JP6414355B1 - 塗工板紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】古紙パルプを使用しても、表層側の白抜けが抑制され、表面および裏面の平滑性に優れた塗工板紙を得る。
【解決手段】少なくとも表層、中層、裏層を有する基紙を形成し、カレンダー処理を施していない前記基紙の裏層の表面に、結着剤を含む裏面塗工液を塗工し、乾燥した後、カレンダー処理を行い、前記基紙の表層表面に顔料とバインダーを含む表面顔料塗工液の塗工および乾燥を行う。裏層が、オフィス古紙のシュレッダー処理物由来のパルプ、または廃石膏ボード由来のパルプを含む場合により有効である。
【選択図】なし

Description

本発明は塗工板紙の製造方法に関する。さらに詳しくは、箱等の紙器の製造に好適に使用される塗工板紙に関する。
表層、中層、裏層を有する多層抄紙で構成される板紙は、一般に、紙器用(箱、ブリスターパック等)、紙製品用(見本帳台紙、アルバム等)、出版用(雑誌、本等)、商業印刷用(カタログ、パンフレット等)に使用されている。
板紙の製造には、近年、コストや環境保護の観点から、古紙由来のパルプが多量に使用されている。しかし、古紙パルプを配合すると、板紙の表面強度が不充分となる。そのため、脱落した繊維により印刷の一部が抜けてしまう、いわゆる白抜けの問題が生じる場合がある。
そこで、特許文献1には、顔料およびバインダーを含む表面顔料塗工液を表層側に塗工した後、さらにバインダーを含む裏面塗工液を裏層側に塗工し、カレンダー処理を施すことが提案されている。
特開2000−192395号公報
ところが、近年、古紙配合率が高まり、紙として再利用するには不向きな古紙の使用量が増えている。さらに、オフィス用紙のシュレッダー処理物由来のパルプが使用される場合もある。そのため、白抜けの問題がますます生じやすい傾向にあり、特許文献1の方法では白抜けが充分に抑制できないことがある。また、特許文献1の方法では、得られる塗工板紙の表面や裏面の平滑性が不充分となることがある。
本発明は、古紙パルプを使用しても、表層側の白抜けが抑制され、表面および裏面の平滑性に優れた塗工板紙を得ることを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]少なくとも表層、中層、裏層を有する基紙を形成し、カレンダー処理を施していない前記基紙の裏層の表面に、結着剤を含む裏面塗工液を塗工し、乾燥した後、カレンダー処理を行い、前記基紙の表層表面に顔料とバインダーを含む表面顔料塗工液の塗工および乾燥を行うことを特徴とする塗工板紙の製造方法。
[2]前記基紙の裏層の表面の温度を60℃以上とした状態で前記裏面塗工液を塗工する、[1]に記載の塗工板紙の製造方法。
[3]前記裏面塗工液が顔料を含む、[1]または[2]に記載の塗工板紙の製造方法。
[4]前記結着剤が、水溶性高分子および水分散性高分子のいずれか一方または両方である、[1]〜[3]のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
[5]前記結着剤が、ポリビニルアルコール系樹脂である、[1]〜[4]のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
[6]前記結着剤が、平均重合度2500以下のポリビニルアルコール系樹脂である、[1]〜[5]のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
[7]前記裏層が、オフィス古紙のシュレッダー処理物由来のパルプ、または廃石膏ボード由来のパルプを含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の塗工板紙の製造方法。
本発明の塗工板紙の製造方法によれば、古紙パルプを使用しても、表層側の白抜けを抑制でき、表面および裏面の平滑性に優れた塗工板紙が得られる。
本発明の塗工板紙の製造方法は、(1)少なくとも表層、中層、裏層を有する基紙を形成し、(2)カレンダー処理を施していない前記基紙の裏層の表面に、結着剤を含む裏面塗工液を塗工し、乾燥した後、(3)カレンダー処理を行い、(4)前記基紙の表層表面に顔料とバインダーを含む表面顔料塗工液の塗工および乾燥を行う製造方法である。
(1)基紙の形成
本発明は、まず少なくとも表層、中層、裏層を有する基紙を形成する。
