JP6410302B2 - 自然換気システム - Google Patents
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Description
また、請求項2に記載の自然換気システムは、請求項1に記載の自然換気システムにおいて、前記ボイド連通口を、前記連通空間の天井パネルの近傍の位置に形成した。
また、請求項3に記載の自然換気システムは、請求項1又は2に記載の自然換気システムにおいて、前記屋外ボイドには、開口として、前記ボイド連通口と前記排気口のみを設けた。
請求項2に記載の自然換気システムによれば、換気対象空間全体に外部空間からの空気を行き渡らせることが可能になる。
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムである。ここで、「自然換気」とは、換気ファン等の送風機器を使用せず、風力や温度差等の自然現象により換気を行う方法である。また、「換気対象空間」とは、自然換気の対象となる空間であり、その用途は任意であるが、実施の形態においては、複数の部屋を備える建物の一室であって例えばオフィスとして利用されるものとして説明する。なお、この換気対象空間の具体的な構造については、特記する場合を除いて公知であり、その詳細な説明を省略する。また、換気対象空間の形状や広さ等は任意に定めることができる。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まずは、実施の形態1について説明する。
初めに、本実施の形態1に係る自然換気システム10に関する構成を説明する。図1は、本実施の形態1に係る自然換気システム10を概略的に示す断面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。ただし、図2は空気の流れを図示することを目的とする簡略化した断面図であり、当該目的を果たす上で図示する必要の無い構成については適宜省略している。なお、以下の説明では、各図のX−X´方向を幅方向(X方向を右方、X´方向を左方)、Y−Y´方向を前後方向(Y方向を前方、Y´方向を後方)、Z−Z´方向を高さ方向(Z方向を上方、Z´方向を下方)、と称する。また、以下の各図においては空気の流れを矢印にて図示している。
まずは、自然換気システム10が適用される建物1の基本構造について説明する。この建物1は、公知の方法で施工された、複数の階を備える建物である。ただし、本実施の形態1においては、単一の階(以下、対象階)にのみ着目して図示及び説明を行うものとし、他の階(例えば対象階の上下の階)については、同様の自然換気システム10を適用する事が出来るものとして図示及び説明を省略する。ただし、図1においては、屋上階のスラブの一部のみを切り欠いて図示している。
次に、本実施の形態1に係る自然換気システム10の構成を説明する。上述した図1及び図2に示すように、自然換気システム10は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、及び排気口90を備えている。
屋外ボイド20は、少なくとも換気対象空間2と外部空間100とを相互に連通するボイドである。この屋外ボイド20は、建物1の全高に渡って上下方向に沿って配置されており、上端部は建物1の屋上階のスラブ付近に位置して開口端(排気口90。詳細については後述する)となっており、下端部は建物1の基礎付近に位置して閉鎖端となっている。そして、平面視においては、図1や図2に示すように中央右寄りの位置に配置され、当該屋外ボイド20よりも左方に位置する換気対象空間2を広く確保できるように形成されている。
床内給気口30は、外部空間100の空気を床下空間3に取り入れるための床内給気手段であって、かつ、床下空間3に取り入れられた空気を外部空間100に排気するための床内排気手段である。この床内給気口30は、建物1の外壁9における床下空間3を囲繞する外壁9(すなわち、床下空間3の前後左右に位置する外壁9)の全面に、所定間隔で複数配置されており、各床内給気口30は外壁9を貫通するように形成されている。そして、風が吹いた場合には、風上に位置する床内給気口30から床下空間3に空気が取り入れられて、床下空間3の内部を通過し、風下に位置する床内給気口30から外部空間100に排気される。このように床内給気口30を、床下空間3を囲繞する外壁9の全面に形成することで、床下空間3を囲繞する外壁9の一部にのみ形成した場合とは異なり、水平面上のいずれの方位からも外部空間100の空気を取り入れることが可能となる。例えば、図2における床下空間3の前後に位置する外壁9にのみ床内給気口30を形成した場合、外部空間100で前後方向に沿う風が吹いた際には床内給気口30を介して床下空間3に空気が流動するが、外部空間100で左右方向に沿う風が吹いた際には床下空間3に空気が殆ど流動しない。一方床下空間3の前後左右に位置する外壁9に床内給気口30を設けた場合には、外部空間100でいずれの方位から風が吹いた際でも床下空間3に空気を流動させることができる。例えば図2に示すように北西の風が吹いた場合でも、屋外ボイド20の風下となってしまう部分は生じるものの、床下空間3の少なくとも一部に空気が流動する。
