実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装置について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係わるレーザレーダ装置100の全体構成である。
この発明の実施の形態1に係わるレーザレーダ装置100は、スキャナ1、角度モニタ部2、レーザ部3、レーザ制御部101、光受信部102、検出部103、信号処理部17を備える。光受信部102は受信レンズ8、受光器9、電流・電圧変換回路10を備え、検出部103は強度・距離検出部11、微小強度検出部12、飽和検出部13を備える。
図2は、この発明の実施の形態1に係わるレーザ制御部101の構成図である。レーザ制御部101はフレーム開始タイミング検知部4、トリガタイミングチャート生成部5、トリガ発生部6、トリガ番号カウンタ7、ダミートリガ番号生成部14、ダミートリガタイミングチャート生成部15、ダミートリガ発生部16を備える。
次に、この実施の形態1に係わるレーザレーダ装置100の機能について説明する。
スキャナ1はレーザ光を2次元スキャン(走査)する機能を持つ。角度モニタ部2はスキャナ1の角度をモニタし、スキャナ(走査)角度信号として出力する機能を持つ。レーザ部3はトリガ信号あるいはダミートリガ信号に従い、レーザ光を発振させる機能を持つ。また、レーザ部3は一度発振してから次に発振するまでの時間間隔に比例して、次に発振する際のレーザ光のピークパワーが増加する機能を持つ。
レーザ制御部101はトリガ信号とダミートリガ信号を生成する。ここで、トリガ信号とダミートリガ信号はともにレーザ部3でレーザ光を発振させるために用いられる。トリガ信号はターゲットからの反射を光受信部102で受信した後、その受信信号を検出部103で検出し、信号処理部17で画像を生成するために用いられる。一方、ダミートリガ信号は検出部103での受信信号の検出及び信号処理部17での画像生成には用いられない。すなわち、ダミートリガ信号は検出部103での処理には用いられないが、レーザ部3でレーザ光を発振させるために、疑似的に挿入される信号である。特別な一例では、トリガ信号は、信号処理部17で画像内の一つの画素を生成するために用いられる。
光受信部102はレーザ光が照射されたターゲットからの散乱光を電圧信号に変換する機能を持つ。具体的には、受信レンズ8はレーザ光が照射されたターゲットからの散乱光を受光器9上に集光する。また、受光器9は受光した光を電流に変換して出力し、電流・電圧変換回路10は入力される電流信号を電圧信号に変換して出力する機能を持つ。
検出部103は光受信部102から出力された受信電圧信号の検出を行う。具体的には、強度・距離検出部11は、入力された受信電圧信号のピーク電圧値を検出し、強度信号として出力する機能を持つ。また、入力された受信電圧信号とトリガ信号の時間差を測定し、その時間差に相当する距離を算出し、距離信号として出力する機能を持つ。また、ダミートリガ信号が入力された場合、上記強度・距離検出の機能をトリガ信号が入力されるまで停止させる機能を持つ。すなわち、検出部103はトリガ信号が入力された場合には動作するが、ダミートリガ信号が入力された場合には動作しない。この構成によって、トリガ信号及びダミートリガ信号によってレーザ部3で発振されたレーザ光のうち、トリガ信号に対応するレーザ光のターゲットからの反射を用いて、検出処理を行う。
検出部103内の微小強度検出部12はあらかじめユーザにより設定された微小強度閾値と強度信号が示す電圧値を比較し、左記電圧値が微小強度閾値よりも小さい場合、微小強度検出信号を出力する機能を持つ。また、飽和検出部13はあらかじめユーザにより設定された飽和閾値と強度信号が示す電圧値を比較し、左記電圧値が飽和閾値を超えていれば飽和検出信号を出力する機能を持つ。
信号処理部17は検出部103で検出された強度信号及び距離信号と角度モニタ部2から供給されたスキャナ角度信号から、強度画像および距離画像を生成する機能を持ち、その生成画像によってターゲットをスキャンすることができる。また、飽和検出信号が入力された場合、その際の距離信号は無視し、距離画像へ反映させない機能を持つ。
レーザ制御部101はトリガ信号とダミートリガ信号を生成するにあたって、フレーム開始タイミング検知部4でスキャナ角度信号から画像取得時のフレーム開始タイミングを検知し、そのタイミングでフレーム開始タイミング信号を出力する機能を持つ。また、トリガタイミングチャート生成部5は、スキャナ角度信号に同期した1フレーム分のトリガタイミングチャートを生成し、トリガタイミングチャート信号として出力する機能を持つ。トリガ発生部6はトリガタイミングチャート信号が指定するトリガ生成タイミングに従い、トリガ信号を発生させる機能を持つ。トリガ番号カウンタ7はフレーム開始タイミング信号およびトリガ信号から、フレーム開始からのトリガ信号の発生数をカウントし、トリガ信号をカウントするごとにそのカウンタ値をトリガ番号カウント信号として出力する機能を持つ。
