JP6376081B2 - 被検体の形状算出方法、鋼板のプレス矯正方法および鋼板の製造方法 - Google Patents

被検体の形状算出方法、鋼板のプレス矯正方法および鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検体の形状算出方法と、これを利用した鋼板のプレス矯正方法、鋼板の製造方法および鋼板に関する。
従来、鋼板の形状を自動計測する装置としては、例えば特許文献1で提案されているように、単一のレーザ光源からのレーザ光で多軸回転走査して距離データを計測する装置(いわゆる三次元スキャナー)を用いて、搬送ライン上で静止した鋼板表面の形状を計測するものがある。
また、特許文献2では、上記三次元スキャナーで計測されたサンプリング点群のデータに含まれている計測誤差を除去するために当該データを平滑化する方法が提案されている。
ここで、特許文献2で提案された方法は、三次元スキャナーから入力された、被検体表面のサンプリング点と、各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値とから、サンプリング測度重み付き平滑化スプライン曲面を推定し、その未知パラメータを数値的に解くことで被検体の形状を算出する。しかしながら、特許文献2で提案された方法では、サンプリング点群の点数の増加に伴って計算量が膨大となり、計算が困難となる問題があった。
そこで、非特許文献1では、平滑化の際の計算量を減らすために、全サンプリング点群よりも点数を少なくした部分サンプリング点群を用いて近似的にカーディナルスプライン曲面を計算し、このカーディナルスプライン曲面を利用して平滑化を行う方法が提案されている。
特開2010−155272号公報 特開2012−37313号公報
R. K. Beatson、J. B. Cherrie and C. T. Mouat、「Fast Fitting of Radial Basis Functions: Methods Based on Preconditioned GMRES Iteration」、Advances in Computational Mathematics、11、1999年、p253-270
ここで、非特許文献1で提案された方法は、部分サンプリング点群を選択する際に、まずサンプリング点群中の基準点を定め、この基準点の近傍にあるサンプリング点のみ、あるいは近傍にあるサンプリング点および最遠方のサンプリング点のみを部分サンプリング点として選択している。従って、近傍と最遠方以外のサンプリング点を考慮せずにカーディナルスプライン曲面を計算しているため、その精度に問題があった。また、非特許文献1で提案された方法においても、サンプリング点群の点数の増加に伴って計算量が膨大となる問題が依然として存在していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、実用的な精度で、かつ高速に被検体の形状を算出することができる被検体の形状算出方法と、これを利用した鋼板のプレス矯正方法、鋼板の製造方法および鋼板を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る被検体の形状算出方法は、三次元スキャナーから入力された被検体表面のサンプリング点および各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値から、所定の汎関数を極小化する曲面として定義される回帰曲面を推定する平滑化スプライン法を利用して、前記被検体の形状を算出する形状算出方法において、各サンプリング点をそれぞれ基準点とし、各基準点を中心として各サンプリング点を所定の区分け領域によって区分けし、各区分け領域について、前記区分け領域に含まれるサンプリング点の内の一つを部分サンプリング点として選択する部分サンプリング点選択ステップと、前記基準点と、各区分け領域から選択された部分サンプリング点群と、前記区分け領域の大きさによって示される前記部分サンプリング点のサンプリング測度とから構成される、各サンプリング点に対応したサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列を解くことで、各サンプリング点を平滑化して前記被検体の形状を算出する形状算出ステップと、を含み、前記部分サンプリング点選択ステップにおいて、前記基準点からの距離が遠いほど前記区分け領域を大きくすることで、前記基準点からの距離が遠いほど前記部分サンプリング点の点群密度を低くし、前記形状算出ステップにおいて、全てのサンプリング点群に対応するサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面群から構成される前処理行列によって、前記未知パラメータ行列を前処理することを特徴とする。
