以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムが適用される配電系統の一例を示す図である。図1に示す配電系統は、変電所1、変電所1から高圧の3相交流電力(例えば、6600V系)が供給される高圧配電経路(配電経路)2、高圧配電経路2の各所に設けられ、高圧の3相交流電力を低圧の単相交流電力(例えば、100V系)に変圧する変圧器T、変圧器Tから低圧の単相交流電力が供給される負荷R、高圧配電経路2の各所に設けられた開閉装置S、高圧自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)VR、及び分散型電源設備D等を含む。
各開閉装置Sは、例えば運転制御センター3に設置された配電自動化システム4との間が有線または無線による通信経路で接続されている。本実施形態では、各開閉装置Sとして、高圧配電経路2の各電力線の電圧値及び各電力線に重畳するノイズ成分等を含む電気諸量を検出するセンサー内蔵型開閉装置を含むものとする。
配電自動化システム4は、各開閉装置Sの開閉状態、各区間毎の充停電状態等の配電系統に関わる各設備を常時監視する。また、配電自動化システム4は、例えば、配電系統に事故等が発生した場合に、各開閉装置Sを制御して配電経路を自動設定すると共に、各開閉装置Sの開閉状態、及び各区間の充停電状態等を含む情報を出力する機能を有している。
配電経路相管理支援装置(制御装置)5は、配電自動化システム4に組み込まれ、センサー内蔵型開閉装置からの情報に基づき、センサー内蔵型開閉装置が設置されている各地点における高圧配電経路2の各電力線の相を推定する機能を有している。
図2は、実施形態1に係るセンサー内蔵型開閉装置の一構成例を示す図である。図2に示すように、センサー内蔵型開閉装置20は、開閉器21と、電圧検出器22と、ノイズ検出器23と、を備えている。
開閉器21は、センサー内蔵型開閉装置20の入出力端間に設けられ、配電自動化システム4からの制御指令に基づき、高圧配電経路2の各電力線を開路又は閉路する機能を有している。
電圧検出器22は、センサー内蔵型開閉装置20の入力端又は出力端に設けられ、高圧配電経路2の各電力線の電圧値を検出する機能を有している。
ノイズ検出器23は、センサー内蔵型開閉装置20の入力端又は出力端に設けられ、高圧配電経路2の各電力線に重畳するノイズ成分を検出する機能を有している。
なお、図2に示す例では、センサー内蔵型開閉装置20が開閉器21と電圧検出器22とノイズ検出器23とを備える例を示したが、センサー内蔵型開閉装置20が開閉器21及び電圧検出器22を備え、ノイズ検出器23が個別の機器として設けられる構成であっても良いし、センサー内蔵型開閉装置20が開閉器21及びノイズ検出器23を備え、電圧検出器22が個別の機器として設けられる構成であっても良い。また、開閉器21、電圧検出器22、及びノイズ検出器23がそれぞれ個別の機器として設けられる構成であっても良い。以下の説明では、図2に示したように、開閉器21と電圧検出器22とノイズ検出器23とがセンサー内蔵型開閉装置20に含まれるものとして説明する。
図3は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの一構成例を示す図である。図3に示す例において、高圧配電経路2の各電力線には、変電所1からそれぞれU相、V相、W相の3相高圧電力が供給される。
図3に示す例では、高圧配電経路2の所定箇所に設けられた相管理対象地点a,b,c,d,e,fにそれぞれセンサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fが設けられている。
実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100の相管理対象区間は、これらセンサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fによって区切られた第1分割区間、第2分割区間、第3分割区間、第4分割区間、第5分割区間の5区間で構成されている。なお、図3に示す例では、後の説明を簡潔にするため、便宜上高圧配電経路2の相管理対象地点を6地点とし、実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間が相管理対象地点a,b,c,d,e,fによって5分割された例を示しているが、相管理対象区間、及び、相管理対象区間に設けられる相管理対象地点の数並びに相管理対象区間に含まれる分割区間の数はこれに限るものではない。また、本実施形態において、各分割区間の図3に示す破線枠内における捻架箇所の有無は不明であるものとする。
本実施形態に係る配電経路相管理支援システム100は、例えば運転制御センター3の配電自動化システム4の一部として組み込まれた配電経路相管理支援装置(制御装置)5と、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fに設けられたセンサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fと、を備えている。
本実施形態において、センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fは、図2に示す電圧検出器22を備えている。センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fにそれぞれ設けられた電圧検出器22は、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける高圧配電経路2の各電力線の電圧値を検出して、検出した電圧値を配電経路相管理支援装置5に送信する機能を有している。また、センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fは、図2に示すノイズ検出器23を備えている。センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fにそれぞれ設けられたノイズ検出器23は、高圧配電経路2の各電力線に重畳するノイズ成分、具体的には、例えば、電源周波数の3次高調波、5次高調波、7次高調波等の高調波成分を抽出して、抽出したノイズ成分の情報を配電経路相管理支援装置5に送信する機能を有している。本実施形態において、これらのセンサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20f、センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fにそれぞれ設けられた電圧検出器22、及び、センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fにそれぞれ設けられたノイズ検出器23は、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fに既設されているものとする。
本実施形態では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける高圧配電経路2の各電力線を、便宜上「1」、「2」、「3」の3つの各線で定義する。各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fにおいて、第1入出力端子1a,1b,1c,1d,1e,1fは「1」線に対応し、第2入出力端子2a,2b,2c,2d,2e,2fは「2」線に対応し、第3入出力端子3a,3b,3c,3d,3e,3fは「3」線に対応するものとする。
なお、本実施形態では、相管理対象地点aにおける高圧配電経路2の各線の相は既知であるものとする。具体的には、相管理対象地点aにおける「1」線はU相、「2」線はV相、「3」線はW相であるものとする。より具体的には、センサー内蔵型開閉装置20aの第1入出力端子1aの一方は、変電所1のU相に接続され、センサー内蔵型開閉装置20aの第2入出力端子2aの一方は、変電所1のV相に接続され、センサー内蔵型開閉装置20aの第3入出力端子3aの一方は、変電所1のW相に接続されている。
一方、上述したように、本実施形態では、各分割区間における捻架箇所の有無は不明であるため、センサー内蔵型開閉装置20aを除く各センサー内蔵型開閉装置20b,20c,20d,20e,20fの各入出力端子に対し、U相、V相、W相の3相のうち、どの相が接続されているかについては不明である。すなわち、第1入出力端子1a,1b,1c,1d,1e,1fの組み合わせ、第2入出力端子2a,2b,2c,2d,2e,2fの組み合わせ、第3入出力端子3a,3b,3c,3d,3e,3fの組み合わせが、それぞれ同相であるとは限らない。
図4は、実施形態1に係る配電経路相管理支援装置のハードウェア構成を示す図である。
配電経路相管理支援装置5は、例えばコンピュータ等の情報処理端末装置であり、処理部51、記憶部52、通信部53、入力部54、及び表示部55を備え、各部がバス56を介してデータを送受信可能なように構成される。本実施形態では、この配電経路相管理支援装置5は、上述したように、配電自動化システム4の一部として組み込まれ、既設されているものとする。
処理部51は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うと共に、配電経路相管理支援装置5全体の制御を行う構成部であり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
記憶部52は、処理部51からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりする構成部であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
通信部53は、センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fと通信を行う構成部であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力部54は、オペレータがデータや指示を入力する構成部であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現される。
表示部55は、処理部51からの指示によりデータを表示する構成部であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。この表示部55には、後述する配電経路相管理支援処理による処理結果が処理部51によって配電経路相管理情報表示画面として生成され表示される。
図5は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fは、後述する配電経路相管理支援処理において、配電経路相管理支援装置5から配電経路情報出力指令が入力されることで、高圧配電経路2の各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線(ここでは、「1」線、「2」線、「3」線の3線)の電圧値と、高圧配電経路2の各線に重畳するノイズ成分の情報(以下、「ノイズ成分情報」ともいう)と、を配電経路相管理支援装置5に出力する。
