(第1の実施形態)
第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る塗布装置1は、塗布対象物Wを支持するステージ2と、そのステージ2上の塗布対象物Wの表面に沿うX軸方向及びY軸方向(X軸方向に直交する方向)にステージ2を移動させるステージ搬送部3と、ステージ2上の塗布対象物Wの表面に塗布液を吐出する塗布ヘッド4と、その塗布ヘッド4に塗布液を供給する塗布液供給部5と、塗布ヘッド4から吐出された液を検出する検出部6と、塗布ヘッド4から吐出された液や垂れた液を受ける液受け部(液受け装置)7と、その液受け部7内を吸引する吸引部8と、各部を制御する制御部9とを備えている。
ステージ2は、ガラス基板や半導体ウエハなどの塗布対象物Wが載置される載置面を有しており、ステージ搬送部3上に設けられている。このステージ2には、塗布対象物Wが自重により載置されるが、これに限るものではなく、例えば、その塗布対象物Wを保持するため、静電チャックや吸着チャックなどの機構を設けても良く、また、ステージ2上の支持ピンにより塗布対象物Wを支持するようにしても良い。
ステージ搬送部3は、ステージ2をX軸方向及びY軸方向に案内して移動させる移動機構であり、架台などの上面に固定されて設けられている。このステージ搬送部3は制御部9に電気的に接続されており、その駆動が制御部9により制御される。ステージ搬送部3としては、例えば、サーボモータを駆動源とする送りねじ式の移動機構やリニアモータを駆動源とするリニアモータ式の移動機構などを用いることが可能である。
塗布ヘッド4は、塗布液を個別に吐出する複数のノズル4aを有するノズルプレート4bを下端に具備している。各ノズル4aは塗布ヘッド4の長手方向(図1中の手前から奥に向かう方向)に所定間隔で直線状に並ぶようにノズルプレート4bに形成されており、このノズルプレート4bの下面(外面)がノズル面4cとなる。この塗布ヘッド4は、例えば、その長手方向がX軸方向に沿うように位置付けられ、コラムなどの支持部材(図示せず)によりステージ2の上方に支持されており、塗布時にステージ2上の塗布対象物Wの表面に各ノズル4aから塗布液を液滴として吐出する。塗布ヘッド4は制御部9に電気的に接続されており、その駆動が制御部9により制御される。
このような塗布ヘッド4は、吐出対象のノズル4aにつながる液室の容積を変え、その液室内の塗布液をノズル4aから押し出して吐出する。このときの液室は塗布液によって満たされている。液室の容積を変える手段としては、例えば、各液室の容積を変化させる可撓板やその可撓板を変形させる圧電素子などを用いることが可能である。なお、塗布ヘッド4としては、インクジェット方式の塗布ヘッドを用いているが、これに限るものではなく、他の方式の塗布ヘッドを用いることも可能である。また、液体である塗布液としては、例えば、配向膜材料や顔料、接着剤など、塗布対象物Wの表面上に残留する溶質及びその溶質を溶解(分散)させる溶媒を含む溶液を用いることが可能である。
塗布液供給部5は、塗布ヘッド4に供給配管5aを介して接続されており、塗布ヘッド4に供給配管5aを介して塗布液を圧送する。例えば、塗布液供給部5は、塗布液を貯留する貯留タンクや押圧力を生じさせるポンプ、塗布液の供給量を調整する開閉弁などを有している。この塗布液供給部5は制御部9に電気的に接続されており、その駆動が制御部9により制御される。なお、貯留タンクの液面高さは、通常、塗布ヘッド4のノズル面4cの高さとの水頭差によって塗布液が各ノズル4aから漏れ出さないように設定されている。
検出部6は、光を照射する照明部6a及び撮像を行う撮像部6bなどを有している。この検出部6は、照明部6aにより塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間を明るくし、その空間を塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて撮像部6bにより連写することによって、塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴を連続して撮像する。なお、検出部6としては、例えばレーザ光などを用いる検出部を用いることも可能である。
照明部6aは、撮像部6bが塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された各液滴を撮像することができるように光を照射する。例えば、照明部6aは、撮像部6bにより撮像する画像にハレーションが発生しないよう、具体的には、液受け部7が塗布ヘッド4に対向する位置にある場合、照明部6aからの直接光が撮像部6bに入射しないように設けられている。この照明部6aは制御部9に電気的に接続されており、その駆動が制御部9により制御される。照明部6aとしては、例えば、LED(発光ダイオード)照明装置などを用いることが可能である。なお、照明部6aは、例えば、保持部材(図示せず)によって保持されており、その保持部材は塗布ヘッド4を支持するコラムなどに固定されている。
