JP6429312B2 - 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法 - Google Patents

磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6429312B2
JP6429312B2 JP2014160051A JP2014160051A JP6429312B2 JP 6429312 B2 JP6429312 B2 JP 6429312B2 JP 2014160051 A JP2014160051 A JP 2014160051A JP 2014160051 A JP2014160051 A JP 2014160051A JP 6429312 B2 JP6429312 B2 JP 6429312B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
current
shim coil
eigenmode
shim
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014160051A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016036420A (ja
Inventor
充志 阿部
充志 阿部
佐々木 憲一
憲一 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Inter University Research Institute Corp High Energy Accelerator Research Organization
Original Assignee
Hitachi Ltd
Inter University Research Institute Corp High Energy Accelerator Research Organization
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Inter University Research Institute Corp High Energy Accelerator Research Organization filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2014160051A priority Critical patent/JP6429312B2/ja
Publication of JP2016036420A publication Critical patent/JP2016036420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6429312B2 publication Critical patent/JP6429312B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Particle Accelerators (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本発明は、磁場を調整する磁場調整装置、この磁場調整装置を備える磁石装置、および、磁場調整方法に関する。
研究用加速器等が備える研究用磁石装置では、磁場が一定値またはある目標の磁場分布となるように、高精度な磁場分布調整が要求される。例えば、1ppm以下の精度で空間的に磁場分布が一定で、かつ、時間的にも一定に保たれている必要がある実験装置もある。
超伝導コイルを永久電流モードで通電している場合、その内部の磁束は保存され、磁場強度は一定に保たれる。この性質を利用して、磁石装置には超伝導コイルが用いられ、磁場を1年以上の長時間ほぼ一定に維持している磁石もある。そして、これらの磁石装置では、主たる磁場を生成するコイル(超伝導コイル)に加えて、磁場微調整用コイル(シムコイル)をさらに備え、磁石軸方向の磁場についてその分布を微調整する機能を持たせている。
第1従来例として、特許文献1(特開平8−316031号公報)が開示されている。図12は、第1従来例のシムコイル121の配置例の展開図である。なお、図12において、横軸は周回方向角度(θ)を示し、縦軸は軸方向位置(Z)を示す。
第1従来例では、図12に示すように、1つの円筒面に多数(図12では、周回方向に8個、軸方向に6個の計48個)のシムコイル121が間隔を置いて配置されている。このようにシムコイル121を配置し、各シムコイル121の電流配分を制御することにより、磁場の微調整を行うことができるようになっている。なお、各シムコイル121の電流配分は、球面関数の強度とラグランジュの未定乗数法を用いて算出する。
また、第2従来例として、特許文献2(特開2013−98439号公報)が開示されている。図13は、第2従来例のシムコイル221の配置例の展開図である。なお、図13において、横軸は周回方向角度(ラジアン)を示し、縦軸は軸方向位置を示す。
第2従来例では、図13に示すように、複数(図13では、No.1からNo.6で示す6種類)の電流面200Sに導体を配置することによりシムコイル221が製作され、これらが互いに重ねられて配置されることにより、目標とする磁場に調整している。なお、各シムコイル221の配置は、応答行列の特異値分解に基づいて決定している。
特開平8−316031号公報 特開2013−98439号公報
しかしながら、第1従来例(特許文献1)の構成では、各シムコイル121が作る磁場には、多くの種類の球面関数を含むので、関数の高次と低次の干渉が残る。このため、磁場を調整する毎に、意図しなかった磁場成分も変化して、磁場調整制御が煩雑となる。また、シムコイル121の発熱低減と誤差磁場との間にトレードオフがあるため、発熱を低減させると、磁場精度の調整を犠牲にするという課題がある。
また、第2従来例(特許文献2)では、磁場精度をより向上させることができるが、各電流面200Sのシムコイル221がそれぞれ円筒面を構成し、各シムコイル221(各円筒面)を重ねて構成されているため、径方向の厚さが厚くなる。このため、装置の構造が複雑となり、また、装置の小型化に限界がある。
またMRI装置では、軸方向の磁場を球面調和関数で展開した磁場を発生するコイルを備えている。この場合、コイル間の磁場や誘導電流は一般には非干渉にできない。このことは、一つの補正を行った時に、他の磁場分布を発生する電流や磁場に影響があることを意味し、磁場の正確な補正を難しくする。
そこで、本発明は、高精度な磁場調整が可能で、取り扱いやすい磁場調整装置、この磁場調整装置を備える磁石装置、および、磁場調整方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係る磁場調整装置は、複数のシムコイルが配置され冷媒容器に収容されるシムコイルアレイと、前記シムコイルの電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た固有モードに基づいて、前記シムコイルの電流指令値を決定する演算部と、決定された前記電流指令値に基づいて、前記シムコイルの電流を制御する電源と、を備え、前記電源から前記シムコイルへの給電線の一方が、他の電源からシムコイルの給電線の一方と共通する共通給電線として構成されるとともに、シムコイルの一方の給電線と前記共通給電線との接続箇所は前記冷媒容器内部に存在し、前記シムコイルは、前記共通給電線と当該シムコイルに電流供給する給電線とで前記冷媒容器の外部の前記電源に接続されることを特徴とする。
