JP6367771B2 - 位置推定装置、位置推定方法および位置推定プログラム - Google Patents

位置推定装置、位置推定方法および位置推定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、位置推定装置、位置推定方法および位置推定プログラムに関する。
近年、スマートフォン等のモバイルデバイスの普及に伴い、位置情報を特定する技術や、位置情報に基づいたサービスが登場している。例えば、人工衛星を用いた現在位置を測定するシステムである全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を用いることで、デバイスが地球上のどこにいるかを正確に座標で知ることができる。
一方、GPSが利用できない状況下において位置を特定する技術としてIPS(Indoor Positioning System)が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。IPSは、屋内において、GPS以外のセンサ情報(電波、音声、光等)を用いて、物や人の検知や誘導を行うことを目的としている。
また、GPSを用いない位置特定サービスであるPlaceEngineは、無線LANのアクセスポイント(AP)のあらかじめ登録された位置情報と、そのAPの電波強度から、現在のデバイスの位置を推定することができる(例えば、非特許文献2を参照)。
Yanying Gu, Anthony Lo, Senior Member, IEEE, and Ignas Niemegeers "A Survey of Indoor Positioning Systems for Wireless Personal Networks" IEEE COMMUNICATIONS SURVEYS & TUTORIALS, VOL. 11, NO. 1, FIRST QUARTER 2009 PlaceEngine, http://www.placeengine.com
しかしながら、従来の技術には、GPSや無線LAN等のサービスを利用できない状況においては、デバイスの位置を特定することができないという問題があった。
例えば、GPSを用いた位置の特定においては、GPSを測位するために、デバイスと衛星間に障害物がある場合はGPSを測位することができない。つまり、建物内や地下ではGPSによる位置の特定ができない。
また、APの位置情報および電波強度から位置を特定する方法では、APの位置情報があらかじめサービス用のデータベースに登録されている必要があり、登録されていないAPでは位置を特定することができない。また、そもそもAPが存在しない場所ではサービスを利用できない。
さらに、近年のスマートデバイスでは、GPSセンサや無線LANのオンとオフを、ユーザが手動で設定することができるため、GPSセンサがオフの場合や、無線LANがオフの場合に、位置を特定することができない。
さらに、デバイスの位置の特定や推定ができない場合、デバイスの位置に基づいてナビゲーションを行うカーナビゲーションシステム等のサービスや、天気予報を表示するサービス、広告を表示するサービス等が実施できなくなる。
本発明の位置推定装置は、端末に備えられた少なくとも加速度センサを含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および前記数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換するセンサ情報処理部と、各時刻における前記端末の状態が、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、いずれの状態であったかを前記特徴ベクトルを基に推定する活動状態推定部と、前記活動状態推定部によって推定された前記状態を基に、前記端末が前記移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、前記端末が前記移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせを生成する発着シーケンス生成部と、前記各地点における前記移動体の出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報と、前記各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報とを記憶する記憶部から、前記推定出発時刻および前記推定到着時刻の組み合せを基に、前記端末が移動した経路を検索し、検索した結果から前記端末の位置を特定する候補経路検索部と、を有することを特徴とする。
