JP6432778B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6432778B2
JP6432778B2 JP2015019124A JP2015019124A JP6432778B2 JP 6432778 B2 JP6432778 B2 JP 6432778B2 JP 2015019124 A JP2015019124 A JP 2015019124A JP 2015019124 A JP2015019124 A JP 2015019124A JP 6432778 B2 JP6432778 B2 JP 6432778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
rotor
stator
core
rotating electrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015019124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016144325A (ja
Inventor
草瀬 新
草瀬  新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2015019124A priority Critical patent/JP6432778B2/ja
Publication of JP2016144325A publication Critical patent/JP2016144325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6432778B2 publication Critical patent/JP6432778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Synchronous Machinery (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Description

本発明は、固定子と回転子を含む回転電機に関する。
回転機の小型高出力化、すなわち限られた大きさの固定子(ステータ)や回転子(ロータ)で大きな電磁力を得ることは普遍の課題であり、様々な取り組みがある。例えば、形状的な小型化では、コイルエンドのコンパクト化のための小型コイルエンドの技術がある。また、高性能材料や、その活用としては埋め込み磁石形のモータIPM(Interior Permanent Magnet)の技術がある。これらの技術は出尽くし飽和の感があり、将来へは新たな原理での小型高性能化が望まれている。
従来では、出力を向上することを目的とする車両用交流発電機に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この車両用交流発電機は、本来の3相電機子巻線の他に、電気角π/3ラジアンピッチで補助巻線を巻き込むものであり、補助巻線の一端を3相電機子巻線の中性点に結線して用いる。
特開昭59−198861号公報
しかし、特許文献1に記載の補助巻線は、3相電機子巻線とともに固定子鉄心(ステータコア)に巻かれる。ステータコアには補助巻線を巻くスペースが必要になるので、固定子鉄心の体格を大きくせざるを得ず、小型化が困難になる。
発明者は、なるべく現状構成を変えないで新たに電磁力の増強または発生させるための新たな構造を見出した。この構造は、固定子巻線(ステータコイル)周辺の洩れ磁界を利用することを基本原理とする。より具体的には、固定子巻線のコイルエンド部で洩れている磁界エネルギーを出力に還元する構造とする。すなわち、回転電機が発電機の場合は、洩れている磁界で起電力を得て発電出力に加える。回転電機が電動機の場合は、発電起電力による電流によって電磁力を得て出力トルクに加える。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、小型化・高性能化を目的とし、新たに電磁力の増強または発生させることができる回転電機を提供することである。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、固定子鉄心(12a,12c,12d,12e)に多相巻線(12b)が巻装される固定子(12)と、前記固定子とギャップ(Gp,Gi,Go)を介して回転自在に設けられる回転子(13)とを有する回転電機(10)において、前記多相巻線のうちで前記固定子鉄心からはみ出すコイルエンド部を囲む外回り磁気回路(MC)を有し、前記外回り磁気回路に対して、前記多相巻線を通じて前記コイルエンド部に流す電流に由来する系外磁束(φ)を作用させることで、出力を増加し、前記外回り磁気回路と前記固定子鉄心との間に第二の巻線(16)を配置し、電磁誘導によって前記第二の巻線から電力出力を取り出すことを特徴とする。
この構成によれば、コイルエンド部も起磁力源となるので、構造的に無駄とされてきたコイルエンド部が有効とになる。上述したように、発電機の場合は、コイルエンド部から洩れる磁界で起電力を得て発電出力に加えることができる。電動機の場合は、発電起電力による電流によって電磁力を得て出力トルクに加えることができる。よって、従来と構成を変えることなく、小型化することができる。同じ体格の回転電機であれば、電力出力や動力出力などの出力を高めて高性能化することができる。
この構成によれば、多相巻線以外の第二の巻線からの電力出力を取り出せるので、高出力・高効率となる。
第3の発明は、前記外回り磁気回路と前記固定子鉄心との間には、励磁源が得られる第三の巻線(18a,18b)を配置し、前記第三の巻線を励磁巻線とすることを特徴とする。
この構成によれば、固定子鉄心以外の空間に第三の巻線を配置するだけでよいので、簡素な構成で励磁源が得られる。
なお、「外側」は径方向における外径側や外周側を意味し、「内側」は径方向における内径側や内周側を意味する。「回転子」は、円形状(円環状や円筒状等を含む)に成形される。「回転電機」は、回転する部材(例えば軸やシャフト等)を有する機器であれば任意である。例えば、発電機,電動機,電動発電機等が該当する。発電機には電動発電機が発電機の場合を含み、電動機には電動発電機が電動機の場合を含む。「多相巻線」は固定子巻線であり、一本状の巻線でもよく、複数の導体線やコイルを電気的に接続して一本状にしたものでもよい。多相巻線の相数は、三相以上であれば問わない。「巻装」は巻いて装うことを意味し、巻き回す意味の「巻回」と同義に用いる。
