JP6357438B2 - シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法 - Google Patents

シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6357438B2
JP6357438B2 JP2015070237A JP2015070237A JP6357438B2 JP 6357438 B2 JP6357438 B2 JP 6357438B2 JP 2015070237 A JP2015070237 A JP 2015070237A JP 2015070237 A JP2015070237 A JP 2015070237A JP 6357438 B2 JP6357438 B2 JP 6357438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gap
pile
seal
seal body
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015070237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016191398A (ja
Inventor
敦彦 奥平
敦彦 奥平
克臣 溝端
克臣 溝端
能輔 片山
能輔 片山
浩一 樋高
浩一 樋高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toa Corp
Penta Ocean Construction Co Ltd
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Shibata Industrial Co Ltd
Original Assignee
Toa Corp
Penta Ocean Construction Co Ltd
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Shibata Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toa Corp, Penta Ocean Construction Co Ltd, Nippon Steel Engineering Co Ltd, Shibata Industrial Co Ltd filed Critical Toa Corp
Priority to JP2015070237A priority Critical patent/JP6357438B2/ja
Publication of JP2016191398A publication Critical patent/JP2016191398A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6357438B2 publication Critical patent/JP6357438B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gasket Seals (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、海上に設けられる杭式海洋構造物の上部工と杭との間のシール部材、シール部材を備える杭式海洋構造物、及び、シール部材を用いたシール方法に関する。
従来、離島などの遠隔地や海上領域で、海底に打設した杭に上部工を固着することで施工される海洋構造物が提案されている。
ここで、杭式の海洋構造物の一例として、SEPと呼ばれる自己昇降式作業台を用いたものが知られている。このような構造物を施工する際には、SEPを上部工(躯体)として所定の場所に曳航してスパッドと呼ばれる脚を海底に設置し、スパッド上部に設けたジャッキで上部工を波力の作用しない範囲まで上昇させる。その後、上部工の上から杭を海底へ圧入する(例えば、特許文献1)。
そして、上記のSEPを用いた構造物のような海洋構造物では、上部工からの杭の圧入を行った後に、上部工と杭との間隙に上方からグラウトを充填することで、これら上部工と杭とが固定されるようになっている。従って、グラウトを注入した際にグラウトが間隙の下方から漏れ出さないように、間隙を閉塞するシールを行う必要がある。
ここで、特許文献2には、このようなシールを行うため、鞘管と杭との間に設けられるゴムや合成樹脂等の弾性体からなるシール部材が開示されている。
