ、モータ、プロペラ、ファン、フィン、ポンプ、ヒートポンプ、ヒートパイプ、ワイヤ、掃除機、集塵フィルター、無線LANアクセスポイント、中継器、電磁シールド機能、無線給電送信機、無線給電受信機、光触媒、太陽電池等を含めることができる。
[第3の実施形態]
図8および図9は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態に係る一般電球形のLEDランプ50は、主に発光するグローブ部51の構成が第1の実施形態と相違している。それ以外の口金3、発光モジュール4および電源回路5に関する事項は、第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、グローブ部51は、LEDランプ50の外郭を構成する中空の要素であって、本実施形態では、一般電球のガラスバルブに類似した形状を有している。グローブ部51は、重力方向に延びるLEDランプ50の中心軸線O1に対し同軸状に設けられている。
グローブ部51は、本体52と導光体53とを備えている。本体52は、例えばアルミニウム、銅、鉄のような金属材料、あるいは熱伝導性に優れたセラミックスで形成され、放熱部としての機能を兼ねている。
本体52は、LEDランプ50の中心軸線O1と同軸の中空状に形成されている。具体的に述べると、本体52は、一端が開口されたネック部52aと、ネック部52aに連続する球状部52bと、を備えている。ネック部52aの一端は、口金3と同等の口径を有している。口金3は、電気絶縁性を有する接着剤あるいはグリスを介してネック部52aの一端に固定されている。
球状部52bは、ネック部52aの一端と向かい合う頂部52cと、ネック部52aから頂部52cに向けて口径が次第に増加する拡径部52dと、球状部52bの最大径を規定する最大径部52eと、最大径部52eから頂部52cに向けて口径が次第に減少する縮径部52fと、を備えている。
球状部52bの頂部52cは、支持面54を有している。支持面54は、LEDランプ50の中心軸線O1と直交するフラットな面であって、当該支持面54の中央部に発光モジュール4が配置されている。発光モジュール4の基板10は、図示しない螺子あるいはコネクタを介して支持面54に固定されている。さらに、基板10は、例えば熱伝導シート、熱伝導性グリスあるいは熱伝導性接着剤を介してグローブ部51の本体52に熱的に接続されている。
図8に示すように、電源回路5は、例えば本体52の拡径部52dの内側から口金3の内側に至る領域に収容されている。電源回路5は、図示しないシリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材を介して口金3およびネック52aに熱的に接続されている。
導光体53は、支持面54を含む本体52の外表面を連続して覆う中空の要素である。導光体53は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィンあるいはガラスのような光透過性を有する材料で形成されている。導光体53は、筒状部57と光学レンズユニット58とを備えている。
筒状部57は、本体52のネック部52a、拡径部52d、最大径部52eおよび縮径部52fを連続して取り囲んでいる。筒状部57の肉厚tは、本体52の縮径部52fからネック部52aの方向に進むに従い次第に減じられている。
さらに、筒状部57は、外周面57aおよび内周面57bを有している。外周面57aおよび内周面57bは、夫々ネック部52aから縮径部52fに至る本体52の外周面の形状に沿うような円弧を描いて湾曲されている。
筒状部57の内周面57bは、例えば多数の微細な凹凸が形成された光拡散面となっている。凹凸は、光を散乱させるための散乱マークであって、本実施形態では、微細な研磨材を筒状部57の内周面57bに吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
散乱マークは、凹凸に限らず、例えば光を拡散させる粒子を含む塗料を筒状部57の内周面57bに塗布したり、内周面57bにシルク印刷を施すことで形成してもよい。加えて、散乱マークは、筒状部57の外周面57aに形成してもよいとともに、外周面57aおよび内周面57bの双方に形成してもよい。
散乱マークは、筒状部56の内周面57bまたは外周面57aに均一に形成することに限定されない。例えば、散乱マークは、発光モジュール4の近傍では疎または薄く形成し、発光モジュール4の遠方では密または厚く形成するようにしてもよい。このようにすれば、LEDランプ50の表面の発光分布を均一化することができる。
さらに、導光体53は、一体構造物に限らず、任意に分割された複数の要素を組み合わすことで構成してもよい。例えば、導光体53を中心軸線O1と平行な方向に複数の要素に分割すれば、発光モジュール4の光を口金3の付近まで容易に導くことができる。さらに、導光体53を中心軸線O1に対し直交する方向に複数の要素に分割すれば、分割された要素の端面での光の反射を防ぐ加工が必要となるが、導光体53の外観は向上する。
分割された複数の要素の接合手段としては、例えば超音波溶着、振動溶着、誘導溶着、高周波溶着、半導体レーザー溶着、熱溶着、スピン溶着のような各種の溶着方法、あるいは接着剤、両面テープ、グリスを用いた接着方法を適用することができる。
図8に示すように、本体52と導光体53の筒状部57との間に隙間59が形成されている。隙間59は、例えば本体52と筒状部57との間に図示しないスペーサを介在させることで形成されている。スペーサは、本体52の外表面に一体に形成してもよいし、筒状部57の内周面57bに一体に形成してもよい。さらに、スペーサは、本体52および筒状部57とは別の部材で構成してもよい。
本実施形態では、隙間59に充填された媒質、例えば空気層を媒体として本体52と導光体53の筒状部57との間が熱的に接続されている。ここで、空気層の厚さを規定する隙間59の適正値dについて考察する。
隙間59の適正値dは、基本的に発光モジュール4から放射される光の波長λよりも大きく設定される。それとともに、本体52から導光体53に熱を伝え易くするためには、隙間59は極力狭いことが望ましい。したがって、隙間59の適正値dは、筒状部57の加工上の精度を確保することを考慮すると、例えば0.01〜1.0mm程度に設定される。
図8に示すように、導光体53の光学レンズユニット58は、広配光レンズ61および拡散レンズ62を備えている。広配光レンズ61は、本体52の縮径部52fを取り囲んだ筒状部57の端部と一体化されている。広配光レンズ61は、LEDランプ50の中心軸線O1に対し回転対称となる形状を有している。
具体的に述べると、広配光レンズ61は、貫通孔63、入射面64、射出面65および全反射面66を備えている。貫通孔63は、広配光レンズ61を貫通するようにLEDランプ50の中心軸線O1と同軸状に設けられている。
入射面64は、中心軸線O1と直交するフラットな面である。入射面64の中央部は、発光モジュール4の発光面14と向かい合うとともに、当該中央部に貫通孔63が開口されている。入射面64の外周部は、本体52の支持面54と向かい合っている。
射出面65は、中心軸線O1を同軸状に取り囲むように筒状部57の端部の外周面57aに連続されている。射出面65および外表面57aは、口金3に向けて広配光レンズ61の径方向に広がるように球面状に湾曲されている。
全反射面66は、射出面65の先端縁と貫通孔63に臨む入射面64との間を結んでいる。言い換えると、全反射面66は、貫通孔63を規定する面であって、入射面64から遠ざかるに従い広配光レンズ61の径方向に広がるように円弧状に湾曲された形状を有している。
光学レンズユニット58の拡散レンズ62は、背面69、表面70および端面71を有している。背面69は、広配光レンズ61の貫通孔63を覆うように全反射面66に面している。表面70は、LEDランプ50の周囲環境に露出するように背面69の反対側に位置されている。背面69および表面70は、夫々LEDランプ50の中心軸線O1と同軸状に設けられているとともに、中心軸線O1を中心に全反射面66から遠ざかる方向に球面状に盛り上がっている。
本実施形態によると、表面70は、多数の微細な凹凸が設けられた白色の光拡散面となっている。光拡散面は、微細な研磨材を表面70に全面的に吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
光拡散面は、サンドブラストに限らず、光を拡散させる粒子を含む塗料を表面70に塗布したり、拡散粒子を拡散レンズ62の内部に封入することで形成してもよい。さらに、光拡散面は、表面70に限らず、背面69に形成してもよいし、表面70および背面69の双方に形成してもよい。
拡散レンズ62の端面71は、背面69の外周縁と表面70の外周縁との間を結ぶ円環形である。端面71は、広配光レンズ61の全反射面66の外周部と向かい合っている。
拡散レンズ62の端面71は、周方向に沿う複数個所が接着剤72を介して広配光レンズ61の全反射面66の外周部に接着されている。それとともに、拡散レンズ62の端面71と広配光レンズ61の全反射面66との間には、接着剤72の箇所を除き隙間73が形成されている。
図8に示すように、本体52の内側に断熱部材76が設けられている。断熱部材76は、本体52の縮径部52fから頂部52cに至る領域の内面を全面的に覆っている。このため、断熱部材76は、本体52の内側で発光モジュール4と電源回路5との間に介在されているとともに、電源回路5と発光モジュール4との間を熱的に遮断している。
さらに、断熱部材76は、フランジ部77を有している。フランジ部77は、本体52の縮径部52fの周方向に連続するとともに、縮径部52fと最大径部52eとの間に介在されている。言い換えると、縮径部52fと最大径部52eとの間は、断熱部材76のフランジ部77によって熱的に切り離されており、縮径部52fと最大径部52eとの間での熱の授受が抑制されている。
このため、本実施形態によると、断熱部材76のフランジ部77は、本体52を第1の領域と第2の領域とに熱的に区画するように構成されている。第1の領域は、本体52の頂部52cおよび縮径部52fを含んでいる。第2の領域は、本体52のネック部52a、拡径部52dおよび最大径部52eを含んでいる。
断熱部材76は、例えば発光モジュール4よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。断熱部材76の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、断熱部材76をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、当該断熱部材76に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、断熱部材76の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、断熱部材76の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、断熱部材76がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、断熱部材76とその他の部材との間に隙間を設けてもよい。このようにすれば、断熱部材76に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材76がその他の部材と対向する場合は、断熱部材76とその他の部材との間の間隔を維持するため、断熱部材76とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、断熱部材76およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材76の表面や内面、および断熱部材76と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、断熱部材76およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、断熱部材76の熱抵抗が増加する。
断熱部材76とその他の部材との間に規定される空間、および断熱部材76の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴン、ヘリウムのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により断熱部材76を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて断熱部材76を形成してもよく、断熱部材76の材質に特に制約はない。
発光モジュール4に電源回路5から直流電圧が印加されると、複数のLED11が一斉に発光し、発光面14が面状に発光する。発光面14の中央部から放射された光は、広配光レンズ61の入射面64に入射する。中心軸線O1が交わる発光面14の中心付近から放射された光は、広配光レンズ61の貫通孔63を通過して拡散レンズ62に入射する。
具体的に述べると、図8に光線Aで示すように、入射面64の上の任意な点Q1に入射した光は、広配光レンズ61を通過して全反射面66に至る。当該光は、全反射面66において射出面65に向けて全反射される。射出面65に導かれた光の一部は、射出面65を透過してグローブ部51の周囲に放射される。射出面65に導かれた残りの光は、射出面65で中心軸線O1の軸方向に屈折されて導光体53の筒状部57に入射される。
筒状部57に入射された光のうち、筒状部57の外周面57aに対する入射角が臨界角以上の光、すなわち全反射条件を満たす光は、筒状部57の外周面57aおよび内周面57bで全反射を繰り返しながら、筒状部57の壁の内部を口金3に向けて進行する。
筒状部57に入射された光のうち、散乱マークにより散乱されて全反射条件を満たさない光は、筒状部57の外周面57aで全反射することなく、筒状部57を透過してグローブ部51の周囲に放出される。この結果、導光体53の筒状部57の外周面57aが全面的に発光する。
図8に光線Bで示すように、広配光レンズ61の貫通孔63を通過した光は、拡散レンズ62に入射する。拡散レンズ62に入射した光は、拡散レンズ62の光拡散面を透過する過程で広範囲に拡散された後、グローブ部51の周囲に放出される。
この結果、グローブ部51の導光体53から光が全方位に放射され、光の広がり方および光り方が一般電球に類似した広配光なLEDランプ50が得られる。
LEDランプ50を点灯させると、発光モジュール4および電源回路5が発熱する。発光モジュール4が発した熱は、本体52の支持面54から頂部52cに伝わる。頂部52cに伝わった熱は、本体52の球状部52bに拡散される。
さらに、本実施形態では、導光体53の筒状部57と本体52との間に0.01〜1.0mm程度の隙間59が形成され、当該隙間59内の空気層を媒体として本体52と導光体53の筒状部57との間が熱的に接続されている。このため、本体52に拡散された発光モジュール4の熱は、空気層を介して筒状部57に伝わるとともに、筒状部57の外周面57aから周囲環境に放出される。
図9は、例えば導光体53をアクリル製とし、本体52をアルミニウム製としたLEDランプ50において、導光体53の筒状部57の内部を光が入射角45°で全反射する時のd/λと反射率との関係を示すグラフである。図9において、dは隙間59の適正値、λは光の波長である。
図9によれば、d/λ>1、すなわちd>λであれば、導光体53の光反射率は100%に近いことが分かる。これに対し、d/λ<1、すなわちd<λの場合は、本体52に光が吸収されてしまい、d=0に近づく程に反射率が低減することが分かる。
したがって、本実施形態のLEDランプ50のように、導光体53の筒状部57と本体52との間に適正な隙間59を設けることで、筒状部57の壁の内部を通過する光の反射率を100%に近づけることができる。
この結果、筒状部57に導かれる光の大部分を照明光として筒状部57の外周面57aから取り出すことができ、本体52が光を吸収することによる光のロスを低減することができる。すなわち、これはエバネッセント波によって光が筒状部57から本体52に伝搬するのを防ぎ、それにより光のロスを低減できることを意味する。
