JP6315707B2 - バルーンカテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテルシャフトの先端部にバルーンが装着されたバルーンカテーテルに関する。
心臓血管に形成された狭窄部位を拡張するための治療法として、バルーンカテーテルを用いる経皮的冠動脈形成術(PTCA)がある。バルーンカテーテルは、カテーテルシャフトの先端部にバルーンが装着されたものである。PTCAでは、このバルーンカテーテルを血管内に挿入し、収縮して折り畳まれた状態でバルーンを狭窄部位まで案内したのち、バルーンの内部に生理食塩水等の流体を導入することでバルーンを拡張し、その狭窄部位を拡げる。
これまでに、バルーンカテーテルを構成するバルーンとしては、単層構造を有するもののほか、所望の特性を得るために異種材料からなる複数の層を含む多層構造を有するものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。例えば、特許文献2には、ポリエステルからなる第1層とポリアミドからなる第2層と接着材料からなる第3層とを備える多層管状体(パリソン)を共押出し成形によって製造し、その多層管状体をブロー成形により製造した多層構造のバルーンが開示されている。
特表平9−508558号公報 特表2006−503642号公報
ところで、狭窄が進み狭くなっている病変部に対しては、折り畳まれた状態の外径が大きいバルーンでは病変部を通過することできない場合がある。そのような場合、バルーンを薄型化し、折り畳まれた状態での外径を小さくする必要がある。すなわち、バルーンが収縮して折り畳まれた状態での寸法の縮小化が求められていることから、バルーンのさらなる薄型化が望まれる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高い破断強度を有すると共に薄型化に好適なバルーンを備えたバルーンカテーテルを提供することにある。
本発明のバルーンカテーテルは、軸方向に伸びる管状部材からなる先端側シャフトと、その先端側シャフトの先端に接続された多層バルーンとを備える。多層バルーンは、少なくとも第1層および第1層の外表面を覆う第2層を有する。第1層および第2層は軸方向に沿って第1端部と中間部と第2端部とを順にそれぞれ有する。第1層の第1端部と第2層の第1端部とが互いに固定され、第1層の第2端部と第2層の第2端部とが互いに固定され、第1層の中間部と第2層の中間部とは互いに固定されずに重なり合っている。
このようなバルーンカテーテルでは、多層バルーンの膨張および収縮の際に第1層と第2層との境界部分における応力集中が緩和され、多層バルーンの破断を防止することができる。
本発明のバルーンカテーテルでは、第1層は、第1の配向方向を有する第1の樹脂材料からなり、第2層は、第1の配向方向と異なる第2の配向方向を有する第2の樹脂材料からなるとよい。このような多層バルーンであれば、第1層は第1の配向方向における破断強度が高く、第2層は第2の配向方向における破断強度が高い。このため、多層バルーン全体としては二軸方向の破断強度が向上する。よって、多層バルーンにおける強度の向上と薄型化との両立が実現される。
本発明のバルーンカテーテルでは、先端側シャフトは第1の配向方向または第2の配向方向に沿って延在し、第1の配向方向と第2の配向方向とは実質的に直交することが望ましい。バルーン全体における破断強度がより強化されるからである。特に、先端側シャフトは第2の配向方向に沿って延在しているとよい。先端側シャフトの延在方向に沿って配向する第2の樹脂材料を含む第2層が外層となるので、外層としての第2層が万一破断した際にその一部が脱落するリスクを回避できるからである。
本発明のバルーンカテーテルによれば、第1層とその第1層の外表面を覆う第2層とを有し、第1層の第1端部と第2層の第1端部とが互いに固定され、第1層の第2端部と第2層の第2端部とが互いに固定され、第1層の中間部と第2層の中間部とは互いに固定されずに重なり合っているようにしたので、高い破断強度を確保しつつ小型化を実現することができる。
本発明の一実施の形態に係るバルーンカテーテルの全体構成例を表す模式図である。 図1に示したバルーンを拡大して表す断面図である。 図1に示したバルーンを拡大して表す部分破断図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態>