本発明の位置推定方法は、位置推定装置で実行される位置推定方法であって、端末に備えられた少なくとも加速度センサを含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および前記数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換するセンサ情報処理工程と、各時刻における前記端末の状態が、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、いずれの状態であったかを前記特徴ベクトルを基に推定する活動状態推定工程と、前記活動状態推定工程によって推定された前記状態を基に、前記端末が前記移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、前記端末が前記移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせを生成する発着シーケンス生成工程と、前記各地点における前記移動体の出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報と、前記各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報とを記憶する記憶部から、前記推定出発時刻および前記推定到着時刻の組み合せを基に、前記端末が移動した経路を検索し、検索した結果から前記端末の位置を特定する候補経路検索工程と、を含んだことを特徴とする。
本発明によれば、GPSや無線LAN等のサービスを利用できない状況においても、デバイスの位置を特定することができる。
図1は、第1の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成の一例を示す図である。 図2は、センサによって測定されるデータの一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る位置推定装置の発着シーケンスの一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る位置推定装置の候補経路の検索方法の一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る位置推定装置の位置推定方法を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係る位置推定装置の処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、その他の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成の一例を示す図である。 図8は、その他の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成の一例を示す図である。 図9は、プログラムが実行されることにより、位置推定装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。
以下に、本願に係る位置推定装置、位置推定方法および位置推定プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る位置推定装置、位置推定方法および位置推定プログラムが限定されるものではない。
[第1の実施形態]
以下の実施形態では、第1の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成、位置推定装置の処理の流れを順に説明し、最後に第1の実施形態による効果を説明する。
[第1の実施形態の構成]
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、位置推定システム1は、端末10、位置推定装置20および記憶装置30を有する。また、端末10は、加速度センサ101、ジャイロセンサ102および磁力センサ103等のセンサを有する。
端末10の具体的な例としてはスマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、センサおよび通信機能を有するカメラ等が挙げられる。また、加速度センサは端末の所定の方向の加速度を測定する。また、ジャイロセンサは端末が回転した場合の角速度を測定する。磁力センサは磁場の大きさや方向を測定する。
また、位置推定装置20は、センサ情報処理部201、活動状態推定部202、発着シーケンス生成部203および候補経路検索部204を有する。また、記憶装置30は、経路情報記憶部302および時刻情報記憶部301を有する。以降、各部について詳細に説明する。
センサ情報処理部201は、端末10に備えられた少なくとも加速度センサ101を含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換する。センサ情報処理部201は、例えば、センサから得られる数値とその数値を取得した時刻を合わせて時系列として扱う。
また、センサ情報処理部201がセンサから数値を得る間隔、すなわちサンプリングレートは任意である。例えば、サンプリングレートは10Hzであってもよい。この場合、センサ情報処理部201は、1秒間に10回、すなわち0.1秒間隔でセンサが測定した数値を取得する。
また、センサ情報処理部201は、例えば加速度センサ101によって測定されたX軸方向の加速度、Y軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度を取得する。センサ情報処理部201は、センサから取得した数値、もしくは各数値の平均、分散、閾値と比較した時の大小、最大値、最小値、傾き等から構成される特徴量の集まり、すなわち特徴ベクトルを作成する。
