JP6410302B2 - 自然換気システム - Google Patents

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Description

本発明は、自然換気システムに関する。
従来、換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムが利用されている。このような自然換気システムとしては、外部空間から換気対象空間内に外気を取り入れるための換気口と、換気対象空間内から外部空間に空気を排気するための排気口とを換気対象空間内に設けることにより換気を行うものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−305874号公報
しかし、特許文献1に係る自然換気システムは、外部空間の空気が直接流入する換気口の近傍では、必然的に風速が大きくなるためドラフトの発生が問題となっていた。また、換気対象空間内における換気口の近傍では充分な換気が行われるが、一方、換気口から遠い地点では充分に換気が行われないため、換気対象空間内の換気環境にばらつきが生じてしまっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能であると共に、換気対象空間の換気環境を均一化可能な自然換気システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の自然換気システムは、同一フロアの複数の換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムであって、前記複数の換気対象空間の床下に位置する床下空間と、外部空間に連通された屋外ボイドと、前記外部空間と前記床下空間とを相互に連通する床内給気口と、前記換気対象空間の床の全面に形成されて、前記床下空間と前記複数の換気対象空間とを相互に連通する床連通口と、前記複数の換気対象空間を相互に空間的に連通させるための空間であって、前記複数の換気対象空間と前記屋外ボイドとの相互間の位置に形成された連通空間と、前記連通空間と前記屋外ボイドとを相互に連通するボイド連通口と、前記屋外ボイドと前記外部空間とを相互に連通する排気口とを備え、前記外部空間から、前記床内給気口、前記床下空間、前記床連通口、前記換気対象空間、前記連通空間、前記ボイド連通口、前記屋外ボイド、及び前記排気口を順次介して前記外部空間へと空気を流動可能とすることにより前記換気対象空間の自然換気を行う。
また、請求項2に記載の自然換気システムは、請求項1に記載の自然換気システムにおいて、前記ボイド連通口を、前記連通空間の天井パネルの近傍の位置に形成した。
また、請求項3に記載の自然換気システムは、請求項1又は2に記載の自然換気システムにおいて、前記屋外ボイドには、開口として、前記ボイド連通口と前記排気口のみを設けた。
請求項に記載の自然換気システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の自然換気システムにおいて、前記床連通口を略被覆することによって、前記外部空間に存在する汚染物質が前記床連通口を介して前記換気対象空間へと侵入することを防止する被覆材を備え、前記被覆材を、前記複数の換気対象空間の床パネルの上面に設置した
請求項に記載の自然換気システムは、請求項1から4のいずれか一項に記載の自然換気システムにおいて、前記床内給気口を、水平面上のいずれの方位からも前記外部空間から空気を取り入れ可能に形成した。
請求項1に記載の自然換気システムによれば、換気対象空間の床の全面に形成した床連通口を介して外気を取り入れて自然換気を行うので、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能となると共に、換気対象空間内の換気環境を均一化することが可能となる。また、連通空間を空気の通り道として利用することで、単一の屋外ボイドを複数の換気対象空間に共用することができ、換気対象空間毎に固有の屋外ボイドを設けたり、複数の換気対象空間に接する巨大なボイドを設けたりせずに自然換気ができ、施工コストを低減することが可能となる。
請求項2に記載の自然換気システムによれば、換気対象空間全体に外部空間からの空気を行き渡らせることが可能になる。
請求項に記載の自然換気システムによれば、汚染物質が換気対象空間へと侵入することを防止するための被覆材を備えるので、外部空間に汚染物質が含まれる場合においても換気対象空間の空気を清浄に保つことができ、換気対象空間の室内環境を好適化する事が可能となる。
請求項に記載の自然換気システムによれば、床内給気口は、水平面上のいずれの方位からも外部空間から空気を取り入れ可能に形成されているので、外部空間の風向に関わらず、外部空間の空気を換気対象空間に取り入れることができ、自然換気の効率を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る自然換気システムを概略的に示す断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1のA−A矢視断面に対応する断面図であって、図3(a)は配置パターンA、図3(b)は配置パターンB、図3(c)は配置パターンCを示す。 床パネル及び被覆材を示す斜視図である。 屋外ボイドを利用しない換気システムの解析の結果を示す図である。 本実施の形態1に係る自然換気システムを利用したシステムの解析の結果を示す図である。 実験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る自然換気システムを概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る自然換気システムを概略的に示す断面図である。
