JP6311768B1 - 車両用ヘッドライト制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドライトの照射領域内に歩行者が存在している場合でも、歩行者を目立たせるような照射光を生成する。【解決手段】車両用ヘッドライトの制御装置は、歩行者Hを検出する歩行者検出部と、ヘッドライトの照射状態を制御するヘッドライト制御部とを備える。前記ヘッドライト制御部は、前記歩行者検出部が前記ヘッドライトの照射範囲内で歩行者Hを検出した場合に、当該歩行者Hの周辺が減光されるよう前記ヘッドライトの照射状態を制御する減光制御を実行する。歩行者Hには、ハイビーム又はロービームの一部、或いは専用光源から発せられるマーキングライトが照射される。歩行者Hの周辺には、前記減光制御によって減光領域RL1、RL2が形成され、歩行者Hとその周辺との明るさのコントラストが高められる。【選択図】図21

Description

本発明は、夜間走行中において車両前方の歩行者を目立たせるような照射光を生成可能な車両用ヘッドライトの制御装置に関する。
車両の夜間走行時において、ドライバーによる歩行者の認知性を向上させるために、歩行者マーキングを行うシステムが提案されている。歩行者マーキングシステムは、車両前方に歩行者が存在することを検出するセンシング要素(例えば車載カメラやレーダ装置)と、当該歩行者に対してスポットライト的な光線であるマーキングライトを照射する光源とを含む。特許文献1には、マーキングライト専用の光源が、車両のヘッドライトのユニット中に組み込まれている構成が開示されている。
特開2015−33939号公報
しかし、ヘッドライトが既に照射されている領域で歩行者が検出された場合等、歩行者周辺の輝度が高い場合には、歩行者を目立たせるような照射光の形成が困難になるという課題があった。例えば、ハイビームが既に照射されている領域に歩行者が存在している場合、特許文献1のようなマーキングライト専用の光源で当該歩行者にマーキングライトを照射しても、さほど歩行者を際立たせることはできない。また、専用光源ではなくハイビーム光源を利用して歩行者マーキングを行うシステムの場合、ハイビームの照射領域内に存在する歩行者を目立たせるようなマーキングライトの照射ができない。
本発明の目的は、ヘッドライトの照射領域内に歩行者が存在している場合でも、歩行者を目立たせるような照射光を生成可能な車両用ヘッドライト制御装置を提供することにある。
本発明の一局面に係る車両用ヘッドライト制御装置は、車両前方の歩行者を検出する歩行者検出部と、前記車両の進行方向の軸線から左右に広がるに連れて輝度が低下する傾向の配向分布を有するヘッドライトの照射状態を制御するヘッドライト制御部と、を備え、
前記ヘッドライト制御部は、前記歩行者検出部が前記ヘッドライトの照射範囲内で歩行者を検出した場合に、当該歩行者の周辺が減光されるよう前記ヘッドライトの照射状態を制御する減光制御を実行するものであって前記減光制御は、当該歩行者の両側部のうち、車両進行方向の軸線に対して近い側の側部を減光させる一方、前記軸線に対して遠い側の側部及び歩行者に対しては減光しない制御である。
この車両用ヘッドライト制御装置によれば、ヘッドライトの照射範囲内に歩行者が存在している場合、当該歩行者の周辺を減光させる減光制御が実行される。前記減光により、歩行者とその周囲との明るさのコントラストが高められる。なお、本発明において、「減光」とは、消灯も含む概念である。このため、歩行者が既にヘッドライトで照らされる領域に存在している場合においても、当該歩行者を目立たせることができる。結果として、良好な歩行者マーキングを達成することができる。
また、前記減光制御は、当該歩行者の両側部のうち車両進行方向の軸線に対して近い側の側部を減光させる一方、前記軸線に対して遠い側の側部及び歩行者に対しては減光しない制御である。
通常、歩行者は走行ライン上ではなく、走行ラインの左右いずれかの領域で検出される。そして、ヘッドライトの配向分布は、一般に走行ラインから左右に広がるに連れて、輝度が低下する傾向とされている。つまり、歩行者の両側部のうち、走行ラインに対して近い側の側部の方が高い輝度となる。従って、前記近い側の側部を減光した方が、当該歩行者とその周囲とのコントラストをより高めることができる。上記構成は、例えば、ヘッドライトの照射範囲を高い分解能で選択できず、歩行者の両側部を減光させることが困難なようなケースに好ましく適用できる。
上記の車両用ヘッドライト制御装置において、前記ヘッドライト制御部は、前記歩行者検出部が複数の歩行者を検出したとき、車両に対して最も近い歩行者を対象として、前記減光制御を実行することが望ましい。
複数の歩行者が車両前方に検出された場合、全ての歩行者を前記減光制御の対象とすると、ヘッドライトの全照射領域における減光された領域の割合が高くなってしまい、車両前方の視認性が悪化する懸念がある。一方、車両に対して最も近い歩行者は、当該車両のドライバーにとって一般に最も注意を払うべき歩行者である。上記の構成によれば、このような歩行者をマーキングできると共に、車両前方の視認性の悪化を防ぐことができる。
上記の車両用ヘッドライト制御装置において、前記歩行者検出部が複数の歩行者を検出したとき、各歩行者が当該車両の走行ラインに進入する可能性に関する評価値を導出する評価部をさらに備え、前記ヘッドライト制御部は、前記評価部が最も進入可能性が高い評価値を与えた歩行者を対象として、前記減光制御を実行することが望ましい。
車両に対して実際に最も危険度が高い歩行者は、走行ラインに進入する可能性が最も高い歩行者である。上記の構成によれば、このような歩行者をマーキングできると共に、車両前方の視認性の悪化を防ぐことができる。
上記の車両用ヘッドライト制御装置であって、前記ヘッドライトが、ロービーム光源及びハイビーム光源に加えて、歩行者に照射するマーキングライト専用の光源を含む場合において、前記ヘッドライト制御部は、前記減光制御を実行する際、前記マーキングライト専用の光源が発するマーキングライトで歩行者を照射するよう制御することが望ましい。
この車両用ヘッドライト制御装置によれば、前記減光制御が実行されると共にマーキングライトで歩行者が照射される。つまり、歩行者の周辺が減光されるようにロービーム又はハイビームでの照射状態が制御される一方で、当該歩行者にはマーキングライトがスポットライト的に照射される。これにより、歩行者とその周囲との明るさのコントラストが高められ、歩行者を際立たせることができる。
上記の車両用ヘッドライト制御装置において、歩行者の周辺が減光されるよう前記ロービーム光源又は前記ハイビーム光源の照射状態を制御することによって、前記減光制御を実行することが望ましい。
この車両用ヘッドライト制御装置によれば、ロービーム又はハイビームの減光によって歩行者を目立たせることができる。また、歩行者に対しては、専用の光源からのマーキングライトと、ロービーム又はハイビームとを重畳して照射することが可能となるので、歩行者の輝度を一層高めることができる。
本発明によれば、ヘッドライトの照射領域内に歩行者が存在している場合でも、歩行者を目立たせるような照射光を生成可能な車両用ヘッドライト制御装置を提供することができる。
