JP6277599B2 - 強度を増進させるセメント系硬化材用の練り混ぜ水 - Google Patents

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Description

本発明は、モルタルやコンクリートといったセメント系硬化材の作製時に用いられる練り混ぜ水に関し、特に硬化体(硬化状態のセメント系硬化材)の強度を増進させるものに関する。
離島や沿岸地域においては、練り混ぜ水に海水を用い、細骨材に海砂を用いざるを得ない状況が想定される。このような状況下であっても必要な耐久性を備えた構造物を得るべく、本出願人は、結合材として高炉系セメントを用い、かつ、耐用年数に応じた補強材を選定することで、海水や海砂を利用する技術を提案している(特許文献1を参照)。
このような中、結合材として高炉系セメントを用い、練り混ぜ水に海水を用いると、硬化時における早期強度を高めることができ、かつ、硬化体を緻密化できるという知見が得られた。そして、離島や沿岸地域のように海水や海砂の入手が容易な場所では、海水や海砂を用いてセメント系硬化材を作製できるので、早期強度が高く、緻密な硬化体を容易に構築できる。
特開2012−126627号公報
一方、山間部など沿岸地域から離れた場所では、海水や海砂を現地で調達することは困難である。そして、海水や海砂を沿岸地域から調達しようとしても、運搬費や設備費が嵩むことから不経済である。このため、海水や海砂を用いてセメント系硬化材を作製することは簡単でなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、沿岸地域から離れた場所のように、海水や海砂の入手が困難な場所であっても、海水や海砂を用いたセメント系硬化材と同等なセメント系硬化材を簡単に作製することにある。
本願発明等は、鋭意検討を重ねた結果、海水に含まれる種々のイオンのうち、塩化物イオンと硫酸イオンを選択し、練り混ぜ水におけるこれらのイオン濃度を海水相当にまで高めることで、セメント系硬化材の硬化時における早期強度を高めることができ、且つ、緻密な硬化体が得られるという知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、セメント系硬化材を作製すべく、セメント及び骨材を含んだ構成材料の練り混ぜに用いられる練り混ぜ水であって、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムが水道水に溶解されることにより、塩化物イオン濃度及び硫酸イオン濃度が海水相当濃度まで高められていることを特徴とする。
本発明によれば、構成材料の練り混ぜに用いられる練り混ぜ水に関し、海水中に含まれる種々のイオンのうちの塩化物イオン及び硫酸イオンを、海水相当濃度まで高めればよいので、海水や海砂の入手が困難な場所であっても、海水や海砂を用いたセメント系硬化材と同等なセメント系硬化材を作製できる。
また、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウム水道水に溶解されることにより、前記塩化物イオン濃度及び前記硫酸イオン濃度を高めるようにしたため、入手が容易な物質である塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムが用いられていることから、前述のセメント系硬化材を一層容易に作製できる。
前述の発明において、前記セメントを高炉セメントとした場合には、このセメント系硬化材を硬化させることで、長期強度に優れた硬化体が得られる。
本発明によれば、沿岸地域から離れた場所のように、海水や海砂の入手が困難な場所であっても、海水や海砂を用いたセメント系硬化材と同等な特性を有するセメント系硬化材を簡単に作製できる。
使用材料並びに海水成分を説明する表である。 N系列(普通ポルトランドセメント系列)とBB系列(高炉セメント系列)の各サンプルについて、材齢毎の圧縮強度を棒グラフ形式で示す図である。 BB系列の各サンプルについて材齢毎の圧縮強度を表形式で示す図である。 BB系列の各サンプルについて材齢毎の圧縮強度を折れ線グラフ形式で示す図である。 N系列及びBB系列の各サンプルについて、水道水を用いたサンプル(N−WP,BB−WP)の圧縮強度を100%とした場合の圧縮強度比を折れ線グラフ形式で示す図である。 BB系列の各サンプルについて、人工海水を用いたサンプル(BB−WS)の圧縮強度を1.00とした場合の圧縮強度比、及び、水道水を用いたサンプル(BB−WP)の圧縮強度を1.00とした場合の圧縮強度比を表形式で示す図である。 N系列とBB系列の各サンプルについて、細孔量と平均細孔直径をグラフ形式で示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、今回の試験における使用材料について説明する。図1(a)に示すように、今回の試験では、セメント系硬化材の一種であるモルタルを試験対象にした。このため、構成材料として結合材、練り混ぜ水、及び砂を使用した。