一方、電源回路5が発した熱は、主に本体52のネック部52aに伝わるとともに、ネック部52aから隙間59内の空気層を通じて導光体53の筒状部57に伝わる。そのため、電源回路5の熱は、導光体53の筒状部57の外周面57aから周囲環境に放出される。加えて、電源回路5が発した熱の一部は、口金3にも伝わり、当該口金3からソケットを通じてLEDランプ50の外に放出される。
本実施形態のLEDランプ50によると、発光モジュール4の熱が伝わる本体52の頂部52cおよび縮径部52fと、電源回路5が位置された本体52の拡径部52dとの間が断熱部材76によって熱的に切り離され、縮径部52fと拡径部52dとの間での熱の授受が抑制されている。
しかも、断熱部材76は、発光モジュール4が熱的に接続された本体52の頂部52cの内面を全面的に覆うことで、発光モジュール4の熱が本体52の拡径部52dおよび本体52の内側の領域に伝わるのを抑制している。
この結果、発光モジュール4と耐熱温度が異なる電源回路5が発光モジュール4の熱影響を受けるのを回避することができる。このため、電源回路5の熱および発光モジュール4の熱を導光体53の筒状部57の外周面57aから周囲環境に適切に放出しつつ、発光モジュール4および電源回路5の温度を夫々の耐熱温度の範囲内に止めることができる。
よって、電源回路5の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール4の熱を積極的に本体52から導光体53の周囲に放出することができ、より高出力のLED11を用いてLEDランプ50の全光束を増加させることができる。
[第4の実施形態]
図10および図11は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態に係るLEDランプ50は、発光モジュール4および電源回路5の夫々の耐熱温度・放熱量に見合うように本体52の放熱面積を割り振りした点が第3の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ50の基本的な構成は、第3の実施形態と同様である。このため、第4の実施形態において、第3の実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、断熱部材76は、本体52の球状部52bの内面を全面的に覆っている。そのため、断熱部材76は、第3の実施形態のLEDランプ50よりも口金3の側に大きく延長されている。
断熱部材76のフランジ部77は、本体52の拡径部52dの周方向に連続するとともに、拡径部52dとネック部52aとの間に介在されている。言い換えると、拡径部52dの端部とネック部52aの端部との間が断熱部材76のフランジ部77によって熱的に切り離されており、拡径部52dとネック部52aとの間での熱の授受が抑制されている。さらに、フランジ部77は、拡径部52dとネック部52aとの境界を規定しており、当該境界は本体52の中心C1よりも口金3の側に片寄っている。
このため、本実施形態によると、フランジ部77によって区画された本体52の第1の領域は、本体52の球状部52bの全てを含み、本体52の第2の領域は、本体52のネック部52aを含んでいる。よって、第1の領域の表面積が第2の領域の表面積よりも格段に大きく設定されている。
LEDランプ50を点灯させると、発光モジュール4および電源回路5が発熱する。発光モジュール4および電源回路5が発した熱は、第3の実施形態と同様の経路を通じてLEDランプ50の外に放出される。
次に、断熱部材76により本体52の第1の領域(球状部52b)と第2の領域(ネック部52a)との間が完全に断熱されている場合において、本体52の第1の領域および第2の領域の好ましい放熱面積について説明する。
本体52の全体の表面積をA
all、
発光モジュール4に熱的に接続された本体52の第1の領域の表面積をA
1、
電源回路5に熱的に接続された本体52の第2の領域の表面積をA
2とすると、
表面積A
all、表面積A
1および表面積A
2は、次の式(32)を満たす。
発光モジュール4が耐熱温度上昇ΔT
1maxとなる第1の領域の表面積をA
1min、電源回路5が耐熱温度上昇ΔT
2maxとなる第2の領域の表面積をA
2minとすると、第1の領域の表面積A
1は下記の式(33)を満たし、第2の領域の表面積A
2は下記の式(34)を満たす。
さらに、表面積A
allは下記の式(35)を満たす。
式(32)に式(33)を適用すると、下記の式(36)が成立する。
式(32)に式(34)を適用すると、下記の式(37)が成立する。
式(33)と式(36)を纏めると、下記の式(38)が成立する。
式(34)と式(37)を纏めると、下記の式(39)が成立する。
例えば、LEDランプ50の発光効率などの短期性能、又は寿命などの長期性能の向上に、発光モジュール4の温度低下のみが寄与する場合には、本体52の第1の領域の表面積A
1は、下記の式(40)のように規定するのが最適である。
同様に、本体52の第2の領域の表面積A
2は、下記の式(41)のように規定するのが最適である。
ここで、発光モジュール4から周囲環境への熱抵抗をR
1(A
1)、発光モジュール4の発熱量をQ
1、ジャンクションの耐熱温度上昇をΔT
1max、電源回路5から周囲環境への熱抵抗をR
2(A
2)、電源回路5の発熱量をQ
2、耐熱温度上昇をΔT
2maxとすると、前記A
1minおよび前記A
2minは、夫々次の式(42)、式(43)を満たす。
ここで、図11は、LEDランプ50の放熱経路を示している。図11に示すように、発光モジュール4のジャンクションから本体52の球状部52bまでの熱抵抗をR
1ci、球状部52bから周囲環境までの熱抵抗をR
1co、電源回路5から本体52のネック部52aまでの熱抵抗をR
2ci、ネック部52aから周囲環境までの熱抵抗をR
2co、電源回路5から口金3までの熱抵抗をR
2si、口金3から周囲環境までの熱抵抗をR
2soとすると、A
1を含むR
1(A
1)、およびA2を含むR
2(A
2)は、夫々次の式(44)、式(45)を満たす。
ここで、本体52の球状部52bから周囲環境までの熱抵抗をR
1coについて考える。A
1を含む熱抵抗R
1co(A
1)は、対流による熱抵抗をR
1coc(A
1)、輻射による熱抵抗をR
1cor(A
1)とすると、次の式(46)を満たす。
本体52のネック部52aから周囲環境までの熱抵抗をR2coについても、対流による熱抵抗R2coc(A2)と、輻射による熱抵抗R2cor(A2)により、式(46)と同様の式で表すことができる。
まず、対流による熱抵抗R
1coc(A
1)について考える。本体52の球状部52bから周囲環境への熱伝達率をh
1とすると、対流による熱抵抗R
1coc(A
1)は、次の式(47)を満たす。
さらに、熱伝達率h
1が垂直等温平板に沿った自然対流と同等であるとすれば、熱伝達率h
1は、本体52の球状部52bの重力方向の長さをd
1、周囲環境の気体の熱伝導率をk
1、ヌッセルト数をNu
1とすると、次の式(48)から求めることができる。
ヌッセルト数Nu
1は、レイリー数をRa
1とすれば、次の式(49)の関係が知られている。
気体のレイリー数Ra
1は、本体52の平均温度をT
1c、周囲環境の温度をT
a、重力加速度をg、気体の体積弾性率をβ
1、気体の動粘性係数をν
1、気体の温度伝導率をα
1とすると、次の式(50)から求めることができる。
対流による熱抵抗R2coc(A2)についても、同様の式で求めることができる。対流に関する式(48)〜(50)は、垂直等温平板に沿った自然対流以外にも、対流に関する任意のモデルを用いることができる。
次に、前記輻射による熱抵抗R1cor(ri)を考える。
凸面とこれを囲む面との間の輻射に関して、凸面に対して囲む面の面積が十分に大きい場合、本体52の球状部52bの面積をA
1、温度をT
1c、輻射率をε
1、周囲環境の温度をT
a、シュテファン=ボルツマン定数をσとすると、次の式(51)の関係が知られている。
輻射による熱抵抗R2cor(A2)についても、同様の式で求めることができる。輻射に関する式(51)については、凸面とこれを囲む面との間の輻射以外にも、輻射に関する任意のモデルを用いることができる。
次に、LEDランプの好ましい放熱面積について、部品点数を一般化した場合について説明する。
LEDランプの本体の全体の表面積をA
all、
第i番目の発熱体に接続された第iの球状部の表面積をA
i、発熱体の総数をnとすると、表面積A
allは次の式を満たす。
第i番目の前記発熱体が耐熱温度上昇ΔT
imaxとなる第iの球状部の表面積をA
iminとすると、A
iは次の式を満たす。
式(52)に式(53)を適用すると、下記の式(55)が成立する。
式(53)と式(55)を纏めると、下記の式(56)が成立する。
LEDランプの発光効率などの短期性能、又は寿命などの長期性能の向上に、第i番目の前記発熱体の温度低下のみが寄与する場合には、第i番目の前記発熱体に接続された第iの球状部の表面積A
iは、下記の式(57)のように規定するのが最適である。
ここで、第i番目の前記発熱体から周囲環境への熱抵抗をR
i(A
i)、第i番目の前記発熱体の発熱量をQ
i、ジャンクションの耐熱温度上昇をΔT
imaxとすると、A
iminは次の式(58)を満たす。
第i番目の前記発熱体から第iの球状部までの熱抵抗をR
ici、第iの球状部から周囲環境までの熱抵抗をR
icoとすると、A
iを含むR
i(A
i)は次の式(59)を満たす。
一方、第i番目の前記発熱体の放熱経路に口金が含まれる場合には、第i番目の前記発熱体から前記口金までの熱抵抗をR
isi、前記口金から周囲環境までの熱抵抗をR
isoとすると、A
iを含むR
i(A
i)は次の式(60)を満たす。
ここで、第iの球状部から周囲環境までの熱抵抗をR
icoについて考える。A
iを含む熱抵抗R
ico(A
i)は、対流による熱抵抗をR
icoc(A
i)、輻射による熱抵抗をR
icor(A
i)とすると、次の式(61)を満たす。
例えば、発光モジュールが複数のLEDで構成される場合、回路基板が複数の素子で構成される場合、あるいは蓄電池モジュールが複数の蓄電池で構成される場合などのように、第i番目の前記発熱体がm個の複数の小発熱体Q
jで構成される場合には、発熱量Q
iは、次の式(62)を満たす。
なお、断熱部材によって囲まれる複数の小発熱体Qjは、同一の耐熱温度を有していることが望ましい。
第4の実施形態によれば、発光モジュール4の放熱に寄与する本体52の第1の領域(球状部52b)の表面積および電源回路5の放熱に寄与する本体52の第2の領域(ネック部52a)の表面積が、発光モジュール4および電源回路5の耐熱温度・放熱量に見合うような適切な値となる。
この結果、電源回路5の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール4の熱を積極的に本体52から導光体53を介してLEDランプ50の外に放出することができる。したがって、より高出力のLED11を用いてLEDランプ50の全光束を増加させることができる。
[第5の実施形態]
図12は、第5の実施形態を開示している。第5の実施形態に係るLEDランプ50は、グローブ部51の本体52の構成が第3の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ50の構成は、基本的に第3の実施形態と同様である。そのため、第5の実施形態において、第3の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図12に示すように、グローブ部51の本体52は、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82により第1ないし第3の熱伝導部83a,83b,83cに区画されている。
第1の熱伝導部83aは、第1の領域の一例であって、発光モジュール4が熱的に接続された頂部52cおよび縮径部52fを含んでいる。第2の熱伝導部83bは、第2の領域の一例であって、ネック部52aを含んでいる。第3の熱伝導部83cは、第3の領域の一例であって、拡径部52dおよび最大径部52eを含んでいる。第3の熱伝導部83cは、第1の熱伝導部83aと第2の熱伝導部83bとの間に位置されている。
第1の断熱部材81および第2の断熱部材82は、例えば発光モジュール4よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、第1の断熱部材81とその他の部材との間および第2の断熱部材82とその他の部材との間に夫々隙間を設けてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
第1の断熱部材81および第2の断熱部材82がその他の部材と対向する場合は、第1の断熱部材81とその他の部材との間の間隔および第2の断熱部材82とその他の部材との間の間隔を維持するため、第1の断熱部材81とその他の部材との間および第2の断熱部材82とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材81、第2の断熱部材82およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の表面や内面、および第1の断熱部材81および第2の断熱部材82と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材81、第2の断熱部材82およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の熱抵抗が増加する。
第1の断熱部材81とその他の部材との間に規定される空間および第2の断熱部材82とその他の部材との間に規定される空間、および第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により第1の断熱部材81および第2の断熱部材82を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて第1の断熱部材81および第2の断熱部材82を形成してもよく、第1の断熱部材81および第2の断熱部材82の材質に特に制約はない。
第1の断熱部材81は、第1の熱伝導部83aの内面に積層されて、第1の熱伝導部83aの内面を全面的に覆っている。第1の断熱部材81の外周縁部にフランジ部84が形成されている。フランジ部84は、中心軸線O1を中心とする本体52の周方向に連続するとともに、第1の熱伝導部83aと第3の熱伝導部83cとの間に介在されている。
このため、第1の熱伝導部83aと第3の熱伝導部83cとの間は、第1の断熱部材81のフランジ部84によって熱的に切り離されており、第1の熱伝導部83aと第3の熱伝導部83cとの間での熱の授受が抑制されている。
第2の断熱部材82は、本体52の内側に収容されている。第2の断熱部材82は、一端が閉塞された筒状部85を有し、当該筒状部85の開口端部が第2の熱伝導部83bと第3の熱伝導部83cとの間に介在されている。
このため、第2の熱伝導部83bと第3の熱伝導部83cとの間は、第2の断熱部材81によって熱的に切り離されており、第2の熱伝導部83bと第3の熱伝導部83cとの間での熱の授受が抑制されている。
図12に示すように、第2の断熱部材82は、本体52の内側を第1の収容室87aと第2の収容室87bとに仕切っている。第1の収容室87aおよび第2の収容室87bは、第2の断熱部材82により熱的に切り離されているとともに、LEDランプ50の中心軸線O1の軸方向に並んでいる。第2の収容室87bは、第1の収容室87aよりも口金3の側に位置されている。
さらに、第1の断熱部材81は、第1の収容室87aに露出されているとともに、発光モジュール4と第1の収容室87aとの間を熱的に隔てている。
蓄電池88が第1の収容室87aに収容されている。蓄電池88は、付加部品の一例であって、電源回路5および発光モジュール4に電気的に接続されている。蓄電池88は、充電時および放電時に発熱を伴う。蓄電池88は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって本体52の第3の熱伝導部83cに熱的に接続されている。本実施形態によると、蓄電池88は、第1の収容室87a内のスペースの大部分を占有するような大きさを有している。