ここで、特徴ベクトルの作成方法の一例について説明する。図2に示すように、センサから得られる情報は時間と値の組の連続から構成される。図2は、センサによって測定されるデータの一例を示す図である。図2のAは、加速度センサ101から取得した各時刻における端末10の加速度を示している。また、図2のMは、磁力センサ103から取得した各時刻における端末10の磁力を示している。また、図2のGは、ジャイロセンサ102から取得した各時刻における端末10の角速度を示している。
センサ情報処理部201は、連続する情報をブロック単位に分けて特徴ベクトルを作成する。ブロックはN個の連続するデータを含む。例えば、Nを20とすると、0.1秒間隔でセンサからデータを収集している場合は、2秒分の連続するデータが1つのブロックとなる。
例えば、加速度センサ101から取得した数値および時刻を用いて、時刻iに対応する特徴ベクトルを作成すると、下記の式(1)のようになる。例えば、式(1)でデータ取得間隔を0.1秒とした場合、a (i)は時刻iの加速度であり、a (i)はa (i)の0.1秒後の加速度である。この場合、加速度はある一方向の加速度であってもよいし、また、X方向、Y方向およびZ方向の加速度を示すベクトルであってもよいし、加速度のベクトルの大きさであってもよい。
Figure 0006367771
活動状態推定部202は、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、各時刻において端末10がいずれの状態であったかを特徴ベクトルを基に推定する。第1の実施形態においては、移動体、地点、時刻情報および経路情報はそれぞれ電車、駅、時刻表および経路図に対応する。
活動状態推定部202は、端末10を保有しているユーザの活動状態を推定する。第1の実施形態において、活動状態とは、立ち止まって動いていない状態である停止状態、歩いているもしくは走っている状態である歩行状態、および移動中の電車に乗っている状態である乗車状態が含まれる。活動状態推定部202は、センサ情報処理部201で作成された特徴ベクトルを用いて、端末10がいずれの状態にあるかを推定する。活動状態推定部202の推定結果は、各時刻において端末10が乗車状態、歩行状態および停止状態のうちのいずれの状態であるかによって示される。
なお、端末10が電車内にある場合であっても、電車が停止している場合は停止状態である。例えば、駅Aを出発し駅Bを経由して駅Cへ到着する場合、駅Aと駅Bの間を移動している間および駅Bと駅Cの間を移動している間は乗車状態であり、駅A、駅Bおよび駅Cに電車が停車している間の活動状態は停止状態である。
活動状態推定部202は、例えばサポートベクターマシン等の機械学習アルゴリズムによって活動状態の推定を行う。機械学習アルゴリズムは、乗車状態、歩行状態、停止状態といった活動状態における特徴ベクトルを学習データとして与えられることで学習を行う。そして、活動状態推定部202は、学習を行った機械学習アルゴリズムに推定対象の特徴ベクトルを入力し、活動状態を推定する。
発着シーケンス生成部203は、活動状態推定部202によって推定された状態を基に、端末10が移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、端末10が移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせを生成する。例えば、推定出発時刻は、活動状態推定部202によって推定された端末10の状態が停止状態から乗車状態へ移行した時刻である。また、例えば、推定到着時刻は、活動状態推定部202によって推定された端末10の状態が乗車状態から停止状態へ移行した時刻である。
ここで、発着シーケンスとは乗車状態が連続している時刻の区間の開始時刻と終了時刻のペアを並べたものである。推定出発時刻は1つの区間の開始時刻である。また、推定到着時刻は1つの区間の終了時刻である。なお、推定出発時刻および推定到着時刻は、ある駅における電車の発車時刻および停車時刻の推定値ということもできる。
図3を用いて、発着シーケンスの具体的な例について説明する。図3は、第1の実施形態に係る位置推定装置の発着シーケンスの一例を示す図である。値が低い区間は端末10が停止状態であることを示している。また、値が高い区間は端末10が乗車状態であることを示している。また、端末10の活動状態が停止状態から乗車状態に変化した時刻が推定出発時刻である。また、端末10の活動状態が乗車状態から停止状態に変化した時刻が推定到着時刻である。図3は、例えば時刻d(10:57)に端末10を保有しているユーザを乗せた電車が駅を出発し、時刻a(10:58)に電車が次の駅に到着したことを示している。
候補経路検索部204は、推定出発時刻および推定到着時刻の組み合せを基に、時刻情報記憶部301および経路情報記憶部302から端末10が移動した経路を検索する。具体的に、候補経路検索部204は、推定出発時刻および推定到着時刻の組み合せと合致する出発予定時刻および到着予定時刻の組み合わせを時刻情報記憶部301から検索し、検索した結果得られた出発予定時刻および到着予定時刻の組み合わせに対応する地点を経路情報記憶部302から取得することで、端末10が移動した経路を検索する。そして、検索結果を基に、端末10および端末10を保有しているユーザの位置を特定する。
