以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1のソーラーパネルは、保護板1と、複数の第1太陽電池セル3と、複数の第2太陽電池セル5と、複数のタブ線7a、7bと、複数のインターコネクタ9と、封止材11と、図2に示す背面パネル13とを備えている。保護板1が本発明における保護カバーに相当する。また、背面パネル13が本発明における背面カバーに相当する。なお、説明を容易にするため、図1では、破断線により保護板1の一部の図示を省略している。
本実施例では、図1中に示す矢印方向によってソーラーパネルの左右方向及び前後方向を規定している。左右方向と前後方向とは直交する。そして、図2等では、図1に対応してソーラーパネルの各方向を規定している他、ソーラーパネルの厚さ方向である上下方向を規定している。ソーラーパネルの左右方向が本発明における第1方向に相当する。より詳細には、左方向が本発明における第1方向の一方側に相当し、右方向が本発明における第1方向の他方側に相当する。また、ソーラーパネルの前後方向が本発明における第2方向に相当する。より詳細には、後方向が本発明における第2方向の一方側に相当し、前方向が本発明における第2方向の他方側に相当する。なお、これらの各方向は説明の便宜上のための一例であり、各方向はソーラーパネルの使用時における方向とは関係しない。
図2に示すように、保護板1は、表面1aから裏面1bまで透光性を有するポリカーボネートを主成分とする樹脂によって形成されている。保護板1の表面1aはソーラーパネルの表面、つまり、ソーラーパネルの意匠面を構成している。表面1aは平坦かつ水平に形成されており、裏面1bも表面1aと平行かつ平坦に形成されている。これにより、図1に示すように、保護板1は略矩形の平板状に形成されている。なお、保護板1を他の樹脂や無機ガラス等によって形成しても良い。また、保護板1の厚さは適宜設計することができる。このため、例えば、透光性を有する保護フィルム等によって本発明における保護カバーを形成することもできる。
また、保護板1には隠蔽部10が形成されている。隠蔽部10は、保護板1の表面1a側から各タブ線7a、7bを隠蔽可能な本体部分10aと、表面1a側から各インターコネクタ9を隠蔽可能な複数の連結部分10bとで構成されている。
これらの本体部分10a及び各連結部分10bは、保護板1の裏面1bの所定の位置を黒色等の不透明色で塗装したり、裏面1bの所定の位置に黒色等の不透明色を印刷したりすることによって形成されている。具体的には、本体部分10aは、保護板1において各第1太陽電池セル3及び各第2太陽電池セル5の外域となる位置に形成されており、各第1、2太陽電池セル3、5を囲包する枠状をなしている。各連結部分10bは、本体部分10aの内側に位置しており、それぞれ、保護板1の前後方向に延びて本体部分10aの前端側と後端側とに連続している。ここで、連結部分10bの個数は、左右方向で隣接する各第1太陽電池セル3と各第2太陽電池セル5との間隔の数に応じて規定されている。また、各連結部分10bの幅は、左右方向で隣接する各第1太陽電池セル3と各第2太陽電池セル5との間隔の大きさに対応して規定されている。なお、説明を容易にするため、図2及び図9〜11では隠蔽部10の図示を省略している。
図2に示す各第1太陽電池セル3及び各第2太陽電池セル5には、結晶シリコンが採用されている。各第1、2太陽電池セル3、5は、いずれも同一の構成であり、同一の性能を発揮するようになっている。具体的には、各第1太陽電池セル3は薄膜状をなしており、表面3aと裏面3bとを有している。また、各第2太陽電池セル5も薄膜状をなしており、表面5aと裏面5bとを有している。各第1太陽電池セル3の裏面3b及び各第2太陽電池セル5の裏面5bには、通電部(図示略)が設けられている。
タブ線7a、7bは、金属の薄板によって形成されている。タブ線7a、7bは、ソーラーパネルの右端側又は左端側に配置されている。また、タブ線7a、7b同士は、一定の間隔を隔てて配置されている。タブ線7a、7bは、前後方向で異なる列に位置する各第1太陽電池セル3又は各第1太陽電池セル5を通電可能に接続する。なお、タブ線7a、7bの形状や個数の他、各第1、2太陽電池セル3、5との接続位置等については適宜変更可能である。
インターコネクタ9は、図4に示すバイメタル板90(低抵抗トリメタル:TRC−5、湾曲係数K:12.8×10-8、板厚:t=0.4mm)によって形成されている。バイメタル板90は、同図の(B)に示すように、第1板部90aと第2板部90bとが接合されて形成されている。第1板部90aは、温度変化によって第1線膨張係数で長さが変化する。一方、第2板部90bは、温度変化によって第1線膨張係数より小さい第2膨張係数で長さが変化する。つまり、バイメタル板90では、第2板部90bよりも第1板部90aの方が温度変化によって長さが大きく変化する。なお、バイメタル板90とは異なる種類のバイメタル板によってインターコネクタ9を形成しても良い。
インターコネクタ9を形成するに当たっては、まず、バイメタル板90を打ち抜き加工することにより、同図の(A)に示す展開図の形状に形成する。次に、打ち抜き加工されたバイメタル板90に屈曲加工を行う。具体的には、同図において破線で示す各屈曲位置M1〜M4において略直角に山折り加工を行う。また、同図において二点鎖線で示す各屈曲位置N1〜N8において略直角に谷折り加工を行う。
こうして形成されたインターコネクタ9は、図5に示すように、第1電極91と、第2電極92と、接続体93とを備えている。そして、これらの第1電極91と、第2電極92と、接続体93とは一体で形成されている。
第1電極91はインターコネクタ9の左端側に位置しており、第2電極92はインターコネクタ9の右端側に位置している。また、インターコネクタ9では、第1電極91の表面901側及び第2電極92の表面902側が第1板部90aとなっている。