回転電機にかかる第1構成例の一部を模式的に示す断面図である。 巻線の第1接続例を示す回路図である。 巻線の第2接続例を示す回路図である。 巻線の第3接続例を示す回路図である。 電力出力と回転数の関係例を示すグラフ図である。 回転電機にかかる第2構成例の一部を模式的に示す断面図である。 図6に示すVII−VII線の一部を示す断面図である。 回転電機にかかる第3構成例の一部を模式的に示す断面図である。 図8に示すIX−IX線の一部を示す断面図である。 界磁巻線の接続例を示す回路図である。 回転電機にかかる第4構成例の一部を模式的に示す断面図である。 図11に示すXII−XII線の一部を示す断面図である。 励磁巻線の接続例を示す回路図である。 回転電機にかかる第5構成例の一部を模式的に示す断面図である。 図14に示すXV−XV線の一部を示す断面図である。 巻線の第4接続例を示す回路図である。 巻線の第5接続例を示す回路図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。例えば、「回転電機10A〜10E」は「回転電機10A,10B,10C,10D,10E」を意味する。符号の英文字は大文字と小文字とで別の要素を意味する。例えば、図1に示す固定子12Aと固定子鉄心12aは別の要素である。「グラウンド」は、接地(0[V])でもよく、ハウジングやフレーム等の共通電位(0[V]以外の電位)でもよい。「動力出力」は出力トルクや第二の電磁力に相当する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図5を参照しながら説明する。図1に示す回転電機10Aは、回転電機10の一例である。この回転電機10Aは、固定子12A,回転子13A,軸受14,回転軸15,第二の巻線16などをハウジング11A(筐体)内に有する。
ハウジング11Aは、形状や材料等を任意に設定してよいハウジング11の一例である。本形態のハウジング11Aは、回転子13A(具体的には回転子鉄心13a)と対面(対向)する凸状部11aと、外回り磁気回路MC1が形成される部位を有する。
固定子12Aは、固定子12の一例である。この固定子12Aは、ハウジング11Aに固定され、固定子鉄心12a(ステータコア)や多相巻線12bなどを有する。ハウジング11Aへの固定方法は問わない。固定子鉄心12aは、電磁鋼板を積層させる構成としてもよく、単体の磁性材で構成してもよい。固定子鉄心の構成については、後述する固定子鉄心12b〜12eも同様である。
多相巻線12bは「固定子巻線(ステータコイル)」に相当し、本形態では三相巻線で構成する(図2〜図4を参照)。破線で図示するように、多相巻線12bのうちで固定子鉄心12aからはみ出す部位はコイルエンド部CEである。
回転子13Aは、回転軸15とともに回転する回転子13の一例である。この回転子13Aは、回転子鉄心13a(ロータコア)や回転子巻線13b(ロータコイル)などを有する。回転子鉄心13aは、互い違いに軸方向に曲げられて形成される曲折部を有する。曲折部は「クローポール磁極」に相当し、固定子鉄心12aと対面する。図1の例で示す曲折部は、L字形状に曲げられている。回転子巻線13bは、互い違いに曲げられる曲折部の中央部を通るように巻装される。
上述した固定子12Aと回転子13Aとの間や、回転子13Aとハウジング11Aとの間には、それぞれギャップGp(空隙)が設けられる。ギャップGpの大きさは、外回り磁気回路MC1が形成できる範囲において、それぞれ任意に設定してよい。回転軸15は、軸受14を介してハウジング11Aに回転自在に設けられる。第二の巻線16は、固定子12A(特に多相巻線12b)と回転子13Aとの間であって、ハウジング11Aに巻装されて固定される。
太線で図示する外回り磁気回路MC1は、外回り磁気回路MCの一例である。この外回り磁気回路MC1は、多相巻線12bへの通電によって形成される磁束の流れを示す。図1の例では、ハウジング11A→固定子12A→回転子13A→ハウジング11A→…のように流れる。外回り磁気回路MC1にかかる磁束の流れは、回転する回転子13Aの位置や多相巻線12bに流れる電流の方向などに応じて変わる。よって、図示する方向(右回り)に限らず、図示とは反対方向(左回り)もある。外回り磁気回路MC1に関する磁束の流れについては、後述する外回り磁気回路MC2〜MC5についても同様である。
回転電機10Aが電動機の場合には、多相巻線12bに電流を流す。この電流によって、コイルエンド部CEから系外磁束φが生じる。この系外磁束φは、外回り磁気回路MC1や第二の巻線16などに作用する。外回り磁気回路MC1に作用すると、回路を形成する磁束の磁束量が増えるので、動力出力が増加する。第二の巻線16に作用すると、起電力を生じる。すなわち、コイルエンド部CEが起磁力源となる。
次に、多相巻線12b,回転子巻線13b,第二の巻線16の接続例を図2〜図4に示す。図2に示す多相巻線12b(U相巻線Lu,V相巻線Lv,W相巻線Lw)は、それぞれの一端が中性点Pmに接続され、Y結線(スター結線)される。多相巻線12bの他端は、それぞれダイオードブリッジDB2に接続される。第二の巻線16は、ダイオードブリッジDB1に接続される。具体的には、多相巻線12bの他端と第二の巻線16の両端は、いずれも直列接続される整流素子の中間点に接続される。回転子巻線13bに相当する界磁巻線Lfは、スイッチング素子Qfが直列接続される。整流素子は、ダイオード,サイリスタ,MOSFET等のような整流器が該当する。
ダイオードブリッジDB1,DB2は、ブリッジ整流回路の一例である。このダイオードブリッジDB1,DB2は、それぞれの負側の一端がグラウンドGNDおよび出力端子Tmに接続され、他の正側の一端はまとめて出力端子Tpに接続される。回転電機10Aが発電機の場合には、多相巻線12b,第二の巻線16のそれぞれで生じる起電力が合わさり、出力端子Tp1,Tm1から電力出力Po1として出力される。