また、本発明に係る被検体の形状算出方法は、上記発明において、前記被検体が、鋼板、スラブ、鋼片、または、鍛造前後もしくは鍛造中の鋼材であることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板のプレス矯正方法は、前記した被検体の形状算出方法によって算出された鋼板の形状からそのひずみ量を算出し、前記ひずみ量に応じて前記鋼板のプレス矯正を行うことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板の製造方法は、前記した鋼板のプレス矯正方法によって、圧延後または熱処理後の鋼板をプレス矯正することを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板は、前記した鋼板のプレス矯正方法によってプレス矯正されたことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼板は、前記した鋼板の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、平滑化スプライン法において、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面群から構成される前処理行列によって前処理を行うことで、実用的な精度で、かつ高速に被検体の形状を算出することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る被検体の形状算出方法による処理の一例を示すフローチャートである。 図2は、本発明の実施形態に係る被検体の形状算出方法において、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を計算する際の、サンプリング点の区分け方法の一例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る被検体の形状算出方法における、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を概念的に示した曲線を模式的に示す図である。 図4は、非特許文献1で提案された方法における、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を概念的に示した曲線を模式的に示す図である。 図5は、三次元スキャナーを用いて測定した厚板の平面形状点群データを示す図である。 図6は、図5に示す厚板の平面形状点群データを、本発明に係るサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面によって平滑化したデータを示す図である。 図7は、本発明および従来技術において、図5に示す厚板の平面形状点群データを平滑化した際の反復回数を示す表である。
以下、本発明に係る被検体の形状算出方法の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明に係る被検体の形状算出方法は、厚板、鍛造、形鋼分野において平坦度や形状を測定する際に、例えば三次元スキャナー等の測定装置によって測定された大規模点群データから、平坦度や形状の平滑化処理を実用的かつ高速に実行するための方法である。本発明に係る被検体の形状算出方法は、具体的には、三次元スキャナーから入力された被検体(例えば鋼板)表面のサンプリング点および各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値から、所定の汎関数を極小化する曲面として定義される回帰曲面を推定する平滑化スプライン法を利用して、被検体の形状を算出する。
なお、本発明に係る被検体の形状算出方法は、例えばCPU,ROM,RAM,ハードディスク,CD−ROM等の各種記憶装置、通信装置、出力装置、入力装置、インターフェース装置等を備えたコンピュータ等のハードウェア資源を用いて実現することができる。
以下では、まず本発明の基礎となる特許文献2および非特許文献1で提案された技術を説明した後、本発明について説明することとする。
特許文献2では、座標系(x,y)上に任意に分布するm個のサンプリング点
と、各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値
とから回帰曲面f(x,y)を推定するサンプリング測度重み付き平滑化スプライン法が提案されている。この方法において、回帰曲面である平滑化スプライン曲面f(x,y)を定義する汎関数Пは、下記式(1)で与えられる。
ここで、上記式(1)において、
である。
また、上記サンプリング測度は、下記式(2)を満たす。
ここで、上記式(2)のAは全てのサンプリング点を含む座標系(x,y)上の領域(サンプリング領域)の面積である。例えば、サンプリング点がサンプリング領域内に均一に存在する場合には、サンプリング測度は下記式(3)で与えられる。
平滑化スプライン曲面は、上記式(1)の汎関数Пを極小化する曲面として定義される。また、上記式(1)の右辺積分項の被積分関数において、lが奇数のときは下記式(4)、lが偶数のときは下記式(5)となる。
そして、特許文献2では、下記式(6)に示す連立一次方程式を数値的に解いて未知パラメータ{d},{c}を求めることで、サンプリング測度重み付き平滑化スプライン曲面を求め、大規模点群データを平滑化することが提案されている。
ここで、上記式(6)を直接解法で解いた場合の乗算数はmとなる。従って、三次元スキャナーから被検体表面に関する多数のサンプリング点が入力された場合、未知パラメータ{d},{c}の数が膨大となり、計算が困難となる。
このように未知パラメータの数が数万個となるような連立一次方程式を数値的に解くには、直接解法よりも反復解法が有効である。従って、上記式(6)に対しても反復解法を適用することが好ましい。ただし、反復解法を適用する場合は前処理(Preconditioning)が重要であり、この前処理が適切でないと、反復回数(Iteration)の増大を招き、あるいは収束不能に陥る。