第1電極91は、インターコネクタ9の前後方向に延びる第1平坦部91aと、第1平坦部91aと一体をなし、第1平坦部91aから左端側に向かって延びる第1接点部91bとを有している。第2電極92は、インターコネクタ9の前後方向に延びる第2平坦部92aと、第2平坦部92aと一体をなし、第2平坦部92aから右端側に向かって延びる第2接点部92bとを有している。
接続体93は、第1〜4迂回部931〜934と、第1、2接続部935、936とからなる。第1迂回部931は、図4の(A)に示す屈曲位置N1において谷折り加工が行われることにより、図5に示すように、第1電極91の板厚方向において上方に向かって略直角に立設されている。また、第1迂回部931は、インターコネクタ9の後方側に向かって1本で延びている。第1迂回部931には、第1基端部931aと第1先端部931bとが形成されている。第1基端部931aは、上記のように屈曲位置N1において谷折り加工が行われることにより、前端側が第1電極91に連続している。つまり、第1基端部931aの前端側は、接続位置P1において第1電極91の第1平坦部91aの後端右側と接続している。第1先端部931bは、図4の(A)に示す屈曲位置M1において山折り加工が行われることにより、図5に示すように、前端側が第1基端部931aの後端側と左右方向で重なりつつ連続している。
第2迂回部932は、図4の(A)に示す屈曲位置N2において谷折り加工が行われることにより、図5に示すように、第2電極92の板厚方向において上方に向かって略直角に立設されている。第2迂回部932は、第1迂回部931の右側に所定の間隔を設けて配置されており、インターコネクタ9の後方側に向かって1本で延びている。第2迂回部932には、第2基端部932aと第2先端部932bとが形成されている。第2基端部932aの前端側は、接続位置P2において第2電極92の第2平坦部92aの後端左側と接続している。第2先端部932bは、図4の(A)に示す屈曲位置M2において山折り加工が行われることにより、図5に示すように、前端側が第2基端部932aの後端側と左右方向で重なりつつ連続している。
第3迂回部933及び第4迂回部934は、図4(A)に示す屈曲位置N3及びN4において、それぞれ谷折り加工が行われることによって形成されている。第3迂回部933には、第3基端部933aと第3先端部933bとが形成されている。第4迂回部934には、第4基端部934aと第4先端部934bとが形成されている。ここで、第3先端部933bは、屈曲位置M3において山折り加工が行われることにより、図5に示すように、後端側が第3基端部933aの前端側と左右方向で重なりつつ連続している。同様に、第4先端部934bは、屈曲位置M4において山折り加工が行われることにより、後端側が第4基端部934aの前端側と左右方向で重なりつつ連続している。第3迂回部933及び第4迂回部934については、第1電極91及び第2電極92を通り左右方向に平行な線(図示略)を中心に、第1迂回部931及び第2迂回部932をそれぞれ前後方向に反転させた構成をなしており、構成に関する詳細な説明を省略する。第1迂回部931と第3迂回部933とは、前後方向で離間して配置されている。同様に、第2迂回部932と第4迂回部934とは、前後方向で離間して配置されている。
第1接続部935は、図4に示す屈曲位置N5、N6において谷折り加工が行われることにより、図5に示すように、第1先端部931bの後端と第2先端部932bの後端との間、すなわち接続体93の後端に位置している。第1接続部935は、第1先端部931bの後端と第2先端部932bの後端とにそれぞれ近づくように、左右方向に1本で延びている。そして、第1接続部935の左端は、第1先端部931bの後端と連続している。また、第1接続部935の右端は、第2先端部932bの後端と連続している。これにより、第1迂回部931と第2迂回部932とが第1接続部935によって接続されている。
同様に、第2接続部936は、図4に示す屈曲位置N7、N8において谷折り加工が行われることにより、図5に示すように、第3先端部933bの前端と第4先端部934bの前端との間、すなわち接続体93の前端に位置している。第2接続部936は、第1接続部935と同様の形状をなしており、第3先端部933bの前端及び第4先端部934bの前端と連続している。これにより、第3迂回部933と第4迂回部934とが第2接続部936によって接続されている。
こうして、インターコネクタ9では、接続体93によって第1電極91と第2電極92とが接続されており、接続体93、すなわち、第1〜4迂回部931〜934及び第1、2接続部935、936を通じて、第1電極91と第2電極92とが通電可能となっている。また、上記のように、接続体93によって第1電極91と第2電極92とが接続されることにより、インターコネクタ9の中央には、前後方向及び左右方向に延びる空間94が形成されている。この空間94は、第1迂回部931、第1電極91及び第3迂回部933と、第2迂回部932、第2電極92及び第4迂回部934とを左右方向に離間させる離間部として機能する。
ここで、このインターコネクタ9では、上記のように、図4に示す屈曲位置N1〜N4において谷折り加工が行われる。このため、図3に示すように、第1基端部931a及び第3基端部933aでは、第1板部90aがインターコネクタ9における左側に位置しており、第2板部90bがインターコネクタ9における右側に位置している。すなわち、第1基端部931a及び第3基端部933aでは、第1板部90aが第1電極91側に位置しており、第2板部90bが空間94側に位置している。一方、第2基端部932a及び第4基端部934aでは、第1板部90aがインターコネクタ9の右側に位置しており、第2板部90bがインターコネクタ9の左側に位置している。すなわち、第2基端部932a及び第4基端部934aでは、第1板部90aが第2電極92側に位置しており、第2板部90bが空間94側に位置している。
また、このインターコネクタ9では、上記のように、図4に示す屈曲位置M1〜M4において山折り加工が行われる。これにより、図3に示すように、第1先端部931b及び第3先端部933bでは、第1基端部931a及び第3基端部933aとは、第1板部90a及び第2板部90bが位置する側が反転している。同様に、第2先端部932b及び第4先端部934bでは、第2基端部932a及び第4基端部934aとは、第1板部90a及び第2板部90bが位置する側が反転している。
