JP6369699B2 - 溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法および溶銑の脱りん・脱硫方法 - Google Patents

溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法および溶銑の脱りん・脱硫方法 Download PDF

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本発明は、溶銑脱硫スラグから精錬用フラックスを回収する方法および溶銑の脱りん・脱硫方法に関し、とくに製鋼工場において発生する脱硫スラグから脱りん剤や脱硫剤のような精錬用フラックスを回収する方法と、回収したその精錬用フラックスを用いて溶銑の脱りん処理ならびに脱硫処理を行なうための方法について提案する。
溶銑脱硫プロセス、例えば、機械攪拌式脱硫プロセスは、溶銑中に石灰系脱硫剤を添加すると共に攪拌羽根を浸漬し、これを回転させることによって、石灰系脱硫剤と溶銑とを攪拌−混合させることで反応を促進させて脱硫する処理である。このような溶銑脱硫処理において、前記石灰系脱硫剤は、融点が高いために溶銑レベルの温度では溶解せず、固体状態のままで溶銑と接触(微細な溶銑を巻き込みながら凝集)し、球状の脱硫スラグになると考えられている。こうした脱硫スラグには、約10〜20mass%の鉄分が含まれており、その大きさは100〜500μm程度である。また、この脱硫スラグには、溶銑中から除去した硫黄に加え、溶銑中の微量元素であるセレン等も含有されている。さらに、この脱硫スラグ中には、脱硫剤の反応効率を向上させるために加えられたFやNa等(媒溶剤成分)も含有しているのが普通である。
一方で、溶銑脱硫スラグというのは、精錬剤と言える各種の有価成分をも含んでいることから、従来、この脱硫スラグの有効利用について検討されてきた。即ち、脱硫スラグの再利用方法としては、回収したその脱硫スラグを別の溶銑脱硫処理時に再度使用する方法であり、例えば、特許文献1、特許文献2にはその再利用の方法について開示されている。また、特許文献3には、脱硫スラグの再利用のために、この脱硫スラグを高温で処理し、含有する硫黄分を除去する方法についての提案がある。この特許文献3の記載によると、その脱硫スラグを1100〜1400℃の高温で処理する場合には、酸化鉄の生成を防ぐため、高温処理の前に脱硫スラグから金属鉄を取り除くことが開示されている。そして、この文献には、加熱炉耐火物の損傷や加熱エネルギーコストの増大を防ぐため、加熱温度を1400℃以下にすることが好ましい旨の開示がある。 その他、特許文献4には、溶銑をカルシウムカーバイドで脱硫したときに排出される脱硫スラグに酸化鉄を混合し、その混合物を酸化性雰囲気で加熱することにより、カルシウムフェライトを製造する技術についての提案がある。加熱温度は、反応速度、製品性状、製造炉への影響及び操業効率を考慮して1200〜1400℃が好ましいとしており、この時、脱硫スラグの配合率は30〜90mass%が望ましいとしている。
特許4998677号公報 特許4909747号公報 特開2013−189688号公報 特開昭53−19200号公報
前記各特許文献に開示されている脱硫スラグ再利用技術のうち、特許文献1、2に開示のものは、回収した脱硫スラグを熱間のままもしくは冷却後に溶銑中に添加して再利用する方法であるが、これらの方法では、該脱硫スラグ中に濃縮したSが、精錬プロセス中に再び混入する虞れがあった。従って、こうした再利用技術は、この処理を繰り返すことで、脱硫スラグ中のS濃度が次第に増加し、やがては精錬能力が頭打ちとなっていく。このように、上記従来技術については、脱硫能が不安定となって、安定した脱硫処理を実現できないという問題があった。また、これらの従来技術では、酸化精錬時にこれを用いると、スラグ中のSが溶鉄中に移行してS濃度が増加し、このことが精錬負荷の増大に繋がるという問題もあった。
