JP6353282B2 - ヘム加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製の板状材料(以下、ワークと呼ぶ。)にヘム加工を施すヘム加工装置に関する。
従来から、ヘム加工装置では、ワークに加圧力を加えながら転がるローラと、ローラを保持する多関節ロボット(以下、ロボットと略して呼ぶことがある。)と、ローラに加圧力を加えさせる加圧部を備える構成が周知である。そして、ヘム加工装置では、多関節ロボットの動作を制御してローラを3次元的に変位させることで、ローラを介してワークに100kgfを超える加圧力を加えつつ、被加工部分を折り曲げていく。
ところで、ヘム加工装置では、ヘム加工後の周縁の形状(以下、縁形状と呼ぶことがある。)の品質向上、加工サイクルの短縮化、および、装置コスト低減を目的として様々な改良が行われている。
例えば、特許文献1には、ローラを加圧方向に振動させる振動付与手段が開示されている。つまり、特許文献1では、加圧部(文献中、ヘムローラー支持部3、30、40として記載されている。)として、油圧シリンダ機構、ならびに、電動モータおよびボールネジからなる直線運動機構が開示されている。そして、油圧の供給と戻りとを高速で切り替えたり、電動モータの回転方向を正、逆回転間で高速で切り替えたりすることで、ローラを加圧方向に振動させる。これにより、ローラ高速移動時の被加工部分の曲げ抵抗を低減することができ、さらに、ハンマリング効果によって加圧力を増強することができるので、縁形状の品質向上、および、加工サイクルの短縮化を達成することができる。
また、特許文献2では、ロボットの動作範囲の限界に応じてローラの移動範囲にも限界がある旨記載されており、さらに、特許文献2には、このようなローラの移動範囲の限界により、ヘム加工が滞るのを防止するため、ローラの移動範囲にワークを移動させる移動装置が開示されている。そして、特許文献2では、多関節ロボットと移動装置との協調動作により、例えば、ワークを移動させつつロータによって被加工部分に加圧力を加えることで、ワークを移動させる間のヘム加工待機の時間を省き、更なる加工サイクルの短縮化を達成することができる。
近年、ヘム加工装置100では、縁形状の品質を下げることなく加工サイクルの更なる短縮化を達成するため、図6に示すロボット101の機械的な撓みに係わる問題を解消することが検討されている。
つまり、加圧部102からローラ103を介してワーク(図示せず。)に加圧力が加わると、加圧力の反力としてワークからローラ103および加圧部102を介してロボット101に反発力が作用する。
これにより、ロボット101に機械的な撓みが発生し、ローラ103が加圧力と反対の方向に逃げてしまい、ヘム加工が不十分になってしまう。このため、ローラ103の移動速度を、機械的な撓みによる品質低下を許容できる速度以下に抑える必要がある(図6において、実線で描いた部分は撓んでいない状態を示すものであり、点線で描いた部分は撓んだ状態を示すものである。)。
したがって、縁形状の品質を下げることなく加工サイクルの更なる短縮化を達成するため、ロボット101の機械的な撓みに係わる問題を解消する要請が高まっている。
なお、ロボット101の機械的な撓みは、ロボット101の関節が伸びるほど顕著になることから、ロボット101の動作範囲も、ロボット101の機械的な撓みによる品質低下を許容できる範囲に限定する必要がある。
このため、ロボット101の機械的な撓みに係わる問題を解消することで、ロボット101の動作範囲を拡大することができるので、移動装置を廃止することも可能になる。よって、移動装置を廃止して装置コスト低減を達成する観点でも、ロボット101の機械的な撓みに係わる問題を解消する要請が高い。
特開平05−185159号公報 特開平07−116743号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ヘム加工装置において、多関節ロボットに発生する機械的な撓みに係わる問題を解消することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1のヘム加工装置は、金属製の板状材料(ワーク)にヘム加工を施すものである。また、ヘム加工装置は、以下のローラ、多関節ロボット、加圧部、電流センサ、制御部および加圧力制御モードを備える。