図1は、車両及び車両前方の歩行者検出の態様を示す模式図である。 図2(A)は、ヘッドライトユニットの一例の模式図、図2(B)は、LEDアレイの模式図である。 図3は、ハイビームの照射範囲を説明するための図である。 図4は、第1実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成を示すブロック図である。 図5は、ロービーム走行時の歩行者マーキングを示す図である。 図6は、ロービーム走行時の歩行者マーキングを示す図である。 図7は、ハイビーム走行時の歩行者マーキングを示す図である。 図8は、ハイビーム走行時の歩行者マーキングを示す図である。 図9は、ハイビーム走行からロービーム走行への切り換え時の歩行者マーキングを示す図である。 図10Aは、第1実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。 図10Bは、第1実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。 図11は、第2実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。 図12は、第3実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成を示すブロック図である。 図13は、第3実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。 図14は、第3実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。 図15は、第4実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。 図16は、第4実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。 図17(A)は、第5実施形態で用いられるヘッドライトユニットを示す模式図、図17(B)は、LEDアレイの模式図である。 図18は、第5実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成を示すブロック図である。 図19は、第5実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。 図20は、第5実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。 図21は、第6実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。 図22は、第6実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。
[車両の概略構成]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る車両用ヘッドライト制御装置を詳細に説明する。先ずは、本実施形態のヘッドライト制御装置が適用される車両について説明する。図1は、車両1及び車両1の前方に存在する歩行者Hの検出態様を模式的に示す図である。車両1は、例えば四輪自動車である。車両1は、車両ボディ10と、この車両ボディ10の前部に配置されたヘッドライトユニット2(ヘッドライト)と、車両1の前方の物標情報を検出するセンシング要素としての単眼カメラ3及びミリ波レーダ4と、ヘッドライトユニット2の動作制御するECU5(車両用ヘッドライト制御装置;図4参照)とを備えている。
本実施形態のヘッドライトユニット2は、夜間走行時において、車両1の前方を照らす照明機能と、車両1の前方に存在する歩行者Hに対してマーキングライトを照射する歩行者マーキングの機能とを備えている。図2(A)は、ヘッドライトユニット2の一例を模式的に示す図である。ヘッドライトユニット2は、車両ボディ10前方の左右端部付近に配置されるが、そのうちの一つの正面図を図2(A)では示している。ヘッドライトユニット2は、ロービームユニット21(ロービーム光源)及びハイビームユニット22(ハイビーム光源)を備えている。
ロービームユニット21は、車両前方のやや下方を指向するロービームを発する。前記ロービームは、車両1に比較的近い車両前方を照射する。ロービームユニット21は、前記ロービームを発する図略のLED光源及び反射鏡などを備えている。ハイビームユニット22は、車両前方の概ね水平方向を指向するハイビームを発する。前記ハイビームは、車両1から比較的遠い車両前方を照射する。ハイビームユニット22は、前記ハイビームを発する光源として、LEDアレイ23を備えている。
図2(B)は、LEDアレイ23の模式図である。LEDアレイ23は、照射範囲(角度)の異なる複数のLED素子23Aを単位光源として含んでいる。図2(B)では、横方向に一列に配列されたパッケージ番号1〜11の区画に、各々LED素子23Aが配置されている例を示している。勿論、前記区画は複数個あれば良く、11個より少なくても、或いは多くても良い。パッケージ番号1〜11の区画は、独立して発光の光量を制御することができる単位光源を収容する区画である。従って、パッケージ番号1〜11の区画に各々配置されるLED素子23Aは、1個でも複数個でも良い。また、前記単位光源を収容する区画は、m行×n列のマトリクス状の配置としても良い。
図3は、ハイビームの照射範囲を説明するための図である。図3では、車両1の左右ヘッドライトユニット2L、2Rのうち、右ヘッドライトユニット2R(ハイビームユニット22)によるハイビーム照射範囲Aを模式的に示し、各LED素子23Aの照射範囲(角度)を示す表を付記している。照射角度は、車両1の走行ラインRに対する傾きで示している。ハイビーム照射範囲Aは、パッケージ番号1〜11のLED素子23Aが各々発するハイビームの合成によって作られている。
例えば、パッケージ番号1のLED素子23Aは、その照射範囲の走行方向左側の限界が走行ラインRに対して−10度、走行方向右側の限界が+2度であること、つまり−10度〜+2の範囲が照射範囲であることを示している。パッケージ番号2のLED素子23Aの照射範囲は、+0度〜+12度の範囲であり、パッケージ番号1の照射範囲と一部重複している。パッケージ番号3以下のLED素子23A相互間においても同様である。
パッケージ番号1〜11のLED素子23Aの全てを点灯させると、その合成照射範囲は、図3に示すようなハイビーム照射範囲A、つまり通常のハイビーム照射範囲となる。一方、パッケージ番号1〜11のLED素子23Aの一部だけを点灯させると狭い照射範囲のハイビームが得られ、また一部だけを減光させると減光領域を備えたハイビームを得ることができる。例えば、パッケージ番号5のLED素子23Aだけを点灯させると、+30度〜+42度の範囲だけをスポットライト的に照射するハイビームを得ることができ、逆にそれだけを減光させると、+30度〜+42度の範囲だけが減光領域とされたハイビームを得ることができる。
単眼カメラ3は、CMOSエリアセンサ等の撮像センサを含み、車両1の所定位置(例えば車室内のバックミラー付近)に配置され、車両1の前方の画像を撮像する。図1では、歩行者Hの光像3Aが単眼カメラ3に撮像されている状態を模式的に示している。単眼カメラ3の撮像センサに入射した光像は、逐次画像データに光電変換され、ECU5(図4)へ送信される。
ミリ波レーダ4は、ミリ波帯の電波を車両前方の空間に発信すると共に、その反射波を受信することによって、車両1の前方に存在する物標を検出する装置である。ミリ波レーダ4は、例えば車両ボディ10の前端部(フロントバンパー付近)に配置される。図1では、歩行者Hからの反射波4Aがミリ波レーダ4で受信されている例を模式的に示している。反射波4Aの受信データは、ECU5へ送信される。反射波4Aの到達時間から求められる距離情報及び基準方位に対する角度情報等から、歩行者Hの位置を求めることができる。また、反射波4Aに基づくレーダ反射断面積(RCS)より、前方に存在する物標が、立体物又は平面物であるかの判別、並びに、歩行者H、対向車両或いは障害物のいずれであるかの判別を行うことが可能である。なお、ミリ波レーダ4は、電波にて物標を探知するセンシング要素の一例であり、これに代えて例えばレーザレーダを用いることができる。
[第1実施形態]
<制御装置の構成>
図4は、第1実施形態に係るヘッドライトユニット2(2R、2L)の制御装置の構成を示すブロック図である。第1実施形態では、ハイビームユニット22が発するハイビームを利用してマーキングライトが形成される例を示す。第1実施形態の制御装置は、2つのヘッドライト点灯回路24、ヘッドライトスイッチ25及びECU5(車両用ヘッドライト制御装置)を備える。