図1に戻り、床連通口40は、床下空間3と換気対象空間2とを相互に連通するための床連通手段である。この床連通口40は、床パネル6の全面に、床パネル6を上下に貫通するように形成された孔である。
図1に戻り、ボイド連通口50は、換気対象空間2と屋外ボイド20とを相互に連通させるための連通手段である。このボイド連通口50は、屋外ボイド20の側面における換気対象空間2に面するいずれかの位置に形成されるが、換気対象空間2全体に外部空間100からの空気が行き渡るためには床連通口40から遠い位置に形成することが望ましく、例えば、図示のように天井パネル8近傍の位置に形成することが望ましい。なお、ボイド連通口50は一つの換気対象空間2に複数設けても当然構わず、例えば屋外ボイド20の天井パネル8近傍の位置と床パネル6近傍の位置の2か所に設けても構わない。
空調機60は、換気対象空間2の空調を行う空調手段である。この空調機60は、天井裏空間4に配置された空冷式や水冷式の公知の空調機であって、天井裏空間4にて取り入れた空気を加熱又は冷却して、天井給気口70から換気対象空間2へと送風することにより、換気対象空間2の空調を行う。なお、この空調機60の設置場所は任意であり、本実施の形態1においては、図示のように天井裏空間4に配置するものとして説明するが、例えば空調機60を床下空間3に配置し、天井給気口70の代わりに床下給気口(図示省略)を床パネル6に配置して、床下から空調空気の送風を行う構成としても構わない。
天井給気口70は、空調機60にて空調された空気の吹出口であって、天井パネル8の複数箇所に設けられている。
天井連通口80は、天井裏空間4と換気対象空間2とを相互に連通させるための連通手段である。この天井連通口80は、天井パネル8における任意の位置に設けられた公知の通気孔であって、空調機60の吸込みにより天井裏空間4が負圧となることにより、換気対象空間2から当該天井連通口80を介して天井裏空間4に空気が取り入れられる。
排気口90は、屋外ボイド20の空気を外部空間100に排気するための排気手段である。この排気口90は、屋外ボイド20の上端部付近(すなわち、建物1の屋上階のスラブ付近)に設けられた開口である。この排気口90のより具体的な位置は任意であるが、いずれの風向から風が吹いた場合でも負圧になるような位置に設置することで風力換気を可能とすることが好ましく、例えば本実施の形態においては、建物1の屋上と同一水平面上の位置に設置されている。
次に、上記に示す自然換気システム10の作用について、図1を参照して説明する。まず、外部空間100の空気は、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられる。そして、床下空間3に取り入れられた空気の一部は、床下空間3の内部を流動して、入った床内給気口30と床下空間3を介して対向する位置に設けられた他の床内給気口30を介して外部空間100へと排出され、残りの空気は、床連通口40を介して換気対象空間2に取り入れられる。ここで、空気は床連通口40を通過することができるが、汚染物質は上述した被覆材41の機能により床連通口40を通過することができないので、換気対象空間2には汚染物質が除去された清浄な空気のみが供給される。なお、被覆材41に弾かれた汚染物質が床下空間3に蓄積する事になるが、所定量の汚染物質は床下空間3を流動する空気に運ばれて床内給気口30から外部空間100に排出されるので、床下空間3の清掃の手間を削減する事が可能である。
次に、上記に示す自然換気システム10の性能を評価する解析の結果について、屋外ボイド20を利用しない換気システムの解析の結果と比較しつつ説明する。
また、解析モデル(b)は、本実施の形態1と同様に床下空間3を囲繞する外壁9に床内給気口30(100cm2/m2)を設け、本実施の形態1と同様に床パネル6に床連通口40を設けることで、外部空間100の空気が、床内給気口30、床下空間3、床連通口40、換気対象空間2、床連通口40、床下空間3、他の床内給気口30と順次介して外部空間100に流動する構成としたモデルである。