また、本発明に係る磁石装置は、前記磁場調整装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る磁場調整方法は、磁場計測分布と、電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た各固有モードとの内積により前記各固有モードの固有モード強度を算出するステップと、目標磁場分布と前記各固有モードとの内積により得られた前記各固有モードの固有モード基準強度と、前記固有モード強度との差分である残差を算出するステップと、前記残差と前記固有モードの電流分配に基づいて、各シムコイルの補正電流量を算出するステップと、各シムコイルの給電線の一方が冷媒容器内部で共通化されるとともに電源の給電線の一方に共通化して接続する共通給電線と、各シムコイルの他方のそれぞれの給電線と、により、前記冷媒容器の外部の電源から冷媒容器内に配置された各シムコイルに、前記補正電流量に基づいて、補正した電流を供給するステップと、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、高精度な磁場調整が可能で、取り扱いやすい磁場調整装置、この磁場調整装置を備える磁石装置、および、磁場調整方法を提供することができる。
本実施形態に係る磁石装置の模式断面図とシムコイル結線法を示した図である。 本実施形態に係る磁場調整装置が備えるシムコイルアレイの展開図である。 本実施形態に係る磁場調整装置の構成模式図である。 本実施形態に係る磁場調整装置を用いた磁場調整方法のフローチャートである。 固有モード強度演算部の演算回路の模式図である。 残差演算部、電流補正指令値演算部、加算増幅器の演算回路および各シムコイルへの結線を示した模式図である。 実施例に係るシムコイルアレイの配置を説明する図であり、(a)は展開図、(b)は鳥瞰図である。 実施例に係る固有モードの磁場分布を説明するグラフである。 誤差磁場を調整するシミュレーション例を説明するグラフである。 (a)は第1変形例に係るシムコイルアレイの展開図であり、(b)(c)は第1変形例に係るシムコイルアレイの固有モードの磁場分布の例である。 第2変形例に係る磁石装置の構成模式断面図である。 第1従来例のシムコイルの配置例の展開図である。 第2従来例のシムコイルの配置例の展開図である。
まず、本実施形態に係る磁場調整装置の概要について説明する。
第1従来例(特許文献1)のように、シムコイルの層を少数(特許文献1の例では1層)とすることは、磁場調整装置の構造を簡素化し、磁場調整装置を小型化し、磁場調整装置が搭載される磁石装置を小型化する点で重要である。しかし、特許文献1の方法では、磁場の干渉により磁場制御計算が煩雑になるという課題がある。
これに対し、第2従来例(特許文献2)のように、特異値分解を使う方法は、磁場成分がわかりやすく、それぞれの磁場成分が電流と磁場に対応した固有モードで非干渉なため、第1従来例より簡単に磁場制御を行うことができる。但し、第2従来例(特許文献2)では、固有モードに対応するシムコイルを積層して構成されている。このため、磁場調整精度を向上させるために固有モードの数を増やすと、シムコイルの積層数も増え、磁場調整装置の構造が複雑になる。
そこで、本実施形態に係る磁場調整装置は、多数のシムコイルから構成されるアレイ型シムコイルを用い、各シムコイルの電流は特異値分解を応用する方法を用いて制御する。これにより、高精度で、扱いやすい磁場調整装置を構成することができる。
このような方法は、本発明者らの非特許文献(M.Abe,K.Takeuchi,「Low loop voltage startup and equilibrium control using multivariable poloidal field coils in the Hitachi tokamak HT-2」,Fusion Technology,29(1996),p.277−293)の計算手法を参考にできる。この非特許文献はトカマクに関するものであり、ポロイダル磁場コイルの電流分配を、目的磁場に対して補正する電流分布に最適化する。この計算過程で、コイル電流から目標領域(非特許文献ではプラズマ表面)の応答行列を特異値分解し、電流分配と磁場成分を対とした固有モードを得て、その固有モードの組み合わせで磁場調整を行っている。なお、この非特許文献は、円環プラズマの平衡磁場制御を行うために周回方向の一様な磁場のみを考えている。これに対し、本実施形態では、周回方向に非一様な磁場の場合も考慮する。
また、外乱磁場は1種類に限られず、種々の成分を持った磁場が入り込む可能性がある。このため、磁場調整用のシムコイルは、単数のコイル(または、直列もしくは並列に結線された1組のコイル)ではなく、いくつかのシムコイルの集合(アレイ型シムコイル)である必要がある。また、外乱磁場は軸方向だけでなく周回方向にも分布する可能性がある。
そして、それぞれのシムコイルは、相互に独立して制御可能に構成されることが好ましい。つまり、あるシムコイルに電流が流れると他のシムコイルに電流が誘導されるという構成では、精度よく磁場を調整することは困難であることを意味する。
さらに、いくつかのシムコイルを組み合わせて適切な電流配分で磁場を調整することで、できるだけ広い範囲の外乱磁場成分を補正できることが好ましい。
即ち、複数のシムコイルを相互には独立に、さらに組み合わせて磁場を補正することにより外乱磁場の成分を高い割合で除去できるシムコイル群(アレイ型シムコイル)が必要となる。
≪磁石装置1、磁場調整装置2≫
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
本実施形態に係る磁場調整装置2、および、この磁場調整装置2を備える磁石装置1について図1から図6を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る磁石装置1の模式断面図であり、本実施形態のシムコイル結線(図1の下側に示す吹き出し内)と共に示す。なお、図1の上側に示す模式断面図は、水平軸であり後述する超伝導コイル1aの中心軸であるZ軸、および、鉛直軸であるY軸で形成される平面で切断した磁石装置1の断面図である。
本実施形態に係る磁石装置1は、互いに中心軸(Z軸)が一致する環形状の複数(図1の例では4個)の超伝導コイル1aと、冷媒容器1bと、輻射シールド1cと、真空容器1dと、を備えている。
超伝導コイル1aは、冷媒容器1bに収容されている。また、冷媒容器1bには、超伝導コイル1aを冷却するための冷媒が充填されている。冷媒容器1bは、真空容器1dに収容される。真空容器1d内は、高真空状態となっており、冷媒容器1bと真空容器1dの間を真空断熱するようになっている。さらに、冷媒容器1bと真空容器1dの間には、輻射シールド1cが設けられており、輻射による熱伝達を抑制するようになっている。
超伝導コイル1aは、超伝導線材で構成されるコイルであり、冷媒容器1bに充填された冷媒により超伝導臨界温度以下まで冷却される。超伝導コイル1aは、永久電流モードで通電されることにより、図1においてZ軸方向の矢印で示す磁場方向11の向きに磁場(主たる磁場)を発生させる超伝導磁石として機能する。これにより、超伝導コイル1aは、円筒状の磁石装置1の中心に設けられた磁場利用領域12に静磁場を発生させる。なお、図1の例では、磁石装置1は、MRI装置において静磁場を発生する磁石装置であり、円筒状の磁場利用領域12が設定されているものとして説明する。
さらに、磁石装置1は、磁場調整装置2(後述する図3参照)を備えている。磁場調整装置2は、磁場利用領域12の静磁場の精度(均一度)を向上させるように磁場調整をする装置である。具体的には、磁場調整装置2は、設定された磁場評価面13について、静磁場の精度(均一度)を向上させるように磁場調整をする。なお、図1では、磁場利用領域12の境界面を磁場評価面13とした場合を例に示している。
磁場調整装置2(後述する図3参照)は、複数のシムコイル21(後述する図2参照)からなるシムコイルアレイ20を備えている。シムコイルアレイ20(シムコイル21)は、冷媒容器1bの内部で、超伝導コイル1aの径方向の内側に設けられる円筒面2S(図1参照)に配置されている。また、円筒面2Sの中心軸は、Z軸(即ち、超伝導コイル1aの中心軸)と一致する。なお、シムコイル21は、冷媒が充填された冷媒容器1bの内部に配置されるため、超伝導線材で構成し、通電による発熱を抑制する構成とすることが好ましい。このシムコイル21の給電線(291 〜29n ,30)から、極低温部(冷媒容器1bの内部)に進入する熱は無視できない。そのため、本実施形態では給電線の片側は共通の給電線30とする。これにより、極低温部(冷媒容器1bの内部)に進入する給電線数を減少できるので、入熱量も減少でき、安定した超伝導磁石の運転を行うことができ、また、冷凍機の負荷を下げることができる。なお、この構成については、図6で再度詳しく述べる。
