以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態においては、車両のフリーストップドアチェック装置に適用されるピストンシリンダ装置について説明する。図1は本実施形態に係るピストンシリンダ装置が搭載される車両の概略図である。図1に示す車両Vは、車体B(本体)および車両ドアDRを備える。車体Bの側方部に乗降用の開口OPが形成される。開口OPの車両前方の縁部(前縁部)FEに一対のドアヒンジH,Hが上下方向に沿って取り付けられる。一対のドアヒンジH,Hを介して車両ドアDRが車体Bに揺動可能に連結される。従って、車両ドアDRは車体Bに形成された開口OPを開閉可能に車体Bに取り付けられる。
図2は図1のA部を詳細に示す図である。図2に示すように、一対のドアヒンジH,Hはそれぞれ同軸のヒンジ軸H1、H1を備える。車両ドアDRの開閉時に車両ドアDRはヒンジ軸H1,H1を中心として車体Bに対して揺動する。また、前縁部FEにブラケットBRがボルト等の締結手段により固定される。このブラケットBRにピンPを介して、本実施形態に係るピストンシリンダ装置の構成要素である第一ロッド部材3の一方端3aが、上下方向に沿った軸周りに揺動可能に連結される。一方端3aが車体Bに揺動可能に連結された第一ロッド部材3は、車両ドアDRの全閉時に車体Bの前縁部FEに対面する部分である車両ドアDRの前端部DEに形成された孔Yを経由して、車両ドアDR内に延出される。車両ドアDRの閉動作に伴い、第一ロッド部材3は孔Yを経由して車両ドアDR内に進入する。一方、車両ドアDRの開動作に伴い、第一ロッド部材3は孔Yを経由して車両ドアDR内から退出する。
図3は、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1を、第一ロッド部材3の軸方向及び上下方向に平行な面で切断した概略断面図である。このピストンシリンダ装置1は、車体Bと車両ドアDRとの間に設けられ、車両ドアDRを開閉する際に、磁力に基づく保持力を発生する。図3に示すように、ピストンシリンダ装置1は、シリンダ部材2と、第一ロッド部材3と、ピストン部材4と、第二ロッド部材5と、バルブユニット6(弁部材)と、可撓性軸部材7と、曲げガイド部材8とを備える。なお、図3において、第一ロッド部材3の軸方向(左右方向)をロッド長手方向と呼び、ロッド長手方向のうち左方をロッド前方、右方をロッド後方と呼ぶ。
シリンダ部材2は、ロッド長手方向に沿った方向に延設するように形成される。また、本実施形態において、シリンダ部材2は、下側部分2Lと上側部分2Uを備えており、上側部分2Uが下側部分2Lの上部に重ねられるような2段構造とされている。また、下側部分2L内に下側空間SLが形成され、上側部分2U内に上側空間SUが形成される。上側空間SU及び下側空間SLはともに円柱形状をなし、それらの軸方向がロッド長手方向に一致するように、両空間SU,SLが平行配置される。また、下側空間SLの図3において右端部分(ロッド後方端部分)と、上側空間SUの図3において右端部分(ロッド後方端部分)は、互いに連通している。
下側空間SL内及び上側空間SU内に、オイル等の粘性流体が封入される。下側空間SL及び上側空間SUにより、本発明における流体封入空間Sが形成される。流体封入空間Sは、下側空間SLと上側空間SUとの連結部分にて折り曲げられたような形状とされている。また、図3からわかるように、上側部分2Uのロッド長手方向における長さは、下側部分2Lのロッド長手方向における長さよりも短い。従って、上側部分2Uのロッド長手方向におけるロッド前方端を構成する壁面2aと車両ドアDRの壁面との間には、所定の長さの隙間Gが形成される。
また、図3に示すように、シリンダ部材2の下側部分2Lの上面及び下面に回転軸ピン91,91が上下方向に沿って同軸的に取り付けられる。それぞれの回転軸ピン91,91はアーム92,92に回転可能に連結される。アーム92,92は、上下方向に垂直な方向に沿って互いに平行に延びており、その先端部分(図3において左端部分)にてボルト等の締結部材によって車両ドアDRに固定される。このため、シリンダ部材2は、回転軸ピン91,91を中心として、上下方向に垂直な平面内で揺動可能に車両ドアDRの内部に取り付けられる。
また、下側空間SL内にピストン部材4が配設される。このピストン部材4は、円板状の第一壁部41(一方壁面)と、円板状の第二壁部42(他方壁面)と、接続部43と、第一筒状シール部44と、第二筒状シール部45とを備える。ピストン部材4の構成要素のうち、第一壁部41と第二壁部42が磁性体により形成され、それ以外の部分は非磁性体により形成される。第一壁部41と第二壁部42が、下側空間SL内にてロッド長手方向に離間して対面するように、対向配置している。また、第一壁部41の中央部分に、第一開口41aが形成されており、第二壁部42の中央部分に、第二開口42aが形成されている。第一壁部41と第二壁部42は、接続部43を介して連結している。なお、接続部43は、枠体状に形成されており、第一壁部41と第二壁部42とを接続した状態において、これらの構成に囲まれた領域が密閉空間を形成しないように、構成される。