レーザ制御部101内のダミートリガ番号生成部14は入力される飽和検出信号、微小強度検出信号、トリガ番号信号から、各トリガ番号におけるダミートリガ追加数を決定し、それをダミートリガ番号信号として出力する機能を持つ。ダミートリガタイミングチャート生成部15は入力されるトリガタイミングチャート信号と、ダミートリガ番号信号から、ダミートリガ信号を発生させる時間タイミングを指定するダミートリガタイミングチャート信号を生成し、ダミートリガタイミングチャート信号を出力する機能を持つ。ダミートリガ発生部16は入力されるダミートリガタイミングチャート信号に従い、ダミートリガ信号を生成して出力する機能を持つ。
次に、この実施の形態1に係わるレーザレーダ装置100の動作について説明する。
スキャナ1はレーザ光を2次元スキャンする。例えば、スキャナ1にMEMSミラーやレゾナントスキャナのような共振型スキャナを使用する場合、スキャナ1はその物理特性で決まる固有の共振周波数で正弦波状に共振動作する。角度モニタ部2はスキャナ1の角度をモニタし、スキャナ角度信号として出力する。
レーザ制御部101内のフレーム開始タイミング検知部4はスキャナ角度信号から画像取得時のフレーム開始タイミングを検知し、そのタイミングでフレーム開始タイミング信号を出力する。例えば図1において、スキャナ角度が下方で折り返す位置をフレーム開始タイミングとする場合、これをスキャナ角度信号の変化から検出し、そのタイミングでフレーム開始タイミング信号を出力する。
レーザ制御部101内のトリガタイミングチャート生成部5は、図3に示すようにスキャナ角度信号に同期した1フレーム分のトリガタイミングチャートを生成し、トリガタイミングチャート信号として出力する。例えば、等時間間隔にレーザ光を出力させる場合、入力されるスキャナ角度信号の周期を計測し、左記周期が上記時間間隔の整数倍になるよう上記時間間隔を決定し、図3に示すようにトリガタイミングチャートを生成する。トリガ発生部6はトリガタイミングチャート信号が指定するトリガ生成タイミングに従い、トリガ信号を発生させる。トリガ番号カウンタ7はフレーム開始タイミング信号およびトリガ信号から、フレーム開始からのトリガ信号の発生数をカウントし、トリガをカウントするごとにそのカウント値をトリガ番号カウント信号として出力する。また、次にフレーム開始タイミング信号が入力されると、カウント値を0にリセットして再度トリガをカウントする。レーザ制御部101内でのダミートリガ信号の発生方法は後述する。
レーザ部3はトリガ信号あるいはダミートリガ信号に従い、パルス状のレーザ光を発振させる。また、レーザ部3は一度発振してから次に発振するまでの時間間隔に比例して、次に発振する際のレーザ光のピークパワーが増加する。このような動作をするレーザ部3の例として、ファイバレーザが挙げられる。すなわち、例えば、等時間間隔のトリガ信号によってレーザ光を出力させる場合、2つのトリガ信号の間にダミートリガ信号が挿入されると、トリガ信号とダミートリガ信号の間の時間間隔は、ダミートリガ信号の間の時間間隔よりも短くなり、ダミートリガ信号の挿入によって1回に発振するレーザ光のピークパワーはダミートリガ信号の挿入されない場合よりも低下する。
光受信部102はスキャナ1により走査されたレーザ光によって照射されたターゲットからの散乱光を受信する。具体的には、受信レンズ8はパルス状のレーザ光が照射されたターゲットからの散乱光を受光器9上に集光する。受光器9は受光した光を電流に変換して受信信号電流を出力する。受光器9の例として、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などが挙げられる。この受信信号電流はパルス状の信号となる。電流・電圧変換回路10は入力される電流信号を電圧信号に変換して出力する。電流・電圧変換回路10の例として、トランスインピーダンスアンプが挙げられる。
検出部103内の強度・距離検出部11は、入力された受信電圧信号のピーク電圧値を検出し、強度信号として出力する。このピーク電圧を検出する回路の例として、ピークホールド回路が挙げられる。また、入力された受信電圧信号とトリガ信号の時間差を測定し、その時間差に相当する距離を算出し、距離信号として出力する。この時間計測する回路の例として、TDC(Time to Digital Converter)回路やTAC(Time to Amplitude Converter) 回路が挙げられる。また、ダミートリガ信号が入力された場合、強度・距離検出部11の強度・距離検出機能をトリガ信号が入力されるまで停止させる。これは、ダミートリガ信号に対応して発振するレーザ光は強度・距離検出部11で強度・距離検出の対象とせず、トリガ信号に対応して発振するレーザ光を強度・距離検出部11で強度・距離検出の対象とするための処理である。
微小強度検出部12はあらかじめユーザにより設定された微小強度閾値と強度信号が示す電圧値を比較し、左記電圧値が微小強度閾値よりも小さい場合、微小強度検出信号を出力する。この比較をする回路の例として、コンパレータ回路が挙げられる。
