JP6267855B2 - 電極及び電極の製造方法 - Google Patents

電極及び電極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6267855B2
JP6267855B2 JP2012168743A JP2012168743A JP6267855B2 JP 6267855 B2 JP6267855 B2 JP 6267855B2 JP 2012168743 A JP2012168743 A JP 2012168743A JP 2012168743 A JP2012168743 A JP 2012168743A JP 6267855 B2 JP6267855 B2 JP 6267855B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
current collector
material layer
tip
stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012168743A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014026931A (ja
Inventor
義貴 上原
義貴 上原
南部 俊和
俊和 南部
時夫 坂根
時夫 坂根
清弘 浦本
清弘 浦本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2012168743A priority Critical patent/JP6267855B2/ja
Publication of JP2014026931A publication Critical patent/JP2014026931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6267855B2 publication Critical patent/JP6267855B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)

Description

この発明は電極及び電極の製造方法に関する。
特許文献1の集電体は、片面もしくは両面より穴開け加工が施される。このようにすることで、穴には、集電体の面方向に広がるかえりが形成される。そして、穴開け加工後の集電体に電極スラリーを塗布し乾燥させて活物質層を形成する。これによって、かえりが活物質層を引っかけることになり、活物質層が集電体に保持される。
特開平9−120819号公報
ところで、特許文献1では、集電体のかえりが活物質層を引っかけているだけなので、密着性が十分といえない。
そこで本発明は、集電体と活物質層との密着性を従来の電極より高め得る電極を提供することを目的とする。
本発明の電極では、活物質層が集電体の一方の面と他方の面に形成された状態で前記一方の面に形成された活物質層に円柱状の穴を有し、前記穴の先にあった集電体前記他方の面に形成された活物質層の側に開裂している電極を前提としている。この場合に、本発明の電極は、前記開裂された集電体の先端は、前記他方の面に形成された活物質層を巻き込むように形成されることで、当該活物質層に対して、前記集電体の先端より前記開裂された集電体の周囲に向かう圧縮応力を発生させる応力発生部を有すると共に、前記集電体の先端により巻き込まれた活物質層は前記圧縮応力が作用している応力作用部位を有している。
本発明によれば、活物質層内に発生する圧縮応力によって集電体と活物質層の摩擦力が大きくなり、集電体と活物質層の密着性を従来の電極より向上できる。
本発明の比較例1の発電要素の概略断面図である。 図1に示した破線部の拡大モデル図である。 電極の製造方法を説明する図である。 塑性加工工程の説明図である。 比較例2の穴加工による穴を含めた負極の拡大断面図である。 実施形態の穴加工による穴を含めた負極の拡大断面図である。 比較例1,2に対応する実施例1の負極の概略断面図である。 比較例1,2に対応する実施例2の負極のうち応力発生部を含むの概略断面図である。 比較例1,2に対応する実施例2の負極のうち応力発生部を含む別の概略断面図である。 試験片1の概略構成図である。 試験片1、2の剥離荷重の特性図である。 試験片3の概略構成図である。 試験片3、4の剥離強度の特性図である。 比較例2の穴加工を示す負極の一部拡大断面図である。 実施形態の穴加工を示す負極の一部拡大断面図である。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張している箇所があり、その箇所においては実際の比率と異なっている。
比較例1
