JP6376796B2 - 紫外線遮光材および表示装置の基板の光学処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶装置などの表示装置及び電子機器に関連し、具体的には、紫外線に暴露されると劣化する部分を有する基板を紫外線を用いた光学処理を行うに際し有用な紫外線遮光材と、その紫外線遮光材を用いた表示装置の光学処理方法、より特定的には、液晶表示装置の製造にあたり、液晶表示装置を構成する光配向膜を有する基板に紫外線を照射して処理する工程において、基板の紫外線にて劣化する部分を遮光するための好適な遮光材料とそれを用いた光配向処理方法を提供するものである。
液晶装置では、電場等の作用によって液晶の分子配列の状態を変化させ、この変化を光学的に利用することによって表示に活用している。液晶を特定の方向に配列させるためには配向処理が施されるが、従来のラビング法では微細な粉塵や静電気が発生するという問題があるので、近年、偏光紫外線を配向膜に照射して配向処理を行う光配向処理が提案され、実施されている(特許文献1,2)。
一方で、表示装置を構成する薄膜トランジスタ基板やカラーフィルター基板などには、強力な紫外線で劣化してしまう部分がある。例えば、薄膜トランジスタ基板の各画素に配置されたスイッチング回路や、低温ポリシリコンやIGZOなどの酸化物半導体を用いた時に採用されている有効表示エリアの外に配置されている論理回路は、紫外線が照射されると素子の劣化があり誤動作の原因となる。また、カラーフィルター基板のオーバーコート層が紫外線によって劣化し、劣化したオーバーコート層から液晶層への水分侵入を許してしまい、製品の信頼性を損なうと指摘されてきた。このため、光配向処理工程では、紫外線を当てたくない部分を遮光するマスクを使って処理をしていた。しかしながら、当該マスクは処理すべき基板と密着させて照射するのは困難で、どうしても0.1mm内外の隙間ができてしまい、紫外線の当てたくないところに紫外線が回り込んでしまい特性が劣化してしまう不具合が発生する問題があった。
図7を参照すると、基板11上の遮光されるべき部分(遮光部)12を紫外線UVから遮光するためにマスク13が用いられている。マスク13は基板11の上方に設置され、紫外線を遮るパターンを有している。一般的には、石英ガラスまたはパイレックス(登録商標)ガラスが用いられ、パターンは金属クロムによって形成されている。このようなマスクを使用すると、基板との隙間が問題となり、光の回り込みがあり、所望の遮光部分12を多くできないという問題がある。特に第5世代基板(1100x1300nm)以上になると、マスクも大型になり、マスクのたわみの無視できなくなり、さらに遮光部分の精度が悪くなる。
特開2012−181447号公報 特開平10−221700号公報
本発明の目的は、光配向処理などの光学処理をする工程において、従来のマスクによる遮光での紫外線に暴露したくない部分に紫外線が回り込むような不具合を防いだ表示装置、電子機器にするための新たな工程とそれを可能にする材料を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明によれば、下記が提供される。
(1)表示装置または電子機器を構成する基板を紫外線照射して処理をする工程で、紫外線によって劣化をもたらす構成材料もしくは部品部分を、被覆して遮光するための材料であって、水溶性または水分散性樹脂と、水溶性染料とを含む水性溶液からなり、前記水性溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、波長240〜370nmの範囲内のいずれかの波長の紫外線に対する遮光度が1以上となることを特徴とする紫外線遮光材。
(2)水溶性紫外線吸収剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の水溶性遮光材。
(3)有機溶剤をさらに含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の水溶性遮光材。