まず、ローラは、ワークに加圧力を加えてヘム加工を施しながら転がるものであり、多関節ロボット(ロボット)は、ローラを保持し、ローラが3次元的に変位するように制御されるものである。また、加圧部は、電動モータが発生するトルクを推力に変換してローラに加えることで、ローラに加圧力を加えさせる。さらに、電流センサは、電動モータに流れる電流を検出するものであり、制御部は、電動モータに流れる電流の指令値を求めるとともに、電流センサで検出された電流の検出値を電流の指令値に一致させる制御を行う。そして、加圧力制御モードは、制御部により実行される制御モードであり、加圧力の目標値に応じて電流の指令値を求める。
これにより、ヘム加工装置は、次のように作用してロボットの機械的な撓みに係わる問題を解消することができる。
まず、ロボットに反発力が作用すると、ロボットは、加圧力と反対方向に逃げようとするので、ロボットに機械的な撓みが発生し始める。これにより、ワークに加わる加圧力が低下するので、電流センサによる電流の検出値が低下する。これに対し、制御部は、電流の検出値を指令値に一致させるため、直ちに電流の検出値を増加させるように動作するので、加圧力が増強される。
そして、撓みの発生から加圧力の増強に至る一連のフィードバック動作は、電流センサによる電流の検出値に基づくものであり、極めて応答性が高い。つまり、ロボットにおける撓み量や加圧力を検出してフィードバックする替わりに、電動モータの電流を検出してフィードバックすることで、極めて早期に加圧力を増強するための指令を出力することができる。このため、機械的な撓みは早期に解消され、加圧力は一定に維持される。
以上により、ヘム加工装置において、ロボットの機械的な撓みに係わる問題を解消することができる。つまり、電流センサの検出値に基づく高速のフィードバックにより、ロボットの機械的な撓みを早期に解消することができるので、縁形状の品質を下げることなく、ローラの移動速度を高めるとともにロボットの動作範囲を拡大することができる。このため、加工サイクルを短縮することができるとともに、移動装置を廃止して装置コストを低減することができる。
なお、加圧力は電流の数値に応じて無段階で操作できることから、加圧力の目標値を変更することで、ヘム加工後の仕上げ状態を自在に変えることもできる。
また、制御部は、ワークの被加工部分が180°折り返される完全ヘム加工を施すときに、加圧力制御モードを実行する。
ロボットの機械的な撓みに係わる問題は、特に、完全ヘム加工を施すときに顕著である。そこで、完全ヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行することで、請求項1の手段の作用効果を効果的に得ることができる。
請求項2、3の手段〕
請求項2、3のヘム加工装置は、以下の位置センサおよび位置制御モードを備える。まず、位置センサは、電動モータの回転位置を検出するものである。また、位置制御モードは、制御部により実行される制御モードであり、回転位置の目標値を固定するとともに、固定された目標値に位置センサによる検出値が一致するように電流の指令値を求める。
これにより、加圧力の制御よらずにヘム加工後の仕上げ状態を制御することができる。このため、制御モードのバリエーションを追加することで、対応できる仕上げ状態を増やすことができる。
また、制御部は、ワークの被加工部分の折り返される角度幅が5°以上かつ180°未満である非完全ヘム加工を施すときに、位置制御モードを実行する。
非完全ヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行すると、目標とする仕上げ状態(つまり、折り返される角度幅を5°以上かつ180°未満にすること)に係わらず加圧力を保つように制御を行うので、非完全ヘム加工を施すのが困難になる。そこで、非完全ヘム加工を施すときに位置制御モードを実行することで、目標とする仕上げ状態を得ることができる。