次に、本実施形態に係る磁場調整装置2が備えるシムコイルアレイ20およびシムコイル21について図2を用いて更に説明する。図2は、本実施形態に係る磁場調整装置2が備えるシムコイルアレイ20の展開図である。なお、図2において、横軸は周回方向角度(ラジアン)を示し、縦軸はZ軸(図1参照)の軸方向位置を示す。また、シムコイル21は、超伝導線材を巻回して構成されるが、図2では、シムコイル21のコイル部(巻回部)のみを図示し、シムコイル21のコイル部と接続する配線(引出線)等は省略して図示している。
シムコイルアレイ20は、図2に示すように、周回方向および軸方向に複数のシムコイル21が配列されて構成され、図1に示す円筒面2Sに配置される。換言すれば、円筒面2Sは周回方向および軸方向について多数に分割され、その分割された領域にそれぞれシムコイル21が配置されて、シムコイルアレイ20が構成されている。なお、図2では、シムコイルアレイ20は、周回方向に6個、軸方向に5個の計30個のシムコイル21が配列される例を示している。
ここで、第1従来例では、図12に示すように、シムコイル121と、隣接するシムコイル121との間には広い隙間がある。これに対し、本実施形態のシムコイルアレイ20は、図2に示すように、シムコイル21を密に配置している。
ここで、磁気モーメントは各コイルの面積に比例して大きくなるので、シムコイル21を隙間なく配置することが好ましい。但し、実際にはシムコイル21の支持構造やコイル導体断面の大きさ等で制限されるため、占有率を100%とすることはできない。ここでは、各シムコイル21(コイル中心線)が囲む面積の和と、コイル配置面の面積(円筒面2Sの面積)との比が、80%以上となることを、密配置としている。
このように、シムコイル21を密配置とすることにより、磁気モーメントを大きくすることができるので、第1従来例(図12参照)と比較して、低い電流で磁場補正をすることができる。また、密配置とすることにより、分散配置されたシムコイル21による磁場リップルも問題とはならない。
次に、本実施形態に係る磁場調整装置2について図3を用いて更に説明する。図3は、本実施形態に係る磁場調整装置2の構成模式図である。
磁場調整装置2は、周回方向および軸方向に複数のシムコイル21が配置されて構成されるシムコイルアレイ20と、磁場評価面13(図1参照)の磁場を計測する磁場計測部22と、磁場計測部22で計測した磁場計測値に基づいて各シムコイル21に流す電流を算出して各シムコイル21に電流を流す電流生成部23と、を備えている。また、電流生成部23は、固有モード強度演算部24と、残差演算部25と、電流補正指令値演算部26と、加算増幅器(電源)27と、記憶部28と、を備えている。
固有モード強度演算部24は、磁場計測部22で計測した磁場計測値に基づいて固有モード強度を算出する。なお、固有モード強度演算部24の演算処理は、図4および図5を用いて後述する。
残差演算部25は、固有モード強度演算部24で算出した固有モード強度と、記憶部28に保存されている固有モード基準強度との差(残差)を算出する。電流補正指令値演算部26は、残差演算部25で算出した残差に基づいて電流補正指令値を算出する。加算増幅器(電源)27は、記憶部28に保存されている基準電流値に、電流補正指令値演算部26が算出した電流補正指令値を加算して電流指令値を算出するとともに、算出した電流指令値に基づいてシムコイル21に電流を流す。なお、加算増幅器(電源)27は、各シムコイル21に流す電流を独立して制御することができるように構成されている。なお、残差演算部25、電流補正指令値演算部26および加算増幅器(電源)27の処理は、図4および図6を用いて後述する。
記憶部28は、固有モード基準強度、基準電流値、後述する目標磁場値、固有分布データ等の磁場調整に必要なデータが記憶されている。
<磁場調整装置を用いた磁場調整方法>
次に、本実施形態に係る磁場調整装置2を用いた磁場調整方法について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係る磁場調整装置2を用いた磁場調整方法のフローチャートである。
ステップS1からステップS4は、汎用のコンピュータ等を用いて、後述する電流分配演算・磁場調整処理(ステップS5からステップS11)に用いる固有分布データをあらかじめ作成する処理である(固有分布データ作成処理)。
ステップS1において、コンピュータは、シムコイルアレイ20を構成するシムコイル21の配置(図2参照)と、磁場評価面13(図1参照)上に設定される複数の磁場計測点の位置の入力を受け付ける。作業者は、シムコイルアレイ20を構成するシムコイル21の配置(図2参照)と、磁場評価面13(図1参照)上に設定される複数の磁場計測点の位置をコンピュータに入力する(形状入力)。
ステップS2において、コンピュータの演算装置は、入力された形状(シムコイル21の配置、磁場計測点の位置)に基づいて、磁場の応答行列Aを生成する。
ここで、シムコイルアレイ20を構成するシムコイル21の数をnとし、それぞれのシムコイル21のシムコイル電流(I1 ,…,Ii ,…,In )を成分にもつn次元ベクトルを電流ベクトルIとする。また、磁場計測点の数をhとし、それぞれの磁場計測点の磁場(B1 ,…,Bk ,…,Bh )を成分にもつh次元ベクトルを磁場ベクトルBとする。磁場の応答行列式は、
B = AI ……(1)
の方程式で表わすことができる。なお、磁場の応答行列Aは、h行n列の行列となる。
具体的には、あるシムコイル21に単位電流を流した際の各磁場計測点の応答磁場について、ビオ・サバール(Biot−Savart)の式を用いて算出し、これを全てのシムコイル21について同様に行うことにより、磁場の応答行列Aを生成する。
ステップS3において、コンピュータの演算装置は、ステップS2で生成した磁場の応答行列Aを特異値分解する。
磁場の応答行列Aを特異値分解すると、磁場分布の固有分布は、
1 ,u2 ,u3 ,… ……(2)
であり、電流ポテンシャルの固有分布は、
1 ,v2 ,v3 ,… ……(3)
であり、uj とvj の間には、
λj ・uj =A・vj ……(4)
が成立する。ここで、λj は、j番目モードの特異値である。
即ち、j番目モードの単位電流vj は、j番目モードの磁場uj (h次元ベクトル)をλj (スカラー)の強さで発生する電流分配を表わすn次元ベクトル(v1j,…,vij,…,vnj)であり、i番目のシムコイル21に対応する分布強度はvijである。
ステップS4において、コンピュータの演算装置は、ステップS3において特異値分解により得られた固有モード(2つの固有分布uj ,vj と、1つの特異値λj で、1つの固有モードを示す。)群のデータを、固有分布データとして、出力する。なお、固有モードは特異値が大きい方から順に番号が付されているものとする。また、固有モードの数は、シムコイル21の数nまたは磁場計測点の数hのいずれか小さい方の値以下である。このため、磁場計測点の数hは、少なくともシムコイル21の数n以上とすることが好ましい。
次に、ステップS5からステップS11では、あらかじめ作成された固有分布データおよび磁場計測部22により計測された磁場計測値から、各シムコイル21に流す電流を演算し、各シムコイル21に電流を流して磁場を調整する処理である(電流分配演算・磁場調整処理)。なお、磁場調整時において、各シムコイル21には、シムコイル電流として基準電流値(I01,…,I0i,…,I0n)の電流が流されている。なお、n個の各シムコイル21の基準電流値(I01,…,I0i,…,I0n)を成分にもつn次元ベクトルである基準電流値ベクトルI0 は、前回の電流値や、主たる磁場を生成する磁石装置1(超伝導コイル1a)の製作誤差から推定する。