撮像部6bは、塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間を塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて連写し、塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴の画像を連続して取得する。この撮像部6bは制御部9に電気的に接続されており、その駆動が制御部9により制御される。さらに、撮像部6bは、撮像した画像を制御部9に送る。撮像部6bとしては、例えば、CCD(電荷結合素子)カメラなどを用いることが可能である。なお、撮像部6bは、照明部6aと同じように、例えば、保持部材(図示せず)によって保持されており、その保持部材は塗布ヘッド4を支持するコラムなどに固定されている。
液受け部7は、図1及び図2に示すように、塗布ヘッド4のノズル面4cの長手方向(図1中の手前から奥に向かう方向)の長さ以上の長さを有する概略直方体形状の筐体7aを備えている。この筐体7aは、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を受ける、筐体7aの上側の外面となる液受け面11と、その液受け面11に形成されて各ノズル4aから吐出された液(吐出液)が通過する貫通孔12と、筐体7a内の気体や液体を排出する排出口13とを有している。
詳述すると、筐体7aは、上部に開口部14aを有するカップ体14と、矩形状の液受け面11及びスリット状の貫通孔12を有する傾斜体15とを有している(図2参照)。この傾斜体15は、例えば、二枚の板材15a及び15bにより構成されている。これらの板材15a及び15bは、カップ体14の上部に位置付けられ、それらの隙間がスリット状の貫通孔12となり、さらに、その貫通孔12に向かって下り斜面となるように設けられている。
液受け面11は、二枚の板材15a及び15bの個々の上面であり、面上の液体が貫通孔12に向かって流れるように傾斜している。また、貫通孔12は、筐体7aの長手方向(図1中の手前から奥に向かう方向)に延びるスリット状に形成されている。排出口13は筐体7aの底面7bに形成されており、この底面7bはその面上の液が排出口13に向かって流れるように傾斜している。
ここで、少なくとも液受け面11には、液の回収を容易にするため、液をはじく撥液コーティング処理(例えば、フッ素樹脂(一例としてPTFE)コーティング)が施されており、さらに、光の反射による画像の乱れを抑えるため、光の反射を防止する反射防止処理(例えば、黒色塗装)が施されている。また、液受け面11には、液受け面11の傾斜方向に沿う溝(傾斜の上側から下側方向に延びる溝)を複数平行に設けることも可能である。その溝の断面形状は、V字形状や半円形状、四角形状など、いずれの形状でも良い。
なお、貫通孔12のスリット幅が狭すぎると、液の表面張力で貫通孔12に液膜が形成されて残ってしまうことがある。このような場合には、液膜の形成及び残留を防止するため、液種によっても異なるが、貫通孔12のスリット幅を少なくとも2mm以上とすることが望ましい。
この液受け部7は、ステージ2と共に移動するようにステージ2の側面、すなわちステージ2のY軸方向の一端面に設けられている。液受け部7は、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンス、また、ダミー吐出やテスト吐出(吐出確認)などを行う場合に、ステージ搬送部3によりステージ2と共に移動し、塗布ヘッド4に対向する位置、すなわち塗布ヘッド4の各ノズル4aから個別に吐出された複数の液滴あるいはノズル面4cから垂れた液を受け取る位置(図1の位置参照)まで移動する。
図1に戻り、吸引部8は、液受け部7に排出配管8aを介して接続されており、液受け部7内の気体を吸引して液受け部7内に存在する気体や液体を排出する排出部である。例えば、吸引部8は、吸引力を生じさせるポンプや吸引量を調整する開閉弁などを有している。この吸引部8は制御部9に電気的に接続されており、それらの駆動が制御部9により制御される。
制御部9は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータなどのコンピュータ、さらに、塗布パターンなどを含む各種情報及び各種プログラムを記憶する記憶部(いずれも図示せず)などを備えている。記憶部としては、メモリやハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などを用いることが可能である。
例えば、制御部9は、塗布対象物Wに塗布を行う場合、ステージ搬送部3及び塗布ヘッド4を用いて、ステージ2上の塗布対象物Wと塗布ヘッド4を主走査方向(Y軸方向)に相対移動させながら、塗布ヘッド4の各ノズル4aから塗布液を吐出させてステージ2上の塗布対象物Wの表面に塗布する制御を行う。その後、塗布ヘッド4とステージ2上の塗布対象物Wを副走査方向(X軸方向)に所定ピッチだけ相対移動させて再び前述の主走査方向の塗布を行い、これらを繰り返して塗布対象物Wの表面の塗布対象領域全体に塗布液を塗布する制御を行う。