以下、本発明に係る自然換気システムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[実施の形態の基本的概念]
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムである。ここで、「自然換気」とは、換気ファン等の送風機器を使用せず、風力や温度差等の自然現象により換気を行う方法である。また、「換気対象空間」とは、自然換気の対象となる空間であり、その用途は任意であるが、実施の形態においては、複数の部屋を備える建物の一室であって例えばオフィスとして利用されるものとして説明する。なお、この換気対象空間の具体的な構造については、特記する場合を除いて公知であり、その詳細な説明を省略する。また、換気対象空間の形状や広さ等は任意に定めることができる。
また、このような換気対象空間を備える建物の外部の空間を「外部空間」と称する。この外部空間は、屋外又は屋内のいずれの空間であっても構わないが、本実施の形態においては屋外の空間であるものとして説明する。なお、外部空間では一定方向への空気の流れ(必要に応じて「風」と称する)が存在するものとして説明し、この外部空間での風の向きを「風向」、外部空間での風の速さを「風速」と必要に応じて称して説明する。
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(実施の形態1)
まずは、実施の形態1について説明する。
(構成)
初めに、本実施の形態1に係る自然換気システム10に関する構成を説明する。図1は、本実施の形態1に係る自然換気システム10を概略的に示す断面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。ただし、図2は空気の流れを図示することを目的とする簡略化した断面図であり、当該目的を果たす上で図示する必要の無い構成については適宜省略している。なお、以下の説明では、各図のX−X´方向を幅方向(X方向を右方、X´方向を左方)、Y−Y´方向を前後方向(Y方向を前方、Y´方向を後方)、Z−Z´方向を高さ方向(Z方向を上方、Z´方向を下方)、と称する。また、以下の各図においては空気の流れを矢印にて図示している。
(構成−建物の基本構造)
まずは、自然換気システム10が適用される建物1の基本構造について説明する。この建物1は、公知の方法で施工された、複数の階を備える建物である。ただし、本実施の形態1においては、単一の階(以下、対象階)にのみ着目して図示及び説明を行うものとし、他の階(例えば対象階の上下の階)については、同様の自然換気システム10を適用する事が出来るものとして図示及び説明を省略する。ただし、図1においては、屋上階のスラブの一部のみを切り欠いて図示している。
この対象階では、床スラブ5の上方に床パネル6を配置した二重床構造、かつ天井スラブ7の下方に天井パネル8を吊り下げた二重天井構造が採用されている。以下では、床パネル6と天井パネル8との相互間の空間を「換気対象空間」2、床スラブ5の床パネル6との相互間の空間を「床下空間」3、天井スラブ7と天井パネル8との相互間の空間を「天井裏空間」4と称して説明する。なお、各空間の広さや高さは任意であり、図示の態様に限られない。例えば、各空間の床面積は相互に異なるものとしても構わない。
(構成−自然換気システム)
次に、本実施の形態1に係る自然換気システム10の構成を説明する。上述した図1及び図2に示すように、自然換気システム10は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、及び排気口90を備えている。
(構成−自然換気システム−屋外ボイド)
屋外ボイド20は、少なくとも換気対象空間2と外部空間100とを相互に連通するボイドである。この屋外ボイド20は、建物1の全高に渡って上下方向に沿って配置されており、上端部は建物1の屋上階のスラブ付近に位置して開口端(排気口90。詳細については後述する)となっており、下端部は建物1の基礎付近に位置して閉鎖端となっている。そして、平面視においては、図1や図2に示すように中央右寄りの位置に配置され、当該屋外ボイド20よりも左方に位置する換気対象空間2を広く確保できるように形成されている。
ここで、この屋外ボイド20の形状は、空気を流動可能な空洞を有している限りにおいて任意であり、本実施の形態1においては水平断面が長方形の管状体であるものとして説明するが、例えば水平断面が円形や他の多角形の管状体であっても構わない。また、本実施の形態1においては、上下方向に沿って配置されるものとして説明するが、例えば屋外のボイドの中途部分が幅方向や前後方向に沿って湾曲していても構わない。
そして、屋外ボイド20における換気対象空間2と接する任意の位置には、ボイド連通口50が形成されており、屋外ボイド20の上端部には排気口90が形成されている。このような構成において、外部空間100で生じた風によって、換気対象空間2の空気がボイド連通口50を介して屋外ボイド20の内部に引き入れられ、屋外ボイド20の内部を上昇し、排気口90を介して外部空間100へと排出される。なお、このような風による自然換気によって空気が流れる原理については公知であるため、説明を省略する。また、自然換気だけでなく、屋外ボイド20の煙突効果によっても、屋外ボイド20の内部の空気の流れが促進される。
(構成−自然換気システム−床内給気口)