ステップS5において、磁場調整装置2の電流生成部23は、ステップS4であらかじめ作成された固有分布データを読み込んで記憶部28に記憶する。なお、記憶部28には、h個の各磁場計測点の目標磁場値(B01,…,B0k,…,B0h)を成分にもつh次元ベクトルである目標磁場値分布B0 があらかじめ記憶されているものとする。
ステップS6において、磁場調整装置2の磁場計測部22により、各磁場計測点の磁場計測値(B1 ,…,Bk ,…,Bh )を計測する。h個の各磁場計測点の磁場計測値(B1 ,…,Bk ,…,Bh )を成分にもつh次元ベクトルを磁場計測値分布Bと称する。
ステップS7において、磁場調整装置2の固有モード強度演算部24は、磁場計測値分布B(B1 ,…,Bk ,…,Bh )から、各モードの磁場の固有モード強度を算出する。即ち、磁場制御に用いる固有モードの数をmとし、1番目モードの磁場の固有モード強度P1 からm番目モードの固有モード強度Pm を求める。なお、磁場制御に用いる固有モードの数mは、一般的には、シムコイル21の数nと同じか、または、nよりも小さい数であるが、ここでは、nよりも小さい数とする。詳細は後述する。
ここで、j番目モードの磁場の固有モードの強度Pj は、
j =B・uj ……(5)
の内積で算出する。なお、uj は、j番目モードの磁場分布の固有分布uj (h次元)であり、固有分布データとして記憶部28に記憶されている。
また、目標磁場値分布B0 から、各固有モードの固有モード基準強度を算出する。j番目モードの磁場の固有モードの基準強度P0jは、
0j=B0 ・uj ……(6)
の内積で算出する。なお、固有モード基準強度P0jは、あらかじめ計算して記憶部28に記憶しておき、それを読み込む構成としてもよい。
ステップS8において、残差演算部25は、各モードについて、固有モード強度と固有モード基準強度との差分である残差ΔPを算出する。即ち、1番目モードからm番目モードについて、固有モード強度と固有モード基準強度との差分である残差を算出する。
ここで、j番目モードの残差ΔPj は、j番目モードの固有モード強度Pj およびj番目モードの固有モード基準強度P0jを用いて、
ΔPj =P0j−Pj ……(7)
から算出する。
ステップS9において、電流補正指令値演算部26は、残差ΔPを打ち消すための電流補正指令値ΔIi を算出する。ここで、目標磁場値分布B0 は磁場調整装置2により補正する磁場の補正量に比べて強い磁場であり、通常、Pj <<B0 となる。このため、以下の式を用いて磁場調整に必要な個々のシムコイル21に加算する電流補正指令値ベクトルΔI(n個の各シムコイル21の電流補正指令値(ΔI1 ,…,ΔIi ,…,ΔIn )を成分にもつn次元ベクトル)を算出する。
即ち、j番目モードの残差ΔPj を打ち消すためにi番目(i=1〜n)のシムコイル21に加算する電流補正指令値ΔIijは、
ΔIij=−vijΔPj /λj ……(8)
となる。ここで、vijは、j番目モードの単位電流vjであるn次元ベクトル(v1j,…,vij,…,vnj)のうちi番目のシムコイル21に対応する分布強度であり、固有分布データとして記憶部28に記憶されている。また、λj は、j番目モードの特異値であり、固有分布データとして記憶部28に記憶されている。なお、式(8)において、右辺の符号が「−」となっていることは、この磁場調整が磁場分布の負帰還制御(負のフィードバック制御)となっていることを意味している。
よって、1番目モードからm番目モードまでの残差(ΔP1 〜ΔPm )を打ち消すためにi番目のシムコイル21に加算する電流補正指令値ΔIi は、
ΔIi =ΔIi1+ΔIi2+……+ΔIim ……(9)
となる。これを1番目のシムコイル21からn番目のシムコイル21について同様に行うことにより、電流補正指令値ベクトルΔI(ΔI1 ,…,ΔIi ,…,ΔIn )を算出する。
ステップS10において、加算増幅器27は、基準電流値ベクトルI0 に電流補正指令値演算部26で算出した電流補正指令値ベクトルΔIを加算して電流指令値ベクトルIを算出する。なお、電流指令値ベクトルIは、n次元のベクトルである。
即ち、i番目(i=1〜n)のシムコイル21について、基準電流値I0iに電流補正指令値演算部26で算出した電流補正指令値ΔIi を加算して、i番目(i=1〜n)のシムコイル21に流す電流である電流指令値Iiを算出する。
i =I0i+ΔIi ……(10)
なお、電流指令値ベクトルIは、各固有モードの成分の加算とみることができる。
I=Ie1 +Ie2 +……+Iej +……+Iem ……(11)
ここで、Iej は、j番目モードによる電流値であり、基準電流値ベクトルI0 のj番目モード成分と、j番目モードの残差ΔPj を打ち消すためにシムコイル21に加算する電流補正指令値ΔIej (ΔI1j,ΔI2j,…,ΔIij,…,ΔInj)の加算である。
ステップS11において、加算増幅器27は、電流指令値ベクトルIに基づいてシムコイル21に通電する。即ち、i番目(i=1〜n)のシムコイル21にステップS10で算出した電流指令値Ii に基づいて通電する。
以上のように、本実施形態に係る磁場調整装置2は、磁場の固有モードごとに残差を低減するように調整磁場を発生させることができる。なお、固有モード間は非干渉であることから、ある固有モードの残差を低減するようにシムコイル21の電流を制御しても、他の固有モードの残差が増加するといったことがないため、磁場調整が容易になる。
<固有モード強度演算部24>
次に、図4のステップS7において、磁場の固有モード強度P1 〜Pm を算出する固有モード強度演算部24の演算回路について、図5を用いてさらに説明する。図5は、固有モード強度演算部24の演算回路の模式図である。
図5において、符号241 〜24m に示す演算回路は、前述の式(5)の内積演算を行う回路であり、固有モード全て(1〜m)についてそれぞれ演算を行う。固有モード強度演算部24は、h個の磁場計測点の磁場計測値(B1 ,…,Bk ,…,Bh )が入力され、m個の固有モード強度(P1 ,…,Pj ,…,Pm )を出力する。
なお、前述のように、磁場制御に用いる固有モードの数mは、シムコイル21の数nよりも少ない数とする。また、前述のように、固有モードは特異値が大きい方から順に番号が付されている。特異値の小さい固有モード(m+1番目以降の固有モード)では、式(4)に示すように、単位電流当たりの磁場の発生が小さい。このため、高次(特異値が小さい)の固有モードについて残差を減少させるように制御すると(ステップS8〜S10参照)、大きな電流が必要となる。なお、ステップS4で前述したように、固有モードの最大数は、シムコイル21の数nまたは磁場計測点の数hのいずれか小さい方の値で決まり、磁場計測点の数hをシムコイル21の数n以上とすることから、シムコイル21の数nで決まる。このため、磁場制御に用いる固有モードの数mを(シムコイル21の数nよりも)少ない数として、少ない電流で磁場調整できるようにしている。なお、磁場制御に用いる固有モードの数mを小さくしすぎると要求される磁場精度が達成できない場合もあるので、mは要求される磁場精度に応じて適宜設定する。
演算回路241 〜24m は、同様の構成であるため、演算回路24j を例に説明する。演算回路24j は、入力信号を増幅(利得倍)するh個の増幅回路と、加算回路から構成され、式(5A)に示す演算を行い、j番目モードの固有モード強度Pj を出力する。なお、j番目モードの磁場分布uj (uj1,…,ujk,…,ujh)は、固有分布データとして記憶部28に記憶されている。
j =B1 j1+…+Bk jk+…+Bh jh ……(5A)
また、図5の固有モード強度演算部24の演算回路は、入力を目標磁場値分布B0 とすることにより、固有モード基準強度P0jを出力する前述の式(6)の内積演算を実現できる。
<残差演算部25、電流補正指令値演算部26、加算増幅器27>