さらに、制御部9は、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンス、また、ダミー吐出やテスト吐出などを行う場合、ステージ搬送部3を用いて、ステージ2の側面に固定された液受け部7と塗布ヘッド4とを対向させ、塗布液供給部5により塗布液を圧送する制御、また、塗布ヘッド4による連続吐出及び検出部6による吐出液を検出する制御を行う。
次に、前述の塗布装置1において、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンス、また、ダミー吐出やテスト吐出(吐出確認)などを行う場合の動作について説明する。
まず、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンス、また、ダミー吐出やテスト吐出などを行う場合には、前述のように、液受け部7は、ステージ搬送部3によりステージ2と共に移動し、塗布ヘッド4に対向する位置、すなわち塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液あるいはノズル4aから吐出された液を受け取る位置まで移動する。
塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンスを行う場合には、塗布液が塗布液供給部5によって各ノズル4aに圧送される。なお、このとき、吸引部8を停止させていても、駆動させていても良い。この圧送時、各ノズル4aから大量の塗布液が排出されるが、その塗布液の大部分は貫通孔12を通過して筐体7a内に収容される。ところが、ノズル面4cには大量の液付着が生じるため、これらの付着液の液溜まりが育つと、そこから液が垂れる。この液溜まりの形成は基本的には液の付着状態によって異なるため、ノズル面4cの不特定部位で起こる。このノズル面4cから垂れた塗布液は、液受け部7の液受け面11上に落ち、その液受け面11の傾斜に従って、液受け面11に形成された貫通孔12に向かって流れていき、貫通孔12から筐体7a内に流れ込む。したがって、ノズル面4cのどの位置から液が垂れたとしても、それらの液を液受け面11により受け、その面上の液を貫通孔12に向かって流して貫通孔12から筐体7a内に収容することが可能となる。これにより、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。
一方、塗布ヘッド4のダミー吐出やテスト吐出を行う場合には、吸引部8が駆動され、塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出される。各ノズル4aから吐出された吐出液は、液受け面11に形成された貫通孔12を次々に通過していく。このとき、ノズル4aから吐出された吐出液は、吸引部8による吸引力によって生じた気流に乗って貫通孔12から吸い込まれるように筐体7a内に回収される。塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップ(離間距離)は十分に小さく、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となる。これにより、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
なお、テスト吐出では、塗布ヘッド4のノズル面4cの下側の空間が照明部6aにより明るく照らされ、各ノズル4aから個別に吐出された飛翔中の各液滴は、塗布ヘッド4の吐出タイミングに合わせて、塗布ヘッド4と液受け面11との間の空間を通過する際に、撮像部6bにより連続して撮像される。その後、テスト吐出の判定のため、撮像部6bにより撮像された画像が処理され、画像中に直線状に連続する液体像の他に点状の液体像があるか否かが判断され、画像中に点状の液体像があると判断された場合、吐出量不足や不吐出あるいは飛行曲がりなどの吐出不良が発生していると判定される。このような吐出液の飛翔観察を、前述のように吐出液の飛翔の曲がりやミストの舞い上がりなどを抑えた良好な状態で行うことが可能となるので、吐出確認の誤検出や誤判断を抑止することができる。
ここで、例えば、塗布ヘッド4の吐出が安定しているときには、ノズル4aから吐出された液滴は一直線に下に向かって行くため、直線状の液体像のみが見えることになる。一方、塗布ヘッド4の吐出が不安定になっているときには、ノズル4aから吐出された液滴は飛散するため、小さい粒状(点状)の液体像が見えることになる。すなわち、吐出が不安定であれば、液滴の速度が低くなり、液滴は液受け部7に到達する前に舞い上がって飛散する。この舞い上がりの有無を確認することにより吐出が安定しているか否かを判定する。なお、撮像部6bのシャッター速度は、設定された吐出周波数でノズル4aから吐出される液滴が線状に見える状態で撮像されるように設定されている。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、液受け面11は、その面上の液が貫通孔12に向けて流れるように傾斜している。このため、塗布ヘッド4のノズル面4cから液受け面11上に垂れた液は液受け面11の傾斜に従って流れていき、貫通孔12から筐体7a内に流入するので、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。さらに、塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップも十分に小さいため、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となり、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