ここで、例えば下記式(7)に示す連立一次方程式
に前処理を行うということは、上記式(7)の両辺に前処理行列[Q]を左から掛けることに相当し、当該前処理は下記式(8)となる。なお、上記式(7)における[A]は定数マトリックス、{x}は未知パラメータ、{b}は定数ベクトル、である。
上記式(8)における前処理行列[Q]は、行列[A]の逆行列[A]−1に近いほど好ましい。すなわち、前処理行列[Q]=[A]−1であれば、上記式(8)の左辺に単位行列を含むことになり、計算が容易となるためである。また、連立一次方程式を反復解法で解いた場合の乗算数はnであり、反復回数nが小さければ、直接解法よりも乗算数をかなり少なくすることができることが分かる。
ここで、前記したように、前処理行列[Q]を行列[A]の逆行列[A]−1に近似させるためには、例えばカーディナルスプライン曲面を利用する方法が考えられる。カーディナルスプライン曲面とは、各サンプリング点の中で、ある基準点を定めた場合において、当該基準点における値が1で、その他のサンプリング点(基準点以外のサンプリング点)における値が0となるスプライン曲面のことである。このカーディナルスプライン曲面の具体例については後記する(図3および図4参照)。
カーディナルスプライン曲面を利用する場合、上記式(6)から下記式(9)を導出する。下記式(9)の解は、i番目の基準点に対するサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータとなる。
ここで、上記式(9)において、
上記式(9)から、全てのサンプリング点を基準点とするサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列は、下記式(11)となる。なお、下記式(11)における右辺の[Im×m]は、m行m列の単位行列である。
ここで、上記式(11)に示す未知パラメータ行列は前処理行列の要件を満たし、前処理行列は、下記式(12)となる。
しかしながら、上記式(12)に示すように、全サンプリング点を基準点としたサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列を求めることは、実質的に上記式(6)の左辺一番目の行列の逆行列を計算することと等価であり(乗算数m)、計算量を減らすことには何ら寄与せず、計算量を却って増加させてしまう(乗算数m+n)。
そこで、非特許文献1では、平滑化パラメータγを0としたケース(内挿問題)に対して、カーディナルスプライン曲面の計算量を減らす工夫として、全サンプリング点群よりよりも点数を少なくした部分サンプリング点群を用いて近似的にカーディナルスプライン曲面を計算する方法が提案されている。
上記式(9)から、基準点iを含む部分サンプリング点群S(S⊂M)に対するサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータは、下記式(13)となる。
上記式(13)によって得られる未知パラメータ
の要素数は、部分サンプリング点群の点数と同じとなり、全サンプリング点群の点数mより小さくなる。
そして、部分サンプリング点群に対応しない要素を0とし、部分サンプリング点群に対応する未知パラメータ
を用いる未知パラメータ
を定義すると、上記式(12)から、前処理行列は下記式(14)となる。
ここで、上記式(13)の乗算数はs(sは部分サンプリング点群の点数の平均)となり、上記式(14)の乗算数はmsとなる。これにより、上記式(14)を前処理行列として適用して式(13)を反復解法によって解いた場合の乗算数はms+nとなる。従って、部分サンプリング点群の点数を小さくすることができれば、上記式(6)を直接解法で解く場合よりも乗算数をかなり小さくすることができることが分かる。
さらに非特許文献1では、式(6)左辺の乗算演算数を減らす手段として、FMM(Fast Multipole Method、高速多重極展開法)を用いており、理論的には乗算数をms+nmlogmまで低減させている。このように、乗算数中にmの項がなくなることで、乗算数が高速フーリエ変換、クイックソート等のアルゴリズムと同レベルとなり、実用的に適用することが可能となる。
しかしながら、非特許文献1で提案された技術では、前記したように、近傍と最遠方以外のサンプリング点を考慮せずにカーディナルスプライン曲面を計算しているため、精度に問題があり、またサンプリング点群の点数の増加に伴って計算量が膨大となる問題が依然として存在していた。
上記問題点を解決するために、本発明者らは、大規模点群データから被検体の形状(特に平面形状)を実用的なレベルで高速に算出することができる形状算出方法を考案した。以下、図1〜図4を参照しながら本発明の内容について説明する。
本発明に係る被検体の形状算出方法では、平滑化スプライン法を利用して被検体の形状を算出する際に、図1に示すように、まず三次元スキャナーからサンプリング点群のデータ、すなわち被検体表面のサンプリング点および各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値が入力される(図1のステップS1)。
