JP6385664B2 - カテーテル治療シミュレータ - Google Patents

カテーテル治療シミュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP6385664B2
JP6385664B2 JP2013204092A JP2013204092A JP6385664B2 JP 6385664 B2 JP6385664 B2 JP 6385664B2 JP 2013204092 A JP2013204092 A JP 2013204092A JP 2013204092 A JP2013204092 A JP 2013204092A JP 6385664 B2 JP6385664 B2 JP 6385664B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
channel
pseudo
channel layer
catheter treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013204092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015069054A (ja
Inventor
誠一 池田
誠一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FAIN-Biomedical Inc.
Original Assignee
FAIN-Biomedical Inc.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FAIN-Biomedical Inc. filed Critical FAIN-Biomedical Inc.
Priority to JP2013204092A priority Critical patent/JP6385664B2/ja
Publication of JP2015069054A publication Critical patent/JP2015069054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6385664B2 publication Critical patent/JP6385664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instructional Devices (AREA)

Description

本発明はカテーテル治療シミュレータに関する。
カテーテル治療シミュレーション用の疑似血管流路を有する立体モデルが提案されている(特許文献1、非特許文献1)。図13に示す立体モデル(カテーテルの挿入対象)1000は、例えば、生体組織に近い弾性を有するシリコーンエラストマーや、PVA(ポリビニルアルコール)の水性ゲルからなる薄板状のモデルとして形成され、その内部に、血管を模した疑似血管流路1001が形成されている。疑似血管流路1001は、薄板状モデル1000の一方の縁に開口1002を有し、薄板状モデル1000の上下面に対し略並行に枝分かれしながら伸びる。
疑似血管流路1001に疑似血液としての流体を流通させる場合には、薄板状モデル1000の開口1002を流入口として、そこから流体を流入させる。この例では、疑似血管流路1001の枝分かれした側の端部(開口1002と反対側の複数の開口)は図13に示すように略一直線上に並んでいる。そのため、それら全ての端部を、一の平面内において、共通の排出流路(図示せず)と容易に連絡させられる。そうすれば、流入口1002から流入した流体が枝分かれした各流路を通った後、その流体を共通の排出流路に集めて排出できる。
特開2007−17929号公報
An In Vitro Blood Vessel Model made of PVA Hydrogel for Vascular Surgery Training, Seiichi Ikeda and Toshio Fukuda, International Symposium on Micro-Nano Mechatronics and Human Science (MHS2012)
図13に示した立体モデル1000においては、疑似血管流路1001の枝分かれした側の複数の端部が略一直線上に並んでいたが、実際の生体の血管により近い配置の血管モデルを構築する場合、枝分かれした側の複数の端部が略一直線上に並ばないことが多く、その場合には、上記したように各端部を共通の排出通路に一の平面内で連絡させることが困難となる。また、上記した立体モデル1000の機能はカテーテルの挿入を可能とし、モデル内部に発生する応力を観察可能とすることであるが、更なる多機能化の余地があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、より配置自由度の高い疑似血管流路を有するカテーテル治療シミュレータを提供することにある。また、本発明の別の目的は、カテーテル治療シミュレータの多機能化を図ることにある。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
すなわち、本発明の第1の局面に係るカテーテル治療シミュレータは、