リチウムイオン二次電池は、実際に充放電反応が進行する略四角扁平状の発電要素2が、電解液に浸された状態で電池外装体であるラミネートフィルムの内部に封止された構造を有している。図1は本発明の第1実施形態と比較するための比較例(以下「比較例1」という。)の発電要素2の概略縦断面図、図2は図1に示した破線部の拡大モデル図である。
図1において発電要素2は、負極3、セパレータ13、正極8をこの順に積層した構造を有している。なお、図1には二つの負極、一つの正極、二つのセパレータしか図示してない。ここで、電極のうちの負極3は四角薄板状の負極集電体4の両面(表面)に負極活物質層5、6を配置したものである。同様に、正極8は四角薄板状の正極集電体9の両面(表面)に正極活物質層10、11を配置したものである。セパレータ13は主に多孔質の熱可塑性樹脂から形成されている。電解液はこの多孔質の孔を介して正極側や負極側へと行き来する。これにより、隣接する負極3、セパレータ13及び正極8が1つの単電池層15(単電池)を構成する。単電池層15では、電子とイオンが2つの電極間を移動して電池の充放電反応を行う。
さて、電池の充電時や放電時の膨張、収縮によって、集電体と活物質層の界面に応力が生じ、集電体と活物質層が剥離し、電池の性能が低下するので、電池の寿命を向上させるためには、集電体と活物質層の密着性を改善する必要がある。
この場合に、集電体の一部を変形させて、集電体の面方向に広がるかえり(バリ)を形成した後に、電極スラリーを塗布し乾燥させて活物質層を集電体の面に形成する従来の電極がある。この従来の電極では、集電体の一部であるかえり(バリ)が活物質層を引っかけることで集電体と活物質層の密着性を改善しようとしている。
しかしながら、従来の電極では、機械的な引っかかりのみで集電体と活物質層の密着性を改善しようとしているため、密着性が十分とはいえない。また、かえり(バリ)を形成した後に電極スラリーを塗布することになるので、かえり(バリ)の内側に電極スラリーが十分に充填されないことがある。
そこで比較例1では、活物質層が集電体の面に形成された電極であって、集電体の一部が活物質層の側に変形して活物質層に圧縮応力を発生させる応力発生部を有する電極とする。
この電極の製造方法を図3を用いて説明する。ここでは負極3を主に説明する。電極の製造工程は、図3に示したように活物質層形成工程#1、塑性加工工程#2、積層工程#3を含んでいる。
まず図3左側に示したように、活物質層形成工程#1では、負極集電体4に電極スラリーを片面に塗布し乾燥させて負極活物質5を形成した後に、もう一つの片面に塗布し乾燥させて負極活物質6を形成する。ここで、負極集電体4としては銅箔で構成する。
次に、塑性加工工程#2では、図4にも示したように、両面に各活物質5、6を形成した集電体4を台21上に置き、金型としてのローラ22との間を移動させる。ローラ22の外周には円柱状の凸部23(加工部)をローラ22の回転方向及びローラ23の軸方向に等間隔で多数設けてある。このローラ22の凸部23を負極3に上方から押しつける(プレスする)ことによって負極3の面方向に等間隔で円柱状の穴25を穿つ。このとき、凸部23を活物質層5の厚さより少し高くしておくことによって集電体4の一部を活物質層6の側に押込み、活物質層5に圧縮応力を発生させる。
詳述すると、図3中央に示したように、凸部23が活物質層5の側(図3で上方)から集電体4を圧迫する。これによって集電体4は、その一部が集電体4下側の活物質層6に向かって延び出した後に先端が開裂し、円錐形状の部位26が生じる。
このように集電体を構成する部材の開裂によって、開口した先端26aを有する円錐形状の部位26が生じるのは次の理由による。すなわち、リチウムイオン二次電池では、負極集電体4を構成する銅箔は展延性に富んでいるため、圧迫される方向に延び、延びる限度を超えると裂けるためである。
この部位26は、図2にも示したように、活物質層6の内部に押込まれている。活物質層6にそれまで存在していなかった集電体4の押込みが生じることで、活物質層6に対して圧縮応力(図2の矢印参照)が働く。集電体の押し込みが活物質層に圧縮応力を発生させるので、このように活物質層に押し込まれた部位26を、以下「応力発生部」という。この円錐形状の応力発生部26に発生する圧縮応力は、周囲の活物質層6へと均等に伝わるため、集電体4に当接している活物質6の部分ではこの圧縮応力を受けて摩擦力が大きくなり集電体4に密着する。
これで一方の活物質層5側からの穴加工を終了するので、次には他方の活物質層6側からの穴加工を行う。すなわち、図示しないが上記のようにして片面に穴25を形成した負極3を上下ひっくり返して台21上に置き、金型としてのローラ22との間を移動させる。このローラ22の凸部23を負極3に上方から押しつけることによって負極3の面方向に等間隔で円柱状の穴27を穿つ。