配電経路相管理支援装置(制御装置)5には、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける高圧配電経路2の各線の電圧値とノイズ成分情報とが各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fから入力される。
また、配電経路相管理支援装置(制御装置)5には、本実施形態に係る配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間に設けられる負荷や設備の各種情報(以下、「設備関連情報」ともいう)が配電自動化システム4から入力される。この設備関連情報としては、例えば、各分割区間毎の顧客契約情報(契約アンペア数等)、分散型電源設備情報(供給電力量等)、高圧自動電圧調整器の配置情報や、これらの各設備の稼働状況等が含まれる。
データベースサーバ6は、上述した配電経路相管理支援装置5と同様のハードウェア構成を有し、例えば、配電経路相管理支援装置5と共に運転制御センター3に設置されている。このデータベースサーバ6には、配電経路相管理支援装置5から入力される配電経路相管理情報が格納される。ここで、配電経路相管理情報とは、従来の相管理台帳に相当するものであり、後述する配電経路相管理支援処理によって更新または追記される。
図6は、実施形態1に係る配電経路相管理支援装置における処理部の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、実施形態1に係る配電経路相管理支援装置5における処理部51は、後述する第1相判定処理を実施する第1相判定部511と、後述する第2相判定処理を実施する第2相判定部512と、後述する相照合処理を実施する相照合部513と、を機能ブロックとして備えている。第1相判定部511、第2相判定部512、及び相照合部513は、例えば、処理部51において実行されるソフトウェアプログラムによって実現することができる。実施形態1に係る配電経路相管理支援処理は、第1相判定部511によって実施される第1相判定処理、第2相判定部512によって実施される第2相判定処理、及び相照合部513によって実施される相照合処理を含む。
まず、第1相判定部511によって実施される第1相判定処理について説明する。
第1相判定部511には、各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fから「1」線、「2」線、「3」線の各線の電圧値が入力される。図6に示す例では、センサー内蔵型開閉装置20aから出力される相管理対象地点aの「1」線の電圧値をV1a、「2」線の電圧値をV2a、「3」線の電圧値をV3a、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20bから出力される相管理対象地点bの「1」線の電圧値をV1b、「2」線の電圧値をV2b、「3」線の電圧値をV3b、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20cから出力される相管理対象地点cの「1」線の電圧値をV1c、「2」線の電圧値をV2c、「3」線の電圧値をV3c、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20dから出力される相管理対象地点dの「1」線の電圧値をV1d、「2」線の電圧値をV2d、「3」線の電圧値をV3d、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20eから出力される相管理対象地点eの「1」線の電圧値をV1e、「2」線の電圧値をV2e、「3」線の電圧値をV3e、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20fから出力される相管理対象地点fの「1」線の電圧値をV1f、「2」線の電圧値をV2f、「3」線の電圧値をV3f、としている。
図7,8,9,10,11,12は、実施形態1に係る第1相判定処理の概略説明図である。図7,8,9,10,11,12に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた相管理対象地点の位置を示し、縦軸は相管理対象地点の各線における電圧値を示している。
図7,8,9,10,11,12に示す例では、2つの相管理対象地点A,Bにおける各線の電圧値を示している。ここでは、相管理対象地点Aにおける「1」線の電圧値をV1A、「2」線の電圧値をV2A、「3」線の電圧値をV3A、としている。また、相管理対象地点Bにおける「1」線の電圧値をV1B、「2」線の電圧値をV2B、「3」線の電圧値をV3B、としている。
相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とを対応付けた対応関係、すなわち、相管理対象地点Aの各線の電圧値V1A,V2A,V3Aと、相管理対象地点Bの各線の電圧値V1B,V2B,V3Bとの対応関係は、V1A及びV1B、V1A及びV2B、V1A及びV3B、V2A及びV1B、V2A及びV2B、V2A及びV3B、V3A及びV1B、V3A及びV2B、V3A及びV3B、の9通りの対応関係が存在する。第1相判定部511は、まず、これら9通りの対応関係において、それぞれの電圧値の差分(|V1B−V1A|、|V1B−V2A|、|V1B−V3A|、|V2B−V1A|、|V2B−V2A|、|V2B−V3A|、|V3B−V1A|、|V3B−V2A|、|V3B−V3A|)を求める。
相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とがそれぞれ1対1で対応する組み合わせは、図7,8,9,10,11,12に示すように、それぞれ、上述した9通りの対応関係のうちの3通りの対応関係を持つ6通りの組み合わせが存在する。
第1相判定部511は、下式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)を用いて、図7,8,9,10,11,12に示す6つの組み合わせ毎に、相管理対象地点Aの各線の電圧値V1A,V2A,V3Aと相管理対象地点Bの各線の電圧値V1B,V2B,V3Bとの3通りの対応関係における電圧値の差分の平均値VBA1,VBA2,VBA3,VBA4,VBA5,VBA6を求める。なお、下式(1)は図7に対応し、下式(2)は図8に対応し、下式(3)は図9に対応し、下式(4)は図10に対応し、下式(5)は図11に対応し、下式(6)は図12に対応する。
VBA1=(|V3B−V1A|+|V1B−V2A|+|V2B−V3A|)/3・・・(1)
VBA2=(|V1B−V1A|+|V2B−V2A|+|V3B−V3A|)/3・・・(2)
VBA3=(|V2B−V1A|+|V3B−V2A|+|V1B−V3A|)/3・・・(3)
VBA4=(|V2B−V1A|+|V1B−V2A|+|V3B−V3A|)/3・・・(4)
VBA5=(|V1B−V1A|+|V3B−V2A|+|V2B−V3A|)/3・・・(5)
VBA6=(|V3B−V1A|+|V2B−V2A|+|V1B−V3A|)/3・・・(6)
そして、第1相判定部511は、上式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の演算結果を比較し、最も小さい値となる組み合わせを選択する。図7,8,9,10,11,12に示す組み合わせでは、(1)式の演算結果であるVBA1が最も小さい値となるため、図7に示す組み合わせを選択することとなる。
ここで、相管理対象地点Aにおける相が既知、例えば、相管理対象地点Aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることが既知であれば、図7に示すように、相管理対象地点Aにおける「1」線に対応する相管理対象地点Bにおける「3」線がU相、相管理対象地点Aにおける「2」線に対応する相管理対象地点Bにおける「1」線がV相、相管理対象地点Aにおける「3」線に対応する相管理対象地点Bにおける「2」線がW相であると推定することができる。
本実施形態では、上述したように、相管理対象地点aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることは既知である。従って、上述した実施形態1に係る第1相判定処理を、第1分割区間、第2分割区間、第3分割区間、第4分割区間、第5分割区間の各分割区間毎に実施することで、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定することができる。
上述したように、本実施形態に係る第1相判定部511は、第1相判定処理において、2つの相管理対象地点の一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点おける各線とを対応付けた9つの対応関係における電圧値の差分をそれぞれ求め、9つの対応関係のうち、一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点における各線とが1対1で対応する6つの組み合わせ毎に、各差分の平均値を求め、6つの組み合わせのうち、各差分の平均値が最も小さくなる組み合わせを選択し、各差分の平均値が最も小さくなる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様とすることで、各相管理対象地点における各線の相を推定することができる。
第1相判定部511は、推定した各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を、第1推定相として出力する。図6に示す例では、相管理対象地点aの「1」線の第1推定相をP11a、「2」線の第1推定相をP12a、「3」線の第1推定相をP13a、としている。また、相管理対象地点bの「1」線の第1推定相をP11b、「2」線の第1推定相をP12b、「3」線の第1推定相をP13b、としている。また、相管理対象地点cの「1」線の第1推定相をP11c、「2」線の第1推定相をP12c、「3」線の第1推定相をP13c、としている。また、相管理対象地点dの「1」線の第1推定相をP11d、「2」線の第1推定相をP12d、「3」線の第1推定相をP13d、としている。また、相管理対象地点eの「1」線の第1推定相をP11e、「2」線の第1推定相をP12e、「3」線の第1推定相をP13e、としている。また、相管理対象地点fの「1」線の第1推定相をP11f、「2」線の第1推定相をP12f、「3」線の第1推定相をP13f、としている。
