JP6429984B2 - 通信装置、無線接続方法、及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は、通信装置、無線接続方法、及びプログラムに関する。

Ｗｉ−Ｆｉ ＡｌｌｉａｎｃｅによりＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ（登録商標）という規格が制定されている。Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔでは、印刷装置やＰＣ等の通信装置がアクセスポイントまたはクライアントのいずれで動作するかを決定するためのプロトコルが規定されている。このプロトコルを実行することにより、アクセスポイントになる通信装置、クライアントになる通信装置を自動的に決定できる。このＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔを利用することで、アクセスポイントを別途用意する必要がなくなり、通信装置同士が直接無線通信を実行することができる。

図１はＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔの処理シーケンスを簡単に説明した図である。印刷装置と携帯端末は、それぞれＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔをサポートしている情報処理装置の一例である。

まず初めに、印刷装置と携帯端末はそれぞれ通信相手を特定するために機器探索を行う（ステップＳ１０１）。機器探索によって通信相手を特定すると、どちらがアクセスポイント（ＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒ）になり、どちらがクライアント（Ｃｌｉｅｎｔ）になるかを決定する（ステップＳ１０２）。このステップＳ１０２の処理を役割決定と呼ぶ。図１では、ステップＳ１０２の役割決定の結果、印刷装置がＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒに、携帯端末がＣｌｉｅｎｔになったこととする。

次に、Ｗｉ−Ｆｉ Ａｌｌｉａｎｃｅにより制定されたＷＰＳ（Ｗｉ−Ｆｉ Ｐｒｏｔｅｃｔｅｄ Ｓｅｔｕｐ）を用いて、ＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒである印刷装置からＣｌｉｅｎｔである携帯端末へ接続を行うためのパラメータを提供することで、印刷装置と携帯端末との間でパラメータを共有する（ステップＳ１０３）。そしてそのパラメータを用いてセキュア接続を行う（ステップＳ１０４）。なお、ステップＳ１０４の処理が完了するまでは、ＯＳＩ参照モデルのデータリンク層の通信として実行される。

セキュア接続が完了すると、印刷装置と携帯端末との間でＩＰ通信を行うためのアドレッシングを行う（ステップＳ１０５）。この際、ＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒである印刷装置がＤＨＣＰサーバとして動作し、Ｃｌｉｅｎｔである携帯端末に対してＩＰアドレスを付与する。ステップＳ１０５の処理によって、印刷装置と携帯端末においてＯＳＩ参照モデルのネットワーク層よりも上位層の通信が可能となる。

以上の処理を行うことで、印刷装置と携帯端末との間で無線通信が確立する。そしてこの無線通信を使用することで、別途アクセスポイントを用意することなく、印刷装置と携帯端末が直接通信を行うことが可能になる。特許文献１には、このＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔを利用して音声データや写真データを送受信することが記載されている。

特開２０１２−１９９８８４号公報

通信装置は、Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔによって外部装置と簡単に無線通信を確立することができる。そして通信装置は、Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔによって確立した無線通信を用いて外部装置が提供する様々なサービス（例えばプリントやストレージ）を利用することができる。しかしながら、ユーザが所望するサービスを外部装置が提供していない場合、通信装置は再度接続相手を探索する必要がある。従ってユーザにしてみれば、所望のサービスを利用するまでに図１で説明した処理を繰り返す場合があり、ユーザの手間になってしまう。

そこで本発明では、所望のサービスを提供可能な装置をまず検索し、そして検索された装置との間で無線通信を確立することを目的とする。

上述した課題を解決するために、本発明が提供する通信装置は、Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能を有する通信装置であって、プリントサービスを少なくとも含む複数のサービスの中から、ユーザがＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能によって利用するサービスを特定する特定手段と、検索開始指示をユーザから受け付けた場合に、前記特定手段によって特定されたサービスを提供するデバイスを検索するためのサービス検索要求を、周囲のデバイスに送信する第１の送信手段と、前記サービス検索要求に対して応答したデバイスに、デバイス情報を取得するための取得要求を送信する第２の送信手段と、前記取得要求によって取得した前記デバイス情報に基づいて、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の接続先であって、前記特定手段によって特定されたサービスを提供する接続先をユーザが選択するための候補リストを表示する表示手段と、前記候補リストの中からユーザに選択されたデバイスと前記通信装置との間で、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の無線接続を確立するための接続処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする。