具体的には、第1先端部931b及び第3先端部933bでは、第2板部90bが第1電極91側に位置しており、第1板部90bが空間94側に位置している。そして、第2先端部932b及び第4先端部934bでは、第2板部90bが第2電極92側に位置しており、第1板部90bが空間94側に位置している。
図1に示すように、このソーラーパネルでは、左右方向に隣接する第1太陽電池セル3と、第2太陽電池セル5とは、3つのインターコネクタ9によって通電可能に接続される。この際、図3に示すように、各インターコネクタ9において、第1電極91は、第1太陽電池セル3の通電部と第1接点部91bとが通電可能となるように、第1太陽電池セル3と接続される。また、第2電極92は、第2太陽電池セル5の通電部と第2接点部92bとが通電可能となるように、第2太陽電池セル5に接続される。上記のように、通電部は第1、2太陽電池セル3、5の各裏面3b、5bに設けられているため、図2に示すように、第1電極91は、第1太陽電池セル3の裏面3b側に接続される。同様に、第2電極92は、第2太陽電池セル5の裏面5b側に接続される。また、第1、2電極91、92が第1、2太陽電池セル3、5に接続されることにより、インターコネクタ9では、第1〜4迂回部931〜934が第1、2太陽電池セル3、5の各上面3a、5aよりも上方に突出する状態となる。なお、説明を容易にするため、図2及び図9〜11ではインターコネクタ9の形状を簡略化して図示している。
こうして、図1に示すように、3つのインターコネクタ3は、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間に配置される。また、図3に示すように、インターコネクタ9によって通電可能に接続された第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とは、20°Cの温度条件において、間隔W1を隔てるように配置される。なお、隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とを通電可能に接続するために必要なインターコネクタ9の個数は、第1、2太陽電池セル3、5の大きさ等に応じて適宜変更可能である。
そして、図6及び図7に示すように、インターコネクタ9では、第1板部90aにおける第1線膨張係数と、第2板部90bにおける第2線膨張係数との差により、接続体93では、温度変化によって第1〜4迂回部931〜934が湾曲する。これにより、温度変化による熱伸縮で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とが図3に示す間隔W1から、図6に示す間隔W2や図7に示す間隔W3に変化すれば、それに合わせて、インターコネクタ9では、第1電極91と第2電極92との間隔を変化させることが可能となっている。なお、温度変化による第1〜4迂回部931〜934の湾曲についての詳細は後述する。
ここで、図5及び図8に示すように、このインターコネクタ9では、第1基端部931aにおいて、第1電極91の第1平坦部91aの後端の位置から自身の後端までが長さLに設定されている(以下、第1基端部931aのアーム長Lという。)。第1先端部931bにおいて、第1基端部931aの後端と重なる位置から第1接続部935までについても、長さLに設定されている(以下、第1先端部931bのアーム長Lという。)。
また、第2基端部932aにおいて、第2電極92の第2平坦部92aの後端の位置から自身の後端までが長さLに設定されている(以下、第2基端部932aのアーム長Lという。)。第2先端部932bにおいて、第2基端部932aの後端と重なる位置から第1接続部935までについても、長さLに設定されている(以下、第2先端部932bのアーム長Lという。)。
同様に、第3、4基端部933a、934aにおいて、第1、2電極91、92の第1、2平坦部91a、92aの前端の位置から自身の前端までが長さLに設定されている(以下、第3、4基端部933a、934aのアーム長Lという。)。第3、4先端部933b、934bにおいて、第3、4基端部933a、934bの前端と重なる位置から第2接続部936までについても、長さLに設定されている(以下、第3、4先端部933b、934bのアーム長Lという。)。
このように、インターコネクタ9では、第1〜4基端部931a〜934aの各アーム長Lと、第1〜4先端部931b〜934bの各アーム長Lとがいずれも等しくなっている。そして、これらの第1〜4基端部931a〜934aの各アーム長L及び第1〜4先端部931b〜934bの各アーム長Lは、温度変化によるソーラーパネルの伸縮量Dに基づいて設定される。ここで、このソーラーパネルでは、保護板1がポリカーボネートを主成分とした樹脂であることから、20°Cを基準とした際の温度変化による伸縮量Dは、表1に示す通りとなる。
このように、このソーラーパネルでは、温度が20°Cから110°Cまで上昇した際の伸縮量Dは+0.8mm、となり、隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔は、図3に示す間隔W1から左右方向に0.8mm広くなる。反対に、温度が20°Cからー30°Cまで低下した際の伸縮量Dはー0.446mmとなり、隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔は、図3に示す間隔W1から左右方向に0.446mm狭くなる。
ここで、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔が広くなる場合を例に説明すると、インターコネクタ9では、伸縮量Dに対応して第1電極91と第2電極との間隔が図8の(A)に示す位置から、同図の(B)に示すように広くなる。より詳細には、伸縮量Dに対応して、インターコネクタ9では、第1電極91が同図の(A)に示す状態から左方向へD1だけ変位し、第2電極92が右方向へD2だけ変位する。つまり、D=D1+D2となる。