以下の説明では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎の各線の第1推定相P11a,P12a,P13a,P11b,P12b,P13b,P11c,P12c,P13c,P11d,P12d,P13d,P11e,P12e,P13e,P11f,P12f,P13fを特段に各線毎に区別する必要がない場合には、相管理対象地点aの第1推定相をP1a、相管理対象地点bの第1推定相をP1b、相管理対象地点cの第1推定相をP1c、相管理対象地点dの第1推定相をP1d、相管理対象地点eの第1推定相をP1e、相管理対象地点fの第1推定相をP1fと称する。また、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各第1推定相P1a,P1b,P1c,P1d,P1e,P1fを特段に各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎に区別する必要がない場合には、第1推定相P1と称する。
なお、例えば、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の電圧値、すなわち、各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fからそれぞれ出力される各線の電圧値の差が極めて小さい場合には、上述した第1相判定処理では相の推定ができない場合がある。具体的には、図7,8,9,10,11,12に示す例において、相管理対象地点A及び相管理対象地点Bの少なくとも一方における各線の電圧値が略一致している場合には、上式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)によって求めた差分平均値VBA1,VBA2,VBA3,VBA4,VBA5,VBA6が略一致することとなる。すなわち、上式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)によって求めた差分平均値VBA1,VBA2,VBA3,VBA4,VBA5,VBA6のうち、最も小さい差分平均値となる組み合わせを選択できず、実質的に相の推定ができない状態となり得る。本実施形態において、第1相判定部511は、実質的に相の推定ができない相管理対象地点の第1推定相を「NG(推定不可)」とする。
次に、第2相判定部512によって実施される第2相判定処理について説明する。
第2相判定部512には、各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fから各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎の「1」線、「2」線、「3」線の各線のノイズ成分情報が入力される。図6に示す例では、センサー内蔵型開閉装置20aから出力される相管理対象地点aの「1」線のノイズ成分情報をX1a、「2」線のノイズ成分情報をX2a、「3」線のノイズ成分情報をX3a、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20bから出力される相管理対象地点bの「1」線のノイズ成分情報をX1b、「2」線のノイズ成分情報をX2b、「3」線のノイズ成分情報をX3b、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20cから出力される相管理対象地点cの「1」線のノイズ成分情報をX1c、「2」線のノイズ成分情報をX2c、「3」線のノイズ成分情報をX3c、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20dから出力される相管理対象地点dの「1」線のノイズ成分情報をX1d、「2」線のノイズ成分情報をX2d、「3」線のノイズ成分情報をX3d、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20eから出力される相管理対象地点eの「1」線のノイズ成分情報をX1e、「2」線のノイズ成分情報をX2e、「3」線のノイズ成分情報をX3e、としている。また、センサー内蔵型開閉装置20fから出力される相管理対象地点fの「1」線のノイズ成分情報をX1f、「2」線のノイズ成分情報をX2f、「3」線のノイズ成分情報をX3f、としている。
本実施形態において、各ノイズ成分情報X1a,X2a,X3a,X1b,X2b,X3b,X1c,X2c,X3c,X1d,X2d,X3d,X1e,X2e,X3e,X1f,X2f,X3fに含まれる情報としては、例えば、電源周波数の3次高調波、5次高調波、7次高調波等の高調波成分のレベルや各高調波成分の大小関係等、各相毎に含まれるノイズを特徴付ける情報が含まれる。
図13は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの相管理対象区間に高調波ノイズの発生源であるノイズ源負荷が存在する例を示す図である。図13に示す例では、第2分割区間にノイズ源負荷NRが存在する場合を例示しているが、ノイズ源負荷NRの存在区間はこれに限るものではなく、また、複数のノイズ源負荷NRが相管理対象区間の複数箇所に存在しても良い。また、高調波ノイズの発生源が特定できない場合、すなわち相管理対象区間内外において複合的に高調波ノイズが発生し、高圧配電経路2の各相に伝搬している場合であっても良い。
図14は、実施形態1に係る第2相判定処理の概略説明図である。
図14に示す例では、2つの相管理対象地点A,Bにおける各線のノイズ成分情報を波形で示している。ここでは、相管理対象地点Aにおける「1」線のノイズ成分情報をX1A、「2」線のノイズ成分情報をX2A、「3」線のノイズ成分情報をX3A、としている。また、相管理対象地点Bにおける「1」線のノイズ成分情報をX1B、「2」線のノイズ成分情報をX2B、「3」線のノイズ成分情報をX3B、としている。
第2相判定部512は、相管理対象地点Aにおける各線のノイズ成分情報X1A,X2A,X3Aと、相管理対象地点Bにおける各線のノイズ成分情報X1B,X2B,X3Bと、を照合する。相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とを対応付けた対応関係、すなわち、相管理対象地点Aにおける各線のノイズ成分情報X1A,X2A,X3Aと、相管理対象地点Bにおける各線のノイズ成分情報X1B,X2B,X3Bとの対応関係は、X1A及びX1B、X1A及びX2B、X1A及びX3B、X2A及びX1B、X2A及びX2B、X2A及びX3B、X3A及びX1B、X3A及びX2B、X3A及びX3B、の9通りの対応関係が存在する。
相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とがそれぞれ1対1で対応する組み合わせは、それぞれ、上述した9通りの対応関係のうちの3通りの対応関係を持つ6通りの組み合わせが存在する。すなわち、X1A及びX1B、X2A及びX2B、X3A及びX3Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、X1A及びX2B、X2A及びX3B、X3A及びX1Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、X1A及びX3B、X2A及びX1B、X3A及びX2Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、X1A及びX3B、X2A及びX2B、X3A及びX1Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、X1A及びX2B、X2A及びX1B、X3A及びX3Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、X1A及びX1B、X2A及びX3B、X2A及びX3Bをそれぞれ対応付けた組み合わせ、の6通りの組み合わせが存在する。
第2相判定部512は、上述した6通りの組み合わせのうち、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせを選択する。
図14に示す例では、相管理対象地点Aの「1」線におけるノイズ成分情報X1Aと、相管理対象地点Bの「2」線におけるノイズ成分情報X2Bとが同様の特徴を有している。また、相管理対象地点Aの「2」線におけるノイズ成分情報X2Aと、相管理対象地点Bの「3」線におけるノイズ成分情報X3Bとが同様の特徴を有している。また、相管理対象地点Aの「3」線におけるノイズ成分情報X3Aと、相管理対象地点Bの「1」線におけるノイズ成分情報X1Bとが同様の特徴を有している。すなわち、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせは、X1A及びX2B、X2A及びX3B、X3A及びX1Bをそれぞれ対応付けた組み合わせとなる。
ここで、相管理対象地点Aにおける相が既知、例えば、相管理対象地点Aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることが既知であれば、ノイズ成分情報X2Bが相管理対象地点Aにおける「1」線のノイズ成分情報X1Aと同様の特徴を有する相管理対象地点Bにおける「2」線がU相であり、ノイズ成分情報X3Bが相管理対象地点Aにおける「2」線のノイズ成分情報X2Aと同様の特徴を有する相管理対象地点Bにおける「3」線がV相であり、ノイズ成分情報X1Bが相管理対象地点Aにおける「3」線のノイズ成分情報X3Aと同様の特徴を有する相管理対象地点Bにおける「1」線がW相であると推定することができる。
本実施形態では、上述したように、相管理対象地点aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることは既知である。従って、相管理対象地点aにおける各ノイズ成分情報X1a,X2a,X3aと、相管理対象地点bにおける各ノイズ成分情報X1b,X2b,X3bと、を照合することで、相管理対象地点bにおける各線の相を推定することができる。各相管理対象地点c,d,e,fにおいても、同様の照合処理を行うことで、各相管理対象地点c,d,e,fにおける各線の相を推定することができる。
上述したように、本実施形態に係る第2相判定部512は、第2相判定処理において、2つの相管理対象地点の各線をそれぞれ1対1で対応付けた6つの組み合わせのうち、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせを選択し、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様とすることで、各相管理対象地点における各線の相を推定することができる。
第2相判定部512は、推定した各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を、第2推定相として出力する。図6に示す例では、相管理対象地点aの「1」線の第2推定相をP21a、「2」線の第2推定相をP22a、「3」線の第2推定相をP23a、としている。また、相管理対象地点bの「1」線の第2推定相をP21b、「2」線の第2推定相をP22b、「3」線の第2推定相をP23b、としている。また、相管理対象地点cの「1」線の第2推定相をP21c、「2」線の第2推定相をP22c、「3」線の第2推定相をP23c、としている。また、相管理対象地点dの「1」線の第2推定相をP21d、「2」線の第2推定相をP22d、「3」線の第2推定相をP23d、としている。また、相管理対象地点eの「1」線の第2推定相をP21e、「2」線の第2推定相をP22e、「3」線の第2推定相をP23e、としている。また、相管理対象地点fの「1」線の第2推定相をP21f、「2」線の第2推定相をP22f、「3」線の第2推定相をP23f、としている。
