JP6326305B2 - 金属材料の表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車車体や部品に代表されるカチオン電着塗装の前に施される金属材料の表面処理方法に関するものである。
金属表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる手法としては、リン酸亜鉛処理法やクロメート処理法が一般に用いられている。
リン酸亜鉛処理法では、熱延鋼板や冷延鋼板等の鋼、亜鉛めっき鋼板及び一部のアルミニウム合金表面に耐食性に優れる皮膜を析出させることができる。
しかしながら、昨今の環境規制より処理液中に湖沼や湾などで富栄養化の原因となるリンを含むりん酸亜鉛処理は敬遠される方向にある、かつ、アルミニウム合金の種類によっては塗装後の耐糸錆性を十分に確保することができない。
また、アルミニウム合金に対しては、クロメート処理を施すことによって十分な塗装後の性能を確保することが可能である。
しかしながら、昨今の環境規制から処理液中に有害な6価クロムを含むクロメート処理は敬遠される方向にある。
そこで、処理液中に有害成分を含まない表面処理方法として、種々の方法が提案されており、その中で、ジルコニウム系化成処理法が、リン酸亜鉛処理法、ならびに、クロメート処理法に替わる技術として注目されている。
例えば、特許4373778号、特許4975378号、特許4187162号等、ジルコニウム化成処理に関して、様々な技術が開示され、産業上、利用されつつあるが、工業的にはその課題も明らかになってきている。
すなわち、ジルコニウム化成処理を施した金属材料をカチオン電着塗装すると、塗装外観にムラを生じ、不良を発生させてしまう場合がある。
特許4373778号では、金属の表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる表面処理液が開示されている。この方法により、塗装後の耐食性に優れるジルコニウム化成処理皮膜を析出させることが可能であるが、工業製品として重要な塗装外観については言及しておらず、また、この方法で処理した金属材料にカチオン電着塗装を施すと塗装外観ムラを生じてしまう場合がある。
特許4975378号では、ジルコンフッ化物、希土類元素、ポリアリルアミン、アルミニウムイオン、及び、遊離フッ素濃度を含有する表面処理液が開示されているが、同様に工業製品として重要な塗装外観については言及しておらず、カチオン電着塗装のムラ防止に対する効果は全く期待できない。
特許4187162号でも同様である。塗装後の密着性を向上させる化成処理剤が開示されているが、工業製品として重要な塗装外観については言及しておらず、カチオン電着塗装のムラ防止には不十分である。
一般に、自動車車体や部品に代表される金属材料は、脱脂処理、水洗処理、化成処理、水洗処理、純水洗処理を順次施した後、当該金属材料を強制的に乾燥させることなく、表面処理の最終工程の純水洗処理の水で表面が濡れたまま、カチオン電着塗装工程に金属材料が投入され、カチオン電着塗装が施される。純水洗処理後に強制的に乾燥する工程を導入すると、工程が長くなり、エネルギーコストもかかるので経済的でない。そのため、当該金属材料が純水洗終了後、カチオン電着塗装浴に浸漬されるまで、表面が水に濡れている状態が不可避となる。
特許4373778号 特許4975378号 特許4187162号
ここで、ジルコニウム化成処理を施した金属材料表面が水で濡れたまま1分以上経過すると、その後の電着塗装時の塗膜が異常に析出し、電着塗装外観に不具合が生じることがある。
本発明は、自動車車体や部品に代表される金属材料のカチオン電着塗装の前に施される表面処理方法に関するものであり、電着塗装外観不良の発生を抑制することを目的とする。
本発明者らは、前記現象について鋭意検討した結果、その発生原因と対策法を見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明は、(1)〜(5)を提供するものである。
(1)カチオン電着塗装の前に施される金属材料の表面処理方法であって、該表面処理方法は少なくとも1段の脱脂処理、該脱脂処理に引き続き少なくとも1段の水洗処理の後に皮膜化成処理が行われ、該皮膜化成処理後に少なくとも1段の水洗処理が行われ、該表面処理方法にて処理された該金属材料は、該金属材料の表面の水分を強制的に乾燥することなくカチオン電着塗装工程に供されるものであって、該金属材料が該表面処理方法の最終水洗完了時点からカチオン電着塗装浴へ浸漬されるまでに要する時間が、1分以上10分以内であり、かつ、該皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴が、0.1mmol/Lから5.5mmol/Lのジルコニウムと、ジルコニウムの少なくとも6倍モル濃度のフッ素と、アルミニウムと、マグネシウムとを含有し、該化成処理浴における遊離フッ素イオン濃度が30ppm以下の水溶液であることを特徴とする金属材料の表面処理方法である。