なお、回転子巻線13bは界磁巻線であり、回転電機10Aの回転子13Aに巻装されてクローポール磁極として磁化するための巻線である。発電出力の一部を自ら(回転子巻線13b)に通じるために、正負の出力端子Tp,Tmに結ばれている。
図3に示す多相巻線12b(U相巻線Lu,V相巻線Lv,W相巻線Lw)と第二の巻線16は、それぞれの一端が中性点Pmに接続されて、Y結線される。多相巻線12bと第二の巻線16の他端は、それぞれブリッジ整流回路の一例であるダイオードブリッジDB3に接続される。具体的には、多相巻線12bおよび第二の巻線16の各他端は、いずれも直列接続される整流素子の中間点に接続される。回転子巻線13b(界磁巻線Lf)は、スイッチング素子Qfが直列接続される。
ダイオードブリッジDB3およびスイッチング素子Qfは、それぞれの一端がグラウンドGNDに接続される。この接続によって、多相巻線12b,第二の巻線16は、それぞれに整流素子を介して並列接続になる。回転電機10Aが発電機の場合には、多相巻線12b,第二の巻線16のそれぞれで生じる起電力が合わさり、出力端子Tp1,Tm1から電力出力Po1として出力される。
図4に示す多相巻線12b(U相巻線Lu,V相巻線Lv,W相巻線Lw)は、それぞれの一端が中性点Pmに接続され、Y結線される。多相巻線12bの他端は、それぞれインバータINV2に接続される。第二の巻線16は、インバータINV1に接続される。回転子巻線13b(界磁巻線Lf)は、スイッチング素子Qfが直列接続される。
インバータINV1,INV2およびスイッチング素子Qfは、それぞれの一端がグラウンドGNDに接続される。この接続によって、多相巻線12b,第二の巻線16は並列接続になる。回転電機10Aが発電機の場合には、多相巻線12b,回転子巻線13b,第二の巻線16のそれぞれで生じる起電力が合わさり、電力出力Po1として出力される。
なお図示を省略するが、図2に示すダイオードブリッジDB1,DB2を図4に示すインバータINV1,INV2に変更したと同様に、図3に示すダイオードブリッジDB3をインバータで構成してもよい。この場合でも図3と同様に、多相巻線12b,第二の巻線16のそれぞれで生じる起電力が合わさり、出力端子Tp1,Tm1から電力出力Po1として出力される。
図5には、縦軸を電力出力Po(図2〜図4では電力出力Po1)とし、横軸を回転数Nとするときの特性線S1,S2を示す。二点鎖線で示す特性線S2は、多相巻線12bだけで発電する場合の電力出力Poを示す。実線で示す特性線S1は、多相巻線12bとともに第二の巻線16も発電する場合の電力出力Poを示す。回転数N1から最大回転数までは、特性線S1が特性線S2よりも電力出力Poが約15%以上増加する。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図6,図7を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1と相違する点を説明する。
図6に示す回転電機10Bは、回転電機10の一例である。図1は回転軸15を中心として上下方向に対称であるので、図6では回転軸15よりも下側の図示を省略する。対称性による下側の図示の省略は、後述する図8,図11,図14でも同様である。
回転電機10Bは、固定子12B,回転子13B,軸受14,回転軸15などをハウジング11B内に有する。ハウジング11Bは、ハウジング11の一例である。このハウジング11Bの形状や材料等は任意に設定してよい。本形態のハウジング11Bは、固定子12Bを支持して固定するための支持部11bを有する。ハウジング11Bと固定子12Bとの間の固定方法は問わない。
固定子12Bは、固定子12の一例である。この固定子12Bは、固定子鉄心12c(ステータコア)や多相巻線12bなどを有する。
回転子13Bは、回転子13の一例である。この回転子13Bは、アウタヨークコア13c,橋渡部13d,インナヨークコア13e,ディスク部13fなどを有する。これらの要素は、一体成形してもよく、一以上を個別に成形して固定してもよい。
アウタヨークコア13cとインナヨークコア13eは、図示するように橋渡部13dによって結合され、全体として断面が横に倒したU字形状(U字状)になる。橋渡部13dは、系外磁束φが作用するように、固定子12Bのコイルエンド部CEと近接させて配置するとよい。U字形状のアウタヨークコア13c,橋渡部13d,インナヨークコア13eは、ディスク部13fによって回転軸15に固定される。
上述した固定子12Bと回転子13Bとの間には、外側ギャップGoと内側ギャップGiとでそれぞれ空隙が設けられる。外側ギャップGoと内側ギャップGiの大きさは、外回り磁気回路MC2が形成できる範囲において、それぞれ任意に設定してよい。
太線で図示する外回り磁気回路MC2は、外回り磁気回路MCの一例である。図6の例では、固定子12B→アウタヨークコア13c→橋渡部13d→インナヨークコア13e→固定子12B→…のように流れる。
回転電機10Bが電動機の場合には、多相巻線12bに電流を流す。この電流によって、コイルエンド部CEから系外磁束φが生じる。この系外磁束φは、外回り磁気回路MC2などに作用する。外回り磁気回路MC2に作用すると、回路を形成する磁束の磁束量が増えるので、動力出力が増加する。すなわち、コイルエンド部CEが起磁力源となる。回転電機10Bが発電機の場合には、多相巻線12bで生じる起電力が電力出力Po1として出力される(図5に示す特性線S2を参照)。
図7には、アウタヨークコア13c,固定子鉄心12c,インナヨークコア13eの構成例を示す。なお、固定子12Bを構成する多相巻線12bの図示は省略する。
アウタヨークコア13c(特に内側)には、径方向に着磁される複数の磁石M1が設けられる。磁石M1の数は任意に設定してよく、磁石M1の固定方法を問わない。固定子鉄心12cは、外側に延びる複数のティース12c1や、内側に形成される歯車部12c3などを有する。インナヨークコア13eの外側には、歯車部12c3と対面する歯車部13e1を有する。歯車部12c3,13e1は、いずれも周方向の面が凹凸状に形成される部位であり、凹凸の高さ,幅,数等は任意に設定してよい。周方向に隣り合うティース12c1の相互間に形成される空間は、スロット12c2である。スロット12c2には、図示を省略した多相巻線12bが収容されて巻装される。アウタヨークコア13c(特に磁石M1)から固定子鉄心12c(特にティース12c1)に対して第一の電磁回転力MF1が生じる。また、インナヨークコア13e(特に歯車部13e1)から固定子鉄心12c(特に歯車部12c3)に対して第二の電磁回転力MF2が生じる。