なお、時刻情報記憶部301には移動体の各地点における出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報が記憶されている。また、経路情報記憶部302には各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報が記憶されている。
候補経路検索部204は、経路の候補として、例えば端末10を保有しているユーザが乗車したと推定される電車が通過した駅の並びを検索する。また、時刻情報記憶部301および経路情報記憶部302は、各路線の路線図および時刻表をデータベース化した路線データをあらかじめ記憶しておくようにしてもよい。
図4を用いて経路を検索する方法について具体的に説明する。図4は、第1の実施形態に係る位置推定装置の候補経路の検索方法の一例を示す図である。まず、発着シーケンス生成部203が生成した発着シーケンスを、{Td1,Ta1}、{Td2,Ta2}、{Td3,Ta3}とする。例えば、{Td1,Ta1}において、Td1およびTa1は、それぞれ推定出発時刻および推定到着時刻を示している。候補経路検索部204では、これらの発着シーケンスを入力とする。
なお、図4のS1、S2等は電車の駅を示している。また、候補経路検索部204による検索結果は、{S1、S2、S3}のような形式で表される。例えば、{S1、S2、S3}は、S1駅を出発しS2駅を経由してS3駅に到着する経路を示している。
発着シーケンス{Td1,Ta1}、{Td2,Ta2}、{Td3,Ta3}が入力されると、まず、{Td1,Ta1}と発車時刻および停車時刻が合致する駅を路線図および時刻表から検索する。この時、図4に示すように、{Td1,Ta1}と発車時刻および停車時刻が合致する経路として、{S1、S4}、{S1、S5}、{S2、S6}、{S3、S7}の4つの経路が検索される。
さらに、既に検索された経路の到着駅を出発駅とする経路であって、{Td2,Ta2}と発車時刻および停車時刻が合致する経路を検索する。これにより、{S1、S4、S8}、{S1、S5、S9}、{S3、S7、S10}の3つの経路が検索される。なお、{S2、S6}については、条件に該当する経路が存在しないため、この時点で候補から外される。
同様に、{Td3,Ta3}と発車時刻および停車時刻が合致する経路を検索する。最終的に、候補経路として{S1、S4、S8、S11}、{S3、S7、S10、S12}が出力される。
図5を用いて、位置推定装置20に位置推定方法の概要を説明する。図5は、第1の実施形態に係る位置推定装置の位置推定方法を説明するための図である。図5のセンサデータは、センサ情報処理部201が端末10の各センサから取得するデータである。そして、図5の活動状態は、活動状態推定部202がセンサデータを基に推定する各時刻における端末の状態を示している。図5に示すように、活動状態には乗車状態、歩行状態および停止状態の3つの状態が含まれる。
また、図5の発着シーケンスは、発着シーケンス生成部によって生成される発着シーケンスである。そして、図5の候補経路は、候補経路検索部204が発着シーケンスを基に検索した経路である。図5に示すように、候補経路検索部204は複数の候補経路を検索結果として取得する。そして、候補経路検索部204は、例えば得られた候補経路の到着地点を、端末10および端末10を保有しているユーザの位置として推定してもよい。図5の例では、「御徒町」、「新栄町」または「環状通東」が端末10およびユーザの位置として推定される。
[第1の実施形態の処理]
図6を用いて第1の実施形態の処理について説明する。図6は、第1の実施形態に係る位置推定装置の処理の一例を示すフローチャートである。まず、センサ情報処理部201は、端末10の各種センサから情報を収集する(ステップS101)。そして、次に、センサ情報処理部201は、収集した情報を特徴ベクトルに変換する(ステップS102)。次に、活動状態推定部202は、特徴ベクトルから活動状態を推定する(ステップS103)。
発着シーケンス生成部203は、活動状態から発着シーケンスを生成する(ステップS104)。そして、候補経路検索部204は、発着シーケンスと時刻情報記憶部301に記憶されている時刻表および経路情報記憶部302に記憶されている路線図を突き合わせて候補経路を列挙する(ステップS105)。
[第1の実施形態の効果]
位置推定装置20のセンサ情報処理部201は、端末10に備えられた少なくとも加速度センサ101を含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換する。
また、位置推定装置20の活動状態推定部202は、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、各時刻において端末10がいずれの状態であったかを特徴ベクトルを基に推定する。例えば、活動状態推定部202は、端末10の状態およびそれぞれの状態における特徴ベクトルを学習データとして機械学習を行った機械学習アルゴリズムを用いて推定を行う。
また、位置推定装置20の発着シーケンス生成部203は、活動状態推定部202によって推定された状態を基に、端末10が移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、端末10が移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせを生成する。例えば、推定出発時刻は、活動状態推定部202によって推定された端末10の状態が停止状態から乗車状態へ移行した時刻としてもよい。さらに、例えば、推定到着時刻は、活動状態推定部202によって推定された端末10の状態が乗車状態から停止状態へ移行した時刻である。