請求項4の手段〕
請求項4のヘム加工装置によれば、制御部は、ローラの3次元的な位置に応じて加圧力制御モードと位置制御モードとを使い分ける。
これにより、加圧力制御モードが適する部位と、位置制御モードが適する部位とを有するワークに対し、時間的に途切れることなくヘム加工を連続して施すことができる。
請求項5の手段〕
請求項5のヘム加工装置は、ヘム加工後の縁形状が直線となる直線部に対し、加圧力制御モードによってヘム加工を施し、ヘム加工後の縁形状が曲線となる曲線部に対し、位置制御モードによってヘム加工を施す。
曲線部に対して完全ヘム加工を施すと、金属の圧縮や伸長により、スジや破断が発生する虞がある。そこで、直線部に対し加圧力制御モードを使用するとともに曲線部に対し位置制御モードを使用することで、直線部における高品質を保ちながら曲線部におけるスジや破断の発生を防止することができる。
請求項6の手段〕
請求項6のヘム加工装置によれば、制御部は、ローラの3次元的な位置が直線部から曲線部に移行するときに加圧力制御モードから位置制御モードに切り替え、ローラの3次元的な位置が曲線部から直線部に移行するときに位置制御モードから加圧力制御モードに切り替える。
これにより、直線部と曲線部とが連続するワークに対し、時間的に途切れることなくヘム加工を連続して施すことができる。
ヘム加工装置の全体構成図である(実施例)。 (a)は完全ヘム加工を施しているときのヘム加工装置の要部構成図であり、(b)は完全ヘム加工を施しているときのヘム加工装置の補助的な構成図である(実施例)。 非完全ヘム加工を施しているときのヘム加工装置の要部構成図である(実施例)。 (a)はワークの平面図であり、(b)は凹曲線部を説明する(a)の部分拡大図であり、(c)は凸曲線部を説明する(a)の部分拡大図である(実施例)。 (a)は加圧力制御モードを示す制御ブロック図であり、(b)は位置制御モードを示す制御ブロック図である(実施例)。 ヘム加工装置においてロボットに発生する機械的な撓みに係わる問題を説明する説明図である(従来例)。
実施形態のヘム加工装置を、以下の実施例に基づき説明する。
〔実施例の構成〕
実施例のヘム加工装置1の構成を、図1〜図5を用いて説明する。
ヘム加工装置1は、金属製の板状材料(ワーク)2にヘム加工を施すものであり、例えば、以下に説明するローラ3、多関節ロボット(ロボット)4、加圧部5、電流センサ6、位置センサ7、制御部8、加圧力制御モードおよび位置制御モードを備える。
ローラ3は、ワーク2に加圧力を加えてヘム加工を施しながら転がるものであり、ワーク2に圧接しながら転がる円筒面10を有する。また、ローラ3は、加圧部5とともにロボット4の先端に装着されてロボット4の動作により3次元的に移動する。
ロボット4は、ローラ3を保持し、ローラ3が3次元的に移動するように制御されるものである。そして、ロボット4は、制御部8による動作制御によって3次元的に移動したり、姿勢を変更したりすることで関節を伸縮させ、円筒面10による圧接を維持しながらローラ3を所定の軌跡に沿って移動させ、ワーク2にヘム加工を施す。
ここで、ワーク2は、例えば、車両のドアパネルやフードパネルであり、図2等に示すように、アウタパネル2aとインナパネル2bとからなる。そして、載置台11上で、アウタパネル2aの上にインナパネル2bを載せ、アウタパネル2aの周縁を被加工部分12としてヘム加工を施す。
つまり、アウタパネル2aの周縁をインナパネル2bの周縁の外周側で予め上方に向って立てておき、上方に立てたアウタパネル2aの周縁を被加工部分12として、インナパネル2bの周縁に上側から重ねるように折り曲げる。
なお、ワーク2の周縁には、ヘム加工後の縁形状が直線となる直線部14、および、ヘム加工後の縁形状が曲線となる曲線部15が存在する(図4参照。)。また、曲線部15には、縁形状が外周側に凸をなす凸曲線部15aと、縁形状が内周側に凹をなす凹曲線部15bとが存在する。