床内給気口30は、外部空間100の空気を床下空間3に取り入れるための床内給気手段であって、かつ、床下空間3に取り入れられた空気を外部空間100に排気するための床内排気手段である。この床内給気口30は、建物1の外壁9における床下空間3を囲繞する外壁9(すなわち、床下空間3の前後左右に位置する外壁9)の全面に、所定間隔で複数配置されており、各床内給気口30は外壁9を貫通するように形成されている。そして、風が吹いた場合には、風上に位置する床内給気口30から床下空間3に空気が取り入れられて、床下空間3の内部を通過し、風下に位置する床内給気口30から外部空間100に排気される。このように床内給気口30を、床下空間3を囲繞する外壁9の全面に形成することで、床下空間3を囲繞する外壁9の一部にのみ形成した場合とは異なり、水平面上のいずれの方位からも外部空間100の空気を取り入れることが可能となる。例えば、図2における床下空間3の前後に位置する外壁9にのみ床内給気口30を形成した場合、外部空間100で前後方向に沿う風が吹いた際には床内給気口30を介して床下空間3に空気が流動するが、外部空間100で左右方向に沿う風が吹いた際には床下空間3に空気が殆ど流動しない。一方床下空間3の前後左右に位置する外壁9に床内給気口30を設けた場合には、外部空間100でいずれの方位から風が吹いた際でも床下空間3に空気を流動させることができる。例えば図2に示すように北西の風が吹いた場合でも、屋外ボイド20の風下となってしまう部分は生じるものの、床下空間3の少なくとも一部に空気が流動する。
また、水平面上のいずれの方位からも外部空間100の空気を取り入れるために、床内給気口30の配置や、屋外ボイド20の配置パターンを工夫することが望ましい。ここで、図3は、図1のA−A矢視断面に対応する断面図であって、図3(a)は配置パターンA、図3(b)は配置パターンB、図3(c)は配置パターンCを示す。なお、いずれの配置パターンにおいても、東の風が吹いた場合を想定して空気の流れを図示している。ここで、配置パターンAは、本実施の形態1の自然換気システム10と同様の構成であり、配置パターンBは、屋外ボイド20が床下空間3の右方全域を占めるように配置した構成であり、配置パターンCは、床下空間3の右側の外壁9の一部に床内給気口30を形成せず、当該外壁9の残りの部分を屋外ボイド20により塞ぐように屋外ボイド20を配置した構成である。これらの配置パターンからわかるように、配置パターンBや配置パターンCでは、屋外ボイド20や外壁9により空気の流れが阻害されて床下空間3に充分に空気が流動しないが、本実施の形態1に示す配置パターンAでは、屋外ボイド20の右方、前方、及び後方に位置する床下空間3に空気を少なくとも流動させることができる。
ただし、建物1の設置環境等によっては風が吹く方位が限定されている事も考えらえるため、このような場合等には必ずしも前後左右に位置する外壁9の全面に床内給気口30を設ける必要はなく、適宜必要箇所にのみ設けても構わない。
(構成−自然換気システム−床連通口)
図1に戻り、床連通口40は、床下空間3と換気対象空間2とを相互に連通するための床連通手段である。この床連通口40は、床パネル6の全面に、床パネル6を上下に貫通するように形成された孔である。
ここで、床パネル6の上面には、床連通口40を略被覆するように被覆材41が配置されている。図4は、床パネル6及び被覆材41を示す斜視図である。この被覆材41は、床連通口40を略被覆することによって、外部空間100に存在する汚染物質が床連通口40を介して換気対象空間2へと侵入することを防止する被覆手段である。具体的には、被覆材41は下層部42、中層部43、上層部44を順に重畳させて一組とする三層構造に形成されており、床スラブ5の全体にわたって隙間なく複数配置された床パネル6の上方に配置されている。
以下では、床パネル6及び被覆材41の構造について詳細に説明する。まず、床パネル6は、換気対象空間2に配置された物や人の荷重を支持する部分であって、板状部6aと支柱6bとを備えて構成されている。板状部6aは、平面視において略正方形の所定厚の金属製の板状体であって、当該板状部6aを上下に貫通する複数の床連通口40が、図示のように当該板状部6aの中央を基準として放射状に設けられている。また、支柱6bは、板状部6aを支持するための支持部材であり、板状部6aの四隅に配置された金属製の円柱体である。このように複数の支柱6bによって板状部6aを立ち上げて配置することにより、板状部6aと床スラブ5の相互間に床下空間3が形成される。
被覆材41の下層部42は、汚染物質が換気対象空間2へと流動することを防止するフィルターである。この下層部42は、床パネル6の板状部6aに直接上載されており、平面視における形状が床パネル6の板状部6aと同一の形状(正方形)の所定厚のシートである。ここで、この下層部42には複数の楕円形の孔42aが図示のように互い違いとなるように形成されており、この楕円形の孔42aを除く部分には汚染物質が通過できないように構成されている。
被覆材41の中層部43は、汚染物質が換気対象空間2へと流動することを一層防止するフィルターである。この中層部43は、下層部42の上に張り合わされており、平面視における形状が床パネル6の板状部6aや被覆材41の下層部42と同一の形状(正方形)の所定厚のシートである。ここで、この中層部43には複数の円形の細かい複数の孔43aが、図示のように上述した下層部42の楕円形の孔42aと一致する位置に形成されている。この中層部43の孔43aは下層部42の孔42aよりも細かい孔であり、空気はこの孔43aを通過可能であるが汚染物質は通過できず、空気がこの孔43aを通過する段階で大部分の汚染物質が通過できずに除去される。