第一筒状シール部44は第一壁部41に取り付けられ、第二筒状シール部45は第二壁部42に取り付けられる。第一筒状シール部44及び第二筒状シール部45は、それぞれ、下側空間SLを構成するシリンダ部材2の内壁面に、周方向に亘り接触可能に構成される。このため、ピストン部材4(第一筒状シール部44及び第二筒状シール部45)により、下側空間SLが、第一壁部41のうち図3においてロッド前方側を向く面に面する下側第一空間SL1と、第二壁部42のうち図3においてロッド後方側を向く面に面する下側第二空間SL2と、第一壁部41と第二壁部42との間の下側中間空間SLMとに区画される。下側第一空間SL1が、本発明の第一空間に相当する。また、下側第二空間SL2は上側空間SUと連通している。下側第二空間SL2及び上側空間SUを合わせた空間が、本発明の第二空間に相当する。
また、第一筒状シール部44は、下側第一空間SL1から下側中間空間SLMに向かう流体の流れを遮断し、下側中間空間SLMから下側第一空間SL1に向かう流体の流れを許容するように形成される。第二筒状シール部45は、下側第二空間SL2から下側中間空間SLMに向かう流体の流れを遮断し、下側中間空間から下側第二空間SL2に向かう流体の流れを許容するように形成される。
このような構成のピストン部材4は、下側空間SL内を、ロッド長手方向に沿って移動可能である。
シリンダ部材2の下側部分2Lのロッド前方端を構成する壁面に、第一貫通孔21が形成される。第一貫通孔21を経由して、第一ロッド部材3が下側第一空間SL1内に進入している。また、シリンダ部材2の上側部分2Uのロッド前方端を構成する壁面に第二貫通孔22が形成される。第二貫通孔22を経由して、第二ロッド部材5が上側空間SUに進入している。
第一ロッド部材3は、上述したようにその一方端3aにて車体Bに連結しているが、その他方端3bにて、ピストン部材4の第一壁部41に連結する。従って、第一ロッド部材3は、ピストン部材4の移動に伴って、軸方向移動する。また、図3に示すように、第一ロッド部材3の他方端3b側の内部に、第一連通路31が形成される。第一連通路31は、径方向通路31aと軸方向通路31bとを有し、その断面がT字形状を呈する。径方向通路31aは第一ロッド部材3の径方向に沿って形成され、その両端は第一ロッド部材3の側周面であって、下側第一空間SL1に位置する部分に開口する。軸方向通路31bは第一ロッド部材3の軸方向に沿って形成され、その一端が径方向通路31aに連通し、その他端が第一壁部41に形成されている第一開口41aに通じる。第一開口41a及び第一連通路31を経て、下側第一空間SL1と下側中間空間SLMが連通する。
また、図3に示すように、ピストン部材4の第二壁部42には、通路形成部材46が取り付けられている。この通路形成部材46の内部には、第二連通路47が形成されている。第二連通路47は、径方向通路47a及び軸方向通路47bを有する。径方向通路47aは、下側第二空間SL2に開口する。軸方向通路47bはロッド長手方向に沿って形成され、その一端が径方向通路47aに連通し、その他端が第二壁部42に形成されている第二開口42aに通じる。従って、第二開口42a及び第二連通路47を経て、下側第二空間SL2と下側中間空間SLMが連通する。
ピストン部材4の第一壁部41と第二壁部42との間に、バルブユニット6が配設される。ここで、第一壁部41と第二壁部42との間には、下側中間空間SLMが形成されており、バルブユニット6はこの下側中間空間SLM内に設けられている。また、下側中間空間SLMは、第一空間(下側第一空間SL1)と第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)との間に設けられている。従って、バルブユニット6は、第一空間と第二空間との間に設けられていることになる。
図4は、バルブユニット6の詳細を示す概略断面図である。図4に示すように、バルブユニット6は、第一バルブ6aと第二バルブ6bとを備える。第一バルブ6aは、第一バルブケース61と、第一弁体62と、第一磁石63と、第一ヨーク64とを有する。第二バルブ6bは、第二バルブケース65と、第二弁体66と、第二磁石67と、第二ヨーク68とを有する。
第一バルブケース61は樹脂製であり、その内部に第一磁石63及び第一ヨーク64が埋め込まれている。第一ヨーク64は、磁性体により形成された一対のアーム64a,64bからなり、一方のアーム64aが第一磁石63のN極に接触し、他方のアーム64bが第一磁石63のS極に接触するように、第一バルブケース61に埋め込まれている。それぞれのアーム64a,64bの先端部分は、第一バルブケース61の同一の表面から突出している。また、第一弁体62は、第一バルブケース61の表面のうち、一対のアーム64a,64bのそれぞれの先端部分が突出している面であって且つ一対のアーム64a,64b間の領域部分に取り付けられている。