また、脱硫スラグをロータリーキルンなどの炉を使って高温で処理することにより硫黄を除去する特許文献3に開示の方法については、該脱硫スラグ中に含まれる鉄分が酸化され、石灰と低融点の石灰−酸化鉄化合物を形成し、これが反応容器の内壁に付着するという問題があった。しかも、この方法の場合、脱硫スラグ中の鉄分は通常、大きさが100μm〜数100μmと微細であることから、磁選分離等で除去できるようにするためには粉砕の負荷が大きくなり、しかも、分離しにくいという問題もあった。
また、脱硫スラグを酸化鉄と混合したあと高温で処理することによりカルシウムフェライトを製造するという特許文献4に開示の方法については、脱硫スラグの配合率が30〜90mass%と限定されており、しかも、酸化鉄を新たに配合する必要があるため、配合設備や加熱設備を新設する必要があり、設備的な負荷が大きいという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、溶銑脱硫スラグから脱硫作用や脱りん作用のあるプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスを得ること、及びこのフラックスを用いて脱りんや脱硫の処理を行なうための有効な技術を提案することにある。
本発明は、第1に、溶銑脱硫スラグから精錬用フラックスを回収するための前記従来技術が抱えている前述した課題を解決するために開発した方法を提案する。即ち、本発明は、石灰系脱硫剤を使って溶銑脱硫処理をするときに発生する鉄分を含む脱硫スラグを粉砕してから加熱処理することにより、粉砕された該脱硫スラグ中に含まれる硫黄、フッ素およびセレンを除去すると共に、この脱硫スラグ中に含まれる鉄分を酸化させて、カルシウム−フェライトを生成させてなるプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスを得ることを特徴とする溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法である。
なお、本発明に係る上記回収方法において、
(1)前記加熱処理は、粉砕された脱硫スラグを、気体もしくは固体燃料を燃焼用酸素によって燃焼させるバーナー火炎中に曝すことにより行なうこと、
(2)前記加熱処理は、1500℃以上2800℃以下の温度で行なうこと、
(3)加熱処理前の粉砕された前記脱硫スラグは、1mm以下の大きさであること、
(4)前記プリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスが、脱りん剤または脱硫剤であること、
が、より好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明は、第2に、上述した回収方法の採用によって回収されたプリメルト石灰一酸化鉄系精錬用フラックスを用いて溶銑の脱りんを行なうことを特徴とする溶銑の脱りん方法を提案する。
本発明は、第3に、上述した回収方法の採用によって回収されたプリメルト石灰一酸化鉄系精錬用フラックスを用いて溶銑の脱硫を行なうことを特徴とする溶銑の脱硫方法を提案する。
本発明によれば、前記のような構成の採用によって、石灰系脱硫剤を用いて溶銑の脱硫処理をしたときに発生する鉄含有脱硫スラグを、精錬用フラックス(以下、「精錬剤」とも言う)として回収する際に、その鉄を事前に除去することなく、固体もしくは液体燃料と燃焼用酸素によるバーナー火炎中に曝すという加熱処理を施すことにより、その鉄の酸化熱を利用できると共に酸化した鉄と石灰とを溶融させることでカルシウム−フェライト量の多いプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックス(脱硫剤や脱りん剤のような精錬剤)を効果的に回収することができる。
特に、本発明によれば、1mm以下の大きさに粉砕した脱硫スラグをバーナー火炎中に曝して1500〜2800℃という高温雰囲気中に曝して加熱する方法であるから、反応自体が高温域で進行するため、SやF、Se等の成分の除去が確実で効率的に行なわれることになり、プロセス内への不純物の蓄積がない。