以下の説明では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎の各線の第2推定相P21a,P22a,P23a,P21b,P22b,P23b,P21c,P22c,P23c,P21d,P22d,P23d,P21e,P22e,P23e,P21f,P22f,P23fを特段に各線毎に区別する必要がない場合には、相管理対象地点aの第2推定相をP2a、相管理対象地点bの第2推定相をP2b、相管理対象地点cの第2推定相をP2c、相管理対象地点dの第2推定相をP2d、相管理対象地点eの第2推定相をP2e、相管理対象地点fの第2推定相をP2fと称する。また、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各第2推定相P2a,P2b,P2c,P2d,P2e,P2fを特段に各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎に区別する必要がない場合には、第2推定相P2と称する。
なお、例えば、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線のノイズ成分情報、すなわち、各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fからそれぞれ出力される各線のノイズ成分情報の特徴に有意差がない場合には、上述した第2相判定処理では相の推定ができない場合がある。具体的には、図14に示す例において、相管理対象地点A及び相管理対象地点Bの少なくとも一方における各線のノイズ成分情報の特徴に有意差がない場合には、実質的に相の推定ができない状態となり得る。本実施形態において、第2相判定部512は、実質的に相の推定ができない相管理対象地点の第2推定相を「NG(推定不可)」とする。
次に、相照合部513によって実施される相照合処理について説明する。
相照合部513には、第1相判定処理によって得られた各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎の「1」線、「2」線、「3」線の各線の第1推定相(第1推定相P1)が入力され、第2相判定処理によって得られた各相管理対象地点a,b,c,d,e,f毎の「1」線、「2」線、「3」線の各線の第2推定相(第2推定相P2)が入力される。
相照合部513は、第1相判定部511から入力された第1推定相P1と、第2相判定部512から入力された第2推定相P2と、を各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各相毎に照合する。より具体的には、相照合部513は、相管理対象地点aにおける第1推定相P1aと第2推定相P2aとを相管理対象地点aの各相毎に照合する。また、相照合部513は、相管理対象地点bにおける第1推定相P1bと第2推定相P2bとを相管理対象地点bの各相毎に照合する。また、相照合部513は、相管理対象地点cにおける第1推定相P1cと第2推定相P2cとを相管理対象地点cの各相毎に照合する。また、相照合部513は、相管理対象地点dにおける第1推定相P1dと第2推定相P2dとを相管理対象地点dの各相毎に照合する。また、相照合部513は、相管理対象地点eにおける第1推定相P1eと第2推定相P2eとを相管理対象地点eの各相毎に照合する。また、相照合部513は、相管理対象地点fにおける第1推定相P1fと第2推定相P2fとを相管理対象地点fの各相毎に照合する。
第1推定相P1と第2推定相P2とが一致している場合、相照合部513は、当該一致した第1推定相P1及び第2推定相P2を推定相Pとして出力する。
第1推定相P1と第2推定相P2とが一致していない場合、相照合部513は、第1推定相P1及び第2推定相P2の何れか一方を優先的に選択し、推定相Pとして出力する。
図6に示す例では、相管理対象地点aの「1」線の推定相をP1a、「2」線の推定相をP2a、「3」線の推定相をP3a、としている。また、相管理対象地点bの「1」線の推定相をP1b、「2」線の推定相をP2b、「3」線の推定相をP3b、としている。また、相管理対象地点cの「1」線の推定相をP1c、「2」線の推定相をP2c、「3」線の推定相をP3c、としている。また、相管理対象地点dの「1」線の推定相をP1d、「2」線の推定相をP2d、「3」線の推定相をP3d、としている。また、相管理対象地点eの「1」線の推定相をP1e、「2」線の推定相をP2e、「3」線の推定相をP3e、としている。また、相管理対象地点fの「1」線の推定相をP1f、「2」線の推定相をP2f、「3」線の推定相をP3f、としている。
ここで、相照合部513によって実施される相照合処理において、第1推定相P1及び第2推定相P2の何れか一方を選択する際の判定基準を説明するため、第1相判定部511によって実施される第1相判定処理における判定結果の具体例及びその判定結果の信頼性低下要因、並びに、第2相判定部512によって実施される第2相判定処理における判定結果の信頼性低下要因について説明する。
まず、第1相判定部511によって実施される第1相判定処理における判定結果の具体例及びその判定結果の信頼性低下要因について説明する。
図15は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの第1相判定処理によって得られる各線の電圧推移の第1例を示す図である。図15に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸は各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。この図15に示す例では、図3に示す配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f間で各相の負荷変動が略均一であり、且つ、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線、「2」線、「3」線がそれぞれ同一相である場合の電圧推移を示している。
図15に示す例では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線が全てU相であり、「2」線が全てV相であり、「3」線が全てW相であるものとして推定され、第1推定相P1として出力される。
図16は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの第1相判定処理によって得られる各線の電圧推移の第2例を示す図である。図16に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸は各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。この図16に示す例では、図3に示す配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f間で各相の負荷変動が略均一であり、且つ、第3分割区間において「1」線と「2」線とが捻架している場合に第1判定処理によって得られる各相の電圧推移を破線で示している。
図3に示す配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f間で各相の負荷変動が略均一である場合には、図16に示すように捻架が発生した第3分割区間以降の各相管理対象地点d,e,fにおいて、「1」線と「2」線とが入れ替わる。このため、図16に示す例では、各相管理対象地点d,e,fでは、図15に示す例とは異なり、「1」線がV相であり、「2」線がU相であるものとして推定され、第1判定結果として出力される。すなわち、第3分割区間における「1」線と「2」線との捻架箇所を修正すれば、図15に示すように、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線が全てU相、「2」線が全てV相、「3」線が全てW相となることが分かる。
従って、各相管理対象地点a,b,c,d,e,f間で各相の負荷変動が略均一である状態では、第1相判定部511における第1判定処理によって各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各相を推定することができる。
図17は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの相管理対象区間において各相の電圧変動が相対的に大きい状態を想定した第1構成例を示す図である。図17に示す例では、第3分割区間の相管理対象地点c側の「2」線に大負荷BRが接続された場合を想定している。なお、図17では、相管理対象区間内の何れの分割区間においても、各線間で捻架していない状態を例示している。
図18は、図17に示す第1構成例における各相管理対象地点の各線の電圧推移を示す図である。図18では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線、「2」線、「3」線がそれぞれ同一相である場合の電圧推移を例示している。
図19は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの第1相判定処理によって得られる各線の電圧推移の第3例を示す図である。図19に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸は各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。この図19に示す例では、図17に例示した第1構成例で第1判定処理によって得られる各相の電圧推移を破線で示している。
図17に示すように、第3分割区間の相管理対象地点c側の「2」線に大負荷BRが接続された場合等、第3分割区間の相管理対象地点c側の「2」線に接続された負荷の容量の総和が「1」線に接続された負荷の容量の総和及び「3」線に接続された負荷の容量の総和に対して相対的に大きい状態では、「2」線の電圧値が相対的に低下し、図19に破線で示すように、第2分割区間における第1判定処理において誤判定が生じる可能性がある。図19に示す例では、各相管理対象地点c,d,e,fにおいて、「2」線がW相であり、「3」線がV相であると誤判定され、第1推定相P1として出力される。