特開2013−204399号公報 特開2013−147813号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたような従来のシール部材を海上で設置しようとした場合には、上部工の下方に足場を設置する必要があるが、一般に杭の外周面は耐食性の金属シートによって覆われており、足場の設置は困難である。そして、仮に上部工に予めシール部材を設置しておくとすると、杭の圧入作業を行う際にシール部材が損傷し、十分なシール効果を得ることができないといった問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、杭の圧入後に容易に設置することが可能なシール部材、及び、シール部材を備える杭式海洋構造物、及びシール部材を用いたシール方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、本発明の一の態様に係るシール部材は、海上に配された上部工に鉛直方向に沿って貫通して形成された挿入孔部に挿入されて該上部工を支持する杭と、前記挿入孔部の内周面との間の間隙内に配されて、該間隙を閉塞可能であるとともに、該間隙に充填されて前記上部工と杭とを固定する充填材を下方から支持するシール部材であって、前記間隙に挿入された状態で内部に流体が封入されて膨張し、該間隙を閉塞可能な中空環状のシール本体と、前記シール本体を支持するとともに、前記間隙の上方に向かって延びて前記上部工に引っ掛かる支持部と、前記シール本体の内部に前記流体を供給する流体供給部と、を備えることを特徴としている。
上部工の挿入孔部に杭を挿入した状態で、支持部によって間隙の上方、即ち上部工の上からシール本体を支持しつつ、間隙内にシール本体を挿入する。その後、シール本体の内部に流体を供給することでシール本体を膨張させて間隙を閉塞する。そしてこの状態で間隙内に上方から充填材を充填し、硬化させることで上部工と杭との固定を行うことができる。
従って、このようにシール部材を用いることで上部工の下方に足場を設置することなくシール部材を設置でき、さらに充填材を間隙に充填しても、シール部材によって充填材が硬化する前に間隙から下方に流出してしまうことを抑制できる。
さらに、シール本体は、間隙へ挿入された後に膨張させられることで間隙を閉塞するため、挿入の際には収縮した状態で間隙内へ挿入して設置することができる。よって、容易にシール本体を設置することが可能となる。即ち、杭を上部工の挿入孔部内に設置する前に、予めシール部材を設置しておく必要はないので、杭を挿入孔部に挿入する際にシール部材が損傷してしまうことがなくなる。
また、上記のシール部材では、前記支持部は、前記シール本体から上方に延びる棒状部と、前記棒状部から屈曲して延びて前記上部工に引っ掛かる屈曲部と、を有していてもよい。
このような支持部を用いることで、シール本体を間隙に挿入した際に屈曲部が上部工の上面に引っ掛けることができる。従って、シール本体を間隙内の所定の位置に配置することができる。換言すると、屈曲部の鉛直方向の位置、即ち、棒状部の長さ寸法を調整することで、シール本体の間隙内での位置を適宜選択することができる。よって、シール本体の設置位置の管理が容易となる。また、充填材を間隙に充填した際に屈曲部が上部工に引っ掛かることで、充填材の重量によってシール本体に作用する下方への力を支持部で支持することができるため、シール本体の間隙からの脱落を抑制することができる。
また、上記のシール部材における前記棒状部には、該棒状部の延在方向に交差する方向に貫通し、内部に前記充填材が充填される貫通孔部が形成されていてもよい。
このような貫通孔部が形成されていることで、充填材が間隙内に充填された際に、この貫通孔部内にも充填材が充填されることになる。従って、充填材の硬化後には、より強固に支持部が間隙内で上部工に固定され、間隙内での支持部のズレ、ガタツキを抑制することができる。
また、上記のシール部材における前記シール本体には、外周面に、該シール本体が前記間隙に挿入された状態で、前記挿入孔部の内周面及び前記杭の外周面に接触する該シール本体よりも軟質な材料よりなる軟質部材が設けられていてもよい。
このような軟質部材がシール本体に設けられていることで、挿入孔部の内周面の凹凸が形成されていたとしても、シール本体を膨張させた際に、挿入孔部の内周面にシール本体をよりしっかりと密着させ、間隙の閉塞効果を向上することが可能となる。このため、充填材を間隙に充填した際には、充填材が間隙から下方に流出してしまうことを抑制できる。
さらに、本発明の一の態様に係る杭式海洋構造物は、海底に圧入された杭と、前記杭が挿入された挿入孔部が鉛直方向に沿って貫通して形成され、該杭によって海上に支持された上部工と、前記杭と前記挿入孔部の内周面との間の間隙に充填されて、前記杭と前記上部工とを固定する充填材と、前記間隙に挿入されて前記充填材を下方から支持する上記のシール部材と、を備えることを特徴としている。
このような杭式海洋構造物によれば、上部工の下方に足場を設置することなくシール部材を設置でき、さらに充填材を間隙に充填しても、シール部材によって充填材が硬化する前に間隙から下方に流出してしまうことを抑制できる。さらに、シール本体は、間隙へ挿入された後に膨張させられることで間隙を閉塞するため、容易にシール本体を設置することが可能となる。即ち、杭を上部工の挿入孔部内に設置する前に、予めシール部材を設置しておく必要はないので、杭を挿入孔部に挿入する際にシール部材が損傷してしまうことがなくなる。
さらに、本発明の一の態様に係るシール方法は、上記のシール部材を用いて、前記杭と前記上部工との間の間隙をシールするシール方法であって、前記支持部を把持して前記間隙内の所定位置に前記シール本体を挿入するシール挿入工程と、前記間隙に挿入された前記シール本体の内部に前記流体を供給し、該シール本体を膨張させる流体供給工程と、膨張した前記シール本体が前記挿入孔部の間隙を閉塞した状態で、該間隙に上方から充填材を充填し、該充填材を硬化させる充填工程と、を含み、前記充填工程で前記充填材を充填した際に前記支持部が前記上部工に引っ掛かることを特徴としている。