被覆材41の上層部44は、汚染物質が換気対象空間2へと流動することをより一層防止するフィルターである。この上層部44は、中層部43の上に張り合わされており、平面視における形状が床パネル6の板状部6aや被覆材41の下層部42や中層部43と同一の形状(正方形)の所定厚のシートである。この上層部44は例えば綿、麻、合成繊維等で形成された公知のカーペットとして形成することができ、換気対象空間2の床面を構成する。そして、この上層部44は中層部43の孔43aを通過した空気を濾過する機能も有しており、汚染物質が換気対象空間2へと流動することをより一層防止できる。
以上のように構成された被覆材41を床パネル6の上に設置することで、空気を通しつつ汚染物質を阻害する構成とすることができる。なお、下層部42の楕円形の孔42aが互い違いに配置されており、さらに床パネル6の床連通口40が放射状に配置されていることにより、被覆材41をどのような向きで床パネル6の上に設置しても当該孔42aと床連通口40の一部の位置が一致するので、設置向きを気にすることなく容易に設置を行うことが可能となる。
(構成−自然換気システム−ボイド連通口)
図1に戻り、ボイド連通口50は、換気対象空間2と屋外ボイド20とを相互に連通させるための連通手段である。このボイド連通口50は、屋外ボイド20の側面における換気対象空間2に面するいずれかの位置に形成されるが、換気対象空間2全体に外部空間100からの空気が行き渡るためには床連通口40から遠い位置に形成することが望ましく、例えば、図示のように天井パネル8近傍の位置に形成することが望ましい。なお、ボイド連通口50は一つの換気対象空間2に複数設けても当然構わず、例えば屋外ボイド20の天井パネル8近傍の位置と床パネル6近傍の位置の2か所に設けても構わない。
(構成−自然換気システム−空調機)
空調機60は、換気対象空間2の空調を行う空調手段である。この空調機60は、天井裏空間4に配置された空冷式や水冷式の公知の空調機であって、天井裏空間4にて取り入れた空気を加熱又は冷却して、天井給気口70から換気対象空間2へと送風することにより、換気対象空間2の空調を行う。なお、この空調機60の設置場所は任意であり、本実施の形態1においては、図示のように天井裏空間4に配置するものとして説明するが、例えば空調機60を床下空間3に配置し、天井給気口70の代わりに床下給気口(図示省略)を床パネル6に配置して、床下から空調空気の送風を行う構成としても構わない。
(構成−自然換気システム−天井給気口)
天井給気口70は、空調機60にて空調された空気の吹出口であって、天井パネル8の複数箇所に設けられている。
(構成−自然換気システム−天井連通口)
天井連通口80は、天井裏空間4と換気対象空間2とを相互に連通させるための連通手段である。この天井連通口80は、天井パネル8における任意の位置に設けられた公知の通気孔であって、空調機60の吸込みにより天井裏空間4が負圧となることにより、換気対象空間2から当該天井連通口80を介して天井裏空間4に空気が取り入れられる。
(構成−自然換気システム−排気口)
排気口90は、屋外ボイド20の空気を外部空間100に排気するための排気手段である。この排気口90は、屋外ボイド20の上端部付近(すなわち、建物1の屋上階のスラブ付近)に設けられた開口である。この排気口90のより具体的な位置は任意であるが、いずれの風向から風が吹いた場合でも負圧になるような位置に設置することで風力換気を可能とすることが好ましく、例えば本実施の形態においては、建物1の屋上と同一水平面上の位置に設置されている。
(作用)
次に、上記に示す自然換気システム10の作用について、図1を参照して説明する。まず、外部空間100の空気は、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられる。そして、床下空間3に取り入れられた空気の一部は、床下空間3の内部を流動して、入った床内給気口30と床下空間3を介して対向する位置に設けられた他の床内給気口30を介して外部空間100へと排出され、残りの空気は、床連通口40を介して換気対象空間2に取り入れられる。ここで、空気は床連通口40を通過することができるが、汚染物質は上述した被覆材41の機能により床連通口40を通過することができないので、換気対象空間2には汚染物質が除去された清浄な空気のみが供給される。なお、被覆材41に弾かれた汚染物質が床下空間3に蓄積する事になるが、所定量の汚染物質は床下空間3を流動する空気に運ばれて床内給気口30から外部空間100に排出されるので、床下空間3の清掃の手間を削減する事が可能である。
そして、換気対象空間2に取り入れられた空気の一部は、天井連通口80を介して天井裏空間4に取り入れられ、空調機60にて空調されて天井給気口70を介して換気対象空間2に送風され、残りの空気は、ボイド連通口50を介して屋外ボイド20の内部に取り入れられる。このようにして屋外ボイド20に取り入れられた空気は、屋外ボイド20の内部を上昇して屋外ボイド20の上端に形成された排気口90を介して外部空間100に排気される。このような空気の流動が行われるので、清浄な外気のみを換気対象空間2に取り入れることができる。さらに、床パネル6の全面に床連通口40が形成されており、床パネル6から換気対象空間2に対して均等に空気が送風されるので、換気対象空間2におけるドラフトの発生を防止できる。また、風による気圧差や屋外ボイド20の煙突効果により、ファン等を要さない自然換気を行うことができ、高い省エネ性能を得ることができる。
(解析)
次に、上記に示す自然換気システム10の性能を評価する解析の結果について、屋外ボイド20を利用しない換気システムの解析の結果と比較しつつ説明する。
図5は、屋外ボイド20を利用しない換気システムの解析の結果を示す図である。この図5に示すように、屋外ボイド20を利用しない換気システムとして、解析モデル(a)、解析モデル(b)、及び解析モデル(c)の三種類の解析モデルに関して、外部空間100に風を発生させた場合における換気の性能を評価する解析を行った。なお、この図5や後述する図6、図7においては、上記の実施の形態1の構成と対応する構成については、同一の名称及び同一の符号を付して説明する。