本発明によれば、所望のサービスを提供可能な装置をまず検索し、そして検索された装置との間で無線通信を確立することができる。

Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔの処理シーケンスを示す図である。 印刷装置２００のハードウェア構成を示す図である。 印刷装置２００のソフトウェア構成を示す図である。 携帯端末４００のハードウェア構成を示す図である。 処理全体の流れを示すシーケンス図である。 携帯端末４００に表示される検索画面を示す図である。 印刷装置２００の位置情報を登録するための画面である。 印刷装置２００が記憶している情報を示す図である。 携帯端末４００が実行する処理を示すフローチャートである。 携帯端末４００が実行する処理を示すフローチャートである。 印刷装置２００が実行する処理を示すフローチャートである。

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。

（実施形態１）
図２は、印刷装置２００のハードウェア構成を示す図である。印刷装置２００は、無線通信を実行可能な通信装置の一例である。

ＣＰＵ２０２を含む制御部２０１は、印刷装置２００全体の動作を制御する。ＣＰＵ２０２は、ＲＯＭ２０４に記憶された制御プログラムを読み出して通信制御などの各種制御を行う。ＲＡＭ２０３は、ＣＰＵ２０２の主メモリ、ワークエリア等の一時領域として用いられる。ＨＤＤ２０５は、データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。また、ＨＤＤ２０５は外部装置から送信された画像データを蓄積することができる。

プリンタＩ／Ｆ２０６は、プリンタ２０７（プリンタエンジン）と制御部２０１とを接続する。プリンタ２０７は、プリンタＩ／Ｆ２０６を介して入力された印刷データに基づいて、不図示の給紙カセットから給紙されたシートに印刷処理を実行する。

スキャナＩ／Ｆ２０８は、スキャナ２０９と制御部２０１とを接続する。スキャナ２０９は、載置された原稿を読み取り、そして画像データを生成する。スキャナ２０９が生成した画像データは、プリンタ２０７で印刷されたり、ＨＤＤ２０５に記憶されたり、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２や有線ＬＡＮＩ／Ｆ２１３を介して外部装置に送信されたりする。

操作パネルＩ／Ｆ２１０は、操作パネル２１１と制御部２０１とを接続する。操作パネル２１１にはタッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードや、各種ファンクションキー等が備えられている。ユーザは操作パネル２１１に表示された画面を確認したり、またタッチパネルを用いて様々な指示を印刷装置２００に入力することができる。

無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２は、携帯端末やＰＣ等の外部装置と無線通信を実行する。この無線通信によって、印刷装置２００は外部装置から印刷データを受信し、受信した印刷データに基づいてプリンタ２０７が印刷処理を実行する。また、スキャナ２０９が生成した画像データを、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２を介して外部装置に送信することもできる。

有線ＬＡＮＩ／Ｆ２１３は、不図示のＬＡＮケーブルが接続され、不図示の外部装置と通信を実行することができる。

なお、印刷装置２００は１つのＣＰＵ２０２が１つのメモリ（ＲＡＭ２０３）を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のＣＰＵや複数のメモリを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。

図３は、印刷装置２００のソフトウェア構成を示す図である。図３に示す各機能部は、ＣＰＵ２０２がＲＯＭ２０４やＨＤＤ２０５に記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。

操作制御部３０１は、操作パネル２１１を制御する。例えば操作パネル２１１に操作画面を表示したり、表示した操作画面を介したユーザの指示の入力を受け付けたりする。また、受け付けたユーザの指示を他の機能部に通知したり、受け付けたユーザの指示に応じて表示する操作画面を更新したりする。

記憶部３０２は、他の機能部からの指示により、指定されたデータをＲＡＭ２０３やＨＤＤ２０５に記憶したり、又は記憶しているデータを読み出したりする。

無線通信部３０３は、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２が実行する無線通信を制御する。また、有線通信部３０４は、有線ＬＡＮＩ／Ｆ２１３が実行する通信を制御する。

サービス部３０５は、携帯端末やＰＣ等の外部装置にサービスを提供する。本実施形態では、サービス部３０５はプリントサービス３０６とストレージサービス３０７とで構成されている。

プリントサービス３０６は、外部装置にプリントサービスを提供する。具体的には、外部装置から受信した印刷データをプリンタ２０７に入力し、そしてプリンタ２０７に印刷データに基づく印刷処理を実行させる。