そして、ワーク2は、載置台11上で位置決め体17によって外周側から支持されて位置決めされ、かつ、上方からクランプ18によって固定された状態でヘム加工が施される(図2(b)参照。)。なお、クランプ18は、ワーク2の周縁に沿って複数配置され、それぞれのクランプ18は、ローラ3やロボット4の動作の妨げとならないように、制御部8により動作制御され、適宜、ワーク2に対する固定を解除する。
加圧部5は、ロボット4の先端に装着され、ローラ3を回転自在に支持しながら保持し、加圧力を発生するとともにローラ3によりワーク2に対して加圧力を作用させる。
より具体的に、加圧部5は、次の電動モータ20、ボールネジ21およびスライドユニット22等を有する。
まず、電動モータ20は、制御部8により通電制御されるサーボモータであり、例えば、3相のコイルと永久磁石とを具備する周知のブラシレス構造を有する。
また、ボールネジ21は、回転運動を直線運動に変換する周知の機械要素であり、電動モータ20が発生するトルクを推力に変換する。さらに、スライドユニット22は、ローラ3を回転自在に支持しながら保持するとともに、ボールネジ21の動作に応じて直線運動する。
以上により、加圧部5は、電動モータ20が発生するトルクを推力に変換してローラ3に加えることで、ローラ3に加圧力を加えさせる。
電流センサ6は、電動モータ20の3相のコイルに通電される電流を検出するものであり、周知の電流検出抵抗からなる。なお、電流センサ6は、図5に示すように、制御部8とともに所定の制御装置24に設けられている。また、制御装置24には、制御部8からの指令に応じて3相のコイルに電力を供給させるサーボアンプ25が設けられている。
位置センサ7は、電動モータ20の回転子の回転位置(以下、「電動モータ20の回転位置」と呼ぶことがある。)を検出するものであり、電動モータ20に付設されている(図1等参照。)。なお、位置センサ7は、例えば、周知のエンコーダである。
制御部8は、制御装置24に設けられるマイコン等であり、ヘム加工装置1の各部(つまり、ロボット4、加圧部5およびクランプ18等)を制御するための演算処理等を行う。
そして、制御部8は、電動モータ20の通電制御に関し、電動モータ20に通電される電流の指令値I*を求めるとともに、電流センサ6で検出された電流の検出値Iを指令値I*に一致させるフィードバック制御を行う(図5参照。)。
つまり、制御部8は、指令値I*を算出する電流指令部26、指令値I*と検出値Iとの差分に応じて電動モータ20のコイルに印加すべき電圧の指令値V*を算出する電圧指令部27の機能を有する。そして、サーボアンプ25は、指令値V*に応じて電源からコイルに電力を供給させる。これにより、制御部8は、指令値I*と検出値Iとの差分を縮小し、検出値Iを指令値I*に一致させる。
加圧力制御モードは、制御部8により実行される制御モードであり、図5(a)に示すように、加圧力の目標値F*に応じて指令値I*を求めるものである。
つまり、加圧力制御モードでは、電流指令部26は、目標値F*に応じて指令値I*を求める。また、目標値F*は、例えば、制御装置24とは別体である教示ペンダント29により手入力される。
位置制御モードは、制御部8により実行される制御モードであり、図5(b)に示すように、電動モータ20の回転位置の目標値θ*を一定の数値に固定するとともに、固定された目標値θ*に位置センサ7による検出値θが一致するように指令値I*を求める。つまり、位置制御モードでは、電流指令部26は、固定された目標値θ*に応じて指令値I*を求める。
また、加圧力制御モードおよび位置制御モードは、制御装置24の記憶装置に記憶されており、制御部8は、ワーク2の縁形状に応じていずれか一方のモードを読み出して実行する。
ここで、ヘム加工は、被加工部分12が180°折り返される完全ヘム加工(図2参照。)と、ワーク2の被加工部分12の折り返される角度幅が5°以上かつ180°未満である非完全ヘム加工(図3参照。)とに分けることができる。そして、完全ヘム加工を施す場合には加圧力制御モードにより加圧力を一定に保ってローラ3を移動させるのが好ましく、非完全ヘム加工を施す場合には位置制御モードにより電動モータ20の回転位置を一定に保ってローラ3を移動させるのが好ましい。