弾性材料で形成され、流体を流通させるための疑似血管流路を有する板状の疑似血管流路層と、
前記流体を排出するための排出流路を有する板状の排出流路層と、
を備えるカテーテル治療シミュレータであって、
前記疑似血管流路層と前記排出流路層とが積層され、
前記疑似血管流路層には、前記疑似血管流路から伸び、前記排出流路に接続する連絡流路が形成されている、
ことを特徴とするカテーテル治療シミュレータである。
このように規定される第1の局面のカテーテル治療シミュレータによれば、疑似血管流路の枝分かれした複数の端部が疑似血管流路層内部に分散して配置され直線的に整列しない場合であっても、例えば、各端部から連絡流路を介して、疑似血管流路層に積層された排出流路層の排出流路へと、流体を流通させ排出するように構成することが可能となる。これにより、疑似血管流路層内における疑似血管流路の配置自由度が向上する。
本発明の第2の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記疑似血管流路は生体の動脈を模した流路として形成され、前記排出流路は前記生体の静脈を模した流路として形成される。
このように、排出流路を静脈モデルとしても用いることができ、排出流路における疑似血液流体の流れにより、静脈の血流を模擬することができる。
本発明の第3の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記疑似血管流路層は、シリコーンエラストマーまたはポリビニルアルコールの水性ゲルで形成される。
シリコーンエラストマーまたはポリビニルアルコールの水性ゲルは生体組織に近い弾性を有するためカテーテルを挿入するためのモデルとして好適である。特にポリビニルアルコールの水性ゲルは高い光弾性効果を有するため、光弾性効果を用いた疑似血管流路の周壁における応力の観察を行う場合に好適である。
本発明の第4の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記排出流路層は、アクリル樹脂またはガラスにより形成されている。このようにすれば、排出流路層の機械的強度を増すことができ、積層体全体としての強度確保に貢献できる。
本発明の第5の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータは、連通路を有する板状の連通路層を更に備え、
前記疑似血管流路層の前記連絡流路と前記排出流路層の前記排出流路とが前記連通路層の前記連通路を通じて接続するように、前記疑似血管流路層と、前記連通路層と、前記排出流路層とが積層される。
このように規定される第5の局面のカテーテル治療シミュレータによれば、疑似血管流路の枝分かれした複数の端部が疑似血管流路層内部に分散して配置され直線的に整列しない場合であっても、各端部から、疑似血管流路層内の連絡流路および、疑似血管流路層に対して積層された連通路層内の連通路を介して、更に積層された排出流路層中の排出流路へと、流体を流通させ排出することができる。これにより、疑似血管流路層内における疑似血管流路の配置自由度が向上する。
本発明の第6の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、
前記疑似血管流路は、前記疑似血管流路層の積層面に沿う方向に伸長し、
前記排出流路は、前記排出流路層の積層面に沿う方向に伸長し、
前記連通路は、前記連通路層の積層面と交わる方向に伸長し、該連通路層を貫通する。
上記構成によれば、疑似血管流路は積層面に沿うため、カテーテル治療シミュレーションを実施する時に、疑似血管流路およびその内部を流通する流体を観察しやすい。連通路は、積層面と交わる方向に伸長するため、形成がしやすい。排出流路は、積層面に沿う方向に伸長するため、最終的な排出口を層の端縁付近に形成することができ、好適である。また、カテーテル治療シミュレーション実施時に、排出流路の内部を流通する流体を観察しやすい。
本発明の第7の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記連通路はオリフィスを有する。
上記構成によれば、連通路に流量調整機能を備えることができる。そのため、例えば、疑似血管流路の各枝分かれ部分を流れる流体の流量を調整して、生体中の実際の血液の流れをより正確に模した状態で、カテーテルシ手術ミュレーションを行うことが可能となる。
本発明の第8の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記連通路層には、カテーテル治療シミュレータ内の所定の物理化学的性状を計測するためのセンサが備えられる。このような構成によれば、例えば、前記疑似血管流路層と接する前記連通路層に温度センサを備えることにより、疑似血管流路層の温度や疑似血管流路内部を流れる流体の温度を把握しながら、カテーテル治療シミュレーションを行うことができる。
本発明の第9の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記連通路層は、前記疑似血管流路の複数の部分と連絡する空洞部分を有する。例えば、上記構成における疑似血管流路の複数の部分と連絡する空洞部分を病変モデル部として、カテーテル治療シミュレーションを行うことができる。
本発明の第10の局面によれば、前記連通路層は、アクリル樹脂またはガラスにより形成されている。このようにすれば、連通路層の機械的強度を増すことができ、積層体全体としての強度確保に貢献できる。