ストレージサービス３０７は、外部装置にストレージサービスを提供する。具体的には、外部装置から受信した画像データ等の電子ファイルをＨＤＤ２０５等のメモリに蓄積する。

本実施形態では、サービス部３０５が提供するサービスとしてプリントサービス３０６とストレージサービス３０７を例にして説明したが、他のサービスを提供可能であってもよい。

図４は、携帯端末４００のハードウェア構成を示す図である。携帯端末４００も印刷装置２００と同様に無線通信を実行可能な通信装置の一例である。携帯端末４００は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、デジタルカメラ等の装置である。

ＣＰＵ４０１は、ＲＯＭ４０３に記憶された制御プログラムを読み出して携帯端末４００全体の動作を制御する。ＲＡＭ４０２は、ＣＰＵ４０１の主メモリ、ワークエリア等の一時領域として用いられる。ＨＤＤ４０４は、データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。

操作部４０５は、タッチパネル機能を有する液晶表示部やハードキーで構成される。ユーザは操作部４０５に表示された画面を確認したり、またタッチパネルを用いて様々な指示を印刷装置２００に入力することができる。

無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、印刷装置２００等の外部装置と無線通信を実行する。無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、例えば、ＨＤＤ４０４等のメモリに記憶された画像データを印刷データとして印刷装置２００に送信することができる。

ＧＰＳ受信部４０７はＧＰＳ衛星から信号を受信する。この信号によって、ＣＰＵ４０１は携帯端末４００の位置を特定することができる。

なお、携帯端末４００は１つのＣＰＵ４０１が１つのメモリ（ＲＡＭ４０２）を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のＣＰＵや複数のメモリを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。

次に、本実施形態の通信システム全体の処理の流れを、図５のシーケンス図を用いて説明する。図５は、携帯端末４００と、印刷装置２００と、ＰＣ５００とで通信システムが構成されている例を示している。なお、印刷装置２００はプリントサービスとストレージサービスを備え、ＰＣ５００はストレージサービスのみを備えることとする。

携帯端末４００のユーザは、印刷装置２００やＰＣ５００等の通信装置が提供する複数のサービスのうち、利用したいサービスを指定する。次に携帯端末４００は、ユーザに指定されたサービスを提供可能な通信装置を検索するためのサービス検索（検索要求）を送信する（ステップＳ５０１、Ｓ５０２）。このサービス検索はブロードキャストで送信される。

図６（ａ）の検索画面６００は、携帯端末４００の操作部４０５に表示される画面である。検索画面６００において、ユーザは利用したいサービスを指定する。本実施形態では、項目６０１にプリントサービスとストレージサービスの２種類のサービスが表示されていて、ユーザは利用したいサービスを指定することができる。なお、指定できるサービスはプリントサービスとストレージサービスのどちらか一方であってもよいし、両方を指定できてもよい。ユーザが項目６０１で利用したいサービスを指定した後にボタン６０２を押下すると、サービス検索が送信される（ステップＳ５０１、Ｓ５０２）。

サービス検索を受信した受信した通信装置（印刷装置２００、ＰＣ５００）は、サービス検索が指定するサービスを提供可能か否かを判定する。なお、ステップＳ５０１、Ｓ５０２で送信されたサービス検索では、プリントサービスが指定されていることとする。

印刷装置２００はプリントサービスを提供可能であるため、ステップＳ５０３でサービス検索に対して応答する。なお、この応答には印刷装置２００のＭＡＣアドレスが少なくとも含まれている。一方、ＰＣ５００はプリントサービスを提供できないため、受信したサービス検索に対して応答しない。

サービス検索に対する応答を受信した携帯端末４００は、サービス検索に対して応答した印刷装置２００に機器情報を要求する（ステップＳ５０４）。ステップＳ５０４では、ステップＳ５０３で受信した応答に含まれるＭＡＣアドレスを用いて、機器情報を取得するための取得要求がユニキャストで印刷装置２００に送信される。ＰＣ５００はサービス検索に対して応答していないため、機器情報を取得するための取得要求はＰＣ５００には送信されない。なお、図５では印刷装置２００に機器情報の取得要求を送信しているが、サービス検索に応答した通信装置が複数存在すれば、その複数の通信装置に機器情報の取得要求が送信される。