また、位置推定装置20の候補経路検索部204は、推定出発時刻および推定到着時刻の組み合せを基に、時刻情報記憶部301および経路情報記憶部302から端末10が移動した経路を検索する。具体的には、例えば、候補経路検索部204は、推定出発時刻および推定到着時刻の組み合せと合致する出発予定時刻および到着予定時刻の組み合わせを時刻情報記憶部301から検索し、検索した結果得られた出発予定時刻および到着予定時刻の組み合わせに対応する地点を経路情報記憶部302から取得することで、端末10が移動した経路を検索し、検索結果から端末10の位置を特定する。
なお、時刻情報記憶部301には移動体の各地点における出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報が記憶されている。また、経路情報記憶部302には各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報が記憶されている。
このように、第1の実施形態においては、端末に備えられたセンサから得られる情報を利用して端末の現在位置を特定する。これにより、GPSや無線LAN等のサービスを利用できない状況においても、デバイスの位置を特定することができる。
また、例えば、センサ情報処理部201は、例えば加速度センサ101によって測定されたX軸方向の加速度、Y軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度を取得してもよい。このように、加速度センサから得られる各方向の加速度を推定に利用することで、推定精度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
端末10に備えられるセンサは、上記の実施形態で説明したものに限られず、気圧センサや温度センサ等が含まれていてもよい。また、加速度センサの測定値は、活動状態を推定するためのパラメータとして有効なものと考えられるが、加速度センサを備えない構成であってもよい。
また、磁力センサによって得られる測定値は、上記の実施形態のように活動状態の推定のパラメータとして利用できるほか、各地点の磁場の強さを示す情報と突き合わせることで、候補経路を検証することができる。
また、上記の実施形態では、移動体を電車とした場合の例を挙げたが、電車に限られず、例えば飛行機、バス、船であってあらかじめ定められた経路および時刻に従って移動するものであれば、本発明を適用することができる。
また、図5に示すような候補経路は、推定出発時刻および推定到着時刻と、経路情報および時刻情報によって得られたものである。得られた候補経路をさらに絞り込む方法として、例えば利用者数が多い経路を優先することが考えられる。例えば、経路Aおよび経路Bが候補経路として検索された場合に、経路Aの1時間当たりの利用者が10000人、経路Bの1時間当たりの利用者数が100人ということがあらかじめ分かっていれば、経路Aを第1の候補とした方が、ユーザの実際の移動経路と合致している可能性が高い。この他にも、既知の方法を用いて候補経路の絞り込みを行うことが考えられる。
また、電車は、遅延等により時刻表通りに移動しない場合も考えられる。この場合、遅延情報を参照することで、時刻情報の補正を行うこと等により推定精度を向上させることができる。
また、本発明の構成は、図1に示すものに限られず、例えば、図7または図8に示すような構成であってもよい。図7および図8は、その他の実施形態に係る位置推定システムおよび位置推定装置の構成の一例を示す図である。
例えば、図7に示すように、位置推定装置としても機能する端末15aに、測定部10aおよび制御部20aを備えても良い。この場合、測定部10aは各種センサを備える。また、制御部20aは、第1の実施形態における位置推定装置20と同様の機能を有する。
また、図8に示すように、位置推定装置としても機能する端末15bに、測定部10b、制御部20bおよび記憶部30bを備えてもよい。この場合、測定部10bは各種センサを備える。また、制御部20bは、第1の実施形態における位置推定装置20と同様の機能を有する。さらに、記憶部30bは第1の実施形態における記憶装置30と同様の機能を有する。なお、記憶部30bには、必ずしも全ての時刻表および路線図を記憶させる必要はなく、候補経路検索部204bが経路の検索を行うために必要な時刻表および路線図を一時的に記憶するようにしてもよい。
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
図9は、プログラムが実行されることにより、位置推定装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、位置推定装置の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、位置推定装置における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
1 位置推定システム
10 端末