充電・放電回路89が第2の収容室87bに収容されている。充電・放電回路89は、付加機能を有する部品の一例である。充電・放電回路89は、蓄電池88に電気的に接続されているとともに、動作中に発熱を伴う。充電・放電回路89は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって本体52の第2の熱伝導部83bに熱的に接続されている。
本実施形態によると、蓄電池88の耐熱温度および充電・放電回路89の耐熱温度は、互いに相違しているが、LED11の耐熱温度よりも低い。さらに、充電・放電回路89は、口金3の内側に収容された電源回路5と隣り合っている。充電・放電回路89の耐熱温度は、電源回路5の耐熱温度と異なっている。
断熱板90が電源回路5と充電・放電回路89との間に介在されている。断熱板90は、本体52のネック部52を径方向に貫通することで、電源回路5と充電・放電回路89との間を熱的に遮断している。断熱板90は、例えば第1の断熱部材81および第2の断熱部材82と同等の断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。
第5の実施形態によると、発光モジュール4および電源回路5が発した熱は、第3の実施形態と同様の経路を通じてLEDランプ50の外に放出される。
蓄電池88が発した熱は、本体52の第1の収容室87aから第3の熱伝導部83cを経由して導光体53の筒状部57に伝わり、筒状部57の外周面57aから周囲環境に放出される。
さらに、充電・放電回路89が発した熱は、本体52の第2の収容室87bから第2の熱伝導部83bを経由して導光体53の筒状部57に伝わる。筒状部57に伝えられた充電・放電回路89の熱は、筒状部57の外周面57aから周囲環境に放出される。
第5の実施形態によれば、グローブ部51の本体52が第1の断熱部材81および第2の断熱部材82を介して第1ないし第3の熱伝導部83a,83b,83cに熱的に区画されている。そのため、第1ないし第3の熱伝導部83a,83b,83cの表面積を、夫々発光モジュール4、蓄電池88、充電・放電回路89の耐熱温度および放熱量に見合うように割り振りすることができる。
したがって、発光モジュール4の放熱に寄与する第1の熱伝導部83aの表面積、蓄電池88の放熱に寄与する第3の熱伝導部83cの表面積および充電・放電回路89の放熱に寄与する第2の熱伝導部83bの表面積が夫々適切に定まる。
この結果、本体52に収容された蓄電池88および充電・放電回路89の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール4の熱を積極的に本体52から導光体53を通じて周囲環境に放出することができる。よって、より高出力のLED11を用いてLEDランプ50の全光束を増加させることができる。
第5の実施形態において、蓄電池88の耐熱温度と充電・放電回路89の耐熱温度とが同一又は近似している場合には、第2の断熱部材82を省略して蓄電池88および充電・放電回路89を共通の室に収容するようにしてもよい。
[第6の実施形態]
図13および図14は、第6の実施形態を開示している。第6の実施形態に係るLEDランプ100は、発光および放熱に寄与する構成が第3の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第3の実施形態と同様である。そのため、第6の実施形態において、第3の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図13に示すように、LEDランプ100は、ボール電球に類似した形状を有している。LEDランプ100は、支柱101、グローブ部102、光源としてのSMD型の発光モジュール103および反射リング104を主要な要素として備えている。
支柱101は、中空の円筒状の要素であって、例えばアルミニウム合金又は銅合金のような熱伝導性に優れた金属材料で形成されている。支柱101は、その軸方向に沿う一端部に口金支持部105を備えている。口金支持部105は、口金3の内側にねじ込まれている。このねじ込みにより、支柱101が口金3に機械的かつ熱的に接続されているとともに、支柱101の他端部が口金3から同軸状に突出されている。
さらに、本実施形態では、電源回路5は、支柱101の内側に収容されている。電源回路5は、例えば図示しないシリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材を介して支柱101に保持されているとともに、支柱101に熱的に接続されている。
図13に示すように、グローブ部102は、LEDランプ100の外郭を構成する中空の要素であって、ボール電球のガラスバルブに類似した球状を有している。グローブ部102は、重力方向に延びるLEDランプ100の中心軸線O1に対し同軸状に設けられている。
グローブ部102は、本体107、第1の導光体108および第2の導光体109を備えている。本体107は、例えばアルミニウム、銅、鉄のような金属材料、あるいは熱伝導性に優れたセラミックスで形成され、放熱部としての機能を兼ねている。
本体107は、伝熱部110および光源支持部111を有している。伝熱部110は、LEDランプ100の中心軸線O1と同軸の中空の球状に形成されている。伝熱部110は、中心軸線O1が交差する頂部110aを有している。
光源支持部111は、伝熱部110の頂部110aに対し中心軸線O1の軸方向に沿う反対側に位置されている。光源支持部111は、伝熱部110の周面の一部をフラットに凹ませることで構成されている。光源支持部111は、中心軸線O1を中心として当該中心軸線O1と直交する方向に円盤状に広がるような形状を有している。
光源支持部111は、その中央部に円形の開口部113を有している。開口部113の周縁部にリング状の座部114が形成されている。座部114は、中心軸線O1を同軸状に取り囲んでいるとともに、光源支持部111から支柱101に向けて僅かに突出されている。したがって、座部114と支柱101とは、中心軸線O1の軸方向に同軸状に並んでいる。
第1の導光体108は、本体107の外表面を連続して覆う中空の球状の要素である。第1の導光体108は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィンあるいはガラスのような光透過性を有する材料で形成されている。
第1の導光体108は、球状部116および受光部117を含んでいる。球状部116は、内周面116aおよび外周面116bを有している。球状部116の内周面116aは、例えば多数の微細な凹凸が形成された光拡散面となっている。凹凸は、光を散乱させるための散乱マークであって、本実施形態では、微細な研磨材を球状部116の内周面116aに吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
散乱マークは、凹凸に限らず、例えば光を拡散させる粒子を含む塗料を球状部116の内周面116aに塗布したり、内周面116aにシルク印刷を施すことで形成してもよい。加えて、散乱マークは、球状部116の外周面116bに形成してもよいとともに、内周面116aおよび外周面116bの双方に形成してもよい。
受光部117は、支柱101の他端部を同軸状に取り囲むように球状部116に連続して設けられている。受光部117は、本体107の光源支持部111と向かい合うフラットな入射面118と、入射面118の縁に連続する第1の反射面119と、を有している。第1の反射面119は、支柱101の他端部に向けて張り出すように円弧状に湾曲されている。さらに、第1の反射面119は、入射面118の反対側に回り込むとともに、球状部116の外周面116bに滑らかな円弧を描いて連続されている。
本実施形態では、第1の導光体108の球状部116の肉厚tは、LEDランプ100の中心軸線O1が交差する球状部116の頂点から受光部117の方向に進むに従い連続的に増加している。
図13に示すように、本体107の伝熱部110の外周面に複数の突起140が一体に形成されている。突起140は、例えば半球状であるとともに、伝熱部110の外周面の広範囲に分散して配置されている。突起140の頂部は、第1の導光体108の球状部116の内周面116aに突き当たっている。
この結果、突起140の突出高さに相当するような隙間141が伝熱部110の外表面と球状部116の内周面116aとの間に形成されている。隙間141は、空気層と言い換えることができる。隙間141の適正値は、発光モジュール103から放射される光の波長λよりも大きく設定することが望ましい。
第2の導光体109は、第1の導光体108と同様に光透過性を有する材料で形成されている。第2の導光体109は、第1の導光体108の受光部117と口金3との間に介在されたリング状の要素であって、受光部117と協働して支柱101を取り囲んでいる。
第2の導光体109は、第1の面120および第2の面121を有している。第1の面120は、球状部116の外周面116bと支柱101の外表面との間を滑らかに結ぶように湾曲されている。第2の面121は、第1の反射面119に沿うように円弧状に湾曲されているとともに、第1の反射面119から僅かに離れている。そのため、第2の面121と第1の反射面119との間には、間隙123が形成されている。
図13および図14に示すように、発光モジュール103は、リング状の基板125と、基板125の上に実装された複数のパッケージ126とを備えている。基板125は、本体107の座部114の上に同軸状に支持されている。各パッケージ126は、例えば光拡散材および蛍光体を含む封止樹脂で封止された少なくとも一つのLED127を有している。LED127は、半導体発光素子の一例である。
複数のパッケージ126は、基板125の口金3の側の面に実装されている。パッケージ126は、LEDランプ100の中心軸線O1を取り囲むように基板125の上に互いに間隔を存して配列されている。図14に示すように、パッケージ126の一部は、受光部117の入射面118の内周部と向かい合っている。パッケージ126の残りの部分は、受光部117と支柱101との間に張り出している。このため、本実施形態では、発光モジュール100および支柱101の内側の電源回路5は、LEDランプ100の中心軸線O1の軸方向に並んでいる。
反射リング104は、LEDランプ100の中心軸線O1を同軸状に取り囲むように受光部117と支柱101との間に配置されている。反射リング104は、例えばアルミニウムのような金属材料で形成されている。反射リング104の外周面に凹部129が形成されている。凹部129は、受光部117の第1の反射面119で取り囲まれている。
凹部129の内面は、例えば鏡面加工が施された第2の反射面130となっている。第2の反射面130は、第1の反射面119と向かい合うとともに、第1の反射面119から遠ざかる方向に凹むように円弧状に湾曲されている。さらに、第2の反射面130は、パッケージ126のうち入射面118から外れた部分と向かい合っている。
図13に示すように、本体107の内側に断熱部材132が設けられている。断熱部材132は、例えば発光モジュール103よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。断熱部材132の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、断熱部材132をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、当該断熱部材132に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、断熱部材132の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、断熱部材132の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、断熱部材132がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、断熱部材132とその他の部材との間に隙間を設けてもよい。このようにすれば、断熱部材132に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材132がその他の部材と対向する場合は、断熱部材132とその他の部材との間の間隔を維持するため、断熱部材132とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、断熱部材132およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材132の表面や内面、および断熱部材132と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、断熱部材132およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、断熱部材132の熱抵抗が増加する。
断熱部材132とその他の部材との間に規定される空間、および断熱部材132の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により断熱部材132を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて断熱部材132を形成してもよく、断熱部材132の材質に特に制約はない。
断熱部材132は、本体107の伝熱部110の頂部110aを除いた領域の内面および光源支持部111の内面を連続して覆うとともに、光源支持部111の開口部113を伝熱部110の内側から閉じている。言い換えると、断熱部材132は、本体107の内側の領域と発光モジュール103との間を熱的に遮断している。
断熱部材132は、伝熱部110の頂部110aに対応する位置に開口部133を有している。開口部133の開口縁部にフランジ部134が形成されている。フランジ部134は、開口部133の周方向に連続するとともに、伝熱部110を貫通している。
断熱部材132のフランジ部134は、本体107の伝熱部110を第1の部分107aと第2の部分107bとに区画している。第1の部分107aは、第1の領域の一例であって、光源支持部111から伝熱部110の頂部110aの周囲に至る領域を含んでいる。第2の部分107bは、第2の領域の一例であって、伝熱部110の頂部110aを含んでいる。このため、第1の部分107aの表面積は、第2の部分107bの表面積よりも格段に大きく設定されている。
さらに、本体107の第1の部分107aと第2の部分107bとの間は、断熱部材132のフランジ部134によって熱的に切り離されている。これにより、第1の部分107aと第2の部分107bとの間での熱の授受が制限されている。
本実施形態によると、球状の本体107および球状の第1の導光体108は、LEDランプ100の組み立て性を考慮すると、LEDランプ100の中心軸線O1に沿う方向又は中心軸線O1と直交する方向に沿って複数の要素に分割することが望ましい。分割された複数の要素は、例えば接着等の手段で互いに接合することで一体構造物として組み立てられる。
図13に示すように、本体107の内側の領域は、第1の断熱壁136aにより第1の収容室137aと第2の収容室137bとの二室に区画されている。第1の断熱壁136aは、断熱部材132と同等の断熱性能を有する材料で形成することが好ましい。
第1の断熱壁136aは、LEDランプ100の中心軸線O1から偏心した位置で中心軸線O1の方向に延びており、その外周縁部の多くの領域が断熱部材132に接合されている。第1の断熱壁136aの外周縁部の残りの領域は、断熱部材132の開口部133を通じて本体107の第2の部分107bの内側に張り出すとともに、第2の部分107bを貫通して隙間141に露出されている。
したがって、第1の収容室137aと第2の収容室137bとは、断熱部材132および第1の断熱壁136aを介して互いに熱的に切り離された状態に保たれている。第1の収容室137aの容積は、第2の収容室137bの容積よりも大きい。
図13に示すように、蓄電池138が第1の収容室137aに収容されている。蓄電池138は、付加部品の一例であって、電源回路5および発光モジュール103に電気的に接続されている。蓄電池138は、充電時および放電時に発熱を伴う。蓄電池138は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって本体107の第2の部分107bに熱的に接続されている。本実施形態によると、蓄電池138は、第1の収容室137a内のスペースの大部分を占有するような大きさを有している。