本発明の第11の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、
前記疑似血管流路層は、前記流体を前記疑似血管流路へ流入させるための流入口を有し、
前記疑似血管流路は前記流入口から徐々に枝分かれするように伸長し、
前記連通路は、前記疑似血管流路の枝分かれした複数の先端部付近とそれぞれ連絡する複数の流路部分を有する。
このような具体的な構成においても、上記第1の局面と同様の効果を奏することができる。
本発明の第12の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータにおいて、前記疑似血管流路層は無色透明であり、前記連通路層は、有色である。
このような構成とすれば、疑似血管流路層を無色透明とし、その下側の連通路層を有色とすることで視覚的に明確に区別できることから、疑似血管流路層内部がより観察しやすくなる。
本発明の第13の局面によれば、上記カテーテル治療シミュレータは、発光素子を有し前記疑似血管流路層および前記排出流路層とともに積層される発光層を更に備える。
発光層の発光素子を積層体の下方部分からの発光に用いれば、疑似血管流路等内における疑似血液の流れの観察が容易になる。また、光弾性効果を用いた応力観察のための外部光源を必要としないため好適である。更に発光層の発光素子により、もしくは、更に液晶層を備えることによって、文字や図形の表示を行うことも可能となる。その場合は、モデル各部の情報や、シミュレーションの条件や状況を随時表示でき、モデルを注視したままシミュレーションを行うことができる。
図1は本発明の第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータを示す斜視図である。 図2は第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの各層を示す分解斜視図である。 図3Aは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの上板を示す平面図である。 図3Bは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの上側動脈モデル層を示す平面図である。 図3Cは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの下側動脈モデル層を示す平面図である。 図3Dは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの病変部モデル層を示す平面図である。 図3Eは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの流量調整層を示す平面図である。 図3Fは第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータの静脈モデル層を示す平面図である。 図4Aは、図3Bの上側動脈モデル層および図3Cの下側動脈モデル層の一部を表す部分断面図である。 図4Bは、第1実施形態の変形例による上側動脈モデル層および下側動脈モデル層の一部を表す部分断面図である。 図5は、図3Dの病変部モデル層の一部を表す部分断面図である。 図6は、図3Eの流量調整層の一部を表す部分断面図である。 図7は、図3Fの静脈モデル層の一部を表す部分断面図である。 図8は、第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータを組み立てる方法の例を説明する概略断面図である。 図9は、第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータを示す概略断面図である。 図10は、第1実施形態の複数の変形例によるカテーテル治療シミュレータを示す概略断面図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係るカテーテル治療シミュレータを示す概略断面図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係るカテーテル治療シミュレータを示す概略断面図である。 図13は、従来の例による血管モデルを概略的に示す斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を同じくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。また、各図面では、説明を分かり易くするために、各実施形態の構成部材の寸法形状および配置箇所を誇張して模式的に図示してあり、各構成部材の寸法形状および配置箇所が実物とは異なっている場合がある。以下の説明で、「上」、「下」、「水平」というように方向をいう場合は、通常の使用状態におけるカテーテル治療シミュレータの設置状態での方向をいうものとするが、説明の便宜のためにそのように指称するものである。