また、解析モデル(c)は、解析モデル(b)の構成に、床下間仕切を追加した構成である。床下間仕切とは、床下空間3を複数の空間に区分する仕切り材であり、床スラブ5上面から床パネル6の下面にわたって鉛直に形成された仕切り材である。この床下間仕切を形成することにより、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられた空気がそのまま他の床内給気口30を介して外部空間100に直接出て行かずに、床連通口40を介して一旦換気対象空間2を経由してから再び床下空間3に戻って他の床内給気口30を介して外部空間100に出て行くことが考えられ、換気対象空間2の換気回数の向上を図ることができる。
なお、いずれの解析モデルも屋外ボイド20を備えているが、これらの屋外ボイド20にはボイド連通口50は設けられておらず、換気対象空間2から屋外ボイド20の内部に空気が流動することはない。
また、解析モデル(b)では、換気回数は0.9回/hであり低く、床下空間3のみで換気が行われてしまっており、換気対象空間2では充分な換気が行われていないことが分かる。
また、解析モデル(c)では、換気回数は1.5回/hであり、床下間仕切を設けたことにより換気回数を解析モデル(b)よりも向上できてはいるものの充分な値ではなく、換気対象空間2で充分な換気が行われていないことが認識できる。
なお、解析モデル(b)及び解析モデル(c)に関しては、換気回数が少なくドラフト発生の有無を確認するまでもないと判断し、温度分布及び風速分布を求めていないため、これらの項目の記載を省略している。
また、解析モデル(e)は、解析モデル(d)の構成に、上述した床下間仕切を追加した構成である。
また、解析モデル(f)は、解析モデル(d)と同一の構成である。
また、解析モデル(e)では、換気回数は4.5回/hであり充分に確保できている。ただし、この換気回数は、解析モデル(d)の換気回数(4.6回/h)よりも低く、床下間仕切を追加することによる換気回数の向上は確認できなかった。ただし、解析モデル(d)と同様に、温度分布を均一に確保できており、また、風速分布も低く均一に確保できており、換気対象空間2のドラフト発生を防止できていることが認識できる。
また、解析モデル(f)では、換気回数は10.5回/hであり充分に確保できている。さらに、温度分布を均一に確保できており、また、風速分布も低く均一に確保できており、本実施の形態1に係る自然換気システム10により強風時でもドラフト発生の防止を達成できていることが認識できる。
続いて、上記に示す自然換気システム10を適用した建物1を再現した実物大模型を用いて、実物大模型の換気対象空間2にマネキンを配置し、自然換気システム10の換気の性能を評価する実験を行った。図7は、実験の結果を示す図である。この図7に示すように、本実施の形態1に係る自然換気システム10に関して、換気回数を3回/h、6回/h、10回/hと変更して、換気対象空間2の温度分布の測定、PMV(Predicted Mean Vote)とPPD(Predicted Percentage Dissatisfied)の算出、マネキン等価温度の測定、上下温度差による不満足者率の算出、ドラフトによる不満足者率の算出をそれぞれ公知の方法により行い、当該実験の結果を図7の各項目に対応する欄に記載した。なお、いずれのケースでも、外気の温度を19℃に設定して実験を行った。
このように、本実施の形態1の自然換気システム10によれば、換気対象空間2の床の全面に形成した床連通口40を介して外気を取り入れて自然換気を行うので、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能となると共に、換気対象空間2内の換気環境を均一化することが可能となる。
続いて、本実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
以下では、本実施の形態2に係る自然換気システム200に関する構成について説明する。図8は、本実施の形態2に係る自然換気システム200を概略的に示す断面図である。
まずは、自然換気システム200が適用される建物210の基本構造について説明する。実施の形態2に係る建物210は、実施の形態1の建物1と同様の換気対象空間2、床下空間3、天井裏空間4に加えて、機械室220を備えて構成されている。ここで、機械室220は、建物210の照明等に電源を供給するための機器等を配置した公知の機械設備室であり、本実施の形態においては、床スラブ5から天井スラブ7にわたる空間であり、この機械室220には二重床構造及び二重天井構造は適用されていない。
次に、本実施の形態2に係る自然換気システム200の構成を説明する。図8に示すように、本実施の形態2に係る自然換気システム200は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、排気口90、外調機230、及び排気ファン240を備えて構成されている。