さらに、本発明に係る溶銑の脱りん方法ならびに脱硫方法によれば、脱りん効果や脱硫効果に優れると共に、溶銑への復硫汚染が少なく、一般的なリサイクル脱硫剤を使用するときのような弊害を招くことなく脱りん・脱硫の処理ができる。
なお、本発明によれば、排ガス中のSが主としてSOとして回収されるため、これを硫酸や石膏用の原料として利用することができるという副次的な効果もある。
脱硫スラグ(粉体)の加熱用バーナーの部分断面図であり、(a)は比較例を示し、(b)は本発明例を説明するための図である。
本発明は、例えば、石灰系脱硫剤を使用して機械攪拌式脱硫装置にて溶銑の脱硫処理を行なった際に発生する鉄含有脱硫スラグを、まず、1mm以下の大きさに粉砕し、粉砕後の脱硫スラグを次に、気体もしくは固体燃料を燃焼用酸素によって燃焼させる形式のバーナー火炎中に曝して加熱処理する方法である。即ち、本発明は、粉砕された脱硫スラグを加熱することにより、この脱硫スラグ中に含まれる硫黄(S)、フッ素(F)、セレン(Se)を効率よく除去すると同時に、カルシウム−フェライト比率の高いプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックス(精錬剤)として回収する方法である。また、本発明は、回収したその精錬用フラックスを脱りん剤や脱硫剤として使用することで溶銑脱りんや脱硫の処理を行なう方法である。
本発明の特に前記回収方法の特徴の1つは、溶銑脱硫スラグをまず1mm以下の大きさに粉砕することにより、そしてこれをバーナー火炎中に曝す(照射するかバーナー火炎中を通過させるなどの方法)という加熱処理により、該脱硫スラグ(粉)がそのバーナー火炎により1500℃以上2800℃以下の温度に速やかに加熱されるようにした点にある。このような処理を行なうことで、該脱硫スラグ中の微細鉄が直ちに酸化されてFeとなり、これが石灰と反応することでカルシウム−フェライト(CaO−Fe)からなる低融点化合物であるプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスとなる。
一方、SeやS、Fは高温域中では、ガスもしくはダストとして酸化除去される。その結果、脱硫スラグは、カルシウム−フェライトを多く(12〜96mass%)含む、反応性に優れたプリメルト型の精錬剤として再利用可能な精錬用フラックスに代わる。
このように本発明は、溶銑の脱硫処理段階で生成する石灰系の脱硫スラグを、別の溶銑の脱りん処理や脱硫処理時に使用するための精錬用フラックス、例えば脱りん・脱硫成分として再利用できるようにするための方法である。なお、本発明に適用可能な石灰系脱硫剤を用いた溶銑の脱硫処理としては、耐火物製の攪拌体などによって機械的に攪拌される溶銑の浴面上に石灰系脱硫剤を添加して脱硫する方法(以下、「機械攪拌式脱硫法」という)によるものであることが好適である。
即ち、かかる溶銑脱硫方法は、高炉から出銑された溶銑をまず溶銑鍋に受銑し、次いで、この溶銑を機械攪拌式脱硫装置に搬送し、そして、その機械攪拌式脱硫装置を用いて脱硫処理を行なう方法である。この場合の容器は、溶銑を攪拌する必要上、取鍋型の処理容器が好適である。従って、溶銑鍋に代わってトーピードカーで受銑した場合には、脱硫処理に先立ち、溶銑を取鍋型の処理容器に移し替えることが望ましい。
本発明において、脱硫処理の対象となる溶銑は、例えば、予め脱珪処理や脱りん処理が施されたものであってもよい。脱珪処理とは、脱りん処理を効率良く行うために脱りん処理に先立ち、溶銑に酸素ガスや鉄鉱石などの酸素源を添加して主に溶銑中のSiを除去する処理であり、脱りん処理とは、溶銑に酸素ガスや鉄鉱石などの酸素源を添加するとともに、生成するP25を吸収するための脱りん用フラックスとしての生石灰(CaO)を添加して主に溶銑中のPを除去する処理である。
