JP6334699B2 - 射出成形運転中において材料特性での変化を考慮する射出成形機及び方法 - Google Patents

射出成形運転中において材料特性での変化を考慮する射出成形機及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6334699B2
JP6334699B2 JP2016531893A JP2016531893A JP6334699B2 JP 6334699 B2 JP6334699 B2 JP 6334699B2 JP 2016531893 A JP2016531893 A JP 2016531893A JP 2016531893 A JP2016531893 A JP 2016531893A JP 6334699 B2 JP6334699 B2 JP 6334699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection molding
pressure
mold cavity
injection
plastic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016531893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016531028A (ja
Inventor
マイケル アルトネン ジーン
マイケル アルトネン ジーン
ニコル マコネル キンバリー
ニコル マコネル キンバリー
ショーン ブレイデンバッハ ヴィンセント
ショーン ブレイデンバッハ ヴィンセント
ゲオルギエフ ゲルゴフ ミルコ
ゲオルギエフ ゲルゴフ ミルコ
Original Assignee
アイエムフラックス インコーポレイテッド
アイエムフラックス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アイエムフラックス インコーポレイテッド, アイエムフラックス インコーポレイテッド filed Critical アイエムフラックス インコーポレイテッド
Publication of JP2016531028A publication Critical patent/JP2016531028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6334699B2 publication Critical patent/JP6334699B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/77Measuring, controlling or regulating of velocity or pressure of moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/7646Measuring, controlling or regulating viscosity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76003Measured parameter
    • B29C2945/76006Pressure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76003Measured parameter
    • B29C2945/76066Time
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76177Location of measurement
    • B29C2945/76254Mould
    • B29C2945/76257Mould cavity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76344Phase or stage of measurement
    • B29C2945/76381Injection
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76494Controlled parameter
    • B29C2945/76538Viscosity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76929Controlling method
    • B29C2945/76936The operating conditions are corrected in the next phase or cycle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles

Description

本発明は、射出成形機及び射出成形部品の製造方法に関連し、より具体的には、射出材料の材料特性での変化を考慮するために射出成形運転の間に射出成形機の動作パラメータを調節する射出成形機及び、射出成形運転の間に射出成形材料特性での変化を考慮する方法に関連する。
射出成形は、溶融可能材料で作製された部品、最も一般的には熱可塑性ポリマーで作製された部品の大量生産に一般に用いられる技術である。繰返し射出成形プロセスの間、プラスチック樹脂(ほとんどの場合、小さなビーズ又はペレットの形)が、熱、圧力、及び剪断力をかけた状態で樹脂ビーズを溶融させる射出成形機に導入される。次に、溶融樹脂は、特定キャビティ形状を有する金型キャビティに強制的に注入される。射出されたプラスチックは、金型キャビティ中の圧力下で保持され、冷却され、次いで金型のキャビティ形状を本質的に複製した形状を有する固化した部品として取り出される。金型自体が、単一のキャビティ又は複数のキャビティを有してもよい。各キャビティは、溶融樹脂のフローをキャビティ内に導くゲートによって流路に接続される場合がある。成形された部品は、1つ又は2つ以上のゲートを有する場合がある。大きな部品は、成形部品を充鎮するようポリマーが移動しなければならないフロー距離を低減するために、2つ、3つ、又はそれ以上のゲートを有することが一般的である。キャビティ当たり1つ又は複数のゲートは、部品形状上のどこに配置されてもよく、本質的に円形等の任意の断面形状を有しても、又は1.1又はそれを超えるアスペクト比で形作られてもよい。したがって、典型的な射出成形手順は、(1)射出成形機内でプラスチックを加熱し、それを圧力下で流し、(2)閉じられた2つの金型半体の間に画定された金型キャビティ又はキャビティ内に溶融プラスチックを注入し、(3)圧力をかけた状態でプラスチックをキャビティ又は複数のキャビティ内で冷却し硬化させ、(4)金型半体を開いて部品を金型から取り出す、という4つの基本操作を含む。
射出成形プロセスの間、溶融プラスチック樹脂は、金型キャビティの中に射出され、プラスチック樹脂は、プラスチック樹脂がゲートから最も遠いキャビティ内の位置に達するまで射出成形機によってキャビティに強制的に射出される。その後、プラスチック樹脂は、末端部後方からゲートに向かってキャビティを充填する。これにより得られる部品の長さ及び肉厚は、金型キャビティの形状の結果である。
場合によっては、最終部品のプラスチック含有量を低減し、したがってコストを低減するために、射出成形部品の肉厚を低減するのが望ましい場合がある。従来の圧力変動の大きい射出成形プロセスを用いて肉厚を低減するのは、高価で非自明な課題であり得る。実際に、従来の射出成形機(例えば、溶融プラスチック樹脂を約55MPa〜約138MPa(約8,000psi〜約20,000psi)で射出する機械)は、どれだけ部品の薄肉を成形できるかということに対する実際的な限界を有する。一般的に、従来の射出成形機は、約200を超える薄肉比(下記のL/T比によって定義される)を有する部品を成形することができない。更に、薄肉比が100を超える薄肉部品の成形は、現在の能力の上限の圧力を必要とし、したがって、こうした高圧に対処することができるプレス機を必要とする。
薄肉部品を充填する場合、現在の工業的手法は、成形機が達成し得る最高速度で金型キャビティを充填する。この手法は、ポリマーが金型の中で固化又は「凝固」する前に金型キャビティが充填されるのを確実にし、また、ポリマーは可及的速やかに冷却金型キャビティに暴露されるので、可能な限り短いサイクル時間を提供する。この手法は2つの欠点を有する。第1の欠点は、非常に高速な充填速度を達成するためには、非常に高い電源負荷が必要であり、それには非常に高価な成形機器が必要なことである。更に、ほとんどの電動プレスは、こうした高い充填速度を達成するのに十分な電力を提供することができないか、又は、非常に複雑で高価な駆動システムを必要とし、成形機器の価格を実質的に増大させて、経済的に実現困難なものとする。
第2の欠点は、高い充填速度は非常に高い圧力を必要とすることである。こうした高圧は、充填する間に金型を閉じた状態に保持するために非常に強い型締力の必要性をもたらし、こうした強い型締力は成形機器を非常に高価なものとする。更に高圧は、高強度の材料、典型的には、硬化工具鋼で作製される射出成形コアを要する。こうした高強度の金型は非常に高価でもあり、多くの成形品にとって経済的に実用的でない可能性がある。たとえこうした事実上の欠点があったとしても、薄肉射出成形品の必要性は依然として高く、その理由は、これら部品は成形部品を形成するためのポリマー材料の使用量を抑え、これにより、結果として高い機器費用を補って余りある材料節約となるからである。更に、一部の成形品は、適切に機能するために、例えば、屈曲する必要がある設計要素又は他の設計要素の非常に小さな機構と嵌合しなければならない設計要素といった、非常に薄い設計要素を必要とする。
液状プラスチック樹脂が、従来の射出成形プロセスにおいて射出金型に導入されると、液状プラスチック樹脂は材料のノーフロー温度を下回る温度まで冷却し、液状プラスチックの一部は動かなくなるので、キャビティの壁に隣接した材料は、直ちに「凝固」若しくは固結若しくは硬化し始めるか、又は結晶性ポリマーの場合には、プラスチック樹脂は結晶化し始める。金型の壁に隣接したこの凝固した材料は、金型キャビティの末端部に向かうにつれて熱可塑性材料が移動する流路を狭める。金型の壁に隣接した凝固材料層の厚さは、金型キャビティの充填が進むにつれて増加し、引き続き金型キャビティを充填するためにポリマーがそこを通って流れる必要がある断面積を漸減させる原因となる。材料が凝固すると、材料は更に縮み、金型キャビティの壁から離れ、金型キャビティの壁によって材料を冷却する効果を低下させる。その結果、従来の射出成形機は、非常に急速に金型キャビティをプラスチックで充填した後、冷却を促進しかつ成形部品の正しい形状を維持するために、金型キャビティの側面に対して材料を外側に押し付ける填塞圧力を維持する。従来の射出成形機は、典型的には、約10%の射出時間、約50%の填塞時間、及び約40%の冷却時間から成るサイクル時間を有する。
プラスチックが金型キャビティの中で凝固するにつれて、従来の射出成形機は、(流れ断面積が小さくなるので、実質的に一定の体積流量を維持するために)射出圧力を増加させる。しかしながら、圧力を高めることは、コストと能力の両方においてマイナス面がある。構成要素を成形するのに必要とされる圧力が高くなると、成形機は、追加圧力に耐えられるほど十分に頑強でなければならないため、一般に高価になる。製造業者は、高い圧力に適応するために新しい設備を購入しなければならないことがある。したがって、所定の部品の肉厚を薄くすると、従来の射出成形技術による製造を達成するための資本経費がかなり増えることになる。
上述した欠点のいくつかを回避するために、多くの従来の射出成形操作は、剪断減粘性プラスチック材料を使用して、金型キャビティの中に入るプラスチック材料の流動特性を改善する。剪断減粘性プラスチック材料が金型キャビティの中に射出されると、プラスチック材料と金型キャビティの壁との間に生成される剪断力は、プラスチック材料の粘度を低減する傾向があり、それによって、プラスチック材料はより自由かつ容易に金型キャビティに流れ込むことが可能となる。結果として、金型が完全に充填される前に材料が完全に凝固するのを回避するのに十分なだけ速く、薄肉部を充填することが可能である。
粘度の低下は、プラスチック材料と供給システムとの間、及びプラスチック材料と金型キャビティ壁との間に生成される剪断力の大きさに直接関連する。したがって、これら剪断減粘性材料の製造業者及び射出成形システムのオペレータは、剪断力を増大させ、したがって粘度を低減するために、射出成形圧力をより大きくしてきた。典型的には、高出力射出成形システム(例えば、クラス101及びクラス30のシステム)は、プラスチック材料を、典型的には103MPa(15,000psi)又はそれ以上の溶融圧力で、金型キャビティの中に射出する。剪断減粘性プラスチック材料の製造業者は、射出成形機のオペレータに、最低溶融圧力以上でプラスチック材料を金型キャビティの中に射出するように指導する。例えば、ポリプロピレン樹脂は、典型的には、41MPa(6,000psi)を上回る圧力で処理される(ポリプロピレン樹脂製造業者らの推奨範囲は、典型的には、41MPa超〜約103MPa(6,000psi〜約15,000psi)である。プレス機械製造業者ら及び加工技術者らは典型的には、プラスチック材料から最大の減粘及びより良好な流動特性を引き出すために、典型的には103MPa(15,000psi)を超える、可能な最大剪断減粘を達成するために、範囲の上限で、又はそれより有意に高く、剪断減粘ポリマーを処理することを推奨する。剪断減粘性熱可塑性ポリマーは、一般に、41MPa超過から約207MPa(6,000psi〜約30,000psi)の範囲で加工される。剪断減粘性プラスチックを使用したとしても、薄肉の部品の圧力変動の大きい射出成形には実際的な限界が存在する。この限界は、現在のところ、200以上の薄肉比を有する薄肉部品の範囲である。更に、100〜200の薄肉比を有する部品でさえも、こうした部品は、一般に、約103MPa〜約138MPa(約15,000psi〜約20,000psi)の射出圧力を必要とするので、桁違いの費用がかかる。
