以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの主要な構成を示す図である。
図1に示すように、照明ランプ100は、光源1、グローブ2、筐体部3、口金部4、および点灯回路5を有する。
実施の形態1において、光源1は、発光手段である発光ダイオード(Light Emitting Diode。以下、LED)10と、LED10が実装されるLED基板11とを備えている。光源1の構成要素には、LED10とLED基板11のほか、点灯回路5と電気的に接続され駆動電力を点灯回路5から光源1に伝達するワイヤーハーネスやコネクタなどの配線部材(図示せず)、および照明ランプ100の設計仕様に応じて必要となる電子部品などが含まれる。LED基板11は、ねじ止めのための第1貫通孔110および第2貫通孔111と、ワイヤーハーネス等を通すための第3貫通孔112を有する。
グローブ2は、例えばガラスや樹脂などの光源1から出射される光が透過する素材(透光性を有する素材)で構成され、光源1の光の出射側を覆うように配設されている。グローブ2を構成する樹脂としては、例えばポリカーボネートやアクリルなどが製品仕様に応じて選択される。グローブ2は、図1の例では、外形が曲面形状である。グローブ2は、透光性を有し光源1から出射される光を透過させるとともに、照明ランプ100の仕様に応じて、光を拡散、集光、反射させる機能を併せ持つ。これらの機能は、グローブ2の基材であるガラスまたは樹脂を成形する際に拡散層(あるいは面)、レンズ、反射層(あるいは面)などを形成して基材自身で直接的に実現してもよいし、基材の表面にそれらの機能を実現する別部材を組み合わせて構成してもよい。
筐体部3は、内部に点灯回路5を収納する樹脂筐体30と、樹脂筐体30の外側に取り付けられる金属筐体31とを備える。樹脂筐体30は、プラスチックなどの合成樹脂素材やセラミックなどを用いて形成される。樹脂筐体30は、点灯回路5を内包する内部空間を有するとともに、光源側と口金部側に開口部が形成される。内部空間は内径が大きい光源側の第1内部空間と、第1内部空間の内径よりその内径が小さい口金側の第2内部空間と、その間に位置して前記2つの空間を連接する錐状の第3内部空間から構成され、開口径の大きい光源側開口部から点灯回路5が挿入される。第3内部空間を形成する樹脂筐体の一部が錐状部307である。
なお、樹脂筐体30の内部には、光源側の開口部に第1ボス303と第2ボス304を設けてLED基板11と金属筐体31をねじ止め可能とするとともに、第1ボス303と第2ボス304のそれぞれを口金部側に延伸して第1リブ301と第2リブ302を形成し、樹脂筐体30を補強する。また、点灯回路5は、点灯回路基板500の長辺縁部(少なくとも一部)を、第1ボス303および第2ボス304、あるいは、第1リブ301および第2リブ302に当接させて樹脂筐体30内に支持される。なお、金属筐体31は、ねじ止め用の第1貫通孔310および第2貫通孔311、並びに点灯回路5と光源1とを接続するワイヤーハーネス等を通す第3貫通孔312を有する。
口金部4は、樹脂筐体30と嵌合するとともに点灯回路5への第1給電線(図示せず)を接続する挟持部40と、点灯回路5への第2給電線(図示せず)を接続する中心電極41を有する。口金部4は照明装置150(例えば、図13を参照)のソケット160に螺合する構造を有しており、照明装置150経由で商用電力を照明ランプ100に入力する入力端である。
点灯回路5は点灯回路基板500を有し、その点灯回路基板上に商用電力である交流からLED10を駆動する直流に変換するAC−DCコンバータ回路を備え、口金部4から入力された商用電力を、光源1の駆動電力に変換して供給する。好ましくは、点灯回路5は、LED10を安定駆動するために、負荷変動の検出機能、負荷変動に応じてAC−DCコンバータ回路から出力される駆動電流を制御する制御機能、商用電力の供給経路を介して流入および/または流出するノイズを除去または低減するフィルタ機能などをさらに有する。点灯回路基板500は、樹脂筐体30の内部空間の形状に対応して、幅広部と幅狭部とその間に位置するテーパー部501を有する。
なお、図1の例では、点灯回路基板500の一方の面にのみ部品を実装しており、点灯回路基板500を樹脂筐体30に挿入し、その点灯回路基板500の部品実装面の長辺縁部を第1ボス303および第2ボス304、あるいは、第1リブ301および第2リブ302に当接させている。樹脂筐体30を縦置きにした状態で点灯回路5を挿入すると、点灯回路5の重心が点灯回路基板500より第1ボス303、第2ボス304等の側に位置するので、点灯回路基板500を第1ボス303および第2ボス304、あるいは第1リブ301および第2リブ302に押し付ける方向に力が働き、点灯回路基板500を一定の位置に位置決めしやすくなる。
本実施の形態に係る照明ランプの組み立てについては、点灯回路5を樹脂筐体30に挿入後、口金部4を樹脂筐体30に嵌合し、点灯回路5を口金部4と第1給電線(図示せず)および第2給電線(図示せず)で接続して点灯回路基板500を固定する。なお、点灯回路5の機械的固定(樹脂筐体内でのガタツキ防止)や点灯回路5の放熱促進などを目的として、樹脂筐体30内に(図示しない)熱伝導性の充填部材などを充填しても良い。