凸部27は、図3中央と同様に、活物質層6の側から集電体4を圧迫する。集電体4は展延性に富む銅で構成されているので、圧迫を受けた集電体4の部分が集電体4下側の活物質層5の側に延び出して開裂し、先端が開口した円錐形状の部位を生じる。この部位は活物質層5の内部に押込まれている。活物質層5にそれまで存在していなかった集電体4の押込みが生じることで、活物質層5に対して圧縮応力が働く。すなわち、集電体4の押込みによって応力発生部が生じる。この円錐形状の応力発生部に発生する圧縮応力は、周囲の活物質層5へと均等に伝わるため、集電体4に当接している活物質5の部分ではこの圧縮応力を受けて摩擦力が大きくなり集電体4に密着する。
これで負極3について各活物質層5、6に対する穴加工が終了するので、次には正極8について負極3と同様に各活物質層10、11に円柱状の穴29、31を加工する(図1参照)。リチウムイオン二次電池では、正極集電体9は例えばアルミニウム箔で構成されている。アルミニウムも展延性に富むので、図2と同様にして円柱状の穴29、31を加工したとき、集電体9の一部が活物質層11、10の側に変形して活物質層に圧縮応力を発生させる応力発生部が形成される。
次に、積層工程#3では、このように各活物質層5、6、10、11に円柱状の各穴25、27、29、31を加工することによって応力発生部を形成した2つの電極3、8をセパレータ13を介して積層する。図3右側、図2には、一つの負極3と二つのセパレータ13しか示していないが、実際には上下に正極が積層される。そして、全ての負極と正極をセパレータを介して積層した後には、各穴25、27、29、31に電解液が満たされる。
このように、比較例1によれば、特に図2に示したように、活物質層5、6が集電体4の面に形成された負極3(電極)であって、集電体4の一部が活物質層6の側に変形して活物質層6に圧縮応力を発生させる応力発生部26を有する負極3(電極)としている。リチウムイオン二次電池において、充電時、放電時の膨張、収縮によって、集電体4、9と活物質層5、6、10、11(電極)の界面に応力が発生し、集電体4、9と活物質層5、6、10、11(電極)の剥離が発生する。この剥離によって電池の性能が大幅に低下するため、集電体と活物質層(電極)の密着性を向上させることが重要である。比較例1によれば、応力発生部26により活物質層6内に発生する圧縮応力によって集電体4と活物質層6の摩擦力が大きくなり、集電体4と活物質層6の密着性を向上できる。
また、応力発生部26が活物質層6に存在することで、集電体4とセパレータ13までの距離が短くなり、活物質層6(電極)内への導電性を向上することができる。
図2に示したように、集電体4の下面4aより応力発生部26の先端26a(集電体4の一部が活物質層6の側に最も突出する部位)までの直線距離は、活物質層6の厚さよりは短く、例えば100μm以上である。図2に電子の流れを示すと、外部から集電体4を流れて応力発生部26に到達した電子は、応力発生部26の先端から活物質層6に侵入し、セパレータ13を貫通して正極集電体へと向かう。この場合、集電体4からセパレータ13までの電子の移動距離に着目すると、集電体4に応力発生部26を設けているほうが、応力発生部26を設けていない場合より集電体4から活物質層6各部への距離が短くなる。距離が短くなれば、電子の移動距離がその分短くなるので、活物質層6(電極)内への導電性を向上できることとなる。
比較例2
図5は第1実施形態と比較するための他の比較例(以下「比較例2」という。)の穴加工による穴41を含めた負極3の拡大断面図で、比較例1の図2と置き換わるものである。図2と同一部分には同一符号を付している。
比較例1では、図3中央にも示したように、ローラ22の凸部23が集電体4を必ずしも貫通しているわけでなかった。言い換えると、比較例1は、応力発生部26の存在によって圧縮応力が活物質層6の内部に発生するのであれば、ローラ22の凸部23を集電体に4に貫通させる必要は必ずしもないとするものであった。一方、比較例2は、ローラ22の凸部23を集電体4に向けてさらに押込むものである。すなわち、図5に示したように、凸部23の押し込みによって形成される穴41は、比較例1の穴25の場合よりも深く、つまり集電体4を貫通した所定位置まで穿たれている。
比較例2では、圧迫された部位の集電体4に生じる開裂後の形状が比較例1と相違している。すなわち、下方に開裂した部位の先端にゆくほど穴41の径方向外側に向かって開く形状の応力発生部42が生じている。この形状の応力発生部42の先端部43への接線L1と水平線Mとのなす角θ1は、90°以上となっている。言い換えると、下方に向かって延び出し先端が開裂した部位である応力発生部42では、上方の最も狭まっている部位44の開口径を最小とし、集電体4から下方に向かって離れるほど開口径が大きくなり、先端部43の開口端43aで最も大きくなっている。