薄肉の消費者製品を製造する高生産射出成形機(すなわち、クラス101及びクラス30の成形機)はもっぱら、金型の大部分が高硬度材料で作製されている金型を使用する。高生産射出成形機は、典型的には、年間500,000サイクル以上を経験する。工業品質の製造金型は、年間少なくとも500,000サイクル、好ましくは年間1,000,000サイクル超過、より好ましくは年間5,000,000サイクル超過、更により好ましくは年間10,000,000サイクル超過に耐えるように設計されなければならない。こうした機械は、生産率を上げるために、多数個取りの金型及び複合冷却システムを有する。高硬度材料は、硬度の低い材料よりも、繰り返される高圧型締動作により耐えることができる。しかしながら、ほとんどの工具鋼等の高硬度材料は、概して34.6W/m−℃(20BTU/HR FT°F)未満の比較的低い熱伝導率を有し、それは、熱が高硬度材料を通して溶融プラスチック材料から伝達される際に、長い冷却時間をもたらす。
既存の圧力変動の大きい射出成形機の射出圧力範囲がますます上昇しても、従来の圧力変動の大きい(例えば、138MPa(20,000psi))射出成形機の中で薄肉部品を成形するための実際的な限界は、約200(L/T比)のままであり、約100〜約200の薄肉比を有する薄肉部品は、多くの製造業者にとって桁違いの費用がかかるものとなり得る。
成形条件での変化は、溶融プラスチック材料の特性に大きく影響し得る。より具体的には、環境条件での変化(温度変化等)は、溶融プラスチック材料の粘度を上昇又は低下させ得る。溶融プラスチック材料の粘度が変化すると、成形部品の品質が影響を受けることがある。例えば、溶融プラスチック材料の粘度が増加した場合、成形部品は、溶融プラスチック材料のショット不良又は不足を経験することがある。一方、溶融プラスチック材料の粘度が減少した場合、成形部品は、より薄い溶融プラスチック材料が金型キャビティの継ぎ目に圧入される際にフラッシングを経験することがある。更に、バージン材料と混合した再生プラスチック材料は、組み合わせたプラスチック材料のメルトフローインデックス(MFI)を変化させる場合がある。従来の射出成形機は、材料特性でのこれらの変化を考慮する動作パラメータを調節しない。結果として、従来の射出成形機は、低品質の部品を製造することが多く、これは品質管理検査の間に頻繁に除去しなければならず、その結果運用上の非効率につながる。
図面に示された実施形状は、本質的に実例及び例示的なものであり、「特許請求の範囲」によって定義された内容を制限するものではない。例示的な実施形状の以下の詳細な説明は、以下の図面と共に読むと理解することができ、図面中、同様の構造は同様の参照番号により示される。
本開示にしたがって製作される射出成形機の概略図を示す。 図1の射出成形機で形成される薄壁部品の一実施形状を示す。 従来の射出成形機のキャビティ圧力と時間とを対比するグラフと重なり合った、図1の射出成形機のキャビティ圧力と時間とを対比するグラフである。 従来の射出成形機のキャビティ圧力と時間とを対比するグラフと重なり合った、図1の射出成形機の別のキャビティ圧力と時間とを対比するグラフであり、グラフは、特定の充填工程に当てられた充填時間の百分率を示している。 従来の射出成形機がキャビティ内に溶融熱可逆性材料を射出し始める際の、薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 凝固した境界層を形成しているが、キャビティが完全に充填される前である場合の、後期段階の充填における図5Aの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 境界層の厚さが増している場合の後期段階の充填における図5Bの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 金型キャビティの全てが、凝固した熱可逆材料で実質的に充填されている場合、後期段階の充填における、図5Cの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 図1の射出成形機による充填の段階における薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 後期段階の充填における図6Aの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 後期段階の充填における図6Bの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 後期段階の充填における図6Cの薄肉金型キャビティの部分の側部断面図である。 図1の射出成形機で実行され得る射出成形サイクルの概略図である。 溶融プラスチック材料の粘度の変動の影響を示す、射出成形機の圧力と時間とを対比するグラフである。 金型キャビティが正しく充填されており、しかも溶融プラスチック材料が、溶融プラスチック材料の粘度での変化に基づいて正確な時間で金型キャビティを完全に充填するのを確実にするためにコントローラによって製造された圧力調整を示す、射出成形機の圧力と時間とを対比するグラフである。 溶融プラスチック材料の粘度変化を考慮するための射出成形プロセスを示す論理図である。 成形サイクル内で溶融プラスチック材料の粘度変化を考慮するための射出成形プロセスを示す論理図である。
本発明の実施形状は、一般に、射出成形によって製品を製造するためのシステム、機械、製品、及び方法に関し、より詳細には、実質的に低一定圧力射出成形によって製品を製造するためのシステム、製品、及び方法に関する。しかし、本明細書で説明する溶融プラスチック材料の粘度変化を考慮するための装置及び方法は、実質的に低一定圧力射出成形機並びにプロセスに限定されない。むしろ、溶融プラスチック材料の粘度変化を考慮するための開示された装置並びに方法は、事実上どの射出成形機又はプロセスに組み込まれてもよく、これには高圧プロセス、低圧プロセス、可変圧力プロセス、及び一定若しくは実質的に一定圧プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
熱可塑性材料の溶融圧力に関して本明細書で用いる用語「低圧」とは、41MPa(6000psi)以下である射出成形機のノズル付近の溶融圧力を意味する。
熱可塑性材料の溶融圧に関して本明細書で用いる用語「実質的に一定圧」とは、基線溶融圧からのずれが、熱可塑性材料の物理的特性において重要な変化を生じさせないことを意味する。例えば、「実質的に一定圧」としては、融解熱可塑性材料の粘度が大きく変化することがない圧力変動が挙げられるが、これに限定されない。この点に関して、用語「実質的に一定」とは、基線溶融圧からのおよそ30%のずれを含む。例えば、用語「約4600psiの実質的に一定圧」とは、約41MPa(6000psi)(32MPa(4600psi)よりも30%高い)〜約22MPa(3200psi)(32MPa(4600psi)よりも30%低い)の範囲内の圧力変動を含む。溶融圧力が、前述の圧力から30%以下で変動する限りにおいて、実質的に一定であると考えられる。
用語「融液保持容器」は、本明細書で使用するとき、機械ノズルと流体連通する溶融プラスチックを含有している射出成形機の部分を指す。ポリマーが所望の温度で調製されかつ保持され得るように、融液保持容器は加熱される。融液保持容器は、中央制御装置と連通した電源、例えば、油圧シリンダ又は電動サーボモータに接続され、機械ノズルを通して溶融プラスチックを押し進めるために隔膜を前進させるように制御され得る。次に、溶融材料は、ランナーシステムを通って金型キャビティに流れ込む。融液保持容器は、断面が円筒形であってもよく、又は0.7MPa(100psi)という低い圧力から276MPa(40,000psi)以上の圧力の範囲であり得る圧力下で、隔膜が機械ノズルを通してポリマーを押し進めるのを可能にする代替断面を有してもよい。隔膜は、必要に応じて、射出前にポリマー材料を可塑化するように設計されたフライトを有する往復スクリューに一体的に結合されてもよい。
用語「高L/T比」は、一般に、100以上のL/T比、より具体的には200以上で1,000未満のL/T比を指す。L/T比の計算は以下に定義される。
用語「ピーク流量」は、一般に、機械ノズルで測定された最大体積流量を指す。
用語「ピーク射出速度」は、一般に、ポリマーを供給システムの中に押し進めるプロセス中に射出ラムが移動する最大線速度を指す。ラムは、一段階射出システムの場合等では往復スクリューであり得、二段階射出システムの場合等では水圧ラムであり得る。
用語「ラム速度」は、一般に、ポリマーを供給システムの中に押し進めるプロセス中に射出ラムが移動する最大線速度を指す。
用語「流量」は、一般に、機械ノズルで測定されたポリマーの体積流量を指す。この流量は、ラム速度及びラム断面積に基づいて計算するか、又は機械ノズル内に位置する好適なセンサを用いて測定することができる。
用語「キャビティ充填百分率」は、一般に、充填されたキャビティの体積基準に対する割合を指す。例えば、キャビティが95%充填された場合には、充填された金型キャビティの総容積は、金型キャビティの総容積の95%である。
用語「溶融温度」は、一般に、融液保持容器の中に保持されているポリマーの温度、及び、ポリマーを溶融状態に保つホットランナーシステムを使用する場合には、材料供給システムの中に保持されているポリマーの温度を指す。溶融温度は材料によって異なるが、望ましい溶融温度は、一般に、材料製造業者が推奨する範囲内であると理解される。
用語「ゲートサイズ」は、一般に、ランナーと金型キャビティの交差により形成されるゲートの断面積を指す。ホットランナーシステムでは、ゲートは、ゲートにおいて材料の流れのポジティブな遮断のない開放設計か、又はゲートを通って金型キャビティに入る材料の流れを機械的に遮断するために弁棒を使用する閉鎖設計(一般に弁ゲートと呼ばれる)のものであり得る。ゲートサイズは断面積を指し、例えば、1mmゲート径は、ゲートが金型キャビティと交わる点における1mmの直径を有するゲートの断面積と等しいゲートの断面積を指す。ゲートの断面は、任意の所望の形状であってもよい。
用語「有効ゲート面積」は、一般的に、金型キャビティと、金型キャビティに熱可塑性材料を供給する供給システム(例えばランナー)の材料流路との交差に対応するゲートの断面積を指す。ゲートは加熱しても、加熱しなくてもよい。ゲートは、熱可塑性材料の金型キャビティへの望ましい流れを達成するのに好適な、円形又は任意の断面形状であってよい。
用語「増圧比」は、一般に、機械ノズルを通して溶融ポリマーを押し進める射出ラムに対して射出力供給源が有する機械的利益を指す。油圧源では、ハイドロリックピストンは、射出ラムに対して10:1の機械的利益を有するのが一般的である。しかしながら、機械的利益は、2:1等の大幅に低い比から、50:1等の大幅に高い機械的利益比まで様々であり得る。
用語「ピーク電力」は、一般に、金型キャビティを充填する際に生成される最大電力を指す。ピーク電力は、充填サイクルのどの時点であっても生じ得る。ピーク電力は、機械ノズルで測定されたプラスチック圧の積に、機械ノズルで測定された流量を乗じることによって求められる。電力は、式:P=p*Q(式中、pは圧力であり、Qは体積流量である)で計算される。
用語「体積流量」は、一般に、機械ノズルで測定された流量を指す。この流量は、ラム速度及びラム断面積に基づいて計算するか、又は機械ノズル内に位置する好適なセンサを用いて測定することができる。
用語「充填された」及び「満タン状態」は、熱可塑性材料を含む金型キャビティに関して用いる場合、同じ意味で用いられ、共に、熱可塑性材料が金型キャビティに流れ込むのを中止したことを意味する。
用語「射出能力(shot size)」は、一般に、金型キャビティ又は複数の金型キャビティを完全に充填するために融液保持容器から射出されるポリマーの体積を指す。射出能力の体積は、射出直前の融液保持容器中のポリマーの温度及び圧力に基づいて求められる。換言すれば、射出能力は、所与の温度及び圧力において射出成形ラムの1ストロークで射出される溶融プラスチック材料の総体積である。射出能力は、溶融プラスチック材料を1つ以上のゲートを介して1つ以上の射出キャビティの中に射出することを含み得る。溶融プラスチック材料のショットはまた、1つ以上の融液保持容器によって準備されて射出されてもよい。
用語「ヘジテーション」は、一般に、ポリマーの一部がそのノーフロー温度未満に低下して凝固し始めるのに十分なだけ、流頭の速度が最小化される時点を指す。
用語「電動モータ」又は「電動プレス」は、本明細書において使用される場合、電動サーボモータ及び電動のリニアモータの両方を包含する。
用語「ピーク電力流動係数」は、単一の射出成形サイクルの間に射出成形システムが必要とするピーク電力の正規化測定値を指し、このピーク電力流動係数を使用して、異なる射出成形システムの所要電力を直接比較することができる。ピーク電力流動係数は、最大成形圧力積に(本明細書において定義される)充填サイクル中の流量を乗じたものと一致するピーク電力を最初に決定し、次に、充填される金型キャビティの射出能力を決定することによって計算される。続いて、ピーク電力を射出能力で除してピーク電力流動係数を計算する。
用語「低一定圧射出成形機」は、41MPa(6000psi)未満の実質的に一定の射出圧力を使用するクラス101又はクラス30射出成形機として定義される。あるいは、用語「低一定圧力射出成形機」は、41MPa(6000psi)未満の実質的に一定の射出圧力を使用し、かつ成形コア(第1の成形部品及び第2の成形部品で構成されており、これらの間で金型キャビティを定義する)がその耐用年数の終了に達するまでに、100万サイクル超、好ましくは125万サイクル超、より好ましくは200万サイクル超、更に好ましくは500万サイクル超、より更に好ましくは1,000万サイクル超を実行する能力を有する射出成形機として定義され得る。「低一定圧力射出成形機」の特徴としては、100を超える(及び好ましくは、200を超える)L/T比を有する金型キャビティと、複数の金型キャビティ(好ましくは4個の金型キャビティ、より好ましくは16個の金型キャビティ、より好ましくは32個の金型キャビティ、より好ましくは64個の金型キャビティ、より好ましくは128個の金型キャビティ、及びより好ましくは256個の金型キャビティ、又は4個〜512個までの任意の数の金型キャビティ)、加熱ランナー、及び誘導発射メカニズムが挙げられる。