その後、LED基板11と金属筐体31は樹脂筐体30の第1ボス303及び第2ボス304に連通する開孔を有し、LED基板11及び金属筐体31は開孔を貫通して第1ボス303あるいは第2ボス304にねじ込むネジにより、樹脂筐体30に固定する。そして、発光手段であるLED10が実装されるLED基板11を覆うように金属筐体31にグローブ2が取り付けられる。樹脂筐体30および金属筐体31を有する筐体部3とグローブ2とが組み合わさると、これらは全体として電球形の外形をなす。
次に、点灯回路5を内包支持する構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る照明ランプの点灯回路ユニット200の主要な構成、特に点灯回路5を構成する点灯回路基板500と、その点灯回路基板500を内部に保持する内部空間を形成する樹脂筐体30の形状を示す図であり、図2(a)は正面断面図、図2(b)は側面断面図、図2(c)は第1内径を有する第1内部空間の位置Aにおける断面図、図2(d)は第2内径を有する第2内部空間の位置Bにおける断面図である。
図2(a)〜(d)に示すように、本実施の形態に係る照明ランプの樹脂筐体30の内部は筒状であり、その内部空間内に点灯回路基板500が内包される。樹脂筐体30は、点灯回路基板500を内部に保持する内部空間を形成するが、その内部空間は、第1内径を有する第一内部空間321と、第1内径より小さい第2内径を有する第2内部空間322と、該第1内部空間と該第2内部空間とを連接する錐状の第3内部空間323(樹脂筐体の錐状部307の内部空間)と、からなる。その第1内部空間321の部分は金属筐体31の内側に位置する樹脂筐体内部に形成し、第2内部空間322は口金部4の内側に位置する樹脂筐体内部に形成する。なお、LED基板11や金属筐体31の樹脂筐体30への取付けや樹脂筐体30の補強のため、樹脂筐体30の内部空間内面に、第1ボス303、第2ボス304、第1リブ301、第2リブ302を形成する。
電子部品等を実装して点灯回路5を構成する点灯回路基板500は、樹脂筐体30の光源1側の開口から挿入され、樹脂筐体30内に内包される。点灯回路基板500は、樹脂筐体30の光源1側開口寸法(第1内径)に対応する樹脂筐体30の内面に略平行な外形(以下、幅広部と記す)と、樹脂筐体30の口金部側の開口寸法(第2内径)に対応する樹脂筐体30内面に略平行な外形(以下、幅狭部と記す)と、その間を接続するテーパー部501とで構成される。
図2(a)(b)に示すように、点灯回路基板500のテーパー部501の端面の幅広部側端の2か所が樹脂筐体30の錐状部307の内面に当接し、その当接部309で点灯回路5を支持する。これらの図においてWは点灯回路全体の重心を示し、510の矢印は点灯回路全体に働く重力を示し、511aと511bの矢印は当接部309で筐体部3から点灯回路基板500が受ける抗力、512は第1ボス303および第2ボス304、あるいは、第1リブ301および第2リブ302から点灯回路基板が受ける抗力である。各図において、点灯回路5に働く重力510と、樹脂筐体30の錐状部307との当接部309の2か所で点灯回路基板11が受ける抗力511a・511bと、第1ボス303および第2ボス304、あるいは第1リブ301および第2リブ302から点灯回路基板500が受ける抗力512は、全体として均衡する。なお、図2(b)に示すように、点灯回路基板500に配置される回路部品等は、第1リブ301、第2リブ302等に当接する側に配置しており、点灯回路基板500を樹脂筐体30に挿入して縦置きにした状態で、点灯回路基板500よりリブ側に点灯回路5の重心Wが来るようにして点灯回路基板500が第1リブ301、第2リブ302に沿うようにしている。この構成によって、点灯回路基板500の内包位置が定まる。
図3は、実施の形態1に係る照明ランプの点灯回路基板500の樹脂筐体30への挿入を説明する図であり、図3(a)は樹脂筐体30の開口部に点灯回路基板500の幅狭部を挿入した状態、図3(b)は樹脂筐体30に点灯回路基板500の幅広部を挿入している状態、図3(c)は樹脂筐体30の錐状部307の内面に点灯回路基板500の一部が当接した状態、図3(d)は点灯回路基板500が樹脂筐体30の錐状部307の内面にテーパー部501の2か所で当接して保持された状態を示す図である。
図3(a)〜(d)に示すように、本実施の形態に係る照明ランプの樹脂筐体30と点灯回路5の組み立ては、樹脂筐体30の広い開口部へ点灯回路基板500の幅狭部側から挿入する。広い開口部にその開口径に近い幅広部側ではなく、開口径よりかなり小さい幅狭部側から挿入するので、容易に挿入開始できる。また、挿入時に樹脂筐体30の開口部の縁に点灯回路基板500のテーパー部501が当接した場合には、挿入しようとする力とテーパー部501に樹脂筐体30の縁から加わる抗力513により点灯回路基板500は樹脂筐体30の中心方向へ押しやられ、樹脂筐体30の中心方向に誘導されながら挿入することができる(図3(a))。テーパー部501と開口部縁が当接しなくなれば、点灯回路基板500の幅広部が挿入可能となる(図3(b))。その後、錐状部307の内面と幅狭部端が当接(図示なし)、または錐状部307の内面と一方のテーパー部501の端面の幅広部側端が当接すれば、錐状部307の内面から点灯回路基板500に加わる抗力511により点灯回路基板500は樹脂筐体30の中心方向へ押しやられ、両方のテーパー部501の端面の幅広部側端が錐状部307の内面に当接して、点灯回路基板500の位置が定まる(図3(c))。この状態(図3(d))では、点灯回路5に作用する重力510と、点灯回路基板500が錐状部307の内面との2つの当接部309から受ける抗力511a・511bとが釣り合っている。