応力発生部42が、集電体4の一部が活物質層6の側に開裂した部位の一部であって、開裂した先端が、開裂した後に生じた穴41の径方向外側に開く形状である理由は次の通りである。すなわち、図14に示すように、ローラ22の凸部23が被加工物(集電体4と活物質層5、6の全体)から抜けるときに、凸部23と先端部43との位置関係が図14(a)から図14(b)へと移る。図14(b)の状態では凸部23が、凸部23の回転方向前面23aと接する先端部43の凸部23側表面43bに対して、斜めになっており、凸部23はさらに回転方向へと持ち上がる。これによって先端部43に矢印の向きの力が加わることになり、穴41の径方向外側に向かって先端部43が開くと考えられる。図5はあくまでモデルであるため、左右とも対称的に先端部43が穴41の径方向外側に開くものとしている。実際には、先端部43が穴41の径方向外側に開くのは、ローラ22の凸部23が被加工物から抜ける側だけであって、その反対側、つまりローラ22の凸部23が被加工物に押込む側では先端部は穴41の径方向外側に開き難いといい得る。しかしながら、リング状の先端部43の少なくとも一部が穴41の径方向外側に開いていれば、実用上問題ないのである。
このように、比較例2では、応力発生部42は、集電体4の一部が活物質層6の側に開裂した部位の少なくとも一部であって、開裂した先端が開裂した後に生じた穴41の径方向外側に開く形状である。活物質層6にそれまで存在していなかった応力発生部42が生じることで、応力発生部42は活物質層6に対して圧縮応力を発生させる。この場合、応力発生部42が発生させる圧縮圧力の方向が比較例1と相違する。すなわち、比較例2では、図5に矢印で示したように、集電体4に向かう向きに圧縮応力が直接的に作用する。この集電体4に向かって直接的に作用する圧縮応力を受けて、集電体4と応力発生部42外周の活物質層6との摩擦力が大きくなり、応力発生部42外周の活物質層6が負極集電体4に密着する。
(第実施形態)
図6は本発明の第1実施形態の穴加工による穴51を含めた負極3の拡大断面図で、比較例1の図2と置き換わるものである。図2と同一部分には同一符号を付している。
実施形態も穴加工による穴が集電体を貫通するものである。すなわち、図6に示したように、穴加工による穴51の深さは比較例2の穴41の深さと同様であるが、応力発生部の形状が比較例2と相違している。すなわち、第実施形態では、開裂した部位の先端にゆくまで曲線を描いて曲がる、つまり開裂した部位の先端が集電体4の側に巻き込んだ形状の応力発生部52が生じている。この開裂した部位の先端が集電体4の側に巻き込んだ形状の応力発生部52の先端部53への接線L2と水平線Mとのなす角θ2は180°以上となっている。
応力発生部52が、集電体4の一部が活物質層6の側に開裂した部位の一部であって、開裂した先端が集電体4の側に巻き込んだ形状である理由は、次の通りである。すなわち、図15に示すように、ローラ22の凸部23が被加工物(集電体4と活物質層5、6の全体)から抜けるときに、凸部23と先端部43との位置関係が図15(a)から図15(b)へと移る。凸部23の回転に伴い凸部23の回転方向前面23aと応力発生部52とが接触する部位が徐々に先端へとずれていっても、各接触部位において凸部23からの力が応力発生部52に、凸部23の回転方向前面23aに直交する向きに加わる。ここで、凸部23から加わる力は上向きの分力と水平方向の分力とに分解される。このうち特に上向きの分力が、ローラ22の凸部23が被加工物から抜けるときに応力発生部52の根元から先端へと働き続けることによって、先端が集電体4の側に巻き込んだ形状になり得ると考えている。図6はあくまでモデルであるため、左右とも対称的に先端が集電体4の側に巻き込むものとしている。実際には、先端が集電体4の側に巻き込むのは、ローラ22の凸部23が被加工物から抜ける側だけであって、その反対側、つまりローラ22の凸部23が被加工物に押込む側では先端が集電体4の側巻き込み難いといい得る。しかしながら、リング状の先端部43の少なくとも一部でも、先端が集電体4の側に巻き込んでいれば、実用上問題ないのである。
図5のような形状の先端部43になるか、図6のような先端が集電体の側に巻き込んだ形状の先端部53になるかは、ローラ22の形状(ローラ22の径、凸部23の形状など)や電極(集電体や活物質)の材料や形状、電極の密度などの相違によると考えている。
活物質層6にそれまで存在していなかった応力発生部52が生じることで、応力発生部52は活物質層6に対して圧縮応力を発生させる。第実施形態でも、図6に矢印で示したように、集電体4に向かう向きに圧縮応力が直接的に作用する。この集電体4に向かって直接的に作用する圧縮応力を受けて、集電体4と応力発生部42外周の活物質層6との摩擦力が大きくなり、応力発生部42外周の活物質層6が負極集電体4に密着する。