前記機械攪拌式脱硫装置では、溶銑を攪拌するための攪拌羽根(インペラー)の位置が溶銑鍋のほぼ中心となるように、溶銑鍋の位置を調整する。次いで、攪拌羽根を下降させて溶銑鍋内に浸漬して溶銑中に埋没させる。そして、攪拌羽根が溶銑中に浸漬されたら、該攪拌羽根の旋回を開始させ、所定の回転数まで上げる。この攪拌羽根の回転数が所定の回転数に達したら、石灰系脱硫剤を溶銑の上に上置き添加する。
このときに使用する脱硫剤としては、当該脱硫処理よりも前の脱硫処理において発生し、回収された脱硫スラグを脱硫剤(脱硫成分)の一部として配合してもよい。この場合、脱硫スラグ以外の新たに添加する石灰系脱硫剤と、回収した脱硫スラグとを同時に添加する必要はなく、それぞれを別々に上置き添加すればよい。具体的には、新規の脱硫剤は、ホッパー、シュートなどの慣用の供給装置を用いて添加し、一方、回収した脱硫スラグについては、クレーンなどの搬送装置を用いてスラグ回収容器から直接投入すればよい。当然のことながら、回収脱硫スラグもホッパー、シュートなどの慣用の供給装置を用いて添加することはできるが、その必要性は低い。脱りん剤あるいは脱硫剤として再利用する精錬用フラックスの回収方法は後述する。
前記石灰系脱硫剤としては、CaOを含有し、溶銑の脱硫処理ができるものであれば特にCaOの含有量に制約はない。しかし、一般には、CaO単味またはCaOを50mass%以上含有し、必要に応じてその他の成分としてAl23、CaF2、MgO、SiO2などの滓化促進剤を含有するものなどがよい。CaO源としては、生石灰(CaO)、ドロマイト(MgCO3・CaCO3)、消石灰(Ca(OH)2)、石灰石(CaCO3)などを使用することができる。
本発明において、加熱処理の対象となる脱硫スラグは、粒径が1mm以下の大きさのものにすることが好ましい。その理由は、1mm以下の大きさにすることで、後述するバーナー火炎の燃焼熱を該脱硫スラグに効率よく着熱させることができ、ひいては硫黄やフッ素、セレンの除去を効率よく除去することができるようになると共に、回収するプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックス中のカルシウム−フェライト比率を高めることができるようになるからである。
前記脱硫反応を促進させるためには、脱硫剤の添加と同時に、または、脱硫剤添加の前後に、もしくは脱硫処理期間の全期間中に、脱硫助剤を溶銑浴面上に載せ置き添加することが好ましい。ここで、脱硫助剤とは、溶銑中或いは溶銑上に存在するスラグ中の酸素と優先的に反応して、溶銑及びスラグの酸素ポテンシャルを低減させ、脱硫剤による脱硫反応を促進させるためのものである。その脱硫助剤としては、主として金属Alやアルミドロス粉末が使用され、この他に、アルミニウム融液をガスでアトマイズして得られるアトマイズ粉末や、アルミニウム合金を研磨、切削する際に発生する切削粉などの他のAl源や、フェロシリコンのようなSi合金や、Mg合金なども用いることができる。
そして、所定量の脱硫剤の添加が完了した後も、攪拌羽根を旋回させて脱硫処理を継続し、所定時間の攪拌を行なったら、該攪拌羽根の回転数を減少させて停止させる。次いで、攪拌羽根の旋回を停止させたら、その攪拌羽根は上昇させる。このようにして脱硫スラグが浮上して溶銑表面を覆い、静止した状態で溶銑の脱硫処理が終了する。
本発明では、前述した溶銑の脱硫処理が終了した後、溶銑を収容した溶銑鍋を排滓処理場に搬送し、スラグ掻き出し機などを用いて脱硫スラグをスラグ回収容器に回収する。スラグ回収容器としては、一般的にスラグ収容容器として使用されている鉄製のスラグポットや耐火物が施工された取鍋型の容器などを用いることができる。
本発明に係る精錬用フラックスの回収方法において最も特徴的なことは、上述したように、1mm以下の大きさに粉砕した脱硫スラグを高温(約1500℃以上)で加熱処理すること、特に気体もしくは固体燃料を支燃性ガスである燃焼用酸素を使って燃焼させるバーナー火炎中(火炎内温度:約1500〜2800℃)に曝すこと、例えば、該バーナー火炎中を通過させたり、該バ−ナー火炎自体を粉状の脱硫スラグに向けて、噴射(照射)したりする処理を行なうことにある。
