JP6295020B2 - セリア−ジルコニア系材料及びその製造方法 - Google Patents

セリア−ジルコニア系材料及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、セリア−ジルコニア系材料及びその製造方法に関する。
セリア(CeO2)は、酸素放出する酸素貯蔵能(以下、OSCともいう。)能が高く、自動車等の車両の排気ガス浄化用触媒の助触媒等として応用されている。また、このほか、研磨剤を含めて各種の用途がある。
例えば、上記した助触媒として用いる場合のセリア系材料としては、セリアにジルコニア(ZrO2)を添加して、セリアとジルコニアとの複合酸化物やこれらの固溶体としたものが知られている。セリアにジルコニアを添加することで、セリアが高温下で結晶成長することによるOSCの低下を抑制して、高温耐久性を向上させることが行われている。さらに、固溶体におけるCe及びZrの原子組成を最適化によるOSCの改善も試みられている(特許文献1)。
特開2004−2147号公報
近年、こうした固溶体であっても、排ガスの高温化によりさらなる高温耐性と広い範囲でのOSCの向上が求められている。また、セリア−ジルコニア固溶体の原子組成等を調整することによっては、高温耐性やOSCなどのセリアに基づく特性向上には限界があった。
そこで、本発明は、より実用的で特性向上が可能なセリア−ジルコニア系材料を提供することを一つの目的とする。
本発明者らは、セリアの特性をさらに高めるための新たな形態を種々検討し、セリア−ジルコニア系結晶とセリア系結晶との複合化を試みたところ、立方体状のセリア粒子表面にセリア−ジルコニア系結晶を備える複合形態を実現できるという知見を得た。さらに、こうした複合形態がセリアの特性向上に貢献できるという知見を得た。本発明によれば、これらの知見に基づき以下の手段が提供される。
(1)セリア−ジルコニア系材料であって、セリア系組成を有する第1の粒子と、前記第1の粒子の表面に保持される前記第1の粒子よりも小さいセリア−ジルコニア系組成を有する第2の粒子と、を備えるセリア−ジルコニア系材料。
(2)前記第1の粒子は、立方体状の三次元形態を有する、(1)に記載のセリア−ジルコニア系材料。
(3)前記第1の粒子は、セリア単結晶を主体とする粒子である、(1)又は(2)に記載のセリア−ジルコニア系材料。
(4)前記第2の粒子は、セリア−ジルコニア固溶体粒子である、(1)〜(3)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料。
(5)前記第2の粒子の平均粒経は、1nm以上5nm以下である、(1)〜(4)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料。
(6)前記第1の粒子の平均粒経は、3nm以上20nm以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料。
(7)内燃機関の排ガス浄化触媒の助触媒用である、(1)〜(6)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料。
(8)排ガス浄化用フィルターであって、
(1)〜(7)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料を含む触媒相を備える、フィルター。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載のセリア−ジルコニア系材料の製造方法であって、
水を含み、セリウムイオン及びジルコニウムイオンと、少なくとも一つのヒドロキシ基と、ヒドロキシル基グリコール酸と、前記第1の粒子と、を含有し、アルカリ性である原料液を加熱して、前記第1の粒子の表面に前記第2の粒子を生成させる、製造方法。
本発明のセリア−ジルコニア系材料の一例を示す図である。 本発明のセリア−ジルコニア系材料の製造方法のフローの一例を示す図である。 水熱合成粉末の顕微鏡写真を示す図である。 水熱合成粉末のOSC評価結果を示す図である。
本発明は、従来にない新たな複合形態を有するセリア−ジルコニア系材料とその製造方法並びにその用途に関する。