ヘッドライト点灯回路24は、ECU5と左右ヘッドライトユニット2L、2Rの各々との間に組み入れられ、ECU5から点灯制御信号が入力される。ヘッドライト点灯回路24は、ECU5から与えられる制御信号に従って、ヘッドライトユニット2L、2Rのロービームユニット21の前記LED光源及びハイビームユニット22のLEDアレイ23を点灯させる駆動信号を生成する。
ヘッドライトスイッチ25は、ドライバーから、ヘッドライトユニット2L、2RのON、OFFの切り換え操作、並びにロービームユニット21又はハイビームユニット22のいずれを点灯させるかの操作を受け付けるスイッチである。なお、環境照度に応じてヘッドライトユニット2L、2Rを自動点灯させるオートヘッドライト機能、及び、歩行者や対向車両の存在に応じてハイビーム/ロービームを自動切り替えする機能を具備する車両1の場合は、ヘッドライトスイッチ25は、前記自動点灯及び前記自動切り替え機能を実行する所定のオート回路に代替される。
ECU5は、単眼カメラ3及びミリ波レーダ4から入力されるデータ、ヘッドライトスイッチ25から与えられる操作信号等に基づいて、ヘッドライトユニット2L、2Rによる照射動作を制御する。ECU5は、所定の動作プログラムが実行されることにより、歩行者検出部51、ヘッドライト制御部52、判定部53及びマーキングライト制御部54を機能的に具備する。
歩行者検出部51は、単眼カメラ3及びミリ波レーダ4から入力されるデータ(物標情報)に基づいて、車両前方の歩行者Hの位置を検出する。具体的には歩行者検出部51は、単眼カメラ3が取得した画像データに対してエッジ検出処理、特徴量抽出を伴うパターン認識処理などの画像処理を施し、歩行者Hを識別する。また、歩行者検出部51は、ミリ波レーダ4から取得した反射波に関するデータ(到達時間、方位、レーダ反射面積等)に基づき、歩行者Hの位置を検出する処理を実行する。歩行者検出部51は、歩行者Hの位置を特定すると、その位置情報を車両1の走行ラインRに対する角度情報に変換する。歩行者検出部51は、このような角度情報の導出処理を、所定のサンプリング周期毎に逐次実行する。前記角度情報は、後述のマーキングライトの照射の際に活用される。
単眼カメラ3とミリ波レーダ4とを組み合わせて用いることにより、歩行者Hを高精度に且つ高速で検出することができる。ミリ波レーダ4の反射波に関するデータに基づいて、立体物と平面物とを区別することができる。そして、単眼カメラ3の画像データから人物を探索する画像領域を、前記立体物の領域に絞り込むことで画像処理時間を高速化することができる。また、2つのセンシング要素で歩行者Hの検出が行われることになるので、検出精度も向上する。
ヘッドライト制御部52は、ヘッドライト点灯回路24を通して、ヘッドライトユニット2(2L、2R)の照射動作を制御する。ヘッドライト制御部52は、ヘッドライトスイッチ25に与えられている操作に応じて(或いは、前記オート回路の制御信号に応じて)、ヘッドライトユニット2のロービームユニット21又はハイビームユニット22を点灯させる。
判定部53は、ヘッドライトユニット2の照射状態がハイビームかロービームかを判定する。すなわち、現状でヘッドライト制御部52が、左右ヘッドライトユニット2L、2Rのロービームユニット21又はハイビームユニット22のいずれを点灯させているかを判定する。
マーキングライト制御部54は、ハイビームユニット22の照射状態を制御することによって、歩行者マーキングを実行するための所要のマーキングライトを生成する。本実施形態では、マーキングライト専用の光源を用いるのではなく、マーキングライト制御部54が、ハイビームユニット22のLEDアレイ23をLED素子23A単位で点灯制御することによって、マーキングライトを歩行者Hに照射させる。なお、本実施形態では、このマーキングライト制御部54及びヘッドライト制御部52が、特許請求の範囲における「ヘッドライト制御部」に相当する。
マーキングライト制御部54は、ヘッドライトユニット2の照射状態に応じて、次の第1制御及び第2制御を実行する。
・第1制御;判定部53が「ロービーム」と判定している状態において、歩行者検出部51が歩行者Hを検出したとき、ハイビームの一部が当該歩行者Hにスポットライト的に照射されるように、ハイビーム(LEDアレイ23)の照射状態を制御する。
・第2制御(減光制御);判定部53が「ハイビーム」と判定している状態において、歩行者検出部51がハイビームの照射範囲内で歩行者Hを検出したとき、当該歩行者Hの周辺が減光されるように、ハイビーム(LEDアレイ23)の照射状態を制御する。
<歩行者マーキングの具体例>
以下、上記第1制御及び第2制御による歩行者マーキングの具体例について、図5〜図9を参照して説明する。図5及び図6は、車両1がロービーム走行を行っている状態における歩行者マーキングを示す図、図7及び図8は、車両1がハイビーム走行を行っている状態における歩行者マーキングを示す図、図9は、ハイビーム走行からロービーム走行への切り換え時の歩行者マーキングを示す図である。これらの図においては、ハイビームユニット22が照らす範囲をハイビーム照射範囲A、ロービームユニット21が照らす範囲をロービーム照射範囲Bとして簡略的に示している。
図5は、車両1のロービーム走行時における、ある時刻T11のヘッドライトユニット2R、2Lの照射状況を示している。時刻T11では、単眼カメラ3及びミリ波レーダ4が、車両1の前方の、対向車線側の歩道に歩行者Hが存在していることを検出しているものとする。ロービーム走行であるので、ヘッドライトユニット2R、2Lの前照状況はロービーム照射範囲Bである。つまり、ヘッドライト制御部52がロービームユニット21を点灯させており、判定部53は「ロービーム」と判定していることになる。従って、マーキングライト制御部54は、上記「第1制御」を実行する。
マーキングライト制御部54は、時刻T11における歩行者Hの位置情報(車両1に対する角度情報)に基づき、ハイビームユニット22のLEDアレイ23が備える複数のLED素子23Aのうち、いずれを点灯させるかを決定する。この決定の際には、図3に示したような、各LED素子23Aの照射範囲(角度)が参照される。例えば、時刻T11において歩行者Hが走行ラインRに対して35度の方位に存在する場合は、右ヘッドライトユニット2Rの、パッケージ番号5のLED素子23Aが点灯される。これにより、右ヘッドライトユニット2Rは、現状のロービームに加えて、歩行者Hにスポットライト的に照射するマーキングライトMLも発することになる。マーキングライトMLが歩行者Hに照射されることで、暗闇の中で当該歩行者Hは際立つことになる。従って、車両1のドライバーは、ロービーム照射範囲Bの外に存在する歩行者Hを容易に認識できるようになる。
図6は、時刻T11からある時間が経過した時刻T12(ロービーム走行は継続)における、ヘッドライトユニット2R、2Lの照射状況を示している。時間経過により車両1が進行し、歩行者Hも移動するので、車両1と歩行者Hとの相対位置も変化する。マーキングライト制御部54は、時刻T12における歩行者Hの位置情報に基づき、点灯させるLED素子23Aを決定する。例えば、時刻T12において歩行者Hが走行ラインRに対して45度の方位に存在するよう相対位置が変化してれば、右ヘッドライトユニット2Rの、パッケージ番号6のLED素子23Aが点灯される。従って、歩行者Hは、パッケージ番号6のLED素子23Aが発するマーキングライトMLで照射されるようになる。このように、車両1と歩行者Hとの相対位置の変化に応じて点灯されるLED素子23Aが順次シフトされて行き、車両1と歩行者Hとがすれ違うまで歩行者マーキングが継続される。