このようなシール方法によると、上部工の下方に足場を設置することなく、シール部材を設置することができ、充填材を間隙に充填する際に充填材の流出を抑制できる。また、シール部材を予め間隙内に設置しておく必要はないので、杭を挿入孔部に挿入する際にシール部材が損傷してしまうことがなくなる。
また、上記のシール方法における前記充填入工程は、前記充填材を前記間隙の中途位置まで充填して硬化させる第一充填工程と、前記第一充填工程での前記充填材の硬化後に、さらに該充填材を前記間隙に充填して硬化させる第二充填工程と、を含んでいてもよい。
このように第一充填工程と第二充填工程と実行することで、段階的に充填材の充填、硬化を行うことができる。従って、まず、第一充填工程で充填材を間隙の鉛直方向の中途位置まで充填して硬化させることで、その後、第二充填工程で充填材を充填した分の充填材の荷重を、第一充填工程で充填、硬化させた充填材によって支持することができる。よって、一度に全ての充填材を間隙内に充填してシール本体によって充填材全ての荷重を負担する場合に比べ、段階的に充填材を充填することで、シール本体での負担荷重を低減することができる。
請求項1のシール部材によれば、杭の圧入後に容易に設置することが可能である。
また、請求項2のシール部材によれば、支持部に屈曲部が設けられていることで、精度よく、さらに容易に設置することができる。
また、請求項3のシール部材によれば、シール部材が間隙に挿入された状態であっても、杭と上部工との間の固定状態を良好に維持できる。
また、請求項4のシール部材によれば、シール部材によるシール効果をさらに高めることができる。
また、請求項5の杭式海洋構造物によれば、杭の圧入後に、シール部材を容易に設置することが可能である。
また、請求項6のシール方法によれば、杭の圧入後に、シール部材を容易に設置することが可能である。
また、請求項7のシール方法によれば、段階的に充填材を間隙に充填することで、充填材の重量によるシール本体の脱落を効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物を示す全体側面図である。 本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物におけるグラウトシールの上面図である。 本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物におけるグラウトシールを示す図であって、(a)は図2のA−A断面を示し、(b)は図2のB矢視面を示す。 本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物における挿入治具を示す全体側面図である。 本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物を設置する手順を、時系列に(a)から(h)に示す図である。 本発明の実施形態に係る杭式海洋構造物を設置する手順を示すフロー図である。
以下、本実施形態の杭式海洋構造物1について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、杭式海洋構造物1は海底BSに圧入された下部工である杭2と、この杭2に固定されることで海上に設置された上部工3と、杭2と上部工3との間に設けられたグラウトシール15(シール部材)、及びグラウト11(充填材)とを備えている。
杭2は、鋼管、及び鋼管の表面を覆うステンレス等の耐食性材料からなるシートによって形成され、海底BSに複数(本実施形態では8本(図1の紙面に向かって二本ずつ))が打設、圧入されて設けられている。
上部工3は、例えば鋼材の骨組みを有する長方形枠状をなす躯体8と、躯体8を鉛直方向に沿って上下に貫通する孔部8aと、孔部8aの内周面を覆うように孔部8aに設けられた鞘管9とを有している。
孔部8aには、海底BSに圧入された杭2の上部がそれぞれ挿入される。即ち、孔部8aは、各々の杭2が設けられた位置に対応するように複数(本実施形態では8つ)が形成されている。
鞘管9は、鋼管等からなり、孔部8aのそれぞれに嵌入されて躯体8に対して相対回転しないように設けられている。本実施形態では、躯体8から下方に突出するように、この鞘管9が設けられている。
このようにして、杭2は鞘管9の内側に形成された挿入孔部9aに挿入されており、鞘管9の内周面と杭2との間には間隙Cが形成されている。
グラウトシール15は、間隙C内に挿入されて設置されたシール本体18と、シール本体18を支持する挿入治具31(支持部)と、シール本体18に空気AR(流体)を供給する給気配管41(流体供給部)とを有している。
図2及び図3に示すように、シール本体18は、ゴム等の材料より形成され、杭2の外周面、及び鞘管9の内周面に沿って、これらの周方向に延びる中空環状をなしている。