(4)表示装置または電子機器を構成する基板の紫外線によって劣化をもたらす構成材料もしくは部品部分の上に直接に、上記(1)〜(3)に記載の水溶性遮光材を塗布・乾燥して遮光膜を選択的に形成して保護し、前記基板に紫外線を照射した後に、前記基板から前記遮光膜を除去することを特徴とする表示装置または電子機器の光学処理方法。
(5)前記表示装置または電子機器を構成する基板が液晶表示装置の液晶配向膜であり、その液晶配向膜に紫外線を用いた光配向処理の前に、前記基板に具備されている紫外線への暴露を防ぐべきトランジスタ、配線および/または薄膜の上に直接に前記水溶性遮光材を塗布・乾燥して遮光膜を選択的に形成して保護し、前記光配向膜に紫外線を用いた光配向処理を施した後に、前記基板から前記遮光膜を除去することを特徴とする上記(4)に記載の表示装置のまたは電子機器光学処理方法。
(6)前記水溶性遮光材の塗布を印刷法で行うことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の表示装置または電子機器の光学処理方法。
本発明によれば、表示装置または電子機器を構成する基板の紫外線を照射したくない部分に水溶性樹脂と、水溶性染料、及び水溶性紫外線吸収剤からなる群より選択された溶液からなり、該溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、遮光度1以上となる遮光材を塗布することにより、紫外線照射での処理工程でも遮光材料を塗布した部分は紫外線での劣化は観察できず、また、精度よく紫外線をカットできるため、高信頼性の高精細表示装置を提供できた。本発明の遮光膜およびそれを用いた光学処理方法は、液晶表示装置に限定されず、光学処理によって劣化する部分を含む表示装置または電子機器の基板の光学処理に広く有用であることは明らかである。
本発明の遮光材料を塗布すべき基板の一例(液晶表示装置を構成する光配向材塗布用のTFT基板)を示す模式平面図である。 図1の基板のA−A’に沿った模式断面図である。 本発明の実施例1において得られる、遮光材料塗布後のTFT基板の一例を示す模式断面図である。 図3の基板のB−B’に沿った模式断面図である。 本発明の実施例1において得られる、遮光材料塗布後のカラーフィルター基板を示す模式平面図である。 図5のカラーフィルター基板のC−C’ に沿った模式断面図である。 従来のマスクと対象基板との関係を示す模式断面図である。 UVラベルの色と照射量との対応関係を示す図である。 紫外線照射後のUVラベルの状況と、照射量、膜厚との関係を示す図である。 UVラベルの色と照射量との関係を示す図である。 紫外線照射後のUVラベルの状況(コート液:CLB4)を示す図である。 紫外線照射後のUVラベルの状況(コート液:CLB5)を示す図である。 紫外線透過率と膜厚との関係(コート液:CLB4)を示すグラフである。 紫外線透過率と膜厚との関係(コート液:CLB4)を示すグラフである。
(従来技術と本発明)
本発明は、背景技術の欄で述べたマスクを用いる遮光技術に伴う問題を解決するものであり、本発明によれば、表示装置または電子機器を構成する基板を紫外線照射して処理をする工程で、紫外線によって劣化をもたらす構成材料もしくは部品部分を、被覆して遮光するための材料であって、水溶性または水分散性樹脂と、水溶性染料とを含む水性溶液からなり、前記水性溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、波長240〜370nmの範囲内のいずれかの波長の紫外線に対する遮光度が1以上となることを特徴とする紫外線遮光材を提供する。
本発明によれば、水溶性遮光材において水溶性樹脂に水溶性染料と任意に水溶性紫外線吸収剤を併用することにより、遮光膜の厚さ5μm以下において紫外線の遮光度を1以上、好ましくは1.3以上、さらには2以上である。ここで遮光度とは、吸光度(Absorbance)と同義であり、遮光度は所望の波長(例えば254nm、313nm、360nmなど240〜370nmの範囲内の波長)での媒体の吸光度になり、遮光度A=−log(T/100)[式中、Tは透過率(単位%)]である。遮光度あるいは吸光度の測定方法は、分光光度計(例えば島津製作所製)により測定できる。試料として石英基板上に塗布、乾燥した遮光材料の分光スペクトルをとり、結果として、紫外領域の波長(例えば254nm)で透過率Tが10%以下、吸光度(遮光度)で1以上あればよいということになる。遮光度の測定において紫外線としては光処理に通常用いられる1000mJ/cm程度の場合、照射強度には影響されない。