機器情報の取得要求を受信した印刷装置２００は、ステップＳ５０５で機器情報の取得要求に対して応答する。本実施形態では、印刷装置２００の位置を特定するための位置情報と、印刷装置２００が提供するサービスに関する印刷装置２００の能力情報の少なくとも２種類の情報を、印刷装置２００の機器情報としてステップＳ５０５で応答する。位置情報や能力情報については、後述する図７、図８で詳しく説明する。

機器情報の取得要求に対する応答を印刷装置２００から受信した携帯端末４００は、ステップＳ５０６において検索結果を表示する。図６（ｂ）の検索画面６１０は、ユーザが指定したサービスを提供可能な通信装置の一覧を示す図であり、携帯端末４００の操作部４０５に表示される。領域６１１には、ユーザが指定したサービスを提供可能な通信装置の一覧が、その通信装置の装置名を使って表示される。

次にステップＳ５０７において、ユーザは接続先の通信装置を選択する。領域６１１でユーザが所望の通信装置を選択すると、図６（ｃ）の検索画面６２０が携帯端末４００の操作部４０５に表示される。検索画面６２０は、領域６１１において装置名「Ｐｒｉｎｔｅｒ−００１」の通信装置（印刷装置２００）がユーザによって選択された場合を示している。検索画面６２０では、ユーザによって選択された装置名「Ｐｒｉｎｔｅｒ−００１」の通信装置が領域６２１において強調表示されている。また、領域６１１においてユーザが選択したことに応じて、領域６２１では装置名「Ｐｒｉｎｔｅｒ−００１」の通信装置の能力情報や位置情報が表示される。

検索画面６２０のようにユーザが接続先の通信装置を選択した状態でボタン６２２を押下すると、ステップＳ５０８において携帯端末４００は印刷装置２００との間でＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔに基づく無線接続を実行する。これにより、携帯端末４００と印刷装置２００との間で無線通信が確立する。

無線通信が確立すると、携帯端末４００はこの確立した無線通信を用いて印刷装置２００が提供するサービスを利用することができる。例えば携帯端末４００がステップＳ５０９で印刷データを印刷装置２００に送信し、そしてステップＳ５１０で印刷装置２００が印刷データに基づく印刷を実行するというプリントサービスを利用することができる。また、プリントサービスに限らず、携帯端末４００が画像データ等の電子ファイルを印刷装置２００に送信し、そして印刷装置２００がＨＤＤ２０５等のメモリに受信した電子ファイルを蓄積するというストレージサービスを利用することもできる。

図７の登録画面７００は、印刷装置２００の操作パネル２１１に表示される画面であり。この登録画面７００によって、ユーザは印刷装置２００の位置情報を含む各種情報を印刷装置２００に登録することができる。

入力フォーム７０１は、印刷装置２００の装置名を入力する。ユーザが任意の装置名を入力することで、ユーザは印刷装置２００を他の印刷装置と容易に識別できるようになる。入力フォーム７０２は、印刷装置２００の設置場所を入力する。登録画面７００では設置場所として「Ｃ−２」が入力されている。入力フォーム７０２には、設置場所として部屋の番号や会議室の番号等の任意の設置場所を入力することができる。

入力フォーム７０３は、印刷装置２００が設置されている場所を示す情報として、緯度と経度を入力する。なお、登録画面７００ではユーザが緯度と経度を入力する構成を説明したが、印刷装置２００がＧＰＳ機能を備える場合は、自動的に入力フォーム７０３に緯度と経度を入力してもよい。

ユーザがボタン７０４を押下すると、登録画面７００においてユーザが入力した情報が印刷装置２００のＨＤＤ２０５等のメモリに記憶される。

図８は、印刷装置２００がＨＤＤ２０５等のメモリに記憶している機器情報８００を示す。機器情報８００は、基本情報８０１と能力情報８０２とで構成されている。

基本情報８０１は、装置名と、ＭＡＣアドレスと、位置情報とを含む。装置名は、登録画面７００の入力フォーム７０１で入力された装置名を示す情報である。ＭＡＣアドレスは、印刷装置２００のＭＡＣアドレスを示す。位置情報は、入力フォーム７０２で入力された設置場所を示す情報と、入力フォーム７０３で入力された緯度と経度の情報を含む。

能力情報８０２は、印刷装置２００が提供するサービスに関する印刷装置２００の能力を示す情報である。本実施形態では、印刷装置２００はプリントサービスとストレージービスを提供することができるため、プリントサービスとストレージービスのそれぞれに対応する能力情報を印刷装置２００は記憶している。例えば、プリントサービスについては、印刷速度やカラー印刷の可否を示す情報をプリントサービスに関する能力情報として記憶している。また、ストレージサービスについては、ストレージ領域の最大容量や空き容量を示す情報をストレージサービスに関する能力情報として記憶している。