[バルーンカテーテル1の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るバルーンカテーテル1の全体構成を模式的に表したものである。バルーンカテーテル1は、例えば先端側シャフト10と、この先端側シャフト10の先端部に装着されたバルーン20と、先端側シャフト10の内部およびバルーン20の内部に挿通されたインナーシャフト30とを備える。バルーン20は、その内部に生理食塩水などの流体を導入することにより拡張し、その内部に導入された流体を排出することにより収縮するようになっている。なお、本明細書では、先端側シャフト10が延在する方向を「軸方向」といい、その軸方向と直交する軸周りの方向を「周方向」という。また、本実施の形態では、インナーシャフト30が延在する方向は、「軸方向」と実質的に一致している。
バルーンカテーテル1は、先端側シャフト10の基端に接続された基端側シャフト50と、その基端側シャフト50の基端に装着されたハブ60と、ストレインリリーフ70とをさらに備えている。
先端側シャフト10は管状の部材である。先端側シャフト10とインナーシャフト30との隙間には拡張ルーメンが形成されている。バルーン20を拡張させるための生理食塩水などの流体が、この拡張ルーメンを流通する。先端側シャフト10の外径は、例えば0.7mm〜1.0mm程度であり、先端側シャフト10の長さは例えば150mm〜450mm程度である。また、先端側シャフト10の構成材料としては、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))およびナイロンなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、特にPEBAX(登録商標)が好ましい。
先端側シャフト10の内部およびバルーン20の内部には、管状部材からなるインナーシャフト30が挿通されており、インナーシャフト30の内部空間は、ガイドワイヤを挿通するためのガイドワイヤルーメンを形成している。
インナーシャフト30の先端部は、バルーン20の先端部に固定されている。インナーシャフト30の先端には開口35Aが形成されており、インナーシャフト30の基端には開口35Bが先端側シャフト10の側面に露出するように形成されている。
インナーシャフト30の外径は、例えば0.48mm〜0.60mm程度である。また、インナーシャフト30の内径は、例えば0.35mm〜0.45mm程度である。インナーシャフト30の構成材料としては、先端側シャフト10の構成材料と同一の熱可塑性樹脂が挙げられ、特にPEBAX(登録商標)が好ましい。インナーシャフト30の内面には、潤滑性の高い樹脂層がさらに形成されていてもよい。そのような樹脂層の構成材料としては、ポリエチレンなどのポリオレフィン、PFA、PTFEなどのフッ素系樹脂が挙げられる。
基端側シャフト50は、例えばステンレス鋼、NiTi合金またはCuMnAl系合金などの金属材料のほか、先端側シャフトと同様の樹脂材料からなる管状部材である。基端側シャフト50の先端部は先端側シャフト10の基端部に挿入され、先端側シャフト10の拡張ルーメンと基端側シャフト50のルーメンとは連通している。基端側シャフト50の基端部はストレインリリーフ70およびハブ60に挿入されている。基端側シャフト50の先端部には螺旋状のスリットが形成されていてもよい。基端側シャフト50は、例えば900mm〜1500mm程度の長さを有する。
基端側シャフト50に装着されたハブ60の基端部には、バルーン20を拡張させるための流体を導入するための開口として、バルーン拡張用ポート(図示せず)が形成されている。このハブ60にはインディフレータ(図示せず)が装着され、このインディフレータによってバルーン20を拡張させるための圧力が調整されるようになっている。
[バルーン20の構成]
次に、図2および図3を参照して、バルーン20の構成について詳細に説明する。図2は、バルーン20の、インナーシャフト30の延在方向に沿った断面を表す断面図であり、図3は、バルーン20の部分破断図である。図2および図3は、いずれも拡張時におけるバルーン20を表している。ただし、図3では、第2層22(後出)の一部を省略して示している。