以上のように、樹脂筐体30の広い開口部に点灯回路5を点灯回路基板500の幅狭部から挿入するので、挿入開始が行い易く、その後、点灯回路基板500のテーパー部501や樹脂筐体30の錐状部307の内面により点灯回路基板500が樹脂筐体30の内部空間の中心軸方向に誘導されるので、点灯回路基板30の挿入・組み立て作業が行い易い。
図4は、実施の形態1の点灯回路基板500を樹脂筐体30に内包する条件を説明する図であり、図4(a)は点灯回路基板500を真っ直ぐ挿入し、樹脂筐体30の錐状部307の内面にテーパー部501の2つの端面の幅広部側端が当接した状態、図4(b)は樹脂筐体30の錐状部307の内面にテーパー部501の2つの端面の幅広部側端が当接しているのに加え、第一内部空間の内面に幅広部端面の一部が当接、あるいは、第二内部空間の内面に幅狭部端面の一部が当接した状態を示す図である。
図4(a)においては樹脂筐体30の中心軸Oと点灯回路基板500の中心軸O’は重なっている。D1とD2は樹脂筐体30の中心軸Oから光源側開口部の左端までの寸法と右端までの寸法、D3とD4は点灯回路基板500の中心軸O’から幅広部の左端面までの寸法と右端面までの寸法、D5とD6は樹脂筐体30の中心軸Oから口金側開口部の左端までの寸法と右端までの寸法、D7とD8は点灯回路基板500の中心軸O’から幅狭部の左端面までの寸法と右端面までの寸法である。O軸(中心軸)方向については、当接部309を基準として、L3は樹脂筐体30の光源側開口部までの寸法、L4は口金側開口部までの寸法、L1は点灯回路基板500の幅広部先端までの寸法、L2は幅狭部先端までの寸法である。また、θ1は点灯回路基板500のテーパー部501の延長線と中心軸とが交差する角度であり、θ2は樹脂筐体30の錐状部307の母線(延長線)と中心軸が交差する角度である。以下に上記各寸法の関係を式で示す。
D7<D5<D3<D1、D8<D6<D4<D2 ・・・(1)
L1<L3、L2<L4 ・・・(2)
θ1>θ2 ・・・(3)
上記関係を有することにより、図4(a)の状態では点灯回路基板500のテーパー部501の端面の幅広部側端が内部空間の錐状部307の内面に当接するとともに、点灯回路基板500が樹脂筐体30に内包される。なお、樹脂筐体30において、D1とD2は光源側開口部の開口半径、D5とD6は口金部側開口部の開口半径であり、点灯回路基板500において、D3とD4は幅広部の基板幅の1/2、D7とD8は幅狭部の基板幅の1/2であるので、上記(1)は下記(1)’の関係となる。
D1=D2=第1内径/2
D5=D6=第2内径/2
D3=D4=幅広部基板幅/2
D7=D8=幅狭部基板幅/2
D7(=D8)<D5(=D6)<D3(=D4)<D1(=D2)・・・(1)’
図4(b)は、点灯回路基板500の樹脂筐体30への挿入状態に最大限の歪みが生じた状態を示している。点灯回路基板500のテーパー部501の端面の幅広部側端の2か所が樹脂筐体30の錐状部307の内面に当接し、かつ、幅広部先端端面片側あるいは幅狭部先端端面片側が第1内部空間の内面あるいは第2内部空間の内面に当接している状態である。図において、口金部側に近い当接部309aを基準として、点灯回路基板500においてL1aは当該当接部309aから点灯回路基板500の上端までの寸法、L2aは点灯回路基板500の下端までの寸法、樹脂筐体30においてL3aは当該当接部309aから光源側開口部までの寸法、L4aは口金部側開口部までの寸法である。また、θ3は樹脂筐体30の中心軸Oと点灯回路基板500の中心軸O’との角度、θ1aは点灯回路基板500のテーパー部501の延長線と樹脂筐体30の中心軸Oとが交差する角度であり、
θ1a=θ1−θ3
の関係を有する。なお、本実施の形態に係る照明ランプは、図4(b)の状態においても上記のL1a、L2a、L3a、L4a、θ1a、θ2は下記に示す(4)、(5)の関係を満たし、点灯回路基板500のテーパー部501の端面の幅広部側端が樹脂筐体30の錐状部307の内面に当接して、点灯回路基板500は内部空間内に収容され、その外側にはみ出すことがない寸法を有する。
L1a<L3a、L2a<L4a・・・(4)
θ2<θ1a=θ1−θ3 ・・・(5)
また、(5)の関係から、点灯回路基板500を樹脂筐体30に挿入した際に生じうる傾きθ3が、θ1-θ2未満であるような樹脂筐体30の内部空間と点灯回路基板500の寸法関係を有する。
θ3<θ1-θ2 ・・・(5)’