充電・放電回路139が第2の収容室137bに収容されている。充電・放電回路139は、付加機能を有する部品の一例であって、蓄電池138に電気的に接続されている。充電・放電回路139は、プリント配線板に実装された複数の回路素子を有する。回路素子のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。充電・放電回路139は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって本体107の第2の部分107bに熱的に接続されている。
本実施形態によると、蓄電池138および充電・放電回路139は、耐熱温度が互いに相違している。さらに、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度とLED127の耐熱温度とは、互いに相違している。具体的には、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度は、LED127の耐熱温度よりも低い。
第2の断熱壁136bが電源回路5と発光モジュール103との間に介在されている。第2の断熱壁136bは、支柱101を径方向に貫通することで、電源回路5と発光モジュール103との間を熱的に遮断している。第2の断熱壁136bは、例えば第1の断熱壁136aと同等の断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。
発光モジュール103に電源回路5から直流電圧が印加されると、複数のLED127が一斉に発光する。LED127から放射された光の一部は、図14に光線Cで示すように、第1の導光体108の入射面118から直接第1の導光体108の受光部117に入射される。
受光部117に入射された光は、受光部117を通過して第1の反射面119に至る。第1の反射面119は、入射面118から導かれた光の多くを全反射させるように湾曲されているので、第1の反射面119で全反射された光は、受光部117を通過して第1の導光体108の球状部116に導かれる。
一方、LED127から放射された光のうち入射面118から外れた光は、図14に光線Dで示すように、反射リング104の第2の反射面130に向かう。第2の反射面130は、LED127からの光の多くを受光部117の第1の反射面119に向けて反射させる。第2の反射面130で反射された光は、第1の反射面119から受光部117に入射されるとともに、受光部117を通過して第1の導光体108の球状部116に導かれる。
球状部116に入射された光のうち、球状部116の外周面116bに対する入射角が臨界角以上の光、すなわち、全反射条件を満たす光は、球状部116の外周面116bと球状部116の内周面116aとの間で全反射を繰り返しながら、球状部116の壁の内部を口金3の側から球状部116の頂点に向けて進行する。
球状部116に入射された光のうち、球状部116の内周面116aの散乱マークにより散乱されて全反射条件を満たさない光は、球状部116の外周面116bで全反射することなく、球状部116を透過してグローブ部102の外に放射される。
第1の導光体108の受光部117に入射された光のうち、第1の反射面119を透過した光は、第2の導光体109の第2の面121から第2の導光体109に入射される。第2の導光体109に入射された光は、第1の面120からLEDランプ100の口金3の側に放射される。
この結果、第1の導光体108および第2の導光体109から全面的に光が放射され、LEDランプ100は広配光な照明装置として機能する。
さらに、本体107の伝熱部110と第1の導光体108の球状部116との間に空気層が存在するので、球状部116の内周面116aで屈折された光は、空気層を通じて伝熱部110の外表面に向かうとともに、伝熱部110の外表面で反射される。このため、球状部116の壁の内部を通過する光を広範囲に亘って拡散させることができ、その分、導光効率が向上する。
よって、第1の導光体108の球状部116の外周面116bから放射される光の配光角を広げることができる。
LEDランプ100を点灯させると、電源回路5、発光モジュール103、蓄電池138および充電・放電回路139が発熱する。電源回路5が発した熱は、支柱101から第2の導光体109および口金3に伝わる。第2の導光体109に伝わった熱は、第2の導光体109の第1の面120から周囲環境に放出される。口金3に伝わった熱は、口金3からソケットを通じてLEDランプ100の外に放出される。
発光モジュール103が発した熱は、本体107の座部114から伝熱部110の光源支持部111を通じて伝熱部110の第1の部分107aに拡散される。伝熱部110と、当該伝熱部110を覆う第1の導光体108の球状部116との間には、発光モジュール103から放射される光の波長λよりも大きな隙間141が形成され、当該隙間141内の空気層を媒体として伝熱部110と第1の導光体108の球状部116との間が熱的に接続されている。
このため、伝熱部110の第1の部分107aに拡散された発光モジュール103の熱は、空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
一方、蓄電池138が収容された第1の収容室137aは、断熱部材132により発光モジュール103の熱が伝わる伝熱部110の第1の部分107aから熱的に遮断されている。このため、蓄電池138が発した熱は、伝熱部110の第2の部分107bから空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
充電・放電回路139が収容された第2の収容室137bは、断熱部材132により発光モジュール103の熱が伝わる伝熱部110の第1の部分107aから熱的に遮断されている。加えて、第2の収容室137bは、第1の断熱壁136aにより第1の収容室137aから熱的に切り離されている。このため、充電・放電回路139が発した熱は、伝熱部110の第2の部分107bから空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
さらに、発光モジュール103の熱が伝わる伝熱部110の第1の部分107aと、蓄電池138および充電・放電回路139の熱が伝わる第2の部分107bとの間は、断熱部材132のフランジ部134によって熱的に切り離されている。
このため、発光モジュール103の熱が伝熱部110の第1の部分107aを通じて蓄電池138が収容された第1の収容室137aおよび充電・放電回路139が収容された第2の収容室137bに回り込むのを防止できる。同様に、蓄電池138および充電・放電回路139の熱が伝熱部110の第2の部分107bから第1の部分107aを通じて発光モジュール103が支持された光源支持部111に回り込むのを防止できる。
加えて、第1の収容室137aと第2の収容室137bとの間に介在された第1の断熱壁136aの外周縁部は、伝熱部110の第2の部分107bを貫通している。このため、蓄電池138の熱が第2の部分107bを通じて充電・放電回路139が収容された第2の収容室137bに回り込むのを防止できる。同様に、充電・放電回路139の熱が第2の部分107bを通じて蓄電池138が収容された第1の収容室137aに回り込むのを防止できる。
したがって、第1の収容室137aを蓄電池138の耐熱温度に即した温度環境に維持できるとともに、第2の収容室137bにしても充電・放電回路139の耐熱温度に即した温度環境に維持することができる。
以上のことから、電源回路5、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール103の熱を積極的に本体107に伝えることができ、より高出力のLED127を用いてLEDランプ100の全光束を増加させることができる。
例えばLEDランプ100を天井のソケットに取り付けた場合、LEDランプ100は、口金3を上向きとした垂直の姿勢で点灯することになる。LEDランプ100の点灯中、第1の導光体108の球状部116の外周面116bから放出された熱は、グローブ部102の周囲の空気を暖める。
図13に矢印で示すように、グローブ部102の周囲の温められた空気は、自然対流により球状部116の外周面116bに沿って上昇する。この結果、上昇する空気流により球状部116の外周面116bが冷却される。
本実施形態によると、発熱源の一つである発光モジュール103が口金3の付近に位置するので、第1の導光体108の球状部116の温度は、口金3の付近で最も高くなり、口金3よりも下方に位置された球状部116の頂点の付近で最も低くなる。このため、球状部116の外周面116bに沿って上昇する空気は、口金3に近づくに従い温度が高くなる。
第6の実施形態では、蓄電池138および充電・放電回路139よりも耐熱温度が高い発光モジュール103が口金3の付近に配置されている。このため、球状部116の外周面116bに沿って上層する空気の温度が口金3の付近で最も高くなっても、発光モジュール103の耐熱性に悪影響を及ぼすことはない。
さらに、自然対流により上昇する空気が球状部116の重力方向に沿う下端部に接触する時点では、空気の温度が口金3の付近よりも低く抑えられている。このため、球状部116の頂点を含む下端部を自然対流により効率よく冷却することができ、球状部116で囲まれた蓄電池138および充電・放電回路139の放熱性を十分に確保できる。
[第7の実施形態]
図15は、第6の実施形態と関連性を有する第7の実施形態を開示している。第7の実施形態に係るLEDランプ100では、第1の導光体108の球状部116の内周面116aに複数の突起150が一体に形成されている。突起150は、例えば半球状であるとともに、球状部116の内周面116aの広範囲に分散して配置されている。突起150の頂部は、本体107の伝熱部110の外表面に突き当たっている。
この結果、伝熱部110の外表面と球状部116の内周面116aとの間に突起150の突出高さに相当するような隙間151が形成されている。隙間151の存在により、第1の導光体108の内部を通過して球状部116の内周面116aに至る光は全反射する。さらに、隙間151は、伝熱部110と第1の導光体108の球状部116との間を熱的に接続する空気層として機能する。
このような第7の実施形態においても、電源回路5、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール103の熱を積極的に本体107に伝えることができる。よって、前記第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第8の実施形態]
図16は、第8の実施形態を開示している。第8の実施形態に係るLEDランプ100は、二種類の光源を備えている。一方の光源は、第3の実施形態で用いたCOB型の発光モジュール4である。他方の光源は、第6の実施形態で用いたSMD型の発光モジュール103である。第8の実施形態において、第3の実施形態および第6の実施形態と同一の構成要素に関しては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図16に示すように、本体107は、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162により第1ないし第3の熱伝導部163a,163b,163cに区画されている。第1の熱伝導部163aは、第1の領域の一例であって、COB型の発光モジュール4が埋め込まれた頂部110aを含んでいる。第2の熱伝導部163bは、第2の領域の一例であって、SMD型の発光モジュール103が支持された光源支持部111を含んでいる。第3の熱伝導部163cは、第3の領域の一例であって、第1の熱伝導部163aと第2の熱伝導部163bとの間に介在されている。
第1の断熱部材161および第2の断熱部材162は、例えば発光モジュール4,103よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、第1の断熱部材161とその他の部材との間および第2の断熱部材162とその他の部材との間に夫々隙間を設けてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
第1の断熱部材161および第2の断熱部材162がその他の部材と対向する場合は、第1の断熱部材161とその他の部材との間の間隔および第2の断熱部材162とその他の部材との間の間隔を維持するため、第1の断熱部材161とその他の部材との間および第2の断熱部材162とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材161、第2の断熱部材162およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の表面や内面、および第1の断熱部材161および第2の断熱部材162と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、第1の断熱部材161、第2の断熱部材162およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の熱抵抗が増加する。
第1の断熱部材161とその他の部材との間に規定される空間および第2の断熱部材162とその他の部材との間に規定される空間、および第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により第1の断熱部材161および第2の断熱部材162を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて第1の断熱部材161および第2の断熱部材162を形成してもよく、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162の材質に特に制約はない。
第1の断熱部材161は、第1の熱伝導部163aの内面に積層されて、第1の熱伝導部163aの内面を全面的に覆っている。第1の断熱部材161の外周縁部にフランジ部161aが形成されている。フランジ部161aは、LEDランプ100の中心軸線O1を中心とする本体107の周方向に連続するとともに、第1の熱伝導部163aと第3の熱伝導部163cとの間に介在されている。
このため、第1の熱伝導部163aと第3の熱伝導部163cとの間は、第1の断熱部材161のフランジ部161aによって熱的に切り離されており、第1の熱伝導部163aと第3の熱伝導部163cとの間での熱の授受が抑制されている。
第2の断熱部材162は、光源支持部111を有する第2の熱伝導部163bの内面に積層されて、第2の熱伝導部163bの内面を全面的に覆っている。第2の断熱部材162の外周縁部にフランジ部162aが形成されている。フランジ部162aは、LEDランプ100の中心軸線O1を中心とする本体107の周方向に連続するとともに、第2の熱伝導部163bと第3の熱伝導部163cとの間に介在されている。
このため、第2の熱伝導部163bと第3の熱伝導部163cとの間は、第2の断熱部材162によって熱的に切り離されており、第2の熱伝導部163bと第3の熱伝導部163cとの間での熱の授受が抑制されている。
図16に示すように、第1の導光体108の球状部116の頂点を含む領域は、本体107の頂部110aに位置された発光モジュール4の発光面14を覆っている。球状部116のうち発光モジュール4の発光面14と向かい合う部分に拡散レンズ165が埋め込まれている。拡散レンズ165は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィン、ガラス等の光透過性を有する材料で形成され、LEDランプ100の中心軸線O1と同軸状に位置されている。
拡散レンズ165は、発光面14から第1の導光体108の球状部116に入射した光の一部をグローブ部102の外に導くとともに、残りの光を球状部116の壁の内部に向けて反射させるように構成されている。