次に、残差演算部25、電流補正指令値演算部26、加算増幅器27の演算回路について、図6を用いてさらに説明する。図6は、残差演算部25、電流補正指令値演算部26、加算増幅器27の演算回路および各シムコイル21への結線を示した模式図である。
残差演算部25は、残差演算回路251 〜25m を備えており、固有モード強度演算部24(図5参照)から出力されたm個の固有モード強度(P1 ,…,Pj ,…,Pm )およびm個の固有モード基準強度(P01,…,P0j,…,P0m)が入力され、式(7)の残差演算を実行し、m個の残差(ΔP1 ,…,ΔPj ,…,ΔPm )を出力する(図4のステップS8参照)。
電流補正指令値演算部26は、m個の残差(ΔP1 ,…,ΔPj ,…,ΔPm )が入力され、式(8)および式(9)の演算を実行し、n個の電流補正指令値(ΔI1 ,…,ΔIi ,…,ΔIn )を出力する(図4のステップS9参照)。
加算増幅器27は、n個の基準電流値(I01,…,ΔI0i,…,ΔI0n)とn個の電流補正指令値(ΔI1 ,…,ΔIi ,…,ΔIn )が入力され、式(10)の演算を実行し、n個の電流指令値(I1 ,…,Ii ,…,In )を算出する(図4のステップS10参照)。そして、加算増幅器27は、各シムコイル211 〜21n に流れる電流が電流指令値(I1 ,…,Ii ,…,In )となるように制御する。
ここで、加算増幅器27は、独立した加算増幅器271 〜27n で構成され、各加算増幅器271 〜27n が、各シムコイル211 〜21n の一端と、第1給電線291 〜29nを介して、1対1に対応して接続されており、各シムコイル211 〜21n の電流を独立して制御することができるようになっている。
また、各シムコイル211 〜21n の他端は、共通給電線である第2給電線30で加算増幅器271 〜27n と接続されている。ここで、極低温部である冷媒容器1b(および、真空容器1d)の内部のシムコイル21と外部の加算増幅器27とを接続する給電線29,30は、極低温部への熱の進入口となる。第1従来例では、1つのシムコイルに対し、2つの電流導入端子を使っている。即ち、シムコイルの数をnとすると、2n個の配線が真空断熱部を貫通する熱侵入口となる。これに対し、本実施形態では、図5に示すように、シムコイル21への給電線のうちの一方を共通給電線(第2給電線30)とする。これにより、(n+1)個の配線が真空断熱部を貫通する熱侵入口となり、配線数を減らして極低温部への熱進入を抑制することができる。なお、第2給電線30はアース線としてもよい。
また、電流制御時において、各シムコイル211 〜21n に流れる電流を変化させる際、シムコイル21同士の磁気的な干渉が生じるため、精度よく電流を制御する。一方、各シムコイル211 〜21n に流れる電流が一定値(電流指令値)に到達すると、干渉は生じず、電流制御は不要となる。このため、各シムコイル211 〜21n の端子間に超伝導スイッチ(PCS)(図示せず)を設けておき、永久電流モードで運転するようにしてもよい。即ち、加算増幅器27でシムコイル21に流れる電流を電流指令値になるように制御した後に、超伝導スイッチ(図示せず)を接続する。このように構成することにより、超伝導コイル1a(図1参照)だけでなく、磁場調整用のシムコイル21も永久電流モードで運転することができる。
また、図6に示すように、電流補正指令値演算部26は、モード選択部26aを備えていてもよい。モード選択部26aは、あらかじめ設定された許容誤差εに基づいて、j番目モードの残差ΔPj が、
ΔPj <ε ……(12)
の場合、係数Gj =0とする。式(12)が成立しない場合は、係数Gj =1とする。
そして、電流補正指令値演算部26は、前述の式(9)を、係数Gj を含んだ以下の式(9A)に置き換えて演算する。
即ち、j番目モードの残差ΔPj が許容誤差ε未満の場合、加算から排除する、換言すれば、j番目モードについて磁場調整を行わないようにすることができる。残差ΔPj が十分に小さい(許容誤差ε未満)場合、式(8)に示すように、ΔIijについても小さくなる。このため、加算増幅器(電源)27の電流制御可能な分解能によっては、同様に磁場調整を行うと、むしろ磁場の均一度が乱れるおそれがある。これに対し、j番目モードの残差ΔPj が許容誤差ε未満の場合、j番目モードについて磁場調整を行わないようにすることにより、このような磁場の均一度の乱れを防止することができる。なお、Gj は、0または1を用いるものとして説明したが、これに限られるものではなく、他の値を用いてもよい。
また、図6に示すように、電流補正指令値演算部26は、共通給電線電流低減処理部26bを備えていてもよい。
ここで、1〜n番目のシムコイル211 〜21n に電流を流す第1給電線291 〜29n には、それぞれ、電流I1 〜In が流れるのに対し、共通給電線である第2給電線30に流れる電流Icomは、
com=I1 +…+Ii +…+In ……(13)
となる。このため、第2給電線30は、第1給電線291 〜29n よりも大電流が流れるため、電流容量を大きくする、即ち、第2給電線30の線材の断面積を大きくする。このため、第2給電線30からの熱侵入が大きくなるおそれがある。
これに関し、共通給電線電流低減処理部26bは、第2給電線30に流れる電流Icomを小さくするように制御する。前述したように、磁場制御に用いる固有モードは1番目からm番目までであり、シムコイル21の数nよりも小さくなっている(m<n)。このため、(n−m)の自由度が残っている。また、前述のように、高次の固有モードほど特異値が小さく、単位電流当たりの磁場の発生が小さい。したがって、高次の固有モードでシムコイル21に流す電流を変化させても、磁場に与える影響は小さい。一方で、第2給電線30に流れる電流Icomを小さくすることができる。これにより、第2給電線30の線材の断面積を極端に大きくする必要がなく、第1給電線291 〜29n と比較してせいぜい3倍程度以下の容量、より積極的な制御を行えば1/10程度の容量まで低減させることができる。これにより、第2給電線30の線材の断面積を小さくして、第2給電線30からの熱侵入を抑制することができる。
ここで、高次モードによる電流分配ベクトルIH を、
H =Fm+1m+1+…+Fn n …(14)
とする。なお、vm+1(〜vn )は、m+1(〜n)番目モードの単位電流(n次元ベクトル)であり、固有分布データとして記憶部28に記憶されている。Fm+1〜Fnは、係数である。
加算増幅器27は、電流指令値ベクトルIでシムコイル21に流す電流を制御しているが、高次モードによる電流分配ベクトルIH を加算しても磁場の影響は小さい。このため、共通給電線電流低減処理部26bは、第2給電線30に流れる電流が小さくなるようにFm+1〜Fnを決定する。
例えば、最も磁場の影響が小さい、即ち、最も特異値が小さいn番目モードを用いるものとして、
m+1=…=Fn-1=0
n =−Icom/(v1n+…+vin+…+vnn) ……(15)
とすればよい。なお、vinは、n番目モードの単位電流vn (n次元ベクトル)のi番目のシムコイル21に対応する電流分布強度である。
また、高次モードが算出しにくい場合もある。これは、特異値が小さくなるほど、計算誤差が相対的に大きくなるためである。この場合、高次モードによる電流分配ベクトルIH について、仮想的なモードの電流分配を考える。まず、
E=(1,1,…,1) ……(16)
のn次元ベクトルを考え、vHとして、
H =E−(Ev+…+EvL)/|E−((Ev+…+EvL))|…(17)
を計算する。ここで、LはEの成分としてL番目モードの固有モードまで差し引くことで、vH にはL番目以下の固有モードは含まれなくなる。また、Lは、m+1からn未満の整数である。このようにして求めたvHの電流分配で、
H =FH H ……(14A)
H =−Icom/(v1H+…+viH+…+vnH) ……(15A)
で計算した高次モードによる電流分配ベクトルIHを各シムコイル電流に加える。このような方法で、第2給電線(共通給電線)30を通過する電流を小さく保つことができる。