本実施の形態では、上記のような樹脂筐体30と点灯回路基板500の寸法関係を有することにより、樹脂筐体内に点灯回路4を内包することができる。樹脂筐体内に内包した点灯回路4の保持及び冷却を進めるため、内部空間内に充填部材を充填する場合には、点灯回路基板500を樹脂筐体30に収容し、口金部4を樹脂筐体30に取り付け、第1給電線および第2給電線を挟持部40および中心電極41に接続した後に光源側開口部から注入する。その際、点灯回路基板500の一方の面側からのみ充填部材を注入しても、点灯回路基板500の幅狭部やテーパー部501と口金部4や樹脂筐体30の錐状部307との隙間を設けたので、他方の面側に充填部材が移動しやすく、充填部材の注入全体量のみを管理すればよい。本実施の形態に係る照明ランプの樹脂筐体30および点灯回路5においては、点灯回路基板500の部品が実装されていない方の基板面側から充填剤を注入する。点灯回路基板500は注入された充填剤の圧力により第1ボス303、第2ボス304、第1リブ301、第2リブ302から成る点灯回路保持部に押し付けられ、樹脂筐体内において点灯回路基板500は、所定の位置に保持される。なお、充填部材には、窒化ホウ素や窒化アルミ、アルミナ等の高熱伝導性かつ電気絶縁タイプのフィラーを添加する等した熱伝導性と絶縁性の両方の性質を有する材料で構成されたものを用いるとよい。
充填部材は点灯回路基板500に実装された点灯回路5の部品の周囲を埋め、AC−DCコンバータ等の点灯回路で発生した熱を充填部材から樹脂筐体30や金属筐体31を経由して、照明ランプの外側に伝達する。すなわち、点灯回路5に接触する充填部材を設けることで、点灯回路5の冷却を促進することができる。
(実施の形態1の効果)
実施の形態1に係る照明ランプによれば、筐体部3に点灯回路5を内包する内部空間を設け、その内部空間を、第1内径を有する第1内部空間321と、前記第1内径より小さい第2内径を有する第2内部空間322と、該第1内部空間と該第2内部空間とを連接する錐状の第3内部空間323と、から構成するとともに保持溝を有しない形状とし、前記点灯回路5が有する点灯回路基板500を、第1内径より狭く第2内径より広い第1基板幅を有する幅広部と、第2内径より狭い第2基板幅を有する幅狭部と、該幅広部と該幅狭部との間に位置するテーパー部501とからなる形状として前記内部空間内に筐体部3の軸方向に沿って配設するようにした。そのため、点灯回路基板500の面積を口金部4の内側まで広くとることができ、かつ、筐体部3や点灯回路基板500の形状を簡易な形状とすることができるので、生産しやすく、不良率を下げることができる。
また、照明ランプの組み立てにおいて、筐体部3に点灯回路5を挿入する際に、保持溝に合わせて点灯回路基板500を挿入する必要がなく、広い筐体開口部に基板の幅狭部から挿入を開始し、筐体内部空間の錐状部307および点灯回路基板500のテーパー部501により筐体内部空間の中心軸方向へ点灯回路基板500が誘導されて略一定の位置に保持することができるので、組み立てが容易となる。
特に、点灯回路基板500の一方の面に当接して支える基板受けを有し、点灯回路部品50を基板受け側に配置した場合には、点灯回路5の重心が点灯回路基板500より基板受け側に位置し、点灯回路基板500が筐体内部空間の錐状部307の内面および基板受けで支持されるので、安定して所定の位置に保持されやすくなる。
また、本実施の形態に係る照明ランプの筐体部3では、光源1のLED基板11や金属筐体31を樹脂筐体30に固定するボス303・304や、樹脂筐体30を補強するリブ301・302を基板受けとしているので、追加の形状を付加する必要がなく、製造コストを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る照明ランプの筐体部3では、点灯回路5の周囲に熱伝導性の充填部材を注入し、固化させることにより、照明ランプの筐体部3の狭い空間内に配設した点灯回路5から生じる熱を、効率的に外部に放出することができるとともに、点灯回路5を筐体内に安定して保持することができる。
また、本実施の形態に係る照明ランプでは、筐体部3の第3内部空間および第2内部空間の内面および口金部4と、点灯回路基板500のテーパー部端面および幅狭部端面との間に、隙間を有するので、点灯回路5の周囲に充填部材を注入する際に筐体内部空間において点灯回路基板500の一方の基板面側から反対の基板面側に容易に浸入するので、充填部材を点灯回路基板500の部品面側、非部品面側に注入する充填部材の量を個別に管理する必要がなく、全体量を管理すればよいので、充填処理が容易となる。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る照明ランプの点灯回路ユニット200aの主要な構成を示す図であり、特に点灯回路5を構成する点灯回路基板500aと、その点灯回路基板500aを内部に保持する内部空間を形成する樹脂筐体30の形状を示す正面断面図である。以下、図に基づいて本実施の形態において、樹脂筐体30が点灯回路5を内包支持する構成について説明する。