この加熱処理によって、該脱硫スラグに含まれている硫黄(S)、フッ素(F)およびセレン(Se)が燃焼除去され、新たな酸化鉄源を添加することなく、プリメルト状態の、いわゆる(S)などの少ない改質脱硫スラグ、即ち、カルシウム−フェライト比率の高いプリメルト石灰−酸化鉄系の脱硫剤や脱りん剤のような精錬用フラックスの回収が可能になる。
なお、本発明において、前記バーナーの燃料としては、酸化性のプロパンガスや天然ガスなど、また、微粉炭や排プラスチック等の固体燃料の使用が可能でコスト低減に効果がある。
前記プリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスは、精錬剤として、脱硫剤の他に、脱りん剤としての利用も考えられる。その理由は、このフラックスには多量(60〜65mass%)の生石灰(CaO)が含まれており、しかも一度は、溶融したプリメルト品であることから、脱硫精錬時や脱りん精錬時に用いても溶融しやすく反応効率が高いため、溶湯中のPの除去に有効だからである。
以下、前述したプリメルト石灰一酸化鉄系精錬用フラックスを用いて、溶銑の脱りん処理をする方法について簡単に説明する。なお、この処理に当たっては、受銑した溶銑、特に、脱りん効率を上げるために、予め脱珪処理した溶銑を用いることが好ましい。こうした溶銑の脱りん処理は、好ましくは上底吹き転炉を用い、そして、バーナーつき上吹きランス(5重管バーナーランス)から燃料ガスならびに酸素ガスと共に、粉砕(≦1mm中)された前記精錬用フラックスを、所定の吹込み速度(8kg/min程度)で噴射し、バーナー火炎中を通過させるとういう本発明に特有の加熱方法、即ちその精錬用フラックスを、炉内の溶銑(火点)に向けて吹き付けることによって行なう。
以下に説明する実施例は、パイロットプラントを用いて下記表1に示す条件で燃焼試験を行なった例である。この実施例で使用したバーナー(ランス)は比較例のものは実質的に4重管と同じ機能の5重管、発明例としては5重管構造のものを用いた。即ち、比較例のバーナーは、図1(a)に示すように、冷却水を通水できる外筒内に、燃料ガスと燃焼用酸素の通路を設け、中心通路からNのみを流す構成であり、一方、本発明例の5重管バーナーランスは、図1(b)に示すとおり、冷却水を通水できる外筒内に、燃料ガス通路と燃焼用酸素通路と、その中心に窒素ガスを搬送ガスとする粉体通路を設けたものである。燃料はプロパンガスを用いた。
そして、溶銑脱硫処理によって発生した脱硫スラグを、ジョークラッシャーを用いて1mm以下の大きさにまで粉砕したものを96kg準備し、比較例1では鉄製の容器に96kgの脱硫スラグを入れてバーナーランスをスラグ層の上1mの高さに保持して燃焼させた。一方、本発明例1〜3については、5重管バーナーランスを用いて、96kgの脱硫スラグを3超〜5mm、1超〜3mm、1mm以下の3種類の大きさのものをそれぞれ準備し、表1の条件でバーナーランスの火炎中に曝す(照射)という方法で加熱し、得られたフラックスを鉄製容器に回収した。両条件とも12分間の処理を行なったが、比較例1ではバーナー照射部の一部に溶融している様子が観察されたのみであった。一方、発明例1においては、溶融した不規則な形状のものが鉄製容器内に回収され、全体的に高温で赤熱状態であった。バーナー照射時の火炎内温度を測定したところ、約2000℃であった。表2は、この処理の前後のフラックス成分の変化を示す。
表2に示すとおり、比較例1では加熱状態が不十分であり、S、F、Seは僅かしか減少していない。また、鉄分の酸化も殆ど進んでいない。一方、発明例1〜3においては、いずれもS、F、Seが低減している。また、発明例1〜3では、細かく粉砕した水準において、S、F、Seの低減率が高いが、発明例3の1mm以下に粉砕したものが、カルシウム−フェライトの比率が顕著に高いという結果となった。
次に、上記の実験で得られた処理後の精錬用フラックスを、脱りん剤として再利用する実験を行なった。この実験は、転炉を用いて行なった。その実験条件を表3に示す。そして、添加する脱りん剤の水準を表4に示した。