次に、第1の実施形態に係る変形例1乃至3について図3乃至図5を参照して説明する。液受け面11の傾斜の仕方は、その面上の液体が貫通孔12に向って流れるような傾斜に限られるものではなく、以下の変形例1乃至3のような傾斜の仕方でも良い。
(変形例1:外側に向かって傾斜)
図3に示すように、液受け面11は、二枚の板材15a及び15bの個々の上面であり、面上の液体が外側に向かって流れるように、図3の正面視で概略八の字形状(逆V字形状の頂に空間が存在する状態)となっている。二枚の板材15a及び15bの間に形成された空間が貫通孔12となり、板材15a及び15bと筐体7aの側壁との間には、隙間(貫通孔)12aが設けられている。板材15aの液受け面11に付着した液体は、左側の隙間12aに向かって流れ、左側の隙間12aを通って筐体7aの底面7bへと落ちる。板材15bの液受け面11に付着した液体は、右側の隙間12aに向かって流れ、右側の隙間12aを通って筐体7aの底面7bへと落ちる。なお、液受け面11は、二枚の板材15a及び15bに限らず、一枚の板材をへの字形状(逆V字形状の一方が短い形状)に折り曲げて形成されても良い。この場合には、折り曲げ部分に貫通孔12を形成する。
(変形例2:片側に傾斜の例)
図4に示すように、液受け面11は、筐体7aの左側の側壁から右側の側壁に向って下り傾斜した板材(傾斜体15)の上面である。貫通孔12よりも左側の液受け面11に付着した液体は、貫通孔12に向って流れ、貫通孔12を通って底面7bへと落ちる。貫通孔12よりも右側の液受け面11に付着した液体は、右側の側壁に向って流れ、右側の側壁との間の隙間(貫通孔)12aを通って底面7bへと落ちる。なお、液受け面11(板材)の傾斜方向に限定はなく、筐体7aの右側の側壁から左側の側壁に向って液受け面11(板材)を下り傾斜としても良く、筐体7aの長手方向に沿って下り傾斜としても良い。
(変形例3:左右に複数の傾斜板の例)
図5に示すように、筐体7aの中心が境にされ、複数の板材15a〜15fが左右に複数枚(図5では、三枚)ずつ配置され、一部が上下に隙間を開けた状態で重なるように平行に傾斜配置、いわゆる、ルーバー状に設けられている。図5では、左側の各板材15a〜15c及び右側の各板材15d〜15fは、左側及び右側ともに、外側に向かって下り傾斜している。六枚の板材15a〜15fの上面がそれぞれ液受け面11を構成する。液受け面11に付着した液体は、各板材15a〜15fの板材同士の隙間(貫通孔)12aや左端の板材15aと筐体7aの側壁との間の隙間(貫通孔)12a、右端の板材15fと筐体7aの側壁との間の隙間(貫通孔)12aを通って底面7bへと落ちる。
なお、液受け面11(板材)の傾斜方向に限定はなく、右側及び左側ともに貫通孔12に向って液受け面11(板材)を下り傾斜としても良いし、あるいは、右側及び左側ともに右から左への下り傾斜または上り傾斜としても良い。また、傾斜方向を交互に切り替えて、山と谷を繰り返す形状の液受け面11としても良い。この場合には、谷の部分に隙間12aを設けて、液受け面11に沿って流れた液体がその隙間12aを通って底面7bに落ちるようにする。
また、貫通孔12となる部分を挟んで左右両側に、板材を筐体7aの長手方向に沿って傾斜させてその長手方向に多数配置し、液受け面11(板材)をルーバー状の液受け面11としても良く、あるいは、山と谷を繰り返す形状の液受け面11としても良い。これらの場合には、右側に配置した板材群と左側に配置した板材群の間が貫通孔12となる。したがって、貫通孔12としては、前述の板材に空けた孔や二枚の板材の隙間によって設けられる貫通孔に限られるものではなく、複数の板材で囲まれた空間によって設けられる貫通孔も含まれる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との相違点(液受け部7)について説明し、その他の説明は省略する。
図6及び図7に示すように、第2の実施形態では、液受け面11は、受けた液体がスリット状の貫通孔12に向かって流れるように傾斜する傾斜状態(図6及び図7中の実線参照)と、その傾斜状態よりノズル面4cとの間の空間が狭くなる別状態(図6及び図7中の二点鎖線参照)に変化する。この別状態の一例としては、受けた液体が貫通孔12に向かって流れない水平状態がある。ただし、この水平状態とは、完全な水平状態に限るものではなく、略水平な状態であれば良い。
