JP6364567B1 - 発電制御装置及びそれを用いた発電制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
逆潮流を抑制し、太陽電池が発電する電力(発電電力)を制御する方法として、例えば特許文献1、2が開示されている。
特許文献1には、消費電力に対する発電電力の差分値が閾値以下になると太陽電池の発電電力を制御するシステムが、特許文献2には、消費電力に対する発電電力の不足分である受電電力が閾値以下になると太陽電池の発電電力を制御するシステムが開示されている。
本発明は、商用電力線への逆潮流を回避しながら太陽電池の発電効率を向上させることができる自家消費型の発電制御システム、及びそれに使用する発電制御装置を提供することを課題とする。
発電電力を制御するパワーコンデショナと、負荷に接続された受変電部と、
前記負荷の消費電力を取得すると共に前記パワーコンデショナの出力を制御する発電制御装置と、を備え、
前記発電制御装置は、発電電力の上限値を消費電力の関数として出力指令値を算出し、 前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナの出力が制御される
ことを特徴とする。
前記関数は、一次関数であることを特徴とする。
特にパワーコンデショナによる太陽電池の発電電力を制御するためのパラメータである出力指令値を、消費電力についての関数、特に一次関数により算出することにより、容易に、従来過剰に抑制されていた太陽電池の発電電力を有効に利用することが可能となる。
さらに蓄電池を備えることを特徴とする。
前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の0次係数は、
前記蓄電池の蓄電可能量に依存することを特徴とする。
前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の一次係数と0次係数は、時間に依存することを特徴とする。
発電電力及び負荷の消費電力を取得すると共に、
前記発電電力の上限値を前記消費電力の関数としてパワーコンディショナの出力指令値を算出し、前記パワーコンディショナの出力を制御する。
発電制御システム10は、太陽電池1、PCS(パワーコンデショナ)2、受変電部3及び発電制御装置(以下単に、制御装置6と称す)を備え、太陽電池1により発電された電力を自家消費するシステムであり、発電制御システム10は、さらに蓄電池7を備えてもよい。
従って、発電された電力は、PCS2及び受変電部3を経由して、負荷4に分配され消費される。
尚、受変電部3は、PCS2と一体化されていてもよい。
なお、受変電部3側に負荷4へ供給電力を計測する機能がある場合、制御装置6は、受変電部3から負荷への供給電力の値を取得する。
また、電力の計測部は、受変電部3内に設けてもよく、制御装置6に内蔵してセンサ部のみを電力線に設置してもよい。計測部は公知の電力計を用いることができる。
制御装置6は、計時部の計時機能を用い、指定された(又は記憶装置に記憶された)頻度で(又は日時に)、消費電力を取得し、演算処理部において、得られた消費電力の値を用い、後述する関数(一次関数)によって太陽電池1の発電電力の上限値を設定する。さらに制御装置6は、発電電力の上限値を太陽電池1の定格電力で除して出力指令値(=(発電電力の上限値)/(定格電力)[%])を算出する。出力指令値は、入出力部を経由してPCS2に出力され、PCS2は出力指令値に従って、太陽電池1の発電電力が上限値以下となるように制御する。
なお、発電電力の上限値そのものを出力指令値としてPCS2に出力してもよい。
また、蓄電池7に蓄電された直流電力は、PCS2を介して受変電部3に出力することが可能である。蓄電池7の充電量(充電可能量)は、PCS2を介して、制御装置6に出力しても、直接制御装置6に直接的に出力されてもよい。
図中、曲線Sは消費電力を示し、曲線Aは、発電電力の上限値を消費電力に対して、一定量低い値に設定した場合(条件αと称す)を示し、曲線Bは発電電力の上限値を消費電力に比例した値に設定した場合(条件βと称す)を示す。
一方、消費電力が多い時間帯(12時〜14時)においては、条件βは、条件αと比較して太陽光発電電力が低くなり、発電電力が抑制されるため、発電効率が落ちてしまう。
条件αの場合、消費電力に関わらず発電電力上限が一定であるが、条件βの場合は消費電力に応じて発電量の上限が高くなるためである。
S(t)=消費電力 [式1]
P(t)=発電電力上限値(最大発電許容値) [式2]
S(t)−P(t)=aS(t)+b [式3]
ここで、aは0より大きく1以下の値とする。式3より
P(t)=(1−a)S(t)−b [式4]
となる。
∫P(t)dt=∫(1−a)S(t)dt−∫bdt [式5]
となる。ここで係数a、bを時間に依存しない定数とすると、
∫P(t)dt=(1−a)∫S(t)dt−b∫dt
=(1−a)∫S(t)dt−b(t1−t0) [式6]
となる。
P(tm)=max(P(t)) [式7]
となる。
もし、時刻tmを中心とする時間帯において消費電力の絶対値の変動が大きくなる場合、急な消費電力の変動に発電電力の制御が追随できないリスクが高くなる可能性がある。そのため、この時間帯において、消費電力と発電電力との差分に対して、十分なマージン(余裕度)を持たせることを想定する。すなわち、時刻tmでのS(tm)とP(tm)との差分を所定の値Z(余裕度)以上に設定すると、
S(tm)−P(tm)≧Z [式8]
となる。そのため、P(tm)は、
P(tm)≦S(tm)−Z [式9]
となる。