アウタヨークコア13cと固定子鉄心12cとの間は、一般的な回転電機と同様に滑らかな回転制御が行える。一方、固定子鉄心12cとインナヨークコア13eとの間は、歯車部12c3,13e1によってVR(Variable Reluctance)型ステッピングモータのように回転制御が行える。したがって、回転電機10Bは一般的な磁石モータとVR型ステッピングモータの両方の動力が加わることで、さらに出力を向上できる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は図8〜図10を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1,2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1,2と相違する点を説明する。
図8に示す回転電機10Cは、回転電機10の一例であって、上述した回転電機10Bの変形例である。この回転電機10Cは、固定子12C,回転子13C,軸受14,回転軸15,第四の巻線17などをハウジング11B内に有する。
固定子12Cは、固定子12の一例である。この固定子12Cは、固定子鉄心12d(ステータコア)や多相巻線12bなどを有する。
回転子13Cは、回転子13の一例である。この回転子13Cは、アウタヨークコア13g,橋渡部13d,インナヨークコア13h,ディスク部13fなどを有する。これらの要素は、一体成形してもよく、一以上を個別に成形して固定してもよい。
アウタヨークコア13gとインナヨークコア13hは、図示するように橋渡部13dによって結合され、全体として断面がU字形状になる。U字形状のアウタヨークコア13g,橋渡部13d,インナヨークコア13hは、ディスク部13fによって回転軸15に固定される。アウタヨークコア13gには、複数の磁石M2が設けられる。
上述した固定子12Cと回転子13Cとの間には、外側ギャップGoと内側ギャップGiとでそれぞれ空隙が設けられる。外側ギャップGoと内側ギャップGiの大きさは、外回り磁気回路MC3が形成できる範囲において、それぞれ任意に設定してよい。
第四の巻線17は、固定子12C(特に多相巻線12b)と回転子13Cとの間であって、回転子13Cに巻装されて固定される。第四の巻線17は、系外磁束φの作用を受け易い位置に配置するのが望ましく、特にU字形状の底面部位13i(橋渡部13dの一面)に配置するのが望ましい。第四の巻線17の接続例は、後述する図10に示すように半波整流により自身に半波直流分が循環することにより系外磁束φを強める起磁力となるものである。
太線で図示する外回り磁気回路MC3は、外回り磁気回路MCの一例である。図8の例では、固定子12C→アウタヨークコア13g→橋渡部13d→インナヨークコア13h→固定子12C→…のように流れる。
回転電機10Cが電動機の場合には、多相巻線12bに電流を流す。この電流によって、コイルエンド部CEから系外磁束φが生じる。この系外磁束φは、外回り磁気回路MC3や第四の巻線17などに作用する。外回り磁気回路MC3に作用すると、回路を形成する磁束の磁束量が増えるので、動力出力が増加する。すなわち、コイルエンド部CEが起磁力源となる。系外磁束φが第四の巻線17に作用する場合については後述する(図10を参照)。回転電機10Cが発電機の場合には、多相巻線12bで生じる起電力が電力出力Po1として出力される(図5に示す特性線S2を参照)。
図9には、アウタヨークコア13g,固定子鉄心12d,インナヨークコア13hの構成例を示す。なお、一点鎖線で示す角度θは電気角で360度を示し、固定子12Cを構成する多相巻線12bの図示は省略する。
アウタヨークコア13g(特に内側)には、所定の磁極で磁化された複数の磁石M2が設けられる。磁石M1の数は任意に設定してよく、例えば電気角で360度ごとに設けられる。周方向に隣り合う磁石M2の相互間におけるアウタヨークコア13gは、磁石M2とは反対の極性を帯びるコンシクエント極CP1(破線で囲む領域部分)になる。コンシクエント極CP1は、コンシクエント極CPの一例である。
図9の例では、磁石M2をN極で磁化しているので、コンシクエント極CP1はS極になる。図示しないが、磁石M2をS極で磁化する場合には、コンシクエント極CP1はN極になる。アウタヨークコア13gにコンシクエント極CP1が形成されることにより、交番磁束の流通に対してヒステリシス損失が抑制される。
固定子鉄心12dは、外側に延びる複数のティース12d1を有し、インナヨークコア13hと対面する部位を凹凸の無い曲面で形成する。インナヨークコア13hは、固定子鉄心12dと対面する部位を凹凸の無い曲面で形成する。周方向に隣り合うティース12d1の相互間に形成される空間は、スロット12d2である。スロット12d2には、図示を省略した多相巻線12bが収容されて巻装される。
本形態の多相巻線12bは、全節巻線からなる三相巻線である。固定子12Cへの巻線実体の配列は、電気角で60度間隔とするとともに、三相のうち一相を反転して結線する。図9の配列例では、太線矢印で示すように、U相巻線LuとV相巻線Lvを正相で巻装し、W相巻線Lwを逆相で巻装する。固定子鉄心12dに巻装される多相巻線12bに印加する電圧または多相巻線12bに流す電流は、任意に設定してよいが、電気角で120度間隔とするのが望ましい。
図示しないが、W相巻線Lwを逆相で巻装する形態に代えて、U相巻線Luを逆相で巻装してもよく、V相巻線Lvを逆相で巻装してもよい。逆相で巻装した巻線には当該相の位相角を基準としたとき、180度の位相角となる逆相電流を流すものとする。これにより、当該相は正相となる。すなわち巻線は集中配置されるが、生成する磁界は普通の120度間隔の三相回転磁界となる。
多相巻線12bの全部を正相(あるいは逆相)で巻装し、それらの巻線それぞれに120度間隔の三相電流を通電するようにしてもよい。この場合の三相電流の波形は、矩形波でもよく、正弦波でもよい。また直流成分や歪波などように三相とは異なる成分を含ませてもよい。