なお、図８では印刷装置２００が記憶する機器情報８００を説明したが、ＰＣ５００も機器情報８００と同様の機器情報を記憶している。ただし、ＰＣ５００はプリントサービスを提供していないため、ＰＣ５００の機器情報にはプリントサービスに関する能力情報は存在しない。

次に、携帯端末４００が実行する無線接続に関する処理を、図９に示すフローチャートを用いて説明する。図９のフローチャートに示す各ステップは、ＣＰＵ４０１がＲＯＭ４０３等のメモリに記憶されたプログラムをＲＡＭ４０２に展開して実行することによって処理される。

ユーザは、まず図６（ａ）の検索画面６００を用いて、複数のサービスの中から利用したいサービスを指定（選択）する。そしてユーザがボタン６０２を押下すると、ステップＳ９０１において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、ユーザが指定したサービスを提供可能な通信装置を検索するためのサービス検索を送信する。このサービス検索は、マルチキャスト又はブロードキャストで送信される。また、ステップＳ９０１で送信されるサービス検索には、検索画面６００においてユーザに指定されたサービスを特定するための情報が含まれている。

次にステップＳ９０２において、ＣＰＵ４０１は、ステップＳ９０１で送信したサービス検索に対する応答があったか否かを判定する。本実施形態では、ステップＳ９０１でサービス検索を送信した後に、予め定められている待機時間が経過するまでサービス検索に対する応答を待つ。ステップＳ９０２では、待機時間が経過するまでにサービス検索に対する応答を１以上の通信装置（例えば印刷装置２００）から受信した場合に、ステップＳ９０２において応答があったとＣＰＵ４０１が判定し、ステップＳ９０３に進む。一方、待機時間が経過するまでにサービス検索に対する応答を受信しなかった場合は、ステップＳ９０２において応答がなかったとＣＰＵ４０１が判定し、図９に示す処理を終了する。なお、本実施形態では、サービス検索に対して通信装置が送信する応答には通信装置のＭＡＣアドレスが少なくとも含まれている。ＭＡＣアドレス以外の情報、例えば位置情報や能力情報は後述するステップＳ９０３の処理で取得できるため、サービス検索に対する応答に含めなくてもよい。

次にステップＳ９０３において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、サービス検索に対して応答した通信装置に機器情報を要求する。具体的には、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、サービス検索に対して応答した通信装置に対して機器情報を取得するための取得要求を送信する。この取得要求の送信は、通信装置のＭＡＣアドレスを用いてユニキャストで送信される。また、この取得要求には、検索画面６００においてユーザに指定されたサービスを特定するための情報が含まれている。

次にステップＳ９０４において、ＣＰＵ４０１は、ステップＳ９０３で送信した機器情報の取得要求に対する応答があったか否かを判定する。本実施形態では、ステップＳ９０３で機器情報の取得要求を送信した後に、予め定められている待機時間が経過するまで機器情報の取得要求に対する応答を待つ。ステップＳ９０４では、待機時間が経過するまでに機器情報の取得要求に対する応答を１以上の通信装置（例えば印刷装置２００）から受信した場合に、ステップＳ９０４において応答があったとＣＰＵ４０１が判定し、ステップＳ９０５に進む。一方、待機時間が経過するまでに機器情報の取得要求に対する応答を受信しなかった場合は、ステップＳ９０４において応答がなかったとＣＰＵ４０１が判定し、図９に示す処理を終了する。

なお、本実施形態では、機器情報の取得要求に対して通信装置が送信する応答には、図８で説明した機器情報８００が含まれることとするが、図８で説明した情報すべて含まれていなくてもよい。例えば能力情報８０２については、ユーザに指定されているサービスに関する能力情報のみが応答に含まれていてもよい。

次にステップＳ９０５において、携帯端末４００の操作部４０５はサービス検索の検索結果を表示する。このとき表示される検索結果は、例えば図６（ｂ）の検索画面６１０である。検索画面６１０は、サービス検索の検索結果として４台の通信装置が表示されている。これは、ステップＳ９０３で送信した機器情報の取得要求に対して４台の通信装置から応答があったことを示している。