図1は本発明の第1実施形態に係るカテーテル治療シミュレータ1を概略的に示す斜視図であり、図示によるカテーテル治療シミュレータ1は生体の臓器(例えば肝臓)をモデル化したものである。図示するように、本実施形態のカテーテル治療シミュレータ1は多層構造を有する。図2に各層を分解した状態の斜視図を示す。図1および図2に示すように、カテーテル治療シミュレータ1は、上から順に、上板10、上側動脈モデル層21、下側動脈モデル層22、病変部モデル層30、流量調整層40、静脈モデル層50からなり、これらが積層されてなる。
図3A〜図3Fは、図1および図2に示した上板10、上側動脈モデル層21、下側動脈モデル層22、病変部モデル層30、流量調整層40、静脈モデル層50の各々を上側から見た平面図である。
図3Aに示す上板10は、透光性を有するアクリル樹脂やガラス等の材質からなる板であり、その所定位置に複数の固定穴101が、上板10の上下面を貫通する穴として設けられている。
図3Bに示す上側動脈モデル層21はシリコーンエラストマー、ポリビニルアルコール(以下、PVA)の水性ゲル等の透光性を有する弾性材料からなる。上側動脈モデル層21の下面には、断面が半円形状であって、全体として枝分かれした形状を有する上側溝211が凹設されている。更に、上板10の複数の固定穴101のそれぞれに対応する位置に、貫通穴である複数の固定穴212を有する。
図3Cに示す下側動脈モデル層22はシリコーンエラストマー、PVAの水性ゲル等の透光性を有する弾性材料からなる。下側動脈モデル層22の上面には、断面が半円形状であって、全体として枝分かれした形状を有する下側溝221が凹設されている。更に、上板10の複数の固定穴101のそれぞれに対応する位置に、貫通穴である複数の固定穴222を有する。
上側動脈モデル層21の上側溝211と、下側動脈モデル層22の下側溝221とは、上下方向において同一の位置に、上下対称的に形成されている。図4Aは、上側動脈モデル層21と、下側動脈モデル層22とを積層して、上側溝211と下側溝221とを上下方向に重ねたときの、図3Bおよび図3C中の一点鎖線IVAにおける断面を表す部分断面図である。上側溝211と下側溝221の断面形状と位置関係により、図4Aのように上側動脈モデル層21と下側動脈モデル層22とを積層することで、上側溝211と下側溝221とが、断面が円形の流路、すなわち、疑似血管流路、特に本実施形態では、疑似動脈流路を形成する。このように、上側動脈モデル層21と下側動脈モデル層22は一対となって動脈モデル層20を構成する。疑似血管流路は、動脈モデル層20の外縁に開口する流入口201を有する。疑似血管流路の直径の例として、最も太い部分で約3mm、最も細い部分で約0.3mmである。動脈モデル層20の厚さは、疑似血管流路の最大径の約2〜5倍に設定することが好ましい。
変形例として、図4Bに示すように、上側動脈モデル層21のみに溝211’を設け、下側動脈モデル層22の上面は平面としても良い。この溝211’は、図4Aの上側溝211より深いかまぼこ形(すなわち、半円形部分をより深く掘り込んだ形)の断面を有するように形成し、疑似血管流路としての径を確保する。従って、図4Bの例では、上側動脈モデル層21を下側動脈モデル層22より厚く形成している。
図3Dに示す病変部モデル層30は、透光性を有するアクリル樹脂やガラス等の材質からなり、病変部モデル層30の上下面を貫通し、流体を流通させるための複数の連通路301が形成されている。図5は、図3D中の一点鎖線V−Vにおける断面を表す部分断面図である。図5に示すように、病変部モデル層30の下面側に広い開口を有し、当該下面側から厚さ方向の途中までの深さを有する凹部である病変部モデル302が形成されている。病変部モデル302の上面側から上方へ伸長し、病変部モデル層30の上面に開口する病変部連通路303が、各病変部モデル302に対して一本または複数本形成されている(図の例では複数本)。
病変部モデル層30は更に、上板10の複数の固定穴101のそれぞれに対応する位置に、貫通穴である複数の締結穴304を有する。締結穴304には、内側にねじ山が形成されている。また、病変部モデル層30は、排出部305を備え、その内部には排出口306が形成されている(後に説明する)。
図3Eに示す流量調整層40は、透光性を有するアクリル樹脂やガラス等の材質からなる板であり、流量調整層40の上下面を貫通する穴である複数の連通路401が形成されている。また、流量調整層40の上下面を貫通する複数のオリフィス402が形成されている。更に、上板10の複数の固定穴101のそれぞれに対応する位置に、複数の貫通穴403を有する。また、病変部モデル層30の排出口306に対応する場所に、貫通孔である排出路404が形成されている。
なお、オリフィス402の断面形状は図6(A)に示すようにストレート状でもよく、あるいは、図6(B)に示す変形例によるオリフィス402’のように、上側部分が拡径していてもよい。図6(A)のオリフィス402の径および図6(B)のオリフィス402’の最小径は例えば約0.3mmである。
図3Fに示す静脈モデル層50は、アクリル樹脂やガラス等の材質からなる板であり、上面に溝501、特に本実施形態では疑似静脈流路としての溝501が、複数の枝分かれ部分から最終的に1つに集合するように形成されている。図7は、図3F中の一点鎖線VII−VIIにおける部分断面図である。
次に、図8を参照して、各層を積層してカテーテル治療シミュレータ1を組み立てる方法について説明する。
まず、図8(A)に示すように、病変部モデル層30、流量調整層40、静脈モデル層50を重ね合わせ、透明の接着剤や両面テープ等により互いに貼り合わせ、図8(B)に示す中間積層体を得る。
