図1は、止血および血管穿刺の閉鎖を促進するように血管内に腔内に埋め込まれた先行技術の血管閉鎖デバイス(VCD)100の実施形態を示す。本明細書において、VCDをそれを必要とする患者に送達するための改善されたシステムおよび方法が説明され、これらは図1のVCD100を含み得る、および/またはそれとともに使用されてよい。本明細書において、改善された血管閉鎖デバイスも説明され、これらは送達のための改善されたシステムおよび方法に含まれ得る、および/またはそれとともに使用されてよい。
本明細書に説明される様々な実施形態に従うVCDは、少なくとも1つの封止膜、および該封止膜に取り付けられるか、それと一体化されるか、または他の方法でそれを支持する少なくとも1つの支持フレームを含む。支持フレームは、血管内に展開されるとき、封止膜を崩壊構成から拡張構成に拡張するように利用される。支持フレームは、封止膜を血管穿刺に対する位置に動かすのに十分なだけ拡張するように構成することができる。支持フレームによってもたらされる圧力は変動し得るが、VCDを血管内の所望の位置で少なくとも部分的に維持するために有効であり、封止膜を血管穿刺に少なくとも部分的に押し付ける。封止膜を位置付けてそれによって血管穿刺に圧力をもたらすと、血液漏出が予防および/または低減され、止血および治癒が促進される。場合によっては、VCDの封止膜は、血管穿刺からの血液漏出を著しく低減し得る一方、封止膜上またはその周りに形成された血栓により穿刺に対して完全な止血が達成される。血栓形成能力は、封止膜および/または係留タブもしくはプルワイヤ上に血栓促進材料を提供することにより増強され得る。VCDは、本質的に任意の期間血管内の固定位置に残されてよく、これはある実施形態において無期限であり得る。
様々な実施形態に従い、一定期間後に部分が分解、吸収、および/または浸食するように、VCDの部分は生分解性、生体吸収性、および/または生体浸食性である(本明細書において、別段に明示されない限り、集合的に「生分解性」と称される)。例えば、少なくとも封止膜、およびいくつかの実施形態において、支持フレームもしくはその部分、および/または係留タブもしくはプルワイヤは、前選択した期間後に分解、溶解、または吸収されてよく、経時的に血管内に残る成分を最小にする。これは、血管穿刺部位またはその付近の後次アクセスを簡素化し得、潜在的な長期合併症を低減する。VCDの様々な構成要素の形状、構成、および組成物、ならびにそれを送達するためのシステムおよび方法は、以下に説明される実施例に代表される多くの方法で具体化することができる。
本明細書に説明されるVCDは、ヒトまたは他の動物(例えば、哺乳動物)における血管の穿刺または貫通を閉鎖するために使用されてよい。そのような動物は、本明細書において患者として称され得る。本明細書に使用される場合、「血管」という用語は、動脈、静脈、血液もしくはリンパ液を運ぶための他の血管内腔、または他の体内腔、例えば、限定されないが、胃腸系(例えば、食道、胃、小腸、もしくは大腸)、気道系(例えば、気管、気管支、もしくは細気管支)、泌尿器系(例えば、膀胱、尿管、もしくは尿道)、または脳脊髄系(例えば、クモ膜下腔または脳および/もしくは脊髄の周りおよび/もしくは内側の脳室系)の体内腔を指す。VCDは、成人および小児患者における種々の血管構造および大きさ、ならびに患者内の種々の血管部位における穿刺に対して有効に使用するために寸法設定することができる。VCDは、様々な外科手技と併せて他の体内腔の穿刺を閉鎖する際に使用するために適合させることができると想定される。例えば、他の一実施形態において、VCDは、天然オリフィス経管的内視鏡手術中に内腔穿刺を閉鎖するか、または腰椎穿刺を閉鎖するように使用するために適合させることができる。
血管閉鎖デバイスおよび送達の方法
図面を参照すると、図1は、患者の血管10内に腔内に埋め込まれ、血管10の壁を通じて存在する血管穿刺部位15(本明細書において、同義に「アクセス穴」、「アクセス部位」、「血管穿刺」、「穿刺穴」、「穿刺部位」、またはその他の同様の変化形と称される)またはその付近の標的領域を少なくとも一時的に封止するように位置付けられ、そこに固定された先行技術のVCD100の一実施形態を描写する。この実施形態に従い、VCD100は、封止膜105および該封止膜105の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜105に形状および支持を提供する拡張可能な支持フレーム110を含む。つまり、封止膜105は、支持フレーム110により少なくとも部分的に支持される。
支持フレーム110、およびしたがって概してVCD100は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム110を拡張すると、VCD100は、封止膜105を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、図1に示されるように、封止膜105および支持フレーム110、およびしたがって概してVCD100は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成されてよい。したがってVCD100の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。例えば、VCD100は、巻くか広げることができるシートまたはその長手方向軸に沿って全体的にスリットを入れられる管に似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、以下に説明されるように、VCD100は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD100の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
図1に示される実施形態に従い、VCD100は、封止膜105の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体115も含む。クロスメンバー支持体115は、その剛性もしくは少なくとも部分的な剛性、および/または周縁支持フレーム110により提供される張力は、封止膜105に構造的および形状支持を提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体115は、封止膜105より剛性である。支持フレーム110を拡張すると、クロスメンバー支持体115は、図1に示されるように、封止膜105を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体115は、下垂を回避するように封止膜105を支持してよく、封止膜105は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体115は、支持フレーム110の両側の間に伸長し、封止膜105を該封止膜105の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体115は、血管10への展開中にVCD100の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体115は、展開のためにVCD100を長手方向軸に沿って巻いて、VCD100を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD100は、クロスメンバー支持体115により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
図1の実施形態に示されるように、VCD100は、封止膜105、支持フレーム110、および/またはクロスメンバー支持体115から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ120をさらに含む。具体的に、テザー120は、ある実施形態に従い、封止膜105、支持フレーム110、および/またはクロスメンバー支持体115のうちの少なくとも1つに取り付けられる。VCD100を血管10内で展開すると、テザー120は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー120は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜105および支持フレーム110を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー120が血管穿刺15の端に隣接するまで、VCD100は、血管10の遠位部分に向かって下流方向に(血管内血流に起因して)移行する傾向があり得るため、テザー120は、VCD100の穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD100を血管10内に位置付けると、テザー120の自由端部分は、通常テザー120が張力下にある間、患者に固定されてよい。例えば、テザー120の自由端部分は、血管アクセス部位またはその付近(例えば、血管にアクセスするために創製された初期切開またはその付近)の患者の上皮、真皮、皮下層、脂肪層、または筋組織に固定されてよい(例えば、縫合、糊付け、鉤付け、弾性保持手段により保持されるなど)。
図1は、血管10内のVCD100の実施形態の一配向を描写するように提供されること、および本明細書に説明される様々な実施形態に従う任意のVCDは、封止膜を穿刺部位に対して固定または他の方法で保持するように腔内に同様に位置付けられてよいことが理解される。これらの実施形態は、図を参照してより詳細に説明される。
図2Aは、図1に示され、それを参照して説明されるVCD100と類似しているVCD200の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この実施形態に従い、VCD200は、封止膜205および拡張可能な支持フレーム210を含み、封止膜205の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜205に形状および支持を提供する。つまり、封止膜205は、支持フレーム210により少なくとも部分的に支持される。図1および図2Aに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図2Aに示されるVCD200の実施形態が、クロスメンバー支持体215の中間部分で封止膜205に結合されるクロスメンバー支持体215を含むことである。このようにして、クロスメンバー支持体215は、封止膜205を血管10の壁の穿刺部位15に対して維持するように構成される。顕著に、VCD200は、単なる例証目的で平坦な完全に広がった位置で図2Aに示される。
支持フレーム210、およびしたがって概してVCD200は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム210を拡張すると、VCD200は、封止膜205を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、封止膜205および支持フレーム210、およびしたがって概してVCD200は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成される。具体的に、支持フレーム210は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成された形状で形成されてよい。したがってVCD200の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。例えば、図2Aに示されるように、VCD200は、巻くかまたは広げることができるシートに似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、VCD200は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD200の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
図2Aに示される実施形態に従い、VCD200は、封止膜205の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体215を含む。クロスメンバー支持体215は、その相対剛性および/または周縁支持フレーム210により提供される張力に起因して、構造的および形状支持を封止膜205に提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体215は、封止膜205より剛性である。支持フレーム210を拡張すると、クロスメンバー支持体215は、封止膜205を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体215は、下垂を回避するように封止膜205を支持し、封止膜205は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体215は、支持フレーム210の両側の間に伸長し、封止膜205を該封止膜205の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体215は、血管10への展開中にVCD200の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体215は、展開のためにVCD200を長手方向軸に沿って巻いて、VCD200を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD200は、クロスメンバー支持体215により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
ある実施形態において、クロスメンバー支持体215は、支持フレーム210とは別個に形成され、それに取り付けられる。図2Aに示されるように、クロスメンバー支持体215は、支持フレーム210の両側に取り付けられる。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体215は、封止膜205の上に伸長し、封止膜205と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体215は、封止膜205の下に伸長し、封止膜205と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。図2Aに示される実施形態に従い、クロスメンバー支持体215は、可撓性ワイヤの形態である。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、外科的縫合材料で形成される。可撓性ワイヤの構築に好適な材料の例として、ポリマー材料、例えば、PEEK(ポリエチルエーテルケトン)、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、生分解性材料で形成される。可撓性ワイヤの構築に好適な生分解性材料の例として、ポリ−L−ラクチド(PLLA)、ポリ−D−ラクチド(PDLA)、ポリグリコリド(PGA)、乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカーボネート)(PGA−TMC)、ポリグルコン酸塩、およびポリ乳酸−ポリエチレンオキシドが挙げられる。
上記のように、クロスメンバー支持体215は、クロスメンバー支持体215の中間部分で封止膜205に結合される。つまり、クロスメンバー支持体215は、クロスメンバー支持体215の両端の間の部分で封止膜205に結合される。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体215の中間部分は、該中間部分の1つ以上の領域に沿って糊または溶媒により封止膜205に結合される。
他の実施形態において、図2Aに示されるように、クロスメンバー支持体215の中間部分は、封止膜205に取り付けられてクロスメンバー支持体215の中間部分の上に伸長する結合器218により、封止膜205に結合される。該結合器218は、糊、溶媒接着、熱溶接、超音波溶接、レーザー溶接または当業者に既知の任意の他の結合技法により封止膜205に取り付けられてよい。結合器218は、クロスメンバー支持体215の長手方向軸に沿って任意の地点に位置付けられてよい。いくつかの実施形態において、結合器218は、クロスメンバー支持体215の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD200の長手方向軸のほぼ中心に位置付けられる。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体215の中間部分は、結合器218と封止膜205との間に固定される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体215の中間部分は、結合器218と封止膜205との間で移動可能である。そのような実施形態において結合器218は、該結合器218の両端のみで封止膜205に取り付けられ得るが、結合器218の中心部分は、クロスメンバー支持体215が移動するためにいくらかの空間を有し得るように自由なままである。