図16に示すように、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162で覆われた本体107の内側の領域は、第1の断熱壁166aにより第1の収容室167aと第2の収容室167bとの二室に区画されている。第1の断熱壁166aは、第1の断熱部材161および第2の断熱部材162と同等の断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。
第1の断熱壁166aは、本体107の第3の熱伝導部163cに対応した位置でLEDランプ100の中心軸線O1と直交する方向に延びている。第1の断熱壁166aの外周縁部は、第3の熱伝導部163cを貫通して隙間141に露出されている。
このため、第1の収容室167aは、COB型の発光モジュール4が埋め込まれた伝熱部110の頂部110aと隣り合うように、第1の断熱部材161と第1の断熱壁166aとの間に位置されている。それとともに、第2の収容室167bは、SMD型の発光モジュール103が支持された伝熱部110の光源支持部111と隣り合うように、第2の断熱部材162と第1の断熱壁166aとの間に位置されている。
さらに、第1の断熱壁166aの外周縁部は、本体107の第3の熱伝導部163cを第1の収容室167aに臨む第1の部分170aと、第2の収容室167bに臨む第2の部分170bとに熱的に分断している。この結果、第1の収容室167aと第2の収容室167bとの間は、熱的に切り離されており、第1の収容室167aと第2の収容室167bとの間での熱の授受が制限されている。
図16に示すように、蓄電池168が第1の収容室167aに収容されている。蓄電池168は、付加部品の一例であって、電源回路5および二つの発光モジュール4,103に電気的に接続されている。蓄電池168は、充電時および放電時に発熱を伴う。蓄電池168は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって第3の熱伝導部163cの第1の部分170aに熱的に接続されている。さらに、蓄電池168は、第1の収容室167a内のスペースの大部分を占有するような大きさを有している。
充電・放電回路169が第2の収容室167bに収容されている。充電・放電回路169は、付加機能を有する部品の一例であって、蓄電池168に電気的に接続されている。充電・放電回路169は、プリント配線板に実装された複数の回路素子を有する。回路素子のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。充電・放電回路169は、例えばシリコーン等の充填材、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって第3の熱伝導部163cの第2の部分170bに熱的に接続されている。
本実施形態によると、蓄電池168および充電・放電回路169は、耐熱温度が互いに相違している。さらに、蓄電池168および充電・放電回路169の耐熱温度とLED11,127の耐熱温度とは、互いに異なっている。具体的には、蓄電池168および充電・放電回路169の耐熱温度は、LED11,127の耐熱温度よりも低い。
第2の断熱壁166bが電源回路5と発光モジュール103との間に介在されている。第2の断熱壁166bは、支柱101を径方向に貫通することで電源回路5と発光モジュール103との間を熱的に遮断している。第2の断熱壁166bは、例えば第1の断熱壁166aと同等の断熱性能を有する材料で形成するとよい。
第8の実施形態によると、COB型の発光モジュール4から放射された光は、拡散レンズ165に入射される。拡散レンズ165に入射された光の一部は、拡散レンズ165を透過してグローブ部102の外に放射される。さらに、残りの光は、拡散レンズ165と第1の導光体108の球状部116との界面で反射し、球状部116の壁の内部に入射する。
球状部116に入射された光のうち、球状部116の外周面116bに対する入射角が臨界角以上の光、すなわち全反射条件を満たす光は、球状部116の外周面116bおよび球状部116の内周面116aとの間で全反射を繰り返しながら、球状部116の壁の内部を球状部116の頂点の側から口金3に向けて進行する。
球状部116に入射した光のうち、散乱マークにより散乱されて全反射条件を満たさない光は、球状部116の外周面116bにおいて全反射することなく、球状部116を透過して周囲環境に放射される。
SMD型の発光モジュール103から放射された光は、図13および図14に示す第6の実施形態と同様に、第1の導光体108の受光部117を透過して球状部116に導かれる。球状部116に入射された光のうち、球状部116の外周面116bに対する入射角が臨界角以上の光、すなわち、全反射条件を満たす光は、球状部116の外周面116bと内周面116aとの間で全反射を繰り返しながら、球状部116の壁の内部を口金3の側から球状部116の頂点に向けて進行する。
球状部116に入射された光のうち、球状部116の内周面116aの散乱マークにより散乱されて全反射条件を満たさない光は、球状部116の外周面116bで全反射することなく、球状部116を透過して周囲環境に放射される。
第1の導光体108の受光部117に入射された光のうち、第1の反射面119を透過した光は、第2の導光体109の第2の面121から第2の導光体109に入射される。第2の導光体109に入射された光は、第1の面120からLEDランプ100の口金3の側に放射される。
この結果、第1の導光体108および第2の導光体109から全面的に光が放射され、LEDランプ100は広配光な照明装置として機能する。
さらに、本体107の伝熱部110と第1の導光体108の球状部116との間に空気層が存在するので、球状部116の内周面116aで屈折された光は、空気層を通じて伝熱部110の外表面に向かうとともに、伝熱部110の外表面で反射される。このため、球状部116の壁の内部を通過する光を広範囲に亘って拡散させることができる。
一方、発光モジュール4が発した熱は、本体107の第1の熱伝導部163aに伝わるとともに、第1の熱伝導部163aから空気層としての隙間114を通じて第1の導光体108の球状部116に伝わる。
発光モジュール103が発した熱は、本体107の座部114から光源支持部111を通じて本体107の第2の熱伝導部163bに伝わるとともに、第2の熱伝導部163bから隙間114内の空気層を通じて第1の導光体108の球状部116に伝わる。この結果、二つの発光モジュール4,103の熱は、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
電源回路5が発した熱は、支柱101から第2の導光体109および口金3に伝わる。第2の導光体109に伝わった熱は、第2の導光体109の第1の面120から周囲環境に放出される。口金3に伝わった熱は、口金3からソケットを通じてLEDランプ100の外に放出される。
蓄電池168が収容された第1の収容室167aは、第1の断熱部材161により発光モジュール4の熱が伝わる第1の熱伝導部163aから熱的に遮断されている。しかも、第1の収容室167aは、第1の断熱壁166aにより第2の収容室167bから熱的に切り離されている。このため、蓄電池168が発した熱は、伝熱部110の第3の熱伝導部163cの第1の部分170aから空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
充電・放電回路169が収容された第2の収容室167bは、第2の断熱部材162により発光モジュール103の熱が伝わる第2の熱伝導部163bから熱的に遮断されている。しかも、第2の収容室167bは、第1の断熱壁166aにより第1の収容室167aから熱的に切り離されている。このため、充電・放電回路169が発した熱は、第3の熱伝導部163cの第2の部分170bから空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
さらに、本実施形態によると、発光モジュール4の熱が伝わる第1の熱伝導部163aと、蓄電池168の熱が伝わる第3の熱伝導部163cの第1の部分170bとの間は、第1の断熱部材161のフランジ部161aによって熱的に切り離されている。そのため、発光モジュール4の熱が第1の熱伝導部163aから第3の熱伝導部163cを通じて蓄電池168が収容された第1の収容室167aに回り込むのを防止できる。
発光モジュール103の熱が伝わる第2の熱伝導部163bと、充電・放電回路169の熱が伝わる第3の熱伝導部163cの第2の部分170bとの間は、第2の断熱部材162のフランジ部162aによって熱的に切り離されている。このため、発光モジュール103の熱が第2の熱伝導部163bから第3の熱伝導部163cを通じて充電・放電回路169が収容された第2の収容室167bに回り込むのを防止できる。
加えて、第1の収容室167aと第2の収容室167bとの間に介在された第1の断熱壁166aは、伝熱部110の第3の熱伝導部163cを第1の収容室167aに臨む第1の部分170aと第2の収容室167bに臨む第2の部分170bとに熱的に遮断している。このため、蓄電池168の熱が第3の熱伝導部163cを通じて充電・放電回路169が収容された第2の収容室167bに回り込むのを防止できる。同様に、充電・放電回路169の熱が第3の熱伝導部163cを通じて蓄電池168が収容された第1の収容室167aに回り込むのを防止できる。
したがって、第1の収容室167aを蓄電池168の耐熱温度に即した温度環境に維持できるとともに、第2の収容室167bにしても充電・放電回路169の耐熱温度に即した温度環境に維持することができる。
この結果、電源回路5、蓄電池168および充電・放電回路169の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール4,103が発した熱を積極的に本体107に伝えることができ、より高出力のLED11,127を用いてLEDランプ100の全光束を増加させることができる。
[第9の実施形態]
図17は、第9の実施形態を開示している。第9の実施形態に係るLEDランプ100は、本体107の構成が第6の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第6の実施形態と同様である。そのため、第9の実施形態において、第6の実施形態と同一の構成要素に関しては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図17に示すように、本体107の伝熱部110は、第1の領域としての第1の熱伝導部171と、第2の領域としての第2の熱伝導部172とに二分割されている。第1の熱伝導部171は、伝熱部110の頂部110aを含む略半球状の形状を有している。第2の熱伝導部172は、光源支持部111を含む半球状の形状を有している。
第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172とは、LEDランプ100の中心軸線O1の軸方向に互いに離れている。本実施形態では、第2の熱伝導部172の表面積が第1の熱伝導部171の表面積よりも大きく設定されている。
図17に示すように、第2の熱伝導部172の内面は、断熱部材174で覆われている。断熱部材174は、例えばPEEK樹脂あるいはABS樹脂のような樹脂材料で形成されている。断熱部材174は、例えば発光モジュール103よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料が望ましい。断熱部材174の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、断熱部材174をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、当該断熱部材174に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、断熱部材174の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、断熱部材174の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、断熱部材174がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、断熱部材174とその他の部材との間に隙間を設けてもよい。このようにすれば、断熱部材174に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材174がその他の部材と対向する場合は、断熱部材174とその他の部材との間の間隔を維持するため、断熱部材174とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、断熱部材174およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材174の表面や内面、および断熱部材174と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、断熱部材174およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、断熱部材174の熱抵抗が増加する。
断熱部材174とその他の部材との間に規定される空間、および断熱部材174の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により断熱部材174を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて断熱部材174を形成してもよく、断熱部材174の材質に特に制約はない。
第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間に複数の中継部材176が介在されている。中継部材176は、例えば熱伝導性に優れた形状記憶合金で構成されている。中継部材176は、LED127の熱が伝わる第2の熱伝導部172の温度に応じて形状が変化する特性を有している。
具体的に述べると、中継部材176は、蓄電池168の耐熱温度を記憶しており、第2の熱伝導部172の温度が蓄電池168の耐熱温度を下回っている限り、第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間に跨る形状を有している。そのため、第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間は、中継部材176を介して熱的に接続された状態に保たれている。
本実施形態によると、第1の熱伝導部171の内面、中継部材176および断熱部材174が第1の収容室137aおよび第2の収容室137bに露出されている。言い換えると、伝熱部110の第1の熱伝導部171は、第1の収容室137aに収容された蓄電池138および第2の収容室137bに収容された充電・放電回路139に直に面している。
LEDランプ100の点灯時にLED127が発した熱は、伝熱部110の光源支持部111から第2の熱伝導部172および中継部材176を介して第1の熱伝導部171に伝わり、LED127の熱が伝熱部110の全体に拡散される。伝熱部110に拡散されたLED127の熱は、伝熱部110の外表面の全面から空気層としての隙間141を通じて球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。よって、LED127の熱を放出する領域を球状部116の上に充分に確保することができ、LED127の熱を周囲環境に積極的に放出できる。
一方、第2の熱伝導部172の温度が蓄電池168の耐熱温度に達するか、あるいは蓄電池168の耐熱温度を上回ると、図17に二点鎖線で示すように、中継部材176が第2の熱伝導部172との接続部を支点として伝熱部110の内側に向けて変形する。これにより、中継部材176が第1の熱伝導部171から離脱し、第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間が熱的に切り離される。
このため、LED127の放熱に寄与する伝熱部110の面積は減少するものの、第1の収容室137aおよび第2の収容室137bに露出された第1の熱伝導部171にLED127の熱が伝わらなくなる。したがって、発光モジュール103よりも耐熱温度が低い蓄電池138および充電・放電回路139にLED127の熱が及ぶのを回避することができ、蓄電池138および充電・放電回路139の温度環境を適正に保つことができる。