次に、図8(C)に示すように、中間積層体の上に、上板10、上側動脈モデル層21、下側動脈モデル層22を重ねる。そして、先端の周面に雄ねじ部分を有する固定具(雄ねじ)60を固定穴101、212、222に挿入し、固定具60の雄ねじ部分を締結穴304に対して、ねじ止めにより締結する。
こうして、図8(D)に示すように各層が積層され一体化される。動脈モデル層20(上側動脈モデル層21と下側動脈モデル層22)は弾性を有するが、機械的強度を有する上板10と病変部モデル層30の間に、固定具60の締め付け力により挟まれることにより、固定的に保持される。
図9は、図8(D)を拡大した図である。図8(D)および図9に示すように、動脈モデル層20の疑似血管流路は、動脈モデル層20の内部を、動脈モデル層20の広がる方向に沿って枝分かれ状に延びる動脈モデル部分と、動脈モデル部分の複数の部分から下方へ延び、下側動脈モデル層22の下面側に開口する複数の連絡流路223を有する。各連絡流路223は、下側動脈モデル層22の下側に積層された病変部モデル層30の連通路301または病変部連通路303に接続する。
病変部モデル層30の連通路301は、更に下側に積層された流量調整層40のオリフィス402に接続する。病変部モデル層部30の病変部モデル部302は、流量調整層40の連通路401に接続する。
流量調整層40のオリフィス402と連通路401は、それぞれ、静脈モデル層50の溝501に接続する。溝501は、すぐ上側に積層された流量調整層40の下面との間で流路を形成し、当該流路の形状は全体として静脈を模して、細い枝分かれ部分が徐々に集まってより太い流路となるように形成されている。当該流路は最終的に、流量調整層40の排出路404に接続し、排出路404は排出口306に接続する。
以上により、疑似血管流路の流入口201から、途中で複数に枝分かれしながら最終的に排出口306にまでつながる、液密な流路が形成される。
(カテーテル治療シミュレーションの例)
カテーテル治療シミュレーションは、例えば、血液を模した流体(疑似血液)を電動ポンプ等により疑似血管流路の流入口201から流入させ、流路内を流体が流通する状態で、カテーテルを流入口201から挿入して行う。流路を流れた流体は、最終的には排出口306から排出される。流体に対してインク等により着色をすると、流体の流れの観察が容易となる。
(第1実施形態の作用・効果)
[1]上記構成のカテーテル治療シミュレータ1によれば、動脈モデル層20の広がる方向に沿って枝分かれして伸長する疑似血管流路からの流体を、連絡流路223、連通路301等を介して動脈モデル層20の広がる方向と交わる方向(例えば垂直の方向)に排出することができる。そのため、疑似血管流路の全体的な形状を自由に設定することができ、生体の実際の血管の配置をより高い精度で模したモデルを構築することができる。
[2]また、流量調整層40のオリフィス402により、疑似血管流路の各部を流れる流体の流量や圧力を調整することができ、より高い精度で生体の血流の状態を模したモデルとすることができる。
[3]本実施形態の病変部モデル302は、図1、図3C、図3D、図8(D)、図9から分かるように、疑似血管流路の複数の枝分かれ部分が、1つ病変部モデル302に接続している。そのため、病変部モデル302を癌のモデルとして、シミュレーションを行うことが可能である。具体的には、例えば、動脈を介した癌への血流を抑制または停止させる薬剤または治療方法のシミュレーションを好適に行うことができる。その場合、癌に接続する動脈の血流を抑制または停止させる一方で、癌に接続しない動脈の血流を維持する治療等のシミュレーションを行うことができる。
[4]動脈を模した疑似血管流路は、連通路301等の各種の経路を介して最終的には静脈を模した静脈モデル層50の流路につながっている。そのため、動脈のみならず、静脈へと血流が流れ込み静脈内を流れる状況までを模したモデルとすることができる。
(第1実施形態の変形例)
上記の構成に限らず、本発明は次のように実施しても良い。すなわち、図10(A)に示すカテーテル治療シミュレータ1’のように、病変部モデル層30を用いず、下側動脈モデル層21と流量調整層40とを直接積層しても良い。
また、図10(B)のカテーテル治療シミュレータ1”のように、病変部モデル層30および流量調整層40のいずれも用いず、動脈モデル層20と静脈モデル層50とを直接積層しても良い。
(第2実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るカテーテル治療シミュレータ200は、上記の各層に加えて、偏光板71、液晶層72、および、発光層73を備える。発光層73は、例えば有機EL(Electro luminescence)や、LED(Light emitting diode)と導光板の組み合わせ等からなる。このような構成によれば、発光層73から発光させながらカテーテル治療シミュレーションを行うことにより、カテーテル治療シミュレータ1内部の観察が容易となる。また、動脈モデル層20の有する光弾性効果によって、疑似血管流路の周辺(特に周壁)に発生する応力を視覚情報に変換して観察することができる。その場合、発光層73は、偏光を発するように構成された光源(例えば、偏光フィルムが積層されたもの)とする。動脈モデル層20をPVAの水性ゲルにより形成すれば、高い光弾性効果が得られるため好適である。このような光弾性効果を用いた疑似血管周辺の応力の観察手法については、本発明者による上記の特許文献1および特願2012−243182の明細書や、上記の非特許文献1に詳述されているため、それらも参照されたい。