また、第実施形態では、応力発生部52は、集電体4の一部が活物質層6の側に開裂した部位の少なくとも一部であって、開裂した先端が集電体4の側に巻き込んだ形状であるので、応力発生部52が発生させる圧縮圧力の方向が比較例2と相違する。すなわち、比較例2では圧縮応力は集電体4に向かい、かつ穴41から遠ざかる向きに作用した。一方、第実施形態では圧縮応力は、図6に矢印で示したように、集電体4に向かい、かつ応力発生部52の根元に向かう向きに作用する。この先端が集電体の側に巻き込んだ形状の応力発生部52による圧縮応力の効果は、アンカーボルトを地中に打ち込むときに得られるアンカー効果と同じである。第実施形態ではこのアンカー効果によって、集電体4と活物質層6(電極)の密着性を比較例2より向上できる。
ここで、上記つの比較例及び第1実施形態では、活物質層に圧縮応力を生じさせている。応力は目に見えないので、活物質層に圧縮応力が生じているか否かを確認する方法を述べる。例えば、活物質層に押込んでいる集電体を活物質層から強制的にはがしたとき、それまで圧縮応力が作用していた活物質層の部位が圧縮応力の作用していない元の形状に戻ろうとして変形する。従って、この変形があるか否かで活物質層に圧縮応力が生じていたか否かを確認することができる。あるいは、応力測定装置を用いて活物質層に生じている圧縮応力を測定することによって、活物質層に圧縮応力が生じているか否かを確認することができる。
次に比較例1,2に対応する実施例について述べる。
(実施例1)
銅箔で構成されている負極集電体4の片面に電極スラリーを塗布・乾燥させて負極活物質層5を形成した後に、集電体4の側からドリル加工で穴25を開けると共に集電体4を圧迫して活物質層5内に応力発生部26を形成した負極(電極)を製作した。この負極を実施例1とする。図7は比較例1,2に対応する実施例1の負極のうち応力発生部26を含む断面を光学顕微鏡で撮影し、その撮影したものの概略断面図である。図7に示したように、応力発生部26が活物質層5内に生じていることが確認できる。
(実施例2)
銅箔で構成されている負極集電体4の片面に電極スラリーを塗布・乾燥させて負極活物質層5を形成した後に、集電体4の側から四角錐形状の工具を用いた塑性加工で穴25を開けると共に集電体4を圧迫して応力発生部を形成した負極(電極)を製作した。この負極を比較例1,2に対応する実施例2とする。図8、図9は実施例2の負極のうち応力発生部26’、26’’を含む断面を光学顕微鏡で撮影し、その撮影したものの概略断面図である。ここで、図8と図9では穴25の異なる断面を示しているため、応力発生部26’、26’’の形状が相違している。図8、図9に示したように、応力発生部26’ 、26’’が活物質層5内に生じていることが確認できる。
(実施例の定量的評価)
比較例1,2に対応する実施例の定量的な効果を検証するため、図10に示したように試験片1、2を製作した。ここで、図10は試験片1、2の概略構成図である。すなわち、銅箔で構成されている負極集電体61の一方の表面(図10で左面)に凹凸を加工し、凹凸を加工した面に電極スラリーを塗布し乾燥させて負極活物質層62を形成した負極を製作した。その負極を測定機の一部をなすピース63に取り付けて、試験片1(実施例相当試験片)を製作した。上記の凹凸は応力発生部の代用である。一方、負極集電体の表面に凹凸を加工せず、一面に電極スラリーを塗布し乾燥させて負極活物質層を形成した負極を製作した。その負極をピース63に取り付けて、試験片2(従来相当試験片)を製作した。
そして、試験器に試験片1、2を別々にセットして集電体を引っ張ったときの剥離荷重を測定した。図11はこの結果をまとめたものである。図11に示したように、試験片1(実施例相当試験片)のほうが試験片2(従来相当試験片)より剥離荷重が約20%以上大きくなっている。
同様に比較例1,2に対応する実施例の定量的な効果を検証するため、図12に示したように試験片を製作した。ここで、図12は試験片3、4の概略構成図である。すなわち、負極集電体としての銅丸棒71の一端(図12で上端)の表面に凹凸を加工し、凹凸を加工した一端に電極スラリーを塗布し乾燥させて負極活物質層72を形成した負極を製作した。その負極を測定機の一部をなすピース73に取り付けて、試験片3(実施例相当試験片)を製作した。一方、銅丸棒の一端の表面に凹凸を加工せず加工しない一端に電極スラリーを塗布し乾燥させて負極活物質層72を形成した負極を製作した。その負極を、ピース73に取り付けて、試験片4(従来相当試験片)を製作した。
そして、試験器に試験片3、4を別々にセットしてピースを引っ張ったときの剥離強度を測定した。図13はこの結果をまとめたものである。図13に示したように、試験片3(実施例相当試験片)のほうが試験片4(従来相当試験片)より剥離強度が大きくなっている。