結合器218は、約0.025mm〜約1mm、および好ましくは約0.05mm〜約0.2mmの断面を有するワイヤの形態であってよい。あるいは、図2Aに示されるように、結合器218は、約0.2mm〜約15mmの幅および約1mm〜約15mmの長さを有するパッチの形態である。別の実施形態において、パッチは、約1mm〜約5mmの幅および約2mm〜約8mmの長さを有する。パッチの厚さは、約1μm〜約250μm、好ましくは約10μm〜約150μm、およびより好ましくは約20μm〜約60μmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、結合器218は、生分解性材料、例えば、PLLA、PDLA、PGA、PLGA、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、またはポリ乳酸−ポリエチレンオキシドで形成される。一実施形態において、結合器218は、封止膜205と同じ材料で形成される。
図2Aの実施形態に示されるように、VCD200は、封止膜205、支持フレーム210、および/またはクロスメンバー支持体215から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ220をさらに含む。具体的に、テザー220は、ある実施形態に従い、封止膜205、支持フレーム210、および/またはクロスメンバー支持体215のうちの少なくとも1つに取り付けられる。いくつかの実施形態において、図2Aに示されるように、テザー220は、クロスメンバー支持体215に固定点222で取り付けられる。該固定点222は、クロスメンバー支持体215の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD200の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点222は、クロスメンバー支持体215の長手方向軸の中心および/またはVCD200の長手方向軸の中心に対して近位または遠位にあってよい。好ましい実施形態において、固定点222は、VCD200の長手方向軸の中心に対して5mm遠位〜5mm近位の間である。いくつかの実施形態において、結合器218は、固定点222の近位に位置付けられる。結合器218は、固定点222に対して近位または遠位位置に位置付けられてよい。いくつかの実施形態において、VCD200は、2つ以上の結合器218を含み、いくつかは固定点222の近位に位置付けられ、いくつかは固定点222の遠位に位置付けられる。
VCD200を血管10内で展開すると、テザー220は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー220は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜205および支持フレーム210を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー220が血管穿刺15の端に隣接するまで、VCD200は、血管10の遠位部分に向かって下流方向に移行する傾向があり得るため、テザー220は、VCD200の穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD200を血管10内に位置付けると、テザー220の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
図2Aの実施形態に示されるように、支持フレーム210は、楕円形状を画定する周縁支持フレームとして形成されるが、周縁支持フレームは、他の実施形態において円形形状を画定し得る。封止膜205は、その周縁の周りの外縁を画定し得、支持フレーム210の少なくとも一部は、封止膜205の外縁に沿って位置付けられてよい。いくつかの実施形態において、封止膜205の外縁は、支持フレーム210の外縁を越えて伸長する。封止膜205は、糊、溶媒接着、レーザー溶接、超音波溶接、熱溶接、または任意の他の取り付け手段を使用して支持フレーム210に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、封止膜205は、外縁の周りに伸長する複数のタブを含み、封止膜205は、複数のタブにより支持フレーム210に取り付けられる。具体的に、これらのタブのそれぞれは、支持フレーム210の一部分を包み込み、封止膜205に結合され得るか、または支持フレーム210を包み込み、それ自体に結合され得る。他の実施形態において、図2Aに示されるように、支持フレーム210は、封止膜205を支持フレーム210に取り付けるために複数の穴227、228を画定する。具体的に、封止膜205は、複数の穴227、228を通じて伸長する複数の係留具により支持フレーム210に取り付けられてよい。これらの係留具は、膜205に到達するまで穴227、228を充填するために使用される糊または接着剤で形成されてよく、硬化した糊または接着剤が、穴227、228を通じて伸長し、封止膜205を支持フレーム210に対して保持するスタッド様形状を形成するようにする。あるいは、係留具は、封止膜205と同じ材料で、例えば鋳造により形成されてよく、材料が穴227、228を通じて伸長し、封止膜205を支持フレーム210に対して保持するスタッド様形状を形成するようにする。さらに係留具は、ワイヤ、例えば、外科的縫合材料、または複数の穴227、228を通じて伸長するリベット型締結具として形成されてよい。さらに他の実施形態において、支持フレーム210は、製造中に封止膜205と一体化される。一体化構成は、例えば、封止膜205の初期層を蒸着または鋳造し、支持フレーム210を封止膜210の初期層の上に置き、次いで封止膜205の第2の層を初期層および支持フレーム210の上に蒸着または鋳造することにより形成されてよく、支持フレーム210が封止膜205内に埋め込まれるようにする。いくつかの実施形態において、図2Aに示されるように、支持フレーム210は、クロスメンバー支持体215を支持フレーム210に取り付けるために複数の穴229を画定する。
上述されるように、支持フレーム210は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、支持フレーム210は、第1の曲率半径を有する崩壊構成から第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、支持フレーム210は、血管10の曲率半径より大きい曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、支持フレーム210は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、支持フレーム210が、支持フレーム210への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、支持フレーム210は、閉じ込め機構からのVCD200の展開または解放(およびVCD200を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。予め成形された材料は、形状記憶金属および/または形状記憶ポリマーを含んでよく、支持フレーム210の予め成形された拡張構成は、形状記憶金属および/または形状記憶ポリマーの安定した形状により画定されてよい。好ましくは、支持フレーム210は、ニッケル−チタン合金で形成される。他の弾性または超弾性材料を使用して支持フレーム210を形成してよい。
上述されるように、支持フレーム210は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成される。いくつかの実施形態において、図2Aに示されるように、支持フレーム210は、第1の翼部230および第1の翼部230の反対に位置付けられる第2の翼部232を含む。このようにして、第2の翼部232は、支持フレーム210が崩壊構成であるとき、第1の翼部230の上に巻かれてよい。支持フレーム210は、第1の翼部230から伸長する少なくとも1つ、および好ましくは2つのタブ240を含んでもよい。タブ240は、多重ユーティリティを提供し得る。第1に、タブ240は、支持フレーム210がVCD200の送達中に崩壊構成であるとき、VCD200の長手方向の剛性を増加させるように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ240のそれぞれは、長手方向補強材として機能する、VCD200の長手方向軸に沿って伸長する直線区分242を含む。第2に、タブ240は、支持フレーム210が崩壊構成であるとき、第1の翼部230が封止膜205に圧力を印加するのを防ぐように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ240のそれぞれは、支持フレーム210が崩壊構成であるとき、タブ240の上に巻かれる支持フレーム210の一部分に接触するように構成された湾曲区分243を含み、第1の翼部230が封止膜205に接触しないようにする。この湾曲区分243は、支持フレーム210の中心線またはその付近(すなわち、第1の翼部230と第2の翼部232との間)で支持フレーム210に接触するように構成されてよい。第3に、タブ240は、支持フレーム210を広げて拡張構成にするためにタブ240の上に巻かれる支持フレーム210の部分に力を印加するように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ240の湾曲区分243は、支持フレーム210の中心線またはその付近で支持フレーム210に拡張力を印加するように構成され、支持フレーム210が、崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するようにする。タブ240、および具体的にタブ240の湾曲区分243の不在下で、拡張力は、第1の翼部230により封止膜205に印加され、これは封止膜205に対する損傷もしくは望ましくない変形または第1の翼部230の封止膜205への貫通をもたらし得、支持フレーム210を拡張するために必要な力を、恐らく支持フレーム210が閉じ込め機構の解放時にその拡張構成に戻ることができないようなレベルに著しく増加させ得る。いくつかの実施形態において、図2Aに示されるように、支持フレーム210は、支持フレーム210の両側の間に長手方向に伸長する1つ以上の長手方向支持体244をさらに含む。このようにして、長手方向支持体244は、特に支持フレーム210が、VCD200の送達中に崩壊構成であるとき、VCD200の長手方向の剛性を増加させるように構成される。
図2Bは、図2Aに示され、それを参照して説明されるVCD200と類似しているVCD250の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この実施形態に従い、VCD250は、封止膜255および拡張可能な支持フレーム260を含み、封止膜255の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜255に形状および支持を提供する。つまり、封止膜255は、支持フレーム260により少なくとも部分的に支持される。図2Aおよび図2Bに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図2Bに示されるVCD250の実施形態が、クロスメンバー支持体265のX形状を画定するワイヤ区分267、268を含む可撓性ワイヤの形態のクロスメンバー支持体265を含むことである。このようにして、ワイヤ区分267、268は、クロスメンバー支持体265に印加される力を分散するように構成される。顕著に、VCD250は、単なる例証目的で平坦な完全に広がった位置で図2Bに示される。
支持フレーム260、およびしたがって概してVCD250は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム260を拡張すると、VCD250は、封止膜255を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、封止膜255および支持フレーム260、およびしたがって概してVCD250は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成される。具体的に、支持フレーム260は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成された形状で形成されてよい。したがってVCD250の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。例えば、図2Bに示されるように、VCD250は、巻くかまたは広げることができるシートに似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、VCD250は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD250の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
図2Bに示される実施形態に従い、VCD250は、封止膜255の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体265を含む。クロスメンバー支持体265は、その相対剛性および/または周縁支持フレーム260により提供される張力に起因して、構造的および形状支持を封止膜255に提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265は、封止膜255より剛性である。支持フレーム260を拡張すると、クロスメンバー支持体265は、封止膜255を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体265は、下垂を回避するように封止膜255を支持し、封止膜255は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265は、支持フレーム260の両側の間に伸長し、封止膜255を該封止膜255の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体265は、血管10への展開中にVCD250の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体265は、展開のためにVCD250を長手方向軸に沿って巻いて、VCD250を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD250は、クロスメンバー支持体265により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
ある実施形態において、クロスメンバー支持体265は、支持フレーム260とは別個に形成され、それに取り付けられる。図2Bに示されるように、クロスメンバー支持体265は、支持フレーム260の両側に取り付けられる。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265は、封止膜255の上に伸長し、封止膜255と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体265は、封止膜255の下に伸長し、封止膜255と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。図2Bに示される実施形態に従い、クロスメンバー支持体265は、可撓性ワイヤの形態である。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、外科的縫合材料で形成される。可撓性ワイヤの構築に好適な材料の例として、ポリマー材料、例えば、PEEK、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、生分解性材料で形成される。可撓性ワイヤの構築に好適な生分解性材料の例として、PLLA、PDLA、PGA、PLGA、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、およびポリ乳酸−ポリエチレンオキシドが挙げられる。
図2Bに示される実施形態に従い、クロスメンバー支持体215は、可撓性ワイヤの形態であり、支持フレーム260の両側の間に伸長する第1のワイヤ区分267、および支持フレーム260の両側の間に伸長する第2のワイヤ区分268を含む。示されるように、第1のワイヤ区分267および第2のワイヤ区分268は、クロスメンバー支持体265のX形状を画定し、第1のワイヤ区分267および第2のワイヤ区分268は、クロスメンバー支持体265に印加される力を分散するように構成される。いくつかの実施形態において、第1のワイヤ区分267および第2のワイヤ区分268は、単一の可撓性ワイヤで形成され、破線で示されるように、1つ以上の追加のワイヤ区分269により互いに接続される。他の実施形態において、第1のワイヤ区分267および第2のワイヤ区分268は、別個のワイヤで形成される。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265は、封止膜255の上に伸長し、封止膜255と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体265は、封止膜255の下に伸長し、封止膜255と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。
いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265は、クロスメンバー支持体265の中間部分で封止膜255に結合される。つまり、クロスメンバー支持体265は、クロスメンバー支持体265の両端の間の部分で封止膜255に結合される。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体265の中間部分は、該中間部分の1つ以上の領域に沿って糊または溶媒により封止膜255に結合される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体265の中間部分は、図2Aを参照して上述される結合器218と同様の方法で結合器(図示せず)により封止膜255に結合される。
図2Bの実施形態に示されるように、VCD250は、クロスメンバー支持体265に取り付けられたテザー、位置付けタブ、または係留タブ270をさらに含む。具体的に、テザー270は、クロスメンバー支持体265のX形状の中心の固定点272でクロスメンバー支持体265に取り付けられてよい。このようにして、第1のワイヤ区分267および第2のワイヤ区分268は、クロスメンバー支持体265に印加される引張力をテザー270を介して分散して、支持フレーム260の屈曲を低減するように構成されてよい。したがって、支持フレーム260の著しい屈曲または変形が発生する前に、より大きい引張力が、血管内のVCD250の位置付け中に印加されてよい。固定点272は、VCD250の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点272は、VCD250の長手方向軸の中心に対して約1mm〜約6mm近位、または約1mm〜約6mm遠位にあってもよい。
VCD250を血管10内で展開すると、テザー270は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー270は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜255および支持フレーム260を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー270が血管穿刺15の端に隣接するまで、VCD250は、血管10の遠位部分に向かって下流方向に移行する傾向があり得るため、テザー270は、VCD250の穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD250を血管10内に位置付けると、テザー270の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
図2Bの実施形態に示されるように、支持フレーム260は、楕円形状を画定する周縁支持フレームとして形成されるが、周縁支持フレームは、他の実施形態において円形形状を画定し得る。封止膜255は、その周縁の周りの外縁を画定し得、支持フレーム260の少なくとも一部は、封止膜255の外縁に沿って位置付けられてよい。いくつかの実施形態において、封止膜255の外縁は、支持フレーム260の外縁を越えて伸長する。封止膜255は、糊、溶媒接着、レーザー溶接、超音波溶接、熱溶接、または任意の他の取り付け手段を使用して支持フレーム260に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、封止膜255は、外縁の周りに伸長する複数のタブを含み、封止膜255は、複数のタブにより支持フレーム260に取り付けられる。具体的に、これらのタブのそれぞれは、支持フレーム260の一部分を包み込み、封止膜255に結合され得るか、または支持フレーム260を包み込み、それ自体に結合され得る。他の実施形態において、図2Bに示されるように、支持フレーム270は、封止膜255を支持フレーム260に取り付けるために複数の穴277、278を画定する。具体的に、封止膜255は、複数の穴277、278を通じて伸長する複数の係留具により支持フレーム260に取り付けられてよい。これらの係留具は、膜255に到達するまで穴277、278を充填するために使用される糊または接着剤で形成されてよく、硬化した糊または接着剤が、穴277、278を通じて伸長し、封止膜255を支持フレーム260に対して保持するスタッド様形状を形成するようにする。あるいは、係留具は、封止膜255と同じ材料で、例えば鋳造により形成されてよく、材料が穴277、278を通じて伸長し、封止膜255を支持フレーム260に対して保持するスタッド様形状を形成するようにする。さらに係留具は、ワイヤ、例えば、外科的縫合材料、または複数の穴277、278を通じて伸長するリベット型締結具として形成されてよい。さらに他の実施形態において、支持フレーム260は、製造中に封止膜255と一体化される。一体化構成は、例えば、封止膜255の初期層を蒸着または鋳造し、支持フレーム260を封止膜260の初期層の上に置き、次いで封止膜255の第2の層を初期層および支持フレーム260の上に蒸着または鋳造することにより形成されてよく、支持フレーム260が封止膜255内に埋め込まれるようにする。いくつかの実施形態において、図2Bに示されるように、支持フレーム260は、クロスメンバー支持体265を支持フレーム260に取り付けるために複数の穴279を画定する。
上述されるように、支持フレーム260は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、支持フレーム260は、第1の曲率半径を有する崩壊構成から第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、支持フレーム260は、血管10の曲率半径より大きい曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、支持フレーム260は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、支持フレーム260が、支持フレーム260への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、支持フレーム260は、閉じ込め機構からのVCD250の展開または解放(およびVCD250を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。予め成形された材料は、形状記憶金属および/または形状記憶ポリマーを含んでよく、支持フレーム250の予め成形された拡張構成は、形状記憶金属および/または形状記憶ポリマーの安定した形状により画定されてよい。好ましくは、支持フレーム260は、ニッケル−チタン合金で形成される。他の弾性または超弾性材料を使用して支持フレーム260を形成してよい。
上述されるように、支持フレーム260は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成される。いくつかの実施形態において、図2Bに示されるように、支持フレーム260は、第1の翼部280および第1の翼部280の反対に位置付けられる第2の翼部282を含む。このようにして、第2の翼部282は、支持フレーム260が崩壊構成であるとき、第1の翼部280の上に巻かれてよい。支持フレーム260は、第1の翼部280から伸長する少なくとも1つ、および好ましくは2つのタブ290を含んでもよい。タブ290は、多重ユーティリティを提供し得る。第1に、タブ290は、支持フレーム260がVCD250の送達中に崩壊構成であるとき、VCD250の長手方向の剛性を増加させるように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ290のそれぞれは、長手方向補強材として機能する、VCD250の長手方向軸に沿って伸長する直線区分292を含む。第2に、タブ290は、支持フレーム260が崩壊構成であるとき、第1の翼部280が封止膜255に圧力を印加するのを防ぐように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ290のそれぞれは、支持フレーム260が崩壊構成であるとき、タブ290の上に巻かれる支持フレーム260の一部分に接触するように構成された湾曲区分293を含み、第1の翼部280が封止膜255に接触しないようにする。この湾曲区分293は、支持フレーム260の中心線またはその付近(すなわち、第1の翼部280と第2の翼部282との間)で支持フレーム260に接触するように構成されてよい。第3に、タブ290は、支持フレーム260を広げて拡張構成にするためにタブ290の上に巻かれる支持フレーム260の部分に力を印加するように構成されてよい。具体的に、いくつかの実施形態において、タブ290の湾曲区分293は、支持フレーム260の中心線またはその付近で支持フレーム260に拡張力を印加するように構成され、支持フレーム260が、崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するようにする。タブ290、および具体的にタブ290の湾曲区分293の不在下で、拡張力は、第1の翼部280により封止膜255に印加され、これは封止膜255に対する損傷もしくは望ましくない変形または第1の翼部280の封止膜255への貫通をもたらし得、支持フレーム260を拡張するために必要な力を、恐らく支持フレーム260が閉じ込め機構の解放時にその拡張構成に戻ることができないようなレベルに著しく増加させ得る。いくつかの実施形態において、図2Bに示されるように、支持フレーム260は、支持フレーム260の両側の間に長手方向に伸長する1つ以上の長手方向支持体294をさらに含む。このようにして、長手方向支持体294は、特に支持フレーム260が、VCD250の送達中に崩壊構成であるとき、VCD250の長手方向の剛性を増加させるように構成される。
図3Aは、図1に示され、それを参照して説明されるVCD100と類似しているVCD300の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。図1および図3Aに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図3Aに示されるVCD300の実施形態が、血管10内で展開可能な拡張可能な管305を含むことである。管305は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成され、管の外面306を穿刺部位15に対して腔内に位置付け、穿刺部位15を少なくとも部分的に封止する。図3Aに示されるように、管305は、穿刺部位15を封止するために外面306を画定する固い側壁308を含む。つまり、管305の側壁308は、そこを通じて伸長する任意の開口部を含まないため、外面306が穿刺部位15を封止するのに好適である。
図3Aの実施形態に示されるように、VCD300は、管305から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ320をさらに含む。具体的に、テザー320は、固定点322で管305の外面306に取り付けられてよい。固定点322は、管305の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD300の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点322は、管305の長手方向軸の中心および/またはVCD300の長手方向軸の中心に対して近位または遠位にあってよい。好ましい実施形態において、固定点322は、VCD300の長手方向軸の中心に対して5mm遠位〜5mm近位の間である。VCD300を血管10内で展開すると、テザー320は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー320は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、管305の外面を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー320が血管穿刺15の端に隣接するまで、VCD300は、血管10の遠位部分に向かって下流方向に移行する傾向があり得るため、テザー320は、VCD300の穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD300を血管10内に位置付けると、テザー320の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
上述されるように、管305は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、管305は、第1の半径方向プロファイルを有する崩壊構成から第1の半径方向プロファイルより大きい第2の半径方向プロファイルを有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、管305は、血管10の内径に実質的に等しい外径を有する前記拡張構成に拡張するように構成される。他の実施形態において、管305は、血管10の内径に実質的に等しい外径を有する前記拡張構成に拡張するように構成される。VCD300は、約4.5mm〜約10mmの直径を有する12Fr〜27Frシース穿刺の閉鎖のために設計および構成されてよく、したがって、管305の崩壊構成は、シース穿刺の直径より小さな半径方向プロファイルを有してよい。さらに、管305の崩壊構成は、送達シースの内径より小さい半径方向プロファイルを有してよい。
いくつかの実施形態において、管305は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、管305が、管305への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、管305は、閉じ込め機構からのVCD300の展開または解放時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、管305は、数秒から数分の時間スケールにわたって自己拡張するように構成される。したがって、そのような実施形態において、VCD300は、管305が短時間の送達中にその崩壊構成を維持し得、VCD300の血管10の内腔内での位置付けは、管305が予め成形された拡張構成に自己拡張する前に達成されてよい。そのような実施形態において、テザー320は、穿刺部位15にわたるVCD300の結合を保証するように張力下で保持されてよく、管305の移行を予防し、管305が、穿刺部位15を封止するために予め成形された拡張構成に拡張するまで出血を最小にする。管305は、好ましくはポリマー材料で形成され、より好ましくは生分解性ポリマーで形成される。管305の構築に好適な材料の例として、限定されないが、ポリエステル(例えば、PLLA、PDLA、PGA、またはPLGA)、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)、ポリ無水物、ポリホスホエステル、ポリ(アミノ酸)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、または任意の他の同様のコポリマーが挙げられる。一実施形態において、管305は、生分解性ポリ(ε−カプロラクト+オン−コ−DL−ラクチド)コポリマーで形成され、約1mmの壁厚を有する。YuらのJ.Material Science:Material in Medicine,23(2):581−89(Feb 2012)は、生分解性ポリ(ε−カプロラクトン−コ−DL−ラクチド)コポリマーの食道ステントの構築材料としての使用を開示する。
図3B〜3Dは、VCD300の血管10への皮下送達のための管305の3つの可能な崩壊構成を示す。いくつかの実施形態において、管305は、平坦化して崩壊構成になるように構成される。図3Bに示されるように、管305は、最初に平坦化し得、次いで平坦化した管305の両側が管305の中心に向かって内側に折り畳まれ得る。あるいは、図3Cに示されるように、管305は、最初に平坦化し得、次いで平坦化した管305の両側が管305の中心に向かって内側に巻かれ得る。さらに、図3Dに示されるように、管305は、最初に平坦化し得、次いで平坦化した管305の第1側が管305の中心に向かって内側に折り畳まれ、次いで平坦化した管305の第2側が第1側の上に巻かれ得る。管305を崩壊させるこの方法は、管305のより丸くて小さな崩壊構成を有益に提供し、管305のより小さい半径方向プロファイルをもたらす。図3B〜3Dに示されるように、管305が崩壊構成であるとき、テザー320の固定点322は、好ましくは、崩壊した管305の上側に位置付けられ、管305の層が固定点322の上に巻かれるか、または折り畳まれないようにする。この位置付けは有利に、医師がVCD300の送達中にテザー320を引き、管305の上側を穿刺部位15に対して管305の拡張(例えば、広げるおよび/または開く)を干渉することなく位置付けることができるようにする。