また、発光層73や液晶層72、あるいはそれらの組み合わせにより、文字や図形を表示させることができる。図11中の符号74は、液晶層72による表示を制御するための駆動装置である。なお、発光層73に電力を供給したり、表示を制御したりするための構成については図示を省略した。
第1実施形態およびその変形例のカテーテル治療シミュレータ1を、光弾性効果を用いた応力観測の対象として用いても良い。
(第3実施形態)
次に、図12を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るカテーテル治療シミュレータ300は、第1実施形態のカテーテル治療シミュレータ1の構成に加えてセンサ層80を有する。センサ層80の上面側には少なくとも一つの温度センサ81が備えられている。このような構成により、例えば、生体の臓器の特定の部分(例えば、腎臓の神経の一部)を加熱または焼く方法による治療のシミュレーションを行う場合に、温度センサ81により各部の温度やその変化を計測することで、その際の加熱の影響を把握することが可能となる。また、センサ層80には、その上側に積層される下側動脈モデル層22の連絡流路223と、下側に積層される病変モデル層30の連通路301または病変部連通路303とを上下方向に接続するための複数の連通路82が形成されている。図12中の符号83は、温度センサ81の周辺回路を示す。センサ層80内において周辺回路83と温度センサ81とを結ぶ回路をITOやZnO等の透明導電膜により構築すれば、下部光源からの光を妨げないため好適である。センサ層80が備えるセンサは温度センサ81に限らず、カテーテル治療シミュレータ1内の物理化学的性状を計測するための任意のセンサとすることができる。センサ層80の積層位置は図12にものに限らず任意である。
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。
上記した各実施形態や変形例の各構成を、互いに組み合わせて実施しても良い。
動脈モデル層の材質はシリコーンエラストマーやPVAの水性ゲルに限らず、透光性と弾性を有する他の材質を用いることもできる。
動脈モデル層と、その下側に積層される各層のいずれも透光性を有する材質からなるものとしたが、例えば、動脈モデル層を透明とし、その下側に積層される各層を乳白色等の有色のものとすることで、動脈モデル層が明確に区別され、その内部がより観察しやすくなる。
カテーテル治療シミュレータの上記組立て方法は一例に過ぎない。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
1、1’、1”、200、300 カテーテル治療シミュレータ
10 上板
21 上側動脈モデル層(動脈モデル層、疑似血管流路層)
22 下側動脈モデル層(動脈モデル層、疑似血管流路層)
30 病変部モデル層(連通路層)
40 流量調整層(連通路層)
50 静脈モデル層(排出流路層)
60 固定具
71 偏光板
72 液晶層
73 発光層
80 センサ層(連通路層)
81 温度センサ

Claims (11)

  1. 弾性材料で形成され、流体を流通させるための疑似血管流路を有する板状の疑似血管流路層と、
    前記流体を排出するための排出流路を有する板状の排出流路層と、
    を備え、
    前記疑似血管流路層と前記排出流路層とが積層され、
    前記疑似血管流路層には、前記疑似血管流路から伸び、前記排出流路に接続する連絡流路が形成されるカテーテル治療シミュレータであって、
    連通路を有する板状の連通路層を更に備え、
    前記疑似血管流路層の前記連絡流路と前記排出流路層の前記排出流路とが前記連通路層の前記連通路を通じて接続されるように、前記疑似血管流路層と、前記連通路層と、前記排出流路層とが積層され、
    前記連通路はオリフィスを有する
    ことを特徴とするカテーテル治療シミュレータ。
  2. 弾性材料で形成され、流体を流通させるための疑似血管流路を有する板状の疑似血管流路層と、
    前記流体を排出するための排出流路を有する板状の排出流路層と、
    を備え、
    前記疑似血管流路層と前記排出流路層とが積層され、
    前記疑似血管流路層には、前記疑似血管流路から伸び、前記排出流路に接続する連絡流路が形成されるカテーテル治療シミュレータであって、
    連通路を有する板状の連通路層を更に備え、
    前記疑似血管流路層の前記連絡流路と前記排出流路層の前記排出流路とが前記連通路層の前記連通路を通じて接続されるように、前記疑似血管流路層と、前記連通路層と、前記排出流路層とが積層され、
    前記連通路層は、前記疑似血管流路の複数の部分と連絡する空洞部分を有する、ことを特徴とする、カテーテル治療シミュレータ。
  3. 前記疑似血管流路は生体の動脈を模した流路として形成され、