本発明のセリア−ジルコニア系材料の一例を図1に示す。図1に示すように、本発明のセリア−ジルコニア系材料によれば、セリア系組成を有する第1の粒子の表面にそれよりも小さいセリア−ジルコニア系組成を有する第2の粒子を備えている。こうした複合化粒子によれば、セリア系セラミックスの優れた特性を向上させることができる。本発明を拘束するものではないが、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、セリア系組成とセリア−ジルコニア系組成との組成の組み合わせ、及びセリア系組成の粒子表面にセリア−ジルコニア系組成のより小さい粒子を保持するといった複合化形態によって、セリア系セラミックスの特性向上が図られているものと推論される。
以下、本発明の材料及びその製造方法等について適宜図面を参照しながら説明する。
(セリア−ジルコニア系材料)
本発明のセリア−ジルコニア系材料は、セリア系組成を有する第1の粒子と、前記第1の粒子の表面に保持される前記第1の粒子よりも小さいセリア−ジルコニア系組成を有する第2の粒子と、を備えることができる。
第1の粒子は、セリア系組成を有している。セリア系組成とは、セリアを主体とする組成である。セリア以外に各種酸化物を含んでいてもよいが、好ましくは、セリアのみからなる。なお、セリアのみからなるとは、不可避不純物を含んでいてもよいことを意味している。
第1の粒子は、セリアの結晶性粒子であることが好ましい。結晶性粒子であることで高いOSCを発揮するからである。より好ましくは単結晶を主体とする粒子である。また、第1の粒子の外形形状は特に限定しないで、不定形状、球形状等の各種三次元形状を採ることができるが、立方体状の三次元形状を有することが好ましい。また、立方体状であるとより高いOSCを発揮することができる。酸素放出能を示すからである。最も好ましくは、単結晶で立方体状である。すなわち、(100)面で囲まれた単結晶粒子である。OSCは、(100)面において最も高いことがわかっている。
第1の粒子の平均粒経は、特に限定しないが、3nm以上20nm以下であることが好ましい。この範囲であると良好なOSCを発揮できるからである。より好ましくは、5nm以上10nm以下である。なお、第1の粒子の平均粒経は、レーザー回折・散乱法により測定することができる。
第2の粒子は、セリア−ジルコニア系組成を有することができる。セリア−ジルコニア系組成としては、少なくともセリアとジルコニアを含み、好ましくはセリアージルコニア固溶体である。セリア−ジルコニア固溶組成は、特に限定しないが、例えば、内燃機関の排ガス浄化用の助触媒に用いる場合には、セリウム:ジルコニウムのモル比が70:30以上40:60以下のであることが好ましい。Zrがこれよりも少ないとOSCが低下し、Zrがこれよりも多いと固溶できず結果としてOSCが低下するからである。
第2の粒子は、セリア−ジルコニア固溶体を主成分とすることが好ましいが、他の元素の酸化物が含まれることを排除するものではない。必要に応じて、アルカリ土類元素の酸化物やセリア以外の希土類元素の酸化物が含まれていてもよい。
第2の粒子の外形形状は、限定しないで、不定形状、球形状、針状等の各種三次元形状を採ることができる。典型的には、球状の三次元形状を有する。
第2の粒子は、第1の粒子の表面に保持されている。保持されている形態は特に限定しないが、後述するように、第2の粒子は、第1の粒子の表面に水熱処理により生成し一体化されているものであることが好ましい。
第2の粒子は、第1の粒子よりも小さく、第1の粒子の表面に多数個保持されていることが好ましい。第1の粒子の表面に保持されること、OSC等を考慮すると、第2の粒子の平均粒経は、1nm以上10nm以下であることが好ましい。この範囲であると良好なOSCを発揮できるからである。より好ましくは1nm以上5nm以下である。1nmより小さいと結晶性が低下し、5nmを超えると触媒性能が劣化しOSCが低下するからである。なお、第2の粒子の平均粒経は、第1の粒子に保持された状態においては、顕微鏡観察により40nm×80nmの視野下において計測し、少なくとも1つの視野において計測した総数50個以上の平均値をもって平均粒経とすることができる。なお、第2の粒子は、後述するように、第1の粒子から分離した状態で計測するときには、レーザー回折・散乱法により測定することができる。