(2)上記(1)の皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中の遊離フッ素イオン濃度を、アルミニウムとマグネシウムの添加濃度で制御することを特徴とする上記(1)の金属材料の表面処理方法である。
(3)上記(1)の皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンの濃度が、0.4mmol/L未満であることを特徴とする上記(1)から(2)のいずれかの金属材料の表面処理方法である
(4)上記(1)の皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンの濃度を酸化剤により3価鉄イオンに酸化させることで、化成浴中の2価鉄イオン濃度を制御することを特徴とする上記(3)の金属材料の表面処理方法である。
(5)上記(1)から(4)の金属材料が、少なくとも1種の鉄系金属材料、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料との組み合わせ、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料とアルミニウム系金属材料との組み合わせからなることを特徴とする金属材料の表面処理方法である。
本発明により、カチオン電着塗装浴に浸漬されるまで、表面が水に濡れている状態が1分以上となると塗装外観にムラを生じ、不良を発生させることを抑制させることが可能である。
本発明の金属材料の表面処理方法が、このような効果を奏する理由は以下のように推察している。
まず、ジルコニウム系化成処理における化成皮膜の形成について説明する。化成処理液中において、ジルコニウムはHZrFとして存在する。ここで、HZrFとHFとの間には、
2ZrF6 + 2H2O ⇔ ZrO2 + 6HF ・・・・(1)
の化学平衡が成り立つ。
化成処理液中に被処理金属を浸漬すると、例えば被処理金属材料が鉄の場合は、
Fe + 2HF ⇒ FeF2 + H2 ・・・・(2)
のエッチング反応によって、被処理金属材料の表面のHFが消費される。すなわち、上記(2)式のエッチング反応で、HFが消費されることによって、(1)式の平衡は右に進み、ZrOが被処理金属材料の表面に析出する。
析出したジルコニウム系化成皮膜にはZrO2のみではなく、Fe、及び、Fが存在する。これはX線光電子分光分析により明らかであり、反応機構上、ZrO2が析出すると同時に、金属材料表面近傍のFeF2が化成皮膜に取り込まれたものと推定する。
ここで、化成処理液中の遊離フッ素イオン濃度が30ppmを超える場合、エッチング反応が過多となり、化成皮膜中へのFeF2の取り込み量が増大する。
また、化成処理液中に2価鉄イオン濃度が0.4mmol/L以上の場合には、エッチング反応により金属材料から溶出するFeのみならず、化成処理液中の2価鉄イオンも化成皮膜により多く取り込まれる。
化成皮膜中に取り込まれたFe、及び、Fは、表面処理工程の最終水洗後、被処理金属材料を乾燥させずに水に濡れている状態が1分以上となると、表面の水に溶出することを見出した。これは、表面の水を回収し、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法、ならびに、イオンクロマト分析法にて、Fe、ならびに、Fを測定することで可能である。
被処理金属材料表面の水に溶出したFe、ならびに、Fは、イオンとして存在する。Fe、ならびに、Fが溶出した水が被処理金属材料の表面に付着したまま、カチオン電着塗装浴に浸漬させると、塗装浴中で電荷を持って安定に分散している塗料樹脂の電荷バランスを崩し、電着塗料の凝集を引き起こす。そのため、塗装外観にムラを生じ、不良を発生させてしまう。
然るに、化成処理液中の遊離フッ素濃度を30ppm以下にすることで塗装外観ムラの発生を抑制することが可能である。
更に、化成処理液中の2価鉄イオン濃度を0.4mmol/L未満にすることで、その効果を高めることができる。
本発明は、カチオン電着塗装の前に施される金属材料の表面処理方法であって、該表面処理方法は少なくとも1段の脱脂処理、該脱脂処理に引き続き少なくとも1段の水洗処理の後に皮膜化成処理が行われ、該皮膜化成処理後に少なくとも1段の水洗処理が行われ、該表面処理方法にて処理された該金属材料は、該金属材料の表面の水分を強制的に乾燥することなくカチオン電着塗装工程に供されるものであって、該金属材料が該表面処理方法の最終水洗完了時点からカチオン電着塗装浴へ浸漬されるまでに要する時間が、1分以上10分以内であり、かつ、該皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴が、0.1mmol/Lから5.5mmol/Lのジルコニウムと、ジルコニウムの少なくとも6倍モル濃度のフッ素と、アルミニウムと、マグネシウムとを含有し、該化成処理浴における遊離フッ素イオン濃度が30ppm以下の水溶液であることを特徴とする金属材料の表面処理方法である。
カチオン電着塗装は特に限定しない。公知のカチオン電着塗料を使用することが可能である。