用語「耐用年数」は、故障又は予定の交換時期までの成形部品の予想される寿命として定義される。成形部品又は成形コア(又は金型キャビティを定義する金型の任意の部品)とともに使用される時、用語「耐用年数」は、成形部品に品質問題が発生するまで、若しくは、成形部品の一体性に問題が発生するまで(例えば、かじり、分割線の変形、遮断面の変形又は過度の摩耗)、又は、成形部品に機械故障(例えば、疲労故障又は疲労亀裂)が発生するまでに、成形部品又は成形コアが稼働すると予想される時間を意味する。典型的には、成形部品は、金型キャビティを定義する接触面が廃棄又は交換されなければならない時に、「耐用年数」の終了に到達する。成形部品は、成形部品の「耐用年数」までに随時、修理又は改修を必要とすることがあり、この修理又は改修は、許容される成形部品品質及び成形効率を実現するために成形部品の完全な交換を必要としない。更に、部品が金型から正しく取り外されず、金型が非発射部品上で無理に閉じられる、又はオペレータが間違った工具を使用して成形部品を取り外し、金型構成要素を破損する等、成形部品の通常の動作とは関係しない成形部品の損傷が発生する可能性がある。このため、成形部品がその耐用年数の終了に到達する前に、損傷した構成要素を交換するために予備の成形部品が使用されることが時々ある。損傷のために成形部品を交換しても、予想される耐用年数は変わらない。
用語「誘導発射メカニズム」は、金型キャビティから成形部品を物理的に排出するために起動する動的部品として定義される。
用語「コーティング」は、金型キャビティを定義する成形部品の表面上に配設された、厚さが0.13mm(0.005インチ)未満の材料の層であって、金型キャビティの形状の定義以外に主要な機能(例えば、金型キャビティを定義する材料を保護する機能、又は成形部品と金型キャビティ壁面との間の摩擦を低減して成形部品が金型キャビティから離れやすくする機能)を有する材料の層として定義される。
用語「平均熱伝導率」は、金型キャビティ若しくは金型側方部又は成形部品を構成する任意の材料の熱伝導率として定義される。金型キャビティと一体であるか、金型キャビティから分離されているかに係らず、コーティング、積層板、支持板、ゲート、又はランナーを構成する材料は、平均熱伝導率の対象に含まれていない。平均熱伝導率は、加重容積単位で計算される。
用語「有効冷却表面」は、熱が成形部品から除去される表面として定義される。有効冷却表面の1つの例は、能動冷却システムからの冷却流体の流路を定義する表面である。有効冷却表面の別の例は、熱が大気中に消散する時に通過する成形部品の外面である。成形部品は、2つ以上の有効冷却表面を有することがあり、したがって、金型キャビティ表面と各有効冷却表面との間に独特な平均熱伝導率を有し得る。
用語「公称肉厚」は、金型キャビティが均一な厚さを有するように製作されている場合の、金型キャビティの理論的な厚さとして定義される。公称肉厚は、平均肉厚によって近似され得る。公称肉厚は、個別のゲートによって充填される金型キャビティの長さと幅を積分することによって計算され得る。
用語「平均硬度」は、望ましい容積の任意の材料又は材料の組み合わせのロックウェル硬さとして定義される。2つ以上の材料が存在する場合、平均硬度は、各材料の加重容積パーセンテージに基づく。平均硬度の計算は、金型キャビティの任意の部分を構成する材料の硬度を含む。平均硬さの計算は、コーティング、積層板、金型キャビティと一体であるなしに関係のないゲート又はランナー、及び支持板を構成する材料を対象としない。一般的に、平均硬度は、金型冷却領域における材料の加重容積硬度を指す。
用語「金型冷却領域」は、金型キャビティ表面と有効冷却表面との間に存在する材料の容積として定義される。
用語「サイクル時間」又は「射出成形サイクル」は、射出成形部品を完全に成形するために要求される一回のみの射出成形プロセスとして定義される。サイクル時間又は射出成形サイクルは、溶融熱可塑性材料を金型キャビティ内に進める工程と、金型キャビティを熱可塑性材料で実質的に充填する工程と、熱可塑性材料を冷却する工程と、第1の金型側方部と第2の金型側方部を分離して冷却された熱可塑性材料を露出する工程と、熱可塑性材料を除去する工程と、第1金型側方部及び第2の金型側方部を閉じる工程とを含む。
本明細書で使用するとき、用語「射出成形運転」は、一般的な射出成形機で実行される一連の連続的な射出成形サイクルを含む。
本明細書で使用するとき、用語「流動性」は、射出成形システムを通る溶融プラスチック材料の流動抵抗を含み、かつ溶融プラスチック材料の相対粘度への全ての影響を占め、これには溶融プラスチック材料の組成物、温度、剪断、金型設計、及び部品設計が挙げられるが、これらに限定されない。
低一定圧射出成形機は、本明細書に参考として組み込まれている、2012年8月31に出願された米国特許出願第13/601,514号で開示されている高生産射出成形機等の、歯ブラシバンドル及び剃刀ハンドル等の薄肉消費生活用品の製造に使用され得る、高生産射出成形機(例えば、クラス101又はクラス30射出成形機、又は「超高生産性成形機」)等であってもよい。薄肉部品は、一般的に、100以上の高いL/T比を有するものとして定義される。
各図面を詳細に参照すると、図1は、一般的に射出システム12と、型締システム14を有する、例示的な低一定圧力射出成形装置10を示す。熱可塑性材料は、熱可塑性ペレット16の形状で射出システム12に導入され得る。熱可塑性ペレット16は、ホッパ18に入れられてもよく、このホッパ18は、熱可塑性ペレット16を射出システム12の加熱バレル20に供給する。熱可塑性ペレット16は、加熱バレル20に供給された後、往復スクリュー22によって加熱バレル20の末端部まで押されてもよい。加熱バレル20の加熱及び往復スクリュー22による熱可塑性ペレット16の圧縮は熱可塑性ペレット16を溶融させ、溶融熱可塑性材料24を形成する。溶融熱可塑性材料は、典型的には、約130℃〜約410℃の温度で処理される。
往復スクリュー22は、溶融熱可塑性材料24を熱可塑性材料のショットを形成するノズル26に向かって押し進め、溶融熱可塑性材料24は、溶融熱可塑性材料24の流れを金型キャビティ32に導く1つ以上のゲート30、好ましくは3個以下のゲートを介して金型28の金型キャビティ32内に射出される。他の実施形状では、ノズル26は、供給システム(図示せず)によって1つ以上のゲート30から分離されてもよい。金型キャビティ32は、金型28の第1の金型側方部25と第2の金型側方部27との間に形成され、これら第1及び第2の金型側方部25、27は、圧力下でプレス又は型締ユニット34によって一体に保持される。プレス又は型締ユニット34は、成形プロセスの間、2つの金型半体25、27を分離させるように作用する、射出圧力によってもたらされる力よりも大きい型締力を印加し、それによって、溶融熱可塑性材料24が金型キャビティ32の中に射出されている間、第1の金型側方部25と第2の金型側方部27とを一体に保持する。こうした型締力を支持するために、型締システム14は、金型枠と金型ベースとを含み得る。
溶融熱可塑性材料24のショットが金型キャビティ32内に射出されると、往復スクリュー22は前方への移動を停止する。溶融熱可塑性材料24は、金型キャビティ32の形状を取り、溶融熱可塑性材料24は、熱可塑性材料24が固化するまで金型28の内部で冷却する。熱可塑性材料24が固化したら、プレス34は第1及び第2の金型側方部25、27を開放し、第1の金型側方部25と第2の金型側方部27とは互いに分離され、完成部品が金型28から取り出される。金型28は、全体的な生産率を高めるために、複数の金型キャビティ32を備えていてもよい。複数の金型キャビティのキャビティ形状は、互いに同一であっても、類似であっても、又は異なっていてもよい。(後者は、一群の金型キャビティと考えられてもよい)。
コントローラ50は、ノズル26の近傍に位置したノズルセンサ52、金型キャビティ32の中又は金型キャビティ32に隣接して位置した流頭センサ53、及びスクリュー制御部36と通信可能に接続される。コントローラ50は、マイクロプロセッサ、メモリ、及び1つ又は2つ以上の通信リンクを含んでもよい。流頭センサ53は、金型キャビティ32内へ流れ込む溶融熱可逆性材料の前縁又は流頭の位置の表示を提供してもよい。図1において、流頭センサ53が金型キャビティ32の末端部の近く(例えば、溶融プラスチック材料で最後に充填する金型キャビティ内に近い位置)に図示される一方、流頭センサ53は、ゲートと、溶融プラスチック材料で最後に充填する金型キャビティ32内の位置との間の金型キャビティ32のあらゆる場所に位置してもよい。流頭センサ53が金型キャビティ32の末端部の近くに位置していない場合、いつ溶融プラスチック材料の流頭が金型キャビティ32の末端部に到達することになるか概算するために時間補正係数が適用されてもよい。流頭センサ53を、金型キャビティ32の末端部の30%以内、好ましくは金型キャビティ32の末端部の20%以内、及びより好ましくは金型キャビティの末端部の10%以内に位置することが望ましい。ノズルセンサ52及び流頭センサ53は、光学的に、含気的に、機械的に、又はあるいは熱可逆性材料の流頭の到着による圧力及び/又は温度変化を感知することによって、熱可逆性材料の存在を感知してもよい。熱可塑性材料の圧力又は温度がノズルセンサ52によって測定される場合、充填が完了したときに金型キャビティ32の中(又はノズル26の中)で維持するための目標圧力を制御装置50に提供するために、このノズルセンサ52は、圧力又は温度を示す信号を制御装置50に送信してもよい。この信号は、一般に、材料の粘度、金型温度、溶融温度の変動、及び充填速度に影響を与える他の変動が、制御装置50によって調節されるように、成形プロセスを制御するために使用され得る。こうした調節は成形サイクルの最中に行われてもよく、又は修正は後続サイクルで行われ得る。更に、いくつかの信号を多くのサイクルにわたって平均化した後、制御装置50が成形プロセスに調節を加えるためにこれら信号を使用してもよい。制御装置50は、それぞれ有線接続54、55、56を介して、ノズルセンサ52、及び/又は流頭センサ53、並びにスクリュー制御部36に接続され得る。別の実施形状では、制御装置50は、無線接続、機械的接続、流体圧接続、空気圧接続、又は、制御装置50がセンサ52、53及びスクリュー制御部36の両方と通信するのを可能にする当業者に周知の他の種類の通信接続を介して、ノズルセンサ52、流頭センサ53及びスクリュー制御部56に接続されてもよい。
図1の実施形状では、ノズルセンサ52は、ノズル26付近の溶融熱可塑性材料24の溶融圧力を(直接又は間接的に)測定する圧力センサである。ノズルセンサ52は、コントローラ50に送信される電気信号を発生する。次いでコントローラ50は、スクリュー制御部36に対して、ノズル26中の溶融熱可塑性材料24の望ましい溶融圧力を維持する速度で、スクリュー22を前進させるように指示する。このプロセスは、圧力制御されたプロセスとして知られる。ノズルセンサ52が溶融圧力を直接測定することができる一方、ノズルセンサ52は、溶融圧力の指標である温度、粘度、流量等の溶融熱可逆性材料24の他の特性を測定することによって溶融圧力を間接的に測定することもできる。同様に、ノズルセンサ52は、ノズル26内に直接的に配置される必要はなく、むしろノズルセンサ52は、ノズル26と流動的に接続される射出システム12又は金型28内の任意の場所に配置されてもよい。ノズルセンサ52がノズル26内部に位置決めされない場合、ノズル26内の溶融圧力の推定値を計算するために、測定された特性に適切な補正係数が適用されてもよい。ノズルセンサ52は、注入された流体と必ずしも直接接触する必要はなく、別の方法で流体と動的連通して、流体の圧力及び/又は他の流体特性を感知することができてもよい。ノズルセンサ52がノズル26内に配置されない場合は、適切な補正因子を測定された特性に適用して、ノズル26内の溶融圧力を算定してもよい。更に他の実施形状では、ノズルセンサ52は、必ずしもノズルと流動的に接続される場所に配設されなくともよい。むしろ、ノズルセンサ52は、第1の成形部品25と第2の成形部品27との間の金型分割線において型締システム14が生じさせた型締力を測定することができる。一態様では、コントローラ50は、ノズルセンサ52からの入力にしたがって、圧力を維持してもよい。あるいは、センサは、電動プレスによる電力需要を測定することができ、これは、ノズル26内の圧力の推定値を計算するために用いられ得る。
稼働中の閉ループコントローラ50が図1に示されているが、他の圧力調整装置が閉ループコントローラ50の代わりに使用されてもよい。例えば、圧力調整弁(図示せず)又は圧力逃がし弁(図示せず)が、溶融熱可塑性材料24の溶融圧を調整するよう、コントローラ50に置き換わってもよい。より具体的には、圧力調整弁及び圧力逃がし弁は、金型28の過加圧を防止することができる。金型28の過加圧を防止するための別の代替機構は、過加圧状態が検出されると作動する警報である。
図2を参照すると、例としての成形部品100が示される。成形部品100は薄壁部品である。成形部品は、一般的に、流路の厚さTで割られた流路の長さLが100(すなわち、L/T>100)超であり、かつ1,000未満の時に薄肉であると見なされる。より複雑な形状を有する金型キャビティでは、L/T比は、ゲート30から金型キャビティ32の末端部までの金型キャビティ32の長さにわたる寸法Tを積算し、ゲート30から金型キャビティ32の末端部までの流れの最長を決定することにより計算することができる。次いで、L/T比は、フローの最長長さを平均部品厚さで割ることによって求められ得る。金型キャビティ32が複数のゲート30を有する場合には、L/T比は、L及びTを個々のゲートによって満たされた金型キャビティ32の部分に関して積分することによって求められ、所定の金型キャビティに関する全体のL/T比は、いずれかのゲートに関して算定される最高のL/T比である。一部の射出成形業界では、薄肉部品は、L/T>100を有するか、又はL/T>200を有するが、<1,000である部品として定義され得る。流路長Lは、ゲート30から金型キャビティの末端部104まで測定した最も長い流動長である。薄肉部品は、消費者製品業界に特に普及している。
高L/T比部品は、約10mm未満の平均厚さを有する成形部品で一般的に見られる。消費者製品において、高L/T比を有する製品は一般的に、約5mm未満の平均厚さを有する。例えば、高L/T比を有する自動車用バンパーパネルは、一般に、10mm以下の平均厚さを有し、高L/T比を有する背の高い飲用グラスは、一般に、約5mm以下の平均厚さを有し、高L/T比を有する容器(タブ又はバイアル等)は、一般に、約3mm以下の平均厚さを有し、高L/T比を有するボトル用キャップエンクロージャは、一般に、約2mm以下の平均厚さを有し、高L/T比を有する歯ブラシの個々の毛は、一般に、約1mm以下の平均厚さを有する。本明細書に開示されている低一定圧力射出成形プロセス及び装置は、厚さが5mm以下の部品に対して特に有利であり、開示されているプロセス及び装置は、より薄い部品に対してより有利である。