実施形態では、負極集電体が銅で、正極集電体がアルミニウムで構成されている場合で説明したが、この場合に限られるものでない。
#1 電極形成工程
#2 塑性加工工程
2 発電要素
3 負極(電極)
4 負極集電体(集電体)
5、6 負極活物質層(活物質層)
8 正極(電極)
9 正極集電体(集電体)
10、11 正極活物質層(活物質層)
13 セパレータ
22 ローラ(型)
23 凸部
25、27、29、31 穴
26 応力発生部
41 穴
42 応力発生部
43 先端部
51 穴
52 応力発生部
53 先端部

Claims (4)

  1. 活物質層が集電体の一方の面と他方の面に形成された状態で前記一方の面に形成された活物質層に円柱状の穴を有し、
    前記穴の先にあった集電体は前記他方の面に形成された活物質層の側に開裂し、
    前記開裂された集電体の先端は、前記他方の面に形成された活物質層を巻き込むように形成されることで、当該活物質層に対して、前記集電体の先端より前記開裂された集電体の周囲に向かう圧縮応力を発生させる応力発生部を有すると共に、
    前記集電体の先端により巻き込まれた活物質層は前記圧縮応力が作用している応力作用部位を有することを特徴とする電極。
  2. 前記圧縮応力は、前記集電体の先端より前記開裂した集電体の根元に向かうことを特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 前記集電体の前記他方の面より前記集電体の先端が前記他方の面に形成された活物質層の側に最も突出する部位までの距離は100μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極。
  4. 集電体に電極スラリーを塗布して乾燥させることで集電体の一方の面と他方の面に活物質層を形成する活物質層形成工程と、
    前記活物質形成工程の後に、前記片側の活物質層の厚さより高い円柱状の凸部を外周に多数設けてある、金型としてのローラを前記活物質層に対して上方からプレスすることによって前記一方の面の活物質層の面方向に円柱状の穴を穿つと共に、前記穴の先にあった集電体の一部が前記他方の面の活物質層の側に開裂し、開裂した集電体が前記他方の面の活物質層に圧縮応力を発生させる応力発生部を形成すると共に、開裂した集電体の先端により巻き込まれた活物質層は前記圧縮応力が作用している応力作用部位を有する塑性加工工程であって、前記凸部の回転に伴い前記凸部の回転方向前面と前記応力発生部とが接触する部位が、前記応力発生部の先端へとずれていきつつ、各接触部位において前記凸部から前記応力発生部に加わる力のうちの上向きの分力が、前記凸部が前記他方の面の活物質層から抜けるときに前記応力発生部の根元から先端へと働き続けることによって、前記応力発生部の先端が前記集電体の側に巻き込んだ形状になる塑性加工工程と、
    を含むことを特徴とする電極の製造方法。
JP2012168743A 2012-07-30 2012-07-30 電極及び電極の製造方法 Active JP6267855B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168743A JP6267855B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 電極及び電極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168743A JP6267855B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 電極及び電極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014026931A JP2014026931A (ja) 2014-02-06
JP6267855B2 true JP6267855B2 (ja) 2018-01-24

Family

ID=50200377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012168743A Active JP6267855B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 電極及び電極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6267855B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09134726A (ja) * 1995-11-07 1997-05-20 Ngk Insulators Ltd 電気化学素子の集電体、電気化学素子および電気化学素子の集電体の製造方法