図7は、車両1のハイビーム走行時における、ある時刻T21のヘッドライトユニット2R、2Lの照射状況を示している。時刻T21では、単眼カメラ3及びミリ波レーダ4が、車両1の前方の、対向車線側の歩道に歩行者Hが存在していることを検出しているものとする。ハイビーム走行であるので、ヘッドライトユニット2R、2Lの前照状況はハイビーム照射範囲Aである。つまり、ヘッドライト制御部52がハイビームユニット22を点灯させており、判定部53は「ハイビーム」と判定していることになる。従って、マーキングライト制御部54は、上記「第2制御」を実行する。
マーキングライト制御部54は、時刻T21における歩行者Hの位置情報に基づき、ハイビームユニット22のLEDアレイ23が備える複数のLED素子23Aのうち、いずれを減光させるかを決定する。つまり、ハイビーム走行では、複数のLED素子23Aの全てが点灯されている状態であるが、これらのうち歩行者Hの周辺を照射範囲としているLED素子23Aが減光対象として指定される。一方、歩行者Hの存在位置を照射範囲としているLED素子23Aについては、減光対象には指定されない。ここで、減光の態様は様々採用できるが、例えば減光対象のLED素子23Aの発光量を通常時に比べて50%以下に低減させる、あるいは消灯するなどの態様を例示することができる。
例えば、時刻T21において歩行者Hが走行ラインRに対して35度の方位に存在しているとする。この場合、右ヘッドライトユニット2Rの、35度の方位を照射範囲に含むパッケージ番号5のLED素子23Aは減光対象には指定されない。一方、パッケージ番号5に隣接するパッケージ番号4及び6のLED素子23Aが減光対象として指定される(単位光源の一部減光)。もちろん、パッケージ番号5に加え、パッケージ番号4及び6以外の他のLED素子23Aも減光対象には指定されない。
これにより、歩行者Hの周辺、すなわち歩行者Hの両側部(走行ラインに近い側の側部及びその反対側の側部)に、パッケージ番号4及び6のLED素子23Aが減光されたことに伴う減光領域RL1、RL2が形成される。また、歩行者Hは、パッケージ番号5のLED素子23Aの照射範囲Anに存在することから、あたかもマーキングライトMLが当該歩行者Hに照射された状態となる。すなわち、歩行者Hの両側部に減光領域RL1、RL2を作るというマーキング減光が実行されることで、歩行者Hにスポットライト的なハイビームが実質的に照射される状態を形成する。
全灯したLEDアレイ23が作る通常のハイビームにて歩行者Hが照射された場合、車両1の前方空間の全体が照らされるので、当該歩行者Hとその周囲との明るさのコントラストは比較的低くなる。これに対し、歩行者Hの周辺が減光されることにより、歩行者Hとその周囲とのコントラストが高くなり、当該歩行者Hを目立たせることができる。従って、車両1のドライバーは、ハイビーム照射範囲A内に存在する歩行者Hを容易に認識できるようになる。
図8は、時刻T21からある時間が経過した時刻T22(ハイビーム走行は継続)における、ヘッドライトユニット2R、2Lの照射状況を示している。時間経過により車両1と歩行者Hとの相対位置も変化するので、マーキングライト制御部54は、時刻T22における歩行者Hの位置情報に基づき、減光させるLED素子23Aを決定する。例えば、時刻T22において歩行者Hが走行ラインRに対して45度の方位に存在するよう相対位置が変化したとする。この場合、右ヘッドライトユニット2Rの、パッケージ番号6のLED素子23Aが、所要のマーキングライトMLに相当する照射範囲An+1を持つことになる。従って、マーキングライト制御部54は、時刻T22においては、パッケージ番号6のLED素子23Aは減光対象とせず、パッケージ番号6に隣接するパッケージ番号5及び7のLED素子23Aを減光対象として指定する。これにより、歩行者Hは、パッケージ番号6のLED素子23Aが発するハイビームにて照射されるようになる。このように、車両1と歩行者Hとの相対位置の変化に応じて減光されるLED素子23Aが順次シフトされて行き、車両1と歩行者Hとがすれ違うまで歩行者マーキングが継続される。
図9は、ヘッドライトスイッチ25に代えて、ハイビーム/ロービームの自動切り替え機能を実現する前記オート回路が車両1に搭載されている場合に実行可能な歩行者マーキングの例を示している。図9では、図8の時刻T22からさらに時間が経過した時刻T23におけるヘッドライトユニット2R、2Lの照射状況を示している。自動切り替え機能が具備されている場合、歩行者検出部51により歩行者Hがハイビーム照射範囲Aからロービーム照射範囲Bに入ったことが検出されると、ヘッドライト制御部52は、ヘッドライトユニット2L、2Rの照射状態をハイビームからロービームに自動切り替えする。つまり、時刻T22のハイビーム走行からロービーム走行へ自動切り替えされる。図9は、この自動切り替え後の状態を示しており、ヘッドライトユニット2R、2Lの前照状況はロービーム照射範囲Bである。
時刻T23においてマーキングライト制御部54は、歩行者マーキングとして、ハイビームの一部が歩行者Hにスポットライト的に照射されるように、ハイビームユニット22の照射状態を制御する。すなわち、先に説明した第1制御と同様に、マーキングライト制御部54は、時刻T23における歩行者Hの位置情報に基づき、LEDアレイ23の複数のLED素子23Aのうち、点灯させるLED素子23Aを指定する。そして、指定したLED素子23Aを点灯させることでマーキングライトMLを生成し、歩行者Hを照射させる。これにより、単にロービームが歩行者Hに照射されている場合に比べて、マーキングライトMLが重畳的に照射されることで当該歩行者とその周囲とのコントラストが高められる。このため、ロービームの照射下において歩行者Hを目立たせることができる。
<動作フローの説明>
図10A及び図10Bは、第1実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。ECU5は、車両1の夜間走行時に歩行者マーキングを実行する。なお、単眼カメラ3及びミリ波レーダ4は、車両1の走行時には常時動作し、歩行者検出部51は歩行者Hの検出動作を常時実行している。なお、ここでは車両1が、ハイビーム/ロービームの自動点灯及び切り替えを行う前記オート回路を具備しているものとして、動作フローを説明する。
まずECU5は、車両1の走行環境の明るさを検知する図略のセンサの検知結果に基づき、夜間(薄暮を含む)であるか否かを判定する(ステップS1)。夜間でないと判定された場合は(ステップS1でNO)、待機する。夜間であると判定された場合(ステップS1でYES)、歩行者検出部51が歩行者Hを検出しているか否かが判定される(ステップS2)。ここで、夜間であると判定されると、前記オート回路はヘッドライトユニット2L、2Rを自動点灯させる。
歩行者検出部51が歩行者Hを検出していない場合(ステップS2でNO)、待機する。一方、歩行者検出部51が歩行者Hを検出している場合(ステップS2でYES)、歩行者マーキングが開始される。この場合、判定部53が、ヘッドライトユニット2L、2Rの照射状態がハイビーム又はロービームのいずれであるかを判定する(ステップS3)。照射状態が「ロービーム」である場合、つまり、ヘッドライト制御部52がロービームユニット21を点灯させている場合、マーキングライト制御部54は上述の「第1制御」を実行する。
マーキングライト制御部54は、歩行者検出部51が導出した歩行者Hの位置(角度)情報に基づき、ハイビーム光源であるLEDアレイ23が備える複数のLED素子23Aのうち、点灯させるLED素子23Aを指定する(ステップS4)。そして、マーキングライト制御部54は、指定されたLED素子23Aを点灯させるよう、ヘッドライト点灯回路24に制御信号を出力する(ステップS5)。これにより、図5に例示するように、ロービームの照射下において、マーキングライトMLが歩行者Hに照射される。