第二バルブケース65も樹脂製であり、その内部に第二磁石67及び第二ヨーク68が埋め込まれている。第二ヨーク68は、磁性体により形成された一対のアーム68a,68bからなり、一方のアーム68aが第二磁石67のN極に接触し、他方のアーム68bが第二磁石67のS極に接触するように、第二バルブケース65に埋め込まれている。それぞれのアーム68a,68bの先端部分は、第二バルブケース65の同一の表面から突出している。また、第二弁体66は、第二バルブケース65の表面のうち、一対のアーム68a,68bのそれぞれの先端部分が突出している面であって且つ一対のアーム68a,68b間の領域部分に取り付けられている。
第一弁体62は、図3及び図4に示すように、第一壁部41の第一開口41aを下側中間空間SLM側から塞ぐことができるように、下側中間空間SLM内に配設されている。第一弁体62が第一開口41aを塞いでいるとき、第一ヨーク64の一対のアーム64a,64bの先端面が、磁性体からなる第一壁部41に接触する。このため磁性体を通過する磁路ループが形成されるとともに、第一磁石63の磁力が第一弁体62に作用することにより、所定の力(第一磁石63の磁力)でもって、第一開口41aが第一弁体62に塞がれる。このようにして、第一バルブ6aが第一開口41aを封止する。
第二弁体66は、図3及び図4に示すように、第二壁部42の第二開口42aを下側中間空間SLM側から塞ぐことができるように、下側中間空間SLM内に配設されている。第二弁体66が第二開口42aを塞いでいるとき、第二ヨーク68の一対のアーム68a,68bの先端面が、磁性体からなる第二壁部42に接触する。このため磁性体を通過する磁路ループが形成されるとともに、第二磁石67の磁力が第二弁体66に作用することにより、所定の力(第二磁石67の磁力)でもって、第二開口42aが第二弁体66に塞がれる。このようにして、第二バルブ6bが第二開口42aを封止する。
上記のようにして第一開口41a及び第二開口42aが第一バルブ6a及び第二バルブ6bにより塞がれている場合、下側第一空間SL1と下側第二空間SL2との間の流体の流通は、遮断される。このとき、第一磁石63の磁力が、車両ドアDRを開動作させる際の保持力として車両ドアDRに作用し、第二磁石67の磁力が、車両ドアDRを閉動作させる際の保持力として車両ドアDRに作用する。
図3に示すように、シリンダ部材2内の第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)のロッド後方端側に、直方体状の空間が形成されており、この直方体状の空間内に、曲げガイド部材8が配設されている。図5は、曲げガイド部材8の斜視図である。図5に示すように、曲げガイド部材8は、シリンダ部材2内のロッド後方側に形成されている直方体状の空間内に収まるように、直方体状に形成されている。曲げガイド部材8は、例えば金属部材により構成されている。
曲げガイド部材8内に、内部通路81が形成されている。図6は、図3に示す断面のうち、曲げガイド部材8の断面のみを示す図である。図5及び図6に示すように、曲げガイド部材8に形成されている内部通路81は、進行方向に沿って円弧を描くように形成された部分を有する。そのため、内部通路81の形状はU字形状である。そして、U字形状の内部通路81の両端が、曲げガイド部材8の表面のうち、シリンダ部材2内の第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)に面する面である前方面8aに、共に開口する。
曲げガイド部材8の前方面8aに開口した内部通路81の両開口は、図5及び図6に示すように上下に所定の間隔を開けてそれぞれ形成される。2つの開口のうち下方に位置する開口を下側開口82と呼び、上方に位置する開口を上側開口83と呼ぶ。下側開口82は、前方面8aのうち下側第二空間SL2に面する位置に形成され、上側開口83は、前方面8aのうち上側空間SUに面する位置に形成される。下側開口82の形状は、V字形状であり、一方、上側開口83の形状は、逆V字形状である。
また、図5及び図6に示すように、内部通路81は、下側断面徐変区間81a、定断面区間81b、及び上側断面徐変区間81cを有する。断面V字状の下側開口82は下側断面徐変区間81aの開口であり、断面逆V字状の上側開口83は上側断面徐変区間81cの開口である。下側断面徐変区間81aは下側開口82から曲げガイド部材8の内方に向かって延設され、上側断面徐変区間81cは上側開口83から曲げガイド部材8内方に向かって延設される。曲げガイド部材8がシリンダ部材2内に配設されたとき、下側断面徐変区間81a及び上側断面徐変区間81cは、共に、ロッド長手方向に向かって延設される。また、曲げガイド部材8内にて、下側断面徐変区間81aと上側断面徐変区間81cが定断面区間81bを介して連通されている。