なお、高次モードによる電流分配ベクトルIHは、電流補正指令値演算部26から加算増幅器(電源)27に出力して、加算増幅器(電源)27で基準電流値ベクトルI0に電流補正指令値ベクトルΔIを加算する際に高次モードによる電流分配ベクトルIHを加算してもよい。また、電流補正指令値演算部26で電流補正指令値ベクトルΔIに高次モードによる電流分配ベクトルIHを加算したものを電流補正指令値ベクトルΔIとして、加算増幅器(電源)27に出力するようにしてもよい。
≪実施例≫
次に図7から図9を参照して、本実施形態に係る磁場調整装置2を用いた磁場調整の実施例を示す。
図7(a)は、実施例に係るシムコイルアレイ20の配置を説明する展開図である。なお、横軸は周回方向をラジアンで−π/2〜3π/2で示し、縦軸は軸方向位置をメートル(m)単位で示している。個々のシムコイル21は円筒に沿った矩形であり、周回方向には同じ角度の大きさで配置されている。また、シムコイル21同士の間隔は、可能な限り密に配置し、磁場を強く発生できるようにしている。なお、シムコイル21は、必ずしも周回方向に同一の角度で分解して配置する必要は無い。また、図7(a)において、一部のシムコイルには形状を判りやすくするためにマークを付けている。また各シムコイル21には1から30までの番号を付している。
図7(b)は、実施例に係るシムコイルアレイ20の配置を説明する鳥瞰図である。中心部の小さな円筒面は磁場計測を行う磁場評価面13である。ちなみに、本手法では磁場計測点は任意の位置に取ることが可能である。また、磁場評価面13は、図1の場合とは異なり、円筒面としている。30個のシムコイル21が円筒状に配置されている。この各シムコイル21は、それぞれ電流端子を持っているが、ここでは省略して図示している。また、各シムコイル21は、線材が1ターンではなく通常複数のターン数が巻かれている。これにより、電流を小さくして、電流導入端子を小さくする。また、発熱量の低減でも有利であり、特に超伝導線材を用いる場合には有利となる。
シムコイル21の相互の間隔は密にするが、実際には若干の隙間が存在する。これは、絶縁やシムコイル21の固定部品のためである。実際の機器では磁場を制御する位置の半径とコイル配置の円筒面の半径の比は、程度として倍半分程度の比率(1/2程度)である。そのため、若干の隙間がシムコイル21の相互間に存在できる。その隙間の程度は、1/2のさらに1/5程度(=1/10程度)であれば実際上隙間による磁場変動は問題とならない。つまり、隙間が、大きさで1/10程度以下、面積では80%程度以上がシムコイル21で覆われていることがシムコイル21の大きさの条件と考えられる。
図8は、実施例に係る固有モードの磁場分布を説明するグラフである。図7の例に示すシムコイルアレイ20(シムコイル21)で、磁場評価面13に生成可能な固有モードの磁場分布ujを図8に示す。各図において、横軸は周回方向で、縦軸は軸方向位置である。また、ドットの有無は磁場の符号の正負を示している。また、各図のMODEは、固有モード番号を示し、その下の数値はその固有モードの特異値を示している。また、コイル数(n=30)と同じ数の固有モードが可能であるが、図8には20個の固有モード(m=20)とその磁場分布で示している。
なお、図8では、軸方向の磁場成分を各固有モードについて分布を示している。しかし、明示してないが、各シムコイル21が半径方向の磁場を生成する方向に向いていることを考えると、半径方向成分の磁場も同様に調整できることは自明である。
図7に示すように、実施例に係るシムコイルアレイ20は、シムコイル21を円筒面に1層配置したものであるが、第2従来例と同様に、図8に示すように、相互に干渉のない固有モードが多数生成できることが理解できる。なお、固有モードの数は、シムコイル21の数nまたは磁場計測点の数hのいずれか小さい方の値以下である。このため、周回方向および軸方向共に、複数のシムコイル21を配置することにより、固有モードを多数生成することができるようになっている。
図9は、誤差磁場を調整するシミュレーション例を説明するグラフである。
図9(a)は、主たる磁場を生成する超伝導コイル1a(図1参照)が1個傾いた時の議差磁場を0.5ガウス(5.000×10-5[T])毎の等高線で示す。磁場評価面13は、図7(b)の円筒面上であり、上下方向に±10cm、半径で33.3cmとする。図9(a)に示すように、誤差磁場は、−1.08ガウス(-1.079×10-4[T])から−4.45ガウス(-4.462×10-4[T])で分布して存在している。
この磁場分布から固有モード強度を計算し、特異値の降順で番号付けして、その強度を×印でプロットした図が図9(c)である。縦軸は残差の固有モード強度、横軸は固有モード番号である。
図9(c)に示すように、図9(c)のグラフは右下がりの傾向があり、固有モード番号が大きくなるほど、固有モード強度の大きな成分はなくなっていく。これは、図5および図6において、1〜m番目までの固有モードについて磁場制御を行い、高次(m+1〜n番目)の磁場制御を行わなくても好適に磁場調整を行うことができることを示している。
また、図9(c)において丸印が付いた固有モード成分について補正すると、大きな成分はなくなる。その補正する成分の強度から考えて、数100分の1の残差磁場となると期待できる。このように、図9(c)から大きな寄与の固有モードを選択して磁場補正に考慮する。これは、図6のモード選択部26aの処理に相当する。仮に、全ての固有モード(1〜m番目)を補正しようとすると、各シムコイル21の電流が過大と成りやすいので、磁場調整に寄与の大きい固有モードを選択する意味は大きく、図9(c)のグラフはその選択に利用する。
図9(b)に、丸印が付いた固有モード成分について補正した場合の残差磁場分布を示す。ここでは、残差磁場を0.01ガウス(1.000×10-6[T])毎の等高線で示す。図9(b)に示すように、残差磁場は、0.016ガウス(+1.631×10-6[T])から−0.017ガウス(-1.735×10-6[T])で分布して存在している。即ち、残差磁場は、±2μT以下の大きさで、よく補正できていることが判る。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る磁石装置1および磁場調整装置2は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
図10(a)は第1変形例に係るシムコイルアレイ20の展開図であり、(b)(c)は第1変形例に係るシムコイルアレイ20の固有モードの磁場分布の例である。
図2では、軸方向に配置されるシムコイル21の幅を等しい幅にするものとしているが、これに限られるものではない。図10(a)に示すように、軸方向位置の中心側、即ち、磁場評価面13(磁場利用領域12)に近い側のシムコイル21Bを狭幅にし、遠い側のシムコイル21Aを広幅にしてもよい。このように等しい幅でなくても、図10(b)(c)に一例を示すように、干渉しない固有モードの磁場分布を得ることができ、同様の処理で磁場調整をすることができる。
図11は、第2変形例に係る磁石装置の構成模式断面図である。
図1では、シムコイルアレイ20を円筒面2Sに配置するものとして説明したが、これに限られるものではない。
例えば、円筒面2Saにシムコイルアレイ20を配置してもよい。シムコイルアレイ20を超伝導コイル1aの外側に配置することにより、シムコイルアレイ20を超伝導コイル1aの内側に配置する(図1参照)場合と比較して、超伝導コイル1aを磁場利用領域12(磁場評価面13)に近づけることができるので、超伝導コイル1aに流れる電流を小さくすることができる。一方で、シムコイル21が磁場利用領域12(磁場評価面13)から離れるため、シムコイル21に流れる電流は大きくなる。その点では、円筒面2Sに配置することが好ましい。
また、シムコイル電流面2Sbに配置してもよい。この場合、シムコイルアレイ20は、常伝導のシムコイルアレイとなる。この位置は、磁場利用領域12に近いので、より早い応答が可能であり、また、より大きな磁場を補正できる。