高L/T比の薄肉部品は、射出成形する上でのある種の障害を提示する。例えば、流路の薄さは、材料が流路末端部104に達する前に溶融熱可塑性材料を冷却する傾向がある。冷却が起こると、熱可塑性材料は凍結し、それ以上流れなくなり、部品は不完全となる。この問題を克服するため、従来型射出成形機は、典型的には103MPa(15,000psi)を超える非常に高い圧力で溶融熱可塑性材料を射出し、それにより、溶融熱可塑性材料は、冷却及び凝固する機会を有する前に金型キャビティを急速に充填する。このことは、熱可塑性材料の製造業者が非常に高い圧力で射出するように指導する理由の1つである。従来型射出成形機が高圧で射出する別の理由は、上述のように、流動特性を向上させる剪断力の増加である。こうした非常に高い射出圧力では、とりわけ金型28及び供給システムを形成するために、非常に硬い材料を使用する必要がある。更に、薄肉部品は、材料が凝固する前に充填される必要があるリビングヒンジ、フィラメント、クロージャ、ディスペンサー、スパウト、ベローズ、アクチュエータ等の1つ又は2つ以上の特殊機構105を有する。
(射出成形サイクル中に)実質的に一定圧力で充填する場合には、従来の充填方法と比べて充填速度を低減する必要があると一般に考えられていた。このことは、金型を完全に充填する前に、ポリマーがより長い時間にわたって冷えた成形面と接触する状態にあることを意味する。したがって、より多くの熱が充填前に除去される必要があり、このことは、金型が充填される前に材料の凝固をもたらすことが予想される。熱可塑性材料は、射出成形サイクル中に実質的に一定圧力条件に曝されると、たとえ金型キャビティの一部が熱可塑性材料の非流動温度未満であっても流れることが、予期せずして発見された。かかる条件は、熱可塑性材料が流れ続けて金型キャビティの全てを充填するよりはむしろ、熱可塑性材料が凝固し、金型キャビティを塞ぐことを引き起こすと、当業者には一般的に予想されるであろう。理論に束縛されるものではないが、開示の方法及び装置の実施形状の、射出成形サイクル中の、実質的に一定圧力条件は、充填中に金型キャビティ全体を通る動的流れ条件(すなわち、常に動いている溶融前部)を可能にすると考えられる。溶融熱可塑性材料が金型キャビティを充填するよう流れる際に、その流れにヘジテーションは存在せず、したがって、金型キャビティの少なくとも一部が熱可塑性材料の非流動温度よりも低いにも関わらず、流れを凝着させるための機会は与えられない。
更には、動的流動条件の結果として、剪断発熱の結果として、金型キャビティ内のかかる温度に曝されるにもかかわらず、溶融熱可塑性材料は、非流動温度よりも高い温度で維持されることができると考えられる。この動的流動条件は、熱可塑性材料が凝着プロセスを開始すると同時に、熱可塑性材料中の結晶構造の形成を妨害することも更に考えられる。結晶構造形成は、熱可塑性材料の粘度を増加させて、キャビティを充填するための好適な流れを防止する可能性がある。結晶構造形成及び/又は結晶構造サイズにおける低減は、熱可塑性材料がキャビティ内に流入すると同時に熱可塑性材料の粘度を低下させることができ、材料の非流動温度よりも低い金型の低い温度に曝される。
開示される低一定圧力射出成形法及びシステムは、材料粘度の変化、材料温度の変化、及び他の材料特性の変化を監視するために、金型キャビティ内又は金型キャビティの近傍に位置するセンサ(上記図1の流頭センサ53等)を使用してもよい。溶融前部が金型キャビティの末端部に達する前に溶融前部の圧力が解放されるのを確実にするように(これは金型のフラッシング、及び別の圧力及び電力ピークを引き起こし得る)、制御装置がプロセスをリアルタイムで修正できるように、このセンサからの測定値は制御装置に伝達され得る。更に、制御装置は、プロセスにおけるピーク電力点及びピーク流量点を調節し、それにより一貫した加工条件を得るために、センサ測定値を用いてもよい。センサ測定値を用いてプロセスをリアルタイムで、進行中の射出サイクルの間に微調整するのに加えて、制御装置はまた、プロセスを経時的に(例えば、複数の射出サイクルにわたって)調節するためにセンサ測定値を用いてもよい。このようにして、進行中の射出サイクルを、1つ又は2つ以上のサイクルの間に生じる測定値に基づいて、できるだけ早期に修正することができる。一実施形状では、センサ読取り値は、プロセス一貫性を達成するよう、多くのサイクルにわたって平均化され得る。
様々な実施形状では、金型は、金型キャビティ全体を非流動温度よりも低い温度に維持する冷却系を含むことができる。例えば、溶融熱可塑性材料を含むショットに接触する金型キャビティの表面であっても、より低い温度を維持するよう冷却され得る。任意の好適な冷却温度が使用され得る。例えば、金型は、実質的に室温で維持され得る。かかる冷却系の組み込みは、このように形成された射出成形部品が冷却され、金型からの取り出し易い速度を有利に改良する。
熱可塑性材料:
様々な熱可塑性材料を、本開示の低一定圧力射出成形法及び装置で使用することができる。一実施形状では、溶融熱可塑性材料は、ASTM D1238に準拠し、温度約230℃、2.16kg荷重で測定した場合、約0.1g/10分〜約500g/10分のメルトフローインデックスで定義された粘度を有する。例えば、ポリプロピレンに対してメルトフローインデックスは、約0.5g/10分〜約200g/10分の範囲であり得る。他の適切なメルトフローインデックスには、約1g/10分〜約400g/10分、約10g/10分〜約300g/10分、約20〜約200g/10分、約30g/10分〜約100g/10分、約50g/10分〜約75g/10分、約0.1g/10分〜約1g/10分、又は約1g/10分〜約25g/10分が挙げられる。材料のMFIは、成形物品の用途及び使用に基づいて選択される。例えば、0.1g/10分〜約5g/10分のMFIを備える熱可塑性材料は、射出延伸吹込み成形(ISBM)用途のためのプリフォームとしての使用に好適であり得る。5g/10分〜約50g/10分のMFIを備える熱可塑性材料は、パッキング物品のキャップ及びクロージャとしての使用に好適であり得る。50g/10分〜約150g/10分のMFIを備える熱可塑性材料は、バケツ又はたらいの製造における使用に好適であり得る。150g/10分〜約500g/10分のMFIを備える熱可塑性材料は、薄板等の極めて高いL/T比を有する成形物品に好適であり得る。かかる熱可塑性材料の製造業者は、一般的には、この材料が41MPa(6000psi)を超過する、多くの場合は41MPa(6000psi)を大きく超過する溶融圧を使用して射出成型されるべきであることを教示する。かかる熱可塑性材料の射出成形に関する従来の指導に反して、本開示の低一定圧力射出成形法及び装置の実施形状は、かかる熱可塑性材料を使用し、41MPa(6000psi)を下回る、また場合によっては、41MPa(6000psi)をはるかに下回る溶融圧力で加工して、良質の射出成形部品を形成することを有利に可能にする。
熱可塑性材料は、例えばポリオレフィンであることができる。例示的ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、及びポリブテン−1が挙げられるが、これらに限定されない。前述のポリオレフィンのいずれも、バイオ−ポリプロピレン又はバイオ−ポリエチレンを生成するために、サトウキビ又は他の農産物等のバイオベースの原料から供給され得る。ポリオレフィンは、これが溶融状態にある場合、剪断減粘であることを有利に立証する。剪断減粘は、流体が圧縮ストレス下に置かれた場合の粘度における減少である。剪断減粘は、熱可塑性材料の流れを射出成形プロセスの全体にわたって有利に維持させることができる。理論に束縛されるものではないが、熱可塑性材料、特にポリオレフィンの剪断減粘性特性により、材料が一定圧力で加工される場合に、材料の粘度があまり変動しなくなると考えられる。その結果、本開示の方法及び装置の実施形状は、例えば、着色剤及び他の添加剤、並びに加工条件がもたらす熱可塑性材料の変動に対する感受性が低くなり得る。この特性のバッチ間での変動に対する感受性の低下により、熱可塑性材料は、業界より回収した及び消費者より回収した再生プラスチックを、本開示の方法及び装置の実施形状を用いて有利に加工することが可能となる。業界より回収した、消費者より回収した再生プラスチックは、消費財としてそれらのライフサイクルを完了した最終産物並びに固体老廃物として別の方法で廃棄された最終産物に由来するものである。かかる再生プラスチック、及び熱可塑性材料の配合物は、それらの材料特性の著しいバッチ間の変動を本質的に有する。
熱可塑性材料はまた、例えば、ポリエステルであることができる。例示的ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられるが、これに限定されない。PETポリマーは、部分的又は完全なバイオ−PETポリマーを製造するために、サトウキビ又は他の農産物等のバイオベースの原料から供給され得る。他の好適な熱可塑性材料としては、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマー、並びに熱可塑性エラストマーのポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ポリ(乳酸)、ポリ(エチレンフラネート)ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(エチレンフラノエート)(PET代替、又はPETに置き換えて使用されると考えられる)、ポリヒドロキシアルカノエート等のバイオベースのポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、エチレン−αオレフィンゴム、及びスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーが挙げられる。熱可塑性材料はまた、複数のポリマー材料及び非ポリマー材料の配合物であることができる。熱可塑性材料は、例えば、多モード又は二モードの配合物を産生する高中低の分子量のポリマーの配合物であることができる。多モード材料は、優れた流動特性を有するが満足すべき化学的/物理的特性を有する熱可塑性材料をもたらす方法で設計され得る。熱可塑性材料はまた、1つ又は2つ以上の小分子添加剤とポリマーの配合物であることができる。この小分子は、例えば、熱可塑性材料に添加される場合、ポリマー材料の流動性を改善する、シロキサン又は他の潤滑分子であることができる。
他の添加剤としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、粘土(例えば、ナノクレイ)、水酸化アルミニウム、CaSiO3、繊維又はミクロスフィアに形成されたガラス、結晶性シリカ(例えば、石英、石英粉末、クリスタロバイト)、水酸化マグネシウム、雲母、硫酸ナトリウム、リトポン、炭酸マグネシウム、酸化鉄等の無機充填剤;若しくはもみ殻、藁、麻すさ、木粉、又は木材、竹若しくはサトウキビ繊維等の有機充填剤を挙げることができる。
他の好適な熱可塑性材料としては、ポリヒドロキシアルカノエート(例えば、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレラート、NODAX(登録商標))、及び細菌セルロース等の生物体から直接的に製造されたポリマーの非限定的例等の再生可能ポリマー;多糖類及びこれらの誘導体(例えば、ガム、セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサン、デンプン、化学修飾したデンプン、セルロースアセテートの粒子)、タンパク質(例えば、ゼイン、乳清、グルテン、コラーゲン)、脂質、リグニン、及び天然ゴム等の植物、農林産物、及びバイオマスから抽出されたポリマー;デンプン又は化学修飾されたデンプンから製造された熱可塑性デンプン並びにバイオ−ポリエチレン、バイオ−ポリプロピレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン11、アルキド樹脂、コハク酸系ポリエステル、及びバイオ−ポリエチレンテレフタレート等の天然に供給されるモノマー由来の最近のポリマー及び誘導体が挙げられる。
好適な熱可塑性材料は、前述した例におけるような異なる熱可塑性材料の配合物又は複数の配合物を含んでもよい。同様に、異なる材料が、未使用のバイオ由来の材料又は石油由来の材料から誘導された材料との混合であってもよく、バイオ由来材料又は石油由来材料の再生された材料であってもよい。配合物中の熱可塑性材料の1つ又は2つ以上は、生分解性であってもよい。更に、非配合物熱可塑性材料については、この材料は生分解性であってもよい。
代表的な熱可塑性樹脂をそれらの推奨作動圧力範囲と共に以下の表に示す。
Figure 0006334699
実施形状の2つ以上は、溶融熱可塑性材料を含むショットの溶融圧力を射出成形サイクル中に実質的に一定圧力に維持しつつ、溶融熱可塑性材料を含むショットで金型キャビティのほぼ全体を充填することを含むが、特定の熱可塑性材料は、異なる一定圧力において本発明の恩恵を受ける。詳細には、PP、ナイロン、PC、PS、SAN、PE、TPE、PVDF、PTI、PBT、及びPLAは、69MPa(10000psi)未満の実質的に一定の圧力;ABSは、55MPa(8000psi)未満の実質的に一定の圧力;PETは、40MPa(5800psi)未満の実質的に一定の圧力;アセタールコポリマーは、48MPa(7000psi)未満の実質的に一定の圧力;ポリ(エチレンフラネート)ポリヒドロキシアルカノエート、ポリエチレンフラノエート(aka PEF)は、69MPa、若しくは55MPa、又は48MPa、あるいは41MPa、又は40MPa未満(10000psi、若しくは8000psi、又は7000psi、あるいは6000psi、又は5800psi未満)の実質的に一定の圧力。
上記で詳細に説明したように、開示されている低一定圧力射出成形法及び装置の実施形状は、従来の射出成形プロセスを凌ぐ1つ又は2つ以上の有利性を実現し得る。例えば、実施形状は、金型キャビティの射出前の圧力と熱可塑性材料とのバランスをとる必要性を排除した、より費用効率が高く有効なプロセス、金型キャビティ圧力で大気圧を用いるのを可能とし、したがって、加圧手段の必要性を排除した単純な金型構造を可能とするプロセス、より費用効率が高くかつ機械加工しやすい、より低硬度で高熱伝導性の金型キャビティ材料を使用する能力、熱可塑性材料の温度、粘度、及び他の材料特性の変動に対する感受性が低い、よりロバストな加工方法、並びに、金型キャビティ内の熱可塑性材料の早期硬化がなく、かつ金型キャビティを加熱して一定温度に維持する必要なく、実質的に一定圧力で良質の射出成形部品を製造する能力、を含む。
