JP6285017B2 - 肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折の治療用肩装具 - Google Patents

肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折の治療用肩装具 Download PDF

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Description

本発明は、肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折において非手術的に治療する装具で、整形外科医またはスポーツ医学専門家が処方し、整復操作と整復位保持を行うための骨折治療装具に関する。また、本発明は、肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折の患者の上肢を固定する肩装具であって、患者の日常生活やリハビリテーションの制限を必要最小限に止めることができる治療用肩装具に関する。
肩鎖関節脱臼は,ラグビー、ホッケー、サイクリングなどのスポーツで肩から転落し、肩鎖靱帯と烏口鎖骨靱帯の断裂や損傷による鎖骨遠位端(図11(a)の符号11参照)の脱臼や亜脱臼であり、鎖骨が肩甲骨肩峰に対して上方に転位する疾患である。また、鎖骨遠位端骨折は、鎖骨の肩に近い部分が骨折し骨の一部が上方に転位する疾患である。
肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折の治療は、上方に転位した鎖骨を押し下げ整復を行い一定期間保持することが行われており、そのための装具が市販されている。
特開2004−261531号公報
A.L.Kapandji 著、「カラー版 カパンジー機能解剖学 1 上肢 原著第6版」、医歯薬出版株式会社、2006年5月
従来の肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折の治療のための装具については、肩鎖関節脱臼や鎖骨遠位端骨折の治療の初めの段階で一時的に、三角巾やいわゆるGun Slingerタイプのアームサポートが使われる事がある。しかし、これらは疼痛緩和を目的とするもので、障害の機能的回復を目的とするものではなかった。肩の障害では、上肢の重量が肩甲骨を下方に引っ張り障害部位に剪断力として働くために、上肢を下げておくことは疼痛を強める状態となる。三角巾やアームサポートは前腕を支える事は若干の疼痛緩和に役立つが、三角巾やアームサポートには肩鎖関節部にストラップなどがないため、鎖骨を解剖学的な元の位置に戻し保持することはできなかった。
また従来より、肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折の治療のために、体の前方で鎖骨と肘をストラップで連結した装具がある。この肩の上部のストラップには鎖骨を押さえるための肩パッドが取り付けられているが、人の肩は首肩峰にかけて傾斜しているために、肩パッドが肩鎖骨関節の外側・肩峰の側に移動し滑り落ちやすい。特に衣服の着脱時の動作や臥位姿勢で肘を外側や後方に動かすときは、肩関節が回旋するため、しばしば、ストラップ及び肩パッドが肩の外側方向に移動して肩からズレ落ちてしまっていた。また体の前方で鎖骨と肘をストラップで連結した装具では、歩行において前腕が度々横方向に振れ、ストラップ及び肩パッドが肩の外側方向に移動して肩からはずれていた。
そこで、図11(b)に示すようなKenny−Howard Sling(登録商標)が、広く使用されている。このKenny−Howard Sling(登録商標)は、図11(b)に示すように、肩鎖骨部と前腕受け部の肘近傍部分との間を連結する第1のストラップ12と、第1のストラップ12の肩近傍部分を体幹の患部とは左右方向において反対側の脇下近傍部分と連結することにより前記第1のストラップ12が肩からズレ落ちることを防止する第2のストラップ13と、第2のストラップ13と前腕受け部14中の手首の近傍部分とを連結して前腕を安定的に支持する第3のストラップ15との計3本のストラップを備えている。
しかしながら、このKenny Howard Sling(登録商標)は、前述のように計3本のストラップ12,13,15が存在しているため、患部を庇いながら1人だけで装着することは難しいという問題を有していた。