(水性溶媒)
本発明の紫外線遮光材は、水性溶液であり、溶媒は水性、すなわち、水だけか、水と有機溶剤の混合溶媒を用いる。有機溶媒を用いると作業環境として負荷があるので、溶媒は水だけが好ましく、本発明の紫外線遮光材は溶媒として水だけでよいという特徴があるが、必要に応じて有機溶剤を混合使用してもよい。有機溶剤の混合割合としては、50質量%未満、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
水に混合して使用できる有機溶媒を例示すると、アルコール類、酢酸、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、アセトン、アクリロニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、N−メチルピロリドン(NMP)を挙げることができる。
このような水溶性溶媒は特に制限されないが、環境への影響の点からは、該水溶性溶媒はアルコールであることが好ましい。本発明において使用可能なアルコールを列挙すれば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコールがある。本発明においては、アルコール類の中でも、安全性、揮発性、ないし水溶性高分子等の「溶質」の溶解度の点からは、イソプロピルアルコール、エタノールが好適に使用可能である。すなわち、本発明においては、水とアルコールとの各種割合の混合物が、溶媒として好適に使用可能である。
(水溶性樹脂)
本発明の水溶性遮光材においては、水性溶媒中の固形分として水溶性高分子(水溶性樹脂)を含有する。
前記水溶性高分子(水溶性樹脂)は、遮光材の基材となるものであり、水、さらにはアルコールなどの有機溶剤に溶解させて塗布及び乾燥させて膜を形成し得るものであれば、特に制限されず、例えばポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリグリセリン、その他澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミンポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。これらは単独で或いは混合して用いられる。
また、本発明において、紫外線遮光膜は、光配向処理などの光学処理の後、水洗によって除去されるものであり、水洗性を考慮するならば、水溶性樹脂としてポリエチレングリコールをとして使用することが好ましく、さらにその(平均)重合度は、100〜500程度が好ましく、更には200〜400程度が好ましく、特に、250〜300(例えば300)程度が好ましい。
本発明の水溶性遮光材において水溶性高分子(水溶性樹脂)の配合量は、固形分を基準に30質量%から70質量%が好ましく、30質量%から70質量%がより好ましい。本発明の紫外線遮光材の固形分は、典型的には、水溶性高分子(水溶性樹脂)と、水溶性染料と、任意に配合される水溶性紫外線吸収剤であり、これらの合計を基準とすることができる。
(水溶性染料)
本発明の水溶性遮光材においては、上述した水溶性樹脂に水溶性染料を併用する。顔料では表示装置または電子機器の基板が汚染される可能性があり、また有機溶媒系の染料では作業場に防爆装置を必要とするなどの不便がある。すなわち、本発明の水溶性遮光材は、顔料および有機溶媒系の染料を用いないことを特徴とするが、本発明を阻害しない範囲であれば、顔料および有機溶媒系の染料を含んでもよい。その配合量は固形分基準で高々5質量%未満、さらには2質量%以下である。
水溶性染料としては、アゾ染料、アクリジン染料、アジン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、オキシケトン染料、キノフタロン染料、キノリン染料、キノンイミン染料、スチルベン染料、トリフェニルメタン染料、ヒドラゾン染料、フタロシアニン染料、ポリメチン染料、ピラゾン染料、等の公知の染料を用いる事ができ、アゾ染料が好ましい。