飽和検出部13はあらかじめユーザにより設定された飽和閾値と強度信号が示す電圧値を比較し、左記電圧値が飽和閾値を超えていれば飽和検出信号を出力する。上記比較をする回路の例として、コンパレータ回路が挙げられる。
信号処理部17はスキャナ角度信号と強度信号、距離信号から、強度画像および距離画像を生成する。また、飽和検出信号が入力された場合、その際の距離信号は無視し、距離画像へ反映させない。この処理により、距離画像に飽和により誤検出した距離値が反映されることを防ぐことができる。
ダミートリガ番号生成部14の動作の詳細を説明する。まず、ダミートリガ番号生成部14は、図4に示すようなダミートリガ追加表を部内に保持する。これはトリガ番号と追加するダミートリガ信号数が記録されている。ダミートリガ番号生成部14は入力される飽和検出信号、微小強度検出信号、トリガ番号信号から、各トリガ番号におけるダミートリガ追加数を決定し、それをダミートリガ番号信号として出力する。
飽和検出部13からダミートリガ番号生成部14に飽和検出信号が入力された場合、ダミートリガ追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を1つ増やす。例えば図4のようなダミートリガ追加表を保持しており、トリガ番号T3に対応するレーザ光の受信電流信号に対して飽和信号が入力された場合、トリガ番号T3のダミートリガ信号数を0から1に変更し、更新されたダミートリガ追加表を保持する。すなわち、受信信号が飽和状態であるか否かに応じて、ダミートリガ信号数を変更する。
また、微小強度検出部12からダミートリガ番号生成部14に微小強度検出信号が入力された場合、ダミートリガ追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を0にする。例えば図4のような追加表を保持しており、トリガ番号T5のときに微小強度検出信号が入力された場合、トリガ番号T5のダミートリガ信号数を2から0に変更し、更新された表を保持する。すなわち、受信信号が受信すべきレベルよりも小さい場合には、ダミートリガ信号をなくすことにより、トリガ信号に対応するレーザ光の強度を拡大する。
そして、ダミートリガ番号生成部14はフレーム開始タイミング検出部3からフレーム開始タイミング信号が入力されると、このダミートリガ追加表をダミートリガ番号信号として出力する。
ダミートリガタイミングチャート生成部15はトリガタイミングチャート生成部5から入力されるトリガタイミングチャート信号と、ダミートリガ番号生成部14から入力されるダミートリガ番号信号から、ダミートリガ信号を発生させる時間タイミングを指定するダミートリガタイミングチャート信号を生成し、ダミートリガタイミングチャート信号を出力する。図3にトリガタイミングチャート信号及びダミートリガタイミングチャート信号の関係を示す。
図3に示すように、ダミートリガ信号のタイミングは指定されたトリガ番号のタイミングよりも時間的に前に設定する。また、ダミートリガ信号のタイミングはトリガタイミングチャート信号が示すトリガタイミングを等分割するよう設定する。例えばダミートリガ番号信号が図4に示すダミートリガ追加表の内容であった場合、図3に示すように、トリガ番号T5に追加する2つのダミートリガ信号のタイミングは、T4とT5の時間間隔を3等分するように設定する。ダミートリガ信号がない場合にトリガ信号により生じるレーザ光のピークパワーを基準パワーとする。ダミートリガ信号を追加することでレーザ発振の時間間隔を短くし、レーザ光のピークパワーを基準パワーよりも低くすることができる。このように、レーザ制御部101は、レーザ部3がレーザ光を出力する単位時間あたりの回数を制御することにより、レーザ光のピークパワーを制御する。
ダミートリガ発生部16は入力されるダミートリガタイミングチャート信号に従い、ダミートリガ信号を生成して出力する。
このような動作により、距離画像および強度画像の1フレーム中の各画素において、飽和検出部13により受信信号の飽和を検出する。そして、トリガ番号カウンタ7、ダミートリガ番号生成部14、ダミートリガタイミングチャート生成部15、ダミートリガ発生部16により、次フレームにおいて飽和した画素の測定の際、ダミートリガ信号を追加することでレーザ発振の時間間隔を短くし、レーザ光のピークパワーを低下させることで、受信回路の飽和を回避することができる。距離画像および強度画像の1フレームはスキャナ1によってレーザ光を走査する1周期であるスキャン周期で測定されるが、ここではスキャン周期より短い時間単位で、レーザ部3から出力されるレーザ光のピークパワーを制御する。この構成により、距離画像および強度画像の1フレームより小さい単位(例えば、各画素単位)でレーザ光のピークパワーを制御することが可能となる。
また、ダミートリガ信号によって生じるダミーパルスを1度追加してもその画素が飽和していた場合、次フレームでは追加するダミートリガ信号の数を増やすことで、さらにレーザ光のピークパワーを低下させる。この動作をフレームごとに繰り返すことで、確実に受信回路の飽和を回避することができる。