また、内部に空気ARが供給されて封入されることで膨張可能となっており、図3(a)に示す膨張した状態で、断面円形状をなして間隙Cを閉塞している。
また本実施形態では、このシール本体18は鞘管9が躯体8から下方に突出している位置、即ち、鞘管9の下部で間隙C内に配されている。
また、このシール本体18の上面には、この上面に沿って環状をなす金属等からなる治具取付部材21が設けられている。
この治具取付部材21は、環状をなしてシール本体18の上面に接触して設けられた板状部22と、板状部22から周方向に等間隔をあけて複数か所(本実施形態では、10か所)から上方に突出して設けられた吊り部23とを有している。図3(b)に示すように、各々の吊り部23には、周方向に貫通する治具取付孔部23aが形成されている。
さらに、シール本体18には、各々の吊り部23を周方向の両側から挟むようにして、シール本体18に板状部22を固定する固定部材28が対をなして設けられている。
より具体的には、固定部材28は、板状部22の上方から板状部22とともにシール本体18を巻き付けるようにしてシール本体18に板状部22を固定している。固定部材28は、例えば繊維強化ゴム等を材料としており、シール本体18及び板状部22に接着固定されている。
さらに、シール本体18には、治具取付部材21が取り付けられた状態で、治具取付部材21の吊り部23同士の間に、シール本体18の内部に連通する給気孔部18aが形成されている。またこの給気孔部18aは、板状部22を貫通するように形成されている。本実施形態では、この給気孔部18aは4か所形成されているが、数量及び形成位置は本実施形態の場合には限定されない。
また、このシール本体18には、シール本体18における径方向外方を向く面と、内方を向く面とのそれぞれに、周方向に沿って環状に設けられた一対の軟質部材27が設けられている。
この軟質部材27は、シール本体18の外周面であって、固定部材28の外側から、シール本体18に接着等で固定されている。そして、シール本体18が間隙Cに挿入されている状態で、径方向外方を向く面に設けられた軟質部材27が鞘管9(挿入孔部9a)の内周面に接触し、径方向内方を向く面に設けられた軟質部材27が杭2の外周面に接触するようになっている。
この軟質部材27は、例えばポリエチレン、ポリウレタン、スポンジ等のシール本体18よりも軟質な材料によって形成されている。
図4に示すように、挿入治具31は、シール本体18の吊り部23に固定されてシール本体18から上方に延びる棒状部32と、棒状部32から屈曲して延びる屈曲部33とを有している。
棒状部32には、下端部に棒状部32の延在方向に交差する方向に貫通する取付孔部32aが形成されている。また取付孔部32aの上方に、棒状部32の延在方向に互いに間隔をあけて、延在方向に交差する方向に貫通する複数の貫通孔部32bが形成されている。
取付孔部32aと、シール本体18に設けられた吊り部23の治具取付孔部23aとには、例えばボルトが挿通されて締結されることで、挿入治具31とシール本体18とが固定されている。
屈曲部33は、シール本体18が間隙Cに挿入された状態で、挿入孔部9aの上側の開口の外側で屈曲し、上部工3の上面に接触するとともに上部工3の上面に沿って杭2の径方向外側に延びており、即ちL字状をなしている。
給気配管41は、シール本体18に形成された給気孔部18aそれぞれに一つずつ接続されている。そして、給気配管41は、躯体8の上部に設けられた不図示のコンプレッサに接続されており、コンプレッサからの空気ARをシール本体18の内部に供給することで、シール本体18を膨張させる。
グラウト11は、シール本体18の上部で間隙Cに充填されており、杭2と鞘管9とを固定することで、杭2と上部工3とを固定している。このグラウト11は、例えばセメントミルク等である。
次に、図5、及び図6を参照して、本実施形態のグラウトシール15によるシール方法を用いて、杭式海洋構造物1を設置する方法について説明する。
図5(a)に示すように、上部工配置工程S1を実行する。即ち、上部工3を、曳航船(不図示)等を用いて海上の所定の位置に配置し、係留する。
その後、図5(b)に示すように、スパッド設置工程S2を実行する。即ち、スパッド100と呼ばれる杭を上部工3に挿通させて海底BSに圧入する。なお、このスパッド100はあらかじめ上部工3に設けられた状態で、上部工3とともに海上の所定位置まで運ばれる。
また、このスパッド100には昇降装置101が設けられており、スパッド100に対して躯体8を上昇させて、図5(c)に示すように躯体8を海面から離間した位置に配置する。
次に、図5(d)に示すように、掘削工程S3を実行する。即ち、鞘管9の挿入孔部9aの上部に削孔機102を設置し、鋼管等よりなるケーシング杭103を、挿入孔部9aを挿通して設置し、このケーシング杭103によって海底BSの掘削を行う。
その後、図5(e)に示すように、杭圧入工程S4を実行する。即ち、ケーシング杭103を海底BS、及び挿入孔部9aから抜き取り、挿入孔部9aに杭2を挿入する。そして、ケーシング杭103によって掘削した掘削穴を通じて、杭2を海底BSに圧入する。
なお、図5(d)、図5(e)では説明の便宜上、挿入孔部9a、杭2を一か所のみ記載しているが、実際には本実施形態では、挿入孔部9a、杭2は、図1に示すように8か所設けられている。