ここで、解析モデル(a)は、外壁9における換気対象空間2に対応する位置に自然換気口(100cm/m)を設け、外部空間100の空気が、自然換気口、換気対象空間2、他の自然換気口と順次介して外部空間100に流動する構成としたモデルである。
また、解析モデル(b)は、本実施の形態1と同様に床下空間3を囲繞する外壁9に床内給気口30(100cm/m)を設け、本実施の形態1と同様に床パネル6に床連通口40を設けることで、外部空間100の空気が、床内給気口30、床下空間3、床連通口40、換気対象空間2、床連通口40、床下空間3、他の床内給気口30と順次介して外部空間100に流動する構成としたモデルである。
また、解析モデル(c)は、解析モデル(b)の構成に、床下間仕切を追加した構成である。床下間仕切とは、床下空間3を複数の空間に区分する仕切り材であり、床スラブ5上面から床パネル6の下面にわたって鉛直に形成された仕切り材である。この床下間仕切を形成することにより、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられた空気がそのまま他の床内給気口30を介して外部空間100に直接出て行かずに、床連通口40を介して一旦換気対象空間2を経由してから再び床下空間3に戻って他の床内給気口30を介して外部空間100に出て行くことが考えられ、換気対象空間2の換気回数の向上を図ることができる。
なお、いずれの解析モデルも屋外ボイド20を備えているが、これらの屋外ボイド20にはボイド連通口50は設けられておらず、換気対象空間2から屋外ボイド20の内部に空気が流動することはない。
ここで、図5の項目「換気回数」に対応する情報は、16方位の風向、風速2m/sの条件で、公知の解析方法により各方位の換気回数を導出した際の各方位の換気回数の平均値を示している。また、項目「温度分布」及び項目「風速分布」に対応する情報は、北北西の風向、風速2m/sの条件で、公知の解析方法により導出した温度分布及び風速分布を、温度毎あるいは風速毎に異なるハッチングを付した平面図で表している。
このような条件の下に解析を行った結果、解析モデル(a)では、換気回数は8.0回/hであり充分に大きいが、温度分布を参照すると空気の流入部分(北北西)の温度が低く、風速分布を参照すると空気の流入部分の風速が大きいことから、換気対象空間2のドラフト発生を防止できていないことが認識できる。
また、解析モデル(b)では、換気回数は0.9回/hであり低く、床下空間3のみで換気が行われてしまっており、換気対象空間2では充分な換気が行われていないことが分かる。
また、解析モデル(c)では、換気回数は1.5回/hであり、床下間仕切を設けたことにより換気回数を解析モデル(b)よりも向上できてはいるものの充分な値ではなく、換気対象空間2で充分な換気が行われていないことが認識できる。
なお、解析モデル(b)及び解析モデル(c)に関しては、換気回数が少なくドラフト発生の有無を確認するまでもないと判断し、温度分布及び風速分布を求めていないため、これらの項目の記載を省略している。
このように、解析モデル(a)、解析モデル(b)、及び解析モデル(c)のいずれの解析結果からも明らかなように、屋外ボイド20を利用しない換気システムでは、換気対象空間2の充分な換気と、ドラフト発生の防止を同時に達成できていない事が認識できる。
続いて、本実施の形態1に示す、屋外ボイド20を利用した自然換気システム10の性能を評価する解析の結果について、説明する。図6は、本実施の形態1に係る自然換気システム10を利用したシステムの解析の結果を示す図である。この図6に示すように、本実施の形態1に係る自然換気システム10を利用した換気システムとして、解析モデル(d)、解析モデル(e)、及び解析モデル(f)の三種類の解析モデルに関して、解析を行った。
ここで、解析モデル(d)は、本実施の形態1に係る自然換気システム10と同様に構成されたモデルであり、具体的には、本実施の形態1と同様に床下空間3の四周の外壁9に床内給気口30(50cm/m)を設け、本実施の形態1と同様に床パネル6に床連通口40を設け、本実施の形態1と同様に屋外ボイド20にボイド連通口50を設けることにより、外部空間100の空気が、床内給気口30、床下空間3、床連通口40、換気対象空間2、ボイド連通口50、屋外ボイド20と順次介して外部空間100に流動する構成としたモデルである。
また、解析モデル(e)は、解析モデル(d)の構成に、上述した床下間仕切を追加した構成である。
また、解析モデル(f)は、解析モデル(d)と同一の構成である。
ここで、項目「換気回数」、項目「温度分布」、及び項目「風速分布」に対応する情報は、上述した図5に示す情報と略同一である。ただし、解析の条件については、解析モデル(d)及び解析モデル(e)と、解析モデル(f)とは相互に異なる。具体的には、解析モデル(d)及び解析モデル(e)は、上述した解析モデル(a)から解析モデル(c)と同様に風速2m/sの条件で解析を行ったが、解析モデル(f)は、風速10m/sの条件(すなわち、強風時を想定した条件)で解析を行った。
このような条件の下に解析を行った結果、解析モデル(d)では、換気回数は4.6回/hであり充分に確保できている。さらに床パネル6全体に床連通口40を設けることによって床下空間3から均一に空気を供給しているため、温度分布を均一に確保できており、また、風速分布も低く均一に確保できており、換気対象空間2のドラフト発生を防止できていることが認識できる。