    前記排出流路は前記生体の静脈を模した流路として形成される、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  4. 前記疑似血管流路層は、シリコーンエラストマーまたはポリビニルアルコールの水性ゲルで形成される、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  5. 前記排出流路層は、アクリル樹脂またはガラスにより形成されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  6. 前記疑似血管流路は、前記疑似血管流路層の積層面に沿う方向に伸長し、
    前記排出流路は、前記排出流路層の積層面に沿う方向に伸長し、
    前記連通路は、前記連通路層の積層面と交わる方向に伸長し、該連通路層を貫通する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  7. 前記連通路層には、カテーテル治療シミュレータ内の所定の物理化学的性状を計測するためのセンサが備えられる、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  8. 前記連通路層は、アクリル樹脂またはガラスにより形成されている、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  9. 前記疑似血管流路層は、前記流体を前記疑似血管流路へ流入させるための流入口を有し、
    前記疑似血管流路は前記流入口から徐々に枝分かれするように伸長し、
    前記連通路は、前記疑似血管流路の枝分かれした複数の先端部付近とそれぞれ連絡する複数の流路部分を有する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  10. 前記疑似血管流路層は無色透明であり、
    前記連通路層は、有色である、
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
  11. 発光素子を有し、前記疑似血管流路層および前記排出流路層とともに積層される発光層を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のカテーテル治療シミュレータ。
JP2013204092A 2013-09-30 2013-09-30 カテーテル治療シミュレータ Active JP6385664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204092A JP6385664B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 カテーテル治療シミュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204092A JP6385664B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 カテーテル治療シミュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015069054A JP2015069054A (ja) 2015-04-13
JP6385664B2 true JP6385664B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=52835749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013204092A Active JP6385664B2 (ja) 2013-09-30 2013-09-30 カテーテル治療シミュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6385664B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3827966A1 (en) 2019-11-29 2021-06-02 Ricoh Company, Ltd. Solid freeform fabrication product and method of manufacturing solid freeform fabrication product

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3291208B1 (en) 2016-08-31 2020-09-30 Ricoh Company, Ltd. Hydrogel structure, blood vessel, internal organ model, practice tool for medical procedure, and method of manufacturing the hydrogel structure
WO2020031474A1 (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 テルモ株式会社 手技シミュレータ
WO2022030398A1 (en) 2020-08-07 2022-02-10 Ricoh Company, Ltd. Three-dimensional object, training system, three-dimensional object producing method, and method for evaluating accuracy of three-dimensional object