さらに、図5(f)に示すように、シール挿入工程S5を実行する。即ち、挿入治具31を把持した状態で、シール本体18を間隙C内の所定位置(本実施形態では、鞘管9の下部)に挿入する。図5(g)に示すように、シール本体18が所定位置に配された時点で、挿入治具31の屈曲部33が躯体8の上面に接触する。
次に、図5(h)に示すように、流体供給工程S6を実行する。即ち、シール本体18の内部へ給気配管41を通じて空気ARを供給し、シール本体18を膨張させてシール本体18を杭2と鞘管9とに接触させることで、間隙Cを閉塞する。
その後、図5(h)に示すように、充填工程S7を実行する。本実施形態ではこの充填工程S7は、第一充填工程S8と第二充填工程S9とを含んでいる。
即ち、第一充填工程S8では、グラウト11を間隙Cの上方から間隙Cの中途位置(図5(h)の破線参照)まで充填して硬化させ、その後、第二充填工程S9を実行し、さらに間隙Cにグラウト11を充填して硬化させる。
このようにして、鞘管9と杭2とを固定することで、上部工3と杭2とを固定し、杭式海洋構造物1を設置する。この杭式海洋構造物1は、いわゆるSEP構造物である。
なお、全ての杭2が鞘管9に固定された時点で、スパッド100は抜き取られる。
このような杭式海洋構造物1によると、グラウトシール15を備えていることで、上部工3の下方に足場を設置することなく、挿入治具31によって上部工3の上方からシール本体18を支持しつつ、間隙C内にシール本体18を挿入することができる。
そして、シール本体18を空気ARによって膨張させることで間隙Cを閉塞できるため、充填されたグラウト11が硬化する前に、グラウト11が間隙Cから下方に流出してしまうことがなくなる。よって、上部工3と杭2とをグラウト11によって固定することが可能となる。
さらに、シール本体18は、間隙Cへの挿入後に膨張させられることで間隙Cを閉塞するため、間隙Cへの挿入の際にはシール本体18を収縮させた状態で間隙C内へ挿入して設置することができる。従って、間隙C内へ容易にシール本体18を設置することができる。即ち、杭2を上部工3の挿入孔部9a内に設置する前に、予めグラウトシール15を設置しておく必要はないので、杭2やケーシング杭103を挿入孔部9aに挿入する際にグラウトシール15が損傷してしまうことがなくなる。
また、挿入治具31には屈曲部33が設けられてL字状をなしているため、屈曲部33が上部工3の躯体8の上面に引っ掛かり、シール本体18を間隙C内の所定の位置に配置することができる。換言すると、屈曲部33の鉛直方向の位置、即ち、棒状部32の上下方向の長さ寸法を調整することで、シール本体18の間隙C内での位置を適宜選択することができる。
従って、シール本体18の設置位置の管理が容易となるため、精度よく、シール本体18を容易に設置できる。また、グラウト11を間隙Cに充填した際に屈曲部33が上部工3に引っ掛かることで、グラウト11の重量によってシール本体18に作用する下方への力を挿入治具31で支持することができる。よって、グラウト11を充填した際のシール本体18の脱落を抑制することができる。
また、挿入治具31の棒状部32には、貫通孔部32bが形成されているため、グラウト11が間隙C内に充填された際に、この貫通孔部32b内にもグラウト11が充填されることになる。よって、グラウト11の硬化後には、間隙C内でより強固に挿入治具31が固定され、間隙C内での挿入治具31のズレ、ガタツキを抑制することができる。よって、杭2と上部工3との間の固定状態を良好に保つことができる。
また、軟質部材27がシール本体18に設けられていることで、挿入孔部9aの内周面の凹凸が形成されていたとしても、シール本体18を膨張させた際に挿入孔部9aの内周面にシール本体18をよりしっかりと密着させることができる。よって、間隙Cの閉塞効果を向上することが可能となる。このため、グラウト11を間隙Cに充填した際のグラウト11の流出を、より効果的に抑制することができ、グラウトシール15によるシール効果をさらに高めることができる。
さらに、吊り部23を有する治具取付部材21を、シール本体18に巻き付けられた固定部材28によって固定している。従って、挿入治具31によって、治具取付部材21に引っ張り方向に力が付与された場合であっても、治具取付部材21がシール本体18から脱落してしまうことがない。
さらに、第一充填工程S8及び第二充填工程S9を実行することで、グラウト11の充填、硬化を段階的に行うことができる。従って、第一充填工程S8で充填、硬化させた充填が、第二充填工程S9で充填したグラウト11の荷重を支持することができる。よって、一度に全てのグラウト11を間隙C内に充填してシール本体18によってグラウト11全ての荷重を負担する場合に比べて、シール本体18での負担荷重を低減することができる。この結果、グラウト11の重量によるシール本体18の脱落を、より効果的に抑制することができる。
このように、本実施形態の杭式海洋構造物1によると、杭2を上部工3に固定した後に、グラウトシール15を容易に設置することが可能である。