検索画面６１０の領域６１１には、ＧＰＳ受信部４０７で特定した携帯端末４００の位置情報と、機器情報の取得要求に対する応答に含まれる通信装置の位置情報とに基づいて、設置場所が携帯端末４００に近い順にソートされて通信装置が表示されている。ユーザにしてみれば、所望のサービスを提供可能な通信装置が複数存在する場合、自分の近くにある通信装置を無線通信の接続先として選択することが望ましい。領域６１１のように設置場所が携帯端末４００に近い順にソートして表示することで、所望のサービスを提供可能な通信装置の中からユーザは自分の近くにある通信装置を接続先として選択しやすくなる。

なお、携帯端末の種類によってはＧＰＳ受信部を備えていない場合もある。この場合、携帯端末は自身の位置を特定することができないため、検索画面６１０の領域６１１では応答を受信した順番で通信装置を表示してもよいし、能力情報に応じて（例えば印刷速度が速い順番）表示してもよい。

次にステップＳ９０６にいて、ＣＰＵ４０１は、ユーザが無線通信の接続先となる通信装置を選択したか否かを判定する。ユーザが無線通信の接続先となる通信装置を選択する（本実施形態ではボタン６２２の押下）と、ＣＰＵ４０１はユーザが無線通信の接続先となる通信装置を選択したと判定し、ステップＳ９０７に進む。一方、ユーザが無線通信の接続先となる通信装置を選択していない場合は、ユーザが選択するまで待機する。

次にステップＳ９０７において、ＣＰＵ４０１は、ユーザによって選択された通信装置を無線通信の接続先として決定する。例えば検索画面６１０、検索画面６２０においてユーザが装置名「Ｐｒｉｎｔｅｒ−００１」の通信装置を選択した場合、ステップＳ９０７においてＣＰＵ４０１は装置名「Ｐｒｉｎｔｅｒ−００１」の通信装置を無線通信の接続先として決定する。以降の説明では、ステップＳ９０７の処理によって印刷装置２００が無線通信の接続先として決定したこととして説明する。

次にステップＳ９０８において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、接続先として決定した印刷装置２００との間で無線通信を確立するための無線接続を実行する。この無線接続の処理については、図１０で詳しく説明する。ステップＳ９０８の無線接続によって、携帯端末４００と印刷装置２００との間で無線通信が確立する。この無線通信によって、携帯端末４００は印刷装置２００が提供するサービス（プリントサービスやストレージサービス）を利用することができる。

図９のフローチャートでは、まずサービス検索をマルチキャスト又はブロードキャストで送信する（ステップＳ９０１）。そしてサービス検索に対してサービスを提供可能と応答した通信装置に対して、ユニキャストで機器情報の取得要求を送信する（ステップＳ９０３）。これにより、ユーザが指定したサービスを提供できない通信装置から機器情報を取得することがなくなるため、その分携帯端末４００の処理負荷が軽減される。

また、ステップＳ９０２及びステップＳ９０４では、応答がない場合に図９に示す処理を終了すると説明したが、応答がなかった場合に所定回数リトライするようにしてもよい。また、応答がなかったことをユーザに通知して、リトライするか否かをユーザに問い合わせてもよい。

次に、図９のステップＳ９０８で説明した無線接続の処理について、図１０のフローチャートを用いて説明する。図１０のフローチャートに示す各ステップは、ＣＰＵ４０１がＲＯＭ４０３等のメモリに記憶されたプログラムをＲＡＭ４０２に展開して実行することによって処理される。なお、以降の説明では、図９のステップＳ９０７の処理によって印刷装置２００が無線通信の接続先として決定したこととして説明する。

まずステップＳ１００１において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、携帯端末４００と印刷装置２００のどちらがアクセスポイント（ＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒ）になり、どちらがクライアント（Ｃｌｉｅｎｔ）になるかを決定する。この処理を役割決定と呼ぶ。

次にステップＳ１００２において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、ＷＰＳを用いて印刷装置２００とパラメータを共有する。ステップＳ１００２の処理によって、携帯端末４００と印刷装置２００との間でパラメータが共有される。

次にステップＳ１００３において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、ステップＳ１００２で共有したパラメータを用いてセキュア接続を実行する。なお、ステップＳ１００３の処理が完了するまでは、ＯＳＩ参照モデルのデータリンク層の通信として実行される。