しかも、Kenny Howard Sling(登録商標)を使用するときは、前胸部に横のストラップが走るために、装着時に不快感を伴いやすい。
また、鎖骨関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折の治療のために従来のKenny Howard Sling(登録商標)を装着するときは、手首及び手指は患側と反対側の健側の脇の下に位置し、前腕はその長手方向が患者から見て水平方向で且つ左右方向となるように保持されるので、手指を使った上肢の日常生活動作は著しく制限された。
肩鎖関節を受傷したアスリートの治療において、臨床医や理学療法士が直面する問題の1つは、リハビリテーションを行う時期に、障害部位の保護を確実に行いながら、快適性や医師の許可する範囲の機動性を確保することである。
従来のKenny Howard Sling(登録商標)を使用するときは、前腕は水平かつ左右方向に保たれて胃の前におかれるために、姿勢が前かがみになったり逆に反りかえったりして姿勢バランスを崩しやすい。また左右で上肢の肢位が異なるために、アスリートが下肢や体幹のトレーニングを行う時には左右の姿勢のバランスも崩しやすい。
この発明の目的は、体の動きに干渉されずに、鎖骨遠位端を肩甲骨肩峰と同じ高さレベルに保つことができる肩関節固定装具を提供する事である。また、この発明の目的は、日常生活を支障なく送りながら肩鎖関節遠位端又は肩鎖骨遠位端の骨折により上方転位した部分を尺骨方向に押さえ込んだ状態で固定(保持)することにより、肩鎖関節脱臼又は肩鎖骨遠位端骨折を整復させることができ、肩上のストラップが容易に左右方向に移動して肩からずり落ちてしまうことを防止することができ、手首及び手指の機能を日常生活のために支障なく発揮することができ、1人でも装具を簡単に装着することができ、通常の歩行や下肢のリハビリテーションに支障が生じないようにして、患者が治療用肩装具を使用することで被る生活上の不便さを最小限に抑えることができる、肩鎖関節脱臼または肩鎖骨遠位端骨折において上腕を体幹に沿って下垂された肢位で固定する治療用肩装具を提供すること、である。
本発明は、肩鎖関節脱臼または肩鎖骨遠位端骨折の治療中における患者の上肢の固定肢位を、従来のように体幹の前方に位置させるのではなく、体幹の側方に位置させる装具を提供することにより、治療中の患者の日常生活上の不便を最小限に抑えられるようにした。また本発明は、新しい肢位におけるストラップの支持性を強固にするために、後述するような、従来とは異なるストラップの走行を採用した。
すなわち、本発明に係る治療用肩装具は、肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折における転位した部分である肩鎖骨遠位端部と前腕肘近接部との間を連結するように装着されるリング状ストラップを有する治療用肩装具であって、患者の上腕を体幹の側方に沿って下垂させかつ肘を約80〜100度屈曲させて前腕を斜め前方に向けた位置に固定するべく前記リング状ストラップは、患者への装着中の形状が、(a)肩鎖骨遠位端部からほぼ垂線方向に前腕の尺側の肘近接部に向かって走り、(b)前腕の尺側から前腕の下面側を通って前腕の橈側に回り、(c)前腕の橈側から上腕の前方を通り、(d)患側の脇の下から肩後方に向かって上行し、(e)肩関節の後方を通って、肩鎖骨遠位端部に繋がるように配置されるものである。
また、上記の治療用肩装具は、患者の前腕を肩の水平面の回旋方向において20〜40度内旋させた位置に固定するものである。
従来の腕と肘を前に持ってきた固定では肩や上腕前方の筋肉の緊張を強いられやすかった。これに対して、本発明の肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折の治療用肩装具においては、肩上肢の固定肢位を変えたことにより、この上腕自然下垂位では肩内在筋の緊張がとれて筋肉が疲れにくくなった。また上肢筋肉を脱力させた状態ではこの下垂位の肢位に落ち着くので安定性が増した。また上肢が側方にあり下垂位のために姿勢が悪化する事が改善された。
治療用肩装具を装着した患者が立位の姿勢にあるときは、上肢に掛かる重力をストラップの連絡により鎖骨を押し下げる作用に変えて、肩鎖関節脱臼又は肩鎖骨遠位端骨折を整復することができる。本発明の装具ではストラップをツイストするシステムを採用した事で、従来のツイストしないストラップよりも強い摩擦力を有するので、安定性が得られる。