いくつかの実施形態において、管305の側壁308は、管305の長さおよび周囲に沿って均一な壁厚を有する。他の実施形態において、管305の側壁308は、管305の長さおよび周囲に沿って変動する壁厚を有し、他のより薄い領域よりも実質的に壁厚の大きい領域をもたらす。より大きな壁厚の領域は、管305構造に半径方向、長手方向、または両方に強化された剛性または支持を提供し得る。いくつかの実施形態において、図3Eおよび3Fに示されるように、VCD300は、管に沿って伸長し、管305の剛性を増加させるように構成された少なくとも1つの支持素子325を含む。1つ以上のリブの形態であり得る支持素子325は、管305の外面306および/または内面に位置付けられてよい。あるいは、支持素子325は、管305の外面306と内面との間に位置付けられてよい。図3Eに示されるように、支持素子325は、管305の周囲に沿って伸長し、管305の半径方向の剛性を増加するように構成された半径方向支持素子である。さらに、半径方向支持素子として形成されるとき、支持素子325は、崩壊構成から拡張構成へのVCD300の拡張を促進し得る。あるいは、図3Fに示されるように、支持素子325は、管305の長さに沿って伸長し、管305の長手方向の剛性を増加するように構成された長手方向の支持素子である。いくつかの実施形態において、VCD300は、複数の支持素子325を含み、複数の半径方向支持素子、複数の長手方向支持素子、または少なくとも1つの半径方向支持素子、および少なくとも1つの長手方向支持素子を含んでよい。支持素子325は、管305の周囲または長さに沿って直線形状を画定し得る。あるいは、支持素子325は、管305の周囲または長さに沿ってジグザグまたは正弦波形状を画定し得る。他の形状は、ステント設計の技術分野における熟練者に既知のように、管305の剛性を増加させるために使用されてよい。いくつかの実施形態において、支持素子325は、管305と一体形成される。他の実施形態において、支持素子325は、管305とは別個に形成され、それに取り付けられる。
図4Aおよび4Bは、図1に示され、それを参照して説明されるVCD100と類似しているVCD400の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この実施形態に従い、VCD400は、封止膜405および拡張可能な支持フレーム410を含み、封止膜405の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜405に形状および支持を提供する。つまり、封止膜405は、支持フレーム410により少なくとも部分的に支持される。図1ならびに図4Aおよび4Bに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図4Aおよび4BのVCD400の実施形態が、テザー420に結合される少なくとも1つの固定素子425を含むことである。固定素子425は、VCD400の腔内移行を防ぐように穿刺部位15に隣接した組織25中に形成されたアクセスチャネル20に係合するように構成される。
支持フレーム410、およびしたがって概してVCD400は、それぞれ図4Aおよび4Bに示されるように、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム410を拡張すると、VCD400は、封止膜405を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、封止膜405および支持フレーム410、およびしたがって概してVCD400は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成される。具体的に、支持フレーム410は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成された形状で形成されてよい。したがってVCD400の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。例えば、示されるように、VCD400は、巻くかまたは広げることができるシートに似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、VCD400は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD400の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
図4Aおよび4Bに示される実施形態に従い、VCD400は、封止膜405の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体415も含む。クロスメンバー支持体415は、その相対剛性および/または周縁支持フレーム410により提供される張力に起因して、構造的および形状支持を封止膜405に提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体415は、封止膜405より剛性である。支持フレーム410を拡張すると、クロスメンバー支持体415は、封止膜405を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体415は、下垂を回避するように封止膜405を支持し、封止膜405は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体415は、支持フレーム410の両側の間に伸長し、封止膜405を該封止膜405の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体415は、血管10への展開中にVCD400の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体415は、展開のためにVCD400を長手方向軸に沿って巻いて、VCD400を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD400は、クロスメンバー支持体415により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
ある実施形態において、クロスメンバー支持体415は、支持フレーム410とは別個に形成され、それに取り付けられる。クロスメンバー支持体415は、支持フレーム410の両側に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体415は、封止膜405の上に伸長し、封止膜405と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体415は、封止膜405の下に伸長し、封止膜405と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。クロスメンバー支持体415は、可撓性ワイヤの形態であってよい。いくつかの実施形態において、該可撓性ワイヤは、外科的縫合材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、生分解性材料で形成されてもよい。可撓性ワイヤの構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。
図4Aおよび4Bの実施形態に示されるように、VCD400は、封止膜405、支持フレーム410、および/またはクロスメンバー支持体415から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ420をさらに含む。具体的に、テザー420は、ある実施形態に従い、封止膜405、支持フレーム410、および/またはクロスメンバー支持体415のうちの少なくとも1つに取り付けられる。いくつかの実施形態において、示されるように、テザー420は、クロスメンバー支持体415に固定点422で取り付けられる。該固定点422は、クロスメンバー支持体415の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD400の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点422は、クロスメンバー支持体415の長手方向軸の中心および/またはVCD400の長手方向軸の中心に対して近位または遠位にあってよい。好ましい実施形態において、固定点422は、VCD400の長手方向軸の中心に対して5mm遠位〜5mm近位の間である。VCD400を血管10内で展開すると、テザー420は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー420は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜405および支持フレーム410を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー420は、VCD400穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD400を血管10内に位置付けると、テザー420の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
上述されるように、支持フレーム410は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、支持フレーム410は、第1の曲率半径を有する崩壊構成から第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、支持フレーム410は、血管10の曲率半径より大きい曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、支持フレーム410は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、支持フレーム410が、支持フレーム410への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、支持フレーム410は、閉じ込め機構からのVCD400の展開または解放(およびVCD400を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。支持フレーム410の構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。図4Aおよび4Bに示されるように、支持フレーム410は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成される。
場合によっては、医師が穿刺部位15を圧迫して、血栓がVCDの封止膜と血管の壁との間に形成されて全ての漏出チャネルを封止するまで出血を制御するとき、医師がたとえ数秒間でも穿刺部位15を圧迫する一方、VCDに接続されたテザーに十分な張力を保持することに失敗した場合/失敗したとき、VCDの血管10への挿入に続いて、VCDの数ミリメートル近位(すなわち、頭部に向かって上流方向および血流方向の反対)の移行が発生し得る。VCD400および関連送達システムは、図1を参照して上述されるように、医師がテザー上の張力を維持するか、またはテザーを患者に固定することだけに依存しないように、挿入直後にVCD400を固定させることによりこの問題を解決する。
図4Aおよび4Bに示される実施形態に従い、VCD400は、テザー420に結合される少なくとも1つの固定素子425をさらに含む。固定素子425は、VCD400の腔内移行を防ぐように穿刺部位15に隣接した組織25中に形成されたアクセスチャネル20に係合するように構成される。いくつかの実施形態において、固定素子425は、アクセスチャネル20への送達のための崩壊構成から、それに係合するための拡張構成に拡張するように構成される。
図4Aおよび4Bに示されるように、VCD400は、送達システム440を介して血管10に挿入されてよい。送達システム440は、シース442、荷重管444、および押し棒446を含んでよい。VCD400は、血管10に送達する前はシース442内に含有されてよく、固定素子425は、シース442内に含有されるとき、崩壊構成であり得る。次いで、VCD400は、図4Aに示されるように、シース442から血管10の中に展開されてよい。VCD400を展開すると、固定素子425は、血管10内で拡張構成に拡張することが許され得る。テザー420は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜405および支持フレーム410を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。その際に、固定素子425は、アクセスチャネル20に引き入れられてよい。固定素子425は、テザー420の著しく滑らかなけん引を許すように構成されてよい。具体的に、固定素子425がアクセスチャネル20に引き入れられると、固定素子425はわずかに崩壊して(例えば、弾性的に変形して)穿刺部位15のサイズおよび/またはアクセスチャネル20のサイズに適応し得る。図4Bは、VCD400の送達後にアクセスチャネル20に係合する拡張構成の固定素子425を示す。封止膜405および支持フレーム410を血管10の壁の内面に対して位置付けるようにテザー420に印加されるけん引力に起因して、テザー420は張力下にある。好ましい実施形態において、張力は、血管内のVCD400の移行を防ぐのに有効である。さらに、力がVCD400に印加される場合(VCD400を血管10内で移行させる傾向があり得る)、次いでテザー420は、固定素子425を穿刺部位15に向かって引き、固定素子425の端をアクセスチャネル20に突き刺す。VCD400の長手方向移動は、テザー420を引き、固定素子425によりアクセスチャネル20の壁に印加される力を増加させ、固定素子425の把持を改善する。結果として、固定素子425は、アクセスチャネル20に強固に係合し、VCD400の任意の著しい移動(すなわち、望ましくない移行)を有利に防ぐ。
図4C〜4Eは、VCD400を送達システム440を介して血管10に送達し、固定素子425をアクセスチャネル20内に固定する代替実施形態を示す。この実施形態に従い、VCD400は、血管10に送達する前はシース442内に含有されてよく、固定素子425は、シース442内に含有されるとき、崩壊構成であり得る。次いで、封止膜405および支持フレーム410は、図4Cに示されるように、シース442から血管10に展開されてよい。封止膜405および支持フレーム410を展開すると、固定素子425は、送達システム440、具体的に押し棒446内に崩壊構成で含有されたままである。次いで、テザー420は、および押し棒446は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜405および支持フレーム410を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。その際に、固定素子425は、押し棒446内に含有される間、図4Dに示されるように、アクセスチャネル20に引き入れられてよい。最後に、押し棒446は、アクセスチャネル20から取り除かれてよく、固定素子425が拡張構成に拡張し、アクセスチャネル20に係合するのを許す。図4Eは、VCD400の送達後にアクセスチャネル20に係合する拡張構成の固定素子425を示す。封止膜405および支持フレーム410を血管10の壁の内面に対して位置付けるようにテザー420に印加されるけん引力に起因して、テザー420は張力下にある。好ましい実施形態において、張力は、血管内のVCD400の移行を防ぐのに有効である。結果として、固定素子425は、アクセスチャネル20に強固に係合し、VCD400の任意の著しい移動を防ぐ。VCD400を送達するこの実施形態に従い、固定素子425は、アクセスチャネル20内のみで拡張し、固定素子425が血管10内に入り込むか、または傷つける危険性を低減する。
図4F〜4Iは、拡張構成の固定素子425のいくつかの例示の実施形態を示す。固定素子425の他の実施形態も想定される。いくつかの実施形態において、図4Fおよび4Gに示されるように、固定素子425はリボンとして形成される。リボンは、固定素子425が、送達のための崩壊構成からアクセスチャネル20に係合するための拡張構成に拡張し得るように可撓性であってよい。いくつかの実施形態において、図4Fに示されるように、リボンは、拡張構成であるときに平坦形状を画定するように予め成形される。他の実施形態において、図4Gに示されるように、リボンは、拡張構成であるときに有角形状を画定するように予め成形される。例えば、リボンは、該リボンの両端の間に角度427を画定し得る。この角度427は、90°〜180°、好ましくは130°〜170°の範囲であってよい。リボンの有角形状の予め成形は、テザー420の引き戻し中の固定素子425のアクセスチャネル20への移動に対する抵抗性を低減し得る一方、埋め込み後のVCD400の移行に起因する固定素子425の穿刺部位15に向かう移動に対する抵抗性を増加させる。