脱脂処理は被処理金属材料の表面を十分清浄にできれば特に限定しない。公知の脱脂剤を使用することが可能である。処理方法は、スプレー法、浸漬法、電解法が挙げられ、2種以上を併用してもよい。金属材料が構造物の場合には少なくとも1段以上の浸漬法が好ましい。
脱脂処理後の水洗処理も特に限定しない。スプレー法、浸漬法が使用できる。スプレー法と浸漬法を併用してもよい。金属材料が構造物の場合には少なくとも1段以上の浸漬法が好ましい。
化成処理液のジルコニウム濃度が0.1mmol/L未満では、化成皮膜が十分に形成しない。5.5mmol/Lを超えても、特に問題はないが経済的でない。ジルコニウム供給源は特に限定しないが、ZrCl4、Zr(SO42、Zr(NO34、H2ZrF6、H2ZrF6の塩、ZrO2、ZrF4などのジルコニウム化合物が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
化成処理液のフッ素の供給源も特に限定しないが、HF、H2ZrF6、ZrF4、HBF4、NaHF2、KHF2、NH4HF2、NaF、KF、NH4Fなどのフッ素化合物が挙げられる。これらのフッ素含有化合物は2種以上を併用してもよい。 化成処理液のアルミニウムとマグネシウムの供給源も特に限定しないが、金属Al、金属Mg、AlCl3、MgCl2、Al2(SO43、MgSO4、Al(NO33、Mg(NO32、Al23、MgO、Al(OH)3、Mg(OH)2、などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
化成処理液の遊離フッ素イオン濃度は、市販のフッ素イオンメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製 IM−22P)で測定可能である。遊離フッ素イオン濃度が30ppmを超えると表面処理工程の最終水洗完了時点からカチオン電着塗装浴に浸漬されるまでに要する時間が1分以上の場合に、電着塗装外観にムラを生じ、不良を発生させる。遊離フッ素イオン濃度の下限値は特に限定しないが、処理液の安定性を考慮すると2ppm以上が好ましい。
化成処理の方法はスプレー法、浸漬法が挙げられ、2種を併用してもよいが、金属材料が構造物の場合には浸漬法が好ましい。
化成処理後の水洗処理も特に限定しない。スプレー法、浸漬法が使用できる。スプレー法と浸漬法を併用してもよい。金属材料が構造物の場合には少なくとも1段以上の浸漬法が好ましく、次工程のカチオン電着へのコンタミを考慮するとEC20μS/cm以下、pH4.5以上の純水洗の使用が望ましい。
本発明は、化成処理浴中の遊離フッ素イオン濃度を、アルミニウムとマグネシウムの添加濃度で制御することを特徴とする金属材料の表面処理方法である。アルミニウムとマグネシウムは化成処理液中のHF、又は、フッ素イオンと錯フッ素化合物を形成するため、遊離フッ素イオン濃度を加減することが可能である。アルミニウムとマグネシウムの濃度は限定されるものでなく、遊離フッ素イオン濃度により添加する量を加減するものである。前述の(1)式に示したとおり、ジルコニウム系化成処理における化成皮膜の形成では、被処理金属の表面にZrOが析出するのと同時に、化成処理液中にはHFが生成される。生成したHFは、(2)式のエッチング反応により再び消費されるが、(2)式のエッチング反応での消費量に比べ、(1)式の生成量の方が多い。そのため、化成処理液を使用すると遊離フッ素イオン濃度が上昇することになる。したがって、アルミニウム、及び、マグネシウムの添加で、遊離フッ素イオン濃度の制御が必要となる。
本発明は、化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンの濃度が、0.4mmol/L未満であることが望ましい。2価鉄イオン濃度が、0.4mmol/L未満とすることで、ジルコニウム皮膜中に存在する鉄の量を減らし、電着塗装ムラを抑制する効果が更に大きくなる。
本発明は、化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンの濃度を酸化剤により3価鉄イオンに酸化させることで、化成処理液中の2価鉄イオン濃度を制御することが望ましい。酸化剤により2価鉄イオンは3価鉄イオンに酸化され、3価鉄イオンは水酸化鉄スラッジとなり系外に排出される。酸化剤は特に限定しないが、H22、HNO2、HNO2の塩、HNO3、HNO3の塩などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
本発明の化成処理浴のpHは特に限定しないが、被処理金属材料のエッチング反応が起こり、且つ、処理液の安定性を考慮するとpH2.0〜6.0が好ましく、より好ましくは3.0〜5.0である。
本発明の金属材料は、少なくとも1種の鉄系金属材料、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料との組み合わせ、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料とアルミニウム系金属材料との組み合わせからなることを特徴とする。ここで、「組み合わせ」とは、金属材料を溶接し、または、接合すること、特に機械的接合をすること等をいい、例えば、レーザー溶接、スポット溶接、ガス溶接、アーク溶接、リベット締め、ボルト締め、かしめ、接着剤による接着などをして一体としたりすることをいう。具体的には、自動車車体、および、自動車部品などをいう。