結合材は、普通ポルトランドセメント(N)と高炉セメントB種(BB)の2種類を用いた。普通ポルトランドセメントは、代表的な結合材であるため選定した。また、高炉セメントB種は、普通ポルトランドセメントに比べて耐海水性が高いといわれているため選定した。なお、高炉セメントB種は、普通ポルトランドセメント(OPC)に、高炉スラグ微粉末(BS,石こう入り:SO=2.0%)を50%置換した試製品を使用した。
練り混ぜ水は、水道水(WP)、人工海水(WS)、塩化ナトリウム溶液(WCL)、硫酸ナトリウム溶液(WSO)、及び塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの混合溶液(WCS)の5種類を使用した。そして、結合材に対する練り混ぜ水の添加量は、W/C=50%となるように設定した。
人工海水は、溶存する各イオンの濃度が、図1(b)に示す海水中の各イオン濃度に揃えられた溶液である。今回の試験では、市販の人工海水を用いた。この人工海水では、塩化物イオン(Cl)濃度が19.8g/L(海水:18980mg/L)に調整され、硫酸イオン(SO 2−)濃度が2.77g/L(海水:2640mg/L)に調整されていた。
塩化ナトリウム溶液は、塩化物イオンの影響を評価するためのものである。今回の試験では、人工海水中の塩化物イオン濃度と同じ濃度となるように、塩化ナトリウム(特級)を水道水に溶解することで作製した。具体的には、塩化物イオンの濃度が1.8重量%(18g/L)となるように溶解した。
硫酸ナトリウム溶液は、硫酸イオンの影響を評価するためのものである。今回の試験では、人工海水中の硫酸イオン濃度と同じ濃度となるように、硫酸ナトリウム(特級)を水道水に溶解することで作製した。具体的には、硫酸イオンの濃度が0.2重量%(2g/L)となるように溶解した。
混合溶液は、塩化物イオンと硫酸イオンが混在した際の影響を評価するためのものである。今回の試験では、人工海水中の塩化物イオン濃度及び硫酸イオン濃度と同じ濃度となるように、塩化ナトリウム(特級)及び硫酸ナトリウムを(特級)を水道水に溶解することで作製した。具体的には、塩化物イオン濃度が1.8重量%、硫酸イオン濃度が0.2重量%となるように溶解した。
砂は骨材の一種であり、今回の試験ではセメント強さ試験用標準砂(S)を用いた。そして、この砂を全てのサンプルの細骨材として使用した。
以上の結合材2種と練り混ぜ水5種をそれぞれ組み合わせて10水準のモルタル(セメント系硬化材)を作製した。そして、これらのモルタルを用いて、結合材や練り混ぜ水の種類が、硬化材の硬化時における強度発現性に与える影響を評価した。また、硬化体における細孔構造に与える影響も評価した。
硬化時の強度発現性については、「セメントの物理試験方法」(JIS R5201)に従い、圧縮強度を測定することで評価を行った。この評価では、前述のモルタルを水中養生し、材齢3日,7日,28日,56日,91日,182日のそれぞれで圧縮強度を測定した。
また、細孔構造については、細孔径分布を測定することで評価を行った。この評価では、前述のモルタルを材齢7日,28日,91日にて粒径2−5mmに切断した。そして、アセトンを用いて水和反応を停止させた後、水銀圧入式ポロシメータを用いて細孔径分布を測定した。
まず、練り混ぜ水に含まれるイオンが硬化時の強度発現性に与える影響について説明する。図2(a)には、普通ポルトランドセメントを用いたモルタルの各サンプル(N系列)における材齢毎の圧縮強度を示し、図2(b)には、高炉セメントを用いたモルタルの各サンプル(BB系列)における材齢毎の圧縮強度を示す。
便宜上、以下の説明では、各材齢の圧縮強度を「〜日強度」という。例えば、材齢3日の圧縮強度を3日強度といい、材齢7日の圧縮強度を7日強度といい、材齢182日の圧縮強度を182日強度という。
結合材として普通ポルトランドセメントを用いたN系列では、3日強度に関し、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされたサンプル(N−WS,N−WCL,N−WCS)が、練り混ぜ水として水道水を用いたN−WPや硫酸ナトリウム溶液を用いたN−WSOよりも高い値を示した。そして、7日強度と3日強度の差、及び、28日強度と7日強度の差に関しては、N−WPやN−WSOの方が、N−WS,N−WCL,N−WCSよりも大きくなった。また、材齢56日以降の圧縮強度に関しては、水の種類の影響は小さいものの、N−WS,N−WCL,N−WCSの方が、N−WPやN−WSOに比べてやや強度が高い傾向にあった。