引き続き、歩行者検出部51の検出結果に基づき、歩行者Hがマーキングをすべき範囲から外れたか(歩行者不在)否かが確認される(ステップS6)。例えば、歩行者Hが車道から大きく離れた場合は、もはや歩行者マーキングは不要である。従って、歩行者不在であると判定された場合(ステップS6でYES)、ECU5は歩行者マーキングを終了する(ステップS7)。
歩行者検出部51が、歩行者マーキングが必要な範囲において歩行者Hの存在を検出し続けている場合(ステップS6でNO)、マーキングライト制御部54は、その歩行者HがステップS4で指定したLED素子23Aのマーキング範囲(照射範囲)の外へ相対的に移動したか否を判定する(ステップS8)。図5の例で言えば、パッケージ番号5のLED素子23Aの照射範囲の外に歩行者Hが移動したか否かが確認される。まだ照射範囲から外れていなければ(ステップS8でNO)、パッケージ番号5のLED素子23Aの点灯が継続され、ステップS5に戻って処理が継続される。
一方、歩行者Hが指定LED素子23Aの照射範囲から外れた位置に移動した場合(ステップS8でYES)、マーキングライト制御部54は、その時点の歩行者Hの位置情報に応じて、点灯させるLED素子23Aを新たに指定する(ステップS4に戻る)。例えば、図6に示すように、歩行者Hがパッケージ番号6のLED素子23Aの照射範囲へ相対的に移動している場合は、マーキングライト制御部54はパッケージ番号6のLED素子23Aを指定し、これを点灯させる。なお、隣接するLED素子23Aの照射範囲のボーダー付近に歩行者Hが存在しているような場合は、その隣接するLED素子23Aの双方を点灯させるようにしても良い。
ステップS3において、照射状態が「ハイビーム」である場合、つまり、ヘッドライト制御部52がハイビームユニット22を点灯させている場合、マーキングライト制御部54は上述の「第2制御」を実行する。当然のことながら、この第2制御は、歩行者検出部51が、ハイビーム(ヘッドライト)の照射範囲内において歩行者Hを検出していることを前提に実行される。
マーキングライト制御部54は、歩行者検出部51が導出した歩行者Hの位置情報に基づき、全点灯状態にある複数のLED素子23Aのうち、減光(消灯)させるLED素子23Aを指定する(ステップS9)。そして、マーキングライト制御部54は、指定されたLED素子23Aを減光させるよう、ヘッドライト点灯回路24に制御信号を出力する(ステップS10)。これにより、図7に例示するように、ハイビームの照射下において、歩行者Hの両側部に減光領域RL1、RL2を作り出すマーキング減光が形成される。その結果、減光領域RL1、RL2間に照射範囲Anを持つLED素子23A(図7の例ではパッケージ番号5のLED素子23A)が発するハイビームが実質的なマーキングライトMLとなり、歩行者Hがマーキングされる。
引き続き、ステップS6と同様に、歩行者検出部51の検出結果に基づき、歩行者Hがマーキングをすべき範囲から外れたか(歩行者不在)否かが確認される(ステップS11)。歩行者不在であると判定された場合(ステップS11でYES)、ECU5は歩行者マーキングを終了する(ステップS12)。
歩行者検出部51が、歩行者マーキングが必要な範囲において歩行者Hの存在を検出し続けている場合(ステップS11でNO)、マーキングライト制御部54は、その歩行者HがステップS9で減光を指定した一対のLED素子23A間に位置するLED素子23Aのマーキング範囲(照射範囲)の外へ相対的に移動したか否を判定する(ステップS13)。図7の例で言えば、パッケージ番号5のLED素子23Aの照射範囲の外に歩行者Hが移動したか否かが確認される。まだ照射範囲から外れていなければ(ステップS13でNO)、パッケージ番号4、6のLED素子23Aの減光が継続され、ステップS10に戻って処理が継続される。
一方、歩行者Hが減光指定のLED素子23A間に配置されたLED素子23Aの照射範囲から外れた位置に移動した場合(ステップS13でYES)、当該歩行者Hがロービーム照射範囲Bに位置しているか否かが判定される(ステップS14)。歩行者Hがハイビーム照射範囲A内に位置している場合(ステップS14でNO)、マーキングライト制御部54は、その時点の歩行者Hの位置情報に応じて、点灯させるLED素子23Aを新たに指定する(ステップS9に戻る)。例えば、図8に示すように、歩行者Hがパッケージ番号6のLED素子23Aの照射範囲へ相対的に移動している場合は、マーキングライト制御部54はパッケージ番号5及び7のLED素子23Aを減光対象として指定し、これらを減光させる。
歩行者Hがロービーム照射範囲B内に位置している場合(ステップS14でYES)、図9で例示した制御が実行される。この場合、ヘッドライト制御部52は、ヘッドライトユニット2L、2Rの照射状態をハイビームからロービームに切り替える(ステップS15)。そしてマーキングライト制御部54は、ステップS4に移行して、ロービーム走行時の歩行者マーキング処理を実行する。
<作用効果>
以上説明した第1実施形態に係るヘッドライトユニット2の制御装置によれば、ハイビームユニット22が備えるLEDアレイ23の照射状態を制御することによってマーキングライトMLが生成される。このため、マーキングライト専用の光源を用いる場合に比べて部品点数を減らすことができる。歩行者マーキングは、ロービーム走行時においては、指定されたLED素子23Aが発するハイビームがマーキングライトとして歩行者Hにスポットライト的に照射される。これにより、歩行者Hは暗闇の中で際立つようになる。一方、ハイビーム走行時には、歩行者Hの周辺だけが減光されるようハイビームの照射状態が制御される。このようなマーキング減光により、歩行者Hとその周囲との明るさのコントラストが高められる。このため、ロービーム照射時は勿論のこと、ハイビーム照射時においても、マーキング対象の歩行者Hを目立たせることができる。
また、図9に例示したように、歩行者Hがハイビーム照射範囲Aからロービーム照射範囲Bに入ると、ロービームの照射によって車両1の前方が全体的に照らされると共に、ハイビームの一部によって当該歩行者Hがスポットライト的に照射される。すなわち、ロービームの照射によって車両前方の全体的な輝度が確保され、さらにハイビームによる歩行者Hのマーキング照射によって、当該歩行者Hとその周囲とのコントラストが高められる。このため、ロービームの照射下において歩行者Hを目立たせることができる。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。第2実施形態に係るヘッドライトユニット2の制御装置の構成は、上述の第1実施形態で示した図4のブロック図と同じである。相違する点は、前記第2制御が実行される場合における、歩行者Hの周辺のマーキング減光の態様である。第2実施形態では、マーキングライト制御部54は、ハイビーム走行時の歩行者マーキングにおいて、歩行者Hの両側部のうち、車両の走行ラインに対して近い側の側部を減光させる制御を行う。
例えば、図7に示した第1実施形態では、マーキングライト制御部54が、パッケージ番号4及び6のLED素子23Aを減光対象とし、これらの間のパッケージ番号5のLED素子23Aは減光対象としない例を示した。これを第2実施形態に置換すると、マーキングライト制御部54は、パッケージ番号4のLED素子23Aだけを減光対象とし、図11に示すように、歩行者Hの車両の走行ラインに対して近い側の側部に減光領域RL1を形成する。このように、歩行者Hの片側だけに減光領域RL1を設けるだけでも、歩行者Hの存在領域とその隣接領域とのコントラストが高められるので、ハイビーム走行時において歩行者Hを目立たせることができる。
通常、歩行者Hは走行ライン上ではなく、走行ラインの左右いずれかの領域で検出される。つまり、歩行者Hは、車道横の歩道、路側帯乃至は路端において検出される。そして、ハイビームの配向分布は、一般に走行ラインから左右に広がるに連れて、輝度が低下する傾向とされている。つまり、車両1側から見た歩行者Hの両側部のうち、走行ラインに対して近い側の側部の方が高い輝度となる。従って、前記近い側の側部を減光した方が、当該歩行者とその周囲とのコントラストをより高めることができる。