いくつかの実施形態において、図4Fに示されるように、固定素子425は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成される1つ以上の平坦な縁部428を含む。いくつかの実施形態において、図4Gに示されるように、固定素子425は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成される1つ以上の鋭利な縁部429、例えば、棘部、鉤部、先端、またはスパイクを含む。例えば、鋭利な縁部429は、固定素子425のアクセスチャネル20内の固定を改善するように、図5D〜5Jに示される棘部、鉤部、先端、もしくはスパイクのうちのいずれか、またはこれらの特徴の組み合わせを含んでよい。
固定素子425は、拡張構成であるとき、アクセスチャネル20の壁に強固に係合するように寸法決定されてよい。例えば、固定素子425は、約7.5mmの外径を有する18Fr導入器シースにより形成されるアクセスチャネル20の壁に強固に係合するように寸法決定されてよい。多くの場合、シースが取り除かれるとすぐに、アクセスチャネル20は元に戻ろうとし、その直径を著しく減少させる。固定素子425の長さが、概してアクセスチャネル20の実際の直径に少なくとも類似してよく、好ましくは、固定素子425が、屈曲によりアクセスチャネル20の壁に係合し、アクセスチャネル20の壁に力を印加するのを許すために、より長くてもよい。18Fr導入器シースにより形成されたアクセスチャネル20の場合、固定素子425長の長さは、概して約3mm〜約12mm、より好ましくは約5mm〜約9mmであってよい。いくつかの実施形態において、固定素子425の厚さは、約0.02mm〜約1mmであり、いくつかの他の実施形態では約0.05mm〜0.5mmである。いくつかの実施形態において、固定素子425の幅は、約0.05mm〜約5mmであり、いくつかの他の実施形態では約0.2mm〜約3mmである。さらに別の実施形態において、固定素子425の幅は、約0.5mm〜約2mmである。
固定素子425は、本質的に任意の弾性または超弾性材料で形成されてよい。好適な材料の例として、生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、コバルト合金、ニッケル−チタン、または類似の金属および合金)ならびに生体適合性ポリマー材料(例えば、PEEK(ポリエチルエーテルケトン)、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマー)が挙げられる。好ましい実施形態において、固定素子425は、生分解性材料(例えば、PLLA、PDLA、PGA、PLGA、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド)で形成される。
固定素子425は、テザー420を固定素子425に結合して穿刺部位15に対するその移動、少なくとも穿刺部位15から離れ、患者の外皮表面に向かうその移動を防ぐための1つ以上の固定手段を含んでよい。いくつかの実施形態において、固定素子425は、テザー420に固定され、それらの間の任意の相対移動を防ぐ。テザー420を固定素子425に結合するための固定手段は、固定素子425中に画定され、テザー420が係合され得る、少なくとも1つの穴、スロット、溝、または類似の特徴を含んでよい。テザー420は、固定素子425に縫合、糊付け、溶接、編組、または機械的に締結されてよい。
いくつかの実施形態において、図4Hおよび4Iに示されるように、固定素子425は、固定素子425の中心から外側に伸長する複数の棘部430を含む。図4Hの実施形態に従い、固定素子425は、隣接した棘部430の間に角度431を画定する3つの棘部430を含む。図4Iの実施形態に従い、固定素子425は、隣接した棘部430の間に角度432を画定する4つの棘部430を含む。棘部の先端は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成された1つ以上の平坦な縁部428または鋭利な縁部429を含んでよい。図4Hおよび4Iの固定素子425の実施形態の材料、寸法、角度、および縁部は、図4Fおよび4Gの実施形態に関して上述されるものに類似してよい。
図4Jおよび4Kは、図Aおよび4Bに示され、それを参照して説明されるVCD400と類似しているVCD450の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この実施形態に従い、VCD450は、封止膜455および拡張可能な支持フレーム460を含み、封止膜455の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜455に形状および支持を提供する。つまり、封止膜455は、支持フレーム460により少なくとも部分的に支持される。図Aおよび4Bならびに図4Jおよび4Kに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図4Jおよび4KのVCD450の実施形態が、VCD450の腔内移行を防ぐようにアクセスチャネル20の壁に係合するために、直立位置から有角位置に回転するように構成された少なくとも1つの固定素子475を含むことである。
支持フレーム460、およびしたがって概してVCD450は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム460を拡張すると、VCD450は、封止膜455を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、封止膜455および支持フレーム460、およびしたがって概してVCD450は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成される。具体的に、支持フレーム460は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成された形状で形成されてよい。したがってVCD450の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。例えば、示されるように、VCD450は、巻くかまたは広げることができるシートに似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、VCD450は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD450の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
図4Jおよび4Kに示される実施形態に従い、VCD450は、封止膜455の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体465も含む。クロスメンバー支持体465は、その相対剛性および/または周縁支持フレーム460により提供される張力に起因して、構造的および形状支持を封止膜455に提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体465は、封止膜455より剛性である。支持フレーム460を拡張すると、クロスメンバー支持体465は、封止膜455を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体465は、下垂を回避するように封止膜455を支持し、封止膜455は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体465は、支持フレーム460の両側の間に伸長し、封止膜455を該封止膜455の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体465は、血管10への展開中にVCD450の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体465は、展開のためにVCD450を長手方向軸に沿って巻いて、VCD450を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD450は、クロスメンバー支持体465により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
ある実施形態において、クロスメンバー支持体465は、支持フレーム460とは別個に形成され、それに取り付けられる。クロスメンバー支持体465は、支持フレーム460の両側に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体465は、封止膜455の上に伸長し、封止膜455と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体465は、封止膜455の下に伸長し、封止膜455と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。クロスメンバー支持体455は、可撓性ワイヤの形態であってよい。いくつかの実施形態において、該可撓性ワイヤは、外科的縫合材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、生分解性材料で形成されてもよい。可撓性ワイヤの構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。
図4Jおよび4Kの実施形態に示されるように、VCD450は、封止膜455、支持フレーム460、および/またはクロスメンバー支持体465から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ470をさらに含む。具体的に、テザー470は、ある実施形態に従い、封止膜455、支持フレーム460、および/またはクロスメンバー支持体465のうちの少なくとも1つに取り付けられる。いくつかの実施形態において、示されるように、テザー470は、クロスメンバー支持体465に固定点472で取り付けられる。該固定点472は、クロスメンバー支持体465の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD450の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点472は、クロスメンバー支持体465の長手方向軸の中心および/またはVCD450の長手方向軸の中心に対して近位または遠位にあってよい。好ましい実施形態において、固定点472は、VCD450の長手方向軸の中心に対して5mm遠位〜5mm近位の間である。VCD450を血管10内で展開すると、テザー470は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー470は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜455および支持フレーム460を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー470は、VCD450穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD450を血管10内に位置付けると、テザー470の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
上述されるように、支持フレーム460は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、支持フレーム460は、第1の曲率半径を有する崩壊構成から第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、支持フレーム460は、血管10の曲率半径より大きい曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、支持フレーム460は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、支持フレーム460が、支持フレーム460への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、支持フレーム460は、閉じ込め機構からのVCD450の展開または解放(およびVCD450を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。支持フレーム460の構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。図4Jおよび4Kに示されるように、支持フレーム460は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成される。
図4Jおよび4Kに示される実施形態に従い、VCD450は、テザー470に結合される少なくとも1つの固定素子475をさらに含む。固定素子475は、VCD450の腔内移行を防ぐように穿刺部位15に隣接した組織25中に形成されたアクセスチャネル20の壁に係合するように構成される。示されるように、固定素子475は、アクセスチャネル20の壁に係合するために、伸長して直立位置から有角位置に回転するように構成される。いくつかの実施形態において、固定素子475は、最小侵襲性手技を行うために使用される導入器シースまたは送達システムを取り除いた後、アクセスチャネル20の直径より長い全長を有する比較的剛性な棒またはピンとして形成される。例示される実施形態において、固定素子475の近位端477はテザー470に結合され、固定素子475の遠位端479は、送達システム490の送達テザーまたは係留タブ494に結合される。
図4Jおよび4Kに示されるように、VCD450は、送達システム490を介して血管10に挿入されてよい。送達システム490は、送達シース492、および送達テザー494を含んでよい。固定素子475の遠位端479は、送達テザー494に結合されてよい。VCD450は、血管10に送達する前はシース492内に含有されてよく、固定素子475は、シース492内に含有されるとき、直立位置にあり得る。直立位置にあるとき、固定素子475の近位端477は、穿刺部位15から離れて指向し、固定素子475の遠位端479は、穿刺部位15に向かって指向し、固定素子475の長手方向軸が、アクセスチャネル20の軸にほぼ平行である。封止膜455および支持フレーム460は、図4Jに示されるように、シース492から血管10に展開されてよい。封止膜455および支持フレーム460を展開すると、固定素子475は、送達システム490、具体的にシース492内に直立位置で含有されたままである。次いで、封止膜455および支持フレーム460は、拡張して血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周囲に位置付けられ得る一方、送達テザー494は、穿刺部位15から離れる方向に引かれて、送達テザー494上に張力をもたらす。次に、シース492は、アクセスチャネル20から取り除かれ得る一方、送達テザー494上に張力が維持される。
医師または他の使用者が送達テザー494を穿刺部位15から引き離し続けると、固定素子475の遠位端479は、穿刺部位15から引き離される一方、固定素子475の近位端477の長手方は、テザー470に起因して、穿刺部位15からのその距離を保持する。結果として、固定素子475は、図4Kに示されるように、有角位置に回転し、アクセスチャネル20の壁に係合する。固定素子475の全長は、アクセスチャネル20の直径より著しく長いため、固定素子475の近位端477および遠位端479は、アクセスチャネル20の壁に係合する。テザー470に印加されるけん引力およびアクセスチャネル20の壁に係合する固定素子475の有角位置に起因して、テザー470は張力下にある。好ましい実施形態において、張力は、血管内のVCD450の移行を防ぐのに有効である。さらに、力がVCD450に印加される場合(VCD450を血管10内で移行させる傾向があり得る)、次いでテザー470は、固定素子475をさらに回転させようとし、固定素子475の近位端477および遠位端479をアクセスチャネル20の壁にさらに突き刺す。VCD450の長手方向移動は、テザー470を引き、固定素子475によりアクセスチャネル20の壁に印加される力を増加させ、固定素子475の把持を改善する。結果として、固定素子475は、アクセスチャネル20に強固に係合し、VCD450の任意の著しい移動(すなわち、望ましくない移行)を有利に防ぐ。
いくつかの実施形態において、図4Jおよび4Kに破線で示されるように、テザー470は、固定素子475の近位端477および遠位端479に結合され、送達テザー494は、固定素子475の近位端477および遠位端479に結合される。このようにして、テザー470および送達テザー494の複数の結合点は、固定素子475の回転範囲を限定し得る。例えば、テザー470および送達テザー494は、固定素子475が直立位置から有角位置に90°を超えて回転するのを防ぎ、固定素子475がアクセスチャネル20の壁と強固に係合したままであることを保証する。