筐体7aは、上部に開口部21aを有するカップ体21と、矩形状の液受け面11及びスリット状の貫通孔12を有してカップ体21の開口部21aを塞ぐ蓋体22とにより構成されている。また、蓋体22を上方向に押し上げる押し上げ機構23と、蓋体22の水平状態の位置を決める複数の位置決め部材24と、筐体7aや押し上げ機構23などの各部を支持する台座25と、液受け面11に洗浄液を供給する複数の液供給部26が設けられている。
カップ体21は、塗布ヘッド4のノズル面4cの長手方向(図6中の手前から奥に向かう方向)の長さ以上の長さを有する概略直方体の、上面開口を有する箱形状に形成されており、その開口部21aの面積(開口面積)はノズル面4c以上になっている。このカップ体21は底面に排出口13を有している。
蓋体22は、液受け面11が傾斜状態と水平状態に変化することが可能になる構造に形成されている。例えば、蓋体22は、二枚の板材22a及び22bにより構成されている。これらの板材22a及び22bは、それらの隙間がスリット状の貫通孔12となるようにカップ体21の上部に配置され、その貫通孔12を間にしてV字形状(V字形状の底に貫通孔12が存在する状態)に変化するようにヒンジなどの複数の連結部材27によりカップ体21の上部に連結されている。
ここで、カップ体21及び蓋体22の間にヒンジなどの連結部材27によって隙間が生じる場合には、吸引部8(図6においては、図示省略)の駆動に応じてその隙間部分から吸気することになるため、スリット状の貫通孔12から吸気する力の低下や気流の乱れが生じてしまう。このため、少なくとも蓋体22が水平状態である場合にパッキンや迷路構造などにより前述の隙間からの気体の流入を遮断することが望ましい。
なお、蓋体22は、液受け面11が傾斜状態となる第1態様(図6及び図7中の実線参照)及び液受け面11が水平状態となる第2態様(図6及び図7中の二点鎖線参照)に変わるように形成されているが、液受け面11と塗布ヘッド4のノズル面4cとの間の空間は、ダミー吐出やテスト吐出を行う場合の気流安定のため、できるだけ狭くなっている。一方で、この空間は検出部6による吐出液検出を可能にする大きさを必要としている。このため、蓋体22が第2態様(水平態様)である場合には、検出部6による吐出液検出を可能にする空間が確保され、検出部6が吐出液を検出することは蓋体22によって妨げられないが、前述の空間はできるだけ狭くなっているため、蓋体22が第1態様(傾斜態様)となると、検出部6が吐出液を検出することは蓋体22によって妨げられる。したがって、蓋体22が第1態様である場合には、検出部6による吐出液検出は実行されない。
押し上げ機構23は、蓋体22(二枚の板材22a及び22b)に当たるアームなどの押し上げ部材23aと、その押し上げ部材23aを昇降させる昇降機構23bとを有している。押し上げ部材23aの蓋体22側の先端には弾性体23cが設けられており、その弾性体23cにより蓋体22との接触が緩和されている。昇降機構23bとしては、例えばシリンダなどを用いることが可能であり、弾性体23cとしては、例えばゴムなどを用いることが可能である。この押し上げ機構23は、第1態様又は第2態様に蓋体22(蓋体22の態様)を変える可変機構として機能する。
各位置決め部材24は、液受け面11が水平状態(蓋体22が第2態様)となった場合、蓋体22の外縁側の端部に当たって蓋体22(二枚の板材22a及び22b)を支持するように設けられている。例えば、各位置決め部材24は、押し上げ機構23を挟むように主走査方向(Y軸方向)に並べられ、台座25上に設けられている。これらの位置決め部材24は、液受け面11が水平状態から前述の傾斜状態となる方向と逆方向に傾斜することを防止し、蓋体22のスリットエッジ(二枚の板材22a及び22bの両方の内側の端部)が塗布ヘッド4のノズル面4cに衝突することを抑止するメカストッパとして機能する。これにより、塗布ヘッド4のノズル面4cの破損を防止することが可能となる。
台座25は、ステージ2の側面、すなわちステージ2のY軸方向の一端面に固定されており、筐体7aや押し上げ機構23、各位置決め部材24などを支持している。これにより、液受け部7はステージ2と共に移動することが可能となり、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンス、また、ダミー吐出やテスト吐出などを行う場合に、ステージ2と共に移動し、塗布ヘッド4に対向して液を受け取る位置まで移動することができる。
各液供給部26は、液体が溶液である場合、その溶液に含まれる溶媒と同じ種類の溶媒を洗浄液として液受け面11に個別に供給する。例えば、液供給部26は、液受け面11の長手方向(図6中の手前から奥に向かう方向)に沿って延びるスリット状の供給口26aを有しており、その供給口26aから洗浄液を出して液受け面11上に供給する。このときの液供給位置は、例えば、液体が傾斜状態の液受け面11全体に行き渡るように液受け面11の両端部(二枚の板材22a及び22bの両方の外側の端部)、すなわち傾斜状態の液受け面11において他の位置に比べできるだけ高い位置である。なお、各液供給部26は、例えば、塗布ヘッド4を支持するコラムなどに固定されて設けられている。