この第2実施形態は、例えば、ハイビームの照射範囲を高い分解能で選択できず、歩行者Hの両側部を減光させることが困難なようなケースに好ましく適用できる。図3では、LEDアレイ23が11個のLED素子23Aからなり、個々のLED素子23Aの照射角度が12度である例を示した。これに対し、LED素子23Aが5個程度のLEDアレイ23であると、個々のLED素子23Aの照射角度を25度〜30度程度に広げざるを得ない。このような場合に、2個のLED素子23Aを減光させてしまうと、ハイビーム自体が暗くなってしまい、車両前方の全体的な視認性を悪化させてしまう懸念がある。従って、第2実施形態の如く、コントラストの向上により有利となる歩行者Hの片方の側部に対応するLED素子23Aだけを減光させることが望ましい。
[第3実施形態]
上記第1、第2実施形態では、車両前方に一人の歩行者Hが存在する場合の歩行者マーキングを例示した。第3実施形態では、車両前方に複数の歩行者Hが存在する場合の歩行者マーキングを例示する。図12は、第3実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成を示すブロック図である。上述の第1実施形態で示した図4のブロック図と相違する点は、第3実施形態のECU5Aが評価部55をさらに備えている点である。
評価部55は、ハイビーム走行時に、複数の歩行者Hが検出された場合にどの歩行者Hを対象として歩行者マーキングを実行するかを決定するに際して、検出された複数の歩行者Hの各々に評価値を導出する。この第3実施形態では、複数の歩行者Hのうち、車両1に最も近い歩行者Hに、最も高い評価値が与えられる。そして、マーキングライト制御部54は、最も高い評価値が与えられた歩行者Hに対して、上述の第1実施形態で例示した歩行者マーキングを実行する。
図13は、第3実施形態に係る歩行者マーキングを示す図、図14は、第3実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートの一部である。ECU5Aは、図10AのステップS1、S2と同様に、夜間走行であるか否かを判定し(ステップS21)、夜間である場合は、歩行者検出部51が歩行者Hを検出しているか否かを判定する(ステップS22)。
そして、歩行者Hが検出されている場合、その歩行者Hが複数人検出されているか否かが判定される(ステップS23)。歩行者Hが複数人検出されている場合(ステップS23でYES)、最も車両1に近い歩行者Hをマーキング対象とすることが決定される(ステップS24)。続いて判定部53が、ヘッドライトユニット2L、2Rの照射状態がハイビーム又はロービームのいずれであるかを判定する(ステップS25)。照射状態が「ハイビーム」である場合、図10BのステップS9へ移行して、マーキングライト制御部54は第1実施形態と同様な「第2制御」を実行する。
図13では、歩行者検出部51が3人の歩行者H1、H2、H3を検出している例を示している。この場合、評価部55は、歩行者検出部51が導出する歩行者H1〜H3の角度情報やレーダ反射波の反射時間等を参照して、各歩行者H1〜H3の車両に対する近さを表す評価値を与える。図13の例では、歩行者H1が最も車両1に近いので、評価部55は歩行者H1に最も高い評価値を与え、これを受けてマーキングライト制御部54は歩行者H1を対象として、前記第2制御に基づく歩行者マーキングを実行する。その結果として、歩行者H1の周辺に減光領域RL1、RL2が形成され、歩行者H1の存在位置を照射範囲AnとするLED素子23Aによって当該歩行者H1は照射されている(マーキング減光)。
複数の歩行者H1〜H3が車両前方に検出された場合、全ての歩行者H1〜H3を前記第2制御の対象とすると、ハイビームの全照射範囲における減光された領域の割合が高くなってしまい、車両前方の視認性が悪化する懸念がある。一方、車両1に対して最も近い歩行者H1は、当該車両1のドライバーにとって一般に最も注意を払うべき歩行者である。第3実施形態によれば、このような歩行者H1をマーキングできると共に、車両前方の視認性の悪化を防ぐことができる。
なお、ステップS25において、照射状態が「ロービーム」であると判定されている場合は、図10AのステップS4に移行してマーキングライト制御部54は第1実施形態と同様な「第1制御」を実行する。ロービーム走行時は、視認性の悪化の問題は生じないので、歩行者H1〜H3にマーキングライトMLを照射するようにしても良い。勿論、車両に最も近い歩行者H1だけにマーキングライトMLを照射するようにしても良い。
[第4実施形態]
第4実施形態も第3実施形態と同様に、車両前方に複数の歩行者Hが存在する場合の歩行者マーキングに関する実施形態であり、第4実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成は、第3実施形態と同じである。しかし、第4実施形態では、評価部55が、単純に歩行者Hの車両1に対する近さで評価値を導出するのではなく、車両1に対する実質的な危険度に関する評価値を導出し、この評価値に基づきマーキング対象の歩行者を決定する点において第3実施形態と異なる。
評価部55は、ハイビーム走行時に、複数の歩行者Hが検出された場合にどの歩行者Hを対象として歩行者マーキングを実行するかを決定するに際して、検出された複数の歩行者Hの各々に評価値を導出する。この第4実施形態では、各歩行者Hが車両1の走行ラインに進入する可能性に関する評価値が導出される。そして、マーキングライト制御部54は、評価部55が最も進入可能性の高い評価値が与えた歩行者Hに対して、上述の第1実施形態で例示した歩行者マーキングを実行する。
図15は、第4実施形態に係る歩行者マーキングを示す図、図16は、第4実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートの一部である。図15では、歩行者検出部51が3人の歩行者H1、H2、H3を検出している例を示している。さらに、各歩行者の移動方向を示すベクトルV1、V2、V3が描かれている。ここでは歩行者H1は、車道から離れる方向のベクトルV1を、歩行者H2は車道(走行ライン)に近づく方向のベクトルV2を、歩行者H3は車道と平行であって車両1に接近する方向のベクトルV3を持っている例を示している。このようなベクトルV1〜V3は、異なる時間に取得された歩行者H1〜H3の複数の位置情報から抽出することができる。
歩行者Hが車両1の走行ラインに進入する可能性に関する評価値は、上述のような各歩行者H1〜H3の移動ベクトルV1〜V3に基づいて導出される。ベクトルV1〜V3は、各歩行者H1〜H3の縦方向(走行ラインと平行な方向)速度、横方向(走行ラインと直交する方向)速度、車両1からの縦方向距離及び横方向距離から求められる。走行ラインへの進入可能性が高い歩行者は、つまり車両1にとって最も危険度が高い歩行者は、走行ラインに向かうベクトルを持ち、横方向距離が短い歩行者である。評価部55は、このような傾向を示す歩行者Hに対して高い評価値を与える。
図15の例では、歩行者H2に最も高い評価値が与えられることになる。すなわち、車両1に対する単純な遠近では、歩行者H1が最も近いが、当該歩行者H1のベクトルV1は車道から離れる方向を指向しており、走行ラインへの進入可能性は低いと言える。歩行者H3は、横方向距離としては近いが、縦方向距離は長く且つベクトルV3は走行ラインに接近する方向を指向していない。一方、歩行者H2は、走行ラインに接近する方向を指向するベクトルV2を持っている。従って、評価部55は歩行者H2に最も高い評価値を与え、これを受けてマーキングライト制御部54は歩行者H2を対象として、前記第2制御に基づく歩行者マーキングを実行する。その結果として、歩行者H2の周辺に減光領域RL1、RL2が形成され、歩行者H2の存在位置を照射範囲AnとするLED素子23Aによって当該歩行者H2は照射されている(マーキング減光)。