特に、トリガ信号によって画素を生成するレーザ光が生成される場合、レーザ制御部101は、検出部103で検出された強度の状態に基づき、レーザ部3が画像内の第1の画素を生成するためのレーザ光の出力を開始する第1の時点からその画像内の第2の画素を生成するためのレーザ光の出力を開始する第2の時点までの時間内でのレーザ光の出力回数をダミーパルスを挿入することで制御する。この制御によって、レーザ制御部101は、画像内の第2の画素を生成するためのレーザ光のピークパワーを制御する。
また、例えば反射率の高いターゲットがその場から去り、受信信号強度が低下した場合には、微小強度検出部12によりそれを検知し、次フレームではダミートリガ信号を追加しないことで、上記動作によるレーザ光ピークパワーの低下制御を解除し、ピークパワーを増加させる。
また、上述の動作では1つのトリガタイミングチャート信号の各トリガ信号が各画素の測定に対応する。すなわち、ダミートリガ信号の挿入は各トリガ信号単位で決定されるため、画像中の一部の画素で飽和が発生した場合、次の測定でその画素のみレーザ光のピークパワーを低下させることになる。その結果、画像内の各画素を生成するためにレーザ光を出力する時間間隔と同じ画素単位又は時間間隔より短い時間単位で、レーザ光のパワーを調整することができ、他の画素の測定に悪影響を及ぼさずに特定の画素の飽和を回避することができる。
加えて画像化する際に飽和を検出した際の信号を無視することで、飽和した信号による異常な距離値が画像に反映されることを防ぐことができる。
本方式はリアルタイムな動作が可能であるため、本部が動作中に高反射ターゲットが侵入し、その後離脱した場合でも、フレームごとに各画素の計測においてレーザ光のピークパワーを調整することで、受信回路の飽和を回避し、正しい距離値を示す距離画像が取得できる。
レーザ光のピークパワーを低下させる方法として、測定タイミングを指定するトリガタイミングチャートのトリガ時間間隔を直接変更することも考えられる。この場合、スキャナ1が一定周期で動作していると想定すると、トリガ時間間隔を変更することで、変更後のフレームにおいて同じトリガ番号の測定でもスキャナ角度が異なるため同一の点を測定できず、上記変更前後において画像にゆがみが生じるといった課題が発生する。
本方式では測定タイミングは変更せず、測定に寄与しないダミートリガ信号を追加してレーザ光のピークパワーを調整することで、上記課題を回避している。
また、上記課題の回避の方法として、トリガ時間間隔の変更に同期させて、スキャナ動作を変更することも考えられる。この方法はガルバノスキャナのようにスキャン角度をスキャン中に動的に制御可能なスキャナ1であれば可能であるが、共振型スキャナのようにスキャナ固有の周波数で一定動作を行うスキャナ1の場合、上記スキャナ動作の変更は困難となる。
スキャナ1は2次元スキャンではなく1次元スキャンでも良い。スキャナ1はガルバノスキャナ等の非共振スキャナを使用しても良い。一般的に共振型スキャナは小型、高速動作が可能であり、上記非共振のスキャナを使用すると、大型化、フレームレート低下といった課題が発生する可能性がある。
例えば、共振型スキャナのように物理特性で動作周波数が決まるスキャナの場合、温度変化等により動作周波数および位相が時間で変動する場合がある。その場合にも、角度モニタ部2およびトリガタイミングチャート生成部5により、その変化をリアルタイムにモニタし、その動作周波数および位相に同期させてトリガタイミングを生成させることで、温度変化に対しても安定した距離画像および強度画像が生成できる。
レーザ制御部内のトリガタイミングチャート生成部5は1フレーム分のトリガタイミングチャートを生成するが、1フレーム測定中に角度モニタ信号をモニタし、動作周波数および位相の変動を検出した場合、再度トリガタイミングチャートを再生成し、出力しても良い。この場合、トリガ発生部6は1フレームの途中から上記再生成したトリガタイミングチャートに従いトリガを出力する。例えば、トリガ発生部6はすでにトリガ番号T5まで出力していた場合、トリガ番号T6から上記再生成したトリガタイミングチャートに従い出力する。この動作により、スキャナ1が1フレーム中に動作周波数および位相が大きく変動した場合にも、リアルタイムにトリガタイミングを再同期させることで、左記変動による画像のゆがみを回避することができる。
トリガタイミングチャートのトリガタイミングの間隔は等時間間隔でなくてもよい。例えばスキャナ1の角度が時間に対して正弦波状に動作する場合、等角度で測定したい場合にはトリガタイミングの間隔は等時間間隔にはならない。この場合、上記正弦波動作に合わせて等角度の測定となるよう各トリガタイミングを生成する必要がある。