また、解析モデル(e)では、換気回数は4.5回/hであり充分に確保できている。ただし、この換気回数は、解析モデル(d)の換気回数(4.6回/h)よりも低く、床下間仕切を追加することによる換気回数の向上は確認できなかった。ただし、解析モデル(d)と同様に、温度分布を均一に確保できており、また、風速分布も低く均一に確保できており、換気対象空間2のドラフト発生を防止できていることが認識できる。
また、解析モデル(f)では、換気回数は10.5回/hであり充分に確保できている。さらに、温度分布を均一に確保できており、また、風速分布も低く均一に確保できており、本実施の形態1に係る自然換気システム10により強風時でもドラフト発生の防止を達成できていることが認識できる。
(実験)
続いて、上記に示す自然換気システム10を適用した建物1を再現した実物大模型を用いて、実物大模型の換気対象空間2にマネキンを配置し、自然換気システム10の換気の性能を評価する実験を行った。図7は、実験の結果を示す図である。この図7に示すように、本実施の形態1に係る自然換気システム10に関して、換気回数を3回/h、6回/h、10回/hと変更して、換気対象空間2の温度分布の測定、PMV(Predicted Mean Vote)とPPD(Predicted Percentage Dissatisfied)の算出、マネキン等価温度の測定、上下温度差による不満足者率の算出、ドラフトによる不満足者率の算出をそれぞれ公知の方法により行い、当該実験の結果を図7の各項目に対応する欄に記載した。なお、いずれのケースでも、外気の温度を19℃に設定して実験を行った。
ここで、項目「温度分布」に対応する情報は、公知の方法により求めた温度分布を、温度毎に異なるハッチングを付した立面図で表している。また、項目「PMV(PPD)」に対応する情報は、公知の方法により算出したPMV及びPPDを記載した。なお、括弧外の数値がPMVを示し、括弧内の数値がPPDを示している。項目「マネキン等価温度」に対応する情報は、換気対象空間2の椅子に座らせた状態で配置したマネキンの等価温度を示している。この測定方法は任意であるが、例えばグローブ温度計等を用いて測定することができる。項目「上下温度差不満足者率」に対応する情報は、公知の方法により求めた、上下温度差に起因する不満足者率を示している。なお、上記の各値は、ISO規格に準拠したものである。
この図7の実験結果から明らかなように、換気回数10回/hであってもPPDを11.9%に留めることができ、強風時でも満足な温熱快適性を維持できることが分かる。また、換気回数によらず、上下温度差不満足者率及びドラフト不満足者率を5%以下にできることが分かる。
(実施の形態の効果)
このように、本実施の形態1の自然換気システム10によれば、換気対象空間2の床の全面に形成した床連通口40を介して外気を取り入れて自然換気を行うので、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能となると共に、換気対象空間2内の換気環境を均一化することが可能となる。
また、汚染物質が換気対象空間2へと侵入することを防止するための被覆材41を備えるので、外部空間100に汚染物質が含まれる場合においても換気対象空間2の空気を清浄に保つことができ、換気対象空間2の室内環境を好適化する事が可能となる。
また、床内給気口30は、水平面上のいずれの方位からも外部空間100から空気を取り入れ可能に形成されているので、外部空間100の風向に関わらず、外部空間100の空気を換気対象空間2に取り入れることができ、自然換気の効率を向上させることが可能となる。
(実施の形態2)
続いて、本実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
以下では、本実施の形態2に係る自然換気システム200に関する構成について説明する。図8は、本実施の形態2に係る自然換気システム200を概略的に示す断面図である。
(構成−建物の基本構造)
まずは、自然換気システム200が適用される建物210の基本構造について説明する。実施の形態2に係る建物210は、実施の形態1の建物1と同様の換気対象空間2、床下空間3、天井裏空間4に加えて、機械室220を備えて構成されている。ここで、機械室220は、建物210の照明等に電源を供給するための機器等を配置した公知の機械設備室であり、本実施の形態においては、床スラブ5から天井スラブ7にわたる空間であり、この機械室220には二重床構造及び二重天井構造は適用されていない。
(構成−自然換気システム)
次に、本実施の形態2に係る自然換気システム200の構成を説明する。図8に示すように、本実施の形態2に係る自然換気システム200は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、排気口90、外調機230、及び排気ファン240を備えて構成されている。
(構成−自然換気システム−外調機)
外調機230は、外部空間100の空気を取り入れて空調を行い、空調された空気を、床下空間3を介して換気対象空間2に送風することにより、換気対象空間2の空調を行うための公知の空調手段であって、機械室220の内部に配置される。この外調機230を設けることにより、自然換気では換気対象空間2の温熱環境を快適に維持できない時期(例えば冬季等の外気温が低すぎる時期等)にも対応することが可能となる。なお、この外調機230の具体的な構造は公知であるため、詳細な説明を省略する。
(構成−自然換気システム−排気ファン)