実施の形態2に係る照明ランプの樹脂筐体30は、実施の形態1に係る照明ランプの樹脂筐体30と同様の形状を有し、その内部も筒状であり、その内部空間内に点灯回路基板500aが内包される。本実施の形態における点灯回路基板500aも樹脂筐体30の光源側開口寸法(第1内径)に対応する樹脂筐体30の内面に略平行な外形(以下、幅広部と記す)と、樹脂筐体30の口金部側の開口寸法(第2内径)に対応する樹脂筐体30の内面に略平行な外形(以下、幅狭部と記す)と、その間を接続するテーパー部501aとで構成され、電子部品等を実装して樹脂筐体30の光源1側の開口から挿入されて樹脂筐体30内に内包される。その際、実施の形態1に係る照明ランプでは、点灯回路基板500のテーパー部501の端面の幅広部側端の2か所が樹脂筐体30の内部空間の錐状部307の内面に当接していたが、本実施の形態では樹脂筐体30の内部空間の錐状部307の内面内側端の2か所に点灯回路基板500aのテーパー部501aの端面の一部を当接させ、その当接部309bで点灯回路5を支持する。
図6は、実施の形態2に係る照明ランプの点灯回路基板500aの樹脂筐体30への挿入を説明する図であり、図6(a)は樹脂筐体30の開口部に点灯回路基板500aの幅狭部を挿入した状態、図6(b)は樹脂筐体30に点灯回路基板500aの幅広部を挿入している状態、図6(c)は樹脂筐体30の錐状部307の内面内側端に点灯回路基板500aのテーパー部501aの端面の一部が当接した状態、図6(d)は点灯回路基板500aが樹脂筐体30の錐状部307の内面にテーパー部501aの2か所で当接して保持された状態を示す図である。
図6(a)〜(d)に示すように、本実施の形態に係る照明ランプの樹脂筐体30と点灯回路基板500aの組み立てにおいても、樹脂筐体30の広い光源側開口部に点灯回路5を点灯回路基板500aの幅狭部側から挿入する。広い開口部にその開口径よりかなり小さい幅狭部側から挿入するので、容易に挿入開始でき、また、挿入時に樹脂筐体開口部の縁に点灯回路基板500aのテーパー部501aが当接した場合には、挿入しようとする力とテーパー部501aに樹脂筐体30の縁から加わる抗力513aにより点灯回路基板500aは樹脂筐体30の中心方向へ押しやられ、樹脂筐体30の中心方向に誘導されながら挿入することができる(図6(a))。テーパー部501aと開口部縁が当接しなくなれば、点灯回路基板500aの幅広部が挿入可能となる(図6(b))。その後、錐状部307の内面と幅狭部端が当接し(図示なし)、または錐状部307の内面内側端と一方のテーパー部501aの端面の一部が当接すれば、錐状部307の内面から点灯回路基板500aに加わる抗力511cにより点灯回路基板500aは樹脂筐体30の中心方向へ押しやられ(図6(c))、錐状部307の内面内側端の2か所と点灯回路基板500aのテーパー部501aの端面の2か所が当接する状態となると、点灯回路5に作用する重力510aと、点灯回路基板500aが樹脂筐体30の錐状部307の内面内側端との2つの当接部309bから受ける抗力511d・511eとが釣り合い、点灯回路基板500aの位置が定まる(図6(d))。
以上のように、本実施の形態においても、樹脂筐体30の広い開口部に点灯回路5を点灯回路基板500aの幅狭部から挿入するので、挿入を開始し易く、その後、点灯回路基板500aのテーパー部501aや樹脂筐体30の錐状部307により点灯回路基板500aが筐体内部空間の中心軸方向に誘導されるので、点灯回路5の筐体部3への挿入・組み立ての作業が行い易い。
図7は、実施の形態2の点灯回路基板500aを樹脂筐体30に内包する条件を説明する図であり、(a)は点灯回路基板500aを真っ直ぐ挿入し、樹脂筐体30の内部空間の錐状部307の2か所の内面内側端にテーパー部501aの端面の2か所が当接した状態、(b)は錐状部307の内面内側端にテーパー部501aの端面の2か所が当接しているのに加え、第一内部空間の内面に幅広部端面の一部が当接し、あるいは、第二内部空間の内面に幅狭部端面の一部が当接した状態である。
図7(a)においては樹脂筐体30の中心軸Oと点灯回路基板500aの中心軸O’は重なっている。D1〜D8については実施の形態1の同様であり、説明を省略する。O軸(中心軸)方向については、当接部309bを基準として、L3bは樹脂筐体30の光源側開口部までの寸法、L4bは口金側開口部までの寸法、L1bは点灯回路基板500aの幅広部先端までの寸法、L2bは幅狭部先端までの寸法である。また、θ4は点灯回路基板500aのテーパー部501aの延長線と中心軸Oとが交差する角度であり、θ2は樹脂筐体30の錐状部307の母線(延長線)と中心軸Oが交差する角度である。なお、本実施の形態における当接部309bは、樹脂筐体30の錐状部307の内面内端に位置する。以下に上記各寸法の関係を式で示す。
D7<D5<D3<D1、D8<D6<D4<D2 ・・・(1)
L1b<L3b、L2b<L4b ・・・(6)
θ2>θ4 ・・・(7)
上記関係を有することにより、図7(a)の状態では樹脂筐体30の内部空間の錐状部307の内面内端に点灯回路基板500aのテーパー部端面が当接した状態で、点灯回路基板500aが樹脂筐体30に内包される。