すなわち、本発明によれば、装具を装着した患者が立位の姿勢にあるときは、前腕に掛かる重力を、上方転位した鎖骨遠位端や骨折し上方転位した骨部分を押し下げる作用に変えて、肩鎖関節脱臼又は肩鎖骨遠位端骨折を整復することができる。
また、治療用肩装具を装着した患者が臥位の姿勢にあり前腕に重力が掛からないときでも、患者の前腕と肘を連結するストラップにより、患者の鎖骨遠位端又は骨折により上方転位した部分を前腕の尺側の方向に押さえた状態で保持して、肩鎖関節脱臼又は肩鎖骨遠位端骨折を整復維持することができる。さらに本発明による治療用肩装具は、前方のストラップと後方のストラップは上腕骨と平行に走り、かつ上腕骨の回旋中心とストラップの回旋の中心が近づくために、座位から仰臥位への体位変換などの回旋運動時のストラップの安定性が増すことになった。
従来の装具では、手指・前腕・肘は体の前で水平方向に置かれていたため、歩行にて肘が左右に振られる傾向にあったため、歩行時にストラップが外側にずれることが多かった。本発明では、本装具の肩の上方ストラップは患者の前腕の長手方向と近い方向に走行しているので、歩行時における患者の前腕の動作により左右に引っぱられて肩パッドがズレることがない。
本発明においては、前述のように患者への装着中の形状が全体として約110〜130度(望ましくは約120度)でツイストされているリング状ストラップを使用しているので、リング状ストラップが前腕の下面を走る方向とリング状ストラップが肩鎖骨遠位端部上を走る方向とが約80〜120度(望ましくは約90度)の角度をなすようになっている。すなわち、ストラップが肩鎖骨遠位端部上を走る方向とストラップが前腕の下面を走る方向との間の角度は、図8(a)に示すように前腕の長手方向が患者の体幹前面と平行に延びているときは0度であり、図8(b)では90度である。他方、図8(c)に示すように、前腕の長手方向が患者の体幹前方に対して約20〜40度(望ましくは約30度)だけ体幹中心方向に交差しているときは、図8(c)のように、肩甲上腕関節が体幹側方から体幹中心方向に例えば約30度内旋しているため、ストラップが肩鎖骨遠位端部上を走る方向とストラップが前腕の下面を走る方向との間の角度は例えば約80〜120度(望ましくは約90度)となる。
従来のKenny−Howard Slingでは手指は健側の脇の下にあった。これに対して、本装具によるときは、手首と手指は体の前にある。したがって目の前での作業が容易になる。また健側と共同する作業、たとえば読書や,メモの記載ができるようになった。
前述のKenny−Howard Sling では3本のストラップで懸垂している。縦方向の整復保持に働くストラップと肩パッドを内側に引っ張る横方向の第2のストラップと手首を懸垂する第3のストラップである。この事がストラップのシステムを複雑化し、慣れないうちは一人での装着を困難にしている。本発明の肩装具では、横方向のストラップを減らすことで、ストラップのシステムを単純にしている。また患側の手指を利用できる事からも患者自身による装具の装着や調整を容易にしている。
従来の装具によるときは、前腕の肢位は胃の前に置くようになり、姿勢が前後からみて左右対称でなく横からみても前後対称でないために、リハビリ中の姿勢バランスを維持するのがむずかしい。これに対して本装具では、アスリートの上肢は体側自然下垂位に近い状態にあり、アスリートに健側の上肢を患側と同じ肢位をあえて取らせることによりさらにバランスの維持が容易となり、エルゴメーターや小走りなどの訓練が可能となる。
また、本発明によれば、前述のように、ツイストされたリング状ストラップにより、患者の前腕の長手方向及び肩関節の回旋角度(体幹の外側から体幹中心に向かう方向に回転した角度)が、体幹前方を0度としたとき、約20〜40度(望ましくは約30度)となる安定した形で保持される結果、本発明による装具を装着した患者が立位の姿勢でいるとき又は歩行しているときなどにおいては、従来のように「患者の前腕が、その長手方向が患者から見て左右方向となるように、保持されること」が無くなり、患者の前腕はその長手方向が患者から見て前後方向に延びた状態で保持され、患者の手指もその体幹の前方の位置に保持されるので、通常の歩行や下肢のリハビリテーションをするときに、前腕が患者から見て左右方向に振られるか体幹の腹部を叩くように動作することが無くなり、肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折の整復用ストラップの装着により通常の歩行や下肢のリハビリテーションに支障が生じてしまうことを防止し、装身具を装着することによる患者の生活の不便さを最小限に抑制することができるようになる。