図20は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの相管理対象区間において各相の電圧変動が相対的に大きい状態を想定した第2構成例を示す図である。図20に示す例では、第3分割区間の相管理対象地点c側の「2」線に大負荷BRが接続され、さらに、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線の電圧値が下限閾値VLrimを下回り、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線に接続された高圧自動電圧調整器VRが動作した場合を想定している。なお、図20では、相管理対象区間内の何れの分割区間においても、各線間で捻架していない状態を例示している。また、下限閾値VLrimは、例えば100系の低圧電力の電圧下限値(100V系では101V−6V)を下回らないように、例えば6600V系の高圧電力の電圧に換算した電圧下限値である。
図21は、図20に示す第2構成例における各相管理対象地点の各線の電圧推移を示す図である。図21では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線、「2」線、「3」線がそれぞれ同一相である場合の電圧推移を示している。
図22は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの第1相判定処理によって得られる各線の電圧推移の第4例を示す図である。図22に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸は各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。この図22に示す例では、図20に例示した第2構成例で第1相判定処理によって得られる各相の電圧推移を破線で示している。
図20に示すように、図17に示す第1構成例に加え、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線に接続された高圧自動電圧調整器VRが動作した場合等、図21に破線で示したように、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線の電圧値が下限閾値VLrimを下回り、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線に接続された高圧自動電圧調整器VRが動作した状態では、「2」線の電圧値が相対的に上昇し、図22に破線で示すように、第2分割区間に加え、第5分割区間における第1相判定処理においても誤判定が生じる可能性がある。図22に示す例では、各相管理対象地点c,d,eにおいて、「2」線がW相であり、「3」線がV相である誤判定され、第1推定相P1として出力される。
図23は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの相管理対象区間において各相の電圧変動が相対的に大きい状態を想定した第3構成例を示す図である。図23に示す例では、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線に大規模太陽光発電(メガソーラー)システムや大規模風力発電システム等の分散型電源設備Dが接続された場合を想定している。なお、図23では、相管理対象区間内の何れの分割区間においても、各線間で捻架していない状態を例示している。
図24は、図23に示す第3構成例における各相管理対象地点の各線の電圧推移を示す図である。図23では、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける「1」線、「2」線、「3」線がそれぞれ同一相である場合の電圧推移を例示している。
図25は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システムの第1相判定処理によって得られる各線の電圧推移の第5例を示す図である。図25に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸は各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。この図25に示す例では、図23に例示した第3構成例で第1相判定処理によって得られる各相の電圧推移を破線で示している。
図23に示すように、第5分割区間の相管理対象地点f側の「2」線に分散型電源設備Dが接続された場合等、「2」線への供給電力が増加して、各線に供給される電力のバランスが崩れた状態では、「2」線の電圧値が相対的に上昇し、図25に破線で示すように、第5分割区間における第1相判定処理において誤判定が生じる可能性がある。図25に示す例では、各相管理対象地点d,e,fにおいて、「2」線がU相であり、「1」線がV相であると誤判定され、第1推定相P1として出力される。
上述した第1構成例、第2構成例、及び第3構成例のように、相管理対象区間内に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因である場合、例えば、図17及び図20に示す大負荷BR、図20に示す高圧自動電圧調整器VR、図23に示す分散型電源設備D等が相管理対象区間に接続され、且つ、これらの設備が稼働している場合には、第1相判定部511によって実施される第1相判定処理による判定結果、すなわち第1推定相P1の信頼性が低下する可能性がある。
従って、本実施形態では、第1推定相P1と第2推定相P2とが一致していないとき、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因であると見做した場合には、相照合部513は、第2相判定部512から出力される第2推定相P2を優先的に選択し、第2推定相P2を推定相Pとして出力する。
次に、第2相判定部512によって実施される第2相判定処理における判定結果の信頼性低下要因について説明する。
上述したように、本実施形態では、第2相判定処理において、各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fからそれぞれ出力される各線のノイズ成分情報の特徴に有意差がなく、実質的に相の推定ができない場合には、第2相判定部512は、実質的に相の推定ができない相管理対象地点の第2推定相を「NG(推定不可)」とする。
一方、実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間において、高調波ノイズの発生源がない場合や、発生する高調波ノイズが小さい場合、または、高圧配電経路2の各線に伝搬する高調波ノイズが小さい場合でも、僅かなノイズ成分の差異を検出する可能性がある。この場合には、第2相判定部512によって実施される第2相判定処理による判定結果、すなわち第2推定相P2の信頼性が低下する可能性がある。
従って、本実施形態では、第1推定相P1と第2推定相P2とが一致していないとき、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因ではないと見做した場合には、相照合部513は、第2相判定部512から出力される第1推定相P1を優先的に選択し、第1推定相P1を推定相Pとして出力する。
このように、本実施形態では、第1相判定部511における第1相判定処理による処理結果である第1推定相P1と、第2相判定部512における第2相判定処理による処理結果である第2推定相P2との相互補完によって推定相Pを特定することで、配電経路相管理支援処理における相照合処理による照合結果の信頼性を高め、高圧配電経路2の各相の推定精度を向上させることができる。
以下、本実施形態に係る配電経路相管理支援方法、及び配電経路相管理支援システム100の第1相判定処理、第2相判定処理、及び相照合処理を含めた配電経路相管理支援処理について説明する。
図26は、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法、及び配電経路相管理支援システムにおける配電経路相管理支援処理フローの一例を示すフローチャートである。図27は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される設備情報の一例を示す図である。図28は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される配電経路相管理支援処理実施日時の一例を示す図である。図29は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される電圧値情報の一例を示す図である。図30は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶されるノイズ情報の一例を示す図である。図31は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される第1相情報の一例を示す図である。図32は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される第2相情報の一例を示す図である。図33は、図26に示す配電経路相管理支援処理フローにおいて記憶部に記憶される相情報の一例を示す図である。
まず、図26に示す配電経路相管理支援処理フローの前提条件として、配電自動化システム4は、実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100の相管理対象区間に設けられる負荷や設備の各種情報、すなわち、各分割区間毎の顧客契約情報(契約アンペア数等)、分散型電源設備情報(供給電力量等)、高圧自動電圧調整器の配置情報や、これらの各負荷や設備の稼働状況等を含む設備関連情報が保持され、随時更新されているものとする。
オペレータが入力部54を介して配電経路相管理支援処理の開始を指示すると、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法における配電経路相管理支援処理が開始される。
配電経路相管理支援処理の開始を指示すると、配電経路相管理支援装置5の処理部51は、通信部53を介して、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fに対し、各線の電圧値及びノイズ成分情報を出力するよう制御指令(配電経路情報出力指令)を出力すると共に、通信部53を介して、配電自動化システム4から設備関連情報を読み出し、図27に示す設備情報71として、図28に示す配電経路相管理支援処理実施日時72と共に記憶部52に記憶する(ステップS101)。
各センサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fは、配電経路情報出力指令が入力されると、高圧配電経路2の各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線(ここでは、「1」線、「2」線、「3」線の3線)の電圧値及びノイズ成分情報を配電経路相管理支援装置5に出力する。