バルーン20は、その基端側が先端側シャフト10に固定され、その先端側がインナーシャフト30に固定されている。バルーン20の内部(空間K)は先端側シャフト10の内腔に連通している。そのため、基端側シャフト50のルーメンおよび先端側シャフト10の拡張ルーメンを介してバルーン20の内部に流体を供給し、バルーン20を膨らませることが可能となっている。
バルーン20は、図2に示したように、例えば中央部20Cと、その中央部20Cをインナーシャフト30の軸方向に沿って挟むように配置される一対の端部20A,20Bと、中央部20Cと一対の端部20A,20Bとをそれぞれ繋ぐ一対のテーパ部20D,20Eとを有する。バルーン20の拡張時において、中央部20Cおよび一対のテーパ部20D,20Eにおける第1層21の内面21Sは、バルーン20を貫くインナーシャフト30の表面30Sから離間し、空間Kを形成する。空間Kには、インナーシャフト30と先端側シャフト10との隙間(拡張ルーメン)から流体が流入する。なお、端部20Aが本発明の「第1端部」に対応する一具体例であり、端部20Bが本発明の「第2端部」に対応する一具体例であり、中央部20Cおよび一対のテーパ部20D,20Eが本発明の「中間部」に対応する一具体例である。
中央部20Cは、例えばインナーシャフト30の延在方向を高さ方向とする略円筒状の外観を有しており、バルーン20の拡張時において、バルーン20のうち最大の外径を有する部分である。拡張時の中央部20Cにおける外径は、例えば1.0mm〜5.0mm程度である。
一対の端部20A,20Bは、中央部20Cの外径よりも小さな外径を有する。バルーン20は、先端側の端部20Aがインナーシャフト30に固定され、基端側の端部20Bが先端側シャフト10に固定される。固定する方法は特に限定されないが、例えば熱融着によって固定される。
テーパ部20Dは、中央部20Cと端部20Aとを繋ぐ部分であり、略円錐台形状を有する。テーパ部20Eは、中央部20Cと端部20Bとを繋ぐ部分であり、やはり略円錐台形状を有する。
図2および図3に示したように、バルーン20は、第1層21と、その第1層21の外表面を覆う第2層22とからなる2層構造を有している。なお、図3では、第1層21の外表面が露出して描かれているが、実際には第2層22により全面的に覆われている。第1層21は例えば5μm〜20μm程度の厚さを有し、第2層22は例えば5μm〜20μm程度の厚さを有する。
第1層21と第2層22とは、中央部20Cおよびテーパ部20D,20Eにおいては互いに接しているものの互いに接着や融着などにより固定されず、一対の端部20A,20Bにおいて互いに融着されるなどして固定されている。
このような構成を有するバルーン20は、例えば以下のようにして作製できる。まず、ブロー成形機を用いた延伸ブロー成形により、第2層22を形成する。次に、その第2層22の内部空間にパリソンを挿入したのち、ブロー成形機を用いた延伸ブロー成形により第2層22の内側に第1層21を形成することで、2層構造のバルーン20を作製する。そののち、バルーン20の先端側の端部20Aをインナーシャフトに熱融着により固定し、基端側の端部20Bを先端側シャフト10に熱融着により固定することで、第1層21と第2層22とは一対の端部20A,20Bにおいて互いに融着される。
第1層21および第2層22の構成材料としては、種々の有機高分子材料、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられる。特に、ブロー成形により耐圧性と柔軟性とに優れたバルーン20を得るためには、ポリアミド系エラストマーを用いることが望ましい。ポリアミド系エラストマーとしては、ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合体が好ましい。上記のポリアミドとしては、例えばポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド6・6(ナイロン66)、ポリアミド6・10(ナイロン6/10)、ポリアミド6・12(ナイロン6/12)、ポリアミド11(ナイロン11)、ポリアミド12(ナイロン12)などが用いられる。一方、上記のポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いられる。第1層21および第2層22の構成材料としてのポリアミド系エラストマーは、例えば、PEBAX(登録商標)が好ましい。