以上、本発明の杭式海洋構造物1の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態で示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することができる。
例えば、給気配管41と挿入治具31とは一体となっていてもよい。即ち、一つの部材で、これらの機能を兼ねるようにしてもよい。
また、充填工程S7では、間隙Cの容積等に応じて、必ずしも段階的にグラウト11を充填、硬化させる必要はない。即ち、間隙C内のグラウト11の全重量をシール本体18のみによって支持可能であれば、一度にすべてのグラウト11を間隙Cに充填し、硬化させるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、鞘管9が躯体8の下方に突出し、この突出した位置にグラウトシール15が設けられているとしたが、鞘管9は躯体8から突出していなくともよく、グラウトシール15の設置位置も限定されない。
さらに、シール本体の内部には空気AR以外の流体、例えば水等の液体を充填することで、シール本体を膨張させてもよい。
また、上述のグラウトシール15は、杭式海洋構造物1、即ちSEP構造物に適用する例について説明したが、これに限定されることなく、例えば、港湾のジャケット構造物等、足場を設置することが難しいその他の構造物にも適用可能である。
1…杭式海洋構造物 2…杭 3…上部工 8…躯体 8a…孔部 9…鞘管 9a…挿入孔部 11…グラウト(充填材) 15…グラウトシール(シール部材) 18…シール本体 18a…給気孔部 21…治具取付部材 22…板状部 23…吊り部 23a…治具取付孔部 27…軟質部材 28…固定部材 31…挿入治具(支持部) 32…棒状部 32a…取付孔部 32b…貫通孔部 33…屈曲部 41…給気配管(流体供給部) 100…スパッド 101…昇降装置 102…削孔機 103…ケーシング杭 BS…海底 C…間隙 AR…空気 S1…上部工配置工程 S2…スパッド設置工程 S3…掘削工程 S4…杭圧入工程 S5…挿入工程 S6…流体供給工程 S7…充填工程 S8…第一充填工程 S9…第二充填工程

Claims (7)

  1. 海上に配された上部工に鉛直方向に沿って貫通して形成された挿入孔部に挿入されて該上部工を支持する杭と、前記挿入孔部の内周面との間の間隙内に配されて、該間隙を閉塞可能であるとともに、該間隙に充填されて前記上部工と杭とを固定する充填材を下方から支持するシール部材であって、
    前記間隙に挿入された状態で内部に流体が封入されて膨張し、該間隙を閉塞可能な中空環状のシール本体と、
    前記シール本体を支持するとともに、前記間隙の上方に向かって延びて前記上部工に引っ掛かる支持部と、
    前記シール本体の内部に前記流体を供給する流体供給部と、
    を備えることを特徴とするシール部材。
  2. 前記支持部は、前記シール本体から上方に延びる棒状部と、
    前記棒状部から屈曲して延びて前記上部工に引っ掛かる屈曲部と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のシール部材。
  3. 前記棒状部には、該棒状部の延在方向に交差する方向に貫通し、内部に前記充填材が充填される貫通孔部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシール部材。
  4. 前記シール本体には、外周面に、該シール本体が前記間隙に挿入された状態で、前記挿入孔部の内周面及び前記杭の外周面に接触する該シール本体よりも軟質な材料よりなる軟質部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシール部材。
  5. 海底に圧入された杭と、
    前記杭が挿入された挿入孔部が鉛直方向に沿って貫通して形成され、該杭によって海上に支持された上部工と、
    前記杭と前記挿入孔部の内周面との間の間隙に充填されて、前記杭と前記上部工とを固定する充填材と、
    前記間隙に挿入されて前記充填材を下方から支持する請求項1から4のいずれか一項に記載のシール部材と、
    を備えることを特徴とする杭式海洋構造物。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載のシール部材を用いて、前記杭と前記上部工との間の間隙をシールするシール方法であって、
    前記支持部を把持して前記間隙内の所定位置に前記シール本体を挿入するシール挿入工程と、
    前記間隙に挿入された前記シール本体の内部に前記流体を供給し、該シール本体を膨張させる流体供給工程と、
    膨張した前記シール本体が前記挿入孔部の間隙を閉塞した状態で、該間隙に上方から充填材を充填し、該充填材を硬化させる充填工程と、
    を含み、
    前記充填工程で前記充填材を充填した際に前記支持部が前記上部工に引っ掛かることを特徴とするシール方法。
  7. 前記充填工程は、前記充填材を前記間隙の中途位置まで充填して硬化させる第一充填工程と、