そして、第1電極91が左方向へD1だけ変位するに当たって、同図の(B)に示すように、第1迂回部931では、第1基端部931aが同図の(A)に示す状態から左方向へdだけ湾曲し、第1先端部931bが同図の(A)に示す状態から左方向へdだけ湾曲する。なお、この際、第3基端部933a及び第3先端部933bは、第1基端部931a及び第1先端部931bと同様に湾曲する。つまり、D1=d+dとなる。
また、第2電極92が右方向へD2だけ変位するに当たって、同図の(B)に示すように、第2迂回部932では第2基端部932aが同図の(A)に示す状態から右方向へdだけ湾曲し、第2先端部932bが同図の(A)に示す状態から右方向へdだけ湾曲する。なお、この際、第4基端部934a及び第4先端部934bは、第2基端部932a及び第2先端部932bと同様に湾曲する。つまり、D2=d+dとなる。このため、D=4dとなる。
そして、各第1〜4基端部931a〜934a及び各第1〜4先端部931b〜934bがそれぞれ湾曲する際の大きさ、すなわち、各第1〜4基端部931a〜934a及び各第1〜4先端部931b〜934bにおける各伸縮量dは、以下の数式によって求めることができる。
d=KΔTL2/t
ここで、D=4dであるため、以下の数式1を導くことができる。
<数式1>
D=4(KΔTL2/t)
上記のように、このインターコネクタ9を形成するバイメタル板90の湾曲係数Kは12.8×10-8であり、板厚tは0.4(mm)である。また、表1に示すように、温度が20°Cから110°Cまで上昇、すなわち、温度変化ΔTは+90(°C)である。これらの数値を下記のように数式1に代入すれば、第1〜4基端部931a〜934a及び第1〜4先端部931b〜934bの各アーム長Lを算出することができる。
0.8=4(12.8×10-8×90×L2/0.4)
つまり、インターコネクタ9では、第1〜4基端部931a〜934aの各アーム長L及び第1〜4先端部931b〜934bの各アーム長Lは、およそ8.33mmに設定されている。
ここで、Lを8.33(mm)とし、ΔTを−50(°C)として、これらを数式1に代入して伸縮量Dを求めると以下の通りとなる。
D=4(12.8×10-8×(−50)×8.332/0.4)
つまり、伸縮量Dは−0.444となる。こうして算出された伸縮量Dは、表1における温度が20°Cから−30°Cまで低下、すなわち、温度変化ΔTが−50(°C)である際の伸縮量Dとほぼ一致する。
図2に示す封止材11としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が採用されている。封止材11は、後述するように、シート状の封止材11a、11bからなる。封止材11は、保護板1と背面パネル13との間、より詳細には、保護板1の裏面1bと背面パネル13の表面13aとの間で各第1、2太陽電池セル3、5と、各タブ線7a、7bと、各インターコネクタ9とを封止状態で固定する。これにより、封止材11は、保護板1及び背面パネル13と一体をなしているとともに、封止状態で固定した各第1、2太陽電池セル3、5等を水分や酸素による劣化から保護する。また、封止材11には、後述する第1シリコン樹脂17a及び第2シリコン樹脂17bが設けられている。なお、上記のEVAに代えて、例えば、アイオノマー樹脂の他、シリコン樹脂やポリオレフィン等を封止材11として採用することもできる。
背面パネル13は、アルミニウム合金等の金属板によって形成されている。背面パネル13は略矩形の平板状に形成されており、保護板1の裏面1b、各第1、2太陽電池セル3、5及び封止材11と対面する表面13aと、表面13aと反対側の面である裏面13bとを有している。背面パネル13は封止材11の裏面側に設けられており、封止材11とともに、各第1、2太陽電池セル3、5等を水分や酸素による劣化から保護する。また、背面パネル13は、保護板1の剛性が十分ではない場合には、ソーラーパネルの剛性を確保する。なお、背面パネル13を炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の樹脂によって形成しても良い。ここで、保護板1を上記のように樹脂製とするとともに、背面パネル13も樹脂製として、保護板1と背面パネル13との両方でソーラーパネルに必要な剛性を確保するように構成しても良い。また、ソーラーパネルの剛性を確保可能な程度に保護板1が剛性を有している場合には、背面パネル13に代えて、例えばポリエーテルケトン(PEK)等からなる薄膜状のフィルムを背面カバーとして採用しても良い。
各第1、2太陽電池セル3、5と背面パネル13とは、第1、2シリコン樹脂17a、17bによって接着されている。具体的には、背面パネル13の表面13aと各第1太陽電池セル3の各裏面3bとは、第1シリコン樹脂17aによって接着されている。また、背面パネル13の表面13aと各第2太陽電池セル5の各裏面5bとは、第2シリコン樹脂17bによって接着されている。第1シリコン樹脂17aが本発明における第1接着剤に相当する。そして、第2シリコン樹脂17bが本発明における第2接着剤に相当する。なお、第1シリコン樹脂17aと第2シリコン樹脂17bとは同一の材料を用いても良い。また、他の条件を考慮して、第1シリコン樹脂17aと第2シリコン樹脂17bとで異なる材料を用いても良い。
このソーラーパネルは、以下のように製造される。まず、準備工程として、図9に示すように、加熱可能な真空成形治具19を用意する。そして、予め形成された保護板1を真空成形治具19に載置する。この際、表面1aを真空成形治具19に対面させた状態で保護板1を真空成形治具19に載置する。
次いで、図10に示すように、封止工程として、まず初めに保護板1の裏面1b側に、シート状の封止材11a、各第1、2太陽電池セル3、5、タブ線7a、7b、各インターコネクタ9、シート状の封止材11bをこの順序で配置する。この際、各第1、2太陽電池セル3、5は、各タブ線7a、7bや各インターコネクタ9により、互いに通電可能に接続された状態となっている。