さらに、材齢91日以降の圧縮強度に関しては、N−WSの圧縮強度が最も高く、それにN−WCLやN−WCSが続いた。また、N−WPの圧縮強度は、N−WCLやN−WCSの圧縮強度よりも低く、N−WSOの圧縮強度よりも高かった。
結合材として高炉セメントを用いたBB系列でも、3日強度に関し、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされたサンプル(BB−WS,BB−WCL,BB−WCS)が、練り混ぜ水として水道水を用いたBB−WPや硫酸ナトリウム溶液を用いたBB−WSOよりも高い値を示した。そして、7日強度と3日強度の差に関しては、各サンプルの差は小さかった。さらに、28日強度と7日強度の差、及び、56日強度と28日強度の差に関しては、BB−WPやBB−WSOの方が、BB−WS,BB−WCL,BB−WCSよりも大きくなった。
さらに、材齢91日以降の圧縮強度に関しては、BB−WPが、BB−WS,BB−WCL,BB−WSO,BB−WCSよりも高くなった。そして、材齢182日では、BB−WCSの圧縮強度がBB−WS,BB−WCL,BB−WSOの圧縮強度よりも高くなった。
以上の結果から、練り混ぜ水の種類は、結合材の種類に関わらず、3日強度や7日強度といった短期強度に与える影響が、91日強度や182日強度といった長期強度に与える影響よりも大きいことが確認された。具体的には、練り混ぜ水に含まれる塩化物イオンを海水相当濃度まで高めることで、早期強度を向上できることが確認された。そして、BB系列においては、練り混ぜ水として人工海水を用いるよりも、混合溶液を用いた方が長期強度を向上させることが確認された。
次に、図3及び図4に示すように、BB系列の各サンプル(BB−WP,BB−WS,BB−WCL,BB−WSO,BB−WCS)について、材齢毎の圧縮強度を評価した。これらの図から判るように、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされた各サンプル(BB−WS,BB−WCL,BB−WCS)では、材齢28日以前の圧縮強度が水道水を用いたBB−WPよりも高くなる傾向が確認された。その一方で、材齢51日以降の圧縮強度はBB−WPの方が高くなる傾向も確認された。
ここで、硫酸ナトリウム溶液を用いたBB−WSOに関しては、各材齢での圧縮強度が複数のサンプルの中で最も低い値を示した。しかしながら、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの混合溶液を用いたBB−WCSでは、材齢28日以前の圧縮強度が水道水を用いたBB−WPよりも高く、材齢51日以降の圧縮強度もBB−WPに近い値を示した。このことから、結合材として高炉セメントBBを用いた場合、練り混ぜ水に含まれる海水相当濃度の硫酸イオンは、同じく練り混ぜ水に含まれる海水相当濃度の塩化物イオンの存在を条件に、長期強度を向上させることが確認された。
次に、図5に示すように、N系列とBB系列の各サンプルについて、練り混ぜ水として水道水を用いたサンプル(N−WP,BB−WP)の圧縮強度を100%とし、材齢毎の圧縮強度比によって整理した。
図5から、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされたサンプル(N−WS,N−WCL,N−WCS,BB−WS,BB−WCL,BB−WCS)の何れも、材齢3,7日ではN−WP,BB−WPに比べて高い圧縮強度比を示した。また、N系列のサンプルに比べてBB系列のサンプルの方が、高い圧縮強度比を示し、かつ、水の種類の影響が大きいことが確認された。圧縮強度比でみると、N系列のサンプルが約110%〜140%に対して、BB系列のサンプルでは140〜180%であった。
また、材齢28日以降においては、練り混ぜ水の種類による影響は小さいことが確認された。そして、BB系列の各サンプルは、N系列の各サンプルに比べて材齢28日以降の強度が低くなる傾向が確認された。
次に、図6(a)に示すように、BB系列の各サンプルについて、人工海水を用いたサンプル(BB−WS)の圧縮強度を1.00として圧縮強度比を求めた。同様に、図6(b)に示すように、水道水を用いたサンプル(BB−WP)の圧縮強度を1.00として圧縮強度比を求めた。
図6(a)に示すように、7日までの初期材齢において、BB−WCSはBB−WCLよりも圧縮強度比で0.01(1%)高く、182日の長期材齢において、BB−WCSはBB−WCLよりも圧縮強度比で0.05(5%)高くなった。また、図6(b)に示すように、7日までの初期材齢において、BB−WCSはBB−WCLよりも圧縮強度比で0.02(2%)〜0.03(3%)高く、182日の長期材齢において、BB−WCSはBB−WCLよりも圧縮強度比で0.05(5%)高くなった。