本発明の実施形態に含まれるリング状ストラップを患者の肩と前腕との間に装着した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に含まれるリング状ストラップを患者の肩と前腕との間に装着した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に含まれるリング状ストラップを患者の肩と前腕との間に装着した状態を側方から示す斜視図である。 本発明の実施形態に含まれるリング状ストラップを患者の肩と前腕との間に装着した状態を上方から示す斜視図である。 本実施形態に係るリング状ストラップのツイストしたときの形状を説明するための模式図である。 本実施形態に係るリング状ストラップを患者に装着するときの動作を説明するための模式図である。 本実施形態の作用効果を説明するための図である。 本実施形態の作用効果を説明するための図である。 (a)〜(g)は、それぞれ、本実施形態に係るリング状ストラップにステンレス薄片を巻いたものを人体に装着したときの状態をそれぞれ互いに異なる角度から撮影して得られたCT(Computed Tomography)画像を、軟部条件で立体構成した写真である。 (a)〜(f)は、それぞれ、本実施形態に係るリング状ストラップにステンレス薄片を巻いたものを人体に装着したときの状態をそれぞれ互いに異なる角度から撮影して得られたCT(Computed Tomography)画像を、骨条件で立体構成した写真である。 (a)及び(b)は従来の鎖骨関節脱臼の治療用装具をそれぞれ説明するための図である。
図1〜4は、本発明の治療用肩装具の一実施形態におけるリング状ストラップを患者の肩と前腕との間に装着した状態を示す斜視図である。図5は、リング状ストラップをツイストしたときの形状を説明するための模式図である。図6は、リング状ストラップを患者に装着するときの動作を説明するための模式図である。図7及び図8は本発明の作用効果を説明するための模式図である。詳しくは後述するが、治療用肩装具を使用するときは、上腕の基本固定肢位は、体幹に沿って下垂する肢位となる。この上腕の基本固定肢位では、上腕長軸が垂線と一致する。この上腕の基本固定肢位は、上腕を胃の前に配置しない肢位であり、上腕を体幹の側方に配置する肢位である。上腕が上記の基本固定肢位にあるときは、上腕は力を抜いた状態となる。(日本整形外科学会、日本リハビリテーション学会制定:肩屈曲角度0度、肩外転角度0度)
また詳しくは後述するが、治療用肩装具を使用するときは、肩の回旋の基本固定肢位は、上腕下垂位で肘を約80〜100度(望ましくは約90度)屈曲させ前腕を前方に向けたときの肩の回旋の位置を回旋0度と決めたとき、肩が水平面における回旋方向において約30度内旋した位置となる。(日本整形外科学会、日本リハビリテーション学会制定:肩内旋30度)
本発明の治療用肩装具において、上記の「肩が水平面における回旋方向において約30度内旋した位置」を肩の回旋の基本固定肢位とした理由は、肩が体幹の横軸より前方にあり、生理学的にみて肩甲上腕関節(Glenohumeral joint)が体幹の前方よりやや内側を向いているためであり、回旋筋群が最も均衡している状態と考えられているためである。この肩の回旋の基本固定肢位においては、患者の肘関節は約80〜100度(望ましくは約90度)屈曲されており、患者の手首と手指は患者の斜め前方向に位置している。
上腕を体幹の側方に沿って下垂した肢位で固定する治療用肩装具は、鎖骨と前腕肘近接部を連結するリング状ストラップ1により、上腕を整復保持するものである。上記リング状ストラップ1の装着中の形状は、後述のように、従来の装具に使用されるストラップの装着中の形状とは異なる。
図1〜図4を参照する。治療用肩装具のリング状ストラップ1は、患者が装着している状態では、閉じた回路を形成する。治療用肩装具のリング状ストラップ1の装着中の形状は、(a)肩鎖骨遠位端部からほぼ垂線方向に前腕の尺側の肘近接部に向かって走り、(b)前腕の尺側から前腕の下面側を通って前腕の橈側(体幹から離れる側)に回り、(c)前腕の橈側から上腕の前方(体幹から見て前方)を通り、(d)患側の脇の下から肩後方に向かって上行し、(e)肩関節の後方を通って、肩鎖骨遠位端部に繋がるように形成される。肩鎖骨遠位端部とは、肩鎖骨脱臼又は鎖骨遠位端骨折における上方に転位した部分であるが、ここでは、リング状ストラップ1の上端部を配置する位置を示すために用いる。前腕の尺側とは前腕の内側であり、前腕の橈側とは前腕の外側である。