ここで、封止材11bには、各第1太陽電池セル3の裏面3bと対面する位置に第1切欠き110aが形成されているとともに、各第2太陽電池セル5の裏面5bと対面する位置に第2切欠き110bが形成されている。つまり、第1切欠き110a及び第2切欠き110bは、それぞれ第1太陽電池セル3及び第2太陽電池セル5の個数に対応して、封止材11bに形成されている。そして、各第1切欠き110aに対して第1シリコン樹脂17aを充填し、各第2切欠き110bに対して第2シリコン樹脂17bを充填する。その後、表面13aを保護板1の裏面1bに対面させた状態で背面パネル13を配置する。
これらの後、ラミネート工程を行う。具体的には、図12に示すように、真空成型治具19に向けてダイヤフラム21を押し当てつつ、真空成型治具19とダイヤフラム21との間、すなわち、ソーラーパネルを構成する上記の各部材同士の間を真空状態とする。また、ダイヤフラム21の押し当てと同時に真空成型治具19を加熱することにより、封止材11a、11bを軟化させ、各部材同士を密着させる。これにより、保護板1の裏面1bと背面パネル13の表面13aとの間に各第1、2太陽電池セル3、5、各タブ線7a、7b及び各インターコネクタ9を封止状態で固定する。さらに、各第1シリコン樹脂17aによって各第1太陽電池セル3と背面パネル13とが接着されるとともに、各第2シリコン樹脂17bによって各第2太陽電池セル5と背面パネル13とが接着される。こうして、ソーラーパネルが完成する。
図1に示すように、このソーラーパネルでは、左右方向で隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とが3つのインターコネクタ9によって通電可能に接続される。そして、図3に示すように、インターコネクタ9では、第1電極と91と第2電極92とが接続体93によって接続されている。ここで、接続体93の第1〜4迂回部931〜934は、第1電極91及び第2電極92の板厚方向において上方に立設されている。これにより、このソーラーパネルでは、製造時や使用時における温度変化による熱伸縮で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間が同図に示す間隔W1から、図6に示す間隔W2や図7に示す間隔W3に変化すれば、それに応じて、インターコネクタ9では、上記のように第1電極91と第2電極92との間隔を変化させることができる。
具体的には、図6に示すように、温度変化によってソーラーパネルが収縮すれば、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とが互いに左右方向で近接する。このため、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間は間隔W2となり、図7に示す間隔W1よりも狭くなる。このソーラーパネルの収縮に応じて、インターコネクタ9の接続体93では、第1板部90aにおける第1線膨張係数と第2板部90bにおける第2線膨張係数の差により、第1〜4基端部931a〜934a及び第1〜4先端部931b〜934bがそれぞれ湾曲する。
ここで、第1基端部931aでは第1板部90aが第1電極91側に位置しており、第2基端部932aでは、第1板部90aが第2電極92側に位置している。これに対し、第1、2先端部931b、932bでは、それぞれ第1板部90aが空間94側に位置している。そして、第1線膨張係数は第2線膨張係数よりも大きいため、第1、2基端部931a、932a及び第1、2先端部931b、932bでは、第1板部90a側が大きく湾曲する。このため、第1基端部931aの後端側と第2基端部932aの後端側とは、互いに左右方向に遠隔するように湾曲し、第1先端部931bの前端側と第2先端部932bの前端側とは、互いに左右方向に近接するように湾曲する。
同様に、第3基端部933aでは第1板部90aが第1電極91側に位置しており、第4基端部934aでは、第1板部90aが第2電極92側に位置している。また、第3、4先端部933b、934bでは、それぞれ第1板部90aが空間94側に位置している。これらのため、第3基端部933aの前端側と第4基端部934aの前端側とが互いに左右方向に遠隔するように湾曲し、第3先端部933bの後端側と第4先端部934の後端側とは、互いに左右方向に近接するように湾曲する。
この結果、インターコネクタ9では、ソーラーパネルの収縮に応じて、第1迂回部931と第2迂回部932とが左右方向で近接するように湾曲し、第3迂回部933と第4迂回部934とが左右方向で近接するように湾曲する。これにより、第1電極91と第2電極92とが左右方向で近接し、インターコネクタ9では、中央の空間94が図5に示す状態と比べて狭くなる。こうして、このソーラーパネルでは、温度変化による収縮で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔が狭くなれば、それに応じて、インターコネクタ9では、第1電極91と第2電極92部との間隔を狭くすることができる。これにより、このソーラーパネルでは、温度変化による収縮で各第1太陽電池セル3と各第2太陽電池セル5との間隔が狭くなっても、それによってインターコネクタ9が厚さ方向に折損することを防止できる。
反対に、図7及び図8に示すように、温度変化によってソーラーパネルが伸長すれば、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とが互いに左右方向で遠隔する。このため、第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間は間隔W3となり、図3に示す間隔W1よりも広くなる。このソーラーパネルの伸長に応じて、インターコネクタ9の接続体93では、第1電極91と第2電極92部との間隔を狭くする場合と反対に第1〜4基端部931a〜934及び第1〜4先端部931b〜934bが湾曲する。