次に、部分サンプリング点選択ステップとして、サンプリング点群を区分けし、部分サンプリング点を選択する(図1のステップS2)。本ステップでは、具体的には図2に示すように、各サンプリング点をそれぞれ基準点とし、各基準点を中心として各サンプリング点を所定の区分け領域によって区分けし、各区分け領域について、当該区分け領域に含まれるサンプリング点の内の一つを部分サンプリング点として選択する。なお、図2は、部分サンプリング点の選択処理を分かりやすく可視化したものであり、サンプリング点の位置や区分け領域の形状およびサイズは一例に過ぎない。また、図2において、二重丸で示した点は基準点、黒丸で示した点は近傍サンプリング点群、中黒二重丸で示した点は遠方サンプリング点群、通常の丸で示した点はその他のサンプリング点群、である。
ここで、基準点とは、各サンプリング点から任意に選択したサンプリング点であり、本ステップでは、各サンプリング点を基準点として、当該基準点ごとに部分サンプリング点群を選択する。例えばサンプリング点群の点数が10000個の場合、各サンプリング点を基準点として、部分サンプリング点群を10000回選択する。
また、近傍サンプリング点群とは、基準点の近傍にあるサンプリング点によって構成された部分サンプリング点群のことである。また、遠方サンプリング点群とは、基準点の遠方にあるサンプリング点によって構成された部分サンプリング点群のことである。そして、その他のサンプリング点群とは、部分サンプリング点群として選択されなかったサンプリング点群のことであり、カーディナルスプライン曲面の計算に用いられないサンプリング点のことを意味する。
本ステップでは、図2に示すように、基準点を中心として各サンプリング点を所定の区分け領域によって区分けする。そしてその際、基準点の近傍ほど区分けを細かくし、基準点から遠くなるにつれて区分けを粗くする。すなわち、基準点の近傍のサンプリング点については、サンプリング点の一つ一つを区分け領域によって囲い、それぞれを部分サンプリング点として選択する。一方、基準点の遠方のサンプリング点については、複数のサンプリング点をひとまとめにして区分け領域によって囲い、当該区分け領域に含まれるサンプリング点の内の一つだけを部分サンプリング点として選択する。
このように、本ステップでは、図2に示すように、基準点からの距離が遠いほど区分け領域を大きくすることで、基準点からの距離が遠いほど部分サンプリング点の点群密度を低くする。これにより、基準点からの距離に応じて部分サンプリング点の点数を減らすことができる。また、部分サンプリング点の選択にあたっては、同図に示すように、各区分け領域の中心付近のサンプリング点を選択する。なお、図2で示した区分け領域の面積は、前記したサンプリング点のサンプリング測度を意味する。
ここで、前記した非特許文献1においても、サンプリング点群を区分けして部分サンプリング点を選択することが紹介されているが、同文献で提案された技術では、例えば図2における近傍サンプリング点群(15個)と、最遠方の遠方サンプリング点群(7個)のみを部分サンプリング点群として選択している。すなわち本発明では、基準点を除いて、図2に示した256個のサンプリング点の内の39個を部分サンプリング点として選択しているが、非特許文献1では、最大で22個のみを部分サンプリング点として選択している。
次に、形状算出ステップとして、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面で前処理し、その未知パラメータを求めて被検体の形状を算出する(図1のステップS3およびステップS4)。
本ステップでは、具体的には、基準点と、各区分け領域から選択された部分サンプリング点群と、区分け領域の大きさによって示される部分サンプリング点のサンプリング測度とから構成される、各サンプリング点に対応したサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列を反復解法によって解くことで、各サンプリング点を平滑化して被検体の形状を算出する。また、本ステップでは、前記した未知パラメータを解く際に、全てのサンプリング点群に対応するサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面群から構成される前処理行列によって、未知パラメータ行列を前処理する。
本ステップでは、より具体的には、下記式(15)に示すサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列を、下記式(16)に示す前処理行列によって前処理する。
ここで、本ステップにおいて用いるサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を概念的に示すと、図3のように、基準点またはその付近を通り、かつ部分サンプリング点群(近傍サンプリング点群および遠方サンプリング点群)の付近を通る曲線で表すことができる。なお、同図において、基準点における値は1で、その他の部分サンプリングの値は0である。また、同図における各点は、図2で示した基準点、近傍サンプリング点群、遠方サンプリング点群に対応させて図示している。また、図3のグラフにおける横軸は、基準点からの距離を示している。