    前記第一充填工程での前記充填材の硬化後に、さらに該充填材を前記間隙に充填して硬化させる第二充填工程と、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載のシール方法。
JP2015070237A 2015-03-30 2015-03-30 シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法 Active JP6357438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015070237A JP6357438B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015070237A JP6357438B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016191398A JP2016191398A (ja) 2016-11-10
JP6357438B2 true JP6357438B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=57246816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015070237A Active JP6357438B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6357438B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5852062B2 (ja) * 1976-11-12 1983-11-19 大東興業株式会社 防蝕カバ−底部のチユ−ブシ−ル方法及びその機構
JPS56105793U (ja) * 1980-01-17 1981-08-18
JP2013147813A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 杭と鞘管との間のグラウト用シール材およびそのシール構造
JP5830423B2 (ja) * 2012-03-29 2015-12-09 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 杭式海洋構造物の施工方法及び杭式海洋構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016191398A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI811205B (zh) 密封件及使用其之離岸結構
KR101687368B1 (ko) 해상 풍력발전 지지구조물 및 그 시공방법
JP2018025042A (ja) 杭支持構造物及びその杭頭部接合方法
KR101772508B1 (ko) 해양시설의 지지구조물 및 그 시공방법
KR20140051531A (ko) 해양 지지구조물과 그 제조방법 및 시공방법
JP5383568B2 (ja) グラウト注入施工方法、この施工方法を用いた桟橋施工方法及びこの施工方法に適用可能な基礎杭固定構造
JP6357438B2 (ja) シール部材、杭式海洋構造物、及びシール方法
JP4762709B2 (ja) 既存建物の基礎地盤の液状化を低減し不同沈下を防止する工法
JP6650278B2 (ja) 水上構造物における脚部と鋼管杭との接合方法及び水上構造物支持用脚部
JP2011246910A (ja) 地下構造物の構築方法
JP2010203127A (ja) 鉄塔基礎の構築方法
JP2005076399A (ja) ジャケット構造体及びジャケット構造体と杭の接合方法
JP4096191B2 (ja) ジャケット構造体の構築方法
JP5785792B2 (ja) 内面管の支保工装置及び支保工装置の取付方法
JP6757003B2 (ja) 二重管杭の施工方法、及び二重管杭
JP6378060B2 (ja) 既設管路の補修方法及び補修部材
JP6931600B2 (ja) 地上タンク
JP2020172818A (ja) 鋼管杭の補修方法
JP7019921B2 (ja) コンクリート壁を備えたタンクの施工方法
JP5725330B2 (ja) ケーソンおよび基礎杭へのケーソン設置方法
JP4475116B2 (ja) 立坑構造及びその構築方法
JP6770920B2 (ja) 鋼管矢板井筒洋上基礎の構築方法および鋼管矢板井筒洋上基礎
KR102207398B1 (ko) 자켓구조물의 해상 설치를 위한 사전 지반 개량 공법 및 해상 파일 시공을 위한 사전 지반 개량 공법
KR102419846B1 (ko) 토목섬유거푸집을 이용한 지하수 오염을 예방하는 말뚝시공방법
KR102557752B1 (ko) 자켓 기초구조물 선천공 거치 시공방법 및 이를 이용한 자켓 기초구조물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6357438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250