配電経路相管理支援装置5の処理部51は、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の電圧値及びノイズ成分情報が入力されると(ステップS102)、第1相判定部511において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の電圧値に基づき、上述した第1相判定処理を実施すると共に、第2相判定部512において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線のノイズ成分情報に基づき、上述した第2相判定処理を実施する(ステップS103)。また、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の電圧値は、処理部51によって、図29に示す電圧値情報73として記憶部52に記憶され、相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線のノイズ成分情報は、処理部51によって、図30に示すノイズ情報74として記憶部52に記憶される。
第1相判定部511は、第1相判定処理によって各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定し、推定した第1推定相P1を記憶部52に第1相情報75として記憶する。第2相判定部512は、第2相判定処理によって各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定し、推定した第2推定相P2を記憶部52に第2相情報76として記憶する。
処理部51は、記憶部52に記憶された第1相情報75及び第2相情報76を読み出し、相照合部513において、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線毎に、第1推定相P1と第2推定相P2とを照合する。このとき、相照合部513は、第1推定相P1と第2推定相P2とが一致しているか否かを判定する(ステップS104)。
第1推定相P1と第2推定相P2とが一致している場合(ステップS104;Yes)、相照合部513は、当該一致した第1推定相P1と第2推定相P2とを配電経路相管理支援処理における推定相Pとし(P=P1=P2)、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS105)。
第1推定相P1と第2推定相P2とが一致していない場合(ステップS104;No)、相照合部513は、記憶部52に記憶された設備情報71を読み出し、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因であるか否かを判定する。相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因であるか否かについては、設備情報71を参照して判定する。ここでは、例えば、相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が相管理対象区間に接続されているか否か、また、当該設備が稼働しているか否かにより判定する。ここで、相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備とは、例えば、単相接続された大規模太陽光発電(メガソーラー)システムや大規模風力発電システム等の分散型電源設備や、高圧自動電圧調整器等を含む。なお、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因であるか否かの判定手法により本発明が限定されるものではない。
図26に示す例において、相照合部513は、まず、相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が相管理対象区間に接続されているか否かを判定する(ステップS106)。
相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が相管理対象区間に接続されている場合(ステップS106;Yes)、続いて、相照合部513は、当該設備が稼働しているか否かを判定する(ステップS107)。なお、このステップS107では、相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が複数存在する場合、これら全ての設備が何れも稼働していないことが明確でない場合には、これらの設備のうちの1以上が稼働しているものと見做す。
相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が相管理対象区間に接続され、且つ、これらの設備のうちの1以上が稼働していると見做された場合(ステップS106;Yes、ステップS107;Yes)、相照合部513は、相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因の1つ以上が相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因であると見做し、続いて、第2推定相P2が「NG(推定不可)」でないか否かを判定する(ステップS108)。
第2推定相P2が「NG(推定不可)」でない場合(ステップS108;Yes)、相照合部513は、第2推定相P2を推定相Pとし(P=P2)、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS109)。
第2推定相P2が「NG(推定不可)」である場合(ステップS108;No)、相照合部513は、第1推定相P1が「NG(推定不可)」でないか否かを判定する(ステップS110)。
第1推定相P1が「NG(推定不可)」でない場合(ステップS110;Yes)、相照合部513は、第1推定相P1を推定相Pとし(P=P1)、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS111)。
第1推定相P1が「NG(推定不可)」である場合(ステップS110;No)、相照合部513は、推定相Pを「NG(推定不可)」(P=「NG」)とし、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS112)。
相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因となる設備が相管理対象区間に接続されていないか、または、これらの設備のうちの1以上が稼働していると見做された場合(ステップS106;No、ステップS107;No)、相照合部513は、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間における特定相の電圧変動要因ではないと見做し、続いて、第1推定相P1が「NG(推定不可)」でないか否かを判定する(ステップS113)。
第1推定相P1が「NG(推定不可)」でない場合(ステップS113;Yes)、相照合部513は、第1推定相P1を推定相Pとし(P=P1)、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS114)。
第1推定相P1が「NG(推定不可)」である場合(ステップS113;No)、相照合部513は、第2推定相P2が「NG(推定不可)」でないか否かを判定する(ステップS115)。
第2推定相P2が「NG(推定不可)」でない場合(ステップS115;Yes)、相照合部513は、第2推定相P2を推定相Pとし(P=P2)、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS116)。
第2推定相P2が「NG(推定不可)」である場合(ステップS115;No)、相照合部513は、推定相Pを「NG(推定不可)」(P=「NG」)とし、相情報77として記憶部52に記憶する(ステップS117)。
上記ステップS104からステップS117までの処理が、本実施形態に係る相照合処理に相当する。なお、ステップS104からステップS117までの相照合処理は、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線毎に実施される。すなわち、相照合部513は、相管理対象地点aにおける第1推定相P1aと第2推定相P2aとを相管理対象地点aの各線毎に照合して、相管理対象地点aの「1」線の推定相P1a、「2」線の推定相P2a、「3」線の推定相P3aをそれぞれ出力する。また、相照合部513は、相管理対象地点bにおける第1推定相P1bと第2推定相P2bとを相管理対象地点bの各線毎に照合して、相管理対象地点bの「1」線の推定相P1b、「2」線の推定相P2b、「3」線の推定相P3bをそれぞれ出力する。また、相照合部513は、相管理対象地点cにおける第1推定相P1cと第2推定相P2cとを相管理対象地点cの各線毎に照合して、相管理対象地点cの「1」線の推定相P1c、「2」線の推定相P2c、「3」線の推定相P3cをそれぞれ出力する。また、相照合部513は、相管理対象地点dにおける第1推定相P1dと第2推定相P2dとを相管理対象地点dの各線毎に照合して、相管理対象地点dの「1」線の推定相P1d、「2」線の推定相P2d、「3」線の推定相P3dをそれぞれ出力する。また、相照合部513は、相管理対象地点eにおける第1推定相P1eと第2推定相P2eとを相管理対象地点eの各線毎に照合して、相管理対象地点eの「1」線の推定相P1e、「2」線の推定相P2e、「3」線の推定相P3eをそれぞれ出力する。また、相照合部513は、相管理対象地点fにおける第1推定相P1fと第2推定相P2fとを相管理対象地点fの各線毎に照合して、相管理対象地点fの「1」線の推定相P1f、「2」線の推定相P2f、「3」線の推定相P3fをそれぞれ出力する。
処理部51は、記憶部52に記憶された設備情報71、配電経路相管理支援処理実施日時72、電圧値情報73、ノイズ情報74、第1相情報75、第2相情報76、相情報77を読み出し、配電経路相管理情報としてデータベースサーバ6に格納すると共に(ステップS118)、当該配電経路相管理情報から、配電経路相管理情報表示画面を生成し(ステップS119)、当配電経路相管理情報表示画面を表示部55に表示して、実施形態1に係る配電経路相管理支援処理フローを終了する。
図34は、実施形態1に係る配電経路相管理情報の一例を示す図である。図35は、実施形態1に係る配電経路相管理情報表示画面の一例を示す図である。
図34に示す例では、上述したステップS117においてデータベースサーバ6に格納される配電経路相管理情報70(70a,70b,・・・)として、上述した設備情報71、配電経路相管理支援処理実施日時72、電圧値情報73、ノイズ情報74、第1相情報75、第2相情報76、相情報77が関連付けられている。この配電経路相管理情報70は、配電経路相管理支援処理が実施される毎に更新される構成であっても良いし、図27に示すように、配電経路相管理支援処理が実施される毎に新たな配電経路相管理情報70a,70b,・・・が追記される構成であっても良い。