20 位置推定装置
30 記憶装置
101 加速度センサ
102 ジャイロセンサ
103 磁力センサ
201 センサ情報処理部
202 活動状態推定部
203 発着シーケンス生成部
204 候補経路検索部
301 時刻情報記憶部
302 経路情報記憶部

Claims (7)

  1. 端末に備えられた少なくとも加速度センサを含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および前記数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換するセンサ情報処理部と、
    各時刻における前記端末の状態が、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、いずれの状態であったかを前記特徴ベクトルを基に推定する活動状態推定部と、
    前記活動状態推定部によって推定された前記状態を基に、前記端末が前記移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、前記端末が前記移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせである発着シーケンスを生成する発着シーケンス生成部と、
    前記各地点における前記移動体の出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報と、前記各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報とを記憶する記憶部から、前記発着シーケンスのうち前記推定出発時刻が最も早い第1の発着シーケンスを基に複数の経路の候補を検索し、前記発着シーケンスを前記推定出発時刻が早い順に順次選択し、前記発着シーケンスが選択されるたびに、選択された発着シーケンスに合致しないものを前記経路の候補から除外することで、前記端末が移動した経路を特定し、特定した経路を基に前記端末の位置を特定する候補経路検索部と、
    を有することを特徴とする位置推定装置。
  2. 前記発着シーケンス生成部は、前記活動状態推定部によって推定された前記端末の状態が前記停止状態から前記乗車状態へ移行した時刻を前記推定出発時刻とし、前記活動状態推定部によって推定された前記端末の状態が前記乗車状態から前記停止状態へ移行した時刻を前記推定到着時刻とすることを特徴とする請求項1に記載の位置推定装置。
  3. 前記活動状態推定部は、駅間を移動する電車を、前記各地点間を移動する移動体として前記端末の状態を推定し、
    前記候補経路検索部は、前記時刻情報および前記経路情報として時刻表および路線図を記憶する記憶部から検索することを特徴とする請求項1または2に記載の位置推定装置。
  4. 前記センサ情報処理部は、前記加速度センサによって測定されたX軸方向の加速度、Y軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度を前記数値として、前記特徴ベクトルへの変換を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置推定装置。
  5. 前記活動状態推定部は、端末の状態および該状態における特徴ベクトルを学習データとして機械学習を行った機械学習アルゴリズムによって各時刻において端末がいずれの状態であったかを推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の位置推定装置。
  6. 位置推定装置で実行される位置推定方法であって、
    端末に備えられた少なくとも加速度センサを含む1つ以上のセンサによって測定された数値、および前記数値が測定された時刻を特徴ベクトルに変換するセンサ情報処理工程と、
    各時刻における前記端末の状態が、各地点間を移動する移動体とともに移動中である乗車状態と、停止している停止状態とを含んだ移動に関する状態のうち、いずれの状態であったかを前記特徴ベクトルを基に推定する活動状態推定工程と、
    前記活動状態推定工程によって推定された前記状態を基に、前記端末が前記移動体とともに一の地点を出発したと推定される推定出発時刻と、前記端末が前記移動体とともに他の地点へ到着したと推定される推定到着時刻との組み合わせである発着シーケンスを生成する発着シーケンス生成工程と、
    前記各地点における前記移動体の出発予定時刻および到着予定時刻を含む時刻情報と、前記各地点がどの地点と接続されているかを示す経路情報とを記憶する記憶部から、前記発着シーケンスのうち前記推定出発時刻が最も早い第1の発着シーケンスを基に複数の経路の候補を検索し、前記発着シーケンスを前記推定出発時刻が早い順に順次選択し、前記発着シーケンスが選択されるたびに、選択された発着シーケンスに合致しないものを前記経路の候補から除外することで、前記端末が移動した経路を特定し、特定した経路を基に前記端末の位置を特定する候補経路検索工程と、
    を含んだことを特徴とする位置推定方法。
  7. コンピュータを、請求項1から5のいずれか1項に記載の位置推定装置として機能させるための位置推定プログラム。
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