ダミートリガ信号の追加によりレーザ光ピークパワーを制御する際、ダミートリガ信号数で制御するのではなく、指定したトリガ番号のトリガとダミートリガ信号の時間間隔を調整することで、測定時のレーザ光のパワーを調整しても良い。図5に動作例を示す。図5は図4で示したダミートリガ番号信号が入力された際の動作を示している。図4に示すように、例えばトリガ番号T5ではダミートリガ信号数が2である。しかし、図5に示すように、実際追加するダミートリガ信号は1つであり、トリガ番号のトリガとダミートリガ信号の時間間隔を調整することで、図3に示したダミートリガ信号を2つ追加した際と同様にレーザ光ピークパワーを制御することが可能となる。
この制御により、時間間隔を微調整してレーザ光ピークパワーを微調整することが可能になる。例えばこの機能を用いることで各画素の強度信号が一定となるようレーザ光ピークパワーを調整することも可能になる。例えば距離測定時における受信信号の時間計測において、受信電圧信号があらかじめ指定した閾値を超えた際の時間を計測する方法を採る場合、受信電圧信号の大小により上記閾値を超えるタイミングが変動するため、結果として距離値が変動することが考えられる。これに対し、強度信号が一定となるようレーザ光ピークパワーを調整することで、受信信号が一定となり、距離値が安定するといった効果が得られる。
信号処理部17において距離画像および強度画像を生成する際、飽和検出信号が入力された場合に距離信号を無視せず、距離画像に反映させても良い。あるいは飽和したことを示すマーカ(例えば色や模様)をその画素にあてはめても良い。
本構成では、各画素の測定時の強度信号を用いて飽和検出および微小強度検出を行ったが、1フレームの測定が終了し、生成した強度画像を用いて各画素の飽和検出および微小強度検出を行っても良い。この場合、強度画像から飽和した画素を検出し、その画素に対応するトリガ番号にダミートリガ信号を追加する。
強度・距離検出部11において、1発のレーザ光に対して、複数の受信電圧信号の距離および強度を検出し、それぞれ出力しても良い。この場合、信号処理部17において、1測定における複数の距離信号および強度信号に対して選別を行い、距離画像および強度画像を生成する。
例えば、複数の距離信号および強度信号において、センサから最も遠い距離信号およびそれに対応する強度信号を用いて距離画像および強度画像を生成しても良い。ターゲットまでの空間に霧や雨が存在する場合、ターゲットからの反射光の他に霧や雨からの反射光も同時に受信することがある。この場合、最も遠い距離信号を採用することで、霧や雨の影響を回避してターゲットからの受信信号のみを検出し、画像を生成することができる。
例えば、複数の距離信号および強度信号において、最も強い強度信号およびそれに対応する距離信号を用いて距離画像および強度画像を生成しても良い。これにより、反射率の高いターゲットが優先されて画像化されるため、太陽光の下で目視した風景に近い強度コントラストを持つ強度画像が生成することができる。
このように本実施の形態1のレーザレーダ装置100では、パルス状のレーザ光を出力するレーザ部3と、レーザ光を走査するスキャナ1と、スキャナ1により走査されたレーザ光によって照射されたターゲットからの散乱光を受信する光受信部102と、光受信部102で得られた受信信号の強度の状態を検出する検出部103と、光受信部102で得られた受信信号を用いてターゲットの画像を生成する信号処理部17と、検出部103で検出された強度の状態に基づき、レーザ部3が画像内の第1の画素を生成するためのレーザ光の出力を開始する第1の時点から画像内の第2の画素を生成するためのレーザ光の出力を開始する第2の時点までの時間内でのレーザ光の出力回数を制御することにより、画像内の第2の画素を生成するためのレーザ光のピークパワーを制御するレーザ制御部101と、を備えたことを特徴とする。このような構成により、画像内の画素単位で受信信号の強度レベルを安定化させることができ、受信信号の一部で飽和が発生した場合にも他の受信信号の強度に影響を与えることなく、その一部の受信信号の強度を改善できる。また、受信信号を用いて画像を生成する場合、画像の一部の画素に対応する受信信号が飽和した場合、次回の測定において対象となる画素の測定が飽和しないようにレーザ光のピークパワーを低下させることができる。
また、本実施の形態1のレーザレーダ装置100では、レーザ制御部101は、画像の生成に用いられるレーザ光を出力するためのトリガ信号を発生させるトリガ発生部6と、画像の生成に用いられないレーザ光を出力するためのダミートリガ信号を発生させるダミートリガ発生部16とを含み、レーザ部3はトリガ発生部6で発生されたトリガ信号及びダミートリガ発生部16で発生されたダミートリガ信号に対してレーザ光を出力することを特徴とする。このような構成により、レーザ光のピークパワーを適切に制御することができる。
また、本実施の形態1のレーザレーダ装置100では、レーザ制御部101は、トリガ発生部で発生されるトリガ信号の間にダミートリガ発生部で発生されるダミートリガ信号を挿入することにより、ピークパワーを低下させる制御を行うことを特徴とする。このように、レーザ光のダミートリガ信号を挿入することによってピークパワーを適切にさせることができる。