本発明のセリア−ジルコニア系材料は、第1の粒子と第2の粒子との複合粒子である。こうしたセリア−ジルコニア系材料は、上記したとおり、セリアの特性、例えば、OSCなどの特性を発揮するのに適した構成となっている。そして、高温でのセリアの特性が、ジルコニアにより向上されている。
なお、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、後述するように、こうした複合化粒子のほか第1の粒子に保持されていない第2の粒子を含むこともできる。第2の粒子を複合粒子とは別個に含むことで、セリア−ジルコニア系材料として、OSC等の特性を向上させることができる。
さらに、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、上記した複合粒子が凝集した第1の凝集形態を採るここともできる。また、複合粒子と第2の粒子とが凝集した第2の凝集形態を採ることもできる。本発明のセリア−ジルコニア系材料は、第1の凝集形態と第2の凝集形態とを同時に含むこともできる。さらに、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、第2の粒子を主体とする凝集形態(第3の凝集形態)を含むことができる。本発明のセリア−ジルコニア系材料は、第1、及び/又は第2の凝集形態と同時に第3の凝集形態を含むこともできる。
こうした本発明のセリア−ジルコニア系材料は、そのセリアの特性及びジルコニア添加の効果により、車両等の内燃機関の排ガス浄化触媒の助触媒として用いることができる。すなわち、貴金属などとともに、あるいはこうした貴金属触媒を含む担持材料の少なくとも一部として用いることができる。したがって、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、例えば、内燃機関の排ガス浄化用の複合材料として用いることができる。なお、排ガス浄化用の金属触媒、担持材料は、当業者に周知であり、周知材料から適宜選択して用いることができる。
本発明によれば、内燃機関の排ガス浄化用フィルターも提供される。すなわち、本発明のセリア−ジルコニア系材料を含む触媒相を備える、排ガス浄化用フィルターも提供される。排ガス浄化用フィルターの形態は特に限定しないで公知の各種形態を採用できるが、典型的にはハニカム構造体である。本発明のセリア−ジルコニア系材料を含む触媒相は、ハニカム構造体を構成するマトリックスに含まれていてもよいし、その内壁等の表面に付与されていてもよい。こうした排ガス用フィルターの製造方法は当業者において周知であって、当業者であれば、本発明のセリア−ジルコニア系材料を助触媒あるいは触媒担持材料として適用して排ガス浄化用フィルターを容易に製造することができる。
(セリア−ジルコニア系材料の製造方法)
本発明のセリア−ジルコニア系材料は、例えば、以下の方法で水熱法を用いて製造することができる。水熱法は、大量合成に有利であるとともに、合成条件を調節すること合成粒子形状や大きさを制御できる点において有利である。製造方法の一例を図2に示す。
本発明のセリア−ジルコニア系材料は、図2に示すように、水を含み、セリウムイオン及びジルコニウムイオンと、少なくとも2つのヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有化合物と、前記第1の粒子と、を含有し、アルカリ性である原料液を加熱して、第1の粒子の表面に記第2の粒子を生成させることにより得ることができる。
セリウムイオン及びジルコニウムイオンは、例えば、セリウム塩及びジルコニウム塩として準備することができる。セリウム塩及びジルコニウム塩は、硝酸塩,硫酸塩,亜硫酸塩,塩化物,各種無機錯塩などの無機塩、カルボン酸塩,各種有機錯塩などの有機塩を用いることができる。セリウム塩とジルコニウム塩とは分解温度が近接しているものが望ましく、この意味から同種の塩を用いることが望ましい。
なお、第2の粒子にセリウム及びジルコニウム以外の元素を含める際には、当該元素の塩も含めるようにすることができる。
ヒドロキシ基含有化合物としては、ヒドロキシ酸が挙げられる。ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、シキミ酸等の脂肪族ヒドロキシ酸、モノヒドロキシ安息香酸誘導体、ジヒドロキシ安息香酸誘導体、トリヒドロキシ安息香酸誘導体、フェニル酢酸誘導体等の芳香族ヒドロキシ酸が挙げられる。