表層とは、基紙において、最も表側に配置される層であり、裏層は最も裏側(表層と反対側)に配置される層であり、中層とは、表層と裏層との間に配置される層である。表層と中層の間には、表下層を設けてもよい。裏層と中層の間には、裏下層を設けてもよい。各層は一層で形成しても複数の層で形成しても構わないが、低質の古紙パルプの使用量を増やすためには、中層を複数層で形成することが好ましい。これらの各紙層は、多層抄きにより積層される。
多層抄きには、公知の多層抄き抄紙機が使用できる。例えば、円網式、長網式、短網式、傾斜式、ツインワイヤー式等のワイヤーパートを組み合わせたもので、長網抄合わせ、短網抄合わせ、短網円網コンビネーション、長網円網コンビネーション等がある。中でも、短網抄き合わせを使用することが微細繊維を多く含む古紙パルプの歩留りが向上する点で好ましい。
本発明における基紙は、パルプを主成分とし、基紙を構成する全パルプ成分中70%以上が古紙パルプであることが好ましい。全パルプ成分に占める古紙パルプの割合は、75〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましい。
本発明において古紙パルプとは、古紙を再生して得られるパルプである。
古紙としては、例えば、上白・罫白等、一度使用されているが印刷部分の少ない紙、カード・模造・色上・ケント・白アート等の印刷物や色づけされ一度は使用された紙類、印刷用塗工紙、飲料用パック、オフィス用紙等使用済みの上質系古紙、さらに切符類・中質反古・ケントマニラ等の事業系中質古紙、新聞・雑誌・雑紙等の一般中質古紙、切茶・無地茶・雑袋・段ボール等の茶系古紙等が挙げられる。機密性を有するオフィス用紙や切符等の古紙はシュレッダー処理物であってもよい。
古紙パルプは、古紙を離解処理した離解パルプ、離解処理および脱墨処理を行った未晒脱墨パルプ、脱墨処理後、漂白処理を行った晒脱墨パルプ等を、適宜使用できる。
古紙パルプではない、いわゆるバージンパルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、グランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、ストーングランドパルプ(SGP)等の機械パルプが挙げられる。
基紙を構成するパルプは、全体として70%以上が古紙パルプであることが好ましいが、古紙パルプの配合割合は、各層ごとに各層の役割に応じて適宜調整することができる。また、各層に用いる古紙パルプの種類も、各層ごとに、各層の役割に応じて適宜選択することができる。
いずれの層においても、2種以上の古紙パルプを混合して使用してもよい。また、バージンパルプを使用する場合は、2種以上のバージンパルプを混合して使用してもよい。
以下、各層における通常のパルプ組成等について説明するが、本発明は、下記の通常のパルプ組成等に限定されるものではない。
表層には、通常白色度の高いパルプが使用される。例えば、上記のバージンパルプや古紙の脱墨パルプを主として使用することができる。古紙としては、上白・カード、特白・中白・白マニラ、模造・色上等の白色度の高い古紙が好ましく使用できる。
表層の坪量は、15〜90g/mとすることが好ましく、25〜70g/mとすることがより好ましい。基紙を構成する各層の坪量は、JIS P8124に準拠して測定することができる。
表層の坪量が好ましい下限値以上であれば、中層の黒っぽさを充分に隠蔽することができる。また、表層の坪量が好ましい上限値以下であれば、充分な紙層強度を得ることができる。
表下層を設ける場合は、表下層を構成するパルプは、中層のパルプよりも、白色度が高く、表層のパルプよりも白色度が低いパルプを使用する。表下層には、上記表層に使用されるパルプを使用してもよいが、通常は、表層と比較して低級な古紙、即ち中質繊維を多く含んだ古紙が使用される。例えば、新聞、雑誌、色上、ボール等の脱墨古紙パルプが使用されるのが一般的である。
表下層の坪量は、15〜90g/mとすることが好ましく、25〜75g/mとすることがより好ましい。
表下層の坪量が好ましい下限値以上であれば、表層と共に、中層の黒っぽさを充分に隠蔽することができる。また、表下層の坪量が好ましい上限値以下であれば、充分な紙層強度を得ることができる。
中層は通常複数の層から構成されるが、一層であってもよい。中層が複数の層から構成される場合、各層を構成するパルプは、総て同じであってもよいし、異なっていてもよい。
中層は、少なくとも表層と裏層の間に挟まれる層であるため、通常は、基紙を構成する層の内、最も低級なパルプが使用されるのが一般的である。例えば、新聞、雑誌、切符、中質反古、茶模造、段ボール、台紙、地券、ボール、等の離解パルプが挙げられる。