つまり、図7に示すように、第1基端部931aの後端側と第2基端部932aの後端側とが互いに左右方向に近接するように湾曲し、第1先端部931bの前端側と第2先端部932bの前端側とが互いに左右方向に遠隔するように湾曲する。また、第3基端部933aの前端側と第4基端部934aの前端側とが互いに左右方向に近接するように湾曲し、第3先端部933bの後端側と第4先端部934bの後端側とが互いに左右方向に遠隔するように湾曲する。この結果、インターコネクタ9では、ソーラーパネルの伸長に応じて、第1迂回部931と第2迂回部932とが左右方向で遠隔するように湾曲し、第3迂回部933と第4迂回部934とが左右方向で遠隔するように湾曲する。これにより、第1電極91と第2電極92とが左右方向で遠隔し、インターコネクタ9では、中央の空間94が図5に示す状態と比べて広くなる。
こうして、このソーラーパネルでは、温度変化による伸長で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とが遠隔した場合であっても、それに応じて、インターコネクタ9では、第1電極91と第2電極92部との間隔を広くすることができる。このため、このソーラーパネルでは、各第1太陽電池セル3と各第2太陽電池セル5との間隔が広くなっても、それによって第1電極91と第1太陽電池セル3とが離別したり、第2電極92と第2太陽電池セル5とが離別したりすることを防止できる。
ここで、第1迂回部931と第3迂回部933とは前後方向で離間して配置されており、第2迂回部932と第4迂回部934とについても前後方向で離間して配置されている。このため、各インターコネクタ9では、第1迂回部931の第1基端部931aと、第3迂回部933の第3基端部933aとが互いに独立して湾曲することが可能となっているとともに、第2迂回部932の第2基端部932aと、第4迂回部934の第4基端部934aとが互いに独立して湾曲することが可能となっている。
また、上記のように、第1〜4基端部931a〜934aの各アーム長L及び第1〜4先端部931b〜934bの各アーム長Lは、温度変化によるソーラーパネルの伸縮量Dに基づいて設定されている。このため、温度変化によるソーラーパネルの伸縮に対して、各インターコネクタ9では、接続体93が第1電極91と第2電極92部との間隔を過不足なく好適に変化させることが可能となっている。
したがって、実施例1のソーラーパネルは、温度変化による伸縮が生じても、各第1太陽電池セル3と各第2太陽電池セル5との通電不良の発生を抑制できる。
特に、インターコネクタ9は、1枚のバイメタル板90を屈曲することによって第1電極91と第2電極92と接続体93とが形成されている。このため、このソーラーパネルでは、インターコネクタ9の形成が容易となっている。
また、インターコネクタ9では、第1、3迂回部931、933が湾曲するに当たって、第1、3基端部931a、933aでは第1電極91側が大きく線膨張し、第1、3先端部931b、933bでは空間94側が大きく線膨張することになる。また、第2、4迂回部932、934が湾曲するに当たって、第2、4基端部932a、934aでは第2電極92側が大きく線膨張し、第2、4先端部932b、934bでは空間94側が大きく線膨張することになる。これらにより、このインターコネクタ9では、温度変化によって第1〜4迂回部931〜934が湾曲する際に、第1電極91と第1基端部931aとの接続箇所P1、第2電極92と第2基端部932aとの接続箇所P2、第3電極91と第3基端部933aとの接続箇所P3及び第2電極92と第4基端部934aとの接続箇所P4に応力が集中することを抑制することが可能となっている。このため、インターコネクタ9の耐久性が高くなっている。
さらに、このソーラーパネルでは、各第1シリコン樹脂17aによって、各第1太陽電池セル3と背面パネル13とが接着されているとともに、各第2シリコン樹脂17bによって、各第2太陽電池セル5と背面パネル13とが接着されている。これらのため、このソーラーパネルでは、製造時に各第1太陽電池セル3及び各第2太陽電池セル5の位置決めを容易に行うことが可能となっている。また、製造時や使用時における温度変化で背面パネル13が伸縮した際に、各第1太陽電池セル3及び各第2太陽電池セル5を背面パネル13に追従させて移動させることができる。このため、このソーラーパネルでは、保護板1に対する各第1太陽電池セル3や各第2太陽電池セル5の位置のずれを抑制することが可能となっている。このため、このソーラーパネルでは温度変化による伸縮が生じても、それによって、各第1太陽電池セル3や各第2太陽電池セル5の一部が隠蔽部材10の本体部分10aや各連結部分10bに隠蔽されることを防止することが可能となっている。
ここで、各第1太陽電池セル3及び各第2太陽電池セル5は、それぞれ裏面3b、5b側で背面パネル13に接着されている。このため、保護板1の表面1a側からソーラーパネルを見た場合であっても、各第1、2シリコン樹脂17a、17bは見えることがない。このため、このソーラーパネルでは美観も高くなっている。
(実施例2)
実施例2のソーラーパネルでは、実施例1のソーラーパネルにおけるインターコネクタ9に換えて、図12に示すインターコネクタ23が設けられている。インターコネクタ23は、第1電極25と、第2電極26と、接続体27とを備えている。インターコネクタ23についても、上記のインターコネクタ9と同様に、図13に示すバイメタル板90を屈曲させることによって形成されている。これにより、第1電極25と、第2電極26と、接続体27とは、一体で形成されている。
具体的には、まず、同図に示す展開図の形状にバイメタル板90を打ち抜き加工する。次に、破線で示す各屈曲位置M5、M6において略直角に山折り加工を行う。また、二点鎖線で示す各屈曲位置N9、N10において略直角に谷折り加工を行う。その後、バイメタル板90の左右方向の中心Cを頂点として、バイメタル板90の左端とバイメタル板90の右端、すなわち、第1電極25と第2電極26とが対向するようにバイメタル板90を略U字形状に湾曲させる。こうして、図12に示すインターコネクタ23が完成する。