〔実施例〕
以下に実施例を比較例とともに挙げ、本発明の表面処理方法を具体的に説明する。なお、実施例で使用した被処理材、脱脂剤及び塗料は市販されている材料の中から任意に選定したものあり、本発明の表面処理方法の実際の用途を限定するものではない。
[供試材]
冷延鋼板(JIS−G−3141)を使用した。
[処理工程]
以下の処理工程で処理を行った。
アルカリ脱脂→水洗→化成処理→水洗→純水洗→セッティング→カチオン電着
アルカリ脱脂は実施例、比較例ともにファインクリーナーE2001(日本パーカライジング(株)製)を使用し、40℃にて120秒間、被処理材にスプレーした。
アルカリ脱脂後の水洗、化成処理後の水洗、及び純水洗は、実施例、比較例ともに室温で30秒間、被処理板にスプレーした。
カチオン電着は実施例、比較例ともにPN−1010F(日本ペイント(株)製)を使用し、電圧200V、膜厚18μm、175℃で20分焼付けを行った。
セッティングでは、純水洗の水で濡れた状態の被処理板を所定時間静置後、電着を実施した。静置時間は30秒、1分、2分、4分、8分、10分、11分、12分とした。
実施例1
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の5.5mmol/Lの水溶液を調製し、硫酸アルミニウム・16水和物を添加してAl濃度を300ppm、硫酸マグネシウム・7水和物を添加してMg濃度を100ppmとした。次いで、フッ化水素酸とアンモニア水を添加し、pH3.5、遊離フッ素イオン濃度15ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の12.3倍モル濃度であった。
脱脂後に水洗した供試材を、45℃に加温した上記化成処理液に90秒浸漬し、化成処理を行った。
実施例2
硝酸ジルコニウム水溶液を用いてZr濃度の5.5mmol/Lの水溶液を調製し、硝酸アルミニウム・9水和物を添加してAl濃度を100ppm、硝酸マグネシウム・6水和物を添加してMg濃度を50ppmとした。次いで、酸性フッ化アンモニウムとアンモニア水を添加し、pH4.2、遊離フッ素イオン濃度20ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の8.5倍モル濃度であった。また、硝酸根濃度は2304ppmであった。
脱脂後に水洗した供試材を、40℃に加温した上記化成処理液に120秒浸漬し、化成処理を行った。
実施例3
硝酸ジルコニウム水溶液を用いてZr濃度の0.55mmol/Lの水溶液を調製し、硝酸アルミニウム・9水和物を添加してAl濃度を50ppm、硝酸マグネシウム・6水和物を添加してMg濃度を10ppmとした。次いで、酸性フッ化ナトリウムと水酸化ナトリウムを添加し、pH4.0、遊離フッ素イオン濃度8ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の16.1倍モル濃度であった。また、硝酸根濃度は531ppmであった。
脱脂後に水洗した供試材を、40℃に加温した上記化成処理液に120秒浸漬し、化成処理を行った。
実施例4
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の2.7mmol/Lの水溶液を調製し、硫酸アルミニウム・16水和物を添加してAl濃度を100ppm、硫酸マグネシウム・7水和物を添加してMg濃度を500ppm、塩化第一鉄・4水和物を添加してFe(II)濃度を20ppmとした。次いで、フッ化水素酸と水酸化ナトリウムを添加し、pH3.8、遊離フッ素イオン濃度5ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の9.9倍モル濃度であった。
脱脂後に水洗した供試材を、35℃に加温した上記化成処理液に180秒浸漬し、化成処理を行った。
実施例5
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の2.7mmol/Lの水溶液を調製し、硫酸アルミニウム・16水和物を添加してAl濃度を500ppm、硫酸マグネシウム・7水和物を添加してMg濃度を500ppm、塩化第一鉄・4水和物を添加してFe(II)濃度を30ppmとした。次いで、フッ化水素酸とアンモニア水を添加し、pH4.0、遊離フッ素イオン濃度28ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の27.7倍モル濃度であった。
脱脂後に水洗した供試材を、45℃に加温した上記化成処理液に90秒浸漬し、化成処理を行った。
実施例6