図7(b)は、点灯回路基板500aの樹脂筐体挿入状態に最大限の歪みが生じた状態を示している。樹脂筐体30の内部空間の錐状部307の内面内端に点灯回路基板500aのテーパー部端面が当接し、幅広部先端片側あるいは幅狭部先端端部が第1内部空間の内面あるいは第2内部空間の内面に当接している状態である。なお、図7(b)においても、点灯回路基板500aのテーパー部端面と樹脂筐体30の錐状部内面との当接部309bは錐状部307の内面内端に位置するので、その当接部309bから光源側開口部までの寸法L3b、口金部側開口部までの寸法L4bは図7(a)の状態と同じである。点灯回路基板500aについては、その当接部309bから点灯回路基板上端までの寸法L1c、および点灯回路基板の下端までの寸法L2cは、図7(a)の状態における寸法L1b、L2bより長くなる。また、θ5は樹脂筐体の中心軸Oと点灯回路基板の中心軸O’との角度、θ4aは点灯回路基板のテーパー部501の延長線と樹脂筐体の中心軸Oとが交差する角度であり、
θ4a=θ4+θ5
の関係を有する。なお、本実施の形態に係る照明ランプは、図4(b)の状態においても上記のL1a、L2a、L3a、L4a、θ1a、θ2は下記に示す(8)、(9)の関係を満たし、点灯回路基板500aのテーパー部501aの端面の幅広部側端が樹脂筐体30の錐状部307の内面に当接して、点灯回路基板500aは内部空間内に収容され、その外側にはみ出すことがない寸法を有する。
L1c<L3b、L2c<L4b・・・(8)
θ2>θ4a=θ4+θ5 ・・・(9)
また、点灯回路基板500aを樹脂筐体30に挿入した際に生じうる傾きθ5が、θ2-θ4未満であるような樹脂筐体30の内部空間と点灯回路基板500aの寸法関係を有する。
∴ θ5<θ2-θ4 ・・・(9)’
なお、本実施の形態においても、点灯回路基板に実装する点灯回路部品は基板面の一方にのみ配置し、金属筐体31やLED基板をねじ止めするボス303・304や、樹脂筐体30を補強するリブ301・302を兼ねた点灯回路基板受けに当接している。
また、樹脂筐体30の内部空間内に熱伝導性と絶縁性を有する充填部材を充填し、固形化させることにより、点灯回路基板500aを安定して保持することができるとともに、AC−DCコンバータ等の点灯回路5の発熱を充填部材から樹脂筐体30や金属筐体31を経由して、照明ランプの外側に効率よく放出することができる。
次いで、上記実施の形態1および実施の形態2に係る照明ランプにおいて、同一の樹脂筐体30に対する点灯回路基板の形状の比較を、図8に示す。図8(a)は樹脂筐体30内に実施の形態1に係る点灯回路基板を挿入した場合と、実施の形態2に係る点灯回路基板を挿入した場合を比較する図であり、同(b)は実施の形態1に係る照明ランプに対する点灯回路基板500の形状を示す図であり、(c)は実施の形態2に係る照明ランプの点灯回路基板500aの形状を示す図である。実施の形態1に係る照明ランプの点灯回路基板500の形状は、幅広部を長く確保することができる。一方、実施の形態2に係る照明ランプの点灯回路基板500aの形状は、幅狭部を短くすることができる。点灯回路5を構成する回路パターンや実装する部品の配置等に応じて、点灯回路基板の幅広部を長く確保したい場合には実施の形態1に示したテーパー部501の端面の幅広部側端が樹脂筐体30の錐状部307の内面に当接する形状を使用し、点灯回路基板の幅狭部を短くしたい場合には実施の形態2に示したテーパー部端面の一部が樹脂筐体30の錐状部307の内面内端と当接する形状を使用する等、実施の形態1あるいは実施の形態2の点灯回路基板の形状を選択すればよい。
(実施の形態2の効果)
実施の形態2に係る照明ランプによっても、実施の形態1に係る照明ランプと同様に、筐体部3に点灯回路5を内包する内部空間を設け、その内部空間を、第1内径を有する第1内部空間321と、前記第1内径より小さい第2内径を有する第2内部空間322と、該第1内部空間と該第2内部空間とを連接する錐状の第3内部空間323と、から構成するとともに保持溝を有しない形状とし、前記点灯回路5が有する点灯回路基板500aを、第1内径より狭く第2内径より広い第1基板幅を有する幅広部と、第2内径より狭い第2基板幅を有する幅狭部と、該幅広部と該幅狭部との間に位置するテーパー部501aとからなる形状として前記内部空間内に筐体部3の軸方向に沿って配設するようにした。そのため、点灯回路基板500aの面積を口金部4の内側まで広くとることができ、かつ、筐体部3や点灯回路基板500aの形状を簡易な形状とすることができるので、生産しやすく、不良率を下げることができる。
また、照明ランプの組み立てにおいて、筐体部3に点灯回路5を挿入する際に、保持溝に合わせて点灯回路基板500aを挿入する必要がなく、広い筐体開口部に基板の幅狭部から挿入を開始し、筐体内部空間の錐状部307および点灯回路基板500aのテーパー部501aにより筐体内部空間の中心軸方向へ点灯回路基板500aが誘導されて略一定の位置に保持することができるので、組み立てが容易となる。特に、本実施の形態に係る点灯回路基板500aは、実施の形態1に係る点灯回路基板500よりテーパー部501aが樹脂筐体30の内面に当接する角度が小さく、よりスムースに樹脂筐体の中心へ誘導される。
また、点灯回路基板500aの一方の面に当接して支える基板受けを有し、点灯回路部品50を基板受け側に配置した場合には、点灯回路5の重心が点灯回路基板500aより基板受け側に位置し、点灯回路基板500aが筐体内部空間の錐状部307の内面および基板受けで支持されるので、安定して所定の位置に保持されやすくなる。