図4Lおよび4Mは、比較的剛性の棒またはピンとして形成された固定素子475の例示の実施形態を示す。固定素子475の他の実施形態も想定される。固定素子475は細長い円筒形状を有してよい。あるいは、固定素子475は細長い長方形形状を有してよい。いくつかの実施形態において、図4Lに示されるように、固定素子475の近位端477および遠位端479は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成された円錐形状を有する。他の実施形態において、図4Mに示されるように、固定素子475の近位端477および遠位端479は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成された平面傾斜面を含む。この平面傾斜面は、例えば、固定素子475の長手方向軸に対して75°〜15°の角度で固定素子475の円筒体を切断することによって形成されてよい。さらに他の実施形態において、近位端477および遠位端479は、アクセスチャネル20の壁に係合するように構成された複数の有角表面および/または縁部を含む。例えば、近位端477および遠位端479は、アクセスチャネル20内の固定素子475の固定を改善するように、図5D〜5Jに示される棘部、鉤部、先端、もしくはスパイクのうちのいずれか、またはこれらの特徴の組み合わせを含んでよい。
上述されるように、固定素子475は、好ましくは導入器シースまたは送達システムを取り除いた後、アクセスチャネル20の直径より大きい全長を有する。18Fr導入器シースの場合、固定素子475の全長は、約5mm〜約12、またはいくつかの他の実施形態では約6mm〜約10mmであってよい。固定素子475の直径は、約0.1mm〜約3mm、またはいくつかの他の実施形態では、約0.5mm〜約2mmであってよい。固定素子475は、テザー470および送達テザー494を固定素子475に結合するための固定手段を含んでよい。固定手段は、固定素子475の様々な実施形態に従い、1つ以上の穴、鉤、スロット、溝などを含んでよい。テザー470および送達テザー494は、縫合、糊付け、編組、機械的締結または本質的に当該技術分野において既知の任意の他の結合技法を含む多数の方法で固定手段に結合されてよい。いくつかの実施形態において、送達テザー494は、固定素子475に着脱可能に結合される。このようにして、送達テザー494は、固定素子475から分離され、固定素子475がアクセスチャネル20の壁に強固に係合した後に取り除かれてよい。そのような実施形態において、送達テザー494は、摩擦、剥離、または引裂接続により着脱可能であってよく、これも送達テザー494により固定素子475に印加され得る引張力を限定する。
固定素子475は、本質的に任意の比較的剛性の材料で形成されてよい。好適な材料の例として、生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、コバルト合金、ニッケル−チタン、または類似の金属および合金)ならびに生体適合性ポリマー材料(例えば、PEEK(ポリエチルエーテルケトン)、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマー)が挙げられる。一実施形態において、固定素子475は、生分解性材料(例えば、PLLA、PDLA、PGA、PLGA、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド)で形成される。
図4Nは、穿刺部位15での止血が得られるまで、VCDの腔内移行を防ぐためにアクセスチャネル20の壁に一時的に係合するように構成された固定素子を含むVCDの代替実施形態を示す。VCD400およびVCD450の実施形態ならびに上記の関連送達方法に従い、固定素子は、穿刺部位15での止血が得られた後に埋め込まれ、アクセスチャネル20内に留まってよい。対照的に、図4NのVCDの代替実施形態に従い、固定素子425は、穿刺部位15での止血が得られた後にVCDから分離され、アクセスチャネル20から取り除かれる。代替実施形態の構造および機能が上記のVCD400またはVCD450に適用され得るが、図4Nは、VCD400に適用されるように代替実施形態を示す。
この実施形態に従い、固定素子425は、VCD400のテザー420に着脱可能に結合される。図4Nに示されるように、テザー420は、固定素子425をテザー420に着脱可能に結合するように固定素子425の上にねじこまれたループ426を含む。他の着脱可能な固定手段が企図される。固定素子425も送達システム440の送達テザー448に結合される。送達テザー448は、VCD400の送達中の操作のために、アクセスチャネル20を通じて患者の体外に伸長するように構成されてよい。送達テザー448は、様々な実施形態に従い、可撓性(例えば、縫合ワイヤ)、半剛性(例えば、金属ワイヤまたはリボン)、または剛性であってよい。
VCD400の送達は、図4Aおよび4Bを参照して図示および説明されるように行われてよい。VCD400の血管10への送達後、固定素子425は拡張構成であり、アクセスチャネル20の壁に係合し、送達テザー448の近位端は、図4Nに示されるように患者の体外に伸長する。穿刺部位15での止血が得られ、固定素子425の追加固定が必要でなくなった後、固定素子425はテザー420から分離され、アクセスチャネル20から除去される。具体的に、送達テザー448の近位端は、固定素子425がテザー420のループ426から取り除かれるように引かれる。つまり、送達テザー448を引くと、ループ426は固定素子425から摺り外れる。いくつかの実施形態に従い、固定素子425をテザー420から分離する前に、テザー420は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定される。いくつかの実施形態において、固定素子425は、VCD400の送達後数分以内に取り除かれる一方、いくつかの他の実施形態において、固定素子425は、送達の数時間以内に取り除かれる。さらに他の実施形態において、固定素子425は、送達後約1〜4日以内に取り除かれる。
図5Aは、図1に示され、それを参照して説明されるVCD100と類似しているVCD500の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この実施形態に従い、VCD500は、封止膜505および拡張可能な支持フレーム510を含み、封止膜505の周縁の少なくとも一部分に沿って封止膜505に形状および支持を提供する。つまり、封止膜505は、支持フレーム510により少なくとも部分的に支持される。図1および図5Aに示されるVCD実施形態間の特定の差は、図5AのVCD500の実施形態が、支持フレーム510から伸長する少なくとも1つの固定素子525を含むことである。固定素子525は、VCD500の腔内移行を防ぐように穿刺部位15に隣接した血管10の壁を貫通するように構成される。
支持フレーム510、およびしたがって概してVCD500は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。支持フレーム510を拡張すると、VCD500は、図5Aに示されるように、封止膜505を穿刺部位15に対して腔内に位置付けて穿刺部位15を少なくとも部分的に封止するように構成される。いくつかの実施形態において、封止膜505および支持フレーム510、およびしたがって概してVCD500は、埋め込まれたときに血管10の内腔と概して整列し、その長さに沿って伸長する長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成された任意の形状で形成される。したがってVCD500の拡張は、血管10の内腔内で半径方向、すなわち、長手方向軸に垂直であってよい。具体的に、支持フレーム510は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成された形状で形成されてよい。例えば、示されるように、VCD500は、巻くかまたは広げることができるシートに似た構成の簡素な形態を有し得る。しかしながら、VCD500は、血管内で崩壊され、次いで拡張されてそこでのVCD500の固定を促進することができる任意の他の形状を有し得る。
VCD500は、封止膜505の少なくとも一部分にわたって伸長するクロスメンバー支持体515を含んでもよい。クロスメンバー支持体515は、その相対剛性および/または周縁支持フレーム510により提供される張力に起因して、構造的および形状支持を封止膜505に提供する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体515は、封止膜505より剛性である。支持フレーム510を拡張すると、クロスメンバー支持体515は、封止膜505を穿刺部位15に対して維持するように構成される。つまり、クロスメンバー支持体515は、下垂を回避するように封止膜505を支持してよく、封止膜505は、穿刺部位15を架橋し、したがってその間に創製される膜を改善する。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体515は、支持フレーム510の両側の間に伸長し、封止膜505を該封止膜505の中心またはその付近で支持して穿刺部位15での下垂を回避する。クロスメンバー支持体515は、血管10への展開中にVCD500の長手方向の剛性を増加させるようにも構成される。このようにして、クロスメンバー支持体515は、展開のためにVCD500を長手方向軸に沿って巻いて、VCD500を崩壊構成で維持するために必要な長手方向の剛性を提供し得る。そのような実施形態において、VCD500は、クロスメンバー支持体515により画定される長手方向軸に沿って巻いて広がるように構成されてよい。
ある実施形態において、クロスメンバー支持体515は、支持フレーム510とは別個に形成され、それに取り付けられる。クロスメンバー支持体515は、支持フレーム510の両側に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、クロスメンバー支持体515は、封止膜505の上に伸長し、封止膜505と血管10の壁との間に位置付けられるように構成される。他の実施形態において、クロスメンバー支持体515は、封止膜505の下に伸長し、封止膜505と血管10を通る血流との間に位置付けられるように構成される。クロスメンバー支持体515は、可撓性ワイヤの形態であってよい。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、外科的縫合材料で形成される。いくつかの実施形態において、可撓性ワイヤは、生分解性材料で形成される。可撓性ワイヤの構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。
図5Aの実施形態に示されるように、VCD500は、封止膜505、支持フレーム510、および/またはクロスメンバー支持体515から伸長するテザー、位置付けタブ、または係留タブ520をさらに含む。具体的に、テザー520は、ある実施形態に従い、封止膜505、支持フレーム510、および/またはクロスメンバー支持体515のうちの少なくとも1つに取り付けられる。いくつかの実施形態において、示されるように、テザー520は、クロスメンバー支持体515に固定点522で取り付けられる。固定点522は、クロスメンバー支持体515の長手方向軸のほぼ中心、および/またはVCD500の長手方向軸のほぼ中心にあってよい。あるいは、固定点522は、クロスメンバー支持体515の長手方向軸の中心および/またはVCD500の長手方向軸の中心に対して近位または遠位にあってよい。好ましい実施形態において、固定点522は、VCD500の長手方向軸の中心に対して5mm遠位〜5mm近位の間である。VCD500を血管10内で展開すると、テザー520は、穿刺部位15の外にそこから離れて伸長する。このようにして、テザー520は、穿刺部位15を通じてそこから離れる方向に引かれて、封止膜505および支持フレーム510を血管10の壁の内面に対して穿刺部位15の周りに位置付けてよい。さらに、テザー520は、VCD500穿刺部位15にわたる腔内位置付けまたはセンタリングを促進し得る。いくつかの実施形態に従い、VCD500を血管10内に位置付けると、テザー520の自由端部分は、図1を参照して上述されるテザー120と同様の方法で患者に固定されてよい。
上述されるように、支持フレーム510は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。具体的に、支持フレーム510は、第1の曲率半径を有する崩壊構成から第1の曲率半径より大きい第2の曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、支持フレーム510は、血管10の曲率半径より大きい曲率半径を有する拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、支持フレーム510は、予め成形された拡張構成を有する自己拡張可能であるか、または予め成形された材料で形成されるため、支持フレーム510が、支持フレーム510への外力の印加がなければ、予め成形された拡張構成をとる傾向がある。このようにして、支持フレーム510は、閉じ込め機構からのVCD500の展開または解放(およびVCD500を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)時に血管10内で崩壊構成から予め成形された拡張構成に自己拡張するように構成されてよい。支持フレーム510の構築に好適な材料の例として、VCD200に関して上述されるものが挙げられる。図5Aに示されるように、支持フレーム510は、巻いて崩壊構成になり、広がって拡張構成になるように構成される。
図5Aに示される実施形態に従い、VCD500は、支持フレーム510から伸長する少なくとも1つの固定素子525をさらに含む。固定素子525は、VCD500の腔内移行を防ぐように穿刺部位15に隣接した血管10の壁を貫通するように構成される。固定素子525は、穿刺部位15に隣接した血管10を取り囲む組織25を貫通するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、固定素子525は、支持フレーム510と一体形成される。他の実施形態において、固定素子525は、支持フレーム510とは別個に形成され、それに取り付けられる。例えば、固定素子525は、糊付け、溶接、圧縮、陽極接合、圧入、リベット打ち、または他の機械的締結具もしくはインターロック特徴により支持フレーム510に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、図5Aに示されるように、固定素子525は、支持フレーム510の近位端に位置する。他の実施形態において、固定素子525は、支持フレーム510の遠位端に位置する。固定素子525は、概して支持フレーム510に沿った任意の位置に位置してよい。いくつかの実施形態において、VCD500は、支持フレーム510から伸長する複数の固定素子525を含み、支持フレーム510の近位端に位置する少なくとも1つの固定素子525、および支持フレーム510の遠位端に位置する少なくとも1つの固定素子525を含む。他の実施形態において、VCD500は、VCD500の任意の他の部分から伸長する1つ以上の固定素子525を含み、限定されないが、封止膜505、クロスメンバー支持体515、またはテザー520を含む。
上述されるように、支持フレーム510は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。いくつかの実施形態において、固定素子525は、支持フレーム510の半径方向拡張の結果として少なくとも部分的に血管10の壁を貫通するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、固定素子525は、VCD500が血管10の中に送達された後、テザー520を穿刺部位15を通じて引く結果として少なくとも部分的に血管10の壁を貫通するように構成される。さらに、いくつかの実施形態において、固定素子525は、VCD500が血管10の中に送達された後、VCD500に印加される血圧の結果として、少なくとも部分的に血管10の壁を貫通するように構成される。
固定素子525は、支持フレーム510に対して既定の角度で支持フレーム510から伸長してよい。いくつかの実施形態において、固定素子525は、支持フレーム510に対して既定の角度で維持され、移動に耐えるように熱処理される。図5Aに示される実施形態に従い、固定素子525は、支持フレーム510の長手方向軸にほぼ垂直に伸長する。このようにして、固定素子525は、血管10の壁にほぼ垂直な角度で血管10の壁を貫通するように構成される。図5Bは、支持フレーム510の長手方向軸に対して非垂直角度で近位に伸長する固定素子525の代替実施形態を示す。つまり、固定素子525は、支持フレーム510の長手方向軸に垂直な軸に対して角度αで近位に伸長する。このようにして、固定素子525は、血管10の近位部分に向かって伸長する角度で血管10の壁を貫通するように構成され、固定素子525は、VCD500の近位移行により良好な抵抗性を提供する。いくつかの実施形態において、角度αは約5°〜75°である。図5Cは、支持フレーム510の長手方向軸に対して非垂直角度で遠位に伸長する固定素子525の別の代替実施形態を示す。つまり、固定素子525は、支持フレーム510の長手方向軸に垂直な軸に対して角度αで遠位に伸長する。このようにして、固定素子525は、血管10の遠位部分に向かって伸長する角度で血管10の壁を貫通するように構成され、固定素子525は、VCD500の遠位移行により良好な抵抗性を提供する。さらに、固定素子525の遠位に伸長する角度は、テザー520を引くことにより印加される力に起因して、固定素子525の血管10の壁への貫通を容易にし得る。いくつかの実施形態において、角度αは約5°〜75°である。