従来の装具においては、整復に寄与するストラップは、ストラップの縦方向に延びる部分が上腕長軸に対して捻られる事はなかった。これに対して、本発明の治療用肩装具のリング状ストラップ1においては、リング状ストラップ1の縦方向に延びる部分が上腕長軸に対して捻れながら走行する。即ち、リング状ストラップ1は、鎖骨前方にある状態から第1の方向(右方向又は左方向)に約90度捻じれて(曲げられて)から前腕の尺側に到達する。さらに、リング状ストラップ1は、前腕の橈側から肩後方まで走行する間に、第1の方向と反対の第2の方向に約180度捻られる(例えば、前腕の橈側にある状態から第1の方向と反対の第2の方向に約90度捻じられた状態で上腕の前方を通過し、脇の下の近傍でさらに前記第2の方向に約90度捻られて、肩鎖骨遠位端部の方向へ向かって走行する)。
本発明の治療用肩装具におけるリング状ストラップ1は閉じた回路を形成し、上腕の中央あたりの部分で、互いに接触しないが接近するために、2つのリングを形成する。それぞれのリングの中に肩と前腕が入った状態で保持される事になる。この2つのリングはリング状ストラップ1の接近する部分で、例えば約110〜130度、互いに捻られた状態となる。すなわち、上方からみると、肩の上方つまり肩パッド3上を走るリング状ストラップ1の方向と、前腕の下面つまり前腕受け部4の下面を走るリング状ストラップ1の方向とは、互いに約80〜120度(例えば約90度)直交した状態となる(後述する図8(c)のα参照)。
治療用肩装具の急性期における装着方法は、医師または助手が患者の肘を約90度に曲げて肘を下から持ち上げながら、飛び出した鎖骨を上から徒手的に押さえ込んで整復する。続いてリング状ストラップ1(肩パッド3や前腕受け部4を含む)を肩および上肢に巡らせ、留め具でリング状ストラップ1の回路を閉鎖する。医師らは直視又はX線により整復度を確認して締め付け具合を調節する。また別の装着方法は、閉鎖した回路を形成したリング状ストラップ1のリングに先ず上腕と肩を通し、続いてこのリングに簡単な捻りを加えてリングをもう一つ作り、下のリングに前腕を通す事でほぼ装着可能となる。後者の装着方法は、装具の脱着が簡単になり、慣れるとアスリート自身で装着可能となる。
このように、本発明の治療用肩装具は、肩鎖骨遠位端部から前腕の尺側に向かって垂直に降りる部分と、前腕の下面(前腕受け部4(forearm trough)の下面)を横断する部分と、前腕の橈側から上腕の前方を通り、上行し肩の後方に達する部分と、肩パット(shoulder pad)3の上を後方から前方に横断して肩鎖骨遠位端部につながる部分とが連続したループを形成するリング状ストラップ1を含む、肩鎖関節脱臼または鎖骨遠位端骨折において上腕を体幹の側方に沿って下垂された肢位で固定する治療用肩装具である。
また、本発明の治療用肩装具のリング状ストラップ1は、患者の肩が当接又は配置される位置に、皮膚褥瘡予防のための肩パッド3を備えるものであってもよいし、また肩パッド3の替わりに皮膚に貼付する粘着シートでも利用可能である。
また、本発明の治療用肩装具においては、リング状ストラップは、患者の前腕が当接又は配置されるリング状ストラップの位置に、前腕受け部(ポーチ)4を備えるものであってもよい。
さらに、本発明の治療用肩装具はリング状ストラップ1の長さを変えるための長さ調整部5をそのリング状ストラップ1の回路中に持っている。リング状ストラップ1の長さを調節する事で,十分な肩肘間の締結と肩関節の安定性を与えることができる。
図1〜6において、1は、例えば布製又は樹脂製で約0.5〜5cm(より望ましくは約1〜3cm)の幅を有する帯状部材により構成されるリング状ストラップである。3は、リング状ストラップ1の図示上方に取り付けられた肩パッド(従来の装具に備えられるものと同じ構成のもの)である。4は、リング状ストラップ1の図示下方に取り付けられた公知の前腕受け部(前腕の肘の近傍に当接可能なパッド又はポーチ)である。5は、リング状ストラップ1の全体の長さを各患者の肩鎖骨遠位端部と前腕との間の距離に合わせて個別に調整するための公知の構成から成る長さ調整部である。T1は、リング状ストラップ1の肩鎖骨遠位端部から前腕の尺側へ走る部分であって上腕長軸に対して体幹中心方向へ例えば約90度捻られた部分である。T2は、リング状ストラップ1の前腕の橈側から上腕を介して肩後方へ走る部分であって上腕長軸に対して全体として例えば約180度捻られた部分である。なお、上記捻られた部分T1及びT2の捻れ方は、患者の体幹中心に対して右側に旋回するように捻れる場合(右旋回)と、患者の体幹中心に対して左側に旋回するように捻れる場合(左旋回)とがあり、いずれも可能である。