排気ファン240は、換気対象空間2の排気を行う公知のファンの如き排気手段であって、機械室220の内部に配置されており、天井裏空間4から空気を吸い込んで外部空間100に排気するように構成されている。なお、この排気ファン240の具体的な構造は公知であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、これら外調機230や排気ファン240は、従来のアンダーフロア空調システムにも設けられていた機器であるため、当該アンダーフロア空調システムが適用された建造物に対して本実施の形態に係る屋外ボイド20や床内給気口30やボイド連通口50を後付することにより、本実施の形態2に示す自然換気システム200を容易に構築することができる。
(作用)
次に、上記に示す自然換気システム200の作用について説明する。まず、外気温が自然換気可能な温度である時期においては、上述した実施の形態1と同様に自然換気を行うことが可能である。すなわち、外部空間100の空気が、床内給気口30、床下空間3、床連通口40、換気対象空間2、ボイド連通口50、屋外ボイド20、及び排気口90を順次介して外部空間100に流動する。一方、外気温が自然換気可能な温度である時期においては、床内給気口30又は屋外ボイド20を閉鎖して上記の空気の流動を遮断する。この遮断の具体的な方法は任意であるが、例えば床内給気口30や屋外ボイド20に取り付けた電動操作可能なシャッターを操作することで遮断することが可能である。そして、代わりに外調機230及び排気ファン240を稼働させる。このことによって、外部空間100の空気が外調機230に取り入れられて空調され、床下空間3に供給される。そして、床下空間3に供給された空気は、床連通口40、換気対象空間2、天井連通口80、天井裏空間4、及び排気ファン240を介して、外部空間100へと流動する。このように、本実施の形態2に示す自然換気システム200では、外気温が自然換気に適さない時期においては外調機230及び排気ファン240を用いた換気を行うことが可能である。
(実施の形態2の効果)
このように、本実施の形態2の自然換気システム200によれば、外調機230及び排気ファン240を備えるので、外気温が自然換気に適さない温度である場合には外調機230及び排気ファン240を稼働して従来の構成によりアンダーフロア空調を行うことが可能となる。
(実施の形態3)
続いて、本実施の形態3について説明する。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
以下では、本実施の形態3に係る自然換気システム300に関する構成について説明する。図9は、本実施の形態3に係る自然換気システム300を概略的に示す断面図である。
(構成−建物の基本構造)
まずは、自然換気システム300が適用される建物310の基本構造について説明する。この建物310は、実施の形態2と同様の換気対象空間2、床下空間3、天井裏空間4、及び機械室220に加えて廊下320を備えている。ここで、本実施の形態3においては、換気対象空間2はそれぞれが廊下320に連通するように同一フロアに複数配置されており、各換気対象空間2は相互に同様に構成されている。また、廊下320は、これら同一のフロアに設けられた複数の換気対象空間2を相互に空間的に連通させるための空間であって、換気対象空間2と屋外ボイド20との相互間の位置に水平方向に沿って形成されている。
(構成−自然換気システム)
次に、本実施の形態3に係る自然換気システム300の構成を説明する。図9に示すように、本実施の形態3に係る自然換気システム300は、概略的に、屋外ボイド20、床内給気口30、床連通口40、ボイド連通口50、空調機60、天井給気口70、天井連通口80、排気口90、外調機230、及び排気ファン240を備えて構成されている。これらの各構成要素は、いずれも実施の形態2と同様に構成されている。ただし、床連通口40は、床下空間3と換気対象空間2との間に位置する床にのみ形成されており、床下空間3と廊下320との間に位置する床には形成されていない。
(作用)
次に、上記に示す自然換気システム300の作用について説明する。まず、外部空間100の空気は、床内給気口30を介して床下空間3に取り入れられる。床下空間3に取り入れられた空気の一部は、床下空間3の内部を流動して、入った床内給気口30と床下空間3を介して対向する位置に設けられた他の床内給気口30を介して外部空間100へと排出され、残りの空気は、床連通口40を介して換気対象空間2に取り入れられる。
そして、換気対象空間2に取り入れられた空気の一部は、天井連通口80を介して天井裏空間4に取り入れられ、空調機60にて空調されて天井給気口70を介して換気対象空間2に送風され、残りの空気は廊下320に流入する。廊下320に流入した空気は、複数の他の換気対象空間2から廊下320に流入した空気と合わさりながら廊下320を移動し、屋外ボイド20に設けられたボイド連通口50を介して屋外ボイド20の内部に取り入れられる。このようにして屋外ボイド20に取り入れられた空気は、屋外ボイド20の内部を上昇して屋外ボイド20の上端に形成された排気口90を介して外部空間100に排気される。
(実施の形態3の効果)
このように、本実施の形態3の自然換気システム300によれば、廊下320を空気の通り道として利用することで、単一の屋外ボイド20を複数の換気対象空間2に共用することができ、換気対象空間2毎に固有の屋外ボイド20を設けたり、複数の換気対象空間2に接する巨大なボイドを設けたりせずに自然換気ができ、施工コストを低減することが可能となる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、各実施の形態に係る自然換気システム10、200、300の作用によってドラフトの発生を完全に防止出来ない場合であっても、従来と異なる技術によりドラフトの発生を防止できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(屋外ボイドについて)