図10には、第四の巻線17に相当する界磁巻線Lfに関する接続例(回路例)を示す。すなわち、界磁巻線Lfと整流素子D1とを短絡した閉回路で構成する。界磁巻線Lfで生じる電圧(起電力)は、界磁巻線Lfが有する巻線抵抗や、整流素子D1による電圧降下によって減少する。したがって、界磁巻線Lfが損傷することは無い。なお二点鎖線で図示するように、界磁巻線Lfの両端(すなわち出力端子Tp2,Tm2)から電力出力Po2を出力してもよい。この電力出力Po2は、整流素子D1によって半波整流された波形になる。
〔実施の形態4〕
実施の形態4は図11〜図13を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜3で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜3と相違する点を説明する。
図11に示す回転電機10Dは、回転電機10の一例であって、上述した回転電機10Bの変形例である。この回転電機10Dは、固定子12D、回転子13D、軸受14、回転軸15、複数の第三の巻線18a,18bなどをハウジング11B内に有する。
固定子12Dは、固定子12の一例である。この固定子12Dは、固定子鉄心12e(ステータコア)や多相巻線12bなどを有する。
回転子13Dは、回転子13の一例である。この回転子13Dは、アウタヨークコア13g,橋渡部13d,インナヨークコア13j,ディスク部13fなどを有する。これらの要素は、一体成形してもよく、一以上を個別に成形して固定してもよい。
アウタヨークコア13gとインナヨークコア13jは、図示するように橋渡部13dによって結合され、全体として断面がU字形状になる。U字形状のアウタヨークコア13g,橋渡部13d,インナヨークコア13jは、ディスク部13fによって回転軸15に固定される。アウタヨークコア13gには複数の磁石M2が設けられ、インナヨークコア13jには複数の磁石M3が設けられる。
上述した固定子12Dと回転子13Dとの間には、外側ギャップGoと内側ギャップGiとでそれぞれ空隙が設けられる。外側ギャップGoと内側ギャップGiの大きさは、外回り磁気回路MC4が形成できる範囲において、それぞれ任意に設定してよい。
複数の第三の巻線18a,18bは「励磁巻線」に相当し、固定子12D(特に多相巻線12b)と回転子13Dとの間であって、回転子13Dに巻装されて固定される。第三の巻線18a,18bは、図8に示す第四の巻線17と同様に配置される。系外磁束φの作用を受け易い位置に配置するのが望ましく、特にU字形状の底面部位13iに配置するのが望ましい。第三の巻線18a,18bの接続例は後述する(図13を参照)。
太線で図示する外回り磁気回路MC4は、外回り磁気回路MCの一例である。図11の例では、固定子12D→アウタヨークコア13g→橋渡部13d→インナヨークコア13j→固定子12D→…のように流れる。
回転電機10Dが電動機の場合には、多相巻線12bに電流を流す。この電流によって、コイルエンド部CEから系外磁束φが生じる。この系外磁束φは、外回り磁気回路MC4や第三の巻線18a,18bなどに作用する。外回り磁気回路MC4に作用すると、回路を形成する磁束の磁束量が増えるので、動力出力が増加する。すなわち、コイルエンド部CEが起磁力源となる。系外磁束φが第三の巻線18a,18bに作用する場合については後述する(図13を参照)。回転電機10Dが発電機の場合には、多相巻線12bで生じる起電力が電力出力Po1として出力される(図5に示す特性線S2を参照)。
図12には、アウタヨークコア13g,固定子鉄心12e,インナヨークコア13jの構成例を示す。なお、固定子12Dを構成する多相巻線12bの図示は省略する。
アウタヨークコア13gは、実施の形態3と同様に所定の磁極で磁化された複数の磁石M2が設けられる。そのため、周方向に隣り合う磁石M2の相互間にはコンシクエント極CP1が形成される。インナヨークコア13j(特に外側)には、所定の磁極で磁化された複数の磁石M3が設けられる。磁石M3の数は任意に設定してよく、例えば電気角で360度ごとに設けられる。
周方向に隣り合う磁石M3の相互間におけるインナヨークコア13jは、磁石M3とは反対の極性を帯びるコンシクエント極CP2(破線で囲む領域部分)になる。コンシクエント極CP2は、コンシクエント極CPの一例である。コンシクエント極CP1,CP2が形成されることにより、交番磁束の流通に対してヒステリシス損失が抑制される。
固定子鉄心12eは、外側に延びる複数のティース12e1や、内側に延びる内側ティース12e3などを有する。周方向に隣り合うティース12e1,12e3の相互間に形成される空間は、それぞれスロット12e2,12e4である。スロット12e2,12e4には、図示を省略した多相巻線12bが収容されて巻装される。
図13には、複数の第三の巻線18a,18bに関する接続例(回路例)を示す。第三の巻線18aは、ブリッジ整流回路の一例であるダイオードブリッジDB4に接続される。具体的には、第三の巻線18aの両端は、直列接続されるダイオードの中間点に接続される。このダイオードブリッジDB4の両端には第三の巻線18bが接続される。
図13の接続例では、第三の巻線18aが発電用巻線として機能し、第三の巻線18bが励磁巻線(界磁巻線)として機能する。すなわち、第三の巻線18aで生じる起電力を用いて、第三の巻線18bで系外磁束φと同様の磁束を発生させる。外回り磁気回路MC4の磁束量が増えると、動力出力も増加する。
なお二点鎖線で図示するように、ダイオードブリッジDB4の両端(すなわち出力端子Tp3,Tm3)から電力出力Po3を出力してもよい。この電力出力Po3は、ダイオードブリッジDB4によって全波整流された波形になる。
〔実施の形態5〕
実施の形態5は図14,図15を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1〜4で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、主に実施の形態1〜4と相違する点を説明する。