図16を参照して、ECU5Aは、図10AのステップS1、S2と同様に、夜間走行であるか否かを判定し(ステップS31)、夜間である場合は、歩行者検出部51が歩行者Hを検出しているか否かを判定する(ステップS32)。歩行者Hが検出されている場合、その歩行者Hが複数人検出されているか否かが判定される(ステップS33)。歩行者Hが複数人検出されている場合(ステップS23でYES)、上述の通り、評価部55が各歩行者H1〜H3の移動ベクトル、横方向距離等を算出して評価値を導出する(ステップS34)。そして、前記評価値が最も高い歩行者Hを最も危険度が高い歩行者と判定し、当該歩行者Hをマーキング対象とすることが決定される(ステップS35)。
続いて判定部53が、ヘッドライトユニット2L、2Rの照射状態がハイビーム又はロービームのいずれであるかを判定する(ステップS36)。照射状態が「ハイビーム」である場合、図10BのステップS9へ移行して、マーキングライト制御部54は第1実施形態と同様な「第2制御」を実行する。図15の例では、マーキングライト制御部54は歩行者H2を対象として、前記第2制御に基づく歩行者マーキングを実行する。ステップS36において、照射状態が「ロービーム」であると判定されている場合は、図10AのステップS4に移行して、歩行者H1〜H3を対象として、或いは歩行者H2を対象として、マーキングライト制御部54は第1実施形態と同様な「第1制御」を実行する。このような第4実施形態によれば、歩行者Hが複数検出された場合に、走行ラインに進入する可能性が最も高い歩行者をマーキングできると共に、車両前方の視認性の悪化を防ぐことができる。
[第5実施形態]
第5実施形態では、マーキングライト用の専用光源が用いられる場合の歩行者マーキングを例示する。図17(A)は、第5実施形態で用いられるヘッドライトユニット2Aを示す模式図である。ヘッドライトユニット2Aは、上述のロービームユニット21及びハイビームユニット22に加えて、マーキングライトユニット26を備えている。つまり、ヘッドライトユニット2Aは、ハイビームを利用してマーキングライトを形成するのではなく、マーキングライト専用の光源を備えている。マーキングライトユニット26は、LEDアレイ27を有する。
図17(B)は、LEDアレイ27の模式図である。LEDアレイ27の構成は、図2(B)に示したLEDアレイ23と同様であり、照射範囲(角度)の異なる複数のLED素子27Aを単位光源として含んでいる。横方向に一列に配列されたパッケージ番号1〜11の各区画には、独立して光量制御が可能なLED素子27Aが単位光源として各々収容されている。
図18は、第5実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成を示すブロック図である。第1実施形態(図4)と相違する点は、ECU5Bが判定部53を備えていない点、及びヘッドライトユニット2L、2Rが上述のマーキングライトユニット26を各々備えている点である。
第5実施形態においては、マーキングライト制御部54は、マーキングライトユニット26の照射状態を制御することによって、歩行者HにマーキングライトMLを照射する。また、マーキングライト制御部54は、ハイビーム走行又はロービーム走行に拘わらず、マーキングライトユニット26による歩行者マーキングを実行する。さらに、マーキングライト制御部54は、ハイビーム又はロービームの照射状態を制御して、歩行者Hの周辺に減光領域が形成されるよう、ヘッドライト点灯回路24に制御信号を与える。このため、本実施形態では、ロービームユニット21として、図2(A)に示したLEDアレイ23と同様な構成を有する光源を備えるものが用いられる。
図19は、第5実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。図19では、ハイビーム走行時において、歩行者検出部51が検出した歩行者Hに対し、マーキングライトユニット26から出射されたマーキングライトMLが照射されている状態を示している。つまり、マーキングライト制御部54が、歩行者Hの位置情報に基づき、マーキングライトユニット26が備えるLEDアレイ27の特定のLED素子27Aを点灯させて、当該歩行者HにマーキングライトMLを照射させている。
また、上掲の実施形態と同様に、歩行者Hの周辺には減光領域RL1、RL2が形成されている。これら減光領域RL1、RL2は、ハイビームユニット22が備えるLEDアレイ23のうちの一部のLED素子23Aが減光されることによって形成されている。なお、減光されたLED素子23Aに挟まれ、歩行者Hの存在位置付近を照射範囲としているLED素子23Aについては、減光対象としても良いし、減光対象としなくても良い。後者の場合、マーキングライトMLに加えて、ハイビームユニット22のLED素子23Aが発するハイビームによって歩行者Hは照射されるので、当該歩行者Hをより高い輝度とすることが可能となる。
図示は省略するが、ロービーム走行時においても同様な制御が実行される。すなわち、マーキングライト制御部54は、歩行者Hの位置情報に基づきマーキングライトユニット26からマーキングライトMLを出射させ、ロービームユニット21が備えるLEDアレイのうちの一部を減光させることで、歩行者Hの周辺に減光領域RL1、RL2を形成させる。
図20は、第5実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。ECU5Bは、図10AのステップS1、S2と同様に、夜間走行であるか否かを判定し(ステップS41)、夜間である場合は、歩行者検出部51が歩行者Hを検出しているか否かを判定する(ステップS42)。歩行者Hが検出されている場合(ステップS42でYES)、マーキングライト制御部54は、歩行者検出部51が導出した歩行者Hの位置情報に基づき、マーキング減光のためにロービーム又はハイビームの一部を減光させる。
具体的にはマーキングライト制御部54は、ロービーム走行の場合は、全点灯状態にあるロービームユニット21が具備する複数のLED素子のうち、歩行者Hの周辺を照射範囲としているLED素子を、減光対象として指定する。同様に、ハイビーム走行の場合は、ハイビームユニット22が具備する複数のLED素子23Aのうち、減光させるLED素子23Aを指定する(ステップS43)。
さらに、マーキングライト制御部54は、歩行者Hの位置情報に基づき、マーキングライトユニット26のLEDアレイ27が備える複数のLED素子27Aのうち、点灯させるLED素子27Aを指定する(ステップS44)。つまり、マーキングライトMLを発するLED素子27Aを指定する。そして、マーキングライト制御部54は、ヘッドライト点灯回路24に制御信号を出力して、ステップS43で指定されたLED素子23Aを減光させると共に、ステップS44で指定されたLED素子27Aを点灯させる(ステップS45)。これにより、図19に例示したように、歩行者HにマーキングライトMLを照射すると共に、歩行者Hの周辺に減光領域RL1、RL2を形成することができる。
引き続き、歩行者検出部51の検出結果に基づき、歩行者Hがマーキングをすべき範囲から外れたか(歩行者不在)否かが確認される(ステップS46)。歩行者不在であると判定された場合(ステップS46でYES)、ECU5Bは歩行者マーキングを終了する(ステップS48)。