この曲線は、図3に示すように、基準点や、その他の部分サンプリング点については必ずしも通る必要がない。ただし、同図に示すように、曲線と横軸との交点とその近傍の部分サンプリング点との距離が、基準点から離れるに従って小さくなるように構成されている。また、この曲線は、例えば最遠方の部分サンプリング点については、なるべく通るように構成されている。
このような曲線の交点とその近傍の部分サンプリング点との距離は、図2に示した区分け領域の面積が関係している。同図に示すように、基準点からの距離が離れるほど区分け領域の面積、すなわちサンプリング測度が大きくなり、部分サンプリング点の点群密度が低くなる。従って、図2では、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面において、基準点に対する部分サンプリング点の距離に応じて重み付けを行う(サンプリング測度重み付け)ということが表現されている。
なお、非特許文献1で提案されたカーディナルスプライン曲面を図3と同様に概念的に示すと、例えば図4に示すような曲線で表すことができる。同図に示すように、非特許文献1では、基準点の近傍のサンプリング点(近傍サンプリング点群)と最遠方のサンプリング点(最遠方の遠方サンプリング点群)のみを部分サンプリング点として選択しており、本発明に係るサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面とは、概念的に異なる曲線となる。
以下、前処理行列の説明に移る。上記式(16)で示される前処理行列は、図3で示されるサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面をサンプリング点ごとに算出し、それらを重ね合わせたものに相当する。例えばサンプリング点群の点数が10000個の場合、10000万個のサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を重ね合わせたものが上記式(16)で示される前処理行列となる。
以上のような処理を行う被検体の形状算出方法は、前記した部分サンプリング選択ステップを経ることで、部分サンプリング点群を一意に決定することができる。そして、この部分サンプリング点選択ステップにおいて選択される部分サンプリング点群の点数の平均は、logmとなる。これにより、上記式(16)を前処理行列として適用して式(15)を反復解法によって解いた場合の乗算数はlogm+nmlogmとなり、従来技術よりも少なくなる。なお、本発明においても、部分サンプリング点群の点数はサンプリング数の増加に伴って増加するが、その増え方は非特許文献1よりも緩やかであり、致命的とはならない。
このように、本発明に係る被検体の形状算出方法によれば、平滑化スプライン法において、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面群から構成される前処理行列によって前処理を行うことで、実用的な精度で、かつ高速に被検体の形状を算出することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本実施例では、三次元スキャナーから入力された実際の大規模点群データについて、本発明に係る方法と従来技術に係る方法とのそれぞれを利用して平滑化を行い、その反復回数を比較した。なお、本実施例で取り上げる従来技術は、前記した特許文献2に対して非特許文献1を適用した技術(ただしサンプリング測度重みは考慮せず)である。
三次元スキャナーを用いて測定した厚板の平面形状の点群データを図5に示す。ここで、本実施例では、板長6m×板幅2mの厚板を用い、z軸上の測定範囲を±5mmとした。なお、厚板のスケールや測定範囲は一例である。なお、同図に示す点群データの点数は合計25691個であるが、三次元スキャナーを用いれば30秒ほどで当該点群データを取得することができる。
ここで、図5に示す点群データには±2mm程度の測定誤差が含まれているため、本発明に係る方法と従来技術に係る方法とのそれぞれを利用して測定誤差を除去した。本発明に係る方法では、上記式(15)および上記式(16)に基づいて、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を利用して平滑化を行った。また、従来技術に係る方法では、サンプリング測度重みを考慮しない平滑化カーディナルスプライン曲面を利用して平滑化を行った。
本発明に係るサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面によって平滑化を行った結果を図6に示す。なお、図5のサンプリング点数は合計25691個あるため、メモリ容量や計算時間等の制約により、上記式(6)に基づいて直接解法によって計算することは実質的に不可能である。直接解法によって計算が可能なサンプリング点数は、例えば3000個程度である。
図7に、図5に示す点群データからサンプリング測度重みを考慮しない平滑化カーディナルスプライン曲面を用いた場合(従来技術)と、サンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面を用いた場合(本発明)の、反復解法における計算の反復回数を示す。なお、ここでは反復解法としては、非特許文献1を参考にしてGMRES法(Generalized Minimal Residual Method)を用いた。また、図7におけるNo.1およびNo.2に示す点群データは、No.3のサンプリング点を間引いて作成した。