図5D〜Jは、矢印、棘部、鉤部、先端、またはスパイクを含む様々な形状を有する比較的剛性の棒またはピンとして形成された固定素子525の例示の実施形態を示す。固定素子525の他の形状が企図される。いくつかの実施形態において、固定素子525は、血管10の壁および恐らく血管10を取り囲む組織25の貫通を容易にするように構成された鋭利な縁部または突出部を含む。さらに、いくつかの実施形態において、固定素子525は、血管10の壁および恐らく血管10を取り囲む組織25からの取り除きに抵抗するように構成された鋭利な縁部または突出部を含む。複数の固定素子525を含むVCD500の実施形態において、固定素子525は、同じ形状または異なる形状を有してよい。
いくつかの実施形態において、固定素子525の全長は、約0.2mm〜約9mm、例えば、約1mm〜約5mm、または約2mm〜約4mmである。矢印または棘部を有する固定素子525の実施形態において、矢印または棘部のステップ530の幅は、約0.1mm〜約2.5mm、例えば、約0.2mm〜1mmの範囲であってよい。矢印または棘部の保持バー535の幅は、約0.1mm〜約3mm、例えば、約0.5mm〜約1.5mmの範囲であってよい。固定素子525は、材料の比較的薄いシートで形成されてよく、「2次元の」矢印または棘部をもたらすか、または固定素子525は、3次元の矢印または棘部を形成するように、フライス加工、鋳造、3Dエッチング、レーザー切断などを使用して形成されてよい。
固定素子525は、本質的に任意の生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、コバルト合金、ニッケル−チタン、金、白金または類似の金属および合金)または生体適合性ポリマー材料(例えば、PEEK、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマー)から製造されてよい。好ましい実施形態において、固定素子525は、生分解性材料(例えば、PLLA、PDLA、PGA、PLGA、PDS、PCL、PGA−TMC、ポリグルコン酸塩、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド)で形成される。
固定素子525は、支持フレーム510に対してほぼその最終角度で送達されてよい。いくつかの実施形態において、固定素子525は、送達中に、その最終角度または既定角度とは異なる角度で保持され、閉じ込め機構を取り除くと、固定素子525は、その最終角度または既定角度に弾性的に戻される。いくつかの実施形態において、固定素子525は、送達中に、それが血管10の壁を傷つけるのを防ぐように被覆される。例えば、図7Aを参照して以下に記載されるインプラントホルダーなどの送達システムの構成要素は、VCD500の送達中に少なくとも部分的に固定素子525を被覆し得る。いくつかの実施形態において、同じ被覆手段も固定素子525を屈曲した状態で保持し、固定素子525の先端を血管壁から離して保持する。
上述されるように、本明細書に説明されるVCDの様々な実施形態は、血管10内で崩壊構成から拡張構成に拡張するように構成される。拡張すると、VCDは、血管10の壁に力を印加し得、VCDが血管10に結合されるようにする。図6Aおよび6Bは、拡張構成のVCDのサイズと血管10に印加される結果の力との関係を示す。拡張したVCDを血管10の壁に結合するために、拡張したVCD、具体的に上記のある実施形態では拡張した支持フレームの無制限の直径は、好ましくは血管10の直径に少なくとも類似し、好ましくはより大きい。標的血管10の直径は変動し得るため、血管直径の範囲に対して単一のVCDが有用であることは有利である。例えば、大部分のヒト総大腿動脈の直径は、6mm〜10mmである。当然のことながら、所与のVCDは、より大きな直径の血管よりも小さな直径の血管に対してより大きな力を印加する。この現象は、図6Aに示され、所与のVCDに対する歪み(VCDにより血管壁に印加される力から生じる)と、最大直径(10mm)と最小直径(6mm)との間の範囲の血管直径との関係を提示する。この特定の実施例に示されるように、最小直径の血管上の歪みは、最大直径の血管と比較して8倍高い。
一方ではVCDの血管の壁への適切な結合を保証するために必要とされる最小の力(および結果の歪み)があり、もう一方ではより高い力が血管を傷つけ得るため、安全であると見なされる最大の力(および結果の歪み)がある。したがって、最大直径で印加される力に対する最小直径で血管に印加される力の比を最小にすることが望ましい。より小さな血管に印加される力とより大きな血管に印加される力との間の差を減少するために、ここでは動作直径範囲より著しく大きな無制限(自由)直径を有するようにVCDを製造することが提案される。この新規手法の効果の一例は、図6Bに提示され、歪み率(6mm血管および10mm血管に印加される力から生じる歪みの比率)とVCD自由直径との関係を示す。示されるように、歪み率は、より大きな自由直径を有するVCDに対してより小さい。例えば、VCDが12mmの自由直径を有するように製造される場合、歪み率は5超であるが、VCD自由直径が20mmである場合、次いで歪み率は約2.3に低下する。したがって、上記のVCDのいくつかの実施形態において、VCDの自由直径は、最大動作直径より少なくとも10%大きい、好ましくは少なくとも20%大きい、および好ましくは少なくとも40%大きい。しかしながら、いくつかの実施形態において、送達のために崩壊されているVCD内の歪みは、使用される材料の弾性範囲を超え得るため、ある点を超えてVCD自由直径を増加させることは実践的でない場合があることに留意されたい。
血管閉鎖システムおよび使用の方法
図7Aは、図1に示され、それを参照して説明される実施形態と類似している送達のための崩壊構成のVCD100の一実施形態を示す。ここでVCD100は、VCD100の長手方向軸に沿って崩壊構成に巻かれる。VCD100とともに、閉じ込め機構700の一実施形態も示され、VCD100を血管10に展開するための送達システムの一部であってよい。この閉じ込め機構700は、送達のためにVCD100を崩壊構成で解放可能に保持し、VCD100を血管10内で穿刺部位15の周りに位置付けるように構成される。閉じ込め機構700(およびVCD100を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)を、血管10の内腔内で好適に位置付けた後に解放すると、VCD100は、その拡張構成に拡張することが許される。
図7Aに示される実施形態に従い、閉じ込め機構700は、送達デバイスの遠位端から伸長するように構成されたインプラントホルダー705、および少なくとも1つのループ素子710を含む。ループ素子710は、VCD100を取り囲み、送達および位置付けのためにVCD100を崩壊構成で保持する。インプラントホルダー705は、ループ素子710に結合され、VCD100の長手方向軸に沿って伸長する。図7Aに示されるように、ループ素子710は、インプラントホルダー705に固定された固定端712およびループ端714を含み、ループまたはそれにより形成される他の保持手段を有するインプラントホルダー705中に画定される穴716を任意に通過する。ループ素子710は、示されるように、可撓性ワイヤで形成されてよい。閉じ込め機構は、VCD100の送達中の選択的作動のために構成された保持ピン718も含んでよく、これはループ端714を保持ピン718から解放するように作用し、したがって、ループ素子710をVCD100の周りから遊離させる。示されるように、固定構成にあるとき、ループ素子710は、VCD100の周りに位置付けられ、それを崩壊(例えば、巻かれた)構成で維持する。ループ素子710の固定端712は、任意の好適な手段によりインプラントホルダー705に固定される一方、ループ素子710のループ端714は、保持ピン718の上に解放可能にねじ込まれる。保持ピン718は、限定されないが、1つ以上の通路を通じて伸長する(図7Aに示される通り)、そこに縛り付けられる、チャネルを通過するなど任意の好適な手段によりインプラントホルダー705に移動可能に固定されてよく、選択された送達デバイスのチャネルを通じて近位に伸長する。いくつかの実施形態において、示されるように、閉じ込め機構700は、VCD100を取り囲む複数のループ素子710を含む。ループ素子710は、単一の可撓性ワイヤまたは複数の可撓性ワイヤで形成されてよい。
作動中に閉じ込め機構700は、VCD100を、ループ素子710のループ端714を通じて保持ピン718を引くことにより崩壊構成から解放する。任意の好適な作動機構は、選ばれた送達デバイスとともに含まれ、保持ピン718のけん引を可能にし得る。保持ピン718を引くことにより、ループ端714は解放され、VCD100は遊離されて拡張構成に拡張することが許される。ループ素子710は、その固定端712でインプラントホルダー705に固定されたままであるため、ループ素子710は、利用されるインプラントホルダー705および/または送達デバイスを取り除くことにより血管10から取り除くことができる。
上述されるように、閉じ込め機構700は、VCD100を血管10内で穿刺部位15の周りに送達して位置付けるために構成される。このようにして、閉じ込め機構700を使用してVCD100の近位端121を穿刺部位15を通じて血管10の中に先導してよい。示されるように、インプラントホルダー705は、VCD100の近位端121を、穿刺部位15を通じて血管10の近位部分に向かって先導するように構成された近位素子720を含む。図7Aの実施形態に従い、近位素子720は、VCD100の近位端121の上にそれを超えて伸長し、近位素子720の末端とVCD100の近位端121との間にオフセットを創製する。いくつかの実施形態において、オフセットは約30mmである。他の実施形態において、オフセットは約20mm〜約30mmである。さらに他の実施形態において、オフセットは約10mm以下、例えば1mm〜8mmである。
一実施形態に従い、インプラントホルダー705は、約0.05mm〜約5mm、または他の実施形態では例えば、約0.1mm〜約0.5mmの厚さを有する可撓性フィルムから形成される。インプラントホルダー705の幅は、一実施形態では約1mm〜約5mm、または他の実施形態では例えば、約2mm〜約4mmである。インプラントホルダー705は、任意の可撓性、弾性、または超弾性材料から作製されてよく、限定されないが、生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、コバルト合金、ニッケル−チタン、または類似の金属および合金)、生体適合性ポリマー材料(例えば、PEEK、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマー)、または任意のそれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、より剛性の部材および/または本明細書に説明される任意の他の生体適合性材料などの異なる好適な材料から形成されてものなど、他の好適なインプラントホルダー705の構成および寸法が提供され得る。
インプラントホルダー725の代替実施形態は図7Bに示される。この実施形態において、インプラントホルダー725の近位素子727は、凹部分729を含む。このようにして、凹部分729は、VCD100の周りに伸長するように構成されてよい。インプラントホルダー725の残りの部分は、凹形状を含んでも含まなくてもよい。一実施形態において、示されるように、インプラントホルダー725は、該インプラントホルダー725の全長に沿って伸長する凹形状を有する。インプラントホルダー725の凹部分729または全長の陥凹は、有利にその剛性を増加させ、VCD100の送達中に血管壁に対して引かれる間、それを屈曲しにくくする。いくつかの実施形態において、インプラントホルダー725の凹部分729または全長の曲率半径は、約1mm〜約10mm、例えば、約2mm〜約5mmである。いくつかの実施形態において、曲率半径は、崩壊構成のVCD100の曲率半径とほぼ同じである。
図7Cは、図7Aに示され、それを参照して説明される閉じ込め機構700と類似している閉じ込め機構750の一実施形態を示すが、構造および機能におけるある差は本明細書において以下に説明される。この閉じ込め機構750は、送達のためにVCD100を崩壊構成で解放可能に保持し、VCD100を血管10内で穿刺部位15の周りに位置付けるように構成される。閉じ込め機構750(およびVCD100を崩壊構成で保持する圧縮荷重の結果的解放)を、血管10の内腔内で好適に位置付けた後に解放すると、VCD100は、その拡張構成に拡張することが許される。図7Aおよび図7Cに示される閉じ込め機構実施形態間の特定の差は、図7Cに示される閉じ込め機構750の実施形態が、VCD100の遠位端123を血管10の遠位部分に向かって先導するように構成された遠位素子772を含むインプラントホルダー755を含むことである。
図7Cに示される実施形態に従い、閉じ込め機構750は、送達デバイスおよびループ素子760の遠位端から伸長するように構成されたインプラントホルダー755を含む。ループ素子760は、VCD100を取り囲み、送達および位置付けのためにVCD100を崩壊構成で保持する。インプラントホルダー755は、ループ素子760に結合され、VCD100の長手方向軸に沿って伸長する。図7Cに示されるように、ループ素子760は、インプラントホルダー755に固定された固定端762およびループ端764を含み、ループまたはそれにより形成される他の保持手段を有するインプラントホルダー755中に画定される穴766を任意に通過する。ループ素子760は、示されるように、可撓性ワイヤで形成されてよい。閉じ込め機構は、VCD100の送達中の選択的作動のために構成された保持ピン768も含んでよく、これはループ端764を保持ピン768から解放するように作用し、したがって、ループ素子760をVCD100の周りから遊離させる。示されるように、固定構成にあるとき、ループ素子760は、VCD100の周りに位置付けられ、それを崩壊(例えば、巻かれた)構成で維持する。ループ素子760の固定端762は、任意の好適な手段によりインプラントホルダー755に固定される一方、ループ素子760のループ端764は、保持ピン768の上に解放可能にねじ込まれる。保持ピン768は、限定されないが、1つ以上の通路を通じて伸長する(図7Cに示される通り)、そこに縛り付けられる、チャネルを通過するなど任意の好適な手段によりインプラントホルダー755に移動可能に固定されてよく、選択された送達デバイスのチャネルを通じて近位に伸長する。
作動中に閉じ込め機構750は、VCD100を、ループ素子760のループ端764を通じて保持ピン768を引くことにより崩壊構成から解放する。任意の好適な作動機構は、選ばれた送達デバイスとともに含まれ、保持ピン768のけん引を可能にし得る。保持ピン768を引くことにより、ループ端764は解放され、VCD100は遊離されて拡張構成に拡張することが許される。ループ素子760は、その固定端762でインプラントホルダー755に固定されたままであるため、ループ素子760は、利用されるインプラントホルダー755および/または送達デバイスを取り除くことにより血管10から取り除くことができる。
一実施形態に従い、インプラントホルダー755は、約0.05mm〜約5mm、または他の実施形態では例えば、約0.1mm〜約0.5mmの厚さを有する可撓性フィルムから形成される。インプラントホルダー755の幅は、一実施形態では約1mm〜約5mm、または他の実施形態では例えば、約2mm〜約4mmである。インプラントホルダー755は、任意の可撓性、弾性、または超弾性材料から作製されてよく、限定されないが、生体適合性金属材料(例えば、ステンレス鋼、コバルト合金、ニッケル−チタン、または類似の金属および合金)、生体適合性ポリマー材料(例えば、PEEK、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または類似のポリマーおよびコポリマー)、または任意のそれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、より剛性の部材および/または本明細書に説明される任意の他の生体適合性材料などの異なる好適な材料から形成されてものなど、他の好適なインプラントホルダー755の構成および寸法が提供され得る。
図7Cにされるように、インプラントホルダー755は、VCD100の近位端121を、穿刺部位15を通じて血管10の近位部分に向かって先導するように構成された近位素子770を含む。いくつかの実施形態において、近位素子770は、VCD100の近位端121の上にそれを超えて伸長し、近位素子770の末端とVCD100の近位端121との間にオフセットを創製する。いくつかの実施形態において、オフセットは約30mmである。他の実施形態において、オフセットは約20mm〜約30mmである。さらに他の実施形態において、オフセットは約10mm以下、例えば1mm〜8mmである。図7Cの実施形態に従い、インプラントホルダー755は、VCD100の遠位端123を血管10の遠位部分に向かって先導するように構成された遠位素子772も含む。このようにして、遠位素子772は、送達システムの引き戻し中に穿刺部位15を検出し、穿刺部位15をVCD100の遠位端123と交差させることを支援し得、これはVCD100を血管10内で適切に送達することにおいて重要なステップである。さらに、遠位素子772は、崩壊したVCD100および閉じ込め機構750の組み合わせの長手方向剛性を増加するように構成されてよく、それによりその組み合わせを血管10の壁に対して穿刺部位15の周りに引くとき、触覚フィードバックを医師に有利に強化する。