歩行者検出部51が、歩行者マーキングが必要な範囲において歩行者Hの存在を検出し続けている場合(ステップS46でNO)、マーキングライト制御部54は、その歩行者HがステップS44で指定したLED素子27Aのマーキング範囲(照射範囲)の外へ相対的に移動したか否を判定する(ステップS47)。まだ照射範囲から外れていなければ(ステップS47でNO)、同じLED素子27Aの点灯及びLED素子23Aの減光が継続され、ステップS45に戻って処理が継続される。一方、歩行者Hが指定LED素子27Aの照射範囲から外れた位置に移動した場合(ステップS47でYES)、マーキングライト制御部54は、その時点の歩行者Hの位置情報に応じて、減光させるLED素子23A及び点灯させるLED素子27Aを新たに指定する(ステップS43に戻る)。
[第6実施形態]
第6実施形態では、積極的にマーキングライトを歩行者Hに照射するのではなく、歩行者Hが検出された場合に、単に当該歩行者Hの周辺を減光(マーキング減光)させる態様を例示する。第5実施形態に係るヘッドライトユニットの制御構成は、例えば、第1実施形態(図4)のECU5から判定部53及びマーキングライト制御部54を省き、ヘッドライト制御部52が前記マーキング減光の制御を実行する態様とすることができる。
図21は、第6実施形態に係る歩行者マーキングを示す図である。図21では、ロービーム走行時において、歩行者検出部51が検出した歩行者Hの周辺に減光領域RL1、RL2が形成されている状態を示している。マーキングライトMLに相当するビームは、ロービームの一部によって作られている。すなわち、歩行者Hには、一対の減光領域RL1、RL2の間に照射範囲Bnを持つロービームユニット21のLED素子が発するビームが照射されている。つまり、ヘッドライト制御部52が、ロービームユニット21が備えるLEDアレイの特定のLED素子を点灯させると共に、その特定のLED素子に隣接する一対のLED素子を減光させることで、当該歩行者Hが際立たせることができるようなロービームの照射状態を形成している。ヘッドライト制御部52は、ハイビーム走行時においては、ハイビームユニット22の照射状態を制御して、上記と同様なマーキング減光を行わせる。
図22は、第6実施形態に係る歩行者マーキング動作を示すフローチャートである。ECUは、夜間走行であるか否かを判定し(ステップS51)、夜間である場合は、歩行者検出部51が歩行者Hを検出しているか否かを判定する(ステップS52)。歩行者Hが検出されている場合(ステップS52でYES)、ヘッドライト制御部52は、歩行者検出部51が導出した歩行者Hの位置情報に基づき、マーキング減光のためにロービーム又はハイビームの一部を減光させる。
具体的にはヘッドライト制御部52は、ロービーム走行の場合は、全点灯状態にあるロービームユニット21が具備する複数のLED素子のうち、歩行者Hの周辺を照射範囲としているLED素子を、減光対象として指定する。同様に、ハイビーム走行の場合は、ハイビームユニット22が具備する複数のLED素子23Aのうち、減光させるLED素子23Aを指定する(ステップS53)。そして、ステップS53で指定されたLED素子を減光させる(ステップS54)。これにより、図21に例示したように、歩行者Hの周辺に減光領域RL1、RL2が形成され、歩行者Hとその周辺との明るさのコントラストを高めることができる。
引き続き、歩行者検出部51の検出結果に基づき、歩行者Hがマーキングをすべき範囲から外れたか(歩行者不在)否かが確認される(ステップS55)。歩行者不在であると判定された場合(ステップS55でYES)、ECUは歩行者マーキングを終了する(ステップS57)。
歩行者検出部51が、歩行者マーキングが必要な範囲において歩行者Hの存在を検出し続けている場合(ステップS55でNO)、ヘッドライト制御部52は、その歩行者HがステップS53で指定したLED素子27Aのマーキング減光領域間の外へ相対的に移動したか否を判定する(ステップS56)。まだ減光領域間から外れていなければ(ステップS56でNO)、同じLED素子の減光が継続され、ステップS54に戻って処理が継続される。一方、歩行者Hが指定LED素子の減光領域間から外れた位置に移動した場合(ステップS56でYES)、ヘッドライト制御部52は、その時点の歩行者Hの位置情報に応じて、減光させるLED素子を新たに指定する(ステップS53に戻る)。
以上説明した本発明に係る車両用ヘッドライト制御装置によれば、ヘッドライトの照射範囲内に歩行者Hが存在している場合、当該歩行者Hの周辺を減光させる減光制御が実行される。前記減光により、歩行者Hとその周囲との明るさのコントラストが高められる。このため、歩行者Hが既にヘッドライト(ロービーム又はハイビーム)で照らされる領域に存在している場合においても、当該歩行者Hを目立たせることができる。結果として、良好な歩行者マーキングを達成することができる。従って、夜間走行時におけるドライバーの歩行者視認性を高めることができる。
1 車両
10 車両ボディ
2、2R、2L ヘッドライトユニット(ヘッドライト)
21 ロービームユニット(ロービーム光源)
22 ハイビームユニット(ハイビーム光源)
23 LEDアレイ
23A LED素子
26 マーキングライトユニット(マーキングライト専用の光源)
27 LEDアレイ
3 単眼カメラ
4 ミリ波レーダ
5、5A、5B ECU(車両用ヘッドライト制御装置)
51 歩行者検出部
52 ヘッドライト制御部
53 判定部
54 マーキングライト制御部
55 評価部
A ハイビーム照射範囲
B ロービーム照射範囲
ML マーキングライト
RL1、RL2 減光領域
H 歩行者
R 走行ライン

Claims (5)

  1. 車両前方の歩行者を検出する歩行者検出部と、
    前記車両の進行方向の軸線から左右に広がるに連れて輝度が低下する傾向の配向分布を有するヘッドライトの照射状態を制御するヘッドライト制御部と、を備え、
    前記ヘッドライト制御部は、
    前記歩行者検出部が前記ヘッドライトの照射範囲内で歩行者を検出した場合に、当該歩行者の周辺が減光されるよう前記ヘッドライトの照射状態を制御する減光制御を実行するものであって
    前記減光制御は、当該歩行者の両側部のうち、車両進行方向の軸線に対して近い側の側部を減光させる一方、前記軸線に対して遠い側の側部及び歩行者に対しては減光しない制御である、車両用ヘッドライト制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ヘッドライト制御装置において、
    前記ヘッドライト制御部は、前記歩行者検出部が複数の歩行者を検出したとき、車両に対して最も近い歩行者を対象として、前記減光制御を実行する、車両用ヘッドライト制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両用ヘッドライト制御装置において、
    前記歩行者検出部が複数の歩行者を検出したとき、各歩行者が当該車両の走行ラインに進入する可能性に関する評価値を導出する評価部をさらに備え、
    前記ヘッドライト制御部は、前記評価部が最も進入可能性が高い評価値を与えた歩行者を対象として、前記減光制御を実行する、車両用ヘッドライト制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ヘッドライト制御装置であって、前記ヘッドライトが、ロービーム光源及びハイビーム光源に加えて、歩行者に照射するマーキングライト専用の光源を含む場合において、
    前記ヘッドライト制御部は、前記減光制御を実行する際、前記マーキングライト専用の光源が発するマーキングライトで歩行者を照射するよう制御する、車両用ヘッドライト制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両用ヘッドライト制御装置において、
    前記ヘッドライト制御部は、歩行者の周辺が減光されるよう前記ロービーム光源又は前記ハイビーム光源の照射状態を制御することによって、前記減光制御を実行する、車両用ヘッドライト制御装置。
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