JP6287633B2 - エンコーダ付軸受ユニット - Google Patents
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Description
エンコーダ9は、断面L字状で全体を円環状に形成されたスリンガ10と、円輪状のエンコーダ本体11とにより構成されている。スリンガ10は、その円筒部分を内輪3bの大鍔側端部外周面に外嵌固定すると共に、その円輪部分の外周部分を外輪2の端部内周面に近接対向させてラビリンスシールを形成している。シールリング8とスリンガ10とにより、円すいころ4を設置した内部空間の両端部開口を塞ぎ、この内部空間内に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する異物が内部空間内に侵入する事を防止している。
更に、前記保護カバーは、前記エンコーダを覆う円板状の平板部と、前記平板部の側面の中央部に設けられ、前記連結環と係合する円筒部と、前記平板部の前記円筒部とは反対側の側面の中央部に設けられ、径方向断面が長方形である取っ手部と、を備えており、前記円筒部は少なくとも1対の切欠きを有しており、前記取っ手部の長辺部は、前記保護カバーの中心軸に対して前記切欠きと同位相の位置に設けられている。
即ち、保護カバーがエンコーダの表面を覆った状態で輸送されるので、隣接する軸受ユニットによりエンコーダ本体が損傷を受ける事は無い。軸受ユニットをナックルに組み付ける際、連結環及び保護カバーを外さずに組み付ける事が出来ないので、保護カバーの外し忘れと、その結果発生するセンサ破損の虞が無い。又、エンコーダが装着された内輪に保護カバーが係止されているので、エンコーダ装着側が明確になり、ナックル組み込み時の誤組み付けが防止される
連結環は、エンコーダの有無に関わらず同じ内径を有する軸受ユニット間で共通して使用可能であり、大量生産できて生産コストの低減になると共に、管理コストも低減できる。そして、保護カバーは連結環に係止されるので、保護カバーのみを製造すればよく、コストアップを抑制している。
図1,2は、本発明の第1実施形態を示している。尚、本発明の特徴は、エンコーダ付軸受ユニットを、1対の内輪同士が不用意に分離するのを防止しつつ、エンコーダの破損を防止する構造を工夫した点にある。その他の部分の構成及び作用は、図6に示した従来構造の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
尚、内輪3bの大鍔側外周面に装着されたエンコーダ9は、外輪2とは非接触であり、また、外輪2の端部内周面に固定されたシールリング8は、内輪3aの大鍔側外周面に摺接するものの、シールリップの緊迫力による摩擦力は大きくはない。この為、エンコーダ9とシールリップ8とでは、外輪2と1対の内輪3a,3bとを非分離状態に保つことは困難であり、連結環20を必要としている。
尚、保護カバー21を装着したエンコーダ付軸受ユニットを軸方向に積み重ねた時、取っ手部24は、隣接する軸受ユニットに装着された保護カバー21の円筒部22の内径内に収納される形状になっている。これによって、軸受ユニットの積み重ねを可能とすると共に、積み重ねた軸受ユニットの中心軸が互いに大きくずれ、輸送中に荷崩れする事を防止している。
又、保護カバー21は連結環20とは別体に設けられているので、残された連結環20により1対の内輪3a,3bを、非分離且つ同軸の状態に保つ事ができる。尚、円すいころ軸受の内輪の小鍔側は肉薄で逃げも存在する為、小鍔側端面に大きな面取を設ける事ができない。従って、1対の内輪3a,3bに芯ずれが発生すると、車軸15の圧入に大きな障害となる。
更に、本実施形態の場合、取っ手部24の形状や、切欠き26との位相を工夫して、連結環20を残したままで、保護カバー21の取り外しを容易にしている。
即ち、連結環20及び保護カバー21を取り外さなければ車軸15を軸受ユニットに組み込む事ができない(保護カバー21が取り付けられた状態では車軸15の圧入ができない)ので、保護カバー21を外し忘れる虞が無く、その結果、センサの障害が発生する事も無い。又、保護カバー21は連結20と別体である為、連結環20を残して保護カバー21だけを外す事により、1対の内輪3a,3bの同軸を保ったまま、車軸15の圧入時における圧入荷重の支承面(内輪3bの端面)を得られる。
連結環20は、内径寸法が同じであれば異なる軸受ユニットでも共通して使用可能であり、大量生産によりコスト低減する事が可能であるが、本例の場合、保護カバー21だけを追加で製造すればよいので、コストアップを抑制できる。
又、シールリング8を構成するシールリップに使用される弾性材は、シールリップの強度を高める為にカーボンブラックが配合されて、黒色をしている。従って、芯金全体が黒色の弾性材で被覆される形態のシールリングの場合、フェライトなどの磁性体の含有により黒色であるエンコーダ9との見分けがつきにくい。本発明のエンコーダ付軸受ユニットは、保護カバー21によりエンコーダ9が装着された側が明確になるので、ナックル16に組み込み時の誤組み付けが防止できる。
図5は、本発明の第2実施形態を示している。本実施形態のエンコーダ付軸受ユニットの場合、円筒部22aの外周面の全周に段部43が設けられており、この段部43と突起部25との間に連結環20を軸方向に挟み込み、連結環20の軸方向の位置決めを図っている。尚、段部43の代わりに、径方向外方突出するに環状突起を設ける事もできる。
2 外輪
3a,3b 内輪
4 円すいころ
5 外輪軌道
6 内輪軌道
7 保持器
8 シールリング
9 エンコーダ
10 スリンガ
11 エンコーダ本体
15 車軸
16 ナックル
17 係止リング
18 係合溝
19 支持台
20 連結環
21,21a 保護カバー
22,22a 円筒部
23 平板部
24 取っ手部
25 突起
26 切欠き
27 厚肉部
28 薄肉部
29 肉盗み部
40,40a 圧入治具
41 係合爪
42 エジェクターピン
43 段部
Claims (1)
- 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、それぞれの外周面に内輪軌道を有する1対の内輪と、前記両外輪軌道と前記両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、前記内輪の端部に支持されたエンコーダと、を備えたエンコーダ付軸受ユニットであって、
前記1対の内輪の互いに対向する端部の内周面に圧入されて、前記1対の内輪の分離を防止する連結環を備え、前記連結環に係止されて、前記エンコーダを覆う保護カバーを備え、
前記保護カバーは、前記エンコーダを覆う円板状の平板部と、前記平板部の側面の中央部に設けられ、前記連結環と係合する円筒部と、前記平板部の前記円筒部とは反対側の側面の中央部に設けられ、径方向断面が長方形である取っ手部と、を備えており、前記円筒部は少なくとも1対の切欠きを有しており、前記取っ手部の長辺部は、前記保護カバーの中心軸に対して前記切欠きと同位相の位置に設けられている事を特徴とするエンコーダ付軸受ユニット。
Priority Applications (1)
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JP2014133026A JP6287633B2 (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | エンコーダ付軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014133026A JP6287633B2 (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | エンコーダ付軸受ユニット |
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Family Applications (1)
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- 2014-06-27 JP JP2014133026A patent/JP6287633B2/ja active Active
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