また、完全ヘム加工は、加工により被加工部分12が周縁に沿い伸縮しない直線部14に施すのが好ましく、非完全ヘム加工は、加工により被加工部分12が周縁の方向に沿い伸縮して仕上げ状態が低下する可能性がある曲線部15に施すのが好ましい(図4参照。)。すなわち、凸曲線部15aに完全ヘム加工を施すと被加工部分12が周縁の方向に圧縮されてスジが発生する可能性があり、凹曲線部15bに完全ヘム加工を施すと被加工部分12が周縁の方向に伸長されて破断が発生する可能性がある。このため、曲線部15には非完全ヘム加工を施すのが好ましい。
そこで、制御部8は、直線部14にヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行し、曲線部15にヘム加工を施すときに位置制御モードを実行する。そして、制御部8は、ローラ3の3次元的な位置が直線部14から曲線部15に移行するときに加圧力制御モードから位置制御モードに切り替え、ローラ3の3次元的な位置が曲線部15から直線部14に移行するときに位置制御モードから加圧力制御モードに切り替える。
なお、加圧力制御モードから位置制御モードに制御モードを切り替えるとき、制御部8は様々な手順に基づき、回転位置の目標値θ*を固定する。
例えば、予め、目標値θ*の固定すべき数値を制御部8に記憶させておき、位置制御モードに切り替わるときに、記憶した数値に目標値θ*を固定してもよく、位置制御モードに切り替わる直前の回転位置の検出値θの数値を目標値θ*として固定してもよい。
〔実施例の作用効果〕
実施例のヘム加工装置1によれば、加圧部5は、電動モータ20が発生するトルクを推力に変換してローラ3に加えることで、ローラ3に加圧力を加えさせる。また、制御部8は、電動モータ20に流れる電流の指令値I*を求めるとともに、電流センサ6で検出された電流の検出値Iを指令値I*に一致させる制御を行う。そして、制御部8は、加圧力の目標値F*に応じて指令値I*を求める加圧力制御モードを実行する。
これにより、ヘム加工装置1は、次のように作用してロボット4の機械的な撓みに係わる問題を解消することができる。
まず、加圧部5からローラ3を介してワーク2に加圧力が加わると、加圧力の反力としてワーク2からローラ3および加圧部5を介してロボット4に反発力が作用する。これにより、ロボット4は、加圧力と反対方向に逃げようとするので、ロボット4に機械的な撓みが発生し始める。このため、ワーク2に加わる加圧力が低下するので、電流センサ6による電流の検出値Iが低下する。これに対し、制御部8は、検出値Iを指令値I*に一致させるため、直ちに検出値Iを増加させるように動作するので、加圧力が増強される。
そして、撓みの発生から加圧力の増強に至る一連のフィードバック動作は、電流センサ6による電流の検出値Iに基づくものであり、極めて応答性が高い。つまり、ロボット4における撓み量や加圧力を検出してフィードバックする替わりに、電動モータ20の電流を検出してフィードバックすることで、極めて早期に加圧力を増強するための指令を出力することができる。このため、機械的な撓みは早期に解消され、加圧力は一定に維持される。
以上により、ヘム加工装置1において、ロボット4の機械的な撓みに係わる問題を解消することができる。つまり、電流センサ6の検出値Iに基づく高速のフィードバックにより、ロボット4の機械的な撓みを早期に解消することができるので、縁形状の品質を下げることなく、ローラ3の移動速度を高めるとともにロボット4の動作範囲を拡大することができる。このため、加工サイクルを短縮することができるとともに、従来必要とされていた移動装置を廃止して装置コストを低減することができる。
なお、加圧力は電流の数値に応じて無段階で操作できることから、加圧力の目標値F*を変更することで、ヘム加工後の仕上げ状態を自在に変えることもできる。