また、本実施の形態1のレーザレーダ装置100では、検出部103は受信信号の強度が飽和状態か否かを判定する飽和検出部13を含み、レーザ制御部101は飽和検出部13で飽和状態が検出された場合にレーザ光のピークパワーを低下させる制御を行うことを特徴とする。このような構成により、受信信号が飽和する状態を回避し、適した強度の受信信号を用いて安定的に画像を生成することができる。
また、本実施の形態1のレーザレーダ装置100では、検出部103は受信信号の強度が微小状態か否かを判定する微小強度検出部12を含み、レーザ制御部101は、微小強度検出部12で微小状態が検出された場合にレーザ光のピークパワーを増加させる制御を行うことを特徴とする。このような構成により、受信信号が微小状態となり適切に受信できない状態を回避し、適した強度の受信信号を用いて安定的に画像を生成することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、レーザ光を用いてターゲットの距離画像および強度画像を生成する一般的なレーザレーダ装置を示したのに対し、実施の形態2では雨による一時的な撮像可能距離の低下を回避するレーザレーダ装置を開示する。
この発明の実施の形態2に係るレーザレーダ装置100について説明する。図6はこの発明の実施の形態2に係わるレーザレーダ装置100におけるレーザ制御部101の構成である。この発明の実施の形態2におけるレーザ制御部101は、実施の形態1の構成に加えて、雨判定部18を備える。また、レーザレーダ装置100のレーザ制御部101以外は図1の構成を有する。
次に、この実施の形態2に係わるレーザレーダ装置100の機能について説明する。
雨判定部18は入力されたダミートリガ番号信号が示すダミートリガ追加表において、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表を用いて、連続するフレームにおいて同じトリガ番号で飽和が検出されているかを判断することで雨が発生したかを判定し、雨が発生していると判断した場合にはダミートリガ番号信号を無視して前フレームのダミートリガ番号信号を出力し、雨が発生していない場合には入力されたダミートリガ信号をそのまま出力する機能を持つ。その他は実施の形態1と同様の機能を持つ。
次に、この実施の形態2に係わるレーザレーダ装置100の動作について説明する。
ダミートリガ番号生成部14は入力される飽和検出信号、微小強度検出信号、トリガ番号信号から、各トリガ番号におけるダミートリガ追加数を決定し、ダミートリガ番号信号として出力する。
ダミートリガ番号生成部14の動作の詳細を示す。まず、ダミートリガ番号生成部14は、図4に示すようなダミートリガ追加表を部内に保持する。これはトリガ番号と追加するダミートリガ信号数が記録されている。
飽和検出信号が入力された場合、上記追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を1つ増やす。例えば図4のような追加表を保持しており、トリガ番号T3のときに飽和信号が入力された場合、トリガ番号T3のダミートリガ信号数を0から1に変更し、更新された表を保持する。
また、微小強度検出信号が入力された場合、上記追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を0にする。例えば図4のような追加表を保持しており、トリガ番号T5のときに微小強度検出信号が入力された場合、トリガ番号T5のダミートリガ信号数を2から0に変更し、更新された表を保持する。そしてフレーム開始タイミング信号が入力されると、この追加表をダミートリガ番号信号として出力する。
また、雨判定部18からダミートリガ番号信号が入力された場合、この信号が示すトリガ番号およびダミートリガ信号数に従い保持していた表を更新する。
雨判定部18は入力されたダミートリガ番号信号が示すダミートリガ追加表において、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表を用いて、連続するフレームにおいて同じトリガ番号で飽和が検出されているかを判断することで雨が発生したかを判定し、雨が発生していると判断した場合にはダミートリガ番号信号を無視して前フレームのダミートリガ番号信号を出力し、雨が発生していない場合には入力されたダミートリガ信号をそのまま出力する。
動作の詳細を以下に示す。雨判定部18にダミートリガ番号信号が入力された場合、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表を用いて、各トリガ番号においてダミートリガ信号数を比較し、出力用のダミートリガ追加表を新たに作成する。比較した結果、入力されたダミートリガ番号信号のあるトリガ番号においてダミートリガ信号数が1増えていた場合、保持していた追加表のダミートリガ信号数を出力用のダミートリガ追加表に採用する。それ以外の場合、入力されたダミートリガ番号信号の値をそのまま出力用のダミートリガ追加表に採用する。上記比較を全トリガ番号において実施した後、出力用のダミートリガ追加表をダミートリガ番号信号として出力する。また、入力されたダミートリガ番号信号に基づいて保持していたダミートリガ追加表を更新する。