この結果からも、練り混ぜ水に関し、塩化物イオンだけを海水相当濃度にするよりも、塩化物イオンと硫酸イオンの両方を海水相当濃度にした方が、長期強度を一層向上できることが確認された。
次に、練り混ぜ水の種類が硬化体の細孔構造に与える影響について説明する。図7(a)には、N系列の各サンプルにおける材齢毎の細孔量と平均細孔直径を示す。また、図7(b)には、BB系列の各サンプルにおける材齢毎の細孔量と平均細孔直径を示す。
N系列に関し、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされたサンプル(N−WS,N−WCL,N−WCS)と、それ以外のサンプル(N−WP,N−WSO)とを比較した。50−1000nmの細孔量に関し、前者のサンプルでは、何れの材齢においても後者のサンプルよりも大きく減少した。反対に、6−50nmの細孔量に関し、前者のサンプルでは、何れの材齢においても後者のサンプルよりも増加した。さらに、平均細孔直径に関し、前者のサンプルでは、何れの材齢においても後者のサンプルよりも小さくなった。
同様に、BB系列に関しても、練り混ぜ水の塩化物イオンが海水相当濃度とされたサンプル(BB−WS,BB−WCL,BB−WCS)と、それ以外のサンプル(BB−WP,BB−WSO)とを比較した。材齢7日ではN系列と同様の傾向を示すことが確認された。そして、材齢28日や91日においては、練り混ぜ水の種類の影響は小さいものの、50nm以下の細孔量がN系列よりも多いことから、各サンプルは十分に緻密化されていることが確認された。
これらの結果から、塩化物イオンが海水相当濃度とされた練り混ぜ水を用いることで、少なくとも7日までの短期材齢については、結合材の種類に関わらず硬化体を緻密化できることが確認された。また、結合材として高炉セメントを用いることで、長期材齢における緻密化を促進できることが確認された。
以上の試験結果を総括すると、次のことがいえる。
まず、セメント及び骨材を含んだ構成材料の練り混ぜに用いられる練り混ぜ水として、塩化物イオン濃度及び硫酸イオン濃度が海水相当濃度まで高められた水を用いることで、海水で練ったセメント系硬化材と同等なセメント系硬化材が作製できる。すなわち、硬化時における早期強度に優れ、緻密な硬化体を得ることのできるセメント系硬化材が作製できる。
そして、練り混ぜ水に関し、海水中に種々存在するイオンの中から塩化物イオンと硫酸イオンの2種類を選択していることから、人工海水のように多種のイオンを水に溶存させる必要はなく、容易に作製できる。これにより、海水や海砂の入手が困難な場所であっても、セメント系硬化材を容易に作製できる。
また、入手が容易で水道水に対する溶解度の高い塩化ナトリウムを塩化物イオンの供給源として用い、同じく入手が容易で水道水に対する溶解度の高い硫酸ナトリウムを硫酸イオンの供給源として用いているので、セメント系硬化材を一層容易に作製できる。
さらに、結合材として高炉セメントを用いた場合には、長期強度も高い硬化体を作製できる。
以上の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
前述の試験では、セメント系硬化材としてモルタルを例示したが、コンクリートであっても同様に実現できる。この場合、骨材として細骨材及び粗骨材を用いればよい。
また、前述の試験では、塩化物イオンの供給源及び硫酸イオンの供給源として、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムを用いたが、これらの薬品に限定されるものではない。例えば、カリウム塩等の他の水溶性塩を用いてもよい。
また、前述の試験において、塩化物イオン濃度を1.8重量%(18g/L)とし、硫酸イオン濃度を0.2重量%(2g/L)としたが、これらの濃度に限定されるものではない。実海水における塩化物イオン濃度や硫酸イオン濃度は幅を有している。例えば、塩化物イオン濃度は1.9重量%、硫酸イオン濃度は0.27重量%ともいわれている。このため、塩化物イオン濃度や硫酸イオン濃度も実海水の含有範囲内で調整すればよい。
さらに、前述の実施形態では、混和剤について言及しなかったが、必要に応じて混和剤を構成材料に加えてもよい。

Claims (2)

  1. セメント系硬化材を作製すべく、セメント及び骨材を含んだ構成材料の練り混ぜに用いられる練り混ぜ水であって、
    塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムが水道水に溶解されることにより、塩化物イオン濃度及び硫酸イオン濃度が海水相当濃度まで高められていることを特徴とするセメント系硬化材用練り混ぜ水。
  2. 前記セメントが高炉セメントであることを特徴とする請求項1に記載のセメント系硬化材用練り混ぜ水。
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