予め、治療用肩装具は、リング状ストラップ1の長さをある程度緩めてセッティングされている(図5(a)参照)。医師は患者に上腕を体幹の側方に下垂させて、肘を曲げるように支持して、上腕の基本固定肢位及び肩の回旋の基本固定肢位を採らせる。次に、リング状ストラップ1により形成される空洞部2(図5(a)参照)の中に、患者の前腕と上腕を挿入し、リング状ストラップ1の上端部(上端部に在る肩パッド3)の下面を、患者の肩鎖骨遠位端部の上に置く(図6(a)参照)。次に、肩パッド3と前腕受け部4が正しい位置にあるように保持し、医師は徒手的に鎖骨を上から押さえたり、肘を下から押し上げることで整復する。ここでリング状ストラップ1の距離を小さくすることにより整復保持を確実にする。さらにリング状ストラップ1を締め付ける事で整復操作を追加できる。
次に、リング状ストラップ1中の、患者の体幹の側方に在る下方部分1bを、上方部分1aに対してツイストさせる。このとき、ツイストさせていない状態を0度とし、例えば約110〜130度(望ましくは例えば約120度)ツイストさせて、リング状ストラップ1を上下の2つの小さい空洞部2a,2b(図5(b)参照)から成る形状にする。上方の空洞部2aには患者の肩関節10aが配置される。なお図5において、(a)は、リング状ストラップ1をツイストさせていない状態を示す斜視図、(b)は、リング状ストラップ1を図5(a)の矢印A方向にツイストさせた状態を示す斜視図、(c)は、リング状ストラップ1を図5(a)の矢印A方向にさらにツイストさせた状態を示す斜視図である。
次に、下方の空洞部2b中に、患者の前腕10bを、患者の体幹10cの外側方向から中心方向に向けて(図6(b)及び(c)の矢印B参照)挿入する。
このような動作によりリング状ストラップ1を装着したとき、リング状ストラップ1には、ツイストされた状態からツイストされていない元の状態に戻ろうとする力(リング状ストラップ1の下方部分1bが、患者の肩関節10aを回転中心にして、体幹中心側から体幹外側の方向に回動しようとする力)が生じる可能性がある。そして、この力が、前腕10bを、患者の肩関節10aを回転中心にして、患者の体幹中心側から体幹外側の方向に回動させるように作用する可能性がある。このようなリング状ストラップ1による力と、前腕10bが自然にその長手方向が体幹外側から体幹中心側の方向に移動しようとする力とが均衡することにより、リング状ストラップ1中の下方部分1bは、上方部分1aに対して、ツイストされていない状態を0度としたとき、患者10の体幹外側から体幹中心に向かう方向に約110〜130度(望ましくは約120度)の角度でツイストされている状態で、自然に安定する可能性がある。
例えば約110〜130度(望ましくは約120度)の角度でツイストされたリング状ストラップ1を使用することにより、患者の前腕10bの長手方向及び肩関節10aの回旋(体幹外側から体幹中心側に向かう方向の回転)の角度は、患者10の体幹の前方方向(図7の図示上方向)を0度としたとき、患者10の体幹外側から体幹中心側に約20〜40度(望ましくは約30度)回旋した状態(図7参照)で保持され、自然に安定する。すなわち、この場合、図7に示すように、患者10の肩関節が図のCを中心として回旋するとき、前腕及び肩関節の回旋は図7のAで示す方向に対して約20〜40度(望ましくは約30度)だけ内旋した位置(図7のB参照)となり、患者の前腕の長手方向は図7のBの矢印方向となる。このような状態が上述した「上腕の基本固定肢位」及び「肩の回旋の基本固定肢位」(以下、まとめて「中間位(neutral position)」と呼ぶ場合がある)である。中間位は、肩関節10aが無理のない自然な状態にあるときの位置である。