また、制御部8は、完全ヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行する。
ロボット4の機械的な撓みに係わる問題は、特に、完全ヘム加工を施すときに顕著である。そこで、完全ヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行することで、ロボット4の機械的な撓みに係わる問題を解消する作用効果を効果的に得ることができる。
また、制御部8は、回転位置の目標値θ*を固定するとともに、固定された目標値θ*に位置センサ7による検出値θが一致するように電流の指令値I*を求める位置制御モードを実行する。
これにより、加圧力の制御よらずにヘム加工後の仕上げ状態を制御することができる。このため、制御モードのバリエーションを追加することで、対応できる仕上げ状態を増やすことができる。
また、制御部8は、ワーク2の被加工部分12の折り返される角度幅が5°以上かつ180°未満である非完全ヘム加工を施すときに、位置制御モードを実行する。
非完全ヘム加工を施すときに加圧力制御モードを実行すると、目標とする仕上げ状態(つまり、折り返される角度幅を5°以上かつ180°未満にすること)に係わらず加圧力を維持するように制御を行うので、非完全ヘム加工を施すのが困難になる。そこで、非完全ヘム加工を施すときに位置制御モードを実行することで、目標とする仕上げ状態を得ることができる。
また、制御部8は、ローラ3の3次元的な位置に応じて加圧力制御モードと位置制御モードとを使い分ける。
これにより、加圧力制御モードが適する部位と、位置制御モードが適する部位とを有するワーク2に対し、時間的に途切れることなくヘム加工を連続して施すことができる。
また、ヘム加工装置1は、ヘム加工後の縁形状が直線となる直線部14に対し、加圧力制御モードによってヘム加工を施し、ヘム加工後の縁形状が曲線となる曲線部15に対し、位置制御モードによってヘム加工を施す。
曲線部15に対して完全ヘム加工を施すと、金属の圧縮や伸長により、スジや破断が発生する虞がある。そこで、直線部14に対し加圧力制御モードを使用するとともに曲線部15に対し位置制御モードを使用することで、直線部14における高品質を保ちながら曲線部15におけるスジや破断の発生を防止することができる。
さらに、制御部8は、ローラ3の3次元的な位置が直線部14から曲線部15に移行するときに加圧力制御モードから位置制御モードに切り替え、ローラ3の3次元的な位置が曲線部15から直線部14に移行するときに位置制御モードから加圧力制御モードに切り替える。
これにより、直線部14と曲線部15とが連続するワーク2に対し、時間的に途切れることなくヘム加工を連続して施すことができる。
なお、実施例は具体的な一例を開示するものであり、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
例えば、実施例の電動モータ20は、3相のコイルと永久磁石とを具備する周知のブラシレス構造を有するものであったが、ブラシと整流子とを有する直流モータを電動モータ20として採用してもよい。
1 ヘム加工装置 2 ワーク(板状材料) 3 ローラ 4 ロボット(多関節ロボット) 5 加圧部 6 電流センサ 位置センサ 8 制御部 12 被加工部分 20 電動モータ F* 目標値(加圧力の目標値)I 検出値(電流の検出値) I* 指令値(電流の指令値) θ* 目標値(回転位置の目標値) θ 検出値(位置センサによる検出値)

Claims (6)

  1. 金属製の板状材料(2)にヘム加工を施すヘム加工装置(1)において、
    前記板状材料(2)に加圧力を加えてヘム加工を施しながら転がるローラ(3)と、
    このローラ(3)を保持し、前記ローラ(3)が3次元的に変位するように制御される多関節ロボット(4)と、
    電動モータ(20)が発生するトルクを推力に変換して前記ローラ(3)に加えることで、前記ローラ(3)に前記加圧力を加えさせる加圧部(5)と、