次にステップＳ１００４において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ４０６は、印刷装置２００との間でＩＰ接続を実行する。ステップＳ１００４では、携帯端末４００と印刷装置２００との間でＩＰ通信を行うためのアドレッシングを行う。この際、ＧｒｏｕｐＯｗｎｅｒである装置がＣｌｉｅｎｔである装置に対してＩＰアドレスを付与する。ステップＳ１００４の処理によって、携帯端末４００と印刷装置２００においてＯＳＩ参照モデルのネットワーク層よりも上位層の通信が可能となる。図１０で説明したこれらの処理を実行することで、携帯端末４００と印刷装置２００との間で無線通信が確立する。

次に、図９のステップＳ９０１で送信されたサービス検索やステップＳ９０３で送信された機器情報の取得要求を受信した印刷装置２００が実行する処理について、図１１のフローチャートを用いて説明する。図１１のフローチャートに示す各ステップは、ＣＰＵ２０２がＲＯＭ２０４等のメモリに記憶されたプログラムをＲＡＭ２０３に展開して実行することによって処理される。

図１１のフローチャートは、印刷装置２００が何らかの要求を受信した場合に実行される処理である。まずステップＳ１１０１において、ＣＰＵ２０２は、サービス検索を受信したか否かを判定する。サービス検索を受信したとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０２に進む。一方、受信した要求がサービス検索ではないとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０４に進む。

次にステップＳ１１０２について説明する。ステップＳ１１０２において、ＣＰＵ２０２は、受信したサービス検索が示すサービスが、印刷装置２００がサポートするサービスであるか否かを判定する。サービス検索が示すサービスを提供できない場合、ステップＳ１１０２において印刷装置２００がサポートするサービスではないとＣＰＵ２０２が判定し、図１０のフローチャートが示す処理を終了する。この場合、印刷装置２００は受信したサービス検索に対して応答しないことになる。一方、サービス検索が示すサービスを提供できる場合、ステップＳ１１０２において印刷装置２００がサポートするサービスであるとＣＰＵ２０２が判定し、ステップＳ１１０３に進む。そしてステップＳ１１０３において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２は受信したサービス検索に対して応答する。この応答には、印刷装置２００のＭＡＣアドレスが少なくとも含まれる。

次にステップＳ１１０４について説明する。ステップＳ１１０４において、ＣＰＵ２０２は、機器情報の取得要求を受信したか否かを判定する。機器情報の取得要求を受信したとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０５に進む。一方、受信した要求が機器情報の取得要求ではないとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０６に進む。

ステップＳ１０５において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２は機器情報を印刷装置２００に送信する。この応答には、印刷装置２００の位置情報と能力情報とが少なくとも含まれる。

次にステップＳ１１０６について説明する。ステップＳ１１０６において、ＣＰＵ２０２は、無線接続の要求を受信したか否かを判定する。無線接続の要求を受信したとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０７に進む。一方、受信した要求が無線接続の要求ではないとＣＰＵ２０２が判定すると、ステップＳ１１０８に進む。

ステップＳ１１０７において、無線ＬＡＮＩ／Ｆ２１２は携帯端末４００との間で無線接続を実行する。この処理は、図１０で説明した携帯端末４００の無線接続と同様の処理を行うため、説明を省略する。

次にステップＳ１１０８について説明する。ステップＳ１１０８では、ＣＰＵ２０２は受信したデータに対する処理を実行する。例えばプリントサービス３０６に対して印刷データを受信した場合には、プリンタ２０７が受信した印刷データに基づく印刷処理を実行する。また、例えばストレージサービス３０７に対して電子ファイルを受信した場合には、ＣＰＵ２０２はＨＤＤ２０５等のメモリに受信した電子ファイルを蓄積する。

以上のように、本実施形態によれば、ユーザが利用したいサービスを指定したうえで通信装置を検索するため、所望のサービスを提供可能な通信装置とＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔによる無線通信を確立することができる。

また、携帯端末４００がＧＰＳ機能を備える場合は、検索結果の一覧を表示する際に携帯端末４００に近い順にソートして表示する。従って、ユーザにしてみれば、所望のサービスを提供可能な通信装置の中から自分の近くある通信装置を接続先として選択しやすくなる。