外調機230は、外部空間100の空気を取り入れて空調を行い、空調された空気を、床下空間3を介して換気対象空間2に送風することにより、換気対象空間2の空調を行うための公知の空調手段であって、機械室220の内部に配置される。この外調機230を設けることにより、自然換気では換気対象空間2の温熱環境を快適に維持できない時期(例えば冬季等の外気温が低すぎる時期等)にも対応することが可能となる。なお、この外調機230の具体的な構造は公知であるため、詳細な説明を省略する。
排気ファン240は、換気対象空間2の排気を行う公知のファンの如き排気手段であって、機械室220の内部に配置されており、天井裏空間4から空気を吸い込んで外部空間100に排気するように構成されている。なお、この排気ファン240の具体的な構造は公知であるため、詳細な説明を省略する。
次に、上記に示す自然換気システム200の作用について説明する。まず、外気温が自然換気可能な温度である時期においては、上述した実施の形態1と同様に自然換気を行うことが可能である。すなわち、外部空間100の空気が、床内給気口30、床下空間3、床連通口40、換気対象空間2、ボイド連通口50、屋外ボイド20、及び排気口90を順次介して外部空間100に流動する。一方、外気温が自然換気可能な温度である時期においては、床内給気口30又は屋外ボイド20を閉鎖して上記の空気の流動を遮断する。この遮断の具体的な方法は任意であるが、例えば床内給気口30や屋外ボイド20に取り付けた電動操作可能なシャッターを操作することで遮断することが可能である。そして、代わりに外調機230及び排気ファン240を稼働させる。このことによって、外部空間100の空気が外調機230に取り入れられて空調され、床下空間3に供給される。そして、床下空間3に供給された空気は、床連通口40、換気対象空間2、天井連通口80、天井裏空間4、及び排気ファン240を介して、外部空間100へと流動する。このように、本実施の形態2に示す自然換気システム200では、外気温が自然換気に適さない時期においては外調機230及び排気ファン240を用いた換気を行うことが可能である。
このように、本実施の形態2の自然換気システム200によれば、外調機230及び排気ファン240を備えるので、外気温が自然換気に適さない温度である場合には外調機230及び排気ファン240を稼働して従来の構成によりアンダーフロア空調を行うことが可能となる。
続いて、本実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
以下では、本実施の形態3に係る自然換気システム300に関する構成について説明する。図9は、本実施の形態3に係る自然換気システム300を概略的に示す断面図である。
まずは、自然換気システム300が適用される建物310の基本構造について説明する。この建物310は、実施の形態2と同様の換気対象空間2、床下空間3、天井裏空間4、及び機械室220に加えて廊下320を備えている。ここで、本実施の形態3においては、換気対象空間2はそれぞれが廊下320に連通するように同一フロアに複数配置されており、各換気対象空間2は相互に同様に構成されている。また、廊下320は、これら同一のフロアに設けられた複数の換気対象空間2を相互に空間的に連通させるための空間であって、換気対象空間2と屋外ボイド20との相互間の位置に水平方向に沿って形成されている。
次に、本実施の形態3に係る自然換気システム300の構成を説明する。図9に示すように、本実施の形態3に係る自然換気システム300は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、排気口90、外調機230、及び排気ファン240を備えて構成されている。これらの各構成要素は、いずれも実施の形態2と同様に構成されている。ただし、床連通口40は、床下空間3と換気対象空間2との間に位置する床にのみ形成されており、床下空間3と廊下320との間に位置する床には形成されていない。
次に、上記に示す自然換気システム300の作用について説明する。まず、外部空間100の空気は、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられる。床下空間3に取り入れられた空気の一部は、床下空間3の内部を流動して、入った床内給気口30と床下空間3を介して対向する位置に設けられた他の床内給気口30を介して外部空間100へと排出され、残りの空気は、床連通口40を介して換気対象空間2に取り入れられる。
このように、本実施の形態3の自然換気システム300によれば、廊下320を空気の通り道として利用することで、単一の屋外ボイド20を複数の換気対象空間2に共用することができ、換気対象空間2毎に固有の屋外ボイド20を設けたり、複数の換気対象空間2に接する巨大なボイドを設けたりせずに自然換気ができ、施工コストを低減することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、各実施の形態に係る自然換気システム10、200、300の作用によってドラフトの発生を完全に防止出来ない場合であっても、従来と異なる技術によりドラフトの発生を防止できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