本発明の水溶性遮光材において水溶性染料の配合量は、固形分を基準にして30質量%から70質量%が好ましく、30質量%から70質量%がより好ましい。
(水溶性紫外線吸収剤)
上述した水溶性樹脂と必要に応じて併用される水溶性紫外線吸収剤としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2テトラヒドロキシベンゾフェノン、チルヘルペリジン、ジエタノールアミンp−メトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等を用いることができ、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
本発明の水溶性遮光材において任意に配合される水溶性紫外線吸収剤の配合量は、固形分を基準に、0.001質量%から1.00質量%が好ましく、0.01質量%から0.5質量%がより好ましい。
(光照射処理工程および方法)
本発明によれば、表示装置または電子機器を製造する工程において、紫外線を照射することで基板への機能付加処理工程に関し、基板上の紫外線が照射されることにより機能劣化する部分を、紫外線照射する工程の前に、水溶性樹脂と、水溶性染料、及び任意に水溶性紫外線吸収剤を含む水性溶液を用いて基板上の紫外線が照射されることにより機能劣化する部分の上に直接に選択的に保護膜を作成し、該水性溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、紫外線の遮光度2以上となる遮光材を塗布することを特徴とする機能付加処理方法が提供される。
本発明は、表示装置または電子機器を製造する際に表示装置または電子機器を構成する基板に紫外線を照射して処理をする工程において、従来の遮光マスクを用いるのではなく、紫外線の照射したくない部分の基板に直接下記の遮光材料を塗布することにより、精度よく紫外線照射の害を防ぐものである。
遮光材は、水溶性樹脂と、水溶性染料、及び任意に水溶性紫外線吸収剤を含む水性溶液からなり、該溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、遮光度1以上となることを特徴とする。
これらの遮光材の直接の塗布方法は、紫外線の照射したくない部分に塗布するため、印刷法が望ましく、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、スクリーン印刷、スタンピングなど方式をいとわない。直接印刷にて遮光部分のパターンを作ることにより、従来の遮光マスクのたわみを考慮したパターンの補正設計は必要としない。
固形分濃度が11.2%で13.7μmの膜厚で塗布し80℃3分焼成乾燥後、溶媒が蒸発し約1.1μmの膜厚を得ることができる。この遮光膜で1000mJ/cm2射しても遮光することが確認できている。一方、固形分濃度16%で30μmの膜厚で塗布し80℃3分焼成乾燥後、溶媒が蒸発し約4.1μmの膜厚を得ることができる。この遮光膜は、2000μmJ/cm2照射しても遮光することが確認できている。
さらにこうして作成した遮光膜は水洗することで残渣なく完全に基板上から除去できた。すなわち遮光膜の剥離法は、シャワー洗浄でも、超音波洗浄でも数秒で剥離できることが確認できた。
本発明は、とりわけ、液晶表示装置の液晶配向膜を有する基板において、液晶配向膜を紫外線を用いて光配向処理する場合に、紫外線への暴露を防ぐべきトランジスタ、配線、薄膜(カラーフィルタのオーバーコートなど)などの構成要素を保護するために、特に有用である。トランジスタ、配線、薄膜などの構成要素の上に直接に水溶性遮光材を塗布・乾燥して遮光膜を形成して当該部分を保護してから、紫外線で光配向処理を行い、光配向処理後に遮光膜を除去することで、従来のマスクの場合の光の回り込みを防止することができる。トランジスタ、配線、薄膜などの紫外線への暴露を防ぐべき部分に遮光膜を形成するには、露光方法を用いてもよいが、印刷法を用いることで、遮光膜を形成するための露光工程も不要になり、配向膜への悪影響も防止できる。
表示装置の基板に対する光配向処理などの光学処理は、公知の光学処理であることができる。
<吸光係数の測定>