なお、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の電圧値やノイズ成分は、負荷変動や供給電力の変動によって絶えず変動するため、配電経路相管理支援処理の実施日や実施時刻等によって各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線の相の推定精度にばらつきが発生する可能性がある。このため、配電経路相管理情報70としては、図34に示すように、配電経路相管理支援処理が実施される毎に、新たな配電経路相管理情報70a,70b,・・・が追記される構成とすることが望ましい。これにより、配電経路相管理支援処理を実施する毎に追記される配電経路相管理情報70a,70b,・・・を、より高精度に高圧配電経路2の相判定を行うためのデータとして活用することができるという利点がある。
また、図35に示す例では、上述したステップS118において表示部55に表示される配電経路相管理情報表示画面79として、上述した設備情報71、配電経路相管理支援処理実施日時72、電圧値情報73、ノイズ情報74、第1相情報75、第2相情報76、相情報77に加え、これらの情報に基づき生成された捻架推定箇所情報78を含む例を示している。
図35に示す例において、捻架推定箇所情報78は、横軸が変電所1の電力出力点に対して設けられた各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの位置を示し、縦軸が各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線における電圧値を示している。図35に示す例では、第3分割区間においてU相とV相とが捻架しているものとして推定された例を示している。
図35に示す例では、上述したステップS118において、配電経路相管理情報表示画面79が表示部55に表示されることで、配電経路相管理支援処理における各種情報が一覧表示される態様を示している。
なお、上述したステップS118において表示部55に表示する配電経路相管理情報表示画面の態様により本発明が限定されるものではなく、例えば、複数の表示画面に分割して表示する態様であっても良い。
図36は、実施形態1に係る配電経路相管理情報表示画面の図35とは異なる一例を示す図である。図37は、図36に示す配電経路相管理情報表示画面の第1サブ画面である第1相判定処理結果表示画面の一例を示す図である。図38は、図36に示す配電経路相管理情報表示画面の第2サブ画面である第2相判定処理結果表示画面の一例を示す図である。
図36、図37、図38に示す例では、図36に示す配電経路相管理情報表示画面79aにおいて、第1相判定部511における第1相判定処理結果を表示するための第1相判定処理結果表示ボタン80sと、第2相判定部512における第2相判定処理結果を表示するための第2相判定処理結果表示ボタン81sとが表示される。
図36、図37、図38に示す例では、上述したステップS118において、まず、図36に示す配電経路相管理情報表示画面79aが表示される。この配電経路相管理情報表示画面79a上において、配電経路相管理支援システム100の管理者(オペレータ)が入力部54を操作して第1相判定処理結果表示ボタン80sを選択すると、図37に示す第1相判定処理結果表示画面80が表示され、第2相判定処理結果表示ボタン81sを選択すると、図38に示す第2相判定処理結果表示画面81が表示される態様を示している。
図36に示す配電経路相管理情報表示画面79aでは、設備情報71、配電経路相管理支援処理実施日時72、相情報77、及び捻架推定箇所情報78が表示され、図37に示す第1相判定処理結果表示画面80では、電圧値情報73と第1相情報75とが表示され、図38に示す第2相判定処理結果表示画面81では、ノイズ情報74と第2相情報76とが表示される。
なお、第1相判定処理結果表示画面80は、配電経路相管理情報表示画面79aに重ねて表示されても良いし、配電経路相管理情報表示画面79aと並べて表示されても良いし、配電経路相管理情報表示画面79aから第1相判定処理結果表示画面80に切り替えて表示されても良い。また、第2相判定処理結果表示画面81は、配電経路相管理情報表示画面79aに重ねて表示されても良いし、配電経路相管理情報表示画面79aと並べて表示されても良いし、配電経路相管理情報表示画面79aから第2相判定処理結果表示画面81に切り替えて表示されても良い。これら第1相判定処理結果表示画面80及び第2相判定処理結果表示画面81の表示態様により本発明が限定されるものではない。
上述した実施形態1に係る配電経路相管理支援処理フローにより、高圧配電経路2の相管理対象区間の所定箇所に設けられた相管理対象地点における各線の相を推定することができる。
上述した配電経路相管理支援処理を実施した後、オペレータは、表示部55に表示された配電経路相管理情報表示画面を参照し、例えば、相情報77において「NG」が表示された相管理対象地点が存在する場合や、設備情報71から配電経路相管理支援処理における推定結果の信頼性が低いと判断した場合には、配電経路相管理支援処理の実施計画を検討し、例えば、実施時間帯等を変更して、再度、上述した配電経路相管理支援処理フローを実行する。
このように、異なる時間帯や異なる条件下で本実施形態に係る配電経路相管理支援処理を実行することで、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法及び配電経路相管理支援システム100における高圧配電経路2の相管理対象区間の各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相をより高精度に推定して管理することが可能となる。また、上述した配電経路相管理支援処理フローを、電力線の施工や設計時、あるいは定期的に実施することで、高圧配電経路の相管理や電力品質の維持が容易となる。
以上説明したように、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法は、3相交流の配電経路2上に設けられた相管理対象地点において、3相交流を配電する各線の電圧値と、各線に重畳するノイズ成分とを検出し、電圧値の検出結果とノイズ成分の検出結果との相互補完により、相管理対象地点における各線の相を推定する。
また、実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100は、3相交流の配電経路2上に設けられた相管理対象地点に設置され、3相交流を配電する各線の電圧値を検出する電圧検出器22と、電圧検出器22と共に相管理対象地点に設置され、各線に重畳するノイズ成分を検出するノイズ検出器23と、電圧検出器22から出力される電圧値の検出結果とノイズ検出器23から出力されるノイズ成分の検出結果との相互補完により、相管理対象地点における各線の相を推定する配電経路相管理支援装置(制御装置)5と、を備えている。
より具体的には、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法、及び配電経路相管理支援システム100において、配電経路2上に複数の相管理対象地点a,b,c,d,e,fを設け、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線の電圧値に基づき、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定する第1相判定処理と、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線のノイズ成分に基づき、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定する第2相判定処理と、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線毎に、第1相判定処理ステップによって推定される相(第1推定相P1)と、第2相判定処理によって推定される相(第2推定相P2)とを照合し、照合結果に基づき、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を特定する相照合処理と、を含む配電経路相管理支援処理を実行する。また、実施形態1に係る配電経路相管理支援システム100において、配電経路相管理支援装置(制御装置)5の処理部51は、第1相判定処理を実行する第1相判定部511と、第2相判定処理を実行する第2相判定部512と、相照合処理を実行する相照合部513と、を備えている。
各相管理対象地点a,b,c,d,e,fの各線の電圧値を検出する電圧検出器22、及び、各線に重畳するノイズ成分を検出するノイズ検出器23は、例えば各相管理対象地点a,b,c,d,e,fに設けられたセンサー内蔵型開閉装置20a,20b,20c,20d,20e,20fに含まれる既設の機器を用いることができる。また、配電経路相管理支援装置(制御装置)5は、例えばコンピュータ等の既設の情報処理端末装置で構成することができ、配電経路相管理支援処理は、ソフトウェアプログラムによって実現することができる。このため、実施形態1に係る配電経路相管理支援方法では、配電経路相管理支援システム100を構築するために新たな機器を設けることなく実現可能であり、簡素な構成で高圧配電経路2の相管理を実現することができる。
実施形態1に係る配電経路相管理支援方法における配電経路相管理支援処理の第1相判定処理では、2つの相管理対象地点の一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点おける各線とを対応付けた9つの対応関係における電圧値の差分をそれぞれ求め、9つの対応関係のうち、一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点における各線とが1対1で対応する6つの組み合わせ毎に、各差分の平均値を求め、6つの組み合わせのうち、各差分の平均値が最も小さくなる組み合わせを選択し、各差分の平均値が最も小さくなる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様とすることで、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定することができる。
実施形態1に係る配電経路相管理支援方法における配電経路相管理支援処理の第2相判定処理では、2つの相管理対象地点の各線をそれぞれ1対1で対応付けた6つの組み合わせのうち、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせを選択し、ノイズ成分の特徴が同じであると識別できる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様とすることで、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定することができる。
実施形態1に係る配電経路相管理支援方法における配電経路相管理支援処理の相照合処理では、第1推定相P1と第2推定相P2とが一致している場合、当該一致した相を各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の推定相Pとして特定する。