このように、シムコイルアレイ20の配置は、配置に必要な厚さ、超伝導コイル1aの配置領域の余裕、および、目標の補正に必要なシムコイル21の磁場性能を考慮して、適宜選択することができる。
また、本実施形態に係る磁石装置1および磁場調整装置2は、加速器など、磁場を利用する装置に用いることができる。また、本実施形態に係る磁石装置1は、磁場利用領域12に円筒状の領域に静磁場を発生させる磁石装置であり、本実施形態に係る磁場調整装置2は、磁場利用領域12の静磁場精度が向上するように磁場調整する装置であるものとして説明したが、磁石装置1が磁場利用領域12に発生させる磁場は静磁場に限られるものではない。磁場利用領域12にある目標の磁場分布を発生させる磁石装置1および磁場調整装置2であってもよい。また、磁石装置1の超伝導コイル1aの中心軸(Z軸)は、水平であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、垂直であってもよい。
また、本実施形態に係る磁石装置1は、図1に示すように、トンネル状としているが、磁石一般的に形状でもよい。
また、図1において、磁場利用領域12は円筒状であるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、球形状であってもよく、その他の形状であってもよい。また、磁場評価面13は、磁場利用領域12の形状にあわせて、適宜選択すればよい。
1 磁石装置
11 磁場方向
12 磁場利用領域
13 磁場評価面
2 磁場調整装置
20 シムコイルアレイ
21 シムコイル
22 磁場計測部
23 電流生成部
24 固有モード強度演算部
25 残差演算部
26 電流補正指令値演算部
26a モード選択部
26b 共通給電線電流低減処理部
27 加算増幅器(加算部、電源)
28 記憶部
29 第1給電線
30 第2給電線(共通給電線)

Claims (13)

  1. 複数のシムコイルが配置され冷媒容器に収容されるシムコイルアレイと、
    前記シムコイルの電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た固有モードに基づいて、前記シムコイルの電流指令値を決定する演算部と、
    決定された前記電流指令値に基づいて、前記シムコイルの電流を制御する電源と、を備え、
    前記電源から前記シムコイルへの給電線の一方が、他の電源からシムコイルの給電線の一方と共通する共通給電線として構成されるとともに、シムコイルの一方の給電線と前記共通給電線との接続箇所は前記冷媒容器内部に存在し、
    前記シムコイルは、前記共通給電線と当該シムコイルに電流供給する給電線とで前記冷媒容器の外部の前記電源に接続され
    ことを特徴とする磁場調整装置。
  2. 前記シムコイルアレイは、
    磁石装置の磁場利用空間を取り囲むことともに、前記磁石装置の中心軸を周回方向に取り囲むように配置され、
    周回方向に2個以上、かつ、軸方向にも2個以上の前記シムコイルが配置され、
    各シムコイルが囲む面積の和が、前記シムコイルアレイのコイル面の面積に対して、80%以上となるように密に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場調整装置。
  3. 前記磁石装置は、超伝導磁石装置であることを特徴とする請求項2に記載の磁場調整装置。
  4. 前記シムコイルは、超伝導線材からなり、前記超伝導磁石装置の超伝導コイルを収容する冷媒容器に収容され、
    前記シムコイルごとに永久電流スイッチを備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁場調整装置。
  5. 磁場調整に利用しない高次の固有モードを前記シムコイルの電流分布に加え、
    前記共通給電線を通過する電流を低減するように調整する共通給電線電流低減処理部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場調整装置。
  6. 前記演算部は、
    多点の磁場計測データから、特異値分解の固有モードとの内積で、各固有モードの強度である固有モード強度を演算する固有モード強度演算部と、
    前記固有モード強度演算部で演算された各固有モードの固有モード強度と、目標磁場分布に対応する各固有モードの固有モード基準強度との差分である残差を演算する残差演算部と、
    各固有モードの残差に、各固有モードの電流分配と特異値に基づいて決定した係数を積算して、各固有モードにおける各シムコイルに通電する電流の補正値を演算し、該各固有モードにおける各シムコイルに通電する電流の補正値を各シムコイルについて加算して、
    各シムコイルに通電する電流の補正指令値を演算する電流補正指令値演算部と、
    前記電流補正指令値演算部で演算された前記補正指令値と、基準電流値とを加算して、前記シムコイルの電流指令値を決定する加算部と、を有することで、残差磁場を負帰還御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場調整装置。
  7. 各シムコイルの電流を決める演算において、前記残差を固有モード毎に示して、補正する固有モードを選択するモード選択部を備える
    ことを特徴とする請求項に記載の磁場調整装置。
  8. 請求項1に記載の磁場調整装置を備える
    ことを特徴とする磁石装置。
  9. 磁場計測分布と、電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た各固有モードとの内積により前記各固有モードの固有モード強度を算出するステップと、
    目標磁場分布と前記各固有モードとの内積により得られた前記各固有モードの固有モード基準強度と、前記固有モード強度との差分である残差を算出するステップと、
    前記残差と前記固有モードの電流分配に基づいて、各シムコイルの補正電流量を算出するステップと、
    各シムコイルの給電線の一方が冷媒容器内部で共通化されるとともに電源の給電線の一方に共通化して接続する共通給電線と、各シムコイルの他方のそれぞれの給電線と、により、前記冷媒容器の外部の電源から冷媒容器内に配置された各シムコイルに、前記補正電流量に基づいて、補正した電流を供給するステップと、
    を実行することを特徴とする磁場調整方法。
  10. 複数のシムコイルが配置されるシムコイルアレイと、
    前記シムコイルの電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た固有モードに基づいて、前記シムコイルの電流指令値を決定する演算部と、
    決定された前記電流指令値に基づいて、前記シムコイルの電流を制御する電源と、を備え、
    前記電源から前記シムコイルへの給電線の一方が、他のシムコイルの給電線の一方と共通する共通給電線として構成され
    磁場調整に利用しない高次の固有モードを前記シムコイルの電流分布に加え、
    前記共通給電線を通過する電流を低減するように調整する共通給電線電流低減処理部を備える
    ことを特徴とする磁場調整装置。
  11. 複数のシムコイルが配置されるシムコイルアレイと、
    前記シムコイルの電流から磁場への応答行列の特異値分解で得た固有モードに基づいて、前記シムコイルの電流指令値を決定する演算部と、
    決定された前記電流指令値に基づいて、前記シムコイルの電流を制御する電源と、を備え、
    前記電源から前記シムコイルへの給電線の一方が、他のシムコイルの給電線の一方と共通する共通給電線として構成され
    前記演算部は、
    多点の磁場計測データから、特異値分解の固有モードとの内積で、各固有モードの強度である固有モード強度を演算する固有モード強度演算部と、
    前記固有モード強度演算部で演算された各固有モードの固有モード強度と、目標磁場分布に対応する各固有モードの固有モード基準強度との差分である残差を演算する残差演算部と、