ここで、第1層21の構成材料(第1の樹脂材料)と、第2層22の構成材料(第2の樹脂材料)とは、同種であってもよいし、異種であってもよい。ただし、第1層21を構成する高分子が配向する方向と、第2層22を構成する高分子が配向する方向とは、互いに異なっている。例えば、第1層21は、先端側シャフト10の延在方向と直交する周方向(図3の矢印21Yで示した方向)に配向している高分子鎖を多く含む樹脂材料(有機高分子材料)からなる。一方、第2層22は、先端側シャフト10の延在方向に沿った軸方向(図3の矢印22Yで示した方向)に配向している高分子鎖を多く含む樹脂材料からなる。
したがって、第1層21においては、周方向に配向している高分子鎖の存在割合が、軸方向に配向している高分子鎖の存在割合よりも高い(第1の樹脂材料において、周方向の配向率が軸方向の配向率よりも高い)。すなわち、第1層21に含まれる複数の高分子鎖のベクトルの総和が、軸方向よりも周方向に近い方向を向いている。この状態を、第1層21の構成材料が周方向に配向している、という。「周方向に配向している」とは、先端側シャフト10の中心軸に対する軸周りの方向と厳密に一致する場合、すなわち先端側シャフト10の延在方向とのなす角度が90°の場合に限定されるものではなく、先端側シャフト10の延在方向とのなす角度が45°超90°未満、好ましくは60°超90°未満である場合をも許容する意である。
一方、第2層22においては、軸方向に配向している高分子鎖の存在割合が、周方向に配向している高分子鎖の存在割合よりも高い(第2の樹脂材料において、軸方向の配向率が周方向の配向率よりも高い)。すなわち、第2層22に含まれる複数の高分子鎖のベクトルの総和が、周方向よりも軸方向に近い方向を向いている。この状態を、第2層22の構成材料が軸方向に配向している、という。「軸方向に配向している」とは、先端側シャフト10の延在方向と厳密に一致する場合、すなわち先端側シャフト10の延在方向とのなす角度が0°の場合に限定されるものではなく、先端側シャフト10の延在方向とのなす角度が0°超45°未満、好ましくは0°超30°未満の場合をも許容する意である。
ここで、第1層21および第2層22における周方向または軸方向に配向している高分子鎖の存在割合(配向率)は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて以下のようにして求めることができる。
具体的には、まず、第1層21および第2層22から試験片を採取する。次に、その試験片をFTIR内に設置された偏光ATRユニットに固定したのち、その偏光ATRユニットに装着された偏光子および検光子の角度を垂直偏光(0°)から平行偏光(90°)に至るまで回転させながら任意の角度(例えば5°刻み)でのIRスペクトルを得る。得られたIRスペクトルに基づき、第1層21および第2層22をそれぞれ構成する樹脂材料における高分子鎖の配向に基づくピークを選定する。例えば、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)を上記の樹脂材料として用いた場合にはアミドI由来のC=O伸縮またはアミドII由来のN−H変角に基づくピークを選定する。そして、得られた各角度のIRスペクトルのデータから樹脂の配向率を求める。
第1層21を構成する樹脂材料では、周方向の配向率は軸方向における配向率よりも高い。一方、第2層22を構成する樹脂材料では、軸方向の配向率が周方向における配向率よりも高い。
なお、第1層21における高分子鎖の周方向の配向は、例えば第1層21を延伸ブロー成形する際に、その周方向における延伸率を軸方向における延伸率よりも高めるようにすることで設定され得る。同様に、第2層22における高分子鎖の軸方向の配向は、例えば第2層22を延伸ブロー成形する際に、その軸方向における延伸率を周方向における延伸率よりも高めるようにすることで設定され得る。ただし、これは一例であって、他の方法により高分子鎖の配向方向を設定するようにしてもよい。
[作用・効果]
(A.基本動作)
このバルーンカテーテル1では、患者に対する経皮的冠動脈形成術(PTCA)の際に、バルーン20が装着された先端部分が患者の血管内に挿入される。その際、バルーン20は収縮して折り畳まれた状態で患部(狭窄部位)まで案内される。バルーン20が狭窄部位に到達したのち、バルーン20の内部に生理食塩水等の流体を導入してバルーン20を拡張することで、その狭窄部位を拡げる。