また、本実施の形態に係る照明ランプの筐体部3では、光源1のLED基板11や金属筐体31を樹脂筐体30に固定するボス303・304や、樹脂筐体30を補強するリブ301・302を基板受けとしているので、追加の形状を付加する必要がなく、製造コストを抑制することができる。
また、本実施の形態に係る照明ランプの筐体部3では、点灯回路5の周囲に熱伝導性の充填部材を注入し、固化させることにより、照明ランプの筐体部3の狭い空間内に配設した点灯回路5から生じる熱を、効率的に外部に放出することができるとともに、点灯回路5を筐体内に安定して保持することができる。
また、本実施の形態に係る照明ランプでは、筐体部3の第3内部空間および第2内部空間の内面および口金部4と、点灯回路基板500aのテーパー部端面および幅狭部端面との間に、隙間を有するので、点灯回路5の周囲に充填部材を注入する際に筐体内部空間において点灯回路基板500aの一方の基板面側から反対の基板面側に容易に浸入するので、充填部材を点灯回路基板500aの部品面側、非部品面側に注入する充填部材の量を個別に管理する必要がなく、全体量を管理すればよいので、充填処理が容易となる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る照明ランプの主要な構成を示す図であり、図10は、本実施の形態に係る照明ランプの点灯回路ユニットと口金部4との関係を説明する図である。
図に示すように、照明ランプ100は、光源1、グローブ2、筐体部3、口金部4、および点灯回路5を有する。なお、本実施の形態においても、筐体部は樹脂筐体と金属筐体とから構成され、樹脂筐体は実施の形態1に係る照明ランプと同様の形状で、その内部空間は、第1内径を有する第一内部空間と、第1内径より小さい第2内径を有する第2内部空間と、該第1内部空間と該第2内部空間とを連接する錐状の第3内部空間と、からなり、金属筐体31や光源1を螺子止めするためのボスや、樹脂筐体30を補強するリブを有する。また、点灯回路基板500bも、樹脂筐体30の光源1側開口寸法に対応した幅広部と、樹脂筐体30の口金部側の開口寸法に対応した幅狭部と、その間を接続するテーパー部501とで構成されている。
点灯回路5を構成する点灯回路部品50には、その一端のリード線が口金部4の挟持部40で半田付け等されて第1給電線80となるヒューズ502や、その一端のリード線が口金部4の中心電極41に半田付けされて第2給電線81となる抵抗503を含む。ソケット160から供給される交流電力はこれらのヒューズ502や抵抗503を介して点灯回路へ入力される。抵抗503は、商用電力に混在するノイズが照明ランプに入力することを阻止または軽減し、これによって照明ランプ100の動作が安定する。ヒューズ502は、商用電力が異常な電圧となった場合や照明ランプ100の内部に過大な電流が発生した場合に溶断し、照明ランプ100や照明装置を保護する。
本実施の形態に係る照明ランプの組み立てにおいて、点灯回路5を樹脂筐体30に挿入し、その点灯回路基板500bの一方の基板面を樹脂筐体のボスあるいはリブに当接させる。本実施の形態に係る照明ランプの点灯回路5は、回路部品50が点灯回路基板500bの両面に配置されるが、その重心は点灯回路基板500bより樹脂筐体30のボスあるいはリブに当接する側にずれているので、点灯回路基板500bはボスあるいはリブに沿うようにして位置が定まる。次いで、口金部4を樹脂筐体30に嵌合した後、点灯回路5のヒューズ502および抵抗503のリード線を、口金部4の挟持部40および中心電極41に半田付け等することにより、点灯回路基板500bを樹脂筐体30に固定する。回路部品であるヒューズ502および抵抗503のリード線を給電線80・81として使用することにより、別途、給電線を点灯回路基板500bに半田付けする必要がなくなり、部品点数や組立工数を削減することができる。また、ヒューズ502および抵抗503のリード線は、適度な剛性を有し、点灯回路基板500bを樹脂筐体30に略固定することができる。次いで、点灯回路5の機械的固定や点灯回路5の放熱促進などを目的として、樹脂筐体内に熱伝導性の充填部材(充填剤)を充填する。次いで、点灯回路基板500bから光源1を構成するLED基板11に駆動信号線を接続し(図示なし)、金属筐体31を樹脂筐体30の第1ボス303および第2ボスにねじ止めした後、グローブ2を筐体部3に取り付けて、照明ランプを完成させる。
本実施の形態に係る照明ランプの点灯回路については、点灯回路基板500bの両面に点灯回路部品50を配置しているが、その重心は点灯回路基板500bより樹脂筐体30のボスあるいはリブに当接する側にずれているので、点灯回路基板500bを樹脂筐体30に上方から挿入したとき、ボスあるいはリブに当接し、沿うようにしてその位置が定まり、点灯回路5は樹脂筐体内に容易に内包することができる。
なお、上記実施の形態では、樹脂筐体30の内部空間に点灯回路基板500bの一方の面の縁部に当接する基板受け(第1ボス303および第2ボス、あるいは第1リブ301および第2リブ)を備えたものを示したが、樹脂筐体30の内部空間に基板受けを備えず、その内部空間の内面に点灯回路基板500bのテーパー部端面や点灯回路基板500bに実装された点灯回路部品50が当接して、樹脂筐体30の内部空間内に点灯回路5が内包される構成としてもよい。