JP2022099574A (ja) 2020-12-23 2022-07-05 株式会社リコー 評価方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001343891A (ja) * 2000-06-02 2001-12-14 Medical Sense:Kk Ptcaトレーナー
JP4505572B2 (ja) * 2005-03-24 2010-07-21 国立大学法人名古屋大学 人体モデル
JP4997385B2 (ja) * 2005-05-06 2012-08-08 国立大学法人名古屋大学 カテーテル手術シミュレータ
JP2011242413A (ja) * 2010-05-13 2011-12-01 Seiichi Ikeda カテーテル用シミュレータ
JP2012163710A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Fain-Biomedical Inc カテーテル手術シミュレータ、その固定具及び固定方法
JP2012203016A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Terumo Corp 模擬人体
JP5822510B2 (ja) * 2011-04-08 2015-11-24 株式会社カネカ 狭窄モデルおよびトレーニングキット
JP5769194B2 (ja) * 2011-07-20 2015-08-26 朝日インテック株式会社 血管狭窄モデル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3827966A1 (en) 2019-11-29 2021-06-02 Ricoh Company, Ltd. Solid freeform fabrication product and method of manufacturing solid freeform fabrication product

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015069054A (ja) 2015-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6385664B2 (ja) カテーテル治療シミュレータ
US11348481B2 (en) Simulator systems and methods
ES2891756T3 (es) Tejido diseccionable simulado
ES2955662T3 (es) Tejido diseccionable simulado
JP2021500137A5 (ja)
ATE432125T1 (de) Auf 2d-substraten basierende 3d-strukturen
JP5769194B2 (ja) 血管狭窄モデル
WO2017003546A3 (en) Devices for simulating a function of a tissue and methods of use and manufacturing thereof
JP4505572B2 (ja) 人体モデル
US9033713B2 (en) Method and device for injecting a fluid into an artificial venous structure
US20060122954A1 (en) Medical simulator apparatus and method
AU2006299623A1 (en) Implantable medical device
JP2006267565A5 (ja)
RU2013128999A (ru) Абсорбирующее изделие с возможностью контролирования деформации
CN112839613B (zh) 用于将生物相容性包封施加到实施传感器的伤口监测和治疗敷料的系统和方法
EP2664351A2 (en) Warmer for medical treatment
CN207676555U (zh) 一种血液循环动态模型
JP2024045198A (ja) 腎門部手術シミュレーションシステム
JP2014228803A (ja) カテーテル手術シミュレータ及びそのアッセンブリ
JP6627344B2 (ja) 訓練用模擬血管
JP5055642B2 (ja) 人体モデル
CN204270584U (zh) 一种用于深静脉置管模型
WO2021194997A1 (en) Extracorporeal membrane oxygenation simulator
CN202258079U (zh) 一种血管穿刺置管训练模型
TW201916860A (zh) 手術縫合訓練器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171004

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6385664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250