加えて、LEDランプ100の消灯時に蓄電池138を充電する場合、蓄電池138および充電・放電回路139が発熱する。この際、LED127は発熱を伴わないので、伝熱部110の第2の熱伝導部172は、蓄電池138の耐熱温度を下回っている。したがって、中継部材176は第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間に跨った状態を維持し、当該中継部材176を介して第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172との間が熱的に接続されている。
このことから、蓄電池138および充電・放電回路139が発した熱は、第1の熱伝導部171から中継部材176を介して第2の熱伝導部172に伝わり、蓄電池138および充電・放電回路139の熱が伝熱部110の全体に拡散される。伝熱部110に拡散された蓄電池138および充電・放電回路139の熱は、伝熱部110外表面の全面から空気層を介して球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
よって、蓄電池138および充電・放電回路139の熱を放出する領域を球状部116の上に十分に確保することができ、充電中の蓄電池138および充電・放電回路139の過熱を防止することができる。
伝熱部110の表面積を変化させる構成は、第9の実施形態に特定されるものではない。例えば、蓄電池138の温度を検出するセンサと、当該センサからの信号を受けて動作するアクチュエータとを組み合わせ、当該アクチュエータを用いて本体107の第1の熱伝導部171と第2の熱伝導部172の間を選択的に切り離し可能に接続するようにしてもよい。
[第10の実施形態]
図18および図19は、第10の実施形態を開示している。第10の実施形態は、第6の実施形態のLEDランプ100をベースとしている。
すなわち、第10の実施形態のLEDランプ100では、伝熱部110の第1の収容室137aに蓄熱材180が充填されている。蓄熱材180は、第1の収容室137aに収容された蓄電池138を覆っている。蓄熱材180は、空気よりも有意に熱容量が大きな材料で構成されている。空気よりも熱容量が大きい材料としては、例えば銅、鉄のような金属材料、PBSあるいはPEEKのような樹脂材料、パラフィンのような相変化材を用いることができる。
LEDランプ100の口金3をソケットに接続した状態では、蓄電池138が充電および放電を繰り返す。蓄電池138が充電されている期間中は、蓄電池138が発熱するので、蓄電池138の温度が時間の経過とともに上昇する。
蓄電池138の充電が完了すると、蓄電池138の温度が時間の経過に伴って次第に低下する。このため、蓄電池138が第1の収容室137aで充電、放電を繰り返すことにより、図19に破線で示すように蓄電池138の温度が特定の温度サイクルで変動する。図19の破線は、蓄電池138が第1の収容室137aに露出された時の蓄電池138の温度の変化幅V1を示している。
第10の実施形態において、蓄電池138が発した熱は、伝熱部110の第2の部分107bから隙間141内の空気層を通じて球状部116に伝わるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放出される。
さらに、第10の実施形態では、第1の収容室137a内の蓄電池138が蓄熱材180で覆われている。このため、蓄熱材180は、蓄電池138が発する熱の一部を吸収する。蓄熱材180に吸収された蓄電池138の熱は、蓄電池138の充電が完了して蓄電池138が熱を発しなくなった時に、時間の経過と共に緩やかに蓄熱材180から放出される。
この結果、蓄電池138が第1の収容室137aで充電、放電を繰り返した場合、図19に実線で示すように、蓄電池138の温度の変化幅V2がV1よりも減少する。したがって、蓄電池138の温度変化に伴う性能の劣化を極力抑えることができ、蓄電池138の寿命が長くなる。
[第11の実施形態]
図20ないし図22は、第11の実施形態を開示している。第11の実施形態に係るLEDランプ100は、本体107の内側の構成が第6の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第6の実施形態と同様である。そのため、第11の実施形態において、第6の実施形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図20に示すように、本体107は、第1の断熱部材191および第2の断熱部材192により第1ないし第3の熱伝導部193a,193b,193cに区画されている。第1の熱伝導部193aは、第1の領域の一例であって、SMD型の発光モジュール103が支持された光源支持部111、伝熱部110の頂部110aおよび伝熱部110のうち光源支持部111と頂部110aとの間を結ぶ球面状の部分を含んでいる。さらに、第1の熱伝導部193aは、LEDランプ100の中心軸線O1に対し同軸状に位置されている。
第2の熱伝導部193bは、第2の領域の一例であって、本体107のうち光源支持部111と伝熱部110の頂部110aとの間を結ぶ球面状の部分を含んでいる。同様に、第3の熱伝導部193cは、本体107のうち光源支持部111と伝熱部110の頂部110aとの間を結ぶ球面状の部分を含んでいる。言い換えると、第2の熱伝導部193bおよび第3の熱伝導部193cは、第1の熱伝導部193aを間に挟んで本体107の径方向に互いに振り分けられている。
第1の断熱部材191および第2の断熱部材192は、例えば発光モジュール103よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成するとよい。第1の断熱部材191および第2の断熱部材192の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
第1の断熱部材191は、本体107の内側に収容されているとともに、その外周縁部191aが第1の熱伝導部193aと第2の熱伝導部193bとの間に介在されている。このため、第1の熱伝導部193aと第2の熱伝導部193bとの間は、第1の断熱部材191の外周縁部191aによって熱的に切り離されており、第1の熱伝導部193aと第2の熱伝導部193bとの間での熱の授受が抑制されている。
第2の断熱部材192は、本体107の内側に収容されているとともに、その外周縁部192aが第1の熱伝導部193aと第3の熱伝導部193cとの間に介在されている。このため、第1の熱伝導部193aと第3の熱伝導部193cとの間は、第2の断熱部材192の外周縁部192aによって熱的に切り離されており、第1の熱伝導部193aと第3の熱伝導部193cとの間での熱の授受が抑制されている。
さらに、第1の断熱部材191および第2の断熱部材192は、本体107の内側を第1ないし第3の室194a,194,194cに仕切っている。第1の室194aは、LEDランプ100の中心軸線O1と同軸状に位置されているとともに、本体107の第1の熱伝導部193a、第1の断熱部材191および第2の断熱部材192で囲まれている。
第2の室194bは、本体107の第2の熱伝導部193bおよび第1の断熱部材191で囲まれている。同様に、第3の室194cは、本体107の第3の熱伝導部193cおよび第2の断熱部材192で囲まれている。
図20ないし図22に示すように、グローブ部102は、複数の第1ないし第6の通気孔196a,196b,196c,196d,196e,196fを有している。第1ないし第3の通気孔196a,196b,196c、第5の通気孔196eおよび第6の通気孔196fは、夫々本体107の伝熱部110および第1の導光体108の球状部116を連続して貫通している。第4の通気孔196dは、第1の導光体108の球状部116を貫通している。
図20および図21に示すように、複数の第1の通気孔196aは、伝熱部110の頂部110aを中心とする領域に互いに間隔を存して配列されているとともに、第1の室194aに開口されている。複数の第2の通気孔196bは、第2の室194bに開口するように伝熱部110の頂部110aの周囲において互いに間隔を存して配列されている。複数の第3の通気孔196cは、第3の室194cに開口するように伝熱部110の頂部110aの周囲において互いに間隔を存して配列されている。
複数の第4の通気孔196dは、発光モジュール103の周囲に位置するように球状部116の周方向に間隔を存して配列されている。第4の通気孔196dは、本体107の光源支持部111に開けた複数の連通孔197を通じて第1の室194aに通じている。複数の第5の通気孔196eは、第2の通気孔196bよりも口金3の側に位置されている。第5の通気孔196eは、第1の室194aおよび第2の室194bに開口するように本体107の周方向に間隔を存して並んでいる。同様に、複数の第6の通気孔196fは、第3の通気孔196cよりも口金3の側に位置されている。第6の通気孔196fは、第1の室194aおよび第3の室194cに開口するように本体107の周方向に間隔を存して並んでいる。
このため、第1の通気孔196aと第4の通気孔196d、第2の通気孔196bと第5の通気孔196e、および第3の通気孔196cと第6の通気孔196fは、夫々LEDランプ100の中心軸線O1の軸方向に互いに離れている。
図20に示すように、蓄電池198が第1の室194aに収容されている。蓄電池198は、付加部品の一例であって、電源回路5および発光モジュール103に電気的に接続されている。蓄電池198は、充電時および放電時に発熱を伴う。本実施形態によると、蓄電池198は、第1の室194a内のスペースの大部分を占有するような大きさを有するが、第1の室194a内で第1の断熱部材191および第2の断熱部材192から離れている。そのため、蓄電池198と第1の断熱部材191および第2の断熱部材192との間には、通気用の隙間が確保されている。
充電・放電回路199が第2の室194bに収容されている。充電・放電回路199は、付加機能を有する部品の一例であって、蓄電池198に電気的に接続されている。充電・放電回路199は、プリント配線板に実装された複数の回路素子を有する。回路素子のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。
さらに、過充電防止回路200が第3の室194cに収容されている。過充電防止回路200は、付加機能を有する部品の一例であって、充電・放電回路199に電気的に接続されている。過充電防止回路200は、プリント配線板に実装された複数の回路素子を有する。回路素子のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。
本実施形態によると、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200は、耐熱温度が互いに相違している。さらに、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200の耐熱温度は、発光モジュール103の耐熱温度よりも低い。
第11の実施形態において、LEDランプ100を点灯させると、電源回路5および発光モジュール103が発熱する。電源回路5および発光モジュール103が発した熱は、前記第6の実施形態と同様の経路を通じて周囲環境に放出される。
一方、蓄電池198の充電時にあっては、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200が発熱する。蓄電池198から放出された熱は、第1の室194a内の空気を暖める。充電・放電回路199から放出された熱は、第2の室194b内の空気を暖める。同様に、過充電防止回路200から放出された熱は、第3の室194c内の空気を暖める。
第1の室194aないし第3の室194c内の暖められた空気は、LEDランプ100の周囲の空気(外気)に比べて密度が小さいため、第1の室194aないし第3の室194cに夫々浮力が発生する。このため、例えばLEDランプ100が口金3を上向きとした垂直の姿勢で天井に保持されている場合、LEDランプ100の周囲の空気が第1ないし第3の通気孔196a,196b,196cから第1の室194aないし第3の室194cに流入する。
詳しく述べると、図20に実線の矢印で示すように、第1の通気孔196aから第1の室194aに流入した空気は、第1の室194aを通過する過程で蓄電池198を冷却する。
さらに、第1の室194aに流入した空気の一部は、光源支持部111に開けた連通孔197から発光モジュール103の付近を流通し、発光モジュール103を冷却する。蓄電池198および発光モジュール103を冷却した空気は、第4の通気孔196dを通じてグローブ部102の外に排出される。これにより、蓄電池198および発光モジュール103の放熱性能が高まる。
図20に破線の矢印で示すように、第2の通気孔196bから第2の室194bに流入した空気は、充電・放電回路199の周囲を流れる過程で充電・放電回路199を冷却する。充電・放電回路199を冷却した空気は、第5の通気孔196eを通じてグローブ部102の外に排出される。これにより、充電・放電回路199の放熱性能が高まる。
さらに、図20に破線の矢印で示すように、第3の通気孔196cから第3の室194cに流入した空気は、過充電防止回路200の周囲を流れる過程で過充電防止回路200を冷却する。過充電防止回路200を冷却した空気は、第6の通気孔196fを通じてグローブ部102の外に排出される。これにより、過充電防止回路200の放熱性能が高まる。
したがって、本実施形態では、グローブ部102の重力方向に沿う下端部に位置された第1ないし第3の通気孔196a,196b,196cが空気流入孔として機能し、口金3の周囲に位置された第4ないし第6の通気孔196d,196e,196fが空気流出孔として機能する。
第1の室194aないし第3の室194cの夫々において、空気流入孔の断面積と空気流出孔の断面積を同程度にすれば、質量保存則により、空気流入孔の面積と空気流出孔の面積の和に対しておおよそ最大限の冷却効果を得ることができる。空気流入孔の断面積および空気流出孔の断面積は、空気の流通方向に対して垂直になる。
第11の実施形態によれば、発光モジュール103よりも耐熱温度が低い蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200は、第1の断熱部材191および第2の断熱部材192によって熱的に仕切られた第1ないし第3の室194a,194b,194cに個別に収容されている。それとともに、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200は、第1ないし第3の室194a,194b,194cを流通する空気により強制的に冷やされる。
言い換えると、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200を個々に冷却する空気の流路が本体107の内側で熱的に切り離されている。このため、蓄電池198、充電・放電回路199および過充電防止回路200の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール103の熱を積極的に本体107の伝熱部110に伝えることができる。この結果、より高出力の発光ダイオード127を用いることが可能となり、LEDランプ100の全光束を増加させることができる。
[第12の実施形態]
図23は、第12の実施形態を開示している。第12の実施形態に係るLEDランプ100は、グローブ部205および発光モジュール206の構成が第6の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第6の実施形態と同様である。そのため、第12の実施形態において、第6の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図23に示すように、グローブ部205は、本体207と導光体208とを備えている。本体207は、伝熱部210および支持部211を有している。伝熱部210は、LEDランプ100の中心軸線O1と同軸の中空の球状に形成されている。伝熱部210は、中心軸線O1が交差する頂部210aを有している。フラットな光源支持面212が頂部210aに形成されている。光源支持面212は、中心軸線O1と直交する方向に広がるような形状を有している。
