JP6364797B2 - 画像解析装置、および画像解析方法 - Google Patents
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Description
この時、車両の走行中の監視領域画像において輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合を、監視領域画像の特徴量として記憶しておく。そして、車両の走行中に車載カメラで複数の画像を撮影して、それらの画像間で輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合を特徴量として抽出し、抽出した特徴量と、記憶しておいた特徴量を比較することによって、車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断する。
あるいは、ワイパーが動作していることを検出して、ワイパーが動作している場合は、車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断しないこととする。
若しくは、前照灯が点灯していることを検出して、前照灯が点灯している場合は、車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断しないこととする。
A.装置構成 :
図1には、車両1に設けられた画像解析装置10の構成が示されている。本実施例の画像解析装置10は、車両1の前後左右に取り付けられた車載カメラ11a〜11d(前方カメラ11a、後方カメラ11b,左方カメラ11c,右方カメラ11d)によって撮影された画像を解析することで、各車載カメラ11a〜11dの取り付け位置の異常の有無を判断し、その結果を出力する装置である。詳しい説明は省略するが、各車載カメラ11a〜11dは車両の周辺を監視するためのカメラであり、画像解析装置10とは別のシステムが各車載カメラ11a〜11dに撮影された画像に基づいて、車線の位置や、障害物、歩行者などを検出する。従って、各車載カメラ11a〜11dは、その画像を利用するシステムに応じた車両周辺の領域(本明細書では「監視領域」という)を撮影できるように、車両1の予め定められた位置に予め定められた角度で取り付けられている(撮影方向を調節されている)。
図2には、本実施例の画像解析装置10において行われる画像解析処理のフローチャートが示されている。尚、この画像解析処理は、実際には、制御装置12内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、制御装置12または上述した機能ブロック14〜17を実行主体として説明する。また、画像解析処理は、車両1のエンジン始動時や所定時間毎(例えば10秒毎に)行われる。
図3には、前方カメラ用処理のフローチャートが示されている。本実施例の前方カメラ用処理では、以下に説明するS200〜S218の処理を実行することによって、数秒前(本実施例では3秒前)から現在に至るまでの「監視期間」に撮影された前方カメラ画像に基づいて、前方カメラ11aの取り付け位置の異常の有無を判断する。
前方カメラ用処理を開始すると、制御装置12の走行判断部17は、車両1が走行中であるか否かを判断する(S200)。この判断処理は、車速センサーに基づいて検出される車両1の車速が0km/hであるか否かを判断することによって行われる。この結果、車両1が走行中でない場合は(S200:no)、そのまま図3に示す前方カメラ用処理を終了して(すなわち、前方カメラ11aによって撮影された画像は解析せずに)、図2に示す画像解析処理に復帰する。
これに対して、S216の判断処理で、「監視期間に亘っての前方カメラ画像の輝度値の変化量」が第2所定量以上であると判断された場合は(S216:no)、前方カメラ11aの取り付け位置は正常であると判断されるので、S218の処理は省略する。
尚、「今回撮影した前方カメラ画像の輝度値の変化量(無変化画素割合R)」、および、「監視期間に亘っての前方カメラ画像の輝度値の変化量(監視期間において前方カメラ画像の輝度値の変化量が第1所定量より小さいと判断された回数)」が、前方カメラ画像から特徴量抽出部14が抽出する「実際特徴量(車載カメラに撮影された複数の画像間の輝度値の変化量)」であり、第1所定量および第2所定量(閾値割合αおよび閾値回数β)が、特徴量記憶部15に予め記憶されている「理想特徴量(監視領域画像の輝度値の変化量)」である。尚、この「理想特徴量(監視領域画像の輝度値の変化量)」は、工場出荷時や、車両販売店でのカメラ位置調整の際に記憶される。
次に、本実施例の画像解析装置10の変形例について説明する。
C−1.変形例1 :
上述した実施例では、前方カメラ画像全体の領域の画素について輝度値を算出し(図3のS204)、それぞれの画素について「今回撮影した前方カメラ画像」と「前回撮影した前方カメラ画像」とを比較した(S206)。これに対して、変形例1では、前方カメラ画像のうち、前方カメラ11aの取り付け位置が正常である場合に輝度値が変化し易い領域(特定領域)の画素について、輝度値を算出し、「今回撮影した前方カメラ画像」と「前回撮影した前方カメラ画像」とを比較する。換言すると、前方カメラ11aの取り付け位置が正常であっても変化し難い領域については、輝度値を算出する処理や、「今回撮影した前方カメラ画像」と「前回撮影した前方カメラ画像」とを比較する処理を行わない。