図7に示すように、本発明ではサンプリング点数が増加しても反復回数はほぼ一定であるが、従来技術ではサンプリング点数が増加するにしたがって反復回数も増大していることが分かる。同図に示す結果は、本発明が理論乗算数logm+nmlogmを達成できることを意味している。また、従来技術では、例えばサンプリング点数が数十万個になると、反復回数の増大による計算負荷が致命的となり、実用的な計算が不可能となる。
以上、本発明に係る被検体の形状算出方法について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変などしたものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、図2では、遠方サンプリング点群を区分けする際に、4個または16個のサンプリング点を一つにまとめて区分けしているが、区分け領域の大きさ(区分けするサンプリング点の点数)は、同図に示すものには限定されない。また、同図では区分け領域を正方形で示しているが、区分け領域の形状は長方形やその他の多角形であっても構わない。
また、本発明に係る被検体の形状算出方法は、鋼板の他にも、鍛造前後もしくは鍛造中の鋼材、スラブ、鋼片等を被検体としてもよい。すなわち本発明は、圧延、冷却および熱処理後の鋼板の平面形状を算出するという用途以外にも、鍛造前後もしくは鍛造中の鋼材、連続鋳造により製造されたスラブ、鋼片等の種々の形状を測定・算出する際に利用することが可能である。
また、本発明に係る被検体の形状算出方法は、例えば圧延、冷却および熱処理後の鋼板を冷却床(クーリングベッド)に載置した際に平坦度を測り、平坦度に問題がない場合にオンラインに戻し、平坦度に問題がある場合はフィードバックして熱処理条件の調整を行う、といった用途で利用することが可能である。あるいは、製品出荷時に鋼板の平坦度を検査する用途に利用することも可能である。
また、本発明に係る被検体の形状算出方法は、例えばオフラインで鋼板をプレス矯正する際に利用することも可能である。特に、厚鋼板の形状矯正をプレスにより実施する際に利用することが可能である。厚鋼板で形状矯正が必要な場合、いわゆるコールド・レベラを用いて、すなわち冷間でローラレベラを用いてオンラインで形状矯正することが有効であり、多く実施されている。しかしながら、厚鋼板の形状が悪く、レベラへ装入できない場合には、オフラインでプレス成形する必要がある。この場合、前記した被検体の形状算出方法によって算出された鋼板の形状からそのひずみ量を算出し、そのひずみ量に応じて鋼板のプレス矯正を行う。従来は、オペレータが鋼板のひずみ量を直接測定し、そのひずみ量に応じてプレス矯正を行っていたが、本発明を利用することで、オペレータを介すことなく、ひずみ量を自動的に算出することができる。
また、前記した鋼板のプレス矯正方法は、鋼板を製造する際に利用することも可能である。この場合、前記した鋼板のプレス矯正方法によって、圧延後または熱処理後の鋼板をプレス矯正し、鋼板を製造する。

Claims (4)

  1. 三次元スキャナーから入力された被検体表面のサンプリング点および各サンプリング点に対応した誤差を含むデータ値から、所定の汎関数を極小化する曲面として定義される回帰曲面を推定する平滑化スプライン法を利用して、前記被検体の形状を算出する形状算出方法において、
    各サンプリング点をそれぞれ基準点とし、各基準点を中心として各サンプリング点を所定の区分け領域によって区分けし、各区分け領域について、前記区分け領域に含まれるサンプリング点の内の一つを部分サンプリング点として選択する部分サンプリング点選択ステップと、
    前記基準点と、各区分け領域から選択された部分サンプリング点群と、前記区分け領域の大きさによって示される前記部分サンプリング点のサンプリング測度とから構成される、各サンプリング点に対応したサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面の未知パラメータ行列を解くことで、各サンプリング点を平滑化して前記被検体の形状を算出する形状算出ステップと、を含み、
    前記部分サンプリング点選択ステップは、前記基準点からの距離が遠いほど前記区分け領域を大きくすることで、前記基準点からの距離が遠いほど前記部分サンプリング点の点群密度を低くし、
    前記形状算出ステップは、全てのサンプリング点群に対応するサンプリング測度重み付き平滑化カーディナルスプライン曲面群から構成される前処理行列によって、前記未知パラメータ行列を前処理することを特徴とする被検体の形状算出方法。
  2. 前記被検体は、鋼板、スラブ、鋼片、または、鍛造前後もしくは鍛造中の鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の被検体の形状算出方法。
  3. 請求項1に記載の被検体の形状算出方法によって算出された鋼板の形状からそのひずみ量を算出し、前記ひずみ量に応じて前記鋼板のプレス矯正を行うことを特徴とする鋼板のプレス矯正方法。
  4. 請求項3に記載の鋼板のプレス矯正方法によって、圧延後または熱処理後の鋼板をプレス矯正することを特徴とする鋼板の製造方法。
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