定断面区間81bは、その長手方向(進行方向)に垂直な断面形状が一定の区間であり、その断面形状は、薄板状(平板状)、すなわちI字形状である。この定断面区間81bは、その進行方向(長手方向)及び幅方向に垂直な方向に曲げられている。そのため、図6に示すように、定断面区間81bは、進行方向に沿って円弧を描くように形成される。また、下側断面徐変区間81a及び上側断面徐変区間81cは、それぞれ、その長手方向(進行方向)に垂直な断面形状が変化する区間である。
下側断面徐変区間81aの断面形状は、一方端側(下側開口82側)から他方端側(定断面区間81bに接続されている側)に向かって、V字形状からI字形状へと連続的に変化している。また、上側断面徐変区間81cの断面形状は、一方端側(上側開口83側)から他方端側(定断面区間81bに接続されている側)に向かって、逆V字形状からI字形状へと連続的に変化している。
従って、内部通路81の長手方向(進行方向)に垂直な断面形状は、下側開口82から上側開口83に向かうにつれて、V字形状からI字形状に連続的に変化し、I字形状で一定の部分を経て、I字形状から逆V字形状に連続的に変化する。
また、図3に示すように、第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)に、可撓性軸部材7が配設されている。この可撓性軸部材7は、軸状の部材であって、軸方向に垂直な方向に曲げることができる(或いは撓むことができる)ように構成されている。可撓性軸部材7として、例えば、鉛及びPVC(塩ビ)から構成される自在定規用の軸状部材を用いることができる。また、平板状の金属材料により可撓性軸部材7を構成してもよい。本実施形態では、平板状の金属材料が、可撓性軸部材7として用いられる。平板状の金属材料は、その長手方向及び幅方向に垂直な方向に曲げる(撓む)ことができる。
可撓性軸部材7は、曲げガイド部材8の内部通路81内に挿通される部分を有する。また、可撓性軸部材7の一方の端部は、下側第二空間SL2内にて、通路形成部材46を介してピストン部材4の第二壁部42に連結され、他方の端部は、上側空間SUに位置する。そして、上側空間SUにて、可撓性軸部材7の他方の端部が第二ロッド部材5の端部に連結される。つまり、可撓性軸部材7は、曲げガイド部材8の内部通路81に挿通された状態で、ピストン部材4と第二ロッド部材5との間に介在される。
可撓性軸部材7のうち、内部通路81を挿通している部分は、内部通路81の断面形状に合った形状に変形させられる。従って、可撓性軸部材7のうち、下側断面徐変区間81aを挿通している部分の断面形状は、下側断面徐変区間81aの一方端側(下側開口82側)から他方端側(定断面区間81bに接続されている側)に向かって、V字形状からI字形状へと連続的に変化する。また、可撓性軸部材7のうち、内部通路81の上側断面徐変区間81cを挿通している部分の断面形状は、上側断面徐変区間81cの一方端側(上側開口83側)から他方端側(定断面区間81bに接続されている側)に向かって、逆V字形状からI字形状へと連続的に変化する。また、可撓性軸部材7のうち、内部通路81の定断面区間81bを挿通している部分の断面形状は、一定のI字形状である。
また、可撓性軸部材7のうち、下側第二空間SL2に配設されている部分、すなわち、ピストン部材4の第二壁部42(通路形成部材46)に連結されている端部から曲げガイド部材8の下側開口82に至るまでの部分の断面形状は、下側開口82の形状と同じV字形状である。また、可撓性軸部材7のうち、上側空間SUに配設されている部分、すなわち、第二ロッド部材5に連結されている端部から曲げガイド部材8の上側開口83に至るまでの部分の断面形状は、上側開口83の形状と同じ逆V字形状である。
図7は、第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)及び曲げガイド部材8内に配設されている可撓性軸部材7の配設状態を示す概略斜視図である。図7に示すように、可撓性軸部材7の一方端側の部分(一方側部分7a)の断面形状がV字形状であり、他方端側の部分(他方側部分)7bの断面形状が逆V字形状であり、中間部分7cの断面形状がI字形状である。そして、断面V字形状の一方側部分7aと断面I字形状の中間部分7cとの間の第一徐変部分7dの断面形状が、一方側部分7aから中間部分7cに向かうにつれて、V字形状からI字形状に連続的に変化する。また、断面逆V字形状の他方側部分7bと断面I字形状の中間部分7cとの間の第二徐変部分7eの断面形状が、他方側部分7bから中間部分7cに向かうにつれて、逆V字形状からI字形状に連続的に変化する。
図7において、一方側部分7aが、可撓性軸部材7のうち下側第二空間SL2に配置している部分であり、他方側部分7bが、可撓性軸部材7のうち上側空間SUに配置している部分である。また、第一徐変部分7dが、内部通路81の下側断面徐変区間81aに挿通されている部分であり、第二徐変部分7eが、内部通路81の上側断面徐変区間81cに挿通されている部分であり、中間部分7cが、内部通路81の定断面区間81bに挿通されている部分である。