中層の合計坪量は、塗工板紙の用途により必要とされる厚みに応じて、適宜調整されるが、一層当たりの坪量は、15〜90g/mとすることが好ましく、25〜75g/mとすることがより好ましい。
裏下層を設ける場合は、裏下層を構成するパルプは、中層のパルプよりも、白色度が高く、裏層のパルプよりも白色度が低いパルプを使用する。裏下層には、上記表層や表下層に使用されるパルプを使用してもよいが、通常は、表層と比較して低級な古紙、即ち中質繊維を多く含んだ古紙が使用される。例えば、新聞、雑誌、色上、ボール等の未晒脱墨古紙パルプが使用されるのが一般的である。
裏下層の坪量は、15〜90g/mとすることが好ましく、25〜75g/mとすることがより好ましい。
裏下層の坪量が好ましい下限値以上であれば、裏層と共に、中層の着色異物を充分に隠蔽することができる。また、裏下層の坪量が好ましい上限値以下であれば、充分な紙層強度を得ることができる。
裏層には、表層程の白色度は求められないが、人の目に触れるため、通常、中層よりも白色度の高いパルプが使用される。オフィス古紙のシュレッダー処理物由来のパルプ、または廃石膏ボード由来のパルプを含ませてもよい。これらのパルプは、脱墨、漂白処理を行わなくても白色度が比較的高いので、裏層に配合することが好ましい。
オフィス古紙のシュレッダー処理物由来のパルプや、廃石膏ボード由来のパルプは、白色度を高めることができるが、繊維が微細になりやすく、脱離しやすい傾向がある。また、その形状上、離解処理の際に水に馴染み難いため、多量に配合しにくい。そのため、これらのパルプは、裏層の全パルプ成分に対して、3〜40質量%で使用することが好ましく、3〜30質量%で使用することがより好ましい。
裏層の坪量は、15〜90g/mとすることが好ましく、25〜70g/mとすることがより好ましい。中層の坪量は、塗工板紙の用途により必要とされる厚みに応じて、適宜調整される。
裏層の坪量が好ましい下限値以上であれば、中層の着色異物を充分に隠蔽することができる。また、裏層の坪量が好ましい上限値以下であれば、充分な紙層強度を得ることができる。
古紙パルプとして、シュレッダー処理物由来のパルプおよび廃石膏ボード由来のパルプからなる群から選ばれる少なくとも一種のパルプを用いる場合、この裏層に配合することが好ましい。オフィス用紙や切符等のシュレッダー処理物は、細かく裁断された状態で回収されるため、得られるパルプは微細繊維が多いパルプとなる。廃石膏ボード由来のパルプは、石膏ボードに使用されている紙から石膏を剥ぎ取った状態で回収されるため、得られるパルプは微細繊維が多いパルプとなる。裏層に微細繊維が多く含まれているこれらのパルプを配合した場合、微細繊維脱落による白抜け等の問題が生じ易くなるが、裏層表面に結着剤を含む裏面塗工液を塗工することにより抑制することができる。オフィス用紙等のシュレッダー処理物由来のパルプおよび廃石膏ボード由来のパルプからなる群から選ばれる少なくとも一種のパルプを配合する場合、裏層を構成するパルプの2〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。上限を超えての配合は、紙層強度が低下してしまうおそれがある。
本発明の製造方法においては、表層の坪量を表下層の坪量よりも小さく、且つ、表下層の坪量を中層の坪量よりも小さくすることが好ましい。より好ましくは、表下層の坪量が、多層抄きされた中層の一層当たりの坪量と同等か、それ以下である。表層、および表下層の坪量を減らし、中層の坪量を増やすことで、離解古紙の基紙全体としての配合量を高めることができる。
上記、表層から裏層に至る各層に使用されるパルプスラリー組成物には、必要に応じて、適宜、紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、発泡性マイクロカプセル、サイズ剤、染料、歩留向上剤、填料、pH調整剤、スライムコントロール剤、増粘剤、防腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、防腐剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、マイクロカプセル、発泡剤、界面活性剤、電磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤等を選択し配合することができる。これらは複数種併用することもできる。
(2)裏面塗工液の塗工
得られた基紙は、カレンダー処理を施していない状態で、基紙の裏面の表面に結着剤を含む裏面塗工液を塗工する。