各実施の形態では、建物1、210、310内に屋外ボイド20を一つのみ設置するものとして説明したが、これに限らず、複数の屋外ボイド20を設置しても構わない。
(空気の流れについて)
各実施の形態においては、外調機230や空調機60に設けられたファンや、排気ファン240を除いてファンは設けられておらず、外部空間100の風や屋外ボイド20内部の負圧により自然に空気が流れるものとして説明したが、必要に応じて各所に補助的にファンを設けても構わない。例えば、床内給気口30やボイド連通口50や排気口90にファンを設けて空気の流動を促進しても構わない。
(外調機について)
実施の形態2や実施の形態3においては、外調機230を機械室220に設置するものとしたが、例えば換気対象空間2や天井裏空間4等といった他の場所に配置しても構わない。
(付記)
付記1の自然換気システムは、換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムであって、前記換気対象空間の床下に位置する床下空間と、外部空間に連通された屋外ボイドと、前記外部空間と前記床下空間とを相互に連通する床内給気口と、前記換気対象空間の床の全面に形成されて、前記床下空間と前記換気対象空間とを相互に連通する床連通口と、前記換気対象空間と前記屋外ボイドとを相互に連通するボイド連通口と、前記屋外ボイドと前記外部空間とを相互に連通する排気口とを備え、前記外部空間から、前記床内給気口、前記床下空間、前記床連通口、前記換気対象空間、前記ボイド連通口、前記屋外ボイド、及び前記排気口を順次介して前記外部空間へと空気を流動可能とすることにより前記換気対象空間の自然換気を行う。
付記2の自然換気システムは、付記1に記載の自然換気システムにおいて、前記床連通口を略被覆することによって、前記外部空間に存在する汚染物質が前記床連通口を介して前記換気対象空間へと侵入することを防止する被覆材を備える。
付記3の自然換気システムは、付記1又は2に記載の自然換気システムにおいて、前記床内給気口を、水平面上のいずれの方位からも前記外部空間から空気を取り入れ可能に形成した。
(付記の効果)
付記1に記載の自然換気システムによれば、換気対象空間の床の全面に形成した床連通口を介して外気を取り入れて自然換気を行うので、自然換気に起因するドラフトの発生を防止可能となると共に、換気対象空間内の換気環境を均一化することが可能となる。
付記2に記載の自然換気システムによれば、汚染物質が換気対象空間へと侵入することを防止するための被覆材を備えるので、外部空間に汚染物質が含まれる場合においても換気対象空間の空気を清浄に保つことができ、換気対象空間の室内環境を好適化する事が可能となる。
付記3に記載の自然換気システムによれば、床内給気口は、水平面上のいずれの方位からも外部空間から空気を取り入れ可能に形成されているので、外部空間の風向に関わらず、外部空間の空気を換気対象空間に取り入れることができ、自然換気の効率を向上させることが可能となる。
1 建物
2 換気対象空間
3 床下空間
4 天井裏空間
5 床スラブ
6 床パネル
6a 板状部
6b 支柱
7 天井スラブ
8 天井パネル
9 外壁
10 自然換気システム
20 屋外ボイド
30 床内給気口
40 床連通口
41 被覆材
42 下層部
42a 孔
43 中層部
43a 孔
44 上層部
50 ボイド連通口
60 空調機
70 天井給気口
80 天井連通口
90 排気口
100 外部空間
200 自然換気システム
210 建物
220 機械室
230 外調機
240 排気ファン
300 自然換気システム
310 建物
320 廊下

Claims (5)

  1. 同一フロアの複数の換気対象空間の自然換気を行う自然換気システムであって、
    前記複数の換気対象空間の床下に位置する床下空間と、
    外部空間に連通された屋外ボイドと、
    前記外部空間と前記床下空間とを相互に連通する床内給気口と、
    前記換気対象空間の床の全面に形成されて、前記床下空間と前記複数の換気対象空間とを相互に連通する床連通口と、
    前記複数の換気対象空間を相互に空間的に連通させるための空間であって、前記複数の換気対象空間と前記屋外ボイドとの相互間の位置に形成された連通空間と、
    前記連通空間と前記屋外ボイドとを相互に連通するボイド連通口と、
    前記屋外ボイドと前記外部空間とを相互に連通する排気口とを備え、
    前記外部空間から、前記床内給気口、前記床下空間、前記床連通口、前記換気対象空間、前記連通空間、前記ボイド連通口、前記屋外ボイド、及び前記排気口を順次介して前記外部空間へと空気を流動可能とすることにより前記換気対象空間の自然換気を行う、
    自然換気システム。
  2. 前記ボイド連通口を、前記連通空間の天井パネルの近傍の位置に形成した、
    請求項1に記載の自然換気システム。
  3. 前記屋外ボイドには、開口として、前記ボイド連通口と前記排気口のみを設けた、
    請求項1又は2に記載の自然換気システム。
  4. 前記床連通口を略被覆することによって、前記外部空間に存在する汚染物質が前記床連通口を介して前記換気対象空間へと侵入することを防止する被覆材を備え
    前記被覆材を、前記複数の換気対象空間の床パネルの上面に設置した、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の自然換気システム。
  5. 前記床内給気口を、水平面上のいずれの方位からも前記外部空間から空気を取り入れ可能に形成した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の自然換気システム。
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