ここで図3を参照すると、従来の圧力変動の大きい射出成形プロセスの典型的な圧力−時間曲線が点線200で示されている。対照的に、開示された低一定圧力射出成形機に対する圧力−時間曲線が、実線210によって示される。
従来の場合、溶融圧力は、103MPa(15,000psi)をはるかに上回るまで急速に増加し、次いで、第1の期間220にわたって、103MPa(15,000psi)を上回る比較的高い圧力で保持される。第1の時間220は、溶融プラスチック材料が金型キャビティに流れ込む充填時間である。その後、溶融圧力は低下し、第2の期間230にわたって、低くはなったが依然として比較的高い圧力(典型的には69MPa(10,000psi)以上)に保たれる。第2の時間230は、金型キャビティ内の全ての間隙が埋戻されるのを確実にするように溶融圧力が維持される填塞時間である。填塞が完了した後、圧力は、必要に応じて、冷却時間である第3の期間232の間に再度低下してもよい。従来の圧力変動の大きい射出成形システムの金型キャビティは、流路の末端部からゲートに向かって填塞された。金型の中の材料は、典型的には、キャビティの末端部近くで凝固し、その後材料の完全に凝固した領域は、ゲートの位置又は複数の位置に向かって次第に移動する。結果として、金型キャビティの末端部に近いプラスチックは、ゲートの位置又は複数の位置に近いプラスチック材料よりも短い期間及び低い圧力で填塞される。ゲートと金型キャビティの末端部との間の非常に薄い断面積といった部品形状もまた、金型キャビティの領域内の填塞圧力レベルに影響を与え得る。一貫性のない填塞圧力は、上述のように、最終製品の不整合をもたらし得る。更に、固化の様々な段階におけるプラスチックの従来の填塞は、いくつかの非理想的材料特性、例えば、成形応力、ヒケ、及び最適でない光学特性をもたらす。
一方、低一定圧力射出成形システムは、充填期間240の間、実質的に一定の圧力で金型キャビティの中に溶融プラスチック材料を射出する。図3の実施例の射出圧力は、41MPa(6,000psi)未満である。しかし、他の実施形状は、より高い圧力を使用し得る。金型キャビティが充填された後、低一定圧力射出成形システムは、成形部品が冷却される第2の期間242にわたって徐々に圧力を低減する。射出成形サイクル中に実質的に一定の圧力を用いることによって、溶融熱可塑性材料は、流路を通ってゲートから流路の末端部に向かって進む連続的な溶融物の流頭を維持する。換言すると、溶融熱可塑性材料は金型キャビティを通って移動し続け、早期凝固を防止する。したがって、プラスチック材料は、流路に沿ったあらゆる場所で比較的均一に維持され、より均一で一貫した最終製品が得られる。金型を比較的均一な圧力で充填することによって、最終成形部品は、従来の成形部品よりも良好な機械的及び光学的特性を有し得る結晶構造を形成する。更に、一定圧力で成形された部品は、従来の成形部品のスキン層と異なる特性を呈する。結果的に、一定圧力で成形された部品は、従来の成形部品の部品よりも良好な光学特性を有し得る。
ここで図4を参照すると、充填の様々な段階が、全充填時間の百分率として分割されている。例えば、従来の圧力変動の大きい射出成形プロセスでは、充填期間220は全充填時間の約10%を占め、填塞期間230は全充填時間の約50%を占める一方、冷却期間232は全充填時間の約40%を占める。一方、低一定圧力射出成形プロセスでは、充填期間240は全充填時間の約90%を占め、冷却期間242は全充填時間の約10%のみを占める。低一定圧力射出成形プロセスでは、溶融プラスチック材料は金型キャビティに流れ込むときに冷えるので、冷却時間が短くて済む。このようにして、金型キャビティが充填されるまでには、溶融プラスチック材料はかなり冷却されており(金型キャビティの断面中心が固化するのに十分ではないが)、凝固過程を完了するために除去しなければならない全熱量は少なくて済む。更に、溶融プラスチック材料は充填を通じて液体のままであり、填塞圧力はこの溶融断面中心を通して伝えられるので、溶融プラスチック材料は金型キャビティの壁と接触し続ける(凝固して縮まるのとは反対に)。結果として、本明細書に記載される低一定圧力射出成形プロセスは、従来の射出成形プロセスより短い合計時間で、成形部品を充填及び冷却することができる。
高L/T部品を成形するための開示された低一定圧力射出成形法及び装置では、部品は、所望の射出圧力を実現するために溶融熱可塑性ポリマーを増加する流量で金型キャビティの中に射出した後、実質的に一定の射出圧力を維持するために流量を時間と共に減少させることによって成形される。低一定圧力射出成形方法と装置は、特に、薄肉部品(例えば、L/T比>100<1000を有する部品)を成形する時と、0.1g〜100gの射出能力を用いる時に有利である。最大流量が、キャビティ充填の最初の30%以内、好ましくはキャビティ充填の最初の20%以内、更により好ましくはキャビティ充填の最初の10%以内に生じるのが、特に有利である。充填圧力プロファイルを調節することにより、キャビティ充填のこれら好ましい範囲内に最大流量が生じ、また、成形部品の結晶構造が従来の成形部品と異なるので、成形部品は、上記した物理的な利点(例えば、より良好な強度、より良好な光学特性等)の少なくともいくつかを有することになる。更に、高L/T製品はより薄いので、得られた製品に所望の色を付与するためにこれら製品が必要とする顔料は少なくて済む。更に、顔料を使用しない部品では、成形条件がより一貫しているので、部品の目に見える変形が少ない。顔料が少ない又は顔料を使用しないことでコストが削減される。
あるいは、ピーク電力は、実質的に一定の射出圧力を維持するように調節されてもよい。より具体的には、充填圧力プロファイルは、ピーク電力が、キャビティ充填の最初の30%以内、好ましくはキャビティ充填の最初の20%以内、更により好ましくはキャビティ充填の最初の10%以内に生じるように調節されてもよい。ピーク電力をこの好ましい範囲内に生じさせた後、キャビティ充填の残りを通して低下した電力を有するようにプロセスを調節することにより、ピーク流量の調節に関して上述した成形部品と同じ利益がもたらされる。更に、上記の様にしてプロセスを調節することは、特に、薄肉部品(例えば、L/T比>100<1000)及び0.1g〜100gの射出能力の場合に有利である。
ここで図5A〜図5D及び図6A〜図6Dを参照すると、従来の射出成形機(図5A〜5D)によって充填されている金型キャビティの一部と、実質的に一定の圧力の射出成形機(図6A〜図6D)によって充填されている金型キャビティの一部が示されている。
図5A〜図5Dに示されるように、従来の射出成形機が、ゲート30を通して金型キャビティ32の中に溶融熱可塑性材料24を射出し始めると、高い射出圧力は、溶融熱可塑性材料24を高速で金型キャビティ32の中に射出する傾向があり、それにより溶融熱可塑性材料24は積層物31の状態(最も一般的に、層流と呼ばれる)で流れる(図5A)。これら最も外側の積層物31は金型キャビティの壁に付着し、その後冷却及び凝固し、金型キャビティ32が完全に充填になる前に、凝固した境界層33を形成する(図5B)。しかしながら、熱可塑性材料が凝固すると、凝固した熱可塑性材料は、金型キャビティ32の壁から離れる方向に縮み、金型キャビティ壁と境界層33との間に間隙35が残される。この間隙35は、金型の冷却効率を低下させる。溶融熱可塑性材料24はまた、ゲート30付近で冷却及び凝固し始め、ゲート30の有効断面積を減少させる。一定の体積流量を維持するため、従来の射出成形機は、狭いゲート30に溶融熱可塑性材料を押し通すために圧力を増大さなければならない。熱可塑性材料24が金型キャビティ32の中に流入しつづけると、境界層33は厚くなってゆく(図5C)。最終的に、金型キャビティ32全体は、凝固した熱可塑性材料でほぼジュ充填される(図5D)。この時点で、従来の高圧射出成形機は、後退した境界層33を金型キャビティ32の壁に押し付け返して更に冷却するために、填塞圧力を維持しなければならない。
一方、低一定圧力射出成形機は、常に動いている流頭37を用いて、溶融熱可塑性材料を金型キャビティ32に流し込む(図6A〜図6D)。流頭37の後方の熱可塑性材料24は、凝固する前に金型キャビティ37がほぼ充填されるまで(すなわち、99%以上充填されるまで)溶融状態を維持する。その結果、ゲート30の有効断面積の減少はなく、有効断面積は、成形部品の公称肉厚の70%〜100%、好ましくは、80%〜90%であり得る。更に、流頭37の後方の熱可塑性材料24は溶融状態にあるので、熱可塑性材料24は金型キャビティ32の壁と接触し続ける。その結果、熱可塑性材料24は、成形プロセスの充填部分の間に冷却される(凝固せずに)。このようにして、開示されている低一定圧力射出成型プロセスの冷却部分は、従来のプロセスほど長い必要がない。
熱可塑性材料は溶融したままであり、金型キャビティ32の中に移動し続けるので、必要となる射出圧力は従来の金型よりも少なくて済む。一実施形状では、射出圧力は41MPa(6,000psi)以下であってもよい。結果的に、射出システム及び型締システムは、それほど強力である必要はない。例えば、開示の低一定圧力射出成形装置は、低型締力及び対応する低型締用電源を必要とする型締具を使用してもよい。更に、開示されている低一定圧力射出成形機は、所要電力が小さいので、一般的には、高い圧力変動で薄肉部品を成形する従来のクラス101及び102射出成形機で使用するほどに強力でない電動プレスを採用してもよい。電動プレスが、ごく少数の金型キャビティを有する一部の単純な金型で使用するのに十分である場合でさえも、より小さく、より安価な電動モータを使用することができるので、開示されている低一定圧力射出成形法及び装置を使用してプロセスを改善し得る。開示の低一定圧力射出成形機は、電力定格が200HP以下である、次のタイプの電動プレス、直流サーボ駆動モータプレス、デュアルモータベルト駆動式プレス、デュアルモータ遊星歯車式プレス、及びデュアルモータボール駆動式プレスの1つ又は2つ以上を含んでもよい。
ここで図7を参照すると、低一定圧力射出成型プロセスの例示的成形サイクル1000の動作が示されている。成形サイクル1000は、本開示にしたがって製作された低一定圧力射出成形機、例えば、図1の低一定圧力射出成形機上で実行し得る。より具体的には、例示の成形サイクル1000は、第1の金型側方部及び第2の金型側方部を備える金型とともに、第1の金型側方部と第2の金型側方部との間に形成された金型キャビティを有する低一定圧力射出成形機上であって、第1の金型側方部及び第2の金型側方部のうちの少なくとも1つが、51.9W/m−℃(30 BTU/HR FT°F)を超え、385.79W/m−℃(223 NBTU/HR FT°F)以下である平均熱伝導率を有する、低一定圧力射出成形機上で実行し得る。いくつかの好適な実施形状において、第1の金型側方部及び第2の金型側方部の両方は、51.9W/m−℃(30 BTU/HR FT°F)を超え、385.79W/m−℃(223 NBTU/HR FT°F)以下である平均熱伝導率を有し得る。
第1の金型側方部及び/又は第2の金型側方部を製造するためのいくつかの好適な材料としては、アルミニウム(例えば、2024アルミニウム、2090アルミニウム、2124アルミニウム、2195アルミニウム、2219アルミニウム、2324アルミニウム、2618アルミニウム、5052アルミニウム、5059アルミニウム、航空機級アルミニウム、6000シリーズアルミニウム、6013アルミニウム、6056アルミニウム、6061アルミニウム、6063アルミニウム、7000シリーズアルミニウム、7050アルミニウム、7055アルミニウム、7068アルミニウム、7075アルミニウム、7076アルミニウム、7150アルミニウム、7475アルミニウム、QC−10、Alumold(商標)、Hokotol(商標)、Duramold 2(商標)、Duramold 5(商標)、Alumec 99(商標))、BeCu(例えば、C17200、C18000、C61900、C62500、C64700、C82500、Moldmax LH(商標)、Moldmax HH(商標)、Protherm(商標))、銅、及び任意のアルミニウム合金(例えば、ベリリウム、ビスマス、クロム、銅、ガリウム、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、ケイ素、チタン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム)、任意の銅の合金(例えば、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、ケイ素、クロム、アルミニウム、青銅)が挙げられる。これらの材料は、ロックウェルC(Rc)硬さ0.5Rc〜20Rc、好ましくは2Rc〜20Rc、より好ましくは3Rc〜15Rc、更により好ましくは4Rc〜10Rcを有し得る。これらの材料は、工具鋼より軟らかい場合があるが、熱伝導特性はより好ましい。開示されている低一定圧力射出成形法及び装置は、金型が、これらの熱伝導性が高く軟らかい材料で作製され、100万サイクル、好ましくは125万サイクル〜1,000万サイクル、更に好ましくは200万サイクル〜500万サイクルの耐用年数を引き出すことを可能にする成形条件下で作動する点において有利である。
最初に、溶融熱可塑性材料は、1110で薄肉部品(例えば、100<L/T<1000)を定義する金型キャビティの中に送り込まれる。溶融熱可塑性材料のショットは0.5g〜100gであってよく、3つ以下のゲートを通って金型キャビティに送り込まれ得る。いくつかの場合、3つ以下のゲートのうちの1つ又は2つ以上は、金型キャビティ内に形成される部品の公称肉厚の70%〜100%、及び好ましくは公称肉厚の80%〜90%である断面積を有し得る。いくつかの実施例において、このパーセンテージは、0.5mm〜10mmのゲートサイズに相当する。
溶融熱可塑性材料は、1112において金型キャビティが実質的に充填されるまで金型キャビティ内に送り込まれる。金型キャビティは、金型キャビティが90%を超えて充填された時、好ましくは95%を超えて充填された時、より好ましくは99%を超えて充填された時に、実質的に充填され得る。金型キャビティが実質的に充填された後、溶融熱可塑性材料は、溶融可塑性材料が実質的に凝固又は固化されるまで1114で冷却される。溶融熱可塑性材料は、第1の金型側方部及び第2の金型側方部のうちの少なくとも1つを通って流れる冷却流体で能動的に冷却されるか、又は大気中への対流及び伝導により受動的に冷却され得る。