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の2.7mmol/Lの水溶液を調製し、硫酸アルミニウム・16水和物を添加してAl濃度を500ppm、硫酸マグネシウム・7水和物を添加してMg濃度を500ppm、塩化第一鉄・4水和物を添加してFe(II)濃度を50ppmとした。次いで、過酸化水素水を添加してFe(II)をFe(III)に酸化させた後、フッ化水素酸とアンモニア水を添加し、pH4.0、遊離フッ素イオン濃度28ppmの化成処理液とした。F濃度は、Zr濃度の27.7倍モル濃度であった。
脱脂後に水洗した供試材を、45℃に加温した上記化成処理液に90秒浸漬し、化成処理を行った。
比較例1
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の5.5mmol/Lの水溶液を調製し、硝酸アルミニウム・9水和物を添加してAl濃度を300ppm、硝酸マグネシウム・6水和物を添加してMg濃度を100ppmとした。次いで、フッ化水素酸とアンモニア水を添加し、pH3.5、遊離フッ素イオン濃度35ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の13.3倍モル濃度であった。また、硝酸根濃度は2576ppmであった。
脱脂後に水洗した供試材を、35℃に加温した上記化成処理液に180秒浸漬し、化成処理を行った。
比較例2
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液を用いてZr濃度の2.7mmol/Lの水溶液を調製した。次いで、酸性フッ化ナトリウムと水酸化ナトリウムを添加し、pH4.5、遊離フッ素イオン濃度40ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の8.9倍モル濃度であった。
脱脂後に水洗した供試材を、40℃に加温した上記化成処理液に120秒浸漬し、化成処理を行った。
比較例3
硝酸ジルコニウム水溶液を用いてZr濃度の2.7mmol/Lの水溶液を調製し、硫酸アルミニウム・16水和物を添加してAl濃度を500ppmとした。次いで、フッ化水素酸とアンモニア水を添加し、pH4.0、遊離フッ素イオン濃度28ppmの化成処理液を作製した。F濃度は、Zr濃度の27.7倍モル濃度であった。また、硝酸根濃度は680ppmであった。
脱脂後に水洗した供試材を、45℃に加温した上記化成処理液に90秒浸漬し、化成処理を行った。
[電着ムラの評価]
表に示すように、実施例では、セッティング時間10分まで電着外観にムラが発生しなかったのに対し、比較例では、セッティング時間1分以上でムラが発生した。
以上より、本発明の効果は明らかである。
Figure 0006326305

Claims (5)

  1. カチオン電着塗装の前に施される金属材料の表面処理方法であって、該表面処理方法は、少なくとも1段の脱脂処理、該脱脂処理に引き続き少なくとも1段の水洗処理の後に皮膜化成処理が行われ、該皮膜化成処理後に少なくとも1段の水洗処理が行われ、該表面処理方法にて処理された該金属材料は、該金属材料の表面の水分を強制的に乾燥することなくカチオン電着塗装工程に供されるものであって、該金属材料が該表面処理方法の最終水洗完了時点からカチオン電着塗装浴へ浸漬されるまでに要する時間が、1分以上10分以内であり、かつ、該皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴が、0.1mmol/Lから5.5mmol/Lのジルコニウムと、ジルコニウムの少なくとも6倍モル濃度のフッ素と、アルミニウムと、マグネシウムとを含有し、該化成処理浴における遊離フッ素イオン濃度が、30ppm以下の水溶液であることを特徴とする金属材料の表面処理方法。
  2. 前記皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中の遊離フッ素イオン濃度を、アルミニウムとマグネシウムの添加濃度で制御することを特徴とする請求項1に記載の金属材料の表面処理方法。
  3. 前記皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンの濃度が、0.4mmol/L未満であることを特徴とする請求項1から2いずれか1項に記載の金属材料の表面処理方法。
  4. 前記皮膜化成処理工程に用いられる化成処理浴中に被処理金属材料の溶解によって蓄積する2価鉄イオンを酸化剤により3価鉄イオンに酸化させることで、化成処理浴中の2価鉄イオンの濃度を制御することを特徴とする請求項3に記載の金属材料の表面処理方法。
  5. 前記金属材料が、少なくとも1種の鉄系金属材料、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料との組み合わせ、又は少なくとも1種の鉄系金属材料と亜鉛系金属材料とアルミニウム系金属材料との組み合わせからなることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の金属材料の表面処理方法。
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