以上のように、樹脂筐体の広い開口部に点灯回路基板500bの幅狭部から挿入するので、挿入開始が行い易く、その後、点灯回路基板500bのテーパー部501や筐体内部空間の錐状部307により点灯回路基板500bが筐体内部空間の中心軸方向に誘導されるので、点灯回路基板500bの挿入・組み立て作業が行い易い。
なお、上記実施の形態1〜3では、樹脂筐体30の第1内部空間の内径および点灯回路基板500の幅広部の基板幅、並びに、樹脂筐体30の第2内部空間の内径および点灯回路基板500の幅狭部の基板幅は、それぞれ一定の値の例を示したが、図11に示すように、それぞれ筐体3の軸方向に変化するものであってもよく、また、筐体3の第1内部空間の内径および点灯回路基板500の幅広部の基板幅、あるいは、筐体3の第2内部空間の内径および点灯回路基板500の幅狭部の基板幅の何れか一方のみが変化するものであってもよい。但し、軸方向の筐体内部空間の内径の変化率、および、点灯回路基板500の基板幅の変化率は、第3内部空間およびテーパー部501が、第1内部空間および幅広部、並びに、第2内部空間および幅狭部より大きいものとする。以下に、関係を式で示す。なお、Δd1、Δd2、Δd3は第1内部空間および幅広部、第2内部空間および幅狭部、第3内部空間およびテーパー部501の軸方向の変位量であり、L11〜L16は本図における樹脂筐体30の内部空間の各位置における内径であり、L21〜L26は本図の点灯回路基板500の各位置における基板幅である。
(L11−L12)/Δd1 < (L15−L16)/Δd3 ・・・(8)
(L21−L22)/Δd1 < (L25−L26)/Δd3 ・・・(9)
(L13−L14)/Δd2 < (L15−L16)/Δd3 ・・・(10)
(L23−L24)/Δd2 < (L25−L26)/Δd3 ・・・(11)
本図では、樹脂筐体30の第1内部空間の内径および点灯回路基板500の幅広部の基板幅、並びに、筐体の第2内部空間の内径および点灯回路基板500の幅狭部の基板幅がそれぞれ筐体の軸方向に変化する例を示したが、樹脂筐体30の第1内部空間の内径および点灯回路基板500の幅広部の基板幅、あるいは、樹脂筐体30の第2内部空間の内径および点灯回路基板500の幅狭部の基板幅の何れか一方のみが変化するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、樹脂筐体30がボス等を除き、軸対称な形状のものを示したが、樹脂筐体は必ずしも軸対称な形状でなくてもよい。図12に、一部が平面となった形状の樹脂筐体30bを有する照明ランプの点灯回路ユニット200bの主要な構成を示す。図12(a)は側面断面図、図12(b)は位置Aにおける断面図、図12(c)は位置Bにおける断面図である。図12のように樹脂筐体30bの一部が平面である場合であっても、上記実施の形態に係る照明ランプと同様に、点灯回路を樹脂筐体に内包でき、同等の作用・効果を得ることができる。また、本図の点灯回路ユニット200bの形状は、樹脂筐体の内部空間を小さくして占有体積を減らしたので、照明ランプの小型化、省スペース化を図ることができる。また、樹脂筐体の内部空間を減らした部分を金属筐体部分で置き換えれば、筐体部全体の熱容量が増え、また、点灯回路で生じる熱の放熱性能を向上させることができる。
また、上記実施の形態1〜実施の形態3では、照明ランプの光源としてLEDを用いた例を示したが、光源はLEDに限定されない。例えば、照明ランプの光源として、レーザーダイオードや有機EL(Electro−Luminescence)を用いてもよいし、光を発するものであれば、これら以外のものを用いてもよい。
また、上記実施の形態1〜実施の形態3に係る照明ランプは、樹脂筐体の内部空間の内面に点灯回路基板の保持手段を兼ねるボスあるいはリブを備えたものであったが、かかるボスあるいはリブを有しないものであっても、樹脂筐体の内部空間の錐状部内面に点灯回路基板のテーパー部501の端面の一部が当接するとともに、樹脂筐体の第1内部空間または第2内部空間の内面に点灯回路基板に実装した部品が当接して樹脂筐体に点灯回路を内包して保持するように構成してもよい。さらに、樹脂筐体内の点灯回路周辺に熱伝導性を有する充填部材を注入し、固化させることにより、点灯回路の保持および放熱の改善を図ることができる。
また、上記実施の形態1〜実施の形態3で示した照明ランプは、この照明ランプ100の口金に螺合するソケット160および1つあるいは複数の照明ランプを収容する筐体と組み合わされて照明装置150を構成することができる。図13は、実施の形態1〜実施の形態3に係る照明ランプ100が適用された照明装置150の構成を示す断面図である。図13に示すように、照明装置150は、照明ランプ100を内包する器具本体170と、照明ランプ100の口金部が取付けられるソケット160と、器具本体内に設けられ照明ランプ100から照射される光を反射するリフレクタ180とを備える。図13に例示する照明装置は、天井に形成された器具取付部190である開口部に挿入され、天井側から室内を照明する照明装置である。このような天井取付け型の照明装置のほか、例えば、壁に設置される照明装置や卓上に載置される照明装置に、実施の形態1〜実施の形態3で示した照明ランプを適用することができる。