次に、図7,8などを参照して本実施形態の作用効果を説明する。また図9の(a)〜(g)は、それぞれ、本発明の治療用肩装具に係るリング状ストラップにステンレス薄片を巻いたものを人体に装着したときの状態をそれぞれ互いに異なる角度から撮影して得られたCT(Computed Tomography)画像を、軟部条件で立体構成した写真である。また図10の(a)〜(g)は、それぞれ、本実施形態に係るリング状ストラップにステンレス薄片を巻いたものを人体に装着したときの状態をそれぞれ互いに異なる角度から撮影して得られたCT(Computed Tomography)画像を、骨条件で立体構成した写真である。図9及び図10において、10aは肩関節を示す。
患者が装具を装着したまま快適に日常生活の動作を拡大するためには、従来の装具を使用するときのような前腕を胃の前に置く肢位よりも、本発明の治療用肩装具を使用するときの前腕を体幹の側方に置く肢位の方が優れている。その理由の1つは、手指の機能に関する利点である。従来の装具を使用するときの固定肢位では手指は健側の腋窩に位置するため、手指の活用が制限される。これに対して、本発明の治療用肩装具を使用するときは、手指が体幹の前方を向くために、読書やメモの記述が可能である。
また他の1つの理由は、立位座位から仰臥位睡眠時への体位変換時の肘の固定保持の容易さである。睡眠時の仰臥位では従来の装具を使用するときは、前腕が体側に滑らないように手首を固定する他のストラップや肘下の枕を必要とする。また従来の装具を使用するときの肢位固定は、前腕は胃の前にあり、肘が肩より前方にあるため、歩行で前腕が横方向に振れると肩関節が左右(横方向)へが大きく動き、肩パッドが横方向にズレやすくなる。
これに対して、本発明の治療用肩装具を使用するときの中間位の固定では、歩行するときは、前腕は前後方向に動くので、肩関節も前後方向に動くだけで左右方向にはほとんど動かないため、肩が同じ肢位を保つことが可能である。よって、本発明の治療用肩装具を使用するときは、歩行とともに前腕及び肩関節は前後に振れるが、肘が肩の真下にあるため、前腕及び肩関節が前後に振れるときの移動距離は小さく、肩鎖骨遠位端部上のストラップも前後方向に動くだけで左右方向への動きは小さいので、ストラップ又は肩パッドが容易に肩からズレ落ちることが無くなる。
本発明の治療用肩装具を使用するときは、上腕および前腕10bの筋肉疲労時にも肘を90度に保つために、手関節を肘関節が90度屈曲位で保持(固定)されるために必要な位置に保持するための別のストラップを備えるようにしていてもよい。この場合も、手指は抑制せず自由に動かすようにすることができる。
従来の装具では、前腕は胃の前に置かれ手首や手指は体幹の患部がある側とは反対側の脇の下に保持(固定)されるために、日常生活動作は著しい制限をきたしていた。これに対して、本発明の治療用肩装具を使用するときは、手関節と手指が体幹の側面の前方にあるために、読書やメモの記述などが可能となり、上肢の機能制限が減少する。また両手でハンドルなどを持つことができるので、エルゴメーターによる下肢筋力トレーニングを早期に導入できる。また、休息のために座位から仰臥位へ体位変換するときも、肘が体幹の側面に密着しているので、従来の装具に比べて、装具による肩肘間の固定維持が容易である。さらに夜間睡眠時においても、従来の装具を使用するときのように前腕が胃の真上に配置されることがないため、また、従来の装具を使用するときに必要であった前腕や肘下用の枕も不要であるため、睡眠時間を快適に過ごせる。
従来の装具を使用するときは、ストラップの肩関節上を走る方向とストラップの前腕の下面を走る方向とが平行となり、前腕が胃の前に配置されるので、歩行時や上腕を体幹の側面側に向けて動かしたとき、肩関節上のストラップが容易に肩からズレ落ちてしまう。これに対して、本発明の治療用肩装具を使用するときは、リング状ストラップ1の肩鎖骨遠位端部上を走る方向とリング状ストラップ1の前腕の下面を走る方向との角度が約80〜120度(望ましくは約90度)となっている(図8(c)の角度α参照)。そのため、肩と前腕が互いに緊縛されており、その結果、歩行時における肘の移動距離と肩関節の旋回角度が共に小さくなり、歩行時における前腕の移動方向と肩関節の移動方向が共にほとんど左右方向ではなく前後方向となるので、リング状ストラップ1が肩からずり落ちてしまうことがほとんど無くなる。
本発明の治療用肩装具を使用するときは、肩関節が中間位で固定(保持)されるので、上腕は体幹の側面の横を垂直に下ろされているために、体幹の上方から観察した場合には、肩関節が内旋又は外旋しても上腕骨頭の回旋中心(図7の符号C参照)は位置が変わらない。肩関節が内旋及び外旋するとき、肩前面から肘の前腕近位尺側に下ろした垂線は、上腕骨と距離が近いために、肩関節が内旋及び外旋するときでもほとんど移動しない。