なお、Zは、太陽電池の発電量制御の応答性、PCSのMPPT制御の変動幅や、過去の実績から想定される消費電力の変動量等から決めればよく、Zが小さいと逆潮流のリスクが高くなる。
例えば、PCS2による発電力制御の応答時間が1分程度であり、その間(1分間)の消費電力の変動量が過去の実績から50kWであったとすると、Zの値は50kW以上の値を設定する必要がある。また、応答速度が速く例えば5秒以内程度であれば、その間の消費電力の変動は少なくなると考えられるため、Zの値としてより小さい値を設定できる。
さらに、bを変化(増大)させると、直線LB1が、矢印γで示す方向に、例えば直線LB2、直線LB3へとシフトする。
なお、直線LB2、LB3において、aを変化(増大)させると、直線LB1と同様な矢印βの方向に、直線LB2、LB3に沿って総発電可能量及びP(tm)が変化する
さらに図3(c)に示すように、直線Lm以下であり且つ総発電可能量がTA以上となる領域(図中に示す、ハッチングされた領域「K」)が存在し、S(tm)と総発電可能量との組み合わせを実現できるようにa、bを設定できることが理解できる。
領域Kの内、最も総発電可能量が大きいのは、点TB1であり、その点を実現するa、bを選択することも可能であるが、領域K内部の領域で、従来よりも発電効率が高く、さらに逆潮流のリスクを低減するように発電電力の低い点、例えば図3(c)中の点TB2を選択して、a、bを決定してもよい。a、bの設定可能範囲が確定するため、利用者がその範囲から発電電力の上限を確定すればよく、太陽電池1を制御する条件の選択の幅が拡大する。
また、図3(c)は、従来と比べ発電効率を向上することができることを示すものであり、a、bの設定条件は上記方法によらず、例えば、aを0(ゼロ)としてbを確定し、aの値を変化させて総発電量のデータを取得し蓄積し、総発電量が高い条件となるようにaの値を確定してもよい。また、逆にbを0(ゼロ)としてaを確定し、bの値を変化させて総発電量のデータを取得し蓄積し、総発電量が高い条件となるようにbの値を確定してもよい。
図4において、曲線A、B、Cは、この順に一次係数が増大している。図4より明らかなように、一次係数が増大すると、発電電力上限値が低下するとともに、曲線の凹凸(変動幅)が低下する。例えば、極大点tUの発電電力上限値と極小点tLの発電電力上限値との差が曲線A、B、Cの順に低減することが分かる。即ち、一次係数が増大すると発電電力上限値の変動幅が少なくなる。その結果、PCS2による制御すべき発電電力の応答性が緩和されるという効果もある。
この場合、式1において0次係数bに、蓄電可能な電力分を考慮した値とすることで、容易に蓄電池7をシステムに組み込んだ発電電力の上限を設定できる。
すなわち、0次係数bを、蓄電可能な電力に相当する分だけ低く設定することで、発電電力上限値P(t)を増大できる。
また、日照量の多い時間帯のみ充電可能とし、すなわち0次係数を充電可能な量に相当する分だけ特定の時間、t0からt1、例えば10時から14時までの時間帯のみ0次係数を以下のように小さく設定してもよい。
b=b0−c(t) [式10]
ここで、t0≦t≦t1。
この場合、図3(c)の領域Kに相当する領域を算出する場合、式5を用いればよい。
例えば、太陽電池1の発電電力は、定格電力に近くなると、発電電力の変動が小さくなる。この場合Zの値を小さく設定し、それに合わせて一次係数a、0次係数bを算出してもよい。すなわち、太陽高度が高く、十分な日射量を得られ、太陽電池の定格電力に近い値が出力されるような季節及び時刻において、Zを小さく設定することも可能である。
一次係数a、0次係数bの値を太陽電池1の特性や負荷の消費電力の動向にあわせて柔軟に設定することにより、さらに太陽電池1の発電効率を向上させることができる。
2 PCS
3 分電盤
4 負荷
5 電力会社
6 制御装置
7 蓄電池
10 発電制御システム
Claims (6)
- 太陽電池の発電電力を制御するパワーコンデショナと、負荷に接続された受変電部と、
前記負荷の消費電力を取得すると共に前記パワーコンデショナの出力を制御する発電制御装置と、を備え、
前記発電制御装置は、前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の関数となるよう設定して出力指令値を算出し、
前記出力指令値に基づいて前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避する
ことを特徴とする発電制御システム。 - 前記関数は、一次関数であることを特徴とする
請求項1記載の発電制御システム。 - 前記発電制御システムは、
さらに蓄電池を備えることを特徴とする
請求項2記載の発電制御システム。 - 前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の0次係数は、
前記蓄電池の蓄電可能量に依存することを特徴とする
請求項3記載の発電制御システム。 - 前記出力指令値を算出する前記消費電力についての一次関数の一次係数と0次係数は、
時間に依存することを特徴とする
請求項2乃至4のいずれか1項記載の発電制御システム。 - 太陽電池の発電電力及び負荷の消費電力を取得すると共に、
前記発電電力の上限値を、前記発電電力の上限値と前記消費電力との差分が前記消費電力の関数となるよう設定してパワーコンディショナの出力指令値を算出し、
前記パワーコンディショナは前記発電電力が前記上限値以下となるよう制御することで逆潮流を回避する発電制御装置。
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