次に、ピストンシリンダ装置1の作動を説明する。まず、車両ドアDRが開動作する場合におけるピストンシリンダ装置1の作動を説明する。ピストンシリンダ装置1が図3に示す状態であるとき、車両ドアDRは全閉している。このとき、車両ドアDRを開動作させるためにユーザが車両ドアDRに開動作方向への力(開閉操作力)を加えると、その開閉操作力はシリンダ部材2内のピストン部材4に伝えられる。ピストン部材4は、開動作方向への開閉操作力によって、シリンダ部材2に対して図3の左方(ロッド前方)に相対移動しようとする。
ピストン部材4に開動作方向への開閉操作力が作用した場合、その開閉操作力によって、シリンダ部材2内の第一空間(下側第一空間SL1)内の圧力が上昇するとともに、第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)内の圧力が低下する。シリンダ部材2内の第一空間(下側第一空間SL1)内の圧力と第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)内の圧力との差圧力は、バルブユニット6に作用する。具体的には、上記差圧力は、第一壁部41の第一開口41aを封止している第一バルブ6a(第一弁体62)に作用する。第一バルブ6aは、第一磁石63と第一壁部41との間に発生している磁力(保持力)によって第一開口41aを封止している。従って、上記差圧力が、第一バルブ6aの保持力を上回らない限り、車両ドアDRは開作動しない。
上記差圧力が第一バルブ6aの保持力(バルブユニット6の開弁圧)を上回った場合、第一弁体62が第一開口41aから離れる。これによりバルブユニット6が開弁する。バルブユニット6が開弁して第一弁体62が開くと、高圧状態の第一空間(下側第一空間SL1)内の流体が第一連通路31を通り、第一開口41aを経由して下側中間空間SLMに流れ込む。さらに下側中間空間SLM内の流体が、第二筒状シール部45をシリンダ部材2の内壁から浮き上がらせる。これにより、第二筒状シール部45とシリンダ部材2の内壁との間に隙間が形成される。この隙間を通って下側中間空間SLM内の流体が第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)に流れ込む。図8は、第一弁体62が開いた場合における、シリンダ部材2内の流体の流れを示すピストンシリンダ装置1の概略断面図である。
第一弁体62が開いた場合、第一壁部41と第一バルブ6aに備えられる第一磁石63との距離が大きくなるため、第一バルブ6aによる保持力(磁力)が小さくされる。よって、ユーザは、小さい力で車両ドアDRを開動作させることができる。車両ドアDRが開動作すると、それに伴い、ピストン部材4が、シリンダ部材2に対して図3の左方(ロッド前方)に相対的に移動する。また、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3も、シリンダ部材2内を図3の左方(ロッド前方)に軸方向移動する。
ピストン部材4のロッド前方への移動に伴い、ピストン部材4の第二壁部42側に連結した可撓性軸部材7も、軸方向移動する。この場合、可撓性軸部材7のうち、下側第二空間SL2内に配設されている部分(一方側部分7a)は、ピストン部材4の移動とともに図3において左方(ロッド前方)に向かって軸方向移動する。また、可撓性軸部材7は、上述したように曲げガイド部材8内の内部通路81を挿通しており、この内部通路81は円弧形状の部分を有している。このため、可撓性軸部材7のうち、内部通路81内を挿通する部分は、曲げガイド部材8の内部通路81を挿通することによって、曲げられながら円弧状に軸方向移動する。よって、可撓性軸部材7の他方側部分(7b)の移動方向は、可撓性軸部材7の一方側部分(7a)の移動方向(すなわちピストン部材4及び第一ロッド部材3の移動方向)に対して180°方向変換される。こうして方向変換される結果、可撓性軸部材7のうち、上側空間SU内に配設されている部分(他方側部分7b)は、図3において右方(ロッド後方)に移動することになる。つまり、可撓性軸部材7の他方側部分7bは、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に移動する。
このとき、可撓性軸部材7は、曲げられている部分(内部通路81の定断面区間81bを挿通する部分)が長手方向に沿って連続的に変化されながら、軸方向移動する。また、可撓性軸部材7のうち曲げられている部分の断面形状は、I字形状にされており、長手方向及び幅方向に垂直な方向に容易に曲げることができる。
また、可撓性軸部材7の他方側部分7bの端部には、第二ロッド部材5が接続されている。このため、可撓性軸部材7の移動に伴って、第二ロッド部材5が軸方向移動する。このとき、第二ロッド部材5は、可撓性軸部材7の他方側部分7bの移動方向と同じ方向、すなわち図3において右方(ロッド後方)に移動する。つまり、第二ロッド部材5は、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に移動する。