動作例を図7を用いて示す。入力されたダミートリガ番号信号におけるダミートリガ信号数は、保持していたダミートリガ追加表と比べてトリガ番号T2で+1、トリガ番号T4で-1となっている。上記に示した動作に従うと、出力されるダミートリガ信号におけるダミートリガ信号数は、トリガ番号T2は保持していたダミートリガ追加表の値を採用して0、トリガ番号T4は入力されたダミートリガ番号信号に従い0となる。また、更新した保持するダミートリガ追加表は、入力されたダミートリガ番号信号が示すダミートリガ追加表と同一となる。
上記動作により、雨が発生した際に、雨の反射光により飽和が発生しても、それを無視することで雨により飽和検出部13が動作して一時的に撮像可能距離が短くなることを防ぐことができる。
この効果の詳細を示す。雨が発生した際、近距離の雨からの反射光により受信信号の飽和が発生することがある。実施の形態1の構成に従うと、この飽和により次フレームではレーザ光のピークパワーを低下させる。一方で、雨は瞬時に通過するため、次フレームでは上記飽和は起こらず、レーザパワーを低下させたことで受信強度が低下し、微小強度検出部12が動作して次フレームではレーザ光のピークパワーを回復させる。
上記動作により、雨が発生し、その反射光により飽和が発生した場合、次フレームではレーザ光ピークパワーの低下により一時的に撮像可能距離が低下してしまうことがある。
これに対し、本実施の形態2の構成では、雨判定部18により連続するフレームにおいて同じトリガ番号で飽和が発生しているかを判定し、飽和が発生してない場合には雨による飽和と判断して無視することで、雨による影響を回避し、一時的な撮像可能距離の低下を回避することができる。
その他実施の形態1に記載した構成、機能、動作の変更例は本実施の形態2でも同様に適用できる。
このように、本実施の形態2のレーザレーダ装置100では、複数のスキャン周期における特定の走査角のレーザ光に対して飽和検出部13で飽和状態が連続的に検出されない場合に、レーザ光のピークパワーを低下させないことを特徴とする。このような構成により、雨による影響を回避し、一時的な撮像可能距離の低下を回避することができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、雨による一時的な撮像可能距離の低下を回避するレーザレーダ装置を開示したのに対し、実施の形態3では、霧による影響を回避し、霧の奥にあるターゲットの撮像可能距離の低下を防ぐレーザレーダ装置を開示する。
この発明の実施の形態3に係るレーザレーダ装置100について図8を用いて説明する。図8はこの発明の実施の形態3に係わるレーザレーダ装置100におけるレーザ制御部101の構成である。レーザレーダ装置100のレーザ制御部101以外は図1の構成を有する。この発明の実施の形態3におけるレーザ制御部101は、実施の形態1の構成に加えて、霧判定部19を備える。
次に、この実施の形態3に係わるレーザレーダ装置100の機能について説明する。
強度・距離検出部11は、入力された受信電圧信号のピーク電圧値を検出し、強度信号として出力する機能を持つ。また、入力された受信電圧信号とトリガ信号の時間差を測定し、その時間差に相当する距離を算出し、距離信号として出力する機能を持つ。また、1発のトリガ信号に対し複数の受信電圧信号が発生した場合、それぞれの時間差を計測し、距離を算出し、距離信号として出力する機能を持つ。また、ダミートリガ信号が入力された場合、上記強度・距離検出の機能をトリガ信号が入力されるまで停止させる機能を持つ。
信号処理部17はスキャナ角度信号と強度信号、距離信号から、強度画像および距離画像を生成し、強度画像を出力する機能を持つ。1回の測定において距離信号が複数入力された場合、最も遠方の距離を示す距離信号を採用して距離画像を生成する機能を持つ。
霧判定部19は入力されたダミートリガ番号信号と、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表を比較し、ダミートリガ信号数が増加する数の合計から、霧が発生したかを判定し、霧が発生している場合には入力されたダミートリガ番号信号を無視して前フレームのダミートリガ番号信号を出力し、霧が発生していない場合には入力されたダミートリガ信号をそのまま出力する機能を持つ。その他は実施の形態1と同様の機能を持つ。
次に、この実施の形態3に係わるレーザレーダ装置100の動作について説明する。
強度・距離検出部11は、入力された受信電圧信号のピーク電圧値を検出し、強度信号として出力する。このピーク電圧を検出する回路の例として、ピークホールド回路が挙げられる。また、入力された受信電圧信号とトリガ信号の時間差を測定し、その時間差に相当する距離を算出し、距離信号として出力する。また、1発のトリガ信号に対し複数の受信電圧信号が発生した場合、それぞれの時間差を計測し、距離を算出し、距離信号として出力する。この時間計測する回路の例として、TDC(Time to Digital Converter)やTAC(Time to Amplitude Converter)が挙げられる。また、ダミートリガ信号が入力された場合、この強度・距離検出の機能をトリガ信号が入力されるまで停止させる。