また、第1推定相P1と第2推定相P2とが一致していない場合、相管理対象区間に接続された負荷及び設備に応じて、第1推定相P1及び第2推定相P2のうちの何れか一方を各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の推定相Pとして特定する。
より具体的には、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間a,b,c,d,e,fにおける特定相の電圧変動要因であると見做した場合に、第2推定相P2を各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の推定相Pとして特定する。
一方、相管理対象区間に接続された負荷及び設備が相管理対象地点間a,b,c,d,e,fにおける特定相の電圧変動要因ではないと見做した場合に、第1推定相P1を各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の推定相Pとして特定する。
このようにすることで、配電経路相管理支援処理における相照合処理による照合結果の信頼性を高め、高圧配電経路2の各相の推定精度を向上させることができる。
さらに、異なる時間帯や異なる条件下で本実施形態に係る配電経路相管理支援処理を実行することで、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相をより高精度に推定して管理することが可能となる。また、実施形態1に係る上述した配電経路相管理支援処理を、電力線の施工や設計時、あるいは定期的に実施することで、高圧配電経路の相管理や電力品質の維持が容易となる。
(実施形態2)
図39,40,41,42,43,44は、実施形態2に係る第1相判定処理の概略説明図である。図39,40,41,42,43,44に示す例において、横軸は変電所1の電力出力点に対して設けられた相管理対象地点の位置を示し、縦軸は相管理対象地点の各線における電圧値を示している。なお、実施形態2に係る配電経路相管理支援システムが適用される配電系統、配電経路相管理支援システムの構成、配電経路相管理支援装置のハードウェア構成、配電経路相管理支援システムの機能的な構成を示す機能ブロック、第2相判定処理、相照合処理、配電経路相管理支援処理フロー、データベースサーバに格納される配電経路相管理情報、及び配電経路相管理情報表示画面については、上述した実施形態1と同様であるので、ここでの重複する説明は省略する。
図39,40,41,42,43,44に示す例では、2つの相管理対象地点A,Bにおける各線の電圧値を示している。ここでは、相管理対象地点Aにおける「1」線の電圧値をV1A、「2」線の電圧値をV2A、「3」線の電圧値をV3A、としている。また、相管理対象地点Bにおける「1」線の電圧値をV1B、「2」線の電圧値をV2B、「3」線の電圧値をV3B、としている。また、本実施形態では、相管理対象地点Aにおける「1」線の電圧値V1A、「2」線の電圧値V2A、及び「3」線の電圧値V3Aの平均値をVA、相管理対象地点Bにおける「1」線の電圧値V1B、「2」線の電圧値V2B、及び「3」線の電圧値V3Bの平均値をVBとしている。
相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とを対応付けた対応関係、すなわち、相管理対象地点Aの各線の電圧値V1A,V2A,V3Aと、相管理対象地点Bの各線の電圧値V1B,V2B,V3Bとの対応関係は、V1A及びV1B、V1A及びV2B、V1A及びV3B、V2A及びV1B、V2A及びV2B、V2A及びV3B、V3A及びV1B、V3A及びV2B、V3A及びV3B、の9通りの対応関係が存在する。
第1相判定部511は、まず、これら9通りの対応関係において、それぞれの電圧値の差分である第1差分(V1B−V1A、V1B−V2A、V1B−V3A、V2B−V1A、V2B−V2A、V2B−V3A、V3B−V1A、V3B−V2A、V3B−V3A)を求める。
また、第1相判定部511は、相管理対象地点Aの各線の電圧値の平均値VA(=(V1A+V2A+V3A)/3)と相管理対象地点Bの各線の電圧値の平均値VB(=(V1A+V2A+V3A)/3)とを求め、これら平均値VAと平均値VBとの差分である第2差分(VB−VA)とを求める。
相管理対象地点Aの各線と相管理対象地点Bの各線とがそれぞれ1対1で対応する組み合わせは、図39,40,41,42,43,44に示すように、それぞれ、上述した9通りの対応関係のうちの3通りの対応関係を持つ6通りの組み合わせが存在する。
実施形態2において、第1相判定部511は、下式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)を用いて、図39,40,41,42,43,44に示す6つの組み合わせ毎に、上述した第1差分と上述した第2差分との差分である第3差分の平均値VBA7,VBA8,VBA9,VBA10,VBA11,VBA12を求める。なお、下式(7)は図39に対応し、下式(8)は図40に対応し、下式(9)は図41に対応し、下式(10)は図42に対応し、下式(11)は図43に対応し、下式(12)は図44に対応する。
VBA7=(|(V3B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V3B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V1B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(7)
VBA8=(|(V1B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V1B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V2B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(8)
VBA9=(|(V2B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V2B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V3B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(9)
VBA10=(|(V2B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V2B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V1B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(10)
VBA11=(|(V1B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V1B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V3B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(11)
VBA12=(|(V3B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V3B−V1A)−(VB−VA)|
+|(V2B−V2A)−(VB−VA)|)/3 ・・・(12)
そして、第1相判定部511は、上式(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)の演算結果を比較し、最も小さい値となる組み合わせを選択する。図39,40,41,42,43,44に示す組み合わせでは、(7)式の演算結果であるVBA7が最も小さい値となるため、図39に示す組み合わせを選択することとなる。
ここで、相管理対象地点Aにおける相が既知、例えば、相管理対象地点Aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることが既知であれば、図39に示すように、相管理対象地点Aにおける「1」線に対応する相管理対象地点Bにおける「3」線がU相、相管理対象地点Aにおける「2」線に対応する相管理対象地点Bにおける「1」線がV相、相管理対象地点Aにおける「3」線に対応する相管理対象地点Bにおける「2」線がW相であると推定することができる。
従って、実施形態1と同様に、相管理対象地点aにおける「1」線がU相、「2」線がV相、「3」線がW相であることは既知であるものとすれば、上述した実施形態2に係る第1相判定処理を、第1分割区間、第2分割区間、第3分割区間、第4分割区間、第5分割区間の各分割区間毎に実施することで、各相管理対象地点a,b,c,d,e,fにおける各線の相を推定することができる。
上述したように、本実施形態に係る第1相判定部511は、第1相判定処理において、2つの相管理対象地点の一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点おける各線とを対応付けた9つの対応関係における各電圧値の差分である第1差分をそれぞれ求め、一方の各相管理対象地点の各線の電圧値の平均値と他方の各相管理対象地点の各線の電圧値の平均値との差分である第2差分を求め、9つの対応関係のうち、一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点における各線とが1対1で対応する6つの組み合わせ毎に、各第1差分と第2差分との差分である第3差分の平均値を求め、6つの組み合わせのうち、各第3差分の平均値が最も小さくなる組み合わせを選択し、各第3差分の平均値が最も小さくなる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様であっても、実施形態1と同様に、各相管理対象地点における各線の相を推定することができる。
以上説明したように、実施形態2に係る配電経路相管理支援方法における配電経路相管理支援処理の第1相判定処理では、2つの相管理対象地点の一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点おける各線とを対応付けた9つの対応関係における各電圧値の差分である第1差分をそれぞれ求め、一方の各相管理対象地点の各線の電圧値の平均値と他方の各相管理対象地点の各線の電圧値の平均値との差分である第2差分を求め、9つの対応関係のうち、一方の相管理対象地点における各線と他方の相管理対象地点における各線とが1対1で対応する6つの組み合わせ毎に、各第1差分と第2差分との差分である第3差分の平均値を求め、6つの組み合わせのうち、各第3差分の平均値が最も小さくなる組み合わせを選択し、各第3差分の平均値が最も小さくなる組み合わせにおいて、各線の相が既知である一方の相管理対象地点の各線の相に他方の相管理対象地点の各線の相を一致させる態様とすることで、実施形態1と同様に、各相管理対象地点における各線の相を推定することができる。