第一ロッド部材3がロッド前方に軸方向移動することにより、第一ロッド部材3が下側第一空間SL1から引き出されるため、下側第一空間SL1内の空間容積が増加する。一方、第二ロッド部材5がロッド後方に軸方向移動することにより、第二ロッド部材5が上側空間SUに押し込まれるため、上側空間SUの空間容積が減少する。また、車両ドアDRの開作動中は第一バルブ6aが開いているため、第一空間(下側第一空間SL1)と第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)は連通している。つまり、車両ドアDRの開動作時に、ピストンシリンダ装置1内に形成される互いに連通した空間の一方の容積増加が、他方の容積減少により相殺される。このため、流体封入空間Sの容積は変動しない。なお、本実施形態において、第一ロッド部材3の直径及び第二ロッド部材5の直径は等しく、且つ、第一ロッド部材3の長手方向に垂直な断面積と第二ロッド部材5の長手方向に垂直な断面積は等しい。
車両ドアDRの開動作が任意の開度位置で停止した場合、第一バルブ6aが、互いに離間している第一磁石63と第一壁部41との間に発生する弱い磁力によって、第一壁部41に徐々に引き寄せられる。そして、やがて、第一ヨーク64と第一壁部41が接触することにより第一バルブ6aが第一壁部41の第一開口41aを封止する。このとき、再び強い保持力(磁力)が発生する。このように、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1は、車両ドアDRの開作動が停止した任意の位置で、大きな保持力を発生することができるフリーストップドアチェック装置を構成することができる。
次に、車両ドアDRが閉動作する場合におけるピストンシリンダ装置1の作動を説明するが、その作動は、基本的には、車両ドアDRが開作動する場合の作動と同じである。。図9は、車両ドアDRが全開であるときにおける、ピストンシリンダ装置1の状態を示す断面図である。車両ドアDRが全開であるときに、車両ドアDRを閉動作させるためにユーザが車両ドアDRに閉動作方向への力(開閉操作力)を加えると、その開閉操作力はシリンダ部材2内のピストン部材4に伝えられ、ピストン部材4はシリンダ部材2に対して図9の右方(ロッド後方)に相対移動しようとする。
ピストン部材4に閉動作方向への開閉操作力が作用した場合、その開閉操作力によって、シリンダ部材2内の第一空間(下側第一空間SL1)内の圧力が低下するとともに、第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)内の圧力が上昇する。シリンダ部材2内の第一空間(下側第一空間SL1)内の圧力と第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)内の圧力との差圧力が第二バルブ6bの保持力(バルブユニット6の開弁圧)を上回った場合、第二弁体66が第二開口42aから離れる。これによりバルブユニット6が開弁する。バルブユニット6が開弁して第二弁体66が開くと、高圧状態の第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)内の流体が第二連通路47を通り、第二開口42aを経由して下側中間空間SLMに流れ込む。さらに下側中間空間SLM内の流体が、第一筒状シール部44をシリンダ部材2の内壁から浮き上がらせる。これにより、第一筒状シール部44とシリンダ部材2の内壁との間に隙間が形成される。この隙間を通って下側中間空間SLM内の流体が第一空間(下側第一空間SL1)に流れ込む。図10は、第二弁体66が開いた場合における、シリンダ部材2内の流体の流れを示すピストンシリンダ装置1の概略断面図である。
第二弁体66が開いた場合、第二バルブ6bに備えられる第二磁石67と第二壁部42との距離が大きくなるため、第二バルブ6bによる保持力(磁力)が小さくされる。よって、ユーザは、小さい力で車両ドアDRを閉動作させることができる。車両ドアDRが閉動作すると、それに伴い、ピストン部材4がシリンダ部材2に対して図9の右方(ロッド後方)に相対的に移動する。また、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3も、シリンダ部材2内を図9の右方(ロッド後方)に軸方向移動する。
ピストン部材4のロッド後方への移動に伴い、ピストン部材4の第二壁部42側に連結した可撓性軸部材7も、軸方向移動する。この場合、可撓性軸部材7のうち、下側第二空間SL2内に配設されている部分(一方側部分7a)は、ピストン部材4の移動とともに図9において右方(ロッド後方)に向かって軸方向移動する。また、可撓性軸部材7は、上述したように曲げガイド部材8内の内部通路81を挿通しており、この内部通路81は円弧形状の部分を有している。このため、可撓性軸部材7のうち、内部通路81内を挿通する部分は、曲げガイド部材8の内部通路81を挿通することによって、曲げられながら円弧状に軸方向移動する。よって、可撓性軸部材7の他方側部分(7b)の移動方向は、可撓性軸部材7の一方側部分(7a)の移動方向(すなわちピストン部材4及び第一ロッド部材3の移動方向)に対して180°方向変換される。こうして方向変換される結果、可撓性軸部材7のうち、上側空間SU内に配設されている部分(他方側部分7b)は、図9において左方(ロッド前方)に移動することになる。つまり、可撓性軸部材7の他方側部分7bは、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に移動する。