支持部211は、光源支持面212に対しLEDランプ100の中心軸線O1の軸方向に沿う反対側に位置されている。支持部211は、伝熱部210の周面の一部をフラットに凹ませることで構成されている。支持部211は、中心軸線O1を中心として当該中心軸線O1と直交する方向に円盤状に広がるような形状を有している。
本実施形態によると、本体207の伝熱部210は、光源支持面212を有する第1の部分210bと、支持部211を有する第2の部分210cとに分割されている。第1の部分210bは、第1の領域の一例である。第2の部分210cは、第2の領域の一例である。第1の部分210bおよび第2の部分210cは、夫々円形の開口端を有する半球状に形成されている。
導光体208は、本体207の外表面を連続して覆う中空の球状の要素である。導光体208は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィンあるいはガラスのような光透過性を有する材料で形成されている。
導光体208は、支柱101が挿入されたベース部215と、ベース部215に連続する球状部216と、を含んでいる。球状部216は、内周面216aおよび外周面216bを有している。球状部216の内周面216aは、本体207の外表面と向かい合っている。外周面216bは、LEDランプ100の外に露出されている。
本実施形態では、導光体208の球状部216の肉厚tは、LEDランプ100の中心軸線O1が交差する球状部216の頂点からベース部215の方向に進むに従い連続的に増加している。
図23に示すように、導光体208の球状部216の頂点を含む領域は、光源支持面212と向かい合っている。拡散レンズ213が球状部116の頂点を含む領域に埋め込まれている。拡散レンズ213は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィン、ガラス等の光透過性を有する材料で形成され、LEDランプ100の中心軸線O1と同軸状に位置されている。拡散レンズ213は、光源支持面212の中心部に向けて突出するような形状を有している。
球状部216の内周面216aと本体207の外表面との間に隙間217が形成されている。隙間217の存在により、導光体208の内部を通過して球状部216の内周面216aに至る光は全反射する。さらに、隙間217は、本体207から導光体208への熱伝導を許容する空気層と言い換えることができる。伝熱部210の光源支持面212は、隙間217に露出されている。
光源としての発光モジュール206が伝熱部210の光源支持面212に支持されている。発光モジュール206は、隙間217に露出されている。発光モジュール206は、光源支持面212に固定された基板219と、基板219の上にマトリクス状に配列された複数のLED220と、を主要な要素として備えている。LED220は、半導体発光素子の一例であって、本実施形態では、例えば波長450nmの青色光を発する青色LEDを使用している。LED220は、隙間217を介して拡散レンズ213と向かい合っている。
図23に示すように、断熱部材223が本体207の伝熱部210の内側に設けられている。断熱部材223は、例えば発光モジュール206よりも高い耐熱温度(100℃以上)を有し、しかも熱伝導率が0.3W/mK以下となる断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。断熱部材223の材料としては、特にPC樹脂、PEEK樹脂およびABS樹脂のような耐熱温度が高い樹脂材料が好適する。
さらに、断熱部材223をアルミニウム、ステンレス、鉄あるいは前述の耐熱温度が高い樹脂材料で形成し、当該断熱部材223に複数の孔や複数の凹凸を設けたり、断熱部材223の内部に空洞を設けてもよい。この構成によれば、孔、凹凸あるいは空洞によって規定される空間により、断熱部材223の熱抵抗が金属素材や樹脂素材のみの場合よりも増加する。
加えて、断熱部材223がその他の部材と接する場合に、その他の部材の面に凹凸を設け、断熱部材223とその他の部材との間に隙間を設けてもよい。このようにすれば、断熱部材223に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材223がその他の部材と対向する場合は、断熱部材223とその他の部材との間の間隔を維持するため、断熱部材223とその他の部材との間に金属、樹脂、シート、テープのような別部材としてのスペーサを介在させてもよい。このようにすれば、断熱部材223およびその他の部材に凹凸を設けた場合と同様の効果が得られる。
断熱部材223の表面や内面、および断熱部材223と対向するその他の部材の面を、例えば研磨、塗装、金属蒸着等の手段により光沢面としてもよい。このようにすれば、断熱部材223およびその他の部材からの熱の輻射が抑制されるとともに、断熱部材223の熱抵抗が増加する。
断熱部材223とその他の部材との間に規定される空間、および断熱部材223の内側の空間を減圧したり、当該空間に例えばアルゴンのような熱伝導率が低い気体を封入してもよい。このようにすれば、前記空間の熱抵抗が増加する。
さらに、例えばグラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材のような繊維系断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポロスチレンフォームのような発泡系断熱材、エアロゲル、煉瓦、コンクリートのようなその他の断熱材、エポキシ系の耐熱性接着剤あるいは高耐熱な塗料により断熱部材223を形成してもよい。加えて、前記したような各種の断熱材を組み合わせて断熱部材223を形成してもよく、断熱部材223の材質に特に制約はない。
断熱部材223は、伝熱部210の頂部210aおよび第1の部分210bの内周面を全面的に覆っている。断熱部材223は、フランジ部224を有している。フランジ部224は、伝熱部210の周方向に連続するとともに、伝熱部210の第1の部分210bの開口端と第2の部分210cの開口端との間に介在されている。
このため、伝熱部210の第1の部分210bと第2の部分210cとの間は、断熱部材223のフランジ部224によって熱的に切り離されており、第1の部分210bと第2の部分210cとの間での熱の授受が制限されている。
断熱部材223で覆われた本体207の内側の領域は、第1の断熱壁225aにより第1の収容室226aと第2の収容室226bとの二室に区画されている。第1の断熱壁225aは、断熱部材223と同等の断熱性能を有する材料で形成することが好ましい。
第1の断熱壁225aは、LEDランプ100の中心軸線O1から偏心した位置で中心軸線O1の方向に延びており、その外周縁部の略半分の領域が断熱部材223に接合されている。第1の断熱壁225aの外周縁部の残りの領域は、本体207の第2の部分210cおよび支持部211に接合されている。
このため、第1の収容室226aと第2の収容室226bとは、断熱部材223および第1の断熱壁225aを介して互いに熱的に切り離された状態に保たれている。第1の収容室226aの容積は、第2の収容室226bの容積よりも大きい。
図23に示すように、蓄電池227が第1の収容室226aに収容されている。蓄電池227は、付加部品の一例である。蓄電池227は、電源回路5および発光モジュール206に電気的に接続されており、充電時および放電時に発熱を伴う。蓄電池227は、シリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって伝熱部210の第2の部分210cに熱的に接続されている。本実施形態によると、蓄電池227は、第1の収容室226a内のスペースの大部分を占有するような大きさを有している。
充電・放電回路228が第2の収容室226bに収容されている。充電・放電回路228は、付加機能を有する部品の一例であって、蓄電池227に電気的に接続されている。充電・放電回路228は、プリント配線板に実装された複数の回路素子を有する。回路素子のうちの幾つかは、動作中に発熱を伴う。充電・放電回路228は、シリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材によって伝熱部210の第2の部分210cに熱的に接続されている。
本実施形態によると、蓄電池227および充電・放電回路228は、耐熱温度が互いに相違している。さらに、蓄電池227および充電・放電回路228の耐熱温度は、LED220の耐熱温度よりも低い。
第2の断熱壁225bが電源回路5と蓄電池227の間に介在されている。第2の断熱壁225bは、支柱101を径方向に貫通することで、電源回路5と蓄電池227との間を熱的に遮断している。第2の断熱壁225bは、例えば第1の断熱壁225aと同等の断熱性能を有する材料で形成することが望ましい。
蛍光体被膜221が導光体208の球状部216の内周面216aに積層されている。蛍光体被膜221は、球状部216の内周面216aからベース部215の内面を連続して覆っている。蛍光体被膜221に含まれる蛍光体粒子は、発光ダイオード220が発する光により励起されて、発光ダイオード220が発する光と補色の関係にある色の光を発する。
具体的には、蛍光体粒子は、発光ダイオード220が発する青色光を吸収して波長560nm付近の黄色光を発する。この結果、白色の光が導光体208の頂点を含む領域に入射される。導光体208に入射された光の一部は、拡散レンズ213を透過してグローブ部205の外に放射される。導光体208に入射された残りの光は、拡散レンズ213により導光体208の球状部216の壁の内部に向けて反射される。
球状部216に入射された光のうち、球状部216の外周面216bに対する入射角が臨界角以上の光、すなわち、全反射条件を満たす光は、球状部216の外周面216bと内周面216aとの間で全反射を繰り返しながら、球状部216の壁の内部を球状部216の頂点の側から口金3に向けて進行する。
本実施形態によると、球状部216の内周面216aに積層された蛍光体被膜221は、導光体208を透過する光を散乱させる散乱マークとして機能する。このため、散乱マークにより散乱されて全反射条件を満たさない光は、球状部216の外周面216bで全反射することなく、球状部216を透過してグローブ部205の外に放射される。
この結果、導光体208から全面的に光が放射され、LEDランプ100は広配光な照明装置として機能する。
第12の実施形態によると、蛍光体被膜221は、導光体208の球状部216の内周面216aに積層されているので、当該蛍光体被膜221が発光モジュール206のLED220から離れている。このため、蛍光体被膜221が励起することで発熱しても、蛍光体被膜221の熱がLED220に直に伝わるのを回避できる。よって、LED220の過度の温度上昇を防止でき、LED220の寿命が長くなる。
さらに、蛍光体被膜221は、球状部216の内周面216aに積層されているので、蛍光体被膜221からLED220に戻る光の割合が少なくなる。このため、光の損失を少なく抑えることができ、白色の光を導光体208の球状部216の外周面216bから周囲環境に効率よく放出することができる。
第12の実施形態において、蛍光体被膜221は、球状部216の内周面216aに積層することに限定されない。例えば、図23に二点鎖線で示すように、蛍光体被膜221を球状部216の外周面216bに積層したり、あるいは球状部216の内周面216aおよび外周面216bの双方に積層してもよい。
第12の実施形態において、蛍光体被膜221は、球状部216の内周面216aに均一に積層することに限定されない。例えば、蛍光体被膜221は、発光モジュール206の近傍では疎または薄く積層し、発光モジュール206の遠方では密または厚く積層するようにしてもよい。このようにすれば、LEDランプ100の表面の発光分布を均一化することができる。
加えて、球状の導光体208は、一体構造物に限らず、任意に分割された複数の要素を組み合わすことで構成してもよい。例えば、導光体208を中心軸線O1と平行な方向に複数の要素に分割すれば、発光モジュール206の光を口金3の付近まで容易に導くことができる。
さらに、導光体208を中心軸線O1に対し直交する方向に複数の要素に分割すれば、分割された要素の端面での光の反射を防ぐ加工が必要となるが、導光体208の外観は向上する。分割された複数の要素の接合手段としては、例えば超音波溶着、振動溶着、誘導溶着、高周波溶着、半導体レーザー溶着、熱溶着、スピン溶着のような各種の溶着方法、あるいは接着剤、両面テープ、グリスを用いた接着方法を適用することができる。
[第13の実施形態]
図24は、第13の実施形態を開示している。第13の実施形態に係るLEDランプ100は、グローブ部102の構成が第6の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第6の実施形態と同様である。そのため、第13の実施形態において、第6の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図24に示すように、蓄電池138が収容された第1の収容室137aおよび充電・放電回路139が収容された第2の収容室137bは、夫々グローブ部102の外から隔離された密閉空間となっている。
本体107の内面は、断熱部材132から離れている。言い換えると、本体107の内面と断熱部材132との間に密閉された第1の隙間231が形成されている。第1の隙間231は、例えば本体107の内面から突出された複数の突起(図示せず)を断熱材132の表面に突き当てることで形成してもよいし、あるいは本体107の内面と断熱部材132との間に複数のスペーサ(図示せず)を介在させることで形成してもよい。第1の収容室137a、第2の収容室137bおよび第1の隙間231は、真空もしくは真空に近い減圧雰囲気に保たれている。
本体107と第1の導光体108との間に密閉された第2の隙間232が形成されている。第2の隙間232は、前記第6の実施形態と同様に、本体107の表面から突出された複数の突起(図示せず)を第1の導光体108の内面に突き当てることで形成してもよいし、あるいは前記第7の実施形態と同様に、第1の導光体108の内面から突出された複数の突起(図示せず)を本体107の表面に突き当てることで形成してもよい。
第2の隙間232には、空気よりも熱伝導性に優れた気体が封入されている。封入する気体としては、例えばヘリウムあるいは水素が好ましい。したがって、第2の隙間232の熱伝導率は、第1の収容室137a、第2の収容室137bおよび第1の隙間231の熱伝導率よりも大きく設定されている。
第13の実施形態によると、発光モジュール103と蓄電池138、および発光モジュール103と充電・放電回路139との間が断熱部材132で熱的に遮断されている。それとともに、蓄電池138が収容された第1の収容室137a、充電・放電回路139が収容された第2の収容室137bおよび本体107と断熱部材132との間に規定された第1の隙間231が共に真空もしくは真空に近い減圧雰囲気に保たれている。
この結果、第1の収容室137a、第2の収容室137bおよび本体107と断熱部材132との間で熱の移動が抑制され、断熱部材132の存在と相まって蓄電池138および充電・放電回路139が発光モジュール103の熱影響を受け難くなる。
さらに、本実施形態によると、第2の隙間232に封入されたヘリウム又は水素は、空気よりも熱伝導性に優れている。このため、本体107に伝えられた発光モジュール103、蓄電池138および充電・放電回路139の熱は、ヘリウム又は水素を通じて第1の導光体108に効率よく伝達されるとともに、第1の導光体108の外周面116bから周囲環境に放出される。
この結果、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度に左右されることなく、発光モジュール103の熱を積極的に本体107に伝えることができる。したがって、より高出力のLED127を用いることが可能となり、LEDランプ100の全光束を増加させることができる。
[第14の実施形態]