    前記電動モータ(20)に流れる電流を検出する電流センサ(6)と、
    前記電動モータ(20)に流れる電流の指令値(I*)を求めるとともに、前記電流センサ(6)で検出された電流の検出値(I)を前記電流の指令値(I*)に一致させる制御を行う制御部(8)と、
    この制御部(8)により実行される制御モードであり、前記加圧力の目標値(F*)に応じて前記電流の指令値(I*)を求める加圧力制御モードとを備え
    前記制御部(8)は、前記板状材料(2)の被加工部分(12)が180°折り返される完全ヘム加工を施すときに、前記加圧力制御モードを実行することを特徴とするヘム加工装置(1)。
  2. 金属製の板状材料(2)にヘム加工を施すヘム加工装置(1)において、
    前記板状材料(2)に加圧力を加えてヘム加工を施しながら転がるローラ(3)と、
    このローラ(3)を保持し、前記ローラ(3)が3次元的に変位するように制御される多関節ロボット(4)と、
    電動モータ(20)が発生するトルクを推力に変換して前記ローラ(3)に加えることで、前記ローラ(3)に前記加圧力を加えさせる加圧部(5)と、
    前記電動モータ(20)に流れる電流を検出する電流センサ(6)と、
    前記電動モータ(20)に流れる電流の指令値(I*)を求めるとともに、前記電流センサ(6)で検出された電流の検出値(I)を前記電流の指令値(I*)に一致させる制御を行う制御部(8)と、
    この制御部(8)により実行される制御モードであり、前記加圧力の目標値(F*)に応じて前記電流の指令値(I*)を求める加圧力制御モードと、
    前記電動モータ(20)の回転位置を検出する位置センサ(7)と、
    前記制御部(8)により実行される制御モードであり、前記回転位置の目標値(θ*)を固定するとともに、固定された目標値(θ*)に前記位置センサ(7)による検出値(θ)が一致するように前記電流の指令値(I*)を求める位置制御モードとを備え、
    前記制御部(8)は、前記板状材料(2)の被加工部分(12)の折り返される角度幅が5°以上かつ180°未満である非完全ヘム加工を施すときに、前記位置制御モードを実行することを特徴とするヘム加工装置(1)。
  3. 請求項1に記載のヘム加工装置(1)において、
    前記電動モータ(20)の回転位置を検出する位置センサ(7)と、
    前記制御部(8)により実行される制御モードであり、前記回転位置の目標値(θ*)を固定するとともに、固定された目標値(θ*)に前記位置センサ(7)による検出値(θ)が一致するように前記電流の指令値(I*)を求める位置制御モードとを備え
    前記制御部(8)は、前記板状材料(2)の被加工部分(12)の折り返される角度幅が5°以上かつ180°未満である非完全ヘム加工を施すときに、前記位置制御モードを実行することを特徴とするヘム加工装置(1)。
  4. 請求項3に記載のヘム加工装置(1)において、
    前記制御部(8)は、前記ローラ(3)の3次元的な位置に応じて前記加圧力制御モードと前記位置制御モードとを使い分けることを特徴とするヘム加工装置(1)。
  5. 請求項4に記載のヘム加工装置(1)において、
    ヘム加工後の縁形状が直線となる直線部(14)に対し、前記加圧力制御モードによってヘム加工を施し、
    ヘム加工後の縁形状が曲線となる曲線部(15)に対し、前記位置制御モードによってヘム加工を施すことを特徴とするヘム加工装置(1)。
  6. 請求項5に記載のヘム加工装置(1)において、
    前記制御部(8)は、前記ローラ(3)の3次元的な位置が前記直線部(14)から前記曲線部(15)に移行するときに前記加圧力制御モードから前記位置制御モードに切り替え、前記ローラ(3)の3次元的な位置が前記曲線部(15)から前記直線部(14)に移行するときに前記位置制御モードから前記加圧力制御モードに切り替えることを特徴とするヘム加工装置(1)
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