各実施の形態では、建物1、210、310内に屋外ボイド20を一つのみ設置するものとして説明したが、これに限らず、複数の屋外ボイド20を設置しても構わない。
各実施の形態においては、外調機230や空調機60に設けられたファンや、排気ファン240を除いてファンは設けられておらず、外部空間100の風や屋外ボイド20内部の負圧により自然に空気が流れるものとして説明したが、必要に応じて各所に補助的にファンを設けても構わない。例えば、床内給気口30やボイド連通口50や排気口90にファンを設けて空気の流動を促進しても構わない。
実施の形態2や実施の形態3においては、外調機230を機械室220に設置するものとしたが、例えば換気対象空間2や天井裏空間4等といった他の場所に配置しても構わない。
付記1の自然換気システムは、換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムであって、前記換気対象空間の床下に位置する床下空間と、外部空間に連通された屋外ボイドと、前記外部空間と前記床下空間とを相互に連通する床内給気口と、前記換気対象空間の床の全面に形成されて、前記床下空間と前記換気対象空間とを相互に連通する床連通口と、前記換気対象空間と前記屋外ボイドとを相互に連通するボイド連通口と、前記屋外ボイドと前記外部空間とを相互に連通する排気口とを備え、前記外部空間から、前記床内給気口、前記床下空間、前記床連通口、前記換気対象空間、前記ボイド連通口、前記屋外ボイド、及び前記排気口を順次介して前記外部空間へと空気を流動可能とすることにより前記換気対象空間の自然換気を行う。
付記1に記載の自然換気システムによれば、換気対象空間の床の全面に形成した床連通口を介して外気を取り入れて自然換気を行うので、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能となると共に、換気対象空間内の換気環境を均一化することが可能となる。
2 換気対象空間
3 床下空間
4 天井裏空間
5 床スラブ
6 床パネル
6a 板状部
6b 支柱
7 天井スラブ
8 天井パネル
9 外壁
10 自然換気システム
20 屋外ボイド
30 床内給気口
40 床連通口
41 被覆材
42 下層部
42a 孔
43 中層部
43a 孔
44 上層部
50 ボイド連通口
60 空調機
70 天井給気口
80 天井連通口
90 排気口
100 外部空間
200 自然換気システム
210 建物
220 機械室
230 外調機
240 排気ファン
300 自然換気システム
310 建物
320 廊下
Claims (5)
- 同一フロアの複数の換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムであって、
前記複数の換気対象空間の床下に位置する床下空間と、
外部空間に連通された屋外ボイドと、
前記外部空間と前記床下空間とを相互に連通する床内給気口と、
前記換気対象空間の床の全面に形成されて、前記床下空間と前記複数の換気対象空間とを相互に連通する床連通口と、
前記複数の換気対象空間を相互に空間的に連通させるための空間であって、前記複数の換気対象空間と前記屋外ボイドとの相互間の位置に形成された連通空間と、
前記連通空間と前記屋外ボイドとを相互に連通するボイド連通口と、
前記屋外ボイドと前記外部空間とを相互に連通する排気口とを備え、
前記外部空間から、前記床内給気口、前記床下空間、前記床連通口、前記換気対象空間、前記連通空間、前記ボイド連通口、前記屋外ボイド、及び前記排気口を順次介して前記外部空間へと空気を流動可能とすることにより前記換気対象空間の自然換気を行う、
自然換気システム。 - 前記ボイド連通口を、前記連通空間の天井パネルの近傍の位置に形成した、
請求項1に記載の自然換気システム。 - 前記屋外ボイドには、開口として、前記ボイド連通口と前記排気口のみを設けた、
請求項1又は2に記載の自然換気システム。 - 前記床連通口を略被覆することによって、前記外部空間に存在する汚染物質が前記床連通口を介して前記換気対象空間へと侵入することを防止する被覆材を備え、
前記被覆材を、前記複数の換気対象空間の床パネルの上面に設置した、
請求項1から3のいずれか一項に記載の自然換気システム。 - 前記床内給気口を、水平面上のいずれの方位からも前記外部空間から空気を取り入れ可能に形成した、
請求項1から4のいずれか一項に記載の自然換気システム。
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