本発明の治療用肩装具は、正面、側面、上方から見るとき、上腕部の近傍ではリング状ストラップ1は互いに接触しているようにみえるが、実際は接触していない(図9,10参照)。正面から見ると、肩の前方を通るストラップは肩の後方を通るストラップよりも内側(体幹中心側)を通っている(図9,10参照)。
本発明の治療用肩装具では、リング状ストラップ1を、例えば約110〜130度(望ましくは約120度)だけ捻じれた状態となるようにして使用する。したがってリング状ストラップ1の素材は、長軸方向では伸びることがなく、短軸方向は捩れに対して戻ろうとする力がある程度働くような素材が選ばれることが望ましい。但し、リング状ストラップ1の素材は、柔らかい布などであってもよい。
次に、リング状ストラップ1に備えられる肩パッド3について説明する。リング状ストラップ1をそのまま使用するときは、リング状ストラップ1から患者の肩に対して上方からの圧迫力と側方の摩擦力が働くために褥瘡を作りやすい。よって、リング状ストラップ1に肩パッド3を取り付けることが望ましい。なお、この肩パッド3を取り付ける代わりに、患者の肩の皮膚に貼る皮膚シートを使用することを選択することも可能である。皮膚に用いるゲル状の粘着シートとしては、すでに医療用の創保護シールなどで商品化されているシートを使用できる。このシートを使用するときは、皮膚面に接着成分を施し皮膚にくっ付くが、反対の外側面はストラップが滑走するのを妨げない適度の摩擦を持つ。このシートは、リング状ストラップ1と皮膚との間に介在する緩衝材として、リング状ストラップ1が皮膚に褥瘡を作ることを予防する。また、医師や理学療法士がこのシート上にマーキングを描くことで、リング状ストラップ1が鎖骨を押さえる位置にあるか否かを患者が容易に確認できるようになる。また外側に厚いブロックを設置すると、肩峰にリング状ストラップ1がズレることを防ぐことができる。
リング状ストラップ1を、肩鎖骨遠位端部を押えるように正確に配置したときは、患部の整復保持に役立つ。しかし、リング状ストラップ1が肩の上を外側方向に滑って肩峰を押さえる位置へ移動すると、逆効果になる。したがって、リング状ストラップ1が肩鎖骨遠位端部を押さえているか、間違って肩峰を押さえていないかをチェックすることは大切である。また、整復のために使用するものであるから、リング状ストラップ1の張力が緩まないことが大切である。
1 リング状ストラップ
1a リング状ストラップの上方部分
1b リング状ストラップの下方部分
2 空洞部
2a 上方空洞部
2b 下方空洞部
3 肩パッド
4 前腕受け部
5 長さ調整部
10 患者
10a 肩関節
10b 前腕
10c 体幹
T1,T2 リング状ストラップの捻られた部分

Claims (5)

  1. 肩鎖関節脱臼又は鎖骨遠位端骨折における転位した部分である肩鎖骨遠位端部と前腕肘近接部との間を連結するように装着されるリング状ストラップを有する治療用肩装具であって、患者の上腕を体幹の側方に沿って下垂させかつ肘を約80〜100度屈曲させて前腕を斜め前方に向けた位置に固定するべく前記リング状ストラップは、患者への装着中の形状が、(a)肩鎖骨遠位端部からほぼ垂線方向に前腕の尺側の肘近接部に向かって走り、(b)前腕の尺側から前腕の下面側を通って前腕の橈側に回り、(c)前腕の橈側から上腕の前方を通り、(d)患側の脇の下から肩後方に向かって上行し、(e)肩関節の後方を通って、肩鎖骨遠位端部に繋がるように配置されることを特徴とする治療用肩装具。
  2. 患者の前腕を肩の水平面の回旋方向において20〜40度内旋させた位置に固定することを特徴とする請求項1に記載の治療用肩装具。
  3. 前記リング状ストラップは、前記肩鎖骨遠位端部の位置に肩パッドを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用肩装具。
  4. 前記リング状ストラップは、患者の前腕を支持するための前腕受け部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用肩装具。
  5. 前記リング状ストラップは、長さ調節部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療用肩装具。
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