結着剤としては、水溶性高分子や水分散性高分子が例示でき、単独使用或いは併用できる。結着剤を含む裏面塗工液として塗工することにより、紙層内部、特に裏層に存在する微細繊維を紙層内に固定することができる。なお、裏面塗工液を塗工する前に、カレンダー処理を施すと、裏層の空隙が密になってしまい、裏面塗工液が裏層内部に充分浸透せず、微細繊維を固定する効果が不充分となり、白抜けを充分に抑制することができない。
水溶性高分子としては、例えば、酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、デキストリン、酵素変性澱粉、水溶性澱粉等の澱粉;ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下PVAともいう)とは、ポリ酢酸ビニルの部分または完全ケン化物であるが、それ以外にビニルエステルおよびそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物が含まれるが、必ずしもこれに限定されるものではない。ビニルエステルと共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタドデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノまたはジアルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基を有する化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、オキシアルキレン基を有する不飽和単量体等が挙げられる。また、PVAは、シアノエチル化、ウレタン化、エステル化等の、後変性されたもの、更にはメルカプタン等で末端修飾したものであってもよい。
水分散性高分子としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルの共重合体ラテックスやメタクリル酸エステルの共重合体ラテックス等のアクリル系共重合体ラテックス等のラテックスが挙げられる。水分散性高分子は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水分散性高分子やPVAは、白抜けの改善効果が優れるので好ましい。なお、PVAを用いる場合、平均重合度は2500以下であることが好ましく、1800以下であることがさらに好ましい。
裏面塗工液には、顔料がさらに含まれることが好ましい。裏面塗工液に顔料が含まれると、塗工板紙の裏面の平滑性がさらに向上するため好ましい。
顔料としては、一般に、紙・板紙への塗工または紙への内添に使用される顔料および填料が挙げられる。具体的に例を挙げるならば、炭酸マグネシウム類;ドロマイト等のカルシウム・マグネシウム炭酸塩類;カオリン、天然クレー、焼成クレー、ろう石、ベントナイト、長石、タルク(滑石)、雲母、ワラストナイト、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸カルシウム等の珪酸塩類;天然ゼオライト、合成ゼオライト等の含水アルミノ珪酸塩類;珪藻土、珪石粉、含水微粉珪酸(ホワイトカーボン)、無水微粉珪酸等の珪酸類;合成水酸化アルミ等のアルミニウム水和物;バライト、ブランクフィンクス等の硫酸バリウム類;石膏、合成亜硫酸カルシウム等の硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム類;アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン等の二酸化チタン類;リチウムアルミニウムカーボネート;等が挙げられる。中でも、カオリン、タルク、炭酸カルシウムが好ましい。
裏面塗工液が顔料を含有することにより、塗工板紙を箱等に加工する際に、裏面塗工液から形成された塗工層が割れることを抑制できる。特に、カオリンやタルクは板状顔料であり、用いると裏面のミクロな突起が比較的少なくなり、オフセット印刷後に表面と裏面が擦れても、表面印刷層を荒らしにくくなるため好ましい。また、炭酸カルシウムや二酸化チタンは白色顔料であり、裏層の白色度を高め、印刷適性が改善できるため好ましい。特に、板状顔料としてカオリン、白色顔料として炭酸カルシウムは好ましい顔料である。
顔料の平均粒子径は、0.1〜2.5μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることがより好ましい。顔料の平均粒子径が好ましい下限値以上であると微細繊維の脱落を抑制するので好ましい。他の顔料の平均粒子径が好ましい上限値以下であると塗工面表面にミクロな突起を少なくすることができるので好ましい。