このような処理を行う場合は、前方カメラの取り付け位置が異常となると(下向きになると)、図8(b)に示すように、斜線ハッチングを施された領域(「今回撮影した前方カメラ画像」と「前回撮影した前方カメラ画像」とを比較する領域)に、バンパーが写り込むこととなる。そして、斜線ハッチングを施された領域のうちバンパーが写り込んだ領域の輝度値はほとんど変化しなくなるので、斜線ハッチングを施された領域の輝度値の変化量が小さくなることとなる。このように斜線ハッチングを施された領域の輝度値の変化量が小さくなった場合に、前方カメラ11aの取り付け位置が異常であると判断する。
上述した実施例では、前方カメラ11aが正常に取り付けられている場合の理想特徴量(閾値割合α、閾値回数β、第1所定量、第2所定量)は車両1の速度に拘わらず一定のものとして実際特徴量(今回撮影した前方カメラ画像の輝度値の変化量、監視期間に亘っての前方カメラ画像の輝度値の変化量)と比較した。これに対して、変形例2では、車両1の速度に応じて理想特徴量を決定し、この理想特徴量と実際特徴量とを比較してもよい。
すなわち、前方カメラ11aの取り付け位置が同じであっても、車両1の速度が大きくなるほど車両1の周辺状況は大きく変化するので、前方カメラ画像のうち車両1の前方の状況が写る領域の輝度値も車両1の速度が大きくなるほど変化量が大きくなることが推定される。従って、理想特徴量(閾値割合α、閾値回数β、第1所定量、第2所定量)を車両1の速度に拘わらず一定とすると、車両1の速度が大きくなるほど実際特徴量が理想特徴量に合致し易くなり、前方カメラ11aの取り付け位置が正常と判断される可能性が高くなってしまう。
例えば、図9(a)に示すように、閾値割合αの値は車両1の速度が大きくなるほど小さく設定する。また、図9(b)に示すように、閾値回数βの値は監視期間における車両1の平均速度が大きくなるほど小さく設定する。
こうすると、車両1の速度による影響を抑制しつつ前方カメラ11aの取り付け位置の異常の有無を判断することができるので、更に高い精度で前方カメラ11aの取り付け位置の異常の有無を判断することができる。
第3変形例では、雨天時や、霧発生時、トンネル走行時には上述した画像解析処理を実行しない。すなわち、雨天時は、前方カメラ11aの取り付け位置が正常であっても、カメラ画像に水滴等が付着して前方カメラ画像の輝度値の変化量が小さくなり、前方カメラ11aの取り付け位置が異常であると判断される虞がある。同様に、霧発生時は車両1の前方が霧で覆われることによって前方カメラ画像の輝度値の変化量が小さくなり、前方カメラ11aの取り付け位置が異常であると判断される虞がある。加えて、トンネル走行時にはトンネル内が暗いために前方カメラ画像の輝度値の変化量が小さくなり、前方カメラ11aの取り付け位置が異常であると判断される虞がある。
この結果、変形例3では、雨天時や、霧発生時、トンネル走行時に、前方カメラ11aの取り付け位置が正常であるにも拘わらず、異常であると判断することを防止することができ、更に高い精度で前方カメラ11aの取り付け位置の異常の有無を判断することができる。
尚、ワイパー動作検出21は、本発明における「ワイパー動作検出手段」に対応し、前照灯点灯検出部22は、本発明における「前照灯点灯検出手段」に対応している。
変形例4では、前方カメラ11aの取り付け位置が正常である場合に必ず写る領域(例えば、図6の上段に示すバンパーの領域)を予め「理想特徴量」として特徴量記憶部15に記憶しておく。そして、次のような前方カメラ用処理を行う。
図11には、変形例4の前方カメラ用処理のフローチャートが示されている。前方カメラ用処理を開始すると、制御装置12は、前方カメラ11aに向けて撮影指示信号を送信することによって前方カメラ11aに画像を撮影させると共に、該画像(前方カメラ画像)を取得する(S300)。そして、制御装置12の特徴量抽出部14は、取得した前方カメラ画像からバンパーの領域を「実際特徴量」として算出する(S302)。この算出は、周知のエッジ検出処理等を利用して行われる。
また、上述した実施例では、前方カメラ11aの取り付け位置が正常である場合であっても、前方カメラ画像にバンパーが写ることとしたが、前方カメラ11aの取り付け位置が正常である場合は、前方カメラ画像にバンパーが写らないこととしてもよい。
また、上述した第4変形例では、前方カメラ11aの取り付け位置が正常である場合に必ず写る領域としてバンパーが写る領域を採用したが、ドアミラーやボンネット等の車両1の一部が写る領域を採用してもよい。
12…制御装置、 13…表示部、 14…特徴量抽出部、
15…特徴量記憶部、 16…異常判断部、 17…走行判断部、
21…ワイパー動作検出部、22…前照灯点灯検出部
Claims (6)
- 車両を基準として所定方向に設定された所定の監視領域の画像を撮影する車載カメラに適用されて、該車載カメラの画像を解析する画像解析装置であって、