図14に示す回転電機10Eは、回転電機10の一例である。この回転電機10Eは、固定子12A,回転子13F,軸受14,回転軸15などをハウジング11C内に有する。ハウジング11Cは、ハウジング11の一例である。このハウジング11Cの形状や材料等は任意に設定してよい。本形態のハウジング11Cは、回転子13Fと内側で対面するインナヨーク11cを有する。インナヨーク11cの構成例については後述する(図15を参照)。
回転子13Fは、回転子13の一例である。この回転子13Fは、回転子鉄心13kやディスク部13fなどを有する。回転子鉄心13kとディスク部13fは、一体成形してもよく、一以上を個別に成形して固定してもよい。回転子鉄心13kは、ディスク部13fによって回転軸15に固定される。
上述した固定子12Aと回転子13Fとの間には、外側ギャップGoと内側ギャップGiとでそれぞれ空隙が設けられる。外側ギャップGoと内側ギャップGiの大きさは、外回り磁気回路MC5が形成できる範囲において、それぞれ任意に設定してよい。
太線で図示する外回り磁気回路MC5は、外回り磁気回路MCの一例である。図14の例では、固定子12A→回転子鉄心13k→インナヨーク11c→ハウジング11C→固定子12A→…のように流れる。
回転電機10Eが電動機の場合には、多相巻線12bに電流を流す。この電流によって、コイルエンド部CEから系外磁束φが生じる。この系外磁束φは、外回り磁気回路MC5などに作用する。外回り磁気回路MC5に作用すると、回路を形成する磁束の磁束量が増えるので、動力出力(出力トルクや第二の電磁回転力MF2に相当する)が増加する。すなわち、コイルエンド部CEが起磁力源となる。回転電機10Eが発電機の場合には、多相巻線12bで生じる起電力が電力出力Po1として出力される(図5に示す特性線S2を参照)。
図15には、固定子12A,回転子13F,インナヨーク11cの構成例を示す。固定子12Aの固定子鉄心12aには、複数のティース12a1と複数のスロット12a2などを有する。なお、スロット12a2に収容されて巻装される多相巻線12bの図示は省略する。
回転子13Fには、周方向に着磁される複数の磁石M4が設けられる。磁石M4の数は任意に設定してよく、磁石M4の固定方法を問わない。周方向に隣り合う磁石M4は互いに逆向きに着磁され、磁石M4の相互間における回転子鉄心13kは、コンシクエント極CP3になる。このコンシクエント極CP3の極性は、図示するようにN極とS極が交互にあらわれる。コンシクエント極CP3は、コンシクエント極CPの一例である。S極のコンシクエント極CP3から固定子鉄心12aに向かって磁束φsが流れる。コンシクエント極CP3がN極のときは、固定子鉄心12aから磁束(磁束φsとは逆向きの磁束)が流れる。固定子鉄心12aとコンシクエント極CP3の間で流れる磁束には、磁石M4の磁束も含まれるので動力出力が向上する。
インナヨーク11cは、回転子13Fと対面する側に突起する複数の凸状部11c1を有する。複数の凸状部11c1の数は問わないが、同じ極性(N極またはS極)になるコンシクエント極CP3の数と合わせるのが望ましい。
インナヨーク11cは、凸状部11c1がコンシクエント極CP3に対面するごとに極性が変化する。実線で示すように凸状部11c1がN極のコンシクエント極CP3に対面するときにはN極となり、二点鎖線で示すように凸状部11c1がS極のコンシクエント極CP3に対面するときにはS極となる。凸状部11c1がS極のとき、N極のコンシクエント極CP3に向かって磁束φnが流れる。凸状部11c1がN極のとき、S極のコンシクエント極CP3から磁束(磁束φnとは逆向きの磁束)が流れる。凸状部11c1とコンシクエント極CP3の間で流れる磁束には、磁石M4の磁束も含まれるので動力出力が向上する。
回転子13Fが回転すると、凸状部11c1はN極とS極が交互に変わる交流励磁が生じる。よって、多相巻線12bへの通電によってコイルエンド部CEから系外磁束φが発生することを考慮すると、系外磁束φの交番を回転子13Fの回転による磁極交番と同期させるのが望ましい。こうすると、磁界が集中し強化されて高性能(高出力)になる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜5に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1では、多相巻線12bと第二の巻線16で生じる起電力を合わせて電力出力Po1として出力する構成とした(図2〜図4を参照)。この形態に代えて、図16に示す接続例では、多相巻線12bで生じる起電力を電力出力Po1として出力し、第二の巻線16で生じる起電力を出力端子Tp4,Tm4から電力出力Po4として出力する構成としてもよい。電力出力Po4は全波整流される波形になる。また、図17に示す接続例では、多相巻線12bで生じる起電力を電力出力Po1として出力し、第二の巻線16で生じる起電力を出力端子Tp5,Tm5から電力出力Po5として出力する構成としてもよい。電力出力Po5は整流されない波形がそのまま出力される。図16や図17の接続例で構成することにより、多相巻線12bと第二の巻線16で個別に電力を出力することができる。
固定子12と回転子13の組み合わせとして、実施の形態1では固定子12Aと回転子13Aを適用し(図1を参照)、実施の形態2では固定子12Bと回転子13Bを適用し(図6を参照)、実施の形態3では固定子12Cと回転子13Cを適用し(図8を参照)、実施の形態4では固定子12Dと回転子13Dを適用し(図11を参照)、実施の形態5では固定子12Aと回転子13Fを適用する構成とした(図14を参照)。この形態に代えて、外回り磁気回路MCが形成されることを条件として、実施の形態1〜5の組み合わせ以外で固定子12(12A〜12D)と回転子13(13A〜13F)を組み合わせる構成としてもよい。組み合わせの相違に過ぎず、系外磁束φを有効利用できるので、実施の形態1〜5と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1では、回転電機10Aに第二の巻線16を備える構成とした(図1〜図4を参照)。この形態に代えて、実施の形態2〜5に示す回転電機10B〜10Eに備える構成としてもよい。回転電機10B〜10Eについても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態2〜5では、回転子13B〜13Fには単体の磁石M1〜M4を備える構成とした(図1,図8,図11を参照)。