裏面塗工液に顔料を配合する場合、配合量は特に限定しないが、結着剤の合計固形分100質量部に対して、顔料を10質量部以上2500質量部含有することが好ましく、15〜1000質量部含有することがより好ましい。
上記の範囲で裏面塗工液に顔料を配合すると、充分な層間強度を得やすく、製箱時の打ち抜き適性、製箱時の折り適性にも優れる。
裏面塗工液には、ポリアクリルアミド樹脂等の紙力剤をさらに配合すると、裏層側の強度がより高くなり、白抜けがより抑制されやすいので好ましい。
裏面塗工液は、必要に応じて、適宜、分散剤、水酸化ナトリウム・アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動性改良剤、保水剤、スライムコントロール剤、防腐剤、染料、着色顔料等の一種以上を含有してもよい。
裏面塗工液の塗工量は、0.1〜7.5g/mであることが好ましく、1〜6g/mであることがより好ましく、1.5〜4g/mであることがさらに好ましい。なお、本明細書において塗工量は、乾燥塗工量を意味する。
裏面塗工液の塗工量が好ましい下限値以上であれば、裏層側の充分な強度を得やすい。裏面塗工液の塗工量が好ましい上限値以下であれば、箱成形時の折り曲げ適性、および糊の浸透性を確保しやすい。なお、糊としては一般に、澱粉、酢酸ビニル樹脂系エマルション型接着剤、酢酸ビニル樹脂系溶剤型接着剤、アクリル樹脂系エマルション型接着剤等が使用される。
裏面塗工液の塗工については、特に限定するものではなく、公知の塗工装置が使用できる。例えばサイズプレスコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が適宜用いられる。これらは、オンマシンであってもオフマシンであっても構わないが、オンマシンのサイズプレスで塗工することが、好ましい。
サイズプレスとしては、ポンド方式と、フィルム転写方式とがあるが、フィルム転写方式であることが好ましい。フィルム転写方式のサイズプレスとしては、ロッドメタリング方式、ゲートロール方式、ブレードメタリング方式が挙げられる。
裏面塗工液を塗工する際、基紙の裏層の表面の温度を60℃以上であると、裏面塗工液が内部まで浸透しやすいので好ましい。裏層表面の温度は、70℃以上がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。おそらく、裏面塗工液が、高温の紙面に接した際に、液の温度が上昇し、塗工液の粘度が下がり、紙層内部に塗工液が浸透し易くなるためと推測される。
裏面塗工液をサイズプレスで裏層側に塗工する際、表層側のサイズプレスについては特に限定されない。基紙の表層側には何も塗工しなくても構わないが、表層側の表面に、水系塗液の表層側サイズプレス液を塗工しておくことが好ましい。
表層側サイズプレス液には、裏面塗工層で用いる結着剤、顔料、紙力剤、離型剤、ピッチコントロール剤、分散剤、水酸化ナトリウム・アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動性改良剤、保水剤、スライムコントロール剤、防腐剤、染料、着色顔料等の一種以上を適宜含有してもよい。
(3)カレンダー処理
裏面塗工液を塗工、乾燥後、表面顔料塗工層を塗工する前に、カレンダー処理を行う。カレンダー処理を施し、表層表面の空隙を密にすることにより、表面顔料塗工液が表層に浸透することを防ぐことができ、平滑な表面顔料塗工層を形成することができる。カレンダー処理としては、公知のカレンダーが使用できる。例えば、金属ロールと金属ロールで基紙を挟む方式、金属ロールと樹脂ロールで基紙を挟む方式のいずれのカレンダー装置を用いてもよい。
なお、予め表面サイズプレス液等を基材の表層表面に塗工しておき、カレンダー処理を行っても構わない。
(4)表面顔料塗工層の形成
カレンダー処理がなされた基紙の表層表面に表面顔料塗工液を塗工する。表面顔料塗工液の塗工は、1回のみ塗工してもよいし、複数回塗工してもよい。特に下塗り層用の表面顔料塗工液と上塗り層用の表面顔料塗工液を塗工し、下塗り層と上塗り層を順次形成することが好ましい。表面顔料塗工液を塗工することにより、表層側の印刷適性を高めることができる。下塗り層を基紙の低い白色度を隠蔽する目的、上塗り層に印刷適性を付与する目的というように、目的を分けて構成することもできる。
表面顔料塗工液は、顔料とバインダーを含む。