熱可塑性材料が冷却された後、1116で冷却された熱可塑性材料を露出するために第1の金型側方部と第2の金型側方部が分離され得る。(成形部品の形の)冷却された熱可塑性材料は1118で金型から取外され得る。熱可塑性材料は、例えば、排出、ダンピング、(手動又は自動プロセスを介した)抜出,引っ張り、押し、重力、又は冷却した熱可塑性材料を第1の金型側方部及び第2の金型側方部から分離する任意の他の方法によって取り外され得る。
冷却された熱可塑性材料が第1の金型側方部及び第2の金型側方部から取り外された後、1120で、第1の金型側方部及び第2の金型側方部が閉じられて金型キャビティを再形成し、第1の金型側方部及び第2の金型側方部が新しい熱可塑性材料のショットを受け入れられるように準備をして、単一の成形サイクルが完了する。サイクル時間1001は、一回のみの成形サイクル1000として定義される。単一の成形サイクルは、部品のサイズ及び材料によって、2秒〜15秒、好ましくは8秒〜10秒かかり得る。
全ての射出成形プロセスは、溶融プラスチック材料の粘度の変動に影響されやすい。溶融プラスチック材料の粘度の変動は、不十分な材料(ショット不良)等の成形部品、及びフラッシングの欠陥を引き起こす場合がある。任意の数の要因が、溶融プラスチック材料の粘度の変化を引き起こす場合がある。例えば、周囲温度又は圧力の変化、着色剤の添加、溶融プラスチック材料で充填するための、送達システムと最後のキャビティ位置(あるいは「充填位置の末端部」として既知)との間の剪断条件の変化、バージンポリマー材料自体の粘度変動、及び他の条件の変化は、溶融プラスチック材料の粘度変化を引き起こす場合がある。溶融プラスチック材料の粘度が変化する、溶融プラスチックを金型に圧入するのに必要な圧力も変化することとなる。例えば、粘度が増加した場合、金型キャビティにポリマーを圧入するのに必要な圧力も増加することとなる。一方、粘度が減少する際、金型キャビティにポリマーを圧入するのに必要な圧力も減少することとなる。射出圧力を調節しない場合、成形部品は欠点を有することとなる。現在の射出成形機及び射出成形プロセスは、時系列の成形サイクルを有する。換言すると、成形サイクルは、他の要素の中でも時間によって制御される。結果として、溶融プラスチック材料に対する粘度の変化は、溶融プラスチック材料が、予定時間とは異なる時間で金型キャビティの末端部に到達する原因となるであろう。
ここで図8を参照すると、圧力対時間のグラフが、単一の射出成形サイクルに対して図示されている。射出成形サイクルの初期位相の間、圧力は、金型キャビティが充填されるのと同時に圧力が保持される、所定の目標値1210(例えば、充填圧)まで急激に上昇する。流頭センサ53(図1)によって示されるように、第1の時間tt(又はttransducer)1212で、溶融プラスチック材料が溶融キャビティ32の末端部に近づくとき、圧力は、金型キャビティ32内の材料が冷却される際、1214において、より低い圧力1216(例えば、梱包及び保持圧力)へわずかに低減される。充填シーケンスの開始から充填サイクルの終了までの合計サイクル時間である第2の時間ts(又はtstep)では、金型が金型部品内で開いている場合、金型キャビティ32から取り出される。
溶融プラスチック材料の粘度の変化は、溶融プラスチック材料が、tsで金型キャビティ32の末端部又は金型キャビティ32の充填位置の末端部に到達する時間に影響することがある。例えば、溶融プラスチック材料の粘度が増加した場合、溶融プラスチック材料は、破線1220aで図示するように、金型キャビティ32の充填位置の末端部に到達するまでより多くの時間がかかり得る。したがって、流頭センサ53は、所定の目標充填時間よりも遅い時間に溶融プラスチック材料を検出する場合がある。結果として、成形サイクルは、金型キャビティが溶融プラスチック材料で完全に充填される前に終了する場合がある。これは、業界では「ショット不良」として既知である。所定の目標充填時間は、溶融プラスチック材料に対する理想的な条件及び一定の粘度のために、試験的に算出又は求めてもよい。
一方、溶融プラスチック材料の粘度が減少した場合、溶融プラスチック材料は、破線1220bで示すように、金型キャビティ32の充填位置の末端部に到達するまでより短い時間がかかり得る。したがって、流頭センサ53は、所定の目標充填時間よりも早い時間ttに溶融プラスチック材料を検出する場合がある。この溶融プラスチック材料の早期到着は、溶融プラスチック材料が2つの金型半体の間のジョイントに圧入された場合、業界において「フラッシング」として既知である問題を引き起こす場合があり、これは成形部品が、余分なプラスチック材料の薄肉フラップを有する原因となる。
粘度の変化によって生じた問題を補うために、コントローラ50(図1)は、スクリュー制御部26(図1)が粘度の変化に基づいて射出圧力を増加又は減少させて、所定の目標充填時間又はそれに非常に近い時間に、金型キャビティ32の充填位置の末端部に溶融プラスチック材料が到達することを確実にする要因となることがあり得る。一般的に、射出圧力は、溶融プラスチック材料が所定の目標充填時間の+/−500ミリ秒以内、好ましくは所定の目標充填時間の+/−250ミリ秒以内、より好ましくは所定の目標充填時間の+/−100ミリ秒以内、更により好ましくは所定の目標充填時間の+/−10ミリ秒以内、更により好ましくは所定の目標充填時間の+/−1ミリ秒以内、及び更により好ましくは所定の目標充填時間の+/−0.1ミリ秒以内に到着することを確実にするために、増加又は減少される。
ここで図9を参照すると、修正された圧力対時間のグラフは、充填時間の増加又は減少する射出圧力の影響を図示する。例えば、溶融プラスチック材料の粘度が増加する場合、粘度の増加を補うために(後続充填サイクルの全てに対して所定の目標圧力曲線1221に比例して増加された)新しい目標圧力曲線1222aによって図示されるように、コントローラ50は、射出圧力を増加するためにスクリュー制御部26を指示する。一方、溶融プラスチック材料の粘度が減少する場合、粘度の減少を補うために(後続充填サイクルの全てに対して目標圧力曲線1221に比例して減少された)新しい目標圧力曲線1222bによって図示されるように、コントローラ50は、射出圧力を減少するためにスクリュー制御部26を指示する。あるいは、コントローラ50は、目標圧力曲線の部分のみを調整するためにスクリュー制御部26を指示してもよい。コントローラ50が、目標圧力曲線の部分のみを調整するためにスクリュー制御部26を指示する場合、調製された部分は、充填部分、梱包及び保持部分、又は充填部分並びに梱包及び保持部分の両方に位置してもよい。粘度が増加するにつれて射出圧力を増加することによって、又は粘度が減少するにつれて射出圧力を減少することによって、システムは、所定の目標充填時間に又はそれに非常に近い時間に金型キャビティ32の末端部に溶融プラスチック材料が到達することを確実にする。結果として、ショット不良及びフラッシング等の粘度の変化による問題は、減少又は排除された。
ここで図10を参照すると、粘度の変化を算出するためのプロセス1400の論理図が図示されている。溶融プラスチック材料の第1のショットは、第1の成形サイクル中に1410の第1の圧力で金型キャビティ32の中に射出される。第1の圧力は、射出成形機のノズル26内又はノズル26の上流の任意の位置で測定されてもよい。流頭センサ53は、いつ溶融プラスチック材料の流頭が1420で流頭センサ53を通過するかを示すコントローラ50に信号を送信し、かつコントローラ50は、金型キャビティ32を充填するための第1の時間を推定するために信号を送信してもよい。金型キャビティ32を充填するための第1の時間は、成形サイクル中にいかなる梱包及び保持時間も含まない。コントローラ50は、金型キャビティ32を充填するための第1の時間と、1430で金型キャビティ32を充填するための所定の目標時間とを比較する。コントローラ50はその後、金型キャビティ32を充填するための第1の時間と1440で金型キャビティ32を充填するための所定の目標時間との間の差を補うために必要とされる圧補正を算出する。後続成形サイクル中、コントローラ50は、往復スクリュー22を指示して第1の射出圧力とは異なる第2の射出圧力で成形プラスチック材料を射出し、かつその違いは、金型キャビティ32を充填するための第1の時間と金型キャビティ32を充填するための所定の目標時間との間の差に基づく。コントローラ50は、金型キャビティ32を充填するための時間と金型キャビティ32が充填された所定の目標時間との比較、及び2つの間の差異に基づく圧力調整を継続してもよい。あるいはコントローラは、複数の後続射出成形サイクル中に第2の射出圧力で金型キャビティ内に溶融プラスチック材料を射出するため、反復スクリュー22を指示してもよい。
後続成形サイクルは、第1の成形サイクルの直後(又はこれと一連)であってもよい。あるいは、第1の成形サイクル及び第2の成形サイクルは、1つ又は2つ以上の介在する成形サイクルによって分離されてもよい。
コントローラ50は、第3の後続成形サイクルの射出圧力に適用することができる圧補正を算出するために2つ又はそれ以上の成形サイクルの、金型キャビティを充填するための時間を平均して(又はあるいは組み合わせて)もよい。更にコントローラ50は、他の管理方法論を採用してもよく、これには移動又は非移動平均を活用する統計的管理方法論、コントロールチャート、及び統計的に異常なデータ点の排除が挙げられるが、これらに限定されない。
場合によっては、第2の射出圧力は、金型キャビティ32を充填するための第1の時間と金型キャビティ32を充填するための所定の目標時間との間の差に比例してもよい。溶融プラスチック材料の粘度が増加した場合、第2の射出圧力は、第1の射出圧力よりも大きくなるであろう。一方、溶融プラスチック材料の粘度が減少した場合、第2の射出圧力は、第1の射出圧力よりも小さいであろう。溶融プラスチック材料の粘度の変化は、多くの場合小さくなるので、第2の射出圧力は、第1の射出圧力と比べて50%未満〜50%超又は未満となる。
時としてコントローラ50は、第2の射出サイクル中に、金型キャビティ32を充填するための第2の時間を測定し、かつ金型キャビティ32を充填するための第1の時間でキャビティ32を充填するための第2の時間を平均し、その後平均値と、キャビティ32を充填するための所定の目標時間とを比較してもよい。平均値を使用することで、コントローラ50は射出圧力の変更を容易にし、これによって、粘度の変化を依然考慮しながら部品品質の均一性を高める。
ここで図11を参照すると、溶融プラスチック材料の流動性における変化を考慮するためのプロセス1500に対する論理図の代替実施形状が図示されている。図10の先の実施形状との主な違いは、図11のプロセスが射出圧力イントラサイクルを調節することである。換言すると、図11のプロセスは、単一サイクル内の調節された射出圧力を算出する。図10及び図11の実施形状は、第1のサイクル中に、修正された射出圧力を算出するためのプロセスにつながるよう組み合わせられてもよく、その後それぞれの後続サイクルに対する修正した射出圧力を算出し続ける。また、2つの開示されたプロセスの組み合わせは、イントラサイクル及びインターサイクルの両方の調節された射出圧力を算出するプロセスにつながってもよい。更に、図10を参照して説明したプロセスに対する任意の修正は、図11を参照して以下で説明したプロセスも修正することができる。
最初に、流頭センサに到達するまでの所定の目標時間が1510で得られてもよい。所定の目標時間は、既知の流動性を有する溶融プラスチック材料のショットに対するものあってもよい。所定の目標時間は、プロセッサ、又は射出成形システムへのユーザーによる入力によって算出されてもよい。所定の目標時間を得た後、溶融プラスチック材料の第1のショットは、1520で金型キャビティ内に射出されてもよい。第1の射出成形サイクル中、溶融プラスチック材料が流頭センサに到達するまでの第1の時間は、1530で測定されてもよい。その後第1の時間は、1540で第1の比較結果を生成するために所定の目標時間と比較されてもよい。第2の射出圧力は、1550で求めてもよい。第2の射出圧力は、第1の比較結果の少なくとも部分的に基づいていてもよい。第1の時間の測定に続いて、第2の射出圧力が、第1の射出成形サイクル中に1560で溶融プラスチック材料の第1のショットに適用されてもよい。第1の時間は、充填部分の射出成形サイクル中に測定されてもよく、かつ第2の射出圧力は、1つ又は2つ以上の充填部分並びに梱包及び保持部分の第1の射出成形サイクル中に適用されてもよい。
変化する流動性の影響を図示するため、及び流動性における変化を補う射出圧力をどのように調節するかを図示するため、射出成形機は、3つの異なる射出成形サイクルで運転された。それぞれの射出成形サイクルは、異なる材料流動性を示す、異なるメルトフローインデックス(「MFI」)を有する材料を含んだ。結果は以下の表中にまとめられる。
Figure 0006334699
上記の表に示したとおり、11MFIを持つ材料は、金型キャビティを完全に充填するためにおよそ2.499秒かかった一方、30MFIを持つ材料は、金型キャビティを完全に充填するために0.719秒しかかからなかった。この例における金型キャビティを充填するための時間は、+350%〜−75%の範囲内で異なった。この時間差を補うための射出圧力を調節するために、上記表の右側3行にあるデータで示されるように、金型キャビティを充填するための均一の時間を得た。本明細書に記載される射出成形法は、充填時間のこれらの差を考慮し、かつ射出圧力を調節してより良い品質の部品を確実に生産する。
上述したように、溶融プラスチック材料の粘度の変化は、任意の数の要因によって引き起こされる場合がある。例えばオペレータは、低品質部品をリグラインドすることによって及びリグラインドしたプラスチック材料をバージンプラスチック材料と混合することによって、低品質部品の再利用を望むことがあり得る。リグラインド及びバージンプラスチック材料の混合物は、組み合わせた材料のMFIを変化させることとなる。同様に、オペレータは、溶融プラスチック材料内に着色剤を導入することによって、射出運転中に部品の色の変更を望む場合があり得る。着色料の導入は、多くの場合溶融プラスチック材料のMFIを変化させることとなる。最後に、周囲動作条件の変化は、溶融プラスチック材料の粘度も変化させ得る。例えば、周囲温度が上昇した場合、溶融プラスチック材料の粘度も多くの場合上昇する。同様に、周囲温度が低下した場合、溶融プラスチック材用の粘度も多くの場合減少する。