図25は、第13の実施形態のLEDランプ100と関連性を有する第14の実施形態を開示している。第14の実施形態に係るLEDランプ100では、第1の収容室137a、第2の収容室137b、第1の隙間231および第2の隙間232に夫々空気が充填されている。
図25に示すように、第1の収容室137aおよび第2の収容室137bに露出された断熱部材132の内面、第1の隙間231に露出された断熱部材132の表面および第1の隙間231に露出された本体107の内面は、熱放射率が低い光沢面240となっている。
さらに、第2の隙間232に露出された本体107の表面には、熱放射率が高い塗料が塗布されている。そのため、本体107の表面は、光沢面240に比べて熱を放射し易い塗装面241となっている。
したがって、本実施形態では、本体107と断熱部材132との間の熱放射率よりも本体107と第1の導光体108との間の熱放射率が大きく設定されている。
第14の実施形態によると、第1の収容室137aおよび第2の収容室137bに露出された断熱部材132の内面、第1の隙間231に露出された断熱部材132の表面および第1の隙間231に露出された本体107の内面を夫々光沢面240とすることで、本体107と断熱部材132との間での熱交換を抑制することができる。このため、断熱部材132の存在と相まって、発光モジュール103と蓄電池138、および発光モジュール103と充電・放電回路139との間の断熱性が向上する。
さらに、第1の導光体108で覆われた本体107の表面を塗装面241とすることで、本体107に伝えられた発光モジュール103の熱、蓄電池138の熱および充電・放電回路139の熱を第2の隙間232に効率よく放射することができる。
この結果、発光モジュール103の熱、蓄電池138の熱および充電・放電回路139の熱を本体107から第1の導体体108に積極的に伝えて、第1の導光体108の外周面116bから周囲環境に放出することができる。
よって、蓄電池138および充電・放電回路139の耐熱温度に左右されることなく、より高出力のLED127を用いることが可能となり、LEDランプ100の全光束を増加させることができる。
第14の実施形態では、第1の収容室137a、第2の収容室137b、第1の隙間231および第2の隙間232が空気で満たされているが、これに特定されるものではない。例えば第13の実施形態と同様に、第1の収容室137a、第2の収容室137bおよび第1の隙間231を真空もしくは真空に近い減圧雰囲気とするとともに、第2の隙間232にヘリウム又は水素のような気体を封入してもよい。
[第15の実施形態]
図26は、第15の実施形態を開示している。第15の実施形態に係るLEDランプ100は、グローブ部102の構成が第6の実施形態と相違している。それ以外のLEDランプ100の構成は、基本的に第6の実施形態と同様である。そのため、第15の実施形態において、第6の実施形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図26に示すように、グローブ部102は、第6の実施形態の第2の導光体109に代わって拡散カバー250を備えている。拡散カバー250は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィンあるいはガラスのような光透過性を有する材料で形成されている。
拡散カバー250は、第1の導光体108の受光部117と口金3との間で支柱101を取り囲んでいる。拡散カバー250は、肉厚が略一定の薄い板であって、口金3から受光部117に向けてフレア状に拡開された傘のような形状を有している。拡散カバー250は、受光部117の第1の光反射面119および反射リング104を口金3の側から覆い隠している。
拡散カバー250は、第1の面251および第2の面252を含んでいる。第1の面251は、第1の導光体108の球状部116の外周面116bと支柱101の外表面との間を滑らかに結ぶように湾曲されている。第2の面252は、第1の面251に沿うように湾曲されている。そのため、拡散カバー250と受光部117および拡散カバー250と反射リング104との間には、空間253が形成されている。
拡散カバー250の第1の面251は、例えば多数の微細な凹凸が設けられた白色の光拡散面となっている。光拡散面は、微細な研磨材を第1の面251に全面的に吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
光拡散面は、サンドブラストに限らず、光を拡散させる粒子を含む塗料を第1の面251に塗布したり、散乱粒子を拡散カバー250に封入することで形成してもよい。さらに、光拡散面は、第1の面251に限らず、第2の面252に形成してもよいし、第1の面251および第2の面252の双方に形成しても良い。
第15の実施形態によると、発光モジュール103のLED127が発した光は、第6の実施形態と同様に直接もしくは間接的に第1の導光体108の受光部117に入射される。
受光部117に入射された光のうち、第1の反射面119を透過した光は、空間253を通じて拡散カバー250の第2の面252に入射される。拡散カバー250に入射された光は、拡散カバー250を透過する過程で広範囲に拡散された後、第1の面251からLEDランプ100の口金3の側に放射される。
この結果、第1の導光体108および拡散カバー250から全面的に光が放射され、LEDランプ100は広配光な照明装置として機能する。
なお、拡散カバーは、第15の実施形態に係るLEDランプの専用の要素ではなく、例えば第6の実施形態ないし第11の実施形態に係るLEDランプおよび第13の実施形態に係るLEDランプにおいても、その第2の導光体と置き換えて使用することができる。
[第16の実施形態]
図27は、第16の実施形態を開示している。第16の実施形態に係るLEDランプ300は、グローブ部102の主要部を除いた部分の構成が第6の実施形態と相違している。そのため、第16の実施形態では、第6の実施形態と構成が異なる部分について説明し、第6の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図27に示すように、口金3がねじ込まれた支柱101は、グローブ部102に向けて延長された延長部301を有している。延長部301は、中空の円筒状であり、LEDランプ300の中心軸線O1と同軸状に設けられている。
本実施形態では、電源回路5は、延長部301の内側に収容されて、口金3から外れている。さらに、電源回路5は、例えば図示しないシリコーン等の充填剤、あるいは金属、セラミックス、プラスチックス等の部材を介して延長部301に熱的に接続されている。
延長部301は、口金3の反対側に位置された先端部301aを有している。先端部301aは、第1の導光体107の受光部117で取り囲まれている。受光部117に面した先端部301aの外周縁部に凹部302が形成されている。凹部302の内面は、例えば鏡面加工が施された第2の反射面303となっている。第2の反射面303は、受光部117の第1の反射面119と向かい合うとともに、第1の反射面119から遠ざかる方向に凹むように円弧状に湾曲されている。
さらに、前記第6の実施形態と同様に、発光モジュール103が有する複数のパッケージ126の一部は、受光部117の入射面118の内周部と向かい合っている。パッケージ126の残りの部分は、延長部301の第2の反射面303と向かい合っている。
図27に示すように、支柱101の延長部301は、拡散カバー304で覆われている。拡散カバー304は、例えばアクリル、ポリカーボネイト、シクロオレフィンあるいはガラスのような光透過性を有する材料で形成されている。
拡散カバー304は、LEDランプ300の中心軸線O1と同軸の円筒状であり、口金3と第1の導光体108の受光部117との間に配置されている。拡散カバー304は、口金3から受光部117の方向に進むに従って連続的に拡開するような形状を有し、受光部117を口金3の方向から覆い隠している。
さらに、拡散カバー304は、外周面305および内周面306を含んでいる。外周面305は、支柱101の外表面と第1の導光体108の球状部116の外周面116bとの間を直線状に結んでいる。外周面305は、口金3から球状部116の方向に進むに従いLEDランプ300の中心軸線O1から遠ざかるように傾いている。内周面306は、外周面305に沿うように直線状に延びている。
そのため、延長部301と拡散カバー304との間には、受光部117の第1の反射面119が臨む空間307が形成されている。空間307は、受光部117から口金3に向けて次第に狭まるような形状を有している。
拡散カバー304の外周面305は、例えば多数の微細な凹凸が設けられた白色の光拡散面となっている。光拡散面は、微細な研磨材を外周面305に全面的に吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
光拡散面は、サンドブラストに限らず、光を拡散させる粒子を含む塗料を外周面305に塗布したり、散乱粒子を拡散カバー304に封入することで形成してもよい。さらに、光拡散面は、外周面305に限らず、内周面306に形成してもよいし、外周面305および内周面306の双方に形成しても良い。
第16の実施形態において、発光モジュール103から放射された光の一部は、第6の実施形態と同様に、第1の導光体108の入射面118から直接受光部117に入射される。受光部117に入射された光の多くは、受光部117を通過して第1の反射面119に至るとともに、第1の反射面119で全反射される。第1の反射面119で全反射された光は、受光部117を透過して第1の導光体108の球状部116に導かれる。
発光モジュール103から放射された光のうち入射面118から外れた光は、支柱101の延長部301の第2の反射面303に向かう。第2の反射面303は、発光モジュール103からの光の多くを第1の反射面119に向けて反射させる。第2の反射面303で反射された光は、第1の反射面119から受光部117に入射されるとともに、受光部117を通過して第1の導光体108の球状部116に導かれる。球状部116に導かれた光は、第6の実施形態と同様の経路で球状部116の外に放射される。
第1の導光体108の受光部117に入射された光のうち、第1の反射面119を透過した光は、空間307を通じて拡散カバー304の内周面306から拡散カバー304に入射される。空間307に導かれた光の一部は、延長部301の外周面で反射されて拡散カバー304の内周面306に向かう。
空間307に面した延長部301の外周面に例えば研磨あるいは金属蒸着を施したり、白色に塗装することで、延長部301の外周面の上での光損失を抑制することができる。
拡散カバー304に入射された光は、拡散カバー304を透過する過程で広範囲に拡散された後、拡散カバー304の外周面305からLEDランプ300の周囲に放射される。
この結果、第1の導光体108および拡散カバー304から全面的に光が放射され、LEDランプ300は広配光な照明装置として機能する。
実施形態によると、支柱101の延長部301を覆う拡散カバー304は、LEDランプ300の中心軸線O1の軸方向に延びた円筒状の形状を有している。そのため、延長部301の表面積が増大し、LEDランプ300の発光面積が広くなる。
本実施形態では、発熱する電源回路5が熱伝導性を有する延長部301の内側に収容されている。電源回路5が発した熱は、延長部301から空間307内の媒質である空気層を通じて拡散カバー304に伝わるとともに、拡散カバー304の外周面305から周囲環境に放出される。
さらに、延長部301に伝えられた電源回路5の熱の一部は、延長部301から支柱101を経由して口金3に伝わり、口金3からソケットを経てLEDランプ300の外に放出される。したがって、支柱101の延長部301は、放熱用の熱伝導部としての機能を兼ね備えている。
拡散カバーおよび延長部を有する支柱は、第16の実施形態に係るLEDランプの専用の要素ではなく、例えば第6の実施形態ないし第11の実施形態に係るLEDランプにおいても、その支柱および第2の導光体と置き換えて使用することができる。
[第17の実施形態]
図28は、第17の実施形態を開示している。第17の実施形態は、支柱101の延長部301を導光体400で包囲した点が第16の実施形態と相違している。これ以外のLEDランプ300の構成は、第16の実施形態と同様である。そのため、第17の実施形態において、第16の実施形態と同一の構成については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
導光体400は、第16の実施形態と同様に光透過性を有する材料で形成されている。導光体400は、外周面401、内周面402および端面403を有している。
外周面401は、支柱101の外表面と第1の導光体108の球状部116の外周面116bとの間を直線状に結んでいる。外周面401は、口金3から球状部116の方向に進むに従いLEDランプ300の中心軸線O1から遠ざかるように傾いている。
内周面402は、延長部301を同軸状に取り囲むようにLEDランプ300の中心軸線O1と平行に延びている。したがって、導光体400の肉厚Tは、口金3から球状部116の方向に進むに従い連続的に増加している。導光体400の内周面402と延長部301との間には、隙間404が形成されている。
端面403は、受光部117の第1の反射面119と向かい合うとともに、第1の反射面119に沿うように円弧状に湾曲されている。端面403と第1の反射面119との間には、隙間405が形成されている。隙間404,405は、発光モジュール103から放射される光の波長λよりも大きく設定することが望ましく、隙間404,405の適正値は、例えば0.01〜1.0mmである。
さらに、導光体400の内周面402は、例えば多数の微細な凹凸が設けられた白色の光拡散面となっている。光拡散面は、微細な研磨材を内周面402に全面的に吹き付ける、いわゆるサンドブラストによって形成されている。
光拡散面は、サンドブラストに限らず、光を拡散させる粒子を含む塗料を内周面402に塗布したり、散乱粒子を導光体400に封入することで形成してもよい。さらに、光拡散面は、内周面402に限らず、外周面401に形成してもよいし、内周面402および外周面401の双方に形成しても良い。
第17の実施形態によると、発光モジュール103から放射された光は、第16の実施形態と同様の経路を通って第1の導光体108の球状部116に導かれるとともに、球状部116の外周面116bから周囲環境に放射される。
第1の導光体108の受光部117に入射された光のうち、第1の反射面119を透過した光は、隙間405を通じて導光体400の端面403から導光体400の壁の内部に入射される。導光体400に入射された光の一部は、導光体400の内周面402および外周面401で全反射を繰り返して口金3の側に向けて進行する。
全反射条件を満たさない光は、導光体400の外周面401を透過して周囲環境に放射される。この結果、第1の導光体108および導光体400から全面的に光が放射され、LEDランプ300は広配光な照明装置として機能する。
導光体400は、一体構造物に限らず、任意に分割された要素を組み合わすことで構成してもよい。例えば、導光体400を中心軸線O1と平行な方向に複数の要素に分割すれば、発光モジュール103の光を口金3まで容易に導くことができる。さらに、導光体400を中心軸線O1に対し直交する方向に複数の要素に分割すれば、分割された要素の端面での光の反射を防ぐ加工が必要となるが、導光体400の外観は向上する。
分割された複数の要素の接合手段としては、例えば超音波溶着、振動溶着、誘導溶着、高周波溶着、半導体レーザー溶着、熱溶着、スピン溶着のような各種の溶着方法、あるいは接着剤、両面テープ、グリスを用いた接着方法を適用することができる。
なお、導光体および支柱の延長部は、第18の実施形態に係るLEDランプの専用の要素ではなく、例えば第6の実施形態ないし第11の実施形態に係るLEDランプにおいても、その支柱および第2の導光体と置き換えて使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、照明装置は、電球形のLEDランプに特定されるものではなく、室内の天井面あるいは壁面に直付けする照明用構造体あるいは天井面から吊り下げる形式の照明用構造体であっても同様に実施可能である。