顔料としては、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、サチンホワイト、タルク等の一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用の顔料の1種以上を適宜使用できる。特に、カオリンおよび炭酸カルシウムは印刷適性に優れるため好ましい。バインダーとしては、一般塗被紙製造分野で使用されている公知公用のバインダーが使用でき、好ましいバインダーとしては裏層塗工液の結着剤として例示したものが使用でき、特に好ましいのはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである。
表面顔料塗工液は、顔料100質量部に対して、バインダーを2〜50質量部含有することが好ましく、5〜25質量部含有することがより好ましい。
バインダーの割合が好ましい下限値以上であれば、表面顔料塗工液の塗工層の強度を得ることができる。また、バインダーの割合が好ましい上限値以下であれば、インキ乾燥性が優れるとともに製函適性も優れることになる。
また、必要に応じて、適宜、分散剤、水酸化ナトリウム、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動性改良剤、スライムコントロール剤、防腐剤、染料、着色顔料等の1種以上を含有させてもよい。
表面顔料塗工液の塗工量は、5〜50g/mであることが好ましく、8〜40g/mであることが好ましく、10〜35g/mであることがさらに好ましい。
表面顔料塗工層を複数回、例えば二回に分けて塗工する場合、一回目(下塗り層)と二回目(上塗り層)の塗工液は同じでもよく、異なっていてもよい。
表面顔料塗工液を塗工する塗工装置としては、公知の塗工装置を用いることができ、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が適宜用いられる。
中でも、ロッドメタリングコーターやカーテンコーターは塗工ムラ等を抑制した塗工層を得ることができるので好ましい。なお、塗工された塗工層は、公知の乾燥装置で乾燥され、表面顔料塗工層が形成される。
表面顔料塗工層は、必要に応じてカレンダー処理を施してもよい。例えば、公知のカレンダー装置が適宜使用でき、例えば、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトニップカレンダー、熱カレンダー、シューカレンダー等が挙げられる。これらを組み合わせて使用しても構わない。中でも、金属ロールと弾性ロールを備えたソフトニップカレンダーは、紙厚を維持しつつ、塗工層を平滑化処理することができるので好ましい。なお、カレンダーは、オンマシンでもオフマシンでも構わない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、%は特に断りのない限り質量%である。また、媒体以外の原料の「部」は特に断りのない限り分散媒体を含まない質量部である。
[製造例1]
顔料として、カオリン(商品名「ウルトラホワイト90」、BASF社製)の65部、軽質炭酸カルシウム(商品名「ブリリアント15」、白石工業社製)の25部、二酸化チタン(商品名「クロノスKA−15」、チタン工業社製)の10部、バインダーとして、尿素リン酸エステル化澱粉(商品名「ニールガムA−85」、アベベ社製)の1部、カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(商品名「B−1525」、旭化成社製)の16部、および水を用い、固形分濃度が62%の表面顔料塗工液A−1を調製した。
[製造例2]
顔料として、重質炭酸カルシウム(商品名「FMT97」、ファイマテック社製)の75部、微粒カオリン(商品名「アマゾン」、CADAM社製)の25部、バインダーとして、スチレン−ブタジエン共重合ラテックスの12部、界面活性剤の0.2部、および水を用い、固形分濃度は68%の表面顔料塗工液A−2を調製した。
[製造例3]
水溶性高分子としてPVA(商品名「PVA−124」、ケン化度98.5%、重合度2400、クラレ社製)の6%水溶液を調製し、裏面塗工液B−1とした。
[製造例4]
水溶性高分子としてPVA(商品名「PVA−117」、ケン化度98.5%、重合度1700、クラレ社製)の6%水溶液を調製し、裏面塗工液B−2とした。
[製造例5]
水溶性高分子としてPVA(商品名「PVA−124」)50部、顔料としてカオリン(商品名:「ウルトラホワイト90」、BASF社)50部からなる固形分濃度11%の混合液を調製し、これを裏面塗工液B−3とした。
[製造例6]