吸光度(abs):紫外線分光光度計(島津製作所UV−3150)により、波長254nmにおける試料溶液の吸光度を測定した。
吸光係数:実測された上記吸光度から、試料溶液の吸光係数を求めた。
(実施例1)
図1〜6を参照すると、液晶表示装置を構成する2枚の基板の内の一方は、低温ポリシリコンを用いたTFT基板1であり、もう一方はカラーフィルター基板1’である。TFT基板1には有効表示エリアに形成された画素2、論理回路形成部3、カラーフィルター基板1’にはカラーフィルター形成部6が形成されている。この2枚の基板1,1’に光配向材料RN−2467(商品名:日産化学製)をフレキソ印刷法により、有効表示エリアを覆い周辺シール材に接するパターンで印刷し、230℃、30分オーブンで焼成することにより膜厚1000Åの光配向膜4を形成した。
また、質量比がポリビニルアルコール500(関東化学)10%、水溶性染料黒インク KAYACION BLACK P−GS(日本化薬)6%、紫外線吸収剤アデカスタブLA−46(アデカ)0.1%、イソプロピルアルコール5%、水78.9%からなる、固形分濃度が16%の塗布液を作成した。
上記により得た塗布液を、TFT基板の有効表示エリア以外に形成された論理回路部分3(図1〜2)を完全に覆うように塗布し、80℃、3分で乾燥を行い、厚さ1μmの遮光膜5を作成した(図3、図4)。
なお、この遮光膜5の透光度(遮光度)として、上記塗布液から石英基板上に同様に塗布、乾燥して形成した材料について、分光光度計(例えば島津製作所製)により遮光材料の分光スペクトルをとり、紫外線の透過率を測定したところ、254nmにおける紫外線透過率は、1%以下であった。すなわち、UV領域の波長(254nm)で透過率Tが1%以下であり、吸光度(遮光度)は2以上であった。
同様に、カラーフィルター基板1’においても、光配向材料4が塗布されていない部分にTFT基板に形成したものと同様の遮光膜5を形成した(図5、図6)。
このようにして処理された2枚の基板1,1’に高圧水銀灯ランプから主波長254nmの紫外線を、少なくとも254nmの波長を偏光光にするワイヤーグリッド偏光板を通して偏光を作成し、照射した。照射量は1000mJ/cmであった。
その後、この2枚の基板を純水シャワーで30秒流すと、遮光膜5は純水に溶解して完全に除去できた。
その後の工程を経てこの2枚の基板1,1’から成る液晶表示装置を作成し表示特性を評価した。
液晶分子は光配向膜の偏光方向に配列し、かつ、表示の誤動作などなく正常に動作することが確認できた。
また、このようにして作成した液晶表示装置を80℃、90%の高温高湿試験に供したところ、1000時間の該試験に耐えた。これにより、本実施例装置の長寿命化が確認できた。この際、遮光マスクで発生するような問題は見られなかった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール500(関東化学)、水溶性染料黒インク KAYACION BLACK P−GS(日本化薬)、紫外線吸収剤アデカスタブLA−46(アデカ)、イソプロピルアルコール、水を表1に記載した質量比および固形分濃度で含む紫外線遮光コーティング剤CLB2を作成した。表1におけるCLB3が実施例1のである。
最初に紫外線照射量を変えてUVラベルの状況を確認し、遮光膜の紫外線透過量を測定した。
寸法30×40mm、厚さ0.12−0.17mmのカバーグラス(MATUNAMI写生)を用い、このカバーグラスに紫外線遮光コーティング剤を塗布しないもの(未加工品)と、紫外線遮光コーティング剤Mask Liquid CLB2(固形分濃度11.2%、粘度17.2cp(15℃)、pH8.1)およびMask Liquid CLB3(固形分濃度16.0%)を所定膜厚に塗布した加工品を用意した。
カバーグラスに紫外線遮光コーティング剤を塗布するとき、バーコーター(テスター産業社製、製品名:SA−203)に、バーコーター(テスター産業社製)#6(膜厚13.72)、#9(膜厚20.61μm)、#13(膜厚29.77μm)を用い、下記の条件で塗布および乾燥した。
上記紫外線カットコーティング剤を塗布しないカバーグラスと塗布したカバーグラスに、UVランプ(アズワンSLUV−4:波長254nm)を用いて、波長254nmの紫外線を一定時間照射した(表3を参照)。