開示されている低一定圧力射出成形法及び射出成形機は、部品の品質を向上させながら、成形プロセスのサイクル時間を低減する点において有利である。更に、開示の低一定圧力射出成形機は、いくつかの実施形状では、一般にエネルギー効率がより高く、油圧プレスよりも保守の必要性が少ない電動プレスを採用することができる。加えて、開示された低一定圧力射出成形機は、より広いプラテン幅、タイバーの間隔の増加、タイバーの除去、より速い運動を促進するためのより軽量の構造物、及び非自然平衡供給システム等、より可撓性の支持構造及びより適応性のある送達構造を利用することが可能である。したがって、開示された低一定圧力射出成形機は、送達の必要性に合うように改善され得、特定の成形部品に対してより容易にカスタマイズ可能である。
更に、開示されている低一定圧力射出成形機及び方法により、金型をより柔軟な材料(例えば、30未満のRcを有する材料)で作製することが可能となり、そうした材料は、より高い熱伝導率(例えば、34.6W/m−℃(20BTU/HR FT°F)を超える熱伝導率)を有し得、改善された冷却能力を有してより均一に冷却する金型をもたらす。改善された冷却能力を有するため、開示されている低一定圧力射出成形は簡略化された冷却システムを有し得る。概して、簡略化された冷却システムは冷却通路の数が少なく、含まれる冷却通路は比較的真っ直ぐで加工軸が少ない。簡略化された冷却システムを有する射出成形の一実施例が、本明細書に参考として組み込まれている、2012年2月24日に出願された米国特許出願第61/602,781号に開示されている。
低一定圧力射出成形機の射出圧力は低いので、軟らかい材料で製作された金型は、100万回以上の成形サイクルを引き出せるが、高圧射出成形機ではこうした材料は100万サイクル未満で故障するため、従来の射出成形機において100万回以上の成形サイクルを引き出すのは不可能である。
「実質的に」、「約」、及び「およそ」という用語は、特別の定めのない限り、本明細書において、任意の定量的な比較、値、測定値、又は他の表現に帰属される場合がある、不確定の固有度を表すために使用される得ることに留意すべきである。これらの用語はまた、本明細書では、定量的表現が、問題となる対象物の基本的機能に変化をもたらすことなく、記載の基準から変動する程度を表すためにも使用される。特に本明細書中で定義されている場合を除き、「実質的に」、「約」、及び「およそ」という用語は、記載された基準値の20%以内の範囲にある定量的な比較、値、測定値、又は他の表現を意味する。
本明細書で例示及び記載した製品の様々な実施形状が、低圧の実質的に一定圧射出成形法によって作製されてもよいことは明らかである。特定の参照が、本明細書において、消費財又は消費財それ自体を含むために生産品についてなされてきたが、本明細書で検討された成形法は、消費財工業、食品サービス工業、運輸工業、医療産業、玩具工業等における使用のための生産品と関連付けた使用に好適であり得ることは明白であるはずである。更に、本明細書に開示された教示が、金型内の装飾、インサート成形、金型内組立品等と組み合わされて、スタック金型、回転及びコアバック金型を含む多数の材料の金型の構成体において使用され得ることが、当業者であれば理解されるであろう。
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、別段の指定がない限り、かかる寸法の各々は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等な範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、特に除外すること又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の任意の参照文献との任意の組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。さらに、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形状を例示及び説明してきたが、他の様々な変更及び修正が本発明の意図及び範囲から逸脱せずに実施し得ることは、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (15)

  1. 射出成形プロセスにおいて、圧力を自動的に調節して、溶融プラスチック材料の流動性における変動に適応させる方法であって、該方法は、
    (a)射出成形運転の第1の射出成形サイクル中における、第1サイクル射出圧力で金型キャビティ内に該溶融プラスチック材料の第1のショットを射出する工程を含み、
    該方法は、
    (b)該第1の射出成形サイクル中における、該溶融プラスチック材料が、流頭センサに到達するまでの第1の時間を測定する工程であって、該流頭センサは、該金型キャビティ内の特定の位置で、該溶融プラスチック材料の流頭の存在を感知するように構成されている、工程と、
    (c)該第1の時間と所定の目標時間との第1の比較を行って、第1の比較結果を決定する工程と、
    (d)該第1の比較結果に少なくとも部分的に基づいて、第2サイクル射出圧力を決定する工程と、
    (e)該第1の射出成形サイクルに続く、該射出成形運転の第2の射出成形サイクル中における、該第2サイクル射出圧力で該金型キャビティ内に該溶融プラスチック材料の第2のショットを射出する工程と、
    を更に含むことを特徴とする、方法。
  2. 既知の流動性を有する前記溶融プラスチック材料のショットが、前記流頭センサに到達するまでの時間に少なくとも部分的に基づいて、前記所定の目標時間を決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記測定する工程は、前記第1の射出成形サイクルの開始から、前記流頭センサが前記溶融プラスチック材料の前記流頭の到着を検知するまでの、前記第1の時間を測定する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の比較を行う工程は、前記第1の時間と前記所定の目標時間を比較して、前記第1の時間が、前記所定の目標時間より長いか又は短いかを決定する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の比較を行う工程は、前記第1の時間が、前記所定の目標時間よりも長いことを決定する工程を含み、かつ
    前記第2のショットを射出する工程は、前記第1サイクル射出圧力よりも大きい前記第2サイクル射出圧力で、前記金型キャビティ内に前記溶融プラスチック材料を射出する工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の比較を行う工程は、前記第1の時間が、前記所定の目標時間よりも短いことを決定する工程を含み、かつ
    前記第2のショットを射出する工程は、前記第1サイクル射出圧力よりも小さい前記第2サイクル射出圧力で前記金型キャビティ内に前記溶融プラスチック材料を射出する工程を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1の射出成形サイクル中における、前記測定する工程は、前記溶融プラスチック材料が、前記金型キャビティの末端部の30%以内に位置する前記流頭センサに到達するまでの前記第1の時間を測定する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の射出成形サイクル中における、前記測定する工程は、前記溶融プラスチック材料が、前記流頭センサに到達するまでの前記第1の時間を測定する工程を含み、前記流頭センサは、前記金型キャビティ内で前記溶融プラスチック材料の流頭の存在を直接感知するように構成されたセンサである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (f)前記第2の射出成形サイクル中における、前記溶融プラスチック材料が前記流頭センサに到達するまでの第2の時間を測定する工程と、
    (g)第2の比較を行って、第2の比較結果を決定する工程であって、前記第1の時間、前記第2の時間、及び前記所定の目標時間を用いることを含む、工程と、
    (h)該第2の比較結果に少なくとも部分的に基づいて、第3サイクル射出圧力を決定する工程と、
    (i)前記第2の射出成形サイクルに続く、前記射出成形運転の第3の射出成形サイクル中における、該第3サイクル射出圧力で前記金型キャビティ内に前記溶融プラスチック材料の第3のショットを射出する工程と、を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記溶融プラスチック材料の前記第2のショットを射出する工程を、前記射出成形運転において、前記第1の射出成形サイクルの直後に続く射出成形サイクルである、前記第2の射出成形サイクル中に行う、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第2の射出成形サイクルに続く、前記射出成形運転におけるそれぞれの特定の射出成形サイクルに対して、前記所定の目標時間を使用する比較結果に基づいて、該それぞれの特定の射出成形サイクルの射出圧力を自動的に調節する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記第2の射出成形サイクルに続く、前記射出成形運転におけるそれぞれの特定の射出成形サイクルに対して、該特定の射出成形サイクルの前の、射出成形サイクルにおいて、前記溶融プラスチック材料が、前記流頭センサに到達するまでの時間を使用する比較結果に基づいて、該それぞれの特定の射出成形サイクルの射出圧力を自動的に調節する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第2サイクル射出圧力を決定する工程は、前記第2の射出成形サイクルに対する目標圧力曲線の少なくとも一部を変化させる工程を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項の方法を実行するように構成された、コントローラ。
  15. 請求項14の前記コントローラを含む、成形機。
JP2016531893A 2013-08-01 2014-07-31 射出成形運転中において材料特性での変化を考慮する射出成形機及び方法 Active JP6334699B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361861298P 2013-08-01 2013-08-01
US61/861,298 2013-08-01
US14/176,505 US8980146B2 (en) 2013-08-01 2014-02-10 Injection molding machines and methods for accounting for changes in material properties during injection molding runs
US14/176,505 2014-02-10
PCT/US2014/049100 WO2015017641A1 (en) 2013-08-01 2014-07-31 Injection molding machines and methods for accounting for changes in material properties during injection molding runs

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016531028A JP2016531028A (ja) 2016-10-06
JP6334699B2 true JP6334699B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=52426957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016531893A Active JP6334699B2 (ja) 2013-08-01 2014-07-31 射出成形運転中において材料特性での変化を考慮する射出成形機及び方法

Country Status (11)

Country Link
US (2) US8980146B2 (ja)
JP (1) JP6334699B2 (ja)
KR (1) KR20160025027A (ja)
CN (1) CN105431274A (ja)
AU (1) AU2014296125A1 (ja)
BR (1) BR112016002261A2 (ja)
CA (1) CA2919227C (ja)
MX (1) MX354735B (ja)
PH (1) PH12016500201A1 (ja)
RU (1) RU2016102830A (ja)
WO (1) WO2015017641A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3027380B1 (en) * 2013-08-01 2019-06-19 Imflux Inc. Injection molding machines and methods for accounting for changes in material properties during injection molding runs
EP3251815A4 (en) * 2015-01-26 2018-09-05 Toskabano'k Co., Ltd. Injection molding method using peek material and molded items
CH710701A1 (de) * 2015-02-06 2016-08-15 Alpla Werke Alwin Lehner Gmbh & Co Kg Preform zur Herstellung eines Kunststoffbehälters, Herstellung des Preforms und aus dem Preform hergestellter Kunststoffbehälter sowie dessen Herstellung.