顔料として、平均粒子径が0.68μmの平板状のカオリン(商品名「HYDRAGLOSS90」、日成共益社製)の80部、紡錘状の軽質炭酸カルシウム(商品名「タマパールTP−121」、奥多摩工業社製)の8部、不定形の重質炭酸カルシウム(商品名「ハイドロカーブ60」、備北粉化社製)の12部、水溶性高分子として尿素リン酸エステル化澱粉(商品名「エースP−160」、王子コーンスターチ社製)の20部、水分散性高分子としてカルボキシル化スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名「B−1525」、旭化成社製)の15部、および水を用い、固形分濃度が35%の裏面塗工液B−4を調製した。
[実施例1]
多層抄き抄紙機で、表層用パルプを米坪35g/m、表下層用パルプを米坪40g/m、中層用パルプを米坪135g/m、裏層用パルプを米坪45g/mとなるように多層抄きを行った。
表層用パルプとしては、上物古紙(印刷、製本業者から回収されたもの)を脱墨したパルプ80%、広葉樹晒クラフトパルプ20%の割合で混合し、白色度85%であるパルプを用いた。
表下層用パルプとしては、白色度70%の脱墨雑誌古紙を用いた。
中層用パルプとしては、白色度40%の雑誌古紙を用いた。
裏層用パルプとしては、新聞古紙50%、雑誌古紙40%、オフィス古紙のシュレッダー処理物由来のパルプ10%の割合で配合した白色度51%のパルプを用いた。
多層抄きで得られた基紙の裏層表面に、抄紙機のドライヤーパートにあるロッドメタリング方式のサイズプレスで裏面塗工液B−1を塗工量が1g/mになるように塗工した。なお、裏面塗工液B−1を塗工する際の裏層表面の紙面温度は約80℃であった。その後、アフタードライヤーパートで乾燥処理をし、マシンカレンダーによる処理を行った。
次いで、基紙の表層表面に、表面顔料塗工液A−1をロッドブレードコーターで塗工量が15g/mとなるように塗工し、ドライヤーで乾燥し、ソフトニップカレンダーによる処理を施して、実施例1の塗工板紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、裏面塗工液B−1を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例1の塗工板紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、マシンカレンダーでのカレンダー処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして比較例2の塗工板紙を得た。
[実施例2]
裏層用パルプとして、新聞古紙50%、雑誌古紙50%の割合で配合した白色度48%のパルプを用いる以外は、実施例1と同様にして実施例2の塗工板紙を得た。
[実施例3]
「基紙の作成」
多層抄き抄紙機で、表層用パルプを米坪35g/m、表下層用パルプを米坪40g/m、中層用パルプを米坪135g/m、裏層用パルプを米坪45g/mとなるように多層抄きを行った。
表層用パルプとしては、上物古紙(印刷、製本業者から回収されたもの)を脱墨したパルプ80%、広葉樹晒クラフトパルプ20%の割合で混合し、白色度85%であるパルプを用いた。
表下層用パルプとしては、白色度70%の脱墨雑誌古紙を用いた。
中層用パルプとしては、白色度40%の雑誌古紙を用いた。
裏層用パルプとしては、新聞古紙50%、雑誌古紙50%の割合で配合した白色度48%のパルプを用いた。
多層抄きの後、サイズプレスで塗工液を塗工せずに乾燥し、マシンカレンダー処理を施さないで基紙Aを得た。
「塗工板紙の作成」
抄紙機に付属しないロッドブレードコーターを用い、基紙Aの裏層表面に、裏面塗工液B−1を塗工量が1g/mになるように塗工した。このときの裏層表面の紙面温度は約40℃であった。
次いで金属ロールと金属ロールの組み合わせのカレンダーで処理を行った後、ロッドブレードコーターを用い、板紙Aの表層表面に表面顔料塗工液A−1をロッドブレードコーターで塗工量が15g/mとなるように塗工し、ドライヤーで乾燥し、ソフトニップカレンダーによる処理を施して、実施例3の塗工板紙を得た。
[実施例4]
基紙Aを加熱して裏層表面の紙面温度が60℃の状態で裏面塗工液B−1を塗工した以外は、実施例3と同様にして実施例4の塗工板紙を得た。
[比較例3]
基紙Aの表層表面に表面顔料塗工液A−1をロッドブレードコーターで塗工量が15g/mとなるように塗工し、ドライヤーで乾燥し、裏層表面に裏面塗工液B−1を塗工量が1/mになるように塗工し、ソフトニップカレンダーによる処理を施した以外は実施例3と同様にして、比較例3の塗工板紙を得た。なお、裏面塗工の際の裏層表面の紙面温度は約70℃であった。
[比較例4]
実施例3の基紙Aの作成において、マシンカレンダー処理を行った以外は、実施例3と同様にして比較例4の塗工板紙を得た。