こうしたヒドロキシ基含有化合物は、最終的に得ようとする第2の粒子量100モルに対して50モル以上1000モル以下とすることが好ましい。ヒドロキシ基含有化合物の量がこの範囲より少なかったり超えたりすると、均一に固溶したセリア−ジルコニア固溶体を得ることが困難となるからである。
なお、セリウム塩及びジルコニウム塩の少なくとも一方が有機塩である場合には、その分解により生成する有機物が上記した有機化合物の機能の一部を担うことがある。その場合には、ヒドロキシ基含有化合物の混合量を上記範囲から少なくすることも可能である。
第1の粒子は、この水熱処理においてセリア−ジルコニア固溶体の生成のための種結晶として機能することができる。第1の粒子としては、セリア−ジルコニア系材料において既に説明した各種形態の第1の粒子を準備することができる。第1の粒子は、最終的に得ようとする第2の粒子の量100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下準備することが好ましい。この範囲より少なかったり超えたりすると、第1の粒子の表面に第2の粒子を生成させにくくなるからである。より好ましくは10質量部以上20質量部以下である。
水に対して、セリウム塩と、ジルコニウム塩と、ヒドロキシ基含有化合物とを添加などして、これらを含む液を調製すると、液性は酸性側となり透明溶液となる。さらに、この液にアルカリを添加するなどして中和〜アルカリ性としても、沈殿が生じず、透明ないしそれに近い液となる。これは、ヒドロキシ基含有化合物とセリウムイオンやジルコニウムイオンとが安定なキレートを形成しているものと考えられる。アルカリ添加後のpHは、セリウム塩、ジルコニウム塩やヒドロキシ基含有化合物の種類にもよるが、7以上14以下程度であることが好ましい。この範囲外においては、安定的なキレートが形成しにくく、透明な液を得られにくくなるからである。より好ましくは8以上10以下である。
アルカリとしては、無機アルカリであっても有機アルカリであってもよい。典型的には、アンモニア溶液などを用いることができる。
水、セリウムイオン、ジルコニウムイオン、ヒドロキシ基含有化合物を含み、アルカリにより中和された後の溶液には、第1の粒子を加えることができる。なお、第1の粒子は、中和前において添加されてもよい。
図2に示すように、こうして調製した原料液を水熱処理する。水熱処理の条件は、特に限定しないで原料液を好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上、一層好ましくは100℃以上に加熱する。必要に応じ撹拌することもできる。本製造方法によれば、第1の粒子を添加しているので、第1の粒子表面に優先的にセリア−ジルコニア系組成の粒子が付着生長する。
第1の粒子表面ないし液中に第2の粒子の生成析出が観察されるので、十分量を生成したら加熱を終了する。加熱温度にもよるが、数時間以上加熱することが好ましく、より好ましくは十数時間以上であり、さらに好ましくは二十時間以上である。
反応後の原料液につき公知の固液分離手段を適用して、固相としての複合粒子を回収できる。また、第1の粒子や第2の粒子も同時に回収されうる。なお、必要に応じ複合粒子のみを分画することもできるほか、第2の粒子及び/又は第1の粒子を併せることもできる。
こうして回収した固相を公知の完走手段を適用して乾燥することで、本発明のセリア−ジルコニア系材料を得ることができる。乾燥後には、適宜粉砕等することもできる。
本製造方法によれば、セリウムイオン及びジルコニウムイオン等が水中に安定した状態で存在しており、さらにその状態を維持して水熱合成によりセリア−ジルコニア系の第2の粒子が第1の粒子表面に生長されるため、原子レベルでセリウムやジルコニウムが均一に分散したセリア−ジルコニア系組成の第2の粒子を得ることができる。
以下、本発明を具体例を挙げて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
Ce(NO32・6H2O1.3gをZrOCl2・8H2O0.98gを、水60mlに溶解後、グリコール酸0.46gを添加して、透明溶液を得た。さらに、1Nのアンモニア水溶液を19ml添加してpHを10に調節後、平均粒経10nmのセリア結晶粒子(立方体状)0.07gを添加した。