この表4に示すとおり、比較例2は表2の発明例3に適合する成分とCaO、Fe分が同量になるように焼石灰と鉄鉱石によって脱りん処理したものである。比較例3は表2の比較例1の処理後スラグ、発明例4〜6は、表2の発明例1〜3で得られた処理後スラグ(精錬用フラックス)を用いたものである。
なお、表5は溶銑脱りん実験の処理前、処理後溶銑成分を示す。
この表5に示すとおり、比較例2では脱りん率が67%、比較例3では72%であった。一方、発明例4〜6では脱りん率77〜90%と高い結果となった。特に、脱硫スラグを1mm以下に粉砕し、バーナー火炎内を通過させ、カルシウム−フェライト比率が顕著に高かった発明例6では、90%と顕著であった。同一の石灰、酸素ガスおよび酸化鉄添加量では、発明例6の脱りん反応効率が高かった。それは、脱硫スラグがバーナー加熱により、プリメルト状態となり、反応性が高いカルシウム−フェライト含有率が高いためと考えられる。また、比較例3においては、表2に示すように脱硫スラグ中のSが2.1mass%と高いため、酸化精錬である脱りん処理中に溶銑中に復Sしている。このように、再利用時にS分を除去しない場合にはプロセスにおけるSピックアップの原因となることが判った。
本発明に係るの技術は、溶銑脱硫スラグを再利用できるようにする方法、とくに脱硫剤、脱りん剤等の精錬用フラックスを回収する方法、およびその製造方法ならびにこの精錬用フラックスを用いて行なう溶銑の脱りんまたは脱硫の方法であるが、その他に、脱硫スラグからの不純物成分(S、F、Seなど)の除去技術としても有用である。また、本発明にかかる技術は、これを実施する際に発生する排ガス中のSがSOxとして回収されるため、硫酸や石膏用原料の製造にも利用することができる。

Claims (7)

  1. 石灰系脱硫剤を使って溶銑脱硫処理をするときに発生する鉄分を含む脱硫スラグを粉砕してから加熱処理することにより、粉砕された脱硫スラグ中に含まれる硫黄、フッ素およびセレンを除去すると共に、この脱硫スラグ中に含まれる鉄分を酸化させて、カルシウム−フェライトを生成させてなるプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスを得ることを特徴とする溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法。
  2. 前記加熱処理は、粉砕された脱硫スラグを、気体もしくは固体燃料を燃焼用酸素によって燃焼させるバーナー火炎中に曝すことにより行なうことを特徴とする請求項1に記載の溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法。
  3. 前記加熱処理は、1500℃以上2800℃以下の温度で行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法。
  4. 加熱処理前の粉砕された脱硫スラグは、1mm以下の大きさであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法。
  5. 前記プリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスが、脱りん剤または脱硫剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の溶銑脱硫スラグからの精錬用フラックスの回収方法。
  6. 溶銑の脱りん処理に際し、脱りん剤として請求項1〜5のいずれか1に記載の方法によって回収されたプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスを用いることを特徴とする溶銑の脱りん方法。
  7. 溶銑の脱硫処理に際し、脱硫剤として請求項1〜5のいずれか1に記載の方法によって回収されたプリメルト石灰−酸化鉄系精錬用フラックスを用いることを特徴とする溶銑の脱硫方法。
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