この形態に代えて、磁石M1〜M4のうちで一以上の磁石を複数の分割磁石で構成してもよい。磁石M1〜M4を分割するか否かの相違に過ぎないので、実施の形態2〜5と同様の作用効果を得ることができる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態1〜5および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)回転電機10(10A〜10E)において、多相巻線12b(Lu,Lv,Lw)のうちで固定子鉄心12a,12c,12d,12eからはみ出すコイルエンド部CEを囲む外回り磁気回路MC(MC1〜MC5)を有し、外回り磁気回路MCに対して、多相巻線12bのコイルエンド部CEに流す電流に由来する系外磁束φを作用させることで、電力出力Po(Po1〜Po3)または動力出力を増加する構成とした(図1〜図6,図8,図10,図11,図13,図14を参照)。この構成によれば、コイルエンド部CEも起磁力源となるので、構造的に無駄とされてきたコイルエンド部CEが有効になる。よって、従来のようなスロットのスペースを必要としないので、同じ出力の回転電機10でも小型化することができる。同じ体格の回転電機10であれば、電力出力Poや動力出力などの出力を高めて高性能化することができる。
(2)外回り磁気回路MCのアウタヨークコア13c,13gは、コイルエンド部CE(多相巻線12bのはみだし部分)の外側を囲んで固定子鉄心12c,12dの外側と内側を橋渡しするように設ける構成とした(図6,図8を参照)。この構成によれば、既設部品としてのアウタヨークコア13c,13gを有効に外回り磁気回路MCに利用できるので、体格がコンパクトになり、かつ、素材コストも最小で済む。
(3)外回り磁気回路MCと固定子鉄心12aとの間に第二の巻線16を配置し、電磁誘導によって第二の巻線16から電力出力Poを取り出す構成とした(図1〜図4,図16,図17を参照)。この構成によれば、多相巻線12b以外からの電力出力Poを取り出せるので、高出力高効率となる。
(4)系外磁束φを、ギャップ(ギャップGp,外側ギャップGo,内側ギャップGi)と異なる部位(ハウジング11や回転子13)に供給して、第二の電磁回転力MF2とする構成とした(図1,図6,図8,図11,図14を参照)。この構成によれば、従来では無駄にしていた起磁力源を活かせるので、高性能で高効率となる。
(5)外回り磁気回路MCと固定子鉄心12eとの間には、励磁源が得られる第三の巻線18a,18bを配置し、いずれか一方の第三の巻線18bを励磁巻線とする構成とした(図11を参照)。この構成によれば、固定子鉄心12e以外の空間に第三の巻線18a,18bを配置するだけでよいので、簡素な構成で励磁源が得られる。
(6)回転子13Cは、U字形状の断面で形成され、U字形状の底面部位13iに設けられる第四の巻線17を有し、第四の巻線17は、両端を整流素子D1で短絡する構成とした(図8,図10を参照)。この構成によれば、第四の巻線17はU字形状の回転子13Cにおける空間を有効に利用して設けられるので、体格を最小限に抑えられるブラシレスロータを構成できる。
(7)多相巻線12bによる系外磁束φの交番を回転子13Fの回転による磁極交番と同期させて、回転子13Fの磁極の磁界強化をなす構成とした(図14,図15を参照)。この構成によれば、磁界が集中し強化されるので、高性能となる。
(8)多相巻線12bは、全節巻線からなる三相巻線であり、固定子12Cへの巻線実体の配列は電気角で60度間隔とするとともに、三相のうち一相を反転して結線し、三相巻線に印加する電圧または三相巻線に流す電流は、電気角で120度間隔とする構成とした(図8,図9を参照)。この構成によれば、内側に在る巻線端(多相巻線12bの端部)が重なりコンパクトとなり、覆い易いという効果がある。
(9)回転子13C,13D,13E(具体的にはアウタヨークコア13gや回転子鉄心13k)の磁極は、コンシクエント極CP(CP1〜CP3)を含む構成とした(図9,図12,図15を参照)。この構成によれば、交番磁束の流通に対して、交番分をヒステリシス損失が大きい磁石ではなく、アウタヨークコア13gや回転子鉄心13kに通せるため、損失が抑制されるという効果がある。
10(10A〜10E) 回転電機
12(12A〜12D) 固定子(ステータ)
12a,12c,12d,12e 固定子鉄心(ステータコア)
12b 多相巻線
13 回転子(ロータ)
φ 系外磁束
CE コイルエンド部
CP(CP1〜CP3) コンシクエント極
Gp,Gi,Go ギャップ
MC(MC1〜MC5) 外回り磁気回路
Po(Po1〜Po5) 電力出力

Claims (8)

  1. 固定子鉄心(12a,12c,12d,12e)に多相巻線(12b)が巻装される固定子(12)と、前記固定子とギャップ(Gp,Gi,Go)を介して回転自在に設けられる回転子(13)とを有する回転電機(10)において、
    前記多相巻線のうちで前記固定子鉄心からはみ出すコイルエンド部を囲む外回り磁気回路(MC)を有し、
    前記外回り磁気回路に対して、前記多相巻線を通じて前記コイルエンド部に流す電流に由来する系外磁束(φ)を作用させることで、出力を増加し、
    前記外回り磁気回路と前記固定子鉄心との間に第二の巻線(16)を配置し、
    電磁誘導によって前記第二の巻線から電力出力を取り出すことを特徴とする回転電機。
  2. 前記回転子は、前記コイルエンド部を囲むように設けられた回転子鉄心を有し、
    前記回転子鉄心は、前記固定子鉄心に対して径方向外側に配置されたアウタヨークコアと、前記固定子鉄心に対して径方向内側に配置されたインナヨークコアと、前記固定子鉄心に対して軸方向外側において前記アウタヨークコアと前記インナヨークコアとを結合する橋渡部と、を有することを特徴とする請求項に記載の回転電機。
  3. 前記系外磁束を、前記ギャップと異なる部位(11,13)に供給して、第二の電磁回転力(MF2)とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記外回り磁気回路と前記固定子鉄心との間には、励磁源が得られる第三の巻線(18a,18b)を配置し、