これらの液供給部26は、液受け面11が傾斜状態である場合に洗浄液を供給して液受け面11を濡らすが、これに限るものではなく、例えば、液受け面11が傾斜する前に洗浄液を供給し、事前に液受け面11を濡らしておいていも良い(プリウエット)。このように洗浄液の供給、すなわちクリーニング機能の追加により液受け面11が洗浄されるため、液受け面11を清潔な状態に維持することができる。
このような構成において、塗布ヘッド4のノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンスを行う場合、すなわち塗布液が塗布液供給部5によって各ノズル4aに圧送される場合には、押し上げ部材23aが昇降機構23bにより上昇し、蓋体22の両端部を押し上げ、蓋体22が平板形状からV字形状の態様(第2態様から第1態様)に変化し、液受け面11が傾斜状態となる(図6及び図7中の実線参照)。この状態で、第1の実施形態と同様、ノズル面4cから垂れた塗布液は、液受け部7の液受け面11上に落ち、その液受け面11の傾斜に従って、液受け面11に形成された貫通孔12に向かって流れていき、貫通孔12からカップ体21内に流れ込む。したがって、ノズル面4cのどの位置から液が垂れたとしても、それらの液を液受け面11により受け、その面上の液を貫通孔12に向かって流して貫通孔12から筐体7a内に収容することが可能となる。これにより、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。
一方、塗布ヘッド4のダミー吐出やテスト吐出を行う場合、すなわち塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出される場合には、押し上げ部材23aが昇降機構23bにより下降し、蓋体22の両端部が下がって各位置決め部材24に当たり、蓋体22が元の平板形状の態様(第1態様から第2態様)に戻り、液受け面11が水平状態となる(図6及び図7中の二点鎖線参照)。この状態で、第1の実施形態と同様、吸引部8が駆動され、塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出されると、次々に蓋体22の貫通孔12を通過していく。このとき、ノズル4aから吐出された吐出液は、吸引部8による吸引力によって生じた気流に乗って貫通孔12から吸い込まれるようにカップ体21内に収容される。塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップ(離間距離)は十分に小さく、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となる。これにより、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、液受け面11が傾斜状態である場合には、塗布ヘッド4のノズル面4cから液受け面11上に垂れた液は液受け面11の傾斜に従って流れていき、貫通孔12から筐体7a内に流入するので、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。さらに、液受け面11が水平状態である場合には、塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップが十分に小さくなるため、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となり、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
なお、前述の第2の実施形態においては、蓋体22の態様を変える可変機構として押し上げ機構23を用いているが、これに限るものではなく、例えば、モータを用いて任意の角度に蓋体22を変更する機構やカムを用いる機構、ストッパを用いる機構など、各種の機構を用いることが可能である。
また、前述の第2の実施形態においては、液供給部26を固定しているが、これに限るものではなく、例えば、液受け面11での液跳ねを抑えるため、液供給部26と液受け面11との離間距離を小さくするように液供給部26を昇降機構により昇降させるようにしても良い。一例として、液供給部26により液受け面11上に液を供給する場合には、液供給部26を下降させて液受け面11に近づけ、撮像部6bによる撮像を行う場合には、その撮像部6bによる撮像を邪魔しない位置まで上昇させる。なお、このような液供給部26を第1の実施形態に係る液受け面11に対しても適用することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について図8及び図9を参照して説明する。なお、第3の実施形態では、第1の実施形態との相違点(液受け部7)について説明し、その他の説明は省略する。