第1電極25はインターコネクタ23の左端側に位置しており、第2電極26はインターコネクタ23の右端側に位置している。また、インターコネクタ23でも、第1電極25の表面250側及び第2電極26の表面260側が第1板部90aとなっている。
第1電極25は、インターコネクタ23の前後方向に延びる第1平坦部25aと、第1平坦部25aと一体をなし、第1平坦部25aから左端側に向かって延びる第1接点部91bとを有している。第2電極26は、インターコネクタ23の前後方向に延びる第2平坦部26aと、第2平坦部26aと一体をなし、第2平坦部26aから右端側に向かって延びる第2接点部26bとを有している。第1電極25及び第2電極26の前後方向の長さは、上記のインターコネクタ9における第1電極91及び第2電極91の前後方向の長さの約半分となっている。
接続体27は、第1、2迂回部271、272と、第1接続部273とからなる。第1迂回部271は、図13に示す屈曲位置N9において谷折り加工が行われることにより、図12に示すように、第1電極25の板厚方向において上方に向かって略直角に立設されている。また、第1迂回部271は、インターコネクタ23の後方側に向かって1本で延びている。第1迂回部271は、第1基端部271aと第1先端部271bとを有している。第1基端部271aは、上記のように屈曲位置N9において谷折り加工が行われることにより、前端側が第1電極25に連続している。つまり、第1基端部271aの前端側は、接続位置P5において第1電極25の第1平坦部25aの後端右側と接続している。第1先端部271bは、図13に示す屈曲位置M1において山折り加工が行われることにより、図12に示すように、前端側が第1基端部271aの後端側と左右方向で重なりつつ連続している。
同様に、第2迂回部272は、図13に示す屈曲位置N10において谷折り加工が行われることにより、図12に示すように、第2電極26の板厚方向において上方に向かって略直角に立設されている。第2迂回部272は、第1迂回部271の右側に所定の間隔を設けて配置されており、インターコネクタ23の後方側に向かって1本で延びている。第2迂回部272は、第2基端部272aと第2先端部272bとを有している。第2基端部272aは、上記のように屈曲位置N10において谷折り加工が行われることにより、前端側が第2電極26に連続している。つまり、第3基端部272aの前端側は、接続位置P6において第2電極26の第2平坦部26aの後端左側と接続している。第2先端部272bは、図13に示す屈曲位置M6において山折り加工が行われることにより、図12に示すように、前端側が第2基端部272aの後端側と左右方向で重なりつつ連続している。
第1接続部273は、接続体27の後端に位置している。第1接続部273は、上記のように、図13に示すバイメタル板90の左右方向の中心Cを頂点としてバイメタル板90を湾曲させることによって形成されている。これにより、第1接続部273は、第1先端部271aの後端と第2先端部272aの後端とにそれぞれ近づくように、略半円状に湾曲しつつ左右方向に1本で延びている。第1接続部273は、第1、2先端部271a、272aの各後端と連続している。
こうして、インターコネクタ23では、接続体27によって第1電極25と第2電極26とが接続されている。また、これにより、インターコネクタ23の中央には、空間29が形成されている。この空間29は、第1迂回部271及び第1電極25と、第2迂回部272及び第2電極26とを左右方向に離間させる離間部として機能する。
ここで、このインターコネクタ23においても、第1基端部271aでは、第1板部90aが第1電極25側に位置しており、第2板部90bが空間29側に位置している。同様に、第2基端部272aでは、第1板部90aが第2電極26側に位置しており、第2板部90bが空間29側に位置している。そして、第1先端部271bでは、第1板部90aが空間29側に位置しており、第2板部90bが第1電極25側に位置している。同様に、第2先端部272bでは、第1板部90aが空間29側に位置しており、第2板部90bが第2電極26側に位置している。
図示を省略するものの、上記のインターコネクタ9と同様、インターコネクタ23についても、第1電極25は、第1太陽電池セル3の通電部と第1接点部25bとが通電可能となるように、第1太陽電池セル3と接続される。また、第2電極26は、第2太陽電池セル5の通電部と第2接点部26bとが通電可能となるように、第2太陽電池セル5と接続される。こうして、このソーラーパネルにおいても、左右方向で隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とは、インターコネクタ23によって通電可能に接続される。このソーラーパネルにおける他の構成は実施例1のソーラーパネルと同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
このソーラーパネルでも、温度変化による熱伸縮で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔が変化すれば、それに応じて、各インターコネクタ23では、上記のインターコネクタ9と同様に、第1迂回部271と第2迂回部272とが湾曲する。これにより、このソーラーパネルにおけるインターコネクタ23も、ソーラーパネルの熱伸縮に対応して、第1電極25と第2電極26との間隔を変化させることができる。
特に、このインターコネクタ23では、接続体27が1本の第1迂回部271と、1本の第2迂回部272と、1本の第1接続部273とからなる。このため、インターコネクタ23では、インターコネクタ9における接続体93と比べて、接続体27の構成をより簡略化することが可能となっている。このため、インターコネクタ23の製造がより容易となっている。このソーラーパネルにおける他の作用は実施例1のソーラーパネルと同様である。
(実施例3)