遠位素子772の長さは、VCD100の遠位端123と同じであるか、それより長いか、またはそれより短くなるように構成されてよい。一実施形態において、遠位素子772の長さは、約0.5mm〜約5mmである。別の実施形態において、長さは約5mm〜約10mmである。さらに別の実施形態において、長さは約10mm〜約20mmである。遠位素子772は、インプラントホルダー755の残りと同じ材料から作製されてよく、好ましい実施形態において、遠位素子772は、材料の単一シースから切断される。遠位素子772は、レーザー切断、化学エッチング、水噴射切断、フライス加工により、および/または電気アークプロセスを使用して製造されてよい。遠位素子772の製造および/または成形は、別個のプロセスまたはインプラントホルダー755の近位素子770および他の部分を作製するために使用されるのと同じプロセスで行われてよい。好適なプロセスとして、熱硬化、樹脂変形、鋳造、および/または材料を成形するための任意の他の手段が挙げられる。遠位素子772の厚さは、インプラントホルダー755の近位素子770および他の部分の厚さと同じであるか、それより薄いか、またはそれより厚くてよい。好ましい実施形態において、遠位素子772の厚さは、約50μm〜約150μmである。別の実施形態において、厚さは、約10μm〜約50μm、または約150μm〜約500μmである。好ましい実施形態において、遠位素子772の幅は、約2mm〜約5mmである。別の実施形態において、幅は、約0.5mm〜約3mm、または約4mm〜約8mmである。
インプラントホルダーの他の実施形態が企図され、図7Aおよび7Cに示され、それらを参照して説明されるインプラントホルダーの実施形態の有利な特徴も有する。これらの代替実施形態のいくつかは、図7D〜7Fに示される。図7Dは、近位素子777および遠位素子779を含むインプラントホルダー775の実施形態を示す。この実施形態に従い、近位素子777および遠位素子779は、互いに一体形成されない。つまり、近位素子777および遠位素子779は、互いに別個に形成される。近位素子777および遠位素子779は、互いに機械的に結合されてもされなくてもよい。一実施形態において、近位素子777および遠位素子779は非結合であり、近位素子777および遠位素子779は、互いから離れて移動するように構成される。このようにして、近位素子777および遠位素子779は、VCD100から別個に取り除かれるように構成されてよい。例えば、閉じ込め機構を取り除く間、遠位素子779が最初に取り除かれてよく、続いてその後に近位素子777が取り除かれる。この別個の取り除きは、近位素子777および遠位素子779の同時除取と比較して、閉じ込め機構のより滑らかな除取を可能にし得、穿刺部位15の周りの領域の血管10に比較的大きな力を印加することができる。
図7Eは、近位素子787および遠位素子789を含むインプラントホルダー785の実施形態を示し、図7Fは、近位素子797および遠位素子799を含むインプラントホルダー795の実施形態を示す。これらの実施形態のそれぞれにおいて、近位素子および遠位素子は、互いに一体形成されるため、材料の単一断片から形成されてよい。さらに、インプラントホルダー785および795のこれらの実施形態は、インプラントホルダーの長手方向軸に関して対称である。
図8Aおよび8Bは、図1に示され、それを参照して説明される実施形態と類似している血管10内で拡張構成にあるVCD100の一実施形態を示す。VCD100とともに、挿入ツール800の一実施形態も示され、VCD100を血管10に位置付けるための送達システムの一部であってよい。図8Aは、VCD100とともに使用する挿入ツール800を示すが、挿入ツール800は、本明細書に説明されるVCD実施形態のいずれかとともに使用されてよい。血管10の穿刺部位15を血管内で封止するように前述のVCD実施形態のうちの1つ以上を埋め込むとき、VCDは、該VCDが穿刺部位15の遠位側および近位側の両方を被覆するように、穿刺部位15にわたって位置付けられる必要がある。穿刺部位15にわたるVCDのこの「センタリング」は、場合によっては困難なプロセスであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、センタリングは、VCDのテザーを引くことにより達成されるか、達成されるように試行される。しかしながら、VCDが血管10内で拡張構成に拡張されると、VCDの一部は、穿刺部位15に巻き込まれる場合があり、VCDが穿刺部位15の反対側に渡るのを妨げるか、または場合によってはVCDは血管10から不注意に引き出され得る。挿入ツール800は、穿刺部位15の血管内交差を促進することによりこれらの問題を解決する。
図8Aおよび8Bに示される実施形態に従い、挿入ツール800は、穿刺部位15にわたってVCD100を腔内の中心に置くように構成される。挿入ツール800は、該挿入ツール800を通じて伸長し、そこを通じてねじ込まれるVCD100のテザー120を受容するように構成された内腔805を画定する。いくつかの実施形態において、図8Aおよび8Bに示されるように、挿入ツール800は、穿刺部位15を通じて伸長または貫通することなく、血管10の壁に押し付けるように構成された遠位先端810を含む。
作動中に挿入ツール800の遠位先端810は、導入器シースにより組織25に形成されたアクセスチャネル20を通じて血管10の穿刺部位15まで挿入される。次いで、遠位先端810は、血管10の壁にやさしく押し付けられ、操作者が穿刺部位15を容易に感じることができるようにする。その際に、遠位先端810は、図8Aに示されるように、穿刺部位15を通じて伸長または貫通することなく、穿刺部位15の周りの血管10の壁に接触する。次いでテザー120は、挿入ツール800の内腔805を通じて引かれ、拡張したVCD100の遠位端123が穿刺部位15に交差する一方、挿入ツール800の遠位先端810は、VCD100が穿刺部位15を貫通するのを防ぐ。その際に、VCD100は、図8Bに示されるように、穿刺部位15にわたって中心に置かれる。VCD100は、血管10の近位部分から血管10の遠位部分に穿刺部位15と交差するように示されるが、挿入ツール800は、同様に、穿刺部位15の遠位から近位交差に使用されてよい。
挿入ツール800のサイズおよび形状は異なり得、例えば、穿刺部位15およびアクセスチャネル20のサイズおよび形状に応じて最適化されてよい。いくつかの実施形態において、遠位先端810の外径815は、約1mm〜約10mmである。一実施形態において、外径815は、約1.5mm〜約7.5mmである。別の実施形態において、外径815は、約1mm〜約2.5mmである。図8C〜8Gは、異なる形状を有する挿入ツール800の遠位先端810の例示の実施形態を示す。遠位先端810の他の形状が企図される。いくつかの実施形態において、挿入ツール800の遠位先端810は、穿刺部位15より大きな外径815を持つ細長い円筒形状を有する。例えば、遠位先端810の外径815は、18Fr導入器シースとともに使用されるように寸法決定されてよく、最初に7.5mmの穿刺部位15を形成し得る。シースが取り除かれると、血管筋の収縮および形成される血栓の結果として、穿刺部位15の直径は減少する。したがって、約7mm〜約7.5mmの外径815を有する遠位先端815は、患者の皮膚から血管10にアクセスチャネル20を貫通し、穿刺部位15の周りの血管10の壁が通常、アクセスチャネル20の周りの組織25より速く収縮するため、穿刺部位15で停止することができる必要がある。挿入ツール800の少なくとも一部は、放射線不透過性材料で形成されてよい。いくつかの実施形態において、挿入ツール800の遠位先端810は、放射線不透過性材料で形成され、それがアクセスチャネル20に挿入され、血管10の壁に押し付けられると、遠位先端810の蛍光撮像を可能にする。
穿刺部位15は、概してアクセスチャネル20を通じて患者の皮膚に対し約30°〜45°の角度で形成され得るため、(i)図8Cに示されるように丸みを帯びた表面を有する遠位先端810、(ii)図8Dに示されるように有角面および平面を有する遠位先端810、または(iii)図8Eに示されるように、丸みを帯びた表面と有角面および平面との組み合わせを有する遠位先端810を有することが有利であり得る。他の形状および角度の表面を有する遠位先端810は、挿入ツール800の遠位先端810と血管10の穿刺部位15との間の接触を最適化するために使用されてよい。図8Fおよび8Gは、挿入ツール800の遠位先端810が血管10の壁に押し付けられるとき、穿刺部位15の中に伸長するように構成された短い突出820を含む遠位先端810の実施形態を示す。突出820は、約0.1mm〜約6mmの長さおよび0.1mm〜約8mmの直径を有してよい。いくつかの実施形態において、突出820の長さは約0.2mm〜約4mmであり、突出820の直径は、約0.2mm〜約5mmである。さらに他の実施形態において、突出820の長さは、約0.2mm〜約2mmであり、突出820の直径は、約0.2mm〜約3mmである。
図8Hおよび8Iは、アクセスチャネル20内で崩壊構成から拡張構成に逆に拡張するように構成された遠位先端810を含む挿入ツール800の一実施形態を示す。このようにして、遠位先端810は、図8Hに示されるように、崩壊構成にある間にアクセスチャネル20に挿入される。崩壊構成にあるとき、遠位先端810の外径は、アクセスチャネル20の内径より小さく、内腔805の内径は、テザー120の外径より大きい。アクセスチャネル20内で拡張すると、遠位先端810の外径は、アクセスチャネル20の内径に等しいか、またはそれより大きなサイズに増加し、図8Iに示されるように、遠位先端810がアクセスチャネル20に対して封止して把持するようにする。さらに、アクセスチャネル20内で拡張すると、内腔805の内径は、テザー120の外径に等しいか、またはそれより小さなサイズに減少し、内腔805がテザー120に対して封止して把持するようにする。このようにして、拡張した遠位先端810は、図4Aおよび4Bを参照して上述される固定素子425として同様に機能し、VCD100の位置付けを維持する。さらに、拡張した遠位先端810は、アクセスチャネル20およびテザー120の壁に対して封止することにより穿刺部位15での止血を促進する。止血が得られた後、遠位先端810は、アクセスチャネル20から取り除くために崩壊される。
上述されるように、挿入ツール800は、該挿入ツール800を通じて伸長し、そこを通じてねじ込まれるVCD100のテザー120を受容するように構成された内腔805を画定する。いくつかの実施形態において、挿入ツール800は、内腔805を通じてのテザー120のねじ込みを容易にするように構成され、それにより挿入ツール800の使用を簡素化する。図8Jは、テザー120を把持し、該テザー120を挿入ツール800の内腔805を通じて引くための手段825を含む挿入ツール800の例示の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、把持手段825は、内腔805に予め搭載されている。他の実施形態において、把持手段825は、送達手技の前またはその間に操作者により内腔805に搭載される。いくつかの実施形態において、図8Jに示されるように、把持手段825は、内腔805に搭載された投げ縄を含む。この投げ縄は、挿入ツール800の遠位先端810から伸長し、VCD100のテザー120を受容するように構成されたループ827を含んでよい。この投げ縄は、挿入ツール800の近位端830から伸長する2つの近位端829を含んでもよい。
作動中にVCD100のテザー120は、投げ縄のループ827を通じて挿入される。次いで、投げ縄の近位端829は、ループ827がテザー120の上に閉鎖され、ループ827およびテザー120の両方は、内腔805を通じて挿入ツール800の近位端830から引き出される。この段階で、テザー120は、投げ縄から分離され、本明細書に説明されるように、VCD100を血管10内に位置付けるために使用されてよい。別の実施形態において、投げ縄の近位端829のうちの1つは、挿入ツール800の本体に固定される一方、他の近位端829は、引くために自由なままである。このようにして、自由な近位端829は、ループ827がテザー120の上に閉鎖され、ループ827およびテザー120の両方は、内腔805を通じて挿入ツール800の近位端830から引き出される。図8Jに示される把持手段825は、テザー120を把持し、該テザー120を挿入ツール800の内腔805を通じて引くための手段の実施形態の単なる一例を示す。把持手段825の他の実施形態が企図される。例えば、把持手段825として、鉤部、節止め、スネアクリップ、または当業者に既知の他の手段が挙げられる。
場合によっては、VCD100の展開中または展開後に、1種以上の治療薬または他の材料を穿刺部位15に投与して、例えば、穿刺部位15の近位または血管10に隣接した組織25中に形成されたアクセスチャネル20の近位にあるVCD100および血管10の外面での止血を促進することが望ましいことがある。好適な治療薬の非限定例として、当該技術分野において既知の止血剤、血管拡張剤、血管収縮剤、抗菌剤、および麻酔剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、挿入ツール800は、そのような物質および材料の投与を促進するように構成および使用されてよい。一実施形態において、治療薬は、当該技術分野において同様に既知の多糖粉末止血剤を含む。
図9は、治療薬または他の材料を穿刺部位15、アクセスチャネル20、および/またはVCD100と血管10との間の界面に送達するように構成された挿入ツール800の例示の実施形態を示す。示されるように、挿入ツール800の内腔805は、挿入ツール800の近位端から挿入ツール800の遠位先端810に伸長する。このようにして、内腔805は、そこを通じて治療薬または他の材料を送達するために構成される。挿入ツール800は、治療薬または他の材料を内腔805に送達するための手段840を含む。いくつかの実施形態において、図9に示されるように、送達手段825は、内腔805から伸長し、それと流体連通する管842を含む。送達手段825は、管842上に位置付けられ、治療薬または他の材料の内腔805への送達を制御するように構成された弁844を含んでもよい。送達手段825は、管842の遠位端上に位置付けられ、シリンジまたはベローを挿入ツール800に接続するように構成されたルアーロック846を含んでもよい。いくつかの実施形態において、挿入ツール800の近位端830は、治療薬または他の材料の内腔805への直接送達のために構成される。そのような実施形態において、挿入ツール800は、近位端830に位置付けられ、治療薬または他の材料の内腔805への送達を制御するように構成された弁850などの封止手段を含んでよい。該弁850は、そこを通る血流を防ぐか、または低減するように構成された止血弁であってよい。いくつかの実施形態において、挿入ツール800は、該挿入ツール800の側壁を通じて伸長し、内腔805と流体連通する側穴854を画定する。図9に示されるように、側穴854は、挿入ツール800の遠位端付近に位置付けられる。
一実施形態において、挿入ツール800を使用して、トロンビン、プロタミンなどの凝固促進剤、またはゼオライト粉末もしくはキトサン顆粒などの他の血栓促進因子を送達する。別の実施形態において、挿入ツール800を使用して、ニトログリセリンもしくはパパベリンおよび類似薬剤などの血管拡張を誘導し得る薬物、因子、もしくは薬剤、または血管収縮剤、抗生物質、もしくは抗菌剤、シアノアクリレートまたは生体接着剤などの糊、コラーゲンもしくは封止を改善し、治癒を促進し、または穿刺部位15、アクセスチャネル20、および/またはVCD100と血管10との間の界面での出血を減少させ得る任意の他の材料、薬剤、因子、または薬物を送達する。
一実施形態において、VCD100が送達された後、止血を促進する薬物、因子、または薬剤は、完全な止血を促進するために穿刺部位15の近位にある患者の体表面に直接適用される。別の実施形態において、例えば、Quikclot(商標)、Celox(商標)、またはHemCon(商標)といった止血用包帯またはプラスターまたは絆創膏が穿刺部位15の上に使用される。別の実施形態において、止血用包帯は、VCD100のテザー120を固定するためにも使用される。
当然のことながら、これらの利点および多くの他の利点は理解され、寸法、サイズ、および/または形状変化形などの本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法は、前述の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。そのような修正および変化形は、添付の特許請求の範囲内に含むことが意図される。