CH710702A1 (de) * 2015-02-06 2016-08-15 Alpla Werke Alwin Lehner Gmbh & Co Kg Verfahren zur Herstellung dünnwandiger Kunststoffkleinteile und dünnwandige Kunststoffkleinteile.
US20170057148A1 (en) * 2015-08-27 2017-03-02 Imflux Inc Plastic article forming apparatuses and methods for controlling melt flow
US11010816B2 (en) * 2015-08-27 2021-05-18 Imflux Inc Methods of selecting thermoplastic materials for use with plastic article forming apparatuses that control melt flow
WO2017035179A1 (en) * 2015-08-27 2017-03-02 iMFLUX Inc. Plastic article forming apparatuses and methods for controlling melt flow in real time using additives
CA3006806C (en) 2015-12-14 2021-03-30 iMFLUX Inc. Remote controller and methods for controlling apparatus by diverting feedback signal
CN108430731B (zh) 2015-12-14 2021-05-25 艾姆弗勒克斯有限公司 用于通过将反馈信号从本地控制器转向远程控制器来控制设备的远程控制器以及其方法
IT201700037002A1 (it) * 2017-04-04 2018-10-04 Inglass Spa Procedimento, apparecchiatura e pressa di stampaggio ad iniezione di materie plastiche
CN108381856A (zh) * 2018-02-02 2018-08-10 宏利科技(苏州)有限公司 一种多色注塑机及其使用方法
WO2020055668A1 (en) * 2018-09-13 2020-03-19 iMFLUX Inc. Methods for controlling injection molding processes based on actual plastic melt pressure or cavity pressure
US11642822B2 (en) * 2020-06-15 2023-05-09 iMFLUX Inc. Largest empty corner rectangle based process development
CN111941724A (zh) * 2020-07-24 2020-11-17 上海亚虹模具股份有限公司 一种智能马桶便盖优化飞边的注塑工艺
CN111941804B (zh) * 2020-08-17 2021-12-07 湖北祥邦新能源科技有限责任公司 一种双焊边塑料薄膜生产设备
CN112590151A (zh) * 2020-12-07 2021-04-02 先锐模具配件(东莞)有限公司 一种热流道温度时间控制器联动装置及方法
WO2022271617A1 (en) * 2021-06-21 2022-12-29 iMFLUX Inc. Optimal compression rate process development
CN117400502A (zh) * 2023-10-31 2024-01-16 山东佳邦机械设备有限公司 一种注塑机节能控制系统及控制方法

Family Cites Families (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3628901A (en) * 1969-07-15 1971-12-21 New Britain Machine Co Means for monitoring product quality in a plastics injection-molding machine
US3695800A (en) * 1970-03-10 1972-10-03 Pennwalt Corp Time monitored injection molding control apparatus
US3893792A (en) * 1973-04-06 1975-07-08 Bbf Group Inc Controller for injection molding machine
US4066725A (en) 1973-12-03 1978-01-03 Barber-Colman Company Injection molding control method
JPS5559940A (en) * 1978-10-30 1980-05-06 Japan Steel Works Ltd:The Method and device for controlling injection molding machine
JPS59224323A (ja) 1983-06-03 1984-12-17 Tekunopurasu:Kk 型内圧波形による監視方法
JPS63132021A (ja) * 1986-11-25 1988-06-04 Japan Steel Works Ltd:The 射出成形機の保圧制御方法
JPH0659675B2 (ja) 1987-01-30 1994-08-10 住友重機械工業株式会社 射出圧力設定方法及び射出成形機
US5578256A (en) * 1990-03-28 1996-11-26 Moldflow Pty, Ltd Control of injection moulding machine
JPH0753405B2 (ja) 1991-11-28 1995-06-07 花王株式会社 射出成形機における樹脂流動物性変動制御方法および装置
JP2598687Y2 (ja) * 1992-02-20 1999-08-16 エヌオーケー株式会社 射出成形機の製品良否判定装置
JPH07290543A (ja) * 1994-04-21 1995-11-07 Matsushita Electric Works Ltd 射出成形の制御方法
CH692491A5 (de) * 1997-04-23 2002-07-15 Kk Holding Ag Verfahren zur Bestimmung des Umschlaltpunktes bei der Herstellung eines Spritzgussteils.
JP3810984B2 (ja) * 2000-05-08 2006-08-16 東芝機械株式会社 ダイカストマシンの射出制御方法
DE10112125A1 (de) 2001-03-14 2002-10-10 Frey Juergen Verfahren zum Regeln von Prozessparametern zur Erzielung konstanter Prozessbedingungen
DE10112126B4 (de) 2001-03-14 2004-03-25 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum automatischen Balancieren der volumetrischen Füllung von Kavitäten
DE10114228A1 (de) 2001-03-22 2002-10-02 Frey Juergen Verfahren zum Regeln der Schwindung von Spritzteilen
DE10117000A1 (de) 2001-04-05 2002-11-21 Frey Juergen Verfahren zum automatischen Erkennen der Empfindlichkeit von Sensoren
ATE288822T1 (de) 2001-04-05 2005-02-15 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum füllen der kavität eines werkzeuges
DE10117001A1 (de) 2001-04-05 2002-11-07 Frey Juergen Verfahren zum Herstellen eines Formteiles in einem Formwerkzeug
DE10359975A1 (de) 2003-12-18 2005-07-14 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum Betreiben einer Arbeitsgerätschaft
DE102004003278A1 (de) 2004-01-21 2005-08-25 Priamus System Technologies Ag Sensor
DE102004031546A1 (de) 2004-06-29 2006-02-09 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum Füllen von zumindest einer Kavität
DE102004043443B3 (de) 2004-09-06 2006-02-02 Priamus System Technologies Ag Vorrichtung zum Formen von Gegenständen
DE102005029705A1 (de) 2005-06-10 2006-12-14 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum Regeln des Spritzgiesprozesses einer Spritzgiessmaschine
DE102005032367A1 (de) * 2005-07-08 2007-01-11 Priamus System Technologies Ag Verfahren zum Überwachen und/oder Regeln der Schmelzebefüllung von zumindest einer Kavität
TW200909184A (en) * 2007-08-17 2009-03-01 Nat Univ Chung Cheng Method of sensing melt-front position and velocity
EP2212086B2 (de) 2007-09-20 2023-03-15 Priamus System Technologies AG Verfahren und vorrichtung zum überwachen, dokumentieren und/oder regeln einer spritzgiessmaschine
CN103415383A (zh) 2011-01-17 2013-11-27 普里阿摩斯系统科技股份公司 生产多层制品的方法
AU2012259036B2 (en) 2011-05-20 2016-04-14 iMFLUX Inc. Apparatus and method for injection molding at low constant pressure
JP6035330B2 (ja) 2011-05-20 2016-11-30 アイエムフラックス インコーポレイテッド 射出成形装置用の非自然平衡供給システム
JP5841245B2 (ja) 2011-05-20 2016-01-13 アイエムフラックス インコーポレイテッド 低圧で実質的に一定圧における射出成形のための方法
CA2836786C (en) 2011-05-20 2016-11-29 The Procter & Gamble Company Method for injection molding at low, substantially constant pressure
CA2835961C (en) 2011-05-20 2016-07-12 The Procter & Gamble Company Method and apparatus for substantially constant pressure injection molding of thinwall parts
US9446544B2 (en) * 2011-07-01 2016-09-20 University Of Connecticut Method and system for multivariate remote monitoring of polymer processing
US20130221575A1 (en) 2012-02-24 2013-08-29 The Procter & Gamble Company Method for Operating a High Productivity Injection Molding Machine
US9643351B2 (en) 2013-08-01 2017-05-09 Imflux Inc Injection molding machines and methods for accounting for changes in material properties during injection molding runs
EP3027380B1 (en) 2013-08-01 2019-06-19 Imflux Inc. Injection molding machines and methods for accounting for changes in material properties during injection molding runs
EP3083186A1 (en) 2013-12-19 2016-10-26 iMFLUX Inc. Methods of forming overmolded articles

Also Published As

Publication number Publication date
US8980146B2 (en) 2015-03-17
CN105431274A (zh) 2016-03-23
US9321206B2 (en) 2016-04-26
US20150224696A1 (en) 2015-08-13
CA2919227C (en) 2018-01-16
MX354735B (es) 2018-03-15
US20150035188A1 (en) 2015-02-05
WO2015017641A1 (en) 2015-02-05
RU2016102830A (ru) 2017-09-06
JP2016531028A (ja) 2016-10-06
KR20160025027A (ko) 2016-03-07
MX2016001435A (es) 2016-08-03
AU2014296125A1 (en) 2016-02-18
CA2919227A1 (en) 2015-02-05
BR112016002261A2 (pt) 2017-08-29
PH12016500201A1 (en) 2016-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6334699B2 (ja) 射出成形運転中において材料特性での変化を考慮する射出成形機及び方法
JP6144840B2 (ja) 射出成形運転中の材料特性の変化を考慮する射出成形機及び方法
JP6181872B2 (ja) 射出成形行程中の材料特性の変化を考慮する射出成形機及び方法
JP2015520050A (ja) 高生産性射出成形機を作動する方法
EP2852484B1 (en) Method for operating a high productivity injection molding machine

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6334699

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250