このとき、可撓性軸部材7は、曲げられている部分(内部通路81の定断面区間81bを挿通する部分)が長手方向に沿って連続的に変化されながら、軸方向移動する。また、可撓性軸部材7のうち曲げられている部分の断面形状は、I字形状にされており、長手方向及び幅方向に垂直な方向に容易に曲げることができる。
また、可撓性軸部材7の他方側部分7bの端部には、第二ロッド部材5が接続されている。このため、可撓性軸部材7の移動に伴って、第二ロッド部材5が軸方向移動する。このとき、第二ロッド部材5は、可撓性軸部材7の他方側部分7bの移動方向と同じ方向、すなわち図9において左方(ロッド前方)に移動する。つまり、第二ロッド部材5は、ピストン部材4の移動に伴い、第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に移動する。
第一ロッド部材3がロッド後方に軸方向移動することにより、第一ロッド部材3が下側第一空間SL1に押し込まれるため、下側第一空間SL1内の空間容積が減少する。一方、第二ロッド部材5がロッド前方に軸方向移動することにより、第二ロッド部材5が上側空間SUから引き出されるため、上側空間SUの空間容積が増加する。また、車両ドアDRの閉作動中は第二バルブ6bが開いているため、第一空間(下側第一空間SL1)と第二空間(下側第二空間SL2及び上側空間SU)は連通している。つまり、車両ドアDRの閉動作時に、ピストンシリンダ装置1内に形成される互いに連通した空間の一方の容積減少が、他方の容積増加により相殺される。このため、流体封入空間Sの空間容積は変動しない。
車両ドアDRの閉作動が任意の開度位置で停止した場合、第二バルブ6bが、互いに離間している第二磁石67と第二壁部42との間に発生する弱い磁力によって、第二壁部42に徐々に引き寄せられる。そして、やがて、第二ヨーク68と第二壁部42が接触することにより第二バルブ6bが第二壁部42の第二開口42aを封止する。このとき、再び強い保持力(磁力)が発生する。このように、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1は、車両ドアDRの閉作動が停止した任意の位置で、大きな保持力を発生することができるフリーストップドアチェック装置を構成することができる。
以上のように、本実施形態に示したピストンシリンダ装置1は、車両用のフリーストップドアチェック装置に適用できる。また、本実施形態に示したピストンシリンダ装置1は、ピストン部材4に二つのロッド部材(第一ロッド部材3及び第二ロッド部材5)が取り付けられており、これらのロッド部材によって、シリンダ部材2内の流体封入空間が貫通されている。すなわち、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1は、ロッド貫通タイプのドアチェック装置である。このため、ピストン部材4及び各ロッド部材3,5が流体封入空間S内で移動した場合に、流体封入空間Sの空間容積は変動しない。つまり、ロッド非貫通タイプのドアチェック装置に必要な体積補償空間を必要としない。よって、コンパクトにドアチェック装置を構成することができる。
また、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1によれば、車両ドアDRの開閉動作に伴って、シリンダ部材2内の流体封入空間S内でピストン部材4が移動し、ピストン部材4の移動に伴って、ピストン部材4に接続された第一ロッド部材3及び第二ロッド部材5がそれぞれ軸方向移動する。このとき、ピストン部材4と第二ロッド部材5との間に設けられた可撓性軸部材7が、曲げガイド部材8内に形成された円弧状の内部通路81を挿通することによってその移動方向を方向転換するために、第二ロッド部材5が、第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に軸方向移動する。このため、第一ロッド部材3と第二ロッド部材5が同じ方向に軸方向移動する場合と比較して、ピストンシリンダ装置1の全長(ピストン部材4の移動方向(ロッド長手方向)における長さ)が短縮される。よって、ピストンシリンダ装置1をより一層コンパクトに構成することができる。