JP3004246B2 (ja) * 1997-03-24 2000-01-31 片山特殊工業株式会社 金属シートの製造方法、該方法により製造された金属シート、電池用電極の製造方法および該電池用電極
JP4723737B2 (ja) * 2001-02-28 2011-07-13 株式会社東芝 ニッケル・水素二次電池用の正極、それを用いたニッケル・水素二次電池
KR101758405B1 (ko) * 2009-10-23 2017-07-14 에스 이 아이 가부시키가이샤 리튬 이차 전지 및 리튬 이차 전지용 집전박의 제조 방법 및 리튬 이차 전지용 집전박
CN102771007B (zh) * 2010-01-28 2014-12-10 三菱电机株式会社 电力储存器件单元及其制造方法、保管方法以及蓄电器件
JP2011165930A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Mitsubishi Electric Corp 電力貯蔵デバイス及び電力貯蔵デバイスの共通負極の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014026931A (ja) 2014-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6568532B2 (ja) 円筒状電気化学的電池及び円筒状電気化学的電池の製造方法
CA2778558C (en) Lithium secondary battery, method for producing power collection foil for same, and power collection foil for same
JP7212773B2 (ja) 二次電池及びその製造方法、電極部材及びその製造方法、集電体の製造方法
JP5006603B2 (ja) 非水電解質二次電池
KR101963313B1 (ko) 이차전지의 제조방법 및 전극 조립체의 제조방법
JP2014529165A (ja) 製造工程性の向上したジェリーロール及びこれを備えた電池セル
JP2008258145A (ja) 二次電池および二次電池の製造方法
JP6848645B2 (ja) 集電積層体
KR102168867B1 (ko) 다공 금속박의 제조 방법
WO2013031889A1 (ja) 電池用電極の製造方法
JP5500970B2 (ja) 金属箔と金属板との接合方法
US10629945B2 (en) Method for manufacturing secondary battery and method for manufacturing electrode assembly
JP6267855B2 (ja) 電極及び電極の製造方法
JP4986241B2 (ja) 電気化学デバイスおよびその製造方法
JP2013166182A (ja) 積層金属箔の製造方法およびこれを含む密閉型電池の製造方法、並びに密閉型電池
KR102060027B1 (ko) 적층 금속박의 제조 방법 및 이것을 포함하는 밀폐형 전지의 제조 방법, 및 밀폐형 전지
JP5856929B2 (ja) 角形二次電池およびその製造方法
EP4016723A1 (en) Electrolyte injection device and electrolyte injection method using same
KR101802297B1 (ko) 이차전지의 전극 제조 방법
JP6286861B2 (ja) 電極、電極の製造方法及び電池
JP2014035869A (ja) 電極の製造方法及び電極
KR102160554B1 (ko) 전극 및 그 전극의 제조방법
JP6369027B2 (ja) 電池用電極の製造方法
KR101157553B1 (ko) 접착력이 우수한 집전체를 구비하는 에너지 저장장치 및 이에 이용되는 집전체용 금속박
JP6145635B2 (ja) リチウムイオンキャパシタ用電極の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160829

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160905

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20161028

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6267855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150