図8及び図9に示すように、第3の実施形態に係る液受け部7の筐体7aは、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた塗布液が通過する開口部31aを上部に有するカップ体31と、ノズル4aから吐出された液が通過するスリット状の貫通孔12を有する蓋体32とにより構成されている。さらに、蓋体32をカップ体31の開口部31aを塞ぐ閉塞位置(図8及び図9中の実線参照)及び開口部31aを塞がない未閉塞位置(図8及び図9中の二点鎖線参照)に移動させる移動機構33が設けられている。なお、蓋体32が閉塞位置及び未閉塞位置のどちらにあっても、検出部6が吐出液を検出することを妨げることはない。
カップ体31は、塗布ヘッド4のノズル面4cの長手方向(図8中の手前から奥に向かう方向)の長さ以上の長さを有する概略直方体の、上面開口を有する箱形状に形成されており、その開口部31aの面積(開口面積)はノズル面4c以上になっている。このカップ体31は、蓋体32が未閉塞位置にある場合、塗布ヘッド4の各ノズル4aから流れ出て、あるいは、ノズル面4cから垂れて開口部31aを通過した液体を受ける内面である液受け面31bを有している。この液受け面31bは、排出口13を有する底面であり、受けた液体が排出口13に向かって流れるように傾斜している。
蓋体32は、カップ体31の開口部31aを塞ぐ閉塞位置及び開口部31aを塞がない未閉塞位置に移動機構33により移動することが可能となる構造に形成されている。例えば、蓋体32は、一枚の板材により構成されており、その一枚の板材にスリット状の貫通孔12が形成されている。
移動機構33は、回転軸33a及び回転モータ33bにより構成されており、回転軸33aの上端には蓋体32の角部が連結されている。回転軸33aが回転モータ33bによる回転力によって回転すると、蓋体32も回転して未閉塞位置から閉塞位置に移動し、逆方向に回転すると、閉塞位置から未閉塞位置まで移動する。
このような構成において、ノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンスを行う場合、すなわち塗布液が塗布液供給部5によって各ノズル4aに圧送される場合には、蓋体32が移動機構33により未閉塞位置に移動し、カップ体31の開口部31aが解放される(図8及び図9中の二点鎖線参照)。この状態で、各ノズル4aから大量の塗布液が排出されるが、その塗布液の大部分は開口部31aを通過してカップ体31内に収容される。また、ノズル面4cから垂れた塗布液は、開口部31aを通過してカップ体31内の液受け面31b上に落ち、その液受け面31bの傾斜に従って、液受け面31bに形成された排出口13に向かって流れていき、排出口13に流れ込む。したがって、ノズル面4cのどの位置から液が垂れたとしても、それらの液をカップ体31内の液受け面31bにより受け、カップ体31内に収容することが可能となる。これにより、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。
一方、塗布ヘッド4のダミー吐出やテスト吐出を行う場合、すなわち塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出される場合には、蓋体32が移動機構33により閉塞位置に移動し、カップ体31の開口部31aが蓋体32により塞がれる(図8及び図9中の実線参照)。この状態で、第1の実施形態と同様、吸引部8(図8においては、図示省略)が駆動され、塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出されると、次々に蓋体32の貫通孔12を通過していく。このとき、ノズル4aから吐出された吐出液は、吸引部8による吸引力によって生じた気流に乗って貫通孔12から吸い込まれるようにカップ体31内に収容される。塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップ(離間距離)は十分に小さく、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となる。これにより、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、蓋体32が未閉塞位置にある場合には、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液はカップ体31内の液受け面31b上に着弾し、カップ体31内に収容されるので、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。さらに、蓋体32が閉塞位置にある場合には、塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップが十分に小さくなるため、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となり、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について図10及び図11を参照して説明する。なお、第4の実施形態では、第3の実施形態との相違点(蓋体32及び移動機構33)について説明し、その他の説明は省略する。