また、ピストン部材4の移動に伴って可撓性軸部材7が曲げガイド部材8内の内部通路81内を移動するが、このとき可撓性軸部材7は、内部通路81の断面形状に合った形状に変形されながら、内部通路81内を移動する。例えば、可撓性軸部材7のうち、内部通路81の上側断面徐変区間81cから定断面区間81bに移動する部分の断面形状は、逆V字形状からI字形状に変形される。また、内部通路81の定断面区間81bから下側断面徐変区間81aに移動する部分の断面形状は、I字形状からV字形状に変形する。このように可撓性軸部材7が変形しながら内部通路81内を移動する結果、可撓性軸部材7には、図7に示すように、断面V字状の部分(一方側部分7a)、断面V字状から断面I字状に徐変される部分(第一徐変部分7d)、断面I字状の部分(中間部分7c)、断面I字状から断面逆V字状に徐変される部分(第二徐変部分7e)、及び、断面逆V字状の部分が、形成される。
可撓性軸部材7に断面I字状の部分(中間部分7c)が形成されることにより、この部分にて可撓性軸部材7を曲げることができる。このため、円弧状の内部通路81に沿って可撓性軸部材7を移動させることができ、その結果、第二ロッド部材5を第一ロッド部材3の移動方向とは異なる方向に軸方向移動させることができる。
また、可撓性軸部材7のうち、曲げガイド部材8の内部通路81に挿通していない部分の断面形状は、V字形状或いは逆V字形状である。このような形状である部分は、長手方向に沿って稜線が形成されているため強度が向上し、特に、長手方向に垂直な方向に対する曲げ強度が向上する。よって、可撓性軸部材7が曲げガイド部材8の内部通路81を通過する過程で、曲げガイド部材8に挿通されていない部分が曲げられたり、或いは座屈することを防止することができる。その結果、可撓性軸部材7を、スムーズに軸方向移動させることができる。
図11は、車両ドアDRに取り付けられた本実施形態に係るピストンシリンダ装置1を上方から見た平面図であり、図11(a)が、車両ドアDRが全閉状態であるときにおけるピストンシリンダ装置1の平面図、図11(b)が、車両ドアDRが全開状態であるときにおけるピストンシリンダ装置1の平面図である。図11において、左右方向が、車両前後方向であり、左方が車両前方、右方が車両後方である。
図11に示すように、車両ドアDRが全閉状態であるとき、ピストンシリンダ装置1のシリンダ部材2は、その長手方向(ピストン部材4の移動方向)が車両前後方向に平行になるように、車両ドアDR内に配設されている。一方、車両ドアDRが全開状態であるとき、ピストンシリンダ装置1のシリンダ部材2は、その長手方向が、車両前後方向に対して傾斜するように、車両ドアDR内に配設されている。このように、車両ドアDRの開閉動作に伴って、ピストンシリンダ装置1は、車両前後方向に対して傾く。
ここで、従来のロッド貫通タイプのドアチェック装置は、図11の一点鎖線で示すようにシリンダ部材2の車両後方側の端部からロッド部材が突き出ているため、その分だけドアチェック装置の全長が長くなる。全長が長くなる分だけ、ドアチェック装置が傾斜するときに揺動する範囲が大きい。これに対し、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1によれば、シリンダ部材2の車両後方側の端部からロッド部材が突き出ていないため、傾斜時における揺動範囲が狭い。揺動範囲が狭くされた分だけ、車両ドアDRの内部にその他の装置を組み込むことができる。つまり、本実施形態に係るピストンシリンダ装置1をドアチェック装置に適用することにより、車両ドア内部に配設された他の部品の配置の自由度を向上することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、可撓性軸部材7として平板状の金属部材を用いているが、例えば、鉛及びPVC(塩ビ)から構成される自在定規用の軸状部材を可撓性軸部材7として用いることができる。また、上記実施形態では、第二ロッド部材5が第一ロッド部材3の移動方向に対して180°異なる方向に軸方向移動する例を示したが、例えば、90°異なる方向、或いは60°異なる方向に軸方向移動してもよい。つまり、ピストンシリンダ装置1の全長が短縮される限り、第二ロッド部材5が第一ロッド部材3の移動方向とは異なるどのような方向に移動してもよい。また、上記実施形態では、バルブユニット6が磁力を発生し、発生した磁力によって保持力(開弁圧)を得る例を示したが、バルブユニット6の構成は、その他の構成、例えばスプリングの弾性力により保持力(開弁圧)を得るように構成してもよい。また、上記実施形態では、シリンダ部材2が2段構造である例を示したが、1段構造であってもよい。この場合、例えば、第二ロッド部材5を、第一ロッド部材3の移動方向に対して90°異なる方向に軸方向移動するように構成することができる。さらに、上記実施形態では、可撓性軸部材7の一方側部分7a(又は他方側部分7b)の断面形状がV字形状(又は逆V字形状)である例を示したが、その他の形状、例えばC字形状或いはU字形状であってもよい。また、上記実施形態では、本発明に係るピストンシリンダ装置の適用例として車両のフリーストップドアチェック装置を示したが、本発明に係るピストンシリンダ装置はそれ以外の用途に用いることができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。