    各固有モードの残差に、各固有モードの電流分配と特異値に基づいて決定した係数を積算して、各固有モードにおける各シムコイルに通電する電流の補正値を演算し、該各固有モードにおける各シムコイルに通電する電流の補正値を各シムコイルについて加算して、各シムコイルに通電する電流の補正指令値を演算する電流補正指令値演算部と、
    前記電流補正指令値演算部で演算された前記補正指令値と、基準電流値とを加算して、前記シムコイルの電流指令値を決定する加算部と、を有することで、残差磁場を負帰還制御する
    ことを特徴とする磁場調整装置。
  12. 各シムコイルの電流を決める演算において、前記残差を固有モード毎に示して、補正する固有モードを選択するモード選択部を備える
    ことを特徴とする請求項11に記載の磁場調整装置。
  13. 請求項11又は12に記載の磁場調整装置を備える
    ことを特徴とする磁石装置。
JP2014160051A 2014-08-06 2014-08-06 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法 Active JP6429312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160051A JP6429312B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160051A JP6429312B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016036420A JP2016036420A (ja) 2016-03-22
JP6429312B2 true JP6429312B2 (ja) 2018-11-28

Family

ID=55528082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014160051A Active JP6429312B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6429312B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6643110B2 (ja) * 2016-01-27 2020-02-12 株式会社日立製作所 磁場調整装置、および磁気共鳴イメージング装置
CN116663337B (zh) * 2023-07-31 2023-10-10 合肥综合性国家科学中心能源研究院(安徽省能源实验室) 一种核聚变用大型铠装超导线圈绕制数据计算方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01121042A (ja) * 1987-11-05 1989-05-12 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置
JP3350143B2 (ja) * 1992-05-12 2002-11-25 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
JPH0686763A (ja) * 1992-09-08 1994-03-29 Toshiba Corp 磁気共鳴診断装置
JP4991235B2 (ja) * 2006-10-04 2012-08-01 株式会社日立メディコ 磁気共鳴イメージング装置
JP5427565B2 (ja) * 2009-11-24 2014-02-26 株式会社日立製作所 Mri装置用磁場調整
JP6039896B2 (ja) * 2011-11-02 2016-12-07 株式会社日立製作所 電磁石装置及びシムコイルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016036420A (ja) 2016-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017131070A1 (ja) 磁場調整装置および磁気共鳴イメージング装置
CN106556813B (zh) 一种磁共振系统中主动匀场线圈的线性混合优化方法
CN113447699B (zh) 隧道磁电阻环形阵列电流传感器及电流测量方法
JP4733602B2 (ja) コイル群を備えるマトリックスシムシステム
CN109765510A (zh) 一种带有圆角的径向超导匀场线圈及其设计方法
US8838193B2 (en) Magnetic module
JPS60189905A (ja) 高均一磁界発生装置
JP6429312B2 (ja) 磁場調整装置、磁石装置および磁場調整方法
Nouri et al. Comparison of magnetic field uniformities for discretized and finite-sized standard cosθ, solenoidal, and spherical coils
US5661401A (en) Apparatus for generating corrective magnetic field
JPH08316031A (ja) 補正磁場発生装置
Abate et al. An inverse equilibrium tool to define axisymmetric plasma equilibria
Sychugov et al. Application of integrated simulation environment SIEMNED to the analysis of the MEPHIST-0 tokamak operation
JP6039896B2 (ja) 電磁石装置及びシムコイルの製造方法
JP4996523B2 (ja) コイルパターン計算方法および傾斜磁場コイル
WO2022209300A1 (ja) 電磁石装置、電磁石装置の制御方法、および、粒子線治療装置
Yang et al. A new compensation method for insulated core transformer power supply and its optimization using genetic algorithm
JPWO2012086644A1 (ja) 静磁場コイル装置、核磁気共鳴撮像装置および静磁場コイル装置のコイル配置方法
Gribov et al. Analytical study of RWM feedback stabilisation with application to ITER
Li et al. Fringe field interference of neighbor magnets in China spallation neutron source
Husain et al. Measurement, analysis and correction of the closed orbit distortion in Indus-2 synchrotron radiation source
Madur et al. Superconducting switch concept applied to superconducting undulator phase‐error correction
Walker Model-based decoupling control of tokamak plasmas
Aprile et al. Mapping of Magnetic Field of SPIDER by a Three-Axis Automatic Positioning System
Cavinato et al. Design of the new RFX equilibrium active control system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6429312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250