前記車載カメラ(11a〜11d)が前記監視領域を撮影した場合に得られる監視領域画像の特徴量を記憶しておく記憶手段(15)と、
前記車載カメラによる画像を取得して、該画像の特徴量を抽出する抽出手段(14)と、
前記車載カメラによる画像の特徴量と前記監視領域画像の特徴量とを比較することによって、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断し、判断結果を出力する出力手段(16、13)と、
前記車両が走行中であるか否かを判断する走行判断手段(17)と
を備え、
前記記憶手段は、前記車両の走行中の前記監視領域画像において輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合を、前記監視領域画像の特徴量として記憶する手段であり、
前記抽出手段は、前記車両の走行中に前記車載カメラによって複数回撮影された複数の画像を取得して、該複数の画像間において輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合を前記車載カメラによる画像の特徴量として抽出する手段である画像解析装置。 - 車両を基準として所定方向に設定された所定の監視領域の画像を撮影する車載カメラに適用されて、該車載カメラの画像を解析する画像解析装置であって、
前記車載カメラ(11a〜11d)が前記監視領域を撮影した場合に得られる監視領域画像の特徴量を記憶しておく記憶手段(15)と、
前記車載カメラによる画像を取得して、該画像の特徴量を抽出する抽出手段(14)と、
前記車載カメラによる画像の特徴量と前記監視領域画像の特徴量とを比較することによって、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断し、判断結果を出力する出力手段(16、13)と、
ワイパーが動作していることを検出するワイパー動作検出手段(21)と
を備え、
前記出力手段は、前記ワイパーが動作している場合は、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断しない手段である画像解析装置。 - 車両を基準として所定方向に設定された所定の監視領域の画像を撮影する車載カメラに適用されて、該車載カメラの画像を解析する画像解析装置であって、
前記車載カメラ(11a〜11d)が前記監視領域を撮影した場合に得られる監視領域画像の特徴量を記憶しておく記憶手段(15)と、
前記車載カメラによる画像を取得して、該画像の特徴量を抽出する抽出手段(14)と、
前記車載カメラによる画像の特徴量と前記監視領域画像の特徴量とを比較することによって、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断し、判断結果を出力する出力手段(16、13)と、
前照灯が点灯していることを検出する前照灯点灯検出手段(22)と
を備え、
前記出力手段は、前記前照灯が点灯している場合は、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断しない手段である画像解析装置。 - 請求項2または請求項3に記載の画像解析装置であって、
前記車両が走行中であるか否かを判断する走行判断手段(17)を備え、
前記記憶手段は、前記車両の走行中の前記監視領域画像の輝度値の変化量を、前記監視領域画像の特徴量として記憶する手段であり、
前記抽出手段は、前記車両の走行中に前記車載カメラによって複数回撮影された複数の画像を取得して、該複数の画像間の輝度値の変化量を前記車載カメラによる画像の特徴量として抽出する手段である画像解析装置。 - 請求項4に記載の画像解析装置であって、
前記記憶手段は、前記監視領域画像内に設定された所定の特定領域の前記輝度値の変化量を、前記監視領域画像の特徴量として記憶する手段であり、
前記抽出手段は、前記車載カメラによって撮影された画像の前記特定領域の前記輝度値の変化量を前記車載カメラによる画像の特徴量として抽出する手段である画像解析装置。 - 車両を基準として所定方向に設定された監視領域の画像を撮影する車載カメラに適用されて、該車載カメラの画像を解析する画像解析方法であって、
前記車両の走行中に前記車載カメラによって複数回撮影された複数の画像を取得して、該複数の画像間において輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合を前記車載カメラによる画像の特徴量として抽出する工程(S202〜S208、S212)と、
前記車載カメラによる画像の特徴量と、予め記憶手段に記憶しておいた、前記車載カメラが前記監視領域を撮影した場合に得られる監視領域画像の特徴量であって、前記車両の走行中の前記監視領域画像における輝度値の変化量が所定量以上の領域と所定量未満の領域との割合とを比較することによって、前記車載カメラの取り付け位置の異常の有無を判断し、判断結果を出力する工程(S210、S216、S218)と
を備える画像解析方法。
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