（実施形態２）
実施形態１では、サービス検索を受信した通信装置（印刷装置２００）は、指定されたサービスを提供できない場合にサービス検索に応答しないと説明したが、指定されたサービスを提供できない（サポートしていない）と応答してもよい。このとき携帯端末４００は、ステップＳ９０３において、指定されたサービスを提供できると応答した通信装置にユニキャストで機器情報の取得要求を送信し、そして指定されたサービスを提供できないと応答した通信装置に対しては器情報の取得要求を送信しない。これにより、ユーザが指定したサービスを提供できない通信装置から機器情報を取得することがなくなるため、その分携帯端末４００の処理負荷が軽減される。

（その他の実施形態）
上述した実施形態では、印刷装置２００及び携帯端末４００が、無線通信としてＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔを実行すると説明したが、無線通信はＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔに限らない。Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔのように複数の通信装置が直接通信できる無線通信であれば、本発明を適用することができる。

また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア（プログラム）を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ（またはＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムを読み出して実行する処理である。

２００ 印刷装置
２０２ ＣＰＵ
２１１ 操作パネル
２１２ 無線ＬＡＮＩ／Ｆ
３０５ サービス部
３０６ プリントサービス
３０７ ストレージサービス
４００ 携帯端末
４０１ ＣＰＵ
４０５ 操作部
４０６ 無線ＬＡＮＩ／Ｆ

Claims (8)

1. Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能を有する通信装置であって、
   プリントサービスを少なくとも含む複数のサービスの中から、ユーザがＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能によって利用するサービスを特定する特定手段と、
   検索開始指示をユーザから受け付けた場合に、前記特定手段によって特定されたサービスを提供するデバイスを検索するためのサービス検索要求を、周囲のデバイスに送信する第１の送信手段と、
   前記サービス検索要求に対して応答したデバイスに、デバイス情報を取得するための取得要求を送信する第２の送信手段と、
   前記取得要求によって取得した前記デバイス情報に基づいて、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の接続先であって、前記特定手段によって特定されたサービスを提供する接続先をユーザが選択するための候補リストを表示する表示手段と、
   前記候補リストの中からユーザに選択されたデバイスと前記通信装置との間で、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の無線接続を確立するための接続処理を実行する処理手段とを備えることを特徴とする通信装置。
2. 前記第１の送信手段は、マルチキャスト又はブロードキャストで前記サービス検索要求を送信し、
   前記第２の送信手段は、ユニキャストで前記取得要求を送信することを特徴とする請求項１に記載の通信装置。
3. 前記デバイス情報には、デバイスの位置を示す位置情報が含まれ、
   前記表示手段は、前記位置情報に基づいて、デバイスの位置をユーザが認識できるように前記候補リストを表示することを特徴とする請求項１又は２に記載の通信装置。
4. 前記デバイス情報には、デバイスの位置を示す位置情報が含まれ、
   前記表示手段は、前記位置情報に基づいて、複数のデバイスを前記通信装置に近い順番に並べて前記候補リストを表示することを特徴とする請求項１又は２に記載の通信装置。
5. 前記デバイス情報には、前記特定されたサービスに関するデバイスの能力を示す能力情報が含まれ、
   前記表示手段は、前記能力情報に基づいて、前記特定されたサービスに関するデバイスの能力をユーザが認識できるように前記候補リストを表示することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の通信装置。
6. 前記デバイス情報には、デバイスの名称を示す名称情報が含まれ、
   前記表示手段は、前記名称情報に基づいて、デバイスの名称をユーザが認識できるように前記候補リストを表示することを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の通信装置。
7. Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能を有する通信装置の制御方法であって、
   プリントサービスを少なくとも含む複数のサービスの中から、ユーザがＷｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能によって利用するサービスを特定する特定ステップと、
   検索開始指示をユーザから受け付けた場合に、前記特定ステップで特定されたサービスを提供するデバイスを検索するためのサービス検索要求を、周囲のデバイスに送信する第１の送信ステップと、
   前記サービス検索要求に対して応答したデバイスに、デバイス情報を取得するための取得要求を送信する第２の送信ステップと、
   前記取得要求によって取得した前記デバイス情報に基づいて、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の接続先であって、前記特定手段によって特定されたサービスを提供する接続先をユーザが選択するための候補リストを表示する表示ステップと、前記候補リストの中からユーザに選択されたデバイスと前記通信装置との間で、前記Ｗｉ−Ｆｉ Ｄｉｒｅｃｔ機能の無線接続を確立するための接続処理を実行する処理ステップとを有することを特徴とする通信装置の制御方法。
8. 請求項７に記載の通信装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

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