(B.バルーン20の作用に基づく効果)
このバルーンカテーテル1では、第1層21と第2層22とが、中央部20Cおよびテーパ部20D,20Eにおいては互いに接しているものの固定されず、一対の端部20A,20Bにおいて互いに固定されるようにしたので、バルーン20の破断を防止することができる。一般に、バルーンカテーテルのバルーンを拡張すると、圧力に応じてバルーンは成形時のサイズを超えて拡張するが、この拡張の度合はバルーンの物理的特性によって異なる。その結果、例えば、異なる物理的特性を有する内層と外層とからなる2層バルーンでは、内層の拡張度合と外層の拡張度合が異なることになる。例えば、多層構造のパリソンを延伸ブロー成形して製造した多層構造のバルーンでは、その中央部およびテーパ部の双方において隣接する各層同士が固着され、複数層が一体となっている。このため、多層構造のバルーンが拡張した際、ある層(内層)の寸法変化とその層と固着された他の層(外層)の寸法変化との差異によってそれらの層の境界面(内層と外層との境界面)において応力が集中し、その応力が集中した箇所から多層構造のバルーンが破断するおそれがある。この点、本実施形態のバルーン20では、中央部20Cおよびテーパ部20D,20Eにおいて第1層21と第2層22とが互いに固定されていないため、バルーン20の拡張および収縮の際、中央部20Cにおける第1層21と第2層22とがそれぞれ個別に変位することができる。その結果、例えば第1層21と第2層22との境界部分における応力集中が発生せず、あるいは発生したとしても第1層21と第2層22とが中央部20Cにおいても固着されている場合よりも応力集中が緩和され、破断を防止することができる。
また、このバルーンカテーテル1では、バルーン20が第1層21と第2層22との2層構造を有し、第1層21を構成する樹脂材料の配向方向(周方向)と、第2層22を構成する樹脂材料の配向方向(軸方向)とが互いに異なっている。このため、第1層21は周方向における破断強度が高く、第2層22は軸方向における破断強度が高い。したがって、バルーン20全体としては二軸方向における破断強度が向上するので、バルーン20の強度の向上とバルーン20の薄型化との両立が実現される。バルーン20の薄型化により、これを用いたバルーンカテーテル1を血管に挿通する際の操作性向上が期待できる。
特に、本実施の形態では、第1層21を構成する樹脂材料の配向方向(周方向)と第2層22を構成する樹脂材料の配向方向(軸方向)とが実質的に直交するようにしたので、バルーン20全体として周方向の破断強度および軸方向の破断強度の双方を向上させることができる。一般に、バルーンカテーテルのバルーンを拡張すると、バルーンは圧力に応じて成形時のサイズを超えて軸方向および周方向に拡張し、拡張が限界を超えたときに破断する。したがって、本実施の形態のように、軸方向および周方向における強度を高めることでバルーンの破断強度を高めることが可能になる。また、本実施の形態では、第1層21を構成する樹脂材料の配向方向を周方向にしたため、通常の厚さよりもかなり薄くした場合であっても一般的に求められる周方向の破断強度を達成することが可能である。一方、第2層22についても、第2層22を構成する樹脂材料の配向方向を軸方向にしたため、通常の厚さよりもかなり薄くした場合であっても一般に求められる破断強度を達成することが可能である。そのため、本実施形態では、薄型化したバルーンでも一般に求められる破断強度を達成することが可能となり、これを用いたバルーンカテーテルを血管に挿通する際の操作性向上が期待できる。