[実施例5]
裏面塗工液として裏面塗工液B−2を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5の塗工板紙を得た。
[実施例6]
裏面塗工液として裏面塗工液B−3を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6の塗工板紙を得た。
[実施例7]
裏面塗工液として裏面塗工液B−4を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7の塗工板紙を得た。
[実施例8]
「塗工板紙の作成」
実施例3と同様にして基紙Aを得た。
抄紙機に付属しないロッドブレードコーターを用い、基紙Aを加熱した後、裏層表面に、裏面塗工液B−1を塗工量が1g/mになるように塗工した。このときの裏層表面の紙面温度は約60℃であった。
次いで金属ロールと金属ロールの組み合わせのカレンダーで処理を行った後、カーテンコーターを用い、基紙Aの表層表面に表面顔料塗工液A−2を塗工量が15g/mとなるように塗工し、ドライヤーで乾燥し、ソフトニップカレンダーによる処理を施して、実施例8の塗工板紙を得た。
[評価方法]
各実施例、比較例の塗工板紙について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
「耐白抜け性」
得られた塗工板紙をカッターで断裁し、平判サンプルを得た。枚葉オフセット印刷機を使用して、上記平判サンプル1050枚の表層側に連続して印刷し、1000枚目から1050枚目までの印刷サンプルのベタ印刷部における白抜け部分の発生量を以下の基準で評価した。
◎:白抜けがない。
○:僅かに白抜けが認められるが、実用上問題ない。
△:白抜けがあり、用途によっては問題が生じる。
×:白抜けが、非常に目立ち、実用上問題ある。
「紙面面質」
得られた塗工板紙の表面側と裏面側の紙面の面質を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
◎:平滑性が優れ、光沢感がある。
○:平滑性がやや劣るが、光沢感がある。
△:平滑性が乏しく、光沢感もなく、用途によっては問題が生じる。
×:表面が荒れており、実用上問題ある。
Figure 0006414355
表1に示すように、実施例の塗工板紙は、いずれも、白抜けが抑制されており、表面側も裏面側も平滑性に優れ、紙面面質が良好であった。
裏面塗工液を塗工しなかった比較例1では、白抜けが充分に抑制されなかった。裏面塗工液の塗工および乾燥の後にカレンダー処理を施していない比較例2では、表面側の平滑性が低く、紙面面質が劣っていた。表面顔料塗工液を塗工した後に裏面塗工液を塗工した比較例3では、表面側の平滑性が低く、紙面面質が劣っていた。カレンダー処理を施した後に裏面塗工液を塗工した比較例4では、白抜けが充分に抑制されなかった。

Claims (7)

  1. 少なくとも表層、中層、裏層を有する基紙を形成し、前記基紙の表層の表面に結着剤を含む塗工液を塗工することなく、カレンダー処理を施していない前記基紙の裏層の表面に、結着剤を含む裏面塗工液を塗工し、乾燥した後、カレンダー処理を行い、前記基紙の表層表面に顔料とバインダーを含む表面顔料塗工液の塗工および乾燥を行うことを特徴とする塗工板紙の製造方法。
  2. 前記基紙の裏層の表面の温度を60℃以上とした状態で前記裏面塗工液を塗工する、請求項1に記載の塗工板紙の製造方法。
  3. 前記裏面塗工液が顔料を含む、請求項1または2に記載の塗工板紙の製造方法。
  4. 前記結着剤が、水溶性高分子および水分散性高分子のいずれか一方または両方である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗工板紙の製造方法。
  5. 前記結着剤が、ポリビニルアルコール系樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗工板紙の製造方法。
  6. 前記結着剤が、平均重合度2500以下のポリビニルアルコール系樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗工板紙の製造方法。
  7. 前記裏面塗工液の塗工量が0.1〜7.5g/m である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗工板紙の製造方法。
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