信号処理部17はスキャナ角度信号と強度信号、距離信号から、強度画像および距離画像を生成する。1回の測定において距離信号が複数入力された場合、最も遠方の距離を示す距離信号を採用して距離画像を生成する。
ダミートリガ番号生成部14は入力される飽和検出信号、微小強度検出信号、トリガ番号信号から、各トリガ番号におけるダミートリガ追加数を決定し、ダミートリガ番号信号として出力する。
ダミートリガ番号生成部14の動作の詳細を示す。まず、ダミートリガ番号生成部14は、図4に示すようなダミートリガ追加表を部内に保持する。これはトリガ番号と追加するダミートリガ信号数が記録されている。
飽和検出信号が入力された場合、上記追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を1つ増やす。例えば図4のような追加表を保持しており、トリガ番号T3のときに飽和信号が入力された場合、トリガ番号T3のダミートリガ信号数を0から1に変更し、更新された表を保持する。
また、微小強度検出信号が入力された場合、上記追加表において、その際入力されたトリガ番号信号が示すトリガ番号のダミートリガ信号数を0にする。例えば図4のような追加表を保持しており、トリガ番号T5のときに微小強度検出信号が入力された場合、トリガ番号T5のダミートリガ信号数を2から0に変更し、更新された表を保持する。
そしてフレーム開始タイミング信号が入力されると、この表をダミートリガ番号信号として出力する。
また、霧判定部19からダミートリガ番号信号が入力された場合、この信号が示すトリガ番号およびダミートリガ信号数に従い保持していた表を更新する。
霧判定部19は入力されたダミートリガ番号信号と、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表を比較し、ダミートリガ信号数が増加する数の合計から、霧が発生したかを判定し、霧が発生している場合には入力されたダミートリガ番号信号を無視して前フレームのダミートリガ番号信号を出力し、霧が発生していない場合には入力されたダミートリガ信号をそのまま出力する。
霧判定部19の動作の詳細を以下に示す。霧判定部19にダミートリガ番号信号が入力された場合、保持していた前フレーム時のダミートリガ追加表と比較して、ダミートリガ信号の増加数の合計をカウントする。この値がユーザが予め設定した閾値を超える場合、上記保持していた追加表をダミートリガ番号信号として出力する。また、閾値を超えない場合、入力されたダミートリガ番号信号をそのまま出力し、出力したダミートリガ番号信号に従い保持していた追加表を更新する。
上記動作により、霧が発生した際に、霧の反射光により飽和が発生しても、それを無視することで、霧により飽和検出部13が動作して霧の奥にあるターゲットの撮像可能距離が短くなることを防ぐことができる。
この効果の詳細を示す。霧が発生した際、近距離の霧からの反射光により受信信号の飽和が発生することがある。実施の形態1の構成に従うと、この飽和により次フレームではレーザ光のピークパワーを低下させる。霧は広範囲に発生するため、画像全体でこの飽和が発生し、全体としてレーザ光のピークパワーを低下させる。
本構成では、霧の奥に存在するターゲットからの反射光を測定するために、強度・距離検出部11において1発のトリガ信号に対し複数の受信電圧信号が発生した場合、それぞれの信号に対して距離を検出し、信号処理部17において最も遠方の距離を示す信号を採用し、距離画像を生成している。
しかし、上記のように霧が発生し、飽和によりレーザ光のピークパワーが低下すると、撮像可能距離が短くなり、結果としてターゲットが撮像できないことがある。
そこで、本実施の形態3では、上述の構成により霧による飽和が発生した場合、1フレーム内に飽和が発生した数の合計をカウントし、その数が大幅に多い場合には霧による飽和が発生したとみなして上記飽和を無視することで、霧による影響を回避し、霧の奥にあるターゲットの撮像可能距離の低下を防ぐことができる。
その他実施の形態1に記載した構成、機能、動作の変更例は本実施の形態3でも同様に適用できる。
また、実施の形態2と実施の形態3を組み合わせることで、両方の効果を得ることが可能である。組み合わせる際には霧判定部19の後段に雨判定部18を配置する。
このように本実施の形態3のレーザレーダ装置100では、光受信部102で得られた受信信号を用いてターゲットの距離画像を生成する信号処理部を備え、レーザ制御部101は、1つの距離画像を生成するにあたって飽和検出部13で飽和状態が検出された回数が閾値以上である場合に、前記ピークパワーを低下させないことを特徴とする。このような構成により、霧による影響を回避し、霧の奥にあるターゲットの撮像可能距離の低下を防ぐことができる。