このとき市販の「UVラベル」(日油技研工業社製UV−H、超高感度(0〜2000mj/cm))を用いて、試験品を透過する紫外線量を測定した。このときのUVラベルの色と照射量との関係を、図8に示す(以下、図8〜12に示すUVラベルの色は白黒表示であるが、実際には薄く着色している)。また、紫外線照射後のUVラベルの状況を図9に示す。このようなUVラベルの色と照射量との関係の詳細に関しては、必要に応じて、下記のURL(日油技研工業 紫外線インジケーター UVラベルのサイト)を参照することができる。
URL: http://ondolab.com/product/seal/thermolabel/uv.html
得られた試験結果(膜厚と紫外線照射量の関係)を、表3に示す。
(実施例3〜4)
実施例1と同様にして、ポリビニルアルコール500(関東化学)、水溶性染料黒インク KAYACION BLACK P−GS(日本化薬)、紫外線吸収剤アデカスタブLA−46(アデカ)、イソプロピルアルコール、水を表1に記載した質量比および固形分濃度で含む紫外線遮光コーティング剤CLB4,CLB5を作成した。
紫外線遮光コーティング剤(日油技研工業社製UV−H)として、Mask Liquid CLB4:(形分濃度20%)およびMask Liquid CLB5(固形分濃度30%(増粘タイプ)を用いて、実施例2と同様にして膜厚が0.5μm、0.7μm、1.0μmになる条件で塗布し、乾燥(80℃、3分)する以外は、実施例2と同様に試験した。
紫外線カットコーティング剤を塗布したカバーグラスに、UVランプを用いて波長254nmの紫外線を一定時間照射し、このときのUVラベルを用いて試験品を透過する紫外線量を測定した。照射した紫外線量と透過した紫外線量により紫外線透過率を算出したときの、UVラベルの色と照射量との関係を図10に示す。
上記により得られた、各コート液について紫外線照射後のUVラベルの状況を、図11(紫外線照射後のUVラベルの状況;CLB4)および図12(紫外線照射後のUVラベルの状況;CLB5)に示す。
ラベルの色の変化により透過量を目視で確認した。この結果により遮光膜の紫外線透過率を算出し、それらの結果を、図13および図14に示す。
1 ガラス基板
2 有効表示エリアに形成された画素
3 論理回路形成部
4 光配向材料
5 遮光膜
6 カラーフィルター形成部

Claims (5)

  1. 表示装置を構成する基板を紫外線照射して処理をする工程で、紫外線によって劣化をもたらす構成材料もしくは部品部分を、被覆して遮光するための材料であって、水溶性または水分散性樹脂と、水溶性染料と、水溶性紫外線吸収剤とを含む水性溶液からなり、前記水性溶液で作られた遮光膜が5μm以下の厚さにおいて、波長240〜370nmの範囲内のいずれかの波長の紫外線に対する遮光度が1以上となることを特徴とする紫外線遮光材。
  2. 有機溶剤をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の水溶性遮光材。
  3. 表示装置または電子機器を構成する基板の紫外線によって劣化をもたらす構成材料もしくは部品部分の上に直接に、請求項1または2に記載の水溶性遮光材を塗布・乾燥して遮光膜を選択的に形成して保護し、前記基板に紫外線を照射した後に、前記基板から前記遮光膜を除去することを特徴とする表示装置または電子機器の光学処理方法。
  4. 前記表示装置または電子機器を構成する基板が液晶表示装置の液晶配向膜であり、その液晶配向膜に紫外線を用いた光配向処理の前に、前記基板に具備されている紫外線への暴露を防ぐべきトランジスタ、配線および/または薄膜の上に直接に前記水溶性遮光材を塗布・乾燥して遮光膜を選択的に形成して保護し、前記光配向膜に紫外線を用いた光配向処理を施した後に、前記基板から前記遮光膜を除去することを特徴とする請求項に記載の表示装置または電子機器の光学処理方法。
  5. 前記水溶性遮光材の塗布を印刷法で行うことを特徴とする請求項またはに記載の表示装置または電子機器の光学処理方法。
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