図10及び図11に示すように、第4の実施形態に係る蓋体32は、二枚の板材32a及び32bにより構成されている。これらの板材32a及び32bは、それらの隙間をスリット状の貫通孔12としてカップ体31の開口部31aを塞ぐ閉塞位置(図10及び図11中の実線参照)及び開口部31aを塞がない未閉塞位置(図10及び図11中の二点鎖線参照)に移動機構33により移動する。なお、蓋体32(二枚の板材32a及び32b)が閉塞位置及び未閉塞位置のどちらにあっても、検出部6が吐出液を検出することを妨げることはない。
移動機構33は各板材32a及び32bを個別に主走査方向(Y軸方向)に移動させる機構であり、例えば、各板材32a及び32bを互いに反対方向に移動させることで、各板材32a及び32bを未閉塞位置から閉塞位置に移動させ、また、閉塞位置から未閉塞位置まで移動させる。
なお、移動機構33は各板材32a及び32bを個別に反対方向に移動させているが、これに限るものではなく、例えば、図12及び図13に示すように(第4の実施形態に係る変形例)、移動機構33により各板材32a及び32bをそれぞれ同一方向に移動させることで、各板材32a及び32bを未閉塞位置から閉塞位置に移動させ、また、閉塞位置から未閉塞位置まで移動させるようにしても良い。
このような構成において、ノズル4aへの塗布液の充填やノズル4aのコンディションメンテナンスを行う場合、すなわち塗布液が塗布液供給部5によって各ノズル4aに圧送される場合には、各板材32a及び32bが移動機構33により未閉塞位置に移動し、カップ体31の開口部31aが解放される(図10乃至図13中の二点鎖線参照)。この状態で、第3の実施形態と同様、各ノズル4aから大量の塗布液が排出されるが、その塗布液の大部分は開口部31aを通過してカップ体31内に収容される。また、ノズル面4cから垂れた塗布液は、カップ体31の液受け面31b上に落ち、その液受け面31bの傾斜に従って、液受け面31bに形成された排出口13に向かって流れていき、排出口13に流れ込む。したがって、ノズル面4cのどの位置から液が垂れたとしても、それらの液をカップ体31内の液受け面31bにより受け、カップ体31内に収容することが可能となる。これにより、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができる。
一方、塗布ヘッド4のダミー吐出やテスト吐出を行う場合、すなわち塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出される場合には、蓋体32が移動機構33により閉塞位置に移動し、カップ体31の開口部31aが蓋体32により塞がれる(図10乃至図13中の実線参照)。この状態で、第3の実施形態と同様、吸引部8(図10や図12においては、図示省略)が駆動され、塗布液が各ノズル4aから液滴として連続して吐出されると、次々に蓋体32の貫通孔12を通過していく。このとき、ノズル4aから吐出された吐出液は、吸引部8による吸引力によって生じた気流に乗って貫通孔12から吸い込まれるようにカップ体31内に収容される。塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップ(離間距離)は十分に小さく、その間で気流を整流して安定させ、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となる。これにより、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
以上説明したように、第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、塗布ヘッド4のノズル面4cから垂れた液を良好に回収することができ、さらに、吐出液の飛翔の乱れを抑えることが可能となり、吐出液の飛翔曲がりやミストの発生を抑止することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、液受け面11の外形形状を矩形形状した例で説明したが、これに限るものではなく、円形形状や楕円形状、矩形以外の多角形形状など、他の形状としても良い。また、液受け面11をスリット状の貫通孔12の両側に同じ傾斜角度で設けた例で説明したが、これに限るものではなく、貫通孔12の両側で角度を変えて設けるようにしても良い。
また、液受け面11の傾斜角度は、吐出液の粘度と吐出液と液受け面11との接触角に応じて決定すれば良いが、2度以上の傾斜があれば液受け面11の面上の液体が貫通孔12に向かって流れることが確認できているので、2度以上であることが好ましい。また、第1の実施形態のように、液受け面11を固定的に配置する場合には、塗布ヘッド4のノズル面4cと液受け面11とのギャップが広がることを防止する観点から、傾斜角度は、2度以上で30度以下とすることが好ましい。また、第2の実施形態のように、液受け面11が傾斜状態と水平状態とに変化する場合には、2度以上で90度以下の範囲であれば良い。