この原料液を、100℃及び150℃でそれぞれ24時間加熱した。その後、反応後の各原料液をろ過して固相を回収し、固相を乾燥し、2種類の粉末(CZ110、CZ111)を得た。これらにつき、顕微鏡観察を行った。粉末CZ110の顕微鏡観察結果を図3に示す。また、これら2種類の粉末のほか、合成に用いたセリア結晶粒子、市販のセリア−ジルコニア系材料、につき、OSCを測定した結果を図4に示す。なお、OSCの測定は、試料5gを用いて、200℃、300℃及び400℃の各温度にて、流量1ml/分でO22%ガスを30秒流した後、CO2%ガスを30秒流すことを5回繰り返して評価した。
2種類の水熱合成粉末は、いずれもセリアの結晶粒子の表面に微粒子が付着生長して得られる複合粒子を含んでいることがわかった(図3参照)。微粒子の大きさを、顕微鏡観察により40nm×80nmの視野下において計測し、1つの視野において計測した総数50個以上の平均値をもって平均粒経として算出したところ、おおよそ1nm〜2nmであった。また、X線粉末回折により、プロファイルを測定し、セリア−ジルコニア固溶体であることを確認した。
さらに、図4に示すように、OSCの評価結果からは、2種類の水熱合成粉末は、いずれも200℃、300℃の比較低温でもOSCを発揮し、200℃〜300℃においては、市販のセリア−ジルコニア系材料よりも優れたOSCを呈した。セリア粒子に対しては、2倍以上のOSCを呈した。
以上のことから、本発明のセリア−ジルコニア系材料では、セリア粒子表面に付着生長したセリア−ジルコニア固溶体粒子がセリア特性の向上に寄与していることがわかる。また、本発明のセリア−ジルコニア系材料は、低温〜高温域において優れたOSCを発揮できており、広い温度域でセリアの特性を向上させることができるセリア−ジルコニア系材料であることがわかった。また、本発明の製造方法によれば、水熱合成によるため大量合成に向いており、効率的に優れたセリア特性のセリア−ジルコニア系材料を提供できることがわかった。

Claims (9)

  1. セリア−ジルコニア材料であって、
    セリア結晶性粒子である第1の粒子と、
    単一粒子である前記第1の粒子の表面に生長されて保持されるセリア−ジルコニア固溶体である複数の第2の粒子と、
    を備える複合粒子であって
    前記第2の粒子は、顕微鏡観察において前記第1の粒子より小さい、セリア−ジルコニア材料。
  2. 前記複合粒子は、ロジウムを担持するものが除かれる、請求項1に記載のセリ−ジルコニア材料。
  3. 前記第1の粒子は、立方体状の三次元形態を有する、請求項1又は2に記載のセリア−ジルコニア材料。
  4. 前記第1の粒子は、セリア単結晶粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料。
  5. 前記第2の粒子の前記平均粒径は、1nm以上5nm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料。
  6. 前記第1の粒子の前記平均粒径は、3nm以上20nm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料。
  7. 内燃機関の排ガス浄化触媒の助触媒用である、請求項1〜6のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料。
  8. 排ガス浄化用フィルターであって、
    請求項1〜7のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料を含む触媒相を備える、フィルター。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のセリア−ジルコニア材料の製造方法であって、
    水を含み、セリウムイオン及びジルコニウムイオンと、少なくとも二つのヒドロキシ基を含むヒドロキシ基含有化合物と、前記第1の粒子と、を含有し、アルカリ性である原料液を加熱して、前記第1の粒子の表面に前記第2の粒子を生成させる、製造方法。
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