    前記第三の巻線を励磁巻線とすることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機。
  5. 前記回転子は、断面U字形状に形成された底面部位(13i)に設けられる第四の巻線(17)を有し、
    前記第四の巻線は、両端を整流素子(D1)で短絡することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機。
  6. 前記多相巻線による前記系外磁束の交番を前記回転子の回転による磁極交番と同期させて、前記回転子の磁極の磁界強化をなすことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 前記多相巻線は、全節巻線からなる三相巻線であり、前記固定子への巻線実体の配列は電気角で60度間隔とするとともに、三相のうち一相を反転して結線し、
    前記三相巻線に印加する電圧または前記三相巻線に流す電流は、電気角で120度間隔とすることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機。
  8. 前記回転子の磁極は、コンシクエント極(CP)を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の回転電機。
JP2015019124A 2015-02-03 2015-02-03 回転電機 Active JP6432778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015019124A JP6432778B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015019124A JP6432778B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016144325A JP2016144325A (ja) 2016-08-08
JP6432778B2 true JP6432778B2 (ja) 2018-12-05

Family

ID=56570991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015019124A Active JP6432778B2 (ja) 2015-02-03 2015-02-03 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6432778B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6750364B2 (ja) 2016-07-22 2020-09-02 株式会社デンソー 回転電機の回転角推定装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06351206A (ja) * 1993-04-14 1994-12-22 Meidensha Corp ハイブリッド励磁形永久磁石同期回転機
US6097124A (en) * 1997-10-23 2000-08-01 Satcon Technology Corporation Hybrid permanent magnet/homopolar generator and motor
JP3928297B2 (ja) * 1999-03-26 2007-06-13 日産自動車株式会社 電動機及びその製造方法
JP2004194383A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Nissan Motor Co Ltd 回転電機
JP5298798B2 (ja) * 2008-11-19 2013-09-25 株式会社デンソー モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016144325A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6477256B2 (ja) 回転電機
JP5302527B2 (ja) 回転電機及びその駆動制御装置
CN102577028B (zh) 无电刷的同步马达
JP5363913B2 (ja) 回転電機駆動システム
JP4880804B2 (ja) 同期電動機駆動システム
JP2010531130A (ja) 12個のステータ歯と10個のロータ極とを有する同期モータ
JP5542849B2 (ja) スイッチドリラクタンスモータ
JP2000512840A (ja) ブラシレス多相電気機器、特に自動車用オルタネータ
JP3466591B2 (ja) 回転電機
CN105284033A (zh) 电机
JP6455725B2 (ja) 回転電機
Dajaku et al. An improved fractional slot concentrated winding for low-poles induction machines
JP2010136523A (ja) 回転電機の駆動制御装置
JP2011120429A (ja) 磁石式発電機
JP5301905B2 (ja) 複数相回転電機駆動装置、複数相発電機用コンバータ、複数相回転電機、及び回転電機駆動システム
JP2016213948A (ja) 回転電機
JP6561693B2 (ja) 回転電機
JP6432778B2 (ja) 回転電機
JP2017028972A (ja) 交流励磁同期回転電機
JP6451990B2 (ja) 回転電機
JP2020043654A (ja) モータ
JP5175699B2 (ja) 回転電機
JP2009142130A (ja) 回転電機及び回転電機駆動装置
JP2018148675A (ja) 回転電機のステータ
JP2017139864A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181024

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6432778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250