実施例3のソーラーパネルでは、実施例1のソーラーパネルにおけるインターコネクタ9に換えて、図14に示すインターコネクタ31が設けられている。インターコネクタ31は、2つの上記のインターコネクタ23を前後方向に対向させて配置することによって形成されており、第1電極33と、第2電極34と、接続体35とを備えている。
第1電極33はインターコネクタ31の左端側に位置しており、第2電極34はインターコネクタ31の右端側に位置している。第1電極33は、インターコネクタ31の前後方向に延びる第1平坦部33aと、第1平坦部33aと一体をなし、第1平坦部33aから左端側に向かって延びる第1接点部33bとを有している。第2電極34は、インターコネクタ31の前後方向に延びる第2平坦部34aと、第2平坦部34aと一体をなし、第2平坦部34aから右端側に向かって延びる第2接点34bとを有している。
接続体35は、第1迂回部271と、第2迂回部272と、第1接続部273と、第3迂回部351と、第4迂回部352と、第2接続部353とからなる。ここで、このインターコネクタ31では、第1迂回部271の第1基端部271aは、接続位置P7において第1電極33の第1平坦部33aの後端右側と接続している。また、第2迂回部272の第2基端部272aは、接続位置P8において第2電極34の第2平坦部34aの後端左側と接続している。
第3迂回部351は、第3基端部351aと第3先端部351bとを有している。第3基端部351aの後端側は、接続位置P9において第1電極33の第1平坦部33aの前端右側と接続している。第4迂回部352は、第4基端部352aと第4先端部352bとを有している。第4基端部352aの後端側は、接続位置P10において第2電極34の第2平坦部34aの前端左側と接続している。
第3、4基端部351a、352a及び第3、4先端部351b、352bを含む第3、4迂回部351、352の各構成及び第2接続部353の構成は、前後方向が反転している点を除いて、第1、2迂回部271、272及び第1接続部273の各構成と同様である。
インターコネクタ31では、接続体35によって第1電極33と第2電極34とが接続されている。また、これにより、インターコネクタ31の中央には、前後方向及び左右方向に延びる空間36が形成されている。この空間36は、第1迂回部271、第1電極33及び第3迂回部351と、第2迂回部272、第2電極34及び第4迂回部352とを左右方向に離間させる離間部として機能する。
図示を省略するものの、上記のインターコネクタ9と同様、インターコネクタ31についても、第1電極33は、第1太陽電池セル3の通電部と第1接点部33bとが通電可能となるように、第1太陽電池セル3と接続される。また、第2電極34は、第2太陽電池セル5の通電部と第2接点部34bとが通電可能となるように、第2太陽電池セル5と接続される。こうして、このソーラーパネルにおいても、左右方向で隣接する第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5とは、インターコネクタ31によって通電可能に接続される。このソーラーパネルにおける他の構成は実施例1のソーラーパネルと同様である。
このソーラーパネルでも、温度変化による熱伸縮で第1太陽電池セル3と第2太陽電池セル5との間隔が変化すれば、それに応じて、インターコネクタ31では、上記のインターコネクタ9と同様に、第1迂回部271と、第2迂回部272と、第3迂回部351と、第4迂回部352とがそれぞれ湾曲する。これにより、このソーラーパネルにおけるインターコネクタ31も、第1電極33と第2電極34との間隔を変化させることができる。こうして、このソーラーパネルにおいても、実施例1のソーラーパネルと同様の作用を奏することが可能となる。
ここで、このソーラーパネルでは、インターコネクタ31は、2つのインターコネクタ23を前後方向に対向させて配置することによって形成されている。このため、インターコネクタ31の形成も容易となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1のソーラーパネルにおいて、第1、2太陽電池セル3、5の各表面3a、5aに通電部を設けることにより、第1電極91を第1太陽電池セル3の表面3a側に接続し、第2電極92を第2太陽電池セル5の表面5a側に接続する構成としても良い。実施例2、3のソーラーパネルについても同様である。
また、実施例1のソーラーパネルにおいて、第1、2迂回部931、932及び第1接続部935によって、インターコネクタ9の接続体93を構成しても良い。
さらに、インターコネクタ9は、複数本の第1〜4迂回部931〜934と、複数の第1、2接続部935、936とを有していても良い。インターコネクタ23及びインターコネクタ31についても同様である。
また、インターコネクタ9において、第1〜4迂回部931〜934は、それぞれ第1〜4基端部931a〜934aのみで構成されていても良い。インターコネクタ23、31についても同様である。
さらに、インターコネクタ9において、第1、3先端部931b、933bが第1、3基端部931a、933aよりも第1電極91側に位置し、第2、4先端部932b、934bが第2、4基端部932a、934aよりも第2電極92側に位置するように形成しても良い。インターコネクタ23、31についても同様である。
また、打ち抜き加工及び折り曲げ加工を行なう一枚の基材に対し、温度変化によって湾曲させたい基端部や先端部に、基材とは線膨張係数の異なる部材を貼付等することでバイメタル板を構成しても良い。
さらに、各第1シリコン樹脂17aによって、各第1太陽電池セル3の表面3aと保護板1の裏面1bとを接着し、各第2シリコン樹脂17bによって、各第2太陽電池セル5の表面5aと保護板1の裏面1bとを接着する構成としても良い。この場合には、発電効率の低下を抑制するため、各第1、2シリコン樹脂17a、17bは透光性を有していることが好ましい。
また、実施例1のソーラーパネルについて、第1、2シリコン樹脂17a、17bを設けずに構成しても良い。実施例2、3のソーラーパネルも同様である。
さらに、実施例1〜3のソーラーパネルは平板形状に限らず、湾曲形状に形成されても良い。