また、本実施の形態では、第2層22を構成する樹脂材料の配向方向を先端側シャフト10の延在方向(軸方向)と一致させるようにした。このため、第2層22が万一破断したとしてもその一部が脱落するリスクを回避することができる。これは、仮にバルーン20が破断したとしても、第2層22には先端側シャフト10の延在方向(軸方向)に沿って亀裂が進展し、第2層22は周方向において複数の破断部分に分離するのみであり、それらの複数の破断部分の各々はいずれも各々の両端が先端側シャフト10およびインナーシャフト30に固定された状態が維持されるからである。ところが、仮にバルーン20が周方向に沿って破断して複数の破断部分に分離した場合、軸方向の両端に位置する破断部分以外の破断部分は先端側シャフト10およびインナーシャフト30のいずれにも固定されていない状態となり、体内に脱落するおそれが比較的高くなる。このような現象は、延伸ブロー成形により形成された第2層22が、その延伸方向への力に対しては破断しにくいが、その延伸方向と直交する方向に引っ張られたときにはその延伸方向に沿って亀裂が生じて破断し易いという性質を有することに起因する。外層としての第2層22の配向方向(延伸方向)が先端側シャフト10の延在方向(軸方向)と一致する場合、第2層22における軸方向の力に対する破断強度は周方向の力に対する破断強度よりも大きい。したがって、この場合、仮に第2層22が破断するとしても、軸方向に沿った亀裂が生じて周方向に破断するのみであり、破断部分と先端側シャフト10との接合部分およびその破断部分とインナーシャフト30との接合部分は保存されやすくなる。よって、バルーン20の破断部分が体内へ脱落する可能性は低い。
<変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態において説明した各部材の形状や配置位置、材料等は限定されるものではなく、他の形状や配置位置、材料等としてもよい。また、上記実施の形態において説明した各層および各部材の材料等は限定されるものではなく、他の材料としてもよい。上記実施の形態では、バルーンカテーテルの構成について具体例を挙げて説明したが、必ずしも全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素をさらに備えていてもよい。
例えば、上記実施の形態では、中央部とテーパ部を有するバルーン20を例示したが、バルーンの形状については、これに限定されるものではなく、各種の形状としてもよい。
また、上記実施の形態では、2層構造のバルーンを例示したが、3層以上を含む多層構造としてもよい。その場合、各層を構成する樹脂材料の配向方向を全て異なるようにしてもよいが、交互に、あるいは周期的に異ならせるようにしてもよい。特に、連続する2層の樹脂材料の配向方向は、互いに実質的に直交するようにするとよい。
加えて、上記実施の形態では、ラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば、ガイドワイヤが手元から先端まで通るオーバーザワイヤタイプのバルーンカテーテルにも適用可能である。
1…バルーンカテーテル、10…先端側シャフト、20…バルーン、21…第1層、22…第2層、30…インナーシャフト、35A,35B…開口、50…基端側シャフト、60…ハブ、70…ストレインリリーフ。

Claims (4)

  1. 軸方向に伸びる管状部材からなる先端側シャフトと、
    前記先端側シャフトの先端に接続された多層バルーンと
    を備え、
    前記多層バルーンは、少なくとも第1層および前記第1層の外表面を覆う第2層を有し、
    前記第1層および前記第2層は、前記軸方向に沿って第1端部と中間部と第2端部とを順にそれぞれ有し、
    前記第1層の前記第1端部と前記第2層の前記第1端部とが互いに固定され、
    前記第1層の前記第2端部と前記第2層の前記第2端部とが互いに固定され、
    前記第1層の前記中間部と前記第2層の前記中間部とは互いに固定されずに重なり合っている
    バルーンカテーテル。
  2. 前記第1層は、第1の配向方向を有する第1の樹脂材料からなり、
    前記第2層は、前記第1の配向方向と異なる第2の配向方向を有する第2の樹脂材料からなる
    請求項1記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記先端側シャフトは、前記第1の配向方向または第2の配向方向に沿って延在し、
    前記第1の配向方向と前記第2の配向方向とは、実質的に直交する
    請求項2記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記先端側シャフトは、前記第2の配向方向に沿って延在している
    請求項3記載のバルーンカテーテル。
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